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多様な人種集団において静脈血栓症の発症に関する個体の遺伝的リスク

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多様な人種集団において静脈血栓症の発症に関する個体の遺伝的リスク
JP 2007-522804 A 2007.8.16
(57)【 要 約 】
多様な人種集団において静脈血栓症の発症に関する個体の遺伝的リスクを予測するための
方法が開示され、本方法を実施するために用い得るアレイおよびキットも同様に開示され
る 。 本 方 法 は 、 静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ
ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 ) 、 メ チ レ ン テ ト ラ ヒ ド ロ
葉 酸 レ ダ ク タ ー ゼ ( MTHFR) 、 お よ び ア ン ジ オ テ ン シ ン I転 換 酵 素 ( ACE) 分 子 と い っ た 少
な く と も 8種 の 静 脈 血 栓 症 関 連 分 子 に お け る 変 異 、 多 型 ま た は そ の 両 方 に 関 し て ス ク リ ー
ニングを行う段階を含む。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
対 象 に お け る 静 脈 血 栓 症 ( VT) に 対 す る 遺 伝 的 素 因 を 検 出 す る た め の 方 法 で あ っ て 、
対 象 が 少 な く と も 8種 の VT関 連 分 子 に お い て 1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 を 有 す る か
否 か を 判 定 す る 段 階 で あ っ て 、 少 な く と も 8種 の 静 脈 血 栓 症 分 子 が ア ン チ ト ロ ン ビ ン III(
AT III) 、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 ( FV) 、 プ ロ ト ロ ン
ビ ン ( 第 II因 子 ) 、 メ チ レ ン テ ト ラ ヒ ド ロ 葉 酸 レ ダ ク タ ー ゼ ( MTHFR) 、 お よ び ア ン ジ オ
テ ン シ ン 1転 換 酵 素 ( ACE) を 含 み 、 1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 の 存 在 に よ っ て 対 象
が静脈血栓症に対する遺伝的素因を有することが示される段階
を含む方法。
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【請求項2】
1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 が 、 表 1に 列 記 さ れ た 1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型
を 含 む 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項3】
対 象 が 表 1に 列 記 さ れ た 変 異 ま た は 多 型 の う ち 少 な く と も 10種 に お い て 1つ ま た は 複 数 の
変 異 ま た は 多 型 を 有 す る か 否 か を 判 定 す る 段 階 を 含 む 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項4】
対 象 が 表 1に 列 記 さ れ た 変 異 ま た は 多 型 の う ち 少 な く と も 50種 に お い て 1つ ま た は 複 数 の
変 異 ま た は 多 型 を 有 す る か 否 か を 判 定 す る 段 階 を 含 む 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項5】
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対 象 が 表 1に 列 記 さ れ た 変 異 ま た は 多 型 の う ち 少 な く と も 143種 に お い て 1つ ま た は 複 数
の 変 異 ま た は 多 型 を 有 す る か 否 か を 判 定 す る 段 階 を 含 む 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項6】
対 象 が 表 1に 列 記 さ れ た 変 異 ま た は 多 型 の う ち 10種 を 超 え な い も の に お い て 1つ ま た は 複
数 の 変 異 ま た は 多 型 を 有 す る か 否 か を 判 定 す る 段 階 を 含 む 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項7】
1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 が 、 AT III欠 損 症 、 PC欠 損 症 、 PS欠 損 症 、 フ ィ ブ リ ノ
ー ゲ ン Thr312Ala多 型 、 FV Leiden( G1691A) 多 型 、 FV G1628多 型 、 FV A4070G多 型 、 プ ロ
ト ロ ン ビ ン G20210A多 型 、 MTHFR C677T、 お よ び ACEイ ン ト ロ ン 16、 288bp挿 入 /欠 失 多 型 を
含 む 、 請 求 項 2記 載 の 方 法 。
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【請求項8】
VTを 発 症 す る 確 率 が 、 白 色 人 種 で は 少 な く と も 98% 、 ア ジ ア 人 で は 少 な く と も 85% 、 お
よ び ア フ リ カ 人 で は 少 な く と も 87% の 精 度 で 得 ら れ る 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項9】
対 象 が 少 な く と も 8種 の VT関 連 分 子 に お い て 1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 を 有 す る か
否 か を 判 定 す る 段 階 を 含 む 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項10】
少 な く と も 8種 の VT関 連 分 子 が 核 酸 分 子 を 含 む 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項11】
核 酸 分 子 を 対 象 か ら 増 幅 し て そ れ に よ っ て 増 幅 産 物 を 生 じ さ せ 、 そ の 増 幅 産 物 を 、 1つ
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または複数の変異または多型を検出するオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさ
せ る 、 請 求 項 10記 載 の 方 法 。
【請求項12】
オリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせる段階が、
増幅産物とオリゴヌクレオチドプローブとの間のハイブリダイゼーションが行われるの
に十分な期間にわたって、増幅産物をオリゴヌクレオチドプローブとともにインキュベー
トし、それによって増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を形成させる段階;お
よび
増 幅 産 物 が VT関 連 核 酸 中 に 1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 を 含 む か 否 か を 判 定 す る た
め に 、 増 幅 産 物 : オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ 複 合 体 を 分 析 す る 段 階 で あ っ て 、 1つ ま た
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は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 の 存 在 に よ っ て 対 象 が VTに 対 す る 遺 伝 的 素 因 を 有 す る こ と が 示 さ
れる段階
を 含 む 、 請 求 項 11記 載 の 方 法 。
【請求項13】
増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を分析する段階が、核酸ハイブリダイゼ
ー シ ョ ン の 量 を 決 定 す る 段 階 で あ っ て 、 変 異 型 配 列 の 1つ ま た は 複 数 に 対 す る ハ イ ブ リ ダ
イゼーションの量が対応する野生型配列に対するハイブリダイゼーションの量と比較して
多 い こ と に よ っ て 対 象 が VTに 対 す る 遺 伝 的 素 因 を 有 す る こ と が 示 さ れ る 段 階 を 含 む 、 請 求
項 12記 載 の 方 法 。
【請求項14】
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増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を分析する段階が、複合体を検出して定
量 す る 段 階 を 含 む 、 請 求 項 12記 載 の 方 法 。
【請求項15】
オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ が ア レ イ 基 板 上 に 存 在 す る 、 請 求 項 11記 載 の 方 法 。
【請求項16】
ア レ イ が 、 野 生 型 VT関 連 核 酸 分 子 に 対 し て 相 補 的 な オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ を さ ら
に 含 む 、 請 求 項 15記 載 の 方 法 。
【請求項17】
野 生 型 VT関 連 核 酸 分 子 が 、 野 生 型 AT III、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S、 野
生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 野 生 型 第 V因 子 、 野 生 型 第 II因 子 、 野 生 型 MTHFR、 お よ び 野 生 型 AC
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Eの 核 酸 配 列 に 対 し て 相 補 的 な オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ を 含 む 、 請 求 項 16記 載 の 方 法
。
【請求項18】
少 な く と も 8種 の VT関 連 分 子 が 、 AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ
ン 、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 MTHFR、 お よ び ACEか ら の 配 列 か ら な る 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項19】
対 象 が 、 静 脈 血 栓 症 を 発 症 す る リ ス ク を 潜 在 的 に 有 す る 群 に 属 し て い る 、 請 求 項 1記 載
の方法。
【請求項20】
対象が、妊娠している、産褥中である、経口避妊薬もしくはホルモン補充療法を用いて
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いる、血栓症の既往歴がある、持続性の不動化を受けたかまたは受ける見込みである、骨
髄増殖性疾患を有する、悪性疾患を有する、外科手術を受けたかまたは受ける見込みであ
る、骨折を有する、高齢である、抗リン脂質抗体を有する、またはそれらの組み合わせで
あ る 、 請 求 項 19記 載 の 方 法 。
【請求項21】
対 象 か ら 得 ら れ る 核 酸 分 子 が 血 清 か ら 得 ら れ る 、 請 求 項 11記 載 の 方 法 。
【請求項22】
対 象 に お け る VTに 対 す る 遺 伝 的 素 因 を 検 出 す る 方 法 で あ っ て 、
増 幅 産 物 を ア レ イ に 適 用 す る 段 階 で あ っ て 、 ア レ イ が 変 異 型 AT III、 変 異 型 プ ロ テ イ ン
C、 変 異 型 プ ロ テ イ ン S、 変 異 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 変 異 型 第 V因 子 、 変 異 型 第 II因 子 、 変
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異 型 MTHFR、 お よ び 変 異 型 ACEの 配 列 に 対 し て 相 補 的 な オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ を 含 み
、 増 幅 産 物 が 、 対 象 か ら 得 ら れ た AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン
、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 MTHFR、 お よ び ACEか ら の 核 酸 配 列 を 含 む 段 階 ;
増幅産物とオリゴヌクレオチドプローブとの間のハイブリダイゼーションが行われるの
に十分な期間にわたって、増幅産物をアレイとともにインキュベートし、それによって増
幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を形成させる段階;および
増 幅 産 物 が AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 第 II因
子 、 MTHFR、 ま た は ACEの 配 列 中 に 1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 を 含 む か 否 か を 判 定 す
る た め に 、 増 幅 産 物 : オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ 複 合 体 を 分 析 す る 段 階 で あ っ て 、 1つ
ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 の 存 在 に よ っ て 対 象 が VTに 対 す る 遺 伝 的 素 因 を 有 す る こ と が
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示される段階
を含む方法。
【請求項23】
静 脈 血 栓 症 ( VT) 療 法 を 選 択 す る 方 法 で あ っ て 、
請 求 項 1記 載 の 方 法 を 用 い て 、 対 象 の 少 な く と も 1つ の VT関 連 分 子 に お け る 変 異 ま た は 多
型を検出する段階;および
こ の よ う な 変 異 ま た は 多 型 が 同 定 さ れ た 場 合 に 、 VTを 回 避 も し く は 緩 和 す る た め 、 ま た
は VTの 発 症 を 遅 ら せ る た め の 処 置 を 選 択 す る 段 階
を含む方法。
【請求項24】
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選 択 さ れ た 処 置 を 対 象 に 施 す 段 階 を さ ら に 含 む 、 請 求 項 23記 載 の 方 法 。
【請求項25】
選 択 さ れ た 処 置 が 、 対 象 を 抗 血 液 凝 固 剤 で 処 置 す る 段 階 を 含 む 、 請 求 項 24記 載 の 方 法 。
【請求項26】
野生型遺伝子配列、変異型遺伝子配列、またはその両方に対して相補的なオリゴヌクレ
オ チ ド プ ロ ー ブ を 含 む ア レ イ で あ っ て 、 遺 伝 子 配 列 が AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S
、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 MTHFR、 お よ び ACEの 遺 伝 子 か ら の コ ー ド 配 列
または非コード配列を含むアレイ。
【請求項27】
変 異 型 遺 伝 子 配 列 が 、 表 1に 列 記 さ れ た 10種 ま た は そ れ 以 上 の 変 異 ま た は 多 型 を 含 む 、
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請 求 項 26記 載 の ア レ イ 。
【請求項28】
変 異 型 遺 伝 子 配 列 が 、 本 質 的 に 表 1に 列 記 さ れ た 変 異 ま た は 多 型 か ら な る 、 請 求 項 27記
載のアレイ。
【請求項29】
対 象 に お け る 静 脈 血 栓 症 ( VT) に 対 す る 遺 伝 的 素 因 を 検 出 す る 方 法 で あ っ て 、
増 幅 産 物 を 請 求 項 13記 載 の ア レ イ に 適 用 す る 段 階 で あ っ て 、 増 幅 産 物 が 対 象 か ら 得 ら れ
た 増 幅 さ れ た 核 酸 を 含 み 、 核 酸 が AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン
、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 MTHFR、 お よ び ACEか ら の コ ー ド 配 列 ま た は 非 コ ー ド 配 列 を 含 む 段
階;
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増幅産物とオリゴヌクレオチドプローブとの間のハイブリダイゼーションが行われるの
に十分な期間にわたって、増幅産物をアレイとともにインキュベートし、それによって増
幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を形成させる段階;および
増 幅 産 物 が AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 第 II因
子 、 MTHFR、 ま た は ACEの 遺 伝 子 中 に 1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 を 含 む か 否 か を 判 定
するために、増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を分析する段階であって、1
つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 の 存 在 に よ っ て 対 象 が VTに 対 す る 遺 伝 的 素 因 を 有 す る こ と
が示される段階
を含む方法。
【請求項30】
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対 象 に お け る 静 脈 血 栓 症 ( VT) に 対 す る 遺 伝 的 素 因 を 検 出 す る た め の キ ッ ト で あ っ て 、
所定のパターンで固体ポリマー支持体表面と化学的に連結された複数のオリゴヌクレオ
チ ド プ ロ ー ブ を 含 む 固 相 核 酸 ア レ イ で あ っ て 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ が 、 AT III、
プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 MTHFR、 お よ び ACE
の 遺 伝 子 中 に VTに 関 連 し た 変 異 ま た は 多 型 を 有 す る 1つ ま た は 複 数 の 核 酸 分 子 と 、 ス ト リ
ンジェントな条件下でハイブリダイズし得る固相核酸アレイ
を含むキット。
【請求項31】
オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド が SEQ ID NO: 1∼ 287を 含 む 、 請 求 項 30記 載 の キ ッ ト 。
【請求項32】
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対象から得られた核酸分子を増幅して増幅産物を得るためのプライマーを別個のパッケ
ー ジ 中 に さ ら に 含 み 、 増 幅 産 物 が AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン
、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 MTHFR、 お よ び ACEの 遺 伝 子 か ら の 配 列 を 含 む 、 請 求 項 30記 載 の キ
ット。
【請求項33】
増 幅 酵 素 を 別 個 の パ ッ ケ ー ジ 中 に さ ら に 含 む 、 請 求 項 30記 載 の キ ッ ト 。
【請求項34】
緩 衝 液 を 別 個 の パ ッ ケ ー ジ 中 に さ ら に 含 む 、 請 求 項 30記 載 の キ ッ ト 。
【請求項35】
ア レ イ が 、 野 生 型 AT III、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ
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ー ゲ ン 、 野 生 型 第 V因 子 、 野 生 型 第 II因 子 、 野 生 型 MTHFR、 お よ び 野 生 型 ACEと ス ト リ ン ジ
ェ ン ト な 条 件 下 で ハ イ ブ リ ダ イ ズ し 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド を さ ら に 含 む 、 請 求 項 30記 載
のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本出願は、静脈血栓症に対する個体の遺伝的感受性を予測する方法、ならびに開示され
る 方 法 を 実 施 す る た め に 用 い 得 る キ ッ ト に 関 す る 。 な お 、 本 出 願 は 、 2004年 1月 15日 に 提
出 さ れ た 米 国 仮 出 願 第 60/537,463号 の 恩 典 を 主 張 し 、 そ の 全 体 が 参 照 と し て 本 明 細 書 に 組
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み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
静 脈 血 栓 症 に は 毎 年 1000人 当 た り 1人 が 罹 患 し 、 こ れ は 死 亡 お よ び 病 的 状 態 の 主 な 死 因
の 一 つ で あ り 、 米 国 だ け で も 毎 年 約 300,000件 の 入 院 お よ び 50,000例 の 死 亡 の 原 因 と な っ
て い る ( Rosendaal, Thromb. Haemost. 78: 1-6, 1997; Nordstrom et al., J. Inter. M
ed. 232: 155-60, 1992; お よ び Hansson et al., Arch. Intern. Med. 157: 1665-70, 19
97) 。
【0003】
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さまざまな病状が、個体を静脈血栓症に罹患しやすくする素因となる。このような危険
因 子 の 例 に は 、 妊 娠 、 産 褥 、 経 口 避 妊 薬 お よ び /ま た は ホ ル モ ン 補 充 療 法 の 使 用 、 外 傷 、
外科手術、骨折、持続性の不動化、高齢、抗リン脂質抗体、血栓症の既往歴、骨髄増殖性
疾 患 、 悪 性 疾 患 、 な ら び に 軽 症 な い し 中 等 症 の 高 ホ モ シ ス テ イ ン 血 症 が 含 ま れ る ( Abrams
on et al., Southern Med. J. 94: 1013-20, 2001; お よ び Seligsohn and Lubetsky, N.
Engl. J. Med. 344: 1222-31, 2001) 。 静 脈 血 栓 症 は し ば し ば 、 深 部 静 脈 血 栓 症 ( DVT)
として下肢に起こり、これはしばしば致死的である肺塞栓症を招くことが往々にしてある
。特に不運なことに、このような血栓塞栓現象はしばしば、既に生理的に障害のある患者
に起こる。
【0004】
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静脈血栓症に対する後天的な危険因子のほかに、見たところ単一遺伝子性で、常染色体
優性で、さまざまな浸透性を有するように思われる数多くの遺伝子変異または遺伝的多型
も、静脈血栓症に対するリスク増大をもたらしている。このような変異または多型の例に
は 、 凝 固 促 進 タ ン パ ク 質 ( 第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン お よ び フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン ) 、 天 然 の
抗 凝 固 タ ン パ ク 質 ( プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン Sお よ び ア ン チ ト ロ ン ビ ン III) お よ び そ の
他 の 血 栓 症 関 連 タ ン パ ク 質 ( ア ン ジ オ テ ン シ ン -I転 換 酵 素 お よ び メ チ レ ン テ ト ラ ヒ ド ロ 葉
酸レダクターゼ)をコードする遺伝子におけるものがある。したがって、静脈血栓症は複
合的な遺伝的障害である。凝固系の活動亢進を招く遺伝的欠陥は、静脈血栓症の患者の高
い 割 合 に 存 在 す る 。 血 栓 症 へ の 素 因 の 60% 超 は 遺 伝 要 素 に 起 因 す る ( Souto et al., Am.
J. Hum. Genet. 67: 1452-9, 2000) 。
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【0005】
従 来 の 複 数 の 報 告 が 、 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 1つ ま た は 複 数 の 多 型 に 関 す る ス ク リ ー ニ
ン グ 、 例 え ば PCR( Harrington et al., Clin. Chem. Lab. Med. 41: 496-500, 2003) ま
た は マ イ ク ロ プ レ ー ト ア レ イ 対 角 線 ゲ ル 電 気 泳 動 ( Bauer et al., Thromb. Haemost. 84:
396-400, 2000) を 用 い る こ と に よ る も の を 記 載 し て い る 。 マ イ ク ロ ア レ イ 技 術 を 、 静 脈
血栓症に関与する特定の遺伝子における変異に関するスクリーニングのために用いること
が提唱されているが、これらのマイクロアレイは、予測的価値が低い上、白人集団に多く
認 め ら れ る 変 異 し か 検 出 し な い た め 、 不 十 分 で あ る ( 例 え ば 、 Pecheniuk et al., Blood
Coagul. Fibrinolysis 11: 683-700, 2000; Pollak et al., Ital. Heart J. 2: 568-72,
2001; Evans and Lee-Tataseo, Clin. Chem. 48: 1406-11, 2002; Schrijver et al., A
10
m. J. Clin Pathol. 119: 490-6, 2003; Erali et al., Clin. Chem. 49: 732-9, 2003)
。マイクロアレイ技術は、血栓症に関与するさまざまな遺伝子変異および遺伝的多型のス
クリーニングのために利用し得るようになるまでには、さらなる進歩を遂げる必要がある
と 指 摘 し て い る 者 も い る ( Grody、 Annu. Rev. Med.,54: 473-90, 2003) 。
【0006】
したがって、個体が静脈血栓症を発症するリスクを正確に予測することができ、数多く
の人種集団をスクリーニングするために用いることが可能な方法に対しては需要が存在す
る。
【発明の開示】
【0007】
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概要
静脈血栓症は、先進国における死亡および病的状態の主要原因の一つであるが、これは
未 分 画 ヘ パ リ ン 、 低 分 子 量 ヘ パ リ ン 、 ア ス ピ リ ン お よ び ク マ ジ ン /ワ ル フ ァ リ ン と い っ た
抗血液凝固剤による予防療法を用いることによって回避し得る疾患である。したがって、
静脈血栓塞栓症の発症を回避するために、個体のリスクに合わせた予防のための層別化プ
ロトコールを開発する目的で個体の血栓症リスクを推測することは有益である。この層別
化のためには、血流遮断の単一または複合的な危険因子と関連性のある個体のリスクを推
測する。
【0008】
本発明者らは、個体が静脈血栓症を発症する遺伝的感受性を複数の人種集団において高
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い精度で予測することを可能にする、静脈血栓症関連分子における変異および多型の組み
合わせを同定した。一例として、静脈血栓症と統計学的関連性がある分子における頻発性
の変異および多型の組み合わせは、個体が静脈血栓症を発症する総合的な遺伝的感受性を
複数の人種集団において高い精度で予測することを可能にする。頻発性の変異および多型
と は 、 少 な く と も 2つ の 遺 伝 的 に 異 な る 家 系 と い っ た 複 数 の 家 系 に み ら れ る も の の こ と で
あ る 。 例 え ば 、 1つ の 家 系 の み で 観 察 さ れ る 変 異 ま た は 多 型 は 、 頻 発 性 の 変 異 ま た は 多 型
ではない。
【0009】
例 え ば 、 開 示 さ れ る 方 法 を 用 い た 、 静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 少 な く と も 10種 の 遺 伝 的
差異の同時検査に関する、開示される統計分析により、静脈血栓症の予測の精度が、白人
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集 団 で 少 な く と も 99% 、 ア ジ ア 人 集 団 で 少 な く と も 85% 、 ア フ リ カ 人 集 団 で 少 な く と も 88
% も の 高 さ で あ る こ と が 示 さ れ た 。 血 栓 形 成 傾 向 の 識 別 の た め に 開 発 さ れ た 方 法 ( MERT)
と本明細書中で呼ばれる、開示される方法は、静脈血栓症に対する感受性と統計学的に関
連 性 の あ る 分 子 、 例 え ば ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ
ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 ) 、 メ チ レ ン テ ト ラ ヒ ド ロ 葉 酸 レ ダ ク タ ー
ゼ ( MTHFR) 、 お よ び ア ン ジ オ テ ン シ ン I転 換 酵 素 ( ACE) に お け る 同 時 並 行 的 な 遺 伝 子 検
査を可能にする、迅速で費用効果の高いアッセイを提供する。
【0010】
1つ の 例 に お い て 、 本 方 法 は 、 対 象 が 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ
ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 MTHFR、 お よ び ACEか ら の 配 列 を 含 む 、 そ れ
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ら か ら 本 質 的 に な る 、 ま た は そ れ ら か ら な る 、 静 脈 血 栓 症 関 連 分 子 に お い て 、 1つ ま た は
複数の変異、多型またはその両方を有するか否かを決定する段階を含む。一例としては、
無症候性の個体を、彼らが、血栓症を誘発する高リスクの状況、例えば妊娠、産褥、経口
避妊薬またはホルモン補充療法の使用、血栓症の既往歴、持続性の不動化、骨髄増殖性疾
患、悪性疾患、外科手術、骨折、高齢、抗リン脂質抗体およびそれらの組み合わせなどに
曝露される前または曝露されている間にスクリーニングする。
【0011】
血 栓 形 成 傾 向 の 感 受 性 に 関 す る 最 大 6種 の 一 塩 基 多 型 を ス ク リ ー ニ ン グ す る た め の 検 査
は す で に い く つ か 存 在 す る が 、 そ れ ら の 能 力 は 限 ら れ て お り 、 最 大 適 中 率 ( maximum pred
ictive value) は 1.7% で あ る 。 こ の よ う な 検 査 の ス ク リ ー ニ ン グ 能 力 は 、 白 人 集 団 の み
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に 多 く 認 め ら れ る 一 塩 基 多 型 ( SNP) を 検 出 す る こ と の み が 可 能 で あ る ( Erali et al., C
lin. Chem. 49: 5, 2003; Evans et al., Clin. Chem 48: 1406-11, 2002) 。 こ れ に 対 し
て、本明細書で開示される方法およびアレイは、例えば、静脈血栓症と統計学的に関連性
の あ る 遺 伝 子 に お け る 変 異 お よ び 多 型 ( SNPに 関 し て の み な ら ず 、 挿 入 お よ び 欠 失 に 関 し
ても)をスクリーニングすることにより、静脈血栓症の遺伝的感受性に関して非常に正確
で総合的な予測を提供する初めてのものである。特定の例においては、静脈血栓症と統計
学的に関連性のある既知の頻発性の変異および多型のすべてをスクリーニングするか、ま
たはこのような既知の変異および多型のすべてのうちのサブセットをスクリーニングする
。 い く つ か の 例 に お い て 、 変 異 ま た は /お よ び 多 型 は 、 そ の p値 が 0.005未 満 で あ る 場 合 に
、静脈血栓症と統計学的に関連性がある。
20
【0012】
特定の例において、本方法は、対象の静脈血栓症に対する総合的な遺伝的感受性を検出
す る た め に ゲ ノ ム DNAマ イ ク ロ ア レ イ 技 術 を 用 い 、 そ の マ イ ク ロ ア レ イ デ ー タ を 、 多 様 な
人 種 集 団 に 対 し て 適 用 し 得 る 一 群 の VT関 連 感 受 性 遺 伝 子 に 関 す る 複 合 尤 度 比 と 直 接 結 び つ
ける。
【0013】
1つ の 特 定 の 例 に お い て 、 本 方 法 は 、 対 象 か ら 入 手 し た 核 酸 分 子 を 増 幅 し て 増 幅 産 物 を
入 手 す る 段 階 を 含 む 。 増 幅 産 物 は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、
フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 ) 、 メ チ レ ン テ ト ラ ヒ ド ロ 葉 酸
レ ダ ク タ ー ゼ ( MTHFR) 、 お よ び ア ン ジ オ テ ン シ ン I転 換 酵 素 ( ACE) の 遺 伝 子 か ら の 配 列
30
を含み得る、それらから本質的になり得る、またはそれらからなり得る。その結果得られ
た 増 幅 産 物 を 、 ア レ イ と 接 触 さ せ る か 、 ま た は ア レ イ に 対 し て 適 用 す る 。 ア レ イ は 、 1つ
も し く は 複 数 の 変 異 、 1つ も し く は 複 数 の 多 型 、 ま た は そ れ ら の 組 み 合 わ せ を 含 む ア ン チ
ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 MT
HFR、 お よ び ACEの 配 列 と ハ イ ブ リ ダ イ ズ し 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ を 含 む 。 具 体
的 な 変 異 お よ び 多 型 の 例 は 表 1に 提 示 さ れ て い る 。 い く つ か の 例 に お い て 、 ア レ イ は さ ら
に 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S、 野 生 型 フ ィ
ブ リ ノ ー ゲ ン 、 野 生 型 第 V因 子 、 野 生 型 第 II因 子 、 野 生 型 MTHFR、 お よ び 野 生 型 ACEと ハ イ
ブリダイズし得るオリゴヌクレオチドを含む。これらの増幅産物を、増幅産物とオリゴヌ
クレオチドプローブとの間のハイブリダイゼーションが行われるのに十分な時間にわたっ
40
て、アレイとともにインキュベートし、それによって増幅産物:オリゴヌクレオチドプロ
ー ブ 複 合 体 を 形 成 さ せ る 。 続 い て 、 増 幅 産 物 が ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ
テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 MTHFR、 ま た は ACE中 に 1つ ま た は 複 数
の変異、多型またはその両方を含むか否かを判定するために、増幅産物:オリゴヌクレオ
チ ド プ ロ ー ブ 複 合 体 を 分 析 す る 。 1つ も し く は 複 数 の 変 異 、 ま た は 1つ も し く は 複 数 の 多 型
の存在により、その対象が静脈血栓症に対する遺伝的素因を有することが示される。特定
の 例 に お い て は 、 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 の 存 在 に よ り 、 1つ し か 変 異 ま た は 多 型 を 有 し な
い対象よりも、その対象の静脈血栓症に対するリスクが大きいことが示される。
【0014】
開示される方法は、静脈血栓症の発症に関する総合的な遺伝的リスクを正確に評価し、
50
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それによって、例えば適切な予防療法を適切な状況で開始することにより、静脈血栓症を
回避することを導くことができる。本明細書に提示した結果は、静脈血栓症と関連性のあ
る 少 な く と も 8種 の 分 子 に 関 す る 一 群 の 遺 伝 子 検 査 の 同 時 使 用 は 、 静 脈 血 栓 症 ま た は そ れ
を 発 症 す る 素 因 を 検 出 す る た め に 用 い た 場 合 に は 、 陽 性 適 中 率 を 30倍 超 に 高 め る こ と を 示
している。したがって、静脈血栓症の処置法を選択する方法であって、本明細書に開示さ
れ る 方 法 を 用 い て 、 対 象 の 少 な く と も 1つ の VT関 連 分 子 に お け る 変 異 、 多 型 ま た は そ れ ら
の 組 み 合 わ せ ( 1つ ま た は 複 数 の 置 換 、 欠 失 ま た は 挿 入 な ど ) を 検 出 す る 段 階 、 お よ び 、
このような変異または多型が同定された場合に、静脈血栓症を回避するため、静脈血栓症
の発症を遅らせるため、またはその転帰を最小限に抑えるための処置を選択する段階を含
む方法が開示される。
10
【0015】
同じく、静脈血栓症に対する遺伝的感受性(総合的な静脈血栓症に対する遺伝的感受性
など)に関する迅速で費用効果の高い複数の遺伝子検査を可能とするアレイも開示される
。 こ の よ う な ア レ イ は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 第 V因 子 、 第
II因 子 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 MTHFR、 お よ び ACEの 野 生 型 も し く は 変 異 型 の 配 列 ま た は そ の
両方に対して相補的なオリゴヌクレオチドを含む。対象における静脈血栓症に対する遺伝
的素因を検出するための、このようなアレイを含むキットも開示される。
【0016】
本開示の上記およびその他の特徴および利点は、以下のいくつかの態様の詳細な説明か
らさらに明らかになると考えられる。
20
【0017】
配列表
添付の配列表に列記された核酸配列は、ヌクレオチド塩基に関する標準的な略号文字を
用いて示されている。それぞれの核酸配列の一方の鎖のみが示されているが、示された鎖
に対するいかなる言及によってもその相補鎖が含まれるものと解釈される。
【0018】
ATIII
SEQ ID NO: 1は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 2770で 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0019】
30
SEQ ID NO: 2は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 2770 insTを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
【0020】
SEQ ID NO: 3は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 5311-5320で 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0021】
SEQ ID NO: 4は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 5311-5320、 del6bpを 探 索 す る た め に 用
い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0022】
SEQ ID NO: 5は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 5356-5364で 探 索
40
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0023】
SEQ ID NO: 6は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 5356-5364、 delCTTを 探 索 す る た め に 用
い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0024】
SEQ ID NO: 7は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 5381 Cで 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0025】
SEQ ID NO: 8は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 5381 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
50
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【0026】
SEQ ID NO: 9は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 5390 Cで 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0027】
SEQ ID NO: 10は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 5390 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0028】
SEQ ID NO: 11は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 5493 Aで 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0029】
10
SEQ ID NO: 12は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 5493 A/G置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0030】
SEQ ID NO: 13は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 α ( 16) Arg: C
GT6490 Cで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0031】
