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WindowsでのOracle Database 10g Release 2:開発と配置

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WindowsでのOracle Database 10g Release 2:開発と配置
Windows での Oracle Database 10g
Release 2:開発と配置
Oracle テクニカル・ホワイト・ペーパー
2006 年 5 月
Windows での Oracle Database 10g
Release 2:開発と配置
概要 ...................................................................................................................... 3
Windows での Oracle........................................................................................... 4
.NET アプリケーションの開発......................................................................... 4
Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET ............................................. 5
Oracle Explorer ......................................................................................... 6
デザイナとウィザード ........................................................................... 6
.NET コードの自動生成 ......................................................................... 6
PL/SQL エディタ..................................................................................... 6
完全に統合化された PL/SQL デバッガ ................................................ 7
ストアド・プロシージャのテスト ....................................................... 7
Oracle Data Window ................................................................................. 7
SQL Query Window .................................................................................. 8
統合されたオンライン・ヘルプ ........................................................... 8
Oracle Database Extensions for .NET............................................................. 8
Oracle Data Provider for .NET ....................................................................... 9
XML 機能 ................................................................................................. 9
パフォーマンス ..................................................................................... 10
ネイティブな Oracle 型......................................................................... 11
そのほかの主要な機能 ......................................................................... 12
Oracle Database 10g Release 2 の新機能............................................... 13
Oracle Services for Microsoft Transaction Server ........................................ 16
COM アプリケーションと OBDC アプリケーションの開発...................... 18
Oracle Objects for OLE ................................................................................ 18
ADO と Oracle Provider for OLE DB.......................................................... 18
Oracle ODBC ドライバ ............................................................................... 18
アプリケーションの配置 ................................................................................ 19
Oracle Fail Safe............................................................................................. 19
ロジカル/フィジカル・スタンバイとマルチ・クラスタの管理性. 20
セキュリティ............................................................................................... 20
Windows レジストリの Oracle Wallet .................................................. 21
Microsoft Certificate Store との統合 ..................................................... 22
ディレクトリ............................................................................................... 22
ネイティブ認証と Active Directory ..................................................... 23
Active Directory における Oracle Net ネーミング .............................. 23
結論 .................................................................................................................... 24
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
2
Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
Windows での Oracle Database 10g
Release 2:開発と配置
概要
Oracle Database 10g Release 2 は、Windows プラットフォームに包括的なデータベー
ス・ソリューションを提供し、Windows や.Net 環境でより費用効率に優れた、簡単
かつ迅速な Oracle Database の開発および配置を実現します。
Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET は、Microsoft Visual Studio 2005 および
Visual Studio .NET 2003 の強力な"アドイン"により、.NET 開発者がより簡単かつ迅
速に Oracle アプリケーションを作成できるようにします。Visual Studio とは緊密
に統合されており、デザイナ、.NET コード自動生成機能、完全に統合された PL/SQL
エディタおよびデバッガなど、強力な機能が含まれています。
Windows での Oracle Database 10g Release 2 とともに、オラクルは Oracle Database
Extensions for .NET を提供します。このデータベース・オプションにより、.NET
マネージド言語で記述されたストアド・プロシージャやストアド・ファンクショ
ンを、Windows 上の Oracle Database に配置することが可能になります。.NET のス
トアド・プロシージャは、.NET コード内、SQL 文またはトリガー、別の.NET、
PL/SQL、Java のストアド・プロシージャから呼び出すことができます。また、ス
トアド・プロシージャやストアド・ファンクションの呼出しが可能な場所であれ
ば、どこからでも呼び出すことができます。
.NET アプリケーションの開発は、Oracle Data Provider for .NET(ODP.NET)にお
ける新機能の導入により大幅に改善されました。ODP.NET はネイティブの.NET
データ・プロバイダであり、.NET 環境で得られる最高のパフォーマンスと Oracle
データベースの機能性を提供します。最新のリリ―スにおいて、ODP.NET は現在、
データベースの変更通知、RAC 接続プーリング・プロパティ、および ADO.NET 2.0
をサポートします。
開発者は、ODP.NET、Oracle Objects for OLE(OO4O)、Oracle OLE DB、Oracle ODBC
を含む複数の Windows データ・アクセス・メソッドから最適なものを選択する柔
軟性をもちます。また、それらは Microsoft Visual Studio と Microsoft Office 製品ス
イートに完全に統合されています。分散トランザクション・サポートは、Oracle
Services for Microsoft Transaction Server(Oracle Services for MTS)を使用すること
で提供されます。
Oracle Fail Safe は、使い勝手のよい管理コンソールを通じて、1 つ以上の Windows
クラスタ上にある Oracle ソフトウェアの高可用性ソリューションを提供します。
また、Oracle は Windows ネイティブのセキュリティおよび Active Directory と統合
することで、異なるオペレーティング・システムやディレクトリ環境で運用でき
ます。
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
Windows での Oracle
1993 年に Windows NT 初のリレーショナル・データベースとして登場して以来、
オラクルは同プラットフォーム上で最良の情報管理ソリューションを提供できる
よう尽力してきました。それ以降、Oracle テクノロジーは初期のクライアント/サー
バー・ソリューションからインターネット・アプリケーション、そして現在のグ
リッド・テクノロジーまで、Windows コンピューティングの最新の変化に適応し
