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CSR Book 2012
CSR スナップショット
「CSR Book」について
昭和シェル石油グループの経営および企業活動全般を、ステークホルダーの皆様により分かりやすくお伝えするため、
「アニュアルレポート」
と「サステイナビリティ・レポート」を 1 冊に統合した「コーポレートレポート」を 2012 年より発行しています。
事業概況 AT A GLANCE
P.2
2011 年 CSR 活動実績レビューと今後の目標
P.3
「CSR Book」は別冊として、当社の CSR などの非財務情報ついてさらに詳しい内容を加え、各種ガイドラインを参考に再編集しました。
ISO26000との対照
コーポレート・ガバナンス
経営の透明性と効率性のより一層の向上を図るた
昭和シェル石油の CSR 活動
り入れるとともに、当社の企業目標や特性、また社
“社会や顧客から求められるエネルギーソリューション・プロバイダーになる”この目標のもと、当社グループで
は経営理念およびそれに基づく行動原則を定め、その実践を通して企業の社会的責任(CSR)を果たし、社会・
ステークホルダーとともに永続的に成長をしていくことを目指します。
経営理念
昭和シェル石油株式会社の新たな飛躍と永続的発展
は、適正な利潤を確保し、強固な経営基盤と健全な企
業体質を築きつつ、社会に貢献することによって達成
される。
この認識を基本とし、ここに経営理念を定める。
会環境、法的環境の変化に対応した最適なガバナ
「健康、安全、危機管理及び環境保全に関する基本
方針」を定め、
“健康(Health)
、安全(Safety)
、危
1.われわれは、常に顧客志向の精神をもって、創意工夫、技術革新
機 管 理(Security)
、環 境 保 全(Environment)
”
に努め、環境保全、エネルギーの安定供給と安全操業をはじめと
する社会的責務を遂行しつつ会社の発展を図る。
2.われわれは、シェルグループ諸会社と緊密な関係を保ち、国際感
覚の涵養に努めるとともに、自らの判断と責任において変化に対
応できる日本的経営を行う。
3.われわれは、企業目標の達成をめざし、高い理想と信頼の絆で結
の継続的なマネジメント・改善活動を行っていま
す。この HSSE の取り組みを、エネルギー企業として社会的責任を果た
1.持続可能な発展
2.責任
1)お客様に対する責任
2)株主に対する責任
3)従業員に対する責任
4)協力会社に対する責任
5)社会に対する責任
3.企業倫理
4.法令遵守
5.健康・安全・危機管理・環境
6.収益性の追求
7.競争
See
http://www.showa-shell.co.jp/
profile/mp/action.html
組織統治・公正な事業慣行
P.5
内部統制システム
組織統治・公正な事業慣行
P.6
HSSE マネジメントシステム
組織統治・労働慣行・
消費者課題・環境
P.7
安全(Safety)
労働慣行・消費者課題
危機管理(Security)
組織統治
環境保全(Environment)
環境
8.地域社会
9.コミュニケーション
10.政治活動
P.8
P.10 CSR 関連データ集
していくための最優先事項であると位置付け、トップ主導のもと推進して
います。
人材
石油事業・エネルギーソリューション事業の展開に
必要な、多様な人材を確保・育成するため、従業員
が個々の能力を最大限発揮できるような人事制度の
に努め、ゆるぎない企業基盤のもとに、豊かな未来を築く。
行動原則
行動原則の各項目の本文については、当社 WEB サイトをご覧ください。
組織統治・公正な事業慣行
役員報酬
HSSE(健康、安全、危機管理、環境保全)
4.われわれは、共に考え、共に汗する全員参加により生産性の向上
このような価値観を礎として、あらゆる事業を推進す
る際の行動原則を、以下のとおり定める。
組織統治・公正な事業慣行
社外役員の状況
ンス体制を整備しています。
ばれた、活力にあふれる明るい人間集団を形成する。
我々は、誠実であること、公正であること、他を思いや
ることを重要な価値と認める。また、お互いを信頼し、
オープンに接し、チームワークをもって、それぞれの
業務のプロフェッショナルとして、プライドをもって行
動する。
コーポレート・ガバナンス体制
P.4
め、外部からの客観的な視点を積極的に経営に取
P.11 人材ビジョン
P.12 ダイバーシティと
インクルーシブネスの実現
整備、教育制度の構築・運用を行っています。また、
企業の社会的責任として人権を尊重し、様々なライフステージや働き方に
労働慣行
労働慣行・人権
働きやすい職場環境づくり
労働慣行
労働安全衛生
労働慣行
応じた支援制度の充実、労働安全衛生の確保を行うなど、働きやすい職場
づくりに取り組んでいます。
地域貢献
コミュニティとの関わりを積極的に持ち、地域・社
P.13 社会貢献活動の紹介
会の持続的な発展に貢献していくことは、企業とし
震災後の復興支援と
緊急時対策の強化
て果たすべき重要な役割であると考え、次世代育
成、地域貢献、国際貢献、環境保全など様々な分
コミュニティへの参画及び
コミュニティの発展
コミュニティへの参画及び
コミュニティの発展
野での社会貢献活動に取り組んでいます。
お客様満足の向上
環境・価格・品質・安全性の全ての面で価値ある
P.14 サービスステーションでの取り組み
製品・サービスをお客様に提供し続けるため、お
客様のニーズに合わせたサービスの提供を行うほ
消費者課題
太陽電池事業での取り組み
消費者課題
お客様とのコミュニケーション
消費者課題
か、様々な双方向コミュニケーションの場を設ける
など、各種取り組みを通してさらなるお客様満足の向上に努めています。
非財務情報の開示に関する参考ガイドライン
国際標準化機構「ISO26000」社会的責任に関する国際的なガイダンス規格
● GRI (Global Reporting Initiative)
「サステナビリティ レポーティング ガイドライン第 3 版(G3)
」企業のサステイナビリティ報告に関する国際的なガイドライン
● 環境省
「環境報告ガイドライン 2007 年版」
●
報告対象範囲
原則として、2011 年 12 月末時点の昭和シェル石油グループの連結子会社 34 社、持分法適用会社 13 社を対象としています。ただし、対象が異なる場合はその旨を明記しています。
報告対象期間
2011 年度(2011 年 1 月 1 日〜 2011 年 12 月 31 日)の実績に基づいた報告に加え、2012 年度の活動内容も含んでいます。
FTSE4Good
当社は、SRI(社会的責任投資)指標「FTSE4Good Index Series」に 2004 年から 8 年連続で選出されました。
パートナーとのコミュニケーション
特約店、販売店、協力会社、関係会社と強い信頼
P.15 パートナーとのコミュニケーション
人材育成
関係を築くとともに、グループ独自の資格認定制
公正な事業慣行
公正な事業慣行・労働慣行
度や研 修を通して人 材 の 育 成を図っています。
パートナーと協働してサービス・お客様満足の向
上に努めることで、ともに持続的な成長を目指しています。
ISO26000 対照表
P.16
1
事業概況
AT A GLANCE
昭和シェル石油グループは、石油事業とエネルギーソリューション事業を中心に、
持続可能なエネルギーの安定供給を目指すエネルギーソリューションカンパニーです。
原油調達
精製
油槽所・プラント
中東産油国などから原油を調達し
製油所で原油から、ガソリン、灯油、
製品タンクや油槽所などで石油製
精製します。
を製造します。
ます。
軽油、重油、LPG など石油製品を
販売
品を備蓄します。プラントで潤滑油
特約店および販売店運営の SS に
てお客様へガソリン、灯油、軽油な
どを販売します。また、産業向けに
工業用燃料、航空・船舶用燃料、
石油事業
潤滑油、アスファルトなどを販売し
ます。
産油国から原油を調達し、製油所にてガソリン、灯
油をはじめとした様々な製品を精製し、サービスス
テーション(SS)などを通して全国のお客様に販売
を行っています。
輸送
物流
船舶、ローリーなどで
調達した原油を
全国に石油製品を配送します。
大型タンカーで輸入します。
原料
エネルギー
ソリューション事業
CIS 薄膜太陽電池の原材料を調達
します。
製造
工場で CIS 薄膜太陽電池を製造し
ます。
販売
石油・LPG の特約店、新規代理店、
物流
住宅メーカー、電材・電器店、地
域工務店などの販売ネットワークを
国内外の需要地まで
エネルギーソリューション事業は、太陽電池事業と
輸送します。
電力事業で構成されています。
通じて CIS 薄膜太陽電池を販売し
ます。
国内販売店
太陽電池事業では、
「ソーラーフロンティア」ブラ
ンドのもと、CIS 薄膜太陽電池の研究開発、および
製造を行い、国内外のお客様へ販売をしています。
電力事業では、東京ガス(株)と共同で天然ガス
電力事業
お客様へ販売しています。
電力ご利用のお客様へ電力を販売
火力発電所「扇島パワーステーション」を運営し、
研究開発
電気自動車(EV)や燃料電池車へエネルギーを供
給する実証実験を行うほか、バイオ燃料や燃料電
池など、環境にやさしい製品の研究開発や新規サー
アメリカ、ドイツを拠点に、ビジネス
パートナーと協働しながら世界各国
で CIS 薄膜太陽電池を販売します。
50kW 以上の特別高圧および高圧
海外子会社
します。
次世代サービスの
開発・育成
新規サービスの開発・提供を行っ
お客様
ています。
ビスの開発・提供も行っています。
一般家庭
産業など
2
2011 年 CSR 活動実績レビューと今後の目標
2011 年 CSR 活動
実績レビューと今後の目標
昭和シェル石油グループの 2011 年度のサステイナビリティを目指し
た活動実績および今後の目標を「HSSEとコンプライアンス」
「ステーク
ホルダーコミュニケーション」の項目別にまとめました。今後も実績を
ご報告するとともに、目標達成に向けて引き続き取り組んでいきます。
★★★ 満足できるレベル ★★ ほぼ満足できるレベル ★ 改善の余地があるレベル
活動分野
HSSEとコンプライアンス
コーポレートガバナンス
と内部統制
HSSE マネジメント
システムの実践
人材育成と
働きやすい職場づくり
ステークホルダーコミュニケーション
地域社会貢献
お客様満足の向上
パートナーとの
コミュニケーション
株主の皆様とともに
2011 年の目標
評価
太陽電池事業の成長戦略実現をスピードをもって推進するための体制の強化を継続します。
★★★
内部統制体制を整備し、運用の改善・整備を進めます。
★★★
内部統制の意識を高めるため、コンプライアンス意識向上のための啓発活動の継続、リスク管理の実行、情報
開示体制の実現、社員相談窓口の運営改善、グループ会社に対するリスク管理サイクルの改善とグループ監査
役室によるフォローの強化を継続します。
★★★
H: インフルエンザ感染予防、メンタルヘルス疾患に対する予防活動を継続実施します。
★★★
S: 安全確保と品質保全活動(SQF 2011)の継続実施を行うほか、
「ゴールゼロ運動」を実施し、労働災害ゼ
ロに向けてさらに取り組みを強化していきます。
★★★
S: 首都直下地震などの災害に備え危機管理体制や事業継続体制の充実を図ります。
★★★
E: 製油所においては、廃棄物のゼロエミッション(最終処分率 1%以下)を維持します。生態系保全活動の推
進、
「ECO TRY21」活動や省エネ活動によりCO2 削減など環境保全活動を推進します。
★★★
引き続き「第三期一般事業主行動計画」の実行により、両立支援の充実、制度利用の推進を図るとともに、さら
なる職場活性化を目指します。
★★
「EPOCH 2010」で掲げる成長戦略の実現に向け、国籍・ジェンダーに囚われず多様な人材の確保(新卒採用・
中途採用・外国人採用・障がい者採用)を継続していきます。
★★★
人材のさらなる競争力強化を目的に新教育制度を展開し、社員一人ひとりが自らの能力を最大限発揮し、チャ
レンジを通じた成長の機会を提供していきます。
★★★
海外展開、シェルグループとの人材交流を促進し、グローバルに活躍する人材の育成、活用を展開していきます。
★★★
第 8 回社員意識調査を実施し、従業員が意欲をもって働くことのできる職場づくりを、労使一体となって推進し
ていきます。
★★★
環境フォト・コンテストを通じた環境教育の充実を図ります。
★★★
「シェル美術賞」の開催による若手作家の発掘を継続します。
★★
「富士山の森づくり」プロジェクトを通じた生物多様性の保護を強化します。
★★
IR3Sとの共同研究を推進します。
★★★
次世代育成について、環境教育の実施や支援ツールのさらなる拡充を図ります。
★★★
お客様の満足度向上を目的に、Ponta(ポンタ)カードをはじめとした既存ツールの強化を行うほか、新たなツー
ルを追加し、サービス向上のためのさらなる施策を実施します。
★★★
災害対応型 SS、太陽電池パネル設置 SS のさらなる拡充を目指し、災害時にも安定供給を実施し、地域の拠点
となるSS の整備を推進します。
★★★
「ミッシェル・ホームサービス」
「シェル リンクライフ」のサービスメニューの拡充に努め、より多くのお客様にベ
ストソリューションを提案していきます。
★★★
品質保全活動や事業領域ごとの会合を通して、特約店と緊密なコミュニケーションを図っていくとともに、特約
店従業員向け人材育成プログラムやコンペティションの実施を通して、スタッフ育成やお客様へのサービス向
上を推進していきます。
★★★
役員による協力会社への職場訪問を引き続き実施し、当事者意識の向上を図るなど、労働災害・品質事故の防
止を徹底していきます。
★★★
「国富工場(宮崎第 3 工場)
」の立ち上げなど、
「EPOCH 2010」の中期経営ビジョンがより具現化する中で、
市場関係者とのコミュニケーションをさらに強化していきます。
また、海外投資家へのアプローチも図っていきます。
2011 年実績レビューサマリー
事業の拡大が続く太陽電池事業において、リスク管理をこれまでより細分化した組織単位
で実施し、より具体的な対応の立案、改善ポイントの抽出を実現しました。
●
「行動原則」
について、社会からの一層の期待に応えられるように内容を改定するとともに、
