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調査報告「増加する外国人労働者の現状」

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調査報告「増加する外国人労働者の現状」
調査レポート
2009/春
No.65
調査報告
増加する外国人労働者の現状
はじめに
きが活発化する中、わが国においても、2007年年
2000年に入ってから、わが国では、外国人旅
間で900万人を超える外国人が日本を訪れた。そ
行者の訪日促進を通じた観光立国への取組みや、
の多くは、観光などの一時的な滞在であるが、就
高度人材をはじめとする専門的・技術的分野に
労や様々な目的を持って来日し、中・長期的に日
おける外国人労働者の受入れ促進など、国をあ
本で生活を送る外国人も増加している。
げて外国人の受入れ促進が図られてきた。こう
外国人登録者数1の推移をみると(図表1)、
した取組み以前からすでに、中・長期的に日本
戦後まもなくから1960年代までは60万人台だっ
で生活を送る外国人の数は年々増加しており、
たのが、年々増加し、2007年には215万人まで増
わが国で就労する外国人の数も増加している。
加した。総人口に占める外国人人口も1960年代
本レポートでは、統計的になかなか実態が把握
の0.7%から年々上昇し、2007年には1.7%となっ
されていない外国人労働に焦点をあて、まず、
たが、他の先進諸国に比べれば、極めて低い水
外国人登録者数全体の動向とその傾向を捉え、
準である(図表2)。なお、滞在期間を過ぎても自
次いで、外国人労働の動向及び就労実態につい
国に戻らず滞在し続けている不法残留者も、93
てみた。
年の約30万人をピークに減少してはいるものの、
2007年約15万人程度いるとみられ、これを加え
1.外国人登録者(日本で暮らす外国人)
の動向
ると、約230万人の外国人が日本に滞在している
ことになる。
グローバル化の進展で、ヒト、モノ、カネの動
(図表1)外国人登録者数の推移
(万人)
250
(%)
1.8
外国人登録者数
外国人人口割合
1.6
200
1.4
1.2
150
1.0
0.8
100
0.6
0.4
50
0.2
0
1950
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
0.0
(年末)
(資料)法務省「在留外国人統計」等
――――――――――――――――
1
外国人登録者数:わが国における外国人受入れは、ポジティブリスト(一定の資格要件を満たせば、数量制限を
行わず、全て受入れる制度)によっており、日本に来た外国人が 90 日以上日本に滞在する場合、27 種類の在留
資格(活動に基づく 23 種類と、身分又は地位に基づく 4 種類)別に、各市町村に外国人登録をすることになっ
ている。また、日本国籍を取得した者は外国人から除かれる。
15
中央三井トラスト・ホールディングス
(図表2)主要国の外国人人口比率
外国人人口比率
日本
1.7 (2007 年)
ドイツ
8.2 (2005 年)
フランス
5.6 (2005 年)
イギリス
5.5 (2006 年)
アメリカ
12.3 (2005 年)
韓国
1.0 (2006 年)
(資料)労働政策研究・研修機構
「データブック国際労働比較2008」
外国人登録者数の主な傾向をあげると、①景
これは、好況期には、労働需給が逼迫し、外国
気変動との関係、②出身国構成の変化、③特定
人労働への需要が増すためと考えられるが、こ
地域への集住傾向の3点が指摘できる。
こで注目すべきは、不景気の際、外国人登録者
①について、実質GDPと外国人登録者数の伸
び率を比較すると(図表3)、多少のタイムラグを
の伸びが鈍化することはあっても、減少に転じ
たことはないことである。
伴って、概ね同じ動きをしているのが分かる。
16
(%)
(図表3)実質GDP伸び率と外国人登録者伸び率の推移
14
外国人登録者伸び率
実質GDP伸び率
12
10
8
6
4
2
0
-2
19
76
19
77
19
78
19
79
19
80
19
81
19
82
19
83
19
84
19
85
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
-4
(資料)法務省「在留外国人統計」、内閣府「国民経済計算年報」
(年)
また、②について、出身国別に外国人登録者
③については、各都道府県の総人口に占める
の構成比をみると(図表4)、戦後から2006年ま
外国人人口をみると(図表6)、愛知(3.02%)が
でトップの割合を占めていた韓国・朝鮮は年々
最も高く、次いで、東京(3.00%)、三重(2.76%)、
減少し、ついに、2007年には中国に抜かれた。
岐阜(2.72%)、静岡(2.67%)、大阪(2.40%)、
また、1990年の入管法改定以降日系人として在
群馬(2.33%)と続くなど、製造業、とりわけ
留が急増したブラジル、そしてフィリピンなど、
自動車産業の盛んな地域への集中がみられる。
いわゆるニューカマーの比率が高くなっている。
