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蛋白質核酸酵素:転写調節因子による転写活性化機構の解析

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蛋白質核酸酵素:転写調節因子による転写活性化機構の解析
総説
転写調節 因子による転写活 性化機構の 解析
堀越正美 ・長谷川 聡
数 多 くの転 写 因子 群 が生 化 学 的 ・分 子生 物 学 的 ・遺伝 学 的 ・細胞 生 物 学 的 とい っ た さ
ま ざ ま な アプ ロー チ で 単 離 され , そ の 構 造 と機 能 の 解 析 が 広 くな さ れ て き た。 そ の よ うな
一 元 的 な 解析 か ら, これ ら の転 写 因 子 群 が ど の時 期 に , ど の よ うな 経 路 で , ど の よ うに 転
写 活 性化 を さ ま ざ まな 遺 伝 子 にひ き起 こ して い る か と い った 多元 的な 解 析 , い わ ゆ る 転 写
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因 子 間 相 互作 用 (コ ミュニ ケ ー シ ョン) の解 析 が 中心 とな っ て き た のは , 当然 の 流 れ で あ
る。 本 稿 では , 転 写 調 節 因 子 群 に よ る転 写 活 性化 の分 子機 構 を, そ の標 的 因 子 群 の 側 か ら
論 じる こと に した。
は じめ に 真 核 細胞 に お け る転 写 調 節 研 究 の進 展 は,
転 写 開 始 に は プ ロモ ー タ ー 内 のTATAボ
ックス 領 域 が
以 下 の4つ の段 階 に分 け て考 え る こ とが で き る。 す な わ
必 要 であ る こ と3)
, さ ら には さ ま ざ まな 調 節DNAエ
ち, ① 試 験 管 内 での 無 細胞 転 写 開始 お よび 調 節 系 を確
メ ン トが , 各々 の遺 伝 子 に あ って 転 写 活 性 量 を規 定 して
立す る 段階
い る こ と4),な どが 示 さ れ た 。
② 転 写 因 子や プ ロモ ー タ ー領 域 を 同定 ・
単 離 ・機 能 解 析 す る段 階 ,③ 各 転 写 因 子 ,プ ロモ ー タ ー
続 い て,DNA-蛋
レ
白 質 相 互 作 用 を解 析 す る ゲル シフ ト
内 の ど の領 域 (ドメ イ ソあ るい は エ レメ ン ト) が, どの
法 , フ ッ トプ リン ト法 な どを 用 いて の, 転 写 調 節 因子 の
よ うな 機 能 を有 して い るのか を詳 細 に解 析 す る段 階, ④
同定 ・解 析 , それ らの 因子 群 を精 製 す るた め のDNAア
転 写 因 子 ど う し, 転 写 因 子一プ ロモ ー タ ー が ど の よ うな
フ ィニテ ィー法 の改 良, また , そ れ ら 因子 群 を コー ドす
相 互 作 用 を 行 な い , ど の よ うに 転 写活 性 量 を調 節 す るか
るcDNAを
を 解 析 す る段 階 , であ る。 そ こで 以上 の 解析 を通 して 得
確 立 な どが 行 な わ れ ,さ ま ざ ま な 転 写 調 節 因子 (
す なわ ち
られ た 今 ま で の 結 果 を, 具 体 的 に簡 潔 に述 べ る。
DNA結
まず, 正確 な 転 写 開 始 反応 を無 細 胞 系 で再 現 す る系 が
確 立 さ れ ,関 与 す る転 写 因 子 お よびDNAプ
ロモ ー タ ー
領 域 の 解析 が な され た1)
。 また 細 胞 を用 い た トラ ンス フ
ェ ク シ ョン法 に よ って も,DNAプ
ロモ ー タ ー領 域 の 解
直 接 単 離 す るた め の, さ ま ざ ま な方 法 論 の
合 因 子 ) の 同 定 ・精 製 ,cDNAク
爆 発 的 な 勢 い で進 行 した5)
。 これ ら転 写 調 節 因 子 の 働 く
転 写 調 節 系 の 確 立 は ,1980年
な わ れ た が6)
, 多 くは1985年
そ の後 , これ らcDNAが
初 期 に 先 駆 的 な 研 究 も行
以降
は, さ ま ざ まなDNA解
同定 ・解 析 が 広 く行 なわ れ た 。 そ の 結 果 ,mRNA合
の 解析 へ と進 んだ 。 た とえ ばDNA結
を つ か さ どる 転 写 開 始 反 応 に は転 写酵 素RNAポ
相 次 い で な され た 。
単 離 され た 転 写 調 節 因 子 群
析, と くに上 流 エ レメ ン トや エ ンハ ンサ ー エ レメ ソ トの
成
ロー ニ ン グが
析 技 術 を駆 使 し,機 能 ドメ イ ソ
合 因 子 は ,DNA
リメ ラ
結 合 活 性 領 域 や 転 写 活 性 化 領 域 , 転 写 調 節 領域 な どか ら
ー ゼⅡ 以 外 に, 複 数 の 基 本 因 子群 が必 要 で あ る こ と2)
,
な っ て い る こ とが 示 され , さ らに は , これ ら の領 域 は 構
Masami Horikoshi,
University Satoshi New Molecular 東 京 大 学 応 用 微 生 物 研 究 所
(〒113東
of Tokyo,Yayoi,Bunkyo一ku,Tokyo Hasegawa,Laboratory 京 都 文 京 区 弥 生1−1−1)
[Institute of ApPlied M三crobiology,The
113,Japanコ
of Biochemistry and Molecular Biology,The Rockefeller University,1230 York Avenue,
York,NY10021,USA
Mechanism of Transcriptional Activation
【転 写 活 性 化 】 【転写 調 節 因子 】 【TFIID】
【転 写 因子 間 相 互 作 用】
831
22
蛋 白 質 核 酸 酵 素 No.5(1993)
造 上 の特 徴 か ら, 複 数 の タ イ プ に分 け て 考え られ る こ と
どの よ うに な って い るか (
各 機 能 ドメ イ ンが , どの よ う
も示 され た7)
。具 体 的 には ,DNA結
な 構 造 モ チ ー フ を有 して い るか な ど) の 理 解 , ② そ れ
合 活 性 領 域 と して,
① ヘ リ ックス ・ター ン ・ヘ リ ッ クス構 造 ,②Znフ
ィソ
ら因 子 間 の 相互 作 用 の理 解
す な わ ち , 各 因子 が 機 能 を
ガ ー 構 造 ,③ 塩 基 性 領 域 ・ヘ リ ック ス ・ル ー プ ・ヘ リ
発 揮 す る場 合, どの 因 子 に働 きか け る のか , 相 互 作 用 の
ッ クス 構 造 ,④ 塩 基 性 領 域 ・ロ イ シ ソ ジ ッパ ー な どが
結 果, どの よ うな変 化 が 生 ず るの か な ど の 理 解 , ③ 上
代 表 的 であ り, 転 写活 性化 領 域 と して は ,① 酸 性 領 域 ,
記 ② で 述 べ た2分 子 間 反 応 の 単 純 な も のだ け で な く,
② グル タ ミンに 富 む 領域 , ③ プ ロ リソ に 富 む 領 域 な ど
最 終 的 にRNA合
が , 明 らか に され て き た。
通 して の転 写 開 始 調 節 過 程 の解 析, す な わ ち, 転 写 調 節
しか しな が ら,DNA-蛋
白 質 相 互 作 用 ,蛋 白 質 一蛋 白 質
因 子 が どの転 写 開 始 因子 群 に働 きか け て , ど の転 写 開 始
相 互 作 用 の解 析 を 通 して の, よ りダ イ ナ ミ ックな 転 写 活
反 応 素 過程 に効 果 を及 ぼ し, 結 果 と して ど の よ うに転 写
性 化機 構 の 解 析 は, 構 成 す る転 写 因子 が きわ め て 多 数 で
活 性化 が行 なわ れ て い るか の理 解
成 が 起 こ るた め の,複 数 の相 互 作 用 を
④ さ ら に これ ら の
あ るた め, ほ と ん ど解 析 が 進 ん で い な い の が現 状 で あ
解 析 を 通 して, 多 様 な 転 写 調 節 因 子 に よ る転 写 活 性 化 機
る。 そ れ で も1988年
構 の, 共通 性 ・多 様 性 を 見 いだ して の 統 一 的 理 解 , へ と
に 提 出 され た , 転 写 調 節 因 子 に
よ る 転 写活 性化 機 構 の モ デ ル8 10)(転 写 調 節 因 子 は ,
TATAボ
ックス 結 合 因 子TFⅡDに
RNAポ
進 ん で い くわ け であ る。
働 きか け ,TFⅡD
の 構造 変化 を ひ き起 こ し, そ の 複 合 体 構 造 は転 写 酵 素
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Vol38
リメ ラー ゼⅡ や 基 本 因 子群 に と って 容 易 に 認 識
2.DNA側
の コ ンポ ー ネ ン ト
次に 各々 の項 目 につ い て, 今 ま で の 砥 究 の結 果 を 振 り
さ れ, 転 写 活 性化 を ひ き起 こす , とい うモ デ ル ) は, そ
返 ってみ る。 関 与 す る コ ン ポ ー ネ ソ トと して は , 図1に
の後 の こ の方 面 で の研 究 の 方 向 性 を決 定 的 に した。
示 す よ うに,DNA・
転 写 調 節 研 究 の歴 史 の なか で , 初 期 に 同 定 され た コア
し,RNAが
蛋 白質 が お も に 考え られ る (た だ
関 与す る,RNAポ
リ メラーⅡ
,Ⅲ系 も 存
プ ロモ ー タ ー に関 与 す る基 本 因 子群 は, さ ま ざ まな 理 由
在 す る)。DNAエ
に よ り解 析 が 遅 れ て い た が , 最 近 にな っ て精 製 ・cDNA
ク ロー ニ ン グへ と著 しい 進 展 が み られ て き て い る11)
。そ
置 か ら,以 下 の3つ に 大 別 で き る4)。① コ ア ・プ ロモ
ー タ ー :転 写 開 始 反 応 に必 要 な 最 小 領 域 で ,-25付
近
の よ うな転 写 調 節 研 究 の流 れ の な か で, 近 年 は転 写 調 節
に 存在 す るTATAボ
因 子 に よ る転 写 活 性 化 機 構に 関 す る研 究 が 中 心 的 トピ ッ
存在 す るイ ニ シ エ ー タ ー ・エ レ メ ソ トな ど が 働 い て い
クス とな っ てお り, とくに 基 本 因 子TATAボ
レメ ソ トにつ い て は ,機 能, 空 間 的 配
ック ス, 転 写 開 始 位 置 や 下 流 域 に
ッ クス結
る11)
。 ② 上 流 エ レメ ン ト :比 較 的 コア ・プ ロ モ ー タ ー
重 点 を お く研 究 が きわ め て多 い。 これ
の近 くに存 在 し, さ ま ざ まな 転 写 調 節 因 子 が 作 用 し, 転
らの状 況 を踏 まえ て, 以 下 を 理 解 して いた だ け れ ば幸 い
写 開始 頻 度 を増 減 さ せ る 働 き を も って い る7)
。 ③ エン
合 因子TFⅡDに
で あ る。
ハ ン サ ー 。エ レメ ン ト :コ ア ・プ ロモ ー ター よ り遠 く離
れ た位 置 に存 在 し, 上 流 エ ソ レメ ソ トと同 様 に 転写 調 節
Ⅰ
. 転 写 活 性 化 機 構 を ど う考 え る か ?