てきました。現在オラクルは、世界に通用するデータベースとオペレーティング・
システムの基盤テクノロジーとの緊密な統合により、Windows プラットフォーム
のリーダーとしての地位を確立しています。オラクルは 25 年間蓄積したデータ管
理に関する専門知識をもった業界トップクラスのベンダーです。企業のイントラ
ネットかインターネットかを問わず、業務に必要なアプリケーションをデプロイ
するためのテクノロジー、経験、サービスを提供します。
Oracle Database 10g Release 2 for Windows は、部門別の配置か企業全体への配置か
を問わず、データ管理に必要なすべての機能を提供します。これを導入すること
で、ユーザーは費用効率が高く使い勝手のいい Windows を使用しながら、Oracle
がこれまで提供してきたスケーラビリティ、信頼性、およびパフォーマンスを享
受できます。この新しい Oracle データベースには、Windows プラットフォームに
おけるアプリケーション統合を実行するための拡張機能が追加されました。
オラクルが焦点を当てている 2 つの分野は、Windows におけるアプリケーション
の開発と配置です。Oracle Database 10g Release 2 は、パフォーマンスを大幅に向上
させたほか、Windows 開発者とインテグレーターの両方が簡単に使用できる管理
性により、大きな進歩を遂げました。
Oracle 製品を使用する大きなメリットの 1 つは、それが複数のプログラミング標
準をサポートすることです。Java、.NET、COM、Win32 アプリケーションをサポー
トすることで、オラクルはすべての開発者が Oracle の高度なデータベース機能を
使用できるようにし、開発企業に真の柔軟性を提供します。Oracle の各データ・
アクセス・ドライバは、パフォーマンスを最大化し、データベースの最新機能を
利用できるように設計されています。
.NET アプリケーションの開発
オラクルは.NET プログラミングにおい
て、いくつかの製品を提供しています。
Oracle Developer Tools for Visual Studio
.NET は、設計時に使用するプラグインで
す。Oracle Database Extensions は、.NET
のストアド・プロシージャへのサポート
を 提 供 し ま す 。 Oracle Data Provider
for .NET は、Oracle の主要なすべてのデー
タベース機能へのデータ・アクセスを可
能にします。
Oracle アプリケーションのコードを記述する.NET 開発者は、通常、データベース
表やビュー・デザインの修正、データベース表のデータ変更、PL/SQL ストアド・
プロシージャの編集やデバッグなど、さまざまなデータベース作業を実施する必
要があります。Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET(ODT)は、こうした作
業を簡単にします。ODT は Microsoft Visual Studio 2005 および Visual Studio .NET
2003 と緊密に統合されており、デザイナ、.NET コード自動生成機能、完全に統合
された PL/SQL エディタやデバッガなど、強力な機能が含まれています。
Oracle Database Extensions for .NET は、Windows での Oracle Database 10g Release 2
の新機能です。Oracle Database Extensions for .NET はデータベース・オプションで
あり、C#または VB.NET などの.NET マネージド言語で記述されたストアド・プロ
シージャおよびストアド・ファンクションを Windows 上の Oracle Database に配置
できます。.NET のストアド・プロシージャは、.NET コード内、SQL 文またはト
リガー、別の.NET、PL/SQL、Java のストアド・プロシージャから呼び出すことが
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
できます。また、ストアド・プロシージャやファンクションの呼出しが可能な場
所であれば、どこからでも呼び出すことができます。
オラクルは、ODP.NET によりデータ・アクセス・サポートを提供します。ODP.NET
は、Oracle へのダイレクト・アクセスをサポートするネイティブ.NET データ・ア
クセス・プロバイダです。C# .NET、Visual Basic .NET、ASP.NET を含むすべて
の.NET 言語で使用できます。ODP.NET は、どのデータ・プロバイダよりも優れ
たパフォーマンスを提供し、より多くの Oracle データベース機能へアクセスでき
ます。また、.NET 開発者が Oracle データベースの性能を最大化できるよう特別に
設計されました。
ODP.NET 10.2 は、Oracle データベースの既存機能の拡張とともに、Oracle Database
10g Release 2 の多くの新機能を導入しています。開発者は ODP .NET の最新版を
使用することで、新規データベース・アプリケーションを配置する場合、または
既存アプリケーションを拡張する場合のいずれにおいてもメリットを得られます。
Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET
Oracle Developer Tools for Visual Studio
.NETは、.NET開発者がOracleアプリケー
ションを簡単かつ迅速に記述できるよう
にします。この製品は、
http://otn.oracle.com/dotnetから無償でダ
ウンロードできます。
Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET は、Visual Studio .NET の強力な新"ア
ドイン"であり、.NET 開発者がより簡単かつ迅速に Oracle アプリケーションを記
述できるようにします。Oracle Technology Network から無償ダウンロードできる同
製品は、Visual Studio と緊密に統合され、デザイナ、.NET コード自動生成機能、
PL/SQL エディタやデバッガなどの強力な機能が含まれています。
これらすべての機能は、Windows 上の Oracle 開発を限りなく直感的かつ簡単に達
成できるよう設計されています。SQL Server の開発経験があれば、見慣れた形で
直感的に使用できるので、最短で習熟できます。また、Oracle の開発が初めての
人にとっても、簡単に学習できます。
おもな機能は、次のとおりです。
•
Oracle Explorer - ツリー・コントロールにより Oracle スキーマを参照およ
び変更
•
デザイナとウィザード- データベース作業を容易にする表デザイナなど
•
コード自動生成 - 作業コードをドラッグ・アンド・ドロップで作成
•
PL/SQL エディタおよびデバッガ - PL/SQL のストアド・プロシージャ、
ファンクション、パッケージ、トリガーを編集およびデバッグ
•
ストアド・プロシージャのテスト - ストアド・プロシージャおよびファ
ンクションを実行
•
Oracle Data Window - Oracle データの表示および編集
•
SQL Query Window - 非定型 SQL 文またはスクリプトを実行
•
統合ヘルプ・システム - SQL、PL/SQL、およびエラー・リファレンス・
マニュアル
•
NET 配置ウィザード - .NET ストアド・プロシージャを容易にデプロイ
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
Oracle Explorer
Oracle Explorer は、Oracle スキーマの構造を表示するツリー・コントロール機能で
す。表やストアド・プロシージャなどのさまざまな Oracle スキーマ型は、ここに
含まれます。スキーマ・オブジェクトが選択されると、列のデータ型やストアド・
プロシージャのパラメータ型といったメタデータは、Visual Studio .NET の"プロパ
ティ・ペイン"に表示されます。各スキーマ・オブジェクトのコンテキスト・メ
ニューでは、SQL スクリプトをスキーマ・オブジェクト用に生成したり、フィル
タで表示内容を制限したり、スキーマを変更するためにデザイナおよびウィザー
ドを起動したりする追加機能を提供します。たとえば、表の構造を表示している
ときでも、コンテキスト・メニューを使用し、"Oracle 表デザイナ"を起動して表
のデザインを修正できます。
デザイナとウィザード
Oracle Developer Tools は、表、ビュー、ストアド・プロシージャ、ストアド・ファ
ンクション、PL/SQL パッケージ、シーケンス、インデックス、制約、トリガー、
シノニムなど、多くのデータベース・オブジェクトを作成または変更する手順を
示してサポートするさまざまなデザイナやウィザードがあります。たとえば、表
デザイナはデータ型を検索したり、過去の SQL 構文を記憶したりします。表デザ
イナを例に挙げると、ユーザーは表の名前と列の名前を入力し、ドロップダウン・
ボックスから適切なデータ型を選択するだけです。そして、「Save」ボタンを押
せば表が作成または変更されます。新たに作成されたスキーマ・オブジェクトは、
すぐに Oracle Explorer に表示されます。
スキーマ・オブジェクトを作成または編集するデザイナで生成した SQL は、(変
更が実行される前に)Preview ウィンドウに表示され、同様に(変更が実施された
あとは)Oracle Database Output ウィンドウに表示されます。
.NET コードの自動生成
Oracle Explorer からアプリケーション・
フォームにスキーマ・オブジェクトをド
ラッグ・アンド・ドロップすると、その
スキーマ・オブジェクトに対して
SELECT、UPDATE、INSERT、DELETE
操作の.NET コードが自動生成されます。
Oracle Explorer からアプリケーション・フォームにスキーマ・オブジェクトをド
ラッグ・アンド・ドロップすると、そのスキーマ・オブジェクトに対して SELECT、
UPDATE、INSERT、DELETE 操作の.NET コードが自動生成されます。コードは、
Oracle の堅牢な.NET データ・プロバイダの Oracle Data Provider for .NET が提供す
る OracleDataAdapter クラスを使用します。それ以降であれば、追加のコーディン
グを最小限に抑えながら、DataAdapter でアプリケーション・フォームの UI 要素
(DataGrid など)を Oracle データベースと接続させることができます。こうした
DataAdapter の使用方法は一般的で、そのほかのデータベースでプログラミング経
験があれば非常に分かりやすい作業となります。
このほか、ユーザーは Oracle の表またはビューに基づき、型指定された、あるい
はされていないデータセットに対してコードを生成するオプションが提供されま
す。これらのデータセットは、UI 要素のデータソースとして関連づけたり、Visual
Studio XML スキーマ・デザイナなどの Visual Studio .NET によって別の標準的な
方法で使用したりできます。
PL/SQL エディタ
PL/SQL エディタは、Oracle 開発者に対し、緊密に統合された開発環境を提供しな
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
がら、ストアド・プロシージャの開発が必要な場合に Visual Studio .NET を離れる
ことなく自由に作業を続けられます。一般的な Visual Studio の機能には、視認性
を向上させる構文の色分けや、非常に大きく複雑なパッケージの一部であるスト
アド・プロシージャまたはファンクションを隠す折りたたみ可能な領域などがあ
ります。これによって、作業中のプロシージャまたはファンクションに集中しや
すくなります。さらに、SQL または PL/SQL 文を入力すると、表または列のドロッ
プダウン・リストが表示される、オートコンプリートが提供されます。
