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種子ニュースレターNo.61

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種子ニュースレターNo.61
TOYO GREEN
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TURF
SEED
November
2007
No.61
今年の夏は8月の記録的な猛暑に加えて、9月の残暑が厳しい年となりました。このため
各地のゴルフ場では、エアレーション作業の日程を遅らせたり、芝生の回復、特に根の成長
の遅れからから更新作業の機会を逸してしまったコースも有るようです。
前回の種子ニュースレター(No.60)では、ベントグラス新品種間での地上部回復速度(夏
季の被覆速度)の違いについて紹介しました。今回は、その後の調査で越夏後の根の成長
にも品種間差がみられることがわかりましたので、その結果を紹介します。
この秋、ベントグラスの根は十分回復しましたか?
↑
深度10cm
「962」
15.0 cm
「L-93」
「クレンショー」
「ペンA-1」
「ペンクロス」
「CY-2」
15.0 cm
13.0 cm
13.0 cm
11.0 cm
9.0 cm
「962」と「L-93」は、最大根長が長く根量も多く、根の長さ量共に優れていました。
写真1 根の長さの品種間差(造成2年目のターフ・2007年10月19日・東京都内ゴルフ場)
「T-1」
9.0 cm
① 秋の根の成長(写真1・図1)
10月19日、根の長さを比較するために造成2年目の各区の芝をTG式ソイルサンプラーで採取し、 最大根長の計測
と目視で根量の観察を行ないました。その結果、最大根長は「962」・「L-93」が共に15cmで最も長い値でした。根量は
「962」・「L-93」・「クレンショー」・「CY-2」・「T-1」で多くの白い根の成長が観察されました。根長・根量共に優れる品種
は、「962」・「L-93」でした。
越夏後の根の成長・回復に優れる「962」と「L-93」は、夏に強く耐暑性が高い品種として育種された品種です。この
結果を踏まえると、今年のような猛暑で残暑の厳しい条件でも、越夏後の芝生の回復を早め、秋の更新作業を計画
通りに実施していくためには、グリーンのインターシードや造成において、根の回復力や地上部の被覆回復力に優れ
る「962」や「L-93」のような品種の選択が効果的です。「962」や「L-93」は、回復力に優れたグリーン作りの強い味方
となることでしょう。
円形カッターで掘り取り
(直径15cm・深さ10cm・7月5日)
東洋グリーン株式会社
TOYO GREEN
T1
2
CY
-
A1
ロ
ス
ペ
ン
ク
ク
レ
ン
シ
ョー
〒103-0013
東京都中央区
日本橋人形町2丁目33番8号
L93
16
14
12
10
8
6
4
2
0
96
2
根長(cm)
図1 根の長さ(造成2年目のターフ・2007年10月19日・東京都)
***** 読者キーパーの声 *****
ベントグラスの品種選定に際して注目し
ている特性は、発芽初期の成育速度(造
成)・ほふく力(被覆回復力)・夏に強い品
種か(夏越し管理)・根の成長が旺盛か
(締まったグリーン面の仕上がり)です。
http://www.toyo-green.com
Email: [email protected]
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