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DECLARATION OF INTERNATIONAL
DECLARATION OF INTERNATIONAL CULINARY FRIENDSHIP 2013 in SCOTLAND
DECLARATION OF
I N T E R N AT I O N A L
C U L I N A R Y
FRIENDSHIP 2013
in SCOTLAND
ス コ ッ ト ラ ン ド・ シ ー フ ー ド
養 殖 場 視 察 レ ポ ー ト
I N F O R M AT I O N
一
Taste of
Scotland Seafood
シ ー フ ー ド の 宝 庫
スコットランドを視察
般
事
情
過去150年の間にたくさんの日本
人がスコットランドを訪れていま
す。また長崎にあるグラバ―邸で知
られる、トーマス・グラバ―のよう
に多くのスコットランド人も日本に
渡来するなど長い歴史があります。
We visited here!
スコットランド国際開発庁から
のご依頼により、平成25年7月21日
(日)~25日(木)
、スコットランド
の北部に位置するハイランド地方
を訪問し、大自然に囲まれた4つの
養殖場の現場を視察しながら、生産
者と料理人とができる環境保護に
ついての問題点などを話し合い、ま
たミシュラン・シェフのマルセロ・
トゥリーシェフとのクッキング・デ
モンストレーションでは、今回ご同
行いただいた外部理事の石鍋裕氏
に、和の食材を紹介しながら魚の扱
い方や料理をご披露いただき、スコ
ットランド・シェフ協会をはじめ養
殖場の方々との友好関係を深めて
参りました。
スコットランドの魚の王様
サーモンを世界に発信中
スコットランドには、約800の島
があり、そのうちわずか300の島
に住民が住む。イギリスの連合王
国の一つとして、グレート・ブリ
テン島の北部を占める。
養殖場視察前、スコティッシュ・
サーモンについてのプレゼンテーシ
ョンが行われ、スコットランドのサ
首都:エジンバラ
ーモン養殖業者をまとめるスコティ
南西部にはスコットランド最大の
ッシュ・サーモン・プロデューサー
都市グラスゴーや北と西に大西洋、
ズ・オーガニゼーション(SSPO)
東は北海、南はトゥウィード川とチ
のスコット・ランズバーグ会長より、
ェビオット丘陵を境界としてイン
ご説明いただきました。
グランドと隣接している。
面積:7万8133平方キロメートル
(北海道よりやや小さい)
人口:529.5万
言語:英語
2013年8月現在
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2012年~2014年の世界司厨士協会連盟
(WACS)グローバル・シェフズ・チャレ
ンジ&ハンス・ブッシュケン・ジュニアシ
ェフズ・チャレンジの公式スポンサーとし
てシェフの育成事業に協力している。
WACS WORLD NEWS
世界のイベント情報やWACS(世界司厨士協会連盟)の活動をお知らせしています
の状態を確認できるシステムが設置
されており、サーモンに負担がかか
らないよう水温は11~12℃に保ち、
7月22日(月)
生簀をコントロールしながら環境に
やさしい栄養バランスのとれたエサ
を与えている。
年間100トンものラングスティー
ヌ(手長エビ)を生産しているアソ
シエイティド・シーフーズ社に訪問。
手長海老、ロブスターなどを供給し
海に浮かぶスコティッシュ・
ており、主にイタリア、スペイン、
サーモン・カンパニー
フランスなどのヨーロッパへ生きた
養殖場を訪問
ままの状態で輸送している。スコッ
トランドでの漁獲方法の説明を聞き
ながら、新鮮なラングスティーヌを
試食させていただきました。
I n t e l l i g e n t
Aquaculture
長靴とライフジャケットを着用し
専用の船に乗り出発。
味が強く身がやわらかい香りのよ
い新鮮なラングスティーヌは、即調
理できることから人気。オマールよ
岸を離れて20分後に養殖場へと
