...

2013年4月15日発行

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

2013年4月15日発行
MAY 2013
No.12 2013 年4月 15 日 contents
集中連載 アメリカンフットボール専科
第2回 フットボールゲームのメカニズム②
発行 NPO法人フットボールジャパン 制作 http://firstdown.jp
1
の主たる競技規則変更にあわせて訂正、加筆したものです。
(2013 年3月 31 日)
ブロッ ク は 攻 撃 側 が 用 い る 場 合 が 殆
ん ど で あ る が、 攻 撃 チ ー ム の 選 手 は
3)手や 腕 の 不 正 な 使 用 は 禁 止
に他なら な い 。
のも、次 の 瞬 間 ブ ロ ッ ク し や す い か ら
ナッパー が お 尻 の 間 か ら ボ ー ル を 渡 す
の為にも 最 良 な も の に な っ て い る 。 ス
は、スタ ー ト ダ ッ シ ュ は 勿 論 ブ ロ ッ ク
撲さんの 仕 切 り の あ い の こ に 似 た 姿 勢
100メ ー ト ル 競 走 の ス タ ー ト と お 相
魅 力 だ。 ダ ウ ン 開 始 時 に 選 手 の と る
ボール・ フ ァ ン に と っ て は た ま ら な い
わ れ る 全 身 を 使 っ た 行 動 は、 フ ッ ト
クルしよ う と い う 守 備 選 手 の 間 に 行 な
むかう。 そ れ を さ け て キ ャ リ ア を タ ッ
1976年に(株)タッチダウンより発行された書籍「フットボール専科」を、以降
第1部 フットボールのしくみ
2)1人のランナーを生かす 人のブ
ロック
通常の球技は、ボールを持った選手
の動きにあわせて周囲がゆるやかに動
く。ボールを追っていれば全体のゲー
着というのが通常の筋だった。変装の
難問解決またはドンデン返しで一件落
タリとシンクロしてまとまり、一気に
人の努力の成果が、一つの目標にピッ
大詰めになると無関係に見えた一人一
丁寧にレポートするのだが、一人一人
される。その後数人の捜査官の行動を
人公秘密捜査官の目的が視聴者に知ら
えない。あのTV映画は確か最初に主
クボーンと全く共通するものとしか思
にみる行動哲学はフットボールのバッ
され、現在尚米国で好評中のあの映画
にはミッション・インポッシブルと題
作戦」を出すと大抵の人は驚くが、私
フットボールを説明するのに以前オ
ンエアされていたTV映画「スパイ大
1)フットボールはシステム思考
ツ(接触のスポーツ)と呼ぶのはこの
トボールを別名、コンタクト・スポー
のチームスポーツとなっている。フッ
防で全員が体のふれあいを行なう唯一
ロックの為に、フットボールは一回攻
等の行動の関連がつかめない。
それが、 ト の 必 死 の ブ ロ ッ ク が あ る。 こ の ブ
のやる事が奇抜で視聴者には目的と彼
ブロックから来ているのだ。ブロック
超ロングパスの陰には必ずチームメイ
ぶ体当たりをしているからだ。独走や
に、事前の打合せによるブロックと呼
ランナーの進むべき “ 穴 ” を作る為
れているからだ。チーム全体が一人の
これは前述したスパイ大作戦のよう
な行動がボールのある所以外でも行わ
にくい場合があるという。
何をどこで行なっているか判断が出来
て、 初 め て フ ッ ト ボ ー ル を 見 た 人 は、
フットボール特有の欺まん作戦もあっ
ボールはプレーが開始すると同時に全
い。この場合はボールキャリアが守備
常は攻撃選手の行為を指す場合が多
撃と守備の両方により行われるが、通
タクト)相手の行為を妨害する事。攻
手が身体を相手選手に接触させ(コン
ブロックと同じで “ 妨害する ”。選
めている。ブロックとはブロック塀の
で、しかも守備選手への体当たりを認
ているのに対し、フットボールは前方
手が出るのをオフサイドとして禁止し
ム 展 開 が 把 握 出 来 る の だ が、 フ ッ ト
名人や美女、クールな作戦担当者、技
こそ最も男性的といわれるこのスポー
一 つ の 目 的 を 達 成 す る と い う 考 え は、
フットボールと英国ラグビーとの決
定的な違いはブロック(またはブロッ
手は、あらかじめ打ち合わせた作戦に
意味である。スナップと同時に攻撃選
員 が 激 し い ス ピ ー ド で 活 動 を 始 め る。
術屋と全て違った個性や能力の持ち主
ツの象徴の一つだろう。
キング)をルールで認めている事だろ
より自分がブロックすべき守備選手に
