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海外における 建設業の安全衛生管理

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海外における 建設業の安全衛生管理
海外におけ
海外における
建設業の安全衛生管
建設業の安全衛生管理
タ
イ
マ レ ー シ ア
イ
ン
ド
建設業労働災害防止協会
はじめに
我が国の建設業界は、近年、国内の建設投資の縮小傾向が続く中、製造業関係の生
産拠点が日本国内から海外に、特に東南アジア地域に変更される傾向が強まり、急激
なグローバル化が進み、海外での工事施工が増加してきているところである。
これに伴い、海外における工事施工等の事業活動を積極的に行う企業も多く、海外
においてこれらの事業活動を円滑に遂行するためには、労働災害の防止対策の徹底を
図ることはもとより、万一労働災害が発生した場合には適切な対応を行うことも重要
なことである。
当協会では、
「建設業における労働災害防止活動を一層推進するための特別委員会
(推進特別委員会)」において、調査研究のテーマの一つとして「海外における安全衛
生管理」が取り上げられ、平成22年度から取り組みを始め、各国の労働安全衛生等に
関する情報の収集を実施したところです。
一方、海外進出を図る会員企業から、諸外国における安全衛生管理体制、元請と下
請の責任範囲、労災補償対応、安全経費の負担区分等の労働・安全情報等を入手した
いなどの要望も寄せられるようになった。
このような状況から、「海外における安全衛生管理等に関する調査研究」として、
建設労務安全研究会の協力を得て、今後、海外進出が多くなる可能性の高い地域・国
に絞り込み、優先順位の高い数ヶ国についてさらに詳細な情報収集を行い、その結果
を取りまとめたところである。
今年度は、昨年度の「ベトナム、シンガポール、インドネシア」の3カ国に引き続
き、「タイ、マレーシア、インド」を対象に取りまとめを行った。
本冊子が、海外において事業展開をするにあたり、活用されることを期待する次第
である。
平成26年5月
建設業労働災害防止協会
タ イ
1.国の概要
1)一般事情
1 正式な国名
タイ王国
2 面積および人口
① 面積:513,
120平方キロメートル(日本の約1.
4倍)
② 人口:6,
640万人(2010年タイ国勢調査)(日本の約0.
5倍)
3 首都およびその緯度・経度
首都:バンコク 緯度:北緯13.
45度 経度:東経100.
32度
4 年間の気象・最高気温・最低気温(バンコク)
① 最高気温:34.
9度 最低気温:20.
8度
② 年間の気象:熱帯性モンスーン気候 雨期(5~9月)乾期(11~4月)
5 宗教および言語
① 宗教:仏教94%、イスラム教5%
② 言語:タイ語
6 通 貨
バーツ
7 労働者数(全産業・建設業)
① 全産業:36,
503千人 ② 建設業:2,
537千人(7%)
③ 農林漁業:12,
904千人(35%) (2009年のデータ)
8 GDP(2012年)
① 名目GDP:3,
650億米ドル
② 一人当たり名目GDP:5,
382米ドル
③ 実質GDP成長率:6.
4%
9 財政状況
財政収支のGDP比:▲3.
5%(2010年度)
⑽ 投資状況
① 日本からの直接投資:3,
484.
3億バーツ(2012年)
② 日本企業の投資件数:342件(2010年)
003億500万バーツ(2010年)
投 資 額:1,
(*タイ投資委員会認可ベース)
日本からの進出企業数:1,
327社
(バンコク日本人商工会議所会員数2011年4月)
-1-
⑾ インフラの整備状況(電力、通信、道路、鉄道、港湾)
タイ、マレーシアでは、インド等と比べ比較的ビジネス環境が整備されていると考えられて
おり、タイではインフラの整備状況を問題とする企業の割合は少ない。
① 道路舗装率:98.
5%(インド:47.
4%)2000年のデータ
② 送配電ロス率:8.
1%(インド:25.
4%)2006年データ
③ 一人当たり発電量:1,
911kwh(インド:584kwh)2004年データ
(*2010年上半期 世界経済報告より)
⑿ 日本の援助(ODA)の状況
タイは被援助国から援助国に移行しつつある。
① 有償資金協力:239.
40億円(2010年度)
② 無償資金協力: 11.
50億円(2010年度)
③ 技術協力実績: 27.
98億円(2010年度)
⒀ 在日大使館の所在地、電話番号およびWebアドレス
〒141-
0021 東京都品川区上大崎3丁目14-6
電話 03-
5789-
2433
特命全権大使:タナーティップ・ウパティシン閣下
2.安全衛生の行政組織
1)日本の厚生労働省・労働基準監督署に相当する行政組織
1 組織名・組織図等 ………………………………………………………………… 別添資料№1
① 担当省庁:労働省 ② 担当局:労働保護福祉局
③ 担当部署:労働安全衛生監督課、労働安全衛生センター
*2002年10月3日に省庁再編が行われ、労働社会福祉省は社会・人間開発省と労働省に分割
され、労働保護福祉局は労働省に編入された。
2 組織の概要
① 労働安全衛生課の役割
ⅰ 労働安全衛生監督行政全般の企画・立案
ⅱ 労働安全衛生関係法令の制・改定に関する立案
ⅲ 労働安全衛生関係法令の周知・徹底
② 労働安全衛生センターの役割
ⅰ 労働安全衛生に関する調査研究
ⅱ 労働災害及び職業性疾病防止システムの開発・改善
ⅲ 企業及び国レベルでの労働条件及び労働安全衛生の向上・改善の促進
ⅳ 作業環境測定及び生物学的試料の精度管理及び分析
ⅴ 企業に対する技術サービス(健康診断、作業環境測定、個人用保護具の試験等)の提供
ⅵ 労働安全衛生に関する研修・広報
*労働安全衛生センターは、労働保護福祉局内において労働安全衛生に関する技術的サ
ポートを行う機関として位置づけられており、安全衛生政策に関する直接の所管課で
-2-
はない。
2)行政による作業所への臨検
1 臨検の概要
労働保護法(1998年)第139条~142条の労働監督官の責任と権限の中で臨検規定を定めてい