SEQ ID NO: 14は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 6490 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0032】
SEQ ID NO: 15は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 α ( 16) Arg: C
20
GT9788 Gで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0033】
SEQ ID NO: 16は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 9788 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0034】
SEQ ID NO: 17は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 α ( 19) Arg: A
GG9819 Cで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0035】
SEQ ID NO: 18は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 9819 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
30
【0036】
SEQ ID NO: 19は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 13342で 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0037】
SEQ ID NO: 20は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13342 insAを 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0038】
SEQ ID NO: 21は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 13380 Tで 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0039】
40
SEQ ID NO: 22は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13380 T/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0040】
SEQ ID NO: 23は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 β ( 14) Arg、 C
GT6460 Aで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0041】
SEQ ID NO: 24は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 6460 A/G置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0042】
SEQ ID NO: 25は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 β ( 68) Ala、 G
50
(10)
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CT13262 Gで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0043】
SEQ ID NO: 26は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13262 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0044】
SEQ ID NO: 27は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 β ( 255) Arg、
CGT13268 Gで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0045】
SEQ ID NO: 28は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13268 G/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
10
【0046】
SEQ ID NO: 29は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 γ ( 275) Arg、
CGC13268 Gで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0047】
SEQ ID NO: 30は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13268 G/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0048】
SEQ ID NO: 31は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 γ ( 275) Arg、
CG13295 Cで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0049】
20
SEQ ID NO: 32は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13295 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0050】
SEQ ID NO: 33は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 γ ( 292) Gly、
GGC13296 Gで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0051】
SEQ ID NO: 34は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13296 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0052】
SEQ ID NO: 35は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 γ ( 308) Asn、
30
AAT13299 Cで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0053】
SEQ ID NO: 36は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13299 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0054】
SEQ ID NO: 37は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 γ ( 318) Asp、
GAC2484 Tで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0055】
SEQ ID NO: 38は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る γ ( 318) Asp/Gly: GAC/GGC2484 T/A
置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
40
【0056】
SEQ ID NO: 39は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 Thr312、 ACT258
6 Cで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0057】
SEQ ID NO: 40は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 2586 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0058】
SEQ ID NO: 41は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 2603 Cで 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0059】
50
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SEQ ID NO: 42は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 2603 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0060】
SEQ ID NO: 43は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 2604 Gで 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0061】
SEQ ID NO: 44は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 2604 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0062】
SEQ ID NO: 45は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 2759 Cで 探 索 す
10
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0063】
SEQ ID NO: 46は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 2759 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0064】
SEQ ID NO: 47は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 5382 Gで 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0065】
SEQ ID NO: 48は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 5382 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
20
【0066】
SEQ ID NO: 49は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 13324 Cで 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0067】
SEQ ID NO: 50は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13324 C/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0068】
SEQ ID NO: 51は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 13328 Gで 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0069】
30
SEQ ID NO: 52は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13328 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0070】
SEQ ID NO: 53は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 13333 Cで 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0071】
SEQ ID NO: 54は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13333 C/G置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0072】
SEQ ID NO: 55は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 13337 Cで 探 索
40
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0073】
SEQ ID NO: 56は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13337 C/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0074】
SEQ ID NO: 57は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 13338 Cで 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0075】
SEQ ID NO: 58は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13338 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
50
(12)
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【0076】
SEQ ID NO: 59は 、 野 生 型 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 13392 Gで 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0077】
SEQ ID NO: 60は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIに お け る 13392 G/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0078】
プロテインC
SEQ ID NO: 61は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を タ ン パ ク 質 の C41Gに お け る ヌ ク レ オ チ ド 位
置 3363/3364で 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
10
【0079】
SEQ ID NO: 62は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 41G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ
クレオチド配列である。
【0080】
SEQ ID NO: 63は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1357Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0081】
SEQ ID NO: 64は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 1357 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0082】
20
SEQ ID NO: 65は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1381Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0083】
SEQ ID NO: 66は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 1381 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0084】
SEQ ID NO: 67は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 3103Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0085】
SEQ ID NO: 68は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 3103 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
30
ヌクレオチド配列である。
【0086】
SEQ ID NO: 69は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 3169 Tで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0087】
SEQ ID NO: 70は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 3169 T/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0088】
SEQ ID NO: 71は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 3217 Gで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
40
【0089】
SEQ ID NO: 72は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 3217 G/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0090】
SEQ ID NO: 73は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 3222 Gで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0091】
SEQ ID NO: 74は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 3222 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0092】
50
(13)
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SEQ ID NO: 75は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 3222 Gで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0093】
SEQ ID NO: 76は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 3222 G/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0094】
SEQ ID NO: 77は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 3359Gで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0095】
SEQ ID NO: 78は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 3359 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
10
ヌクレオチド配列である。
【0096】
SEQ ID NO: 79は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 3360 Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0097】
SEQ ID NO: 80は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 3360 C/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0098】
SEQ ID NO: 81は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を プ ロ テ イ ン Cに お け る ヌ ク レ オ チ ド 位 置 336
3/3364で 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
20
【0099】
SEQ ID NO: 82は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 3363/4 insCを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0100】
SEQ ID NO: 83は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 3438 Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0101】
SEQ ID NO: 84は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 3438 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0102】
30
SEQ ID NO: 85は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 6128 Tで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0103】
SEQ ID NO: 86は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 6128 T/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0104】
SEQ ID NO: 87は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 6152 Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0105】
SEQ ID NO: 88は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 6152 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
40
ヌクレオチド配列である。
【0106】
SEQ ID NO: 89は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 6182 Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0107】
SEQ ID NO: 90は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 6182 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0108】
SEQ ID NO: 91は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 6216 Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
50
(14)
JP 2007-522804 A 2007.8.16
【0109】
SEQ ID NO: 92は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 6216 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0110】
SEQ ID NO: 93は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 6245 Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0111】
SEQ ID NO: 94は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 6245 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0112】
10
SEQ ID NO: 95は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 6246 Gで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0113】
SEQ ID NO: 96は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 6246 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0114】
SEQ ID NO: 97は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 6265 Gで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0115】
SEQ ID NO: 98は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 6265 G/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
20
ヌクレオチド配列である。
【0116】
SEQ ID NO: 99は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 6274 Cで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0117】
SEQ ID NO: 100は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 6274 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0118】
SEQ ID NO: 101は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 7176 Gで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
30
【0119】
SEQ ID NO: 102は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 7176 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0120】
SEQ ID NO: 103は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 7253 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0121】
SEQ ID NO: 104は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 7253 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0122】
40
SEQ ID NO: 105は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8403 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0123】
SEQ ID NO: 106は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8403 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0124】
SEQ ID NO: 107は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8481 Aで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0125】
SEQ ID NO: 108は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8481 A/G置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
50
(15)
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ゴヌクレオチド配列である。
【0126】
SEQ ID NO: 109は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8485∼ 7で 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0127】
SEQ ID NO: 110は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8485/6 delACま た は 8486/7 delCAを 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0128】
SEQ ID NO: 111は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8551 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
10
【0129】
SEQ ID NO: 112は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8551 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0130】
SEQ ID NO: 113は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8559 Gで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0131】
SEQ ID NO: 114は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8559 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0132】
20
SEQ ID NO: 115は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8571 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。。
【0133】
SEQ ID NO: 116は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8571 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0134】
SEQ ID NO: 117は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8572 Gで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0135】
SEQ ID NO: 118は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8572 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
30
ゴヌクレオチド配列である。
【0136】
SEQ ID NO: 119は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8589 Gで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0137】
SEQ ID NO: 120は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8589 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0138】
SEQ ID NO: 121は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8604 Gで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
40
【0139】
SEQ ID NO: 122は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8604 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0140】
SEQ ID NO: 123は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8608 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0141】
SEQ ID NO: 124は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8608 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0142】
50
(16)
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SEQ ID NO: 125は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8631 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0143】
SEQ ID NO: 126は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8631 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0144】
SEQ ID NO: 127は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8678∼ 80で 探 索 す る た
めに用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0145】
SEQ ID NO: 128は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8678-80 del3ntを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
10
リゴヌクレオチド配列である。
【0146】
SEQ ID NO: 129は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8689 Tで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0147】
SEQ ID NO: 130は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8689 T/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0148】
SEQ ID NO: 131は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8695 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
20
【0149】
SEQ ID NO: 132は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8695 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0150】
SEQ ID NO: 133は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 84708763 Gで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0151】
SEQ ID NO: 134は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8763 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0152】
30
SEQ ID NO: 135は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8857で 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0153】
SEQ ID NO: 136は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8857 delGを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ
クレオチド配列である。
【0154】
SEQ ID NO: 137は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8895 Aで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0155】
SEQ ID NO: 138は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8895 A/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
40
ゴヌクレオチド配列である。
【0156】
SEQ ID NO: 139は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8924 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0157】
SEQ ID NO: 140は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8924 C/G置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0158】
SEQ ID NO: 141は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1387 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
50
(17)
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【0159】
SEQ ID NO: 142は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 1387 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0160】
SEQ ID NO: 143は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1388 Gで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0161】
SEQ ID NO: 144は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 1388 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0162】
10
SEQ ID NO: 145は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1432 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0163】
SEQ ID NO: 146は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 1432 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0164】
SEQ ID NO: 147は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 -34 TG6218 Cで 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0165】
SEQ ID NO: 148は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る -34、 delG6218 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い
20
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0166】
SEQ ID NO: 149は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を -24 GTG( こ の 際 、 24は コ ド ン ヌ ク レ オ チ
ド 位 置 で あ る ) 6219 Gで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 で あ る 。
【0167】
SEQ ID NO: 150は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 6219 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0168】
SEQ ID NO: 151は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 7219 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
30
【0169】
SEQ ID NO: 152は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 7219 C/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0170】
SEQ ID NO: 153は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8470 Gで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0171】
SEQ ID NO: 154は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8470 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0172】
40
SEQ ID NO: 155は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 448744 Gで 探 索 す る た
めに用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0173】
SEQ ID NO: 156は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8744 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0174】
SEQ ID NO: 157は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8769 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0175】
SEQ ID NO: 158は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8769 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
50
(18)
JP 2007-522804 A 2007.8.16
ゴヌクレオチド配列である。
【0176】
SEQ ID NO: 159は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8790 Gで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0177】
