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Master's Thesis / 修士論文
細胞の足場材料と細胞間結合についての基
礎的研究
津留, 慎吾
三重大学, 2008.
三重大学大学院工学研究科博士前期課程分子素材工学専攻
http://hdl.handle.net/10076/10914
接写可
平成20年度
修士論文
細胞の足場材料と細胞間結合にJ3いての
基礎的研究
三重大学大学院工学研究科
博士前期課程
分子素材工学専攻
津留
三重大学大学院
慎吾
工学研究科
目次
1.緒言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-・・---・--・--1
本研究の経緯・・・・---・-・・・・・・・・・・・・・-・・・・・・---・・・・・----1
ト1腹膜構成細胞と上皮細胞・・・・・・・・・・・-・-・・・-・・・-・-・--・--・・2
1-1-1腹膜と腹膜中皮細胞
1-ト2血管内皮細胞
1-1-3
結腸癌由来上皮細胞株
1-2溶質透過経路と細胞間結合タンパク-・・-・-・・・・・・--・---・--4
1-2-1細胞単層を介する溶質透過経路
1-2-2
タイトジャンクション
1-3基底膜の構造と組成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-・・--・---・・-・-9
1-3-1基底膜の構造
1-3-2コラーゲン
1-4
現在までの研究結果・・-・-・・・・・・・-・・・・・・・・--・-・・--・---12
2.目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
3.方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-----・・--・・-・14
3-1溶質透過モデルの作成・・-・・・・---・・・・・-・-------・-・-14
3-1-1細胞の解凍、播種、継代培養
3-2
人工基底膜モデルの作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-・-・・--・・・-14
3-2-1ディップによるTranswellの被覆
3-2-2
3-2-3
コラーゲンの抽出
ウェスタンプロット法
3-2-3エレクトロスピニング法によるメッシュの作成
3-2-4
走査型電子顕微鏡による観察
3-3人工基底膜上の細胞の細胞間結合の評価・・・・・・・・・・・----・--・-16
3-3-1
MTT試験
3-3-2膜間電気抵抗測定(TER)
3-3-3溶質透過試験
3-3-4免疫組織化学染色(pI染色)
三重大学大学院
工学研究科
4.結呆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・----・---・---・--1タ
4-1溶質透過モデルの作成と評価・-・・-・・・・・・・--・・・--・-・-・--19
4-l-1
TER測定
4-1-2
溶質透過試験
4-ト3免疫組織化学染色(オクルディン染色、
4-2
pI染色)
人工基底膜モデルの作成と評価・・・・・・・-・・・・・・-・-・・--・-・-・-22
4-2-1ディップによる被覆上でのCaCo-2のTER測定
4-2-2
溶質透過試験
4-3エレクトロスピニング法による人工基底膜の作成と評価--
-
-
-
・
-
-
-23
4-3-1ウェスタンプロット法
4-3-2エレクトロスピニング法による薄膜形成
4-3-3
走査型電子顕微鏡による観察
4-3-4
MTT試験
4-3-5
TER測定
4-3-6免疫組織化学染色伊Ⅰ染色)
5.考秦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-----・--・------ユタ
5-1溶質透過モデルの作成・・・-・・・-・・・・・・・・・・・・・・--・・・--・-・--29
5-2
人工基底膜モデルの作成と評価・・・・・・・・・・・・・・・・--・-------・32
5-3
エレクトロスピニング法による人工基底膜の作成と評価----
6.
----36
*#・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
7.今後の展望・・・・・・・・・・・・・・・・・-・・・・・・・---・---・・---40
8.参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-・・41
9.謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・---・---------・・44
10.Appemdix・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・--====.==・==45
三重大学大学院
工学研究科
語句説明
ZO-1(zonulaoccludens-1)
ⅡpMC(Ⅱuman
-
peritoneal
ⅡtJVEC(Ⅱuman
-
・
vein
CaCo-2・・・・・・・・・・・・
・
endothelial
・
・
・
・
・
・
・
ROS
・
・
・
・
(ReactiveOxygenSpecies)・
MAPK
・
・
(mitogen-activatedprotein
I
・
・
Ras・
・
・
・
・
・
・
・
Rafl(RassubstrateofC3)I
・
・
・
・
・
・
・
I
・
PBS(phosphatebufrersolution)・
FITC(fluoresceinisothiocyanate)
・
I
-
三重大学大学院
・
・
-
・
・
・
・
・
・
・膜間電気抵抗
・リン酸基を転移する酵素
・
・
・
・
・
・
・
・
-
工学研究科
・
・
リン酸基を転移する酵素
・
・
・
・活性酸素種
リン酸基を転移する酵素
・
・
I
・リン酸基を転移する酵素
リン脂質を加水分解する酵素
・
・
・
・
・
・
・
・
.
・
I
・
・
・
・
kinases)
・
・
・
・
ERE(extracelluIarsignal-related kinase)
・
I
∴--・リン酸化酵素
・
・
・
・
I
・
PI3K(phosphatidylinositol-3-kinase)
PLC(phospholipaseC)
・結腸癌由来上皮細胞株
.
・
-ヒト腹膜中皮細胞
cells)・ヒト肪帯静脈血管内皮細胞
・
・
・
-
resistance)
・
PKC(ProteinkinaseC)・
-
cell)
・・・・・
electrical
MEK(MAPⅨ-ERKkinase)
-タイトジャンクション構成蛋白質
-
mesothelial
umbilical
TEA(Transepithelial
・
・
・
-
・
・
・
・
・
・
I
・
・GTP結合蛋白
・GTP結合蛋白
・リン酸緩衝溶液
-.標識用蛍光色素
1緒言
本研究の経緯
腎不全の対症療法の一つに腹膜透析があるが、本療法を長期間継続できない理由
として除水能の低下がある。この現象は、腹膜が透析液等により傷害を受け、半透膜と
しての機能が低下するために起こるoこれに伴って溶質透過性の克進が報告されてい
ることから,溶質透過性克進が除水能低下の一因と考えられているDこの問題を解汰
すべく、腹膜の透過性を担う部位を特定、そして透過性克進を抑制する手段を提案す
ることが本研究の目的である。
邑f=-・
-..
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転妄/】諏
■●■-JIJ
■■
■■■■…)
図ト1左)生体内における腹膜の位置5)
右)腹膜の構造6)
腹膜はいくつかの層からなる複合膜であるが、その中でも透過の制御を行う部位と
して物質透過に関わる2つの細胞単層、中皮細胞層と血管内皮細胞層に着目した(図
1-1)。これらの層では細胞間はタイトジャンクションと呼ばれる構造により密接に結合し
ており、この構造が腹膜を介する物質移動の制御に重要な役割を担っていると考えら
れる。
金田健一氏は腹膜の最も透析液側に存在するヒト腹膜中皮細胞層に着目し、腹膜
中皮細胞層を介する物質透過について研究を行った(平成17年度三重大学大学院
修士論文) I,2)oその結果,ヒト腹膜中皮細胞層が物質透過を制限する働きがあること,
過酸化水素により細胞層の透過性が克進すること、そしてその際に関与するシグナル
伝達経路の一部が示されたo次に、中野雄介氏は腹膜の血管内面に存在する血管
内皮細胞に着目し,細胞層を介する透過について研究を進めた(平成18年度三重大
学大学院修士論文) 3・4)Qその結果、ヒト腹膜中皮細胞層と血管内皮細胞層を比較し腹
膜において血管内皮細胞層の方が溶質透過の障壁になることが示された。
`
TA`
Jr一:
iT:1≡
:人∵jこ:
l
l
I:1-1プ
腹膜を介する水移動は血管内と腹腔内腹膜透析液の間の浸透圧勾配に依存する。
溶質透過性克進はこの浸透圧勾配を減衰することになることから、上皮細胞単層を介
した溶質透過性の本態を把握することを目的とした。即ちin vitro細胞単層系におい
てよりin vivoの状態に近づけ完成度の高い実験モデルを作製することを目標とした。
具体的には,細胞外基質で人工的な基底膜を作成しそれを足場に細胞を培養するこ
とで細胞間結合の発達とそれに伴う溶質透過阻止の向上を試みた。
1-1腹膜における細胞と上皮細胞
1-1-1腹膜と腹膜中皮細胞
腹膜とは腹腔の内面を覆う壁側腹膜と腹部臓器(肝臓,障臓、牌臓、腎臓)とその間
膜(大網、胃、腸間膜)を覆う臓壁腹膜からなる衆膜組織で、たくさんの微繊毛を持つ
一層の中皮細胞に覆われており、基底膜下(問質)には弾性繊維、勝原繊維、毛細血
管、頼粒を含む肥満細胞などのあらゆる結合組織で支持されている複合的な膜と定
義されている。 (図1-1)
腹膜の厚さは50-15叫mで、壁側腹膜と臓側腹膜に囲まれた空間を腹腔と称す。
腹膜の第一の機能は腹部臓器が自由に動くことができる滑面を提供することにある。
また臓器・器官の癒着防止,実験動物の薬剤投与部位としても利用されている。
通常の中皮細胞は断面を見た時、平たいもの、円盤状のものがある。腹膜の表面は
多角形の腹膜中皮細胞が寄せ集まってできていて,細胞ひとつに対して4-7個の細
胞が接して敷き詰められている。中皮細胞は長さ2-3pm,直径o.o8pmの微繊毛の厚
い外套に覆われていて,微繊毛は細胞表面一面に一様に広がっている(図1-2)。微繊
毛はリン脂質を分泌し、臓器間の癒着を防ぐ働きをしている。
中皮細胞同士は斜めに重なり合い,固く組み合うように接着している。
MV:微械毛
C:成毛
G:ゴルジ体
D:張原線維
L:層状体
N:核
M:ミトコンドリア
RER:粗面小胞体
図1-2正常中皮細胞の形態学的模式図6)
三重大学大学院
工学研究科
2
1-1-2
血管内皮細胞
血管内皮細胞は血管壁を構成する主要な細胞の一つであり、あらゆる血管の内腔
側を単層の細胞シートで裏打ちし、直接血液に接している。上皮細胞様の形態を示す
が、開業系由来の内皮細胞である。こうした血管内皮細胞の生理的機能は①血液と
組織間の物質透過の調節、
②血管作動物質の産生、分解の調節、
③血管内壁表面
の抗血栓性の維持、 ④新しい毛細血管の増生などが重要と考えられる。ほとんど全て
の組織には血液の供給が不可欠であり、その血液供給は内皮細胞に依存している。
そして、全身のいたるところに網目状に入り込み、融通のきく生命維持システムを作り
出している。もし内皮細胞が血管の網目を拡張したり改造したりできなければ、組織の
成長や修復は不可能である。
腹膜は上記の二つの細胞と問質層により形成されている。腹膜を介する物質移動
には、血液側から毛細血管側の境膜畔1)、血管内皮細胞層(R2)、内皮細胞基底膜
(R3)、問質層(M)、中皮細胞層畔5)、透析液側の境膜(R6)の順に溶質に移動抵抗が
かかる。
(図1-3)
ヽ-■■-
riZJ
/I
Lを
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Peritoneal
cavity
Rl)毛細血管血液側の境膜
ー、-
I..
tt
lnterstitiu
.ニ'rナ遠pL:・才紫:t9
'・7も
、、1⊥ぬ
R2)血管内皮細胞層
E ndothel iaI
,
..i:I
/
)
ノ
i
R3)内皮細胞基底膜
Basement
membrane
======ニコ
}j
・7/i
・R
/
ii
R6
R4)問質層
R5)中皮細胞層
R6)透析液側の境膜
I
I.1L
′
図1-3
1-1-3
毛細血管一腹腔間の溶質抵抗6)
結腸癌由来上皮細胞
ヒト結腸癌由来上皮細胞株は多孔性のメンプレンフィルター上に培養すると、小腸
の円柱上皮細胞に似た刷子縁やタイトジャンクションの形態学的特徴を示す単層の細
胞層を形成する。 CaCo-2の特徴としては一般的なものに透過性、吸収作用、分化の3
個が挙げられる。 CaCo-2のTER値は自験例の腹膜中皮細胞、僻帯静脈血管内皮細
胞に比し、 20-30倍高く、 TER値を細胞間結合の発達度の評価基準とする場合好都
合である(表1-1)。また癌細胞であるため、半永久的に継代が可能であり凍結解凍が
容易にできるという点、細胞間結合タンパクであるオクルディンを豊富に含むという点
も本研究に選んだ理由である。
三重大学大学院
工学研究科
3
表1-1各細胞の細胞間結合を相対的に表すTER値の比較
1-2
Cell Type
Source
Emdo
m2)
Ref
human
23
3,4
Meso
human
30
1,2
CaCo-2
human
500
7
C aC o-2
hlman
616
8
TER(f2
・
c
溶質透過経路と細胞間結合タンパク
1-ユー1細胞単層を介する溶質透過経路
多細胞生物の体の中は上皮細胞や内皮細胞の層でいくつもの器官に分かれて
存在している。これら器官の内部環境を動的に保っていることが多細胞生物に
おいて、生きていく上で必要不可欠である。そこで、この環境を保つために細
胞層を介して器官の内部と外部で物質の交換をする必要がある。この溶質の透
過には大別すると2つの経路がある。
Tr乱nSCelhlar
図1・4
pathway
P&mcelhlbr
(図1-4)
pathway
細胞単層を通り抜ける溶質透過経路9)
二束大学大学院
工学研究科
4
1つは、細胞膜を通り抜けるtranscellular
この経路には、
pathwayであるo
多くのチャネル分子やポンプ、トランスポーターなどが関わっている。また、
エンドサイト-シスやエキソサイト-シスといった小胞体を形成して、溶質が
輸送される場合もある.もう1つは、細胞間を通り抜けるparacellualrpathway
である.この経路には、細胞間結合を担う,タイトジャンクション(TJ)、アドレンスジャンクション(AJ)、デスモソ-ム(DS)といった結合装置が関わってい
る。
蛍光標識Dextranを用い共焦点レーザー顕微鏡で物質移動経路を観察した本
研究室の先行研究では,
paracellualr
pathwayに蛍光標識Dextranが確認され
少なくとも申分子量デキストランはこの経路にて移動することが明らかとなっ
た1,2)0
このparace皿ualr
AJがある。
pathwayのうち細胞間結合を司っているもののひとつに
AJにはカド-リンが接着分子として裏打ち蛋白であるカテニンを
介してアクチンフィラメントに結合している。
DSでもやはりカド-リン様の接着分子が中間系フィラメントと結合してい
る。これら2つの接着装置は、その結合力を細胞骨格につなげることで、組織
全体としての機械的強度を保つ役割を果たし、細胞間隙の距離は15・20nmに保
たれている。
それに比べTJは細胞間隙の距離を限りなくゼロにまで近づけている特殊な
接着装置である。この構造は特に細胞間の物質移動の制御に重要な役割を担っ
ていると考えられる。
(9)
1・2-2タイトジャンクション(TJ)
TJは上皮細胞同士あるいは内皮細胞同士を強く結合させ、閉鎖結合をつくる
細胞一細胞間接着装置である.単層の上皮系の細胞では、隣り合う細胞膜のも
つともapicalよりにそれぞれの細胞を取り巻くように存在している.その最も
重要な機能は透過障壁としての役割である。
TJを構成する蛋白質を表1・2、図
1-5に示す。
三宅大学大学院
工学研究科
5
表1・2
タイトジャンクション構成蛋白質9-18)
M也Ⅰ)a)
Tightj1血asmjatedpmtBins
ZO-1(瓦mladu血nn5-1)
220
●_..,....J…L
160
ZO-3b)nula血1denns-3)
ⅥlP.33be血あas9Xiatedmembranepmteinof33kDa)
130
孤-emidledaLnd-aB9XjBLtedprt)tein)
CLMP(a)Ⅹsackie.andahnovirusreceplDrlibmeⅠⅠ血ranepmteinahdin-6)
98
33
48
AF-6仏LL-1fusionDarhler鮎mchzDmO60me6)
dndjn
14α1(過
126.5
gypl血
i.i+..モ●ー8..I.Ill...
65
α血血
daudin
23
EIL3-A.Fi
.YAM(ilmdjnnE7dTIP_qirn7Tln1好一]k.∼
図1・5
タイトジャンクション構成蛋白質19)
本研究では主要な構成蛋白質であるオクルディンと
ZO11
(zonula
occludens・1)に着目したo
ZO・1は1986年タイトジャンクションの構成タンパク質として初めてアメリ
カで発見された分子量220kI)aのリン酸化タンパク質であるo
細胞外部分のな
い膜裏打ち蛋白質で、細胞骨格であるアクチンと結合することで細胞間結合の
強度を保ち、細胞内情報伝達を担っているo現在ではcDNA塩基配列、タンパ
ク質一次構造,ドメイン構造、結合タンパク質などが解明されている20)。(図1・6,
1・7)
三宅人予人`L3
L:院
_l二p-'I;:研究1':こ!