る。
2 臨検の実施者
労働監督官
3 指摘事項への対応(措置報告・過料の程度等)
タイは3ヶ月に1回、所轄する労働省の事務所に安全報告書の提出義務がある。提出義務を
怠った作業所を通りかかった監督官による臨検が2012年にあった。
3.安全衛生に関する法律・規則等
1)日本の労働安全衛生法、規則、条例等に相当するものの名称と概要・内容等
1 労働基準に関するタイの主要な法令には「労働保護法(1998年)労働者保護法(2
008年)」、
「タイ民法・商法典第3編第6章 雇用に関する規定」等がある。これら法令は、労働契約、
解雇、賃金、超過勤務、休日労働、割増賃金、若年労働者、女性労働者、少数民族労働者、外
国人労働者、安全衛生、就業規則等を規定している。
2 安全衛生関係の内務省令(建設業関連省令の抜粋)
① 建設業の安全計画の作成指針に関する省令(2008年)
② 建設現場の安全衛生管理に関する省令(2008年)
③ クレーン及びデリック作業の安全衛生管理に関する省令(2009年)
④ 電気・電圧の安全衛生管理に関する省令(2010年)
⑤ 労働者の健康又は身体に潜在的な危険な作業を定める省令及び作業に関連して発生する疾
病を定める省令(2005年)
2)元請と下請の責任範囲について、法律等で定める元請の責任
元請と下請の責任範囲については区分していない。
4.安全衛生関係書類の行政への提出
1)安衛法第88条の計画届に相当する計画書類等の提出義務の有無
足場の建設作業に係る省令は「建設業の安全計画の作成指針に関する省令(2008年)」で定め
ているが、計画書類の提出義務はない。
2)届出の期日等
該当なし
3)書類等の書式等
該当なし
-3-
5.労働災害・事故が発生した場合の義務等
1)労働災害・事故が発生した場合の行政への報告義務
1 報告の有無および対象
報告義務あり。原則として休業災害が発生した場合
2 報告の期日
事故後7日以内であるが、重大災害の場合はすぐに連絡が必要
3 報告先
所轄する労働省の事務所
4 報告義務者
元請
2)労働災害・事故が発生した場合の行政による調査
1 調査の対象
重大災害の場合、行政による調査が行われる
2 調査者等
所轄する労働省の事務所
6.労働災害・事故が発生した場合の被災者への補償等
1)被災者の死傷病等に適用される保険
1 保険への加入義務の有無
1994年労働災害補償法(社会保険事務所所管)による補償制度あり
保険への加入義務あり
2 保険の名称
社会保険(Soc
i
alWel
f
ar
e)と健康保険(Heal
t
hI
ns
ur
anc
e)がある
3 保険の概要
① 連続3日以上就労できない場合:就労できない期間、月賃金の6割を支給。支給期間は1
年以内。
② 身体組織を損傷した場合:月賃金の6割を支給。支給期間は10年以内(損傷状態に応じて)。
③ 身体の機能に不具合を生じた場合:月賃金の6割を支給。支給期間は15年以内(不具合状
態に応じて)。
④ 死亡あるいは行方不明の場合:月賃金の6割を支給。支給期間は8年以内。葬儀費用は1
日の最低賃金の100倍を上限として支給。
4 保険契約者、被保険者
従業員
5 保険料の負担
事業主と従業員が、ともに基本給の5%を支払う
2)労働災害・事故が発生した場合の被災者との示談・和解
被災者が労働省の事故調査機関に依頼し、調査により決定される
-4-
7.店社、作業所における安全管理体制(責任)と各種資格
1)店社の安全衛生管理体制(体制図・図解) ……………………………………… 別添資料№2
2)作業所における安全衛生管理体制(体制図・図解)
作業所は、作業員の数に応じて、定められたレベルの安全管理者(セーフティーオフィサー)
を配置しなければならない(下表参照)
セーフティー
オフィサー
レベル
作業員数
Head Man
Level
(12時間教育
修了者)
Tec
hni
que
Level
(12時間教育 (180時間教育 (職業衛生学士 (12時間教育
課程修了者)
修了者)
修了者)
修了者)
~19人
20~49人
Hi
gh Techni
que Pr
of
es
s
i
onal Management
Level
Level
Level
1人
1人
1人
1人
1人
50~99人
100人~
1人
1人
1人
1人
1人
3) 各種資格
1 資格の名称
1997年3月31日付労働社会福祉省告示「従業員の労働安全」による安全管理者の資格要件
① 実務者レベルの安全管理者の資格
ⅰ 従業員の代表者として実務レベルの従業員の中から選出された者
ⅱ 局長が定めた労働安全訓練コース(30時間)に合格した者
ⅲ 実務レベルの安全管理者として、使用者が任命した者
② 職長レベルの安全管理者の資格
ⅰ 職場単位における業務を正しく管理、監督、指導する任務にある従業員
ⅱ 職長レベルの安全管理者として、使用者が任命した者
③ 経営幹部レベルの安全管理者の資格
ⅰ 事業所の部門長以上のレベルにある従業員(例えば工場長)
ⅱ 局長が定めた労働安全訓練コース(12時間)に合格した者
ⅲ 経営幹部レベルの安全管理者として、使用者が任命した者
④ 専門職レベルの安全管理者の資格
ⅰ 職業衛生の学士課程以上を修了した者、もしくはそれに準ずる労働安全、職業衛生、
職場環境を含む課程を履修した者
ⅱ 上級職業免許以上の教育を履修し、かつ局長が定めたコースによる訓練と試験に、労
働福祉・保護局が公認した職場で実施されるコースに合格した者
ⅲ 1985年5月6日付内務省告示「従業員の労働安全」に基づく労働安全に関する訓練と
試験に合格し、かつ局長の定めた規定による訓練と試験に1回以上合格した者
ⅳ 実務レベルの安全管理者として5年以上従事し、過去2年間に年間災害発生率を10%
以上低減させた実績を持ち、かつ局長が定めたコースによる訓練と試験に、労働福祉・
-5-
保護局が公認した職場で実施されるコースに合格した者
2 資格の内容(就業制限業務の種類:日本での免許・技能講習等に匹敵する資格の種類、名称、講
習時間等)
① 安全管理者(セーフティーオフィサー)(7.