SEQ ID NO: 160は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8790 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0178】
SEQ ID NO: 161は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 8886 Gで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
10
【0179】
SEQ ID NO: 162は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 8886 G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0180】
SEQ ID NO: 163は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 -1654 Cで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0181】
SEQ ID NO: 164は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る -1654 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0182】
20
SEQ ID NO: 165は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 -1641 Aで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0183】
SEQ ID NO: 166は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る -1641 A/G置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
ゴヌクレオチド配列である。
【0184】
SEQ ID NO: 167は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン C配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 -1476 Aで 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0185】
SEQ ID NO: 168は 、 プ ロ テ イ ン Cに お け る 1476 A/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ
30
ゴヌクレオチド配列である。
【0186】
プロテインS
SEQ ID NO: 169は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 -34、 TGCで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0187】
SEQ ID NO: 170は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る -34、 delGを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ
クレオチド配列である。
【0188】
SEQ ID NO: 171は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 -24、 GTGで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
40
オリゴヌクレオチド配列である。
【0189】
SEQ ID NO: 172は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る -24、 GTG/GAG置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0190】
SEQ ID NO: 173は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 19、 GAAで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
【0191】
SEQ ID NO: 174は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 19、 GAA/TAA置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
50
(19)
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【0192】
SEQ ID NO: 175は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 26、 GAAで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
【0193】
SEQ ID NO: 176は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 26、 GAA/GCA置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
【0194】
SEQ ID NO: 177は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 44で 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0195】
10
SEQ ID NO: 178は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 44、 delCTTAを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0196】
SEQ ID NO: 179は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 46、 GTTで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
【0197】
SEQ ID NO: 180は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 46、 GTT/CTT置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
【0198】
SEQ ID NO: 181は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を イ ン ト ロ ン d、 エ ク ソ ン 4、 +1の 位 置 で 探
20
索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0199】
SEQ ID NO: 182は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る イ ン ト ロ ン d、 G/A、 エ ク ソ ン 4、 +1置 換 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0200】
SEQ ID NO: 183は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 155、 AAGで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0201】
SEQ ID NO: 184は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 155、 AAG/GAG置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
30
【0202】
SEQ ID NO: 185は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 217、 AATで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0203】
SEQ ID NO: 186は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 217、 AAT/AGT置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0204】
SEQ ID NO: 187は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 238、 CAGで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0205】
40
SEQ ID NO: 188は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 238、 CAG/TAG置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0206】
SEQ ID NO: 189は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 265で 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0207】
SEQ ID NO: 190は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 265、 insTを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ
クレオチド配列である。
【0208】
SEQ ID NO: 191は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 293、 TCAで で 探 索 す る た め に 用 い 得
50
(20)
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るオリゴヌクレオチド配列である。
【0209】
SEQ ID NO: 192は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 293、 TCA/TGA置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0210】
SEQ ID NO: 193は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 295、 GGCで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0211】
SEQ ID NO: 194は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 295、 GGC/GTC置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
10
【0212】
SEQ ID NO: 195は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を イ ン ト ロ ン j、 エ ク ソ ン 10、 +5の 位 置 で 探
索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0213】
SEQ ID NO: 196は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る イ ン ト ロ ン j、 G/A、 エ ク ソ ン 10、 +5置 換 を 探
索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0214】
SEQ ID NO: 197は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 349、 GAAで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0215】
20
SEQ ID NO: 198は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 349、 GAA/AAA置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0216】
SEQ ID NO: 199は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 372で 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0217】
SEQ ID NO: 200は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 372、 delCTTTTT、 insAAを 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0218】
SEQ ID NO: 201は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を イ ン ト ロ ン k、 エ ク ソ ン 12、 -9の 位 置 で 探
30
索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0219】
SEQ ID NO: 202は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る イ ン ト ロ ン k、 A/G、 エ ク ソ ン 12、 -9置 換 を 探
索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0220】
SEQ ID NO: 203は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 -25405、 CTAで 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0221】
SEQ ID NO: 204は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 405、 CTA/CCA置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
40
【0222】
SEQ ID NO: 205は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 410、 CGAで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0223】
SEQ ID NO: 206は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 410、 CGA/TGA置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0224】
SEQ ID NO: 207は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 431で 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0225】
50
(21)
JP 2007-522804 A 2007.8.16
SEQ ID NO: 208は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 431、 insAを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ
クレオチド配列である。
【0226】
SEQ ID NO: 209は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 465、 TGGで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0227】
SEQ ID NO: 210は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 465、 TGG/TGA置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0228】
SEQ ID NO: 211は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 474、 CGTで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
10
オリゴヌクレオチド配列である。
【0229】
SEQ ID NO: 212は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 474、 CGT/TGT置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0230】
SEQ ID NO: 213は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を イ ン ト ロ ン b、 エ ク ソ ン 2 +5522、 CAGの 位
置で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0231】
SEQ ID NO: 214は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 522、 CAG/TAG置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
20
【0232】
SEQ ID NO: 215は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 534、 CTGで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0233】
SEQ ID NO: 216は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 534、 CTG/CGG置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0234】
SEQ ID NO: 217は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を イ ン ト ロ ン k、 エ ク ソ ン 11 +54625、 TGTの
位置で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0235】
30
SEQ ID NO: 218は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 625、 TGT/CGT置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0236】
SEQ ID NO: 219は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 -2、 CGTで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
【0237】
SEQ ID NO: 220は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る -2、 CGT/CTT置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
【0238】
SEQ ID NO: 221は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 9、 AAAで 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
40
リゴヌクレオチド配列である。
【0239】
SEQ ID NO: 222は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 9、 AAA/GAA置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
リゴヌクレオチド配列である。
【0240】
SEQ ID NO: 223は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を イ ン ト ロ ン e、 エ ク ソ ン 5、 +5の 位 置 で 探
索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0241】
SEQ ID NO: 224は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る イ ン ト ロ ン e、 G/A、 エ ク ソ ン 5、 +5置 換 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
50
(22)
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【0242】
SEQ ID NO: 225は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を エ ク ソ ン 15、 終 止 コ ド ン -25後 の 520ntで
探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0243】
SEQ ID NO: 226は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 25、 insTを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ
クレオチド配列である。
【0244】
SEQ ID NO: 227は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 467、 GTAで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0245】
10
SEQ ID NO: 228は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 467、 GTA/GGA置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0246】
SEQ ID NO: 229は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 633で 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0247】
SEQ ID NO: 230は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 633、 delAAを 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ
ヌクレオチド配列である。
【0248】
SEQ ID NO: 231は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 636、 TAAで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
20
オリゴヌクレオチド配列である。
【0249】
SEQ ID NO: 232は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 636、 TAA/TAT置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0250】
SEQ ID NO: 233は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を イ ン ト ロ ン k、 エ ク ソ ン 11 +54の 位 置 で 探
索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0251】
SEQ ID NO: 234は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る イ ン ト ロ ン k、 C/T、 エ ク ソ ン 11 +54置 換 を 探
索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
30
【0252】
SEQ ID NO: 235は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 460、 TCCで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0253】
SEQ ID NO: 236は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 460、 TCC/CCC置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0254】
SEQ ID NO: 237は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を 位 置 626、 CCAで 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0255】
40
SEQ ID NO: 238は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る 626、 CCA/CCG置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る
オリゴヌクレオチド配列である。
【0256】
SEQ ID NO: 239は 、 野 生 型 プ ロ テ イ ン S配 列 を エ ク ソ ン 15、 終 止 コ ド ン 後 の 520ntで 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0257】
SEQ ID NO: 240は 、 プ ロ テ イ ン Sに お け る エ ク ソ ン 15、 終 止 コ ド ン 置 換 後 の C/A 520ntを
探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0258】
フィブリノーゲン
50
(23)
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SEQ ID NO: 241は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 α ( 16) Arg、 CGTで 探 索 す る た
めに用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0259】
SEQ ID NO: 242は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る α ( 16) Arg/Cys: CGT/TGT置 換 を 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0260】
SEQ ID NO: 243は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 α ( 16) Arg、 CGTで 探 索 す る た
めに用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0261】
SEQ ID NO: 244は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る α ( 16) Arg/His: CGT/CAT置 換 を 探 索 す
10
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0262】
SEQ ID NO: 245は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 α ( 19) Arg、 AGGで 探 索 す る た
めに用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0263】
SEQ ID NO: 246は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る α ( l9) Arg/Gly: AGG/GGG置 換 を 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0264】
SEQ ID NO: 247は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 α ( 461) Lys、 AAAで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
20
【0265】
SEQ ID NO: 248は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る α ( 461) Lys/Stop: AAA/TAA置 換 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0266】
SEQ ID NO: 249は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 α ( 554) Arg、 CGTで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0267】
SEQ ID NO: 250は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る α ( 554) Arg/Cys: CGT/TGT置 換 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0268】
30
SEQ ID NO: 251は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 β ( 14) Arg、 CGTで 探 索 す る た
めに用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0269】
SEQ ID NO: 252は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る β ( 14) Arg/Cys: CGT/TGT置 換 を 探 索 す
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0270】
SEQ ID NO: 253は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 β ( 68) Ala、 GCTで 探 索 す る た
めに用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0271】
SEQ ID NO: 254は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る β ( 68) Ala/Thr: GCT/ACT置 換 を 探 索 す
40
るために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0272】
SEQ ID NO: 255は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 β ( 255) Arg、 CGTで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0273】
SEQ ID NO: 256は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る β ( 255) Arg/Cys: CGT/TGT置 換 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0274】
SEQ ID NO: 257は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 γ ( 275) Arg、 CGCで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
50
(24)
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【0275】
SEQ ID NO: 258は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る γ ( 275) Arg/Cys: CGC/TGC置 換 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0276】
SEQ ID NO: 259は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 γ ( 275) Arg、 CGCで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0277】
SEQ ID NO: 260は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る γ ( 275) Arg/His: CGC/CAC置 換 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0278】
10
SEQ ID NO: 261は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 γ ( 292) Gly、 GGCで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0279】
SEQ ID NO: 262は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る γ ( 292) Gly/Val: GGC/GTC置 換 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0280】
SEQ ID NO: 263は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 γ ( 308) Asn、 AATで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0281】
SEQ ID NO: 264は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る γ ( 308) Asn/Lys: AAT/AAG置 換 を 探 索
20
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0282】
SEQ ID NO: 265は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 γ ( 318) Asp、 GACで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0283】
SEQ ID NO: 266は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る γ ( 318) Asp/Gly: GAC/GGC置 換 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0284】
SEQ ID NO: 267は 、 野 生 型 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 配 列 を 位 置 Thr312、 ACTで 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
30
【0285】
SEQ ID NO: 268は 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン に お け る Thr3l2Ala: ACT/GCT置 換 を 探 索 す る た め
に用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0286】
第 V因 子
SEQ ID NO: 269は 、 野 生 型 第 V因 子 配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1691 Gで 探 索 す る た め に 用
い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0287】
SEQ ID NO: 270は 、 第 V因 子 に お け る 1691G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク
レオチド配列である。
40
【0288】
SEQ ID NO: 271は 、 野 生 型 第 V因 子 配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1628Gで 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0289】
SEQ ID NO: 272は 、 第 V因 子 に お け る 1628G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク
レオチド配列である。
【0290】
SEQ ID NO: 273は 、 野 生 型 第 V因 子 配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 4070Aで 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0291】
50
(25)
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SEQ ID NO: 274は 、 第 V因 子 に お け る 5382 G置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク
レオチド配列である。
【0292】
SEQ ID NO: 275は 、 野 生 型 第 V因 子 配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1090Aで 探 索 す る た め に 用 い
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0293】
SEQ ID NO: 276は 、 第 V因 子 に お け る 1090A/G置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク
レオチド配列である。
【0294】
SEQ ID NO: 277は 、 野 生 型 第 V因 子 配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1091Gで 探 索 す る た め に 用 い
10
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0295】
SEQ ID NO: 278は 、 第 V因 子 に お け る 1091G/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク
レオチド配列である。
【0296】
第 II因 子
SEQ ID NO: 279は 、 野 生 型 プ ロ ト ロ ン ビ ン 配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 20210 Gで 探 索 す る
ために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0297】
SEQ ID NO: 280は 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン に お け る 20210G/A置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ
20
リゴヌクレオチド配列である。
【0298】
MTHFR
SEQ ID NO: 281は 、 野 生 型 MTHFR配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 677 Cで 探 索 す る た め に 用 い 得
るオリゴヌクレオチド配列である。
【0299】
SEQ ID NO: 282は 、 MTHFRに お け る 677 C/T置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ
オチド配列である。
【0300】
SEQ ID NO: 283は 、 野 生 型 MTHFR配 列 を ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1298 Aで 探 索 す る た め に 用 い
30
得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0301】
SEQ ID NO: 284は 、 MTHFRに お け る 1298 A/C置 換 を 探 索 す る た め に 用 い 得 る オ リ ゴ ヌ ク
レオチド配列である。
【0302】
ACE
SEQ ID NO: 285は 、 イ ン ト ロ ン 16に 288bp挿 入 を 有 す る 野 生 型 ACE配 列 の 開 始 部 分 を 探 索
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0303】
SEQ ID NO: 286は 、 イ ン ト ロ ン 16に 288bp挿 入 を 有 す る 野 生 型 ACE配 列 の 中 央 部 分 を 探 索
40
するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0304】
SEQ ID NO: 287は 、 イ ン ト ロ ン 16に 288bp欠 失 を 有 す る 変 異 型 ACE配 列 を 探 索 す る た め に
用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
【0305】
いくつかの態様の詳細な説明
略号および用語
以下の用語および方法の説明は、本開示をさらに良く記述するため、および本開示の実
施 に お い て 当 業 者 を 手 引 き す る た め に 提 供 さ れ る 。 単 数 形 の 「 1つ の ( a) 、 ( an) 」 お よ
び 「 そ の 」 は 、 文 脈 で 明 ら か に 別 の 指 示 が な さ れ な い 限 り 、 1つ ま た は 複 数 を 指 す 。 例 え
50
(26)
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ば 、 「 1つ の 核 酸 ( a nucleic acid) を 含 む 」 と い う 用 語 は 、 単 一 ま た は 複 数 の 核 酸 を 含
ん で お り 、 こ れ は 「 少 な く と も 1つ の 核 酸 を 含 む 」 と い う 語 句 と 等 価 で あ る と み な さ れ る
。「または」という用語は、文脈で明らかに別の指示がなされない限り、記述された複数
の 択 一 的 な 要 素 ま た は 2つ も し く は そ れ 以 上 の 要 素 の 組 み 合 わ せ の う ち 、 単 一 の 要 素 を 指
す 。 本 明 細 書 で 用 い る 場 合 、 「 含 む ( comprise) 」 は 、 「 含 む ( include) 」 を 意 味 す る
。 し た が っ て 、 「 Aま た は Bを 含 む 」 と は 、 そ の ほ か の 要 素 を 除 外 す る こ と な し に 、 「 A、 B
、 ま た は Aお よ び Bを 含 む 」 を 意 味 す る 。 例 え ば 、 「 変 異 ま た は 多 型 」 ま た は 「 1つ ま た は
複 数 の 変 異 ま た は 多 型 」 と い う 語 句 は 、 1つ の 変 異 、 1つ の 多 型 ま た は そ れ ら の 組 み 合 わ せ
を 意 味 し 、 こ こ で の 「 1つ の 」 は 複 数 も 指 し 得 る 。
【0306】
10
別に説明する場合を除き、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本開
示が属する当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載した
ものと同様または同等な方法および材料を、本発明の実施または検査に用いることはでき
るが、適した方法および材料は以下に記載するものである。材料、方法および例は例示的
であるに過ぎず、限定を意図したものではない。
【0307】
アフリカ人:アフリカの黒色人種群のいずれかに起源がある人々を含む、ヒトの人種分
類。いくつかの例においては、アフリカの出身者または住民である肌の色の黒い人々のほ
か、アフリカの出身者または住民とかなり高い遺伝的類似性を保っている人々である、ア
フ リ カ 系 ア メ リ カ 人 な ど の ア フ リ カ 系 の 人 々 も 含 ま れ る 。 1つ の 特 定 の 例 に お い て 、 ア フ
20
リ カ 人 と は 少 な く と も 1/64血 統 の ア フ リ カ 人 で あ る 。
【0308】
核 酸 分 子 を 増 幅 す る こ と : 遺 伝 子 ま た は 遺 伝 子 の 断 片 、 例 え ば 静 脈 血 栓 症 ( VT) 関 連 遺