だろう。
かけたり 、 両 手 を 組 み 合 わ せ た り 、 つ
ショル ダ ー ・ ブ ロ ッ ク の 際 に 手 腕 を
補助的に 使 用 し た い 時 も 、 相 手 を ひ っ
腕は使用出来ない。(絵4ー3)
手や腕の不正な使用に関する項を設け
べた「フットボール・コード」に特に
も優先されるフットボールの精神を述
“ 大学公式ルール ” ではルールより
せ ら れ た ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ と 言 え る。
4)ブロックに関するルール
飛 込 む、 背 後 か ら の ブ ロ ッ ク の 禁 止。
① ク リ ッ ピ ン グ 無 防 備 の 相 手 を ブ
ロックするのは危険。ボールキャリア
手をノックアウトするのが目的ではな
ルキャリアを防御する為のもので、相
は、格闘技ではない。ブロックはボー
一見無配慮に乱暴に行なわれている
ブ ロ ッ ク だ が、 決 し て フ ッ ト ボ ー ル
するのが多いようだ。
中ではクリッピングをしてもよい。こ
イン上に位置する選手はこのゾーンの
の時、このゾーンのスクリメージ・ラ
ロッキンググゾーンという。スナップ
ド、縦に前後各3ヤードの長方形をブ
例 外 ブ ロ ッ キ ン グ ゾ ー ン: ス ク リ
メージ・ダウンで、攻撃中央のライン
マンを中心として、横に左右各5ヤー
い。 従 っ て 細 部 に つ い て 迄 “ 体 の 接
手には当たる面積の広いサイドを使用
うブロックとがある。比較的離れた相 (反則 クリッピング 罰退 ヤード)
以外の相手選手の背中やへ脚の後部に
ブロッキングには上半身で相手に当
たるブロックと身体の側面全体で行な
る ” 為、 守 備 選 手 に 体 当 た り を す る
う。ラグビーではランナーの前方に選
触 ” に対する厳しいルールが定めら
米国に生まれたシステム経営そのもの
く一種のチームレスリングのようなも
れている。
選手にタックルされるのを “ 妨害す
が、お互いの得意な分野で行動しつつ
4、 The
Block
ブロック
10
のとして考えるべきであろう。
かんだり 、 引 っ ぱ っ た り す る 為 の 手 の
て、フットボールの正しい発達を呼び
攻守両チーム共手と腕の使用を認め
たら、明らかに作戦を事前に打合せ済
使用は禁 止 さ れ る 。 当 然 、 ボ ー ル キ ャ
か け て い る。「 手 腕 の 不 正 な 使 用 は 不
の使用を禁止されている。(イリガル・
リアの前 進 を 助 け る 為 に ラ ン ナ ー を 引
正なプレーであり正しい技術の発展を
みの攻撃チームが有利だろう。その意
張ったり 、 押 し た り す る 事 も 禁 止 ( ヘ
妨害するものである」
。不正なホール
ユース・ オ ブ ・ ハ ン ズ ・ ア ン ド ・ ア ー
ルピング・ザ・ランナー)。但し、ボー
ディングによってボールを前進させる
味では手腕の使用禁止は攻撃側に課
ルキャリ ア や パ ス を 投 げ る 選 手 ( パ ッ
面白いゲームの発明は可能であろう
ムス)従 っ て 当 然 ブ ロ ッ ク の 際 に も 手
サー)が 手 で 守 備 選 手 を よ け る の は 認
が、それはすでにフットボールではな
15
集中連載 第2回
ボールキ ャ リ ア を 除 い て 不 正 な 手 や 腕
絵4−1
ショルダーブロック
62 が 71 を ブ ロ ッ ク す
る。手の使用は禁止だ
絵4−6
ゲンコツでなぐるのも禁止
パーソナルファウルとなる
絵4−3
手の不正な使用
攻撃チームは手と腕の不正な使用
を禁止されている
2
3
絵4−2
クロスボディ・ブロック
63 が 72 をブロック
絵4−4
クリッピング
背後からのブロックは厳禁
フットボールを通じて文化を見る
められて い る 。
絵4−5
トリッピング
足をひっかけ
てもいけない
アメリカンフットボール専科
す る 事。 一 般 に い う 足 払 い 等。( 反 則
②トリッピング 足で相手選手(ラン
ナーも含 む ) の 膝 か ら 下 の 部 分 を 妨 害
ある。
度がまだ つ い て い な い 事 に よ る 特 例 で
判断が出 来 に く い し 、 ブ ロ ッ ク に 加 速
なっているが、クローズド・ライン・
ではクリッピングをしてもよい」と
NFLではクリッピングゾーンが多
少違う「クローズド・ライン・プレー
な首に負担がかかる為厳禁である。
フェイスマスクをつかむのは一番危険
