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西豪州政府が州内ガス供給重視策を提案 - JOGMEC 石油・天然ガス

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西豪州政府が州内ガス供給重視策を提案 - JOGMEC 石油・天然ガス
更新日:2006/9/14
シドニー事務所:三宅裕隆/石油・天然ガス調査グループ:坂本茂樹
豪州: 西豪州政府が州内ガス供給重視策を提案、LNG 輸出プロジェクトへの影響は?
(西豪州政府 HP、豪州連邦政府 HP、シドニー事務所情報、Platts、コンサルタント情報)
西豪州政府は、2006 年 2 月、将来の州内ガス供給を確保するために、西豪州でガス事業を行う事業
者に対してガス埋蔵量の 10~20%の州内向け供給を義務化する政策を提案した。対象事業は、沖合 3
海里以内および陸域の州所管鉱区、ならびに陸上に処理設備を持つガス事業である(つまり、陸上に液
化設備を持つ LNG 事業はすべて対象になる)。
これに対して、LNG 事業者(国際石油企業)と自由主義経済を標榜する連邦政府は、西豪州政府提
案は LNG 事業採算を悪化させ事業家の投資意欲を損ねるものとして、反対意見を表明している。
2006年9月初旬に、連邦政府の音頭によって、ガス輸出と域内供給を含むガス供給マスタープランを
検討する作業部会の設立が合意され、今後はこの作業部会の検討の行方が注目される。
1. 西豪州政府提案の経緯
2006 年 2 月、西豪州政府(Western Australia State:WA)の産業・資源省は、“WA Government
Policy on Securing Domestic Gas Supplies”に係る協議書を発表して、関係者の意見を求めた。西豪
州政府とガス事業者間の State Agreement の締結を必要とする、海岸線から 3 海里以内の海域及び陸
域に生産施設を設置する新規 LNG 開発プロジェクトについて、将来の西豪州のエネルギー安定供給と
産業の発展のため、その埋蔵量の 10~20%を限度として西豪州内への供給義務を課するものである。
この提案に対して、ガス開発事業者・業界団体の反対意見書、連邦政府の否定的な発言が寄せられ
ているが、西豪州 Alan Carpenter 首相は、強い意志を持って当該方針の実施にあたる構えである。
2. 西豪州政府提案の趣旨
(1) 提案内容
ア 根拠
1979 年に北西大陸棚プロジェクト(North West Shelf Project、NWS)オペレーターの Woodside と
締結した State Agreement により、西豪州内にガス供給が行われているが、その残存量は 2.6Tcf に減
少している。また 2003 年に Chevron と State Agreement が締結された Gorgon ガス田は、1.85Tcf
-1Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたも
のであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結
果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
し上げます。
の州内供給義務が課せられている(但し、ガス価格が経済的でない場合、供給しなくてよい条件となって
いる)。西豪州産業・資源省の協議書には、NWS と Gorgon のガス田及び新規開発予定ガス田からの供
給量と西豪州の長期ガス需要予測に基づくと将来の域内ガス供給不足が見込まれるので、新規ガス田
についても州内供給の義務付けが必要としている。
State Agreement
締結済の LNG 事業
供給状況
NWS (Woodside)
Gorgon Chevron)
供給中
2010 年以降生産開始
契約上規定された
西豪州向け供給量
Tcf
4.7
1.85
2006 時点の
残存供給可能量
Tcf
2.6
1.85
西豪州のガス可採埋蔵量は 113Tcf であり、オーストラリア全体の約 80%を占めているが、そのほとん
どが連邦政府所管の沖合地域に位置している(海岸線から 3 海里以遠)。
図 1 豪州のガス埋蔵量 (西豪州政府 HP、産業・資源省)
-2Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたも
のであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結
果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
し上げます。
イ 提案の概要
(ア)西豪州のガス需給およびその予測
・西豪州の年間ガス需要 0.27Tcf の 70%は、NWS 事業からの供給によって賄われている。
・NWS と西豪州政府間の State Agreement では、西豪州に対して 4.7Tcf のガス供給が定められて
いるが、残存量は 2.6Tcfに減少している。
・西豪州のガス需要が年平均 4%で増加するとの前提を置くと、2005~2020 年の消費量合計が約 6.2
Tcfと見込まれる。
・4%の増加率がその後も継続すると仮定すると、2020~2040 年のガス消費量は、約 15.8Tcfと見込
まれる。
(イ)需給バランス
・2020 年までに州内供給が可能な既存ガス田からの供給量は 4.2Tcf であり、必要量 6.2Tcf のうち約
2Tcf が不足する。
・Gorgon プロジェクトと新規の小ガス田からの供給によってほぼ需要を満たすことができるが、