伝子の一領域といった核酸分子のコピー数を増加させること。その結果得られた増幅され
た産物は増幅産物と呼ばれる。
【0309】
イ ン ビ ト ロ 増 幅 の 一 例 は ポ リ メ ラ ー ゼ 連 鎖 反 応 ( PCR) で あ り 、 こ の 場 合 に は 、 対 象 か
ら得た生物試料を、一対のオリゴヌクレオチドプライマーと、プライマーと試料中の核酸
分子とのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で接触させる。これらのプライマー
を適した条件下で伸長させ、テンプレートから解離させた後に、再アニーリング、伸長お
30
よび解離を行って核酸分子のコピー数を増加させる。インビトロ増幅法のその他の例には
、 定 量 的 リ ア ル タ イ ム PCR、 鎖 置 換 増 幅 法 ( USPN 5,744,311号 を 参 照 ) ; 転 写 を 用 い な い
等 温 増 幅 法 ( USPN 6,033,881号 を 参 照 ) ; 反 復 的 連 鎖 反 応 増 幅 法 ( WO 90/01069号 を 参 照
) ; リ ガ ー ゼ 連 鎖 反 応 増 幅 法 ( EP-A-320 308号 を 参 照 ) ; ギ ャ ッ プ 充 填 リ ガ ー ゼ 連 鎖 反 応
増 幅 法 ( USPN 5,427,930号 を 参 照 ) ; リ ガ ー ゼ 検 出 と PCRと の 連 結 法 ( USPN 6,027,889号
) ; お よ び 転 写 を 用 い な い NASBA( 商 標 ) RNA増 幅 法 ( USPN 6,025,134号 を 参 照 ) が 含 ま れ
る。
【0310】
ア ン ジ オ テ ン シ ン I転 換 酵 素 ( ACE) : ア ン ジ オ テ ン シ ン Iを 血 管 収 縮 因 子 ア ン ジ オ テ ン
シ ン IIに 変 換 す る 酵 素 で あ り 、 ブ ラ ジ キ ニ ン の 分 解 に 関 与 す る 。 こ れ に は 、 ヒ ト な ど の 任
40
意 の 生 物 由 来 の あ ら ゆ る ACE遺 伝 子 、 cDNA、 RNAま た は タ ン パ ク 質 が 含 ま れ る 。 そ の 例 に は
、 GenBankア ク セ ッ シ ョ ン 番 号 BC048144に 開 示 さ れ た 配 列 ( な ら び に 対 応 す る ゲ ノ ム 配 列
およびタンパク質配列)が含まれる。
【0311】
ヒ ト ACEに お け る 少 な く と も 1つ の 変 異 が 、 静 脈 血 栓 症 と 関 連 づ け ら れ て い る : こ れ は イ
ン ト ロ ン 16に お け る 288bp断 片 の 挿 入 ( ins) ま た は 欠 失 ( del) か ら な る 多 型 で あ る 。
【0312】
抗血液凝固剤:異常な血液凝固を低下させる、または防止する薬剤。抗血液凝固剤は、
例えば、血液が凝固するために必要なタンパク質の産生を低下または停止させることによ
り、新たな血塊の形成を回避させ、既存の血塊が成長(拡大)するのを防止することがで
50
(27)
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きる。その例には、アスピリン、ヘパリンおよびワルファリンが非制限的に含まれる。
【0313】
ア ン チ ト ロ ン ビ ン III( AT III) : セ ル ピ ン ( セ リ ン プ ロ テ イ ナ ー ゼ 阻 害 因 子 ) ス ー パ
ー フ ァ ミ リ ー の タ ン パ ク 質 の メ ン バ ー 。 AT IIIは 主 要 な ト ロ ン ビ ン 因 子 で あ り 、 第 IXa因
子 、 第 Xa因 子 、 第 XIa因 子 お よ び 第 XIIa因 子 と い っ た 他 の 凝 固 因 子 に 対 す る 阻 害 作 用 を 有
す る 。 さ ら に 、 AT IIIは 第 VIIa因 子 -組 織 因 子 複 合 体 の 解 離 を 促 進 す る と と も に 、 そ の 再
結 合 を 防 止 す る 。 こ れ に は 、 ヒ ト な ど の 任 意 の 生 物 由 来 の あ ら ゆ る AT III遺 伝 子 、 cDNAも
し く は RNAの 産 物 、 ま た は AT IIIタ ン パ ク 質 が 含 ま れ る 。 そ の 例 に は 、 GenBankア ク セ ッ シ
ョ ン 番 号 NM_000488に 開 示 さ れ た mRNA配 列 ( な ら び に 対 応 す る ゲ ノ ム 配 列 お よ び タ ン パ ク
質 配 列 ) が 含 ま れ る 。 ヒ ト AT IIIを コ ー ド す る 遺 伝 子 は 、 染 色 体 1q23-25に 局 在 し 、 13.4k
10
bの DNAの 範 囲 に わ た り 、 7つ の エ ク ソ ン を 有 す る 。
【0314】
ヘ テ ロ 接 合 性 AT III欠 損 症 は 、 静 脈 血 栓 症 の リ ス ク 増 大 と 関 連 づ け ら れ て い る 。 AT III
欠 損 症 の 分 子 的 基 盤 は 非 常 に 異 種 混 交 的 で あ る 。 AT III欠 損 症 は I型 ( 機 能 的 AT IIIお よ
び 免 疫 学 的 AT IIIと も 血 漿 レ ベ ル が 低 い ) お よ び II型 ( 血 漿 中 に 変 異 型 AT IIIが 存 在 ) に
分 け ら れ る 。 II型 は さ ら に RS( 反 応 部 位 の 欠 陥 ) 、 HBS( ヘ パ リ ン 結 合 部 位 の 欠 陥 ) お よ
び PE( 多 面 的 、 す な わ ち 機 能 に 対 す る 複 数 の 影 響 ) に 細 分 さ れ る 。
【0315】
AT III欠 損 症 と 関 連 づ け ら れ て い る 欠 陥 に は 、 少 な く と も 127種 類 の 異 な る も の が あ る
: I型 AT III欠 損 症 に 関 し て は 92種 の 変 異 ( 40種 の 点 変 異 、 40種 の 小 規 模 な 挿 入 ま た は 欠
20
失 、 お よ び 12種 の 大 規 模 欠 失 ) 、 II型 AT III欠 損 症 に 関 し て は 35種 の 変 異 ( 12種 が RS、 12
種 が HBSで 11種 が PEの 変 異 、 す べ て 点 変 異 ) 。 I型 の 変 異 の う ち 、 少 な く と も 11種 類 の 変 異
( 7種 の 点 変 異 お よ び 4種 の 欠 失 ま た は 挿 入 ) は 血 縁 関 係 の な い 複 数 の 家 系 で 記 載 さ れ て お
り 、 残 り の 変 異 は 単 一 の 家 族 に 特 有 で あ り 、 こ の た め 個 別 的 な 変 異 と さ れ て い る 。 II型 に
お い て は 、 35種 の 変 異 の う ち 19種 ( 7種 が RS、 6種 が HBSで 6種 が PEの 変 異 ) が 血 縁 関 係 の な
い複数の家系で記載されており、残りのものは個別的な変異であることが報告されている
。
【0316】
静 脈 血 栓 症 と 関 連 す る 頻 発 性 AT III遺 伝 子 変 異 の 例 は 表 1に 示 さ れ て い る 。
【0317】
30
アレイ:基板の上または中のアドレス指定可能な位置にある、生体高分子(ポリペプチ
ドまたは核酸など)または生物試料(組織切片など)などの分子の配置物。「マイクロア
レイ」とは、評価または分析のために顕微鏡検査が必要となるように、またはそれによっ
て 支 援 さ れ る よ う に 小 型 化 さ れ た ア レ イ の こ と で あ る 。 ア レ イ は 時 に DNAチ ッ プ ま た は バ
イオチップと呼ばれる。
【0318】
分 子 ( 「 特 徴 」 ) の ア レ イ は 、 1つ の 試 料 に 対 し て 極 め て 多 数 の 分 析 を 同 時 に 行 う こ と
を可能にする。ある種の例示的なアレイにおいては、例えば、内部対照を用意するために
、 1つ ま た は 複 数 の 分 子 ( オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ な ど ) が 、 ア レ イ 上 に 複 数 回 ( 2回
など)存在すると考えられる。アレイ上のアドレス指定可能な位置の数はさまざまであっ
40
て よ く 、 例 え ば 、 数 個 ( 3個 な ど ) か ら 少 な く と も 50個 、 少 な く と も 100個 、 少 な く と も 20
0個 、 少 な く と も 250個 、 少 な く と も 300個 、 少 な く と も 500個 、 少 な く と も 600個 、 少 な く
と も 1000個 、 少 な く と も 10,000個 ま た は そ れ 以 上 で あ っ て よ い 。 特 定 の 例 に お い て 、 ア レ
イ は 、 少 な く と も 15ヌ ク レ オ チ ド 長 で あ る 、 例 え ば 、 少 な く と も 18ヌ ク レ オ チ ド 長 、 少 な
く と も 21ヌ ク レ オ チ ド 長 ま た は さ ら に は 少 な く と も 25ヌ ク レ オ チ ド 長 と い っ た 約 15∼ 40ヌ
ク レ オ チ ド 長 な ど で あ る 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 な ど の 核 酸 分 子 を 含 む 。 1つ の 例 に お
い て 、 分 子 は 、 そ の 5'末 端 ま た は 3'末 端 を 介 し て ア レ イ と 結 合 し た オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド を
含む。
【0319】
特 定 の 例 に お い て 、 ア レ イ は 、 SEQ ID NO: 1∼ 287、 ま た は 、 奇 数 番 号 の SEQ ID NO: 1
50
(28)
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∼ 285お よ び SEQ ID NO: 286( 野 生 型 VT関 連 配 列 を 検 出 す る た め ) も し く は 偶 数 番 号 の SEQ
ID NO: 2∼ 284お よ び SEQ ID NO: 287( 変 異 型 ま た は 多 型 性 の VT関 連 配 列 を 検 出 す る た め
) 、 さ ら に は SEQ ID NO: 1∼ 287に 示 さ れ た 配 列 の う ち 少 な く と も 20種 、 例 え ば SEQ ID NO
: 1∼ 287に 示 さ れ た 配 列 の う ち 少 な く と も 50種 、 少 な く と も 75種 、 少 な く と も 100種 、 少
な く と も 150種 、 少 な く と も 200種 、 少 な く と も 250種 も し く は 少 な く と も 260種 な ど と い っ
たそのサブセットを含む。
【0320】
アレイの内部にある、アレイ化されたそれぞれの試料は、アレイの少なくとも二次元の
内部で、その位置を確実にしかも一貫して決定し得るという点で、アドレス指定可能であ
る。アレイ上への特徴の適用位置に関しては、さまざまな形状を想定することができる。
10
例えば、アレイは規則的でもよく(均一な横列および縦列として配置されている、など)
または不規則的でもよい。このように、秩序立ったアレイにおいて、各試料の位置はそれ
がアレイに適用される時点で試料に対して割り当てられ、それぞれの位置を適切な標的ま
た は 特 徴 の 場 所 と 相 関 づ け る 目 的 で キ ー ( key) を 用 意 し て も よ い 。 し ば し ば 、 秩 序 立 っ
たアレイは対称性グリッドパターンとして配置されるが、試料を他のパターン(放射状に
分布する線、渦巻き状の線または秩序立ったクラスターなど)として配置することも可能
と考えられる。アドレス指定可能なアレイは通常、アレイ上の特定のアドレスをその位置
での試料に関する情報(ハイブリダイゼーションデータまたは結合データ、例えばシグナ
ル強度を含む)と相関づけるようにコンピュータをプログラムし得るという点で、コンピ
ュータ可読性である。コンピュータ可読形式のいくつかの例において、アレイ中の個々の
20
特徴は、規則的に、例えばコンピュータによってアドレス情報と相関づけることが可能な
直交グリッドパターンとして、配置される。
【0321】
また、プローブ分子がタンパク質であるかタンパク質を含む、または標的分子がタンパ
ク 質 で あ る か タ ン パ ク 質 を 含 ん で い て ア レ イ が タ ン パ ク 質 /ペ プ チ ド が 結 合 す る 核 酸 を 含
む、もしくはその反対であるような、タンパク質ベースのアレイも本明細書において想定
している。
【0322】
アジア人:極東、東南アジア、インド亜大陸または太平洋諸島の原住民のいずれかに起
源を有する人々を含む、ヒトの人種分類。この地域には、例えば、中国、インド、日本、
30
韓国、フィリピン諸島およびサモアが含まれる。特定の例において、アジア人には、アジ
アの出身者または住民とかなり高い遺伝的類似性を保っている人々である、アジア系アメ
リ カ 人 な ど の ア ジ ア 系 の 人 々 が 含 ま れ る 。 1つ の 特 定 の 例 に お い て 、 ア ジ ア 人 は 少 な く と
も 1/64血 統 の ア ジ ア 人 で あ る 。
【0323】
結 合 ま た は 安 定 的 な 結 合 : 1つ の 核 酸 分 子 と 別 の も の ( ま た は そ れ 自 体 ) と の ハ イ ブ リ
ダ イ ゼ ー シ ョ ン 、 お よ び 抗 体 と ペ プ チ ド と の 結 び つ き と い っ た 、 2つ の 物 質 ま た は 分 子 の
間の結びつき。オリゴヌクレオチド分子は、その結合の検出が可能となるのに十分な量の
オリゴヌクレオチド分子がその標的核酸分子と塩基対を形成するかハイブリダイズするな
らば、標的核酸分子と結合する、または安定的に結合する。結合は、標的:オリゴヌクレ
40
オチド複合体の物理的または機能的な特性などによる、当業者に公知の任意の手順によっ
て 検 出 す る こ と が で き る 。 例 え ば 、 結 合 が 、 遺 伝 子 の 発 現 、 DNA複 製 、 転 写 、 翻 訳 と い っ
た生合成過程に対して観測可能な影響を及ぼすか否かを明らかにすることにより、結合を
機能的に検出することができる。
【0324】
核 酸 分 子 の 相 補 鎖 の 結 合 を 検 出 す る 物 理 的 方 法 に は 、 DNア ー ゼ Iフ ッ ト プ リ ン ト 法 ま た
は化学的フットプリント法、ゲルシフトアッセイおよびアフィニティー切断アッセイ、ノ
ーザンブロット法、ドットブロット法ならびに吸光検出手順などの方法が非制限的に含ま
れ る 。 例 え ば 、 1つ の 方 法 は 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド ( ま た は 類 似 体 ) お よ び 標 的 核 酸 を 含
む 溶 液 の 220∼ 300nmで の 吸 光 度 の 変 化 を 、 温 度 を ゆ っ く り と 上 昇 さ せ な が ら 観 測 す る 段 階
50
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を含む。オリゴヌクレオチドまたは類似体がその標的と結合しているならば、オリゴヌク
レオチド(または類似体)および標的が互いに解離または融解する特徴的な温度で吸光度
の 急 激 な 上 昇 が み ら れ る 。 も う 1つ の 例 に お い て 、 本 方 法 は 、 一 方 ま た は 両 方 の 相 補 鎖 に
存在する、検出可能な標識などのシグナルを検出する段階を含む。
【0325】
オ リ ゴ マ ー と そ の 標 的 核 酸 と の 結 合 は 、 往 々 に し て 、 オ リ ゴ マ ー の 50% が そ の 標 的 か ら
融 解 す る 温 度 ( Tm ) に よ っ て 特 徴 づ け ら れ る 。 よ り 高 い ( Tm ) は 、 よ り 低 い ( Tm ) の
複合体よりも、複合体が強力である、または安定であることを意味する。
【0326】
白色人種:極めて薄い色ないし褐色の皮膚色素沈着、および直毛ないしウェーブ状また
10
は縮れ状の毛といった身体的特徴によって伝統的に識別されている、ヒトの人種分類であ
り、これには欧州、北米または中東の原住民のいずれかに起源を有する人々が含まれる。
一般的には、北米では「白人」という用語が「白色人種」と同義に用いられる。このよう
な人々は、欧州、北米または中東の出身者または住民とかなり高い遺伝的類似性を保って
も い る 。 1つ の 特 定 の 例 に お い て 、 白 色 人 種 は 少 な く と も 1/64血 統 の 白 色 人 種 で あ る 。
【0327】
cDNA( 相 補 的 DNA) : 内 部 の 非 コ ー ド 性 セ グ メ ン ト ( イ ン ト ロ ン ) お よ び 転 写 を 決 定 す
る 調 節 配 列 を 欠 い た DNAの 小 片 。 cDNAは 、 細 胞 か ら 抽 出 し た メ ッ セ ン ジ ャ ー RNAか ら の 逆 転
写によって合成することができる。
【0328】
20
相 補 性 お よ び 相 補 性 の パ ー セ ン テ ー ジ : 相 補 的 核 酸 を 有 す る 分 子 は 、 ワ ト ソ ン -ク リ ッ
ク型塩基対、フーグスティーン型塩基対または逆フーグスティーン型塩基対を形成するこ
とによって鎖が互いに結合(ハイブリダイズ)した際に、安定な二重鎖または三重鎖を形
成する。安定的な結合は、必要とされた条件下で、オリゴヌクレオチド分子が標的核酸配
列と検出可能なように結合を保っている場合に起こる。
【0329】
相 補 性 と は 、 1つ の 核 酸 鎖 に お け る 塩 基 が 第 2の 核 酸 鎖 に お け る 塩 基 と 塩 基 対 を 形 成 す る
程 度 の こ と で あ る 。 相 補 性 は 、 パ ー セ ン テ ー ジ に よ っ て 、 す な わ ち 、 2つ の 鎖 の 間 ま た は 2
つの鎖の特定の領域もしくはドメインの内部で塩基対を形成するヌクレオチドの割合によ
っ て 記 述 す る こ と が 好 都 合 で あ る 。 例 え ば 、 15ヌ ク レ オ チ ド の オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド の う ち
30
10ヌ ク レ オ チ ド が 、 DNA分 子 の 標 的 と し た 領 域 と 塩 基 対 を 形 成 す る な ら ば 、 そ の オ リ ゴ ヌ
ク レ オ チ ド は 標 的 と し た DNAの 領 域 に 対 し て 66.67% の 相 補 性 を 有 す る と 言 わ れ る 。
【0330】
本開示において、「十分な相補性」とは、オリゴヌクレオチド分子と標的核酸配列(ア
ン チ ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 第 II因 子
、 MTHFR、 お よ び ACEな ど ) と の 間 に 、 検 出 可 能 な 結 合 が 起 こ る の に 十 分 な 数 の 塩 基 対 が 存
在することを意味する。形成された塩基対のパーセンテージによって表現または測定する
場 合 、 こ の 目 標 を 満 た す 相 補 性 の パ ー セ ン テ ー ジ は 、 約 50% の 相 補 性 と い う 低 い 程 度 か ら
完 全 に ( 100% ) 相 補 的 で あ る ま で の 範 囲 に わ た り 得 る 。 一 般 に 、 十 分 な 相 補 性 と は 、 少
な く と も 約 50% 、 例 え ば 少 な く と も 約 75% の 相 補 性 、 少 な く と も 約 90% の 相 補 性 、 少 な く
40
と も 約 95% の 相 補 性 、 少 な く と も 約 98% の 相 補 性 ま た は さ ら に は 少 な く と も 約 100% の 相
補性である。
【0331】
当業者が所望の条件下で用いるための適切なオリゴヌクレオチドを設計することを可能
にする結合条件を確立することにかかわる質的および量的な検討事項の詳細な取り扱いに
つ い て は 、 Beltz et al. Methods Enzymol 100: 266-285, 1983お よ び Sambrook et al.(
ed.) ,「 Molecular Cloning: A Laboratory Manual」 , 2nd ed., vol. 1-3, Cold Spring
Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に よ っ て 提 示 さ れ て い る 。
【0332】
DNA( デ オ キ シ リ ボ 核 酸 ) : ほ と ん ど の 生 物 ( い く つ か の ウ イ ル ス は リ ボ 核 酸 、 RNAを 含
50
(30)
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む 遺 伝 子 を 有 す る ) の 遺 伝 物 質 を 含 む 長 鎖 重 合 体 。 DNA重 合 体 に お け る 反 復 単 位 は 4種 類 の
ヌクレオチドであり、そのそれぞれはアデニン、グアニン、シトシンおよびチミンという
4種 の 塩 基 の う ち 1つ が デ オ キ シ リ ボ ー ス 糖 と 結 合 し 、 そ れ に リ ン 酸 基 が 結 合 し た も の を 含
む 。 DNA分 子 に お け る コ ド ン と 呼 ば れ る ヌ ク レ オ チ ド の ト リ プ レ ッ ト は 、 ポ リ ペ プ チ ド 中
の ア ミ ノ 酸 を コ ー ド す る 。 コ ド ン と い う 用 語 は 、 DNA配 列 が 転 写 さ れ た mRNAに お け る 、 対
応 す る ( お よ び 相 補 的 な ) 3つ の ヌ ク レ オ チ ド の 配 列 に 対 し て も 用 い ら れ る 。
【0333】
欠 失 : 核 酸 配 列 か ら の 1つ ま た は 複 数 の ヌ ク レ オ チ ド ( ま た は タ ン パ ク 質 配 列 か ら の 1つ
もしくは複数のアミノ酸)が除去されて、除去された配列の両側の領域が互いに連結され
ること。
10
【0334】
第 V因 子 ( FV) : 第 Xa因 子 お よ び α -ト ロ ン ビ ン に よ る プ ロ ト ロ ン ビ ン の ト ロ ン ビ ン へ の
変換において補助因子として作用するタンパク質。これには、ヒトなどの任意の生物由来
の あ ら ゆ る FV遺 伝 子 、 cDNAも し く は RNAの 産 物 、 ま た は FVタ ン パ ク 質 が 含 ま れ る 。 FV核 酸
配 列 の 例 に は 、 GenBankア ク セ ッ シ ョ ン 番 号 NM_000130に 開 示 さ れ た mRNA配 列 ( な ら び に 対
応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。
【0335】
FVは 血 漿 中 を 330kDaの 一 本 鎖 糖 タ ン パ ク 質 と し て 循 環 す る 。 活 性 化 FV( FVa) の 凝 固 促
進 活 性 の ダ ウ ン レ ギ ュ レ ー シ ョ ン は 、 活 性 化 プ ロ テ イ ン C( APC) に よ り 媒 介 さ れ る 、 3つ
の 異 な る 逐 次 的 な 切 断 部 位 で の FVaの タ ン パ ク 質 分 解 に よ っ て 行 わ れ る 。 第 V因 子 は ま ず Ar
20
g 506で 切 断 さ れ 、 続 い て Arg 306で 、 最 後 に Arg 679で 切 断 さ れ る 。 Arg 506で の ペ プ チ ド
結 合 の 切 断 は 、 そ の 後 に Arg 306お よ び Arg 679で の 切 断 部 位 が 最 適 に 露 出 す る た め に 必 要
で あ る 。 Arg 306で の ペ プ チ ド 結 合 切 断 は ま ず 活 性 の 70% 消 失 の 原 因 と な り 、 そ の 後 の Arg
679で の 切 断 は 残 存 活 性 の 消 失 を も た ら す 。
【0336】
ヒ ト FV遺 伝 子 に お け る 少 な く と も 5種 類 の 単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置 換 が 、 血 栓 症 の リ ス ク の
増 大 と 関 連 づ け ら れ て い る : Arg506Gln多 型 を 招 く 1691G→ A転 位 ; R485K多 型 を 招 く 1628G
→ A転 位 ; Arg306Thr変 異 を 招 く 1091G→ C転 位 ; Arg306Gly変 異 を 招 く 1090A→ G転 位 ; お よ
び His1299Arg多 型 を 招 く 4070A→ G転 位 。
【0337】
30
フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン : 血 液 凝 固 に お い て 、 フ ィ ブ リ ン 凝 塊 の 形 成 、 第 XIII因 子 を 介 し た フ
ィブリン架橋、非基質性トロンビン結合、血小板凝集およびフィブリン溶解といった複数
の機能を有する血漿タンパク質。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆるフィブ
リ ノ ー ゲ ン 遺 伝 子 、 cDNA、 RNAの 産 物 、 ま た は フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン タ ン パ ク 質 が 含 ま れ る 。
フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 核 酸 配 列 の 例 に は 、 GenBankア ク セ ッ シ ョ ン 番 号 NM_021871.1、 BC007030
お よ び NM_021870に 開 示 さ れ た mRNA配 列 ( そ れ ぞ れ α 、 β お よ び γ サ ブ ユ ニ ッ ト に 関 す る
、ならびに対応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。
【0338】
ヒ ト フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン は 340kDaの 糖 タ ン パ ク 質 で あ り 、 ジ ス ル フ ィ ド 結 合 に よ っ て 連 結
し た 2つ の 同 一 な サ ブ ユ ニ ッ ト か ら 構 成 さ れ る 。 各 サ ブ ユ ニ ッ ト は 3つ の ポ リ ペ プ チ ド 鎖 (
40
α 、 β お よ び γ ) を 含 み 、 そ れ ら は ヒ ト 染 色 体 4の 長 腕 上 に あ る 3つ の 別 々 の 遺 伝 子 に よ っ
てコードされる。異常フィブリノーゲン血症は、異常なフィブリノーゲン機能をもたらす
フィブリノーゲン分子における種々の構造異常によって引き起こされる。
【0339】
少 な く と も 25種 類 の 単 独 の フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 変 異 ( 22種 類 の 単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置 換 、 1
種 類 の 挿 入 お よ び 2種 類 の 欠 失 ) が 、 血 栓 症 の リ ス ク の 増 大 と 関 連 づ け ら れ て お り 、 こ れ
に は Thr312Ala多 型 が 含 ま れ る 。 少 な く と も 13種 の 変 異 が 、 血 縁 関 係 の な い 異 な る 家 系 か
らの複数の報告において記載されており、残りの変異は単一の家族に特有であることから
個別的な変異とされている。
【0340】
50
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静脈血栓症と関連性のある、頻発性の血栓形成傾向性フィブリノーゲン遺伝子変異の例
お よ び 1つ の 一 般 的 な 多 型 が 表 1に 示 さ れ て い る 。
【0341】
遺伝的素因:静脈血栓症などの遺伝病に対する対象の感受性。しかし、このような感受
性は、疾患の実際の発症をもたらすこともあれば、もたらさないこともある。
【0342】
ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン : DNA、 RNAの 2つ の 鎖 の 相 補 的 領 域 の 間 、 ま た は DNAと RNAと の
間で塩基対を形成させ、それによって二重鎖分子を形成させること。特定の程度のストリ
ンジェンシーをもたらすハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーションの方法
ならびにハイブリダイズさせる核酸配列の組成および長さに応じて異なると考えられる。
10
一般的には、ハイブリダイゼーションの温度およびハイブリダイゼーション緩衝液のイオ
ン 強 度 ( Na+濃 度 な ど ) が ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン の ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー を 決 定 す る と 考
えられる。特定の程度のストリンジェンシーを得るためのハイブリダイゼーション条件に
関 す る 計 算 は 、 Sambrook et al.,( 1989) 「 Molecular Cloning」 second edition, Cold
Spring Harbor Laboratory, Plainview, NY( 第 9章 お よ び 11章 ) で 考 察 さ れ て い る 。 以 下
は、ハイブリダイゼーション条件の例示的な一組であり、限定的なものではない:
極 め て 高 い ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー ( 少 な く と も 90% の 同 一 性 を 有 す る 配 列 を 検 出 す る )
ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン : 5× SSC、 65℃ で 16時 間
洗 浄 を 2回 : 2× SSC、 室 温 ( RT) で 各 15分 間
洗 浄 を 2回 : 0.5× SSC、 65℃ で 各 20分 間
20
高 ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー ( 少 な く と も 80% の 同 一 性 を 有 す る 配 列 を 検 出 す る )
ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン : 5× ∼ 6× SSC、 65℃ ∼ 70℃ で 16-20時 間
洗 浄 を 2回 : 2× SSC、 RTで 各 5∼ 20分 間
洗 浄 を 2回 : 1× SSC、 55℃ ∼ 70℃ で 、 各 30分 間
低 ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー ( 少 な く と も 50% の 同 一 性 を 有 す る 配 列 を 検 出 す る )
ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン : 6× SSC、 RT∼ 55℃ で 16∼ 20時 間
洗 浄 を 少 な く と も 2回 : 2× ∼ 3× SSC、 RT∼ 55℃ で 各 20∼ 30分 間
【0343】
挿 入 : 1つ も し く は 複 数 の ヌ ク レ オ チ ド を 核 酸 配 列 に 追 加 す る こ と 、 ま た は 1つ も し く は
複数のアミノ酸をタンパク質配列に追加すること。
30
【0344】
単離された:「単離された」生体成分(核酸分子、タンパク質またはオルガネラ)は、
その成分が自然下で存在する生物体の細胞内の他の生体成分から、例えば他の染色体性お
よ び 染 色 体 外 性 の DNAお よ び RNA、 タ ン パ ク 質 な ら び に オ ル ガ ネ ラ な ど か ら 、 実 質 的 に 分 離
または精製されている。「単離された」核酸分子およびタンパク質には、標準的な精製方
法によって精製された核酸分子およびタンパク質が含まれる。この用語はまた、宿主細胞
における組換え発現によって調製された核酸分子およびタンパク質、ならびに化学合成さ
れた核酸分子およびタンパク質も含む。
【0345】
標 識 : 例 え ば ELISA、 分 光 法 、 フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー ま た は 顕 微 鏡 法 に よ り 、 検 出 が 可
40
能な因子。例えば、標識を核酸分子に結合させ、それによって核酸分子の検出を可能にす
ることができる。標識の例には、放射性同位体、酵素基質、補助因子、リガンド、化学発
光物質、蛍光団、ハプテン、酵素およびそれらの組み合わせが非制限的に含まれる。標識
の方法、およびさまざまな目的にとって適切な標識の選択についての手引きは、例えば、
Sambrook et al.( 「 Molecular Cloning: A Laboratory Manual」 , Cold Spring Harbor,
New York, 1989) お よ び Ausubel et al.( 「 Current Protocols in Molecular Biology
」 , John Wiley & Sons, New York, 1998) に 考 察 さ れ て い る 。
【0346】
メ チ レ ン テ ト ラ ヒ ド ロ 葉 酸 レ ダ ク タ ー ゼ ( MTHFR) : 細 胞 内 ホ モ シ ス テ イ ン 代 謝 の 再 メ
チル化経路に関与するタンパク質。メチオニンシンターゼによって触媒されるこの再メチ
50
(32)
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ル 化 経 路 で は 、 コ バ ラ ミ ン が 補 助 因 子 と し て 作 用 し 、 MTHFRに よ る 5,10-メ チ レ ン テ ト ラ ヒ
ド ロ 葉 酸 の 還 元 に よ っ て 生 じ る 5-メ チ ル -テ ト ラ ヒ ド ロ 葉 酸 に よ っ て メ チ ル 基 が 供 与 さ れ
る 。 こ れ に は 、 ヒ ト な ど の 任 意 の 生 物 由 来 の あ ら ゆ る MTHFR遺 伝 子 、 cDNAも し く は RNAの 産
物 、 ま た は MTHFRタ ン パ ク 質 が 含 ま れ る 。 そ の 例 に は 、 GenBankア ク セ ッ シ ョ ン 番 号 NM_005
957に 開 示 さ れ た mRNA配 列 ( な ら び に 対 応 す る ゲ ノ ム 配 列 お よ び タ ン パ ク 質 配 列 ) が 含 ま
れる。
【0347】
ヒ ト MTHFR遺 伝 子 は 染 色 体 1p36.3に 位 置 し 、 ほ ぼ 17kbの DNAを 含 み 、 11個 の エ ク ソ ン を 有
す る 。 ヒ ト MTHRFに お け る 少 な く と も 2つ の 多 型 : 677C→ T多 型 お よ び 1298A→ C多 型 が 、 静
脈血栓症と関連づけられている。
10
【0348】
変異:遺伝的差異の源としての、核酸配列のあらゆる変化。例えば、変異は遺伝子また
は染色体の内部に起こってもよく、これには染色体の非コード領域における特定の変化、
例えば、遺伝子の調節領域の内部または近傍における変化が含まれる。変異の種類には、
塩基置換性点変異(転位または転換)、欠失および挿入が非制限的に含まれる。ミスセン
ス変異とは、コードされるタンパク質の配列に異なるアミノ酸を導入するものである;ナ
ンセンス変異とは、新たな終止コドンを導入するものである;サイレント変異とは、同じ
ア ミ ノ 酸 を 導 入 す る も の で あ り 、 こ れ は し ば し ば コ ド ン の 3番 目 の 位 置 に お け る 塩 基 変 化
を伴う。挿入または欠失の場合、変異はインフレーム(全体的な配列のフレームを変化さ
せない)でもよく、または、多数のコドンの誤読(およびしばしば、代替的フレームにお
20
ける終止コドンの存在のためにコード産物の異常な終結を招く)をもたらす可能性のある
フレームシフト変異でもよい。
【0349】
核 酸 ア レ イ : cDNAア レ イ ま た は オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド ア レ イ に 見 ら れ る よ う な 、 マ ト リ ッ
ク ス 上 の 割 り 当 て ら れ た 位 置 に あ る 核 酸 分 子 ( DNAま た は RNAな ど ) の 配 置 物 。
【0350】
遺伝子を代表する核酸分子:プローブまたは他の指標分子として用いるのに適した長さ
で あ っ て 、 対 応 す る 遺 伝 子 に 関 す る 情 報 を 与 え る 、 あ ら ゆ る 核 酸 分 子 、 例 え ば DNA( イ ン
ト ロ ン ま た は エ ク ソ ン ま た は そ の 両 方 ) 、 cDNAま た は RNA。
【0351】
30
核 酸 分 子 : cDNA、 mRNA、 ゲ ノ ム DNAお よ び 合 成 ( 化 学 合 成 な ど ) DNAを 非 制 限 的 に 含 む 、
デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドの重合体。核酸分子は二本鎖でも一本
鎖でもよい。一本鎖の場合、核酸分子はセンス鎖でもアンチセンス鎖でもよい。さらに、
核酸分子は環状でも線状でもよい。
【0352】
本 開 示 は 、 特 定 の 長 さ の VT関 連 ヌ ク レ オ チ ド 配 列 を 含 む 、 単 離 さ れ た 核 酸 分 子 を 含 む 。
こ の よ う な 分 子 は 、 こ れ ら の 配 列 の 少 な く と も 10個 、 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 20個 、
少 な く と も 21個 、 少 な く と も 25個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 35個 、 少 な く と も 40個 、
少 な く と も 45個 ま た は 少 な く と も 50個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド 、 ま た は そ れ 以 上 を 含 み 得
る。
40
【0353】
ヌクレオチド:これには、糖と結合したピリミジン、プリンなどの塩基、またはその合
成 類 似 体 、 ま た は ペ プ チ ド 核 酸 ( PNA) に お け る よ う に ア ミ ノ 酸 と 結 合 し た 塩 基 、 を 含 む
単 量 体 が 非 制 限 的 に 含 ま れ る 。 ヌ ク レ オ チ ド と は 、 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 中 の 1つ の 単 量 体 で
ある。ヌクレオチド配列とは、ポリヌクレオチドにおける塩基の配列のことを指す。
【0354】
オリゴヌクレオチド:オリゴヌクレオチドとは、天然のホスホジエステル結合によって
連 結 さ れ た 、 約 6∼ 約 300ヌ ク レ オ チ ド 長 で あ る 複 数 の 連 結 ヌ ク レ オ チ ド の こ と で あ る 。 オ
リゴヌクレオチド類似体とは、オリゴヌクレオチドと同様に機能するが、天然には存在し
ない部分を含む成分のことを指す。例えば、オリゴヌクレオチド類似体は、ホスホロチオ
50
(33)
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エートオリゴデオキシヌクレオチドのように、改変された糖部分または糖間結合などの天
然には存在しない部分を含み得る。
【0355】
個 々 の オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド お よ び オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 類 似 体 は 、 最 大 で 約 200ヌ ク レ オ
チ ド 長 の 線 状 配 列 、 例 え ば 、 少 な く と も 6塩 基 、 例 え ば 少 な く と も 8塩 基 、 少 な く と も 10塩
基 、 少 な く と も 15塩 基 、 少 な く と も 20塩 基 、 少 な く と も 21塩 基 、 少 な く と も 25塩 基 、 少 な
く と も 30塩 基 、 少 な く と も 35塩 基 、 少 な く と も 40塩 基 、 少 な く と も 45塩 基 、 少 な く と も 50
塩 基 、 少 な く と も 100塩 基 、 も し く は さ ら に は 少 な く と も 200塩 基 長 の 、 ま た は 約 6∼ 約 50
塩 基 、 例 え ば 、 12塩 基 、 15塩 基 、 20塩 基 、 21塩 基 も し く は 25塩 基 の よ う な 約 10∼ 25塩 基 の
( DNAま た は RNAの よ う な ) 配 列 を 含 み 得 る 。
10
【0356】
オリゴヌクレオチドプローブ:分子ハイブリダイゼーションによって相補的配列の存在
を 検 出 す る た め に 用 い ら れ る 、 少 な く と も 8ヌ ク レ オ チ ド 長 、 少 な く と も 10ヌ ク レ オ チ ド
長 、 少 な く と も 15ヌ ク レ オ チ ド 長 、 少 な く と も 20ヌ ク レ オ チ ド 長 、 少 な く と も 21ヌ ク レ オ
チ ド 長 、 少 な く と も 25ヌ ク レ オ チ ド 長 ま た は 少 な く と も 30ヌ ク レ オ チ ド 長 と い っ た ヌ ク レ
オチドの短い配列。特定の例において、オリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオ
チドプローブ:標的配列ハイブリダイゼーション複合体の検出を可能にする標識を含む。
【0357】
機 能 的 に 結 合 し た : 第 1の 核 酸 配 列 が 第 2の 核 酸 配 列 と 機 能 的 な 関 連 の 下 で 配 置 さ れ て い
る 場 合 、 第 1の 核 酸 配 列 は 第 2の 核 酸 配 列 と 機 能 的 に 結 合 し て い る 。 例 え ば 、 プ ロ モ ー タ ー
20
がコード配列の転写または発現に影響を及ぼすならば、プロモーターはコード配列と機能
的 に 結 合 し て い る 。 一 般 に 、 機 能 的 に 結 合 し た DNA配 列 は 連 続 し て お り 、 2つ の タ ン パ ク 質
コード領域を連結することが必要な場合には同一のリーディングフレーム中にある。
【0358】
オ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム ( ORF) : 内 部 に 終 止 コ ド ン を 伴 わ な い 、 ア ミ ノ 酸 を コ
ードする一連のヌクレオチドトリプレット(コドン)これらの配列は通常、ペプチドへと
翻訳され得る。
【0359】
多型:変異の結果として、遺伝子配列は個体間で異なることがある。このような異なる
配列は対立遺伝子と呼ばれる。所定の座位(染色体上の遺伝子の「位置」は座位と呼ばれ
30
る)に存在する対立遺伝子は、個体の遺伝子型と呼ばれる。座位の中には、個体間で大き
く 異 な る も の が あ る 。 集 団 に お け る 頻 度 が そ れ ぞ れ 1% を 上 回 る 2つ ま た は そ れ 以 上 の 対 立
遺伝子を座位が有するならば、その座位は多型性であると呼ばれる。多型性の部位は多型
と呼ばれる。多型という用語はまた、機能の変化した遺伝子産物を生じさせる差異、すな
わち、機能的に等価でない遺伝子産物をもたらす遺伝子配列における変異も含む。この用
語はまた、遺伝子産物を生じさせない、または活性のない遺伝子産物、活性の上昇もしく
は低下した遺伝子産物を生じさせる、またはさらには生物学的な影響のない、差異も含ま
れる。
【0360】
多型は、例えば、差異が存在するヌクレオチド位置により、ヌクレオチドの差異によっ
40
て起こるアミノ酸配列の変化により、またはその差異と関連性のある核酸分子もしくはタ
ンパク質の何らかの他の特徴の変化により、言及することができる。
【0361】
プ ラ イ マ ー : 10∼ 100ヌ ク レ オ チ ド 長 、 例 え ば 約 15、 20、 21、 25、 30ま た は 50ヌ ク レ オ
チ ド 長 ま た は そ れ 以 上 と い っ た 短 い 核 酸 分 子 、 例 え ば DNAオ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 。 プ ラ イ マ
ー は 、 核 酸 ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン に よ っ て 相 補 的 な 標 的 DNA鎖 と ア ニ ー リ ン グ し て 、 プ
ラ イ マ ー と 標 的 DNA鎖 と の ハ イ ブ リ ッ ド を 形 成 す る こ と が で き る 。 プ ラ イ マ ー 対 は 、 PCRま
たは当技術分野で公知のその他の核酸増幅方法などによる、核酸配列の増幅のために用い
ることができる。
【0362】
50
(34)
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核 酸 プ ラ イ マ ー の 調 製 お よ び 使 用 の た め の 方 法 は 、 例 え ば 、 Sambrook et al.( 「 Molec
ular Cloning: A Laboratory Manual」 , CSHL, New York, 1989) 、 Ausubel et al.( ed.
