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経済研究所アナリストメモ
経済研究所アナリストメモ
2014 年 3 月 6 日
訪問企業
トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)
アナリスト:今中 能夫
トヨタ自動車(7203)
訪問取材
プリウスをリコール ■ トヨタ自動車は 2014 年 2 月 12 日付けで、プリウスのリコールを国土
交通省に届け出た。対象車種は 2009 年 3 月から 2014 年 2 月に生産された現行プリウス 98
万 6232 台。同車種のハイブリッドシステムにおいて、制御ソフトウェアの不具合により、加速
時などの高負荷走行時に、昇圧回路の素子に想定外の熱応力が加わることがある。そのた
めその素子が損傷し、警告灯が点灯してフェールセーフのモータ走行となるケースがある。
また、素子損傷時に電気ノイズが発生した場合、ハイブリッドシステムが停止し走行不能とな
る恐れがあるという。対策としては、制御ソフトウェアを修正し、制御ソフトウェア修正後に素
子が損傷して警告灯が点灯した場合は、電力変換器(DC-AC インバータ)のモジュールを無
償交換する。
現時点での会社側の判断では、DC-AC インバータを交換するケースは少なく、制御用ソフ
トウェアの修正作業で大半の車両が正常になる見込みだが、実際にはやってみなければわ
からない。
制御用ソフトウェアの修正にかかる時間は約 40 分、DC-AC インバータの交換には約 3 時間
かかる。整備の手間賃、DC-AC インバータのコストは不明だが、仮に手間賃を制御用ソフト
ウェアの修正に1万円、DC-AC インバータの交換に 3 万円、DC-AC インバータのコストを 2
~6 万円とすると(市販されている自動車用 DC-AC インバータは概ね1~8 万円)、対象車
両の 20%が DC-AC インバータの交換が必要だった場合、約 200~280 億円かかると試算さ
れる。対象車両の全てで DC-ACインバータの交換が必要とすると、約 600~1000 億円かか
ることになる。
対象車両の全てで DC-AC インバータの交換が必要になるケースは、確率は低いものの、
仮にそうなれば費用としては大きなものになると思われる。ただし、トヨタ自動車はリコール対
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本資料は、掲載されているいかなる銘柄についても、その売買に関する勧誘を意図して作成したものではありません。本資料に掲載さ
れているアナリストの見解は、各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、また特定の投資家に対し特定の銘柄、
投資戦略を勧めるものではありません。また掲載されている投資戦略は、すべての投資家に適合するとは限りません。銘柄の選択、売
買、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料で提供されている情報については、
当社が情報の完全性、確実性を保証するものではありません。本資料にてバリュエーション、レーティング、推奨の根拠、リスクなど
が言及されている場合、それらについて十分ご検討ください。また、過去のパフォーマンスは、将来における結果を示唆するものでは
ありません。アナリストの見解や評価、予測は本資料作成時点での判断であり、予告なしに変更されることがあります。当社は、本資
料に掲載されている銘柄について自己勘定取引を行ったことがあるか、今後行う場合があり得ます。また、引受人、アドバイザー、資
金の貸手等となる場合があり得ます。当社の親・子・関係会社は本資料に掲載されている銘柄について取引を行ったことがあるか、今
後取引を行う場合があり得ます。掲載されているレポート等は、アナリストが独自に銘柄等を選択し作成したものであり、対象会社か
ら対価を得て、又は取引を獲得し若しくは維持するために作成するものではありません。この資料の著作権は楽天証券に帰属しており、
事前の承諾なく本資料の全部または一部を引用、複製、転送などにより使用することを禁じます。本資料の記載内容に関するご質問・
ご照会等には一切お答えいたしかねますので予めご了承お願いいたします。
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策費用として約 5600 億円の引当金を引き当てており、今期予想営業利益 2 兆 4000 億円の
規模から業績への影響は大きくないと思われる。
また、来期の業績に対しては、引当金の積み増しという形で、1000 億円程度の原価増加と
なる可能性があるが、これも拡販、コストダウンで吸収可能であろう。
なお、2013 年 3 月期のリコール等の市場措置にかかる債務は、期首残高 4686 億円、当期
支払額 1809 億円、繰入額 2708 億円、その他 77 億円、期末残高 5664 億円(2012 年 3 月
末残高 4686 億円、2012 年 3 月期支払額 1593 億円)となっており、5664 億円が前期に会計
