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ダイジェスト版 CSRレポート2008

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ダイジェスト版 CSRレポート2008
CSRレポート
2008
Corporate Social Responsibility Report
編集方針
当社は、
CSR(企業の社会に対する責任)に関する取組みを
広くお伝えするために、
CSRレポートを発行しています。
当社の基本理念である
「人間」、
「地球」、
「社会」の3つの
エナジーを軸に、原油の探鉱からJOMOステーションでの
販売までの石油関連事業におけるCSR活動の取組みを紹
介しています。それぞれにおいて特徴的な取組みについて、
関わりのある方へのインタビューを交えた特集記事を掲載
しています。
報告対象範囲
株式会社ジャパンエナジーの活動を中心として、ジャパンエナ
ジーグループ全体やグループ会社の活動についても一部記載し
ています。財務データはジャパンエナジーグループ連結子会社も
対象としています。環境関連データ、中期環境計画および環境会
計については、株式会社ジャパンエナジーと鹿島石油株式会社を
対象としています。
報告対象期間
2007年4月1日∼2008年3月31日。一部2008年4月以降
また、昨年度のCSRレポートに対して
「第三者意見」
および
アンケート等でご指摘いただいたご意見をできる限り誌面に
反映するよう努めました。
の内容も含んでいます。
参考にしたガイドライン
環境省の環境報告ガイドライン
(2007年版)
を参考にしていま
す。環境会計については、環境省の環境会計ガイドライン
(2005
年版)
および
(財)
石油産業活性化センター
「石油産業への環境会
計導入に関する調査」
(2000年)を参考にしています。
冊子とWebサイトでの報告について
CSRレポート2008は、冊子およびWebサイトによって構
成されています。冊子は、社会的に関心が高いと思われる内
容や重要度が高く報告すべきだと当社が考えている内容に重
点(マテリアリティ)
を置き、記載項目を絞ることで、わかりや
すく読みやすく記載するよう心がけました。
Webサイトには誌面の都合で冊子に掲載できなかった内
容など、さらに詳しい情報を掲載するとともに、関連する
Webサイトへのリンクや見出しをつけて、検索性を高めて
います。
http://www.j-energy.co.jp/cp/csr/report/2008/
社名である
「ジャパンエナジー」
は、エネルギーの安定供給という当社の社会的使命を
「日本を代表するエネル
ギー企業」
として表すとともに、技術開発および新規事業展開の
「活力
(エナジー)
」
を表現しています。
「JOMO」
は
「Joy of Motoring
(運転する喜び)
」
「
、Joy of Movement(成長・進歩していくことの喜び)
」
を表す造語です。
マークの球形の部分は
「地球」
を表し、ブルーからグリーンへ変化する色合いは、水と草木という
「澄みきった
地球環境」
を表現しています。四角は
「天」
を表し、レッド・オレンジからイエローへの色合いは、新時代の夜明
けを表現しています。両者の組合せが、地球と環境に対する深い配慮を払いつつ、新時代に向かって動く姿を
象徴しています。
2
ジャパンエナジー CSRレポート2008
CONTENTS
トップメッセージ ....................................................................................................................................... 4
基本理念・行動指針 .............................................................................................................................. 6
企業情報 ....................................................................................................................................................... 7
コーポレート・ガバナンスとマネジメント ............................................................................... 8
人間
のエナジー
Energy in
People
10
地球
のエナジー
Energy of the
Earth
16
社会
のエナジー
Energy of
Society
26
女性がいきいきと
働けるように
....................................................................
社員とともに
11
....................................................................................................
CLOSE UP
地球温暖化防止に向けて
.............
環境保全活動の方針・体制・目標
14
17
.........................................................
20
環境負荷低減への取組み .......................................................................... 22
さまざまな環境配慮に関する取組み ................................................. 24
CLOSE UP
地域や社会に信頼される
企業を目指して
........................................................
27
お客様への配慮 ............................................................................................... 30
社会とともに ...................................................................................................... 32
.................................................................................................................................................
34
......................................................................................................................................................
35
第三者意見
用語解説
CLOSE UP
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
3
トップメッセージ
あたたかく活力ある人間社会の実現のために
私たちジャパンエナジーは、原油の探鉱・開発・生産といった上流分野から
石油製品・石油化学製品の製造・販売にいたる下流分野までの事業を一貫して行うエネルギー企業です。
産業やくらしに必要なエネルギーをお客様に安全に、安定してお届けすることを重要な使命としています。
基本理念
「エナジーの創造」
を原点として
私たちは、社会の一員として、信頼され、必要とされる企
業であり続けるために、
1997年4月、当社のあるべき姿と
進むべき方向を明確にし、役員社員の共通の価値観とするた
め、基本理念
「エナジーの創造」
とこれを実現するための行動
指針「5つの約束」
を策定しました。
「エナジーの創造」
は、社
名の「エナジー」
をキーワードに、人間・地球・社会とのかかわ
りの中で、
「人間のエナジーを育てる」
、
「地球のエナジーを
有効に活用する」、
「社会のエナジーになる」
ことを常に意識
しつつ、
「あたたかく活力ある人間社会の実現をめざす」
と
の、当社の強い意志を表したものです。
この「エナジーの創造」の実践を基本とした事業活動その
ものが、すなわち、当社のCSR活動と考えています。
3つのエナジーとCSRの取組み
●人間のエナジーを育てます
基本理念の実践にあたっては、担い手である役員社員一人
ひとりが目的を共有し、その実現に向けて日々努力を重ねて
います。
中でも、JOMOステーション・特約店・当社が一体となり、
チームJOMOとして取り組んでいる
「CS経営」
では、JOMO
ステーションの店頭スタッフから経営トップにいたるまで全員
が
「おもてなしの心」
を共有し、
「卓越したCSの実現」
を目指し
ています。
「お客様に支持されるお店づくり」
(
「Value Style
ステーション」
)
を積極的に展開するとともに、豊かな人間性
を育む人材育成プログラムを通じて従業員の成長を促し、す
べてのお客様にご満足いただけるよう努めています。
一方、お客様が求める満足の実現は、会社イメージやブ
ランド価値の向上につながり、社会からの高い評価は、従業
員の誇りや喜びにつながることとなります。
「CS経営」
は、お
客様の満足と従業員の満足との相乗効果によってさらに深
まるものと考えています。
加えて、製油所・工場で取り組んでいる全員参加の「TPM
活動(Total Productive Maintenance:全員参加の生産
保全)」
など、事業活動におけるそれぞれの機能・職場の特徴
を生かした取組みを実践する中で、社員一人ひとりの個性や
4
ジャパンエナジー CSRレポート2008
能力が活かされ尊重される組織風土の醸成、男女の別なく
ます。寄付金は児童養護施設や母子生活支援施設、里親家庭
多様な人材が各人の特質を伸ばし活躍できる闊達かつ働き
の子どもたちが高校を卒業し、進学する際の奨学金として活
やすい職場環境づくりにも力を入れています。
用されています。今後もこのように社会に求められる取組み
を続けていきます。
●
地球のエナジーを有効に活用します
私たちの主力製品である石油は、有効に利用すべき限り
ある資源であると同時に、その生産・消費において地球温暖
国連グローバル・コンパクトへの参加
当社は、国連グローバル・コンパクトの提唱する人権・労働・
化など環境への負荷が大きいという性格を持っています。
環境・腐敗防止にかかる10原則を支持し、日本におけるロー
2008年は京都議定書の第一約束期間のスタートの年であ
カル組織であるグローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワー
り、7月には洞爺湖サミットが開催されるなど、地球温暖化防
クの一員として、自社の事業活動を通じて国際的な課題解決
止に向けた取組みの正念場ともいえます。当社としても、地
に取り組むとともに、他の参加企業とその活動成果の共有を
球環境の保全を重要な経営課題として認識し、エネルギー
図っています。
消費量削減などの具体的数値目標を定めた
「中期環境計画」
のもと、地球温暖化防止に向けた各種の取組みを実践して
まいります。
さらなるCSR活動の推進に向けて
2007年6月、基本理念制定から10年が経過したことを
「5つの約束」
の中で掲げている
「どのような状況にあって
受けて、CSRに関する社員意識調査を実施しました。その結
も
『環境』
と
『安全』
を最優先する」
に基づき、原油の開発・生
果は、CSR活動に対する社員の意識・行動はまだまだ十分
産、精製、物流、販売といった事業活動のすべての過程やサ
なレベルにはなく、基本理念の浸透にはさらなる努力が必要
プライチェーン全体にわたり、省エネルギーの推進や環境負
と、予想していたよりも厳しいものとなりました。私たち経営
荷の低減、安全管理・危機管理体制の整備など、地球環境と
層からの直接の情報発信や、基本理念の意義付け、CSR活
安全に配慮した活動を実践するとともに、次世代エネルギー
動の成果について社内に効果的に伝える仕組みが不十分で
の研究・開発、バイオガソリンなど環境負荷の少ない燃料油
あったとの反省に立ち、2008年2月から役員が支店や事業
や潤滑油、石油化学品分野での環境配慮製品の市場化に積
所を訪問して、基本理念やCSR活動に関する社員との意見
極的に取り組んでいます。
交換会を実施しています。役員が自らの言葉で説明し、出席
さらに、自治体・NPO等と協働し、森林整備の資金を提供
者と率直に意見を交わすことによって、社員の基本理念に対
するほか、社員も森林ボランティアに積極的に取り組んでお
する理解が深まり、一人ひとりの自主的かつ主体的な実践に
り、二酸化炭素吸収源として、また多様な生物を育む森林の
つながるものと期待しています。
環境保全に注力しています。
また、社員との双方向のコミュニケーションにつながる情
報誌「えなじing(えなじん)」
を2008年4月から季刊で発行
● 社会のエナジーになります
当社は、エネルギー企業としての事業活動を通じて社会の
し、社員から寄せられた意見を取り入れつつ、CSR活動の一
層の充実を図ることとしています。
要請に応えていくことはもとより、スポーツ・文化の振興、児
童・障害者福祉を重点分野としたさまざまな社会貢献活動を
当社は、基本理念
「エナジーの創造」
のもと、経営トップから
展開するとともに、社員のボランティア活動を積極的に支援
社員一人ひとりにいたるまで、よき企業市民として誠実に行
しています。
動し、ステークホルダーの皆様との真摯かつ透明性の高いコ
その中で特に歴史があり、当社の特色を生かした活動が、
JOMO童話賞とJOMO童話基金です。
「心のふれあい」
を
テーマに童話作品を公募して絵本とする活動は、今年で39
回目を迎えました。1992年には
「JOMO童話基金」
を設立
し、特約店の方々のご協力も得て、作品集「童話の花束」の売
上金を社会福祉法人全国社会福祉協議会に毎年寄付してい
ミュニケーションを図り、持続可能な社会の実現と企業として
の成長を目指してまいります。
2008年8月
株式会社ジャパンエナジー
代表取締役社長
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
5
基本理念・行動指針
当社の基本理念「エナジーの創造」
は、当社の進むべき方向とあるべき姿であり、
その実現に向けて役員社員が共有すべき価値観・心構えを示したものです。
また、行動指針「5つの約束」
は、基本理念を実践するための行動基準を示しています。
役員社員一人ひとりが日々これを念頭において行動することが、当社のCSR活動の基本となっています。
ジャパンエナジー基本理念・行動指針
(1997年4月制定)
(ジャパンエナジー基本理念)
エナジーの創造
あたたかく、活力ある人間社会の実現をめざします。
人間ひとりひとりの想像力と創造力を尊重します。
人間のエナジーを育てます。
ジャパンエナジーは、
地球の環境は、
人間の現在、
未来の基本です。
地球のエナジーを有効に活用します。
ジャパンエナジーは、
事業の実績、
信頼、
責任を見直し、
新しい価値、
成長を発見します。
社会のエナジーになります。
ジャパンエナジーは、
(ジャパンエナジー行動指針)
5つの約束
「エナジーの創造」
を実践するために。
■仕事は、
オープンに徹し、
ひとりの市民として良識をもって行動します。
■どのような状況にあっても
「環境」
と
「安全」
を最優先します。
■実行力、
チームワークで、
革新的な技術、
商品、
サービスを提供します。
■お客様の新しい満足を積極的に探求し、
実現します。
■グループ企業と目的を共有して、
利益ある成長を達成します。
