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九州がんプロフェッショナル 養成基盤推進プラン

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九州がんプロフェッショナル 養成基盤推進プラン
発表資料・白尾 国昭
大分地域がん医療の取り組み
ー他医療施設とのかかわりー クリティカルパス
対象患者
がん診療連携拠点病院
・研修事業:各種研修会(FDQFHUERDUG、
レジメン審査、緩和治療など)
・相談支援
・クリティカルパス
・がん登録
・医師派遣
・地域医療連携センター 九州がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン
・インテンシブ地域コース
・九大分大合同カンファレンスVSDFRQI
・チーム医療ワークショップ
・臨床研究(オルカス)
共通:告知済み直近の検査で異常なし状態が落ち着いている
肺 :肺がん術後
胃 :胃がん術後
肝 :肝がん切除後・ラジオ波焼灼後・肝動脈塞栓術後
大腸:大腸がん術後
乳 :乳がん術後
大分医療連携ノート
患者さんの診療情報(手術概要ほか)、診療計画、日常の留意点、連携中の
診療の記録、連携する医療機関連絡先等を一冊にまとめた手帳。患者さんが
保管し、医療機関を受診する際に携行、診療の経過がわかるようにその都度
記載する。
100
90
80
70
60
50
40
30
九州がんプロフェッショナル
養成基盤推進プラン
20
10
0
平
成
24
年㻌
12
月
検索全患者数 39
平
成
10
25 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
月
年㻌
1月
11
月
12
月
平
成
26 2月 3月 4月 5月
年㻌
1月
50
38
38
50
52
69
89
69
パス適応数
8
7
7
3
16
16
10
9
3
9
7
3
7
3
3
7
2
2
運用対象数
2
3
77
0
1
1
3
3
84
1
70
0
36
1
47
1
1
0
3
39
1
54
1
40
1
36
0
※㻌 平成㻞㻡年㻥月よりスクリーニング内容を変更したため、その後検索全患者数が減少㻌
・インテンシブ地域コース
・九大分大合同カンファレンスVSDFRQI
・チーム医療ワークショップ
・臨床研究(オルカス)
※㻌 運用にならなかった理由㻌
㻡月㻌 㻌 㻞例㻌㻌㻌㻌入院中㻌 㻌
㻠月㻌 㻌 㻝例㻌 㻌 紹介元の医療機関に転院㻌
㻟月㻌 㻌 㻢例㻌 㻌㻌㻞例㻌 㻌術後補助化学療法の適応で当院での経過観察、㻌 㻌
㻌 㻌 㻌 㻌 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻞例㻌 㻌放射線療法または化学療法目的㻌
㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌㻝例㻌 かかりつけ医不明、連携医療機関の登録なし㻌
㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌㻝例㻌 連携病院以外を希望㻌
㻞月㻌 㻌 㻞例㻌 㻌㻌㻝例㻌 自院での放射線治療予定㻌 㻌
㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻝例㻌
㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌
連携医療機関の登録なし㻌
がんプロ関連事業
大分大学がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン
コース名
コーディネーター
◆地域がんコース㻌 㻌 㻞㻣名㻌
◆多職種コース㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻢名㻌
◆研究者コース㻌 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻟名㻌
(平成㻞㻡年4月1日現在)㻌
がん専門医臨床研修モデル事業
責任者
厚生労働省疾病予防対策事業費等補助金
㻌 副医学部長
インテンシブコース
㻌 㻌 㻌 ・地域がん医療専門医療人養成コース
1人
㻌 㻌 㻌 ・多職種連携教育コース
3人㻌 㻌
㻌 㻌 㻌 ・がん研究者養成コース
1人
医学系大学院㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌
【主な取り組み】
腫瘍内科専門医カリキュラム作成
レジメンブックレット(癌に関する
化学療法説明書。医師用、看護師
用、患者用)作成
ポートフォリオ自己評価表 作成
大学院委員長㻌
㻌 㻌 㻌 ・地域貢献がん専門医療人養成コース(博士)
㻌 㻌 1人
㻌 㻌 㻌 ・地域貢献がん看護専門看護師コース(修士)
㻌
【がんプロとの関連】
教育用資料として用いている
1人
:6参加者内訳
第回 大腸がんチーム医療
ワークショップ研修
:6参加者内訳
ー施設毎の検討ー
Q 医師
7
― 39 ―
薬剤師
看護師
その他
パネリスト発表
秋田県
須田 広悦
秋田県健康福祉部 健康推進課 がん対策室長
秋田県健康福祉部健康推進課がん対策室長の須田広悦様より、秋田県のがんの対策についてご講演いただきたいと思います。
お願いします。
発表要旨
1 秋田県におけるがんの現状について
るため、診療所や病院間で、患者に関す
○がん粗死亡率