り美味しいとも言われている。
到着。生産責任者のデッビット・テ
イラー氏が管理棟(バーチ)へと案
内してくれました。クリーンで快適
な室内には、海中カメラでサーモン
2011年のスコティッシュ・マリ
ン・アクアカルチャー・アワードを
受賞。漁師のプライドとして、今も
彼らの手によって、ヘブリディーズ
諸島の自然を守りながら無駄のな
い養殖を行い続けている。スコット
ランドは、2020年に向け、22万ト
ンの生産量を見込んでいる。
籠やビクを使った伝統的な漁法
で捕獲。肉づきの良いしまった身
は甘みが強く、スコットランド産
のロブスターは世界屈指の品質
を誇ると定評。
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DECLARATION OF INTERNATIONAL CULINARY FRIENDSHIP 2013 in SCOTLAND
MEMBER OF WACS
MARCELLO TULLY
スコットランド・シェフ連盟
(FCS)
は、1994年6月にスコットランドの
養殖場を視察した後、サーモンと
ラングスティーヌを使って、スコ
ットランドのミシュラン・シェフ、
マルセロ・トゥリーシェフと石鍋
シェフのクッキング・デモンスト
レーションを行いました。
スコティッシュ・サーモン・カンパ
ニーからサーモンをご提供いただ
き、まずは包丁さばきを披露。
多忙の中、協会活動のために、今
回ご同行いただいた外部理事石鍋
シェフの丁寧な対応に、技術だけ
でなく学ぶものがありました。海
外交流の場だけでなく、若手シェ
フ育成につないでいきたい。
シェフたちによって結成され、グラ
スゴーでは2年に1度、スコットホッ
ト国際料理大会を開催している。
日本から持ってきた和の食材(昆
布、ひじき、日本のお米やお酒、
醤油、米酢、山葵、山椒など)の
使用方法を説明しながら、サーモ
ンのコンフィ ひじき添えと、て
まり寿司を試食してもらいました。
AJCA 国際料理友好親善宣言書
日本の味付けや調理法に興味
津々のマルセロシェフ。お礼に
夕食をふるまってくれました。
「内閣府認定公益社団法人全日本司
厨士協会(AJCA)とスコットラン
ド・シェフ連盟(FCS)は世界司厨
士連盟(WACS)の様々な活動を通
し交流を深め、日本国とスコットラ
ンドの食文化の益々の発展に寄与
することを誓います。」
石鍋 裕
ISHINABE YUTAKA
1948年 横浜に生まれる。
日本で料理人としての経験を重ねた後、
大阪万
博を機にフランスに渡り、パリの「マキシ ム」
「ヴィヴァロア」
「ムーランド・ムージャン」な
どの一流有名店他、5年間のフランス修行を積
み、
食に関わる様々な分野で常に時代の先を行
く食のスタイルとアイデアを生み出してきた。
現在はメニュー開発や、ホテルレストランなど
のアドバイザーも務めている。フランス共和国
より農事功労章シュヴァリ工勲章も受勲。
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WACS メ ン バ ー The Federation of
Chefs Scotland(スコットランド・シェ
フ連盟)最高経営責任者のニール・トムソ
ン氏もクッキング・デモンストレーション
の様子を見に厨房へ来てくれました。
左から海外交流委員長岩崎氏、スコットラ
ンド・シェフ連盟トムソン氏、宇都宮会
長、外部理事石鍋氏。
WACS WORLD NEWS
世界のイベント情報やWACS(世界司厨士協会連盟)の活動をお知らせしています
7月23日(火)
7月24日(水)
スコットランドの海女さんを訪ねて
Kinloch Lodge Hotel をあとにし、
ウイスキー蒸留所
カニ、ラングスティーヌ漁師を
訪問、漁に参加。
スコットランドといえば、スコッ
チ・ウィスキー。スコットランド
北西部のスカイ島で生産される、
アイランドモルト「タリスカー」
を訪問しました。
タリスカーは、経験豊富な職人
たちによって忠実な味わいを保
っています。
こだわり抜いたタリ