因 子 が作 用 し, 転 写 開 始 頻 度 を 増 減 さ せ る働 きを もつ 。
そ の作 用 は比 較 的 , 方 向 性 お よ び位 置 に よ らな い。
1. 考 慮 す べ き ステ ップ
転 写 活 性 化 機 構 と一 口に 言 って も,実 際 に は ,① 多 様
な 細 胞 外 情 報 に よ る シ グナ ル 伝 達 経 路 の 活 性 化 , ② そ
3. 基 本 因 子
以 上 のDNAエ
レメ ソ トに対 応 して ,性 質 の 異 な る蛋
れ らシ グ ナ ル伝 達に よ る 転 写 調 節 因 子 群 の 活 性 化 , ③
白質 性 因子 が 作 用 す る。 コ ア ・プ ロモ ー タ ー に 対 して
活 性 化 され た 転 写 調 節 因 子群 に よ る転 写 開 始 因 子 群 との
は,TATAボ
相 互作 用 , そ の結 果 と して の転 写 開 始 反 応 過 程 の 活 性
ー結 合 因子 が, 直 接DNAに
化 , な ど複 数 の ス テ ップが 考 え られ るが , こ こ で は と く
のDNA-蛋
に③ に焦 点 を あ て て議 論す る。 本 領 域 は 転 写 調 節 研 究 分
考 え な け れ ば な らな い 要件 は, 以 下 の 如 くで あ る。 ①
す なわ
ち, どの よ うな因 子 が か か わ り, そ れ ら の物 質 的 基 盤 は
832
イ ニ シエ ー タ
結 合 し作 用 す るが ,そ れ ら
白質 複 合 体 を認 識 し, 他 の転 写 開 始 群 (TF
B,ⅡE.,ⅡF,ⅡG/J,ⅡH:
お よびRNAポ
リメ ラ
Ⅱー
ゼⅡ ) が相 互 作 用 し, 転 写 開 始 が ひ き 起 こ され る。 これ
野 にお いて , 最 も今 日的 な 話 題 とな って い る。
転 写 調 節 機 構 に関 与 す る コ ソポ ー ネ ン トの理 解
ックス結 合 因 子TFⅡDや
らの 因 子群 の解 析 につ い て は ,TFⅡD以
な って 徐々 にcDNAク
外 は ,最 近 に
ロー ン が単 離 され て きて い る状
況 で あ っ て, 機 能 お よび 構 造 ドメ イ ンの 解 析 は これ か ら
転写調節 因子に よる転写活性化機構 の解析
図1.RNAポ
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であ る11)
。TFⅡDに
23
リ メ ラ ーゼⅡ に よ る転 写 調 節 に 関 与 す る コ ン ポ ー ネ ン ト
つ い て は比 較 的 解 析 が 進 み , 多 く
ク スな ど) に分 類 で き, 標 的 とす る遺 伝 子 を特 定 で き る
の こ とがわ か っ て き て い るが , こ の点 は 後 述 す る。 これ
働 き を有 す る。 ⑤ 転 写 活 性 化 ドメ イ ンも, さ ま ざ ま な
ら基 本 因 子 の 本 稿 に お け る意 味 合 い と して は , ど の調 節
化 学的 性 質 を有 す る構 造 モ チ ー フ (酸 性 領 域 , プ ロ リソ
因 子 に 対 して ど の基 本 因 子 が 直 接 相 互 作 用 し, そ の結
に富 む 領 域 , グル タ ミンに 富 む 領域 な ど) に分 類 で き,
果 , 転 写 開 始 因 子 の プ ロモ ー タ ー上 へ の 分 子 集 合 の, ど
標 的 とす る転 写 因 子 を 特 定 で き る の で は な いか と考 え ら
の過 程 が 影 響 を 受 け る のか が 重 要 な 問 題 とな っ て くるわ
れ て い る。 ⑥ 各々 の 転 写 調 節 因 子 に 対 して , さ ま ざ ま
け で あ る。
な 外 界 の情 報 が伝 達 され , リン酸 化 ・脱 リン酸 化 な ど に
よ り, そ の活 性 (DNA結
4. 調 節 因 子
合 活 性 , 転 写 因 子 相互 作 用 の
活 性 ) が 影 響 を 受 け る (た だ し, これ らに つ い て は 詳 し
上 流 エ レメ ン ト, エ ンハ ンサ ー ・エ レ メ ソ トに対 して
は ,双 方 とも に 基 本 的 に は,DNA結
い解 析 は ほ とん どな い), な ど で あ る。
合 活 性 を 有 す る転
これ ら転 写 調節 因 子 の, 本 稿 にお け る意 味 合 い を 考 え
写 調 節 因 子群 が働 くわ け で あ る の で, 両 エ レメ ン トにか
る と, や は り転 写 活 性 化 ドメ イ ン に 関 して で あ って, ど
か わ る因 子群 を, 機 能的 に 大 き く分 け る必 然 性 は 現 在 の
の よ うな 化 学 構 造 が 転 写 の 活 性 化 , す な わ ち 他 の転 写 因
と ころ な い。 これ らの因 子群 は,DNAと
子 と の相 互 作 用 に 重 要 で あ るか?
の ア フ ィニテ
ま た , それ ら転 写 活
ィー の性 質 を 利 用 して, 比 較 的 簡 便 に 単 離 ・精 製 を行 な
性 化 ドメ イ ンは, どの よ うな 因 子 と相 互 作 用 して機 能 を
うこ とが で き る よ うに な った こ と, また 蛋 白質 を精 製 せ
発 揮 す るの で あ ろ うか?
ず に,cDNAク
べ て きた よ うに, 転 写 活 性 化 に は さ ま ざ ま な タ イ プ の コ
ロー ンを 得 るさ まざ ま な 方法 が 開 発 され
た こ と (蛋 白 質 因 子 自身 の もつ さ まざ まな 性 質 に よ り,
とい うこ とに な ろ う。以 上 述
ン ポ ー ネ ン トが 関 与 す るが , 本 質 的 に はDNA,
蛋 白質
単 離 が 困難 な もの もあ るが), な どの 理 由 か ら, 著 しい
のた った2種 類 の コ ンポ ー ネ ン トが か か わ る だ け な の
研 究 の進 展 が み られ た5,7)。
そ れ らの知 見 を 概 念 と し て
で,DNA一
と らえ て み る と, ① 転 写 調 節 因 子 は, 通 常 ,DNA結
り説 明 され るはず で あ る (図2) 。
合
蛋 白 質 , 蛋 白質 一蛋 白質 相 互 作 用 の 集 積 に よ
ドメ イ ン と転 写 活 性化 ドメイ ン, さ らに 転 写 調 節 にか か
わ る ドメ イ ソ (自身 の 活 性 を 調 節 す る ドメ イ ン) に, 機
能 的 に分 割 され る構 造 を 有 して い る。 ②DNA結
イ ンを もた な い 調 節 因 子 は 通 常 ,他 のDNA結
5, 基 本 因子 と転 写 活 性 化
合 ドメ
そ こ で相 互 作 用 につ い て, 関 与 す る基 本 因子 群 , 調 節
合 ドメ イ
因子 群 にわ け て考 え てみ る。 基 本 因 子 群 につ い ては 現 在
ソを有 す る調 節 因 子 と相 互 作用 し て 機 能 発 揮 す る。 ③
ま で の とこ ろ,2つ
DNA結
結 合 因子TFⅡD,
合 ドメ イ ン と転 写 活 性 化 ドメ イ ンは 通 常 , 独 立
の 因子 , す な わ ちTATAボ
お よびTFⅡD−TATAボ
ックス
ックス 複 合
に 機 能 す る。す な わ ち, 両 ドメ イ ンを 他 の因 子 群 の ドメ
体 に分 子 集 合 す るTFⅡBが
イ ン と交 換 して 機 能 変 換 す る こ とが で き る。 ①DNA結
TFⅡDに
合 ドメ イ ンは い くつか の構 造 モ チ ー フ (ヘ リ ックス ・タ
ー ン ・ヘ リ ッ クス, 塩 基 性 領域 ・ロイ シ ンジ ッパ ー ,Zn
が 相互 作用 して,DNAと
フ ィ ンガ ー, 塩 基 性 領域 ・ヘ リ ックス ・ル ー プ ・ヘ リ ッ
化 ドメ イ ン (
酸 性 領域 ) が, そ の変 化 に直 接 寄 与 す る こ
候 補 と し て考 え られ て い る。
つ い て は ,調 節 因 子 で あ るATFやGAL4
とが,1988年
の 相 互 作 用 に影 響 を与 え る こ
に 解 析 され8 10)
, ま たGAL4の
転写活性
883
24
蛋 白 質 核 酸 酵 素Vo138No.5(1993)
VP16と
相互 作 用 す る こ とに よ り, 転 写 の活 性 化 を ひ き
起 こす とい うモ デ ル で あ る。 実 際 , 単 離 され たTFⅡB
の一 次 構 造 に は,TFⅡDと
同 様 ,basic repeatが 存在
す る20)
。
こ の よ うに調 節 因子 の標 的 と して , 少 な くと も2つ の
因 子 (TFⅡDとTFⅡB)
が 考え られ て い る が, どち
らが 正 しい の で あ ろ うか?