) ( 「 Current Protocols in Molecular Biology」 , John Wiley & Sons, New York, 199
8) お よ び Innis et al.( 「 PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications」 , A
cademic Press, Inc., San Diego, CA, 1990) に 記 載 さ れ て い る 。 PCR用 プ ラ イ マ ー 対 は
、 既 知 の 配 列 か ら 得 る こ と が で き 、 こ れ は 例 え ば 、 Primer( バ ー ジ ョ ン 0.5、 ( 著 作 権 ) 1
991, Whitehead Institute for Biomedical Research, Cambridge, MA) な ど の 、 そ れ を
目的とするコンピュータプログラムを用いることによって行える。当業者は、特定のプロ
ーブまたはプライマーの特異性がその長さに伴って高くなることを理解しているであろう
。 し た が っ て 、 例 え ば 、 VT関 連 タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る ヌ ク レ オ チ ド の う ち 30個 の 連 続 し
10
た ヌ ク レ オ チ ド を 含 む プ ラ イ マ ー は 、 15ヌ ク レ オ チ ド に 過 ぎ な い 対 応 す る プ ラ イ マ ー よ り
も 、 指 定 さ れ た VT関 連 タ ン パ ク 質 の 別 の ホ モ ロ グ の よ う な 標 的 配 列 に 対 し て よ り 高 い 特 異
性 で ア ニ ー リ ン グ す る と 考 え ら れ る 。 こ の た め 、 よ り 高 い 特 異 性 を 得 る 目 的 で 、 VT関 連 タ
ン パ ク 質 を コ ー ド す る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 の う ち 少 な く と も 20個 、 少 な く と も 21個 、 少 な く
と も 25個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 35個 、 少 な く と も 40個 、 少 な く と も 45個 、 少 な く
と も 50個 ま た は そ れ 以 上 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド を 含 む よ う に プ ロ ー ブ お よ び プ ラ イ マ ー
を選択することができる。
【0363】
プ ロ テ イ ン C( PC) : PCは 、 ト ロ ン ビ ン と そ の 内 皮 受 容 体 で あ る ト ロ ン ボ モ ジ ュ リ ン と
の 結 合 の 後 に 活 性 化 さ れ る 。 活 性 化 PCは 第 Va因 子 お よ び 第 VIIIa因 子 を 切 断 お よ び 不 活 性
20
化することによって血塊形成を阻害する。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆ
る PC遺 伝 子 、 cDNAも し く は RNAの 産 物 、 ま た は PCタ ン パ ク 質 が 含 ま れ る 。 そ の 例 に は 、 Gen
Bankア ク セ ッ シ ョ ン 番 号 BC034377.1に 開 示 さ れ た mRNA配 列 ( な ら び に 対 応 す る ゲ ノ ム 配 列
およびタンパク質配列)が含まれる。
【0364】
ヒ ト PC遺 伝 子 は ヒ ト 染 色 体 2q13-14に 位 置 す る ; こ れ は 約 10kbの 範 囲 に わ た り 、 9つ の エ
ク ソ ン を 含 む 。 PC遺 伝 子 に お け る 機 能 喪 失 型 変 異 は PCの 欠 損 症 を も た ら す が 、 こ れ は VTの
十 分 に 確 立 さ れ た 原 因 で あ る 。 PC欠 損 症 は I型 ( 機 能 的 PCお よ び 免 疫 学 的 PCと も に 血 漿 中
濃 度 が 低 い ) お よ び II型 ( 機 能 的 タ ン パ ク 質 の 血 漿 レ ベ ル が 低 く 、 抗 原 レ ベ ル は 正 常 ) に
分類される。
30
【0365】
ヒ ト に お け る 静 脈 血 栓 症 と 関 連 づ け ら れ て い る 少 な く と も 161種 類 の PC遺 伝 子 変 異 の う
ち 、 少 な く と も 51種 類 の 変 異 ( 48種 の 点 変 異 、 2種 の 欠 失 お よ び 1種 の 挿 入 ) は 、 血 縁 関 係
のない複数の家系で記載されており、残りの変異は単一の家族に特有であり、このため個
別 的 な 変 異 と さ れ て い る 。 少 な く と も 40種 の 頻 発 性 の 変 異 が I型 PC欠 損 症 と 関 連 づ け ら れ
て お り 、 11種 の 変 異 が II型 PC欠 損 症 の 患 者 で 見 い だ さ れ て い る 。
【0366】
PC遺 伝 子 の 5'非 翻 訳 領 域 に 位 置 す る 3つ の 多 型 性 部 位 ( nt -1654C/T、 -1641A/Gお よ び -1
476A/T) も 血 漿 PCレ ベ ル に 影 響 を 及 ぼ す 。 CGTア レ ル を 保 有 す る 対 象 は 他 の 遺 伝 子 型 を 有
す る 対 象 よ り も 血 漿 PCレ ベ ル が 低 く 、 こ の た め こ の ア レ ル は 静 脈 血 栓 症 の 危 険 因 子 で あ る
40
。
【0367】
静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 頻 発 性 の PC遺 伝 子 変 異 お よ び 多 型 の 例 は 表 1に 示 さ れ て い る
。
【0368】
プ ロ テ イ ン S( PS) : 第 Va因 子 お よ び 第 VIIIa因 子 の タ ン パ ク 質 分 解 性 不 活 性 化 に お け る
活 性 化 PCの 非 酵 素 的 な 補 助 因 子 。 こ れ に は 、 ヒ ト な ど の 任 意 の 生 物 由 来 の あ ら ゆ る PS遺 伝
子 、 cDNAも し く は RNAの 産 物 、 ま た は PSタ ン パ ク 質 が 含 ま れ る 。 そ の 例 に は 、 GenBankア ク
セ ッ シ ョ ン 番 号 NM_000313.1に 開 示 さ れ た mRNA配 列 ( な ら び に 対 応 す る ゲ ノ ム 配 列 お よ び
タンパク質配列)が含まれる。
50
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【0369】
ヒ ト DNAは 2種 類 の PS遺 伝 子 : 活 性 の あ る PROS1遺 伝 子 お よ び 偽 遺 伝 子 PRSO2を 含 み 、 こ れ
ら は 3p11.1-q11.2に 位 置 が 特 定 さ れ て い る 。 PRSO1は 80kbの ゲ ノ ム DNAの 範 囲 に わ た り 、 15
個 の エ ク ソ ン お よ び 14個 の イ ン ト ロ ン を 含 む 。 PRSO1に お け る 機 能 喪 失 型 変 異 は PSの 欠 損
症 を 招 く 。 血 漿 測 定 に 基 づ い て 3種 類 の PS欠 損 症 が 認 識 さ れ て い る : I型 は 総 PS抗 原 レ ベ ル
お よ び 遊 離 PS抗 原 レ ベ ル の 低 さ を 特 徴 と し 、 II型 は 活 性 の 低 さ な ら び に 総 PS抗 原 レ ベ ル お
よ び 遊 離 PS抗 原 レ ベ ル が 正 常 で あ る こ と を 特 徴 と し 、 III型 は 遊 離 PSレ ベ ル の 選 択 的 低 下
を特徴とする。
【0370】
ヒ ト に お け る 静 脈 血 栓 症 と 関 連 づ け ら れ て い る 少 な く と も 131種 類 の PS遺 伝 子 変 異 の う
10
ち 、 少 な く と も 32種 類 の 変 異 ( 25種 の 点 変 異 、 3種 の 欠 失 、 3種 の 挿 入 な ら び に 1種 の 欠 失
および挿入)は、血縁関係のない複数の家系で記載されており、残りの変異は単一の家族
に 特 有 で あ り 、 こ の た め 個 別 的 な 変 異 と さ れ て い る 。 25種 の 頻 発 性 の 変 異 が 量 的 ( I型 お
よ び /ま た は III型 ) PS欠 損 症 と 、 3種 の 変 異 が 質 的 ( II型 ) PS欠 損 症 と 関 連 づ け ら れ る が
、 残 り の 4種 の 変 異 で は PS欠 損 症 の 型 を 決 定 す る こ と が で き な か っ た と 報 告 さ れ て お り 、
これは血漿アッセイが行われていなかったか対象が経口抗凝固療法を受けていたためであ
っ た 。 PS遺 伝 子 に お け る 4種 の 頻 発 性 多 型 は 遺 伝 性 PS欠 損 症 の 家 族 に お け る 欠 陥 性 表 現 型
と共分離する。
【0371】
静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 頻 発 性 の PS遺 伝 子 変 異 お よ び 多 型 の 例 は 表 1に 示 さ れ て い る
20
。
【0372】
プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 、 FII) : セ リ ン プ ロ テ ア ー ゼ で あ る ト ロ ン ビ ン の 前 駆 体 で
あ り 、 ビ タ ミ ン K依 存 性 糖 タ ン パ ク 質 で あ る 。 FXaに よ っ て 活 性 化 さ れ る ( FVaお よ び リ ン
脂 質 の 存 在 下 で ) ; FIIaは 凝 固 促 進 活 性 、 抗 凝 固 活 性 お よ び 抗 線 維 素 溶 解 活 性 を 示 す 。 こ
れ に は 、 ヒ ト な ど の 任 意 の 生 物 由 来 の あ ら ゆ る FII遺 伝 子 、 cDNAも し く は RNAの 産 物 、 ま た
は FIIタ ン パ ク 質 が 含 ま れ る 。 そ の 例 に は 、 GenBankア ク セ ッ シ ョ ン 番 号 V00595.1に 開 示 さ
れ た mRNA配 列 ( な ら び に 対 応 す る ゲ ノ ム 配 列 お よ び タ ン パ ク 質 配 列 ) が 含 ま れ る 。
【0373】
FIIを コ ー ド す る ヒ ト 遺 伝 子 は 第 11番 染 色 体 、 バ ン ド 11p11-q12に 位 置 し 、 21kbの DNAの
30
範 囲 に わ た る 。 FII遺 伝 子 は 、 14個 の エ ク ソ ン が 13個 の イ ン ト ロ ン に よ っ て 隔 て ら れ 、 そ
れ に 5'お よ び 3'非 翻 訳 ( UT) 領 域 を 伴 っ た も の か ら 構 成 さ れ る 。
【0374】
ヒ ト FII遺 伝 子 に お け る 少 な く と も 1つ の 単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置 換 : ヌ ク レ オ チ ド 20210で
の G→ A多 型 は 、 血 栓 症 の リ ス ク の 増 大 と 関 連 づ け ら れ て い る 。
【0375】
精製された:「精製された」という用語は、絶対的な純粋さを必要とはしない;そうで
はなくて、これは相対的な用語であることを意図している。したがって、例えば、精製さ
れたタンパク質調製物とは、その中の言及したタンパク質が、細胞内の天然の環境内にあ
るタンパク質よりも純粋なもののことである。例えば、タンパク質の調製物を、そのタン
40
パ ク 質 が 調 製 物 の 総 タ ン パ ク 質 含 有 量 の う ち 少 な く と も 50% に 相 当 す る よ う に 精 製 す る 。
同様に、精製されたオリゴヌクレオチド調製物とは、その中のオリゴヌクレオチドが、オ
リゴヌクレオチドの複合的な混合物を含む環境内よりも純粋なもののことである。
【0376】
組 換 え : 組 換 え 核 酸 分 子 と は 、 天 然 に 存 在 し な い 配 列 を 有 す る 、 ま た は 2つ の 別 々 の 配
列のセグメントの人為的組み合わせによって作られた配列を有するもののことである。こ
の人為的組み合わせは、核酸分子の単離されたセグメントの化学合成、または遺伝子工学
の手法などによる人為的操作によって実現することができる。
【0377】
試 料 : ゲ ノ ム DNA、 RNA( mRNAを 含 む ) 、 タ ン パ ク 質 ま た は そ れ ら の 組 み 合 わ せ な ど を 含
50
(36)
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む生物標本。その例には、末梢血、尿、唾液、生検組織、外科手術標本、羊水試料および
剖検材料が非制限的に含まれる。
【0378】
配 列 の 同 一 性 /類 似 性 : 2つ も し く は そ れ 以 上 の 核 酸 配 列 ま た は 2つ も し く は そ れ 以 上 の
ア ミ ノ 酸 配 列 の 間 の 同 一 性 /類 似 性 は 、 配 列 間 の 同 一 性 ま た は 類 似 性 に 関 し て 表 さ れ る 。
配 列 同 一 性 は 、 一 致 度 ( percentage identity) に 関 し て 測 定 さ れ る ; こ の パ ー セ ン テ ー
ジが高いほど、配列の同一性は高い。配列類似性は、類似度(これは保存的アミノ酸置換
を考慮に入れている)に関して測定される;このパーセンテージが高いほど、配列の類似
性は高い。核酸配列またはアミノ酸配列のホモログまたはオルソログは、標準的な方法を
用 い て 整 列 化 し た 場 合 、 比 較 的 高 い 程 度 の 配 列 同 一 性 /類 似 性 を 有 す る 。 こ の 相 同 性 は 、
10
オ ル ソ ロ ガ ス な タ ン パ ク 質 ま た は cDNAが 比 較 的 近 縁 な 関 係 に あ る 種 ( ヒ ト 配 列 お よ び マ ウ
ス 配 列 な ど ) に 由 来 す る 場 合 に 、 比 較 的 遠 い 関 係 に あ る 種 ( ヒ ト 配 列 お よ び C.エ レ ガ ン ス
配列など)と比較して特に顕著である。
【0379】
比較のための配列のアラインメントの方法は当技術分野で周知である。さまざまなプロ
グ ラ ム お よ び ア ラ イ メ ン ト ア ル ゴ リ ズ ム が 、 以 下 の も の に 記 載 さ れ て い る : Smith & Wate
rman, Adv. Appl. Math. 2: 482, 1981; Needleman & Wunsch、 J. Mol. Biol. 48: 443,
1970; Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 2444,1988; Higgins & Shar
p, Gene, 73: 237-44, 1988; Higgins & Sharp、 CABIOS 5: 151-3, 1989; Corpet et al.
, Nuc. Acids Res. 16: 10881-90, 1988; Huang et al. Computer Appls. in the Biosci
20
ences 8, 155-65,1992; お よ び Pearson et al., Meth. Mol. Bio. 24: 307-31, 1994。 Al
tschul et al., J. Mol. Biol. 215: 403-10, 1990は 、 配 列 ア ラ イ ン メ ン ト の 方 法 お よ び
相同性の計算に関する詳細な考察を提示している。
【0380】
NCBI Basic Local Alignment Search Tool( BLAST) ( Altschul et al., J. Mol. Biol
. 215: 403-10, 1990) は 、 米 国 国 立 生 物 情 報 セ ン タ ー ( National Center for Biologica
l Information) ( NCBI, National Library of Medicine, Building 38A, Room 8N805, B
ethesda, MD 20894) お よ び イ ン タ ー ネ ッ ト を 含 む い く つ か の 源 か ら 入 手 可 能 で あ り 、 配
列 解 析 プ ロ グ ラ ム で あ る blastp、 blastn、 blastx、 tblastnお よ び tblastxと と も に 用 い ら
れ る 。 こ の ほ か の 情 報 は NCBIの ウ ェ ブ サ イ ト で 見 る こ と が で き る 。
30
【0381】
BLASTNは 核 酸 配 列 を 比 較 す る た め に 用 い ら れ 、 一 方 、 BLASTPは ア ミ ノ 酸 配 列 を 比 較 す る
た め に 用 い ら れ る 。 2つ の 核 酸 配 列 を 比 較 す る た め に は 、 オ プ シ ョ ン を 以 下 の よ う に 設 定
す る こ と が で き る :-iは 、 比 較 し よ う と す る 第 1の 核 酸 配 列 を 含 む フ ァ イ ル ( C:\ seq1.txt
な ど ) に 設 定 す る ; -jは 、 比 較 し よ う と す る 第 2の 核 酸 配 列 を 含 む フ ァ イ ル ( C:\ seq2.tx
tな ど ) に 設 定 す る ; -pは blastnに 設 定 す る ; -oは 任 意 の 所 望 の フ ァ イ ル 名 ( C:\ output.
txtな ど ) に 設 定 す る ; -qは -1に 設 定 す る ; -rは 2に 設 定 す る ; 他 の す べ て の オ プ シ ョ ン は
デ フ ォ ー ル ト 設 定 の ま ま と す る 。 例 え ば 、 以 下 の コ マ ン ド を 用 い て 、 2つ の 配 列 間 の 比 較
を 含 む 出 力 フ ァ イ ル を 生 成 す る こ と が で き る :C:\ Bl2seq -i c:\ seq1.txt -j c:\ seq2.
txt -p blastn -o c:\ output.txt -q -1 -r 2。
40
【0382】
2つ の ア ミ ノ 酸 配 列 を 比 較 す る た め に は 、 Bl2seqの オ プ シ ョ ン を 以 下 の よ う に 設 定 す る :
-iは 、 比 較 し よ う と す る 第 1の 核 酸 配 列 を 含 む フ ァ イ ル ( C:\ seq1.txtな ど ) に 設 定 す る
; -jは 、 比 較 し よ う と す る 第 2の 核 酸 配 列 を 含 む フ ァ イ ル ( C:\ seq2.txtな ど ) に 設 定 す
る ; -pは blastpに 設 定 す る ; -oは 任 意 の 所 望 の フ ァ イ ル 名 ( C:\ output.txtな ど ) に 設 定
する;他のすべてのオプションはデフォールト設定のままとする。例えば、以下のコマン
ド を 用 い て 、 2つ の ア ミ ノ 酸 配 列 間 の 比 較 を 含 む 出 力 フ ァ イ ル を 生 成 す る こ と が で き る :C:
\ Bl2seq -i c:\ seq1.txt -j c:\ seq2.txt -p blastp -o c:\ output.txt。 比 較 し た 2
つの配列に相同性があれば、指定した出力ファイルは相同性の領域を整列化された配列と
し て 提 示 す る と 考 え ら れ る 。 比 較 し た 2つ の 配 列 に 相 同 性 が な け れ ば 、 指 定 し た 出 力 フ ァ
50
(37)
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イルは整列化された配列を提示しないと考えられる。
【0383】
ひとたびアラインメントが行われれば、両方の配列に同一なヌクレオチドまたはアミノ
酸残基が存在する位置の数を算定することによって一致の数を決定する。配列一致度は、
一致の数を、同定される配列中の示された配列の長さによって、または区切られた長さ(
特 定 さ れ た 配 列 中 の 示 さ れ た 配 列 か ら の 100個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド ま た は ア ミ ノ 酸 残
基 ) に よ っ て 除 算 し 、 そ の 後 に 結 果 と し て 得 ら れ た 値 に 100を 乗 算 す る こ と に よ っ て 決 定
さ れ る 。 例 え ば 、 1154ヌ ク レ オ チ ド を 有 す る 被 験 配 列 と の ア ラ イ ン メ ン ト を 行 っ た 場 合 に
1166個 の 一 致 が あ る 核 酸 配 列 は 、 被 験 配 列 と 75.0% の 同 一 性 が あ る ( す な わ ち 、 1166÷ 15
54*100= 75.0) 。 配 列 一 致 度 の 値 は 、 小 数 点 以 下 で 四 捨 五 入 す る 。 例 え ば 、 75.11、 75.12
10
、 75.13お よ び 75.14は 端 数 切 り 捨 て で 75.1と し 、 75.15、 75.16、 75.17、 75.18お よ び 75.1
9は 端 数 切 り 上 げ で 75.2と な る 。 長 さ の 値 は 常 に 整 数 で あ る 。 も う 1つ の 例 に お い て 、 以 下
の よ う に 、 同 定 さ れ る 配 列 か ら の 20個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド と ア ラ イ ン メ ン ト を 行 う 20
ヌ ク レ オ チ ド の 領 域 を 含 む 標 的 配 列 は 、 そ の 同 定 さ れ る 配 列 に 対 し て 75% の 配 列 同 一 性 を
有 す る 領 域 を 含 む ( す な わ ち 、 15÷ 20*100= 75) 。
20
【0384】
約 30ア ミ ノ 酸 を 上 回 る ア ミ ノ 酸 配 列 の 比 較 の た め に は 、 デ フ ォ ー ル ト の パ ラ メ ー タ ー (
ギ ャ ッ プ 存 在 コ ス ト 11お よ び 残 基 当 た り の ギ ャ ッ プ コ ス ト 1) に 設 定 さ れ た デ フ ォ ー ル ト
の BLOSUM62マ ト リ ッ ク ス を 用 い て 、 Blast 2配 列 関 数 を 用 い る 。 ホ モ ロ グ は 通 常 、 NCBI Ba
sic Blast 2.0、 ギ ャ ッ プ ト blastpを nrま た は swissprotデ ー タ ベ ー ス な ど の デ ー タ ベ ー ス
と と も に 用 い た ア ミ ノ 酸 配 列 の 完 全 長 ア ラ イ ン メ ン ト に わ た る 算 定 で 、 少 な く と も 70% の
配 列 同 一 性 を 有 す る こ と に よ っ て 特 徴 づ け ら れ る 。 blastnプ ロ グ ラ ム を 用 い て 検 索 し た ク
エ リ ー を 、 DUST( Hancock and Armstrong, 1994, Comput. Appl. Biosci. 10: 67-70) に
よ っ て フ ィ ル タ ー 処 理 す る 。 ま た 別 の プ ロ グ ラ ム で は SEGを 用 い る 。 さ ら に 、 手 作 業 に よ
30
るアラインメントを行うこともできる。さらに高い類似性を有するタンパク質は、この方
法 に よ っ て 評 価 し た 場 合 、 少 な く と も 75% 、 少 な く と も 80% 、 少 な く と も 85% 、 少 な く と
も 90% 、 少 な く と も 95% 、 少 な く と も 98% ま た は 少 な く と も 99% の 配 列 同 一 性 と い っ た 、
さらに高い一致度を示すと考えられる。
【0385】
短 い ペ プ チ ド ( 30ア ミ ノ 酸 前 後 よ り も 短 い ) の ア ラ イ ン メ ン ト を 行 う 場 合 に は 、 ア ラ イ
ン メ ン ト は 、 デ フ ォ ー ル ト の パ ラ メ ー タ ー ( オ ー プ ン ギ ャ ッ プ 9、 伸 長 ギ ャ ッ プ 1ペ ナ ル テ
ィ ー ) に 設 定 さ れ た デ フ ォ ー ル ト の PAM30マ ト リ ッ ク ス 設 定 を 用 い て 、 Blast 2配 列 関 数 を
用いて行われる。参照配列に対してさらに高い類似性を有するタンパク質は、この方法に
よ っ て 評 価 し た 場 合 、 少 な く と も 60% 、 少 な く と も 70% 、 少 な く と も 75% 、 少 な く と も 80
40
% 、 少 な く と も 85% 、 少 な く と も 90% 、 少 な く と も 95% 、 少 な く と も 98% ま た は 少 な く と
も 99% の 配 列 同 一 性 と い っ た 、 さ ら に 高 い 一 致 度 を 示 す と 考 え ら れ る 。 全 長 に 満 た な い 配
列 を 配 列 同 一 性 に 関 し て 比 較 す る 場 合 に は 、 ホ モ ロ グ は 通 常 、 10∼ 20ア ミ ノ 酸 の 短 い ウ ィ
ン ド ウ に わ た っ て 少 な く と も 75% の 配 列 同 一 性 を 有 し 、 参 照 配 列 に 対 す る 同 一 性 に よ っ て
は 少 な く と も 85% 、 少 な く と も 90% 、 少 な く と も 95% ま た は 少 な く と も 98% の 配 列 同 一 性
を有し得ると考えられる。このような短いウィンドウにわたる配列同一性を決定するため
の 方 法 は NCBIの ウ ェ ブ サ イ ト に 記 載 さ れ て い る 。
【0386】
2つ の 核 酸 分 子 に 密 接 な 類 縁 性 が あ る と い う 指 標 の 一 つ は 、 2つ の 分 子 が 上 記 の よ う な ス
トリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。高度な同一性を示さな
50
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い核酸配列が、それにもかかわらず、遺伝暗号の縮重性のために同一または類似の(保存
された)アミノ酸配列をコードする可能性もある。この縮重性を利用して、核酸配列に変
化を加え、すべてが実質的に同じタンパク質をコードする多数の核酸分子を作製すること
が で き る 。 こ の よ う な 相 同 な 核 酸 配 列 は 、 こ の 方 法 に よ る 決 定 で 、 例 え ば 、 少 な く と も 60
% 、 少 な く と も 70% 、 少 な く と も 80% 、 少 な く と も 90% 、 少 な く と も 95% 、 少 な く と も 98
% ま た は 少 な く と も 99% の 配 列 同 一 性 を 有 し 得 る 。 2つ の 核 酸 配 列 が 実 質 的 に 同 一 で あ る
こ と の 1つ の 代 替 的 な ( 必 ず し も 累 積 的 で は な い ) 指 標 は 、 第 1の 核 酸 が コ ー ド す る ポ リ ペ
プ チ ド に 、 第 2の 核 酸 に よ っ て コ ー ド さ れ る ポ リ ペ プ チ ド に 対 す る 免 疫 学 的 な 交 差 反 応 性
があることである。
【0387】
10
当業者は、具体的な配列同一性の範囲は手引きのみを目的として提示されたことを理解
すると考えられる;提示した範囲を大きく外れる、十分に意味のあるホモログを得ること
も可能である。
【0388】
一 塩 基 多 型 ( SNP) : 集 団 に お け る 個 体 間 で の DNA配 列 中 の 単 一 の 塩 基 ( ヌ ク レ オ チ ド )
の 違 い 。 SNPは 、 起 因 性 ( SNPと 結 び 付 き の あ る 状 態 も し く は 形 質 に 実 際 に 関 与 す る か 、 ま
た は そ れ に 影 響 を 及 ぼ す ) の こ と も あ り 、 ま た は 連 合 性 ( 結 び 付 き は あ る が 、 SNPと 結 び
付きのある状態または形質に実際に関与することも、それに影響を及ぼすこともない)の
こともある。
【0389】
20
対象:ヒトおよび非ヒト哺乳動物(獣医学的な対象など)を含むカテゴリーである、生
きている多細胞性脊椎動物のこと。
【0390】
標 的 配 列 : 1つ ま た は 複 数 の ヌ ク レ オ チ ド 置 換 、 欠 失 、 挿 入 、 増 幅 ま た は そ れ ら の 組 み
合 わ せ と い っ た 1つ ま た は 複 数 の 特 定 の 遺 伝 子 異 常 に 対 応 す る 、 ゲ ノ ム ( ヒ ト ゲ ノ ム ま た
は任意の哺乳動物のゲノム)中の特定の領域に位置するヌクレオチドの配列。標的は例え
ばコード配列であってもよい;また、それはコード配列に対応する非コード鎖であっても