る診療情報を共有するためのネットワー
平成9年から連続して全国最下位
クを形成する。
消化器系のがんが多いことが、本県の特徴
3 運営主体 一般社団法人秋田県医師会
○75歳未満年齢調整死亡率
4 参加医療機関 9病院8診療所(平成26年4月)
全国第3位。消化器系のがんや乳がんが多いことが、
(3)がん検診受診率向上策
一層明らか
① 胃がん検診助成事業
40歳、50歳の全県民を対象に、胃がん検診クーポ
(1)人材育成支援対策
ンを配布
1 事 業 内 容 対象となる認定資格取得のための奨励
② 休日検診助成事業
金支給事業や代替職員の雇用等の経費
検診団体が休日に実施するがん検診の費用の一部
に対する助成
を助成
2 助
成
先 県内各病院
③ コール・リコール推進事業
3 助
成
額 基準額1人あたり上限100万円 全市町村でコール・リコールを実施するため、県
民への周知や人材育成を図る
2 主な施策について
補助率1/2
4 助成対象資格 がん関連分野認定看護師、がん専門看
護師、医学物理士、放射線治療専門放
(4)がん教育事業
射線技師、がん専門薬剤師、がん薬物
1 目 的 子どもの頃からがん予防に関する正しい
療法認定薬剤師
知識や生活習慣を身につけるとともに、
いのちの大切さを考える機会を与える
(2)診療情報ネットワーク
2 対 象 小学高学年~高校生
1 事業名称 あきたハートフルネット
3 実施校数 19校(H26)
2 目 的 医療機関同士の情報伝達や連携強化を図
― 40 ―
発表全文
ありがとうございます。秋田県庁のがん対策室の須田と
ります。
申します。どうぞよろしくお願いいたします。
こういった状況を受けまして、本県では専門医や専門看
まず最初に、わが県のがんの死亡率等の状況について、
護師といった分野につきましては、がんプロで鋭意育成を
説明の準備をしておりましたが、あまり芳しくない状況を
図っていただいているところですが、行政として、その他
説明する、大変辛い役目を冒頭、本山先生がお引き受けく
の分野、あるいはそれを裏付けする分野から何らかのサポー
ださいましたので、この部分は省略させていただき、がん
トができないだろうかということで取り組んでいる事業が、
医療の提供体制から話をさせていただきたいと思います。
「がん医療従事者育成支援事業」です。
秋田県のがん医療は県拠点病院、これは秋大病院ですが、
この事業に類したものは、おそらく多くの県でなさって
ここを中心として、国指定の拠点病院が7カ所、県が指定
いると思いますが、事業開始時点では認定看護師の育成支
する推進病院が3カ所、合計11の病院ががん診療連携協議
援事業でございました。助成対象は、資格を取得するため
会を構成しまして、わが県のがん医療の提供体制整備を進
の奨励金制度を持っている病院の事業、あるいは代替職員
めてきたところでございます。
を雇用するための費用をその病院に対して助成しようとい
これが配置の状況でございます。県内には全部で8つの
うものでございます。助成基準額は受講者一人当たり上限
医療圏がありますが、その内、国指定の拠点病院が配置さ
100万円で、補助率は1/2ですので、一人当たり上限50万円
れているのは6つでございます。まだ2つの医療圏で、国
の支援を行う制度ということになっております。
指定拠点病院が配置されておりません。
先程申しましたように、もともとは認定看護師の資格取
こうした状況になっている背景ですが、先程から各県の
得を支援するものでしたが、平成23年度に専門看護師につ
方々から発表がありますように、まず一つには各医療圏の
いても助成対象に加え、さらに今年度からは放射線、それ
面積が非常に大きいということで、千平方キロを越える医
から薬剤師の分野にも対象を拡大いたしました。
療圏がほとんどでございます。しかも、それぞれの医療圏
これは、皆さん既にご存知の通り、拠点病院の指定要件
の人口密度で100人に達する所は、ほとんどないというよう
の強化に伴い、わが県で不足しているコメディカルの分野
な状況でございます。
で、なんとか人材育成を図っていきたいということで、各
もう1回地図に戻ります。少し分かりにくいかもしれま
病院にご協力をお願いしながら、今年度から始めた事業で
せんが、秋田県の場合は都市圏が連続しておらず、人口が
ございます。
集約している場所が分散している状況にあります。そのた
これまで23名の看護師を育成してまいりましたけれども、
めに、なかなか機能集約していくのも難しいというような
今後このペースを一層早めまして、がんプロと連携した人
状況にございます。
材育成を進めてまいりたいと考えております。
こういう厳しい状況の中で、行政として、どういった取
次に診療情報ネットワークについてです。これは実は、
り組みができるかということですが、もちろん行政として
私の担当する部署で実施している事業ではございませんが、
は一番上位にあるものとして、がん対策推進条例という基
秋田県ではこのネットワークを『秋田ハートフルネット』
本的な考え方に基づき、がん対策推進計画という具体的な
という名前をつけまして、今年の4月から運用を開始した
施策、計画、プランを作りまして、それに沿って事業を展
ところですので、若干ご紹介したいと思います。
開して必要がございます。ただ、今日は全国からお客様が
これは、ご存じの通り、診療所や病院間で患者さんに関
いらっしゃっておりますので、こうしたプランの中身とい
する診療情報を共有するためのツールでございます。
うよりは、秋田県で実施している具体的な取り組みを、い
おそらく、わが県に先行して取り組んでいらっしゃる都