6
ジャパンエナジー CSRレポート2008
企業情報
会社概要
社名
株式会社ジャパンエナジー
代表取締役社長
松下 功夫
本社
〒105-8407
従業員数
2,490名
(2008年3月31日現在)
東京都港区虎ノ門二丁目10番1号
主な事業内容
創業
1905年12月
設立
2003年 4月1日
資本金
480億円 ※ 新日鉱ホールディングス株式会社の全額出資
売上高の推移
(億円)
連結
経常利益の推移
単体
30,000
20,000
24,121
27,557
22,258
25,526
31,939 30,292
連結
900
単体
990
799
819
678
616
523
300
0
0
2005
2006
2007
連結
2007
2006
(年度)
従業員数の推移
単体
988 855
2005
(年度)
営業利益の推移
900
(億円)
600
10,000
(億円)
石油、天然ガスの探鉱・開発・生産
ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、
LPガス、潤滑油等の製造・販売
石油化学製品等の製造・販売
連結
(人)
4,500
759
600
629
625
3,000
531
単体※
4,225
4,196
3,999
2,519
2,476
2,490
1,500
300
0
0
2005
2006
2007
2005
(年度)
2006
2007
(年度末)
※ 従業員数の単体には関係会社等への出向者を含みます。
新日鉱グループについて
新日鉱グループは、純粋持株会社である
「新日鉱ホールディン
業を展開する総合資源・エネルギー企業グループです。
グス株式会社」
のもと、石油事業
(株式会社ジャパンエナジー)
と
新日鉱グループが展開する事業は多岐にわたります。インフラ
金属事業
(日鉱金属株式会社)
を2大中核事業と位置付け、石油・
向けの基礎素材から、ナノテクノロジーを駆使した最先端のIT関
石油化学、非鉄金属、電子材料など、世界の産業や人々の生活を
連材料まで、事業特性・ライフステージがそれぞれ異なる事業を
支える基礎材料を安定的・効率的に供給することを使命として事
擁するユニークな企業グループであるといえます。
ジャパンエナジーグループ
(石油事業)
新日鉱ホールディングス
日鉱金属グループ
(金属事業)
独立事業会社および機能サポート会社
ホームページに掲載している項目
2007年度の業績について
総資産の推移
主な関係会社
組織図
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
7
コーポレート・ガバナンスとマネジメント
当社は、純粋持株会社である新日鉱ホールディングス株式会社の傘下で、新日鉱グループの方針のもと、
CSR、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメントなどに取り組んでいます。
グループ経営体制とコーポレート・ガバナンス
内部統制を強化する体制を整備
当社は、新日鉱ホールディングス株式会社を純粋持株会
新日鉱グループは、2006年5月の
「新会社法」
の施行や
社とする持株会社体制の下で、石油事業を担う中核事業会
2008年4月以降の開始事業年度から上場会社を対象とし
社と位置付けられています。
て金融商品取引法に基づく
「財務報告に係る内部統制評価
新日鉱グループは、グループ総体としての効率的経営、
制度」
が義務付けられることに備え、内部統制に関する法改
経営資源の最適配分などを通じ企業価値の向上を図るた
正・制度制定に適正に対応し、その準備作業および運営を
め、事業運営に関する各事業会社の自主性を尊重しつつ、
円滑かつ体系的に推進していくために、2006年4月、新日
グループの経営管理を行う体制をとっています。
鉱ホールディングス株式会社に
「内部統制推進室」
を設置し
当社は、親会社である新日鉱ホールディングス株式会社
ました。あわせて、グループ全体の内部統制に関する体制
との間において、
「新日鉱グループ経営会議」
で中・長期経
整備ならびにその計画、文書化、評価の実施などについて
営計画の意識統一を図っています。また、グループ運営に
の方針を、新日鉱ホールディングス株式会社および当社を
関する基本契約を結び、新日鉱ホールディングス株式会社
含む中核事業会社間で横断的に審議・検討するため、
「グ
の当社に対する経営管理基準を明確化しています。
ループ内部統制委員会」
を設置しました。
また、当社は、新日鉱グループの一員としてコーポレート・
ガバナンスに取り組んでいます。新日鉱ホールディングス株
当社も、内部統制委員会を設置し、2008年度決算に備
え、内部統制に関する体制整備を推進しました。
式会社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方
は、持株会社体制の下で、基本的にグループ経営と事業執
行とを分離することにより、効果的なグループ事業の統制
機能と経営の透明性を確保することです。
当社は、迅速な意思決定の実現および役員体制を簡素化
するために、
「取締役会」
、
「監査役会」
に代わる機関として
「役員会」
および
「監査役協議会」
を設置しています。さらに、
基本理念・コンプライアンス推進体制
1997年の基本理念制定以来、当社は社長を議長とする
「基本理念推進会議」
を原則として毎月開催し、各部の管掌・
担当役員全員がメンバーとなり、基本理念およびCSRに関
する課題等について検討しています。
2003年には、下部組織として
「コンプライアンス委員
2007年6月、常勤監査役を増員し、監査体制の充実を図
会」
を設置し、子会社を含めた全社的な教育・啓発活動方針
りました。
などを策定しています。
また、当社は、すべての部室・支店・事業所に基本理念推
新日鉱グループ理念
2008年5月、新日鉱グループCSR委員会において、
グループにおける理念の体系が整理・確認されました。
なお、
「新日鉱グループ理念」
は、当社の基本理念を包含
しています。
進責任者を配置し、毎年設定するコンプライアンスおよび
基本理念・コンプライアンス推進体制
社長
各部
基本理念推進責任者
基本理念
推進会議
各事業所
基本理念推進責任者
新日鉱グループ理念
各支店
基本理念推進責任者
資源・素材・エネルギーの安定的・効率的供給と有効活用に努
め、より良い地球環境と持続可能な社会の構築に貢献します。
事務局
(CSR推進部)
コンプライアンス
委員会
8
ジャパンエナジー CSRレポート2008
基本理念
なんでも相談室
外部通報窓口
CSR活動に関する重点テーマに基づき活動を実践していま
リスクマネジメント
す。その取組状況を半期ごとに基本理念推進会議とコンプ
リスクマネジメントは、リスクアセスメント
(事前対応)
、リ
ライアンス委員会に報告することとしています。さらに、コン
スクコントロール
(発生時対応)
およびリスクコミュニケー
プライアンス委員会では、子会社を含めて全社のコンプラ
ション
(広報対応)
に区分されますが、当社は特に未然防止
イアンス状況を年1回調査し、必要な措置を講じています。
のためのリスクアセスメントに重点を置いています。事業活
動において最もリスクの高い製油所の製造装置について
は、HAZOP※手法で評価を行っています。
コンプライアンス基本方針
2004年5月に制定したコンプライアンス基本規則では、
※ HAZOP
(Hazard and operability study)
: プロセス安全性評価の一手法。
経営トップが率先し、役員社員一人ひとりが公の立場に立
ち、法令遵守はもとより社会規範・企業倫理に則って誠実に
大規模地震における事業継続計画
(BCP※)
行動するものとしています。そのため、企業の組織風土を
当社は、2007年4月、首都直下型大地震の発生に備え、
継続的に変革するとともに、不正防止、責任体制の確立に
事業継続に関する基本方針などを定めた事業継続計画を策
取り組むことを基本方針とし、守るべき具体的基準を明確
定しました。
にして徹底を図っています。
本計画策定の目的は、事業継続の対応策の基本を定め、
新日鉱ホールディングス株式会社においては、グループ
これにより当社ステークホルダーの人的・物的被害の未然防
コンプライアンス体 制をより一 層 充 実・強 化するため、
止あるいは最小化、必要とされる事業の継続および速やか
2006年5月、グループコンプライアンス基本規則を制定
な復旧を図ることであり、次の3点を基本方針としています。
し、新日鉱グループコンプライアンス委員会でグループの
① 社員をはじめ当社ステークホルダーの安全を最優先に、
コンプライアンス推進状況を把握しています。
災害復旧と二次災害の防止に努める。
② 顧客・取引先のニーズに応え、製品供給の継続に全力を
国連グローバル・コンパクトへの参加
当社は、2002年7月より
「国連グローバル・コンパクト
(地
球規模の誓約。以下
尽くす。
③ 石油会社としての社会的責任を認識し、被災地域の復旧
に貢献する。
「GC」
)
の提唱する人
権、労 働、環 境、腐 敗
2007年度は、首都直下型大地震が発生したとの想定の
防止の4分野10原則
もと、本社に非常対策本部を設置し、社長を本部長として訓
を支持しています。
練を実施しました。また、従業員に対して、緊急用メール送
GCの提唱する10
受信システムによる安否確認訓練を実施しました。
原則について詳しく
は、グローバル・コン
※ BCP:Business Continuity Plan
パクト・ジャパン・ネッ
トワ ークの ホ ー ム
ページをご参照くだ
さい。
http://www.ungcjn.org/
首都直下型大地震を想定した訓練の様子
ホームページに掲載している項目
個人情報保護の教育研修
コンプライアンスの具体的基準
「基本理念なんでも相談室」
コンプライアンス教育の推進
情報セキュリティ管理
災害の未然防止と緊急事対応
アスベストに関する調査と対策
事故およびトラブルのご報告
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
9
人間のエナジーを育てます
企業が活性化していくための源は、社員一人ひとりの想像力と創造力です。
そして、その基盤にあるのは、社員がいきいきと働ける職場であること
です。当社は、社員のエナジーを育てることが会社の発展にもつながる
という基本方針のもと、人事制度・教育制度を充実させています。
その一環として、女性が働きやすい環境づくりにも力を入れています。
想像力と創造力を鍛える
やりがい、喜びを持つ
能力開発に取り組む
人間力が養われ家族を思いやり、
社会へ良い商品を提供
充実した仕事、
活力ある生活を
実現する
家族や社会から感謝・評価
活力ある人生の糧
10
ジャパンエナジー CSRレポート2008
C
L
O
S
E
–
U
P
女性がいきいきと働けるように
女性従業員がその素質や能力を存分に発揮し、いきいきと働けるように、
ジャパンエナジーでは制度の整備や風土の醸成に努めています。
当社は、
フラットな組織と、
透明・公正な人事評価のもとで、
社員の個性・意欲を尊重した配置・育成を行い、一人ひとり
がその能力や適性を最大限に発揮できるよう努めています。
その一環として、女性社員がいきいきと働ける環境を提供
するために、各種制度の整備や風土の醸成に取り組むととも
に、約20年前から女性を積極的に採用しています。今日で
は課長職や係長職として活躍する女性も増え、将来の経営
を担う人材が出てくることも期待されています。
また、2006年には、社長による年頭挨拶の中で、女性が
活躍できる場を提供することを宣言し、全社を挙げた組織的
な取組みとして推進しています。現在では、本社留学制度
(国
人間のエナジー
女性が活躍できる職場づくりを
全社的に推進
育児・介護に関する主な制度の概要
育児関連
①育児休業
子が2歳に達するまで取得可能。
原則無給であるが、育児休業開始日から最大5日間を有
給とすることができる。
②勤務時間短縮措置
子が小学校4年の始期に達するまで適用可能。
1日につき勤務時間を最大2時間短縮できる。
③子の看護休暇
子が中学校の始期に達するまで、年間5日間を限度とし
て取得可能。
④子の看護のための積立年休※の活用
子が中学校の始期に達するまで、年間5日間を限度とし
て取得可能。
内大学留学)
を活用する女性や、海外で勤務する女性が出て
くるなど、活躍の舞台が着実に広がっています。
介護関連
①介護休業
女性メンバー中心のプロジェクトが発足
出産・育児に関する制度や仕組みを分かりやすく解説した
手引書の作成プロジェクトが、女性メンバーを中心として発
足しました。手引書は、出産を控えた女性社員に活用しても
らうほか、上司や同僚が知っておくべき内容にも触れており、
職場全体でフォローができるように工夫しています。
対象家族1人につき365日間まで取得可能。
②勤務時間短縮措置
対象家族1人につき365日間まで取得可能。
1日につき勤務時間を最大2時間短縮できる。
③介護のための積立年休※の活用
30日間まで取得可能。
※ 積立年休:取得されずに消滅する年次有給休暇を別途積み立てたも
のであり、特定の目的のために取得する有給休暇です。
また、女性社員の有志がインフォーマルなコミュニティー
を自主的に立ち上げ、職位・職場を越えて和気あいあいと話
し合える場として機能しています。
私 た ち が 取り組 む こと
次の女性たちの目標となるように、存分に活躍してください 総務人事部長
小川 俊彦
米国の現地法人で勤務した際に、数多くの部署でいきいきと働いている女性を
目の当たりにしました。当社でも、国内外の先進的な企業の事例を参考にしながら、
さらに働きやすい環境づくりに努めていきます。幸いにして優秀な人材が揃ってお
りますので、そのポテンシャルを存分に発揮できるようバックアップしていきたいと
考えています。
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
11
人間のエナジー
1
本 社 留 学 制 度( 国 内 大 学 留 学 )利 用 者 の 声
仕事に厳しく家庭も大切にする、
そんな、しなやかな強い女性を目指して
就職先に選んだ第一の理由は、
本社留学制度があったから
私は、小学生の頃から
「化学の力で自然環境を守りたい」
自分の意見を主張できる
研究者を目指して
入社2年目とまだまだ駆け出しの私ですが、今は仕事に
と思い続けていたので、高校は工業高校を選びました。就
夢中です。上司や先輩たちが、実験条件などについて真剣
職先を選ぶにあたって、担任の先生から
「高卒社員が夜間の
ながらも楽しそうに議論をしている姿がとても魅力的で、
大学に通うことを支援する制度がジャパンエナジー
にある」
と聞き、ぜひ入社したいと思いました。
私もこれから積極的に自分の意見を出していける
ようになりたいと思っています。
実際に、入社2年目の2008年4月からこ
ただ、仕事に厳しい上司や先輩たちも、普
の本社留学制度を利用して学費や教科書代な
段の会話からは、男性ながら家庭や自分の生
どを支援してもらい、働きながら大学に通って
活をとても大事にしていることが伝わってきま
います。また、授業に間に合うように就業時間も
配慮してもらっています。
す。私は自分のことを仕事一筋で生きていくタ
イプだと思っていたのですが、この職場で働くうち
大学では、これまで学んできた工業化学の知識を深める
に、結婚もしたいし、子どもも欲しいと考えるようになりま
ため、理学部の化学科を専攻していますが、帰宅してから課
した。将来はうまく両立させて、しなやかな強さを持つ女性
題を片づけたり、レポートをまとめたりすると深夜になるこ
に成長していきたいですね。
ともあります。体力的にはきつい面もありますが、高度で専
門的な知識を学ぶことができ、職場の上司や先輩にも応援
してもらえることが、励みになっています。
精製技術センター(埼玉県)
村越 早栄子
(2007年入社)
精製技術センターの精製
プロセスグループで、重質
油を軽質化する今までに
ない新しいプロセスを研
究開発中。
12
ジャパンエナジー CSRレポート2008
Japan Energy
(Singapore) Pte Ltd.