で あ ろ うか?
そ れ と も どち ら も正 しい の
現 在 の と ころ 明確 な 答 え は な い が, 私 見
と して は, 調 節 因 子 の種 類 の 数 の多 さ, 基 本 因子 の分 子
集合 過 程 が 複数 の ス テ ップか らな る こ とか ら, 標 的 を1
つ と考 え る必 要 は な い と思 わ れ る。 これ ら の展 開 に つ い
て は今 後 の課 題 であ ろ う。
さ らに は標 的 をTFⅡDやTFⅡBに
限 局 す る必 要 は
な く, 他 の基 本 因子 や 広 くRNAポ
リメ ラー ゼ 皿サ ブ ユ
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ニ ッ トを考 え て も よ い。 こ の点 で, 直 接 相互 作 用す る部
位 が 多 様 性 を示 して も, 最 終 的 な 標 的 は 転 写 酵 素RNA
ポ リメ ラー ゼ 皿で あ る こ とは , きわ め て 興味 深 い。 実 験
的 証 拠 は な い が ,RNAポ
図2. 転写調節因子に よる転 写活性化機構
リメ ラ ー ゼⅡ の最 大 分 子 量 サ
ブユ ニ ッ トのC末 端 側 に 存 在 す るCTD領
域 (SPTSPSY
の7つ の ア ミノ酸 配列 構 造 が ,26∼52回
く り返 す ) が ,
一 時 そ の化 学 構 造 か ら
, 酸 性 活 性 化 因子 の標 的 では な い
とが調 べ られ て8)
,TFⅡDが
一 躍 ,転 写 調 節 機構 にか か
か と考 え られ た21)。CTDの
サ イ ズ が, 複 数 の 調節 因 子
わ る重 要 な コ ンポー ネ ソ トと して 脚 光 を あ び た。 そ の
が働 く とき に考 え られ る大 き さ と よ く 合 う こ と,CTD
後 ,TFⅡDのTATAボ
が 他 のRNAポ
トのcDNAが
ッ クス結 合 因 子 コソ ポ ー ネ ン
,1989∼1990年
にか け 単 離 さ れ12∼16)
,
蛋 白 質 の構造 上 ・機 能上 の モ チ ー フ の ひ と つ と して,
basic repeatの
存 在 が 確 認 され た12)
。 さ らに1990年
酸 性 活 性 化 因 子 の 代表 例 で あ るVP16が
と相 互 作用 す る こ とが示 され17),TFⅡDが
リメ ラ ー ゼ に は な く,RNAポ
リメ ラ ー
ゼⅡ のみ に 存 在す る こ とか ら, 興 味 深 い 仮 説 で は あ る
が,明確な答えはいまだない。
,
,直 接TFⅡD
転写調 節 の
6. 調 節 因 子 と転 写 活 性 化
一方 , 調 節 因 子群 につ い て は 転 写 活 性 化 ドメ イ ンの 解
中 心 的 役 割 を演 じて い る こ とが 次 第 に 明 らか に な って き
析 が比 較 的 進 ん で い る とい え るが , 実 際 に は さ ま ざ まな
た 。 しか しな が ら, これ ら の結 果 は, い くつ か の調 節 因
化 学構 造 を もつ タ イ プ が存 在 す る, とい う点 のみ が 明 ら
子 群 につ いて のみ 解 析 され て い るだ け であ る こ と, 機 能
か に され て い るだ け であ る。 す な わ ち , こ の ドメイ ンが
的 に重 要 な 相 互 作 用 で あ るか ど うか は不 明 であ る こ とな
実 際 に は どの よ うな 構 造 を有 し, どの 部 位 が 活 性化 に重
どか ら, モ デ ル の 段 階 で は あ る。 しか も ク ロー ン化 した
要 で, ど の よ うな 因 子 を標 的 と し, ど の よ うな 分 子機 構
TFⅡD分
子 のみ で は, 転 写 基 本 活 性 は あ る もの の, 調
で転 写 の活 性 化 に 参 画 して い るのか に つ い て は ほ とん ど
節 因 子 に よ る転 写 活 性化 に は不 充 分 で あ る こ と も 判 明
わ か っ て いな い とい っ て よ い。 最 も解 析 が 進 ん で い る酸
し14,13),
関 与 す る コ ン ポ ー ネ ン ト と し て ,TFⅡDτ
性 活 性 化 因 子 に して も, ① 酸 性 ア ミノ酸 の 数 が 多 い と
(TATAボ
転 写 活 性 化 能 が 高 い, ② 酸 性 表 面 を もつ よ うに 作 製 し
TFⅡDサ
ックス 結合 因 子 コ ン ポ ー ネ ン ト) 以 外 の他 の
プ ニ ッ トが必 要 で あ る こ とが 予 想 され た 。 詳
細 は後 述す る。
調 節 因子 の 標 的 の1つ
TFⅡBで
た 因子 は, 転 写 活 性 化 能 を有 す る とい う結 果か ら, 酸 性
表 面 が 直 接 の 相互 作 用 ドメ イ ン であ ろ う と考 え られ て い
あ る19)
。TFⅡBは
と して 最 近 発 表 さ れ た の が,
るが22)
, 実 際 にそ の表 面 が 相 互 作 用 に直 接 か か わ って い
転 写 基 本 因 子 の1つ であ っ
るか ど うか わ か っ て い な いだ け でな く, 他 の研 究 結 果 に
て, 転 写 開 始 位 置 の選 定 に深 くか か わ る こ とが示 唆 され
よれ ば, 酸 性 表 面 が重 要 な の で はな く, 疎 水 性 表 面 が 重 」
て い る。 そ のTFⅡBが
要 で あ る との知 見 も あ る23)
。 そ の よ うな わ け で これ ら転
834
あ る条 件 下 で, 酸 性 活 性 化 因 子
転写調節 因子に よる転写活性化機構 の解析
25
写 活 性 化 ドメ イ ンにつ い て は, 化 学 的 ・構 造 的 に は理 解
こ とが で き る ので, 転 写 活 性 化 機 構 の研 究 は, 黄 金 期 を
され て い な い とい うこ とを認 識 してい た だ きた い 。 しか
迎え るで あ ろ う と考え て い る。
しな が らさ ま ざ ま な 実 験 か ら,TFⅡDやTFⅡBと
相
Ⅱ
. 転 写 活 性 化 を 担 う因 子 群
互 作 用 す る結 果 が 示 され た 調 節 因 子 もあ るの で, 今 後 相
互 作 用 に直 接 か か わ る活 性 化 ドメ イ ソの解 析 は進 む と考
え られ る。 また 相 互 作 用 の 化 学 的 基盤 を理 解 して い くた
め に は , ぜ ひ と もX線
結 晶構 造 解 析 やNMR解
析によ
る三 次 元 構 造 解 析 が な され て ほ しい も の で あ る。
本 節 で は, 調 節 因 子群 の 標 的 と して これ ま で提 出 され
た, い くつ か の 因子 につ い てそ の概 略 を ま とめ , 今 後 の
展 開 につ い て考 え てみ た い。 標 的 因 子 と して は 今 まで,
調節 因 子 群 の 新 しい タ イ プ の もの と して, コフ ァ クタ
基 本 因子 群 のTFⅡD,TFⅡBが
考 え られ る 一方, 新 し
ー ・コア クチ ベ ー タ ー ・ア ダ プ タ ー な ど とよば れ る 因子
い タ イ プ の因 子 と して , コ ア ク チ ベ ー タ ー ・ア ダプ タ ー
群 が あ る24)。化 学 的 な 意 味 合 い と して は, 調 節 因子 群 と
な どが 登 場 して きた 。
基 本 因 子群 との相 互 作 用 の橋 渡 しをす る も の, とい う考
え であ る。 す な わ ち, 何 らか の相 互 作 用 を 調 節 因 子 や 基
1.TFⅡD
本 因子 と 行 な うこ とに よ り, 転 写 活 性 化 に か か わ り,
TFⅡDは
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転 写 調 節 に 貢 献 す る も の とみ る こ とが で き る。 な お
cDNAク
ロー ソ化 さ れ たTFⅡD(TATAボ
ックス 結
歴 史 的 に は,RNAポ
リメ ラ ー ゼⅡ に よ る
+1か らの 正確 な転 写 開 始 反 応 に 関 与 す る因 子 群 の1つ
と して, 発 見 ・命 名 され た 因 子分 画 の 名 称 であ る2)
。そ
合 因 子 コ ン ポー ネ ン ト) で は ,調 節 因子 に よ る転 写 活 性
の後 , コア ・プ ロモ ー タ ー 内 の +1か
化 が 起 こ らな い こ とや , 他 の さ ま ざ ま な実 験 証拠 な どか
流 に 存在 す るTATAボ
ら,TFⅡD本
れ , 長 い間 , そ の性 質 ・特 徴 か ら,TATAボ
体 は 複 数 の コ ンポ ー ネ ソ トか らな る と考え
られ て き た 。 さ らに は, これ らサ ブ ユ ニ ッ ト ・コ ソポ
合 因 子 =TFⅡDと
ら約25塩
基対 上
ッ クス に 結 合 す る こ とが 示 さ
ックス 結
して 考え られ , 知 られ て き た25)
。 し
ー ネ ン ト以外 に も, 遊 離 の コン ポ ー ネ ン トも必 要 であ る
か しなが ら, そ の因 子 の 精 製 は 困 難 を きわ め た ばか りで
こ とが示 され て い る。 した が っ て, ①TFⅡDは
な く, さ ま ざ まな プ ロモ ー タ ー に 対 し て ,TATAボ
複数 の
ッ
サ ブ ユ ニ ッ トを も ち, そ れ らが 調 節 機 能 を 担 って い る,
クス結 合 活 性 を得 る こ と さえ ,筆 者 以 外 , で き る状 況 に