よ い 。 標 的 配 列 の 例 に は 、 表 1に 列 記 さ れ た も の な ど の 、 静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 配 列
が含まれる。
【0391】
30
静 脈 血 栓 症 ( VT) : 静 脈 内 部 に 形 成 さ れ る 血 塊 。 特 定 の 例 に お い て 、 VTは 、 停 滞 し た 血
流(例えば、長期的な臥床、妊娠および外科手術の際に起こるようなもの)または血液の
急速な凝固と関連性がある。その例には、下肢の深部静脈または骨盤静脈内に生じる深部
静 脈 血 栓 ( DVT) が 含 ま れ る 。 こ の よ う な 血 栓 は 時 折 、 肺 に 移 動 し 、 心 肺 の 崩 壊 お よ び 死
亡を招く肺塞栓を形成する。
【0392】
静 脈 血 栓 症 ( VT) 関 連 ( ま た は 付 随 す る ) 分 子 : 静 脈 血 栓 症 の 発 症 に 関 与 す る 分 子 。 こ
の よ う な 分 子 に は 、 例 え ば 、 核 酸 ( DNA、 cDNAま た は mRNAな ど ) お よ び タ ン パ ク 質 が 含 ま
れ る 。 VT関 連 分 子 の 具 体 的 な 例 に は 、 表 1に 列 記 さ れ た も の の ほ か 、 VTに 対 す る 個 体 の 感
受 性 を 高 め る 原 因 と な る 変 異 、 多 型 ま た は そ の 両 方 を 含 む 完 全 長 遺 伝 子 ま た は cDNAの 断 片
40
、ならびにそれらによってコードされるタンパク質およびタンパク質断片が含まれる。
【0393】
VT関 連 分 子 は 、 起 因 性 ( VT関 連 分 子 の 変 化 が 静 脈 血 栓 症 の 発 症 ま た は そ の 進 行 を 招 く と
い う 点 で ) ま た は 結 果 性 ( 静 脈 血 栓 症 の 発 症 ま た は 進 行 が VT関 連 分 子 の 原 因 と な る か そ れ
をもたらすという点で)を含むさまざまな様式で、静脈血栓症に関与する、またはそれに
よる影響を受ける。
【0394】
野生型:変異型のものとは対照的に、生物の自然下での集団において主体をなす遺伝子
型。
【0395】
50
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静脈血栓症にかかわる変異および多型
静脈血栓症などの複合的な形質は、感受性遺伝子の候補における種々の変異、多型また
はその両方の間での相互作用を想定することによって理解することができる。それぞれの
遺伝的欠陥と関連性のあるリスクは、単独では比較的わずかなこともあるが、いくつかの
変異または多型が同時に存在すると疾患感受性が劇的に高まることがある。さらに、環境
因 子 が 1つ ま た は 複 数 の 遺 伝 的 差 異 と 相 互 作 用 し て リ ス ク を さ ら に 増 大 さ せ る こ と も あ る
。静脈血栓症表現型の発現は、いくつかの座位からの遺伝子産物と環境的または後天的な
影 響 と の 相 互 作 用 に 依 存 す る 。 し た が っ て 、 VTは 複 合 的 な 遺 伝 的 障 害 で あ る 。
【0396】
VTを 発 症 す る リ ス ク と 関 連 性 の あ る 遺 伝 子 に お け る 、 い く つ か の 変 異 お よ び 多 型 ( 1つ
10
または複数のヌクレオチド置換、挿入、欠失またはそれらの組み合わせなど)が知られて
い る 。 し か し 、 複 数 の 人 種 群 に お い て 、 対 象 の VTに 対 す る 総 合 的 な 遺 伝 的 素 因 の 正 確 な 予
測 を 可 能 に す る 、 変 異 お よ び 多 型 ( VTと 統 計 学 的 に 関 連 性 の あ る 遺 伝 子 な ど に お け る も の
)の組み合わせは、これまでに同定されていない。
【0397】
プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン Sお よ び ア ン チ ト ロ ン ビ ン III
プ ロ テ イ ン C( PC) 、 プ ロ テ イ ン S( PS) お よ び ア ン チ ト ロ ン ビ ン IIIを 含 め 、 静 脈 血 栓
症 に 関 与 す る い く つ か の 遺 伝 子 は 、 抗 凝 固 経 路 に か か わ っ て い る 。 PC欠 損 症 お よ び PS欠 損
症 は 、 活 性 化 さ れ た PC抗 凝 固 系 に お け る 欠 陥 を も た ら す 。
【0398】
20
ヒ ト で は 、 少 な く と も 161種 類 の 有 害 な PC遺 伝 子 変 異 が 報 告 さ れ て い る ( Reitsma et al
., Thromb. Haemost. 73: 876-89, 1995) 。 こ れ ら の 161種 類 の PC遺 伝 子 変 異 の う ち 、 51
種 類 の 変 異 ( 48種 の 点 変 異 、 2種 の 欠 失 お よ び 1種 の 挿 入 ) の み が 、 血 縁 関 係 の な い 複 数 の
家 系 で 記 載 さ れ て お り 、 残 り の 109種 の 変 異 は 単 一 の 家 族 に 特 有 で あ り 、 こ の た め 個 別 的
な 変 異 と さ れ て い る 。 40種 の 頻 発 性 の 変 異 は I型 PC欠 損 症 と 関 連 づ け ら れ て お り 、 11種 の
変 異 は II型 PC欠 損 症 の 患 者 で 観 察 さ れ て い る 。 3つ の 多 型 性 部 位 ( nt -1654C/T、 -1641A/G
お よ び -1476A/T) は 、 血 漿 PCレ ベ ル に 影 響 を 及 ぼ す 遺 伝 子 の 5'非 翻 訳 領 域 に 位 置 す る 。
【0399】
PS欠 損 症 は 高 度 に 異 種 混 交 的 な 分 子 的 基 盤 を 有 し 、 少 な く と も 131種 類 の 変 異 が み ら れ
る ( Gandrille et al., Thromb. Haemost. 84: 918, 2000) 。 PS遺 伝 子 の 有 害 な 変 異 す べ
30
て の う ち 、 32種 類 の 変 異 ( 25種 の 点 変 異 、 3種 の 欠 失 、 3種 の 挿 入 な ら び に 1種 の 欠 失 お よ
び 挿 入 ) の み が 、 血 縁 関 係 の な い 複 数 の 家 系 で 記 載 さ れ て お り 、 残 り の 100種 の 変 異 は 単
一 の 家 族 に 特 有 で あ り 、 こ の た め 個 別 的 な 変 異 と さ れ て い る 。 25種 の 頻 発 性 の 変 異 が 、 量
的 ( I型 お よ び /ま た は III型 ) PS欠 損 症 と 、 3種 の 変 異 が 質 的 ( II型 ) PS欠 損 症 と 関 連 づ け
ら れ て い る 。 PS遺 伝 子 に お け る 4種 の 頻 発 性 多 型 は 遺 伝 性 PS欠 損 症 の 家 族 に お け る 欠 陥 性
表現型と共分離する。
【0400】
一 般 集 団 に お け る PC欠 損 症 の 有 病 率 は 約 1/300で あ る 。 PC欠 損 症 お よ び PS欠 損 症 の 保 有
状 態 で は 、 VTに 関 す る 血 栓 症 リ ス ク が 約 10倍 に 増 大 す る 。 ホ モ 接 合 性 の PC欠 損 症 お よ び PS
欠損症は通常、出生後早期の微小循環における高度な血栓形成を特徴とする、電撃性紫斑
40
病として知られるいくつかの臨床的表典型を伴う。
【0401】
ヘ テ ロ 接 合 性 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III( AT III) 欠 損 症 は 、 VTの リ ス ク 増 大 を 伴 う 。 AT II
I欠 損 症 と 関 連 づ け ら れ て い る 変 異 に は 、 少 な く と も 127種 類 の 異 な る も の が あ る ( Lane e
t al., Thromb. Haemost. 77: 197-211, 1997) : I型 AT III欠 損 症 に 関 し て は 92種 の 変 異
( 40種 の 点 変 異 、 40種 の 小 規 模 な 挿 入 ま た は 欠 失 、 お よ び 12種 の 大 規 模 な 欠 失 ) 、 II型 AT
III欠 損 症 に 関 し て は 35種 の 変 異 ( 12種 は RS、 12種 は HBS、 11種 は PEの 変 異 、 す べ て 点 変
異 ) 。 I型 の 変 異 の う ち 、 11種 類 の 変 異 ( 7種 の 点 変 異 お よ び 4種 の 欠 失 ま た は 挿 入 ) の み
は 、 血 縁 関 係 の な い 複 数 の 家 系 で 記 載 さ れ て お り 、 残 り の 81種 の 変 異 は 単 一 の 家 族 に 特 有
で あ り 、 こ の た め 個 別 的 な 変 異 と さ れ て い る 。 II型 に お い て は 、 35種 の 変 異 の う ち 19種 (
50
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7種 が RS、 6種 が HBSで 6種 が PEの 変 異 ) が 血 縁 関 係 の な い 複 数 の 家 系 で 記 載 さ れ て お り 、 残
り の 16種 は 個 別 的 な 変 異 で あ る こ と が 報 告 さ れ て い る 。
【0402】
一 般 集 団 に お け る AT III欠 損 症 の 有 病 率 は 0.2/1000∼ 18/1000の 範 囲 で あ る 。 集 団 を 対
象 と し た コ ン ト ロ ー ル 研 究 で は 、 AT III欠 損 症 に 関 連 し て VTの 5倍 の リ ス ク 増 大 が 報 告 さ
れ て い る 。 血 栓 症 患 者 に お け る AT III欠 損 症 の 有 病 率 は 1% ∼ 8% の 範 囲 で あ る 。
【0403】
第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン お よ び フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン
静 脈 血 栓 症 に 関 与 す る 他 の 遺 伝 子 に は 、 第 V因 子 ( FV) 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 )
お よ び フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン が 含 ま れ 、 こ れ ら は 凝 固 促 進 経 路 に か か わ る 。 変 異 型 FVの 活 性 変
10
化 は 、 VTの 発 症 に 影 響 を 及 ぼ す 、 最 も 頻 度 の 高 い 遺 伝 性 血 液 凝 固 障 害 で あ る ( Nicolaes e
t al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 22: 530-8, 2002) 。 活 性 化 FV( FVa) の 凝
固 促 進 活 性 の ダ ウ ン レ ギ ュ レ ー シ ョ ン は 、 活 性 化 プ ロ テ イ ン C( APC) に よ り 媒 介 さ れ る 、
3つ の 異 な る 逐 次 的 な 切 断 部 位 : Arg 506、 Arg 306お よ び Arg 679( 本 明 細 書 に お け る ヌ ク
レ オ チ ド ま た は ア ミ ノ 酸 の 番 号 付 け は ヒ ト 遺 伝 子 を 指 し て い る ) で の 、 FVaの タ ン パ ク 質
分 解 に よ っ て 行 わ れ る 。 こ れ ら の 3つ の 切 断 部 位 の 1つ ま た は 複 数 の 箇 所 で の 欠 陥 は 、 凝 固
促 進 活 性 が た と え 正 常 に 保 た れ て い て も 、 APC不 活 性 化 過 程 に 影 響 を 及 ぼ し 得 る 。
【0404】
ヒ ト FV遺 伝 子 に お け る 少 な く と も 5種 類 の 単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置 換 が 、 血 栓 症 の リ ス ク の
増 大 と 関 連 づ け ら れ て い る 。 症 例 の 90% に は 、 Arg506の Glnへ の 置 換 ( R506Q) を も た ら す
20
単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置 換 ( FV Leiden; 1691G→ A) に 起 因 す る APCに 対 す る 抵 抗 性 が あ る 。 白
人 集 団 に お け る そ の 有 病 率 は 約 5% で あ り 、 VTの 患 者 で は 20% ∼ 40% と 高 い 。 し か し 、 FV
Leidenの 症 例 は 他 の 人 種 で も ご く 少 数 報 告 さ れ て い る が 、 こ れ は 東 南 亜 細 亜 お よ び ア フ リ
カ で は 見 つ か っ て い な い こ と か ら 、 FV Leiden変 異 は 白 色 人 種 に 特 異 的 で あ る と 考 え ら れ
て い る ( Takamiya et al., Thromb. Haemost. 74: 996, 1995; Fujimura et al., Thromb
. Haemost.74: 1381-2, 1995; Chan et al., Thromb. Haemost. 75: 522-3, 1996) 。
【0405】
FV遺 伝 子 に お け る も う 1つ の 単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置 換 で あ る R485Kは 、 極 東 集 団 に お け る 血
栓 症 の リ ス ク の 増 大 と 関 連 づ け ら れ て い る ( Hiyoshi et al., Thromb. Haemost. 80: 705
-6, 1998; Le et al., Clin. Genet. 57: 296-303, 2000) 。 R485K多 型 は 、 ヌ ク レ オ チ ド
30
1628に 起 こ る G→ A転 位 で あ り 、 Arg 485の コ ド ン AGAの 、 Lys残 基 が 予 測 さ れ る AAAコ ド ン へ
の 置 換 を も た ら す 。 K485ア レ ル の 頻 度 は 白 色 人 種 で は 低 く 、 ア ジ ア 人 お よ び ア フ リ カ 人 で
は高いが、この多型は極東集団および白人集団の両方で血栓症のリスクの増大と関連づけ
ら れ て い る ( Faisel et al., Eur. J. Hum. Genet. 12: 187-91, 2004) 。
【0406】
他 の 3種 類 の 単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置 換 は 、 種 々 の 集 団 に お い て 血 栓 症 の リ ス ク の 増 大 と 関
連 づ け ら れ て い る 。 ヒ ト FV遺 伝 子 の エ ク ソ ン 7に お け る 2種 類 の 変 異 は 、 Arg306 APC切 断 部
位 に 影 響 を 及 ぼ す 。 こ れ ら の 2種 類 の 変 異 も 人 種 間 分 布 が 不 均 一 で あ る 。 FV Cambridge変
異 は 、 ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1091で の Gか ら Cへ の 転 位 で あ り 、 ア ミ ノ 酸 位 置 306で の ア ル ギ ニ
ン の ト レ オ ニ ン へ の 置 換 ( Arg306Thr) が 予 測 さ れ る 。 こ の 変 異 は 白 人 集 団 の み で 記 載 さ
40
れ て い る ( Franco et al., Thromb. Haemost. 81: 312-3, 1999) 。 第 2の 変 異 で あ る FV H
ong Kongは 、 ヌ ク レ オ チ ド 位 置 1090で の Aか ら Gへ の 転 位 で あ り 、 Arg306を Glyに 変 化 さ せ
る 。 こ の 変 異 は 当 初 、 中 国 人 集 団 に お い て 記 載 さ れ た が 、 白 色 人 種 に お け る 有 病 率 が 0.4
% に 上 る ( Franco et al., Thromb. Haemost. 81: 312-3, 1999) 。
【0407】
R2ア レ ル と 呼 ば れ る ヒ ト FV遺 伝 子 の エ ク ソ ン 13に お け る も う 1つ の 単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置
換 は 、 ヌ ク レ オ チ ド 位 置 4070で の Aか ら Gへ の 転 位 で あ り 、 こ れ は 位 置 1299で Hisを Argに 置
換 す る ( H1299R) 。 R2ア レ ル の 頻 度 は VT患 者 の 方 が 健 常 対 照 よ り も 有 意 に 高 く 、 そ れ ぞ れ
18.5% お よ び 11.4% と い う 値 で あ る ( Alhenc-Gelas et al., Thromb. Haemost. 81: 1937, 1999) 。 こ の 多 型 の 頻 度 は 、 米 国 の 白 色 人 種 で は 11.9% 、 ア フ リ カ 系 ア メ リ カ 人 で は 5
50
(41)
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.6% 、 ア ジ ア 人 ま た は 太 平 洋 諸 島 の 人 々 で は 13.4% で あ り 、 ラ テ ン ア メ リ カ 系 の 人 々 で は
11.3% で あ る ( Benson et al., Thromb. Haemost. 86: 1188-92, 2001) 。
【0408】
プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 、 FII) 遺 伝 子 で は 、 少 な く と も 1つ の 単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置 換
が 血 栓 症 の リ ス ク の 増 大 と 関 連 づ け ら れ て い る 。 プ ロ ト ロ ン ビ ン 遺 伝 子 の 3'UT領 域 に お け
る ヌ ク レ オ チ ド 20210で の G→ A多 型 は 、 静 脈 血 栓 症 の 2番 目 に 頻 度 の 高 い 遺 伝 性 危 険 因 子 で
あ る ( Poort et al., Blood 88: 3698-703, 1996) 。 FII G20210Aは 高 プ ロ ト ロ ン ビ ン 血
症 と 関 連 性 が あ り 、 VTの リ ス ク が 2∼ 5倍 に 増 大 す る 。 こ れ は 白 人 集 団 で は 健 常 対 象 の 1%
∼ 3% 、 VT患 者 の 6% ∼ 18% に 認 め ら れ る が ( Rosendaal et al., Thromb. Haemost. 79: 7
06-8, 1998) 、 ア フ リ カ 系 ア メ リ カ 人 お よ び ブ ラ ジ ル か ら の ア メ リ カ 先 住 民 で は 極 め て 稀
10
で あ る ( Dilley et al., Blood 90: 652a, 1997; Arruda et al., Thromb. Haemost. 78:
1430-3, 1997) 。 こ の 変 異 は 、 西 ア フ リ カ の 人 々 、 ア マ ゾ ン 先 住 民 、 オ ー ス ト ラ リ ア 人
、 ラ テ ン ア メ リ カ 人 、 日 本 人 ま た は 中 国 人 の 対 象 で は 見 つ か っ て い な い ( Ferraresi et a
l., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 17: 2418-22, 1997; Rahimy et al., Thromb.
Haemost. 79: 444-5, 1998; Isshiki et al., Blood Coagul. Fibrinol. 9: 105-6, 1998
; Miyata et al., Blood Coagul. Fibrinol. 9: 451-2, 1998, Rees et al. Br. J. Haem
atol. 105: 564-566, 1999) 。
【0409】
少 な く と も 25種 類 の 血 栓 形 成 傾 向 性 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 変 異 ( 22種 の 単 一 ヌ ク レ オ チ ド 置
換 、 1種 の 挿 入 お よ び 2種 の 欠 失 ) が 、 VTと 関 連 づ け ら れ て い る ( De Stefano et al.、 Br.
20
J. Haematol. 106: 564-8, 1999) 。 こ れ ら の 変 異 の う ち 少 な く と も 13種 は 、 血 縁 関 係 の
ない異なる家系からのものである;残りの変異は単一の家族に特有であることから個別的
な変異とされている。一般集団における遺伝性異常フィブリノーゲン血症の有病率は不明
で あ る ; し か し 、 静 脈 血 栓 症 の 既 往 歴 の あ る 患 者 に お け る 有 病 率 は 0.8% で あ る ( Carter
et al., Blood 96: 1177-9, 2000) 。 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン Aα 鎖 の カ ル ボ キ シ 末 端 に お け る
コ ド ン 312で の ト レ オ ニ ン の ア ラ ニ ン に よ る 置 換 を 招 く 、 頻 度 の 高 い 多 型 ( Thr312Ala多 型
)は、血塊の安定性に影響を及ぼして、血塊が静脈血管系統に塞栓を形成する素因となる
こ と に よ り 、 静 脈 血 栓 塞 栓 症 と 関 連 づ け ら れ て い る ( Carter et al., Blood 96: 1177-9,
2000; Standeven et al., Circulation 107: 2326-30, 2003; Hayes, Arch. Pathol. La
b. Med. 126: 1387-90, 2002) 。 こ の 多 型 は 、 肺 塞 栓 症 患 者 の 51% お よ び 健 常 対 象 の 40%
30
で 観 察 さ れ る 。 白 色 人 種 お よ び ア ジ ア 人 に お い て Thr312Ala多 型 の 遺 伝 子 型 分 布 に は 差 が
認められず、この多型はいずれの集団においてもフィブリノーゲンレベルの上昇と関連性
が あ る ( Liu et al., J. Med. Genet. 38: 31-5, 2001; Kain et al., Am. J. Epidemio
l. 156: 174-9, 2002) 。
【0410】
ア ン ジ オ テ ン シ ン I転 換 酵 素 お よ び メ チ レ ン テ ト ラ ヒ ド ロ 葉 酸 レ ダ ク タ ー ゼ
静 脈 血 栓 症 に 関 与 す る そ の ほ か の 遺 伝 子 に は 、 ア ン ジ オ テ ン シ ン I転 換 酵 素 ( ACE) お よ
び メ チ レ ン テ ト ラ ヒ ド ロ 葉 酸 レ ダ ク タ ー ゼ ( MTHFR) が 非 制 限 的 に 含 ま れ る 。
【0411】
レ ニ ン -ア ン ジ オ テ ン シ ン 系 は 、 さ ま ざ ま な 機 序 を 介 し て 血 流 遮 断 に 影 響 を 及 ぼ す 。 ヒ
40
ト ACE遺 伝 子 の イ ン ト ロ ン 16で は 、 288bp断 片 の 挿 入 ま た は 欠 失 か ら な る 多 型 が 知 ら れ て い
る ( Rigat et al., Nuc. Acids Res. 20: 1433, 1992) 。 こ の ACE DD遺 伝 子 型 は 流 血 中 酵
素のレベル上昇と関連性があり、白色人種およびアフリカ系アメリカ人における静脈血栓
塞 栓 症 の リ ス ク は 3∼ 10倍 に 増 大 す る 。 ACE DD遺 伝 子 型 は 日 本 人 集 団 で も 報 告 さ れ て い る
。
【0412】
軽 症 な い し 中 等 症 の 高 ホ モ シ ス テ イ ン 血 症 ( 空 腹 時 の 総 ホ モ シ ス テ イ ン レ ベ ル が 15∼ 10
0μ mol/の 間 ) は 、 VTの 確 立 さ れ た 危 険 因 子 で あ り 、 血 栓 症 の リ ス ク の 2∼ 4倍 の 増 大 を 伴
う 。 こ れ は ビ タ ミ ン B12、 ビ タ ミ ン B6お よ び 葉 酸 の 栄 養 素 欠 乏 、 高 齢 、 慢 性 腎 不 全 な ら び
に葉酸拮抗薬の使用を含む、いくつかの後天的な原因によって起こり得るが、メチレンテ
50
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ト ラ ヒ ド ロ 葉 酸 レ ダ ク タ ー ゼ ( MTHFR) 遺 伝 子 に お け る 2種 類 の 頻 度 の 高 い 多 型 は 、 軽 症 な
い し 中 等 症 の 高 ホ モ シ ス テ イ ン 血 症 と 関 連 づ け ら れ て い る ( Cattaneo, Thromb. Haemost.
81: 165-76, 1999; Franco and Reitsma, Hum. Genet. 109: 369-84, 2001) 。
【0413】
MTHFR 677C→ T多 型 は 、 ヒ ト の エ ク ソ ン 4に お け る 葉 酸 結 合 部 位 に 位 置 し 、 ア ラ ニ ン を バ
リ ン に 変 換 さ せ る 。 そ の ホ モ 接 合 性 状 態 に お い て 、 C677T多 型 は MTHFRの 熱 不 安 定 性 と 関 連
性 が あ り 、 酵 素 活 性 の 60∼ 70% の 低 下 お よ び 軽 症 な い し 中 等 症 の 高 ホ モ シ ス テ イ ン 血 症 を
招 く ( Franco and Reitsma, Hum. Genet. 109: 369-84, 2001; Frosst et al., Nat. Gen
et. 10: 111-3, 1995) 。 ヒ ト MTHFRに お け る C677T多 型 は 世 界 中 で 比 較 的 高 い 頻 度 で み ら
れ 、 TT遺 伝 子 型 は 一 般 集 団 の 約 5% ∼ 17% に 存 在 す る が 、 異 な る 人 種 群 間 で は 分 布 に 大 き
10
な 差 が あ り 、 欧 州 で 頻 度 が 最 も 高 く 、 ア フ リ カ で 頻 度 が 最 も 低 い ( Frosst et al., Nat.
Genet. 10: 111-3, 1995; Schneider et al., Am. J. Hum. Genet. 62: 1258-60, 1998;
De Franchis et al., Am. J. Hum. Genet. 59: 262-4, 1996; Ma et al., Circulation 9
4: 2410-6, 1996; Deloughery et al., Circulation 94: 3074-8, 1996; Arruda V et a
l., Thromb. Haemost. 77: 818-21, 1997) 。 ホ モ 接 合 性 の MTHRF C677T多 型 は 、 白 色 人 種
で は 静 脈 血 栓 症 の 独 立 し た 危 険 因 子 で あ り 、 静 脈 血 栓 症 患 者 に お け る 頻 度 が 11% ∼ 27% で
あ る が 、 ア ジ ア 人 お よ び ア フ リ カ 人 で は VTと の 関 連 性 は な い ( Arruda et al., Thromb. H
aemost. 77: 818-21, 1997; Margaglione et al., Thromb. Haemost. 79: 907-11, 1998
; Salomon et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 19: 511-8, 1999) 。
【0414】
20
も う 1つ の MTHFR多 型 で あ る 1298A→ Cは 、 ヒ ト エ ク ソ ン 7中 の 、 調 節 ド メ イ ン と 推 測 さ れ
るものの内部にあり、グルタミンをアラニンに変換させる。単独では、この多型は高ホモ
シ ス テ イ ン 血 症 と 関 連 性 は な い よ う に 思 わ れ る が 、 MTHFR 677C→ Tと の 合 成 ヘ テ ロ 接 合 は
酵 素 活 性 の 低 下 お よ び ホ モ シ ス テ イ ン レ ベ ル の 上 昇 を も た ら す ( Weisberg et al., Mol.