大下 未来
(2004年入社)
航空燃料油・石炭の販売
代行業務や日本からの石
油 製 品 の 輸 出など、多 岐
にわたって活躍中。
2
海外赴任者の声
取引先との密なコミュニケーションにより
海外マーケットを開拓
東南アジアの石油市場の中心地で
世界情勢を追いかける日々
結婚・出産・育児を視野に入れ、
自分に余裕があるときには周りのサポートも
2008年4月にシンガポールに赴任し、まだ新しい業務
入社当初から、取引先やお客様と直接コミュニケーション
や分野について勉強している段階ですが、社内の多くの人
が取れる営業職を希望していたこともあり、海外赴任にも
に支えられながら、毎日楽しく仕事に励んでいます。
魅力を感じていましたから、シンガポールで営業担当者とし
シンガポールは東南アジアの石油市場の中心で
あり、その地理的な優位性を生かして、取引先と
の関係の強化や新規取引先の開拓にあたるの
て働けると聞いたときは嬉しかったですね。海外赴
任に際しては、社内の語学教育制度がとても役
に立ちました。
が私の仕事です。アジアのハブとしての地位
もともと欲張りな性格なので、今後は仕事
にあるシンガポールで、世界の情勢を追いな
を続けながら、結婚・出産・育児も視野に入れ
がら、取引先のニーズをいち早く本社へ発信で
きることにやりがいを感じています。その一方で、毎
ていきたいと思っています。幸い当社は、女性が
柔軟に働ける環境づくりに積極的に取り組んでいて
日受け取る膨大な情報の中から、どの情報が役に立つのか、
くれます。周りの方々には迷惑をかけてしまう時期もあるか
かつそれらがどのような影響を及ぼすのかを迅速に判断し
もしれませんが、自分に余裕があるときには周りを積極的に
なければいけませんので、難しさも感じています。
サポートすることで、恩返ししていきたいと考えています。
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
13
人間のエナジー
〈写真中央〉
人間のエナジー
社員とともに
当社は、一人ひとりが持てる力を十分に発揮できる職場を目指し、
透明で公正な評価制度を整え、社員の意欲を尊重した人事制度を運用しています。
社員の意欲を尊重した配置・育成
1999年から導入している
「自己申告制度」
は、専門性や
将来のキャリア形成の希望といった業務に関する考えだけ
でなく、勤務地や個別事情に関わる要望について、年1回定
期的に社員が総務人事部に申告する制度です。
従業員数の推移(年度末)
男性
(名)
3,000
女性
2,519
2,000
212
1,000
2,307
2,476
217
2,490
225
2,259
2,265
0
本人の適性および能力を踏まえるとともに、意思や希望
2005
にも配慮し、社員一人ひとりがやりがいを持って、自分の力
2007
2006
(年度)
を最大限発揮できるような配置・育成を推進しています。
新卒採用者数の推移
(名)
女性が活躍できる職場づくり
当社は、女性社員がいきいきと働くことのできる職場環
境づくり、さらには女性社員が活躍できる職域の拡大を進
めています。
女性の採用拡大や積極的な配置転換を行うとともに、制
80
男性
女性
73
60
16
55
13
40
40
8
20
0
2006
57
42
32
2008
2007
(年度)
度改正やそれに伴う従業員全体の意識統一を図るなど、女
性社員が活躍できる風土の醸成を進めています。
管理職数と男女別比(年度末)
(名)
定年退職者の
「再雇用制度」
を導入
当社は、高年齢者雇用安定法の改正を受け、2006年度
男性
600
女性
607
1
645
699
4
4
400
から60歳で定年退職する社員のうち、希望者全員を対象と
200
する
「再雇用制度」
を導入しました。この制度によって、個々
0
641
599
2006
2007
23.0
23.4
22.6
17.5
17.4
16.5
2005
2006
2007
2005
の社員が培ってきた豊富な経験や優れた技能を再雇用後の
695
(年度)
職場で活かせるだけでなく、技術の伝承にもつながると期
待しています。
平均勤続年数(年度末)
(年)
なお、2007年度の再雇用者数は、定年に達した者19
名のうち、
14名となっています。
障害者雇用を促進
当社では、2008年3月31日現在、障害を持つ社員が
男性
女性
30
20
10
0
(年度)
32名
(雇用率1.97%)
働いています。なお、2007年度の
平均雇用率は、1.86%となりました。
今後も、障害を持つ社員にとって働きやすい職場環境づ
くりに取り組み、障害を持つ方々の雇用を積極的に行うこと
障害者雇用率の推移(年度平均)
(%)
2.0
により、さらなる雇用率の向上に努めていきたいと考えて
1.5
います。
1.0
1.77
1.90
1.86
2006
2007
0.0
2005
14
ジャパンエナジー CSRレポート2008
(年度)
労働災害件数
労働安全衛生については、毎年度社長から示される安全
(年度)
(件)
2003
2004
2005
2006
2007
衛生管理方針に基づき、各事業所・支店などにおいて取組
休業災害
0
1
2
0
1
みの徹底が図られています。
不休業災害
2
3
3
3
0
2007年度は、潜在している災害要因を見つけ出して改
善する活動を進めながら、ヒューマンエラーを原因とする労
メンタルヘルスケア
働災害の防止に注力するとともに、各事業所において、健
当社はこれまで、メンタルヘルス不調による休業者への
康診断の有所見者に対する産業医の協力を得た側面的な
対応を中心に、個別にメンタルヘルスケアを取り進めてい
支援や、適切な労働時間管理の徹底などに取り組みました。
ましたが、
2008年度から、厚生労働省の
「労働者の心の健
康の保持増進のための指針」
の考え方に沿って、メンタルヘ
ルスケアの体制を体系的に整備することとしました。専門的
適正な労働時間管理
当社は、社員の健康維持を図るため、部下の労働時間を
な知見を有する外部機関を積極的に活用しながら、休業者
管理すべき立場にある上司が、きめ細かく業務運営体制の
対応のみならず事前予防策も含めた全社的な運用を図るこ
点検を行うとともに、労使双方が社員の労働時間、有給休
ととしています。主な施策は次のとおりです。
暇取得状況などの実態を十分に把握し、フレックスタイム制
●
「心の健康づくり計画」
の策定
なども活用しながら適正な労働時間管理に努めています。
●
なお、2007年度の一般職社員一人当たり総労働時間は
1989時間、有給休暇取得日数は16日となっています。
社内メンタルヘルスカウンセリング体制の整備
社外相談窓口の活用
●
管理監督層、一般従業員へのメンタルヘルス教育
●
従業員のストレスチェック など
●
各事業所で安全啓発活動を実施
当社の各事業所では、所長自らが現場を巡視し、労働災
次世代育成支援
当社は、社員の仕事と子育ての両立を支援する具体的な
害の防止に向けた改善点の洗い出しや管理者への指導を
行動計画の策定を企業に求める
「次世代育成支援対策推進
行っています。
また、各現場では、実際の業務を進めるうえで気がかり
なことや“ヒヤリ”
としたことなどを報告し、改善策を講じる
「ヒヤリハット・キガカリ運動」
、作業に対する危険を予知す
る訓練
「ワンポイントレッスンシート
(絵に書かれた作業風景
法」
に基づいて各制度を整えてきました。2007年4月から、
新たな2ヵ年の行動計画に取り組んでいます。
2007年4月からの行動計画
育児休業期間の延長をはじめと
●
する雇用・勤務環境に関わる制
を見て危険要因を指摘)
」
などを実施しています。
度のより一層の充実
さらに、労働災害が発生した事業所に対しては
「災害調査
育児休業からの円滑な復帰を支
●
表」
、
「災害原因分析表」
および
「再発防止対策の実施計画
援する仕組みの整備
表」
の作成を義務付けています。なお、当社の過去5年間の
休業・不休業災害の発生状況
(鹿島石油
(株)
を含む)
は次の
2007年4月に東京労働局長
の認定を取得しています。
とおりです。
ホームページに掲載している項目
人事の基本方針
透明で公正な評価制度
セクシャルハラスメント
教育カリキュラムを整備
円滑な労使関係の構築
社員の健康維持を支援
育児・介護休暇に関する制度の充実
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
15
人間のエナジー
労働安全衛生への取組み
地球のエナジーを有効に活用します
エネルギーの安定供給を支えるとともに、地球環境保全のためにエネ
ルギーを有効活用することは、当社の大切な使命です。省エネルギーの
推進や環境負荷の低減に向けて、全社員の意識を高め、努力を重ねる
一方で、製油所をはじめとする生産拠点で、エネルギー効率の高い設備・
装置の導入や、改善活動に意欲的に取り組んでいます。
原油開発∼輸送で
JOMOステーションで
石油精製・製品生産で
オフィス・研究所で
ステーションへの輸送で
環境配慮型製品の開発で
省エネルギーで地球温暖化を防止
廃棄物の削減と資源有効利用
水・土壌・大気の汚染を防止
有害化学物質の使用を抑制
事業活動において
環境負荷を低減する
私たちの子孫へ
美しい地球を
16
ジャパンエナジー CSRレポート2008
地球温暖化防止に向けて
当社では、全社を挙げて温室効果ガスの排出削減に向けた施策を推進しており、
その中心となる製油所では横断的な省エネルギー活動を展開しています。
生産拠点である3製油所を中心に
環境保全活動を強化
製油所を中心とする当社の精製部門では、エネルギーの
地球のエナジー
安定供給という使命を果たすために、ガソリン・灯油・軽油
サルファーフリー
ガソリン製造装置
(水島製油所)
をはじめとする石油製品を製造するとともに、もう一つの大
きな使命である地球環境保全のために、地球温暖化防止に
向けた省エネルギー設備の導入や生産技術の効率化を進
3製油所でベストプラクティスを共有
3製油所では、それぞれ特色のある石油製品を製造して
めてきました。
しかし、世界的な重要課題として地球環境保全がクロー
いますが、製品によっては同じような設備・プロセスを使用
ズアップされる中で、さらなる努力や実践が求められている
する場合もあります。そこで3製油所の製造プロセスを横
ことも確かです。そこで、2008∼2012年度平均のエネ
断的に検討し、最も効率的で省エネルギー効果の大きい方
ルギー消費原単位
(単位生産量当たりのエネルギー消費)
法・手順をほかの製油所にも採り入れるという
「横串プロ
を8.59
(kℓ原油/千kℓ)
以下に削減することを目標に掲げ、
ジェクト」
を2004年から展開しています。
当社の生産拠点である水島・知多・鹿島の3製油所を中心
に、さまざまな省エネルギー施策に取り組んでいます。
ほかの製油所との情報交換・共有化を図ることで、従来と
は違った角度から設備やプロセスを見直すことができ、新し
い発見やアイデアにつながるという効果も生まれています。
製油所・工場等所在地
これによって、全社的にベストプラクティスを共有できるよ
うになり、効果的な設備導入とプロセスの最適化が可能と
船川事業所
なりました。
研究開発センター
鹿島石油(株)鹿島製油所
袖ヶ浦潤滑油工場
水島製油所
川崎LPガス基地
知多製油所
さらに、各製油所の近隣で操業しているほかの石油精製
や石油化学企業と連携し、企業の枠を越えたコンビナート
全体としての省エネルギーへの取組みも始まっています。
私 た ち が 取り組 む こと
さらなる環境負荷の低減を目指して、
省エネルギーに向けた取組みを強化しています
精製部 技術担当部長
佐倉 匡
CO2 削減につながる省エネルギーの重要性を認識し、製油所でも従来から積極的に取
