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OLM Digital

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OLM Digital
265 台の高性能レンダリングサーバで
高精細な映像表現のフル CG 作品を生む
OLM Digital
猫の毛並みや目の輝き、四季の風景などの細かな映像表現を
迅速にレンダリングするために5,364コアの HPCシステムを導入
カスタマー・プロファイル
企業名:
株式会社
オー・エル・エム・デジタル
業 種:
映像制作
所在国:
日本
従業員数:
165 名(2016 年 5 月現在)
Web サイト: http://olm.co.jp/
課題
約 15 年前からデザイナーのワークステーション
ではなく、別途サーバを立ててレンダリングを
行っていた OLM
Digital では、作品数の増加
や CG の高精細化に合わせてレンダリングサー
バを随時スケールアウトしてきた。映像制作会
社 として 多くの 作 品 に 関 わ る 中 で 、O L M
Digital では、コストメリットが高く最新の CPU
を搭載したサーバを常に求めてきた。
ソリューション
コストメリットの高さ、サポートの柔軟性、メンテ
ナンスのしやすさなどから、OLM
レンダリングサーバを Dell
Digital では、
PowerEdge™ に
統一。コストとコア数のバランスを考えながら最
新のインテル®
Xeon® プロセッサーを搭載した
PowerEdge
R630 や 128 台の Dell PowerEdge R730
を はじめ 、2 6 5 台( 5 , 3 6 4 コ ア )の D e l l
PowerEdge でレンダリングサ ーバを構 成
機 種を選 定し、16 台 の Dell
映画『ルドルフとイッパイアッテナ』
している。
(2016 年 8 月 6 日公開 ©2016「ルドルフとイッパイアッテナ」製作委員会)
導入効果
• レンダリングサーバをスケールアウトしていく
「最新の CPU を搭載した最新機種を 265 台揃え、総コア数
5,364 コアでレンダリングすることでフル CG 映画を制作す
ることができました。これらインフラ構築・運用と映像制作技
術の研究開発両面を通じて相乗効果を生むことが研究開発
部門の役割です」
株式会社オー・エル・エム・デジタル
研究開発部門
R&D リード
四倉 達夫 氏
ことで、扱える作品数が増え、さらなる高度な
映像表現に挑戦できる。
• 従来の Dell PowerEdge R620 に比べ、
最新の CPU を搭載した Dell PowerEdge
R630 や Dell PowerEdge R730 は 2 倍
の速さでレンダリングを行える。
• 故障率が低く、優れた管理ツールを提供して
いるため、265 台のサーバを数人で運用で
きる。
ソリューションエリア
• ハイ・パフォーマンス・コンピューティング
(HPC)
株式会社オー・エル・エム・デジタル(以下、OLM Digital )は、フル
CG 、ハイブリッドアニメの CG や VFX( Visual Effects )などを手
がける映像制作会社だ。さまざまな映画や映像作品を手がける OLM
Digital では、Dell PowerEdge を 250 台以上そろえたサーバ群を
使ってハイ・パフォーマンス・コンピューティング( HPC)
によるレンダリン
グ速度の向上を実現するとともに、より精細できめ細やかな映像表現へ
のチャレンジを続けている。
「高度な映像表現を素早く
レンダリングするサーバを
検討し、最新の CPU を搭
載した Dell PowerEdge
R630 と Dell PowerEdge
R730 を追加することで、
従来の半分の時間でレン
ダリングを 可 能として い
ます」
株式会社オー・エル・エム・デジタル
研究開発部門
R&D リード
四倉 達夫 氏
OLM
Digital では、2016 年上半期だけで
XY & Z 』
も、テレビアニメ『ポケットモンスター
『妖怪ウォッチ』
『フューチャーカード バディファ
イト
ドなどでは珍しくないが、日本ではあまりないこ
とだと説明する。Maya や 3ds
