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第5学年 道徳(人権学習)学習指導案

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第5学年 道徳(人権学習)学習指導案
第5学年
道徳(人権学習)学習指導案
平成 27 年 12 月 11 日(金)
1
第 5 校時
児童数
17 名
授業者
清水
聡
主題名
たがいに信頼し、学び合って
2
ねらいと資料
(1)ねらい
互いに高め合えるよりよい友達関係を築くために大切なことは何かについて考えるこ
とにより、友達の気持ちや立場を考えながら友情を深めようとする態度を育てる。
(2)資料
知らない間の出来事(私たちの道徳
3
文部科学省)
主題設定の理由
(1)ねらいや指導内容についての教師の考え方
友達は家族以外で特に関わりを深くもつ存在であり、遊び仲間などとして影響し合いなが
ら生活をしている。また、世代が同じ者同士として、似た体験や共通の話題、互いの考え方
などを交え、豊かに生きるための大切な存在として、成長とともにその影響力を拡大させて
いくものである。よい友達関係を築くには、互いを認め合い、学習活動や生活の様々な場面
を通して理解し合い、協力し、助け合い、信頼感や友情を育んでいくことが大切であると考
える。
高学年の時期には、これまで以上に友達を意識し、仲のよい友達との絆を深めていき、流
行などにも敏感になり、趣味や嗜好を同じくする閉鎖的な仲間集団を作る傾向がある 。その
ことにより、疎外感を感じたり、友達との間で悩んだりすることがそれまで以上に見られる
ようになる。そのため、健全な友達関係を育てていくことが一層重要になると考える。
(2)児童の実態と教師の願い
1学期には本内容項目について、「言葉のおくりもの」(『5年生の道徳』文溪堂)の授業を
行っている。一郎に心のこもった「言葉のおくりもの」を贈るすみ子の言動により変化した
一郎の心情を話し合うことで、異性に対する正しい理解と男女間の友情に対する考えを深め
た。本学級の児童は、友達とよく声を掛け合い仲良く一緒に遊んだり、困っている友達がい
ると「大丈夫?」と心配して声をかけたりする優しい姿が見られる 。互いの思いが行き違い
けんかになっても、教師が間に入れば、自分の悪かったところを伝える素直さがある 。しか
し、自分の言葉が意図せず友達を傷つけたり、自分から機会を見つけ謝ったりはできないこ
ともある。本当の友達、真の友情についてじっくりと考えさせることで、友達がいるのは当
たり前という意識から、友達がいてくれてよかったという意識に高められるようにしたい。
(3)使用する資料の特質や取り上げた意図及び児童の実態と関わらせた指導の方策
本資料は、何気なく送ったメールによって、嫌な気持ちになったあゆみとメールを送って
しまったことに申し訳ない気持ちになったみかの双方の立場に立って構成されている 。指導
にあたっては、軽率なメールにより友達を傷つける結果を招いてしまったみかの行動や思い
を通して、互いに高め合えるよりよい友達関係を築くために大切なことは何かについて考え
させたい。
また、本資料は、情報モラルに関わる題材であるため、それを留意した 指導を行うことと
する。なお、本学級の携帯電話等の所持人数はスマホ3名、キッズ携帯3名、タブレット端
末6名である。それら所持家庭では「幡多っこネット宣言」等を用いての使用時間、 使用方
法等の約束を決め、ネットトラブル防止に向けた指導もしているということであり、現在の
ところそれによるトラブルは起こっていない。ただ、今後より一層社会の情報化が進み、携
帯電話等を持つ児童が増え、使用頻度が高まることによって、それに起因するトラブル等が
起こることも予想される。本時では、みかが勝手な思い込みで書いたメールが友達関係に及
ぼした影響を考えることで、正確に情報と向き合い、他人や社会への影響を考えて行動する
ことの大切さにも触れていきたい。
4
「人権教育推進リーダー育成事業」研究との関連(人権教育の視点)
上記の研究テーマを「人権尊重の理念に立った生徒指導による人権感覚の育成」と設定し、
その実現を図るために、以下の場面を重点的指導の場ととらえ、生徒指導の3機能を生かし
た取組についての実践研究を行っている。
Ⅰ.朝の会・帰りの会、係活動を通して「自己存在感を与える」
Ⅱ.道徳の時間を通して「共感的人間関係を育成する」
Ⅲ.特別活動、総合的な学習の時間を通して「自己決定の場を与える」
本時では、特にみかがあゆみに電話でどんなことを話したか考える中心発問及びそこでの
役割演技を実施する際に、共感的人間関係の育成を図りたいと考えている。そこでは多様な
意見が予想されるため、一人一人の意見を大切にし、自分の感じ方や考え方を伸び伸びと表