り組んできましたが、中期環境計画の目標を達成するため、現在、さらなる省エネルギー
を進めています。具体的には精製設備からの排熱回収による熱エネルギーの再利用
や、装置の効率的な運転のための制御支援ソフトの導入、大規模な工事を伴う製造
プロセスの見直しなどの取組みを強化しています。また、精製関連部門における省
エネルギー情報の共有化が効率的な省エネルギーの実現につながります。
今後も高品質な製品を安定供給するため、安全操業に注力することはも
ちろん、省エネルギーを通じて環境負荷の低減を推進していきます。
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
17
地球のエナジー
知多製油所での地球温暖化防止対策
施設・装置の改造から、従業員の創意工夫まで、
多面的に施策を展開して省エネルギーを推進
全社最適の観点からエネルギーを有効活用
知多製油所は、ポリエステル原料のパラキシレンやナイ
「横串プロジェクト」
による精製工程フローの変更イメージ
変更前
A,B,C※
ロン原料のシクロヘキサンなど石油化学原料の製造を担っ
ている生産拠点です。石油化学原料の需要が増大する中、
当社全体の精製設備の最適化を図るため、2001年6月に
C
C,D
などを蒸留して取り出すために、複数の蒸留塔
(タワー)
を
使用していますが、そのフローを変更してタワーを集約し
(図参照)
、蒸留にかかるエネルギーを大幅に削減すること
に成功しました。
18
ジャパンエナジー CSRレポート2008
C
D
※ 微量に含まれる成分。
A成分を得るために2度の蒸留工程を
行っていたフローを見直し、
1度の蒸留
とすることで蒸留エネルギーを削減
り組んでいます。2008年5月には、
「横串プロジェクト」
の
は純度の高いベンゼン、
トルエン、キシレン、パラキシレン
B
蒸留塔
省エネルギーについても、設備の改造を含め積極的に取
一環として精製工程フローを見直しました。知多製油所で
B,C※
A,B,C,Dの
混合原料
原油処理を休止するという大規模な操業変更を実施し、以
降は石油化学原料の製造に特化しています。
A
変更後
A,B,C,Dの
混合原料
蒸留塔
A
B
B,C,D
C,D
C
D
社員の創意工夫を環境保全・安全確保に活用
当社は、全員参加で環境保全や安全確保を目指す改善活
動として
「TPM
(Total Productive Maintenance)
活動」
を推進しており、知多製油所も1999年からTPM活動に取
地球のエナジー
り組んでいます。TPM活動の中でも知多製油所が特に積
極的に展開しているのが、社員が創意工夫をこらした手づく
りの細工や仕掛けを設備などに施し、省エネルギーや安全
性向上を図る
「からくり改善」
です。たとえば、製油所内に張
り巡らされたスチーム配管の先端には、
ドレン
(復水)
を排出
するために、スチームトラップと呼ばれる機器が取り付けら
れていますが、この機器が故障すると蒸気ロスが発生し熱
活動板を使った
TPM活動
効率が低下してしまいます。そこで先端に鈴を付け、設備点
検で巡回したときに音で故障を早期に発見できるよう工夫
しました。
また、製造装置の運転状態を監視し、調整作業を自動化
する運転支援パッケージソフトウェアを導入していますが、
このアプリケーションの構築もTPM活動の一つと位置づけ
ています。細かい調整を自動化することで、操業安定化に
加え蒸気使用量を削減したり、加熱炉バーナーの燃焼効率
に対する監視を強化するなど、省エネルギーにも活用して
スチームトラップの点検
います。
こうしたTPM活動を通じて、省エネルギーに対する社員
の意識も向上しています。
私 た ち が 取り組 む こと
計画的な
「設備の改造」
と日常的な
「TPM活動」
を両輪に、
省エネルギーを通じた地球温暖化防止に努めます
知多製油所 製造課長
佐々木 克行
省エネルギーについては、
「設備の改造」
と
「日常の改善活動」
という2つの側面
から取り組んでいます。設備の改造は大きな効果をもたらしますが、その反面、改
造期間中は装置を停止しなければならず、4年ごとに義務づけられた定期修理のタ
イミングに合わせて計画せざるを得ません。
そのため、日常の改善活動も非常に重要です。これまでもTPM活動で数々の改
善を実施し、それらの積み重ねで着実に効果を上げてきました。今後も、設備の改
造とTPM活動の両輪で省エネルギーを進め、地球温暖化防止に取り組んでいきた
いと考えています。
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
19
地球のエナジー
環境保全活動の方針・体制・目標
当社は、環境保全活動に取り組むために、環境マネジメントシステムを構築し、
すべての製油所、工場においてISO14001認証を取得しています。
また、社員に対して環境教育を実施し、環境保全に対する意識の高揚を図りつつ、環境活動に取り組んでいます。
環境保全に関する方針
当社は、基本理念にある
「地球のエナジーを有効に活用し
ます」
および行動指針にある「どのような状況にあっても環
ISO14001を取得し、2004年度版に移行したシステムで
運用しています。それぞれの事業内容や地域特性を考慮し
環境改善活動に組織的に取り組んでいます。
境と安全を最優先します」という考え方に基づき、環境保全
方針を策定し、環境保全、環境負荷の低減、地球環境問題
等に対する取組みを推進しています。
環境保全方針
1. 事業活動の全てにわたって、環境に配慮し汚染の防止に努
める。
2. 資源の有効活用をはかるため、使用エネルギーの効率的活
用、リサイクルの推進に努める。
3. 関係法令の遵守とともに社会の信用を得る環境レベルの確
保に努める。
4. 環境にやさしい製品および技術等の研究開発に努め、地球環
境の環境改善に貢献する。
ISO14001認証取得状況
水島
知多
船川
袖ヶ浦
川崎
鹿島
認証取得日 1999.2.26 1999.3.5 1998.11.27 1998.3.18 1999.5.21 1999.3.12
認証機関
LRQA
JQA
認証番号
YKA
0772494
JQA-EM
0353
LRQA
LRQA
YKA
771512
0771917
JQA
JQA
JQA-EM
0427
JQA-EM
0373
環境監査の実施
ISO認証機関による定期審査のほか、社内での環境監査
(各事業所における内部監査、本社による総合環境監査)を
定期的に実施し、環境管理機能の維持・向上を図っています。
環境教育の推進
ISO14001認証取得状況
当社は、環境保全規則に基づき、環境改善活動を実践し
製油所および販売部門にて環境教育を実施し、社員の環
境に対する意識の高揚と知識の習得に努めています。
また、環境教育の一環として、年1回、全社環境会議を開
ています。
特 に、製 油 所・工 場 に お い て は、す べ て の 事 業 所 で
催し、取組事例などの水平展開も図っています。
環境会計
環境経営の有効性を評価するために、当社では環境会計を導入しています。2007年度の環境コストは、主に原油代の高騰
に伴う燃料コストの上昇等により製品対策コストが増加しました。
環境コスト
単位:百万円
項目
1 製品環境対策コスト
(重油低硫黄化、軽油低硫黄化、ガソリン品質向上)
2007年度
2006年度
41,530
38,862
2 直接的環境負荷低減コスト
4,804
5,633
(2)地球環境保全コスト
(地球温暖化防止)
917
829
(3)廃棄物処理・リサイクルコスト
276
239
(1)管理活動コスト
403
388
(2)社会活動コスト
27
22
715
634
(1)公害防止コスト
(大気汚染防止、水質汚濁防止、土壌汚染防止)
3 環境関連活動コスト
(3)環境関連拠出金・負担金
4 環境負荷低減のための研究開発コスト
1,578
1,488
合計
50,250
48,095
2007年度
2006年度
投資額
単位:百万円
項目
1 環境改善装置の新設、改造費用
2 装置の維持管理費(修繕費、更新費)
合計
20
ジャパンエナジー CSRレポート2008
3,511
2,981
17,838
14,544
21,349
17,525
2008­2010年度中期環境計画
地球温暖化防止をはじめ、さまざまな環境負荷の低減に向けた取組みおよびその他の環境対策を推進すべく、当社は以下の
ような中期的アクションプランを策定し、グループ一丸となって取り組んでいます。
地球温暖化防止 省エネルギー
大気汚染物質削減(VOC:揮発性有機化合物)
製油所エネルギー消費原単位(2008­2012年度平均)
VOCの排出量
廃棄物の削減
●
※ 2000年度比
※ 単位:原油換算kℓ/千kℓ
●
●
8.59 以下
30 % 以上削減
輸送エネルギー消費量
製油所・工場の廃棄物最終処分比率
地球のエナジー
●
1% 以下
●
オフィスでの分別回収推進
●
オフィスでの紙使用量
2006年度比4%以上削減
●
オフィスのエネルギー使用量
2006年度比10%以上削減
2006年度比10%以上削減
その他の取組項目
● 環境配慮製品・サービスの開発・拡販
● 土壌汚染対策:社有SS・油槽所等の土壌汚染調査、地下タンク
の二重殻化等の計画的実施 ● グリーン購入の推進:オフィスにおける事務用品等のグリーン
購入比率80%以上
● 化学物質の排出・移動量の適正管理:VOC対策を通じた削減
● 森林保全活動等を通じた環境貢献の推進
マテリアルバランス
INPUT
探鉱・開発・
生産
●
燃料
(原油換算)
2,281万kℓ
613百万kWh
燃料使用量
用水
海水
181万kℓ原油
2,113万トン
2.0億トン
油田の探鉱・
開発・生産
●
タンカーによる
輸送
精製・備蓄
●
製油所での
精製・備蓄
5.5万kℓ原油
電力使用量
6.5百万kWh
(国内輸送)
●
廃棄物
対策
環境負荷
油流出
● 炭化水素
蒸散
●
ダブルハル
(二重船殻)
● イナートガスシステム
●
対策
環境負荷
大気汚染
水質汚染
廃棄物
● 土壌汚染
浮き屋根式タンク
省エネルギー ● 脱硫、脱硝
排水処理
● 減量化、
再資源化
● 掘削除去、
埋め戻し
●
●
●
●
●
●
●
大気汚染
対策
●
JOMO
ステーションでの
受入、給油
販売数量
大気汚染
● 水質汚染
● 廃棄物
● 土壌汚染
76万トン
CO2 排出量
SOx排出量
NOx排出量
ばいじん排出量
VOC排出量
COD汚濁負荷量
廃棄物
最終処分量
539万トン
4,552トン
2,914トン
217トン
1,910トン
56トン
CO2 排出量 VOC排出量
15.0万トン
2,801トン
CO2 排出量 5,113万トン
1,027トン
対策
環境負荷
●
CO2 排出量 燃料消費量削減
油槽所・JOMO
ステーションへの
輸送
販売
●
対策
ゼロフレアー
● 排水処理
● 油濁防止
● 廃棄物処理
● 再資源化
●
環境負荷
物流
燃料使用量
大気汚染
● 水質汚染
●
●
原油輸送
28万kℓ
原油処理量
購入電力量
OUTPUT
事業活動
環境負荷
蒸気の回収
● 排水浄化
● 適正管理
● 汚染調査
●
LPG
1,188千トン
揮発油 6,076千kℓ
ジェット
592千kℓ
灯油
2,496千kℓ
軽油
A重油
C重油
4,257千kℓ
2,344千kℓ
2,780千kℓ
ホームページに掲載している項目
環境マネジメントシステム
中期環境計画の詳細
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
21
地球のエナジー
環境負荷低減への取組み
当社は、エネルギーを生産し供給する企業として、
事業活動における地球温暖化防止をはじめさまざまな地球環境負荷を低減する活動に注力しています。