Max のレンダ
ラーで毛の感じを表現することはできても難易
『 ベイブレードバースト』
、NETFLIX
DDD 』
King of the Apes 』、映画『テ
ラフォーマーズ』
『 ポケモン・ザ・ムービー XY&Z
るシェーダーを自社開発することによって、映像
ボルケニオンと機巧のマギアナ』などの数多く
のクォリティを上げたのだという。
「感動できる
動画『 Kong-
度が高い。そこで、OLM
Digital では、Solid
Angle 社の Arnold を採用し、そのベースとな
の作品を手がけている。2016 年 8 月 6 日には、
物語であることはもちろん、富士山やスカイツ
1987 年に刊行されシリーズ累計 100 万部を
リー、四季折々の日本の風景の表現、猫の毛の
超える大ベストセラーとなった児童文学をフル
表現やきらきらした目の表現などにも注目して
CG で映像化した映画『ルドルフとイッパイアッ
ほしいですね」と四倉氏は話している。
テナ』が公開される予定だ。
最新のフル CG 映画で
OLM
Digital の 制 作 現 場 では、ワークス
Precision™ で揃え、
テーションをすべて Dell
サ ーバやストレージもデル 製で揃えていると
高品質な映像表現を実現
いう。
「サポートをしていく中で、メーカーを揃
国 内トップクラスの CG 映 像 制 作 技 術を誇
えることで問い合わせが楽になるというメリッ
る OLM
Digital は、作品数や内容に合わせて
IT 投資を行いながら品質の高い映像作品を生
み出してきた。特に、社内に研究開発( R&D )
トがあります。また、デルのテクニカルサポート
を持っていることが同社の強みであると、株式
きに、診断プログラムがエラーを出してない場
が非常によいという点もデル製品に統一した理
由の 1 つです。他社では、不具合が発生したと
会社オー・エル・エム・デジタル 研究開発部門
合には修理を手配してくれないこともあります。
「研究開
R&D リードの四倉達夫氏は説明する。
デルは、疑いのある箇所を調べ、検証方法をて
発部門では、作品で求められる映像表現やデザ
いねいに教えてくれるので非常に助かってい
イナーからの要望に合わせて、ツールやプラグ
ます」と株式会社オー・エル・エム・デジタル 研
インを独自に開発し、ワークフローの自動化を
究開発部門 システムエンジニアの石井裕気氏
行っています。また、将来の映像制作技術を考
は話す。現在は、主力のワークステーションと
えて、SIGGRAPH など国際会議で発表を行っ
して Dell
ていることも我々の大きな特徴の 1 つです」。
用中。持ちやすくてコンパクトであるため、プロ
OLM
ジェクトのチーム変えの際にも簡単に持ち運び
Digital がフル CG を手がけた『ルド
Precision T1700 を約 190 台利
ルフとイッパイアッテナ』は、ベストセラーの児
童文学作品を映画化したもので、ノラ猫が主人
公となり、大人の心にも暖かい感動を与える作
品となっている。この『ルドルフとイッパイアッテ
ナ』でも、OLM
Digital の研究開発の成果が
存分に活かされているという。
「我々にとっても、
多くのチャレンジがあった作品です。日本の風
景をフル CG できれいに描くことにこだわりま
ハードウェア
インテル® Xeon® プロセッサー搭載
Dell PowerEdge R630
した。また、猫のふさふさの毛を表現することに
Dell PowerEdge R730
非常に苦労しました」と話す四倉氏は、このよう
Dell PowerEdge R620
な動物の毛までを表現した映像作品は、ハリウッ
2
導入システム
でき、省スペースで必要十分なパワーを持って
いると評価しているという。
もコア数を増やしていく予定だ。レンダリング
サーバを高速化し、複雑な計算を行えるように
することで、OLM
Digital はより多くの作品
265 台の Dell PowerEdge で
を手がけることができ、よりリアルな映像表現
高速なレンダリングを実現
にチャレンジすることを目指している。
「サーバ
CG の制作現場において、最も時間がかかる
の入れ替えも行ったので、現在の主力は、Dell
のは、レンダリングの時間だ。これらの作業を