いる。但し握ったりしてはいけないの
自由を制約するものとして禁止されて
り、ホールドしたりするのは攻撃側の
れ は、 ラ イ ン 中 央 付 近 は 選 手 が 密 集 、 選 手 が 手 や 腕 で 相 手 を タ ッ ク ル し た
ドゾーン内で捕球した時もTDと認め
ル(ボールを落す)したボールをエン
ゾーン内でキャッチした時、ファンブ
えられる。フォワード・パスをエンド
点
1)タッチダウン 略称TD 得点6
で与えられる。
点、2点、1点が5つの状態の組合せ
がしのばれる。8点、7点、6点、3
大きな目的と考える、米国文化の特徴
は 前 述 の 通 り だ し、 相 手 守 備 選 手 の
ん だ 両 手 で 強 打 す る。 蹴 る、 肘 で 打
プレーはスナップ前のタックルとタッ
ら れ る。 こ の 場 合 ボ ー ル を グ ラ ウ ン
5、
く、ゴールライン上の面をボールの一
部 分 で も 越 え れ ば T D と 認 め ら れ る。
フットボールは試合終了時に得点の
大小を競いあうゲームだ。その本質は
足でもエンドゾーンについてパスを
ブ バ ウ ン ズ に 触 れ て い な い 限 り、 片
キャッチする場合は、身体がアウトオ
えたサイドライン、エンドライン際で
手にもふれずに、ゴールポストのクロ
ルが地面又はキッキング・チームの選
ス ク リ メ ー ジ・ ダ ウ ン で プ レ ー ス
キック又はドロップキックされたボー
点3点
フォワード・パスをゴールラインを越
他の球技と全く変わらない。ただその
キャッチすればTD。しかし両脚で飛
The
Scoring
相手チームのエンドゾーンにラン
ナーの持ったボールが入った場合に与
つ。以上 全 て 禁 止 ( 反 則 パ ー ソ ナ ル
ファール 罰 退 ヤ ー ド )
④ボール デ ッ ド 後 、 相 手 の 上 に 倒 れ か
クルの間で前後に各3ヤードの地域で
ディング(地面におさえる)必要もな
トリッピング 罰退 ヤード)
③げんこ つ で な ぐ る 。 腕 、 肘 ま た は 組
かったり 、 ま た ラ ン ナ ー を 地 面 に 投 げ
行なわれるプレーを指す。
つける事 。
てはならない(ターゲッティング)。
得点
則 パーソナル・ファール)
⑦ブロッ キ ン グ ・ ピ ロ ー ・ ザ ・ ウ エ ス
得点方法がバラエティに富み他のス
クにくる 攻 撃 選 手 を よ け る 為 に つ か ん
ナーをつ か ま え る タ ッ ク ル も 、 ブ ロ ッ
はない。 手 や 腕 を 用 い て 相 手 側 の ラ ン
ボールキャリアをつかまえる目的
で、守備 側 の 選 手 の 手 や 腕 の 使 用 制 限
“ 忍 耐 ” の ゲ ー ム で あ る の に 対 し、
ほんの数回しか得点のチャンスがない
ロースコアスポーツ。つまり試合中に
ングさも持つ。英国生れのスポーツが
ルは一瞬にして得点をもたらすスリリ
競技」的性格に加えて、
近代フットボー
クリメージ・キックのダウン中は禁止。 以前のジリジリと前進する「陣取り的
る。
ポ イ ン ト の 機 会 を 1 回 だ け 与 え ら れ ( プ レ ー ス キ ッ ク は、 ボ ー ル を 持 っ て
ない。TDをするとトライ・フォー・
でキャッチをしてもTDとは認められ
地した場合は、エンドゾーン内の空中
そのままアウト・オブ・バウンズに着
試合再開する。
地点で用いられる。次はキックオフで
来ないと判断された敵陣5~
ば得点となる。主にタッチダウンが出
点)またはセイフティ(1点)をあげ
ヤード
だり、押 し た り す る の も 自 由 だ 。 し か
選手と観客が “ 爆発 ” を楽しむ事を
1TDを記録すれば、6点(トライ失
タ ッ チ ダ ウ ン を し た 後 に、 両 チ ー
ム に は 得 点 を 追 加 す る 機 会、 ト ラ イ・
る機会でもある。トライ・フォー・ポ
2)フィールドゴール 略称FG 得
し、ラン ナ ー を つ か ま え る 目 的 の な い
はセフティー)となれば1点のサクセ
3) サ ク セ ス フ ル ・ ト ラ イ ( 正 式 に
敗)、7点(FG成功)、
8点(TD成功)
の3つの得点となる可能性がある。し
は、成功 し た ト ラ イ タ ッ チ ダ ウ ン
フォー・ ポ イ ン ト が 与 え ら れ る 。 得 点
イントは試合時間に含まない。
かし、守備チームがインターセプトな
チームに ゴ ー ル ラ イ ン 3 ヤ ー ド 前 よ り
どでボールを奪い、TDを上げる(2