PL/SQL のコンパイル時にエラーが発見された場合は、Visual Studio .NET の作業
リストに記載されます。クリックすると、開発者は間違ったコード行へ移動する
ことができます。コンテキスト依存のヘルプ・キーを押すと、問題のエラー・コー
ドに対するエラー・メッセージ・マニュアルが開きます。
完全に統合化された PL/SQL デバッガ
ODT の統合 PL/SQL デバッガがあれば、
PL/SQL コードをステップ実行し、変数
値を表示および修正できます。また、コー
ル・スタックを表示し、ブレーク・ポイン
トを設定することもできます。VB .NET ま
たは C#のアプリケーション・コードから
直接 PL/SQL コードに移動したり戻った
りといったこともできます。
ODT 10.2.0.2 で登場した新機能の PL/SQL デバッガは、Visual Studio に完全に統合
されています。これでストアド・プロシージャ、ファンクション、またはトリガー
において、PL/SQL コードを VB.NET や C#コードのデバッグとまったく同じ方法
でデバッグできます。PL/SQL コードをステップ実行し、変数値を表示および修正
できます。また、コール・スタックを表示し、ブレーク・ポイントを設定するこ
ともできます。
また、VB .NET または C#のアプリケーション・コードから、直接 PL/SQL コード
に 移 動 し た り 戻 っ た り と い っ た こ と も で き ま す 。 た と え ば 、 Oracle Data
Provider .NET を使用して C#コードから PL/SQL プロシージャやファンクションを
呼び出す場合は、C#コードをデバッグしてから、PL/SQL コードに移動してデバッ
グを続けることができます。PL/SQL デバッガ内で複雑なデータ型や配列を含む、
ストアド・プロシージャまたはファンクションへ受け渡されたパラメータ値をす
べて検証できます。PL/SQL コードの実行が終了すると、C#コードに戻ってデバッ
グが継続できます。
さらに、ブレーク・ポイントを設定して、あらゆるプラットフォーム上のさまざ
まなアプリケーションからコールされる PL/SQL ストアド・プロシージャ、ファ
ンクション、トリガーを、そのアプリケーションを修正または再構築することな
くデバッグできます。たとえば、Linux 上で稼動する PHP アプリケーションが、
PL/SQL ストアド・プロシージャの FOO をコールし、値の配列を渡します。PHP
アプリケーション環境に環境変数を設定したら、Visual Studio .NET 内の FOO にブ
レーク・ポイントを設定し、FOO が実行されたらデバッグを開始できます。
ストアド・プロシージャのテスト
ストアド・プロシージャとファンクションは、Oracle Explorer の「Run」コンテキ
スト・メニューからすぐにテストできます。入力パラメータが要求されてから、
プロシージャが実行されます。出力パラメータは読みやすい形式で提供されます。
REF CURSOR のような複雑な出力型の表示は、クリックすると複雑なデータを含
んだグリッドを開くリンクとして省略されます。
Oracle Data Window
Oracle Data Window は、表を表示するほか、読みやすい形式でデータを参照でき、
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開発者は Visual Studio .NET 開発環境を出ることなくデータを挿入、更新、または
削除できます。大きな表の場合、ユーザーは行番号を入力することで、その特定
の行へ移動できます。
SQL Query Window
SELECT、CREATE、ALTER などの非定型 SQL 文は、SQL Query Window から実
行できます。SQL 文の出力が表またはビューの場合、ユーザーはテキストかグリッド
で出力できます。複数の文は、強調表示してグループとして実行できます。SQL
スクリプトを実行するときは、スクリプト演算子"@"を使用できます。
また、スキーマ・オブジェクトは、Oracle Explorer からドラッグして SQL Query
Window の画面へドロップすることで、適切な SQL を自動生成できます。
統合されたオンライン・ヘルプ
Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET には、Visual Studio .NET のヘルプ形式
に変換されたおもな Oracle ドキュメントが含まれています。含まれているマニュ
アルは、『SQL Language Reference Guide』、『PL/SQL User and Reference Guide』、
『Error Messages and Codes』です。
これらのマニュアルの章は、Visual Studio .NET のヘルプ・ペインから順番に読む
ことができます。さらに、ドキュメントは Visual Studio コンテキスト依存のヘル
プに統合されています。たとえば、ストアド・プロシージャを記述しているとき、
開発者は"SELECT"などの SQL または PL/SQL キーワードを強調表示し、コンテキ
スト・ヘルプ・キーを押すと、自動的に『SQL Language Reference Guide』の適切
なページへ移動できます。こうしたマニュアルに加えて、Oracle Developer Tools
のドキュメントには、役立つスタートアップ・ガイド、"ウx-クスルー"の章、
リファレンス・ガイドなどがあります。
Oracle Database Extensions for .NET
Oracle Database Extensions for .NET は、Windows 上で動作する Oracle Database 10g
Oracle Database Extensions for .NET は、
Windows 上で動作する Oracle Database
10g Release 2 の新機能であり、C#や
VB.NET などの.NET マネージド言語によ
るストアド・プロシージャやファンク
ションの開発、配置、実行を容易にしま
す。
Release 2 の新機能であり、C#や VB.NET などの.NET マネージド言語によるスト
アド・プロシージャやファンクションの開発、配置、実行を容易にします。
.NET ストアド・プロシージャやファンクションは、Visual Studio を使用して開発
します。また、Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET の新機能である、密接
に統合された.NET Deployment Wizard を使用して配置します。デプロイメント・
ウィザードは新しく作成された.NET アセンブリを Oracle にロードし、データベー
スでプロシージャやファンクションを登録します。
データ・アクセスを必要とするストアド・プロシージャは、Oracle Data Provider
for .NET を使用できます。.NET Framework 2.0 と ADO.NET 2.0 は、いずれも.NET
のストアド・プロシージャでサポートされています。プロシージャまたはファン
クションで使用するコードは、クライアント側のアプリケーションに記述された
コードとほぼ同じです。ただし、プロシージャが同じ接続をコール元として使用
するオプションの"コンテキスト接続"は例外となります。また、コードは変更す
ることなく、クライアント側とストアド・プロシージャの両方で実行できるよう
に記述できます。
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配置したあと、.NET ストアド・プロシージャは、.NET コード内、SQL 文または
トリガー、別の.NET、PL/SQL、Java のストアド・プロシージャから呼び出すこと
ができます。また、ストアド・プロシージャやファンクションの呼出しが可能な
場所であれば、どこからでも呼び出すことができます。
Oracle Data Provider for .NET
Oracle Data Provider for .NET は、Oracle
データベースへのデータ・アクセスにお
いて高いパフォーマンスを提供します。
また、XML DB およびネイティブ Oracle
データ型を含む最新のデータベース機能
をサポートします。新機能には、データ
ベース変更通知、RAC 接続プーリング、
および ADO.NET 2.0 が含まれます。
ODP.NET は、Oracle データベースのネイティブな.NET データ・アクセス・ドラ
イバです。Oracle 固有のデータソースを念頭に開発されたため、Oracle の高速な
パフォーマンスとデータベースの最新機能へのアクセスを実施するよう最適化さ
れています。このことから、ODP.NET は Oracle 向けに提供される多くのデータ・
アクセス・ソリューションと比べて、Oracle データベースをより柔軟で高速に、
安定して使用できます。バージョン 10.2.0.2 より、ODP.NET は ADO.NET 1.x およ
び 2.0 に準拠します。
OLE DB .NET や ODBC .NET など、一部のデータ・プロバイダは、異なるデータ
ソースにアクセスするための最大限の移植性をベースに設計されています。これ
らのプロバイダを使用しても活用できない機能は、データベースが本来もつパ
フォーマンスとデータ管理機能です。たとえば、ODP.NET の独自の機能の 1 つに、
REF Cursors や LOB などのネイティブ Oracle データ型のサポートがあります。こ
れらのデータ型はデータ取得において、ほかの.NET データ型よりも高い柔軟性を
提供します。開発者は、データの使用やパフォーマンス要件に最適なデータ型を
選択できます。たとえば、REF Cursor はデータが実際にアクセスされるまで結果
セットの取得を保留します。これは、多くの場合に必要とされる主要なパフォー
マンス最適化機能です。LOB データ型を使用すれば、アプリケーションは 1 回の
データベース・ラウンドトリップで結果セットからすべての LOB データを取得す
るか、読込みごとに一連のデータ・チャンクを取得するか、LOB データが実際に
読まれるまで LOB 取得を保留するかを選択できます。ODP.NET は、パフォーマ
ンス・チューニングのより強力な制御を提供し、これらのデータベースの機能を
活用します。
ADO.NET 2.0 が登場したことで、移植性ですら問題ではなくなりました。開発者
は、ADO.NET データ・プロバイダ・ファクトリ・クラスを使用することで、より
簡単に複数ベンダーのデータベースへアクセスするコードの単一セットを作成で
きるようになりました。
Oracle Database 10g Release 2 とそれに続く ODP.NET 10.2.0.2 のリリースにおいて、
Oracle では、RAC 接続プーリング機能、データベース変更通知、および ADO.NET
2.0 のサポートが導入されました。
XML 機能
ODP.NET は、Oracle XML DB のサポー
トおよび System.XML との相互運用を提
供します。ODP.NET は、OracleXMLType
および OracleXMLStream を使用したネ
イティブな Oracle XML データ型をサ
ポートするスキーマ・ベースと非スキー
マ・ベースの XML に対応できます。
XML がデータ統合および Web サービスのための一般的な言語になるにつれ、多
くの.NET プログラマーが、XML をアプリケーションに使用し始めています。XML
は、Oracle データベースおよび.NET Framework の主要な部分です。ODP.NET に
よって、開発者は 2 つのテクノロジー(Oracle XML DB および.NET System.XML
サービス)を利用できます。
Oracle XML DB は、データベース・サーバー内で使用できる Oracle の高パフォー
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マンスでネイティブな XML の格納および検索テクノロジーです。標準 W3C XML
データ・モデルの構造化データと非構造化データを格納および管理する一意な機
