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公共サービスに係る 受益者負担に関する基本方針 (案) 鈴 鹿 市

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公共サービスに係る 受益者負担に関する基本方針 (案) 鈴 鹿 市
公共サービスに係る
受益者負担に関する基本方針
(案)
鈴
鹿
市
公共サービスに係る受益者負担に関する基本方針(案)
(目次)
1 受益者負担の現状
-----------
2 受益者負担の適正化
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3 受益者負担の考え方
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(1)公共サービスに要する経費(原価)の考え方
① 施設利用に係るもの
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A)管理運営直接経費
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B)管理運営間接経費
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(2)公共サービスの性質による受益者負担の割合の設定
---------
3
-----------
C)公費の負担割合
① 施設利用に係るもの
-----------
② サービス利用に係るもの
-----------
別表第1(公的関与と収益性による公費の負担割合)
4 受益者負担のあるべき額の算出方法
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4
-----------
5
① 施設利用に係るもの
-----------
② サービス利用に係るもの
-----------
6
-----------
①算定方法や基準が法令等で定められているもの
②国・県の算定基準に基づくもの
2
-----------
② サービス利用に係るもの
5 算定方法の対象外
1
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③公営企業としての独立採算に基づき算定するもの
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6 受益者負担のあるべき額と実収入額との乖離を少なくする取組み
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①施設等の稼働率の増加
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②受益者負担の単価改定
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7 定期的な検証と見直し
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8 公共サービスの効率化と向上
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9 減額または免除のあり方
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7
別表第2
施設利用(使用料)原価計算書例
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9
別表第3
サービス利用(手数料)原価計算書例
-----------
10
1 受益者負担の現状
近年のように社会経済情勢の変動の影響を受けて,市税収入の見込みが不透明な状況
の中,人口減少社会が確実に進行していく状況において,将来に向けて持続可能な市政
運営を推進していくためには,財政基盤の強化や市民ニーズの質的・量的な変化への対
応とともに,公共サービス水準のあり方や公的な関与のあり方について,見直しが必要
となっています。
このような状況において,本市では,公共サービスに係る受益者負担の定期的な検証
や見直しが積極的に実施されておらず,必ずしも適切な受益者負担となっていないこと
が懸念されます。
2 受益者負担の適正化
公共サービスについては,受益者と受益者以外の方との公費負担に係る公平性や公正
性と合わせて,より適切な受益者負担とすることで,税等の適切な使途につなげようと
するものです。それには,受益者負担の現状や根拠等を明確にして,あるべき姿を捉え,
それに向けて適正化を図る必要があります。