1回だけ ス ク リ メ ー ジ ・ ダ ウ ン の 機 会
キックの発達した米国ではTFPの
キックは %成功し、自動点、オート
いるチームの選手が、グランド上に固
定したボールを蹴る事。ドロップキッ
クは選手がボールを落してからグラン
れたチームがフリーキックする事によ
り再開される。
フリーキックはパント、
プレースキック、ドロップキックいず
れでもよい。
(5)タッチバック
これは得点ではないが、セフティー
と同じ状態で、ボールがゴールライン
後方でデッドになった時ゴールライン
後方に入れた責任がそのゴールライン
にむかって攻めているチームにある時
はタッチバックとなる。タッチバック
は得点とならないが、守備チームの
た際の原動力の事を言う。わかりにく
は、そのボールがゴールラインを越し
られる。ボールを後方に入れる責任と
ンを攻めているチーム)に2点が与え
ティーと呼び相手チーム(ゴールライ
後方に入れた責任がある場合は、セフ
ているチームにボールをゴールライン
られる得点。そのゴールラインを守っ
より後方でデッドとなった場合に与え
を保有した状態で自軍のゴールライン
ゴールラインの後方でアウト・オブ・
バウンズになった時、又選手がボール
点
ムに2点が与えられる。守備でも得点
なるので、セフティーとなり相手チー
いずれもそのエンドゾーンを守備す
るチームがボールを動かした原動力と
まった場合。
は後方に飛びエンドラインを割ってし
キックをしたが、ミスキックでボール
3)ゴールライン際でスクリメージ・
なった場合。
ルされてエンドゾーン内でデッドと
げようとしたが、守備チームにタック
2)自陣のエンドゾーン内でパスを投
にセフティーが与えられる。
ンを割ってしまった場合、守備チーム
行われ、TDと同方法で成功させれば
N F L の 得 点 で 違 う の は P A T だ。
トライがゴールライン2ヤード前より
れた没収試合で1対0である。
0国学院。最低得点はルールで定めら
の場合
シントン・レドスキンズの試合。日本
権試合でのシカゴ・ベアーズ
だったし、最高得点は1940年選手
の場合の1974年の平均得点は
通常の試合は ~ 点の場合が多
い、 N F L( 米 国 プ ロ フ ッ ト ボ ー ル )
る。
対0ワ
18
30
点、最高得点は
年の日大165対
年の東京7大学の平均得点は
73
20
70
75
2点、FGと同方法で成功させれば1
42
2点、または成功したトライ フィー
ルドゴールまたはセイフティ 1点)
が与えら れ る 。 チ ー ム が タ ッ チ ダ ウ ン
マッチックポイントの異名がある。
ヤー
い得点だが、主なケースとして、
が出来るという珍しいケースである。
ドが守備チームに与えられ試合再開す
1)自陣5ヤードからのスクリメージ・
20
点
ダウンの時、スナップが悪くてボール
がエンドゾーンの中に入りエンドライ
点が獲得出来る。確率の高いキックに
絵5−6
タッチバック
セフティーの得点後は、得点された
チームの ヤードラインから、得点さ
絵5−5
セフティー
30
ヤードでファーストダウン残り
20
99
( 4) セ イ フ テ ィ 略 称 S F 得 点 2
絵5−3
フィールドゴール
10
スフル・トライが与えられる。従って
ドにボー ル が ふ れ た 後 に 足 で 蹴 る 事 )
て飛び越 え よ う と す る 事 ) の 禁 止 ( 反
ト(最初 の 体 の 接 触 が 腰 か ら 下 に あ っ
絵5−1
ラン・プレーによるタッチダウン
ポ ー ツ と は 比 較 に な ら な い で あ ろ う。 び 上 っ て 空 中 で ボ ー ル を キ ャ ッ チ し、 スバーの上でポストの内側を通過すれ
絵5−2
パス・プレーによるタッチダウン
たブロッ ク ) は フ リ ー ・ キ ッ ク 及 び ス
上を片足 、 両 足 ま た は 膝 を 前 方 に 出 し
⑥ハード リ ン グ ( 倒 れ て い な い 選 手 の
⑤ヘルメ ッ ト の 頂 点 か ら 相 手 に 接 触 し
15
4
5
15
をあげれば2点、フィールドゴール(又
絵5−4
トライ・フォー・ポイント
よるTF P が 全 ん ど で 、 % と も 思 え
る成功率 で ア ー ト マ チ ッ ク ・ ポ イ ン ト
と 呼 ば れ る の は 前 に 紹 介 し た と お り。
6、 The Player & Position
選手・ポジション
クリメージ・ラインとバックの中間に
選手(通常クォーターバック)は、ス