能を提供します。Oracle XML DB は、XML および SQL メタファの完全な透過性
および互換性を提供します。ODP.NET は、Oracle XML DB の全機能を.NET クラ
イアントで利用できるようにし、開発者がデータベースと.NET 間の XML の共有
および変更を実行できるようにします。このサポートがスキーマおよびスキー
マ・ベースではない XML に拡張され、異なるアプリケーション要件を適用する
柔軟性が提供されます。また、ODP.NET は、2 つのネイティブな XML データ型
(OracleXMLType および OracleXMLStream)を使用して、XML データ管理を容易
にします。XML は、Oracle XML DB と Microsoft の System.XML サービス間で簡
単に共有できます。
System.XML は、.NET データ・プロバイダから XML データセットを操作する一
連のインタフェースです。ODP.NET は、ODP.NET DataAdapter インタフェースを
通じてデータを供給する System.XML プログラミング・インタフェースと相互運
用します。Oracle XML DB と System.XML のおもな違いは、Oracle XML DB がデー
タベース・サーバーのデータの存在する場所に XML サービスを提供するのに対
して、System.XML はクライアント側の XML を操作することです。このため、
ODP.NET を使用すると、プログラマーはプロジェクト要件に最適な XML テクノ
ロジーを幅広く選択できます。
バージョン 9.2.0.4 から ODP.NET では、Microsoft の XML フレームワークと Oracle
XML DB を使用した XML 機能の統合により XML の使用が簡単になりました。リ
レーショナル・データおよびオブジェクト・リレーショナル・データに、Oracle
データベース・インスタンスから Microsoft .NET 環境への XML としてアクセスで
きます。XML の変更がおこなわれ、XML データとしてサーバーに保存できます。
ODP.NET 10g およびそれ以降のバージョンにおいて、非スキーマ・ベースの XML
に加え、スキーマ・ベースの OracleXMLType のサポートが現在は追加されていま
す。
パフォーマンス
ODP.NET は、多くのパフォーマンス・
チューニング機能を搭載し、データの取
得および変更を最適化します。これらの
チューニング・オプションの一部には、
接続プーリング、結果のフェッチ・サイ
ズをデータベース・ラウンドトリップご
とに返すインテリジェントな設定、LOB
データ型の使用、PL/SQL 連想配列の採
用が含まれます。
ほかのプロバイダと比較した ODP.NET の差別化要因は、標準のパフォーマンスお
よび多くのチューニング・オプションです。内部的に、Oracle データソースへ.NET
から高速にアクセスできるよう、多くの最適化が図られました。さらに、ODP.NET
には特定のデータ取得とデータ変更シナリオに使用されるチューニング可能な多
くのパラメータがあります。こうした最適化の多くは、LOB や REF Cursor など
Oracle のネイティブ型を取得および操作するために開発されました。
もっとも幅広く使用されているパフォーマンス・チューニング・オプションは接
続プーリングです。これは、多くのユーザーがデータベースと接続および切断す
るアプリケーションにとって重要です。ODP.NET は、接続のライフタイムおよび
タイムアウト、最小および最大のプール・サイズ、一度にプールから増加または
減少する接続数を含んだ、チューニング可能な設定で接続プールを作成します。
これらのパラメータによって、開発者は、アプリケーションによる多くのユーザー
の処理と時間の経過に伴うユーザーの変更の管理を強化できます。これは、アプ
リケーションの応答時間とエンドユーザーのサービス品質の改善につながります。
ODP.NET は、データの取得について、各データベース・ラウンドトリップに返す
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
一連のデータ量を指定できます。エンドユーザーが一定の期間にわたってデータ
を使用するので、多くの場合、開発者は問合せを実行した全データを一度に取得
する必要がありません。2 つの ODP.NET OracleCommand プロパティ(FetchSize
と RowSize)を使用して、開発者が定義した個別のチャンクに問合せのデータ・
フェッチを配置できます。FetchSize は、データベース・ラウンドトリップごとに
取得するデータ量を ODP.NET に通知します。RowSize は、各行のデータ・サイズ
を示します。これは問合せの実行後に設定される読取り専用のプロパティです。
開発者がデータベース・ラウンドトリップごとに 10 行のデータをフェッチする場
合、RowSize に 10 を乗算した値を FetchSize に設定するだけです。RowSize の長所
は、実行時に値を設定できることです。つまり、あとでスキーマまたは問合せを
変更する場合、コードを変更してラウンドトリップごとに 10 行のデータをフェッ
チする必要がありません。
同様の機能が LONG データ型と LOB データ型にあります。これらのデータ型を
使用するアプリケーションにおいて、LOB データと LONG データは非常に大きく
なることがあるため、パフォーマンスはしばしば重要な問題になります。これら
の型のチャンク・サイズには、データベース・ラウンドトリップごとに、それぞ
れ特定の LONG または LOB から取得するデータ量を指定するように設定できま
す。これらのチューニング・オプションは、ラージ・オブジェクトの最適な取得
のためにデータ取得をチューニングする柔軟性を.NET 開発者に提供します。
LOB データ型は、パフォーマンスにさらなる可能性をもたらします。デフォルト
で実行される問合せは、実際の LOB データのフェッチをユーザーがデータを読み
込もうと試みるまで保留します。多くの大きい LOB を取得する場合は通常、この
動作が最適です。クライアントに配信される LOB データでネットワークに過負荷
がかかることを防止します。ただし、小さい LOB の場合は、必要以上に多くのデー
タベース・ラウンドトリップが発生し、この動作が遅くなる可能性があります。
ODP.NET は、InitialLOBFetchSize プロパティをバージョン 9.2.0.4 のリリースで導
入しました。これは、OracleCommand と OracleDataReader クラスで小さな LOB の
取得パフォーマンスを最適化します。InitialLOBFetchSize をゼロ以上の値に設定す
ると、問合せが実行されたすべての LOB から最初の LOB データが、このプロパ
ティで指定される文字またはバイトの数まで、1 回のラウンドトリップでフェッ
チされます。たとえば、InitialLOBFetchSize が 10KB に設定された場合、選択され
たすべての LOB の最初の 10KB が 1 回のデータベース・ラウンドトリップでクラ
イアントに送信されます。これによって、多くの小さい LOB を使用しているアプ
リケーションを大幅に高速化できます。
ODP.NET のリリース 9.2.0.4 以降で、Oracle にはデータベースと.NET 間で配列を
渡す機能が導入されています。これにより、データベースとクライアント間で、
より簡単に大規模なデータ・セットを共有できます。ODP.NET は、データベース
の PL/SQL 連想配列を使用して、.NET 配列にデータを渡します。連想配列は Oracle
と.NET 間で大規模なデータ・セットを渡すために、無名 PL/SQL およびパラメー
タ配列バインディングという 2 つの方法を補完します。こうした機能により、開
発者はデータ管理でのパフォーマンス・チューニングの選択肢が増え、このタス
クで記述する必要のある大量のコードが削減されます。ネイティブな Oracle 型
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
11
Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
ODP.NET は、.NET 環境内で REF Cursor
などのネイティブな Oracle データベース
型をサポートします。ほかの主要な機能
には、すべての PL/SQL 型、ローカルお
よび分散トランザクション、Unicode を
使用した国際化アプリケーションの使用
が含まれます。
Microsoft は、異なる.NET プログラミング言語に統一された一連のデータ型を導入
しました。Oracle ユーザーは、ODP.NET を使用することで、Oracle のネイティブ
なデータ型と同様に.NET データ型にアクセスできます。.NET アプリケーション
内で Oracle データ型を完全に操作して、.NET データ型と相互運用できます。ネイ
ティブな Oracle 型は、XML、Microsoft Word ドキュメントなど、データベースの
データ構造を格納および操作する高度な機能を提供します。.NET の小数型に相当
する OracleDecimal などの一般的な型を使用する場合でも、Oracle 型は必要な場合、
追加機能を提供します。OracleDecimal の例において、このデータ型は、28 桁の精
度の.NET 小数よりも高水準の 38 桁の精度を提供します。
ODP.NET は、REF Cursor、XMLType、LOB(CLOB、BLOB、NCLOB)、BFILE、
LONG、RAW、LONG RAW、N データ型を含むあらゆる高度な Oracle 型を.NET
環境内でサポートします。ほかのプロバイダを使用する場合の制限の 1 つは、ユー
ザーがデータ型機能を制限されることです。たとえば、ODP.NET で、ストアド・
プロシージャから REF Cursor 出力パラメータとして返される複数の結果セットに
任意の方法でアクセスできます。最初の結果を取得せずに 2 つ目の REF Cursor の
結果を取得できます。ほかの.NET プロバイダを使用する場合、線形の方法でデー
タにアクセスする必要があります。また、最初の結果セットのデータは、次のデー
タにアクセスする前に取得する必要があり、これはパフォーマンスに悪影響を与
えます。
そのほかの主要な機能
ODP.NET は、PL/SQL、トランザクション、Unicode サポートを含む多くのほかの
Oracle データベース機能を公開しています。ODP.NET ユーザーは、データベース
の PL/SQL ストアド・プロシージャおよびストアド・ファンクションを完全に実
行できます。PL/SQL はパッケージ化されていてもパッケージ化されていなくても
使用できます。また、.NET 内で無名 PL/SQL としても使用できます。無名 PL/SQL
を採用して、一連の SQL 文のバッチ処理をおこない、1 回のデータベース・ラウ
ンドトリップで文を実行します。文のバッチ処理は、有益なパフォーマンス技術
です。
ODP.NET は、リソース・マネージャとして Oracle データベースを使用したトラン
ザクション・アプリケーションに参加できます。ODP.NET は、.NET 環境におい
て、Microsoft Enterprise Services をトランザクション・コーディネータとして採用
します。Oracle Services for Microsoft Transaction Server(OraMTS)は、ODP.NET、
Enterprise Services、および Oracle データベースのプロキシの役割を果たして、こ
れらのトランザクションを調整します。OraMTS は、トランザクション・アプリ
ケーションの高い可用性とスケーラビリティを維持する ODP.NET プログラマー
向けの強力なアーキテクチャを提供します。ADO.NET 2.0 での ODP.NET は、
System.Transactions 名前空間を通じて分散トランザクションをサポートします。
ODP.NET は、完全に Unicode をサポートします。.NET ユーザーは、さまざまな
言語を使用して簡単にアプリケーションのグローバル対応を実行できます。この
グローバリゼーション・サポートによって、開発者はさまざまな文化/言語設定の