PDZl
23
+
1
09
chud皿S
PDZ2
PDZ3
189
「 「
268
ZO・2,
ZO・3
423
603620
681644
ZAK
」
図1-6
GuX
SH3
JAM
_」
1
794828
ocdudln
895
1749
A
A
actln
cinglin, AF-6
ZO・1のドメイン構造と結合蛋白21・22)
NSARAAA^KS
VSNDⅣ〉EHAF
ASFtERSLSPR
SLTDAKTu
E
EPSDHSRHSFI
SVHLyVSYL
L
EEAVLFLLDL
RIGKNHKEVE
AGFLRPVT
IF
WYP JWFLNP
SE6KAD6ATS
VREDSS6HHH
PAPSTSYSPO
POLPYVEKQA
EESSERGYFP
QVPPOGFTSR
TKKDVNDTGS
YFt)RRSFfNK
PVTSASLH
JH
TPAYNRFTPK
KYQ lrOJISTV
ALPPU)KEK6
TAKEETA IWE
A〉00LRKSGK
SDRRSVASSO
RSKGKLKNV〉
QqPSN6SLRS
QL仙qGFLRP
PKGEEVT ALA
RGI IPNKNRA
(;P IADVA尺EK
DSKOGVKT脈
DDLDLHDDRL
ENOTYPPYSP
ADSLRTPSTE
SRDLE(】PTY7t
RFEEPAPLSY
AGHFEPLItGA
FKPPEVASKP
PPAH IAASHL
SKGAH6E6NS
PYTSSARPFE
PKAJPVSPSA
ETLLSPLVK
QHTVTLHRAP
GFGFGIAISG
NAN rT IRRKK KVq lPVSRPD
FIAKPTKVTLV
KSRKNEEYGL
ORDERATLLN
VPDLSDS
IHS
RDEER ISKPG AVSTPVKHAD
SrKLVKFRKG
DSVGLRLAGG
QKKKDVYRR
I VESDVGDSFY
EQLASVOYTL
PKTA66DRAD
LAREEPD IYQ IAKSEPRDAG
MRLCPESRKS
ARKLYERSHK
SY LSAPGSEY
SMYSTDSRHT
qAQPOP IHRI DSP6FKPASQ
AAH rNLfモD(】EFISLSSHVDPT
YESSSYTt)OF
SRNYEHRLFtY
DSRPRYEqAP
RASALRHEEO
AAVPPu
PSS QHKPEALPSN
S6APl lGPKP TSQNOFSEHD
SEPAKPAMSO
NOSNFSSYSS
VSLDFQNSLV
SKPDPPPSOA)
RKFESPKmH
NLLPSETAHK
V旺DEDEDGH
TWATAR6
1F
GPHGLKFLKP
VELFtLPHCDP
図1・7
伝RDN PHF(】S(≡ETSIVISDVL
PEPVSDNEED
SYD亡EI HDPR
RLASH IFVKE
ISQDSLÅARD
ANASERDD
IS E I0SL^SDHS
DHTPKTVEEV
TVERNEKOTP
NDVG I FVAGV LEDSPAAKE(;
IR丁目FEYEKE SPYGLSFNKG
FYRFRGLRSS
KFtNLRKSRED
TDQRSS6Y
AR LHTLKOl
lD8
LAKNNHHLFT
TT INLNSNND
SDY【DTDTEG
GAY TD8ELDE
OKAEASSPVP
YLSPETNPAS
ENJJ穴ONHVLK
KVYRKDPYPE
EDINFVYE亡Q
WSYYDDKQPY
PAPGYDTHGR
LRPEAqPHPS
TKPLPPPPT(I
TEEEEZ)PANK
KTLYR IPE和 KPOL肝PED
I
K6KPPEADGV
DRSFG【KRYE
KPATFRPPNR
EDTAqAAFYP
PDLSSKTPTS
PKTLVKSHSL
NSNGGVI.SS I ETGVSl l[PQ
KTWNKCLPG
DPNYLVGANC
KGGPAEGQLO
SGRSGWNRR
GN IOEGDWL
GRSMDRPPRR
SLFIEPKPVYA
LEEGDO】 LRV
E〉FRÅVDTLY
LSAOPVOTKF
DKHAしLD〉 TP
GYIYGALKEAV
TLNDEVGTPP
STSAVNHNVN
qFIAVSHP6HR
PSRPPFDNQH
AGPKPAESKq
PQSVしTRVKN
VRSNHYDFIEE
P I0ATPPPPP
OKSFPDKAPV
AOPPEFDS6V
GA IFIE6VEQE
VSVuDHF
ENDRVAMVNG
SEK川PRDRS
K rNGTVTENM
SRSRSPEX)RS
QVGNQ脚L YL
NNVDFTNI
IR
NGKLGSWLA
I
PAYERVVLRE
NAVDR LNYAQ
O808NQLVW
ESA ITRSSEP
LTNVR LEt≡PT
Pt)XEFINLTYE
SODLDSRqNP
YFEOYSRSYE
FEJdKRSASLE
DEEYYRKQLS
LPSOYAQPSO
N6TEOTOKTV
ETFS IHAEKP
JYFKVCFtDNS
80
160
240
320
400
480
5印
64O
720
BOO
88O
960
1 040
1120
1200
1280
1360
1 440
1520
1600
1 680
1 748
青文字部はTJ構成タンパク
ZO・1のアミノ酸配列21)
との結合部位である
オクルディンは分子量65kDaの4回膜貫通型の蛋白質であり、
2つの細胞外
ループは、それぞれ約50個のアミノ酸からできている(図1・8)o
C末端側は主
にセリン/スレオニンが複数のリン酸化を受けていて、この領域にコイルドコ
イル構造が存在し膜裏打ち蛋白質であるZO・1,ZO12、ZO13と結合する(図1・9)o
N末端側に近い細胞外ループには約50個のアミノ酸の60%以上がチロシンか
グリシンというかなり特殊なアミノ酸構成である(図1・10).これがタイトジャン
クションの特性と関係していると考えられる。細胞間でオクルディンがホモフ
ィリックな会合をすることで細胞同士が結合されている。
二重jt:芋大字院
l'.乍研究・・?L-:∫
20.23)
Oc亡ItldiT)
㊨
㊨
-
-
GL,でャe
T)..osLue
Extrac<11111ar
Me血brane
Cy(oplasm
図1・8オクルディンの模式図19)
11egJltlV8
areas
図1-9オクルディンーZO-1結合24)
NSSRFILESPP
PYRPDEFKPN
ACVASTLAWD
R6YGTSLL66
IRSENSRTRR
YYLSV l IVSA
POEALAIVLG
FNr lVAFALI
SFWYSSN砿VNDKFtFYPES
HYAPSND IYG旺JJNVRPKLS
F6SY6S6Y6Y
SV6YPY6GS6
ILG IMVF IAT LVY IMGVNPT
FFFAVKTRFM
KDItYDKSNIL
SYKSTPVPEV
V旺LPLTSPV
QPAYSFYPED
GY6Y6Y6Y6G
AOSSGSLYGS
YDKEHrYDED
DDFR8陀YSi
EILHFYKYrrS
YTDPRAAKGF
QIYALCNQFY
PPNVEEm
GGNFETPSKR
EE
FIPGV IR ILSM
MLAMAAFCF
I
TPAAT6LYVD
VSAGT8DVPS
APAKGRAGftS
芯慧濫読空濫乱認許諾設誌芳ytiLQSEL
図1・10オクルディンのアミノ酸配列25)
:.頁ノニー
r '、デニ研究T::i
コニ:人√t-;::院
Ll lVMCIAIF
AÅLV IFVTS〉
qYLYTIYCVVD
PPSDYVERVD
KRTEqDHYET
80
160
240
320
4t】0
480
522
I-3
基底膜の構造と組成
1-311基底膜の構造
基底膜は細胞膜下の柔軟な薄いマット(厚さ40-120nm)となる特殊な細胞外マトリ
ックスであるo基底膜は腹膜中では腹膜中皮細胞と間質層と血管内皮細胞の間に存
在し,各々を分離している。基底膜の機能は、細胞の極性決定、代謝への影響、隣接す
る細胞膜上タンパク質の分布の決定、細胞分化の誘導、細胞の移動路としての機能な
ど,多くの働きをしている。図1-11にニワトリ旺の角膜の基底膜のSEM写真を示した。
上皮細胞(E)の一部を取り除いてあるので,基底膜(BL)の上面が露出して見えてい
る。下にある結合組織の網状のコラーゲン(C)が基底膜の下面と相互作用しているo
図1-12に基底膜の模式図を示したo基底膜の組成は,組織や基底膜内の領域によ
って異なるが,ほとんどの成熟基底膜はⅣ型コラーゲン、フィブロネクチン、大きな-パ
ラン硫酸プロテオグリカン(パーレカン)及び糖タンパク(ラミニン、エンタクチン)を含んで
いるoまた各々の基底膜成分分子については図1-13よりエンタクチン以外は自己会
合し、それぞれ相互結合する相手も特定の分子と決まっている。しかし,基底膜の組
成比までは正確に知られておらず細胞ごとに違うものかはよく知られていない。
{lL:ll-:短。
エンタクチン
∴
∴・:
9
輔車・
ラミニン
Ⅳ型コラーゲン
10pn
図1-11ニワトリ腔の角膜の基底膜26)
ll_毛人て:人`芋院
図1-12基底膜の組成26)
1-_.17:I;JTF究幸三1
ここで基底膜が細胞にどのような影響を与えるのか具体的に研究したデータを紹介
する。 Turowski,Pらの研究によると、網膜色素上皮細胞を、ポリエステル膜上で培養し
たもの(●)と豚から採取した網膜色素上皮細胞がもともと存在したレンズ皮膜上で培
養したもの(○)とを膜間電気抵抗値測定で比較した結果が示された(図1-14)26)o
軸に経過時間:週o縦軸に抵抗値:
(横
E)
・cI丘)その結果,レンズ皮膜上で培養した細胞の
場合,膜間電気抵抗値が1週目で3倍,4週目以降で5倍にも抵抗値が上昇しまし
た。この結果から、細胞が基底膜を認識し細胞間結合が発達したものと思われる。
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1
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図1-13
I-2-2
基底膜成分タンパクの相互作用26)
ユ
4
5
6
(weeks post-pr争tirLg)
図1114膜間電気抵抗値の比較27)
コラーゲン
コラーゲンはあらゆる多細胞生物にみられる繊維状蛋白である。結合組林細
胞ほか各種の細胞で分泌され、皮膚や骨の主成分として晴乳類では最も大量に
存在する蛋白質であり,全蛋白質の25%を占める。結合組織の線維を構成して
いるのは主にⅠ型,
Ⅲ型,
Ⅴ型のコラーゲンであり、これらは原繊維コラーゲ
ンであり、典型的コラーゲン分子であるロープ状構造をしている。コラーゲン
の線維は臓器あるいは体全体を支えたり、補強したりする役目をしている。し
かし、単に機械的に強いだけでなく、しなやかさ、柔軟性、伸縮性なども必要
であるoこれらの強さや柔軟性などを決める大きな因子は、線維の太さであるo
一般的に基底膜に近いところほど線練は細く、基底膜から離れるほど太い線維
が分布している28)。
電j(I?:大字院
10
T.芋研究科
コラーゲンの分子量は約30万である。これは図1・15のように1本10万の分
子量のポリペプチド鎖が3本螺旋構造を作って存在している。二本は同じα1
鎖でもうーつは異なるα2鎖をもっている。コラーゲンは全アミノ酸の1/3がグ
リシンであるり、
(グリシン・x・y)という繰り返し構造で構成されている。またx
にはプロリンが,yにはヒドロキシプロリンが頻繁に出現する構造をとっている。
その構造の一部であるα
1鎖のアミノ酸配列を図111629)Eこ示した.
図1・15
コラーゲン繊維の模式図28)
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図1-16
αl鎖のアミノ酸配列29)
Ⅳ型コラーゲン分子は現在までに6種類の遺伝子α
1-α6までが同定されており、
α
1とα2, α3とα4、
α5とα6がついになってプロモータ部を接しているo Ⅳ型コラーゲ
ン分子で量的に多く存在しているものはα 1鎖2本とα2釦ゝらなる分子である。 Ⅳ型
コラーゲンのポリペプチド鍬ま線維形成コラーゲンとは異なり(Gly-冗-y)の繰り返し構造
がポリペプチド鎖の20箇所以上の領域で中断され、何重にも折れ曲がっており、原紙
維コラーゲンよりも柔軟な構造をしている。しかし三重螺旋構造を形成しているのは分
子中の60%程度で、そのほかの部位は三重螺旋を形成していないといわれている28,a
≡.屯ノく′13::
)こ予院
l二;3A==
[[]T.究ir:三】
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現在までの研究結果
1-4
1-4-1現在までの研究結果
現在までのところ我々の研究室では上記に示した腹膜に存在する腹膜中皮細胞
(HPMC)と頗帯静脈血管内皮細胞(mc)の二つの細胞単層について以下のことが
確認された。
(1)Transwellにコンフルエントに単層培養したとき、
I℡MCとHUVECでは膜間電気抵
抗値に違いが表れた。一週間程度でコンプルエントに単層培養でき,この時の膜間電
3・4)
気抵抗値としてHPMCは約30Q・cm2、江UVECは約23E2・cm2の差が確認された。
(2)0.1IⅠlMの過酸化水素を2時間曝露したときHPMCではcontrolと比べて30分以
降で抵抗値の減少が優位にみられた(図1
-17)。また過酸化水素曝蕨したtpMCはオ
3,4)
クルディンの非局在化がみられた。
HPMC
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官町
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図1・17過酸化水素曝露時のHPMCのTER謝定とオクルディン染色3・4)
(3) 0.1mMの過酸化水素を2時間曝露したときmCではcontrolと比べて優位差
はみられなかった(図1-18)Dまた過酸化水素曝露したtrUVECにはオクルディンの変
化はみられなかったo
3・4)
O
O
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【min】
図1・1S過酸化水素曝露時のmCのTER測定とオクルディン染色3・4)
:.蛮人芋大字院
100/A
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12
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2
目的
溶質透過性をコントロールすることは長期腹膜透析を可能とするために重要な因子
である。そして長期腹膜透析における透過性克進を抑制し、さらに細胞間結合が強化
できれば腹膜透析療法の開発に貢献できる。
そこで「個々の細胞に適した細胞足場を探索し、細胞外基質を用いて細胞足場を
作成できれば、その細胞本来の物質透過特性をIn
v血o実験系で再現できる」と仮定
した。
具体的には、
(1)細胞外基質を用いた細胞足場材料の作成
(2)足場材料上の細胞の細胞間結合測定
(3)足場材料に対する細胞応答のメカニズムの解明
を行うことを目的とした。
三重大学大学院
工学研究科
13
3.方法
3-1溶質透過モデルの作成
3-1-1細胞の解凍、播種、継代培養
結腸癌由来上皮細胞株(caco-2)は結腸癌由来上皮細胞株の
cell
line(EC86010202 CaCo-2/大日本住友製薬)を購入し、使用した。冷凍保存状態で送
られてきたCaCo-2を解凍し、細胞懸濁液を25cm2フラスコ4枚に播種、これらを
Passagelとした.培地は10%FBS仇旺Mを用い、
37℃/5%CO2インキュベーター内で
培養した。 3日に一度培地交換を行い、実験にはPassage6-12までを用いた。
細胞の凍結保存は細胞凍結保存液セルバンカー(日本全薬工業)を用い、
-80℃で
行った. (AppendixlO-1,2参照)
3-2人工基底膜モデルの作成
312-1ディップによるTranswellの被覆
主要細胞外マトリックスⅠ型コラーゲンと基底膜成分Ⅳ型コラーゲン用いTranswell
を被覆し、人工基底膜を作成した。
[方法】
Ⅰ型コラーゲン(新田ゼラチン)をpH3.0の希塩酸を用いて100帽/mlに調整した。
Ⅳ
型コラーゲン(新田ゼラチン)もpH3.0の希塩酸を用い50、
100pg/mlに調整したoこの
調整した被覆剤タンパクをTranswe11の上に滴下し、室温で3時間静置することによっ
て被覆した。 (AppendixlO-3参照)
3-ユー2
コラーゲンの抽出
生体組織よりタンパクやエラスチン、脂肪分などを取り除き塩処理、酵素処理を行う
ことでコラーゲン溶液を抽出。塩濃度の差により抽出できるコラーゲンのタイプが異な
ることを利用し塩析を行い、透析、凍結乾燥を行うことでコラーゲンを精製した。
三竜大学大学院
工学研究科
14
【Ⅰ型コラーゲンの抽出方法]
豚の大動脈から鉄で脂肪組織、結合組織を取り除いた。残りの物質を15、
10、
5%
NaCl溶液に入れ、段階的に濃度を下げた。
o.5M酢酸に入れ3mg/mlになるようにペ
プシンを入れ酵素処理をした。その後漉過を行い、ジエチルエーテルに入れ獲拝す
ることで脂肪を溶かした。脱エーテル処理を行い抽出液に対し1MNaClになるように
NaClを入れ、塩析を行った。繊維状になった白い沈殿物を取り出し、脱イオン水に溶
かし透析チューブに移し、 l週間程度透析した。その後凍結乾燥を行った。この抽出
物がⅠ型コラーゲンであることを確認するために、ウェスタンプロット法を行った。
【Ⅳ型コラーゲンの抽出方法】
豚の眼球処理として眼球の中身だけを取り出し、ゲル状部分を取り除いた。
水晶体胞をo.5M酢酸に浸漬させた。終濃度3mg血1になるようにペプシンを入れ、ローテ
一夕-で24血栓拝した。ジエチルエーテルを入れ擾拝し余分な脂肪を取り除き、終濃度
2MNaCl溶液になるようにNaClを入れ24b静置した。この沈殿物が目的であるⅣ型コ
ラーゲンなので透析チューブに移し、脱イオン水を入れ1週間程度透析した。その後
凍結乾燥を行った。この抽出物がⅣ型コラーゲンであることを確認するために、ウェス
タンプロット法を行った。
3-2-3
ウェスタンプロット法
ウェスタンプロット法はゲル電気泳動によって分離したタンパク質を転写膜に写し取
り、さらに転写膜上で抗原抗体反応によって特定タンパク質を発色させてその存在を
確認し、定量する方法である。細胞からタンパク質を抽出後、
SDSゲル電気泳動を行
った。電気泳動後ゲルをブロツティングによりpvDF膜に転写し、 PVDf一膜上で抗原抗
体反応を行った。抗体に対して化学発光試薬
ECL
により発光させ
typhoon8600(Amersham)により測定した。 (Appendix 10-9参照)
3-2-4
エレクトロスピニング法によるメッシュの作成
エレクトロスピニング法とは有機溶媒を混ぜ、電荷を負荷させたゲルをニードルから
アースしたターゲット-と射出させることで繊維を作成する方法である。これを繰り返す
ことで層状のメッシュを形成することができる。
(Appendix 10-5参照)
諸条件は表3-1のとおりに行った。
三重大学大学院
工学研究科
15
表3-1エレクトロスピニング法の条件
条件
繊維化したい物質
コラーゲン
200mg
架橋剤
グリシジルグリセロ-ルエーテル
50mg
溶媒
TFE
6m1
印加電圧
17kV
射出速度
1.2m1/也
射出時間
2000s
ターゲット
直径35cm
アルミニウム
空隙
20cm
オートクレープ
乾燥条件
120℃20min
走査型電子顕微鏡による観察
3-2-5
走査型電子顕微鏡とは材料表面の凹凸を観察するのに優れた方法である。観察物
の外形を把握しやすい一方、対象の内部に関する情報はほとんど得られないので、こ
れはTEMなど他の手段に頼る事になる。
今回はⅠ型コラーゲンメッシュの表面構造を観察するために、乾燥試料を用意し金
スパッタリングを行い走査型電子顕微鏡で観察した。 (Appendix 10-6参照)
3-3
人工基底膜上の細胞の細胞間結合の評価
31311
MTT試験
コラーゲンメッシュの作成時に残存する可溶性残存抽出物の細胞活悼-の影響を、
MTT試験により検討した。
-tetrazolium
MTTは3-【4,5-dimetbylthiazol-2-yl】-2,5-diphenyl
bromideのことで,ミトコンドリアの呼吸鎖が有する酵素(クエン酸回路のコ
ハク酸脱水素酵素)により分解され、青紫色のホルマザンを生成する。ホルマザンの生
成はミトコンドリア活性に依存することから、ホルマザンの吸光度測定により細胞活性を
評価する。
【方法】
CaCo-2を96穴プレートに播種した。そのときに用いる培地として通常の10%
FBS/MEMを用いてcontrolとしたものと、コラーゲンメッシュ抽出液を用いたものを用
意した.コラーゲンメッシュ抽出液は10%FBS刀MEMに高圧蒸気滅菌したコラーゲンメ
ッシュを入れ、振とう機で48時間振とうさせたものを用意した。コンフルエントに培養し、
MTT
assay
kitを用いて細胞活性を測定した。吸光度測定はMicroplate
Reader(BIO-RAD)にて測定した(測定波長550nm、参照波長655nm).