社員アンケートを行い、その理解・浸透度の把握に努めました。また、社員相談窓口につ
いて、よりきめ細かな体制の実現に取り組みました。
●
H: メンタルヘルスに関連する研修を本社 30 部室、支店・事業所 10 カ所、関係会社 6 社、
その他新入社員研修などで実施しました。
S: ゴールゼロ運動を実施し、各職場で安全宣言を掲げ、事故防止に取り組みました。
S: 3 月 11 日の東日本大震災の教訓を踏まえ、危機管理体制の見直しを行いました。
E: 製油所のゼロエミッション(産業廃棄物最終処分率 1%以下)を達成しました。
次世代育成支援対策推進法に基づき、2010 年 4 月より第三期一般事業主行動計画を策
定し、従業員の仕事と家庭の両立支援を推進しています。また、2011 年下期には全部門
が業務改善活動を実施し、働き方の見直しに取り組みました。
● グローバル環境への適応、ダイバーシティの推進の観点から夏季インターンシップでは 4
名の外国人留学生を受け入れたほか、海外留学生の採用を行いました。
● 成長戦略の実現に向け、社員に求められる人材像を
「人材ビジョン」として定義し、人材ビ
ジョンに基づいて教育体系を再構築しました。新しく構成された教育プログラムは 2011
年 9 月より順次実施し、社員に対し、成長できる機会を提供しています。
● 新教育体系に基づき、英語力向上のための機会提供や海外留学生制度などの海外経験の
機会提供を進め、グローバル人材の育成を行っています。
● 第 8 回社員意識調査では過去最高の回答率
(95.3%)となりました。抽出された課題につ
いては労使で話し合いを設け、職場風土改善のためのアクションに繋げています。
●
第 7 回環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○と×」を実施しました。
(応募総数 4,738
点)環境教育や、夏休みの課題として多くの学校で活用いただきました。
●
「シェル美術賞 2011」を実施しました。
(応募総数 1,291 点)
●
「富士山の森づくりプロジェクト」に引き続き参画し、2007 年に植栽した苗木に社員ボラ
ンティアが鹿害対策用ネットつけを行いました。
●I
R3Sと「第7回エネルギー持続性フォーラム」を共催しました。
● 新潟県の小学校~高校、および台場本社近隣小学校の生徒計 399 名に対し環境教育を
実施しました。
●
Ponta(ポンタ)キャンペーンを積極的に展開しました。
タブレット端末の導入を開始し、2011 年末で 209SS に導入しました。
● 引き続き災害対応型 SS の整備を行い、2011 年末の災害対応型 SS は 40SSとなりました。
● 2011 年は電力需給がひっ迫した東北・東京電力管内における社有 SS への太陽電池パネ
ルの設置を最優先で進め、約半数にあたる214SS に設置しました。
● お客様の様々なニーズにお応えすべく、家事代行メニュー/家事代行周辺サービスメ
ニューの拡充を図りました。また、シェル リンクライフでは WEB 広告を活用したキャン
ペーンを展開しました。
●
●
資格認定制度や研修制度を通してスタッフ育成のサポートを行いました。
地域ごとに昭和シェル会を実施し、当社と特約店との関係性をさらに深めることができま
した。
● 役員全員が分担して 64 カ所の職場を訪問し、視察および事故ゼロに向けた対話を行いま
した。
●
●
●
★★
太陽電池事業の拡大に伴い、
「アニュアル・レポート」や「株主のみなさまへ」
、決算関連資
料などの中で、株主・投資家の皆様に対する同事業の活動内容や進捗状況の報告拡充に
努めました。また、特にコミュニケーションが希薄であった海外の投資家に対し、情報発信
の向上を図りました。
今後の目標
リスク管理を通じた業務改善の Plan-Do-Check-Action サイクルを年度内で完
了するように改め、よりスピーディーに課題を解決する社内体制を目指します。
● コンプライアンスのさらなる推進に向け、アンケートなどを通じて見出された課
題を解決するための WEB ラーニングや研修を実施します。
●
H:HSSEに関係するセミナーなどで、メンタルヘルス研修を実施します。
S: 安全確保と品質保全活動(SQF2012)に加え、ゴールゼロ運動を行い、全社
一丸となってゼロ災害に取り組んでいきます。
S: 危機管理総合訓練などを通して、危機管理体制の実効性を確認し、改善してい
きます。
E: 製油所のゼロエミッションを維持するとともに、オフィスの省エネ、省資源の取
組みである「ECO TRY21」を推進していきます。
「第三期一般事業主行動計画」の実行により、両立支援制度の利用率の向上とさ
らなる職場活性化を目指します。
● 経営理念、中期経営ビジョンを実現するために、多様な人材の確保
(新卒採用・
中途採用・外国人採用・障がい者採用)を継続していきます。
● 新教育体系として構築した研修・施策を通じて、従業員への人材ビジョンの浸透
と実現を図っていきます。
● シェルグループとの人材交流、海外研修や英語力向上の機会提供を通して、グ
ローバル人材の育成を進めていきます。
● 第 9 回社員意識調査を行い、会社がクリアすべき課題に対してグループ一丸と
なってアクションをすることで、社員が働きやすい職場環境の実現を目指してい
きます。
●
環境フォト・コンテストの応募を小学校1年生より可能とし、さらに多くの子ども
たちが環境について考える「きっかけ」を提供します。
● シェル美術賞の応募要件や入選数などを見直しリニューアルを行い、さらに若手
作家を支援できるような企画づくりを行います。
● IR3Sとの共同研究を引き続き推進します。
● 次世代教育支援の実施機会の拡充を図ります。
●
お客様によりご満足いただくため、2012 年 1 月に開催したディーラーズミーティ
ング 2012 にて特約店に提示した各種施策を確実に展開します。
● 石油事業と太陽電池をはじめとするエネルギーソリューション事業の両方を保有
している当社の強みを生かし、東北・東京電力以外の地域における社有 SS への
太陽電池パネルの設置を拡大展開します。
●
「ミッシェル・ホームサービス」について、お客様のニーズに沿ったサービスメ
ニュー拡充、スタッフ教育を通じたサービス品質向上を推し進め、お客様満足の
向上に努めます。
●
従前より実施してきた資格認定制度や研修制度を継続・積極的に展開し、スタッ
フの知識や技術の習得を強化するとともに、本年は人材育成をサポートする新た
なマニュアル類も提供し、人材力によるお客様満足の向上に貢献します。
● 役員による協力会社への職場訪問を行うほか、グループで全体で SQF の取り組
みを引き続き推進し、労働災害・品質事故の防止を徹底していきます。
●
●
変化する事業環境と当社の事業の状況・戦略について、すべての株主や投資家
の皆様に対し、タイムリーかつより分かりやすい情報の発信に努めます。
3
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
当社は、株主の皆様・お客様・ビジネスパートナー・従業員・社会などのステークホルダーに対する社会的責
任を果たしながら、持続的に成長し企業価値を高めることを目指しています。これを実現するため、外部からの
客観的な視点を積極的に経営に取り入れ、当社の企業目標や特性、また社会環境、法的環境の変化に対応した
最適なガバナンス体制を整備し、経営の透明性と効率性のより一層の向上を図っています。
執行役員制度および
経営執行会議・ソーラー戦略会議
会計監査
当社は執行役員制度を採用し、取締役と執行役員の責任と権
当社は、あらた監査法人を会計監査人に選任して監査を受け、
限を明確に定めることで、意思決定の迅速化と業務執行の効率
監査報酬を支払っています。
化を図っています。また、業務執行の重要事項に係る意思決定
機関として石油事業などの分野を扱う「経営執行会議」および
エネルギーソリューション事業の中核である太陽電池事業分野
を扱う「ソーラー戦略会議」を設置しており、それぞれ月 2 回開
コーポレート・ガバナンス体制
催されています。
当社は、変化し続ける事業環境下で経営の効率を高めるた
取締役会および取締役
重要な事項の決定に際しては、
「投資委員会」
「発注委員会」な
め、1997 年以降、社内取締役数の削減や執行役員制度の導
当社の取締役会は、社外取締役 4 名を含む取締役 8 名で構
どの各種委員会を組織して諮問を行っており、専門的見地を取り
入、社外取締役の増員などのコーポレート・ガバナンス改革を
成され、経営戦略などの重要事項について決定するとともに、
入れた意思決定ができる体制も整えています。
行い、責任と権限の明確化、業務執行の監督機能強化、意思決
業務執行を監督しています。
定の迅速化、業務執行の効率化を図ってきました。
取締役会の議長は代表取締役会長が務め、少人数で迅速な
ガバナンス体制強化の取り組み
1997 年
取締役 26 名を 22 名に削減
行動原則の制定
1999 年
取締役 18 名を 11 名に削減
執行役員制度の導入
2003 年
執行役員制度改定、
「経営執行会議」の創設
社外取締役 1 名増員
社員相談窓口「Voice of People」の設置
2005 年
社外取締役 1 名増員
2006 年
内部統制推進委員会の設置
2007 年
情報開示サブコミッティの設置
役員退職慰労金制度の廃止
2009 年
社外取締役 1 名増員
(取締役 8 名のうち半数の 4 名を社外取締役に)
2010 年
「ソーラー戦略会議」の創設
監査報酬の内容(2011 年 12 月期)
当社 ( 百万円 )
連結子会社 ( 百万円 )
121
53
1
—
監査証明業務に基づく報酬
非監査業務に基づく報酬
意思決定を行っています。また、大局的、客観的かつ多様な視
社外役員の状況
点を経営に取り込むため、取締役のうち半数を社外取締役とし
当社は経営の透明性を保つため、取締役と監査役の半数を社
2011 年度の社外取締役の取締役会への出席状況は 9 割程
ています。社外取締役が取締役会で十分な審議ができるよう、
外役員としています。大局的、客観的かつ多様な視点を経営に
度となっています。また社外監査役の取締役会および監査役会
取締役会資料の事前配布、事前説明を実施しており、各取締役
取り込むとともに、経営者に説明責任を求める機能が働き、取
への出席状況はそれぞれ 9 割程度となっています。
会では活発な議論がなされています。
締役会および監査役会では活発な議論がなされています。
また、社外取締役 4 名のうち 2 名を独立取締役とし、一般株
主の利益保全と経営の客観性の確保を図っています。
なお、取締役の任期は 2 年としています。
役員報酬
当社の取締役の報酬などは、1994 年 3 月 30 日開催の定時
当社の監査役の報酬などは、2008 年 3 月 28 日開催の定時
監査役会および監査役
株主総会で、その報酬などの総額を月額 6,500 万円以内とする
株主総会で、その報酬などの総額を月額 1,000 万円以内とす
当社は監査役制度を導入しています。監査役会は 2 名の常
ことを決議しており、その報酬枠内において、役位別の報酬テー
ることを決議しており、その報酬枠内において、監査役の協議
勤監査役および独立性の高い 2 名の社外監査役で構成されて
ブルに基づく毎月の定額支給を基本報酬としています。ただし、
を経て支給することとしています。
います。特に社外監査役は、広い知見や独立性に加え、監査上
取締役リチャード・エー・カルース(2012 年 3 月 29 日をもって
また取締役および監査役に支給する賞与は、当事業年度の
求められる客観性、中立性、専門性などを有し、経営陣への監
辞任)および取締役ダグラス・ウッド(2012 年 3 月 29 日に就任)
経営環境および業績を勘案して算定し、毎年の定時株主総会の
督機能を働かせています。
の報酬などは、報酬テーブルに代えて、出向に関するシェルグ
決議を経て支給することとしています。
監査役は、監査方針、監査計画などを定め、取締役会その他
ループとの契約に基づき決定しています。
なお、当社は、2007 年 3 月 29 日開催の定時株主総会終結
重要な会議への出席、取締役や執行役員からの業務の状況の
のときをもって役員退職慰労金制度を廃止しています。
聴取、部門監査、事業所・子会社などへの往査などを通して取
締役会の業務執行についての業務監査および会計監査をして
います。また、内部監査を担当する監査部から往査の結果や課
題について、会計監査人からは会計監査の経過や結果、検討事
項などについて報告を受けています。
監査役による監査の実効性を確保するため、監査役専属のス
タッフを配置して監査のサポート体制を整えるとともに、監査部
や会計監査人、内部統制に関わる管理部門などと相互に連携して
取締役および監査役の報酬など(2011 年 12 月期)
役員区分
報酬などの総額(百万円)
報酬などの種類別の総額(百万円)
基本報酬
賞与
対象となる役員の員数(名)
取締役(社外取締役を除く)
408
387
21
5
監査役(社外監査役を除く)
76
75
1
3
社外役員
57
53
3
7
※上記には、2011 年 3 月 30 日開催の第 99 回定時株主総会終結の時をもって退任した取締役 2 名、辞任した監査役 1 名、2011 年 8 月 31 日付で辞任した社外取締役 1 名、および 2012 年 3 月 29
日開催の第 100 回定時株主総会終結の時をもって辞任した取締役 1 名、退任した監査役 1 名に対する報酬を含んでいます。なお、2011 年 12 月末現在の支給人員は、取締役 7 名、監査役 4 名です。
います。社外監査役に対しては、取締役会資料やその他重要な
会議の重要議題に関する資料を事前に配布し、必要に応じて事
前・事後の説明を行うなどのサポート体制が整備されています。
4
コーポレート・ガバナンス
内部統制システム
当社は、企業活動を展開するにあたっての行動の一般的、普
コンプライアンス関連規程としては、
「独占禁止法遵守規程」
けています。運用にあたっては、
「社員相談窓口(VOP)規則」
ためのルール整備を進め、業務の適正性と財務報告の信頼性
遍的な規範として「行動原則」を定め、高い企業倫理観をもって
「公務員贈賄防止規程」
「内部者取引管理規程」
「環境保全規則」
を定め、相談者の秘匿性を確約するとともに相談者への不利益
の確保を図りました。制度適用後も継続的な改善と、専任組織