16
調査レポート
2009/春
No.65
(図表4)国籍別外国人登録者構成比
100%
8.6
3.5
2.2
5.1
80%
9.8
14.9
2.4
2.8
9.4
14.7
60%
その他
米国
ペルー
フィリピン
40%
56.9
27.6
ブラジル
韓国・朝鮮
中国
20%
28.2
14.0
0%
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 (年末)
(注)中国には台湾を含む
(資料)図表1と同じ
3.5
(%)
(図表5)都道府県別外国人人口比率(2007年)
3.0
2.5
全国平均:1.69
2.0
1.5
1.0
0.5
沖縄
鹿児島
宮崎
大分
熊本
長崎
佐賀
福岡
高知
愛媛
香川
徳島
山口
広島
岡山
島根
鳥取
和歌山
奈良
兵庫
大阪
京都
滋賀
三重
愛知
静岡
岐阜
長野
山梨
福井
石川
富山
新潟
神奈川
東京
千葉
埼玉
群馬
栃木
茨城
福島
山形
秋田
宮城
岩手
青森
北海道
0.0
(資料)図表1と同じ
2.外国人労働者の動向
る「単純労働者」を除く、専門的・技術的労働
①外国人受入れ経緯と外国人労働者数の推移
者を積極的に受入れるというスタンスに変わり、
次に、外国人登録者のうち、実際に就労して
いる外国人労働者についてみていく。
1989年には入管法が改定された(1990年施行)。な
お、2000年に入ってからは、グローバル化への
わが国における外国人受入れの経緯を簡単に
対応として日本の活力を維持するため、また、
振り返ってみると、戦後、外国人労働者は受入
人口減少に伴う労働力不足を補うといった視点
れないというスタンスを取ってきたが、1980年
から、定住を前提とした受入れが新たな論点と
代後半のバブル景気による深刻な人手不足等を
して浮上している。
受けて、外国人の新規入国者数が急増し、外国
外国人の就労に関しては、図表6に見るとお
人労働者受入れを巡る議論が活発化した。1988
り、在留資格別に可否が決められている。政府
年の第6次雇用対策基本計画において、いわゆ
が積極的に受入れてきたのが、表中のシャドー
17
中央三井トラスト・ホールディングス
部分に当たる14の在留資格であり、それぞれ資
者数は全体の9%を占めるにすぎず、全体の約7
格の範囲内での就労が認められている。ただし、
割近くを就労の制限のない「身分または地位に
2007年で「就労目的の在留資格」に基づく登録
基づく在留資格」に基づく登録者が占めている。
(図表6)2007年在留資格別外国人登録者数
在留資格
具体的職業等
在留期間
就労
登録者数 割合
(人)
(%)
8,436
0.4
活動に基づく在留資格
教授
大学教授等
3 年または 1 年
○
芸術
作曲家、画家、著述家等
3 年または 1 年
○
448
0.0
宗教
外国の宗教団体から派遣される宣教師等 3 年または 1 年
○
4,732
0.2
報道
外国の報道関係の記者、カメラマン等
3 年または 1 年
○
279
0.0
投資・経営
外資家企業の経営者、管理者等
3 年または 1 年
○
7,916
0.4
法律・会計業務 弁護士、公認会計士等
3 年または 1 年
○
145
0.0
医療
医師、歯科医師等
3 年または 1 年
○
174
0.0
研究
政府関係機関や企業等の研究者
3 年または 1 年
○
2,276
0.1
教育
高等学校・中学校等の語学教師等
3 年または 1 年
○
9,832
0.5
技術
機械工学等の技術者
3 年または 1 年
○
44,684
2.1
3 年または 1 年
○
61,763
2.9
3 年または 1 年
○
16,111
0.7
人文知識・国際
通訳、デザイナー、企業の語学教師等
業務
身分または地位に
基づく在留資格
企業内転勤
外国の事業所からの転勤者で人文知識・
国際業務を行う者
興行
俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選
1 年、6 ヵ月または 3 ヵ月
手等
○
15,728
0.7
技能
外国料理の調理師、動物調教師、スポー
3 年または 1 年
ツ指導者等
○
21,261
1.0
文化活動
日本文化の研究者等
1 年または 6 ヵ月
×
3,014
0.1
短期滞在
観光客、会議参加者等
90 日、30 日または 15 日
×
49,787
2.3
留学
大学、短期大学、専修学校の専門課程等
2 年または 1 年
の学生
×
132,460
6.2
就学
高等学校・専修学校の一般課程等の学生
1 年または 6 ヵ月
×
38,130
1.8
研修
研修生
1 年または 6 ヵ月
×
88,086
4.1
家族滞在
上記教授から文化活動、及び留学の在留
原則、該当家族の扶養者と
資格を有する外国人が扶養する配偶者・
同じ期間
実子・特別養子
×
98,167
4.6
特定活動
3 年、1 年または 6 ヵ月。ま
外交官等の家事使用人、ワーキングホリ
たは 1 年を超えない範囲で
デー、及び技能実習の対象者等
法務大臣が指定する期間。
○
104,488
4.9