参照)
(Appendix
10-7
16
三重大学大学院
工学研究科
3-3-2膜間電気抵抗測定(TEA)
TERはEVOMボルトオームメーターとSTX-2電極(wわrld
Sarasota,
Precision Instruments,
hc.,
礼,
USA)を用いて測定した(図3-1)。 STX-2電極は2本の電極で構成され、
外側の電極は,微小銀電極、内側の電極は微小銀/塩化銀電極である。電圧検知用
土20pAの交流矩形波電流を12.5Hzの低周波で印加し、電圧を測定し、オームの法則
R
=
(Appendix 10-3参照)
E/Iより抵抗値を算出し測定値としたo
表3・2
Polyestef用1er
EVOM/STX-2電極の概要
Voltagc・neastnng
electrodeR
図3-1TER測定装置
3-3-2溶質透過試験
作成した人工基底膜モデルを用いて、 Fluorescein isothiocyanate伊rrC)標識したデ
キストラン(分子量4kDa、 70kDa)を分子量マーカーとして溶質透過試験を行った。
Transwe11⑬のapical側に濃度50帽/miFITC標識デキストラン0.5miを充填し, basal
側には蛍光標識していないデキストランを同濃度で1.5ml充填し、溶質透過試験を行
った。 basal側に標識されていないデキストランを添加するのは浸透圧差による水移動
を阻止し、蛍光標識したデキストランの拡散のみによる移動を測定するためである. 2
時間後と4時間後にbasal側から10plサンプルを採取し、
apical側からbasal側-移
動した蛍光デキストランの量を蛍光分光光度計(F-2000, fhtachi, Tokyo, Japan)を用い
て励起波長490nm、蛍光波長520nmの条件で測定した。溶質透過性は、溶質透過係
数として評価した。 (Appendix 10-4参照)
17
二.車人)iモノく芋院
L-.'ll;:口T
')lヒ宇E
3-3-4
免疫組織化学染色(pI染色)
免疫組織化学染色法は、抗原抗体反応を利用して特定の抗原物質を検出する方
法である。
【方法】
CaCo-2をTranswellに培養し、コンフルエントになったものを実験に用いた.培地を
吸引し、 PBSで洗浄後アセトン〃クノール(1:1)を添加して氷上で5分間静置させた。
pBSで希釈したブロッキング液を加え1時間静置させ、不特定部位-のブロッキング
を施した。その後抗原抗体反応を行い、洗浄後検体を作成した。共焦点レーザー顕
微鏡伊1uoview FVIOOO/OLYMPUS)を用いて表3-3の条件で観察を行ったo
(Appendix 10-8参照)
表3-3共焦点レーザー顕微鏡の測定条件
蛍光フィルター
NIBA、伊ⅠならⅥG)
Dyelist
FⅠTC、(またはPⅠ)
検出器の感度調節(HV)
500-600V
Gain
1Ⅹ
Offset
0%
レーザー出力の調整¢aser)
20%
コンフォーカルアパチャ-(C.A)
80um
ハロゲンランプ調光¢amp)
2.9V
FilterMode
KalmanLine2
スキャン速度
10.Ous/pixel
画面サイズ(size)
1:1512byte
対物レンズ、zoom
×40、×2
18
三重大学大学院
工学研究科
4結果
4-1辞質透過モデルの作成と評価
41111
TER激定
caco・2のTER測定を行ったものを図4-1に示したo一週間程度の培養でTER値が
HPMCで30亡)
・cm2、
HUVECで23
E2
・cm2となり平衡になったのに対して、 CaCo-2は
E)
TER値が593
E2
・cm2となった。参考文献等から500
・cm2を超えたCaCo-2は充分
な細胞間結合が形成されているため、細胞間物質輸送などの実験に適しているとい
われているので本実験のTER値も妥当な値である考えられる(表4-1)。よって、のちの
細胞間結合を評価する実験系ではTER値が500
E2
・cm2を超えたCaCo-2を用いた。
(Ⅱ-3)
.?
500
Ci
400
o
o
O
1=
300
層
■岩
a
14
21
days
図4-1
CaCo12のTER測定
表4-Ⅰ種々の細胞のTER測定値
cell Type
Source
Endo
human
23
3,4
Meso
human
30
1,2
TER(E2・
Ref
cm2)
CaCo-2
500
12
CaCo-2
616
13
CaCo-2
593
this study
19
:.帝人了/(I-;I: F完
I1.
11LJr・1-I()r・寛-f=l
4-1-2溶質透過試験
コンフレントに培養したⅠ℡MC、mC,
果を図412、表4-2に示した。分子量4、
CaCo-2を用いて溶質透過試験を行った結
70kDaのデキストランを用いた溶質透過試験
からはCaCo-2の溶質透過性は4kDaデキストランでHpMC、
10kDaデキストランでは1.6%、
mCの3.2%、
6.0%、
7.9%であった。
2× 10.6
1.5× 10'6
l己!l
∈
□ HPMC
i
壁
監
相
i.OX
I
1016
HUVEC
口CaCo-2
=i
*
0.5× 10-6
0
70kDJ)
4kDa
DE}Xt7Wの分子t
図4-2デキストランによる溶質透過試験
表4-2デキストランによる溶質透過試験結果
デキストランの分子量
細胞種
4kDa
fIPMC
1.49×10-6
1.91×10-7
mC
7.96X10.7
I.20XlO-1
CaCo-2
4.79×10-6
1.13×10-8
HPMC
2.54×10-7
1.01×10-7
HUVEC
5.26×10-8
4.12×10-8
CaC(ト2
4.14×10-9
1.83×10-9
70kDa
:前人J:.I: /(-)
溶質透過係数(m/5)
[l■J≡
l
SD
20
叫
jし・.
4-1-3免疫組織化学染色(オクルディン染色、 pI染色)
作成したCaCo-2の溶質透過モデルを、免疫組織化学染色法を用いオクルデインと
PI染色による核を染色した(図4-3)。 a)はI廿MCのオクルディン、 b)はHUVECのオク
ルディン、 c)はCaCo-2のオクルディン、 d)はCaCo-2のPIによる核染色である。 CaCo-2
はHPMCやHUVECと比べオクルディンが明瞭に染色された
またpI染色からCaCo-2はコンフレントに単層培養できていることが確認された。
a) fPMC
c) CaCo-2
也)CaCo-2
50..JIM
図4-3免疫組織化学染色によるオクルディンと核
:丁''大十へJp
「17L三
l
21
lノこ1
4-2
人工基底膜モデルの作成と評価
412-1ディップによる被覆上でのCaCo-2のTER洲定
TranswellにⅠ型コラーゲン及びⅣ型コラーゲンを被覆後、 CaCo-2を播種し経El的
にTER借を測定した結果を図4-4に示したo
collagen足場、
TER値はtype4
co11agen足場、
typel
control(Transwell)の順に高かった。
1 200
1 000
管
㌣
800
CX
芝
6OO
.h..
t)
「巾
14
21
days
図4・4
人工基底膜上のCaCo-2のTER測定
次にⅣ型コラーゲンの濃度をo.o5、 0.1mg/mlと二点ふり被覆し、 CaCo-2を培養し
TER測定を行ったものを図4-5に示したo結果、
Ⅳ型コラーゲンの濃度によらず
controlより高い値を示した。
篭800
C;
ぎeLA・
a
也:
蜜400
200
days
図415
人工基底膜上のCaCo-2のTER激定
:
l-F
/:j;
r
lJl
r-,:T;
JT-:∃
22
4-2-2溶質透過試験
図4-6に4,70kDaデキストランの溶質透過試験の結果を示した.
を培養したcontrolに比べ、
TranswellにCaCo12
Ⅳ型コラーゲンを被覆したほうが溶質透過係数は減少し
た。
溶質透過試験
8× 10'8
∽
iZl
6× 10●8
∈
義
壁
墓
相
枇
便
4× 10-8
2X
IO'8
4kDa
70kDa
デキストランの分子量
図4-6人工基底膜上のCaCo12の溶質透過試験
4-3エレクトロスビニング法による人工基底膜の作成と評価
4-3-1ウェスタンプロット法
抽出したⅠ型コラーゲン及びⅣ型コラーゲンについて、ウェスタンプロット法を用い
て抽出ができているか定性した。
図4-7(aは一次抗体にanti-collagen
type
lを用いECLで発色させたものであるo
I
型コラーゲン特有の3本鎖が確認でき、抽出物はⅠ型コラーゲンと断定できたo
図4-7(bは一次抗体にanti-collagen
type
4を用いECLで発色させたものであるo左
のバンドはニッタゼラチンから購入したⅣ型コラーゲンなのでポジティブコントロールと
したo右のバンドは豚の眼球からの抽出物であるo Ⅳ型コラーゲンは本来180kDa付
近に特徴的なバンドが確認されるが、図ではウェスタンプロット法作業中のポイリング
により3本鎖がほどけ、様々なバンドが生成したものが確認できたQ新田ゼラチンのⅣ
型コラーゲンが染色されたことから豚の眼球からの抽出物はⅣ型コラーゲンであること
が確認された。
ノ\
-i:ノL/1
I,;i
I
23
∫
l二r)L'Lミ=E
図4-7抽出物のウェスタンプロット法
干・j
a)豚の大動脈抽出物左
b)豚の眼球抽出物
右
:_.、
4-312エレクトロスビニング法による薄膜形成
エレクトロスピニング法によりⅠ型コラーゲンを繊維化しシート状に形成した。それを
使用済みのTranswellにバスボンドを使い接着させた。図4-8は接着後のTranswell
である。その後、
70%アルコールで滅菌しCaCo-2を培養したo
図4-8
413-3
メッシュ化したⅠ型コラーゲン貼り付け後のTranswe11
走査型電子顕微鏡による観察
Ⅰ型コラーゲンシートに金スパッタリングを施し走査型電子顕微鏡により表面画像を
撮影した。このSEM画像を図419に示すo
sEM画像を解析したところ、平均径が約
1115nmの繊維が形成でき、メッシュが作成されたことが示された。
1 00pn
4.5pm
図4-9メッシュ化したⅠ型コラーゲンのSEM画像
■r
!\
」
]
l.二
J_.
i",・r
'p:=LLう、.
24
4-3-4
MTT試験
メッシュ化したⅠ型コラーゲン自体に細胞活性を妨げるものがあるかどうか、
MTT試
験を用いて試験した。図4-10は96wellプレートにCaCo-2を播種し培養液に10%
FBS/MEMを用いたcontrolとI型collagenシートから抽出した溶液を混合したものと
を比較したものとなるo固から全て優位差がないことからⅠ型コラーゲンシートに細胞
活性を妨げる要素は存在しないことが示された。
1.5
1.4
1.3
1.2
谷1.1
現1
e・::;
竜::…
:
>
o.5
o.4
0.3
0.2
0.1
0
図4-10
4-3-5
MTT試験(
Ⅰ型コラーゲンメッシュのCaCo-2に対するによる細胞活性試験)
TER軸定
Transwellと比較す
エレクトロスピニングによるⅠ型コラーゲンメッシュを3枚用意し、
るためにCaCo-2を播種し、 TR測定を行ったものを表4-3に示した。
TraJISWell上及
びⅠ型コラーゲンディップ上で培養したCaCo-2はTER値が増加した。
collagenシート
上ではTER値の上昇が確認されたが、あまり上昇しなかった。このコラーゲンメッシュ
を平均しTER値をy軸にとったものを図4-11に示した。
表4-3
Ⅰ型コラーゲンメッシュ上のCaCo-2のTER測定
TER値(E)・c
m3)
Cou喝en
ColhgeJ)
Couagen
メッシュ①
メッシュ②
メッシュ③
0
0
0
-5
0
0
7
17
-7
-6
13
138
1
25
19
152
7
53
days
0
1
ノ、
j・一八」
iJ,
]l・ノこ†・き
25
1000
管80O
O
O1
8()0
0
0
雇400
EEC
200
14
21
days
図4-ll
Ⅰ型コラーゲンメッシュ上のCaCo-2のTER猟定
4-3-6免疫組織化学染色げⅠ染色)
表4-3のco11agenメッシュ上のTER値の違いを評価するために、
培養日数19日目の核を染色した.図4-12に上からTranswe11上、
されたcollagenシート上、
PI染色を用いて
TERの上昇が確認
TERの上昇が確認されなかったcouagenシート上の核を示
した。
どの足場条件でもCaCo-2の接着は見られたo
Transwell上ではコンプルエントに培
養でき均一に核が染色された。 TER値が上昇したⅠ型collagenシート上ではCaCo-2
がコンフルエントに培養できたが,caco12の大きさが不均一であった。
TER値が上昇
しなかったⅠ型cou喝enシート上ではCaCo-2がコンフレントに培養できていなかった。
Transwell
Ⅰ型co11agenシート
(TER上昇)
Ⅰ型co11agenシート
(TER上昇せず)
100〝m
図4-12
Ⅰ型コラーゲンメッシュ上の免疫組織化学染色伊Ⅰ染色による核染色)
ノ\
J二r」ノL
E
卜1亡pT-】
26
このようにcollagenメッシュ足場上のCaCo12に違いが出たことに対して次のように考
えた. Transwell上では0.4
mという小さな孔が空いているとはいえ、非常に平滑な面
と酷似しているためCaCo-2はコンフルエントに培養でき、核が一様に染色されたと考
JL
えられるo次にTERが上昇したI型collagenシート上ではCaCo-2がコンフルエント
に培養できたものの、核の大きさが不均一であった。よって共焦点レーザー顕微鏡の
構造から考えると,同一平面上に培養できておらずcollagen繊維の凹凸に入り込み培
養されたと考えたoまたTER値が上昇しなかったcollagenメッシュ上では繊維の孔が
上記の二つより大きくCaCO-2がメッシュの凹凸に入り込んだり、さらに大きな孔の方-
は細胞分裂がしにくかったと考えた。
そこで次にcou喝en繊維を細いものと太いものを二つ用意し、
Transwell上の
CaCo-2とTER借を比故した。
走査型電子顕微鏡による観察
エレクトロスピニング法の条件を変え、細い紘経と太い繊維を作成しSEM画像を撮
影したものを図4113に示したoその平均径を測定したところ、細い織経では116土30nm、
太い鉄雄では繊維径は1
1 15j=291nmであったo
細い織維
太い繊維
屯1■d4・▼
▲
4.5pm
図4-13
4.5pm
メッシュ化したⅠ型コラーゲンのSEM画像
り\
I,i
E-::;i
I
i
Hこl
】
27
TER軸定
上に示したcollagenメッシュを用いてTraJISWellを作成し、滅菌後TER測定を行った
結果を図4-14に示したo太いメッシュと細いメッシュを比べると細いメッシュのほうが
CaCo-2のTER値が上昇した。
LE
600
Ci
、き…
B
∝
200
血y8
図4-14
Ⅰ型コラーゲンメッシュ上のCaCo-2のTER測定(織維径vsTER値)
三▲-I.,:ノ・こう
人ニノj叫:亡」
j,I(
′・.こ.