② そ れ 以 外 に,TFⅡDや
な か った 。
基 本 因 子 群 に 弱 く相 互 作 用 し
て , 調 節 機 能 を 発 揮 す る, と い う2つ の カテ ゴ リーに ,
コ ア クチ ベ ー ター 様 分 子 を 分 類 で きそ うで あ る。
こ う した なか で1988年
る進 展8∼10)
, ②TFⅡD研
,① 転 写 活 性 化 機 構 論 に関す
究 を 容 易 に さ せ る研 究 の 進
展26,27)が
み られ た 。 前 者 は ,調 節 因子 がDNAに
7. ま
と
め
結合す
る と, なぜ 転 写 開 始 頻 度 が増 加 す るの か , と い う疑 問 に
いず れ に して も, 転 写調 節 因 子 に よる転 写 活 性化 に必
要 な 因 子群 につ い て は, ま だ 明 確 な結 論 が な い ぼか りで
答 え た もの で あ っ て, 転 写 調 節 系 に お け るTFⅡDの
重
要 性 を認 識 させ た も の で あ る。 そ の モ デ ル とは ,"調 節
な く, 構 造 的 な解 析 もほ とん ど何 もな され て い な い状 態
因 子 はDNAと
に あ る, とい っ て も過 言 で は な い。 す な わ ち, 近 年 さ ま
精 製 標 品) と相 互 作 用 し,TFⅡDの
結 合 す る 際,TFⅡD(
こ の時 点 で は粗
ざ まな 転 写 因子 自身 の研 究 の進 展 がみ られ た に もか か わ
こ し, プ ロモ ー ター へ の結 合 状 態 を 変 換 さ せ (
実際 に
構 造 変 化 をひ き起
らず , 先 に問 題 提 起 した 点 につ い て は, ほ とん ど 明 らか
は,TATAボ
に な っ て いな い のが 事 実 であ る。1項 で 提 起 した ③ の問
領 域 にTFⅡDが
題 につ い て も, ほ とん ど解 析 が 行 な わ れ て お らず ,1988
複 合 体 構 造 が ,転 写酵 素RNAポ
年 に提 唱 され た ,GAL4,ATFを
始 因 子群 が分 子集 合 す る の に きわ め て 都 合 が よ い状 態 で
用 い た研 究 の み とい
ックス下 流 域 , す な わ ち +1部 位 を 含 む
新 た に結 合 す る), そ のTFⅡD−DNA
リメ ラ ー ゼ 皿 を含 む 開
って よい8 10)。 く り返 しにな るが , 現 段 階 に お い ては ,
あ る” とい うも ので あ る。 しか も調 節 因 子 とTFⅡDと
転 写 調 節 因 子 に よる転 写 活 性 化 の 機 構 は 先 駆 的 な 研
の相 互 作 用 には ,調 節 因 子 の 活 性 化 ドメ イ ン (こ の と き
究8∼10)
が あ る に もか か わ らず , い まだ ど の よ うな 因 子 が
は, 酸 性 活 性 化 因 子 を 使 用 ) が 必 要 で あ る こ と が示 さ
関 与 して い るか 不 明確
れ8)
,TFⅡDが
とい っ た レベ ル であ る こ とを
理 解 して い ただ きた い。 ただ し今 後 は, 今 ま で に単 離 さ
れ た 基 本 因子 群 ・調 節 因 子 群 , 今 後1年 以 内 にcDNA
ク ロー ン がす べ て得 られ る であ ろ う基 本 因 子 群 を用 い る
転 写 調 節 系 に お い て中 心 的 な 役 割 を 担
って い るこ とが 明 らか にな った 。
② の研 究 は , そ の後 のTFⅡD遺
結 し,TFⅡD研
伝 子 の 単離 へ と直
究 を 容 易 に さ せ る に 至 った も の で あ
835
26
蛋 白 質 核 酸 酵 素 図3.
る。 つ ま り困 難 を き わ め て い たTFⅡDの
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て , パ ン酵 母TFⅡDが
ヒ トTFⅡDと
Vol38No.5(1993)
さ ま ざ ま な種 由来 のTFⅡDの
構造比較
精 製 に関 し
酸 性活 性化 領 域 と相 互 作 用 す る可 能 性 が考え られ るが,
基本 転写 系 に
証 明 は な い 。 しか し, 種 々 の タ イ プ の転 写 因 子 と相互 作
お い て機 能 的 に代 替 で き る との結 果 が 変 化 を もた ら した
用 して い る ら しい結 果 が, い くつ か 得 られ て い る,④σ
(こ の結 果 は , パ ン酵 母GAL4が
ホ モ ロ ジー ;DNA結
ヒ ト細 胞 系 で も 機 能
合 特 異 性 に 関 与 す る可 能 性 が 考 え
す る とい う実 験 事 実 か ら導 き 出 さ れ た, 調 節 因 子 に よる
られ た が,X線 解 析 結 果 は一 部 否 定 す る格 好 に な り, そ
転 写 調 節 機 能 は, パ ン酵 母 か ら ヒ トに至 るま で, 共 通 性
れ とは 別 に他 の転 写 因子 群 との 相 互 作 用 に 関与 す る可 能
を有 す る との 仮 説 に 立 脚 して い る)28)
。 パ ン酵 母 か らの
性 が で て きた , な ど であ る。
精 製 が 容 易 で あ る こ とは す ぐ に示 され た29)(
材 料 が集 め
や す い とい うよ りは , パ ン酵 母 のTFⅡDが
サブユニ ッ
TFⅡDの
構 造 解 析 は, 多 くの 変 異 体 を 用 い て 行 なわ
れ ,DNA結
合 ドメ イ ンな ど につ い て, き わめ て有 効 な
ト構 造 を もた ず , 小 さな 分 子 と して 存 在 す る こ と に よ
結 果 が 得 られ た 。 ①direct repeat構
る)。1989年 に は5つ の グル ー プ に よ りパ ン酵 母TFⅡD
の ドメ イ ンに 分 離 で き る が, 双 方 と もに 必 須 であ る こ
遺 伝 子 の単離 ,1990年
に は 分 裂 酵 母 (2), 植 物 (1),
シ ョウ ジ ョウバ エ (2), ヒ ト (3) か らcDNAが
単離
と32}
, ②DNAに
造 が必 要 で ,2つ
モ ノ マ ー で 結 合 す る こ と30)
, ③DNA
ベ ン デ ィン グ能 を有 す る こ と33)r④DNAの
主溝 (major
され た [( ) 内 数字 は 単離 し た グ ル ー プ の 数 ]。1990
groove) で なく , 副 溝 (minor groove) に 結 合 す るュ
年 に,in vatro系 で の構 造 活 性 相 関30)
,1991年
以降,
ニ ー クな 因 子 であ る34)
。 またX線 結 晶構 造 解析 に よ る三
で の構 造 活 性 相 関 の 解 析 が な され31)
, 本因子
次 元 構 造 も最 近 明 らか に な っ た35)
。
一 方 , 機 能 的 に は, ク ロー ン化 因 子 を用 い て以 下 の こ
in vivo系
の 性 質 が 幅 広 く解 析 され た。
そ れ らの結 果 を簡 単 に ま とめ る と, 以 下 の よ うで あ る
(図3) 。す なわ ちTFⅡDは
の大 きな
子 に よ る転写 活 性 化 に は 不 充 分 であ る こ と14)
,基本転写
酸 配 列 が種 に よ りま ち ま ち で あ るが ,C末 端 側180個
ア ミノ酸 は種 間 で80%
ック
端 側 は 長 さお よび ア ミノ
構 造 的 に は ,2つ
サ ブ ドメ イ ン に分 け られ ,N末
とが 明 らか とな った 。 ク ロー ン化 さ れ たTATAボ
ス 結 合 因 子 は, 基 本 転 写 活 性 に は充 分 で あ るが , 調 節 因
の
以 上 の 相 同 性 を 有す るば か りで
活 性 能 は ,C末 端 側180個
の ア ミノ酸 領 域 だ け で 充 分 で
あ る こ と30)
な ど で あ る。 これ らの実 験 結 果 は ,TFⅡD
な く, 一 次 配 列 内 で1個 の ア ミノ酸 の 付 加 や 欠 失 も ま っ
が,TATAボ
た くみ られ な い14)。このC末 端 側 領 域 に は, 以 下 の4つ
ッ クス結 合 因 子 コン ポ ー ネ ン ト以 外 に ,
複 数 の 因 子か ら成 り立 つ こ とを 予 想 させ る。 この 予 想 は
の特 徴的 な配 列 が 存 在 す る。 ①direct repeats; 分 子 内
また ,①native TFⅡDの
2量 体化 に関 与 す る可 能 性 が考 え られ, 最 近 の 筆 者 らに
な分 子 で あ る こ と, ②native TFⅡDは
よ るX線 結 晶構 造 解 析 の結 果 , 対 称 構 造 を つ く るの に 使
ス主 要 後 期 遺 伝 子 プ ロモ ー タ ー上 で,TATAボ
わ れ て い る。 ②mycホ
領 域 だ け で な く, +1部 位 を 含 む 下 流 域 に も結合 す るの
モ ロジ ー/ヘ リ ックス ・ル ー プ ・
ヘ リ ッ クス ;分 子 内あ る い は分 子 間 相 互 作 用 に関 与 す る
に 対 し, ク ロー ン化TATAボ
可 能 性 が考え られ た が, 実 験 事 実 の 蓄積 は な い, た だ し
ネ ン トは ,TATAボ
X線 解析 結 果 は支 持 す る。 ③basic repeat; 調節 因 子 の
か ら も支 持 され る25,36)
。
836
分 子量 は ,100K以
上 の巨大
, アデ ノ ウイ ル
ックス