永住者
法務大臣から永住許可を受けた者
無期限
◎
439,757
20.4
日本人の配偶
者等
日本人の配偶者・実子・特別養子
3 年または 1 年
◎
256,980
11.9
永住者の配偶
者等
永住者・特別永住者の配偶者及び日本で
3 年または 1 年
出生し引き続き在留している実子
◎
15,365
0.7
定住者
インドシナ難民、日系 3 世等
◎
268,604
12.5
特別永住者
在日韓国人等(入管法上の地位ではなく、
無期限
入管特例法に規定される)
◎
430,229
20.0
-
34,121
1.6
その他
3 年または 1 年
-
合計
9.0
19.0
65.5
2,152,973 100.0
部分が就労を目的とする外国人=専門的・技術的労働者
○は資格の範囲内で就労可、◎は就労制限なし、×は原則就労不可
(資料)図表1と同じ
図表7は、実際に就労している外国人を厚生
(技能実習生 2 やワーキングホリデー等)による
労働省が推計したものであるが、2006年末現在、
就業者が9.5万人、在留資格外(留学生等のアルバ
専門的・技術的分野の就業者が17.9万人、身分に
イト等)による就業者が10.7万人の合計75.3万人
基づく在留資格の就業者が37.2万人、特定活動
である。不法残留者の17.1万人も含めると、外
18
調査レポート
2009/春
No.65
国人就業者は92.4万人に上る。また、就業者全
は2006年で2割程度を占めるにすぎない。最も
体に占める外国人就業者の比率は1.4%にまで
構成比が大きいのが、身分に基づく在留資格に
上昇した。
基づく就業者で、全体の4割を占める。また、
在留資格別に構成比の推移をみると(図表
資格外や特定活動による就業者の割合はこの
8)、積極的に受入れを推進してきた専門的・
10年で急速に拡大している。一方、10年前には
技術的分野の就業者の比率は10年前と比べて
4割超となっていた不法残留者の割合は大幅
着実に拡大しているものの、全体に占める割合
に減少している。
(図表7)在留資格別外国人労働者数の推移
(万人)
100
(%)
1.6
90
17.1
80
1.2
70
10.7
60
9.5
28.3
50
40
37.2
0.6
特定活動(技能
実習生、WH等)
身分に基づく在
留資格
0.4
23.1
20
資格外(留学生
等のアルバイト)
1.0
0.8
3.0
0.9
30
不法残留者
1.4
10
17.9
9.8
0
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
(注)外国人労働者には、在留資格の「研修」「特別永住者」を含まない。
(資料)厚生労働省推計、法務省資料
2004
2005
0.2
0.0
2006 (年)
専門的・技術的
分野
外国人就業比率
(右目盛)
(図表8)在留資格別外国人労働者構成比の推移
100%
不法残留者
18.5
90%
80%
43.5
資格外(留学生等のア
ルバイト)
11.6
70%
10.3
60%
特定活動(技能実習
生、WH等)
4.6
1.3
50%
40%
30%
40.2
身分に基づく在留資格
35.5
20%
10%
0%
1996
1997
(資料)図表7と同じ
専門的・技術的分野
19.4
15.1
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
(年)
――――――――――――――――
2
技能実習:開発途上国の人材育成への協力を目的に、日本の技術・技能・知識の修得を支援する制度として、1981
年に外国人研修制度が創設され、その後 1993 年には、「学ぶ活動」である研修に加えて、
「労働者として」実践
的な技能・技術を修得するため技能実習制度が導入された。研修を修了した外国人研修生が技能実習制度を利用
することで、研修で修得した技能を雇用関係の下で更に実践的に習熟することが出来る仕組み。研修・技能実習
あわせて最大 3 年間の滞在が可能。
なお、研修生は労働者ではないため、労働法令ではなく入管法令が適用される一方、技能実習生は労働法が適
用されるため、通常の労働者と同様の扱いが必要となるが、低賃金の労働力確保のために制度を利用するケース
も目立ち、諸外国から人権侵害との批判を受けるなど、問題も多い。
19
中央三井トラスト・ホールディングス
る。一方、イギリス・アメリカ人は半数以上が
②外国人労働者の就労実態
最後に、外国人就業者が実際にどういった産
教育・学習支援業(英会話教師等と推測される)
業や職種に従事しているか、また、就労状況に
に従事しており、金融・保険業の就業比率も高
ついてみていく。
い。
国勢調査で、産業別、職業別に、日本人と外
また、職種別にみると(図表10)、生産工程・労
国人(特別永住者が7割を超える韓国・朝鮮を除
務作業者(日本人28.6%対外国人61.7%)が、日本
く)の就業状態を比較すると、産業別では(図表
人に比べて就業比率が圧倒的に高い。さらに、
9)、日本人に比べて就業比率が高いのが、製造
国籍別では、ブラジル・ペルー人は9割、ベトナ
業(日本人17.4%対外国人47.4%)で約30ポイン