上引き当てられている。2012 年 3 月期末からの 978 億円の引き当て増加分が 2013 年 3 月
期の原価増加要因になっている。
来期は新車少ないが、今期の新車効果が続きそう ■ 2013 年 3 月期から今期 2014 年 3
月期にかけて重要な新車が相次いでおり、円安効果とともに新車効果が業績を牽引してい
る。まとめると以下の通り。
日本は、2013 年 1 月のクラウンハイブリッド(フルモデルチェンジ=FMC)、2013 年 5 月のレ
クサス IS(FMC)、2013 年 8 月のSAI(マイナーチェンジ=MC)、2013 年 12 月のハリアー
(FMC)、2014 年 1 月のボクシー/ノア(FMC)。
アメリカは、2012 年 12 月の RAV4(FMC)、2013 年 9 月のカローラ、タンドラ(いずれも FMC)。
欧州は、2012 年 11 月のオーリス HV(FMC)、2013 年 2 月の RAV4(FMC)、2013 年 6 月の
カローラ(セダン、FMC)。
中国は、2013 年 8 月の RAV4(FMC)、2013 年 9 月レイツ(日本名はマークX、MC)、2013
年 11 月のヤリス、ヴィオス(いずれも FMC)。
タイは、2013 年 3 月のヴィオス(FMC)、2013 年 10 月のヤリス新車。
インドネシアは、2013 年 9 月のアギラ発売(ダイハツから調達)、2013 年 12 月のヴィオス現地
生産開始。
暦年ベースでは、2012 年は 20 車種、2013 年は 10 車種のモデルチェンジがあった。2014
年は少ないものの、今後を見ると、アメリカで人気車種のハイランダーの FMC、日米でレクサ
ス NX、RX の新車発売、アメリカでカムリの MC が予想される。
日米市場では各車種の上級グレードの売れ行きが良い状況が続いており、アメリカでは小
型車の売れ行きが悪い反面、タンドラ、ハイランダーなどの SUV、ピックアップトラックが好調
である。新車、モデルチェンジは少なくなっても、利益の増加が大きく鈍化するとは考えにく
い。
なお、2015 年春にはプリウスの FMC が予想される。日米での主力車種の FMC であり、ホン
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ダとの競争が激化している分野なので、特に燃費性能がどの程度向上するのか注目され
る。
2015 年 3 月期は 11~21%の営業増益が見込まれる ■ 2014 年 3 月期の会社予想業績
は、売上高 25 兆 5000 億円(前年比 15.6%増)、営業利益 2 兆 4000 億円(81.7%増)、税引
前当期純利益 2 兆 5300 億円(80.2%増)、当期純利益 1 兆 9000 億円(97.5%増)、EPS
599.5 円であり、これは達成できると思われる。
2015 年 3 月期は、1$=101 円、1€=139 円(今期見込みは、1$=100 円、1€=135 円)
を前提すると、1ドル/1円の円安で 400 億円の円安メリット(営業利益)、1ユーロ/1円の円安
で 40 億円の円安メリットが発生するため、年間約 600 億円の円安メリットが発生する見込み。
合理化効果は 2000~3000 億円、販売増加効果は 2000~2500 億円と思わる。一方マイナス
要因としては、リコール費用の積み増し、販売費の増加等原価、販管費の増加が 1000~
2000 億円程度見込まれる。これらを合計すると 2600~5100 億円の増益となると試算される
ため、2015 年 3 月期営業利益は 2 兆 6600 億円(前年比 10.8%増)~2 兆 9100 億円(21.3%
増)のレンジと予想される。
2014 年 3 月期業績予想ベースの予想 PER は。3 月 3 日終値 5,773 円より 9.6 倍である。来
期が上述の楽天証券予想増益率の下限である 10.8%営業増益となったとしても、予想 PER
は 8.7 倍である。過去の PER 水準の下限に接近しており、割安感がある。
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ソニー(6758)
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3Qは業績回復、金融、音楽、ゲームが好調 ■ 2014 年 3 月期 3Q は売上高 2 兆 4128
億円(前年比 23.9%増)、営業利益 903 億円(94.6%増)、税引前利益 898 億円(205.0%増)、
当期純利益 270 億円(前 3Q は 108 億円の赤字)となった。
部門別営業利益の動向は以下の通り。
金融は順調な増益が続いており、営業利益は部門としては最も大きい 478 億円(前年比
39.8%増)となった。ソニーフィナンシャルホールディングスは、日本の新興金融グループの
成功事例であり、今後も順調な成長が続くと思われる。
音楽の営業利益は 217 億円(前年比 32.3%増)と大きな伸びになった。円安メリットがあった
ほか、欧米で「ワン・ダイレクション」「ビヨンセ」「マイリー・サイラス」などのアルバムがヒットした。
新興国でも音楽ダウンロード中心に売れている。新興国では、所得水準が上昇するにつれ