一連のコードを開発できます。ODP.NET グローバリゼーションでは、クライアン
ト・コンピュータの言語設定を抽出して、ロケール固有の形式で情報を表示しま
す。たとえば、日本語に設定されているブラウザには、通貨に円が表示されます。
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
追加のコーディングをおこなわずに、同じアプリケーションをドイツに配置して、
通貨としてドイツマルクを表示できます。したがって、追加のコーディングをお
こなうことなく複数のロケールのアプリケーションを簡単かつ迅速に配置できま
す。
Oracle Database 10g Release 2 の新機能
データベース変更通知
クライアント側のキャッシュで常に課題
になるのは、サーバーのデータ変更と
データの同期です。データベース変更通
知を使用すると、サーバーのデータが変
更された場合に ODP.NET クライアント
に通知され、クライアントはデータ・
キャッシュをリフレッシュできます。
データベース変更通知(Oracle Database 10g Release 2 の機能)を使用すると、目的
のデータベース・オブジェクトに DML または DDL による変更がおこなわれた場
合、クライアント・アプリケーションで通知を受信できます。.NET Framework 1.x
および 2.0 リリースでこの機能を利用できます。
データベース変更通知を使用するには、アプリケーションで問合せをデータベー
スに登録します。基本となるデータベース・オブジェクトの依存性が問合せに含
まれ、オブジェクトの変更がコミットされる場合、データベースで変更通知がア
プリケーションに発行されます。通知には、変更されたデータまたはオブジェク
トのメタデータだけが含まれます。変更されたデータは含まれません。ユーザー
は、変更されたデータを取得するために登録された問合せを再発行するクライア
ント・イベント・ハンドラを作成できます。
データベース変更通知は、キャッシュされた結果を使用するアプリケーションに
とくに役立ちます。データベースへのコストのかかるラウンドトリップを実行せ
ずに、データへの迅速なアクセスを実現するキャッシュがアプリケーションのス
ケーラビリティの向上に効果的でした。しかし、このスケーラビリティには、デー
タが古くなってしまうという欠点があります。
データベース変更通知は、古いデータ・キャッシュの問題を解決します。特定の
イベントに応答する点でデータベース変更通知とトリガーは似ています。ただし、
トリガーはすぐにアクションを実行しますが、データベース通知は単なるアラー
トであり、アクションではありません。実行するアクションと実行時間の決定は
アプリケーションに依存します。アプリケーションは、古いオブジェクトの即時
リフレッシュ、リフレッシュの遅延、または通知の無視を実行できます。
多くの場合、Web アプリケーションはさまざまなデータを処理しますが、すべて
のデータでリアルタイムの問合せが必要な訳ではありません。たとえば、天気予
報は定期的に更新されます。エンドユーザーが、Web ページにアクセスするたび
にデータベースの問合せを実行する必要はありません。多くのユーザーが同じ
データを要求するため、結果をキャッシュしてキャッシュのデータを取得するこ
とで、アプリケーションのパフォーマンスおよびスケーラビリティが大幅に向上
します。しかし、特定の時点で天気予報を更新し、キャッシュをリフレッシュす
る必要があります。これは、現在の天気予報がキャッシュされた予報と大きく異
なる場合に実行されます。
変更通知を受け取ったあとにキャッシュをリフレッシュする問合せの実行プロセ
スには、データベース・ユーザーが CHANGE NOTIFICATION 権限をもつ必要が
あります。このユーザーとして接続し、目的のイベントが発生した際に発行され
る変更通知をアプリケーションがサブスクライブします。
変更通知の開発者は、登録された問合せのためにクライアント側の通知ハンドラ
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
を作成します。変更通知アプリケーションを構築する場合、次の ODP.NET クラス
が使用されます。
•
OracleDependency - アプリケーションと Oracle データベース間の依存性
を作成するために使用されます。データの変更(UPDATE 文など)やスキー
マの変更(DROP TABLE など)の通知をアプリケーションで受信できま
す。このクラスの OnChange イベント・ハンドラは、通知の受信後に実行
する処理のクライアント・ロジックを提供します。
•
OracleNotificationEventArgs - 変更通知のためのイベント・データを提供し
ます。
•
OracleNotificationRequest – 通知リクエストの特性とその通知の指定に使
用されます。
オラクルのデータベース変更通知には、SQL Server では使用できない多くの機能
があります。Oracle はすべてのタイプの結合をサポートしますが、SQL Server は
外部結合または自己結合を含む問合せをサポートしません。SQL Server では
ビューを使用した文の通知をサポートしませんが、Oracle のデータベース変更通
知では固定ビュー(V$表など)とマテリアライズド・ビュー以外のビューをすべ
てサポートします。SQL Server 通知では、明示的な列の参照も必要になります。
Oracle Database の通知では、SELECT *と明示的な列の参照の両方をサポートしま
す。
SQL Server 通知は永続的ではありません。SQL Server の通知は発行されると、通
知ハンドラが削除されます。通知ハンドラが必要な場合、アプリケーションによ
る 新 し い 通 知 ハ ン ド ラ の 作 成 が 必 要 で す 。 Oracle Database の 変 更 通 知 は 、
OracleNotificationRequest.IsNotifiedOnce を true に設定した場合、変更が繰り返され
ても持続します。
Oracle Real Application Clusters(RAC)のサポート
ODP.NET には、Oracle RAC データベー
スの 2 つの接続プーリング機能がありま
す。リアルタイムのクラスタ・メトリッ
クに基づいて、ODP.NET 接続の既存の
ノードのロードバランシングが自動的に
実行されます。また、切断されたデータ
ベース接続が接続プールから自動的に削
除されます。
Oracle RAC は、従来のシェアード・ナッシングおよび共有ディスクのアプローチ
に関する限界を克服し、すべてのビジネス・アプリケーションのためのデータベー
ス・ソリューションを提供する、共有キャッシュ・アーキテクチャをもったクラ
スタ・データベースです。単一のコンピュータ・サーバーよりも優れたスケーラ
ビリティおよび可用性を実現する複数のコンピューティング・ノードにクラス
タ・データベースがホストされます。特別なハードウェアが必要ないため、RAC
クラスタは汎用ハードウェアで構築できます。
ODP.NET は、RAC クラスタへの透過的なデータ・アクセスを常にサポートしま
す。リアルタイムのデータベース・ワークロード情報に基づいて接続管理を改善
するため、オラクルは 10.2 リリースの Oracle RAC と ODP.NET に 2 つの新しい接
続プーリング・プロパティを導入しました。1つ目の機能は、とくにクラスタか
らノードを追加または削除したあと、RAC インスタンス間でロードバランシング
処理を改善します。2 つ目の機能は、切断された Oracle RAC 接続を接続プールか
ら自動的に削除します。
Oracle RAC を使用した ODP.NET 接続の割当て方法は、データベースのロードバ
ランシング・アドバイザリとサービスの目標に基づいています。ロードバランシ
ングは、使用できるすべての Oracle RAC データベース・インスタンスの処理を分
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
散します。
通常、少ない頻度で接続が作成され、長期間接続が維持されます。処理は、頻繁
にシステムに組み込まれます。また、これらの接続を借用し、比較的短期間存在
することになります。ロードバランシング・アドバイザリは、インスタンスに受
信している処理を指示する方法についてアドバイスをし、最適なサービス品質を
提供します。これにより、あとで異なるインスタンスに処理を再配置する必要性
を最小限に抑え、既存のジョブの迅速な実行を保証します。
インスタンス間でこの処理を分散するメトリックは、サービスの目標によって決
定されます。データベース管理者は、サービス時間またはスループットのサービ
スの目標を設定します。サービス時間メトリックは、データベースによるタスク
の実行速度(応答時間)に基づいています。負荷が常に変化するデータベース・
アプリケーションでは、サービス時間が最適です。スループット・メトリックは、
追加のタスクを実行する場合に使用できるプロセッサ・リソースの量を測定しま
す。新しい操作を受信した場合、使用可能なプロセッサ時間が最大のノードに送
信できます。スループット・メトリックは、バッチ・プロセスの実行中に最適で
す。
このようなサービスの目標を使用することによって、フィードバックがシステム
に組み込まれます。全体に最適なサービス時間を提供するために処理がルーティ
ングされます。ルーティングは、変化するシステム条件に正しく対応します。ク
ラスタの Oracle RAC ノードを追加または削除する場合、このロードバランシング
を実行して、システムの変更に関連するすべてのノードに接続を迅速に分散でき
ます。エンドユーザーが、サービスの中断やスローダウンに直面する可能性が減
少します。安定した状態で、システムは、すべての RACインスタンス間で向上し
たスループットで均衡を保ちます。
ODP.NET のこの機能を使用するには、.NET アプリケーションで接続プーリング
を使用し、Load Balancing 接続プール・パラメータを true に設定する必要がありま
す。
Oracle RAC 接続プーリングに追加された 2 つ目の機能によって、停止した Oracle
RAC サービス、サービス・メンバー、またはノードによる接続の切断に関連した
リソースを ODP.NET が自動的に解放できます。この機能がないと、Oracle RAC
ノードで障害が発生した場合も、無効になった接続リソースが接続プールに保持
されます。エンドユーザーは最終的に、プールのこのような切断された接続を使
用する場合があります。これらの接続を識別する方法がない場合、管理者は、Oracle
RAC クラスタの一部で障害が発生するたびにプールのすべての ODP.NET 接続を
再設定する必要があります。
10.2 リリースの Oracle RAC と ODP.NET において、これらの切断された ODP.NET
接続は、実行時に管理者が介入することなく自動的にクリーンアップされます。
この ODP.NET 機能を有効にするには、接続プーリングを使用し、HA Events 接続
プール・パラメータを true に設定します。
ADO.NET 2.0
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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ODP.NET は、プロバイダ・ファクトリ、
接続文字列ビルダー、スキーマ検出 API、
DataAdapter バ ッ チ 更 新 を 含 む
ADO.NET 2.0 の新機能をサポートしま
す。
ODP.NET 10.2.0.2 から、ODP.NET は ADO.NET 2.0 をサポートします。ADO.NET 2.0
では、データ・アクセス・レイヤー(DAL)の新しいレベルの抽象化が導入され
ます。汎用インタフェースを実装するプロバイダ固有のクラスを使用する代わり
に、ADO.NET 2.0 は、System.Data.Common 名前空間から継承される DbCommon
クラスを提供し、開発者はファクトリ・クラスを使用できます。データベース・
プロバイダ・ファクトリ・クラスは、データソース固有のアクセス・コードとは
対照的に、ADO.NET 2.0 をサポートするどのデータベースに対しても汎用的な一