地球温暖化防止
輸送における省エネルギー
当社では、省エネルギーを中心とした対策の推進により温
当社の石油製品の輸送手段は、陸上輸送と海上輸送に大
暖化防止に寄与していくとの基本的考えに基づき、製油所・
別され、陸上輸送はタンクローリーとタンク車
(鉄道)
、海上
工場、輸送、オフィスの省エネルギーに取り組んでいます。
輸送は内航タンカーによって行っています。
下記に示すとおり、当社は従来から内航タンカーおよび
製油所における省エネルギー
タンクローリーの大型化による輸送効率の改善を図り、燃
製油所では、製品需要の変動に伴いエネルギーの使用量
が大きく変化することから、エネルギーの効率的使用を通じ
料使用量の削減を行ってきました。今後もより一層、輸送に
関わる省エネルギーに取り組んでまいります。
CO2 排出の抑制に寄与することを念頭に、
「エネルギー消
タンクローリーの大型化(平均車型)
費原単位」
という指標を基に管理を行っています。
2007年度は、フレアガス削減、廃熱の回収促進、その他
の対策を進めたものの、水島製油所、鹿島製油所での装置
17.2kℓ/台
18.6kℓ/台
トラブルおよび鹿島製油所における装置新設に伴う試運転
の影響等により、エネルギー消費原単位が悪化しました。
2008年度は知多製油所の定期修理時に省エネ対策工事
1998年度
大型タンクローリー
2007年度
内航タンカーの大型化(平均船型)
を実施したほか、引き続きTPM活動等を通じ省エネルギー
活動を推進しています。
2,593kℓ/隻
3,063kℓ/隻
エネルギー消費量と原単位の推移
(千㎘原油)
エネルギー使用量
エネルギー原単位(㎘原油/千kℓ)
1998年度
3,000
9.39
2,000
1,610
8.88
9.09
9.19
1,890
1,819
1,919
8.73
1,942
8.78
目標
8.59
2,038
8
7
0
0
2003
2004
2005
2006
2007(年度)
CO2原単位(トン-CO2/千kℓ)
(千トン)
CO2排出量
24.1
24.3
24.3
6,000
5,042
4,000
4,126
4,795
23.3
23.6
5,095
23.2
5,139
5,382
24
22
18
0
0
2003
2004
2005
2006
2007(年度)
※ 昨年度までは当社の直接排出量の形で記載していましたが、購入エネル
ギー、販売エネルギーを考慮した形に見直しました。
22
ジャパンエナジー CSRレポート2008
100,000
105,031
80,000
72,717
60,000
64,662
20,000 20,729
20,379
19,509
27,877
27,760
15,801
15,326
0
2003
2004
2005
2006
2007(年度)
※ 2006年度以降は、
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」
に基づきエ
20
2,000
1990
内航タンカーの燃料使用量
タンクローリーの燃料使用量
40,000
二酸化炭素(CO2)排出量と原単位の推移
8,000
燃料油の輸送に関わるエネルギー使用量
(kℓ)
120,000
1,000
1990
大型内航タンカー
2007年度
9
ネルギー使用量の算定方法を変更しました。
オフィスにおける省エネルギー
オフィス部門においても、昼休みおよび無人エリアの消
灯をはじめ、未使用機器の節電、空調温度の見直しなど、身
の回りの省エネルギーに取り組んでいます。
大気汚染物質の排出削減
廃棄物の削減
VOC
(揮発性有機化合物)
の排出削減
製油所・工場における取組み
当社の製油所・工場で発生する廃棄物には、廃油・スラッ
リン等に含有する揮発性有機化合物の大気への放出を防止
ジ、汚泥、廃酸、廃アルカリ、電気集塵機の捕集ダスト、使用
するため、当社では以前から設備・装置への対策を講じてき
済み触媒、建設廃材などがあります。
当社では、油回収、脱水、焼却などの減量化とセメント原
ました。
2009年度末までに8基の固定屋根式タンクについて、
排出影響の小さい内部浮屋根タンクへの改造等の対策を
講じる計画としており、2007年度は、船川事業所
(秋田県)
の原油タンク1基について対策を実施しました。
料化、廃油の再精製などリサイクルの推進により、最終処分
(埋立)
されている廃棄物の発生量に占める割合を1%以下
とする削減目標を定め取り組んでいます。
廃棄物最終処分量および比率の推移※
(単位)
廃棄物最終処分量
VOC排出量
2,500
6,000
5,525
5,000
5,470
2,000
5,030
4,874
4,969
4,000
1,500
4,711
目標
3,867
(30%削減)
3,000
0
廃棄物最終処分量比率(%)
5
2,388
(トン)
4
1,945
3.5
2.9
1,000
1,241
1,129
1.9
500
1,603
1,027
1.5
1.3
3
1.2
2
目標
1%以下
1
0
2000
2003
2004
2005
2006
2007
(年度)
0
2002
2003
2004
2005
2006
2007
(年度)
※ 2004年度は、高潮被害
(水島製油所)
により不測の廃棄物が発生し、最終処
分量が増加しました。
固定屋根タンクの内部浮屋根化
廃棄物処理状況
VOC
温度上昇による
内部空気の膨張
● 液面上昇による
内部空気の押出し
●
VOC
油の受入
原油、ガソリン、
ナフサ
最終処分量
1.2%
再資源化量
49.9%
油
減量化量
48.9%
固定屋根タンク
貯蔵している油からタンク内に蒸散・滞留したVOCが、油の
受入や温度上昇による膨張に伴いタンクの外に放出される。
オフィス等における取組み
空気
上記の製油所・工場等でのほか、本社、支店等のオフィス
空気
浮屋根
油の受入
でも分別回収の推進および紙ゴミの排出量削減にも積極
的に取り組んでいます。
油
また、JOMOステーションに
原油、ガソリン、
内部浮屋根タンク
ナフサ
おいては、発生する廃油、廃エ
タンク内に油面に密着した浮屋根を設けることで、タンク内の
空間部へのVOCの蒸散が抑制され、油の受入等によるVOC
の放出が大幅に減少する。
レメント等の回収等にも取り
組んでいます。
ホームページに掲載している項目
クリーン開発メカニズム
(CDM)
への参画
環境負荷データ
(SOx、NOx、ばいじん、水質汚濁負荷等)
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
23
地球のエナジー
光化学スモッグの原因と位置付けられているナフサ、ガソ
地球のエナジー
さまざまな環境配慮に関する取組み
事業活動に伴う環境への影響を最小限にとどめるとともに、
環境配慮製品や新エネルギーの開発、森林保全活動なども推進しています。
土壌汚染対策
の取替えを促進し、油漏洩お
当社では、JOMOステーション等における土壌汚染の状
況調査を計画的に実施し、汚染を発見した場合にはその公
表を含め適正に対応しています。
よびそれに伴う土壌汚染リス
クの低減を図っています。
2007年度 は16件 の 対
策を実施しました。
二重殻タンクへの更新工事
船川事業所における取組み
2001年度から実施している船川事業所構内および近隣
社有地の汚染土壌対策工事については、構外社有地の対策
工事を終え、現在は事業所構内の対策について2010年度
までの予定で進めています。
化学物質、有害物質の適正管理
化学物質の排出・移動量の把握と管理
製油所、油槽所で取り扱う化学物質について、PRTR法に
基づき取扱量および排出・移動量を把握し届出しています。
当社における化学物質の排出のほとんどは、タンクおよび
JOMOステーションにおける取組み
出荷設備からのベンゼン、
トルエン等の排出によるものであ
■土壌汚染調査
り、前述のVOC排出抑制対策を推進することにより、それ
2002年に開始した
「JOMO燃料漏洩リスクコントロー
らの化学物質の環境中への排出の抑制にも努めています。
ル」
に基づき、JOMOステーションの土壌汚染リスクを評価
し、高リスクと判断されたステーションから優先的に土壌ガ
ス調査やボーリング調査をしています。
PCB廃棄物の管理と適正処理
製油所・工場、油槽所、研究開発センターでは、コンデンサ
2007年度までにJOMOステーション338ヵ所に対して
類(266台)およびPCB含有油等を適正に保管・管理してお
2次調査を実施しています。また、2007年度以降も継続し
り、それらについては2009年度か
て調査を進めていく計画です。
らの4 ヵ年で段階的に処理を進めて
なお、当該調査において、21ヵ所で土壌・地下水修復が
必要と判断されたことから、汚染土壌の復旧対策等につい
いくこととし、社内での準備を進め
ています。
保管場所内部
て適切に実施していま
グリーン購入の推進
す。このうち6ヵ所はす
でに設備改修と汚染除
石油製品は、重要なエネルギー源ですが、一方ではその
去を完了しており、残り
使用によってCO2を排出します。そのため、当社では、生産、
の15ヵ所 でも 復 旧 措
使用の際に可能な限り環境負荷を低減させることが必要と
置を進めています。
の考えに基づき、
「グリーン購入ガイドライン」
を定め、石油
土壌汚染調査
精製に必要な添加剤
(化学原料)
などについては、
「購入時
■未然防止対策
土壌汚染調査・復旧措置と並行して、地下タンクによる漏
洩の未然防止対策を計画的に実施しています。
サービスステーションの地下タンクは、設置後かなりの年
数を経過したものも多いことから、それらの劣化等に配慮
し、二重殻タンクや樹脂配管など安全性が高い地下設備へ
に考慮する条件」
を満たすお取引先から優先的に購入を行
うこととしています。
また、オフィス用品の購入にあたっても環境配慮製品の
購入を推進しており、それらの購入比率について80%以上
とすることを目標に取り組んでいます。
ホームページに掲載している項目
化学物質の排出・移動に関する情報開示
24
ジャパンエナジー CSRレポート2008
環境改善技術の開発
風力発電設備
JOMOステーションにおける環境配慮
地球環境に配慮した製品
森林保全活動等を通じた社会貢献
環境配慮型製品の開発
2004年から森林ボランティア活動を継続
■バイオガソリン
当社は、社員ボランティアによる森林保全活動を2004
年から実施しています。そのスタートは、新潟県にあるジャ
境にやさしいバイオガソリン
(バイオETBE※配合)の販売
パンエナジー石油開発株式会社・ 中条油業所構内のアカマ
(流通実証事業)
を行っています。バイオガ
ツ林整備活動でした。
も
ソリン は、2008年6月 現 在、10店 舗 の
り
2005年度からは、長野県と岡山県で
「森林の里親契約」
JOMOステーションで販売しています。
を結び森林の整備資金を提供しているほか、社員ボランティ
※ ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)
:バイオエタノールを原料
アが整備活動などに参加し、地域の方々と森林づくりの活
とするガソリン基材。
動を行っています。
これら3ヵ所の森林において、2007年度は、社員と家族
■サルファーフリー化
「サルファーフリー」
とは、ガソリンや軽油に含まれる硫黄
分を10ppm
(=0.001%)
以下にすることです。排出ガス
によるボランティア活動を合わせて7回実施し、延べ550名
が参加しました。
をクリーン化するだけでなく、環境対応自動車に装備された
また、新日鉱グループの
排出ガス処理装置の性能や耐久性の向上に寄与し、燃費改
一 員として、国 内2 ヵ所 の