ッ クス結 合 因 子 コ ンポ ー
ッ クス のみ に結 合 す る, とい う結 果
27
転写調節因子に よる転写活性化機構 の解析
よっ てTFⅡDの
サ ブ ユ ニ ッ構
造 を 明 らか にす る こ
とが , 調 節 因 子 に よ る転 写 活 性 化 機 構 を 考 え る うえ で,
る方 法 ,TFⅡDτcDNAに
プ ・TFⅡDτ
きわ め て 重要 な こ とに な る。 近 年 そ れ らサ ブ ユ ニ ッ ト ・
コ ンポ ー ネ ン トの解 析 が, い くつ か の グル ー プか ら報 告
され て い る。 ま たTFⅡDに
TFⅡDに
結 合 す る補 助 因子 群 (
弱く
相互 作 用 す る因 子 群 で, 本来 のTFⅡDの
構
細胞
に対 す るTFⅡD再
構 成 を行なって
トー
か ら精 製 を 試 み る , さ ま ざま な ア フ ィ ニ テ ィ ー法 が導 入
され た 。 ま たTFⅡDτ
に相 互 作 用 す るサ ブ ユ ニ ッ ト因
子 を , 発 現 ベ ク タ ー ・ラ イ ブ ラ リー を 利 用 し て 発 現 さ
造 ・機 能 を保 持 す る もの に 必 要 な サ ブユ ニ ッ トとは異 な
せ ,in vivo相
る) も, い くつ か 単 離 ・同 定 さ れ て きた。 特 に酵 母 にお
す る方 法 ,in vitroでfar western法
に よ り直 接 検 出
・単 離 す る方 法 な ど, さ ま ざ ま な 試 み が な され て い る。
い て は, 高 等 生 物TFⅡDの
よ うに , サ ブユ ニ ッ トが 強
く相互 作 用 して い る様 子 は検 出 さ れ な い の で, 補 助 因 子
互 作 用 を マ ー カー 因 子 に よ り検 出 ・単 離
な お 最 近 示 され た 新 しい概 念 と して は ,TFⅡDτ
群 の 存在 が想 定 され て い る 。 こ こ では便 宜 的 に,TF皿D
RNAポ
に強 く相 互 作 用 す る因 子 群 , お よび 弱 く相互 作 用 す る因
る42)
。 ま たTFⅡDτ
が ,RNAポ
も作 用 し,RNAポ
リメ ラー ゼI転
子 群 とに分 け て , 話 を進 め る。
SL1の
2。TFⅡDτ
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エ ピ トー プを 導 入後
内 に戻 して トラ ン ス フ ォー マ ン トを得 て, 細 胞 内 で エ ビ
*1と 強 く相 互 作 用 す る因 子 群
高等 生 物 ではTFⅡDは
在 す るが , パ ソ酵 母 では , 精 製 時 に 分 離 し て し ま うの
か , 非 常 に小 さ な 分 子 (TATAボ
サ ブ ユ ニ ッ トの1つ
ッ クス 結 合 因 子 コ ソ
ポ ー ネ ン ト) と して 単 離 され る。 よ ってTFⅡDτ
と相
互 作 用 す る因 子群 とい っ て も, 高 等生 物 とパ ソ 酵 母 で
ゼ 皿転 写 因子TFⅢBの
リメ ラー ゼI転 写 系 で
写 因 子 の1つ であ る
と して 存在 して い る こ と も
示 され た43)
。 同様 に してTFⅡDτ
, 非 常 に大 きな分 子 と して存
が,
リメ ラー ゼⅢ 転 写 系 で も 作 用 す る こ とであ
が,RNAポ
リメ ラー
サ ブ ユ ニ ッ トの1つ
と して 存在
す る こ とも, 示 され つ つ あ る。 した が っ てTFⅡDτ
は,
真核 細 胞 転 写 系 の 中 心 的 因 子 で あ る との認 識 は, 従 来 以
上 に 高 ま っ て い る。
ま たRNAポ
リメ ラーゼⅡ 転 写 系 に お い て も,通 常 の
は , 多 少 意 味合 い が 異 な る と考 え られ る の で, 注 意 を 要
TFⅡD(D-TFⅡDと
す る。 こ こで はTFⅡDτ
ル ロー ス カ ラ ム で 異 な る 位 置 に 溶 出 さ れ るB-TFⅡD
と強 く相 互 作 用 す る, シ ョ ウ
ジ ョウバ エ や ヒ トのTFⅡDに
生 化 学 的 にTFⅡDを
つ い て説 明す る。
とい う因 子 も見 い だ され た44)
。 本 因 子 は 最 近 純 化 され ,
単 離 す る 試 み が , シ ョウ ジ ョ
ウバ エ (Tjian,Nakatani) , ヒ ト (Tjian,Horikoshi)
の種 か らな され , 各々 複 数 の コ ソ ポ ー ネ ソ トか らな る こ
とが 示 され た37∼41)
。 方 法 は ,TFⅡDτ
用 い, 抗 体一TFⅡDτ
に 対 す る抗 体 を
に分 子 集 合 す る, 未 知 の サ ブ ユ ニ
ッ トを 検 出す る も の で, 少 な くと も10個
名 づ け られ た)以 外 に, ホス ホ セ
近 くの強 く相
2つ の サ ブ ユ ニ ッ トか らな り,D-TFⅡDの
サ ブユニッ
ト構 成 とは異 な る こ と, 調 節 因 子 に よ る転 写 活 性 化 能 を
有 しな い こ と, な どが示 され て い る。
以 上 の よ うにTFⅡDτ
に 相 互 作 用 す る因 子 群 は , か
な りの数 存 在 し,しか もそ れ らが 異 な る タ イ プ のTFⅡD
様 複 合 体 を形 成 す る ら し い こ と が , 明 ら か と な って き
互 作 用す る因子 群 が 同 定 さ れ た 。 さ らに これ らの 因 子群
た。 一 見 単 純 と思 わ れ たTATAボ
ックス結 合 因 子 も,
を 用 い て, 種々 の調 節 因 子群 に よ る転 写 活 性 化 能 を 解析
複 雑 な 様 相 を呈 して き たわ け で, 転 写 調 節 系 に おけ る
した が, 呼応 しな い場 合 もみ られ た 。 した が って, 各 調
TFⅡDの
重 要 性 の認 識 は, ほ と ん ど の 研 究 者 に とっ て
節 因 子 に よ る転 写 活 性 化 に必 要 な 因 子 は 異 な るの で は な
もほ ぼ 確 立 した と い っ て よ い。 今 後 は, これ らTFⅡD
い か と容 易 に想 像 され た。
サ ブ ユ ニ ッ トの単 離 ,cDNAク
現 在 これ らの 因子 の うち ,p250と
ンポ ー ネ ン トが ,TFⅡDτ
い う最 も大 き な コ
と直 接 相 互 作用 し て い る こ
とが判 明 し40)
, さ らに は , 各 因 子 のcDNAク
ロー ン の
ロー ニ ソ グ,構 造 活性 相
関 の解 析 を 通 して , さ ま ざ ま な タ イ プの 調節 因 子 が, ど
のTFⅡDサ
ブ ユ ニ ッ トと相互 作 用 して い るの か, そ の
相 互 作 用 が 転 写 酵 素RNAポ
リメ ラ ー ゼⅡ ・転 写 開 始 因
単 離 が さ か ん に行 な わ れ て い る と こ ろ で あ る。cDNA
子 群 お よびDNAプ
単 離 にあ た って ,1つ に は蛋 白 質 を 精製 しア ミノ酸 配 列
うな 変 化 を 与 え て い る のか , これ らの分 子機 構 を探 る研
を 決定 し, そ して対 応 す る オ リゴ ヌ ク レ オ チ ドを 用 い
究 が 重 要 とな って こ よ う。
て,cDNA単
離 を試 み る 従 来 か ら の 方法 が あ る 。 蛋 白
質 精 製 法 と して は, 抗 体 を 用 い る 方法 ,TFⅡDτ
フ ィニ テ ィーに よ る方 法 ,DNAア
*1 TATAボ
ロモ ー タ ー と の 複 合 体 に, ど の よ
ア
フ ィニ テ ィー を用 い
ッ ク ス結 合 因子 コ ンポ ー ネ ン ト, ま た はTBPと
書 く方 式 が 一 般 的 とな りつ つ あ る。
837
28
蛋 白 質 核 酸 酵 素 3.TFⅡDに
弱 く相 互 作 用 して ,TFⅡDτ-DNA
と相 互 作 用 す るTFⅡDτ
TFⅡDτ
複 合 体 に 影 響 を与 え る因 子 群
TFⅡDτ
と相 互 作 用 す る因 子 と し て, 強 く結 合す る
の ドメ イ ンにつ いて は ,ElA/
の 場 合 ,basic repeat領
域 が そ の役 割 を 担 っ
て い る こ とが示 され た 。 本 領 域 は先 述 の よ うに ,TFⅡA
サ ブ ユ ニ ッ ト以 外 に も, 複 数 の弱 く結 合す る因子 が見 い
が相 互 作 用 す る 顕 域 で あ り, またNC2がTFⅡA一
だ され, 転 写 調 節 に 重 要 な 役 割 を 演 じて い るであ ろ うこ
TFⅡDτ
の相 互 作 用 を 阻 害 す る際 に作 用 す る 領 域 で も
とが わ か って き た45 47)。基 本 因子 群 の うち,転 写 開 始 に
あ る 。 した が ってbasic repeat領 域 を 介 して, さ ま ざ ま
際 して 働 く と考 え ら れ るTFⅡAは
な 因 子 が 競 合 的 に拮 抗 す る こ とに よ り調 節 が行 なわ れ て
D内
のbasic repeatを
,DNA上
で,TF
介 して 結 合 す る46,49)。
そ
Ⅱれ 以
外 に も, 調 節 因 子 とTFⅡDの
相 互 作 用 を補 助 した り,
阻 害 す る因 子 が , ゲル シ フ ト法 に よ り検 出 され た。
Reinbergら
は ,TFⅡDτ
す る因 子群Dr1/Dr2を
とDNA上
リン酸 化
とDNA上
い る と想 像 され る。 い ず れ に して も,TFⅡDτ
に結 合