28
5
考察
5-1溶質透過モデルの作成
溶質透過モデルとして前年度の研究結果であるHPMC、
frUVECに続き溶質透過の
研究に利用しやすいCaCo-2という上皮系の細胞を選び培養し溶質透過モデルを作
成した. CaCo-2の透過性を測定するにあたりTER測定を用いた。透過性の軌定方汰
としては一般的にはデキストランを用いた溶質透過試験とTER測定が挙げられる。溶
質透過試験はデキストランによる物質移動を測定しているため、そのまま溶質透過性
として反映される。一方でTERは培地中のイオンの移動によって生ずる電位変化を測
定しており、溶質透過性として評価は間接的であるが、操作が簡便であり、再現性が
高いという特色がある。
TER測定は細胞層を介して設置された電極間に交流矩形波電流を印加し、培地中
の電解質のNa+(培地中の濃度: 144mM)やCl の移動により生ずる電位変化を測定し
ている。ここで細胞内液、細胞外液,細胞膜についてコンデンサー成分と抵抗成分を
考えることで細胞の電気的等価回路ができる(図5-1左)。細胞内液と細胞外液のコン
デンサー成分は小さく、細胞膜の抵抗成分は大きいためさらに簡略化できる(図5-1
右)。また,細胞は周波数により導電率や誘電率は変化する(図5-2)。そのため12.5Hz
という低周波では誘電率が高く、導電率が低いことから、細胞の電気等価回路では細
胞膜一細胞内-の電流の流れを阻止し、細胞外辛酸つまり細胞間隙のみに電流が流れ
るものと考えられる(図5-1,2)。
よってTERから得られる抵抗値は細胞間隙の流路長に比例し流路面積に反比例
するものと考えられる。confluent状態の細胞層では細胞間隙の流路長は一定と仮定
できるQこのことから、相対的評価においては流路の面積、即ち間隙の構造を反映す
るものと考えられる。細胞間隙中のうち,最も狭小な細胞間結合はTight
junctionであ
る。従って、その狭い流路を構成する結合タンパクの密集性や結合性、種類により
TERは変化すると仮定している.
l
l
▼
=コ
Re
:、で、l::叫i..Ji
[:垂垂垂コ
->
低周波
_
--=◆高周波
図5-1細胞の電気的等価回路3)
T.
I;i:,i、i:I
三重三J(ll;;:.'r・(.
E=
'キIi
:r
29
誘電率E
導電率o-
低周波
高周波
低周波
+>
図5-2
----◆高周波
細胞の導電率と誘電率の周波数依存性(左)
細胞の周波数による電流経路の違い(右)')
ここで作成した溶質透過モデルについて考察する。 CaCo-2のTER測定値を図5-3
に示した。 CaCo-2のTER値の変化の仕方についてはコンプルエントになる直前に
TER値が急激に上昇し、その後徐々に上昇していくといわれているo本研究において
も7日目あたりにTER値が上昇し、その後もTER値は徐々に上昇しているo
管 500
O
C{
O
O
⊂=
B
400
300
O
lO
O
【【:
14
21
血y5
図5-3
CaCo-2による溶質透過モデルの評価
i.
′・.:,
ド.こ
F
i
1 ,T-・t
30
TER値が徐々に増加することに対しては以下のように考えたD 7,21日にCaCO-2をア
セトン/メタノール(1
:1)で固定しオクルディンの免疫組織化学染色を行った。図5-4にそ
の結果を示した。 7日目にはコンフルエントになったため細胞間結合にオクルディンが
局在化して見えた。その後21日目には細胞が小さくなってオクルディンが染色された。
つまり7
日目には細胞が平たく広がった状態でひとまずコンフルエントになり、その後
細胞極性の発達が進んできたものと考えた。そのため直方体様のCaCo-2は流路長が
長くなり、TER値が上昇し続けたと思われる。
50岬1
図5-4
右)21日目
CaCo-2のオクルディン染色左)7日目
またCaCo-2が積層していくことでTER値が平衡にならず上昇し続ける可能性も考
えられたため、免疫組織化学染色でCaCo12の核を染色することで観察したoその結
果,図5-5のようにyz平面に単層が形成されるのでその可能性が否定され、上記のよ
うにキュービック形から直方体形になったと考えた。
xy平面
50岬l
yz平面
図515
CaCo-2の免疫組織化学染色o'Ⅰ染色による核染色)
A.
iTL:大半)I.:号】
F
l7]:こた
,Tli
31
5-2
人工基底膜モデルの作成と評価
人工基底膜モデルの作成方法にはいろいろな方法が存在する。まず基底膜成分を
持った膜を動物から直接採取する方法である。よくみられるのがレンズ皮膜を採取し、
脱細胞後滅菌し使用する方法である27)。これは作業が繁雑なことと脱細胞により全て
の細胞を除去しないと異種細胞のコンタミネーションの可能性があることなどが上げら
れる。また別の方法としてはコロナ放電による細胞外マトリックスの被覆である。コロナ
放電により疎水性非接着細胞用シャーレを親水性にし、タンパクを被覆する方法であ
る。この方法だと任意に濃度の決定や、タンパクの混合などが可能だがTER値の測定
を目的としている本実験にはあまり適した方法ではない。
そこで可能な方法としてTilling,Tらの方法を用いたディップによる透過膜の被覆30)
と、エレクトロスピニング法による繊維化によるメッシュの作成を基本選択とした。ディッ
プによる被覆はTranswell上に基底膜成分溶液を滴下し、無菌状態で数時間静置す
るという方法である。エレクトロスピニング法は有機溶媒を混ぜ電荷を負荷させたタン
パクを、ニードルからアースしたターゲット-と射出させることでゲルを飛ばし繊維を作
成する方法である。そして、それを重ねることでメッシュを作成する。ゲル化能があれ
ばこの方法は適している。
予備実験として基底膜成分であるⅣ型コラーゲン、ラミニン、フィプロネクチンを
0.5mg/mlの濃度で用いTranswellを被覆しHUVECのTER測定を行ったところⅣ型
コラーゲン足場のみにTER値の増加傾向がみられた。そこでこの効果をさらに上昇さ
せるために、細胞間結合タンパクであるオクルディンの豊富なcaco-2を用い培養する
ことにした. Tilling,Tらの研究では脳血液関門@BB)を形成する細胞間結合が強固な
血管内皮細胞を使用していたことから、細胞間結合を強固に形成しやすい細胞を用
いれば被覆の効果も測定しやすいと考えCaCo-2を使用した。
CaCo-2のTER値は表411に示したとおり、
HPMCやmcと比べ高い値を示し
ていた。ここに昨年の研究で被覆剤として効果の見られた、
Ⅳ型コラーゲンとそのファ
ミリーのⅠ型コラーゲンに絞って被覆し培養時のTER値の変化を観察した。
ここで被覆した人工基底膜モデル上のCaCo-2培養時のTER測定の結果について
考察する。 3種類の足場上で培養したCaCo-2のTER値はcontrol<
Ⅰ型コラーゲン
上<Ⅳ型コラーゲン上の順に高くなった。これは培養初期の段階で接着因子である
畔GD配列)を持ったⅠ型コラーゲン足場とⅣ型コラーゲン足場上では、
Transwe11上よ
りCaCo-2の接着率が上がったことからTER値の上昇が早かったのではないかと考え
られる. Tilling,Tらの研究ではRat tail
collagen(ネズミの尻尾から取れるⅠ型コラーゲ
ン)とⅣ型コラーゲンをディップした上でBBB由来の血管内皮細胞を培養しTER測定
を行うと、Rat tail collagen上≦Ⅳ型コラーゲン上という結果となった30).
I-_垂人芋人`、;I:院
l-_・ti,I:研究車:ト
32
sanders,M31)らはⅣ型コラーゲン足場上にCaCo-2を培養した際、接着直後から
FAKのリン酸化が起こり45-120分間持続することを報告した。
shi,J32)らはⅠ型コラーゲン足場上にケラチン生成細胞株を培養し, Sanders,M31)ら
のⅣ型コラーゲン足場同様,
FA監のリン酸化が起こることを示した。この二つの論文か
らⅠ型コラーゲンとⅣ型コラーゲンに接着した細胞間のシグナル伝達は同じ経路を辿
るものと推定される。
そこで、なぜコラーゲンを足場とした場合caco-2の細胞間結合が強化されたかに
ついて、
Mesenchymal
to
EpithelialTranSition(MET)澗葉-上皮系形質変換と同様の
シグナル伝達が行われたのではないかと考えたo METはEpithelialto
Mesencymal
Transition(EMT):上皮一間菓系形質変換の逆の機序で、 METエフェクターである接着
コントロールアクチンマイクロフィラメントなどの接着因子が間菓系細胞に作用しFAK
を活性化し、 Rae-1を減少させ, N-カド-リンを形成させる、いう機序である(図5-6)33)。
よって、コラーゲン足場上でTER値が上昇した原因は、このFAKの活性化がⅠ型コラ
ーゲン、 Ⅳ型コラーゲン足場上のCaCo-2に起こっているのではないかと考えたo
TJの消失
AJの清失
EG]上皮-
同集系1胞
\〔莞
良ヨ G畑
M ETエフェクター
BMP・7など
の浪少
FAKの活性化
N-カドヘリン
の形虐
図5-6
EMTとMETの概略図33)
ではⅠ型コラーゲンとⅣ型コラーゲン足場上でCaCo-2のTER値が異なった理由を
考察する場合、我々はⅠ型コラーゲンとⅣ型コラーゲンのアミノ酸配列に着目した。接
着領域が多ければcaco-2の接着が細胞間結合が上昇しやすいのではないか,という
仮説を立てた。図5-7にⅠ型コラーゲンのα1鎖29),図5-8にⅠ型コラーゲンのα2鎖
のアミノ酸配列を示す34)。
串ノこ.:;:人.-:i:二院T.;
T,]f究
;
33
pcltr.ht-h-7p41-Tp・AJ∼d-Lrp-hr・山Jly-▼L1-Sfr・YAI-pTd1
2A
}5
J2
Gly-I-かtkt<1y-ItI一丸-ヰ1ナ・h-Ar■-CIpLttL一柳1y-hl-71ypJl
y・▲h-7tTPJll-P・。」恥ヰ1y・Th-l=1rLJly・P∫Q-b・
Clr-CIv-冗rplir-QltpIE汁・CIT-All-i●▼-Clr-hcplkt」ユy・r(○-^rlJly-P川IX▼p・■1y-Pro一触一¢1l-ty*-Ad-Clr▲■I-Al?C11一瓜u-▲1J-Cly-Lp-Tro一首1▼-Jtp丘n■il▼■n■一▲rpJE'II17T8-tLy事Jlr-PFl?Isl九-fly-AJ
I-▲t81CIp,,L4tL-ョyp-61y一丁tK-A14-
cJT・b・r#〃←古1y・lkトyy1・瓜T-rl■▲FJ」;1′・ナb-一夕w-CJy-I.pAJ>■=1y-▲1・-Ll(-Gly・A・rpThT161y-7to-Al暮-nr7rpt・7--
I 36
18)
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BZ2
149
874
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TJQ
cll-CIu-11yp<1y-7tトHyp-Fly-P▼pAh屯デ・h一山小■1i-pT-TnJly・AIJ-AJPJly-611L-Ttyi-dy▲h-LiJ-CLy-Clth籾・
7)1
Cly・▲h・AJLP<1㌣rrp-Al●dly・AIJ-TLnJlr・血r-truly-Pr山1TL・{1y-11■-Al■ヰIyJltL-▲q<1)'・▼d・YLLIG)pZJV一汁・
Gl▼一LrL一山一-{LrCltL-ArpCly-JLh-u7PGLy一h-XTP-C1†一■Tp-i+I-CIpClt■-k}p<1y-Lp-611<1l-Pro-kr-¢Lr-AIp臥-I
yi-cly<1tA-AI・LJly-PTO」;1か丘1y一▲1■・Ar■-Glrhr14hJIp7■○ヰ1p
cl′-YJ1-^r▲・■1rJIp脚pPFO1桝17-TTPAh-Cll・▲-Al■161y-▼■-AIJL-a)T-▲机-YL>ナイLpIA1■・山p・4r瓜▲一ItIナ・
Clr一山一一Ll■};1l-AIJL・JJPJlr▲h-Rllヰ1■-tlpALdlr・山一叫Iy・h-81中一Glr・▲山・A7J・¢1pPT-∼.・■1l-▼TO<1cJrlrdE・41r-Ju桝1pho-Ly■181r^pbr-GlrJIp桝1r-JuJ-ゝJサIC)r-▲■8-L>J-¢11-Jbp-∼.01′-▲1■-IvJ61▼・J1叫-1一刀-¢17・7■p▲h<1▼・Y■1イ;1ト¢1y一■■○・書叩イ1I一丁肘瓜t」;1I・■11l・61uJII-LII-Arl・■17一山■-^rt・01y-Ctl・Ryp-
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br■ユJ-Cly-7p一山ph・S-T-h-i-tt・7仙・▼ro-bo・Cb・81tIJIx-L7PAl■-XI■-ム■p-Sly-Gl!-ArrTyr・rlr
図5-7
EFDAKGGGPGPMGLMGPRG
Ⅰ型コラーゲンのal鎖29)
PPGASGAPG
PQGFQGPPGEPGEPGQTGPA(;ARGPPGPPQKA
BED(∋HPGKPGRPGERGVPGPQGARGFPGTPGLPGFKGI
RGHNGLD(;LTGQPGAPGVKGEP
GAPG
ENGTPGQKGARGLPGER(∋RVGAPGFnGARGSD(∋SVGPVG
GPKG
ELGPVG
GLPGPRGI
N PGPAGPAGP
GSTG
RGEVG
LPS
PAGP帽SAGPPGF
PVGPPGNAG
LSG
PGPVGAA(;ATGARGLVGEPGPAGSKQE
E IGPAGPP(;
PGAP
SON
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PGPSGEEG
KR
PP6LR(;NP(;SRGLP6AD6VAGVMGPAGSRGTSGPAGVRGPNGDS(∋RP
GEPGLMGPRGFPGS
PGN
IGPAGKE(;PVGLP(;
GEPGKPGEKGNVGL^GARGAPGPDG
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GPAGEAGKPGERGLHGEFGLPGPAGARGERGP
GEAGAVGPAGAPGPAGPPGI
LQGVQGEKGEQGPAG
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PGE
RGVAGVPGGKGE
PDGN
K
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GAPGPAGGA(;DRGEGGF)AGPAGJ)AG順GJRGERGEPGPVGPSGFAGPAGAAGQPGAKG王R
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GLTGPPGPPGAAGJCG-RG趣GPVGRSGETGATGPTGFVGEKGPTGEPQSAGPPGPP
GPQGLLGAPG
FLGLPGSRG
GEAGRDGNPGNDGPPGRDGQ
GAVGPAGAVGPRGPSGPQGI
GAVGPAGPRGPAGPSGPAGKJGR
図518
ERG
LPGVAGSVG
EPGPLGLAGPPGARGPPGNVGN
PGVNGA
P
P6日KGERGTPGNAGPPGAVGPV(;PVGEPGKLGNRGEPGPA
RGDDGEPGDJ{GD
KGI KGDRGH
NG
LQGLPGしAQHHGDQ(;AP
IGAVGPAGAAGIRGSQGSQGPAGPPGPPGPPGP
P(3PP
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Ⅰ型コラーゲンのa2鎖(ペプチドデータバンク1YOFBより)34)
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i
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34
ここから接着領域であるRGD配列は、トリプル-リックス構造を考えると(α
1、
α
1、
1とα2アミノ酸配列を図
α2)なので合計7個存在するo同様にⅣ型コラーゲンのα
519に示す35)D
RGD配列は、トリプル-リックス構造を考えると(α 1、 α 1、 α2)なので
合計10個存在する.このようにRGD配列の数が異なることから、細胞間結合の指標
であるTER値に違いが出たのではないかと考えた。
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図5-9
Ⅳ型コラーゲンのα
/・、
1、
∫:人′:i;:r;i
α2鎖のアミノ酸配列35)
i
-二L
l
35
:7Jtj:-r
5-3エレクトロスビニング法による人工基底膜の作成と評価
先の章で述べたようにエレクトロスピニング法はゲル化能を有するものなら繊維化で
きるので、一般的にはモノマー溶液からポリマーメッシュを作成することに適している。
本研究ではゲル化能をもつⅠ型コラーゲンを繊維化しメッシュを作成した。
本来この研究を行う前に、 Transwellと同じ素材であるポリスチレンを用いメッシュ化し
たポリスチレン上でのCaCo-2の細胞間結合をTER測定や免疫組織化学染色などを
用いて評価する必要があったが、それを省いてしまったため、そこは論文などから補う
こととする。
Kim,Tらの研究ではエレクトロスピニング法を用いPoly(D,L-lactic-co-glycolic
3T3)を播種し、細
acid)(以下PLGAとする)をメッシュ化し、その上で繊維芽細胞(NⅢ
胞数を測定した。結果,培養初期(1day)ではPLGAメッシュ<RGD固定化pLGAメッ
シュ<通常ポリスチレン培養皿となり、培養後期(5day)では三者に違いは認められな
かったとされている。 RGDとは細胞接着性タンパクであり細胞接着率に強く依存するも
のだが、それでも通常培養皿に及ばない結果となった。これは、一般的に細胞は堅く
平滑な足場上で培養しやすいからだと思われる.