そのため,公共サービスに係る受益者負担に関する基本的な考え方をここに示し,適
正化に向けた取組みを進めるものとします。
3 受益者負担の考え方
(1) 公共サービスに要する経費(原価)の考え方
公共サービスに要する経費として,「施設利用に係るもの」と「サービス利用に係る
もの」に分けて考えることとします。
①施設利用に係るもの
施設の管理運営に係る経費としての管理運営直接経費と施設の設置に要した経費
としての管理運営間接経費を合わせた経費とします。
また,設置に当たって交付された国県支出金等の特定財源がある場合,その額を除
いた経費とし,地方債や地方交付税(地方債の償還に伴い,基準財政需要額等に算
1
入される額等。
)については,考慮しないこととします。
A)管理運営直接経費
主に施設の管理運営に係る経費として,次の例によります。
・施設管理委託料(指定管理委託等を含む。
)
・設備の保守点検委託料
・光熱水費
・維持修繕・改修費
・人件費などの直接経費
B)管理運営間接経費
・施設の設置に要した経費(減価償却費として,取得価格を耐用年数で除して
算出します。さらに,大規模改修を実施した場合は,それも考慮するものと
します。
)
※用地取得費については,土地そのものの活用を見込めないことによる分を経
費とする考え方もありますが,減価償却費の対象外であり,資産として保有
することで他の用途への変更も可能であることから,経費の対象外とします。
※設置に当たって地方債を借り入れた場合の利子については,単年度経費の算
定方法が複雑になることや,元利償還金に係る地方交付税への算入を考慮し
ないこともあり,利子については,本経費に算入しないこととします。
②サービス利用に係るもの
「システムの管理運営に係る経費としての管理運営直接経費(人件費相当額を除
く。)とシステム導入に要した経費としての管理運営間接経費を合わせた経費を年間
処理件数で除した額」※に,
「時間当たりの人件費相当額に 1 件当たりのサービス提
供に要する実質的な作業時間(待機時間を考慮しない)を乗じた額」を加えた額を 1
件当たりの経費(原価)とします。
※受益者負担を求めない件数が明確な場合においては,この額に全件数のうち受益
者負担を求める件数の割合を乗じて算出するものとします。
なお,サービス利用に係るものについては,サービス提供の本質に関わる部分の経
費を見極めることが必要です。
2
(2) 公共サービスの性質による受益者負担の割合の設定
公共サービスには,道路交通,河川や水路による雨水排除といった不特定多数の市民
生活に不可欠で民間によるサービス提供が極めて少ないものや,特定の市民へのサービ
ス提供で収益性があることにより民間によって同様のサービス提供がなされているも
のなど,多種多様となっています。
そのため,公的関与や収益性の度合いを勘案した公費による負担割合の目安を次のと
おり定めます。
C)公費の負担割合
①施設利用に係るもの
公的関与及び収益性の区分表に従い,それぞれの大小を勘案し,受益者負担適正
化の目安とする公費の負担割合を別表第1のとおりとします。
公的関与の割合が高く,受益者からの費用負担を想定していない(収益性の割合
が低い)サービスについては,高い公費負担割合,また,特定の市民を対象とし,
収益性があるサービスについては,低い公費負担割合としています。
②サービス利用に係るもの
サービス提供に要する時間(受付~交付に要する時間)を算出するに当たり,待
機時間を含めないことから,公費の負担割合を 0%とします。
3
(別表第 1)
公的関与の区分
法定義務
4
受益の範囲が不特定多数でサービスの対価を徴収できない
市民生活水準の確保
市民の生命・財産・権利の擁護,不安の解消(情報の提供や相談など)
3
社会的・経済的弱者を対象とする生活の安定支援,セーフティネット
民間のサービスだけでは確保が難しい市域の全体に係る質・量の確保
2
特定の市民等を対象とするサービス
1
収益性の区分
受益者からの費用負担を想定していないサービス
4
管理運営費の一部を利用料等で賄うサービス
3
収益ではなく,社会貢献を主目的としたサービス
2
収益性があるサービス
1
行政が中心となって提供するサービス
民間でも供給可能なサービス
大
公 75%
受 25%
公 100%
受 0%
3
公 50%
受 50%
公 75%
受 25%
2
公 25%
受 75%
公 50%
受 50%
1
公 0%
受 100%
公 25%
受 75%
←
4
→
公
的
関
与
小
1
2
3
4
大
← 収益性 →
小
4
4 受益者負担のあるべき額の算出方法
①施設利用に係るもの
第1段階として,次により算出した受益者負担の総額を基本に,受益者負担の適正化
を図ることとします。