て、違法ダウンロードではなく、音質の良い有料ダウンロードの需要が増えている。旧EMIか
ら取得した音楽出版部門(ビートルズ、ボブ・ディランなど大物アーティストの楽曲の権利を
保有)でも旧譜が売れている。特に音楽出版部門が順調に伸びていること、新興国で有料
ダウンロードが増えていることは、今後の持続的成長を予想させる好材料である。
映画は、243 億円(4.0%減)と減益ながら前 3Q に近い利益水準だった。前年同期は「007ス
カイフォール」の興行収入などがあったため、今 3Q は反動で減益となったが、利益水準は
高かった。現在、複数のTVドラマ制作を進めており、収益源が多様化する期待が持てる。
イメージング・プロダクツ&ソリューション(IP&S)は、デジカメとビデオカメラの販売台数が減
少したが、対ユーロ円安の寄与で前 3Q29 億円の赤字から 121 億円の黒字に転換。
ゲームは、2013 年 11 月に欧米で発売されたPS4の寄与と円安の寄与で前3Q の営業利益
46 億円から 180 億円に増加した。この 180 億円の中には PC 用ゲームソフトの評価減 62 億
円が含まれている。PS4 ハードウェアは既に粗利益が黒字になっている。
モバイル・プロダクツ&コミュニケーション(MP&C)は、赤字が継続したものの、スマートフォン
の伸びによって、赤字が前 3Q213 億円から今 3Q126 億円に縮小した。なお、今 3Q の赤字
には PC 事業の長期性資産の減損 82 億円を計上しているため、損益の実態は見掛けより好
転している。
ホームエンタテインメント&サウンド(HE&S)も、前 3Q80 億円の赤字から 64 億円の黒字に改
善した。テレビの赤字縮小(前 3Q147 億円の赤字、今 3Q50 億円の赤字)が寄与した。
デバイス(イメージセンサー、電池など)は前 3Q97 億円の黒字から今 3Q は 238 億円の赤字
となった。主に電池事業について 321 億円の減損を行った。
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2,014 年 3 月期見通しは下方修正 ■ 3Q の結果は悪いものではなかったが、会社側は通
期業績見通しを下方修正した。それによれば、2014 年 3 月期業績は、売上高 7 兆 7000 億
円(前年比 13.2%増)、営業利益 800 億円(65.2%減)、税引前利益 800 億円(67.4%減)、
当期純損失 1100 億円(2013 年 3 月期は 430 億円の黒字)となる見込み。昨年 12 月時点で
の会社見通しは、売上高 7 兆 7000 億円(前年比 13.2%増)、営業利益 1700 億円(26.1%減)、
税引前利益 1800 億円(26.7%減)、当期純利益 300 億円(30.2%減)だったので大幅下方修
正となる。
この要因は、デバイス事業の減損 321 億円等の減損、評価減、合わせて 465 億円、構造改
革費用の積み増し 200 億円(通期では 700 億円になる)、更に、IP&S、MP&C、HE&S、デバイ
スの4部門の売り上げ見通し下方修正に伴う営業利益の減少である。
例えば、デジカメは黒字ではあるが販売台数が計画に達しそうにない。高級カメラも高価格
帯の売れ行きが悪い。会社側が注力している分野でも、イメージセンサーは研究開発費を
積み増す。スマートフォンは欧州、中国での売り上げが予想に達しそうにない。
ゲームのように通期見通しを強含みの見方に変えた部門もあるが、下方修正要因のほうが
大きかった。
映画、音楽、金融、ゲームの業績寄与拡大 ■ 前期までの業績、今期の業績を見れば、
金融、映画、音楽が継続的に黒字である。特に金融が持続的に利益成長しており、音楽も
新興国の成長、音楽出版部門の成長という今後期待できる要因が出てきた。映画は利益変
動があるが、TV ドラマへの投資を進めており、今後が期待できる。
一方、エレクトロニクス部門はいずれも問題を抱えている。会社側は2月6日の 3Q 決算に合
わせて「VAIO」ブランドのパソコン事業の売却、テレビ事業の分社化を発表した。今後は、
テレビ事業への社外からの投資受け入れ、他のデジタル AV 機器の分社化などを行う可能
性がある。会社側は今回発表した約 5000 人の人員削減で、人員削減は打ち止めにしたいと
しているが、カメラ、ホームエレクトロニクスなどの分野で製品販売が急速に減少しているた
め、今後も人員削減が続く可能性がある。
また、ゲームでも自社製ゲームソフトの拡充には積極的ではない。自社製ソフト開発を拡大
させることにはリスクが大きいという考え方だが、これではゲーム部門の利益の拡大には限界
があるだろう。
このように、今後も継続的なリストラが必要になると思われるため、来期も減損や特別損失等
が続く可能性がある。今期の減損等の一時的損失がなくなること、金融、音楽、映画、ゲー
ムの利益の伸びを考慮すると、来期は営業利益で 1600~2000 億円程度になる可能性があ
る。しかし、上述のように、追加リストラの可能性が依然としてあるため、今期予想以下の利益
になる可能性は少ないと思われるものの、大幅増益となるかどうかは依然として流動的であ
る。