スカーのウイスキーは、いつで
も最高のドラム ( 一杯) を作るこ
とを心掛けている。
獲れたラングスティーヌは、ハサ
ミで他の身を傷つけないよう、一
尾ずつ大きさ別に専用の箱へと
入れられ、引き上げたカゴは、新
たにエサ(ニシン)を仕掛けて海
に戻す作業を行う。
新たに発売される、スパイシーか
つエレガントな味わいで甘さとス
モーキーのバランスが絶妙のタリ
スカー・ストーム(アルコール度
数45.8%)
。その名のとおり、ス
カイ島の荒々しいストーム(嵐)
をイメージした光輝くゴールドの
ウイスキーを是非一度試してい
ただきたい。
キングスキャロップ(ホタテ貝)漁
を営むグラント家。船を先導し海
の様子を確認するのは、夫の役目。
潜りはじめて20分後、海から
船に上がり、「今日はよく獲れ
た!」と、獲りたてのホタテを
食べさせてくれた、ジェーン・
グラントさん。貝殻を見せなが
ら、ホタテ漁の話をしてくれま
した。現在、日本のホタテの養
殖にも興味があり学んでいる最
中。自然を守りながら収穫量を
増やしている。
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DECLARATION OF INTERNATIONAL CULINARY FRIENDSHIP 2013 in SCOTLAND
英国王室御用達のサーモン
ロック・デュート社訪問
醤油とワサビを添えて
英人の手で育てられた、
ウェスタ―・ロス社のサーモン
持続可能な手法で養殖されたスコ
ウェスター・ロス社の自然のまま
ットランド産サーモンは、世界でも
に育てられたサーモンは、抗生物質
賞賛されており、20年にわたりフラ
ンス公認の品質基準である「ラベル・
ルージュ」を獲得。繊細な風味が特
試食をしながらロック・デュート
社の養殖方法を教えていただき
ました。
徴でどんな調理法にも適しています。
ロック・デュート社へ到着するな
り、マネージング・ディレクターのニ
やホルモン剤を一切使用することな
く、自らの手で給餌しており、スコ
ットランド最古の独立系サーモン養
殖場として地域にも貢献している。
環境を尊重しできる限り自然の成
り行きに従い、人工的な介入を最
小限にした低密度の養殖方法に
よって、極上品質のスコットラン
ド産サーモンを生産する企業で
あり、FREEDOM FOOD(フリー
ダム・フード)の認証されている。
東京のレストランでも人気を集め
週に2~4t が消費されていると、
話をしてくれた最高経営責任者
のギルピン・ブラッドリー氏
ック・ジョイ氏より、
「まずは、当社
のサーモンをさばいていただきた
い。
」とのご要望。オフィスで働くメ
ンバーも厨房に集まり始め、
颯爽とエ
プロンを着けてナイフを手に取りサ
ーモンにナイフを入れはじめた石鍋
氏に注目。まずは皮をはぎ、
豪快且つ
丁寧に一枚ずつサーモンの身をおと
独自の養殖システムで健康なサ
ーモンを育てるため、8つの養殖
場を完備している。
す石鍋氏のさばき方を見ながら、
「今
までに見たことがない、素晴らしいさ
ばき方」と絶賛してくれました。
プレゼンテーションを行ったセー
ルス・マネージャーのローリー・ス
トーヴ氏と左側ニック・ジョイ氏
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視察最終日となったこの日の夕食
では、レストランのテーブルを借
りて、ウェスタ―・ロス社のサー
モンを炙りにして召し上がってい
ただきました。
WACS WORLD NEWS
世界のイベント情報やWACS(世界司厨士協会連盟)の活動をお知らせしています
スコットランド・シーフードの
サーモン[2~2.3㎏]を使ったあた
生産現場を視察して
らしいメニュー開発の取り組みも
前向きな姿勢であり、料理人とし
ウイスキー樽をチップにして燻
したスモークサーモンや海外で販
売されているキッコーマン醤油で
なければ出せない味のスモークサ
ーモンなどの紹介をしていただい
た、サマー・アイルズ・フーズのギ
ャリ―・プライス氏。
I N F O R M AT I O N