2)参照)
② クレーン作業:運転者(技能講習:12時間)、玉掛者(技能講習:12時間)、監視者(技能
講習:18時間)、合図者(特別教育:6時間)
③ 酸素欠乏作業者(技能講習:12時間)
8.安全経費
1)公共工事における安全経費
公共工事は未施工のため不明であるが、安全経費は項目として明示せず元請業者負担となる
(2009年4月 日建連調査報告書)
2)民間工事における安全経費(請負契約金額に含む、率計上、別枠計上等)
安全経費は請負契約金額に含み、率計上、別枠計上していない
9.事故・労働災害発生後の行政処分・社会的制裁等
1)元請が受ける行政処分
臨検結果によっては報告書提出、作業中止等の処分がある。最悪の場合は起訴される場合があ
る。
2)下請が受ける行政処分
臨検結果によっては処分を受ける。
3)その他社会的な制裁
社会的な制裁はない
10.労働災害防止団体の状況
日本の建災防に相当する団体 …………………………………………………………… 別添資料№3
① 団体の名称
労働安全衛生促進協会
② 団体の概要
・1987年10月22日に第1回総会を開催、19名の理事で理事会設置
・年間通常会員(1760)年間法人会員(594)
・活動内容
イ 労働保護福祉局の協力を得て、労働安全衛生研修課程を実施
ロ 国際機関と連携して、労働安全衛生セミナーを開催
ハ 労働省と共催で毎年、全国安全週間を実施
ニ 図書、ビデオ、ポスター等の出版
-6-
11.国内と比較し、苦慮している点
安全に関して、日本の労働安全衛生法に相当する法令が非常に乏しいため、日本と同等の安全管理
を実施しようとしても、「法的な縛り」がないため、末端の作業員レベルまで浸透させるのに苦慮し
てきた。
そこで2009年にトヨタ、豊田通商、タイ竹中、タイ大林、タイ鹿島などが中心となってタイ国トヨ
タ自動車安全協力会を発足し、安全作業リーダーテキストの作成や、職長に相当する安全リーダー教
育を行い、大手日系建設会社では安全ルールや安全意識が向上してきている。
昨今ではタイの好景気による建設作業員不足により、タイ語が通じない隣国からの外国人労働者が
増加してきているが、工事看板の多国語対応等で対応している。
-7-
別添資料№1
-8-
別添資料№2
-9-
別添資料№3
-10-
マ レ ー シ ア
1.国の概要
1) 一般事情
1 正式な国名
マレーシア
2 面積および人口
① 面積…33万平方キロメートル(日本の約0.
9倍)
② 人口…2,
933万人(2012年マレーシア統計局)
3 首都およびその緯度・経度
① 首都:クアラルンプール
② 緯度:03.
08度 経度:101.
41度
4 年間の気象・最高気温・最低気温
① 最高気温:32.
4度 最低気温:23.
2度
② 年間の気象:高温多湿の熱帯雨林気候
5 宗教および言語
① 宗教…イスラム教(連邦の宗教)(61%)、仏教(20%)、儒教・道教(1.
0%)、ヒンドゥー
教(6.
0%)キリスト教(9.
0%)、その他
② 言語…マレー語(国語)、中国語、タミール語、英語
6 通 貨
リンギ
7 労働者数(全産業・建設業)
① 全産業:10,
659.
6千人 ② 建設業:998千人(9.
4%)
③ 製造業:1,
944.
7千人(18.
2%) (統計局による2008年末のデータ)
8 GDP
① 名目GDP:3,
035.
26億米ドル(2012年)
② 一人当たり名目GDP:10,
304米ドル(2012年)
③ 実質GDP成長率:5.
6%(2012年) (J
ETRO海外ビジネス情報)
9 財政状況
4%(2011年) (J
ETRO海外ビジネス情報)
財政収支のGDP比:▲5.
⑽ 投資状況
① 直接投資受入額:6,
812百万米ドル(2012年)
② 日本からの直接投資(認可額):912.
7百万ドル(2012年)
③ 日本企業の投資件数:77件、投資額:101億200万リンギ(2011年)
④ 日系企業進出状況:1,
409社(2012年8月現在)
(J
ETRO海外ビジネス情報、外務省地域情勢アジア)
-11-
⑾ インフラの整備状況(電力、通信、道路、鉄道、港湾)
アジア諸国の中ではインフラ整備が進んでおり,首都クアラルンプールは非常に近代的な都
市だが、都市部を離れるとインフラ・衛生状況の管理に問題がある。
① 道路舗装率:79.
1%(インド:47.
4%) 2006年のデータ)
② 送配電ロス率:0.
6%(インド:25.
4%) 2006年のデータ)
③ 一人当たり発電量:3,
143kwh(インド:584kwh) 2004年のデータ
(2010年上半期世界経済報告より)
⑿ 日本の援助(ODA)の状況
マレーシアは被援助国から援助国に移行しつつある。
2010年度までの累計
① 有償資金協力:9,
693億円
② 無償資金協力:138億円(交換公文ベース)
③ 技術協力:1,
106億円(J
I
CA経費実績ベース)
(外務省地域情勢アジア)
⒀ 在日大使館の所在地、電話番号およびWebアドレス
〒150-
0036 東京都渋谷区南平台町20-16
電話 03-
3476-
3840
特命全権大使 ダド・シャハルディン・ビン・モハマッド・ソム 閣下
2.安全衛生の行政組織
1)日本の厚生労働省・労働基準監督署に相当する行政組織
1 組織名・組織図等
① 人的資源省…労働安全衛生局(Depar
t
mentofOc
c
upat
i
onalSaf
et
y and Heal
t
h,DOSH)、
社会安全機構(Soc
i
alSec
ur
i
t
y Or
gani
zat
i
on,SOCSO)、労働局
② 保健省…公衆衛生部、薬事事業部、「労働者及び環境衛生」課
③ 建設産業開発局
(国際安全衛生センター 国別情報 マレーシア担当省庁)
2 組織の概要
① 人的資源省:人的資源及び福祉に直接関係があるすべての事柄を管理する。雇用状況、福
祉及び労働環境の整備は最重要の機能。
*労働安全衛生局(DOSH)
:労働安全衛生を規制する最高当局。規制業務は、安全衛生に関
連する法律を用いて実行される。実施された法律は工場及び機械法(FMA)1967、労働安
4。本部と13の州支部で構成され、本部は基準の設定、承認、認定、
全衛生法(OSHA)199
データ分析等を担当し、州支部は職場の監督、管理システムの監査、法的手続き、事故や
疾病及び苦情の調査を担当する。
*社会安全機構:保険に入っているすべての労働者を、不慮の事故、特に労働災害、労働疾
病、死亡を含めたどのような原因で起こった事故からも、社会保険の概念に基づき保護す
る。被雇用者社会保障法1969及び同法(一般法規)1971を実施している。
-12-
*労働局:雇用条件や労働者の健康と福祉に関する法律に基づき行政を行う。雇用法1955及
びその規制と命令、労働者補償法1952、児童及び若年者(雇用)法1996等を実施。
② 保健省:国民の健康を管理する立場にあり、人々が健康的で清潔な生活様式を達成できる
