...

Microsoft PowerPoint - 091128\212\305\214\354\211\310\212w

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

Microsoft PowerPoint - 091128\212\305\214\354\211\310\212w
第29回日本看護科学学会学術集会
モーニングセミナー 091128
「看護教育と
看護教育とシミュレーション
医療学習」
医療学習」
池上敬一
日本医療教授システム学会
織井優貴子
青森県立保健大学
「患者安全」は教育・人材育成の問題
「人は誰でも間違える」1999年
米国医療の質委員会/医学研究所
44,000-98,000人/年が医療過誤で死亡、と推
計(全米)。
少なく見積もっても、交通事故、乳がん、エイ
ズを抜いて死亡順位の8位に相当。
改善案:制裁規定のない報告システム、シ
ミュレーションの導入など。
医学・
医学・看護教育、
看護教育、卒後人材育成がうまくいっていない
卒後人材育成がうまくいっていない。
がうまくいっていない。2
医療者養成(卒前教育)の問題
「採血ができる」ということ
実 務:「特定の患者から採血し、検査に
提出する」
挨拶、対話による説明と同意、採血、共感、合
併症のチェック、検査に提出。
様々なスキルを含む複雑なタスク。
教 育:「採血ができる」「目的を知る」
採血という技術+検査についての知識
「実務」ではなく、分解した要素を教える。
3
医療者養成(卒前教育)の問題
「生徒」用の教育技法を用いている。
医療実務(タスク)ではなく、その要素であ
る情報・技術を教えている。
安全・確実にタスクを遂行するチーム育成
の理論・方法論の導入がすすんでいない。
卒前教育と実務のギャップは、新人と現場
の医療者が埋めている。
4
パスカル「人間は考える葦」
近代科学の基本的な姿勢・考え方
医学、看護学・・・近代科学
もしも、「考える人」のような医師・看護師がたくさんいたら・・・
5
「考える力
える力」だけでは医療
だけでは医療は
医療は実践できない
実践できない。
できない。
6
実在の医師・看護師は「考える葦」ではない。
「考え、決定し、行動し、省察を同時に行い、かつ感
情を持ち、疲労しやすく、誤りを犯すことから免れな
い人間である」。
患者の確認、行為の意
味、行為の方法、効果
のチェック、合併症はな
いか?記録・・・
卒前教育の
卒前教育の目標は
目標は
実在の
実在のタスク遂行
タスク遂行
に必要な
必要な能力を
能力を開発し
開発し、
readinessを
を高めること。
めること。
7
日本医療機能評価機構
「医療事故情報収集等事業」第18回報告書(090929)
国立病院機構、国立高度専門医療センタ
ーなど273施設。今年1-6月。
医療事故報告件数946件(昨年659件)。
死亡76件(8%)、障害残存381件(41.3%)
原因(複数回答):「確認を怠った」、「判断
を誤った」、「観察を怠った」、「説明不足」、
「連携ができていなかった」・・・57.6%
原因:「技術・手技が未熟だった」・・・4.4%
8
英国議会「患者安全」報告書:
2009年7月
“英国の医療はノン・テクニカルスキル(NTS)の
認識・トレーニングの導入が遅れておりこれはも
はやunacceptable”
“医学教育に「患者安全」カリキュラムが欠如して
いた・・・”
“Tomorrow’s Doctorsの養成ではNTSのトレーニ
ングが欠かせない・・・”
“NTSの訓練で医療エラーを50%減らせる。”
9
“NTS in Safety at the Sharp End”
Non-T
Technical Skills
Leadership (category)
Team Work
Communication
Situation Awareness
Gathering info (element)
Understanding info
Project and anticipate future state
Decision Making
Personal Limitations – managing stress and
fatigue
Rhona Flin, Industrial Psychology Research Center@Univ Aberdeen
10
看護師人材育成とシミュレーション
確実な手技、患者安全最優先、チーム医療
まずテクニカルスキルを個別に習得する。
ノン・テクニカルスキル(チーム医療)の習得
のための「シミュレーション」を繰り返し行う。
受動的学習から能動的学習への転換を促す。
同じシナリオ・教材で学習目標を深める。
「インストラクション」から「ファシリテーション」へ。
11
「テクニカルスキル・トレーニング」と 「シ
ミュレーション」の区別
テクニカルスキル・トレーニング
人体の部分モデルを用いる。
実際の臨床場面を反映しない。
テクニカルスキルの練習が目的。
シミュレーション
Simulation-based Clinical Learning
人体の全身モデルを用いる。
実際の臨床場面を再現して行う。
ノン・テクニカルスキルの訓練が可
能。
12
「コンテキスト」
コンテキスト」