ム人も8割超が生産工程・労務作業者となって
ト、飲食店・宿泊業(日本人5.3%対外国人10.2%)
いる。また、フィリピン人やタイ人は生産工程・
で約5ポイント、教育・学習支援業(日本人4.5%
労務作業者が約6割を占める一方で、サービス
対外国人7.2%)で、約3ポイント高くなってお
職業従事者も約2割と高い。一方、イギリス・
り、特に製造業に集中していることが分かる。
アメリカ人は約7割が専門的・技術的職業従事
さらに、主な国籍別に分けてみると、ブラジ
者となっており、管理的職業従事者の比率も高
ル・ペルー人は7割近くが製造業に従事してい
い。
る。フィリピン人は、製造業に次いで飲食店・
このように外国人労働者と一口に言っても、
宿泊業の従事者が多く、3割近くに上る。また、
出身国別に日本経済における位置づけは大きく
インドネシア人は製造業や飲食店・宿泊業、サー
異なっているのがわかる。
ビス業以外に、農林漁業の比率が高くなってい
(図表9)国籍別産業別就業者構成比
0%
20%
40%
60%
80%
100%
農林漁業・鉱業
5.3
日本人
14.6
17.4
外国人
47.4
製造業
15.2
10.2
47.4
中国
建設業
電気・ガス・熱供給・水道業
8.4
13.9
情報通信業
運輸業
38.3
フィリピン
卸売・小売業
16.1
25.9
金融・保険業
41.7
タイ
9.7
19.3
不動産業
飲食店・宿泊業
インドネシア
8.0
61.5
9.6
6.9
75.4
ベトナム
8.3
医療・福祉
教育・学習支援業
複合サービス
ブラジル・ペルー
23.4
66.9
サービス業(他に分類されない)
公務
公務
イギリス・アメリカ
(資料)総務省「国勢調査」2005年
20
55.5
19.2
調査レポート
2009/春
No.65
(図表10)国籍別職業別就業者構成比
0%
20%
40%
60%
80%
100%
専門的・技術的職業従事者
日本人
14.0
外国人
14.4
10.1
28.6
管理的職業従事者
10.0
61.7
事務従事者
中国
11.4
フィリピン
10.7
13.7
55.5
販売従事者
21.3
58.0
サービス職業従事者
タイ
6.7
インドネシア
6.2
18.8
58.9
保安職業従事者
8.2
74.0
農林漁業作業者
84.4
ベトナム
運輸・通信従事者
90.9
ブラジル・ペルー
生産工程・労務作業者
生産工程・労務作業
者
73.1
イギリス・アメリカ
(資料)図表9と同じ
さらに、外国人の就労先について、
「外国人雇
3
事業所が50人未満の事業所で、外国人労働者の4
用状況の届出状況 (平成20年10月末現在)」で、
割が50人未満の事業所で働いている。中小・零細
外国人を雇用している事業所の規模別に、事業所
な企業が、使い勝手のよい柔軟な雇用者として、
数と外国人労働者数をみると(図表11)、6割超の
外国人労働者を活用している姿が見て取れる。
(図表11)事業所規模別事業所数・外国人労働者数
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
外国人雇用事業所数
外国人労働者数
50人未満
50~99人
500~999人
1000人以上
100~299人
300~499人
(資料)厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況(平成20年10月末現在)」
――――――――――――――――
3
外国人雇用状況の届出状況:厚生労働省では、93 年度から外国人労働者の雇用状況について事業所から年 1 回
報告(任意)を求める「外国人雇用状況報告制度」を実施してきたが、
「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部
を改正する法律」の成立・公布を受けて、平成 19 年 10 月 1 日より、外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支
援を図ることを目的に、すべての事業主に対し、届出を義務づけた。
21
中央三井トラスト・ホールディングス
以上でみてきたように、すでに、わが国には
経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福
相当数の外国人が暮らし、日本人が意識するし
祉士の受入れも着実に進行している。今後、人
ないに関わらず、外国人労働がわが国の産業構
口減少、少子高齢化という難題を抱える中、外
造に組み込まれ、主に製造業や、日本人があま
国人労働者の受入れに対して、国民全体で本格
りやりたがらないような仕事などで、なくては
的に考える時期に来ている。
ならない存在となっている。また、足許では、
【参考文献】
吉田 良生・河野 稠果
阿藤 誠・津谷 典子
依光 正哲
編著
編著
「国際人口移動の新時代」
「人口減少時代の日本社会」
「日本の移民政策を考える~人口減少社会の課題~」
(貞清
22
栄子)
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