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映画、音楽、金融、ゲーム、イメージセンサーなど有望部門の成長を評価するなら投資妙
味がある ■ 個別事業部門の時価総額を算定して、それを合計するやり方で、ソニーの投
資価値を概算してみたい。
2013 年 7 月の報道によると、ソフトバンクは、フランスのビベンディに対して 85 億ドルで傘下
のユニバーサルミュージックグループの買収を提案した。ユニバーサルミュージックグループ
は世界の音楽市場でトップの会社で2位がソニー音楽部門である。ビベンディはこの提案を
拒否したが、要するにビベンディの考えでは 85 億ドルは安いということであろう。ソニー音楽
部門の売上高はユニバーサルミュージックグループの約 80%なので、同社の買収価値を仮
に1兆円として、ソニー音楽部門のそれを 8000 億円とした。
ソニー音楽部門が 8000 億円なら映画部門も同程度の価値があると仮定してよいと思われ
る。
また、金融部門はソニーフィナンシャルホールディングスの持ち分(60%)の時価総額が約
4000 億円になっている。
ゲームは、プラットフォームとしては PS4 は成功しつつあるものの、ソフト開発力を今のところ
拡充するつもりがないため、利益水準は低い状態が続くと思われる。そのため、任天堂の時
価総額の 3 分の1、約 6000 億円とした。
エレクトロニクス部門では、イメージセンサ、スマートフォン、放送局用機器など、競争力の高
い部門、会社側が注力している部門の価値を、まとめて 5000 億円とした。
これらを合算すると、ソニーの中で有望部門の時価総額は 3 兆 1000 億円となる。
ソニーの時価総額は現在約 1 兆 8000 億円なので、約 1 兆 3000 億円分のディスカウント要
因が発生していることになる。このディスカウント要因は、言うまでもなく、テレビをはじめとし
たデジタル AV 機器、カメラなどであり、今後も赤字、特損、減損などが予想される。恐らく、
早晩外部資本の導入による切り離しや分社化、一層の人員削減が避けられないと思われる。
ただし、会社側は着実にこの方向を指向している。バイオの売却、テレビの分社化はその証
左であろう。
ソニーの平井 CEO の経営の方向性は正しいと思われる。
従って我々は、緩やかな動きになろうが、ソニーの有望部門の投資価値に、実際の時価総
額が収斂していくと予想している。ソニーは数ヶ月間の短期投資には向かない株と思われる
が、1年以上の長期では、我々が試算した 3 兆円以上の時価総額に実際の時価総額が近
付いて行くことが期待できる妙味があると思われる。
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【リスクについてのご説明】
◆上場有価証券等のリスク
〔現物取引〕
国内外の金融商品取引所に上場されている株式(現物取引)等の上場有価証券(以下「上場有価証券等」
(※1)といいます。)には、以下のリスクがあります。
・上場有価証券等の売買等にあたっては、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変
動や、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等の裏付けとなっている株式、債券、
投資信託、不動産、商品、カバードワラント等(以下「裏付け資産」
(※2)といいます。)の価格や評価
額の変動に伴い、上場有価証券等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等の発行者または保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた際や、裏付け資産の発行
者または保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた際に、上場有価証券等の価格が変動することによ
って損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等のうち、他の種類株式、社債、新株予約権その他の財産に転換される(できる)旨の条
件または権利が付されている場合において、当該財産の価格や評価額の変動や、当該財産の発行者の業務
や財産の状況の変化に伴い、上場有価証券等の価格が変動することや、転換後の当該財産の価格や評価額
が当初購入金額を下回ることによって損失が生じる場合があります。
・また、新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利を行使できる期
間に制限がありますのでご留意ください。
また、新株予約権証券は、あらかじめ定められた期限内に新株予約権を行使しないことに
より、投資金額全額を失う場合があります。
なお、上場有価証券等が外貨建ての場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することにより、為
替相場が円高になる過程で円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる過程で円貨換算した価値は上昇す