Aについては,年度間で経費に大きな増減がない場合は単年度で,それ以外は3~5
年の複数年度で算出するものとします。
(A+B)×(1-C)=受益者負担の総額
A:管理運営直接経費,B:管理運営間接経費,C:公費の負担割合
具体的な算出例については,別表第2の原価計算書によるものとします。
この結果,現状と原価回収の考え方に乖離の大きいものについては,第2段階と
して,受益者負担の原価について,施設の利用形態に応じて,次のとおり算出し,
見直しに取り組むこととします。
ア
○
部屋貸等,面積を基礎とする場合
1㎡当たりの時間原価×面積×利用時間×(1-C)
1㎡当たりの時間原価※1=(A+B)÷(施設総面積)÷(年間利用可能
時間×稼働率※2)
※1共用スペース以外に無料の利用スペースがある場合,さらに次の係数を乗
じるものとします。
(施設総面積-無料の利用スペース)÷施設総面積
※2稼働率を大きくすると時間原価は小さくなることから,注意が必要です。その
ため,目標ではなく,現状の稼働率により算出することとします。
イ
○
利用者一人を基礎とする場合
一人当たりの原価×(1-C)
一人当たりの原価=(A+B)÷(年間利用者目標者数)
5
ウ ○
ア と○
イ の複合施設
○
次の面積基礎分と利用者基礎分の合計で算出するものとします。
共用部分の面積については,基本となる面積による案分とします。
*面積基礎分
1㎡当たりの時間原価×(部屋貸等の対象総面積÷施設総面積)
*利用者基礎分
一人当たりの原価×(個人利用対象総面積÷施設総面積)
②サービス利用に係るもの
次により算出した 1 件当たりの原価を基本に,現状の単価と比較することにより,
受益者負担の適正化を図ることとします。
1件当たりの処理時間×時間当たりの人件費+(管理運営費A+B)/処理件数×
(1-C)=1 件当たりの受益者負担の額
具体的な算出例については,別表第3の原価計算書によるものとします。
5 算定方法の対象外
①算定方法や基準が法令等で定められているもの
住民負担の転嫁を禁じられている小中学校の建物の維持及び修繕に要する経費,徴収
が禁じられている図書館の入館料等のほか,地方公共団体の手数料の標準に関する政令
によるもの。
②国・県の算定基準に基づくもの
保育料など。この基準に近付くよう改定計画を策定するもとします。
③公営企業としての独立採算に基づき算定するもの
新たに公営企業会計へ移行した下水道事業(農業集落排水事業)については,雨水公
費・汚水私費の原則のもと,適正な使用料のあり方について算出するものとします。
6
6 受益者負担のあるべき額と実収入額との乖離を少なくする取組
上記により算定した受益者負担のあるべき額と実収入額との乖離がある場合につい
ては,次のとおり,その乖離を小さくするよう取り組むものします。
①施設等の稼働率の増加
施設等設置時とは,社会経済情勢や利用者のニーズが異なっていることが想定され
るため,当時に目標とした稼働率ではなく,受益者負担増につながるよう稼働率増加
に向けて取り組むものとします。
②受益者負担の単価改定
受益者負担のあるべき額に近づけていくため,市民(利用者)の満足度向上を図り
つつ単価の改定に向けて取り組むものとします。
7 定期的な検証と見直し
受益者負担の適正化を維持していくには,定期的な検証と見直しを行う必要がありま
す。事務事業の改善や見直しによるコスト縮減等による管理運営経費の変化,社会情勢
の変化や政策的な判断などにより,公費の負担割合の変更を反映していく必要がありま
す。そのため,4年ごとを目途に検証と見直しを行うものとします。
8 行政サービスの効率化と向上
受益者負担の定期的な検証と見直しを行っていく上で,行政サービスの効率化と向上
を同時に取り組んでいくことが必要です。そのため,常に行政経営の視点でもって業務
改善に取り組むとともに,行政ニーズの変化に対応していくことで行政サービスの向上
を進めるものとします。
9 減額または免除のあり方
減額または免除の適用については,法令の規定によるもののほか,政策的な措置また
は特例的な措置として,次のとおり限定して取り扱うこととします。
7
①政策的な措置による適用
目的の達成状況を見極めつつ,5年を超えない期間内に適用のあり方を見直すこと
とします。
②特例的な措置による適用
「市長が特に必要と認めるもの」など,想定外の事態に適用する場合にあっては,
公共性や公益性が高く,止むを得ない事情がある場合に限定するとともに,適用期間
を限定するなど,暫定的な適用に努めるものとします。
また,継続的な適用となっている場合にあっては,その必要性について,5年を超
えない期間内に見直すこととします。
8
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