連のデータ・アクセス・コードを簡単に作成できます。
OracleClientFactory クラスは、System.Data.Common のすべてのクラスの作成をサ
ポートします。これらの具象クラスは DbCommon 抽象基本クラスから継承される
ので、DbCommon 基本クラスのオブジェクト名を使用して、汎用 DAL コードを
書き込むことができます。接続文字列、SQL、ストアド・プロシージャ・コール
を含むデータソース固有の DAL の領域があります。
ADO.NET の接続文字列は、名前と値のペアです。DbConnectionStringBuilder クラ
スには、汎用パラメータ名とプロバイダ固有のパラメータ名をマップするディク
ショナリがあります。DbConnectionStringBuilder 汎用クラスから継承および拡張さ
れた OracleConnectionStringBuilder クラスは、Oracle 固有の接続文字列プロパティ
を公開します。プログラマーは、OracleConnectionStringBuilder を動的に使用して、
実行時に接続文字列パラメータを設定するか、app.config ファイルから接続文字列
パラメータを取得するか、あるいはその両方が可能です。
ADO.NET 2.0 のスキーマ検出 API は、データソースからメタデータを取得する一
般的な方法を提供します。開発者は、OracleConnection.GetSchema メソッドの呼出
し を 使 用 し て 、 Oracle メ タ デ ー タ を 取 得 で き ま す 。 5 つ の タ イ プ
( MetaDataCollections 、 Restrictions 、 DataSourceInformation 、 DataTypes 、
ReservedWords)の一般的なメタデータを公開できます。また、取得できる追加の
ODP.NET 固有のデータソース情報があります。
大きい DataSet を使用する場合、開発者は、更新に必要なデータベース・ラウンド
トリップの数を最小限に抑えようとします。プログラマーは、
OracleDataAdapter.UpdateBatchSize プロパティを使用して、ラウンドトリップごと
に更新する行数を指定できます。1 回のラウンドトリップで変更されたすべての
行を更新する場合、UpdateBatchSize をゼロに設定できます。
Oracle Services for Microsoft Transaction Server
Oracle Services for MTS を使用すること
で 、 Oracle ク ラ イ ア ン ト は Microsoft
Distributed Transaction Coordinator によ
る分散トランザクションに関与できます。
ADO.NET 2.0 で は 、 ODP.NET は
System.Transactions を使用して、分散ト
ランザクションをサポートします。
Windows プラットフォームにおいて、オラクルの顧客の多くは、中間層で Microsoft
のトランザクション・サーバーを使用しています。トランザクション・サーバー
は、分散環境では、オブジェクトとトランザクション用のアプリケーション・サー
バーです。そして、その中心となるものは、分散したリソース・マネージャ間で
トランザクションを調整する Distributed Transaction Coordinator(DTC)です。
Windows 2000 では、MTS Executive の代わりに、COM+サービスの拡張機能が採
用されています。.NET の導入により、現在これは、.NET Enterprise Services と
System.Transactions の一部となっています。
Oracle Services for Microsoft Transaction Server(Oracle Services for MTS)は、Oracle
データベースに DTC を統合します。プロキシとして働くサービスは、顧客が Oracle
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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データベースを DTC で調整されたトランザクションにおけるリソース・マネー
ジャとして使用することを可能にします。具体的にいうと、サービスは以下のト
ランザクション操作を提供します。
•
エンリストメント – グローバル・トランザクションのためのコンテキス
ト・メンテナンス
•
完了 – DTC と Oracle 間の 2 フェーズ・コミット・コールの変換
•
リカバリ – インダウト DTC トランザクションの解消
•
接続プーリング – トランザクション・データベース接続リソースの
キャッシュ
Oracle Services for MTS は、パフォーマンス、スケーラビリティ、および可用性の
ために設計されたアーキテクチャを特徴とします。各 MTS サーバーは、それぞれ
のリソース・マネージャ・プロキシのキャッシュを保持しています。そのため、
すべてのデータベースは、関係する多くのプロキシをもつ可能性があります。こ
のプロキシのキャッシュは、MTS サーバー・プロセスのすぐ内側で稼動する Oracle
Services for MTS の統合レイヤーにより維持されます。この統合レイヤーは、アプ
リケーション、DTC、およびデータベース間のトランザクション・エンリストメ
ントと完了を処理します。
複数の MTS 配置において、このモデルは、どのプロキシもシングル・ポイント障
害にならないため、可用性の向上につながります。さらに、このモデルでは、ど
のシングル・プロキシもデータベースに対するボトルネックにはならないため、
全体のパフォーマンスの向上につながります。Oracle Services for MTS の統合レイ
ヤーを MTS プロセス内にもつことで、プロセス内のコールよりも大幅に遅い余分
なプロセス通信を削減できます。
各 MTS サーバーは、リカバリ・デーモンを実行します。リカバリは、再エンリス
トメントを介したインダウト・トランザクションの最終結果を要求するデータ
ベースにより実行されます。PL/SQL パッケージは、あいまいなトランザクション
に関連するリカバリ・デーモンにコンタクトする定期的なリカバリ・ジョブを実
行します。デーモンは、トランザクションの結果を DTC から要求し、データベー
スに結果を提供します。MTSSYS という名前のデータベース管理アカウントが、
DTC リカバリのインストール時に作成されます。
Oracle Services for MTS は、ODP.NET、OO4O、OCI、ADO/OLE DB、ODBC を含
むさまざまなデータ・アクセス・インタフェースを使用したアプリケーションの
開発を可能にします。一般的に、ODP.NET、OO4O、OCI は、Oracle とともにパ
フォーマンスおよび互換性を向上させます。ODP.NET、OO4O、OCI は、Oracle
のリソース・ディスペンサにより提供される最適化された接続プーリングを使用
します。Oracle Provider for OLE DB と Oracle ODBC ドライバは、データベース接
続のための Microsoft のリソース管理を使用します。
Oracle Services for MTS 自体は Windows 上で稼動しますが、任意のオペレーティン
グ・システム上の Oracle データベースとのトランザクションを調整できます。こ
れにより、顧客は、たとえば Windows の中間層を使用した UNIX ベースの Oracle
データベースへのアクセスが可能になります。
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COM アプリケーションと OBDC アプリケーションの開発
COM プログラミングは、とくに古いアプリケーションを拡張する場合に、
Windows の開発者の間で人気を保っています。オラクルは、COM の開発者に、デー
タ・アクセスのための 2 つのプログラミング・インタフェース(Oracle Objects for
OLE と Oracle Provider for OLE DB)を提供します。伝統的な ODBC データ・アク
セスは、Oracle ODBC Driver を通じて提供されます。OLE DB と ODBC は、多く
の場合、Automation レイヤーの Microsoft ActiveX Data Objects(ADO)を通じて使
用されます。
Oracle Objects for OLE
OO4O は、Oracle のネイティブ・ドライ
バであるため、ODBC ドライバおよび
OLE DB ドライバのオーバーヘッドを発
生させません。OO4O は、非常に高速な
パフォーマンスを提供し、最新の Oracle
サーバー機能を公開します。
Oracle Objects for OLE(OO4O)は、簡単に使用できるインタフェースにより最適
化されたアクセスを Oracle データベースに結合する、COM ベースのデータベース
接続ツールです。OO4O は、Web アプリケーションからクライアント/サーバー・
アプリケーションまでのさまざまな環境で使用されます。実質的に OO4O には、
Visual Basic、Visual C++、Microsoft Office、Active Server Pages、MTS/COM+など
の COM をサポートするすべてのプログラミング言語またはスクリプト言語から
アクセスできます。
OO4O は、Oracle のネイティブ・ドライバであるため、Windows クライアントか
ら Oracle データベースに高速パフォーマンスを提供し、ODBC ドライバおよび
OLE DB ドライバのオーバーヘッドを発生させません。OO4O は、とくに Oracle
データベース・サーバーで使用するために開発され、進化してきました。OO4O
は、高度な Oracle 機能への簡単なアクセスを提供します。OO4O を使用しない場
合、ActiveX Data Objects(ADO)などの ODBC や OLE DB ベースのコンポーネン
トからは扱いにくくなるか、アクセスできなくなります。
ADO と Oracle Provider for OLE DB
Oracle OLE DB プロバイダは、インター
ネット・アプリケーション環境の大きな
容量と高い負荷を処理するために構築さ
れました。これは一般的に、Visual Basic
などの任意の COM 環境から、ADO を介
して使用されます。
Oracle Provider for OLE DB は、ADO 開発者に高いパフォーマンスと Oracle データ
ベースへの効率的なアクセスを提供します。OLE DB は、Microsoft のデータ・ア
クセス仕様です。これは、さまざまなデータソースからデータへアクセスし、デー
タを操作するために一連の COM インタフェースを活用します。
Oracle OLE DB プロバイダは、最適化された Oracle データベース用のドライバで
あり、高いパフォーマンスや、LOB、PL/SQL、REF Cursor のサポートといった
Oracle 固有のデータベース機能へアクセスできるようにします。このようなすべ
ての Oracle 機能とデータ・アクセスの最適化は、OLE DB-ODBC Bridge あるいは
そのほかのサード・パーティ製の Oracle 用 OLE DB プロバイダでは利用できませ
ん。Microsoft OLE DB 仕様に対して厳密に準拠することで、Oracle プロバイダは、
ADO 開発者が高度な Oracle 機能の使用を犠牲にすることなく、OLE DB を最大限
に活用できるようにします。
Oracle ODBC ドライバ
Oracle ODBC ドライバは、より伝統的な方法で Windows アプリケーションが Oracle
データベース・サーバーにアクセスできるようにします。Oracle ODBC は Version
3.51 であり、Level 2 に準拠しています。Oracle ODBC ドライバは、パフォーマン
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
スの高い Oracle へのアクセス方法を提供します。
アプリケーションの配置