Genet. Metab. 68: 511-2, 1999) 。
【0415】
静脈血栓症に対する遺伝的素因の決定
本明細書で提供されるのは、対象、例えばそれ以外の点では健常な対象、または血栓症
が 疑 わ れ る か そ の リ ス ク を 有 す る 対 象 に 、 静 脈 血 栓 症 ( VT) を 発 症 す る 感 受 性 が あ る か 否
かを判定する方法である。本方法は、凝固関連タンパク質をコードする核酸分子といった
30
、 対 象 の 少 な く と も 1つ の VT関 連 分 子 に お け る 異 常 ( 変 異 ま た は 多 型 な ど ) を 検 出 す る 段
階 を 含 む 。 含 ま れ る 具 体 的 な 態 様 に は 、 個 体 の 細 胞 に お け る VT関 連 核 酸 分 子 中 の 1つ ま た
は複数の変異または多型を検出する、診断的または予後判定的な方法が含まれる。特定の
態 様 に お い て 、 異 常 の 検 出 は 、 VTの 発 症 に 関 す る 対 象 の 遺 伝 的 素 因 を 選 択 的 に 検 出 す る 、
VT関 連 分 子 ( 核 酸 配 列 ) の サ ブ セ ッ ト ま た は す べ て の 既 知 の VT関 連 分 子 に お い て 行 わ れ る
。
【0416】
特 定 の 例 に お い て 、 分 子 の サ ブ セ ッ ト は 、 静 脈 血 栓 イ ベ ン ト と 関 連 性 の あ る 10種 の VT関
連 感 受 性 ア レ ル の セ ッ ト を 含 み 、 こ の 際 、 こ の 10種 の VT関 連 感 受 性 ア レ ル は 、 静 脈 血 栓 症
の リ ス ク を 有 す る ( ま た は そ れ を 経 験 し た ) 白 色 人 種 対 象 の 少 な く と も 95% に 存 在 す る 。
40
特 定 の 例 に お い て 、 こ の 10種 の VT関 連 感 受 性 ア レ ル は 、 VTを 有 す る か そ れ を 発 症 す る リ ス
ク を 有 す る 、 白 色 人 種 の 少 な く と も 98% 、 例 え ば 少 な く と も 99% 、 な ら び に ア ジ ア 人 お よ
び ア フ リ カ 人 集 団 の 少 な く と も 82% 、 例 え ば ア フ リ カ 人 の 少 な く と も 85% に 存 在 す る 。
【0417】
さ ら に 別 の 態 様 に お い て 、 ス ク リ ー ニ ン グ が 行 わ れ る VT関 連 感 受 性 ア レ ル の 数 は 、 少 な
く と も 10種 、 例 え ば 少 な く と も 15種 、 少 な く と も 20種 、 少 な く と も 50種 、 少 な く と も 100
種 、 少 な く と も 143種 、 少 な く と も 200種 、 少 な く と も 287種 、 ま た は さ ら に は 少 な く と も 5
00個 の ア レ ル で あ る 。 ま た 別 の 態 様 に お い て 、 本 方 法 は 、 600種 を 超 え な い 、 500種 を 超 え
な い 、 400種 を 超 え な い 、 287種 を 超 え な い 、 200種 を 超 え な い 、 143種 を 超 え な い 、 100種
を 超 え な い 、 50種 を 超 え な い 、 ま た は 10種 を 超 え な い VT関 連 感 受 性 ア レ ル の ス ク リ ー ニ ン
50
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グ を 利 用 す る 。 具 体 的 な VT関 連 感 受 性 ア レ ル の 例 は 表 1に 示 さ れ て い る 。
【0418】
本 明 細 書 で 用 い る 場 合 、 「 VT関 連 分 子 」 と い う 用 語 に は 、 VTに 関 連 し た 核 酸 分 子 ( DNA
、 RNAま た は cDNAな ど ) お よ び VTに 関 連 し た タ ン パ ク 質 が 含 ま れ る 。 こ の 用 語 は 、 表 1に 列
記された分子(および列記されたものに対応する分子)には限定されず、本明細書中に列
記されたすべての分子を含む、静脈血栓症により、またはその期間中に(レベル、活性、
局在などに対して)影響を受ける、その他の核酸分子およびタンパク質も含まれる。
【0419】
VT関 連 遺 伝 子 の 例 に は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ
ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 ) 、 メ チ レ ン テ ト ラ ヒ ド ロ 葉 酸 レ ダ ク タ
10
ー ゼ ( MTHFR) 、 お よ び ア ン ジ オ テ ン シ ン -I転 換 酵 素 ( ACE) が 含 ま れ る 。 あ る 特 定 の 態 様
に お い て 、 異 常 の 検 出 は 、 少 な く と も 1つ の VT関 連 核 酸 、 例 え ば 少 な く と も 2種 、 少 な く と
も 3種 、 少 な く と も 4種 、 少 な く と も 5種 、 少 な く と も 6種 、 少 な く と も 7種 、 少 な く と も 8種
、 少 な く と も 10種 、 少 な く と も 15種 ま た は そ れ 以 上 の VT関 連 核 酸 分 子 に お い て 行 わ れ る 。
特 定 の 例 に お い て 、 記 載 さ れ た 方 法 の う ち あ る 種 の も の は 、 100種 を 超 え な い 、 50種 を 超
え な い 、 40種 を 超 え な い 、 30種 を 超 え な い 、 20種 を 超 え な い 、 ま た は 15種 を 超 え な い VT関
連遺伝子のスクリーニングを利用する。
【0420】
開 示 さ れ る こ の 方 法 ( MERT) は 、 無 症 候 性 の 病 因 保 有 者 の 同 定 に 関 し て 高 い 予 測 能 力 の
あ る 、 静 脈 血 栓 症 に 対 す る 総 合 的 な 遺 伝 的 感 受 性 を 1つ の ア ッ セ イ で ス ク リ ー ニ ン グ す る
20
ための、迅速で簡単明瞭で正確でしかも手頃な、多数の遺伝子のスクリーニング法を提供
する。これは、妊娠、産褥、経口避妊薬またはホルモン補充療法の使用、外傷、外科手術
、 骨 折 、 持 続 性 の 不 動 化 、 長 時 間 の 飛 行 機 搭 乗 ( 4時 間 を 超 え る も の な ど ) 、 高 齢 、 抗 リ
ン脂質抗体、血栓症の既往歴、骨髄増殖性疾患、悪性疾患またはそれらの組み合わせとい
った高リスク状況の際に予防的な抗凝固療法を必要とする可能性のある対象の早期認識を
可能にする。開示されるアッセイは、遺伝性リスクを有する個体の早期識別により、静脈
血栓症の毎年の発生率を低下させることができる。個体を、彼らが症状を発症する前に検
出することにより、早期の血栓形成予防、またはさらには経口避妊薬もしくはホルモン補
充療法の使用を避けるといった決断のように、有効な予防的手段を開始することができる
。
30
【0421】
以 上 に 考 察 し た よ う に 、 遺 伝 性 静 脈 血 栓 症 の 原 因 に は 人 種 群 に よ っ て 違 い が あ る 。 FV L
eiden多 型 お よ び プ ロ ト ロ ン ビ ン G0210A多 型 は 白 色 人 種 で は 静 脈 血 栓 症 に 関 し て 最 も 頻 度
の 高 い 危 険 因 子 で あ る が 、 ア ジ ア 人 お よ び ア フ リ カ 人 の 患 者 は 、 FV Leiden多 型 ま た は プ
ロ ト ロ ン ビ ン G20210A多 型 を 全 く ま た は 稀 に し か 示 さ な い 。 開 示 さ れ る 方 法 お よ び ア レ イ
は、遺伝性の静脈血栓形成傾向のリスクを、白色人種だけでなく多様な人種集団において
も 判 定 す る た め に 設 計 さ れ て い る 。 1つ の 特 定 の 例 に お い て 、 本 方 法 は 、 さ ま ざ ま な 人 種
集 団 に お い て 高 い 予 測 能 力 を 有 す る ( 白 色 人 種 に つ い て は 少 な く と も 98% 、 ア ジ ア 人 に つ
い て は 少 な く と も 84% 、 ア フ リ カ 人 に つ い て は 少 な く と も 87% ) 。 ま た 別 の 例 に お い て 、
本 方 法 は 、 VT関 連 分 子 ( 核 酸 配 列 な ど ) に お け る 異 常 を 検 出 し 、 こ れ ら の 異 常 は VTを 起 こ
40
し た 白 色 人 種 の 少 な く と も 99% 、 ア ジ ア 人 の 少 な く と も 85% お よ び ア フ リ カ 人 の 少 な く と
も 88% に 認 め ら れ る 。 こ の よ う に 、 開 示 さ れ る 方 法 お よ び ア レ イ は 多 様 な 人 種 集 団 に 適 用
可能であることから強力なアプローチとなる。
【0422】
特 定 の 例 に お い て 、 開 示 さ れ る 方 法 お よ び ア レ イ は 、 プ ロ テ イ ン Cお よ び Sの 抗 原 性 お よ
び 活 性 に 基 づ く 測 定 、 AT III抗 原 お よ び 活 性 、 異 常 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 血 症 に 関 す る ト ロ ン
ビ ン 時 間 お よ び レ プ チ ラ ー ゼ 時 間 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン レ ベ ル の 定 量 的 測 定 、 な ら び に FV L
eiden多 型 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン 20210A多 型 お よ び MTHFR多 型 の PCRに 基 づ く 直 接 的 な 変 異 分 析
を含む、現在入手可能な血漿ベースの血栓形成傾向スクリーニングパネルと比較して費用
効果が高い。
50
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【0423】
例 え ば 、 開 示 さ れ る 方 法 は AT III欠 損 症 ア ッ セ イ を 上 回 る 利 点 を 提 供 す る が 、 そ の 理 由
は 、 開 示 さ れ る 方 法 が 、 I型 お よ び II型 欠 損 症 を 続 け て 行 わ れ る 2回 の 検 査 の 代 わ り に 1回
のアッセイで検出すること、診療現場で用いられる多くの自動化された機能的ヘパリン補
助因子アッセイでは長いインキュベーション時間のために残念ながら見落とされる恐れの
あ る 変 異 型 AT III II型 欠 損 を 検 出 す る こ と 、 な ら び に 高 率 な 偽 陽 性 を 回 避 す る こ と に よ
る。
【0424】
ま た 別 の 例 に お い て 、 開 示 さ れ る 方 法 は 、 機 能 性 PCレ ベ ル に 関 す る 凝 固 ア ッ セ イ 、 免 疫
学 的 PCア ッ セ イ お よ び PC活 性 に 関 す る 発 色 ア ッ セ イ を 含 む 、 PC欠 損 症 ア ッ セ イ を 上 回 る 利
10
点 を 提 供 す る が 、 そ の 理 由 は 、 開 示 さ れ る 方 法 が 1つ の 態 様 に お い て 、 I型 お よ び II型 欠 損
症 を 続 け て 行 わ れ る 3回 の 検 査 の 代 わ り に 1回 の ア ッ セ イ で 検 出 し 得 る こ と 、 低 い 正 常 レ ベ
ル と 軽 症 PC欠 損 症 と の 間 に か な り の 重 複 が 存 在 す る こ と に 起 因 す る 健 常 対 象 と 無 症 候 性 の
PC欠 損 症 個 体 と の 識 別 と い う 困 難 性 を 克 服 し 得 る こ と 、 PC濃 度 が 年 齢 の 関 数 と し て 10年 毎
に 約 4% 上 昇 す る こ と に 起 因 す る PC欠 損 症 個 体 の 過 少 判 定 を 回 避 す る こ と 、 な ら び に 高 率
の偽陽性を回避することによる。
【0425】
ま た 別 の 例 に お い て 、 開 示 さ れ る 方 法 は 、 機 能 性 PSレ ベ ル に 関 す る 凝 固 ア ッ セ イ 、 PSの
イ ム ノ ア ッ セ イ な ら び に 総 PSお よ び 遊 離 PSの 測 定 の た め の 固 相 酵 素 結 合 ア ッ セ イ を 含 む 、
PS欠 損 症 ア ッ セ イ を 上 回 る 利 点 を 提 供 す る が 、 そ の 理 由 は 、 開 示 さ れ る 方 法 が 1つ の 態 様
20
に お い て 、 量 的 お よ び 機 能 的 な 欠 陥 を 、 続 け て 行 わ れ る 4回 の 表 現 型 ア ッ セ イ の 代 わ り に 1
回 の ア ッ セ イ で 検 出 し 得 る こ と 、 血 漿 中 に 2種 類 の 分 子 形 態 の PSが 存 在 す る こ と ( 遊 離 PS
お よ び C4b-BP/PS複 合 体 ) に よ っ て 複 雑 化 す る 免 疫 学 的 ア ッ セ イ を 用 い た PS欠 損 症 の 診 断
の 困 難 性 を 克 服 す る こ と 、 対 照 と PS欠 損 症 個 体 と の 間 に 重 複 し た 値 が 存 在 す る こ と に 起 因
す る 健 常 対 象 と 無 症 候 性 の PS欠 損 症 個 体 、 特 に III型 PS欠 損 症 の 者 と の 識 別 と い う 困 難 性
を克服すること、ならびに高率の偽陽性を回避することによる。
【0426】
また別の例において、開示される方法は、第一選択の検査としてのトロンビン時間およ
びレプチラーゼ時間を含む、異常フィブリノーゲン血症に関するアッセイを上回る利点を
提供するが、その理由は、開示される方法が高率の偽陽性を回避することによる。
30
【0427】
臨床標本
対 象 の VTに 対 す る 遺 伝 的 素 因 の 判 定 に お い て 本 開 示 に 用 い る た め の 適 切 な 標 本 に は 、 任
意の従来の臨床試料、例えば血液または血液画分(血清など)が含まれる。このような試
料の収集のための手法は当技術分野で周知である(例えば、血清試料の採取については、
Schluger et al. J. Exp. Med. 176: 1327-33, 1992を 参 照 さ れ た い ) 。 血 清 ま た は そ の
他 の 血 液 画 分 は 従 来 の 様 式 で 調 製 す る こ と が で き る 。 例 え ば 、 約 200μ Lの 血 清 を 、 増 幅 反
応 に 用 い る た め の DNAの 抽 出 用 に 用 い る こ と が で き る 。
【0428】
ひとたび試料を入手すれば、試料をそのまま用いること、濃縮すること(例えば、遠心
40
処理または濾過による)、精製すること、またはそれらの組み合わせを行うこと、さらに
は 増 幅 反 応 を 行 う こ と が で き る 。 例 え ば 、 迅 速 な DNA調 製 を 、 市 販 の キ ッ ト ( InstaGene M
atrix, BioRad, Hercules, CA; NucliSens isolation kit, Organon Teknika, Netherlan
ds) を 用 い て 行 う こ と が で き る 。 1つ の 例 に お い て 、 DNA調 製 方 法 に よ り 、 核 酸 増 幅 に 利 用
可能で適用可能である、ヌクレオチド調製物が得られる。
【0429】
核酸分子の増幅
AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン (
第 II因 子 ) 、 MTHFR、 お よ び ACEか ら の 配 列 を 含 む 、 対 象 か ら 入 手 し て 増 幅 産 物 を 得 る た め
の 核 酸 試 料 は 、 検 出 前 に 臨 床 試 料 か ら 増 幅 す る こ と が で き る 。 1つ の 例 に お い て は 、 DNA配
50
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列 を 増 幅 す る 。 も う 1つ の 例 に お い て は 、 RNA配 列 を 増 幅 す る 。
【0430】
あ ら ゆ る 核 酸 増 幅 方 法 を 用 い る こ と が で き る 。 1つ の 具 体 的 で 非 制 限 的 な 例 に お い て は
、 静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 核 酸 配 列 を 増 幅 す る た め に ポ リ メ ラ ー ゼ 連 鎖 反 応 ( PCR) が
用 い ら れ る 。 そ の 他 の 例 示 的 な 方 法 に は 、 RT-PCR法 お よ び 転 写 を 介 し た 増 幅 ( TMA) が 非
制限的に含まれる。
【0431】
対 象 か ら 増 幅 し よ う と す る 標 的 配 列 に は 、 AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ
リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 第 II因 子 、 ACEお よ び MTHFRが 含 ま れ る 。 特 定 の 例 に お い て 、 増 幅
し よ う と す る VT関 連 標 的 は 、 AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第
10
V因 子 、 第 II因 子 、 MTHFR、 お よ び ACEか ら 本 質 的 に な る 、 ま た は そ れ ら の み か ら な る 。
【0432】
増幅反応にはプライマーの対を利用することができる。プライマーの一方または両方を
、例えば検出可能な放射性標識、蛍光団またはビオチン分子によって標識することができ
る 。 プ ラ イ マ ー の 対 に は 、 上 流 プ ラ イ マ ー ( 下 流 プ ラ イ マ ー に と っ て 5'側 に 結 合 す る ) お
よ び 下 流 プ ラ イ マ ー ( 上 流 プ ラ イ マ ー に と っ て 3'側 に 結 合 す る ) が 含 ま れ る 。 増 幅 反 応 に
用いられるプライマーの対は、静脈血栓症に関与する核酸の増幅を可能にする選択的プラ
イ マ ー で あ る 。 プ ラ イ マ ー は 、 表 1に 列 記 さ れ た 核 酸 分 子 、 ま た は 表 1に 列 記 さ れ た も の に
よって代表される核酸分子を増幅するように選択することができる。
【0433】
20
もう一対のプライマーを増幅反応に内部対照として含めることができる。例えば、これ
らのプライマーは「ハウスキーピング」核酸分子を増幅するために用いることができ、適
切 な 増 幅 の た め の コ ン フ ォ メ ー シ ョ ン を 与 え る た め に 役 立 つ 。 も う 1つ の 例 に お い て は 、
プライマーハイブリダイゼーション部位を含む標的核酸分子を構築し、増幅反応器に含め
ることができる。当業者は、内部対照プライマーとして役立てるためのプライマー対を容
易に特定し得ると考えられる。
【0434】
核酸配列およびタンパク質配列を検出するためのアレイ
特 定 の 例 に お い て 、 少 な く と も 1つ の VT関 連 遺 伝 子 に お け る 異 常 を 検 出 す る た め の 方 法
は、本明細書に開示されるアレイを利用する。このようなアレイは核酸分子を含み得る。
30
1つ の 例 に お い て 、 ア レ イ は 、 AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、
第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 ) 、 MTHFR、 お よ び ACEと い っ た 野 生 型 、 変 異 型 ま た
は 多 型 性 の VT遺 伝 子 配 列 と ハ イ ブ リ ダ イ ズ し 得 る 核 酸 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ を 含 む
。 1つ の 特 定 の 例 に お い て 、 ア レ イ は 、 表 1に 列 記 さ れ た 143種 の VT関 連 の 頻 発 性 の 変 異 お
よ び 多 型 を 認 識 し 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 、 例 え ば 、 偶 数 番 号 の SEQ ID NO: 2∼ 284お よ
び SEQ ID NO: 287に 示 さ れ た オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ な ど を 含 む 。 ま た 別 の 例 に お い
て 、 ア レ イ は 、 変 異 型 お よ び 野 生 型 の い ず れ も の 第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 )
、 AT III、 PC、 PS、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 MTHFR、 お よ び ACEの 配 列 、 例 え ば SEQ ID NO: 1∼
287な ど を 認 識 し 得 る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ を 含 む 。 こ の よ う な ア レ イ の あ る 種 の
も の ( な ら び に 本 明 細 書 に 記 載 し た 方 法 ) は 、 表 1に は 列 記 さ れ て い な い VT関 連 分 子 の ほ
40
か 、 1つ ま た は 複 数 の ハ ウ ス キ ー ピ ン グ 遺 伝 子 を 認 識 す る 1つ ま た は 複 数 の プ ロ ー ブ と い っ
た他の配列も含み得る。
【0435】
ア レ イ は 、 特 異 的 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ を 用 い て 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 プ ロ
テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 ) 、 MTH
FR、 お よ び ACEの 配 列 と い っ た 静 脈 血 栓 症 に 関 与 す る 増 幅 配 列 の 存 在 を 検 出 す る た め に 用
い る こ と が で き る 。 本 明 細 書 に お い て 「 VT検 出 用 ア レ イ 」 と 称 す る ア レ イ は 、 対 象 が 静 脈
血 栓 症 を 発 症 す る 遺 伝 的 感 受 性 を 判 定 す る た め に 用 い ら れ る 。 1つ の 例 に お い て は 、 オ リ
ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ の セ ッ ト を 、 対 象 か ら 入 手 し た 増 幅 核 酸 配 列 な ど の VT関 連 配 列 の
検出に用いるための固体支持体の表面に結合させる。さらに、内部対照核酸配列を増幅反
50
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応で増幅させる場合には(上記参照)、この増幅された核酸分子の存在を検出するために
オリゴヌクレオチドプローブを含めることができる。
【0436】
アレイに結合したオリゴヌクレオチドプローブは、増幅反応(高ストリンジェンシー条
件下などで)で増幅された配列と特異的に結合することができる。したがって、本方法に
用 い ら れ る 配 列 は 、 ア ン チ ト ロ ン ビ ン III、 PC、 PS、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第 V因 子 、 プ ロ ト
ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 ) 、 MTHFR、 お よ び ACEの 遺 伝 子 配 列 と い っ た VT関 連 配 列 を 認 識 す る オ
リゴヌクレオチドプローブである。このような配列は、さまざまな種の配列を調べ、特定
の 野 生 型 ま た は 変 異 型 の 配 列 ( 表 1に 列 記 さ れ た も の 、 ま た は 表 1に 列 記 さ れ た も の に よ っ
て代表されるもの)とは特異的にアニーリングするが、他のものとはアニーリングしない
10
プ ラ イ マ ー を 選 択 す る こ と に よ っ て 決 定 し 得 る 。 当 業 者 は 、 増 幅 さ れ た 他 の VT関 連 核 酸 配
列 の 検 出 の た め に 固 体 支 持 体 の 表 面 に 結 合 さ せ 得 る 、 そ の 他 の VT関 連 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド
分子を特定し得ると考えられる。
【0437】
本開示に従った方法および装置は、適切な条件下ではオリゴヌクレオチドが相補的塩基
配列を有する核酸分子と塩基対合性二重鎖を形成するという事実を利用している。二重鎖
の安定性は、オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成およびハイブリダイゼーションが行わ
れる溶液の組成を含む、さまざまな要因に依存する。二重鎖の安定性に対する塩基組成の
影響は、例えば、高濃度の第三級アミンまたは第四級アミンの存在下のような特定の溶液
中でハイブリダイゼーションを行うことによって軽減され得る。
20
【0438】
二重鎖の熱安定性も配列間の配列類似性の程度に依存する。標的配列とアレイに結合し
たオリゴヌクレオチドとの間で形成されると考えられる二重鎖のタイプについて予想され
る Tmに 近 い 温 度 で ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン を 行 う こ と に よ り 、 ミ ス マ ッ チ 二 重 鎖 の 形 成 の
速度をかなり抑制することができる。
【0439】
ア レ イ 中 に 用 い ら れ る 各 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 の 長 さ は 、 標 的 VT関 連 核 酸 配 列 の 結 合
が 最 適 化 さ れ る よ う に 選 択 す る こ と が で き る 。 特 定 の ス ク リ ー ニ ン グ 条 件 下 で 特 定 の VT関
連核酸配列とともに用いるために最適な長さは経験的に決定し得る。このようにして、ア
レイ中のものを含む、オリゴヌクレオチド配列のセットのそれぞれの個々の要素の長さを
30
、 ス ク リ ー ニ ン グ 用 に 最 適 化 す る こ と が で き る 。 1つ の 例 に お い て 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド
プ ロ ー ブ は 約 20∼ 約 35ヌ ク レ オ チ ド 長 ま た は 約 25∼ 約 40ヌ ク レ オ チ ド 長 で あ る 。
【0440】
ア レ イ を 形 成 す る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ 配 列 は 、 例 え ば プ ロ ー ブ の 5'末 端 ま た は
3'末 端 を 介 し て 、 支 持 体 と 直 接 結 合 さ せ る こ と が で き る 。 1つ の 例 に お い て 、 オ リ ゴ ヌ ク
レ オ チ ド は 5'末 端 に よ っ て 固 体 支 持 体 と 結 合 し て い る 。 し か し 、 当 業 者 は 、 オ リ ゴ ヌ ク レ
オ チ ド の 3'末 端 ま た は 5'末 端 の 使 用 が 、 固 体 支 持 体 に 対 す る 結 合 に 適 し て い る か 否 か を 判
定 す る こ と が で き る 。 一 般 に 、 3'末 端 お よ び 5'末 端 の 領 域 に お け る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ
ローブの内部相補性が支持体に対する結合を決定する。または、固体支持体に対するスペ
ー サ ー ま た は リ ン カ ー と し て 役 立 つ オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド ま た は そ の 他 の 分 子 の よ う な VTと
40
関連性のない配列により、オリゴヌクレオチドプローブを支持体と結合させることもでき
る。
【0441】
も う 1つ の 例 に お い て 、 ア レ イ は 、 表 1に 列 記 さ れ た 核 酸 分 子 ( ま た は 列 記 さ れ た 配 列 の
い ず れ か を 含 む 遺 伝 子 、 cDNAも し く は 他 の ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 、 ま た は そ の 断 片 ) に よ
ってコードされるもの、またはこのようなタンパク質もしくは抗体の断片、またはこのよ
う な タ ン パ ク 質 も し く は タ ン パ ク 質 断 片 に 対 し て 特 異 的 な 抗 体 と い っ た 、 少 な く と も 1つ
の VT関 連 タ ン パ ク 質 を 含 む タ ン パ ク 質 配 列 を 含 む 。 こ の よ う な ア レ イ は ま た 、 表 1に 列 記
された核酸(または対応する分子)の任意の特定のサブセットも含み得る。アレイを形成
するタンパク質または抗体は、支持体と直接結合させることができる。または、タンパク
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質または抗体を、支持体に対するスペーサーまたはリンカーによって支持体と結合させる
こともできる。
【0442】
VT関 連 タ ン パ ク 質 に お け る 異 常 は 、 例 え ば 、 VTタ ン パ ク 質 に 特 異 的 な 結 合 物 質 を 用 い て
検出することができ、これは場合によっては検出可能なように標識されると考えられる。
し た が っ て 、 あ る 特 定 の 例 に お い て 、 異 常 の 検 出 は 、 対 象 か ら の 試 料 を VTタ ン パ ク 質 に 特
異的な結合物質と接触させる段階;および結合物質が試料と結合したか否かを検出し、そ
れ に よ っ て 試 料 中 に 存 在 す る VT関 連 タ ン パ ク 質 の レ ベ ル を 測 定 す る 段 階 を 含 み 、 試 料 中 の
VT関 連 タ ン パ ク 質 の レ ベ ル に 、 VTを 発 症 す る 素 因 の な い 対 象 か ら の 類 似 の 試 料 で 認 め ら れ