す る 因子 群 に よ り, 転写 開 始 が 調 節 され て い る こ とは確
か な こ とであ ろ う。 また 多 数 の 異 な る因 子 が, た か だ か
で 複合 体 を形 成
見 いだ した 。Dr1は
蛋 白質 で, リン酸 化 状 態 で はTFⅡDτ
Database Center for Life Science Online Service
Vol83No.5(1993)
20KのTFⅡDτ
の保 存 領 域 に結 合 す る こ と の 構 造 的
根 拠 は きわ め て興 味深 い35)
。
で複
合 体 を 形 成す るが , 脱 リン酸 化 状 態 で は複 合 体 を形 成 し
4.TFⅡB
な い。 この こ とは また して も, リン酸 化 ・脱 リン酸 化 に
TFⅡBは
, 転 写 開 始 反 応 に 関与 す る因 子 と して 知 ら
よ り,転 写 調 節 が 担 わ れ て い る こ と を 意 味 す る。Dr1
れ て きた が, 最 近TFⅡBが
が ,TFⅡDτ-DNAと
作 用 し, 調 節 因 子 に よ る転 写 活 性 化 反 応 に 関 与す る可 能
複 合 体 を 形 成す る と, 基本 因 子 で
あ るTFⅡAやTFⅡBの
,TFⅡDτ-DNAへ
合 が 阻 害 され るの で ,Dr1は
に な る。Dr1のcDNAは
の分 子 集
負 の 調 節 能 を有 す る こ と
す で に単 離 され ,興 味深 い こ
とに, 弱 い な が ら も, 調 節 因子 であ るHAP3や
Eve・Enな
,Kr・
ど との 構 造 上 の相 同性 が 見 い だ され て い る。
酸 性活 性 化 因子 と直 接 相 互
性 が提 唱 され た19)
。VP16-TFⅡBの
に意 味 を もつ こ とは ,VP16の
相互 作用 が 機 能 的
変 異 因 子 を 用 い る こ とに
よ り示 さ れ た52)
。 しか もGreenら
glesら の い うTFⅡD−VP16の
VP16に
は ,Greenblatt/In相 互 作 用 は ,TFⅡB一
比 べ る と弱 い と い う結 果 を示 してお り,両 者 の
一 方Roederら
は ,遊 離 の転 写 因子 で,調 節 因 子, 基
主 張 は真 向か ら対 立 し, 混沌 と した 状 況 で あ った53)
。た
本 因 子 ,TFⅡD以
外 の も の を 同 定 ・単 離 す る研 究 を 行
だ どち らの 場 合 に して も, 調 節 因 子 が 効 果 を 与 え る反 応
な って きた が , そ れ らの ほ と ん ど が ,TFⅡDτ
と弱 く
段 階 は ,TFⅡDがDNAと
結 合 してか ら後 の段 階
す
相 互 作 用す る因 子 群 であ る こ とが示 され た 。 これ らの 因
なわ ちTFⅡBが
子 は,NC1,NC2,USA,DBF4な
ど と称 され , そ の
ま で の間 で あ る との 結 論 は , 以 前 筆 者 らが 発 表 した モ デ
性 質 が 若 干 明 らか に され た 。USAは
調 節 因子 に よ る転
ル8 10)と同 様 で あ り, 見 解 の差 異 は, 調 節 因 子 の直 接 の
写 活 性 化 に必 要 な コ ン ポ ー ネ ン トで あ り,NC2は
を阻 害 す る。NC2は
転写
,TFⅡAがTFⅡDz-DNA複
合
体 と相 互 作用 す る のを 阻 害 す る こ とに よ り, 転 写 を 阻 害
す る であ ろ うこ とが 示 され た 。Dr1とNC2は
,そ の性
質 が よ く似 て い る こ とか ら, 同一 の分 子 であ る ら しい 。
調 節 因 子群 とTFⅡDτ
との 相 互 作 用 の 解 析 を 通 し
プ ロモ ー タ ー上 に分 子 集 合 す る段 階
標 的 が ,TFⅡDな
のか ,TFⅡBな
のか , あ るい は両 者
な のか とい うこ とで あ った 。 興 味深 い点 と してTFⅡB
はTFⅡDと
同様 な , 蛋 白 質 の 分 子 構 造 を 形成 して い
る こ と (分 子 内 にdirect repeat構
造 ,basic repeat構
造 , σ ホ モ 官 ジー 領 域 を 含 む20)
) か ら, 両 者 の 間 に は,
機 能 的 に 共 通 な 基 盤 が あ るか も しれ な い こ とを指 摘 して
て, 転 写 活 性 化 の 分 員 機 構 を探 る研 究 もひ き続 き行 な わ
お く20)。な お 新 しい知 見 と して ,TFⅡBがVP16以
れ て い る。代 表 的 な研 究 と して は ,Berk,Weinmannの
の 他 の 調 節 因 子 と も相 互 作 用 す る こ とが判 明 して い る。
ElA-TFⅡDτ
外
相 互 作 用50,51),BerkのZta−TFⅡDτ
相 互 作 用52)Greenblatt/Inglesら
のVP16-TFⅡDτ
相 互 作 用53)の解 析 な ど が あ る。 いず れ も各々 のcDNA
5. :
コア クチ ベー タ ー
酵 母 のTFⅡDは
,高 等 動 物 のTFⅡDと
異 な り,
ク ロー ンか ら発 現 させ た転 写 因 子群 を精 製 して, 免 疫 沈
通 常TATAボ
降 法 , カ ラ ム ク ロ マ ト法 を用 い て 相互 作用 を解 析 した 。
在 して い る ら しい こ とが, 精 製 蛋 白 質 の状 態 か ら考 え ら
相 互 作 用 が 機 能 的 に重 要 で あ る こ とを示 す ため に は, 転
れ た 。 よ っ て調 節 因子 に よ る転 写 活 性化 反 応 には , 遊 離
写 活 性 化 能 のな い 調 節 因 子 に は ,TFⅡDτ
した 状 態 の 因 子 (高 等 動 物 では ,TFⅡDの
との相 互 作
用 能 が ない とい うこ とで結 論 づ け て い る。 ま た調 節 因子
838
トお よびTFⅡDτ
ッ クス結 合 因 子 コ ンポ ー ネ ン トのみ で存
サブユニ ッ
と弱 く相 互 作 用 す る 因 子 の双 方 にあ
29
転写調節因子に よる転写活性化機構 の解析
た る と考 え られ る) が 必 要 であ る こ とが 明 らか に な っ て
の時 代 か ら, ①TATAボ
き た。 そ の よ うな 因 子 群 と して,WinstonとGuarente
心 と した 転 写 基 本 因 子 の精 製 ,cDNAク
の2つ の グル ー プ が , 遺 伝 子 単 離 に成 功 を 収 め た54,55)。
れ らの 構 造 ・活 性 相 関 の 解 析 , ② 遺 伝 子特 異 的 調 節 因
しか しな が ら双 方 と もに , 遺 伝 学 的 手 法 に よ り単 離 して
子 の標 的 因 子 の解 析 お よび 転 写 活 性化 ・不 活性 化 機 構 の
き て い るた め, 実 際 , 生 化 学 的 に直 接 働 きか け る因 子 な
解 析 , ③ 転 写 因 子 の三 次 元 レベ ル で の 構 造 決析 を 用 い
のか ど うか, 検 証 が 必 要 であ る。
Guarenteら
中
ロー ニ ン グ,そ
て の転 写 調 節 機 構 の解 析 ,④ 生 物 学 的 現 象 を転 写 調 節 の
の グ ル ー プ は, 細胞 内 で酸 性活 性 化 因子
観 点 か ら分 子 レベ ル で説 明 して い るよ うな研 究 へ と移 行
を大 量 に 発 現 させ る と, 細 胞 の成 長 が 遅 くな るこ とに注
して い る こ とが , 明 確 に な って き た 。1990年
目 し, そ の 性質 を 元 の 成 長 速 度 に 戻 す 変 異 因 子 と して単
ス トー ソ ・シ ンポ ジ ア の発 表 で現 わ れ た徴 候 が, 近 年 ま
離 を試 み た 。す なわ ち , 大 量 発 現 し た 酸 性活 性化 因 子
のキー ・
さ に ピー ク を迎 え よ う とい う雰 囲 気 で あ る 。 しか しな が
は , 細 胞 内 の コフ ァ クタ ー や 基 本 因 子群 と相 互 作 用 す る
ら遺 伝 子 特 異 的 調 節 因 子 の研 究 も, まだ ま だ さ か ん に
た め, 必要 な遺 伝 子か らの 転 写 を 抑え て しま うと考 え,
(遺 伝 子 数 相 当 分 が , 行 な わ れ て い くの で あろ うが ) な
そ の 性 質 を元 に戻 す の に コ フ ァ ク ター の変 異 が有 効 な の
され て い る こ とは , 確 か であ る が。
で は, と考 えた わ け で あ る。 得 られ た い くつ か の遺 伝 子
の うち ,ADA2と
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ック ス結 合 因子TFⅡDを
名 づ け られ た ものは ,in vitro転 写
系 で 興 味深 い性 質 を示 した 。ada2変
異 株 か らの細 胞 抽
お お まか に 研 究 の 枠 を 考 え てみ る と, ① 転 写 基 本 因
子 群 やRNAポ
の 解 析 ,③X線
リメ ラー ゼ の 解 析 , ② 転 写 調 節 因 子 群
結 晶 構 造 解 析 ,NMR解
析 な ど に よ る三
出 液 に よ る転 写 基 本 活 性 は, 野 生 株 のそ れ と変 わ らな い
次 元 構造 解 析 ,④ 情 報 伝 達 系 と転 写 調 節 系 と の 関 連 の
の に, 酸 性活 性 化 因子 に よ る転 写 活 性化 を ひ き起 こ さな