ることになります。したがって、売却時等の為替相場の状況によっては為替差損が生じる場合があります。
〔信用取引〕
上場有価証券等を「信用取引」でおこなう場合は、以下のリスクがあります。
・信用取引を行うにあたっては、株式相場、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動や、投資信託、投
資証券等の裏付けとなっている株式、債券、不動産、商品等(以下「裏付け資産」
(※2)といいます。)
の価格や評価額の変動に伴い、信用取引の対象となっている株式等の価格が変動することによって損失が
生じる場合があります。また、その損失の額が、差し入れた委託保証金の額を上回る場合があります。
・信用取引の対象となっている株式等の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた場合や、
裏付け資産の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた場合、信用取引の対象となってい
る株式等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。また、その損失の額が、差し入れ
た委託保証金の額を上回る場合があります。
・信用取引により売買した株券等のその後の値動きにより計算上の損失(評価損)が生じたり、代用有価
証券の価格が値下がりすること等によって、委託保証金の維持率 20%未満となった場合には、不足額を所
定の期日までに当社に差し入れていただく必要があります。
・所定の期日までに不足額を差し入れない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由
に該当した場合には、計算上の損失が生じている状態で建玉(信用取引のうち決済が結了していないもの)
の一部又は全部を決済(反対売買または現引・現渡)される場合もあります。この場合、その決済で生じ
た実現損失について責任を負うことになります。
・信用取引の利用が過度であると金融商品取引所または当社が認める場合には、委託保証金率の引上げ、
信用取引の制限または禁止の措置等をとることがあります。
※1 「上場有価証券等」には、国内外の店頭売買有価証券市場において取引されている有価証券を含み、
カバードワラントなど、法令で指定される有価証券を除きます。また、外国又は外国の者の発行する証券
又は証書で同様の性質を有するものを含みます。
※2 裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等である場合には、そ
の最終的な裏付け資産を含みます。
※3 各有価証券には、外国又は外国の者の発行する証券又は証書で同様の性質を有するものを含みます。
【手数料等についてのご説明】
○手数料について
(以下、手数料・費用は何れも税込)
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の現物取引における売買手数料
日本株式(現物取引)の売買が約定した際には、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択されたコースの
手数料を支払っていただきます。お客様が選択されている手数料コースは、当社メンバー画面にてご確認くださ
い。
[超割コース]
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料を支払っていただきま
す。
※上記の「株式等」には「上場投資信託受益証券(ETF)」、「不動産投資信託証券(REIT)」、「預託証券(DR)」を
含みます。
※手数料は当社の判断により変更する場合があります。
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の信用取引における売買手数料
信用取引による売買が約定した際には、インターネット(マーケットスピード含む)又は自動音声応答ダイヤルを
経由した場合、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択されたコースの手数料を支払っていただきます。お
客様が選択されている手数料コースは、当社メンバー画面にてご確認ください。(手数料は当社の判断により変更
する場合があります。)
[超割コース]
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料を支払っていただきま
す。
なお、お客様が追加保証金(追証)や不足額を入金されず、当社の任意でお客様の計算により建玉又は代用有
価証券を決済・処分(強制執行)する際には、オペレーター取次ぎの手数料を支払っていただきます。さらに、信用
期日の前営業日までにお客様が信用建玉を処分されなかった場合の強制執行においては、オペレーター取次ぎ
の手数料に10500円を加算した額の手数料を支払っていただきます。
信用取引関係諸費用
[事務管理費]
建約定日から1ヶ月経過するごとに、1株あたり10.5銭の事務管理費がかかります。(単元株制度の適用を受け
ない銘柄(売買単位1株)については1株あたり105円になります。)ただし、同一銘柄、同一日に成立した売付株数