ように、基本的な保険事業を提供する。実施された安全衛生に関連する法律は、原子力許可
法1984、伝染病予防管理法1988、食物法1983等である。
③ 建設産業開発局:品質と建設業界の高度な安全基準の確保を目的として設立された法人で
ある。特に建設産業振興法で定められるように、建設作業の安全確保や建設労働者や監督者
の技能の認定及び認証などにより、建設業界の発展、向上、拡大に取組むと同時に建設業界
における品質保証を推進する。
(国際安全衛生センター 国別情報 マレーシア担当省庁)
2)行政による作業所への臨検
1 臨検の概要
労働安全衛生法1994年 第11章「施行と調査」(第39条以降)の中で、立入り・監督・差し
押さえの権限、押収の権限に基づく施設への立ち入り・調査権・参考人を尋問する権利等定め
ている。 (国際安全衛生センター)
2 臨検の実施者
労働安全衛生担当官吏または、保健所職員による臨検も可能
(国際安全衛生センター)
3 指摘事項への対応(措置報告・過料の程度等)………………………………… 別添資料№1
トンネル工事現場にて、トンネル内と事務所(坑口)間の通信設備に欠陥があるとのことで
不備が指摘される。
根拠は労働安全衛生法第4章15-2-cとのこと。
書面にて1週間以内に必要な改善措置をとるように指導され、後日改善措置報告書を提出。
本件に関しては罰金、過料等は発生していない。
なお、同11章49項にて改善通知の不遵守に対する罰則規定が設けられている。
3.安全衛生に関する法律・規則等
1)日本の労働安全衛生法、規則、条例等に相当するものの名称と概要・内容等労働安全衛生業務
に適用される主な法律は、工場・機械法と労働安全衛生法である。
工場・機械法とこれに基づく規則は規範的法律であり、現在も効力を持つものの、その廃止及
び労働安全衛生法に基づく規則や承認実施基準への置き換えが順次進められている。これらの主
な規制ツールとは別に、法律の内容に安全衛生に関する規定が組み込まれる形で、特定の業界や
危険要因に適用される法律もある。
これらの法律には、建設業振興法(1994年)、電力供給法(1990年)、ガス供給法(1993年)等
がある。これらの法律と労働安全衛生法の間に矛盾や一貫性に欠ける場合は、労働安全衛生法の
規定が優先される。
業務上の災害や疾病が発生した場合は、被雇用者社会保障法(1969年)に基づく社会保障セー
フティ・ネットが被災者に提供され、社会福祉の保護措置が取られる。海外労働者または移住労
-13-
働者については、職場での障害、疾病に対して労働者災害補償法(1952年)が適用される。
1 工場・機械法:工場に就業する労働者の安全、衛生及び福祉に係る事項、また、工場の機械
の登録及び検査に係る事項、その他これらに関連する事項を定め、公共の福祉の増進に資する
ために定めた法律。
(*第2条の工場の定義の中で「建築物の建設作業または土木工事作業が行われる全ての土地
や空間」を含むと規定している。)
2 工場・機械法関連の主な規則
① 工場・機械(安全、衛生及び福祉)規則(1970年)
② 工場・機械(管理)規則(1970年)
③ 工場・機械(建設工事及び土木工事)(安全)規則(1986年)
④ 工場・機械(アスベスト加工)規則(1986年)
⑤ 工場・機械(違反の和議)規則(1978年)
3 労働安全衛生法:就業時の労働者の安全と健康と福祉を確保し、就業時の労働者の活動に係
る安全と健康に対するリスクからその他の者を保護し、労働安全衛生全国協議会を設置するこ
とに関する追加規定及び関連規定を定めた法律。
4 労働安全衛生法関連の主な規則
① 安全ポリシー例外規則(1995年)
② 重大災害危険の管理規則(1996年)
③ 安全衛生委員会規則(1996年)
④ 安全衛生管理者規則(1997年)
⑤ 危険な事故の発生、職務に起因する中毒及び疾病についての報告規則(2004年)
(国際安全衛生センター)
2)元請と下請の責任範囲について、法律等で定める元請の責任
労働安全衛生法(1994年)第4章15項にて、雇用主と労働者に対する一般的義務として、可能
なかぎり、労働者全員の就業時の安全、健康および福祉を確保する義務を負うことが定められて
いる。また、上記の義務が適用される事項には特に下記の事項を含む。
① 可能なかぎり、安全で健康に対するリスクのない設備及び作業システムを維持、策定する
こと。
② 可能なかぎり、設備及び物質の使用、運用、操作、保管及び輸送に関連して安全で健康に
対するリスクがないことを確保する手配を行うこと。
③ 可能なかぎり、労働者の就業時の安全と健康を守るために必要な情報、指示、訓練及び監
督を行うこと。
④ 雇用主または自営業者が監督する職場に関して、可能なかぎり、安全で健康障害がない状
態に職場を維持し、また安全で健康に対するリスクなしに職場に出入りする手段を提供し、
維持すること。
⑤ 可能なかぎり、安全で健康に対するリスクがなく、適切な厚生施設を備えた作業環境を労
働者に提供し、維持すること。
-14-
4.安全衛生関係書類の行政への提出
1)安衛法第88条の計画届に相当する計画書類等の提出義務の有無
工場・機械法第35条で「建設工事または土木工事を行う者は、当該工事を開始した日から起算
して7日以内に大臣が定める様式に従い、文書でその旨を検査官に報告しなければならない」と
規定されている。
また、同36条に機械等の据付についての規定があり、大臣が定める機械の据付時には適合性証
明書の交付を受ける必要がある。
2)届出の期日等
同35条規定のとおり、工事開始後7日以内に所定の書式にて報告することが必要である。
また、36条の規定による機械を据付けた場合、速やかに労働安全衛生局(DOSH)検査を受け、
合格すれば適合性証明書が交付される。
3)書類等の書式等 ……………………………………………………………………… 別添資料№2
工事開始の報告は書式J
KJ
103を使用する。内容は工事名称、工事場所、発注者名、下請業者名、
設計者名、現場従事者数、主要機械のリスト等を記載する。
5.労働災害・事故が発生した場合の義務等
1)労働災害・事故が発生した場合の行政への報告義務
1 報告の有無および対象
① 報告の有無:あり
② 報告対象:ⅰ 死亡を伴う事故
ⅱ 人的被害を伴い、当該事故により4日を超える期間にわたって、通常業務
に従事できない者が発生した事故
ⅲ 機械またはその他の土地等の資産に深刻な損害をもたらした事故
ⅳ ケイ肺症、アスベスト症、熱中症、潜函病等の労働疾患
*工場・機械法(1967年)〔1988年改正〕第31条~32条
*労働安全衛生法第32条:雇用主は職場で事故、危険の発生、業務上の中毒または職業病が
発生し、または発生する可能性がある場合、最寄りの労働安全衛生局に通知するものとす
る。
2 報告の期日
工場・機械法(1967年)第31条では「すみやかに」文書による報告とされているが、概ね7