スコットランドの恵まれたすばら
て、今後の安心、安全な食材の使用
しい自然環境の中で育まれた海の幸
に対する方向性、料理の提供への示
の宝庫の現場を視察してきました。
唆を感じるものでありました。
世 界 の 魚 の 消 費 が 過 去30年 で
質の高いサーモンを供給するス
40%以上増加している中、自然の魚
コットランドの姿勢は、まさに時代
資源は減少している現状で、魚介の
が要求するものであり、経済性、効
養殖はその需要に応えるべく重要
率 性 を も 踏 ま え た 取 り 組 み は、
な産業となっています。スコットラ
WACS の FTP 活動に合致するもの
ンドは、40年前よりいち早くサーモ
であり、我々料理人としても、この
ンの養殖に取り組んでおり、効率化
スコットランド産シーフードの今
を駆使した生産体制の中、安心、安
後に大いに注目し、期待して、見守
全を第一に、ほどよい脂質が入った
りながら、さらなる発展へのできる
ソフトな歯ごたえの質の高いサー
かぎりの支援を惜しまない。
モンが育成され、日本を含め世界65
海外交流委員長
か国に輸出しているスコットラン
岩崎 勇
ド・サーモン養殖の実績は広く世界
に認められています。
WACS主催のグローバル・シェフ
ズ・チャレンジ、ハンスブシュケン・
ジュニアシェフズ・チャレンジのメイ
ンスポンサーの一つとして、各競技に
必要なサーモンやラングースティンを
協賛いただいており、その名はWACS
メンバーにも広く認知されています。
今回3か所のサーモンの養殖場、
ラングースティン、ロブスター、ホ
タテ貝の漁場とその収穫、その他出
荷にいたる現場をつぶさに視察で
きたことは、私自身の素晴らしい経
サーモンだけでなく、サバ、ア
ジ、ニシンの生産にも力を入れてい
るスコットランド。今回は水産企業
クローン・シーフーズの最高経営責
任者マイケル・クローン氏とスコッ
験であり発見でありました。出来る
だけ自然に近い餌やストレスを抑
えた自然環境に近い状態での飼育、
持続可能な生産、収穫体制を配慮し
た計画的な体制は将来を見据えた
素晴らしいものでした。訪問した漁
トランド・ペラジック・プロセッサ
場、養殖場で、共通してまず印象深
ーズ協会のイアン・マクファデン会
いことは、収穫に際し、無理せず自
長にもお話しを伺いました。特有の
然と対話し融合しながら、国の厳し
強い風味を持つサバもヘルシーな
い基準を順守して、独自に何が一番
食品として世界で評判が高まって
マーケットで求められているかを
おり、来年には日本でもサバのイン
考慮しながら取り組んでいる姿勢
ストアプロモーションを行う予定。
に感銘を受けました。
とかく効率性、コストを最優先し
資料提供:
ての生産、収穫が多い中、安定供給
スコットランド国際開発庁
も視野に入れ、将来性を考えた若い
SPECIAL THANKS
SCOTTISH DEVELOPMENT
INTERNATIONAL
スコットランド国際開発庁
Scottish Salmon Producers’
Organization
The Scottish Salmon Company
Seafood Scotland
Associated Seafoods Ltd
Loch Duart Ltd
Wester Ross fisheries Ltd
W&J Grant
TALISKER
Federation of Chefs Scotland
Executive Chef Mr. Marcello Tully and
Kitchen Chef / Kinloch Lodge
Summer Isles Foods
Scottish Pelagic Processors
Association
Croan Seafoods Ltd
株式会社水産経済新聞社
株式会社柴田書店
バスドライバー
現地通訳
以上の皆様に心より御礼申し上げ
るとともに、今後の協会活動にご支
援ご協力いただきますようお願い申
し上げます。
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