PowerEdge R630 、Dell PowerEdge
R730、Dell PowerEdge R620 になってい
ます。最新の CPU を搭載した最新機種で、こ
CG デザイナーのワークステーションで行って
しまうと、長時間他の作業を行えなくなるため、
OLM Digital では約 15 年前から別途専用の
れだけのコア数とサーバ台数を使ったレンダリ
サーバを立ててレンダリングを行ってきた。扱
ングを行っている制作会社は、国内では少ない
う作品数が増え、映像の解像度が上がり、映像
と思っています。R&D がインフラを管理して
表現が難しくなってきた中で、レンダリングサー
いる珍しい会社ですが、これらインフラ構築・運
バは次第にスケールアウトしていき、CPU コ
用と映像制作技術の研究開発両面を通じて相
ア数と適正なコストを考えてサーバを選んで
乗効果を生むことが研究開発部門の役割だと
きたと四倉氏は説明する。
「 OLM
思っています」と四倉氏は話す。
Digital で
は CPU のみを使用してレンダリングを行って
います。最近ですと GPU を使用する場合もあ
りますが、互換性を考慮した安定したインテル®
アーキテクチャーを採用した方が確実にレンダ
リング速度を上げることができるため、コア数
を増やして難しい計算を行うようにしています。
また Arnold もメニーコアに対応している点も
理由の一つです」
( 四倉氏)
。
コ ア 数 と 最 新
C P U にこ だ わって い ると
Dell
PowerEdge R620 に搭 載されている
インテル ® Xeon ® プロセッサ ー E5-2620
に 比 べ て 、D e l l P o w e r E d g e R 6 3 0 や
Dell PowerEdge R730 に搭載されている
インテル ® Xeon ® プロセッサ ー E5-2670
v3 では、コア数の増加以上の性能向上があり、
話 す 石 井 氏 は 、2 0 1 2 年 に 導 入し た
最新の CPU を搭載したサーバで高速なレン
レンダリング時間を半分にすることができてい
ダリングを行うことにこだわった OLM
Digital
ると説 明する。
「サ ーバだけでなく、ワークス
Xeon ® プロセッサー
E5-2670 v3 を搭載した Dell PowerEdge
R630 を 16 台、同じくインテル® Xeon® プロ
セッサ ー E 5 - 2 6 7 0 v 3 を 搭 載し た D e l l
PowerEdge R730 を 128 台導入し、従来か
ら利用している Dell PowerEdge R620 も
含めて 265 台のサーバでレンダリングを行っ
ており、総コア数は 5,364 コアになると石井氏
は説明する。サーバを Dell PowerEdge に
統一したのは、CPU コア数で比較すればデル
テーションや PC においても、インテルとデル
では、直近でインテル ®
が非常に密接に連携していると感じています。
デルは、インテル® テクノロジーのリファレンス
のような製品を出し続けており、新しいテクノロ
ジーをいち早く製品化して提供してくれている
ので、今後も強力なパートナーシップを続けて
ほしいですね」
( 石井氏)
。
一方で、多くのサーバを稼動させている中
で、運用の苦労はないのだろうかと四倉氏にた
ずねると、次のように答えてくれた。
「管理ツー
にコストメリットがあり、柔軟な対応を望めるか
ルの Dell
らだと石井氏は説明を続ける。
「以前は、マルチ
えば、グラフィカルに監視することができ、メモ
OpenManage Essentials を使
ベンダーでサーバを導入していました。しかし、
リエラーなどもすぐに検知できるので、ハード
緊急にサーバの台数を増やしてレンダリングの
ウェア面の管理は問題ありません。ジョブ管理
パフォーマンスを上げなければならない状況に
ツールなどと一緒に使えば、正常に稼動してい
なることもありますが、最終見積りを取るため
ることを確認できます。それ以上に、デルのサー
に 1 ヵ月かかってしまう場合もありました。デル
は、担当営業が柔軟に対応してくれるので、ス
バは故障率が非常に低いので、助かっています」
(四倉氏)
。
ピーディに導入でき、検証のための貸出機も提