例外として、バックスのうちスナッ
プを手渡しで受ける位置にいる1名の
守備選手の隊型に関する制約はな
い。
少となる。
(絵6ー1)
捕球者の減少、遊軍ブロック要員の減
だが、ボーツキャリアの減少、有資格
3)7人のラインマン
ルールは攻撃選手が相手にダメージを
4)ポジションと任務
いが、そのポジション名と任務はほぼ
スクリメージ・ダウンに於いて選手
がポジションに着く、即ち隊型を形成
与える為に後方から加速度をつけてブ
同じ場合が多い。
する際の制約は攻撃チームにしかな
ロックした歴史からその危険を避ける
いてもよい。7人以上のラインマンの
い。
名 が 出 場 す る フ ッ ト ボ ー ル だ が、
そのポジションの呼名は、使用する隊
相 手 ゴ ー ル ラ イ ン と 平 行 に 位 置 す る。
いなければならない。両肩を通る線を
られるプロタイプ隊型で攻撃の、基本
ン(T隊型)と、米国プロフットで見
本的な攻撃隊型ティ・フォーメーショ
為だ。従って、攻撃選手は8名のライ
選手の 資 格 に 制 約 は な い 。 現 在 才
のキッカ ー ( N F L ジ ョ ー ジ ・ ブ ラ ン
この時選手の頭はスナッパーの腰(ベ
的 な 5 ー 3 守 備 隊 型 で 守 備 の、 ポ ジ
1)選手
ダ、19 7 6 年 現 在 ) が 活 躍 し て い る
ルトの線)を通る垂直の平面より前に
ション名とその任務を述べてみた。攻
型や配置で異なってくる。もっとも基
様に年令 的 に も 制 限 は な い よ う だ 。 油
位置する事が義務づけられる。その状
撃チームにだけはルールによりポジ
ン、3名のバックスでのプレーも可能
才位といわ
態を正当にスクリメージ・ライン上に
ション別の背番号を要請されているの
れる。一 チ ー ム 名 の 選 手 が フ ィ ー ル
の乗り切 っ た 年 令 は ~
ドに出る が 、 ベ ン チ 入 り の 制 限 は な い
いるといい、これ等の選手を総称して
チームは7人のラインマンをおかねば
名。 米 国 N C A A =
(米国NFLは
全米体育 協 会 の 遠 征 チ ー ム 名 制 限 が
あった) 但 し 選 手 は 1 ~ の 背 番 号 を
いくら物量作戦のフットボールでも
らない。
名以上は ~ の背番号をつけねばな
つ け る 事 を 義 務 づ け ら れ て い る の で、 反則となる。加えてラインマンの内5
100人 以 上 の 選 手 の ベ ン チ 入 り は 不
79
ボールのス
考えられるが、スナッパーと両隣選手
G ガード
~ ブロック。自分
の前だけでなく左右に動いてのブロッ
C セ ン タ ー ~
ナップ、ブロック。
2)ポジ シ ョ ン
T タックル
インの中心。
~
ブロック。ラ
クが多い。
ラインマン以外の残りの選手は、ス
ナッパーを除いた自分に一番近いライ
E エンド
~
ブロック及フォ
ワード・パスの捕球。
位置させている。バックスはスプレッ
シーブしやすい様にボールから離して
ランナーを追いパスの時はレシーバー
LB ラインバッカー フロントライ
ン(MG、DT、DE)の補助として
略称 ポジション名 主な任務
S セフティー 守備最後尾で守備配
置の全般を守る
後の守りとなる。
DB ディフェンス・バック 主にパ
スを警戒しランナーをタックルする最
をカバーする。
DT ディフェンス・タックル 同上
DE ディフェンス・エンド 同上
る。
MG ミドルガード ランナーをタッ
クルしパスの時はQBにチャージす
略称 ポジション名 主な任務
る配置を表わしている。
インと3人のラインバッカーが位置す
が多い。この場合は5人のフロントラ
フェンスバック)の人数で表記するの
カー、
最後尾を守るセカンダリー
(ディ
守備配置は最前線に位置するフロン
ト ラ イ ン、 二 列 目 を 守 る ラ イ ン バ ッ
(3)5ー3守備 (絵6ー4)
型の選手にする事が多い。
RB ランニング・バック ランナー
となる。2人の内1人をT隊型のFB
FL フランカー パスレシーブ。
TE タイトエンド T隊型のEと同
じ役目でレシーブとブロック。
主。
QB クォーターバック 1~ ①ハドルにおいては次の作戦を選択決
89
置に選手 を ラ イ ン ア ッ プ ( 配 置 ) さ せ
てからプ レ ー を 開 始 す る 。 こ の 選 手 を
置 せ ね ば な ら な い。 こ れ 等 の 選 手 を
ンマンの腰を通る垂直面より後方に位
ぶ。
バックとよぶ。
C・G・Tをラインマン、QB、H