日以内というのが慣例のようである。
3 報告先
労働安全衛生局
4 報告義務者 …………………………………………………………………… 別添資料№3~4
雇用主
報告書式は、労災事故などの場合はJ
KKP6、中毒や労働疾病場どの場合はJ
KKP7の書式を使
用する。
-15-
2)労働災害・事故が発生した場合の行政による調査
1 調査の対象
1994年労働安全衛生法第33条:総局長は事故、危険の発生、業務上の中毒の性質または原因
について調査が必要と判断した場合、この調査を安全衛生担当官吏に実施させることができる。
1967年工場・機械法〔1988年改正〕第33条:検査官は報告を受けた事故あるいは危険な状況、
または労働疾患に関して、予備的調査を行い、当該調査の結果を主席検査官に文書で報告しな
ければならない。
2 調査者等
安全衛生担当官吏による調査の実施。現在のところ実例なし。
6.労働災害・事故が発生した場合の被災者への補償等
1)被災者の死傷病等に適用される保険
1 保険への加入義務の有無
1969年被用者社会保障法に基づき、月給3000リンギ以下の民間被用者及びその使用者は、社
会保障機構(SOCSO)の運営する労災給付制度の加入が義務づけられている。月給3000リンギ
以上を超える被用者は使用者との合意の上での任意加入。外国人労働者等は対象外。
外国人労働者は1952年労働者災害補償法の対象であり、全員外国人労働者災害補償保険への
加入が義務付けられている(政府指定の保険会社が関与)。外国人労働者の雇用主は一人当たり
年額50~86リンギの保険料支払い義務がある。雇用主は事故が発生した場合10日以内に労働局
に届出なければならない。
2 保険の名称
1969年被用者社会保障法に基づき、1971年に人的資源省の下に設置された社会保障機構が運
営する民間被用者を対象とする労災給付制度。
財源は労使からの拠出。給付は労災保険スキームと廃疾年金スキームの2種類がある。
(国際安全衛生センター)
3 保険の概要
① 労災保険スキーム(Empl
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nj
ur
yI
ns
ur
anc
eSc
heme)は、被用者の勤務(通勤を
含む)に伴う負傷、疾病・障害・死亡に対して補償を行うものであり、医療給付、障害給付、
介護給付、葬祭給付、遺族給付、リハビリテーション給付及び教育ローン給付がある。
② 疾病年金スキーム(I
nval
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di
t
y pens
i
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heme)は、勤務に起因するか否かを問わず、重
度の身体障害や治療困難な疾病が原因で収入が3分の1以下になった場合に補償を行い、給
di
c
alBoar
d)の審査を経ること
付を受けるには55歳未満であり、SOCSOの医療評議会(Me
等の要件を満たす必要がある。疾病年金(一時金)、介護給付、葬祭給付、遺族給付、リハ
ビリテーション給付及び教育ローン給付がある。 4 保険契約者、被保険者
保険契約者:雇用主
被 保 険 者:被用者
-16-
(国際安全衛生センター)
5 保険料の負担
労使双方からの拠出で、被用者が月給の0.
5%(疾病年金スキームへの拠出分)を、使用者
が同1.
75%(労災保険スキームへの拠出分1.
25%、疾病年金スキームへの拠出分0.
5%)を負
担している。 (国際安全衛生センター)
2)労働災害・事故が発生した場合の被災者との示談・和解
1952年労働者災害補償法(Wor
kmen'
sCompens
at
i
on Ac
t1952)第8条において、死亡、
及び重度障害に対する補償金額が定められている。企業側に過失が認められない場合は、規定
の金額上限が企業にとっての補償義務となる。この金額については、SOCSOまたは労働者補
償保険で補償される。また、企業側に過失がある場合、例えば、十分なトレーニングを行わず
に現場作業を行わせ、結果死傷事故が発生した場合や安全装備(ゴーグル、耳栓、安全靴)等
を十分に配慮せず事故に合わせた場合等は、企業側に過失責任が求められ、その際には、上記
第8条に限らず責任を求められる場合がある。
2005年外国人労働者補償制度の制定により、業務時間内外にかかわらず発生した事故による
補償として、雇用主は保険に加入し、補償金を取得できるようにする義務がある。死亡、後遺
障害の場合の保険金は最大23,
000リンギ程度、医療費、入院費は500~750リンギ程度。
(厚生労働省「東南アジア地域にみる厚生労働施策の概要と最近の動向(マレーシア)」第5
章 第2節)
7.店社、作業所における安全管理体制(責任)と各種資格
1)店社の安全衛生管理体制(体制図・図解)
1994年労働安全衛生法第30条及び1996年安全衛生委員会規則で「事業場における安全衛生委員
会の設置・運営等」に関する法的規制がある。
2)作業所における安全衛生管理体制(体制図・図解)……………………………… 別添資料№5
1
996年安全衛生委員会規則にて安全衛生委員会の設置が義務づけられている。
同規則第5条にて、安全衛生委員会は、議長、書記官、雇用側の代理人、従業員の代理人で構
成されることが規定されている。また、作業所の従業員が100名未満の場合、各代理人はそれぞれ
少なくとも2名以上、100名以上の場合は少なくとも4名以上でなければならないとされている。
3)各種資格 ……………………………………………………………………………… 別添資料№5
1 資格の名称
1997年安全衛生管理者規則第6条による安全衛生管理者の登録資格
① 労働安全衛生の学位を所有している者又は人的資源大臣によって認可された専門機関又は
大学でこれと同等なものを有し、総局長の推薦を得た者
② 労働安全衛生に関する教育課程を修了し、当該課程の試験に合格した者又は人的資源大臣
によって許可されたこれと同等な者で、総局長の推薦を得たもので、労働安全衛生の分野に
おいて最低3年の実務経験を有する者
③ 少なくとも10年間、労働安全衛生の分野に就労している者
④ 法第29条第4項に従って人的資源大臣が随時定めるところの、その他の資格を有する者、
又はそうした教育を受けた者
-17-
2 資格の内容(就業制限業務の種類:日本での免許・技能講習等に匹敵する資格の種類、名称、講
習時間等)
1967年工場・機械法〔1988年改正〕第3章「担当者と資格証明書」の中で第26条「未熟練労
働者の訓練と監督」や第29条「有資格者によってのみ操作される機械」等の法的規制がある。
機械操作や危険な作業に伴う作業の資格取得の手段は、主に下記の3つのカテゴリに分類さ
れる。
① 労働安全衛生局(DOSH)に登録が必要な資格