社会での責任を果たすべきことを明確にしています。
「行動原
「輸出管理規則」などを定めています。また調達活動について
を防止する体制を整えています。また、当社従業員のみならず、
を中心とする適切な評価およびモニタリングを行っています。
則」は 1997 年に制定しましたが、当社グループが石油事業の
は、公平性および透明性を確保するとともに法令・企業倫理の
すべての当社子会社の従業員にも利用を拡大しています。
2011 年度も当社グループの財務報告に係る内部統制は有
みならず太陽電池事業をはじめとする様々な事業分野に進出す
遵守、資源保護、環境保全などの社会・環境面にも配慮するこ
反社会勢力に対しては、市民社会の秩序や安全に脅威を与え
効に機能していることを確認し、この評価内容を「内部統制報
る中で、多様なバックグラウンドを持った社員が国内外を問わ
とを
「調達活動に関する一般規程」
として定めています。加えて、
る存在として、組織的に対応する方針です。対応総括部署を定
告書」に記載して提出しました。
ず幅広く活動する現状を踏まえるとともに、企業が持つべき基
取引先にも当社の調達に関する考え方を理解いただくため、
め、警察などの外部専門機関と連携する体制をとっています。
当社グループでは、この取り組みを法対応にとどめることな
「購買ガイドライン」を提示しています。
本的な倫理観への意識をさらに高めるため、2011 年に改定し
く、業務の可視化、有効性、効率性のさらなる向上を推進して
ました。
コンプライアンス教育については、従業員が遵守の重要性を
リスク管理
業務の適正性の確保については、
「内部統制に関する基本方
認識し実践できるよう具体的な行動の指針を解説した
「行動指針
HSSE(健康、安全、危機管理および環境保全)に関するリス
針」を定め、業務に浸透させることで自律的なチェック機能を備
(コンプライアンスブック)
」を配布するとともに、同指針につい
ク管理については、基本方針に基づき、災害対策本部規則など
情報管理と情報開示
えた内部統制体制を構築しています。また、当社グループ全体
てのウェブラーニングを年に 1 度以上実施し、浸透を図ってい
関連規程類や事業継続計画書(BCP)を整えるとともに、事故・
会社の財産である情報を適切に管理するために、規程を定め
で、より有効な内部統制システムを構築するため、関係会社に
ます。また、法令などの遵守についても具体的な事例を使用し
災害発生時の「緊急連絡系統図」の更新や訓練を随時行ってい
ています。その中で各部門長が情報の管理責任者となり、秘密
も内部統制関連規程の整備や周知徹底、運用状況の確認など
た研修やウェブラーニングを実施し、周知徹底を図っています。
ます。また、事故や災害が発生した場合は、根本原因の調査を
情報・社外秘情報などの管理レベルに応じた管理を行うことを
を行っています。
特に「独占禁止法」については部門ごとの研修を定期的に行い、
行い、それを踏まえ再発防止策を作成して全社に周知徹底して
定めています。
各部門特有の事例や、実務担当者の疑問への回答を盛り込む
います。
情報開示については、
「情報開示(ディスクロージャー)に関
コンプライアンス
など、より実務的で有用な研修に取り組んでいます。
特に 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災から得た教
する基本方針」を定め、あらゆるステークホルダーの当社グ
コンプライアンスは、社会的責任を負って事業活動を行って
内部通報制度としては、企業倫理上懸念のある事例や会社に
訓を踏まえ、危機管理計画書(CMP)や緊急時行動原則を改定
ループに対する理解を促進し、その適正な評価のために、重要
いる当社グループおよび従業員に課される最優先の条件とし
向けた建設的な提案を情報提供できる社員相談窓口「Voice
するとともに、首都圏直下型地震を想定した BCP の見直しを行
な情報の公正かつ適時・適切な開示に努めています。そのた
て、継続的に当社グループ内への浸透に取り組んでいます。
of People (VOP)」を導入し、社内および社外の受付窓口を設
い、さらなる危機管理の強化に取り組んでいます。
めの運用機関として「情報開示サブコミッティ」を設置し、開示
また HSSE マネジメントシステムに基づき、環境安全(HSSE)
すべき情報の取り扱いについて判断しています。適時開示規則
部が全社の Plan-Do-Check-Action(PDCA) プロセスの実行
に該当する情報は東京証券取引所が提供する適時開示情報伝
を監視監督し、定期的に HSSE 監査を実施するとともに、HSSE
達システム(TDnet)を通じて公開するとともに、当社 WEB サ
委員会にてマネジメントによるレビューを行い継続的改善に取
イト上にも掲載しています。また、それ以外の情報についても、
コーポレート・ガバナンス体制、内部統制体制
株主総会
選任・解任
取締役会
取締役
[経営と監督]
代表取締役会長
報告
報告
報告
内部統制
推進委員会
HSSE 委員会
監督
報告
監督
ハラスメント
窓口
報告
報告
監査
監督
VOP
社内
窓口
通報
通報
報告
ソーラー戦略
会議
通報
代表取締役
社長
代表取締役
会長
VOP
社外
窓口
業務執行
取締役/
執行役員
業務執行
取締役/
執行役員
指示
指示
報告
事業部門ならびに関係会社
監査役会
報告
経営執行
会議
コンプライアンス
サブコミッティ
選任・解任
報告
監査役
報告
報告
報告
選任・解任
コンプライアンス
委員会
情報開示
サブコミッティ
報告
報告
連係
報告
会計監査人
監査
監査
監査委員会
報告
計画承認
監査部
連係
[業務執行]
監査
り組んでいます。
いきます。
「情報開示サブコミッティ」の判断に基づき、迅速かつ積極的な
当社の企業価値やビジネスに影響を与えるリスクのうち、
開示に努めています。
HSSE 以外のものについては、全社で毎年実施するビジネス・コ
株主や投資家向け IR 活動としては、四半期ごとの決算発表時
ントロール・マトリックス作成作業を通して、業務目標と関連させ
に国内の証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催
たリスクの洗い出し、およびその影響度ならびにコントロール状
するとともに、決算説明資料を WEB サイトに掲載して情報発信
況の確認を行い、対策を講じています。また、法令遵守や HSSE
をしています。また、投資家訪問やカンファレンスなどを通じて
の推進体制、業務の管理体制など、全社的な観点からチェックす
国内外の機関投資家とコミュニケーションをとっているほか、個
る必要があると思われるリスクについては、その全般的な管理状
人投資家に対しては WEB サイトを中心とした情報発信を行って
況を把握するための項目を定め、各役員および各部門長が毎年
います。
自部門のコントロール体制を評価して改善活動を行うとともに、
そのほか、株主に対しては、株主総会招集通知の早期の発送
結果については内部統制推進委員会に報告されています。
やインターネットによる議決権行使システムの導入などによる
株主総会参加の促進や、株主向け冊子「株主のみなさまへ」の
財務報告の適正性
発行や株主アンケートの実施などを通じたコミュニケーション
金融商品取引法に制定された内部統制報告制度に基づき、当
の強化を図っています。
社は 2009 年度から「内部統制報告書」を提出しています。この
制度が適用される以前より、当社では各部門の業務フローの再
確認とその中の潜在的リスクの洗い出しを行い、リスク回避の
5
HSSE(健康、安全、危機管理、環境保全)
HSSE の基本的な考え方
昭和シェル石油 グループ HSSE 会議
昭和シェル石油は経営理念のもと「健康、安全、危機管理および環境保全に関する基本方針」を定め、
“健康
(Health)
、安 全(Safety)
、危 機 管 理(Security)
、環 境 保 全(Environment)
”
( 以 下 HSSE)に関するパ
監査役
取締役会
フォーマンスの継続的な改善を行っています。この HSSE の取り組みを、エネルギー企業として社会的責任
を果たしていくための最優先事項であると位置付け、トップ主導のもとグループ全体で推進しています。
健康(Health)
● 安全(Safety)
● 危機管理(Security)
● 環境保全(Environment)
●
HSSE 委員会
HSSE の定義
職場および業務に関わる従業員の安全および健康ならびに快適な作業環境の確保
事業所などの人的および物的両面にわたる安全確保と製品の品質保全
犯罪、災害その他非常の事態による脅威の未然防止と緊急事態への適切な対応
地域環境および地球環境の保全
委員長:社長
委 員:取締役および執行役員
事務局:環境安全(HSSE)部
自主的、かつ継続的に改善するためのマネジメントシステムです。
度の「HSSE 重点目標」を立案します。この新たな戦略のもと、
HSSE-MS はリスク発生の確率や影響度に応じて対策実施の優先
各部門・事業所・関係会社がそれぞれの重点目標を立案し、個
度を決 定 する“HEMP (Hazard and Effects Management
別 の「HSSE アクションプラン」に落とし込 んで HSSE-MS の
「Plan-DoProcess) ”と呼ばれる手法を取り入れており、
PDCA プロセスを展開し、継続的にパフォーマンスの向上を目
Check-Action(PDCA)
」のサイクルのもと継続して実施され、
指しています。当社はこのシステムを運用・維持し、戦略的な
運用状況は HSSE 監査による定期的なチェック、HSSE 委員会に
HSSE 目標を達成していきます。
よるレビューを受けます。
(HEMP)
リスク評価マトリックス
セキュリティー(危機管理)に関する方針、施策、提言などを審議する。
安全衛生委員会
(各事業所など)
委員長:事業所長、人事部長(本社)
委 員:会社、組合員
事務局:HSSE 担当部署
本社、各事業所において、労働災害の原因、再発防止対策などの安全に関
する事項、また社員の健康障害の防止、健康の保持増進などの衛生関係に
関する事項を審議する。
HSSE に関する基本方針に則り、HSSE に関わる計画の策定、進捗状況の監視および
パフォーマンスのレビューに関する事項などを審議する。
HSSE 会議
(各事業所)
委員長:事業所長
委 員:管理職、従業員
事務局:HSSE 担当部署
各事業所において、HSSE 全般に関する諸事項について審議する。
会社レベル
事業所レベル
HSSE の取り組みを社内に浸透する活動
重点戦略と取り組み
HSSE 重点目標
Plan(計画)
HSSE 委員会(10 月)
是正計画/再発防止策
2011 年
HSSE アクションプラン
各部門/全社(都度)
各部門(12 月)
(RAM ※ 2)
当社の取り扱う製品が、使用時および使用後において、使用者の人体・財産および
環境に対して悪影響を及ぼすことのないよう、その開発から廃棄に至るまでの製品に
関する総合的な安全性の確保について審議する。
セキュリティ リエゾン コミッティー ミーティング(SLCM)
部会長:環境安全(HSSE)部長
委 員:部室長
事務局:環境安全(HSSE)部
HSSE 委員会では、前年度のパフォーマンスを検証して当年
災害源とその影響の管理プロセス
部会長:担当執行役員
委 員:部室長
事務局:研究開発部
HSSE 部会
シェルグループが開発した、HSSE に関わるパフォーマンスを
Act(改善)
製品安全部会
議 長:環境安全(HSSE)部長
副議長:総務部長
事務局:環境安全(HSSE)部
HSSE マネジメントシステム(HSSE-MS)の概要
※1
出席者)
(
昭和シェル石油全部門
昭和シェル石油グループ各社の HSSE パフォーマンスの向上を目的とし、HSSE 活動
精製会社
情報の共有化を図る。
関係部門(HSSE-MS 導入)
事故
原因分析
Do(実施)
2012 年
●
HSSE-MS のリスク評価を再点検する(災害源再確認、RAM によるリスク評価)
●
新規事業(太陽電池事業と(株)エネサンスホールディングス、若松ガス(株)
)に加え、出資特約店の MS 運用をサポートしPDCA を機能させることで
HSSEリスク低減に繋げる
●
各部門における自己安全点検や自己監査の充実を図る
●
事業所および特約店におけるHSSE 監査を実施し、指摘事項の水平展開をさらに推進する
●
各部門における自己安全点検や自己監査の充実を図る
(TRIPOD ※ 3)
フォローアップ
Check(点検)
HSSE(自己)監査
※ 1HEMP: Hazard and Effects Management Process
「災害源(ハザード)とその影響の管理プロセス」
※ 2RAM: Risk Assessment Matrix
「リスク評価マトリックス」
作業や設備などに関わる災害源(ハザード)を確認し、ハザードによる災害を想定。想定され
る災害についてのリスクを RAM を用いて評価し、リスクの高いものについては、HEMP 作
業シートを用いて分析し、改善すべき分野が確認された場合は、是正措置計画を策定する
手法。
レビュー
(定期的)
リスクを人・資産・環境・評判別に影響・発生確率で評価する管理表
※ 3TRIPOD:
シェルグループで採用している事故分析手法
HSSE マネジメントシステム推進体制
HSSE 会議体
社 長 を 委 員 長とする HSSE の 最 高 意 思 決 定 機 関として、
「HSSE 委員会」を設置しています。
重要事項について報告することを目的に年に 4 回開催し、取締
役会へその報告を行います。
HSSE 委員会では HSSE に関わる計画の承認、進捗状況の監
この HSSE 委員会に連動した 4 つの部会のほか、事業所レベ
視、パフォーマンスのレビューを行うとともに、各事業所などで
ルで会議体が構成され、効率的に HSSE-MS を運用しています。
HSSE フォーカルポイント
HSSE 監査
各部門や各事業所に、HSSE の担当者として「HSSE フォーカ
HSSE 監査では、全社的なHSSE- MSのすべての要素が確立
ルポイント」を部門長が選任します。HSSEフォーカルポイントは
され、文書化され、効率よく実施されていることを客観的証拠に
部門長、管理職および担当者と社員間の意思の疎通を図る上で