くつかご紹介した方がよろしいかと思い、準備してまいり
道府県もかなりあるかと思いますし、そういった点ではめ
ましたので、お付き合いいただきたいと思います。
ずらしいものではないと思いますが、仕組みとしては各医
まず人材育成支援についてです。人的資源が不足してい
療機関で蓄えた診療情報をデータセンターの方に集約しま
るという状況は、各県共通の悩みであろうと思います。わ
して、各地域内での病診連携、あるいは医療圏を越えての
が県においても医師あるいは専門性の高いコメディカルの
連携といったものが円滑に進むようにしようとするもので
不足が大変な深刻な状況にございます。特に放射線治療医
ございます。
や化学療法の専門医が、わが県では少ないという状況にご
わが県の特徴としてあげられておりますのは、このネッ
ざいます。
トワークは双方向でできるということでございまして、将
看護師につきましても、専門看護師は、まだ育成途上と
来的には地域の任意の病院同士の連携あるいは診療所同士
いうような状況にございますし、認定看護師につきまして
の連携といったようなものも可能になってくるだろうと考
も一部の分野では非常にまだ人が少ないという状況にござ
えております。
います。同様に専門薬剤師、専門放射線技師、理学物理士
現在はまだ県内の9病院と8つの診療所がモデル的に参
といった、専門性の高いコメディカルは非常に不足してお
加して運用しておりますが、今後より多くの医療機関に参
― 41 ―
加いただくとともに、将来的には介護や福祉との連携といっ
意味でコールセンターを整備するという点で協力したり、
たものも視野に置きながら、進めて行く必要があると考え
実際に勧奨業務を行う方々を対象としたスキルアップ研修
ております。
を実施するなどの体制を整えているところでございます。
3つ目は、少し医療からは離れるかもしれませんが、が
最後もう一つ、がん教育についてご紹介したいと思いま
ん検診の受診率向上策についてでございます。
す。これは2年前に東大の中川先生が秋田県内のある中学
はじめに、これは各県でも比較的取り組まれている事業
校でモデル事業をやっていただいた際の写真ですが、本県
ではないかと思いますが、いわゆるクーポン事業です。秋
ではこの事業を参考としまして、医師とがん経験者がペア
田県の場合は40歳と50歳の全県民を対象として、胃がんの
になりまして、2コマを使って行う授業を標準として実施
検診クーポンを無料配布しております。
してきております。
平成23年度から事業実施しておりますが、事業効果とし
目的ですが、もちろん、子供の頃からがんに関する正し
ては、対象年齢の受診率が平均して8%上昇するというよ
い知識を身につけるということも重要ですが、それに加え
うな効果が見られております。
て子供から親世代に対する働きかけについても、副次的な
ただクーポン事業の欠点と言いますか、限界は、その対
効果として期待している所がございます。
象年齢以外には波及的な効果はほとんどおこってこないと
対象は小学校高学年から高校生までで、今年は19校で実
いうことでありまして、そういったところを穴埋めする別
施することを予定しております。
途の取り組みが必要ということでございます。
この事業の実施にあたっては、プログラムの開発や講師
2つ目が休日検診の助成事業です。これは、休日に巡回
の育成、さらには講師の派遣まで、がんプロから大変ご協
検診を実施する検診団体に対し、そのかかり増し費用を助
力をいただいております。また医師会、拠点病院との連携
成する事業でして、事業効果としては約1万人程度の受診
の下でやっているわけですが、実はこの事業の肝となりま
機会の確保をこの事業で行っております。
すのは何と言っても講師です。このことにつきましては、
ただこの事業も、県民一人一人の受診意欲を引き上げる
昨年度末に研修会を開催し、現在は医師が31名、がん経験
という点では大きな効果が期待できませんので、県民の背
者が20名、この授業での講師を引き受けていただけるとい
中を押すような施策がやっぱり必要ということでございま
うことで名簿登録をしたところでございます。
す。
具体的に、子供たちのがん予防意識の強化の他、親にが
そういったことから本県では、今年から「コール・リコー
ん予防授業の概要を話すことによって、親世代のがん検診
ル推進事業」ということで、全市町村で一斉にコール・リコー
への意識付けを図るという間接的な効果も実際に表れてき
ルを行うことといたしました。
たというような報告を学校の現場からはうかがっていると
これは検診未受診者に対しまして、電話等で受診勧奨を
ころでございます。
行う事業でございまして、本県では過去4年間、モデル事
以上、駆け足で主な施策をご紹介いたしましたけれども、
業を実施してまいりました。この事業によって、勧奨対象
引き続き広範な分野での協力をいただけますよう、がんプ
年齢でだいたい28%ぐらい受診値が増加するという実績を
ロをはじめとする皆さまの、引き続きのご支援をよろしく
得ることができました。
お願いいたします。どうもありがとうございました。
そのため今年度からは、全市町村でやろうという体制に
▼小棚木:ありがとうございます。質問ですけれども、次
なったわけですが、事業実施にあたっては、どうしても市
に進みます。岩手県の事業についての講演が終わった後に
町村ではマンパワーが足りないわけですので、それを補う
まとめて質問を受け付けたいと思います。
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