36)
またHe,Wらの研究ではエレクトロスピニング法を用いpoly(L-lacticacid)-coIPOly(i
-caprolactone)(以下PLLA-CLとする)をメッシュ化し、その上で冠状動脈血管内皮細
胞を播種し、細胞数と接着率を測定した37)。結果、培養初期(4時間以内)の接着率は
PLLA-CLメッシュ<
Ⅰ型collagen修飾pLLA-CLメッシュ≦細胞培養ポリスチレン皿
となり、培養後期(3-7day)の細胞数はPLLA-CLメッシュ<
Ⅰ型0011agen修飾
PLLA-CLメッシュ<細胞培養ポリスチレン皿となった。非修飾メッシュよりⅠ型コラーゲ
ンを修飾したメッシュのほうが細胞接着は高くなるものの、細胞培養皿には及ばない結
果となった。
またKim,Cらの研究ではエレクトロスピニング法を用いpoly(
i
ICaPrOlactone)(以下
PCLとする)をメッシュ化したものと、PCL/poly(vinyl alcohol)(以下PVAとする)混合メッ
シュ上でヒト前立腺上皮細胞を培養し細胞数を測定した38).この論文の特徴は
PCL(太い繊維-孔が大きい)とpCLnVA(太い繊維と細い繊維が混在する-孔が小さ
い)というメッシュ間の違いを測定したことと,
CaCo-2と同じ上皮系の細胞を用いている
ので比較が容易だということが上げられる。結果、前立腺上皮細胞は培養初期(13day)では変化は見られなかったが、培養後期(3-7day)ではPCL<PCLnVAとなっ
た。よって用いるポリマーの違いや、水との親和性、メッシュの孔の大きさの違いなどに
よっても細胞接着が異なるので、 TER値も変化していくのではないかと考えられる。
:.蛮人乍人学院
L'.Jl羊研光村
36
これらのことから我々の研究結果を考察すると、まずTranswellは孔径o.4
FL
mの穴が
ランダムに空いる極めて堅い培養皿と近似的に考えられるため,培養が容易でTER
値も上昇し細胞間結合が形成されたcまたⅠ型コラーゲンメッシュは孔径も大きく、や
わらかい足場と考えられるoそのため図5-10(aでは接着は確認されたが、
TER値は
Trwswellが高くⅠ型コラーゲンメッシュ上では低かったと考えられる.また図5-10(bで
は細い繊維と太い繊維を用意しCaCo-2を培養した結果、細い繊維のメッシュは太い
織維のメッシュの2倍を超えるTER値になったが、
Transwellには及ばなかった。これ
はメッシュの繊維径だけでなく空隙率や孔径が大きく関わっていると考え,
photoshop
を用い画像を解析した(表5-1)。その結果、太い繊維は表面の空隙率は低いが孔径が
大きく、細い繊維は表面の空隙率は高いが孔径が小さいメッシュであることが示された。
そのため、太い繊維のメッシュは孔径が大きいため細胞が培養しにくく、また空隙に落
ち込んだりしたと考えられる。反対に細い繊維のメッシュの空隙はTranswe11の孔径と
近く、細胞が落ち込まないため細胞が培養しやすくTER値が上昇したと考えられる。こ
れらのことからⅠ型コラーゲン足場は、細胞接着では細胞培養ポリスチレン皿に劣り、
細胞間結合タンパクを相対的に評価するTER測定ではTranswe11に劣り細胞間結合
を強固に作成できない結果となった。
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図5-10
Ⅰ型コラーゲンメッシュ上のCaCo-2のTER測定
a)Transwellvs I型コラーゲンメッシュ
b)離径vsTER値
表5-1繊維のパラメーター
##@(JLm)
細い繊維
1116
太い繊維
/L;
範七IIJ:;:
空隙率(鶴)
ー16
t」I亡
l
トた1r-二】
孔径(〟m)
44.8
0.56
14.5
1.83
37
それでもメッシュには生体内足場の凹凸を再現できること、凹凸を制御し配向性を
持たせること、コーティングが正確に行われているか確認できないところをメッシュでは
SEMで確認できることなどの利点がある。今回CaCo-2に関してはメッシュを用いること
で有用な細胞間結合は形成できなかったが、
Ⅰ型コラーゲンだけでなく様々なタンパ
クを修飾したり、メッシュの繊維径や凹凸が制御できる材料という新しい可能性がある。
I-_車)くJli:-'人rlf:院 l-_I?'二研究朽
38
6
総括
以上の研究結果から総括とする。
1)CaCo-2の物質透過特性はTranswell上培養時よりⅠ型コラーゲン足場上で強固に
細胞間結合が形成され、
Ⅳ型コラーゲン足場でもさらに細胞間結合が強固に形成
された。
2) Ⅰ型コラーゲンメッシュ上でCaCo-2を培養すると、 Transwellに比べ弱い細胞間結
合が形成された。
3) Ⅰ型コラーゲンメッシュの繊維径を制御すると、太い繊維より細い繊維メッシュで細
胞間結合が強く形成された。
:.
tTJ)F光村
[LfI7lA大r、j::人学院.i-./1i::
39
7今後の展望
1)今回足場材料として用いたⅣ型コラーゲンはゲル化能を持たないためディップと
して用いた。しかし、
Ⅰ型コラーゲンと混合することでメッシュ化が可能となり新たな足
場が作成できる。今後Ⅳ型コラーゲンをメッシュ化したTER測定や免疫組織化学染色
を行っていくことで、より強固な細胞間結合の形成を目指す。
2)ラミニンやフィブロネクチンによる細胞間結合-の影響やⅣ型コラーゲン、ラミニン、
フィブロネクチンの混合足場を作成する。そして細胞間結合を測定することで、より生
体内のCaCo-2足場材料の探索が行え、強固な細胞間結合を目指す。
3)Ⅳ型コラーゲンからインテグリンを介して細胞間結合タンパクを刺激するシグナル
伝達経路を論文やシグナル伝達阻害剤を用いることで探索する。
-A.屯人乍人′、芸:院
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b)r-`先手:‡・
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ARPE-19
Cell
and
Invest
Cells,
ERR
CELL
networks
BIOLOGY.
Pathway
Interaction
Between
1 5 1-1 1 57
Caco-2
Human
TEE
OF
JOURNAL
and Enhancement
Oral
of Cell
Keratinocytes
and
167; 1-7
orchestrate
三重大学人'?:院
Capillary
8047
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:1
in
Kinaase.
Adhesion
2009:
1998;71
Activation
:3 8040-3
Brain
Influence
In Vitro・ J・Neurochemistry・
CHEMISTRY.
Shi・J,etal・:Activation
Candida
of
細胞接着
al.:Collagen Ⅳ -dependent
Intestinal Epithelial Cells RequlreS
Focal
Migration
Journal
Vis S°i2004;45:2786-2794
Sanders,M,et
BIOLOGICAL
Cloning
CDNA
The
Modification
Retinal Pigment
Science用語ライブラリー
28.宮坂昌之:Bio
大三郎:コラーゲン1994
29.藤本
30・
Sequence.・
Homologues,
Membrance-Dependent
in Human
Expression
Opbthalmol
J BioI
133: 43-47
26.
Gene
Junction
3747-3756
Mouse,
1996;
adherens
with ZO-1.
interaction mechanism
common
A,etal.: Interspecies Diversity of the Occludin
of Human,
the
and
epithelial-mesenchymal
transitions.
13 1-140
L-.J、i::研′光村
42
34.
Peptide Data
35・
BRAZEL,D,et
or the
deletions in the
α
Hei,W,etal.
membrane
its
coll喝en(typeⅣ)The amino acid
comparision
with tbe α 1(Ⅳ)chainreveals
1988;172・'35-42
1(Ⅳ)chain・早ur・J・Biochem・
Electrospun
2006;
ENGINEERING.
basement
2(Ⅳ)chain and
α
KIM,T,etal.:Biomimicking
Modified
37.
lYOFB
al.:Human
sequence
36.
Japan
Bank
ExtracellularMatrix:Cell
Poly(D,L-lactic-co-glycolic
acid) Nanofiber
Attachmentand
2006;78B
Mesh.
Peptide
TISSUE
-233
:Fabrication of collagen-coated
Kim,C,etal.:AnImproved
RGD
12:22 1
and its potential for endothelial cells grodh.
38.
Adhessive
Hydrophilicity
Proliferation. Journal
biodegradable
polymer
nanofiber
mesh
Biomaterials. 2005;26:7606-7615
vis Electrosplnnlng
of Biomedical
Materials
for Enhanced
Research
Cell
Part
B.
:283-290
二蚕人苧大J、芦F;t
卜・'1LJ'-'桝食料
43
謝辞
9
本修士論文の作成、並びに研究全般において懇切丁寧なご指導及びたくさんの貴
重なご助言を賜りました三重大学工学部堀内孝教授、宮本啓一准教授に対し、
心から感謝いたします。特に堀内孝教授は二年間諸先輩方の受身の形で行ってい
た研究の意識を変えていただきました。研究のやり方、特に始める前の準備段階での
思考、計画書,
-実験あたりの予算など細部まで計画的に実験をすることの大切さを
学びました。そして考察におきましては朝早い時間や夜遅い時間でもお付き合いいた
だき深く感謝いたします。また宮本啓一准教授はエレクトロスピニング法に閲しまし
て様々な条件を検討いただき最適なメッシュ作成になくてはならない存在でありました。
そして山口でのライフサポート学会には同伴していただき,宮本啓一准教授の研究
に対する考え方や昔話など様々な貴重なお話を頂戴し深く感謝いたします。また本研
究における様々な助言、協力をいただきました三重大学生命科学研究支援センター
小川覚先生、近田登美子先生に対し深く感謝いたします。また器材の共同使用
に快く同意していただいた三重大学工学部富田昌弘教授に対して深く感謝いたしま
す。
またご卒業後もたびたびアドバイスをいただいた三重大学大学院卒業生中野雄介
さん、西村康平さん、松永和也さん、三重大学工学部卒業生川村泰弘さんに深く感謝
いたします。本研究に際し実験をサポートしてくれた村瀬太斗君、シャーレのコーティ
ングにお世話になりました水谷直紀君、小西綾子さん、 SEMの撮影に協力していただ
いた稲熊章誠君、 3年間研究室でともに過ごし研律した川寄綾香さん、清水康治君、
那須章仁君、山口陽平君、村上節子さん、成岡真由美さんをはじめ生体材料化学
研究室の皆様方に深く感謝いたします。
平成20年2月
津留 慎吾
I-_蚕大学大学院
I1-.J羊研究科
44
10 Appendix
10-1培地,試薬の調整
10-2
細胞培養
10-3
TER測定
10-4
溶質透過試験
10_5
エレクトロスピニング法
10-6走査型電子顕微鏡(SEM)
10-7
MTT試験
10一冬
免疫組織化学染色
10-9
ウェスタンプロット法
10-10
免疫沈降法
45
二.毛人苧人学院
l-..一声研究杓
10-1培地、試薬の御製
【試薬・器具・機器】
・
・
・
・
MEMアール粉末培地
(大日本製薬cat.No.10-121-22)
100×MEM用非必須アミノ酸
(大日本製薬cat.No.16-810-49)
L-Glutamine(LIG)
(SIGMA
Cat.No.G-75
(SIGMA
Cat.No.P-078
Penicillin-Streptomycin
・
・
1/)
NaHC
03
(和光純薬株式会社cat.No. 191-01305)
HEPE
S
(同仁堂cat.No.340-01371)
Fetal
・
Solution(P-S)
1 3)
bovine
(EqUIT CH-ち I0)
semm(Fas)
Trypsin-EDTA
solution
(lox)
(SIGMA
Ⅰ型コラーゲン
Cat.No.T-4
1 74n
(当研究室で抽出)
Ⅳ型コラーゲン
(新田ゼラチンCat.No.なし)
・各種アシストチューブ
(アシスト)
・各種シリンジ
(テルモ)
pⅢメーター
(HORIBA
孔径o.22 pmフィルター(Millex-GV)
(MmLⅡ〉ORE
Cat.No.
SLGVO25LS)
Stericupフィルターユニット
(MILLIPORE
Cat.No.
SCGVUO5RE)
Cat.No.D52-5
5)
【培地の調製】500ml培地作成時
①添加試薬を下記の表のように作成した。
表9-1添加試薬調整表
濃度
添加量
NEAA
調整済み
5m1
NaHCO3
7.5%
13.4m1
PS
調整済み
5m1
L-glutamin
調整済み
5m1
HEPES
2.380/o
5m1
②487mlの脱イオン水を三角フラスコに量り、粉末培地を4.8g量り三角フラスコに溶
解させた。
③1NNaOHでpHを7.0-7.2に調整した。
46
・-.東大苧人草院
J..学研究村
④減圧漉過滅菌を行った。
⑤①で作成した添加試薬をフィルターを通して、滅菌して添加した。
⑥2-8℃で貯蔵した。
【各溶液の調製】
※FBS(牛胎児血清)の不活性化、分注、保存
【操作】
(D37℃の温水で解凍した後、数回振り、55-56℃の温水で、時折振り混ぜながら
30分間加温した(不活性化)0
30 mlアシストチューブに
②stericupフィルターユニットでフィルター滅菌を行い、
25
mlずつ分注した。作業はクリーンベンチ内、滅菌状態で行った。
③分注後の溶液は冷凍庫(-ュo℃)で保存した。
※ Tryp
sin-EDTA
(1 0x)
solution
【操作]
(む37℃の温水で解凍した後、
5
mlアシストチューブに4
mlずつ分注し、冷凍庫
(-20℃)で保存した。
※Ⅰ型コラーゲン
固体
【換作】
①pH3.0の希塩酸を調整した。
②固体状態のⅠ型コラーゲンを量り希塩酸に溶解させた。
③コラーゲン溶液を10
mlシリンジ(TERUMO⑧)を用いてMillex-GV(Cat.
SLGVO25LS瓜瓜LLIPORE/孔径o.22
No.
pm)を通してフィルター滅菌をかけた.そ
の後、冷蔵庫2-8℃で保存した。
※Ⅳ型コラーゲン3mg/ml
【操作】
①pH3.0の希塩酸を調整し、
10
mlシリンジ(TERUMO⑧)を用いてMillex-GV(Cat.
47
:_
L!fi:大学大学院
1二113::研究糾
No.
SLGVO25LS爪瓜LLIPOK/孔径o.22
pm)を通してフィルター滅菌をかけ
た。
②Ⅳ型コラーゲン100ptに対して希塩酸5900pCを混ぜ、
60倍希釈を行い、
50pg/mlのⅣ型コラーゲン溶液6mlを作成した.以下Ⅳ型コラーゲン溶液と略
し冷蔵庫で保存した。
③あまったⅣ型コラーゲン3mg/ml溶熟ま冷蔵庫で保存した.
10-2細胞培養
【試薬・器具・機器】
phosphate
・
Buffered
Saline
(SIGMA
(PBS)
(日本全薬工業)
・セノレバンカー
(住友ベークライトMS-21250)
75cm2培養フラスコ
・
Cat.No.D-8537)
(住友ベークライト)
q)35シャーレ、各種プレート
12wells Transwell(12穴トランスウェル)
(costarcat.No.3460)
各種遠沈管
(biologix)
エルマ血球計算盤
(Ema)
(池本理化工業)
CO2インキュベーター
遠心機
ボルテックス
Cat.No.20 1 0)
(KUBOTA
(TAlTEC Cat.No. S- 100)
恒温槽
(ⅥlmatO Cat.No.BT-
1 5)
【継代培養】
【操作】
Ⅰプレインキュべ-ト
目的の培養フラスコ、シャーレ、プレートに選択した培地を入れ、 37℃、 5%CO2
インキュベ-ト内にプレインキュベ-トした。
Ⅱ
細胞の洗浄
(D培養フラスコの蓋を開け、口元を加熱殺菌した.
②滅菌済みパスツールで培養フラスコ内の培養液を吸引した。
③ pBS溶液10
ml/75cm2フラスコを添加し、前後左右に振り洗浄した。
④滅菌済みパスツールで培養フラスコ内の洗浄液伊BS)を吸引した.