解 析 ,⑤ 転 写 活 性 化 ・不 活 性 化 機 構 の解 析 ,⑥ ク ロマ チ
い (
野 生 株 は活 性 化 す る) こ とか ら,本 因子 は転 写 基 本
ン構 造 と転 写 調節 との 関 連 解 析 , ⑦ 発 生 ,分 化 ,癌化 ,
因 子 で は な く, 調 節 因 子 に よ る転 写活 性 化 に必 要 な 因 子
細 胞 周期 , 細 胞 増 殖 な ど さ ま ざ ま な生 物 学 的 現 象 に対 応
で あ る と考 え られ た 。 また 変 異 因 子 は, 酸 性 活 性 化 因 子
した 転写 因 子群 の機 能 的 役 割 の 解 析 , な どが 大 きな テ ー
の うち い くつ か の も の に対 して は反 応 す る こ とか ら, あ
マ と して存 在 して い る。
る タ イ プ の酸 性 活 性 化 因 子 のみ に働 くら しい。 酸 性 活 性 ∼
化 因子 に対 して も さ ま ざ まな コア クチペ ー ター が 存在 す
る のか , 活 性 化 の 経 路 が 異 な る こ とな の か は 不 明 で あ る 。
一 方 ,Winstonの
グル ー プは ,TFⅡDに
変 異 を もつ
した が って, 日本 で の 転 写 調 節 研 究 を 考 え る うえ で も
(本 当 に独 創的 な 研 究 は 別 に して ), これ ら の状 況 を 見す
て いか なけ れば な らな い こ とは , 誰 の 目 に も明 らか え
で
あ る。 日本 で こ の状 況 に 対 応 して い く には , ①RNAポ
温 度 感 受 性 変 異 株 を 多 数 単 離 し, そ の 中 で,TFⅡDの
リメ ラ ー ゼⅠ ・Ⅱ ・Ⅲ転 写 系 を各々 行 な う研 究 室 の育 成
TATAボ
ックス へ の 結 合 活 性 ・転 写 基 本 活 性 は ,野 生
② 転 写 基 本 因 子研 究 の育 成 ,③ 三 次 元 構 造 解 析 の た め
株 と変 わ らな い が, 調 節 因 子に よ る転 写 活 性 化 に は対 応
の総 合 的 設 備 投 資 の充 実 ,④ 高 等 動 物 遺 伝 学 を 駆 使 し
で きな い 株 を 検 出 した 。 変 異 株 で はお そ ら く,TFⅡD
た研 究 の育 成 , ⑤ 流 行 に と ら わ れ な い , 日本特 有 の系
と相 互 作 用す る コア クチ ベ ー タ ーが 結 合 で きな い の であ
を用 いた 系 の確 立 お よび 育 成
ろ うと考え , そ の復 帰株 の 単 離 を 試 み た 。 単離 され た復
い て の情 報 入 手 , お よび そ の ネ ッ トワー クづ く り, な ど
帰 株 の多 くは ,SPT3遺
異
を 当面 の課 題 と考 え 対 処 して いか な け れ ば な らな い の で
度 感 受 性 株 の 復 帰 は ,allele特 異 的
は な い か と考 え る。 同時 に, 個 人 の サ イ エ ンス に取 り組
に よ るTFⅡD温
伝 子に 変 異 を有 し,spt3変
であ る。 またin vitroの 免 疫 沈 降 実 験 か ら,TFⅡDと
SPT3が
直 接相 互 作 用 す る こ とが 確 か め られ た 。以 上 か
ら,SPT3はTFⅡDと
⑥ さ まざ ま な 方 法 を 用
む 姿 勢 の改 善 , お よび 今 ま で に多 くの研 究 者 が指 摘 して
きた ハ ー ドの 改 善 の 問 題 な どは, これ か ら取 り上 げ られ
相 互 作 用 す る因子 で, 調 節 因 子
議 論 され な け れ ば な らな い と思 わ れ るが, これ らにつ い
に よ る転 写活 性 化 に関 与 す る, コア クチ ベ ー タ ー であ ろ
て は, 総 説 の性 格 上 , 割 愛 させ て い た だ く こ とに す る。
う と考 え られ た 。
いず れ に して も転 写 調 節 研 究 は , さ ま ざ まな 意 味 で,
生 物 学 研 究 分 野 全 体に 大 き くイ ソバ ク トを与 え る分 野 で
あ る と考え て い る こ とを認 め て い ただ け るな らば, 若 い
お わ りに これ ま で 述 べ て き た よ う に, 近 年 の 転
研 究 者 が まだ 見 ぬ 世 界 第 一 線 の研 究者 に 気 お くれ す る こ
写 調 節 研 究 の 中 心 的 課 題 は, 遺 伝 子特 異的 調 節 因子 の
とな く参 加 し, 真 正 面 か ら対 応 して い くの が大 切 であ る
cDNAク
こ とを 伝 え て お きた い。 また , 医 学的 な局 面 , 物 質 生 産
ロー ニ ン グ, そ れ ら の 構 造 ・活 性 相 関 の 解 析
839
30
蛋 白 質 核 酸 酵 素 Vo138No.5(1993)
的 な局 面 の み に とらわ れ や す い状 況 下 に お い て も, 基 礎
21)Sigler,P.B.:Nature,333,210-212(1988)
研 究 の重 要 性 を 評 価 で き る よ うな シス テ ムお よび サ ポ ー
22)Ptashne,M.:Nature,335,683-689(1988)
トの充 実 は, 上 述 の 大 望 あ る若 い研 究 者 育 成 に は必 須 の
23)Cress,W.D.,Triezenberg,S.J.:Science,251,
97-90(1991)
こ とで あ る こ とを 切 に願 って い る こ とも あわ せ て述 べ て
24)Lewin,B.:Cell,61,1161-1164(1990)
お きた い。
25)Nakajima,N.,Horikoshi,M.,Roeder,R.G.:
Mol.Cell.Biol.,8,4028-4040(1988)
26)Buratowski,S.,Hahn,S.,Sharp,P.A.,Gua-
文
献
rente,L.:Nature,334,37-42(1988)
27)Cavallini,B.
1)Weil,P.A.,Luse,D.S.,Segall,J.,Roeder,R.
28)Kakidani,H.,Ptashne,M.:Cell,52,161-167
2)Matsui,T.,Segall,J.,Weil,P.A.,Roeder,R.
(i9ss)
G.:J.Biol.Chem.,255,11992-11996(1980)
29)Horikoshi,M.,Wang,C.K.,Fujii,H.,Cromlish,7.A.,Weil,P.A.,Roeder,R.G.:Proc.
3)Breathnach,R.,Chambon,P.:Ann.Rev.Biochem.,50,349-383(1981)
Natl.Acad.Sci.USA,86,4843-4847(1989)
4)Serfling,E.,Jasin,M.,Schaffner,W.:Trends
30)Horikoshi,M.,Yamamoto,T.,Ohkuma,Y.,
Genet.,1,224-230(1985)
Weil,P.A.,Roeder,R.G.:Cell,61,1171-1178
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5)Johnson,P.F.,McKnight,S.L.:Ann.Rev.
(1990)
Biochem.,58,799-839(1989)
31)Poon,D.,Schroeder,S.,Wang,C,K.,Yamamo-
6)Tsuda,M.,Suzuki,Y.:Cell,27,175-182
to,T.,Horikoshi,M.,Roeder,R.G.,Weil,P.
A.:Mol.Cell.Biol.,11,4809-4821(1991)
(1981)
7)Mitchell,P.J.,Tjian,R.:Science,245,371-
32)Yamamoto,T.,Horikoshi,M.,Wang,J.,Hase-
378(1989)
gawa,S.,Weil,P.A.,Roeder,R.G.:Proc.
8)Horikoshi,M.,Carey,M.F.,Kakidani,H.,
Natl.Acad.Sci.
Roeder,R.G.:Cell,54,665-669(1988)
ひs.A,89,2844−2848(1992)
33)Horikoshi,M.,Bertuccioli,C.,Takada,R.,
9)Horikoshi,M.,Hai,T.,Lin,Y-S.,Green,M.
Wang,7.,Yamamoto,T.,Roeder,R.G.:Proc.
R.,Roeder,R.G.:Cell,54,1033-1042(1988)
Natl.Acad.Sci.USA,89,1060-1064(1992)
10)Hai,T.,Horikoshi,M.,Roeder,R.G.,Green,
34)Lee,D.K.,Horikoshi,M.,Roeder,R.G.:Cell,
M.R.:Cell,54,1043-1051(1988)
67,1241-1250(1991)
11)Roeder,R.G.:TrendsBiochem.Sci.,16,
35)Nikolov,D.B.,Hu,S-H.,Lin,J.P.,Gasch,A.,
402-408(1991)
Hoffmann,A.,Horikoshi,M.,Chua,N-H.,Ro-
12)Horikoshi,M.,Wang,C.K.,Fujii,H.,Crom-
eder,R.G.,Burley,S.K.:Nature,360,40-46
1ish,J.A. ,Wei1,P.A.
,Roeder,R.G.