Gorgon プロジェクトが供給不可となれば、不足量については、北西大陸棚および計画中の新規
LNG プロジェクトからの供給が必要となる。
・また 2020 年以降は、州内需要に対し、将来の新規LNGプロジェクトからの供給が必須となる。
A
ガス需要量
B
供給可能量
Tcf
2005~2020 年
2020~2040 年
B-A
不足量
Tcf
6.2
15.8
4.2
-
Tcf
S 2.0
S15.8
(2) 西豪州 Carpenter 首相の意図
Carpenter 首相は、前西豪州開発・エネルギー大臣で資源政策のエキスパートであり、また、同州経
済が資源産業で成り立っていることを十分に認識している。協議書の前文にも「WA 州のエネルギー安
定供給と産業の発展のため」と記述されており、域内産業育成を重視しているものと見られる。
一方、政治的には次のような状況がある。前回の州議会議員選挙は 2005 年 2 月に実施され、次回選
挙は、2009 年2月に予定されているが、最近の世論調査では、首相が所属する労働党支持率が 42%、
対する自由党と国民党(連邦議会の連立与党) の支持率が 40%と拮抗している。2 大政党制下の世論形
成には、政策判断が大きなポイントになるものと推測される。なお連邦議会では、連立与党(自由党と国
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のであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結
果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
し上げます。
民党)が 44%と労働党の 42%を上回っているが、全ての州の支持率では労働党がわずかではあるが上
回っている。このように、連邦レベルと州レベル双方で政権与党と野党の支持率が拮抗しているため、明
確な政策の違いをアッピールしようとする意向があるものと考えられる。
3. 石油ガス開発に係わる州政府の法的権限
(1) 石油天然ガス探鉱開発に係る関連法規
適用地域
海 域
連邦政府所管
法
規
適
用
連 邦 石 油 法 1967 (Commonwealth Petroleum 海岸線より 3 海里以
(Submerged Lands) Act)*
遠の海域
西オーストラリア 州 石 油 法 1982 (Western Australia Petroleum 海岸線より 3 海里以
(Submerged Lands) Act
州所管
内の海域
陸 域
西オーストラリア 州石油法 1967 (Petroleum Act)
陸上地域
州所管
*: 2006 年3 月1 日改正案(Offshore Petroleum Act)が上院を通過し施行されたが、現在、各州、準
州の関連法案の改正中であり、まだ実行されていない。なお、内容的には、旧法との大きな違いは
ない。
(2) 州政府と連邦政府の権限
ア 法的解釈
現在の連邦法、州法では、州内陸上及び海岸線より3海里以内の海域で生産及び生産施設を設置
するプロジェクトは、州法の適用を受ける。州政府と開発事業者が State Agreement を締結し、西
豪州内への供給を規定した場合、その内容に連邦政府が関与・介入することは出来ない。
イ 関係者の発言
Ian Macfarlane 連邦政府産業観光資源相は、州法と連邦法に関する法的権限確認の中間的報告
として、西豪州と石油開発会社間で State Agreement が締結された場合、その内容について連邦
政府が介入することは出来ないと指摘している。
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたも
のであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結
果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
し上げます。
4. 西豪州政府提案に対する連邦政府及び産業界等の反応
(1) 連邦政府の反応
ア John Howard 首相
「天然ガス資源は、西豪州に住む人たちの所有物ではなく、豪州全体のものである。」(2006 年 7 月、
ABC ラジオのインタビュー)との発言にあるとおり、基本的に西豪州の方針に反対の立場である。
イ Ian Macfarlane産業観光資源相
5 月の APPEA(Australian Petroleum Production & Exprolation Association)会議にて、「地
域内供給は、政策的に決めるものではない。また、信頼性のある供給者としての評判に深刻なダメ
ージを与え、将来の LNG プロジェクトの信頼性を傷つけるものである。」との強い反対意思を表明
している。
(2006 年 8 月 31 日に開催された国際会議(Asia-Pacific Economic Cooperation Gas Forum)で
同大臣と西豪州首相との間で論戦があったが、その報道記事に、連邦政府は法改正等により、州
法の適用に歯止めをかける可能性があるとのコメントがあった。)
(2) 産業界の反応
ア APPEA
2006 年 4 月文書にて、西豪州産業資源省大臣宛に反対意思表明を行っている。
主な理由は、西豪州政府提案は市場経済主義に反した強制であり、オーストラリアの国際競争力を弱
め、また海外投資を減退させる、としている。
イ ガス開発企業(国際石油企業)
西豪州のガス開発の発展可能性は、相当に高く、州政府の言う供給不安は、現実的ではない。自由市
場は、需要と供給のバランスを保つ最適なメカニズムである。