Ⅲ
培養細胞の剥離方法
①融解したTrypsin-EDTA
solution lmlにPBS
9
mlを加え、ボルテックスを
かけた(以下トリプシン溶液とした)
0
48
三宅大学人学院
Ⅰ二学研究科
②トリプシン溶液10 mlを75 cm2フラスコに加え、約30秒後、ゴムシートの上
で10回を2セット叩いて細胞を剥離させた。
③顕微鏡で細胞の剥離を確認後、
Fas
2mlを75
cm2フラスコに加えた。
④滅菌済み10
mlピペットで培養フラスコ内の細胞懸濁液を吸引し、
遠心管に入れた。
⑤ 1000叩ml分間、遠心分離した。ペレットが見られない時は,
15
ml
l分ずつ追加
して遠心分離した。
⑥遠心分離した上澄み液を10
mlピペットで吸引し、細胞に培養培地を3
加えて細胞懸濁液を作成した。
ml
⑦ 10回ピペッティングを行った後、細胞懸濁液(濃度5×105 cells/ml)を取り、
あらかじめ用意しておいた培養フラスコに適量播種した。 37℃、 5%CO2条
件下でインキュベ-ト培養した。
※細胞懸濁液濃度は血球計算版にカバーガラスをのせ、その隙間に培養フ
ラスコに播種する直前の細胞懸濁液3
測定し、細胞懸濁濃度を算出した。
みをo.1
Lllを注入した.顕微鏡で細胞数を
1
mm2の面積の細胞を数えて、液の厚
細胞測定数×104cells/mlと
mmとしたときの細胞懸濁液濃度は
した。
表10-2.各容器に対する培地量と懸濁液播種量
容器
培地量
懸濁液播種量
2m1
0.2m1
75cm2フラスコ
15m1
1m1
96穴プレート(1穴)
100p1
10pl
I)35シャーレ
12穴Transwe11(1穴)
0.5m1(apica1)-1.5m1(bas礼l) 50pl(apica1)
細胞懸濁液播種量は細胞密度5×
105
cells/mlの場合の量である。
【培地交換】
①滅菌済み10%FBS仇伍Mを37℃の温水で温めたものを使用した。
②滅菌済みパスツールで細胞培養培地を吸引した。
③細胞培養に使用する各容器に対してそれぞれ適量の培養培地を加えた。
三毛大J:-;E:大学院
49
【'_学研究科
10-3膜間電気抵抗測定(TER)
【原理】
TER測定は2本の電極対で構成されているSTX-2電極(表10-2)とEVOMボル
トオームメーターを用いて測定する。外側の電極は試料膜を介して電流を流すため
の微小な銀電極であり、内側の電極は電圧を測定するための銀/塩化銀電極であ
る。電圧検知用土2叫Aの交流矩形波電流を12.5HZの低周波で印加する。電圧を
測定することで、オームの法則R
=E/Iより抵抗値を算出するo細胞間のイオンの
透過に対しての抵抗を測定できることから、簡易的な細胞間の結合状態の評価を
行うことができる。この装置の使い方として細胞播種時から経目的に測定を行うと細
胞間結合の形成度合いが測定できる。また細胞がコンフレントになってから細胞間
結合に影響を与える可能性がある検査試薬を加えることで、細胞間結合の増減度
合いが測定できる。
表10-3
EVOM/STX-2電極の概要
膜電圧範囲
土199.9mV
o-1999f2,
抵抗範囲
0-20kE2の2レンジ
交流矩形波電流
土2叫A, 12.5Hz
電極
銀/塩化銀電極(電圧測定用)
銀電極(電流通電用)
[試薬・器具・機器】
・上皮膜用ボルト・オームメータ(EVOM)
(WわrldPrecision lnstmments)
・EVOM用STX-2電極
(Wbdd
・ウオーターバス
(SB-3 5侶YELA)
・ポンプ
(日機装)
・過酸化水素
Ⅰ型コラーゲン溶液
(08 1 -042
lnstmments)
1 5∧他ko)
(当研究室で抽出)
・
・
Precision
Ⅳ型コラーゲン溶手夜
(新田ゼラチン
Cat.No.なし)
50
三重人草人'1ii':院
l'.J')i:研究科
【換作準備・装置説明】
I
STX12電極の消毒(図10-1)
① STX-2電極を70%エタノールに15分間浸漬した。
② STX-2電極を取り出し, 20分間風乾させたo
Ilヒーターの準備(図10-3)
①恒温層の水をあらかじめ60℃に温度を上げておいたo
②ポンプによって水を循環させた。
III膜開電気抵抗測定(図10-2)
(》 STX-2電極をEVOMにつないで、電源を入れた。
②
Range
-
2000f2レンジ, Mode
-
R, Power
-
On, Measure
-
Rにあわ
せた
(卦sTX-2電極をTr皿SWe11に挿入し、
Measureボタンを押して各wellのTER
を測定したo
④ we11に対する電極の位置を確認し、毎回一定の位置で測定を行った。
⑤ 3箇所で測定を行い、平均値を算出した。
図10-1
TER測定装置
Transwellの
空いている部分を使用する
ー㊥黒鵬
図10-2
Transwell測定場所
51
:A.卓;]くノ芋大.:'JY:院l言!:研/;ErU;
,;こ【
図10-3
ヒーターの装置写真
左:ウオーターバスとポンプ、右上:ヒーター表、右下:ヒーター裏
作成したヒーターのチューブに約60度の温水をポンプで流動させる
ことで、トランスウニルの培地を37℃に保つ。
【方法】ディップによる足場作成後の細胞間結合形成度合い測定
①作成した滅菌済みの細胞外マトリックス溶液を200岬/wellで廿answellにディ
ップし3時間ベンチ内滅菌状態r⊥で静置した。
②Transwell上に細胞を播種し, TERの測定を行ったo
③測定値は、ポリエステルフィルターのみの抵抗値をblankとして,その差として
示した。
【方法】過酸化水素曝露による細胞間結合増減度合いの測定
(丑Transwell上にコンフレントに培養した細胞に対して、0.1mM滅菌済み過酸化
水素/MEMを曝露した。
②曝露時をo分として30分毎に120分TER測定を行った。
③潮定借は、ポリエステルフィルターのみの抵抗値をblankとして、その差として
示した。
52
二重大学人芋院
L
芋研究手・ト
10-4溶質透過試験
本研究において、蛍光標識したデキストランを分子量マーカーとして用いた。用
いたデキストランの分子量は4
kDaは、
70
kDa、
inulin(分子量約5 kDa)、
70
kDaである。この分子量を選んだのは、
4
kDaは、
albumin(分子量約69 kDa)、というよう
に腹膜透析の分子量マーカー類似の分子量のデキストランを選択した。以下に、
デキストラン、FITC
・
(fluorescein
isothiocyanate)について説明する.
dextran(C6HIOO5)n
グルコースからなる多糖で、 α(1-6)結合を主鎖とする.ショ糖を含む培地から、
種々の細菌またはそれから得られる酵素デキストランスクラーゼの作用で合成され
る粘物質。培養液液からアルコールにより白色の沈殿が得られる。水にわずかに溶
けて強い右旋性を示す.連鎖球菌のLeuconostoc
dextranicumが生産するデキスト
ランはD-グルコピラノースがα(1-6)結合で連なった高分子である.L.
mesenteroidesのデキストランはα(1-3)結合により分枝している.デンプンと異なりヨ
ウ素による呈色反応はない。アミラーゼで分解されない.部分加水分解物は血液増
量剤や代用血祭として用いる。
・
FITC
(且uoresceinisothiocyanate)
緑色系の蛍光色素で、この色素は安定で、抗体活性を阻害せず、抗体-の標
識が容易で安定、蛍光効率が高い、最大吸収波長と最大発光波長がかなり離れて
いるなどの標識用蛍光色素の要件をかなり満たしている。
N㌔、s
図10-4. FITC
三重大学人学院
53
_】-_学研光村
蛍光分光光度計
基底状態にある分子は、励起光を吸収して励起状態-遷移する。この励起エネ
ルギーの一部を振動エネルギーなどに失い、振動順位の低い位置に無頼射遷移
し、そこから基底状態に戻る時に発せられる光が蛍光である。
物質に吸収された光の一部は、振動そのほかのエネルギーとして失われるので、
物質から発せられる蛍光の波長は、励起光の波長よりも長くなる(Stokesの法則)
。
物質によって吸収された光量と物質から放射された総蛍光光量の比を量子収率
といい、この借の大きい物質の方が一般に蛍光を出しやすいと言えるoまた、物質
が放射する蛍光の強度は、物質が吸収する光量に比例する。したがって、試料が
希薄溶液の場合,蛍光強度を下記のように表すことが
できる。
F
=
Rl.cl84
F
:蛍光強度
I.:励起光の強さ
K :装置定数
l
e:物質の吸光係数
:セルの光路長
c:物質の濃度
Q :物質の量子収率
FITC-dextran
unlabeled_dextran
図10-5
溶質透過試験の模式図
作製した溶質透過モデルを用いて溶質透過試験を行った。
Transwell㊥のapical側
に蛍光物質であるFrrC標識したデキストラン、 basal側に標識していないデキストラ
ンを50
pg/hlの濃度になるように添加した。そして、FITC標識したデキストランの透
過量を蛍光分光光度計により測定した。 Basal側に標識していないデキストランを添
加する理由は浸透圧勾配による水の移動を起こさせないようにして溶質の拡散のみ
の移動を測定するためであるo
算出された溶質透過係数を溶質透過性の指標とした。溶質透過係数は微小時
間に変化した溶質量の物質収支式である微分方程式の解を用いた。以下に式の
導出方法を示す。
j:/'ミリー戸:_壷_]こ.≧j::人'-,1;:院
I?,TL-tう≡JE
54
basal側の分子量マーカーの時間変化は、
apical側からbasal側-の移動量に等
しいので、次式が成立する。
dVb Cb
‥RA(Ca -Cb)...①
dt
浸透圧較差による水移動が無視できるのでVb-Ⅴニー定とみなせる。
戸些む=朋(Co-Cb)…②
dt
dCb
-聖dt…③
V
u
Ca-Cb
ここで物質収支を考える。
t-oのとき、分子量マーカーの総量-va・Ca。…④
t-tのとき、分子量マーカーの総量-va・Ca+Vb・Cb…⑤
従って、 Va・Ca.
Va-0.5ml,
=Va・Ca+Vb
・Cb.‥⑥
Vb-1.5mlであるから
0.5・Ca.=0.5・Ca+1.5・Cb...⑦
dCb
Ca.-3Cb
1
Ca.-4Cb
時間t=
Ca=Ca.-3Cb…⑧
=%dt...@
V
-Cb
dCb
∴
RA
U
=筈dt...⑳
v
2とt=4間で定積分する。
⑫
I:==24節・・・
I,L==24dcb
-
[-4lm(Coo
-4Cb)X≡;
4h
Coo
Ca.
よって
-筈[tx:2-⑫ 溶質透過係数(nJs)
sideの体積(m3)
膜の面積(m2)
--?(t41t2)・・・@時間(s)
分子量マーカーの濃度
K
V
-4Cb4
-4Cb2
bas礼l
A
t
C
添字
K-一票壮語〕-㊨
b
:
頭頂側
基底例
0
:
初期値
a
:
溶質透過係数はt-t2とt-t4の2点でのbasal側のマーカー濃度cb-Cb2、
Cb-Cb4、
を測定することで算出した。
三重大学人学院
工学研究科
55
〔使用装置・器具・試薬〕
Hitachi, Tokyo,
・F12000形分光蛍光光度計(F-2000,
Japan)
・蛍光測定用石英セル(アズワン株式会社)
・MEM
(大日本製薬cat.No.10-121-22)
(SIGMA)
・pBS
・
FITC-dextran
4 kDa
(Cat.No. FD-4瓜ot.
123KO723/SIGMA)
(Cat.No. FD-70瓜ot.
No.
103K1586/SIGMA)
4 kDa
(Cat.No. 31388瓜ot.
No.
1081228
70 kDa
(Cat.No. 043-00555瓜ot.
70 kDa
・
No.
dextran
No.
53104064/SIGMA)
F4540/WA且0)
【操作】
① 測定2時間前に培地交換を行った。
②溶液を調整した。
in
dextran
FITC-labeled
apical側用に分子量4kDa、 70kDaの50pg/ml
70kDaのunlabeled
MEMをo.5muwell、
basal側用に分子量4kDa、
dextran in
MEMを1.5ml/well用意した。
③培地交換から二時間後Transwellの培地を吸引した。
④ apical側に50pg/ml
unlabeled dextran in
50帽/ml
4kDa、
FITC-labeled
dextran
in MEMをo.5ml、
basal側に
MEMを1.5m添加した.Dextranの分子量は
70kDaを用いた.その後すぐTranswellをアルミホイルで覆い遮光し
て37℃/5%
⑤
CO2インキュベーター内で保存した。
分光蛍光光度計を起動させFITCの励起波長(490nm)、蛍光波長
(520nm)に設定した。
dextran in MEMの残りを部屋を暗くした
⑥ apical側の50pg/ml
FITC-labeled
状態で10ptずつサンプルとして採取した.
⑦サンプル1叫1にPBS
99叫1を加え100倍希釈し、石英セルに移し分光蛍
光光度計にセットし蛍光の測定を行った。
⑧
2、
4時間後にTranswellを軽く振とうし、 basal側から10plずつサンプルを
採取した。
⑨ ⑦同様にサンプル10plにPBS
990plを加え100倍希釈し、石英セルに移
し分光蛍光光度計にセットし蛍光の測定を行った。
※ただし、 Transwellを扱う際は循環式保温パッド上で行い、培地を37℃に保つ
ようにした。
H.有人学大学院
56
.L学研究科
10-5
エレクトロスビニング法
エレクトロスピニング法の原理は、シリンジに高分子溶液を入れて、高電圧を印
加しポンプを押し出すと高分子溶液が電極に飛び,電極上に非常に細い織維がで
きるoこのとき電圧,溶液濃度、空隙距離を変えることで繊維の形状や太さを変える
ことができる。
∴主
Lll
≡.r甘
ファイバーシート
壬
高t圧t涙
図8-6エレクトロスピニング法
〔使用機器・器具〕
・エレクトロスピニング装置
・各種シリンジ(テルモ)
・各種注射針(テルモ)
図8-7エレクトロスピニング装置
:.盲〔人J-i:]こIT: J、完
E
研究手:j一
57
[使用試薬】
・
・
glycidyl glycerol
lnc.
ether(polysciences
)
trifluoroethanol
Ⅰ型コラーゲン
・
【換作】
①コラーゲン200mg、glycidyl glyccrol ether 50mgをtrifluoro
ethanol(TFE) 6ml
に溶解し、表10-4の条件でエレクトロスピニングを行いファイバーを作成した。
③ファイバーを120℃で20分架橋したo
表10-4エレクトロスピニング法の条件
条件
繊維化したい物質
コラーゲン
200mg
架橋剤
グリシジルグリセロ-ルエーテル
50mg
溶媒
TFE
6ml
印加電圧
17kV
射出速度
1.2m仙
射出時間
2000s
ターゲット
アルミニウム
空隙
乾燥条件
直径35cm
20cm
オートクレープ
120℃20min
10-6走査型電子顕微鏡(SEM)
〔使用装置・器具・試薬〕
・日立走査型電子顕微鏡s4000
図$18
日立換作型電子顕微鏡
58
I二三L_;川J.
I-氏/;ごF
/\てニノ・こ芋;,}L:
1_i.._
日立イオンスパックーEIOIO
図$19
日立イオンスパックー
[方法]イオンスパッタ-での金コーティング
(9試料を小さく切った後、両面テープで試料台に固定した.
(卦試料台をイオンスパッタ一にセットした.
