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尿酸と腎・血管障害の関係

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尿酸と腎・血管障害の関係
第46回
日本痛風・核酸代謝学会総会
ランチョンセミナー 1
◉日時:2013 年2月14日(木)12:10∼13:10
◉会場:京王プラザホテル
南館 4階「扇」
〒160-8330 東京都新宿区西新宿2-2-1 TEL(03)3344-0111(代表)
〈座長・オープニングリマーク〉
久留 一郎 先生
● 鳥取大学医学部附属病院 次世代高度医療推進センター
再生医療部門 部門長
● 鳥取大学大学院医学系研究科 再生医療学分野 教授
演題
尿酸と腎・血管障害の関係:
尿酸トランスポーター
(URAT1)の役割
〈演者〉
仲川 孝彦 先生
● 京都大学大学院医学研究科 メディカルイノベーションセンター
慢性腎臓病研究ラボ(TMKプロジェクト)特定准教授
共催:第46回日本痛風・核酸代謝学会総会/鳥居薬品株式会社
仲川孝彦
先生
京都大学大学院医学研究科 メディカルイノベーションセンター
慢性腎臓病研究ラボ(TMK プロジェクト) 特定准教授
略歴
平成 2 年 5 月
平成 3 年10月
平成 6 年 4 月
平成10年 3 月
平成10年 4 月
平成10年 7 月
平成12年 7 月
平成12年10月
平成16年 4 月
平成17年 7 月
平成20年 7 月
平成20年 8 月
平成24年 6 月
滋賀医科大学第3内科
大阪労災病院(循環器内科)
滋賀医科大学大学院 入学
滋賀医科大学大学院 修了
滋賀医科大学第3内科
洛和会音羽病院(腎臓内科)
草津総合病院(内科)
ベイラー医科大学
フロリダ大学腎臓高血圧内科
フロリダ大学腎臓高血圧内科
フロリダ大学腎臓高血圧内科
コロラド大学腎臓高血圧内科
京都大学大学院医学研究科
メディカルイノベーションセンター
慢性腎臓病研究ラボ
(TMKプロジェクト)
研修医
医員(医師)
医員(医師)
副部長(医師)
内科医員(医師)
Research fellow
Research fellow
Assistant professor
Associate professor
Associate professor
特定准教授
● ● ● ● ● ● ● ● ●
尿酸と腎・血管障害の関係:
尿酸トランスポーター(URAT1)の役割
従来、高尿酸血症は腎機能障害の単なるマーカーとされていた。ところが、近年、その概念を覆すような
臨床検討、つまり尿酸が慢性腎臓病、心血管疾患及びメタボリック症候群の発症進展にその原因因子とし
て深くかかわっている可能性を示唆する結果が多く報告されるようになってきた。それが真実であるならば
尿酸の循環器や代謝への影響に興味がもたれる。過去10年間、われわれのグループは、高血圧や慢性腎臓
病における尿酸の役割について動物実験を用いて検討してきた。今回は特にURAT1の役割を中心にその一
部を紹介したい。
尿酸は、腎糸球体で濾過された後、近位尿細管において尿酸トランスポーターにおいて再吸収され、そ
の血中濃度は厳格にコントロールされている。その中心的役割を担っているのがURAT1であり、それゆえ
尿細管上皮細胞がその主たる発現部位と考えられていた。ところが、近年われわれはそのURAT1が、尿細
管上皮以外の様々な細胞、たとえば血管平滑筋細胞、内皮細胞あるいは膵臓ラ氏島細胞に発現することを
報告した。また血管平滑筋細胞においてURAT1を阻害することで尿酸の細胞内への流入を阻害した場合、
血管保護的作用を呈することも明らかとなった。URAT1は、尿細管における尿酸再吸収に不可欠な因子で
あるが、血管平滑筋細胞においても尿酸の細胞内への取り込みに関与していると考えられる。今回は、血管
病変におけるURAT1を阻害する意義について議論したい。
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