基づいて検証し、何らかの欠陥が発見された場合に改善勧告を
中心的な役割を果たし、各現場レベルから HSSE の取り組みの
行います。
浸透を担っています。2011 年もフォーカルポイントの全社セミ
ナーを開催し、パフォーマンスの現状や事故発生時の対処方法、
HSSE 役員訪問
グループワークなど HSSE の啓発活動を行いました。
2006 年より役員全員が分担して製油所や油槽所など各事業
所を訪問し、労働災害や施設事故を未然に防ぐ現場の活動の視
察および現場スタッフとの対話を行っています。2011 年は「設
備と作業の安全確認と法令遵守」をテーマに 64ヵ所の職場を訪
問し、事故ゼロへ向けた意識の共有を図りました。
開催されるHSSE 会議や安全衛生委員会などの付議事項のうち
6
HSSE(健康、安全、危機管理、環境保全)
安全(Safety)
健康(Health)に関する取り組み See P.12 「社員の健康管理とメンタルヘルスケア」
2011 年も「SS 重点活動 6 項目」の周知徹底を図るために、
全労働災害発生率※ 1
「安全規則」をはじめ、万一事故が発生した場合の迅速な対処方法や、原因究明および再発防止策などの対応を
「燃料油販売における品質確保」と「スタッフ作業時における車
休業災害が発生した場合、発生ごとに類似事故防止調査を実
定めるとともに、安全表彰制度を設けるなど、HSSE-MS を継続運用して安全に対する意識の向上と、安全に関わ
両事故防止」に重点を置き、
「荷卸し立会いアンケート」などの
施し、その調査結果と防止策を関係部署へ水平展開することで、
全国企画を実施することで SS における安全・品質管理レベル
全社的な再発防止策を講じる取り組みを行いました。その結果、
の向上に努めました。
2011 年度の全労働災害発生率を抑制することができました。
る体制の改善を図っています。特に「安全確保」
「品質保全」の徹底を図る活動として、特約店や協力会社を含め、
Safety & Quality First(SQF)を実施し、事故ゼロに向けた取り組みを推進しています。
全労働災害発生率
SS スタッフの重点活動 6 項目
重点戦略と取り組み
2011 年
●
事故の根本原因の追及と改善をするために、すべての人身休業災害について「TRIPOD」※分析を実施する
2012 年
●
休業など重大事故の「TRIPOD」分析を行い、類似事故防止対策を行うことで安全の周知徹底を図る
●
●
●
地下タンクの在庫管理
●
ローリー荷卸しの立会い
注文の復唱と精算時の確認
●
作業時の指差し呼称と声出し確認
車両移動時のハザード点灯
●
お客様との作業結果の相互確認
※ TRIPOD : シェルグループで採用している事故分析手法
グループ全体※ 2
2009
2010
2011
2.1
1.8
1.7
※ 1 100 万労働時間あたりの発生率(%)
※ 2 昭和シェル石油グループ会社および協力会社も含みます
製造部門の取り組み
です。さらにシェルグループより業界のベスト・プラクティスな
グループ製油所においては、安全面に関しHSSE-MS を運用
ど有用な情報を入手・導入することで業務改善を行い、海上輸
危機管理(Security)
しPDCA にて継続的に改善を図っているほか、身近な安全から
送の安全性を強化しています。
生活に欠かせないエネルギーを扱う当社は、災害発生時など緊急時においても製品・サービスを安定的に供給す
考え、意識を高める運動として“ヒヤリハットの報告・共有活動”
る社会的使命を果たす必要があります。当社は事業継続のための体制整備や緊急時計画書の策定、定期的な訓練
を積極的に行い、必要に応じて対策を行い安全面の向上を図っ
ローリー配送
ています。品質については製品品質に関わる各種フローの整
ローリーに漏洩防止装置や誤配送防止のための GPS を装着
備・管理徹底を行うことで、第三者機関よりJIS マーク表示な
するほか、事故予防のため、運転時に遵守すべき事項を「ドライ
らびに国際的な品質マネジメント規格 ISO9001 の認証を取得
ビングスタンダード」としてまとめるとともに、乗務員の教育訓
しています。
練、車両の整備の徹底を図っています。また、SQF のキャン
ISO9001 の認証事業所 See P.10 「CSR 関連データ」
ペーンを通じて継続的に安全品質確認・基本作業の遵守徹底を
を実施するなど、グループを挙げて危機管理体制の強化を図っています。
重点戦略と取り組み
2011 年
●
新型インフルエンザや首都圏直下型地震に備えた危機管理計画書(CMP ※ 1)や事業継続計画書(BCP ※ 2)の充実を図る
2012 年
●
2011 年 3 月 11 日の東日本大震災を踏まえ CMP、BCP を見直し充実を図る
●
災害発生時に備え、災害時情報サービスの運用訓練や普通救命講習を実施する
●
各部門・事業所において緊急時対応訓練を実施する
図り、ローリー輸送に関する事故件数減少に努めました。
輸送部門の取り組み
※ 1危機管理計画書(CMP: Crisis Management Plan)
:全社的危機の定義、災害対策本部の構成、災害対策本部の設置時期と方法などの危機管理体制について記述した文章のこと。全社的危機が
発生した場合に、危機対応に関わる個々人がそれぞれの役割ならびに責任と危機レベルに応じて、どのような対応を取るべきかを理解し、日頃からその準備を行うことを目的として作成されている。
船舶輸送
燃料販売部門の取り組み
船舶輸送においては、シェルグループによる業務監査である
サービスステーション(SS)では、お客様に信頼される製品・
SMBR(Shell Maritime Business Review)を定期的に受けて
サービスを提供するため、現場スタッフが安全・品質管理にお
業務改善を行っています。これは、使用する船舶や荷揚げ・荷
いて特に注意すべき事項を「SS 重点活動 6 項目」に定め、取り
事業継続計画書(BCP)の策定
ち上げ、CMP に基づき災害対応を速やかに行います。2011 年
積みする桟橋の健全性を点検するシェルの船舶業務改善の手法
組みを行っています。
当社では、発生が予想される首都圏直下型地震、新型インフ
3 月 11 日の東日本大震災でも、発生から 2 時間以内に災害対
ルエンザおよびそれに類似する災害に備え、BCP を策定してい
策本部を本社ビル内に設置し、HSSE 委員会委員長である社長
ます。この計画書は随時見直しを行うことで運用時の実効性を
統括のもと、グループ社員の安否確認や石油製品および救援物
確保し、さらにこの内容に基づいた訓練を定期的に実施してい
資の緊急配送の指示などを 24 時間体制で行いました。
COLUMN
ゴールゼロ運動の取り組み(2011 年 7 月〜 12 月)
SQF 2011 の活動の一つとして、休業を伴う業務上人身事故などの重大事故の発生件数をゼロにすることを目標に、
この意識の強化をさらに推進するため「ゴールゼロ運動」を展開し、グループ全体で取り組みました。
※ 2事業継続計画書(BCP: Business Continuity Plan)
:自然災害などの緊急事態に遭遇した際に、損害を最小限にとどめつつ中核となる事業の継続・早期復旧を可能とするために、緊急時にお
ける事業継続のための方法・手段などを取り決めておく計画のこと。
ます。
火災に備えた実火訓練
製油所などの防災訓練
万一、火災が発生した場合、被害の拡大防止のために迅速か
製油所などの事業所では大規模地震などによる災害を想定し
つ的確な消火活動が重要となります。
マネジメントによる、
“ゴールゼロ運動 News Letter”配信
類似事故防止調査および調査結果の水平展開
会長・社長をはじめとした役員 21 名の、それぞれのゴールゼロ達
休業災害が発生した場合、発生ごとに類似事故防止調査を行い、
た総合防災訓練を協力会社や行政と連携して実施しています。
新潟防災訓練所では、消火活動の基礎知識ならびに各種災害
成に向けた思い、および HSSE に関するコラムを掲載した News
その調査結果と防止策を関係部署へ水平展開することで、全社的
letter をグループ社員に配信し、取り組みの浸透・推進を図りました。
な再発防止策を講じる取り組みを行いました。
これらの訓練を継続実施することで、従業員の対応スキルの向
を想定して、実火による消火訓練を行っています。同訓練所は
上、体制の見直し・改善を図り、製油所などの安全確保に努め
1993 年に開講し、当社従業員をはじめ、グループ関連会社、SS
ています。
などの多くの訓練生を育成してきました。近年は、地域社会に貢
職場単位でゴールゼロの取り組みを宣言
過去に発生した事故や 2010 年~ 2011 年上半期に発生した業
務上人身事故を参考に、事故を起こさないための行動・取り組みを
職場単位で宣言しました。この内容を掲示し、お互いに呼びかけを
行うことで、職場単位でゴールゼロの意識を高めました。
献し共生していく企業としての責任を果たすべく、県内外企業そ
緊急時体制
して地元消防(消防学校訓練生他)など多岐にわたりご利用いた
地震などの自然災害や重大事故などの緊急事態が発生し、グ
だいています。開講後 18 年を経過し累計で約 4,700 名が訓練
ループ全体の早急な対応が求められる際は、災害対策本部を立
に参加しました。
7
HSSE(健康、安全、危機管理、環境保全)
環境保全(Environment)
環境汚染の未然防止と廃棄物の削減
環境マネジメント体制を構築し、事業活動の中で環境負荷を低減していくことは、地球環境の持続性を実現する上
大気汚染の防止
産業廃棄物の削減
で、企業に不可欠な取り組みであると考えています。昭和シェル石油グループは、調達から製品販売に至るサプラ
硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)は、製油所の加熱炉
石油精製プロセスでは、汚泥や廃触媒などの産業廃棄物が発
やボイラーで使用される燃料油や燃料ガスから発生します。SOx
生します。これらの適正な処理および再資源化のため、全社的
については、低硫黄燃料油やガス洗浄装置で硫黄分を除去したク
な管理体制を構築しています。2011 年は産業廃棄物の再資源
リーンな燃料ガスを使用することにより排出を規制値以下に厳格
化の取り組みを引き続き推進した結果、グループ製油所におけ
に管理しています。また、NOx については、低 NOx バーナーの
る最終処分量は発生量の 0.3%にあたる92トンとなり、目標で
導入による燃焼方式の改善や排煙脱硝装置の設置により、大気
あるゼロエミッション(最終処分率 1%以下)を 2008 年より継続
汚染を防止しています。
して達成しています。
イチェーンにおいて環境負荷の低減を図ることはもとより、省エネルギー効果の高い石油製品や、再生可能エネル
ギーの普及を実現する太陽電池パネルなど、環境に配慮した製品を開発・提供していきます。
重点戦略と取り組み
2011 年
●
環境・ビジネスリスクの低減策として、土壌汚染対策や化学物質管理を強化する
2012 年
●
エネルギー消費原単位※削減の取り組みを各部門で推進し、さらなるCO2 削減を図る
●
当社の中期環境戦略に基づいた 2013-2015 年の中期アクションプラン作成を行う
※エネルギー消費原単位:エネルギー消費量(原油換算 KL)/装置通油換算量(千 KL)
水質汚染の防止
グループ製油所の産業廃棄物最終処分量および最終処分率
製 油 所 で 使 用された 水につ い ては、化 学 的 酸 素 要 求 量
環境保全の推進体制
(COD ※)や油分などの環境規制値をクリアするよう厳格に管理
(トン/年)
5.0
4.0
事業を継続する上で守るべき基本事項として「環境保全規則」
のもと“中期環境アクションプラン”を策定し、中期的な目標を
しています。冷却水については、油分などの汚染がないことを確
4,000
を定め、この規則をもとに、HSSE-MS を運用して環境リスクの
立てた上で毎年レビューを行っています。製油所などの主な事
認後、海へ放出します。排水については、油水分離槽、凝集剤に
3,000
抽出・評価・管理を行い、継続的な環境パフォーマンスの改善
業所では、国際的な環境マネジメント規格 ISO14001 の認証を
よる化学処理、活性汚泥処理などの装置により浄化を行うことで
を図っています。環境に関する取り組みについては、企業として
取得し、体系的に環境保全対策を講じる体制を築いています。
水質を管理しています。
特に重点的・計画的にマネジメントする必要があるという認識
※ COD(Chemical Oxygen Demand)
:水質の汚れ度合を示す指標。COD の数値が大き
いと水質が汚れていることを意味する。
最終処分率(%)
5,000
3.0
業界全体の製油所の
ゼロエミッション達成
(最終処分率 1%以下)
2,000
1,000
0.3
2.0
92
0
活動テーマ
中期目標
2011 年実績
省エネルギーと
地球温暖化防止対策
製油所におけるエネルギー消費原単位※
の低減(2008-2012 年度の平均値を
1990 年比 13%削減)
●
環境汚染の未然防止と
廃棄物対策
業界に先駆けた精製設備集約による効率化と省エネルギー活動の推進により、エネルギー消費原単位 7.67
(1990 年比 19%削減)を達成、目標を大きく上回ることができました
東日本大震災以降、省エネルギー・省資源の取り組みを一層強化し、各職場での室温・照明管理の徹底
および OA 機器やエレベーターの利用削減を行いました。また、2010 年に引き続きクールビズを実施し
たほか、両面印刷やペーパレス会議の励行による紙の削減、適切なごみの分別に努めました
「ECO TRY21」を通じてオフィスの省
エネルギー・省資源活動を実施
●
製油所のゼロエミッション(製油所の産
業廃棄物最終処分率1%以下)の継続
●
土壌汚染対策の継続
●
汚泥や廃触媒などの産業廃棄物の再資源化を推進して、製油所の産業廃棄物最終処分率 1%以下(0.3%)
を達成、目標を大きく上回ることができました
土地改変時の土壌汚染対策など、土壌・地下水の汚染リスク管理を徹底しました
未然防止を含め土壌・地下水汚染施策作成に関して、当社の知見をもとに環境省に協力しました
●
環境対応製品と
サービスの提供
化学物質管理体制の強化
●
部門ごとに行ってきた化学物質情報管理を研究開発部に統一し、当社が扱う製品や薬品などの安全性に関