現できる雰囲気を築きたい。また、役割演技では思考を深めるためにあゆみ役を教師が行う
こととするが、その際、たどたどしい発言であっても子どものテンポを意識しながら進め、
まわりの児童には、拍手したりするなどの反応を返すよう促したい。それらの指導により、
互いに認め合い、学び合うことができる授業の実現を考えている。
また、本時では人権教育に関わることとして、ネット社会の影の部分にも触れた指導を行
いたい。インターネットは便利な一方で、それによる人権侵害、ネットいじめ等の問題も多
く発生している。本資料では、ネットの代表的特性(非対面性、匿名性、即時性・広域性)
のうち、非対面性に関することが盛り込まれているため、「3 主題設定の理由(3)」でも述
べたように、情報モラルに留意した指導も行うこととする。みかの送ったメールの内容がい
ろいろな人の間で少しずつ変わり、根も葉もない情報として広まったことをおさえることで、
無料通信アプリや電子メール、ネット掲示板などの顔の見えない相手とのコミュニケーショ
ンでは、表情や声色で伝わるニュアンスが欠落するため、自分の思いを相手に正確に伝える
ためには、文章表現を工夫する必要があることも感じ取らせたい。
5
学習指導過程
学習活動
導
入
1.これまで
の経験を想
起する。
主な発問と予想される児童の
反応
◎中心発問
○今までに、友達との関係
で、すれ違いによりトラブ
ルになったことはありませ
んか。
・勘違いでけんかになっ
た。
指導上の留意点
※評価の視点
人権教育との
関連
2.資料「知
らない間の
出来事」を
読んで話し
合う。
展
開
○あゆみが携帯電話を持って
いないと知った時のみかは
どんな気持ちだったか。
・持っていない人がいると
は思わなかったので、
びっくりだ。
・友達になりたいのに、
困ったな。
・友達になれると思った
あゆみが携帯電話を
持っていないことを
知ったみかの落胆の気
持ちや驚きの気持ちを
おさえる。
○みかはこの出来事につい
て、どのようなことを思っ
ているのだろうか。
・あんなメール流すんじゃ
なかった。今度から気を
付けよう。
・私が送ったメールが、こ
んなに伝わるなんて思わ
なかった。申し訳ない。
勝手に内容を変えた人も
悪いんじゃないかな。
・みかの勝手な推測で出
したメールへの反省だ
けでなく、メールの内
容がいろいろな人の間
で少しずつ変わって根
も葉もない情報として
広まったこともおさえ
る。
◎みかがあゆみに電話したと
き、みかはあゆみにどんな
ことを話しただろうか。
・メールを送ってしまった
のは私。ごめんね。
・ちゃんと友達になりた
い。
・誤解を招いてしまった
反省の気持ちとこれか
ら仲良くしていきたい
気持ちの両方に気付か
せ、信頼し合うために
は互いに理解し合うこ
とが大切であることを
考えさせる。
その後、役割演技によ
り健全な友達関係や信
頼関係の築き方を体験
的に考えさせる。友達
の気持ちや立場に視点
を向けるため、あゆみ
役は教師が行う。
(役割演技において)
T・どうしてわざわざ電話
してきてくれたの?
・友達になりたいけど、
私、携帯電話持ってな
いよ。
終
末
6
3.友達との
関わりにつ
いて考え
る。
○今日の学習で、友達との付
き合い方で、大切にしたい
と考えたことは何ですか。
顔の見えない相
手とのコミュニ
ケーションで
は、表情や声色
で伝わるニュア
ンスが欠落する
ため、自分の思
いとの行き違い
が生じやすいこ
とを感じ取らせ
る。
共感的人間関係
の育成を図る。
*相手の立場に
立った言動を
しようとして
いる。
・私たちの道徳 P.74 に記
入する。
※よりよい友達関係に対
する自分自身の思いを
見つめている。
他の教育活動との関連
特別活動(学校行事)
遠足、運動会、音楽祭
日常生活
帰りの会「今日の宝物」
道 徳
2-(3) 友情・男女の協力
「言葉のおくり物」
道 徳
2-(3) 友情
「知らない間の出来事」
音楽科
「音の重なりとひびき」
体育科
「なわとび大会」
7
板書計画
互いに理解する
あ
ゆ
み
み
か
が
変
わ
っ
た
ん
だ
ろ
う
・
ど
う
し
て
メ
ー
ル
の
内
容
・
申
し
訳
な
い
じ
ゃ
な
か
っ
た
・
あ
ん
な
メ
ー
ル
出
す
ん
こ
ん
な
こ
と
に
な
っ
て
・
友
達
に
な
り
た
い
の
に
困
っ
た
・
び
っ
く
り
い
と
知
っ
て
あ
ゆ
み
が
携
帯
電
話
を
持
っ
て
な
・
友
達
に
な
り
た
い
。
た
の
は
私
。
ご
め
ん
ね
。
・
メ
ー
ル
を
送
っ
て
し
ま
っ
悲 メ
し ー
い ル
で
流
さ
れ
と
て
も
・
・
根不仲
も安間
外
葉
れ
も
に
な
さ
い
れ
こ
な
と
い
を
か
・
携
帯
電
話
を
持
っ
て
い
な
い
・
転
校
生
知
ら
な
い
間
の
出
来
事
Fly UP