③イオンスパックーの電源をオンにし、真空ポンプを作動させた。
④
vacuum
adjustつまみを調衝し、圧力を10Pa以下にした。
(9コーティング時間を120砂に設定し、 setを押した。
⑥ dischargeを押してコーティングを開始した。
⑦電源をオフにして試料を取り出した。
[方法]走査型電子顕微鏡の操作
I.起動
(》
DISPLAY
POWERをonにする(レバーを引きながら操作する)
Ⅱ.試料挿入
を押す
②
導入棒の先に試料台をねじ付けし辛前にカチッと音がするまで引く
※このとき棒を曲げないように慎重に
③フタを押さえながら匝垂]を押す
●ー●ー●グリーンランプが点灯してから30秒ほど待つ
④試料交換室バルブをopenにする
⑤ 試料を導入し、確実にセットしてからカチッと音がするまで棒を引き抜く
⑥ 試料交換室バルブをcloseにする
59
三石:大子人学院
T.芋研究芋ご】
Ⅲ.高圧印加
① scAlRLOCKVA1.VEをopenにする(レバーを引きながら操作する)
②匝]を押し加速電圧を設定する
20kVにしたい場合は回国
③ HVの匝]を押す
しばらくするとCRTに像が見える
Ⅳ.軸調整
Alignmentになっているので
①匝]を押し、出てきた画面のカーソル§が1Beam
匝垂司を押す
②
画面中央に丸い像がくるように が点滅●ているところのつまみ(ALIGNMENT
Ⅹ,
y)で調整する
を押す
③皿を押し、カーソル§を2ApertureAlignmentにして
⑥ 倍率を5-10Kぐらいにして、フォーカスを合わせる
(9 像のゆれが最小になるように絞りのつまみX, Yで調整する
を押す
⑥回を押し,カーソル§を3StigmaAlignmentにして
⑦ 像のゆれが最小になるようにつまみ(ALIGNMENT
⑧
X,
Y)で調整する
NTER
を押す
B]を押し,カーソル§を4StigmaAlignmentにして
⑨ 像のゆれが最小になるようにつまみ(ALIGNMENT
X,
Y)で調整する
を押す
⑩ロを押し、カーソル§を5AFCAlignmentにして
⑪ 像のゆれの中心が真ん中にくるようにつまみ(ALIGNMENT
X,
OBJにして
⑫虹を押し、カーソル§を6StigmaAlignment
⑬ 像のゆがみが最小になるようにつまみ(ALIGNMENT
X,
Y)で調整する
を押す
Y)で調整する
を押し、調整を終了する
※ 1日一回でよい
Ⅴ.表示の設定
1でカーソル§をNUMBERにする
①匡亘匝押し、
② 6字までの英数字を設定する
※このとき下2桁をo1にして、
Auto
lncrementをonにしておくと、自動的に下2
桁の数字が増えていく
を2回押して設定を終了する
Ⅵ.デジカメ準備
(D デジカメの電源がoFFか確落し、
②
CFカードをセットする
デジカメの電振とモニター(テレビ)の電源をoNにする
:_∃'1;人号人'芋院
60
」二'L;研究,:;、】
Ⅶ.写真撮影
① 画面が暗い場合は
(Auto BrightnessControl)を押し、明るくする
② 倍率を低くし、試料を動かして撮影位置を決める
③ 倍率を撮影したい倍率の2倍以上にし、FOCUSとsTIGMAを合わせてからも
との倍率に戻す
※ FOCUSとsTIGMA
Iまそれぞれ
で自動調整ができる
を押し、露出を合わせる
⑤ デジカメのシャッターを開き、
を押す(点滅●80秒)
⑥ 撮影が終わるとピーと音がするのでシャッターを閉じる
⑦ 記録された像が数秒間モニターに表示されるので確認する
Ⅶ.観察終了
① 倍率を下げる
② HVの
を押す
※フラッシングをするときは匡亘頭-HVの匝→HVの巨頭を押し、電流値をメ
モしてからHVの
③
を押す
scAIRLOCKVALVEをcloseにする(レバーを引きながら操作する)
⑥ 試料微動を標準位置(Ⅹ, y-12.5mmZ-15mm回転-oo
傾斜-oo
)にする
Ⅸ.試料の取り出し
①試料交換室バルブをopenにする
② 導入棒を差し込み、試料台にねじ込んだら棒をカチッと音がするまで引く
③ 試料交換室バルブをcloseにする
(参 AlRを押す
⑤ 試料を取り出す
☆
別の試料を測定する場合はⅡに戻る
@
フタを押さえながら
●-●-●
グリーンランプが点灯するのを確認する
Ⅹ.終了
① デジカメの電振とモニターの電源をoFFにして、
CFカードを取り出す
② DISPLAYPOWERをOFFにする(レバーを引きながら換作する)
③ 使用記録表に記入する(フラッシングをしたときは電流値も記録する)
I::LuL
i三Jこ羊ノて`■J:::院
T.芋・:;.7T・
,;-:ぎ
61
10-7
MTT試験
【原理】
1
MTT[3 -(4,51dimethylthiazo12, 5-diphenyltetrazoliumbromide);C
8H16N5 SBr (分子
量414.3) ]等のテトラゾリウム塩はミトコンドリアの酸化的リン酸化反応であるTCA回
路の脱水素酵素(コハク酸脱水素酵素)の基質である。ミトコンドリアは、真核細胞
の細胞質中に見られる小器官であり、酸化的リン酸化反応によるエネルギー産出
の場として重要な役割を担っている。活発に活動・増殖する細胞はエネルギー産出
量が多くなる。細胞が活発であれば、細胞がより多く分裂するために酵素活性が高
くなり、MTTを多く分解する。
MTTは分解されると青紫色のホルマザンに変化する
ので、吸光度を測定すれば生存細胞数や細胞-の毒性傷害効果を定量すること
ができる。本実験においては、播種細胞数をほぼ一定の条件にし、常に異なる培
地で細胞培養を行ったので、 MTT法によって得られた値は細胞活性を示すものと
する。
【使用装置・器具・試薬]
co2インキュベーター(池本理化工業株式会社)
(TAlTEC)
MIXER)
・浸透機(MICROTUBE
・
・
・
Microplate
Reader
550
Model
96穴プレート(Cat.
No.
(BIO-RAD)
MS-8096F/SUMILON)
・オートクレーブ滅菌済みクリーンベンチ内器具
・各種ピペットおよびチップ
・ノヾスッ-/レ
・吸引ポンプ
・エルマ血球計算盤(Erma)
・
Cell ProliferationKit
>
>
I
(MTT)
(Cat. No.
1 465
007瓜oche)
1液(MTTlabelingreagent)
2 i
(Solubilization
buffer)
【操作】
1) 96穴プレート-の播種
① 10%FBS/MEMを用いてco山rolとしたものと、コラーゲンメッシュ抽出
液を用いたものを用意した.コラーゲン溶液抽出液は10%FBS仇IEM
に高圧蒸気滅菌したコラーゲンメッシュを入れ、振とう機で48時間し振
とうさせたものを用意した。この抽出液をcontrolに10、
50、
100%混ぜ
たものを用意し、それぞれ100 pl/well入れプレインキュべ-トした.
二重大学大学院
62
l二学研究科
②細胞懸濁液(細胞密度5×105-1×106
cells/ml)を10pl/well播種するo
③ 37℃/5%CO2インキュベーター内で培養する。
2)試験
(丑96穴プレートの培地交換を行い
②
MTT
labeling
l液(MTT
reagent)を10 pl/well添加するo
③ 37℃/5%CO2インキュベーター内で4時間培養する。
④ MTT 2(Solubilization
bu飴r)液を100 pUwell添加し、 10分間振動させ
る。
⑤ 37℃/5%CO2インキュベーター内でovernigbt静置する。
⑥ Microplate Readerを用いて、測定波長550 nm、参考波長655
nmの吸
光度を測定する。
10-S
免疫組織化学染色
【原理】
免疫化学染色法は、特定のタンパク質を検出する方法で、検出方法を大別する
と直接法と間接法に分けられる。直接法は特異的抗体に直接標識し、その標識を
検出することで特定のタンパク質の存在を知る方法である。間接法は特異的抗体
(一次抗体)を抗原として認識する抗体(二次抗体)を標識し、その標識を検出する
ことで特定のタンパク質を知る方法である。二次抗体には,特定の動物種の免疫グ
ロブリンを標識する抗体を利用し、一次抗体を認識させる。同じ動物種の由来の一
次抗体であれば同じ二次抗体が利用できることから汎用性が高く、また、直接法と
比べ、検出感度が高い。
なお、本研究は間接法で行った。間接法として、
3) ABC法、
1)酵素抗体法,
2)蛍光抗体法、
4)金コロイド法があるが本研究はすべて蛍光抗体法で行った。
【試薬・器具・機器】
・
・
・
human
Rabbitanti-occludin,
Rabbitanti-ZO-1,
Polyclonal
・
Cellmatrix
Laboratories)
(61-7300/Zymed Laboratories)
human
(F O205心akoCytomation)
swine anti-rabbit immunogloblins/FITC
(uK-B80/大日本製薬)
・ブロックエースTM粉末
I
(71-1500/Zymed
(新田ゼラチン)
Typel-C
Acetone(アセトン)
(012-00343伽ko)
63
:.重大学大学院
T/I;・':研究科
Methanol(メタノール)
(134-01833Nako)
ヨウ化プロビジウム
伊4 1 70-25MG/SIGMA)
[操作準備]
ブロックエースの調製・保存
①ブロックエース粉末4gを脱イオン水100mlで溶解した。
② pBSで20%溶液になるように希釈した(以下、ブロッキング液とする)。
③ ブロッキング液は-20℃で冷凍保存した。
[操作]
I
Ⅱ
Transwell
-の播種
① Transwellに細胞懸濁液(濃度5× 105 cells/ml)を50pl/well播種した.
② 37℃、 5%CO2インキュベーター内でコンフレントになるまで培養した。
免疫染色
(丑confluent培養後、培地を吸引した.
② pBSで洗浄した。
③培地を吸引し、氷上でice-cold
(-20℃)
acetone/methanol
(1:1)をゆっくり
やさしく200pl/wellずつ加え、 5min浸透させた.
④ acetone/methanol
(1:1)を取り除き、氷上で10min静置して(フタはしない)
乾燥させた後,ブロッキング液を300pl/wellずつ加え、室温で1h静置し
た。
⑤ 1次抗体を200
pl/well加え、 4℃、飽和湿度でovernight静置した.
Rabbit
anti-occludin/ブロッキング液(1
:50)
Rabbit
anti-ZO-1/ブロッキング液(1:loo)任意に選ぶ
⑥余剰な抗体を吸引除去し、PBSで5回洗浄した。
⑦ 2次抗体を200
pl/well加え、室温で1h静置したo
Anti-rabbit-FITC
∫
PI
in PBS
(1: 100)
in20%ブロックエース(1:200)両方入れることも可
⑧余剰な抗体を吸引除去し、
PBSで5回洗浄した。
⑨ Transwellのポリエステル膜をカッターで慎重に取り除き、スライドガラスに
乗せその上からpBSを数滴滴下し、カバーガラスをかぶせプレパラートを
:.雇人rl;I:大学院
TA.学研究科
64
作成した。
⑳蛍光顕微鏡、共焦点レーザースキャン顕微鏡を用いて観察および撮影を行っ
た。
【測定条件】
蛍光フィルター
NIBA(PIならwIG)
Dyelist
FⅠTC(PⅠ)
検出器の感度調節(HV)
500-600V
Gain
1x
Offset
0%
レーザー出力の調整(Laser)
20%
コンフォーカルアパチャ-(C.A)
80um
ハロゲンランプ調光¢amp)
2.9V
FilterMode
KalmanLine2
スキャン速度
10.Ous/pixel
画面サイズ(size)
1:1512by
対物レンズ、zoom
×40、×2
三重大学人学院
IA.学研究科
65
10-9 western
blot法
◎換作の流れ
1.細胞からタンパク質の抽出
l
2.タンパク質の定量PCA法)
l
3. SDS-PAGE
l
4.ウェスタンブロツティング
1
4'.
CBB(クマシープリリアントブルー)によるゲル染色
5.一次抗体
l
6.二次抗体
l
7.バンドの定量
66
r_毛人苧`大Jt;I:院
_i-.J、芦研究科
1.細胞からタンパク質の抽出
〔器具・試薬〕
I
・
CR1
(HMAC
・高速冷却遠心機
5B,BIO-RAD)
HEPES
(340-01 37
NaOH
(197-02 125Nako)
inbibitor
・
protease
・
pbosphatase
1Nako)
伊83401 1ML/SIGMA)
inhibitor
伊5 726- 1ML/SIGMA)
〔操作〕
① conhentのq)35シャーレの培地を吸引し、氷上で冷やしたPBS
洗浄する。
2mlで十分に
※氷上で行う
②細胞溶解液(o.1%
TritonX-100を含む20mM
HEPES-NaOH
,
pH7.2)をシャ
ーレに300pl加える.
③
protease
inhibitor、 phosphatase
inhibitorをそれぞれ1plずつ加える.
④ 25-37℃で5分間、軽く振塗し、細胞膜を溶解させる。
⑤セルスクレーパーで細胞を剥離した後、強くピペッティングを行い、
1.5mlア
シストチューブに移す。
⑥冷却遠心機で4℃、
15,000rpm、
30min、遠心する。
⑦上澄み液をアシストチューブに移す。
⑧タンパクの定量をBCA法にて行う。
※抽出したタンパク質は冷凍保存(-so℃)
67
-A.帝人苧大学院
工学研究科
2.タンパク質の定量(BCA法)
〔器具・試薬〕
Spectrophotometer
(smartspecTMplus, BIO-RAD)
・ビシンコニン酸
(04841-54/ナカライテスク)
・酒石酸ナトリウム
(197- 1 3975Nako)
・
・
・
・
Na2CO3
(196-01 595凧ko)
NaOH
(1 98-0
NaHCO3
(198-013 1 5八他ko)
1 675∧他ko)
(0331044 1 5Nako)
・硫酸銅(Ⅱ)5水和物
(01859-47/ナカライテスク)
・BSA
〔操作〕
① A溶液、 B溶液をそれぞれ作製する。
月室温
ビシンコニン酸
1g
酒石酸ナトリウム
6g
Na2CO3
2g
NaOH
NaHC
1
Hll.25にする。
0.4g
03
Omlにメスアップ後NaOHを加え、
0.9 5g
過量
DW
・軌
CuSO4
・
5H20
DW
4g
1 OOml
②スタンダード(1mg/ml
BSA)を作製し、下表のように加える.
試験管1本当たりのBSA量(〃1)
1mg/mlBSA(〃1)
DW(〃1)
0
10
0
2
8
2
4
6
4
6
4
6
8
2
8
10
0
10
68
:.垂人草人学院
t二I?:研究科
③A溶液とB溶液を50:1で混合する。
④サンプルとスタンダードをそれぞれ1叫1ずつアシストチューブにとり(各サンプ
ル2本ずつ)、 ③で作製した溶液を100plずつ加えるo
⑤ボルテックスで按拝する。
⑥ 37℃、 30minで静置する。
⑦ oD562を測定する.
⑧タンパク質濃度を横軸、吸光度を縦軸にとり、検量線を作り、総タンパク量を
測定する。
※ spectrophotometer
(SmartSpecTMplus,BIO-RADl操作方法
1.電源を入れる
2.九を押す
3.
enterを押す(波長の読み取り1)
4.波長を562nmに設定する
5.
enterを押す(バックグラウンド読み取りをひきますかNo)
6. select
-
enterを押す(繰り返して読むサンプルはありますかYES)
7.
enterを押す(試料の反復番号3)
8.セルにBlank伊BSのみ)を入れ、
Read
Blankを押す
9.
-一を押す
10.試料を戻して、セルを脱イオン水で洗浄し、脱イオン水を取り除く
ll.セルに試料を入れ、 Read Sampleを3回押す
12.試料を戻して、セルを脱イオン水で洗浄し、脱イオン水を取り除く
13.
10-11を繰り返す
69
--_車人・?I:人学院
l二J?:研究科
3.
SDS-PAGEによる蛋白質の分離
〔器具・試薬〕
・MB-00泳動プレート(前面ガラス板)
(2398232/ÅrTO)
・MAB-10泳動プレート(ミミ付ガラス板)
(239823 0/ArTO)
・シリコンガスケット(MS-01)
(239823 7/ÅrTO)
・プラスチック製クリップ
(239823 9/ÅrTO)
・コーム(MIO-12)
(2398269/ÅrTO)
・電気泳動槽(AE-6530M型)
(232 1 900/ÅrTO)
・電源装置(クロスバワ-500)
Tris(トリスヒドリキシメチルアミノメタン)
(Ar TO)
(207106275∧I血ko)
・
SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)
・
(199-07141伽ko)
・HCl
(08 1 -05434∧他ko)
・アクリルアミド
(01 6-00765伽ko)
・Bis
(N.Nt-メチレンビスアクリルアミド)
(13 8-06032伽ko)
APS(過硫酸アンモニウム)
・
(02602-15/ナカライテスク)
・グリシン
(077-0073 5∧他ko)
・BPB(プロムフェノールブルー)
(02 1 -029
・2-メルカプトエタノール
( 1 3 5-07522伽ko)
・グリセロ-ル
(079-006 1 4∧他ko)
・
・
TEMED
1 1∧れねko)
(T928ト25ML/SIGMA)
Prestained
SDS-PAGE
Standards Broad
Range
(161-03 18侶IO-W)
〔操作〕
1)電気泳動用試薬の調製
・
(pⅡ8.8),0.4%SDS
I.5MTris-ⅡCl
Tris54.5g、
-
4℃で保存
SDSl.2gを脱イオン水に溶かし、
5N
HCl(約17ml)を加えてpH8.8に
合わせ、脱イオン水で300mlにメスアップする。
I
0.5MTris-ⅡCl
Tris6.Og、
(pⅡ6.8),0.4%SDS
-
4℃で保存
SDSO.4gを脱イオン水に溶かし、
5N
HCl(約9ml)を加えてpH6.8に合
わせ、脱イオン水で100mlにメスアップする。
・30%アクリルアミド溶液ー4℃で保存
アクリルアミド58g、 Bis2.Ogを脱イオン水に溶かし、脱イオン水で200mlにメス
アップする。
・10%APSー当日作製
APS
0.1gに脱イオン水1mlを加えて溶解する。
70
・-_雇人学人学院
1..学研究科
・泳動バッファー一室温で保存
Tris3.Og、グリシン14.4gを脱イオン水に溶かし、脱イオン水で1000mlにメスアッ
プする。その後, SDSl.Ogを加え,溶解させる。
・サンプルバッファーー一4℃で保存
o.5M
Tris-HCl (pH6.i) 2mi、 0,4% SDS
リセロ-ル2ml、脱イオン水o.8ml、
4ml, 2-メルカプトエタノール1.2ml、グ
0.1%BPB数滴を混ぜる。
ザル保存用バッファー(ming gelを保存する際にゲル上に重層する) -ラップ
をして4℃保存
1.5M廿is-HCl(PHS.8) 0,5ml、
前面ガラス板
0.4%SDS
ミミ付ガラス板
20小脱イオン水1.48mlを混ぜるo
シリコンガスケット
コ-ム
クリップ
②ミミ付ガラス板にシリコンガスケットをセットし、前面ガラス板をのせて、クリップ
でとめる。
叩
■■■
l
③コ-ムを差し込み,コ-ムの下底から5mmのところに目印を入れるo
71
:.不二人7:人乍巨111E
lこ'rl卜'/i ,?.I:F
3) mming
gel、 st礼cking gelの作製
アクリルアミド濃度(%)
REAGENT
Runnnfnggel
5%
7.5%
30-200kDa
分画分子t範囲
40-200kDa
Stackingge1
10%
20-130kDa
12.5%
4.5%
14-80kDa
30%
2.Oml
3.Oml
4.Oml
5.Om暮
3.Om[
3.OmI
3.Oml
3.Oml
0.9ml
アクリルアミド溶液
1.5MTns-
HCl(pH8.8),
0.4%SDS
0.5MTris-
HCl(pH6.8).