する各種法規制およびお客様への適正な対応など、化学物質管理体制の強化を行いました
バイオ燃料(ETBE配合燃料)の普及
●
CI
S薄膜太陽電池の普及
●
家庭用燃料電池システムの普及
●
水素燃料の普及可能性の検証
●
GTL燃料の実用化
●
広くステークホルダーが環境について
環境保全活動と
考えるきっかけの提供
環境コミュニケーション
安定的に ETBE 配合燃料の供給に取り組み、低炭素社会に向けたバイオ燃料の普及に努めました
宮崎第3工場を建設し、年産能力約 1 ギガワット(GW)規模の生産体制を構築するとともに、それに合わ
せて販売体制を強化しました
●グループ関連施設への太陽電池パネルの設置など再生可能エネルギーの普及をさらに推進しました
環境に優しいエネルギーであるLPG-PEM型家庭用燃料電池システムの本格普及に向け、特約店チャネル
を中心とした販売体制の構築を行いました
次世代エネルギーとして注目されている水素燃料を用いた燃料電池車の普及期を見据えた規制合理化活
動への参画や急速充填(3 分間充填)を目指した技術実証を行いました
天然ガスを原料としたファンヒーター専用灯油「Shell heat clean」本格販売に向け、販売システムの構
築・店頭販売エリアの拡大・商品認知度向上に取り組みました
第 7 回環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○と×」を実施し、計 4,738 点の応募がありました。2011
年より新たに「チーム応募」枠を設け、身近な環境について大人と子どもが一緒に考え、応募できる機会の
拡充に努めました
●
NGO主催「富士山の森づくり」プロジェクトにて 2007 年に植栽した 1ha の区画に鹿害対策用ネットつけ
を行いました
●各事業所では周辺の清掃活動を実施しました
地域社会と従業員の協働による環境保
全活動を実施
●
環境分野の学術振興に寄与
●
次世代を担う子どもたちへの Face to Face の環境教育の場の提供として「環境問題と新しいエネルギー」
教室を 2004 年から展開。新潟県の小学校~高校、台場本社近隣小学校の生徒に対し「エネルギー教室」
を実施し、身近なエネルギーの話題を通じて環境教育を行いました
●新潟雪国型メガソーラーの見学受入れを、計 163 団体、2,422 名に対し行い、太陽電池の普及や理解促
進に貢献しました
●
「エネルギー持続性フォーラム」第 7 回シンポジウムをサステイナビリティ学連携研究機構(I
R3S)と共催し
講演・パネルディスカッション、提言を行いました
0
04
土壌汚染対策
中期環境アクションプラン(2010-2012 年)
自社グループのサービスステーション約 1 千数百ヵ所の土壌
1.0
05
06
最終処分量
07
08
09
10
11
最終処分率
汚染調査を継続的に実施し対策を行うとともに、施設の閉鎖や
建替えの際にも土壌汚染調査を実施しています。また、水質汚
太陽電池事業における廃棄物減量とリサイクルの推進
濁防止法や土壌汚染対策法の運用を見直す委員会などに当社
当社グループのソーラーフロンティア(株)では、耐用年数を
の知見や経験をフィードバックしています。
超えた太陽電池モジュールの回収・リサイクルの推進を目的に
設立された欧州団体「PV サイクル」に加盟しているほか、
(公
化学物質管理体制
財)北九州産業学術推進機構が中核となって進める、国内初の
法令や当社 HSSE 管理規程に基づき、当社の取り扱う製品、
太陽電池システムに関するリサイクル処理技術の共同研究事業
容器および包装材ならびに使用する薬品などが、人体・財産お
にも参加しています。このほか、製品を運搬する際のパレット類
よび環境に対し悪影響を及ぼすことのないよう、
“化学物質管理
の再利用をして(社)日本物流団体連合会の「物流環境特別賞」
規程”
、
“製品等に係る化学物質管理規則”
、
“毒物及び劇物管理
を受賞するなど、廃棄物減量およびリサイクルの取り組みを積
規則”を制定し、開発および使用から廃棄に至るまでの総合的
極的に推進しています。
な管理体制を強化するため取り組みを進めています。2011 年
は、毒劇物を扱う事業所の従業員約 60 名に対しHSSE 法令遵
環境マネジメント規格 ISO14001 の認証事業所
See P.10「CSR 関連データ」
守セミナーを開催し、毒劇物に係る法令の概要を学んだほか、
適正な管理方法を共有しました。
原油運搬時における環境汚染防止と生物多様性保護の取り組み
COLUMN
当社が原油輸入の際に運航する大型原油運搬船(VLCC)は全船に二重船殻構造を採用してお
り、万一の座礁や衝突の際の原油流出リスクの低減を図っています。また、船体塗料は有害物質
である有機スズを含まないものへ順次切替えるなど、環境汚染の防止に取り組んでいます。原
油荷揚後タンカーに積み込む海水(バラスト水)については、積地到着前に外洋で入れ替えを行
うことで環境や人の健康を害する微生物などの移動を防ぎ、生物多様性の保全を図っています。
8
HSSE(健康、安全、危機管理、環境保全)
省エネルギーと地球温暖化防止策
地球温暖化防止に向けた昭和シェル石油グループの事業モデル
当社グループでは総合的なエネルギーを提供するエネル
CO2 排出量低減イメージ
取り組みの継続実施
ギーソリューション・プロバイダーとして、生活に欠かせない石
油製品の効率的な生産、流通・販売時の省エネルギーの取り
組み、環境負荷を低減する高付加価値製品の開発・販売を行う
とともに、太陽電池パネルの製造・販売を通して太陽光発電を
普及していくなど、事業活動を通じて CO2 排出量を低減し、地
球温暖化防止のための取り組みを進めていきます。
取り組み①
物流における取り組み
環境負荷を低減する高付加価値製品の開発・販売
陸上輸送
有害排気ガスの低減に寄与するハイオクガソリン「シェル
安全性向上にも繋がる急加速の禁止や、アイドリングストッ
ピューラ(Shell Pura)
」
、省エネルギー効果の高い潤滑油「シェ
プ、配送効率の向上によりCO2 排出量削減を図っています。
ル ヒリックス(Shell HELIX)
」
、夏場の路面温度の上昇を低減で
2011 年は夏場の電力不足に対応するため、ローリー出荷ポン
きるアスファルト「ニューメロウファルト」など、お客様が製品を
プの使用時間を制限して電力のピークカットを行いました。
使用する段階で環境負荷を低減できる製品を開発し提供してい
ます。また、CIS 薄膜太陽電池の製造・販売を行うなど、再生可
石油事業を中心とした効率化や省エネ、
環境負荷を低減する高付加価値製品の販売
能エネルギーの普及にも取り組んでいます。
取り組み②
CO2 低減効果
シェル ヒリックス
太陽エネルギーの普及
ローリー
原油調達における取り組み
原油輸入調達時に使用する大型原油運搬船(VLCC)の運行
について、海峡の通過や入港の際に減速航行を行うなど、消費
燃料および CO2 排出量の削減に積極的に取り組んでいます。
製造における取り組み
当社グループ製油所の CO2 排出量とエネルギー消費原単位
12,000
9,000
製油所
石油精製工程で発生するエネルギーを最大限有効活用し、省
3,000
ス再循環設備などへ設備投資を行っています。また、石油連盟に
業界製油所の 2008-2012 年の
平均値を 1990 年比 13%削減
目標値:8.87
15,000
6,000
エネルギーを促進するため、熱交換器、廃熱回収ボイラー、排ガ
(原単位)
(千トン/年)
10.19
12.00
10.00
8.58
9.45
7.67
5,872
3,965
0
04
05
06
07
08
おいて 2020 年度までに累計で原油換算 53 万 KL/ 年の省エネ
CO2排出量
ルギー対策を行うことを低炭素社会実行計画として掲げていま
エネルギー消費原単位(業界全体)
09
10
製品輸送時に使用する内航船の大型化を進めることで、配送
効率化や燃費向上を通して CO2 排出量の削減に取り組んでい
ます。省燃費型電気推進船 2 船の継続利用を図るほか、すべて
の船で一層の燃費向上のため、燃費向上剤(助燃剤)の利用、
8.00
運航速度コントロールによる低燃費運航を心がけています。
6.00
販売における取り組み
4.00
90
Sell Tellus
Oil S4 ME
海上輸送
11
エネルギー消費原単位(当社グループ)
CSI 薄膜太陽電池
震災を受けて発生した深刻な電力不足に対し、すぐに系列の
サービスステーション(SS)に電力使用の抑制を要請するととも
に、電力使用量 15%以上の削減に向けた節電の手引きを作成・
配布し、消費電力の大きい照明やエアコンの使用抑制に取り組み
ました。また、夏場にかけて東北・東京電力管内の社有 SS の半
すが、当社グループの製油所においても「エネルギー消費原単
ニューメロウファルト 太宰府天満宮
位」を指標として省エネルギー対策などを積極的に推進し、CO2
太陽電池工場
数を超える214ヵ所に CIS 薄膜太陽電池を設置し、日中の電力
排出量の削減に努めています。当社の 2011 年のエネルギー消
CIS 薄膜太陽電池は、原料から使用後のリサイクル処理まで
使用量に対して 15%以上の節電を自家発電により実現しました。
グリーン購買の取り組み
費原単位は 7.67(KL/ 千 KL)
(1990 年比 19%低減)となり、石
高い環境意識で設計・生産されています。結晶シリコン系に比
さらに、電力需給のひっ迫が見込まれる関西・九州電力管内の社
当社は、「環境基本法」、
「国等による環境物品等の調達の推
油連盟の掲げる目標(2008 ~ 2012 年平均で 1990 年比 13%
べると、発電層の厚さが 100 分の 1 であるため使用する原料が
有 SS にも設置を拡大し、2012 年 5 月時点では、あわせて約
進等に関する法律」等の国内の法律や国際条約に基づき“グリー
の低減)を達成し、かつ業界平均値を上回っています。
少なくて済むほか、生産工程がシンプルで短く、少ないエネル
300ヵ所の社有 SS に設置が完了しています。今後もさらなる節
ン購入ガイドライン”を定めています。取引先に対しては、この
ギーで生産することができます。特に宮崎第 3 工場では、最新
電への取り組みとして他地域への拡大展開を予定しています。
ガイドラインに基づき環境に配慮した商品を優先的に購買する
ことを提示し、ご理解ご協力いただくようお願いしています。
の省エネルギー技術が採用されていますが、さらなる生産効率
の向上を目指しています。また運用面でも冷凍機の設定温度の
適正化や排気ファン運転の適正化を図り、効率的な操業を行う
ことで、環境負荷の低減に取り組んでいます。また、宮崎第 2 工
場 の 敷 地 内 および 宮 崎 第 3 工 場 の 屋 根に合 計 3 メガワット
(MW)のメガソーラーを設置・運営し、工場で使用する電力の
サービスステーション(SS)
一部を再生可能エネルギーにて賄っています。
COLUMN
太陽電池の地球温暖化防止効果
どれだけ発電しても CO2 を排出しない太陽光エネルギーは、地球温暖化防止のために欠かせない再生可
CO2 削減
能エネルギーとして注目されています。例えば家に 4.25 キロワット(kW)の太陽光発電システムを設置した
四日市製油所
場合に得られる年間発電量を CO2 削減量に換算すると、4,135 m 2(縦 64m、横 64m)にあたる森林の 1 年
分の CO2 吸収と同等の効果があります。
宮崎第 3 工場
計算式 : 年間予測発電量(キロワット時)×0.334Kg-CO2/ キロワット時※ 1、森林 1ha 当たりの年間吸収量 0.974t-C ※ 2
※ 1 太陽光発電協会の「表示に関する業界自主ルール(平成 18 年度版)
」より ※ 2 NEDO「太陽光発電導入ガイドブック」2000 年改訂版より
64m
64m
9
CSR 関連データ集
ISO9001(品質)認証取得状況
会社名、事業所名
2012.5.14 現在
初回認証取得年月日
ISO14001(環境)認証取得状況
2012.5.14 現在
会社名、事業所名
初回認証取得年月日
昭和シェル石油㈱横浜事業所
1995.12.15
西部石油㈱山口製油所
日本グリース㈱
1995.12.15
昭和四日市石油㈱四日市製油所
1999.7.29
豊通石油販売㈱
2000.12.1
昭和シェル石油㈱神戸事業所
1996.1.10
1998.12.10
昭和四日市石油㈱四日市製油所
1997.2.2
ジャパンオイルネットワーク㈱
西部石油㈱山口製油所
1997.8.1
㈱エス・ブイ・シー東京
昭石化工㈱
昭石エンジニアリング㈱
㈱エス・ブイ・シー東京
瀝青化学㈱ 袖ケ浦事業所
瀝青化学㈱ 三重プラント
ソーラーフロンティア㈱宮崎第 1 工場
ソーラーフロンティア㈱厚木リサーチセンター
ソーラーフロンティア㈱宮崎第2工場
東亜石油㈱京浜製油所
ソーラーフロンティア㈱宮崎第 3 工場
(国富工場)
2000.5.12
2002.12.11
2005.3.14
2006.4.2
昭和シェル石油㈱横浜事業所
2005.6.28
昭和シェル石油㈱神戸事業所
2005.9.30
2009.3.1
昭和シェル石油㈱中央研究所
2006.10.27
2009.6.12
東亜石油㈱京浜製油所
• 大型原油運搬船(VLCC)
• 燃料(原油換算)
• エネルギー
213 千 KL
8.15PJ ※
•CO2 排出量
591 千 t
2001.12.21
2006.12.7
2009.12.22
Output
原油調達
2001.1.23
昭和シェル石油㈱碧南 LPG 基地
若松ガス㈱
Input
2000.12.15
日本グリース㈱
2009.6.12
昭和シェル石油グループの環境負荷全体図(2011 年)
製造プラント(製油所)
• 燃料(原油換算)
2,024 千 KL
• エネルギー
77.32PJ
• 電力 281,290 千 KW
• 用水
34,119 千 KL
• 海水
151 百万 KL
2010.7.26
2011.7.1
ソーラーフロンティア㈱厚木リサーチセンター
2011.11.7
2011.12.1
• 東亜石油
• 昭和四日市石油
• 西部石油
•CO2 排出量
• 総廃棄物量
•SOx •NOx • ばいじん
5,872 千 t
35,389t
2,555 t
2,547 t
72 t
2012.3.9
その他製造プラント
環境会計
環境会計