善にも役立つなど、地球温暖化対策としても有効です。
鉱山跡地の森林整備を
2006年度から継続的に実
施しています。
クリーンエネルギーの研究開発
高梁・JOMOふれあいの森
(岡山県)
■燃料電池システムの研究開発
水素と酸素の電気化学反応により発電を行う燃料電池シ
ステムの研究は、1980年代
「森のJOMOカップ・緑の文化祭」
の授賞式が開催
当社は、
「森」
をテーマにした紙芝居や歌のコンテスト
「森
から取り組んでいます。また、
のJOMOカップ・緑の文化祭」
に協賛しました。
定置用燃料電池大規模実証事
同文化祭は、
「緑を大切にする心を育て、自然の豊かな
業に参 画し、これまで104台
社会を実現する」
ことを目的に、NPO法人地球緑化セン
の「JOMO ECOCUBE」を 一
般家庭に設置しています。
タ ー が 主 催 する小 中 学 生 を 対 象にしたコンテストで、
家庭用燃料電池
「JOMO ECOCUBE」
■水素エネルギーの供給
2007年度から開催されたものです。初年度の今回は、
「森の紙芝居部門」
で小学生9名が、また
「森の歌部門」
で
水素製造のための灯油の脱硫システムや改質触媒の開発
小学生9名と中学生8
に加え、水素分離膜を利用した高効率でコンパクトな
「改質
名が入賞し、2007年
反応器」
と、液体の形で水素を安全に貯蔵・供給ができる
「有
12月に都内で行われ
機ハイドライド方式」
の研究開発を継続して行っています。
た授賞式では、受賞者
また、当社が運営している移動式水素ステーションは、イ
ベント先に出向いて燃料電池車に水素を供給しています。
本人による発表も行わ
れました。
森のJOMOカップ・緑の文化祭2007授賞式
ホームページに掲載している項目
燃料油・潤滑油・石油化学製品の環境配慮
クリーンエネルギーの研究開発の詳細
廃プラスチックのケミカルリサイクル
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
25
地球のエナジー
2007年4月から、植物生まれの燃料をブレンドした、環
社会のエナジーになります
当社は、長年にわたって地域や社会への貢献を目指した取組みを続けて
います。中でも
「JOMO童話賞」
や「JOMO童話基金」は社会的に高い
評価を受けています。また、こうした社会貢献活動は、役員社員一人ひと
りが主体的に参加することが大切だと考え、社員のボランティア活動支援
にも力を入れています。
法令を守ることは当たり前
原油開発から販売までの安全を確保する
商品・サービスの品質向上に努める
地域社会の発展に貢献する
公正な取引を実施する
子どもたちの育成に貢献する
社会・ステークホルダーへの
責任を果たす
社会規範に則り、
顧客や取引先の期待に
応え、地域社会に
貢献する
社会・ステークホルダーからの信頼
必要な存在としての期待
26
ジャパンエナジー CSRレポート2008
地域や社会に信頼される企業を目指して
役員社員一人ひとりが地域や社会の一員であることを意識し、
当社の特色を生かした社会貢献活動に取り組んでいます。
当社ならではの社会貢献活動を展開
CSR推進部の設置を機に活動を強化
当社は、良き企業市民として地域や社会に対する責任を
当 社 の 社 会 貢 献 活 動 の 歴 史 は 古 く、1970年 から
強く感じています。企業として利益を追求することは必要で
「JOMO童話賞」
を継続していますが、社会貢献活動を総合
すが、それだけでは地域や社会からの期待・信頼に応えるこ
的に推進する窓口としてCSR推進部を設置した2005年
とはできません。そこで、企業文化や事業の特色を生かし
以降、一層力を入れて取り組んでいます。
今後も、社会貢献に対する意識を役員社員一人ひとりに
の実現」
につながるよう、さまざまな社会貢献活動を実践し
浸透させていくだけでなく、社員の家族や地域の方々と協
ています。
働しながら、さまざまな活動を展開していきます。
社会のエナジー
つつ、基本理念にも掲げている
「あたたかく、活力ある社会
たとえば
「JOMO童話賞」
や
「JOMO童話基金」
、JOMO
バスケットボールクリニックの運営を通じて、未来を担う子
どもたちが心豊かに成長できるように応援しています。ま
た、障害者支援や災害支援にも力を注いでいます。
加えて当社では、社会貢献活動は企業が組織的に取り組
むだけでなく、役員社員一人ひとりが企業市民としての役割
「JOMO
バスケットボール
クリニック」
を自覚したうえで自発的に参加することが重要だと考えて
おり、社員のボランティア活動も積極的に支援しています。
研究開発センターで実施
している
「JOMO理科教室」
私 た ち が 取り組 む こと
次世代を担う子どもたちの夢の実現に取り組むとともに
間伐材の有効活用で環境保護にも貢献しています
CSR推進部長
横小路 喜代信
現在の社会貢献活動の推進体制は、1997年に制定した基本理念
「エナジーの創造」
と行動指針
「5つの約束」
がベースとなっていますが、
「JOMO童話賞」
は1970年から
今日まで脈々と受け継がれているもので、当社の大切な遺伝子として、社会貢献活動
の大きな柱となっています。1992年には
「JOMO童話賞」
を福祉分野に広げ、特約店
の皆様と共同で
「JOMO童話基金」
を設立しました。以来16年にわたって、
次世代を担う子どもたちの夢の実現を側面から支援しています。
また、
「童話の花束」の用紙には長野県原村の間伐材を製紙原
料として活用し、国内の森林によるCO2 吸収量の拡大と健全な
森づくりに貢献しています。これからも基本理念の実践の一つと
して、社会貢献活動を推進していきたいと考えています。
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
27
社会のエナジー
「 J O M O 童 話 賞 」と「 童 話 の 花 束 」
JOMO童話賞は
「心のふれあい」
の物語をつづって39年
夢を応援し、元気な森林づくりをサポートしています。
森林保全にもつながる
「JOMO童話賞」
当社は、
「心のふれあい」
をテーマとしたオリジナルの創
作童話を一般の方から募集する
「JOMO童話賞」
を毎年開
JOMO童話賞の運営を通じ、
次世代育成と森林保全にも貢献
童話の花束
催しており、今年で39回を迎えることとなりました。ご応募
くださる方一人ひとりの思いが詰まった素敵な作品が多数
寄せられ、長年にわたって多くの方々に支持されています。
「JOMO童話賞」
の優秀作品は、作品集
「童話の花束」
として
まとめています。
この
「童話の花束」
の用紙には、森林整備で生じた間伐材※
を活用した
「3.9ペーパー」
が使われています。これまで間
伐材は森林に放置される場合が多く、若木の生育などに影
響を及ぼしていました。
「3.9ペーパー」
の仕組みは、間伐材
を製紙原料として有効活用するために、ユーザーの当社が
国産の間伐材の輸送コストを負担するというものです。こ
JOMO童話基金
3.9ペーパー
(奨学助成金)
(森林保全活動)
の仕組みを活用することで、国内の森林保全を進めCO2 の
吸収量拡大に寄与するほか、間伐材の収益が森林所有者に
還元されることで森林整備の促進にも貢献します。
※ 間伐材:過密になった森林に対して、採光を良くして生育を促すために一部を
伐採する作業を間伐といい、伐採された木材を間伐材といいます。
28
ジャパンエナジー CSRレポート2008
B-(2)
- 060008
子どもたちの自立を支援し、夢を応援したい
ています。2007年度の寄付金は2,400万円となりました。
「童話の花束」
はJOMOステーションを運営する特約店の
全社協では、寄付をもとにJOMO奨学助成金制度を設立
皆様や新日鉱グループ各社、ジャパンエナジー関連会社、役
し、児童養護施設や母子生活支援施設、里親家庭の子ども
員社員などが購入し、JOMOステーションの店頭で配布す
たちが高校卒業後に大学・短期大学、専門学校などへ進学
るほか、
特約店や製油所・工場を通じて近隣の学校、
保育園、
する際の入学支度金として給付しています。これまでに延
幼稚園などに寄贈しています。また、全国の児童養護施設
べ1,200名以上の子どもたちが奨学金を活用しています。
や母子生活支援施設などの福祉施設、里親家庭などにもお
「童話の花束」
は、読んでいただく方に心のふれあいをお
届けしています。その売上金はすべて
「JOMO童話基金」
に
届けするとともに、経済的な手助けを必要としている子ども
組み入れられ、毎年11月に開催されるJOMO童話賞授賞
たちの自立支援にも役立っています。
式で社会福祉法人全国社会福祉協議会
(全社協)
に寄付し
ジャパ ン エ ナ ジ ー に 期 待 す ること
財団法人全国里親会 理事
木ノ内 博道さん
財団法人全国里親会 事務局長
社会のエナジー
子どもと里親、双方の希望を支える
JOMO奨学助成金制度に大変感謝しています
境 省吾さん
里親制度とは、さまざまな事情で自分の家庭で暮らせない子どもたちを、里親
の家庭で預かる制度です。養育には国からの補助もありますが、里親の経済的な
負担は大きく、高校卒業後の進学は並大抵のことではありません。それでも、進
学を希望する子どもたちに機会を与えてあげたいと考える里親は少なくありま
奨学生からの
お礼状
せん。つまり、進学は子どもと里親の双方にとっての願いなのです。その点で、
「童
話の花束」
を通じたJOMO奨学助成金制度にはとても感謝しています。
今後は、入学支度金だけでなく入学後の支援にも広がることを期待していま
す。また、子どもたちの成長の様子や卒業後の進路などもご支援いただいた皆
さんに報告していきたいと考えています。
ジャパ ン エ ナ ジ ー に 期 待 す ること
店内の待ち時間の楽しみとして、プレゼントとして、
「童話の花束」
は年齢を問わず喜ばれています
株式会社JOMOネット 北関東カンパニー 石井店 店長
青木 謙一さん
当店では、
「童話の花束」
をお客様が待ち時間に読めるよう店内に置いている
ほか、ご家族やお友だちへのプレゼントとして無料で差し上げています。当店の
近隣には大型ショッピングセンターがあるため、休日には家族連れのお客様が多
く来店されますが、お子さんから年配の方まで年齢を問わず喜ばれており、毎年
の発行を心待ちにしているお客様もいらっしゃるほどです。また、近所の幼稚園
や小児科医院などに配布するなど、地域貢献にも役立っています。
当社が
「童話の花束」
を購入することで、子どもたちの夢を支援できるのは大変
嬉しいことです。社会貢献には積極的に協力していきたいと思っていますので、
ジャパンエナジーには、これからもこうした活動を発展させていくとともに、私た
ちにも提案してもらいたいですね。
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
29
社会のエナジー
お客様への配慮
付加価値の高い製品をお届けするために、品質の向上に取り組むのはもちろんのこと、
CS
(お客様満足)経営にチームJOMO一体となって取り組み、
お客様に
「安心・信頼・好感」
を感じていただけるJOMOステーションづくりを目指しています。
品質管理体制を強化
JOMOカード
(ライト・プラス)
当社グループは、品質がCSの基本であることを肝に銘
じ、2006年にグループ共通の
「品質方針」
を定めました。
当社は、2002年から「JOMOカードプラス」を発行し、
お客様の利便性向上や経済性をサポートしてきました。
2006年10月、年会費が永年無料でガソリン・軽油リッター
品質方針
2円引き、灯油リッター1円引きなどのメリットを付加した
1. 当社グループは、地球環境問題に積極的に取り組み、環境に