各種クレーンの操作や、足場の組み立て等、特に危険を伴う作業には、人的資源省の傘
下団体が主催する技能講習を受ける必要がある。講習終了後は受講証明書をDOSHに提出、
有資格者であることを登録する必要がある。講習期間は概ね3日から8日間。
② 労働安全衛生局(DOSH)に登録が不要な資格
溶接作業等には同じく人的資源省の傘下団体が主催する講習を受け、受講証明書を受領
することで作業を行うことができる。DOSHへの登録は不要である。講習期間は2日から
3日程度。
③ また、機械を取り扱うために、その機械のメーカーや販売業者の講習を受講することで
操作可能となる場合もある。フォークリフトやガントリークレーン、コンプレッサー類は
この講習を受講することで操作することが可能となる。
8.安全経費
1)公共工事における安全経費
入札条件にて安全経費項目が具体的に指示されている場合は必要経費を見積に反映させる。規
模が比較的大きい工事の場合、環境保全の励行、作業員に対するHI
V教育の実施、Medi
c
al
Ser
vi
c
eの設立といった条件が設定されていることがある。
2)民間工事における安全経費(請負契約金額に含む、率計上、別枠計上等)
必要経費を見積に反映させる。
9.事故・労働災害発生後の行政処分・社会的制裁等
1)元請が受ける行政処分
1994年労働安全衛生法第4章19項には、同15項以下にて定められた雇用主と労働者に対する一
般的義務の違反に対する処罰があり、この規定に違反した者は、5万リンギ以下の罰金または2
年以下の禁固または両刑に処すものと定められている。
2)下請が受ける行政処分
この規定には元請及び下請の区別は特に明記されていない。
3)その他社会的な制裁
1994年労働安全衛生法第6章24項には労働者の一般的義務として、以下のような条項が定めら
れている。
① 自分の安全衛生及び自分の就業時の作為または不作為によって影響を受ける自分以外の者
の安全衛生に相当の注意を払うこと。
-18-
② 本法または本法に基づく規則によって雇用主またはその他の者に課された義務を履行する
上で、雇用主またはその他の者に協力すること。
③ 安全衛生に対するリスクを回避するために雇用主から提供された保護具または防護衣を常
に着用または使用すること。
④ 本法または本法に基づく規則によって雇用主またはその他の者が職場の安全衛生に関して
与えた指示、または講じた措置を遵守すること。
また、 本条の規定に違反した者は、法律違反を犯したことになり、有罪の判決を受けた場
合、1万リンギ以下の罰金または3カ月以下の禁固または両刑に処すものと定められている。
10.労働災害防止団体の状況
1)日本の建災防に相当する団体
1 団体の名称
マレーシア労働安全衛生協会(MSOSH)
(国際安全衛生センター) 2 団体の概要
1971年4月27日、マレーシア産業安全協会の名で正式に登録された。
1991年、マレーシア労働安全衛生協会と改名し、政府に公式登録された。
目 的
① 事業主と労働者の安全衛生意識の高揚
② 事業主と労働者間の協力体制の強化・推進
③ 安全・衛生会議及び集会の積極的な推進、並びに安全衛生の正しい実践
④ 協会の押し進める安全衛生に関する情報の提供と新聞の発行
⑤ 労働災害の原因に関する調査活動の実施と労働災害防止・削減に向けての対策及び解決
方法の探求
⑥ 事故防止の促進と労働者の安全衛生の向上を目的とした、協会所有の労働災害統計の公開
⑦ 労働者に対する労働安全衛生セミナー等の教育事業と情報サービスの実施
⑧ 会員のための情報センターの設立と維持管理
⑨ 労働安全衛生に貢献した会員の表彰
⑩ 労働安全衛生局(DOSH)、社会安全機構(SOCSO)、国立労働安全衛生研究所(Na
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MTUC)との緊密な関係を保持しつつ任務を遂行すること
【現在の会員】
終身会員:17、法人会員:4
48、個人会員:803、会員総数:1
268
(国際安全衛生センター)
-19-
11.国内と比較し、苦慮している点
労働者の安全衛生意識と知識は日本と比べて格段に低いため、現場での安全衛生教育に労力を要す
る。また安全用具も標準的なものはあるが、高性能な用具は入手が困難なため、日本から取り寄せる
必要がある。
電工や機械工など専門分野のエキスパートが少なく、有期期間での人員確保に苦慮している。
-20-
別添資料№1
-21-
別添資料№2
-22-
-23-
別添資料№3
-24-
別添資料№4
-25-
別添資料№5
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-26-
イ イ
ン ド
ン
1.国の概要
1) 一般事情
1 正式な国名
インド共和国
2 面積および人口
① 面積:328万7,
263平方キロメートル
(インド政府資料、パキスタン・中国との係争地を含む)
② 人口:12億1,
000万人〔2011年国勢調査(暫定値)〕
3 首都およびその緯度・経度
首都:ニューデリー 緯度:28.
33 経度:077.
11
4 年間の気象・最高気温・最低気温
① 気象:乾期と雨期に分けられる、1月~2月冬、3月~5月夏(酷暑期)
6月~9月モンスーンによる雨期、10月~12月ポストモンスーン
② 平均最高気温:39.
6度 平均最低気温:7.
3度 (ニューデリー)
5 宗教および言語
① 宗教:ヒンドゥー教徒80.
5%、イスラム教徒13.
4%、その他6.
1% (2001年国勢調査)
② 言語:連邦公用語はヒンディー語、他に憲法で公認している州の言語21
6 通 貨
ルピー
7 労働者数(全産業・建設業)
① 全産業:42,
820万人 ② 建設業:2,
390万人(5.
6%)
③ 農林漁業:25,
040万人(58.
5%)
*中央政府統計計画履行省の2005年7月~2006年6月の調査データ
8 GDP
① 名目GDP:1兆8,
728億米ドル(2013年:世銀資料)
② 一人当たりGDP:1,
509米ドル(2011年:世銀資料)
③ 実質GDP成長率:6.
2%(2011年度:インド政府資料)
9 財政状況
010年度)
財政収支のGDP比:▲5.
5%(2
⑽ 投資状況
① 日本からの直接投資:2,
228億円(2012年 日本政府資料)
② 日本企業の投資額:12億5,
781万米ドル(2009年 出所インド商工省)
③ 日系企業進出状況:企業数725社
(2010年10月時点の在インド日本大使館進出日系企業リスト)
-27-
④ 投資(進出)に関連した特徴、問題点:
①インフラの整備状況が不十分 ②税務手続の煩雑さ ③行政手続の煩雑さ等
(ジェトロ2009年調査)
⑾ インフラの整備状況(電力、通信、道路、鉄道、港湾)
インドは他のアジア各国に比較して、インフラ整備が遅れている。特に電力、道路の整備は
急務となっている。
① 道路舗装率:47.