昭和シェル石油グループの事業活動において、環境保全に関係する取組に関わ
るコストや効果を出来るだけ定量的に計測しようとしたものが環境会計です。
一般に石油産業では環境負荷を低減する製品を製造し供給するため、あるいは
製造や供給の際に生ずる環境への負荷を減少させるために多くの投資と費用を費
やしています。
当社においても環境会計中に占めるこれらの割合は高いものとなっています。
集計範囲
2011 年末現在で、3つの石油精製会社を含めた、HSSE-MS を導入しているグ
ループ会社を対象としました。なお、特約店 (SS を主とした販売会社 ) のコストに
ついては集計外としています。
期間
2011 年 1 月 1 日から同年 12 月 31 日までとしております。一部の会社は 3 月
末の決算のため、これらの会社については 2011 年 4 月 1 日から 2012 年 3 月
31 日の対応としております。
集計方法
環境省の策定した「環境会計ガイドライン 2005 年版」及び「環境保全コスト分
類の手引き 2003 年版」を参考に集計しました。
以下に各項目の概要を説明します。
環境保全コスト
投資額には設備投資額のうち環境保全を目的として投資した額を、費用には環
境保全のために当該期間中に費用として発生した額を計上しています。
1. 事業エリア内コスト
製油所や潤滑油製造事業所などから生じる環境負荷を抑制するために関わ
るコストです。
具体的には大気汚染や水質汚濁などの防止、地球温暖化防止、省エネル
ギー、廃棄物のリサイクルや処分に関わる投資や費用を計上しています。
2. 上・下流コスト
主たる事業活動の上流あるいは下流で生じる環境負荷を抑制するために関
わるコストです。
燃料油を低硫黄化するために要する装置の新設及び改造等の投資や運転保
守費用、燃料油中のベンゼン含有率を下げるために必要な費用などからなりま
す。昭和シェル石油グループの場合、投資額、費用額ともに環境保全コストの
中で大きな比率を占めています。
3. 管理活動コスト
HSSE-MS 構築や運営、あるいは ISO14001 システムの運営などに関わる費
用を計上しています。また、環境への負荷を監視するために要する費用や従業員
への教育費、
「サステイナビリティ・レポート2011」作成費等が含まれています。
4. 研究開発コスト
燃料電池車に燃料である水素を供給する水素ステーションの運営、技術の開
発に要する費用です。また、潤滑油等の省資源型製品の開発に要する費用も
計上しています。
5. 社会活動コスト
「環境フォト・コンテスト」実施費用などの環境活動に関わる費用を計上して
います。
6. 環境損傷対応コスト
環境損傷に対応するための費用で油濁賠償責任保険料、土壌汚染の対策費
用等が含まれています。
環境保全に関わるコスト(2011 年 1 月~ 12 月 )
分 類
投資額
• 燃料(原油換算)
30 千 KL
• エネルギー
1.14PJ
• 電力
234,344 千 KW
• 用水
2,518 千 KL
費用額
•CO2 排出量
• 総廃棄物量
• 排水量
143 千 t
19,615 t
539,220 t
•CO2 排出量
274 千 t
•CO2 排出量
76,195 千 t
物流・販売
• 燃料(原油換算)
• エネルギー
(単位:百万円)
対前年
• 太陽電池工場
• 輸入基地
• 潤滑油基地
•LPG 基地
• アスファルト基地など
116 千 KL
4.42PJ
• 陸上・海上輸送
• 油槽所
•SS 約 3,800 ヵ所
対前年
事業エリア内コスト
・公害防止コスト
・地球環境保全コスト
70.3
-265.3
9,520.4
1,337.6
上・下流コスト
3,600.0
-485.7
86,830.0
16,477.4
管理活動コスト
0.0
0.0
871.9
96.9
研究開発コスト
0.0
0.0
47.0
-121.6
社会活動コスト
0.0
0.0
45.2
5.6
環境損傷対応コスト
0.0
0.0
458.3
-182.5
3,670.3
-751.0
97,772.8
17,613.4
お客様(消費)
・資源環境コスト
合 計
• 揮発油
• ジェット燃料
• 灯油
• 軽油
• 重油
• その他
9,494 千 KL
2,077 千 KL
2,816 千 KL
4,952 千 KL
3,379 千 KL
7,743 千 KL
※ 燃料を PJ(ペタジュール=1015 ジュール)に換算
経済効果
環境保全対策を行った結果、利益に貢献した効果を貨幣単位で測定したものを
経済効果といいます。長年に亘って省エネルギーに向けて設備投資を行い、運転
や運用を改善している昭和シェル石油グループでは、経済効果を算出することは困
難です。ここでは昨年度の活動の結果、算出可能であったもののみを掲載します。
サイトレポート
製油所等で発生した廃触媒等の売却による収入 : 487 百万円
東亜石油㈱ 京浜製油所、昭和四日市石油㈱ 四日市製油所、西武石油㈱ 山口製油所の各サイトレポートについては、当社 WEB サイトをご覧ください。
See
http://www.showa-shell.co.jp/society/csr/2012/site_report.html
10
人材
人材ポートフォリオの考え方
人材の基本的な考え方
● ライン管理職
チームとしての成果と部下の育成を追求し、周囲への働きかけによってチー
ムを活性化させる人材
マネジメント
● エキスパート
昭和シェル石油は、変化の激しい環境の中で世界のエネルギー産業をリードしていく企業として永続的成長・発展
「人材ビジョン」として定義し、その人材ビジョンを体現していくために教育体系や人事制度を展開し、社員が自らの
キャリアを考え個々の能力を最大限発揮できるような機会を提供しています。また、企業の社会的責任として人権
特定の職務における豊かな経験と社内外に通用する高い専門性を持ち、そ
れらに裏付けられた成果を出すことによって、業績の向上に貢献する人材
正社員
を遂げていくために、人材の競争力強化が必要不可欠であると考えています。当社では社員に求められる人材像を
ライン管理職
嘱託
社員
を尊重し、様々なライフステージや働き方に応じた支援制度の充実、労働安全衛生の確保を行うなど、働きやすい
エキスパート
● 嘱託社員
派遣
社員
専門職
・関係会社の管理職または役員として出向し、関係会社を通じて当社グループ全体の
業績向上に貢献する人材
一般社員
・特定の分野における第一人者に相当するレベルの専門性を有し、一定の期間、一定
の職務やプロジェクトにおいて、それらの発揮による高い成果を出すことによって業
績の向上に貢献する人材
職場づくりに取り組んでいます。
60 歳以降の再雇用社員
教育制度
人材ビジョン
人材育成においては、
「社員は仕事を通じて成長する」という認
開発領域において、各種研修・教育支援などの機会を組み合わ
人材ビジョンとは当社がエネルギーソリューション・プロバイ
また、人事制度では「トータル人事システム」を運用し、成果・
識のもと、仕事における機会の提供(OJT)と、社員の成長欲求
せ、必要なマインドの設定、能力開発の推進を図ります。
ダーとして永続的に成長・発展していくために、社員一人ひとり
能力を考慮した報酬体系の整備や、会社と個人のキャリア・ディ
を原動力とした集合研修(Off JT)
、自己啓発支援の組み合わせ
環境変化の進む時代において、会社が果たすべき役割は社員
が心掛ける信条・行動指針を定義したものです。
「自律考動」
「チー
ベロップメントプランを考慮した配置・異動を行っています。
により、人材ビジョンの体現を図ります。また、これらを支える教
一人ひとりが最大限能力を発揮し、チャレンジを通じた成長が可
ム意識」
「外向き志向」の三つの柱からなり、年次・資格・職位に
育制度として「行動特性・思考特性の開発」
「プロフェッショナル
能な「場」の提供であると考えており、社員に対しさらなる成長を
関係なく、あらゆる社員に共通して求められる人材像です。
人材の育成」
「グローバル環境へのアダプタビリティの向上」の各
期待する「投資」として各教育機会を提供していきます。
人材ビジョンと新教育体系
教育体系図
行動特性・思考特性の開発
人材ビジョン
周囲で起こっていることや変化を当事者意
識をもって受け止め、自律的に課題設定を
行い、より高い成果を求め行動します。
自律考動
部長層
管理職研修
課長層
新任管理職 MBO 研修
プロフェッショナル人材の
育成
グローバル環境への
アダプタビリティの向上
人材ビジョンを
実現するための
開発領域
中堅社員
リーダーシップ研修
リーダーシップベーシック研修
トータル人事システム
・業績評価(MBO ※・個人業績)
・チーム業績表彰(チーム業績)
報酬
採用
配置
・
異動
・資質評価(ポテンシャル・マインド)
・行動評価(コンピテンシー)
・将来性評価(成長の可能性)
成果
評価
能力
育成
格付
昇進
退職
※MBO(Management by Objectives)と公正な評価の実施
当社では、各従業員が個人ごとに達成すべき目標を定め、組織としての目標達成実現を図る目
標管理システム「MBO」を採用しています。この実現のために必要な能力・行動について話し
合いやレビューを行うほか、定期的に達成度を確認します。評価時は「多面評価」を行い、複数
の評価者から個々の成果や行動が公正・客観的に評価される仕組みとなっています。
入社 1 ∼ 3 年
社員
2 年目研修
1 年目研修
ベーシック
セミナー
海外留学生制度
3 年目研修
通信教育・通校制英会話教室
Process
テスト
TOEIC
行動特性・思考特性の
開発
Process
シェルグループ海外研修
セミナー
部門主催研修
(3 つの開発領域)
Process
自己啓発支援
階層別・全社公開
アドバンス
社外講習・資格取得支援
新任管理職研修
マネジメントベーシック研修
新教育体系
試験
選抜型海外派遣研修
チーム意識
外向き志向
海外研修
その他
部室長研修
選抜型国内派遣研修
顧客ニーズを把握する姿勢を常に持
ち、自らが外に向かって視野を広げ、
創意工夫を重ね、行動します。
一人ひとりの力をその集合体以上の
力にすべく、ともに成長するという意
識を持ち、チームワークを尊重し、
チームに貢献します。
グローバル環境へのアダプタビリティの向上
各部門主催研修
人事主催研修 人材ビジョン
人材ビジョン
プロフェッショナル人材の育成
新入社員研修
入社前
内定者教育(ベーシックスキル:
「英語」、「会計」、「パソコンスキル」)
異動・配置(ジョブ・ローテーション、部門横断プロジェクトのリーダー経験、関係会社のマネジメント経験、海外勤務など)
11
人材
ダイバーシティとインクルーシブネスの実現
公正・公平かつ多様な採用の取り組み
主な両立支援制度
具体的には公正採用選考人権啓発推進員の選任を行い、国
すべての社員
籍、性別、障がいによらない公正・公平な採用選考を実施する
年次有給休暇
毎年、勤続年数に応じて、有給休暇が付与されます。
(年間最大 21 日)半日単位で取得できます。
年次有給休暇の繰越
付与された有給休暇が未消化の場合、次年度に繰り越すことができます。
(年間最大 31 日)
フレックスタイム制度
1 日の勤務時間を自分で決められるので、フレキシブルな働き方ができます。
体制を整備するほか、新卒学生の採用については(社)日本経済
団体連合会が出す「採用選考に関する企業の倫理憲章」を遵守
し、通年での採用を行っています。
定年退職者の再雇用
60 歳以降の就労意欲と能力のある社員が、長年培ってきた
知識と経験を活かしながら活躍できる場として、再雇用制度を
整えています。2011 年に 60 歳を迎えた社員の再雇用制度利
用率は 60.9%となりました。
当社の目指す職場風土とは、従業員がお互いの相違を認め尊
重し合い、多様な発想や価値観に触れる機会に富み、かつそこ
女性社員の雇用
から学び成長していくことのできる活力のある職場です。当社
女性のライフイベントに対応した福利厚生制度の整備を進
ではこの風土を「ダイバーシティとインクルーシブネス」が実現
め、女性の能力が最大限発揮できる環境づくりに取り組んでい
された職場と呼び、企業と個人の相互成長の達成を目指してい
ます。2011 年 12 月末時点の女性従業員比率は 20.7%とな
ます。当社は 2004 年に「ダイバーシティとインクルーシブネス
り、女性の職場での活躍が促進されています。
雇用の状況(昭和シェル石油単体)
ボランティア活動のために、最長 2 年の休職ができます。
ボランティア休暇制度
ボランティア活動のために、年次有給休暇とは別に、年間 3 日の特別有給休暇を取得できます。
裁判員休暇
社員が裁判員などに選任された場合は、年次有給休暇とは別に、特別有給休暇を必要な日数付与します。
出産・育児を行う社員
産前産後の休暇
社員本人が出産する場合は、出産予定日の 6 週間(多胎の場合 14 週間)前から、出産後 8 週間まで特別休暇を取得できます。
配偶者の出産時の特別休暇 社員の配偶者が出産した時には、年次有給休暇とは別に、2 日の特別有給休暇を取得できます。
育児休職制度
男女を問わず、最長で子どもが満 2 歳になるまで休職できます。
短時間勤務制度
1 日最大 2 時間まで勤務時間を短縮できます。
(子どもが小学校就学前まで)
在宅勤務制度
週 1 日、自宅で勤務できます。
(子どもが小学校 3 年生まで)
子の看護休暇
子どもの看護のために、年次有給休暇とは別に、年間最大 10 日の特別有給休暇が取得できます。
(子どもが小学校就学前まで)1 日、半日、1 時間単位で取得できます。
介護休職制度
同一対象家族 1 人につき、最長 1 年間休職できます。
(分割して取得できます)
介護休暇制度
家族の介護のために、年次有給休暇とは別に、年間最大 10 日の特別有給休暇が取得できます。1 日、半日、1 時間単位で取得できます。
短時間勤務制度
1 日最大 2 時間まで勤務時間を短縮できます。
(最長 3 年間)
在宅勤務制度
週 1 日、自宅で勤務できます。
(介護が必要な期間中)
働きやすい職場環境づくり
労働安全衛生
従業員個々の環境やライフステージに応じた働き方を選択
社員意識調査の実施
社員の健康管理とメンタルヘルスケア
し、各自が能力を発揮してやりがいを持って働くことができるよ
当社では、企業力の源はそこで働く従業員力であり、従業員
労働基準法、労働安全衛生法や HSSE などの社内規程に基づ
う、各種制度の整備を進めています。
