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2014年8月 第183号「賃貸ビジネス=時代の映し鏡」

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2014年8月 第183号「賃貸ビジネス=時代の映し鏡」
第183号
オーナー通信
発行人 有限会社臼井不動産 〒 242-0006 大和市南林間2 - 11 - 4
Tel 046(274)0533 Fax 046(275)8217 発行責任者 栗山隆太
2014年8月
発行
「賃貸ビジネス=時代の映し鏡」
賃貸ビジネス=時代の映し鏡」
フィリピンの人口が一億人を突破したそうです。数十年先には人口が一億人を下回ると試算さ
れている我が国との勢いの差を感じ漠然とした焦りすら覚えます。
「出生率の低下問題は先進国の証拠」などと言われますが、やはりヒトの数=国力であることは
ある意味間違いではありません。
さらに、勤勉さにおいてもアジア諸国の子供たちの猛勉強ぶりを時々テレビで見るにつけ、危
機感を募らせているのは私だけではないと思います。
7 月末の新聞各紙で「空き家=過去最高の 820 万戸」が取り上げられていました。これ以上空
き家をふやさないために、
「相続対策のために賃貸住宅の建設を奨励するような仕組み」を考え
直すべきだ、という専門家の意見もあるようです。また三大予備校の一つである代々木ゼミナー
ルが全国の教室の 7 割を閉鎖すると発表しました。
今から約 20 年前になりますが当社の管理物件の中で、当時で既に築後 20 年を経過し空室率の
増加で悩んでいた物件の解決策の一つが外国人労働者の方々に借りてもらうことでした。
当時、大和・座間周辺には食品工場=主にコンビニのおにぎりや弁当などを製造していた工場
が多数あり、日系ブラジル人やペルー人などの南米系外国人が法人契約や日本人の知人を保証人
に立ててもらったりして当社のアパートをそれはそれは大勢入居してもらっておりました。
当然、文化や生活習慣の違いによるトラブルも後を絶たず、市役所にはスペイン語やポルトガ
ル語によるゴミの捨て方のチラシが用意され、健康保険の窓口には通訳まで配備されている有様
でした。我々も申込書の氏名欄にカタカナを見つけると「げっ、またか」などと今思えば罰当た
りな文句を言っておりました。が、その後南米系のご入居者は 2008 年のリーマンショックを境
に仕事がなくなり皆母国へ帰って行き、少なくとも当社ではゼロとなってしまいました。
時代が代わって今外国人(米軍関係者は除く)入居者の主流は中国人です。一頃の南米系の方々
と比べればその数は多くはありませんが。ただ当時は、外国人労働者=古アパートの検討客でし
たが、中国人入居者の多くは日本人以上に物件の設備や綺麗さと言ったことにこだわる傾向があ
ります。また彼らは賃料やその他の契約金等に対して交渉してくる場合がよくあります。
単に「少しまけてよ」という値切りではなく、どちらかというと「こういう理由で月々これだ
け下げて欲しい」的な駆け引き交渉です。もちろん応じるかどうかはケースバイケースですが、
日本人にはあまり見られない傾向ですね。非常にある種のたくましさを感じます。
20 年前に南米系の方々に入居してもらっていた古いアパートで現在残っているものはほとん
どありません。当時新築に近かった建物も今ではすっかり築古物件の仲間入りを果たしておりま
すが、今それらの入居者の確保に苦戦している物件の主な検討者は、日本人のあまり若くない独
身の方、特に男性が多いです。つくづく時代の映し鏡のようだなぁと感じます。
今後、アパート・マンション・駐車場を問わず賃貸ビジネスを取り巻く環境(少子高齢化・供
給過剰・外国人への対応等)がどのように転がっていくかは解りませんが、長い目で見る先見性
と変化に即断で対応できる腰の軽さをあわせ持って臨んで参りたいと思います。
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