1.5ml
0.4%SDS
APS
120〟l
120〟l
120lLI
120lLl
60〟l
丁EMED
12JJI
12〟l
12〟l
12〟I
6〟l
7.Oml
6.Oml
5.Oml
4.Om暮
3.6ml
12.Omー
12.Oml
12.Oml
12.OmJ
6.OmJ
脱イオン水
TotalVoJume
※
目的とするタンパク質の分子量に対応して、ゲル濃度を決定する0
※表はゲル1枚分の量を示している。
※アクリルアミドのモノマーは神経毒であるので、試薬を扱う時は手袋、マスクを
着用する。
①
mnning
gel溶液、 st礼cking gel溶液を上の表に従って作成する(但し、
はこの時点では加えない)0
TEMED
② mming
gel溶液をアスビレータ-で脱気する。
※脱気中にサンプルをボイルするための100℃の高温槽を準備しておく。
③脱気後、
TEMED
12plを加え、軽く混ぜる。
※微量なのでピペット操作は要注意。
④素早く、 2)で準備したゲル板の目印のところまでmnning gel溶液を入れる。
※フラスコから直接注ぎ込む。
⑤ピペットで脱イオン水をゲル液面上に重層する。
⑥ゲル化するまで静置する。
(10分程度)
※アクリルアミドは20℃以下では重合しにくいため、室温に注意。
(特に冬期は
注意)
※ゲルと水の界面ができていればゲル化しているので、水を捨ててキムワイプ
:.雇人芋人''i;I-'院
72
IA.学研究村
で軽く拭く。
⑦ゲル化させている間にstacking gel溶液をアスビレータ-で脱気する.
⑧脱気後、 TEMED叫を加え、軽く混ぜる。
※微量なのでピペット操作は要注意。
⑨素早く、ミミ付ガラス板の切り欠きの少し下までstackinggel溶液を入れる。
⑳コ-ムを気泡が入らないように差し込み、約30分間静置してゲル化させる。
※コ-ムを両手で持ち、水平に差し込む。
4)各ウェルにローディングする試料溶液の調製
①各ウェルに加えるタンパク量に相当する試料の体積をBCA法により測定した
濃度から算出する。
② ①で算出してタンパク量とサンプルバッファーを1:1で混合する。
※ 1ウェルにつき最大約40pl以下に設定する.
③ボルテックスで捷拝する。
㊨ 100℃の熱湯で3分間ボイルする。
⑤ボルテックスで獲拝する。
5)電気泳動
①電気泳動槽に底から(陽極側)泳動バッファーを電極線が浸る程度入れる。
②ゲル化したらコ-ムをそっと抜き取る。
③クリップとシリコンガスケットを外し、ゲル板を締め付け具に固定し、電気泳動
槽に入れる。
※ゲルの下にたまった気泡を取り除くため、泳動槽を傾ける。
④ゲルの上部(陰極側)が十分に浸るぐらい電解槽液を入れる。
⑤サンプルをピペットでウェル内にゆっくり注入する。
※分子量マーカーはサンプルバッファーを加えずに、分子量マーカー5plのみ
注入。
⑥電極端末を接続し電源を入れ、ゲルl枚のときは15mAの定電流で、ゲル2
枚のときは30mAの定電流で泳動する。
※ BPB線がゲル下端から5mmの位置にくるまで泳動する。
73
二:.毛大学人苧院
11′プ:研究科
4'ゲル(膜)の染色(cBB染色)
〔試薬〕
・メタノール
(134-0
1 S53/Ⅵ血ko)
・酢酸
CBB-R250(クマシープリリアントブルー)
(01 2-00245Nako)
(09408-52/ナカライテスク)
・
〔操作〕
1)試薬の調製
・染色液ー室温で保存&再使用
2.5g、メタノール500ml、酢酸50ml、脱イオン水450ml
CBB-R250
・脱色液.)室温で保存
メタノール50ml、酢酸70ml、脱イオン水880ml
2)染色
①電気泳動の終わったゲルを染色液に入れる。
②室温で15分間振塗する。
※膜を染色する場合は、数十秒振塗する程度でよい。
③染色液をビンに戻し、脱色液を少量入れる。
④容器を軽く揺すり、染色液をすすぎ、脱色液を捨てる。
⑤脱色液をたっぷり入れて、キムワイプを2,3枚脱色液に浸けこむ。
※脱色の際にキムワイプを適宜交換することで、脱色を早くすることが出来る。
⑨室温で数時間-一晩振塗する。
⑩膜の場合は乾燥させることでバンドが確認できるため、冷風などで膜を乾燥さ
せる。
74
三重人L13:・'大学院
11`芋研究科
4.ゲルから膜-の転写(ウェスタンブロツティング)
〔器具・試薬〕
・pvDF膜(ポリフッ化ビニリデンメンプレン)
(23923 90/ÅrTO)
・ブロツティング漉紙
(23923 93/ÅrTO)
・ブロツティング装置
Tris(トリスヒドリキシメチルアミノメタン)
(AE6677/ÅrTO)
・メタノール
(134101853爪他ko)
・6-アミノカプロン酸
(0 1 8-09642伽ko)
・
(207106275∧恥ko)
〔操作〕
1)試薬の調製
Tris
5%メタノール溶液)
4℃で保存&再使用
・A溶液(o.3%M
Tris 3.634gを脱イオン水50mlに溶かし、 5mlのメタノールを加えて、最後に脱イ
-
オン水を加えて計100mlとする。
Tris
5%メタノール溶液)
4℃で保存&再使用
・B溶液(25mM
Tris 0.303gを脱イオン水50mlに溶かし, 5mlのメタノールを加えて、最後に脱イ
-
オン水を加えて計100mlとする。
・C溶液(25mM
Tris
40mM
6-アミノカプロン酸 5%メタノール溶液)
ー4℃で保存&再使用
40mM
6-アミノカプロン酸o.525gを脱イオン水50mlに溶かし、
Tris 0.303g、
5ml
のメタノールを加えて、最後に脱イオン水を加えて計100mlとする。
2)ウェスタンブロツティング
①電気泳動中に(マーカーが中央ぐらいまで泳動した頃)に、
PVDF膜をrunning
gelと同じ大きさに切り、メタノールに20秒ほど浸し、次にB溶液に浸す。
※
mming
gelのカットは目的のタンパクがあると予想される付近をすること0
②さらに、ブロツティング漉紙6枚をmnninggelと同じ大きさに切り、 A溶液に2
枚、B溶液に1枚、c溶液に3枚浸す。
③電気泳動終了後、ガラス板の隙間にスパチュラを差し込み、てこの原理でガ
ラス板をはがす。
④ slacking gelを取り除き、mnning gel部分のみにして、 B溶液に浸す。
⑤まずA溶液に浸した漉紙2枚をブロツティング装置にのせる。さらに、
に浸した漉紙1枚、
pvDF膜、ゲル、
B溶液
C溶液に浸した漉紙3枚の順に上-重
ねる。
75
二項大'芋大学院
上学研光村
⑥グローブをはめ、手のひらで全体を押しつぶすように気泡を抜き、膜とゲルを
密着させる。
※強く押してもゲルはなかなか破れないので、しっかり押して膜とゲルを密着さ
せること。
⑦一番上の漉紙にC溶液を少量かけ、蓋を閉めて、リード線をつなぐ。
⑧ 100mAの定電流で45分間ブロツティングする。
ミ車人芋大学院
76
l二学研究村
5.ブロッキング、抗体処理
〔試薬〕
(市販のもの)
・スキムミルク
TritonX- 1 00
・
(T8 7 8 7- 5 0ML/SIGMA)
(o5913/日水製薬)
・pBS粉末
Rabbit
・
HRP-Goat
・
(71
a山i-occludin,human
a山i-Rabbit lgG
-
1 500/Zymed)
(62-61 20/Zymed)
5rl
〔操作〕
1)試薬の調製
・PBS
PBS粉末9.6gを脱イオン水に溶解して全量を1000mlにする。
0.I O^oPBST
・
PBS
leにTritonl.Omlを加える.
1%PBST)
・ブロッキング液(5%スキムミルク/0.
PBST50mlにスキムミルク2.5gを加える。
・一次抗体
ブロッキング液1.Omlに一次抗体4.叫1を加え250倍希釈する。
2)操作
①ブロッキング液に膜を浸し、
over
nightブロッキングする(4℃).
②ガラス板にパラフイルムをセットし、その上にPVDF膜をのせ、一次抗体溶液を
添加して室温下で90分静置させる。
※抗体溶液が移動しないように水平にセットする。
5-2.二次抗体
〔換作〕
1)試薬の調製
・二次抗体
ブロッキング液1.OmlにHRP標識二次抗体を1.叫1加え、
1000倍希釈する。
・ECL
l液と2液を500plずつとるo測定直前に混ぜるo
*アルミで遮光、氷上
*
1液と2液は等量混ぜ、
o.125ml/cm2を目安にECLの量を決める.
:.垂人学大学院
r-_学研究科
77
2)操作
①pBSTで10分毎に3回洗浄。
※まず1,2回PBSTで軽くすすいでから、
3回の洗浄を行う。
②ケースにパラフイルムをセットし、その上にPVDF膜をのせ、二次抗体溶液を
添加して室温下で1時間静置させる。
③ ①の操作を行う。
三重大学大学院
Ⅰ二学研究科
78
6.バンドの定量
〔器具・試薬〕
Variable Model
・
ECL
・
Imager
(Typhoon 8600/Amersham)
(E血anced ChemiLuminescence)
(RPN2
1 09/Amersham)
〔操作〕
①洗浄した膜をラップに包み、 typboonまで持っていく。
※ Typhoonに持っていくもの
1mlピペットマン,ブルーチップ、ラップに包んだ膜、 ECL(氷上)、ピンセット、ラ
ップ、データ保存用CD
②コンピュータ、 Typhoonの電源を入れる.
③ECLの1液、
2液を混ぜ、膜上に添加する。
※ 1分間静置させる。
㊨ Typhoonの設定をするo
⑤新しいラップ上に膜を移し、ラップで包み込む。
※しわがつかないように包む。
㊨ Typhoonに膜を乗せ、スキャンエリアを決定し、検出を行うo
⑤ Image quantでタンパクの定量を行う。
※ Typhoonの操作方法
1.テーブルタップ・コンピュータ・Typhoon本体の電源スイッチをONにする.
2.スタートアップスクリーンが表示されたら、
3・
Ctrl,Alt,Deleteキーを同時に押す.
Welcomeウインドウが表示されたら、 OKをクリックする(パスワードなし).
4.サンプルをガラスプレートの上にセットする(左下を基準にセットする)0
5.デスクトップ上の「Typhoon 3.0」のアイコンをクリックして起動させる.
6.スキャンエリアを指定する(スキャンの開始位置の座標をマウスの左ボタンでク
リックしそのままスキャンするエリアをドラッグする)0
7.スキャンモードを「chemiluminescence」にする。
8. set
upをクリックし、 sensitivityを「high」 PMTボルテージを「950」に
、
設定する。
9.
Orientationでサンプルの表裏と方向を決定する。
10.ピクセルサイズを5叫1に指定する。
ll. Press
sampleにチェックを入れる。
12・ Image
Analysisの項目をImage
13・
quantに指定する。
SCANボタンをクリックして検出を行う。(scANボタンをクリックするとsave
:_薮人芋人Jl(V:院
As
79
_L':(v:研究科
ウインドウが表示されるので、サンプルのイメージデータに名前を付けて保存す
る)
14.スキャン終了後、スキャンした画像が表示される。
*
Image
quantによる定量方法
1.イメージの最適化
(1)ツールバーのGrey/Color/Adjustボタンをクリックする.
(2) Highスライダー(上側)をドラッグして、プレビューイメージ内のバンドが赤色に
表示され始めたら、マウスボタンを放します。
(3) Lowスライダー(下側)を打ラッグして、プレビューイメージ内のバックグラウンド
が紫色に表示され始めたら、マウスボタンを放します。
(4) OKをクリックする(イメージウインドウの表示イメージに変更内容が適用され、
Grey/Color/Adjustウインドウが閉じる).
2.レクタングルの作成
(1)ツールバーのRectangleボタンをクリックする。
(2)目的のバンドにポインターを当て、バンドがレクタングルで完全に囲まれるま
で、ポインターをドラッグします。
(3)Selectボタンをクリックする。
(4)作成したレクタングルの内部中央にポインターを合わせ、マウスボタンを押し
たまま、キーボードのⅤキーを押す。
(5)マウスボタンを押したまま、次のレーンのバンドがレクタングルで囲まれるよう
に移動させる。
(6)この操作を繰り返し、各レーンのバンドにレクタングルを作成する。
3.ボリューム解析の評価
(1) Selectボタンが選択されていることを確認する。
(2)レクタングルの1つをクリックする。
(3)ツールバー(下)のⅥ)1ume
Reviewボタンをクリックすると解析評価が表示され
る。
:.家人学人11iv:院
I二乍研究科
80
10-10免疫沈降法
〔器具・試薬〕
・マイクロチューブローテ一夕-(MTR-103)
(井内盛栄堂)
・高速冷却遠心機
(HM
・
・
・
protein G sepharose
fast flow
CR1
5B侶IOIRAD)
(P3 296/SIGMA)
HEPES
(340-0 1 37 1∧他ko)
MgC12
(136-03995∧恥ko)
・KCl
(163-03 545∧他ko)
・BSA
(01859-47/ナカライテスク)
・SDSサンプルバッファー
(WBと同じもの)
〔操作〕
1)試薬の調製
・BufferAの調製
※ ButferA(1M
1 MHEPES
1 MMgC12
1 MKC1
H20
HEPES:
1M
1MMgC12:
KCl:H20
-
100:
15
:
100:9785)
1
500〃
7.5〃 1
500IL
I
約49ml
約50ml
・
1mg/mlのBSA侶ufferAの調製
50mgのBSAを①で調製した50mlのBufferAに溶解させる.
2)ビーズの洗浄
① 50plのプロテインGセファロースビーズを1.5mlアシストチューブに分取する.
②冷却遠心機で15,000叩m、
15秒間遠心する。
③上澄み液を吸い取って捨てる。
㊨ BSA-BufferAを500pl加えて、
4℃、 5分ローテ一夕-で振塗する.
⑤冷却遠心機で15,000rpm、
15秒間遠心する。
⑥上澄み液を吸い取って捨てる。
⑦ ④-⑥を2回線り返す。
⑧集めたビーズをやさしくピペッティングして1叫を別の1.5mlアシストチューブ
:.蛮人学人J?:院
L学研究科
81
に分取する. (15plの方は抗体用、残りはタンパク用)
※ 3)と4)は同時に行う。
3)ビーズ-の抗体の吸着
①抗体用のビーズにBSA-Buffer
Aを500pl加え、さらにoccludin一次抗体を
1叫1加える。
② 4℃、 2時間ローテ一夕-で振塗する。
③冷却遠心機で15,000叩m、
15秒間遠心する。
④上澄み液を吸い取って捨てる。
⑤ビーズの洗浄を2回線り返す。
⑥ BSA-Buffer
Aを500pl加えて、使用するまで氷上に放置するo
※⑦,⑧は4)-③直前に行う。
⑦冷却遠心機で15,000rpm,
15秒間遠心する。
⑧上澄み液を吸い取って捨てる。
4)ビーズ-のタンパクの吸着(不要なタンパクを除去する作業)
①タンパク用のビーズにBSA-Buffer Aを500pl加えて、さらにタンパク抽出液を
入れる。 (抽出液の量はBCA法により求めた濃度から算出する)
② 4℃、 2時間ローテ一夕-で振塗する。
③冷却遠心機で15,000rpm、
3分間遠心する。
④上澄み液を3)-⑧の液に移す。
5)免疫沈降
①指で軽くはじいて擾拝し、 4℃、 4時間ローテ一夕-で振塗する。
②冷却遠心機で15,000rpm、
1分間遠心する。
③上澄み液を吸い取って捨てる。
④ BSA-BufrTerAを500pl加えて、
4℃、 5分ローテ一夕-で振塗する.
⑤冷却遠心機で15,000叩m、
15秒間遠心する。
⑥上澄み液を吸い取って捨てる。
⑦ ④-⑥を2回線り返す。
⑧pBSを500pl加えて、
4℃、 5分ローテ一夕-で振塗する.
⑨冷却遠心機で15,000rpm、
15秒間遠心する。
⑩上澄み液を吸い取って捨てる。
⑪ ⑧-⑩を2回線り返す。
⑫ sDSサンプルバッファーを4)-①で加えたタンパク抽出液と同量加える。
⑬ボルテックスにかけることで免疫沈降物を溶かす。
⑭冷却遠心機で15,000rpm、
1分間遠心する。
:.
:rf7:人学人J')l・[:院
r.
82
I?I:研究科
⑮上澄み手夜を回収し、 SDS-PAGEを行うo
⑱以降の操作はwestem
blot法プロトコール参照。
参考文献
(1)岡田雅人,宮崎有無敵のバイオテクニカルシリーズ改訂第3版タンパク
質実験ノート(上).羊土社2005
(2)岡田雅人,宮崎香.無敵のバイオテクニカルシリーズ改訂第3版タンパク
質実験ノート(下).羊土社2005
(3)西方敬人.バイオ実験イラストレイテッド5タンパクなんてこわくない.秀潤
社2003
二重大′軍人J?:院
83
IA.学研究村
Fly UP