が主体として働ける職場環境の実現を最も重要であると考え、
き「安全衛生管理規程」を定め、従業員の職場における安全と
両立支援制度の整備
※ 2011 年 12 月末現在
能力開発のために、最長 2 年の休職ができます。
ボランティア休職制度
介護を行う社員
の取り組みの基本方針」を策定し、社内・グループ内において
理解促進・浸透のための様々な取り組みを行っています。
自己啓発支援休職制度
従業員数
1,007 人
平均年齢
44.9 歳
まず、女性が妊娠・出産などのライフイベントに応じて柔軟
シェルグループ共通の社員意識調査を実施しています。
心身の健康を確保し、快適な作業環境の形成を促進するための
平均勤続年数
20.8 年
に働き、能力を発揮することを可能にするため、育児休職制度
2001 年に調査を導入して以来、自社の経営課題、各部門が
取り組みを行っています。
女性従業員比率
20.7%
に加え、復職後も状況に応じた働き方ができるように制度の充
抱える課題、職場風土活性化に関して、定期的な調査を重ね、
健康面では社員を対象とする年2回の健康診断を実施し、メ
実を図っています。この取り組みに関しては、厚生労働省より子
労使の対話を通して各職場での具体的なアクションに落とし込
ンタルヘルスケアについては、
(公財)日本生産性本部メンタ
育て支援企業の認定マーク「次世代認定マーク(くるみん)
」を
むことを目的としています。
ル・ヘルス研究所の「JMI 健康調査」を 2001 年より隔年で実
2007 年以降、継続して取得しています。
2011 年に実施した第 8 回目の調査では「従業員満足度」
「報
施し、社員が自身の心身の健康状態をチェックする機会を設け
その他、社員の柔軟な働き方や自主的な取り組みを支援する
酬と福利厚生」
「成長とその機会」など 11 のカテゴリーで計 60
ています。また、2011 年は医療スタッフ(産業カウンセラー、
国際労働基準を遵守し、従業員一人ひとりの人権を尊重して
ため、各種両立支援制度を整備しています。今後さらに制度活
問の質問による調査を行い、過去最高の 95.3%の回答率とな
保健師)が昭和シェル石油の全部門、一部の関係会社を個別に
います。当社は行動原則においても「社会の責任ある一員とし
用が促進されるよう利用希望者のニーズや利用者の声などを
りました。この調査結果をもとに各部門固有の問題について部
訪問し、計 65 回のメンタルヘルス研修を実施しました。
て事業を行い、法令を遵守するとともに、基本的人権を尊重す
拾い、制度や運用の改善を行っていきます。
門長のリーダーシップのもと各職場で話し合いを行い、労使一
また、健康についてのトピックなど情報発信を行うイントラ
体となって課題に対する改善を図っています。
ネット専用サイト“こころとからだの健康プラザ”に「健康相談
新卒採用数(2011 年採用実績)
過去 5 年新卒入社女性比率(07 〜 11 年)
中途採用数(2011 年採用実績)
23 人
45.1%
3人
人権の尊重
る」と定めているほか、労働者の人権確保については、採用、異
動、処遇、教育機会から退職まで、様々な場面で差別を排し、
公正・公平な機会の創出に向けて取り組みを進めています。
制度の利用状況
利用者数
制度名
2009 年
2010 年
2011 年
育児・介護休職
8 人(1 人) 9 人(1 人) 育児・介護短時間勤務
1 人
4 人(1 人) 子の看護のための休暇
15 人
26 人(15 人)
在宅勤務
5人
6 人(1 人) 自己啓発休職
0人
0人
1 人(1 人)
ボランティア休暇
0人
1 人(1 人) 2 人(2 人)
窓口」を設置しており、心身の健康についてプライバシーを守っ
た上でいつでも相談できる体制を整えています。
社員意識調査の主な結果
5 人(1 人)
4 人(1 人)
27 人(17 人)
4 人(1 人)
※ カッコ内は、男性の利用者数
従業員満足度
好意的
中立的
成長とその機会
ダイバーシティ&
インクルージョン
好意的でない
12
地域貢献
地域貢献の基本的な考え方
地域のコミュニティ参画:支援学校からの職場実習生受入れ
コミュニティとの関わりを積極的に持ち、地域・社会の持続的な発展に貢献していくことは、企業として果たすべ
COLUMN
昭和シェル石油の近畿支店で大阪府の支援学校高等部生徒を対象とした企業への職場実習制度
き重要な役割であると考えています。昭和シェル石油グループは、次世代育成、地域貢献、国際貢献、環境保全
に協賛し、2012 年 2 月 13 日から24 日まで職場実習生の受入れを行いました。実習では主に総
など様々な分野での社会貢献に取り組んでいます。
務関連業務やPC入力作業を行っていただきましたが、実習生は皆とても熱心に取り組んで下さ
いました。そのほか、神戸事業所の協力を得て、潤滑油製造工程やタンカーからの荷揚げ、ロー
リーへの積込みなど、石油会社ならではの業務を実際に見学していただきました。この職場実習
環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○と×」
新潟雪国型メガソーラーへの見学受入れ
See http://www.showa-shell.co.jp/photo//index.html
See http://www.showa-shell.co.jp/products/solar/megasolar.html
環境問題解決のために、私たち企業や地域、団体、個人一人ひと
新潟県と共同事業として行う「新潟雪国型メガソーラー」にて、新
りが考え、行動するきっかけの第一歩となることを期待し、2005 年
しいエネルギーについての知識を深めていただくため、2011 年度
より環境フォト・コンテストを開催しています。このコンテストは身近
は全国から 163 団体 2,422 名の見学受入れを行い、積雪の多い地
な町のいつまでも残したい「○」の風景と、改善したい「×」の風景を
域でも安定した発電が可能なことなど、雪国の太陽光発電の可能性
撮影し、その 2 枚の写真についてコメントを添えて応募いただくも
について理解を深めていただきました。
ので、第7回目の開催となった 2011 年は計 4,738 点(ジュニア部
門 4,340 点 / 一般部門 398 点)のご応募をいただきました。現在、
外部研究機関との共同研究
全国各地の学校で環境教育が盛んに行わ
See http://www2.ir3s.u-tokyo.ac.jp/esf/
れており、本コンテストを恒例の取り組み
「エネルギー持続性フォーラム」の第 7 回シンポジウムをサステイナ
として学校・クラス単位で応募する学校も
ビリティ学連携研究機構(IR3S)と共催しました。今回は「転換期をむ
多く、環境授業の題材や夏休みの課題とし
かえたエネルギー利用とその地域的展開」をテーマに実施し、都市工
て活用されています。
学、社会科学の専門家、地方行政のリーダーというそれぞれの視点か
富士山の森プロジェクトの実施
生との関わりを通し、社員にとっても企業の社会的責任を身近に考える大変貴重な機会となりま
した。今後も継続して取り組みを行っていきたいと考えています。
震災後の復興支援と緊急時対策の強化
東日本大震災にて被害を受けた地域に対し、グループを挙げて復興に向けての支援を行いました。また、今回の震災の経験をもと
に、グループの緊急時対応の見直し・対策強化に取り組みました。
石油製品の安定供給、および緊急時対策の強化
太陽光発電を用いた復興支援
震災発生後は、ライフラインとして欠かせないエネルギーの
NPO や昭和シェル石油グループの系列特約店などと協力し
供給を一刻も早く行うべく、グループを挙げて設備や供給網の
て、被災地の支援を継続的に行っています。被災地のニーズや
早期復旧に努め、官邸や資源エネルギー庁の要請に対応したほ
要望にお応えするために復興担当のスタッフを現地に派遣し、
か、被災地向けに灯油などのドラム缶詰め燃料を供給しました。
これまでに岩手県陸前高田市、宮城県石巻市、南三陸町などの
ら、これからの地域でのエネルギー利用
その後 2011 年 4 月には、サービスステーション(SS)の被災に
避難所やボランティアセンターなど、200ヵ所以上の施設へ太
に関する講演を行うとともに、講演内容
より、燃料供給が空白地帯となっていた岩手県陸前高田市にお
陽電池などを無償提供しました。石巻市の造船所に設置した太
See http://www.showa-shell.co.jp/society/philanthropy/morizukuri/
を踏まえたパネルディスカッションや、転
いて、地域の系列特約店および消防の協力のもと、ミニロー
陽光発電システムは、漁の再開に必要な船の修理のための電
当社は、シェルグループの「バイオダイバーシティースタンダー
換期をむかえたエネルギー利用の地域
ド」に沿い、2006 年に生物多様性保護に関する「バイオダイバーシ
リーやドラム缶などを活用した仮設 SS の運営を行うなど、時機
力源として活用され、雇用の創出に貢献しています。このほか、
展開に向けた提言を行いました。
に応じた安定供給体制の構築に取り組みました。当社ではこれ
通学路、バス停、通勤用フェリー乗り場など、より生活に密着し
ら震災時の対応経験を活かし、SS・製油所・油槽所の津波対策
た場所や安全性が求められる場所に、太陽光発電を利用した街
や事業継続計画書(BCP) の見直しを行うなど、緊急時のエネル
路灯の設置を行いました。また、宮城県気仙沼市の指定避難
ギー供給体制の強化を行っています。
所・避難場所となっている小中学校 10 校に、環境教育、緊急
そのほか、放射性物質汚染対処特措法に基づいて指定され
時の電力確保、節電を目的として、太陽光発電システムを無償
た、放射性物質の汚染懸念のある区域の社有施設について、自
提供しました。当社は今後も、被災地の皆様に太陽電池をお届
主的に調査および対策を実施するため準備を進めています。こ
けすることで、早期の復興に貢献してまいります。
ティー基本方針」を策定しています。この活動の一環として、2007
年からNGO が主催する「富士山の森づくり」プロジェクトに参画し、
シェル美術賞
病害虫や鹿の食害などに遭った富士山の森林の再生を目指してい
See http://www.showa-shell.co.jp/art/index.html
ます。5 年目の実施年である2011 年は、鹿が生育途中の苗木の芽
才能ある若手作家の発掘を目的とし、1956 年の創設より半世紀
を食べてしまう被害が続出しているこ
以上にわたり完全な公募制にて実施を続けている、当社のメセナ(芸
とから、2007 年に当社が植栽した区
術文化支援)
の中心となる活動です。2011 年は
画にて、鹿害対策用ネットつけ作業を
「NEXT ART ココロを揺さぶる、一点を。」とい
社員および社員家族ボランティア有志
うメッセージのもと作品を募集し、903 名の作
で行いました。
家の方々から 1,291 点におよぶ作品のご応募
環境教育の実施
See http://www.showa-shell.co.jp/society/philanthropy/
summerenergyschool.html
次世代を担う子ども達に対し「環境問題と新しいエネルギー」に関
して、興味を持ち理解を深めてもらうエ
ネルギー教室を実施しています。2011
年は新潟県の小学校~高校、および台
場本社近隣小学校の生徒計 399 名に対
し実施しました。
をいただきました。受賞・入選作品の展覧会を
れより得た調査結果などは、行政のほか地域の皆様にもお役立
ていただけるようフィードバックをしていく予定です。
また、災害時自家発電用設備や貯水槽を備え、災害によりイン
代官山ヒルサイドフォーラムにて実施し、多くの
フラが断絶された際も石油製品や生活用水の供給を行うことが
方にご来場いただきました。
可能な災害対応型 SS ※の拡充にも引き続き取り組んでいきます。
グランプリ受賞作品 廣田光司「neutral」
※災害対応型 SS(2011 年 12 月末時点)
:全国 40ヵ所
R.I. ジャパン(国際難民奉仕会)への支援
海岸近くに設置した街路灯
See http://www.shell.co.jp/society/sij-0011.html
造船所に設置した太陽光発電システム
国際難民奉仕会(RIJ)に対し、シェルケミカルズジャパン(株)と共
同で 1979 年の設立以来、無償でオフィスを提供しています。RIJ は
グリーティング・カードやクラフトの販売、募金キャンペーンなどを行
い、そこで集めた資金をもとに緊急時の食料・医療援助、難民が自
活の道を切り開くための教育支援などの活動を行っています。
自衛隊基地に供給したドラム缶詰め燃料
災害対応型 SS
13
お客様満足の向上
お客様満足の向上の基本的な考え方
昭和シェル石油は、お客様を大切にし、環境・価格・品質・安全性のすべての面で価値あるサービスを提供し続け
ます。また、お客様との双方向コミュニケーションを大切にし、WEB サイトからの情報発信やお客様窓口の設置・
運営を行うなど、
“顧客志向”の経営理念を実践し、さらなるお客様満足の向上に努めます。
太陽電池事業での取り組み
太陽電池モジュールの長期保証および定期点検の実施
太陽電池事業を担う当社グループのソーラーフロンティア
(株)では、一般のお客様が住宅用で購入した CIS 薄膜太陽電
池モジュールを長期間にわたり安全・快適にご使用いただける
よう、出力 20 年保証を設けています。これにより、設定した期
サービスステーションでの取り組み
間において万一電気の出力が一定割合以上低下した場合、太
お客様満足向上のための取り組み
す。このほか、太陽光発電システムが長期にわたってご利用い
全国約 3,800ヵ所(2011 年 12 月末時点)のシェルマーク
ただく製品であることから、設置後も 1・5・9 年ごとに性能確
サービスステーション(SS)では、地域のお客様のニーズ、ライ
認やメンテナンスを行うなど、定期点検を充実させています。
フスタイルに合わせた様々なサービスの提供を行うほか、お客
また、パワーコンディショナや、接続箱などの周辺機器について
様により満足を感じていただくための各種取り組みを行ってい
も 10 年保証をご提供しています。
陽電池モジュールの追加、修理、交換を 20 年間無料で行いま
ます。2011 年の取り組みの一つとして、SS のモニターチェック