優しい石油製品の開発・生産を行い、安定供給に努めます。
2. 当 社 グ ル ー プ は、国 際 的 な 品 質 認 証 シ ス テ ム で あ る
ISO9001に基づいた、適切な品質マネジメントシステムを
構築し、維持します。
「JOMOカードライト」を発行しました。お客様のメリットだ
けでなく、
JOMOステーションの競争力強化にもつながって
います。
3. 当社グループは、石油製品の生産、貯蔵、配送、販売まで、品
質管理の徹底を図り、品質トラブルゼロを目指します。
この方針のもと、当社グループの横断的な組織として「品
質管理等担当者連絡会」を設置するとともに、製品群ごとに
JOMOカードライト
JOMOカードプラス
総括部署を置き、各部署で品質保証・品質管理を推進する
また、当社の主要製品である燃料油については、品質の
快適な空間と最適のおもてなしを追求する
「Value Style
(バリュースタイル)」
さらなる強化のため、2007年3月に
「燃料油品質保証委
Value Styleステーションは、
「行ってみたくなる」
、
「入り
員会」
を設置し、毎年度の燃料油品質重点課題を設定のう
たくなる」
、
「また来たくなる」
をコンセプトとして開発しまし
え、各種施策を実行しています。
た。外観の統一を図り、店舗内は、心地よいインテリアデザ
体制をとっています。
2008年度は、品質保証・品質管理の主な重点課題を次
のとおり設定し、それぞれの活動を実施しています。
インの内装を施し、店内の完全分煙化やカフェコーナー、
キッズコーナーの設置など、快適な空間を提供しています。
2008年3月末 現 在では、613店 舗がValue Styleを
環境品質への確実な対応
導入しており、今後も増やしていく計画です。
バイオ燃料や燃料の低硫黄化への対応
品質管理・保証体制の強化
①製油所品質監査の実施と品質情報の共有化
②販売・物流部門との連携強化
(品質教育強化・支援)
品質管理の体制
品質管理等担当者連絡会
お客様
Value Styleステーション
社長
全社総括部署
(精製部)
製品群総括部署
(本社関係部署)
各部署
(支店・製油所等)
役員会
ホームページに掲載している項目
ISO9001認証の取得状況
30
LPガスご利用者カスタマーケア
ジャパンエナジー CSRレポート2008
お取引先とのパートナーシップ
人材の育成
(おもてなしの心の習得)
お客様の視点に立った
「気づき」の活用
組みを実践しています。毎日の生活で何気なくやり過ごし
当社は、お客様の声をサービスに活かすために、1998
ていることも、ちょっと視点を変えるだけで、新たな発見を
年7月、
「JOMOお客様センター」
を設置しました。JOMO
することができます。その新たな発見を
「気づき」
と呼びま
ステーションに対するご意見・ご要望や、さまざまなお問い
す。疑問や感想、アイデアなどから、気づくことはたくさん
合わせをフリーダイヤルや、Eメールで受け付けています。
あります。この
「気づき」
に取り組むことで、お客様のニーズ
お客様からお寄せいただいたご意見・ご要望はデータ
を察し、お客様に期待以上のサービスやおもてなしを提供
ベース化し、改善目標の策定などに活かしています。また、
することにつながります。
グループ内の情報共有の場として、インターネット上に専用
例えば、
「店内でお客様に快適にお待ちいただくために、
ひ
ざ掛けを導入」
「タイヤ交換や洗車で長時間お待ちいただく
、
サイトを開設し、JOMOステーションのCS向上を図ってい
ます。
場合でも、お客様がステーション以外の場所で過ごせるよう
携帯電話での呼び出しサービスを実施」
するなど、
サービス
の向上につながっています。2007年度は、全国約1,000ヵ
所のJOMOステーションで
「気づき」
を実践しています。
また、すばらしい「気づき」
や活用
JOMOお客様センターへのお問い合わせ件数
(2007年度)
その他
2,595件
キャンペーン
260件
事例をJOMOステーションへ配信
カード
(資料請求、
Web関係など)
4,449件
合計
10,512件
SS店舗案内
301件
し、
「気 づき」情 報 をJOMOグ ル ー
クレーム
(カード、
SSサービス、
キャンペーンなど)
1,104件
「童話の花束」
1,038件
商品について
765件
プ全体で共有するとともに働くク
ルーの意識を高め、お客様視点の
サービスに活かす取組みを推進し
ています。
気づきメモ
お客様の立場でJOMOステーションを
評価する
「ミステリーショッピング」
当 社 は、1994年 から全 国 約2,000店 舗 のJOMOス
テーションを対象とした、顧客満足度調査である
「CSサー
ベイ」
を年2回実施してきました。
2006年10月から、一般消費者の方がミステリーショッ
パー
(覆面調査員)
となって、
JOMOステーションを利用し、
給油作業、メンテナンス、接客サービス、店舗設備、クリンリ
ネスなどを調査する
「ミステリーショッピング」
を実施してい
JOMOステーションのバリアフリー
当社は、すべてのお客様に安心してご利用いただけるよ
う、ユニバーサルデザインを取り入れたJOMOステーション
の店舗開発に取り組んでいます。
主な取組み
●
段差:スロープを設置
●
店内入口ドア:自動ドアまたは引戸に変更
トイレ:スペースの拡大や手すりの設置、洋式化
●
※ 車いすでご利用いただけるトイレのあるJOMOステーションは26店舗。
●
価格表示看板:黄色
(バリアフリーカラー)
の
発光ダイオードを採用
バリアフリートイレ設置店は、
ホームページから検索できます。
http://www.j-energy.co.jp/station/ss/
ます。その結果を踏まえ、店長を対象に勉強会を開催し、さ
らなるサービスの向上を目指しています。
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
31
社会のエナジー
JOMOステーションでは、2005年から、
「気づき」
の取
お客様のご意見・ご要望をサービスに活かす
行こう ジョモ
「JOMOお客様センター」
0120-150-106
社会のエナジー
社会とともに
「あたたかく、活力ある人間社会の実現」
を目指し、ひとりの企業市民として、
スポーツ・文化の振興、社員のボランティア活動支援を通じて、社会貢献活動に取り組んでいます。
社会貢献活動の重点分野と支援対象
当社は、長年継続している社会貢献活動を軸に、さらなる
取組みの充実、発展を図っています。
障害者スポーツを応援する
「クリック募金」
クリック募金とは、ホームページにアクセスした方がアイ
コンをクリックした数に応じた金額を当社から各団体へ寄
これらの活動を進めるにあたり、特に
「子ども」
と
「障害の
ある方」
を主な支援対象としています。
付するというもので、クリックする方の金銭的な負担はあ
りません。2006年11月から実施していた
「スペシャルオ
リ ン ピック ス 応 援 募 金」は、2007年10月 で 終 了 し、
重点分野と主な支援対象
4,953,660クリックを達成。1クリック1円として、NPO
1
2
3
JOMO童話賞/
JOMO童話基金
スポーツの振興
災害支援
法人スペシャルオリンピックス日本に寄付しました。寄付金
は、2007年10月に上海で開催された夏季世界大会に派
子ども
障害のある方
遣された日本選手団の支援など
に 活 用 さ れました。引 き 続 き
1 JOMO童話賞/JOMO童話基金
2008年9月ま で は、
「め ざ せ
子どもたちの社会的自立を支援
北京!」
として障害者スポーツを
JOMO童話賞とJOMO童話基金については、
P28の特
集記事で詳しく紹介しています。
応援するためのクリック募金を
実施しています。
クリック募金のホームページ
クリック募金 http://www.j-energy.co.jp/cp/society/click_tp.php
2 スポーツの振興
JOMOバスケットボールクリニック
当社が運営する女子バスケットボールチーム「JOMO
3 災害支援
ふれあい基金などによる災害支援
サンフラワーズ」で活躍した元選手らによる専任チームを
2006年4月、災害支援を目的に、役員社員が給与から
編成し、子どもたちを対象にバスケットボールの基礎技術
一定額を積み立てる
「JOMOふれあい基金」
と、会社からの
を指導する
「JOMOバスケッ
上乗せ寄付
(マッチングギフト)
の仕組みを立ち上げました。
トボールクリニック」を全国で
2007年3月に発生した能登半島地震、7月の新潟県中
実施しています。2007年度
越沖地震など、国内外で発生した4件の自然災害の被災者
は54回開催し、延べ1,987
を支援するため、
「JOMOふれあい基金」
を活用しました。
名が受講しました。
「JOMOバスケットボール
クリニック」
車椅子バスケットボール大会支援
当社は、車椅子バスケットボールの振興にも寄与してい
ます。日本車椅子バスケットボール選手権大会(5月)
をは
じめ、全日本女子および全国シニア選抜(11月)、車椅子
なお、新潟県中越沖地震の支援では、被災地域の特約店
を通じて、被災者の方々にカセットコンロ、カセットボンベ、
飲料水等の緊急物資を提供しました。
2008年3月末の同基金加入者は、
637名です。2007年
度に実施した寄付の合計金額は、
14,063,000円となりました。
2007年度の災害支援の実績
バスケットボールクリニック
(9
対象
月熊本、11月北海道)
に協賛。
5月と11月に行われた車椅子
バスケットボー ル大会には、社
員がボランティアで参加し、大
会の運営に協力しました。
32
ジャパンエナジー CSRレポート2008
車椅子バスケットボール
クリニックへの協賛
(北海道)
寄付先
金額
4月 能登半島地震
中央共同募金会
7月 新潟県中越沖地震※
日本赤十字社
8月 ペルー地震
認定NPO
ジャパン・プラットフォーム
1,000,000円
認定NPO
ジャパン・プラットフォーム
1,000,000円
12月
バングラデシュ
サイクロン
1,000,000円
11,063,000円
※ 新日鉱グループ3社、
北関東支店および鹿島製油所からの義援金を含む。
地域貢献活動
写真でみる2007年度の教育支援活動
地域清掃活動
当社は、各事業所において、地域清掃などのボランティア
研究開発センター
活動を長年実施しています。
2007年度は、
水島製油所、
知多製油所、
船川事業所、
袖ヶ
浦潤滑油工場、川崎LPガス基地、
研究開発センター、北海道支店、
鹿島製油所
(鹿島石油
(株)
)
で実施
社会のエナジー
し、延べ約850名が清掃活動に参
加しました。
レッツクリーン
(北海道支店)
JOMO自然観察教室
地域防災活動への参加・協力
当社は、
地域の安全を守るために、
製油所・工場等において、
周辺企業や地域の自治体と共同で防災活動に取り組み、
防火・
消火技術の向上に努めています。
2007年10月、埼玉県戸田市
消防本部が主催する屋内消火栓
JOMO理科大好き特別授業
操法大会において、研究開発セン
ターの自衛消防隊が優勝、準優勝
の好成績をあげました。
地域における教育支援活動
各事業所において、地域の方々の見学などを受け入れて
います。中でも研究開発センターでは、2004年から、戸田
JOMOプラネットスクール
市 立 新 曽 小 学 校 の 児 童を対 象に実 験 施 設を利 用した
「JOMO理科教室」
を実施しています。2007年からは、戸
田市の要請を受け、当社の研究員を学校に派遣する出張理
水島製油所
科教室
「JOMO理科大好き特別授業」
を実施。
さらに、構内の樹木約1,300本を活用した
「JOMO自然
観察教室」
や
「JOMO町探検」