B、FBをバックスと総称するのは前
69
79
60
70
SE スプリットエンド ラインだが
ブロックは補助的で、パスレシーブが
だけ名前と任務を書く。
バックスの1人とEの1人をパスレ
49
配置した 隊 型 を フ ォ ー メ ー シ ョ ン と 呼
作戦に 応 じ て 隊 型 を 変 え る 場 合 も 多
②選手が ラ イ ン ア ッ プ 後 は 、 ボ ー ル を
記ルールに述べた通りだ。任務の項で
定する。
ス ナ ッ プ す る 合 図 を 送 る( シ グ ナ ル
ボール選手は全員ブロックを担当する
あえてブロックと書かなくてもフット
③スナッ プ を 受 け 、
事は当然である。付け加えれば、攻守
コール)
④ ラ ン・ プ レ ー の 場 合 は ラ ン ナ ー に
全選手は正しいブロックとタックルを
の逆転が多発する現在、攻守をとわず
スを投げる(パッサー)。
習得する必要がある。
ボールを 渡 し 、 パ ス プ レ ー の 場 合 は パ
HB ハーフバック 1~ ボール
をもって 前 進 す る ラ ン ナ ー 。 フ ォ ワ ー
(2)プロタイプ攻撃隊型 (絵6ー3)
基本的にT隊型と差はない。ただこ
の隊型は近代フットボールの主力攻撃
ド・パス を 受 け る
F B フ ル バ ッ ク 1 ~ ハ ー フ
バ ッ ク と 同 じ 任 務 だ が、 H B が ラ ン
方 法 が パ ス と な っ て 来 た の に 応 じ て、
絵6−2
ノーマル T 隊型
ナーにな る 場 合 は そ の 前 で ブ ロ ッ ク 。
49
49
80
ドバック。T隊型と違ったポジション
絵6−3
プ ロ タ イ プ 隊 型( ス プ
レッドバック)
以外が脚を組みあうのは禁じられてい
絵6−1
攻撃チームの内7名は
スクリメイジ・ライン
上に残りの4人はバッ
ク フ ィ ー ル ド に い る。
40 も 80 のウエストの
後ろにいるので正しい
バックス
る。
可能のよ う だ 。
50
ブロックを効率よく行なう為にライ
ンがもっとピッタリ体を寄せ合えばと
(1)
ノーマルT攻撃隊型 (絵6ー2)
略称 ポジション名 番号 主な任務
で、それも付記する。
49
ラインマンと呼んでいる。つまり攻撃
ボールがスナップされる時、7人以
上の選手がスクリメージ・ライン上に
11
99
30
48
99
ダウン開始時にはボールをはさん
で、攻守 両 チ ー ム が 一 番 効 果 の あ る 位
69
27
6
7
50
11
45
( 4) フ リ ー キ ッ ク・ フ ォ ー メ ー シ ョ
という攻守の明確化、ダウン制という
攻守交代制、それに自由交代制がミッ
じた選手を使いわける “ 専門職の集
クスされれば、そのダウンの状況に応
フリーキックでは、レシービング・
チームは制限ライン(キックオフの時
団 ” のフットボールチームとなるの
ン (絵6ー5)
は敵陣 ヤードライン、セイフティ後
ヤ ー ド ラ イ ン ) も結果としては当然だろう。キックの
ヤードライン の
) 手前にいる事が義
務づけられている。キッキング・チー
イン キ
( ックオフは自陣 ヤードライ
ン、セイフティ後のキックオフは自陣
の手前、キッキング・チームも制限ラ
て彼の出番は彼のスピードで守備陣を
ロにしては背が低い
(180
を。東京オリンピックの百米優勝のヘ
必 要 な 時 は キ ッ カ ー を、 パ ン ト を リ
のキックオフは敵陣
ムはキッカーの両側に少なくともに4
抜くトラックのある
~
)
。従っ
イズはWRだった。脚力はあったがプ
ターンする時はリターン専門の選手
人以上がいなければならない。
ヤードの
ずつの能力を出すよ
~ の能力を持つ選手を能力に
状況で使用し
その選手を攻撃と守備の全く異なった
100%の能力を持ったスーパーマ
ン 的 選 手 は 1 チ ー ム に 幾 人 も い な い。
特 別 に 各 ポ ジ シ ョ ン に 呼 名 は な い。 フィールド中央付近だった。
一般的なリターンの1人SF(リター
ナー)の場合の隊型を下記する。
り、
あったポジションに使っていこうとい
う、米国の合理的分業システム、スペ
シャリスト・システムを採用している
のも、米国スポーツ記者に言わせれば
“ あれは多人数がスターになれるの
米国のスポーツの殆んどがそうであ
る様に、フットボールも選手の自由交
るツー・プラトン・システムも常識だ
フィールドに出るのは1チーム 名
だが、攻撃と守備専門2チームを用い
Substitution
で若人に人気があるのさ ” と好評の