また、メンテナンス性について石井氏は、ホー
供してくれました」
( 石井氏)
。
ムページ上でオーナーズマニュアルを入手でき、
デルとインテルの連携に期待して
ているので、メンテナンスや部品交換などの保
サーバメンテナンス方法なども動画で解説され
今後も台数を増やしていく
守性が非常に高いと感じていることを明かして
265 台 の サ ー バ の 5,364 コアでレンダリ
くれた。
ングを行って いる OLM
3
Digital で は、今 後
4K、8K や HDR に対応できる環境を
じて、今後もレンダリングサーバを拡張してい
今後も提供
こうとしている。また、現在は 1 ヵ所に拠点が
CG の世界は、今後も高精細化が進み、高度
集まっているが、将来的に協力会社も含めた複
な映像表現も求められていくだろう。このよう
数 拠 点 で のネットワーク化や DR( Disaster
な状況の中で、デザイナーが作業しやすい環境
Recovery )にも取り組んでいくと四倉氏は説
を提供することが研究開発部門の使命だと四
明する。
「グラフィックスワークステーションの
倉氏は話す。
「 4K から 8K になれば、レンダリ
VDI 化などにも興味を持っています。直近では、
ングサーバの負担はかなり多くなり、色深度の
ストレージの保守切れが迫っているので、新た
ビット数が HDR( High
Dynamic Range )
なストレージ製品の選定に入らなければなりま
で増えれば、ますます負荷が高くなってきます。
せん。デルと EMC の連携に対しては、非常に
あくまで研究開発部門はバックヤードなので、
期待したいですね。今後も、ビジネスパートナー
デザイナーなどが仕事に専念できるような環境
として我々の要望をくみ取った提案を続けてく
を作り、システムは空気のように何も意識しな
れることをデルに期待しています」。
いで利用できるようにする必要があります。開
『 ルドルフとイッパイアッテナ 』のような 高
発面で底上げすることを考え、自動化できると
度なフル CG の映像作品を作り上げた OLM
ころは自動化し、映像表現を高めるための開発
Digital は、今後もさらに高度な映像表現に挑
を行っていきたいと考えています」。
戦し続け、感動や楽しみを広げる映像作品を作
OLM
り続けていく。
Digital で は、作 品 数 や 内 容 に 応
「緊 急 に サ ー バ の 台 数 を
増やしてレンダリングのパ
フォーマンスを上げなけれ
ばならない場合も、デルは、
担当営業が柔軟に対応し
てくれるのでスピーディに
導入でき、パフォーマンス
検証のための貸出機も提
供してくれるので、助かっ
ています」
株式会社オー・エル・エム・デジタル
研究開発部門
システムエンジニア
石井 裕気 氏
株式会社オー・エル・エム・デジタル
株式会社オー・エル・エム・デジタル
研究開発部門
研究開発部門
R&Dリード
システムエンジニア
四倉 達夫 氏
石井 裕気 氏
Intel Inside® 飛躍的な生産性を
デルのサーバソリューションの詳細は、以下をご覧ください。
www.dell.com/learn/jp/ja/jppad1/server-technology
ユーザ導入事例ウェブサイトにて、他にも多くの事例をご覧いただけます。
www.dell.co.jp/casestudy
July 2016. ©Dell Japan Inc.
4
● Dell PowerEdge 、Dell Precision 、Dell ロゴは、米国 Dell Inc. の商標または登録商標です。
● Intel 、インテル、Intel ロゴ、Xeon 、Xeon Inside は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation の商標です。
●その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
●取材 2016 年 6 月 10022912
デル株式会社 〒212-8589 川崎市幸区堀川町 580 番地 ソリッドスクエア東館 20F
Tel. 044-542-4047
www.dell.co.jp
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