ウ 西豪州内の鉱業・製造業
アルミニウム精錬などエネルギー多消費産業には、安価なエネルギー供給のために州政府提案を支
持する意見が見られる。
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
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し上げます。
5.LNG輸出プロジェクトへの影響
(1) 国内需要と LNG 輸出価格の差異
豪州の国内ガス販売は安価な価格で契約されており、現時点の売価(US$換算後)は US$2.0~
2.5/MMBtu であって、輸出 LNG 向け価格に比べて大幅に安い。
仮に西豪州内供給のガス価格を US$2.5/MMBtu、輸出LNG 向けガス価格を US$4/MMBtu として、
西豪州内供給義務を 20%と仮定すると、LNG プロジェト単位で以下の通りの収入減となる。
収入の減少率=US$ (2.5-4) /MMBtu÷US$4/MMBtu×20%=-7.5%
この数字は、プロジェクトの採算性指標である ROR から見ても、大きな値と言わざるを得ない。
(2) 西豪州で予定される新規 LNG プロジェクトへの影響
上記(1)の前提を用いると、個々の新規 LNG 事業に対して下表の影響が考えられる。
プロジェクト
参加企業と
シェア(%)
生産
開始年
生産期
間 (年)
Pluto
Woodside*
(100)
Woodside*,
BP,
Chevron,
Shell,BHP
Billiton
BHPBilliton
(50),
ExxonMobil*
(50)
Inpex*(100)
2010
12~17
A
可採
埋蔵量
(Tcf)
4.1
2012~
14
31~62
20.7
21,528
86.11
S6.458
2010
22
8.0
8,320
33.28
S2.496
2012
33
9.5
42.3
9,880
43,992
39.52
176.01
S2.964
S13.197
Browse
Scarborough
Ichthys
計
B
同左
熱量換算
(tBtu)
4,264
C
D
全量LNG 20%州向
売上収入 →収入減
10 億US$ 10 億US$
17.1
S1.279
注 1; B(埋蔵量熱量換算値)=A×1,040
C(全量 LNG ケースの売上収入)=B×US$4/MMBtu
D(州内供給 20%ケースの収入減)=B×20%×US$(2.5-4)/MMBtu
注 2;参加企業欄の*印は、オペレーター
注 3;日本企業への販売先は、Pluto の東京ガス、関西電力が基本合意済み
注 4;日本企業による開発案件は、INPEXの Ichthys 事業(Total の 24%事業参加が合意済み)
-6Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたも
のであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結
果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
し上げます。
LNG事業者が20%の州内供給を実施した場合、全量輸出した場合と比べて、総売上高の7.5%相当
が減額となる。上記試算による新規 4LNG 事業の売り上げ減少額合計は、約 132 億米ドル(=1兆
6,000 億円、¥120/US$)となる。
図 2 豪州の LNG 事業、ガス関連施設 (各種情報から JOGMEC 作成)
(3) 州政府開発関連法規の適用
新規LNG プロジェクトの鉱区は、全て海岸線から3海里以遠にあるため、生産施設が鉱区内に設置さ
れる場合は州法(及び State Agreement)の適用を受けることはない。しかし、生産コスト、環境問題、供
給安定性等の理由により、陸上を含む州法の適用域内に液化等生産施設が設置される場合は、西豪州
の法規・方針の対象案件となる。
-7Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたも
のであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結
果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
し上げます。
6.今後の見通し:ガス供給に係わる作業部会の設立
2006 年 9 月 1 日、連邦政府のMacfarlane産業観光資源相は、連邦および各州政府エネルギー担当
相が出席した第 6 回鉱物石油資源に係わる閣僚会議において国内市場向けガス供給を含めた国家ガ
ス計画の立案を検討する作業部会(working group)設立が合意されたと述べた。Macfarlane氏は、世
界有数の LNG 輸出大国である豪州の国家レベルの目標と長期的な国内市場向けガス供給の重要性と
のバランスを確保するために、この作業部会が国家ガス計画を策定すると続けた。
前日の国際会議(Asia-Pacific Economic Cooperation Gas Forum)において、Macfarlane連邦政
府産業観光資源相と Carpenter 西豪州首相との間で論戦があったと伝えられるように、自由経済に拠る
交易を重視して投資家の投資意欲減退を懸念する連邦政府と域内産業育成を重視する西豪州政府の
基本姿勢は変わっていない。しかし、この作業部会内の協議によって、現実的な解決が図られることが
期待される。
7.西豪州のガス需要動向
豪州はエネルギー消費に占める石炭の比率が最も高いが(41%)、石炭生産が少なくてガス資源の豊