又は買付株数をそれぞれ合計し105円に満たない場合は105円、1050円を超える場合には1050円とします。
※
税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
[名義書換料]
権利確定日を越えて買建をしている場合、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5円の名義書換料がかかります。
※税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
【名義書換料の一部例外について】
平成13年10月1日以降に行われた株式の分割もしくは併合または1売買単位の株式の数の変更(取引所に上
場される前に行われたものを除く。)について、それぞれ行われる都度算出された当該分割比率もしくは当該併合
比率または当該1売買単位の株式の数の変更比率をそれぞれ乗じて得た数(以下「分割等による調整率」といいま
す。)が10以上となった場合の銘柄を例外の対象とします。
※分割比率:当該株式の分割後の発行済み株式の総数を当該分割前の発行済み株式の総数で除して得た数を
いいます。
※併合比率:当該株式の併合後の発行済み株式の総数を当該併合前の発行済み株式の総数で除して得た数を
いいます。
※変更比率:1売買単位の株式の数の変更前の1売買単位の株式の数を当該変更後の1売買単位の株式の数で
除して得た数をいいます。
例外の対象となった銘柄については、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5円に10を乗じ、分割等による調整
率で除してもとめられる金額(円未満の端数切捨て)を名義書換料としてお支払いいただきます。
○委託保証金について
委託保証金は、売買代金の 30%以上で、かつ 30 万円以上が必要です。また、有価証券により代用する場合の
代用価格は、以下に掲げる銘柄に応じて、前日終値にそれぞれの掛目を乗じた価格となります。
東証(マザーズを含む)上場銘柄
前日の終値の 80%
名証単独上場銘柄
〃
0%
委託保証金率及び代用有価証券の掛目については、市場の動向により金融商品取引所により変更 されること
又は当社の判断により変更することがありますので、ご注意ください。
なお、当社の判断により代用有価証券の掛目の変更又は除外(以下「掛目の変更等」といいます。)を行う事象
は以下のとおりです。掛目の変更等を行う場合には、あらかじめその内容をご通知し、変更後の掛目(又は除外)の
適用日につきましては、通知した日から起算して5営業日目の日といたします。ただし、下記③の事象の場合にお
いて、当社が必要と認めたときには、通知した日の翌営業日から適用することができるものといたします。(当社「信
用取引規定」第5条の2参照)
①株価が一定の水準を継続して下回る、または、出来高が過少で流動性が確保できないなど、決済リスクの観点
から当社が不適当と判断した場合。
②当社での信用取引建玉状況や代用有価証券の預り状況等に照らして、著しく偏りが見られるなど、与信管理
の観点から当社が不適切と判断した場合。
③特定の銘柄について、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等が発生し、今後、株価が継続
かつ大幅に下落することが予想され、当該銘柄の時価が本来の株価水準を反映していないことから、保証金として
の適切な評価を行うことができないと当社が認めた場合。
なお、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等の事例としては、例えば、次のようなケースが想
定されます。
・重大な粉飾決算の疑いが発覚し、直近の株価の水準が粉飾されたとされる決算内容に基づき形成されていた
と判断される場合
・業務上の取引等で経営に重大な影響を与える巨額な損失が発生した場合
・突発的な事故等により長期にわたりすべての業務が停止される場合
・行政庁による法令等に基づく処分又は行政庁による法令違反に係る告発等により、すべての業務が停止される
場合
・その他上場廃止につながる可能性が非常に高い事象が発生した場合
・PTS 取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず 1 回の約定代金が 50 万円まで 472 円/1
回、100 万円まで 840 円/1 回、150 万円まで 1,050 円/1 回、150 万円超は 1,575 円/1 回がかかります。いずれ
も税込み。
・国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会買分売)により取得する場合は、購入対価のみお支払い
いただきます(委託手数料はかかりません)。
商号等:楽天証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 195 号、商品先物取引業者
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会
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