Windows 上にアプリケーションを配置するには、適切なアプリケーションの相互
運用性を確保するため、ネイティブの Windows サービスと中間層サーバーとの緊
オラクルは、Windows 環境に Oracle ア
プリケーションを統合する多くの異なる
製品を提供します。Oracle Fail Safe、
Windows セ キ ュ リ テ ィ 統 合 、 Active
Directory 統合などはその一部です。
密な統合が必要です。Oracle Database 10g Release 2 がこの緊密な統合を提供するこ
とで、企業は Oracle の高度な機能セットを使用して中核的なオペレーティング・
システムとサーバー機能を活用できます。Oracle による統合は、高可用性をもち、
安全性を確保する、スケーラブルで透過的な相互運用性を実現します。これによ
り、企業は製品の非互換性や非効率性を修正するのではなく、自社のアプリケー
ション・ビジネス・ロジックの構築に集中できます。
Oracle Database 10g Release 2 は、最適化されたアプリケーションの配置環境を保証
する、さまざまなツール・セットを用意しています。ミッション・クリティカル
な Oracle サーバーを Windows クラスタ上に配置するとき、Oracle Fail Safe は
Microsoft Cluster Service を通じて堅牢なフェイルオーバーをサポートし、こうした
サーバーの可用性を保証します。Oracle は、ネイティブの Windows セキュリティ
とディレクトリ・ツールとの統合により、データベース・セキュリティを改善し
ながら管理性を高めます。
Oracle Fail Safe
Microsoft Cluster Service と統合したこ
とで、Oracle Fail Safe は Windows 上の
Oracle ソフトウェアの可用性を高く維持
できるようになりました。Oracle Fail
Safe は、Oracle データベース・アプリ
ケ ー シ ョ ン ・ サ ー バ ー と Oracle
E-Business Suite をサポートします。
Oracle Fail Safe は Oracle Database 10g Release 2 の中核機能であり、Windows クラ
スタ上に配置されたミッション・クリティカルなソリューションの可用性を高め
ます。クラスタは、個々のホスト・システムがポイント障害にならないようにす
る構成です。Oracle Fail Safe は、Microsoft Cluster Service(MSCS)と連携し、1 つ
のクラスタ・ノードで障害が発生した場合に、そのノード上で実行されている
Oracle データベースおよびアプリケーションが稼働中のノードへ、迅速に自動で
フェイルオーバーをおこないます。Oracle RAC とは異なり、Oracle Fail Safe はア
クティブ-パッシブのクラスタです。そのため、スタンバイ・マシンはアクティブ・
ノードに障害が発生するまでワークロードを引き継ぎません。
Oracle Fail Safe は、単一システムでデータベースやアプリケーションのワークロー
ドを扱えるよう、Windows の顧客向けに最適化されています。Oracle Fail Safe の
ソリューションは、すべての汎用 Windows クラスタに配置できます。Windows
Server 2003 Datacenter であれば、8 ノード・クラスタまでサポートします。これは、
現在 Windows 上で構成できる最大のノード数です。サポートされる製品は、次の
とおりです。
•
Oracle データベース(Oracle10g、Oracle9i、Oracle8i、Oracle8)
•
Oracle Applications Release 11i
•
以下を含む Oracle iAS(キャッシュ製品を除く)
•
•
Oracle Forms Server
•
Oracle Reports Server
•
Oracle HTTP Server
Oracle Services for Microsoft Transaction Server
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
•
Oracle Intelligent Agent
•
Windows サービスとしてインストールされたアプリケーション
このほか、SAP、Baan、PeopleSoft、Lawson、J.D. Edwards などそのほかのアプリ
ケーション・ベンダーのソフトウェア製品も、Oracle Fail Safe との有効性が確認
されています。
Oracle Fail Safe は、サーバーとマネージャという 2 つの主要コンポーネントをもっ
ています。サーバー・コンポーネントの Oracle Services for MSCS は、クラスタ・
ソフトウェアと動作することで計画停止および計画外停止時の迅速な自動フェイ
ルオーバーを実現します。マネージャ・コンポーネントの Oracle Fail Safe Manager
は、使い勝手のよいグラフィカルなインタフェースであり、1 つ以上のクラスタ
の Oracle Fail Safe Server で動作し、構成、管理、検証、スタティック・ロードバ
ランシングを実行します。これらのコンポーネントを組み合わせることで、豊富
な機能のセットや統合されたトラブルシューティング・ツールを提供し、可用性
の高いデータベースおよびアプリケーションからなる完全な e-ビジネス・ソ
リューションを迅速に配置できます。
ロジカル/フィジカル・スタンバイとマルチ・クラスタの管理性
Oracle Fail Safe は、ロジカル・スタンバ
イ/フィジカル・スタンバイをサポートす
ることで、障害から保護します。管理性
の向上のために、複数のクラスタを同一
コンソールから管理できるようになりま
した。
ロジカル/フィジカル・スタンバイの統合により、Oracle Fail Safe データベースを
プライマリ・サイトやあらゆるリモート・スタンバイ・サイトで実行できるよう
になりました。Oracle Fail Safe はデータベースを監視し、オンラインやオフライ
ンを切り替えることができます。これにより、クラスタ内のシングル・インスタ
ンス障害において、停止時間を最小限に抑えることができます。さらに、スタン
バイ・サイトを管理するというメリットが得られます。Oracle Fail Safe は、Windows
環境で一般的におこなわれるソフトウェアおよびハードウェアのアップグレード
といった計画フェイルオーバーで多く使用されます。ロジカル/フィジカル・スタ
ンバイにより、Oracle Fail Safe は真の障害保護を提供できるようになりました。
両製品は互いを補完し、個別に使用する場合よりも高い可用性と障害保護を提供
します。
複数のクラスタを配置する場合は、Oracle Fail Safe Manager を使用して 1 つ以上の
クラスタを表示できます。ユーザーは各クラスタを個別の画面で管理するのでは
なく、同一画面ですべてを管理できます。たとえば、管理者は単一ウィザードを
使用して Oracle Fail Safe クラスタ上のすべてのデータベースのデータベース・ア
カウント資格証明を一度に修正できます。ポリシーの比較、クラスタの表示、ま
たはアラートの選択などを個別におこなうという、手間のかかる作業を回避でき
ます。
セキュリティ
Oracle データベースは、シングル・サイ
ンオン、Windows Kerberos、Windows
SSL を含む、いくつかの Windows セキュ
リティ・メカニズムをサポートします。
Windows レジストリに Oracle Wallet を
格納できることで、安全性の低いオペ
レーティング・システムのファイル格納
を 排 除 し ま す 。 Oracle は Microsoft
Certificate Store と 統 合 さ れ て お り 、
Oracle PKI と Windows PKI アプリケー
ションはシームレスに連携します。
Oracle Database 10g Release 2 は、ネイティブの Windows セキュリティ・モデルと
緊密に連携し、アプリケーション・セキュリティのさらなる安全性を確立します。
クライアント/サーバー環境では、Oracle Database にサインオンする Microsoft
Windows 資格証明や認証サービスを利用するサイト向けに、次の 3 つのオプショ
ンが提供されています。
•
Oracle データベースには Windows Native Authentication Adapter が含まれて
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
おり、サーバーおよびクライアントの Oracle Net とともに自動インストー
ルされます。この機能により、データベース・ユーザーは、データベース
認証をサポートするために Windows ユーザー証明書を使用してシング
ル・サインオンができるようになります。この機能を使用するには、
Microsoft Windows ユーザーをデータベースの外部ユーザーとして定義す
る必要があります。このようなユーザーには、Microsoft Active Directory
Services でデータベースに適用される外部ロールが割り当てられます。
•
データベース・オプションの Oracle Advanced Security は、Microsoft Key
Distribution Center(MSKDC)の発行する Kerberos チケットを使用したデー
タベース認証をサポートしています。Microsoft Windows 環境で有効な
Kerberos チケットを発行されたユーザーは、この機能を使用してユーザー
名/パスワードを入力せずにデータベース・アカウントにサインオンでき
ます。
•
このほか、Oracle Advanced Security オプションは X509v3 認証を使用した
SSL によるデータベース認証についてもサポートしています。この認証は、
Microsoft Certificate Store(MCS)により発行されます。この機能を使用す
るには、クライアントで設定した Oracle Wallet に証明書が含まれている必
要があります。Oracle Wallet は、Microsoft Windows レジストリのユー
ザー・プロファイル領域か、クライアントの任意のファイル場所に保存で
きます。
Web 環境では、Oracle Single Sign-on から MCS と統合できます。パスワード・ベー
スの認証メカニズムのサポートに加え、Oracle Application Server は、Oracle Single
Sign-On Server を介して証明書ベースの認証もサポートします。この証明書は、
MCS により生成されます。証明書ベースの認証を使用するには、ブラウザのウォ
レットと、Oracle Internet Directory の該当するユーザー・エントリにユーザー証明
書を作成する必要があります。
Windows レジストリの Oracle Wallet
Oracle Wallet は Windows レジストリ内に格納でき、Windows クライアントのセ
キュリティを向上させます。この機能がない場合、Oracle Wallet は通常 Windows
ファイル・システム内に格納されます。オペレーティング・システムのファイル
権限がセキュアでなければ、Oracle Wallet もセキュアではありません。セキュア
ではないファイル権限は、不適切な管理またはオペレーティング・システムのファ
イル・セキュリティの欠如によってもたらされます。このことから、Windows シ
ステムでは公開鍵インフラストラクチャ(PKI)セキュリティを向上させるため、
Windows レジストリのユーザー・プロファイル領域に Oracle Wallet を格納します。
このレジストリ領域は、正しくログインしたユーザーのみがアクセスできます。
プロファイル領域からは、複数の Oracle Wallet を使用および格納できます。
Oracle PKI アプリケーションのシングル・サインオンは、Oracle Wallet Manager ツー
ルおよび Oracle Enterprise Login Assistant ツールから有効化できます。Oracle Wallet