代制をとっている。しかも野球と違っ
し、近年はキッキングの時に出るキッ
7 、 The
System
自由交代制
て一度退場しても再度登場が可能とい
キ ン グ・ チ ー ム も 出 来、 ス リ ー・ プ
様だ。
うルールがフットボールの正確作りに
ラ ト ー ン 制( =
直接フィールドに出ねばならず、また
①交代選手は自分のチームエリアから
別しにくいのを避ける為に
もしばしばだ。
見せ場となり、又ロングランになる事
ナーも加速度がついているので壮烈な
加速度がついている場合が多く、ラン
被 交 代 選 手( 交 代 し て 出 て く る 選 手 )
「フリーキックとはボールがキック
される前に両チームが指定された制
い。従って、コッソリとサイドライン
ヤードマークの間にいなければならな
か ら ス ナ ッ プ 迄 の 一 時 期 に は、 両 9
②交代選手はレディ・フォー・プレー
ドラインから出なければならない。
球するチーム(レシービング・チーム、
フリーキックは試合開始の時、キッ
クするチーム(キック・チーム)が捕
行なうキック」
ボールを確保しているチームの選手が
限 ラ イ ン を 越 え て は な ら な い 状 態 で、
名)も定着してい
ヤ ー ド ラ イ ン。
制限ラインは敵陣の
ルがデッドになった地点でファースト
ダウンを獲得する。従って、両チーム
クォーターの間、得点またはトライ
の後、ダ ウ ン の 間 に は 選 手 は 自 由 に 交
のダウン(スクリメージ・ダウン)が
クのダウンが終了して、いわゆる一般
ダー)以外は、定められた制限ライン
カー)とボールを支える選手(ホール
一方キックをするチーム(キッキン
グ・チーム)はキックをする選手(キッ
が設けられている。。
か、
又はキックが(レシービング・チー
シービング・チームがボールにさわる
あ る 為 だ。 キ ッ キ ン グ・ チ ー ム は レ
に似た状態が起りそうだが、そうなら
ないのはキッキング・チームに制限が
代出来る 。 交 代 選 手 は 1 プ レ ー は ゲ ー
始まる訳だ。いわばゲーム開始のオー
ヤード以
上進んでからでないと、ボールにタッ
非常に重要な要素をしめ、意外な出来
の後に行なわれる。キッキング・チー
トライ・
キックオフは前後半の開始、
フォー・ポイント、フィールドゴール
1)キックオフ
妨害してはならない。したがってキッ
チ=地面に着く前に捕球=する機会を
ムの選手がキックしたボールをキャッ
―タッチした地点でレシーブチームの
チしてはならない(バイオレーション
レフリー に よ る メ ジ ャ ー の 場 合 は こ の
事が多い。しかも④選手がフィールド
ムの制限ラインは自陣の ヤードライ
クオフチームがボールを捕球出来る
ボールとなる)
。しかも、レシーブチー
ルールは 適 用 さ れ な い の は 、 こ の 間 は
全体に配置されているので、攻守選手
ン、 従 っ て レ シ ー ビ ン グ・ チ ー ム の
30
得点後、タイムアウト及び反則の宣告、 ロールが難しい事、③従って、偶然が
試合時間 に 含 ま れ な い か ら だ ろ う )
が体のコンタクトをする時には相当な
ならない。
ムに参加 し な け れ ば な ら な い し 、 ベ ン
普通のダウンに於けるスクリメージと
10
また、 交 代 が ひ ん ぱ ん な 為 、 ど の 選
( 特 例 と し て ク ォ ー タ ー の 間 の 休 止、 の は 仲 々 難 し い、 ② キ ッ ク の コ ン ト
ボ ー イ 的 な 事 は 許 さ れ な い 事 に な る。 違って①フィールド全体をカバーする
伝 達 後 ベ ン チ に 戻 る メ ッ セ ン ジ ャ ー・
ムの制限ラインを越えて)
ウ ン の ニ ュ ー ト ラ ゾ ー ン と 同 じ 思 考 ) 共ボールを奪いあうラグビーのパック
ヤードの中立地域(スクリメージ・ダ
る。 両 チ ー ム の 制 限 ラ イ ン の 間 は
キ ッ ク オ フ を キ ャ ッ チ し た チ ー ム は、
沿いに入り、そのままレシーバーとし
11
く蹴れるように両チームにそれ以上越
る。米国 プ ロ N F L の 1 チ ー ム の 定 数
は自分のチームエリアに最も近いサイ
50
33
ボールキャリアがタックルされ、ボー
レシーブ・チーム)に邪魔される事な
密的行為は不可能となる。
70
えてはならない制限ラインを決めてい
てボールをとるという、以前あった隠
名と規定していたが “ こ
60
大きな影響を与えた。スクリメージ制