を行い、お客様が再来店に向けて重視している項目、例えば「笑
顔で元気の良い挨拶」
「丁寧な車の誘導」
「トイレの清潔度」など
お客様とのコミュニケーション
を全国の昭和シェルグループ系列特約店で共有・実践すること
お客様窓口の設置
WEB サイトでの情報提供、意見・要望の収集
で、SS のサービス向上に努めました。2012 年後半より、SS は
お客様との双方向コミュニケーションを図るため、サービス
当社 WEB サイトでは掲載情報の充実を図るほか、文字の見
順次シェルグループの新デザインに一新される予定ですが、今
ステーション、燃料油、カードなどに関するお問い合わせ先とし
やすさなどに配慮し、お客様のユーザビリティー向上を心がけ
て「お客様窓口」を設置しています。2011 年のお客様窓口へ
ています。また、情報提供をスピーディーに行う社内体制を整
の入電件数は 17,000 件以上となり、うち 80%の入電がカード
えています。そのほか、WEB サイトの掲載内容に対するご意
関連のお問い合わせとなっております。2011 年は災害関連の
見やご要望、ご感想などを収集するシステム“フィードバックマ
サービスツールの拡充
お問い合わせが全体の 8%あり、営業しているSS や営業時間に
ネージャー”を導入し、お客様、投資家、取引先、従業員など幅
カードの利用額に応じてガソリン・軽油給油時のキャッシュ
関する情報をお伝えいたしました。また、潤滑油、太陽電池な
広いステークホルダーのニーズや要望の把握に努め、その声を
バック率が決まるお得なクレジットカード「シェル スターレックス
どの分野には別途専門の窓口を設け対応しており、2011 年は
商品やサービスに反映するなど、お客様満足の向上に取り組ん
カード」や、
(株)ローソンを始めとした全国 17,000 店舗以上の
23,000 件以上の入電となりました。これらのお問い合わせに
でいます。
提携企業でポイントが貯められる「Ponta(ポンタ)
」など、お客
より正確かつ迅速にお答えするために、対応レベルのチェックや
様のニーズに応じて各種カードを選択・ご利用いただけます。
トレーニングを日常的に実施し、専門スタッフの質の向上を図っ
後もこの新しい SS のもとさらに明るく活気のある店舗づくりを
目指し、お客様満足の向上に努めていきます。
また、2011 年 7 月より、動画やイラストを用いた分かりやすい
製品やサービスの説明に加え、カード入会手続きが簡単に行え
シェルグループが世界 100 ヵ国以上で導入している新デザイン SS(イメージ図)
、照明は LED
を使用
シェル スターレックスカード
ています。ご意見・ご要望については、改善に繋がるよう社内
の各部門と共有しています。
るタブレット端末を順次導入したほか、お客様の利便性を高め
お客様からの情報の流れ
るため 2012 年 4 月からは、IC キーホルダーを読み取り機にか
※Ponta(ポンタ)
、Shell EasyPay、シェルスターレックスカードの使用できるSS は、昭和シェル
石油 WEB サイトよりご確認いただけます。
Ponta(ポンタ)カード
See http://www.showa-shell.co.jp/products/sssearch/index.html
お客様
ご意見・ご要望
お問い合わせ
ツールの拡充を図りました。
お客様の声
対応
分析
改善
昭和シェル石油 WEB サイト「製品・サービス」ページにて
各種サービスの詳細をご覧いただけます。
対応
関連部署
「Shell EasyPay」の導入を開始するなど、さらなるサービス
お客様窓口
ざすだけで、設定した給油メニューの注文・支払いが可能となる
調査
協力会社
連絡
開発
See http://www.showa-shell.co.jp/products/index.html
非接触 IC チップを内蔵したキーホルダーによる新決済サービス「Shell EasyPay」
14
パートナーとのコミュニケーション
パートナーとのコミュニケーションの基本的な考え方
昭和シェル石油グループでは、特約店、販売店、協力会社、関係会社と強い信頼関係を築き、協働してサービス・
お客様満足の向上に努めています。また、最前線で活躍されているパートナーの各階層に対し、独自の資格認定制
度や研修を通して育成を図り、お客様に満足していただける質の高いサービスの提供を目指しています。
昭和シェルロイヤルマネジャー(SRM)認定制度
お客様の信頼を得るための店舗づくりを実現し、昭和シェル石油の SS ネットワークを牽引す
るリーダーの育成を目的としている資格認定制度です。1979 年発足以来 30 年以上の伝統を
誇り、なかでも SRM1 級は昭和シェル石油の資格制度の難関資格の一つとして認知され、業界
内で高い評価を得ています。2011 年は 9 月にSRM 資格認定者が一堂に会する
「全国 SRM 会」
パートナーとのコミュニケーション
を開催し、事例の共有や意見交換を通じて、資格者同士のさらなる能力開発を図りました。
2011 年度認定者:SRM1 級 13 人/ SRM2 級 95 人/ SRM3 級 481 人
●
認定者合計(2011 年 12 月末時点)
:SRM1 級 293 人/ SRM2 級 1,899 人/ SRM3 級 7,100 人
●
昭和シェルオイルマイスター認定制度
国家整備士の資格を持ち、さらに当社独自の研修と試験を経て自動車用潤滑油の知識を習
得したスタッフを、オイルの専門家として認定する資格制度です。
2011 年度認定者:105 人
●
認定者合計(2011 年 12 月末時点)
:1,337 人
●
カーライフアドバイザー認定制度
オイルマイスター認定者の中から、車に関する知識・整備技術力、お客様とのコミュニケー
ション能力を身に付けたスタッフを認定する資格制度です。
2011 年度認定者:63 人
●
ディーラーズミーティング 2012
特約店とのパートナーシップ
昭和シェル石油では特約店をはじめ、お取引先企業、関係会
地域に密着してお客様のニーズに合った製品・サービスを提供
社などと協働して、末永くお客様に支持されるブランドであり続
する特約店は、当社のビジネス上欠かすことができない極めて重
けるため、各種会合などに留まらず、あらゆる機会を捉えて緊
要な戦略的パートナーです。当社では事業領域ごとの会合を設け
密で良好なコミュニケーションを図り、相互の信頼関係を築い
るなどして、業界環境認識や経営ビジョンの共有を行うほか、研修
ています。
会やコンペティションの開催など、特約店相互に切磋琢磨、情報
対象特約店
全国・地域 昭和シェル会:SS 経営・産業用燃料販売特約店
全国・地域 昭和シェルガス会:ガス販売特約店
●全国・地域 昭和シェル石油高潤会:高級潤滑油専門特約店
●昭和シェルスカイクラブ:当社航空特約店
●貝洋会:当社船舶特約店
●
●
共有を行う場としても活用しています。2012 年 1 月には、ディー
ラーズミーティング 2012 を開催し、全国の特約店の皆様と当社
認定者合計(2011 年 12 月末時点)
:331 人
●
潤滑士制度
お客様の各種ニーズに応じた潤滑油、グリースを販売するために、専門的知識や高度な技能を有したスタッフが、さらに販売経験や研
修、検定を経て認定される資格制度です。2011 年 9 月には全国潤滑士研修会を開催し、外部講師の講演を行ったほか、販売事例の共有
や意見交換を図るなど、資格者同士の交流も行われています。
2011 年度認定者:1 級潤滑士 4 人/ 2 級潤滑士 38 人
●
認定者合計(2011 年 12 月末時点)
:1 級潤滑士 153 人/ 2 級潤滑士 621 人
●
の戦略および新たな施策を共有しました。今後もグループ一丸と
なって、お客様により支持され、喜ばれるサービスの実現を目指し
た取り組みを続けていきます。
サービスドライバー認定制度
液化石油ガス(LPG)の知識の他、正しい保安知識や高い顧客志向をもつ、主に LPG 配送に従事するスタッフを認定する制度です。
2011 年度認定者:サービスドライバー 13 人
●
人材育成
販売の最前線で活躍するスタッフの人材育成プログラム
お客様の安全で快適なカーライフを支えるサービスステーションのスタッフをはじめ、工場や
船舶向けの潤滑油の販売部門や液化ガスの営業など、販売の最前線で活躍する特約店の従業
員は昭和シェル石油のブランドを支える原動力です。当社では独自の資格認定制度や研修制度
を通して、スタッフの育成をサポートし、お客様と昭和シェル石油グループにおいて「技術的な
信頼感」という絆を築き上げ、お客様満足の向上を目指します。
認定者合計(2011 年 12 月末時点)
:サービスドライバー 93 人
●
セールスマネジャー認定制度
LPG をはじめとしたホームソリューション事業の知識を有し、お客様のニーズに沿った提案能
力を備え、かつリーダーシップを発揮できるスタッフを認定する制度です。
2011 年度認定者:セールスマネジャー 1 級 1 人/セールスマネジャー 2 級 13 人
●
認定者合計(2011 年 12 月末時点)
:セールスマネジャー 1 級 17 人/セールスマネジャー 2 級 122 人
●
15
ISO26000 対照表
ISO26000 の中核主題
課題
組織統治
課題 1:
人権
労働慣行
環境
掲載ページ
組織統治
コーポレート・ガバナンス
・コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方 ⇒ P.4
・コーポレート・ガバナンス体制 ⇒ P.4
・社外役員の状況 ⇒ P.4
・役員報酬 ⇒ P.4
・内部統制システム ⇒ P.5
HSSE
・HSSE の基本的な考え方 ⇒ P.6
・HSSE マネジメントシステムの概要 ⇒ P.6
・HSSE マネジメントシステム推進体制 ⇒ P.6
・HSSE の取り組みを社内に浸透する活動 ⇒ P.6
・危機管理(Security)
⇒ P.7
デューディリジェンス
課題 2: 人権に関する危機的状況
課題 3: 加担の回避
課題 4: 苦情解決
課題 5: 差別及び社会的弱者
課題 6: 市民的及び政治的権利
課題 7: 経済的、社会的及び文化的権利
課題 8:労働における基本的原則及び権利
人材
・人材の基本的な考え方 ⇒ P.11
・ダイバーシティとインクルーシブネスの実現 ⇒ P.12
雇用及び雇用関係
労働条件及び社会的保護
課題 3: 社会対話
課題 4: 労働における労働慣行
課題 5:職場における人材育成及び訓練
HSSE
・安全(Safety)
⇒ P.7
人材
・人材の基本的な考え方 ⇒ P.11
・人材ビジョン ⇒ P.11
・ダイバーシティとインクルーシブネスの実現 ⇒ P.12
・働きやすい職場環境づくり ⇒ P.12
課題 1:
課題 1:
課題 2:
課題 1:
課題 2:
課題 3:
課題 4:
汚染の予防
持続可能な資源の利用
気候変動の緩和及び気候変動への適応
環境保護、生物多様性及び自然生息地の回復
HSSE
・環境保全(Environment)
⇒ P.8、9
・中期環境アクションプラン(2010-2012 年)
⇒ P.8
・環境汚染の未然防止と廃棄物の削減 ⇒ P.8
・省エネルギーと地球温暖化防止策 ⇒ P.9
・グリーン購入の取り組み ⇒ P.9
・昭和シェル石油グループの環境負荷全体図 ⇒ P.10
・ISO14001 認証取得状況 ⇒ P.10
・環境会計 ⇒ P10
・サイトレポート
皆様のご意見・ご感想をお寄せください
CSR Book の内容および当社の CSR 取り組みについて、WEB サイト上でアンケートを設けています。
ステークホルダーの皆様から頂戴した貴重なご意見を、企業活動に反映していきます。
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http://www.showa-shell.co.jp/society/csr/index.html
コーポレートレポート 2012
昭和シェル石油グループの経営の方向性、戦略、事業概況については
コーポレートレポート 2012 をご覧下さい。
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http://www.showa-shell.co.jp/ir/corporate/index.html
〒135-8074 東京都港区台場 2 丁目 3 番 2 号(台場フロンティアビル)
TEL:( 03)5531-5793
http://www.showa-shell.co.jp/
⇒ http://www.showa-shell.co.jp/society/csr/2012/site_report.html
公正な事業慣行
課題 1:
課題 2:
課題 3:
課題 4:
課題 5:
消費者課題
課題 1:
課題 2:
課題 3:
課題 4:
課題 5:
課題 6:
課題 7:
コミュニティへの参画
及びコミュニティの発展
課題 1:
課題 2:
課題 3:
課題 4:
課題 5:
課題 6:
課題 7:
汚職防止
責任ある政治的関与
公正な競争
バリューチェーンにおける社会的責任の推進
財産権の尊重
コーポレート・ガバナンス
・内部統制システム ⇒ P.5
パートナーとのコミュニケーション ⇒ P.15
・パートナーとのコミュニケーションの基本的な考え方 ⇒ P.15
・人材育成 ⇒ P.15
公正なマーケティング、事実に則した偏りの
ない情報 及び公正な契約慣行
消費者の安全衛生衛生の保護
持続可能消費
消費者に対するサービス、支援、並びに
苦情及び紛争の解決
消費者データ保護及びプライバシー
必要不可欠なサービスへのアクセス
教育及び意識向上
HSSE
・安全(Safety)
⇒ P.7
・ISO9001 認証取得状況 ⇒ P.10
お客様満足の向上
・お客様満足の向上の基本的な考え方 ⇒ P.14
・サービスステーションでの取り組み ⇒ P.14
・太陽電池事業での取り組み ⇒ P.14
・お客様とのコミュニケーション ⇒ P.14
コミュニティへの参画
教育及び文化
雇用創出及び技能開発
技術の開発及び技術へのアクセス
富及び所得の創出
健康
社会的投資
地域貢献
・地域貢献の基本的な考え方 ⇒ P.13
・震災後の復興支援と緊急時対策の強化 ⇒ P.13
July 2012
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