Manager は Oracle Wallet を暗号化し、Oracle Enterprise Login Assistant は Oracle
Wallet を復号化します。復号化されたウォレットは、Oracle PKI アプリケーション
の SSL 認証で使用します。両ツールは、レジストリ内の Oracle Wallet の格納と配
置をサポートするほか、必要に応じてデフォルトのファイル・システムをサポー
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
トするよう強化されています。
Microsoft Certificate Store との統合
Oracle が Microsoft Certificate Store と統合することで、Oracle PKI アプリケーショ
ンは Windows PKI を使用する製品と相互運用できます。この機能を有効化すると、
Oracle PKI セキュリティは Microsoft CryptoAPI を使用して Microsoft Certificate
Store にアクセスします。CryptoAPI は署名、暗号化、復号化、確認、検証などの
操作で使用します。Wallet Resource Locator(WRL)は、PKI の種類およびそのほ
かの関連情報を決定します。
この機能により、Oracle および非 Oracle アプリケーションは認証や暗号化といっ
た公開鍵セキュリティ・サービスで、同じ PKI 資格証明(証明書、鍵、証明書失
効リスト、トラスト・ポイントなど)のセットを活用できます。
ディレクトリ
オ ラ ク ル の Directory Integration and
Provisioning プラットフォームにより、
Oracle Internet Directory は 、 Active
Directory を含むそのほかのディレクトリ
との同期とプロビジョニングを一元管理
します。Oracle は Active Directory または
Oracle Internet Directory 内にユーザー・
マッピングを格納することで、Windows
のシングル・サインオンとユーザー管理
を簡単に実現します。さらに、Net ネー
ミング
(tnsnames.ora)を Active Directory
または Oracle Internet Directory 内に格納
し、一元管理することも可能です。
ディレクトリ・サーバーは多くの場合、管理を一元化することでユーザーとリソー
スの管理を簡単にします。Oracle Internet Directory は、ディレクトリ・サーバーを
一元化して、Active Directory などの既存ディレクトリ・サーバーを活用できるよ
うにします。Oracle Internet Directory の Directory Integration and Provisioning プラッ
トフォームは、一連のサービスとインタフェースで構成されています。これらは、
ディレクトリとほかのリポジトリ間の同期化とプロビジョニング・ソリューショ
ンの開発を支援します。これらには、Microsoft Active Directory Services、アプリケー
ション・ユーザー・リポジトリ、または人事情報を含むデータベース表といった
そのほかのディレクトリが含まれます。
このプラットフォームには、プロビジョニング・サービスと同期化サービスの 2
つのサービスが含まれます。プロビジョニング・サービスは、ディレクトリ内の
ユーザー・エントリやグループ・エントリが更新または削除された場合に、アプ
リケーション固有のユーザー・プロビジョニング・アクティビティの自動実行を
支援します。このサービスは、接続システム内のユーザーの権限を追加、削除、
または一時停止する PL/SQL プロシージャとして実行されます。Oracle 製品のさ
まざまなコンポーネントが、プロビジョニング・エンジンを使用して、ディレク
トリ内で管理するユーザーの"アカウント・フットプリント"を自動的に作成しま
す。
同期化サービスは、Oracle Internet Directory 内のデータに加えられた変更を、これ
らの特定のディレクトリ・データセットをサブスクライブする接続済みエージェ
ントに発行します。また、このサービスは、接続システムの変更を読み取り、適
用します。これらのアクションが一体となることで、Oracle Internet Directory の
データと Microsoft Active Directory Services などの接続システムの"同期化"を支援
します。
Oracle には、Windows において Orace Internet Directory と Active Directory の両方を
活用する 2 つの付加的なネイティブ統合機能が含まれます。
•
ネイティブ認証と Active Directory
•
Oracle Net ネーミングにおける Active Directory
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
ネイティブ認証と Active Directory
オラクルの顧客は多くの場合、企業規模のセキュリティやスキーマ管理を必要と
します。とくにユーザー数の多いビジネスではこの点を考慮することが必要です。
Oracle Internet Directory はこ れ ら の エ ン タ ー プ ラ イ ズ 環 境 を 管 理 し 、 Active
Directory などの部門ディレクトリ・サーバーと相互運用できるよう設計されてい
ます。Oracle のセキュリティと管理はこれらのディレクトリ・サーバーと統合さ
れ、シームレスなアクセスと管理を実現します。
Oracle は、Windows の認証メカニズムを介して、ネイティブ認証を提供します。
これにより、オペレーティング・システムが Oracle データベースのためのユーザー
認証を実行できます。Oracle は、中核的な Kerberos セキュリティ・プロトコルを
Windows でサポートします。ネイティブ認証の有効化により、ユーザーはシング
ル・サインオンを活用して、単純に Windows へログオンすることで、Oracle へア
クセスできます。これにより、エンドユーザー管理が軽減され、冗長なセキュリ
ティ資格証明が排除されます。
Oracle エンタープライズ・ユーザー・マッピングは、多くのオペレーティング・
システム・ユーザーがシングル・グローバル・データベース・ユーザーとして複
数のデータベースにアクセスできるようにするものです。Windows のみの環境で
あれば、これらのエンタープライズ・ユーザー・マッピングは Active Directory に
格納します。たとえば、Active Directory 内の LDAP 組織単位(OU)全体を 1 人の
データベース・ユーザーにマッピングできます。
Oracle は、エンタープライズ・ロール・マッピングを LDAP に格納します。Windows
において、この LDAP ストレージ機能は、Active Directory と同様に Oracle Internet
Directory 上でも認証されます。エンタープライズ・ロールは、ディレクトリを通
じて複数のデータベースの権限をドメイン・レベルで管理します。これは、
Windows ユーザーとグループを LDAP ストア内に登録された Oracle エンタープラ
イズ・ロールに割り当てることで実施します。
Active Directory における Oracle Net ネーミング
Oracle が Oracle Internet Directory および Active Directory を通じて LDAP テクノロ
ジーを活用することで、エンドユーザーのデータベース接続情報管理が改善され
ます。これまで、Oracle Net 形式の名前によるエンドユーザーの参照データベー
ス・サーバーは、TNSNAMES.ORA 構成ファイルを介して解決されました。この
ファイルはそれぞれのクライアント・マシン上で管理する必要があります。管理
性を高めるために、Oracle Net の名前は Oracle Internet Directory または Active
Directory を介して格納され解決できます。これらの情報をディレクトリ内に一元
管理することで、管理のオーバーヘッドが削減され、ユーザーは個々のクライア
ント・マシンを構成する作業から解放されます。
さらに、Windows Explorer や Active Directory Users and Computers などの Windows
ツールはデータベースに接続し、データベースの接続性をテストできるようにな
りました。また、Oracle ツールも参加できます。Oracle Database Configuration
Assistant は、自動的に LDAP ディレクトリへデータベース・オブジェクトを登録
します。その一方で、Oracle Net Manager は、ディレクトリにネット・サービス・
オブジェクトを登録します。これらの機能強化により、管理がより簡素化されま
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
した。
結論
WindowsWindows アプリケーションの開発および配置に関わるテクノロジーが進
化してきたように、Oracle も進化しました。Oracle Database 10g Release 2 は、パ
フォーマンス、スケーラビリティ、操作性、セキュリティを犠牲にすることなく、
自社の要件に合ったアプリケーション・ツールとアーキテクチャを選択できる、
これまでにない柔軟性を顧客に提供します。オラクルの Windows プラットフォー
ムに対するコミットメントは、ADO.NET 2.0 インフラストラクチャおよび Visual
Studio 2005 との新しい統合を含みます。Windows 上で稼動することを前提に
Oracle Database 10g Release 2 を設計したことで、顧客のソフトウェア・アプリケー
ションは、オペレーティング・システムとデータベース間でシームレスな相互運
用性を獲得できます。
Windows での Oracle や.NET について、詳しくは以下を参照してください。
OTN Windows Technology Center:
http://www.oracle.com/technology/global/jp/tech/windows/
OTN .NET Developer Center: http://www.oracle.com/technology/global/jp/tech/dotnet/
WindowsでのOracle: http://www.oracle.com/lang/jp/technologies/microsoft/
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
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Oracle Corporation 発行「Oracle Database 10g Release 2 on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。
Windows での Oracle Database 10g Release 2:開発と配置
2006 年 5 月
著者:Alex Keh
共著者:Christian Shay
Oracle Corporation
World Headquarters
500 Oracle Parkway
Redwood Shores, CA 94065
U.S.A.
海外からのお問い合わせ窓口:
電話:+1.650.506.7000
ファクシミリ:+1.650.506.7200
www.oracle.com
オラクル社はインターネット上での活動を強化するソフトウェアを提供しま
す。
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ビスの名称は Oracle Corporation の商標です。その他の製品とサービスの名
称はすべてそれぞれの会社の商標です。
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