Free
陣 ヤードラインとなる。
シービング・チームの制限ラインも敵
NFLルールではキックオフが
ヤードラインで行われているので、レ
35
cm
30
30
が 人。 更 に 全 米 体 育 協 会 で 遠 征 チ ー
ムの員数
れ じ ゃ 試 合 が 出 来 な い ”。 と ぼ や く
大 学 ヘ ッ ド コ ー チ が 多 く 廃 止 さ れ た。 8、 The Freekick
フリーキック
従って米 国 大 学 1 チ ー ム の 一 試 合 平 均
出場選手 数 は 約 名 位 と 考 え て い い だ
40
手が実際の出場選手か相手チームに識
30
40
上のボールより後方に位置しなければ
ろう。
30
20
45
チ の 指 令 を 持 っ て フ ィ ー ル ド に 入 り、 プニング・セレモニー的性格を持つが
前・後半の開始及び得点後はフリー
キックで開始される。このフリーキッ
絵8−1
絵6−4
8
9
40
10
48
45
フットボールでは皆無に近い状態なの
の責任でボールがエンドゾーンに入っ
ケースが多いが、これもキックチーム
てそのまま膝をついてデッドとなる
く、その他はキックオフと同じである
ドロップキック、パントいずれでもよ
なり、
キックの方法はプレースキック、
ヤードが制限ラインと
グ・チー ム は ボ ー ル を 敵 陣 深 く 蹴 り 込
で、プレースキックが殆んどである。
た 為 に、 同 様 に タ ッ チ バ ッ ク と な る。 ので省略する。(絵8ー3)。
チームが敵陣
み、素早 く タ ッ ク ル し て 地 域 的 優 位 に
キックオフのボールがクロスバーを越
球した選手が、リターン出来ないとみ
たとうと し 、 レ シ ー ビ ン グ ・ チ ー ム は
ボ ー ル が レ シ ー ビ ン グ・ チ ー ム に
タッチされないまま、ゴールライン間
してもFGとはならない。フィールド
いる。しかし、ドロップキックは近代
( 返 走 ) し よ う と す る。 フ ッ ト ボ ー ル ( 即 ち エ ン ド ゾ ー ン 以 外 か ら ) で ア ウ
ボールを キ ャ ッ チ し て 大 き く リ タ ー ン
ト・オブ・バウンズに出た場合は反則
ゴールが認められるのはスクリメー
チャンス は す く な い 。 通 常 は キ ッ キ ン
で最もス ピ ー ド の つ い た 激 し い コ ン タ
となり、①プレビアススポットから5
NFLルールではキックオフは自陣
ヤードラインから。キッカーの能力
クトのシ ー ン だ 。
30
たはデッドボールスポットから5ヤー
ヤード後退して再キックするか、②ま
尚、 運 よ く キ ッ キ ン グ・ チ ー ム が、 ン 迄 飛 び タ ッ チ バ ッ ク が 増 加 し た 旧
ヤード以上飛んだキックオフのボー ルール( ヤードからのキック)を改
ジ・ダウンだけである。
ルをリカバー又はキャッチ出来た時
を、レシーブチーム
ファーストダウンか
こ で デ ッ ド と な り、
となるがボールはそ
ング・チームのもの
は、攻撃権はキッキ
が選択できる。
り、 レ シ ー ビ ン グ・
タッチバックとな
ンズに出るならば
か、アウトオブバウ
ラウンドにあたる
上又はその後方のグ
ずに、ゴールライン
チームにタッチされ
キックオフのボー
ル が レ シ ー ビ ン グ・
合 が 殆 ん ど で あ る。
キックオフを指す場
れ る が、 一 般 に は、
キックとに区別さ
イフティ後のフリー
フリーキックは
キックオフの時とセ
フリーキック
2)セフティー後の
事は出来ない。
そのまま走り続ける
チーム自陣 ヤード
からファーストダウ
リーキックはキッキ
セフティー後のフ
4月
ヤード、レシーブ
プ レ ー を 再 開 す る。 ング・チームが自陣
エンドゾーン内で捕
20
正した。
が向上し、多くのキックがエンドゾー
キック オ フ は プ レ ー ス キ ッ ク ( 選 手
がグラン ド 又 は テ ィ ー の 上 に 固 定 し た
ド後退した位置でファーストダウン
か、③キックオフチームの制限ライン
から ヤード前方で
10
ンで残り ヤードで
20
10
40
日
発
売
!
30
30
10
11
35
ボールを 蹴 る ) 又 は ド ロ ッ プ キ ッ ク に
よって行 な う 事 が ル ー ル で 定 め ら れ て
http://www.touchdown.co.jp/
http://www.touchdown.co.jp/
13
12
Fly UP