、望遠鏡による天体観察を行
う
「JOMOプラネットスクール」
など、児童の理科に対する興
味や関心を高めるための取組みを継続的に行っています。
高梁市の方々による見学会
製油所社員の家族による見学会
ホームページに掲載している項目
「みなとネット」
への参加
「みなと環境にやさしい事業者会議」
への参加
施設の開放 ボランティア休暇・休暇制度
ボランティア・ネットワーク
チャリティ古本市
チャリティ英会話
盲導犬育成支援
職場献血
ウォーク・ザ・ワールド
収集ボランティア活動
役員社員によるCO2 削減への取組み
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
33
第三者意見
当社のCSR活動とコミュニケーションツールであるCSRレポートをよりよいものにするために、
お二方からご意見をいただきました。
郷原 信郎 様
髙橋 陽子 様
桐蔭横浜大学法科大学院教授
弁護士
社団法人日本フィランソロピー協会
理事長
ご略歴
ご略歴
東京大学理学部卒業
1983年検事任官、公正取引委員会事務局審査部付検事、東京地検検事、広島地検特
別刑事部長、長崎地検次席検事などを経て、2003年から桐蔭横浜大学大学院特任教
授を兼任
2005年桐蔭横浜大学法科大学院教授(派遣検事)、コンプライアンス研究センター長
2006年検事退官。引き続き、同大学法科大学院教授・弁護士
著書:
『法令遵守」
が日本を滅ぼす』
(新潮新書、2007年)
『企業法とコンプライアンス』
(編著)
(東洋経済新報社、2006年)など多数
津田塾大学卒業後、高校教師を経て、上智大学で専門カウンセラーの認定を受けた後、
関東学院中学・高校の心理カウンセリングに従事
1991年から
(社)
日本フィランソロピー協会に勤務
事務局長、常務理事を経て、2001年6月から現職
行政・企業・NPOに幅広い人脈を持ち、相互の連携による企業と個人の社会貢献(フィ
ランソロピー)活動の支援に尽力
著書:
『フィランソロピー入門』
(海南書房)
『60歳からのいきいきボランティア入門』
(日本加除出版)など多数
今年のCSRレポートの特集は、会社の基本理念である
「エナ
ジーの創造」
を敷衍する3つのエナジーの観点から会社の取組み
を説明する構成になっている。社名でもある
「エナジー」
を前面に
出した構成はわかりやすく、インパクトもあって好印象である。ま
た、単体だけでなく、属する新日鉱グループ全体の企業理念やガ
バナンス体制にも関連づけてCSRへの取組みが説明されている
点も説得力を高めることにつながっている。
3つのエナジー創造のトピックとして、
「人間のエナジー」
では
女性が活躍できる職場作りの推進を、
「地球のエナジー」
ではエネ
ルギー効率改善による環境負荷の低減を、
「社会のエナジー」
で
はJOMO童話賞の運営を取り上げている。それぞれ身近で具体
的なテーマを取り上げてわかりやすく説明されている。女性の労
働力の活用や地球温暖化防止という時代の要請に鋭敏に反応す
る一方で、地道な社会貢献活動を継続している企業の姿勢が伝
わってくる。こうしたトピック以外にも、労働環境改善、地球環境
保全、CSについて幅広い取組みを紹介しており、会社をとりまく
様々なステークホルダーの要請に広く応え、基本理念を実現して
いくためのCSR活動として、いずれも意義深いものである。
ただ、
「サプライチェーンにおける責任と行動」
を特集し、エネ
ルギー供給の安定、安全、効率という会社の本来的使命に正面か
ら向き合った昨年のレポートと比べてみると、今年のレポートは業
務の根幹である
「エネルギーの供給」
という視点がやや薄れてし
まった印象があり、会社本来の活動からみるとやや周辺的な部分
に中心が置かれているように感じられる。
原油等の価格の急騰によりエネルギー調達への不安が高まっ
ている現在、エネルギーの安定的な調達・供給という基本的使命
を着実に実行していること自体がCSRの重要な要素であり、そ
のことを、昨年とは異なった視点からレポートの中でアピールして
も良かったように思う。
CSRは企業が社会の要請に応えて行う活動の総体である。エ
ネルギー問題が社会の最大の関心事になっている現在、様々な
困難を乗り越え、エネルギーの安定的供給に貢献する事業活動
を継続していること自体が日本社会にとって最も重要な
「エナ
ジー」
なのではなかろうか。
総合エネルギー企業としての一層の活躍を期待している。
昨年に比べ冊子の内容を絞りページ数を減らしたことで、読み
手にとってのバリアが低くなったと思います。トップメッセージを
冒頭に明記し、全体を基本理念に基づいて整理したことで読みや
すくなりました。
さらにいえば、各部署で分担して書いたものを集約するだけで
なく、伝え方、表現方法など読み手を想定しながらの横断的な議
論が不足しているような印象を受けます。現状を誠実に率直に記
述しようという姿勢は伝わり好感は持てますが、環境・エネルギー
の部分などは特に専門的でわかりづらく、具体的なイメージが一
般のお客様には伝わらないと思います。もう少しかみ砕いた説明
にするなど工夫がほしいところです。エネルギーを核とする企業
であるからこそ、専門部署以外の人も加えた検討プロセスを持つ
ことでさまざまな気づきを得て、多くの関係者に自社の将来への
メッセージを的確に伝えることが必要です。
「お客様への配慮」
の取組みのひとつとして
「気づきメモ」
が取
り上げられていますが、これは、まさに宝の山です。特徴的な活
動であるにも関わらず掘り下げた内容になっていないために、印
象が薄くもったいないと感じました。どのような内容がどれくらい
集まり、どのように生かされているか、といった流れをきちんと見
せることで、会社の今後の方針や展望を示すことにもなり、未来
に向けたレポートとしての意味が明確になると思います。
今後は、社会貢献活動についても企業文化として浸透・定着さ
せることが求められます。JOMOふれあい基金も災害支援にとど
めず、多様なジャンルへの支援に拡げることで、むしろ、社員の寄
付やボランティアなどへの参加動機を高める基金に発展すると思
います。
JOMO童話賞は御社の誇るべき活動です。これを特集として
取り上げ、また、SSの関わりについても触れていることは非常に
よいと思います。ただ、せっかく里親会の方に登場していただい
たのですから、読者の心に届くエピソードや子どもたちの感謝の
気持ちを伝えることで、このプログラムの意義や今後の可能性を
盛り込む内容にできたのではないでしょうか。さらに、JOMO童
話基金の活動に一般のお客様を巻き込む仕組みを取り入れるこ
とができれば、お客様の
「社会とつながりたい」
という気持ちを生
かすことにもなると思います。ステークホルダーはCSR推進のた
めのパートナーです。ともに、社会とつながっていくための接点
づくりにレポートを生かしていくことを期待します。
34
ジャパンエナジー CSRレポート2008
用語解説
用語・省略語
解説
キシレン
芳香族炭化水素で、ベンゼンの水素二つをメチル基(CH3)
で置換したもの。オルト・メタ・パラの三種の異性体
がある。有毒で引火性のある無色透明の油状液体。石油の改質油から抽出される。有機溶剤・合成樹脂の原料
になる。
光化学スモッグ
自動車等の排ガスに含まれる窒素酸化物や炭化水素と、太陽の紫外線とが大気中で化学変化を起こし、
光化学
スモッグが発生するといわれている。光化学スモッグの主成分は大気中のオキシダント
(酸化性物質の総称)
で
大気汚染物質の一つとされている。
サルファーフリー化
ガソリン、軽油に含まれる硫黄分を、
10ppm以下まで低減すること。
触媒
それ自身は変化をしないが、他の物質の化学反応のなかだちとなって、反応の速度を速めたり遅らせたりする
物質。例えば重油の脱硫。これには水素化脱硫法が広く用いられている。この方法は、高温高圧にした重油に
水素を吹き込み、反応器中の固体触媒に接触させ、硫黄化合物の水素化分解反応によって硫黄分を硫化水素
として除去するものである。触媒にも寿命があり、化学反応が鈍くなると交換される。
COD汚濁
水質汚濁項目の一つ。CODとはChemical Oxygen Demand(化学的酸素要求量)の略称で、
水中の有機物
を分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもので、海水や湖沼水質の有機物による汚濁状況
を測る代表的な指標。
スラッジ
石油が劣化により溶解した酸素と反応して生成される固形物。
脱硝
排ガス中の窒素酸化物を除去する操作・技術のこと。脱硝の手段としては、
アンモニアを還元剤として用いるア
ンモニア接触還元法が最も一般的である。
脱硫
原料油中の硫黄分と水素を反応させ、
硫化水素として除去することにより硫黄分を低減させること。
また、
石油製品の脱硫の他にも、燃焼排ガスに含まれる硫黄酸化物を除去することを「排煙脱硫」
という。
トルエン
芳香族炭化水素で、ベンゼンの水素原子1個をメチル基で置換した化合物。無色、可燃性の液体で特異臭があり
有毒。石油の分解・改質などにより得られる。染料・爆薬・合成樹脂などの原料や溶剤として広く用いられる。シン
ナーの主成分でトルオールとも呼ばれる。
ナフサ
粗製ガソリン
(半製品ガソリン)
とも呼ばれ、
石油化学品の原料として使われることが多い。分別蒸留範囲は30∼
200°
C程度である。
バイオガソリン
従来のレギュラーガソリンに植物を原料の1つとする
「バイオETBE
(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)
」を
配合したもの。
「バイオETBE」は、
トウモロコシやサトウキビなどの植物を原料とするエタノールと石油系ガス
を化学合成して作られる。バイオガソリンは、
日本工業規格(JIS)
および品質確保法(揮発油等の品質の確保等
に関する法律)
の規格に合致したレギュラーガソリンであり、
従来のレギュラーガソリンと同じ使い方ができる。
ばいじん
煙突からの排煙の中に含まれている微粒子。
ベンゼン
無色の液体で芳香を有し、水に不溶。ベンゾールともよばれる。揮発性が極めて強く、引火しやすい。べンゼ
ンには毒性があるので、労働安全衛生法でも、その使用および取扱いについて規制しており、注意を要す
る。分子式はC6H6で芳香族炭化水素の最も基本的な物質。
油槽所
製油所で精製された製品を、消費地まで効率よく配送するための中継基地。油槽所備蓄による安定供給や流
通コストの低減などのメリットがある。
CSR レポート2008
発行
発行者
電話
FAX
URL
初 版:2008年 8月
第2版:2008年10月
株式会社ジャパンエナジー CSR推進部
〒105-8407 東京都港区虎ノ門2-10-1
03-5573-6696
(CSR推進部)
0120-150-106
(JOMOお客様センター)
03-5573-6784
http://www.j-energy.co.jp/
JAPAN ENERGY CSR Report 2008
35
〒105-8407 東京都港区虎ノ門 2-10-1
Tel. 03-5573-6696
http://www.j-energy.co.jp/
ジャパンエナジーは、林野庁が推進する
『木づかい運
動』
を応援しています。
CSRレポート2008の制作により、長野県原村の間
伐材が製紙原料として活用され、国内の森林による
CO2吸収量の拡大に貢献しています。
B-(2)
-060008
大気汚染の原因となるVOC
(揮発性有機化合物)
の発生を減らすため、
CSRレポート2008は植物性のイン
キを使用し、環境負荷の少ない「水なし印刷方式」で印刷しています。
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