「実際の
実際のタスク」
タスク」
「教材・
教材・ムービー」
ムービー」
13
「患者急変時の迅速対応」
訪室、気づき、アセスメント、行動
知的スキル
視聴覚、触覚で知覚し
た情報を「正常」、「何
か変」に分類できる。
「何か変」という「とりあ
えずの結論」に応じた
行動プラン(ルール、手
順)を思い出す。
プランに従って行動する。
14
「患者急変時の迅速対応」
応援要請、バイタルサイン、報告
応援要請
一次評価
情報のアセスメント
コミュニケーション、意思
決定、悪化への備え、チ
ームワーク
SBARで報告
Situation:結論
Background:背景、経過
Assessment:評価
Request:具体的な要請15
シナリオに基づいた学習
学習ドラマ・・・「場」
「ストーリー」に学習
目標を埋め込む。
登場人物とのインタ
ーアクション。
シナリオの中から、
学習ポイントを発見。
能動的学習を経験。
16
協調学習とファシリテーター
三宅「複数の学習者が学ん
でも理解はなかなか統一さ
れない。それだからこと、各
人が深く学べる可能性があ
る」
学習者間の対話が重要。
受動的学習から能動的学習
へ誘導する。
対話:学習者が75%、ファシ
リテーターは25%。
「頭の訓練」は座って行う。
17
ラーニング・イン・アクション
「理解」は「できる」の前
提条件。
仕事の手順のイメージ
ができたら、仕事ができ
るようになるための学習
を行う。
ノン・テクニカルスキル
について学習を深める。
デブリーフィング
問題解決能力、
問題解決能力、ノン・
ノン・テクニカルスキル、
テクニカルスキル、応用力
18
デブリーフィング
航空産業・空軍
ブリーフィング:フライト前に、スタッフが申し送りをしたり、申し合わせを
したり、円滑に業務を遂行するために行うこと。
デ・ブリーフィング:フライト後に、業務遂行(連携、達成度、不具合)の問
題点を申し送り、次の業務に役立てるための反省的なブリーフィング。
デブリーフィング(PTSD防止、シミュレーション)
事故や災害に遭って精神的な傷を受けた人や、困難
な任務を達成したときに、感情の発散や経験の再構
成をさせ、トラウマや心理的後遺症を残さないために
行う。
パフォーマンスを冷静に客観視し、学習項目を抽出し、
次に機会に活用できるようにする。
19
「ファシリテーター」の役割
「学習」の促進者
デブリーファー
学習の
学習の場の
セッティング、
セッティング、
学習法の
学習法の紹介
学習プロセス(シミュレーション、現場)全体を
マネージし、デブリーフィングによる学習を最
大化する。
経験を振り返し、何が起こったのか、なぜ起こ
ったのか、抽出すべき教訓は何か、教訓はど
のように活用できるのか、を学習者が発見し
言語化することを促進。
シミュレータの
シミュレータの
説明、
説明、学習の
学習の
ルールの
ルールの説明
学習ポイント
学習ポイントの
ポイントの
解説
シナリオの
シナリオの
シナリオによる
による
シナリオ
説明
デブリーフィング
シミュレーション
(ブリーフィング)
ブリーフィング)
まとめ
20
20
インストラクション
「アクション」
アクション」を改善するために
改善するために、
するために、
「アクション」
アクション」に対して行
して行うフィー
ドバック
フレーム
アクション
結 果
21
デブリーフィング(学習のコア):
学習者から「心のABC」を引き出す
・気づき Awaken
・信頼 Believe
・変容 Change
フレーム
アクション
結 果
「心のABC」
」
「アクション」
アクション」を変容するために
変容するために、「
するために、「フレーム
、「フレーム」
フレーム」
に対して行
して行うフィードバック
22
従来の方法で解決できない問題を解決する
には、新しいサイエンスとアートが必要
医療の
医療の卒前教育
・大きな転換期
きな転換期
・人材育成の
人材育成のreadiness
を高めるという視点
めるという視点で
視点で
学習支援ができる
学習支援ができる教員
ができる教員が
教員が
必要。
必要。
・ファシリテーションを
ファシリテーションを学ぶ場は
日本医療教授システム
日本医療教授システム学会
システム学会
「医学」の進歩、
従来の医学教育・看護教育、
講義形式の教育・研修
仕事ぶりを
仕事ぶりを向上
ぶりを向上する
向上する学習
する学習と
学習と教育、
教育、
教材設計、
教材設計、ファシリテーション、
ファシリテーション、
Workplace learning
「学び」の科学、
科学、
シミュレーション、
シミュレーション、
ファシリテーション、
ファシリテーション、
医療教授システム
医療教授システム
・教育工学
・認知心理学
・教育学
・心理学
・eラーニング
日本医療教授システム
日本医療教授システム学会
システム学会の
学会の
ミッション
23
まとめ
ファシリテーションによる行動の変容を促
すこと(例:禁煙)・・・医療の本質。
人材育成・・・ファシリテーションによる学習
力の強化。
シミュレーション・・・実際のコンテキストとタ
スクを通して、「シナリオ」に埋め込まれた
学習ポイントを発見し成長を承認する「場」
学習物語を紡ぐ・・・看護師の得意分野
24
Fly UP