富な西豪州は、エネルギー消費に占めるガス比率が高い(約 50%)。西豪州は他州と比べると、相対的
に天然ガス供給を重視する状況にある。
(1) 豪州のエネルギー需要
豪州の 2,062 万人の人口(2006 年 9 月、政府統計局)は、早くから開けた南東部 3 州(ビクトリア、ニュ
ーサウスウェールズおよびクイーンズランド州)にその 78%が集中し、開発の歴史が浅い西豪州(203 万
人、2005 年 12 月)の人口比率は約 10%である。地域別のエネルギー消費比率もほぼ人口比率に見合
っている(西豪州の比率は 14%、ABARE エネルギー統計)。
豪州は石炭、石油、天燃ガスなどの豊富なエネルギー資源を産出する。国内全体のエネルギー源別
の消費比率は、最も高い石炭が 41%、石油、天然ガスがそれぞれ 35%、19%であった。
図 3 豪州のエネルギー消費 燃料別比率 (ABARE エネルギー統計 2006)
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機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたも
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豪州1次エネルギー消費比率(2005年)
再生可エネ
ルギー
5%
石炭
石油
天燃ガス
再生可エネルギー
天燃ガス
19%
石炭
41%
石油
35%
ただし、各エネルギー生産地には地域的な偏りがあり、州毎にエネルギー消費パターンが異なる。豊
富な石炭は東部のクイーンズランドおよびニューサウスウェールズ州で約 97%を生産し、主に同地域内
で消費されまた同地域から輸出される。発電用エネルギーのソース別比率を見ると(図 4 参照)、豊富な
石炭、褐炭が全体の 86%を占め、天然ガス比率は 7%に留まっている。石炭火力発電所の約 85%は、
石炭産地であるクイーンズランドおよびニューサウスウェールズ州に立地している。
図 4 豪州の発電用エネルギー比率 (EIA, Electric Gas Australia 2005)
豪州発電用エネルギー比率(2005年)
天燃ガス
7%
石油他
0%
水力
7%
褐炭
26%
石炭
褐炭
水力
天燃ガス
石油他
石炭
60%
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果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
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一方、天然ガス埋蔵量(沖合を含む)は最大の西豪州が全国の約 80%を占めるが、南東部諸州にお
いても陸上ガス田(Cooper、南豪州・クイーンズランド州)、バス海峡の油ガス田(Gippsland 堆積盆、ビ
クトリア州)などの生産ガスが広く国内消費に利用されている。
図 5 プロジェクト別のガス販売量 (2005 年、コンサルタントデータ)
プロジェクト別ガス販売量:2005=3,900MMcfd
NWS, WA
その他WA沖合
Bass Strait, Victoria
その他沖合
Cooper Basin, SA/QLD
その他陸上
4%
13%
7%
56%
15%
5%
注:NWS は LNG 輸出+国内需要向け、他事業はすべて国内需要向け
天然ガス消費量を州毎に見ると、最大の西豪州が全体の35%を占め、ついでビクトリア州が25%であ
る(図 6 参照)。連邦政府は、将来(~2030 年)の天然ガス消費に占める西豪州の比率を 36~39%で推
移していくものと予測している。
図 6 州別のガス消費量推移 (ABARE エネルギー統計 2006)
GT
豪州 州別ガス消費量推移
30 000
25 000
20 000
15 000
10 000
5 000
0
5
3
1
9
7
5
3
1
-9 2-9 4-9 6-9 8-9 0-0 2-0 4-0
0
0
0
0
9
9
9
9
9
19 19 19 19 19 20 20 20
Northern Territory
Tasmania
South Australia
Western Australia
Queensland
Victoria
New South Wales
- 10 Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
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(2) 西豪州のガス需要動向
西豪州は、石炭の生産量が少なく(全国の 2%程度)天然ガス資源が豊富であることから、州内エネル
ギー消費に占める天然ガス比率が全国の 19%を大きく上回る約 50%である。
図 7 西豪州のエネルギー需要推移 (西豪州政府 HP)
連邦政府は、西豪州の将来のエネルギー需要の中で、天然ガスの伸び率が石油など他の主要エネル
ギー源に比べて大きいものと見ている。連邦政府が想定する 2030 年までの天然ガス需要の年平均伸
び率は、豪州全体が 2.8%、西豪州は 3.0%である。
図 8 豪州の州別ガス需要予測 (ABARE エネルギー統計 2006)
州別ガス需要予測
PJ
2500
2000
1500
1000
500
0
05
10
15
20
25
30
4949490
0
1
1
2
2
20
20
20
20
20
20
NT
TAS
SA
WA
QLD
VIC
NSW
- 11 Global Disclaimer(免責事項)
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