4%(タイ:98.
5%)2000年のデータ
② 送配電ロス率:25.
4%(タイ:8.
1%)2006年データ
③ 一人当たり発電量:584kwh(タイ:1,
911kwh)2004年データ
(*2010年上半期 世界経済報告より)
⑿ 日本の援助(ODA)の状況
① 有償資金協力:2,
898.
37億円(2011年度)
② 無償資金協力:2.
79億円(2011年度)
③ 技術協力実績:16.
81億円(2010年度)
(主要援助国:①日本②英国③ドイツ④米国)
⒀ 在日大使館の所在地、電話番号およびWebアドレス
〒102-
0074 東京都千代田区九段南2-2-11
電話 03-
3262-
2391、03-
3262-
2397
特命全権大使 ディーパ・ゴパラン・ワドゥワ 閣下
2.安全衛生の行政組織
1)日本の厚生労働省・労働基準監督署に相当する行政組織
1 組織名・組織図等 ………………………………………………………………… 別添資料№1
労働省(中央政府及び州政府に行政組織あり)
2 組織の概要
労働省の業務範囲:①労働政策と立法 ②労働安全衛生と福祉 ③労働者の社会保障 ④婦
人、児童労働などに対する政策 ⑤中央領域における労使関係と労働法の施行 ⑥中央政府産
業裁判所兼労働裁判所及び国家産業裁判所による労働争議の裁定 ⑦労働者の教育 ⑧労働と
雇用の統計 ⑨海外への労働移民 ⑩職業安定及び職業訓練 ⑪労働と職業安定の管理 ⑫労
働と雇用問題に関する国際協力
2)行政による作業所への臨検
1 臨検の概要
199
8年建築その他の建設労働者(雇用及び労働条件に関する規制)中央規則で「監督官の権
限」や「災害または危険事態の原因調査のための手続」を定め、また、1948年工場法第91-A
条で「監督官等の安全及び労働衛生に関する調査権」を定めている。
-28-
2 臨検の実施者
工事該当地区の州政府労働局
次官補佐
J
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↓
局長
Di
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課長補佐
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州労働局(I
SH)の組織図
3 指摘事項への対応(措置報告・過料の程度等)
実際の労働者の身分の確認、聞き取り調査(作業時間等)、ただし、建設工事より工場運営
の方に重点を置いている。インドでは、敷地内での工事は、施主に監督義務があるため(第1
期を除く)建設会社より客先に調査が入る。建設会社は、客先に要望があった書類の提出を求
められる。ただし、提出書類も検査員によって異なり、かなり幅がある。
過去の施工物件で、監督官による査察を受けたことがないため、提出事例なし。(現地情報)
3.安全衛生に関する法律・規則等
1)日本の労働安全衛生法、規則、条例等に相当するものの名称と概要・内容等
インドでは、中央政府及び州政府で労働関係法令を制定できる。
1 1948年工場法:製造工場等労働者の労働条件、安全・衛生・福利厚生に必要とされる基本的
条件を規定している。
2 1998年建築その他の建設労働者(雇用及び労働条件に関する規制)中央規則:建設労働者の
安全衛生、福祉、その他の労働条件を規制する包括的な中央法令。50人以上の労働者を雇用す
る建設事業所を対象として適用。中央規則が適用されないその他の事業場は、州政府制定の規
則が適用される。
2)元請と下請の責任範囲について、法律等で定める元請の責任
建設労働者、特に低賃金労働者に対する社会保障加入や実際の賃金の支払いのモニタリングが
元請責任となっている。(現地情報)
4.安全衛生関係書類の行政への提出
1)安衛法第88条の計画届に相当する計画書類等の提出義務の有無
1 1998年建築その他の建設労働者(雇用及び労働条件に関する規制)中央規則で「足場」や
「危険な工程に関する計画」等の規制はあるが、届出の義務はない。
2 インドではゼネコンという形態が発達しておらず、共通仮設等を行う感覚はない。仮設を含
む下請契約となる。客先から仮設計画図や鉄骨の施工手順書を提出するよう要求されることは
ある。
3 公共道路占有や切り廻しの場合は、当該警察署への届出及び許可が必要となる。
-29-
2)届出の期日等
明記なし、詳細不明
3)書類等の書式等
各警察署の書式もしくは依頼書の形のレターとなる。(過去の事例なし)
5.労働災害・事故が発生した場合の義務等
1)労働災害・事故が発生した場合の行政への報告義務
1 報告の有無および対象 …………………………………………………………… 別添資料№2
199
8年建築その他の建設労働者(雇用及び労働条件に関する規制)中央規則で「災害及び危
険事態の報告(書式14)」義務が定められている。
また、1948年工場法で「事故報告、危険事態発生の報告、疾病報告」を定めている。
(工場法第88条事故報告第1項:工場において事故が発生し、死亡または身体的損傷の原因
になり、負傷者が事故直後から48時間以上就労を妨げられた場合、その工場の支配人は、
規則に従って、事故に関する通報をその関係機関へ規定の様式を用い規定の期間内に送付
しなければならない。)
2 報告の期日
工場法第88条第3項で「州政府は本条による調査に際した手続きを規定する規則を定めるこ
とができる」とあるが、詳細は不明。
3 報告先
① 工場法第88条第3項で「州政府は本条による調査に際した手続きを規定する規則を定める
ことができる」とあるが、詳細は不明。
② 死亡事故:警察署、施主 負傷事故:警察署、病院 (現地情報)
4 報告義務者
建設業者、建設事業主
病院へ連絡をすると自動的に所轄警察へ連絡が入る。
警察より第一報告書を受け取る必要がある。その後の保険請求等に必要となる。警察の現場
検証で、事故、事件の区別をされ、しかるべ捜査の後、起訴になる。裁判判決によって逮捕・
留置等の処分が決定される。(現地情報)
2)労働災害・事故が発生した場合の行政による調査
1 調査の対象
199
8年建築その他の建設労働者(雇用及び労働条件に関する規制)中央規則で「監督官の権
限」や「災害または危険事態の原因調査のための手続」を定めている。
また、194
8年工場法第9
1‐A条で「監督官等の安全及び労働衛生に関する調査権」を定め、
同法8
8条第2項では「第1項による通報が死亡を招いた事故に関する場合、通報送付を受けた
当局は受領から1ヶ月以内に事故調査を行わなければならない」と定めている。
2 調査者等
① 1
998年建築その他の建設労働者(雇用及び労働条件に関する規制)中央規則で「災害及び
危険事態の報告(書式14)」義務が定められている。
-30-
上記の報告内容等について労働省監督官が調査する。