:Nature,
(1992)
341,299-303(1989)
36)Nakatani,Y.,Horikoshi,M.,Brenner,M.,
13)Hoffmann,A.,Horikoshi,M.,Wang,C.K.,
Yamamoto,T.,Besnard,F.,Roeder,R.G.,Fre-
Schroeder,S.,Weil,P.A.,Roeder,R.G.:
ese,E.:Nature,348,86-88(1990)
GenesDev.,4,1141-1148(1990)
37)Dynlacht,B.D.,Hoey,T.,Tjian,R.:Cell,66,
14)Hoffmann,A.,Sinn,E.,Yamamoto,T.,Wang,
563-576(1991)
38)Pugh,B.F.,Tjian,R.:GenesDev.,5,1935-
J.,Roy,A.,Horikoshi,M.,Roeder,R.G.:Nature,346,387-390(1990)
1945(1991)
15)Gasch,A.,Hoffmann,A.,Horikoshi,M.,Roe-
39)Tanese,N.,Pugh,B.F.,Tjian,R.:GenesDev.,
der,R.G.,Chua,N-H.:Nature,346,390-394
5,2212-2224(1991)
40)Takada,R.,Nakatani,Y.,Hoffmann,A.,Ko-
(1990)
16)Muhich,M.L.,Iida,C.T.,Horikoshi,M.,Roe-
kubo,T.,Hasegawa,S.,Roeder,R.G.,Horiko-
der,R.G.,Parker,C.S.:Proc.Natl.Acad.
shi,M.:Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,
11809-11813(1992)
Sci.USA,87,9148-9152(1990)
,Ingles,C.J.
Nature,345,783-786(1990)
18)Peterson,M.G.,Tanese,N.,Pugh,B.F.,Tjian,R.:Science,248,1625-1630(1990)
19)Lin,Y.-S.,Green,M.R.:Cell,64,971-981
(1991)
20)Malik,S.,Hisatake,K.,Sumimito,H.,Horikoshi,lei.,Roeder,R.G.:Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,88,9553-9557(1991)
840
一L.,Sentenac,
77-80(1988)
G.:Cell,18,468-484(1979)
17)Stringer,K.F.
,H:uet,J. ,Plassat,J.
A.,Egly,J.-M.,Chambon,P.:Nature,334,
(数 が 多 す ぎ るた め 同 じ よ うな 論文 は で き るだ け割 愛 した )
,Greenblatt,J.
:
41)Kokubo,T.,Takada,R.,Yamashita,S.,Gong,
D.-W.,Roeder,R.G.,Horikoshi,M.,Nakatani,Y. : 投 稿 中
42)Margottin,F.,Dujardin,G.,Gerad,M.,Egly,
J.,Huet,J.,Sentenac,A.:Science,
426(1990)
43)Comai,L.,Tanese,N.,Tjian,R.:Cell,68,
965-976(1992)
44)Timmers,M.,Sharp,P.A.:GenesDev.,5,
.251,424-
転写調節因子に よる転写活性化 機構の解析
1946-1956(1991)
45)Meisterernst,M.,Roy,A.L.,Lieu,H.M.,Roeder,R.G.:Cell,66,981-993(1991)
46)Meisterernst,M.,Roeder,R.G.:Cell,67,
557-567(1991)
47)Inostroza,J.A.,Mermelstein,F.H.,Ha,L,
Lane,W.S.,Reknberg,D.:Cell,70,477-489
(2992)
48)Buratowski,5.,Zhau,H.:Science,255,11301132(1992)
51)Horikoshi,N.,Maguire,K.,Kralli,A.,Maldonado,E.,Reinberg,D.,Weinmann,R.:Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,88,5124-5128(1991)
52)Lin,Y.-S.,Ha,I.,Maldonado,E.,Reinberg,
D.,Green,M.R.:Nature,353,569-571(1991)
53)Ingles,C.J.,Shales,M.,Cress,W.D.,Triezenberg,S.J.,Greenblatt,J.:Nature,351,588590(1991)
54)Berger,S.L.,Pina,B.,Silverman,N.,Marcus,
G.A.,Agapite,J.,Regier,J.L.,Triezenberg,
49)Lee,D.K.,DeJong,J.,Hashimoto,S.,Horiko-
A.J.,Guarente,L.:Cell,70,251-265(1992)
shi,M.,Roeder,R.G.:Mol.Cell.Biol.,12,
55)Eisenmann,D.M.,Armdt,K.M.,Ricupero,S.
5189-5196(1992)
L.,Rooney,J.W.,Winston,F.
50)Lee,W.S.,Kao,C.C.,Bryant,G.O.,Liu,X.,
Berk,A.J.:Cell,67,365-376(1991)
Database Center for Life Science Online Service
31
:Genes
Dev. ,
6,1319-1331(1992)
お 知 ら せ
第66回
日
会
時 :平 成5年10,月1日
場 :10月1目
Randy
W.Schekman(
Kurt
W?thrich(EHT,ス
(金 )∼4日
(月 )
新 高 輪 プ リ ンス ホ テ ル (東 京 都 港 区 高 輪3−13−1)
2∼4日
特別 講 演 (演 題 未 定 )
Mario R.Capecchi(
日本 生 化 学 会 大 会
東 京 大 学 教 養 学 部 (東 京 都 目黒 区 駒 場3−8−1)
官 を 貫 く実 体
ユ タ大 学 )
林 利 彦 (東 大 ・教 養 )・中 村 敏 一 (阪 大 ・医 )
イ オ ンチ ャ ンネ ル と レセ プ タ ー
カ リフ ォル ニ ア大 学 )
イス )
御 子 柴克 彦 (東 大 ・医 科 研 )・中 西 重 忠 (京 大 ・免 疫 研 :
シ ン ポ ジ ウム (世 話 人 )
細 胞 の機 能 とオ ス モ エ ンザ イ ム
前 田正 知 (阪 大 ・産 研 )・山 口明 人 (千 葉 大 ・薬 )
画 像 解 析 に み る生 化 学
脊 山 洋 右 (東 大 ・医 )・中 西 守 (名 古 屋 市 大 ・薬 )
NMRに
よ る タ ン パ ク質 の構 造 解 析
別 府 輝 彦 (東 大 ・農 )
医 学 と生 物 学 に お け る一 酸 化 窒 素NOの
稲 垣 冬彦 (都 臨 床 研 )・横 山茂 之 (東 大 ・理 )
糖 鎖 発 現 の 制 御 は どの よ うに して 行 わ れ るか 一
細 胞 機 能 を制 御 す る新 し い生 理 活 性 物質
現 状 と将 来
老 化 の生 化 学
谷 口直之 ほ か (阪 大 ・医 )
ジ ー ソタ ー ゲ ッテ ィ ン グに よ る生 体 機能 の解 析
が ん の パ イオ サ イエ ンス の 進 展
勝 木 元 也 (九 大 ・生 医 研 )
転 写 調 節機 構
分 子 レベ ル で の 転写 因子 の解 析 か ら 発
病 気 と生 化 学 一
井 原 康 夫 (東 大 ・脳 研 )
鶴 尾 隆 (東大 ・応 微 研 )・高 井 義 美 (神 戸 大 ・医 )
生 ・分 化 ・癌 化 の 仕 組 み 解 明へ 向け て
堀 越 正 美 (東 大 ・応 微 研 )
ス トレス応 答 と ス トレス タ ン パ ク質
永 田 和 宏 (京 大 ・胸 部 研 )・矢 原 一郎 (都 臨 床 研 )
タ ソパ ク質 の 細 胞 内局 在 化 ・ソー テ ィ ソ グの 分 子 機 構
中 野 明 彦 (東 大 ・理 )・米 田 悦 啓 (阪 大 ・細 工 セ )
バ イォ モ ジ ュ レー タ ー と し て の プRテ ァ ーゼ
鈴 木 紘 一 (東 大 ・応 微 研 )・木 南英 紀 (順 天 堂 大 ・医 )
細 胞 内 情 報 伝 達 と タ ンパ ク質 チロ シ ン残 基 リン酸 化 反 応
中 川八 郎 (阪大 ・蛋 白 研 )・山 本博 平 (福 井 医 大 )
役割
前 田 浩 (熊 本 大 ・医 )・江 角 浩 安 (国 立 が ん セ )
研究の
病 態 解 析 の 新 し い展 開
鈴 木 義 之 (都 臨 床 研 )・板 倉 弘 重 (国立 健 康 ・栄 養 研 )
参 加 申込 み方 法 :日本生 化 学 会 誌 「生 化学 」3月 号 とじ こみ
の専 用 振 替 用 紙 (参 加 申込 書 を 兼 ね る ) に て7月30日 (金 )
まで に 申 し込 む こ と。 未 入 会 者 は 入 会 手 続 きが 必 要 。
一 般 講 演 申込 み方 法 :「生 化 学 」3月 号 とじ こみ の 発 表 申込
書 に て 申 し込む こ と。 なお , 演 者 は 日本 生 化 学 会 会 員 に限
る。
参 加 登 録 費 :一般6,000円
学 生4,000円
大 会 連 絡 先 :〒113東
(当 日8,000円 )
(当 目6,000円 )
京 都 文 京 区 弥 生1−1−1
細 胞増 殖 の ス イ ッチ と発 生 分 化 に お け る生 体 高 次機 能 の形
東京大学応用微生物研究所
成制御
第66回
目本 生 化 学 会 大 会 組 織 委 員 会 事 務 局
Tel.03-5684-0086 FAX03-3818-9435
新 井 賢・
一 (東 大 ・医科 研 )・小 池 克 郎 (癌 研 )
サ イ トカ イ ン と細 胞 接 着 分 子 に よる 増殖 と死 の シ グナ ル 伝
達 ネ ッ トワ ー クの 制 御
長 田重 一 (阪大 ・パ イ オ研 )・横 田 崇 (
東 大 ・医科 研 )
マ トリ ック ス生 物 学 の 夜 明 け 一
分 子 ・細 胞 ・組 織 ・器
入 会 申込 み 先 :〒113東
京 都 文 京 区 本 郷5-25-16
石 川 ビル 内
日本 生 化 学 会 事 務 局
Tel.03-3815-1913 FAX03-3815-1934
841
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