② 臨検等では労働省が定めた検査官が定期的に工場を確認する。拡張工事等を行っている時
は工事現場にも立ち入る場合もあるが、通常の建設現場で検査官が来ることはない。また、
正確にはHEALTH & SAFETYという部署(保健所+労基署の機能部署)から検査官がきて、
主に工場内の使い勝手、トイレの数、就労時間、食堂の衛生状況、水の監理状況等を確認し
ていく。(毎年)〔現地情報〕
6.労働災害・事故が発生した場合の被災者への補償等
1)被災者の死傷病等に適用される保険
1 保険への加入義務の有無
1923年労働者補償法により雇用主に補償義務が課せられている。
また、10人以上を雇用し、動力を使用して製造工程を営む工場等の適用事業場に雇用され、
賃金月額が1
5,
000ルピー以下(2009年10月時点では7,
500ルピー以下)の低賃金労働者につい
ては、ESI
C(Empl
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:従業員国家保険公社)に加入する義務
があり(雇用主はESI
Cに企業登録する)、それ以外の従業員については、それぞれの会社が定
める健康/傷害保険に加入する。従業員国家保険法が適用される労働者は労働者補償法の適用
はない。
2 保険の名称
1948年 従業員国家保険法(Empl
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at
eI
ns
ur
anc
e)に基づき従業員国家保険公社が運
営する保険制度。積立金による運営制度。
3 保険の概要
加入労働者に対し、生命、業務上の事故(職業病を含む)に係る医療救済、疾病に関する現
金給付及び補填を行うことを目的とする。
また、女性労働者に対し、出産給付及び労働者の遺族に対し、年金給付を行う。
4 保険契約者、被保険者
契約者、被保険者共に本人、ただし建設業については建設事業主が、現場内で就業している
Cへの加入状況及び保険料の支払いの確認をする責任がある。従って各協力会社
労働者のESI
はESI
Cの加入記録及び支払い状況を毎月施主に提出している。トータル的にはゼネコンが取
りまとめている。
5 保険料の負担
ESI
Cの場合は雇用主が半分強、本人が半分弱負担する。
(2009年10月時点では、雇用主は労働者の賃金総額の4.
75%を積立て、労働者は賃金の
1.
75%を積立てる。)
2)労働災害・事故が発生した場合の被災者との示談・和解
補償額は障害の程度のより定められていて永久労働不能(9万ルピー)
、死亡(8万ルピー)
が最低補償額(労働者補償法)
-31-
7.店社、作業所における安全管理体制(責任)と各種資格
1)店社の安全衛生管理体制(体制図・図解)………………………………………… 別添資料№3
1998年建築その他の建設労働者(雇用及び労働条件に関する規制)中央規則で「建設現場に設
置すべき安全組織」や「安全担当管理者の人数、資格、責務」等を定めている。
2)作業所における安全衛生管理体制(体制図・図解)……………………………… 別添資料№3
作業所に安全担当職員を配置し、日常的に現場を監理、また本社にも安全担当を配置し定期的
にパトロールを行う。客先がいる場合(拡張工事等)は客先の安全担当者にも立ち会いをお願い
する。
3)各種資格
1 資格の名称
① 1998年建築その他の建設労働者(雇用及び労働条件に関する規制)中央規則で「建設現場
に設置すべき安全組織」や「安全担当管理者の人数、資格、責務」等を定めている。(建設
現場に設置すべき安全組織について規則では、同数の事業場代表者と建設労働者で構成する
安全委員会を設置し、建設事業場の中に安全担当管理者を1人任命するよう求めている。)
② 安全管理者(セーフティーオフィサー)の配置が必要
2 資格の内容(就業制限業務の種類:日本での免許・技能講習等に匹敵する資格の種類、名称、講
習時間等)
安全管理者は2年間以上の安全専門学校卒業が条件、安全スタッフとしては安全関連の講習
を受ける必要がある。ただし講習だけでは安全管理者にはなれない。
8.安全経費
1)公共工事における安全経費
聞き取り調査のみ。工事金額の5~8%程度、内容は入札書類に細かく明記されている。
2)民間工事における安全経費(請負契約金額に含む、率計上、別枠計上等)
安全経費は、通常請負契約金額に含まれる。客先からの安全監理規定が厳しくなっており、請
負金額の3~5%程度までになる。
9.事故・労働災害発生後の行政処分・社会的制裁等
1)元請が受ける行政処分
裁判の結果、当該監督者の逮捕の可能性はあるが、会社が入札資格を失う等の行政処分の有無
は確認できず。民間では、客先によっては、今後の入札に参加できない等の縛りを作るところも
ある。(現地情報)
2)下請が受ける行政処分
裁判の結果、当事者逮捕(クレーンのオペ等)の可能性がある。(現地情報)
3)その他社会的な制裁
特になし
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10.労働災害防止団体の状況
1)日本の建災防に相当する団体
1 団体の名称
インド全国安全協会(1966年設立)
2 団体の概要
【役割】ⅰ 専門的訓練プログラム及び特定的なプラント訓練プログラムの実施
ⅱ 安全監査、リスクアセスメント、HAZOP(危険要因特定)調査、安全衛生意識
調査などの実施
ⅲ 安全衛生・環境に関する技術的助言の提供、コンサルティング活動の展開
ⅳ 安全ポスター、指導カード、安全カレンダー、安全日記などの安全衛生・環境
に関する定期刊行物や書籍・文献等の発行
ⅴ 全国安全デー、安全週間の行事の指導
ⅵ 国内及び国際レベルでのセミナー、会議の開催
ⅶ 安全顕彰制度の運用
11.国内と比較し、苦慮している点
① 現地職員の安全に対する意識が非常に低い。(人件費の安い国にありがちなこと)
② 長い間ゼネコンという感覚がなく、共通仮設の感覚もない。仕事は仮設込みで発注するた
め下請け業者のレベルがそのまま安全のレベル。
③ 仮設材のメンテナンスをしないので、足場材等のレンタルで考えられない材料が入ってく
る。(穴あり、さびあり、長さが違う等)
④ 役所の方も安全を指摘して環境を良くするという目的とは明らかに違うスタンスで検査を
する場合もあり、不正の温床になっている場合がある。
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別添資料№1
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別添資料№2
The Building and Other Construction Workers’
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