る VT関 連 タ ン パ ク 質 の レ ベ ル 、 ま た は VTを 発 症 す る 素 因 を 有 し な い 類 似 の 試 料 に お け る 標
10
準 的 な VT関 連 タ ン パ ク 質 レ ベ ル と の 差 が あ る こ と に よ っ て そ の VT関 連 分 子 に お け る 異 常 が
表される。
【0443】
特定の例において、マイクロアレイ材料は、ガラス(二酸化ケイ素)によって構成され
る。固体支持体用に適した二酸化ケイ素のタイプには、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩
、シリカ、ソーダ石灰、チタン酸亜鉛および溶融シリカが非制限的に含まれる(例えば、
Schena, 「 Micraoarray Analysis.」 John Wiley & Sons, Inc,Hoboken, New Jersey, 200
3を 参 照 さ れ た い ) 。 ガ ラ ス の 表 面 に 対 す る 核 酸 の 結 合 は 、 当 技 術 分 野 で 公 知 の 方 法 に よ
って、例えば、有機ポリマーを形成する表面処理によって行うことができる。具体的な例
には以下のものが非制限的に含まれる:ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、
20
ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリビニルピロリジン、ポリテト
ラ フ ル オ ロ エ チ レ ン 、 ポ リ ビ ニ リ デ ン ジ フ ル オ リ ド 、 ポ リ フ ル オ ロ エ チ レ ン -プ ロ ピ レ ン
、ポリエチレンビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリスルホン、水酸化二軸延伸ポリプロピレン、アミノ化二軸延伸ポリプロピレン、
チ オ ー ル 化 二 軸 延 伸 ポ リ プ ロ ピ レ ン 、 エ チ レ ン ア ク リ ル 酸 、 チ レ ン ( thylene) メ タ ク リ
ル 酸 お よ び そ れ ら の 共 重 合 体 の 混 合 物 ( 米 国 特 許 第 5,985,567号 を 参 照 の こ と 。 こ れ は 本
明細書に参照として組み入れられる)、化学的活性のあるアミン基またはアルデヒド基を
与えるオルガノシラン化合物、エポキシまたはポリリジンによるマイクロアレイの処理。
固 体 支 持 体 表 面 の も う 1つ の 例 は ポ リ プ ロ ピ レ ン で あ る 。
【0444】
30
一般に、固体支持体表面を構成するために用い得る材料の適した特性には、以下のもの
が含まれる:活性化されると支持体の表面にオリゴヌクレオチドなどの生体分子が共有結
合し得るように、表面活性化が適用可能であること;生体分子の「インサイチュー」合成
が適用可能であること;オリゴヌクレオチドによって占有されていない支持体上の領域が
非特異的結合を受けないように、化学的に不活性であること、または非特異的結合が起こ
る場合には、オリゴヌクレオチドを除去せずに、このような材料を表面から容易に除去し
得ること。
【0445】
1つ の 例 に お い て 、 表 面 処 理 物 質 は ア ミ ン を 含 む シ ラ ン 誘 導 体 で あ る 。 ア ミ ン 表 面 に 対
す る 核 酸 の 結 合 は 、 DNA骨 格 上 の 負 に 荷 電 し た リ ン 酸 基 と 正 に 荷 電 し た ア ミ ノ 基 と の 間 の
40
相 互 作 用 に よ っ て 起 こ る ( Schena,「 Micraoarray Analysis」 . John Wiley & Sons, Inc,
Hoboken, New Jersey, 2003。 こ れ は 本 明 細 書 に 参 照 と し て 組 み 入 れ ら れ る ) 。 も う 1つ
の例では、反応性アルデヒド基を表面処理物質として用いる。アルデヒド表面に対する結
合 は 、 関 心 対 象 の DNAに 5'ア ミ ノ 基 ま た は ア ミ ノ リ ン カ ー を 付 加 す る こ と に よ っ て 行 わ れ
る。結合は、アミンリンカー上の非結合性電子対が、アルデヒド基の電気陽性炭素原子を
攻撃する求核基として作用した場合に起こる(同上)。
【0446】
多岐にわたるアレイ形式を本開示に従って用いることができる。その一例にはオリゴヌ
クレオチドのバンドの線状アレイが含まれ、これは一般に当技術分野ではディップスティ
ッ ク と 呼 ば れ る 。 も う 1つ の 適 し た 形 式 に は 、 離 散 的 セ ル の 二 次 元 パ タ ー ン が 含 ま れ る ( 6
50
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4× 64ア レ イ 状 の 4096個 の 正 方 形 な ど ) 。 当 業 者 に は 理 解 さ れ る で あ ろ う が 、 ス ロ ッ ト 状
(矩形)および環状のアレイを非制限的に含むその他のアレイ形式も同様に使用に適して
い る ( 米 国 特 許 第 5,981,185号 を 参 照 の こ と 。 こ れ は 本 明 細 書 に 参 照 と し て 組 み 入 れ ら れ
る ) 。 1つ の 例 に お い て 、 ア レ イ は 、 線 維 、 膜 ま た は フ ィ ル ム で あ る ポ リ マ ー 媒 質 上 に 形
成 さ れ る 。 有 機 ポ リ マ ー 媒 質 の 一 例 は 、 厚 み が 約 1ミ ル ( 0.001イ ン チ ) ∼ 約 20ミ ル 程 度 で
あるポリプロピレンシートであるが、フィルムの厚みは特に重要ではなく、かなり広い範
囲にわたり得る。今回アレイの作製に関して特に開示されるのは、二軸延伸ポリプロピレ
ン ( BOPP) フ ィ ル ム で あ る ; BOPPフ ィ ル ム は 耐 久 性 が あ る こ と に 加 え て 、 バ ッ ク グ ラ ウ ン
ド の 蛍 光 が 少 な い 。 1つ の 特 定 の 例 に お い て 、 ア レ イ は ア レ ル 特 異 的 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド
( ASO) を ベ ー ス に し た 固 相 核 酸 ア レ イ で あ る 。
10
【0447】
本開示のアレイ形式には、多岐にわたるさまざまなタイプの形式が含まれ得る。「形式
」には、固体支持体を付着させ得る、マイクロタイタープレート、試験管、無機シート、
ディップスティックなどの任意の形式が含まれる。例えば、固体支持体がポリプロピレン
糸 で あ る 場 合 に は 、 1つ ま た は 複 数 の ポ リ プ ロ ピ レ ン 糸 を 合 成 樹 脂 製 の デ ィ ッ プ ス テ ィ ッ
ク型デバイスに対して付着させることができる;ポリプロピレン膜はスライドガラスに付
着させ得る。具体的な形式それ自体は重要ではない。必要なのは、固体支持体またはその
上に吸収された生体高分子の機能的挙動に影響を及ぼさずに固体支持体を付着させ得るこ
と、およびその形式(ディップスティックまたはスライドなど)が、デバイスが内部に導
入される材料(臨床試料およびハイブリダイゼーション溶液など)に対して安定であるこ
20
とだけである。
【0448】
本 開 示 の ア レ イ は 、 さ ま ざ ま な ア プ ロ ー チ に よ っ て 作 製 す る こ と が で き る 。 1つ の 例 に
おいては、オリゴヌクレオチド配列またはタンパク質配列を別々に合成し、続いて固体支
持 体 に 結 合 さ せ る ( 米 国 特 許 第 6,013,789号 を 参 照 の こ と 。 こ れ は 本 明 細 書 に 参 照 と し て
組 み 入 れ ら れ る ) 。 も う 1つ の 例 に お い て 、 配 列 は 、 所 望 の ア レ イ を 得 る た め に 支 持 体 上
で 直 接 合 成 さ れ る ( 米 国 特 許 第 5,554,501号 を 参 照 の こ と 。 こ れ は 本 明 細 書 に 参 照 と し て
組み入れられる)。オリゴヌクレオチドおよびタンパク質を固体支持体と共有結合させる
ため、ならびにオリゴヌクレオチドまたはタンパク質を支持体上で直接合成するために適
し た 方 法 は 、 当 業 者 に 公 知 で あ る ; 適 し た 方 法 の 概 要 は 、 Matson et al., Anal. Biochem
30
. 217: 306-10, 1994に 記 載 さ れ て い る 。 1つ の 例 に お い て 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド は 、 オ リ
ゴヌクレオチドを固体支持体上で調製するための従来の化学的手法を用いて支持体上で合
成 さ れ る ( PCT出 願 WO 85/01051号 お よ び WO 89/10977号 ま た は 米 国 特 許 第 5,554,501号 な ど
を参照のこと。これらは本明細書に参照として組み入れられる)。
【0449】
適 し た ア レ イ は 、 4種 の 塩 基 の 前 駆 体 を 所 定 の パ タ ー ン で 固 着 さ せ る こ と に よ っ て オ リ
ゴヌクレオチドをアレイのセル内に合成するための自動化された手段を用いて作製するこ
とができる。手短に述べると、多チャンネルの自動化された化学物質送出システムを用い
て、オリゴヌクレオチドプローブ集団を、基板を横断するような平行した列(送出システ
ム に お け る チ ャ ン ネ ル 数 に 対 応 す る ) と し て 作 り 出 す 。 第 1の 方 向 で の オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ
40
ド 合 成 の 完 了 後 に 、 基 板 を 90° 回 転 さ せ 、 第 1の セ ッ ト に 対 し て 今 度 は 直 交 す る 第 2の ( 2
゜)セットの列における合成を進行させる。この工程は、交点が多数の離散的セルとなっ
た多チャンネルのアレイを作り出す。
【0450】
特定の例において、アレイ上のオリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオチドプ
ロ ー ブ : 標 的 配 列 ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン 複 合 体 の 検 出 を 可 能 に す る 1つ ま た は 複 数 の 標
識を含む。
【0451】
核酸およびタンパク質の検出
対 象 か ら 入 手 し た 核 酸 お よ び タ ン パ ク 質 は 、 表 1に 列 記 さ れ た も の な ど の 、 静 脈 血 栓 症
50
(49)
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と 関 連 性 の あ る 1つ ま た は 複 数 の 遺 伝 子 中 に 、 1つ ま た は 複 数 の 挿 入 、 欠 失 、 置 換 ま た は そ
れらの組み合わせを含む可能性がある。このような変異または多型(またはその両方)を
検出することで、対象が静脈血栓症を発症する遺伝的素因を有するか否かを判定すること
ができる。物理的または機能的アッセイといった、核酸分子またはタンパク質を検出する
ための任意の方法を用いることができる。
【0452】
核酸分子およびタンパク質を、それらを検出し得るように標識するための方法は周知で
ある。このような標識の例には、非放射性標識および放射性標識が含まれる。非放射性標
識 に は 、 酵 素 、 化 学 発 光 性 化 合 物 、 蛍 光 性 化 合 物 ( FITC、 Cy3お よ び Cy5な ど ) 、 金 属 複 合
体、ハプテン、酵素、比色用物質、色素またはそれらの組み合わせが非制限的に含まれる
。放射性標識には、
1 2 5
Iお よ び
3 5
10
Sが 非 制 限 的 に 含 ま れ る 。 例 え ば 、 放 射 性 お よ び 蛍
光性の標識方法、ならびに当技術分野で公知の他の方法が、本開示に用いるのに適してい
る 。 1つ の 例 で は 、 対 象 の 核 酸 を 増 幅 す る た め に 用 い る プ ラ イ マ ー を 標 識 す る ( ビ オ チ ン
、 放 射 性 標 識 ま た は 蛍 光 団 な ど に よ り ) 。 も う 1つ の 例 で は 、 増 幅 さ れ た 核 酸 試 料 を 末 端
標識して、標識された増幅材料を形成させる。例えば、標識ヌクレオチドを増幅反応に含
め る こ と に よ り 、 増 幅 さ れ た 核 酸 分 子 を 標 識 す る こ と が で き る 。 1つ の 特 定 の 例 に お い て
は、対象から入手したタンパク質を標識し、その後に、例えばそれらをアレイに対して適
用することによって分析する。
【0453】
静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 、 増 幅 さ れ た 核 酸 分 子 を 、 VT検 出 用 ア レ イ に 対 し て 適 し た ハ
20
イブリダイゼーション条件下で適用し、ハイブリダイゼーション複合体を形成させる。特
定 の 例 に お い て 、 増 幅 さ れ た 核 酸 分 子 は 標 識 を 含 む 。 1つ の 例 に お い て 、 有 機 化 合 物 の 前
処理用溶液、有機化合物を含む溶液、または温水を、ハイブリダイゼーションの前に適用
す る こ と が で き る ( 米 国 特 許 第 5,985,567号 を 参 照 の こ と 。 こ れ は 本 明 細 書 に 参 照 と し て
組み入れられる)。
【0454】
アレイと標的材料との所定の組み合わせに関するハイブリダイゼーション条件を、予想
さ れ る 二 重 鎖 の Tmに 近 い 経 験 的 な 様 式 で ル ー チ ン 的 に 最 適 化 し 、 そ れ に よ っ て 方 法 の 識 別
能力を最大限に高めることができる。結合が起こるアレイ中の位置(セルなど)の同定に
より、増幅された材料中に存在する、静脈血栓症と関連性のある配列の迅速かつ正確な同
30
定が可能となる(以下を参照)。
【0455】
ハイブリダイゼーション条件は、合致するオリゴヌクレオチドと合致しないオリゴヌク
レオチドとの識別を可能にするように選択される。ハイブリダイゼーション条件は、フィ
ルターに対するハイブリダイゼーションのための標準的な手順に適することが知られたも
のに対応するように選択して、続いて本開示のアレイに用いるために最適化することがで
き る 。 例 え ば 、 1つ の 型 の 標 的 の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン の た め に 適 し た 条 件 は 、 他 の 標
的をアレイに対して用いるために調整されると考えられる。具体的には、温度は、厳密に
相 補 的 な VT関 連 の 野 生 型 ま た は 変 異 型 配 列 以 外 の 配 列 間 で の 二 重 鎖 の 形 成 が 実 質 的 に 排 除
されるように制御される。さまざまな公知のハイブリダイゼーション溶媒を用いることが
40
で き 、 そ の 選 択 は 当 業 者 に 公 知 の 検 討 事 項 に 依 存 す る ( 米 国 特 許 第 5,981,185号 を 参 照 の
こと。これは本明細書に参照として組み入れられる)。
【0456】
ひ と た び 、 静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 増 幅 さ れ た 核 酸 分 子 が 、 VT検 出 用 ア レ イ 中 に 存 在
するオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしたところで、ハイブリダイゼーション複合体
の存在を、例えば複合体を検出することによって分析することができる。
【0457】
オリゴヌクレオチドプローブのアレイにおけるハイブリダイズした複合体の検出は、以
前 に 記 載 さ れ て い る ( 米 国 特 許 第 5,985,567号 を 参 照 の こ と 。 こ れ は 本 明 細 書 に 参 照 と し
て 組 み 入 れ ら れ る ) 。 1つ の 例 に お い て 、 検 出 は 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 、 増 幅 配 列 ま た は
50
(50)
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そ の 両 方 に 存 在 す る 、 1つ ま た は 複 数 の 標 識 を 検 出 す る 段 階 を 含 む 。 特 定 の 例 に お い て 、
顕 色 化 は 、 緩 衝 液 を 適 用 す る 段 階 を 含 む 。 1つ の 態 様 に お い て 、 緩 衝 液 は 、 ク エ ン 酸 ナ ト
リウム食塩水、リン酸ナトリウム食塩水、塩化テトラメチルアンモニウム、クエン酸ナト
リ ウ ム 食 塩 水 -エ チ レ ン ジ ア ミ ン 四 酢 酸 、 ク エ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 食 塩 水 -ド デ シ ル 硫 酸 ナ ト リ
ウ ム 、 リ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 食 塩 水 -エ チ レ ン ジ ア ミ ン 四 酢 酸 、 リ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 食 塩 水 -ド デ
シ ル 硫 酸 ナ ト リ ウ ム 、 塩 化 テ ト ラ メ チ ル ア ン モ ニ ウ ム -エ チ レ ン ジ ア ミ ン 四 酢 酸 、 塩 化 テ
ト ラ メ チ ル ア ン モ ニ ウ ム -ド デ シ ル 硫 酸 ナ ト リ ウ ム 、 ま た は そ れ ら の 組 み 合 わ せ で あ る 。
しかし、他の適した緩衝液を用いることもできる。
【0458】
検出はさらに、ハイブリダイズした複合体を、ハイブリダイズした複合体と検出用標識
10
との結合またはカップリングを行わせるために結合用溶液で処理する段階、および結合し
た ハ イ ブ リ ダ イ ズ し た 複 合 体 を 検 出 用 試 薬 で 処 理 す る 段 階 を 含 む 。 1つ の 例 に お い て 、 結
合用溶液には、ストレプトアビジンアルカリホスファターゼ、アビジンアルカリホスファ
ターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼが含まれる。結合用溶液の具体的で非制限的な
例には、ストレプトアビジンアルカリホスファターゼ、アビジンアルカリホスファターゼ
または西洋ワサビペルオキシダーゼが含まれる。結合したハイブリダイズした複合体を、
検 出 用 試 薬 で 処 理 す る こ と が で き る 。 1つ の 例 に お い て 、 検 出 用 試 薬 に は 、 酵 素 標 識 さ れ
た 蛍 光 試 薬 ま た は 熱 量 測 定 ( calorimetric) 試 薬 が 含 ま れ る 。 1つ の 具 体 的 で 非 制 限 的 な
例 に お い て 、 検 出 用 試 薬 は 、 Molecular Probes, Inc.( Eugene, OR) の 酵 素 標 識 蛍 光 試 薬
( ELF) で あ る 。 続 い て 、 ハ イ ブ リ ダ イ ズ し た 複 合 体 を 、 紫 外 線 ( UV) 徹 照 装 置 ( Upland,
20
CAの UVP, Inc.に よ り 製 造 ) な ど の 検 出 用 デ バ イ ス に 配 置 す る 。 シ グ ナ ル を 顕 色 化 し 、 シ
グ ナ ル 強 度 の 上 昇 を 電 荷 結 合 素 子 ( CCD) カ メ ラ ( Tucson, AZの Photometrics, Inc.に よ
り製造)などの記録装置を用いて記録することができる。特定の例において、これらの段
階は、放射性標識を用いる場合には行われない。
【0459】
特定の例において、本方法はさらに、例えばハイブリダイゼーションの量を測定するこ
とによる定量を含む。
【0460】
キット
本開示は、それ以外の点では健常なヒト対象などの対象に、静脈血栓症に対する遺伝的
30
な素因があるか否かを判定するためのキットを提供する。このようなキットは、対象が、
表 1に 列 記 さ れ た も の を 含 む 静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 配 列 中 に 1つ ま た は 複 数 の 遺 伝 的 変
異または多型を有するか否かを判定することを可能にする。
【0461】
開 示 さ れ る キ ッ ト は 、 キ ッ ト の 標 的 で あ る VT関 連 分 子 ( 変 異 型 ま た は 野 生 型 の 核 酸 分 子
など)と選択的にハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドプローブなどの結合性分子を
含 む 。 1つ の 例 に お い て 、 キ ッ ト は 、 SEQ ID NO: 1∼ 287に 示 さ れ た オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ
ロ ー ブ ま た は そ の サ ブ セ ッ ト 、 例 え ば 、 偶 数 番 号 の SEQ ID NO: 2∼ 284お よ び SEQ ID NO:
287、 ま た は 奇 数 番 号 の SEQ ID NO: 1∼ 285お よ び SEQ ID NO: 286な ど を 含 む 。 も う 1つ の
例 に お い て 、 キ ッ ト は 、 SEQ ID NO: 1∼ 287に 示 さ れ た プ ロ ー ブ の う ち 少 な く と も 20種 、
40
例 え ば 、 SEQ ID NO: 1∼ 287に 示 さ れ た プ ロ ー ブ の う ち 少 な く と も 50種 、 少 な く と も 75種
、 少 な く と も 100種 、 少 な く と も 125種 、 少 な く と も 150種 、 少 な く と も 175種 、 少 な く と も
200種 、 少 な く と も 225種 ま た は 少 な く と も 250種 を 含 む 。 SEQ ID NO: 1∼ 287の い ず れ か の
少 な く と も 15個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド 、 例 え ば 、 SEQ ID NO: 1∼ 287の い ず れ か の 少 な
く と も 16個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド 、 少 な く と も 17個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド 、 少 な く と
も 18個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド 、 少 な く と も 19個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド 、 少 な く と も 20
個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド 、 少 な く と も 21個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド 、 少 な く と も 22個 の
連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド 、 少 な く と も 23個 の 連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド ま た は 少 な く と も 24個 の
連 続 し た ヌ ク レ オ チ ド を 含 む 断 片 と い っ た 、 SEQ ID NO: 1∼ 287に 示 さ れ た 完 全 長 プ ロ ー
ブの断片も用い得ることは認識されている。
50
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【0462】
1つ の 特 定 の 例 に お い て 、 キ ッ ト は 、 野 生 型 VT関 連 タ ン パ ク 質 に 対 し て 、 ま た は 変 異 型
も し く は 多 型 性 タ ン パ ク 質 に 対 し て 結 合 し 得 る 抗 体 を 含 む 。 こ の よ う な 抗 体 は 、 野 生 型 VT
関 連 タ ン パ ク 質 と 変 異 型 ま た は 多 型 性 の VT関 連 タ ン パ ク 質 と を 識 別 す る 能 力 を 有 す る 。
【0463】
本キットはさらに、緩衝液、関心対象のシグナルを顕色化するための結合用溶液、また
は 関 心 対 象 の シ グ ナ ル を 検 出 す る た め の 検 出 用 試 薬 の う ち 1つ ま た は 複 数 を 、 容 器 な ど の
そ れ ぞ れ 別 々 の パ ッ ケ ー ジ 中 に 含 み 得 る 。 も う 1つ の 例 に お い て 、 キ ッ ト は 、 陽 性 対 照 と
し て 役 立 つ 、 VT検 出 用 ア レ イ と の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン の た め の 複 数 の VT関 連 標 的 核 酸
配 列 を 含 む 。 標 的 核 酸 配 列 に は 、 DNA、 RNAお よ び ペ プ チ ド 核 酸 な ど の オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド
10
が 含 ま れ 得 る 、 ま た は PCR断 片 が 含 ま れ 得 る 。
【0464】
静脈血栓症の予防的療法
本開示はまた、静脈血栓症を発症する遺伝的素因があると判定された対象における静脈
血栓症の発生を回避する、またはその発生率を低下させる方法も提供する。例えば、上記
の ス ク リ ー ニ ン グ 方 法 を 用 い て 対 象 に お け る 少 な く と も 1つ の VT関 連 分 子 中 の 変 異 ま た は
多型が検出されたならば、静脈血栓症の発生を回避するため、もしくはその発生率を低下
させるため、または静脈血栓症の発症を遅らせるための処置を選択する。続いて、対象を
こ の 選 択 に 従 っ て 、 例 え ば 1つ ま た は 複 数 の 抗 血 液 凝 固 剤 の 投 与 に よ っ て 処 置 す る こ と が
で き る 。 い く つ か の 例 に お い て 、 選 択 さ れ る 処 置 は 、 1つ ま た は 複 数 の VT関 連 分 子 に 関 す
20
る対象のプロフィールに基づき、対象に対して特異的であって適合化されたものとなって
いる。
【0465】
本開示をさらに、以下の非制限的な実施例によって例示する。
【0466】
実施例1
静脈血栓症と関連性のある変異および多型
表 1は 、 8種 類 の 遺 伝 子 に お け る 静 脈 血 栓 症 と 関 連 性 の あ る 現 在 判 明 し て い る 143種 の 頻
発性の変異および多型のすべてのスクリーニングを可能にするアレイを設計するために用
い ら れ る 、 VTに 関 連 し た 核 酸 配 列 お よ び タ ン パ ク 質 配 列 を 記 載 し て い る 。 し か し 、 当 業 者
は 、 現 時 点 で は 同 定 さ れ て い な い 、 そ の ほ か の 頻 発 性 の VTに 関 連 し た 変 異 お よ び 多 型 も 用
い 得 る こ と を 理 解 し て い る と 考 え ら れ る 。 変 異 /多 型 の 部 位 で あ る 可 能 性 の あ る 各 部 位 に
関 し て 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ を 2つ ず つ 設 計 し た ( 実 施 例 3参 照 ) 。
【0467】
(表1)静脈血栓症と関連性のある変異および多型
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20
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*ヌ ク レ オ チ ド ま た は ア ミ ノ 酸 の 番 号 は ヒ ト の 配 列 を 指 し て い る 。 し か し 当 業 者 は 他 の 生
物に関して対応するヌクレオチドまたはアミノ酸を決定することができる。
20
【0468】
実施例2
静脈血栓症の予測に関する統計分析
こ の 実 施 例 は 、 MERTが 、 143種 の ア レ ル を 同 時 に 評 価 す る こ と に よ り 、 た と え リ ス ク に
対 す る 各 ア レ ル の 寄 与 が 小 さ く て VTを 引 き 起 こ す に は 十 分 で な い と し て も 、 VTを 発 症 す る
リスクが極めて高い個体の同定において高度の臨床的有効性を与えることを示す。
【0469】
開示される方法が、健常対象が静脈血栓症を発症する確率を予測し得ることを統計学的
に示すために、以下の方法を用いた。以下に記載した結果は、素因となる多数の遺伝因子
を同時に考慮することにより、静脈血栓症に関する疾患予測が大きく改善されることを示
30
し て い る 。 多 数 の 静 脈 血 栓 症 ( VT) 関 連 感 受 性 遺 伝 子 の 欠 陥 に 関 す る 同 時 ス ク リ ー ニ ン グ
が 静 脈 血 栓 症 の 発 症 に 関 す る 予 測 を い か に 改 善 す る か を 示 す た め に 、 各 々 の VT関 連 感 受 性
遺 伝 子 検 査 に 関 す る 尤 度 比 を ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 に よ っ て 算 出 し 、 続 い て 一 群 の VT関 連 感
受 性 遺 伝 子 検 査 に 関 す る 複 合 尤 度 比 ( LR) を 、 各 検 査 が 独 立 し て い る と 仮 定 し て 個 々 の 検
査 の 尤 度 比 ( LR) の 積 と し て 単 純 に 算 出 し た 。
【0470】
こ れ ら の 算 出 の た め に は 、 対 照 被 験 者 お よ び 任 意 抽 出 し た VT患 者 の 双 方 に お い て 頻 度 が
確 立 さ れ て い る 、 8つ の VT関 連 遺 伝 子 に お け る 10種 の VT関 連 感 受 性 ア レ ル を 選 択 し た 。
【0471】
該 当 す る ア レ ル 頻 度 を 、 VTに 関 連 し た 遺 伝 的 感 受 性 に 関 し て さ ま ざ ま な 人 種 集 団 で 実 施
さ れ た 、 以 前 に 報 告 さ れ た ケ ー ス コ ン ト ロ ー ル 研 究 か ら の デ ー タ を 用 い て 、 AT III、 プ ロ
テ イ ン Cお よ び プ ロ テ イ ン S欠 損 症 、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン Thr312Ala、 FV Leiden( G1691A) 、
FV G1628A、 FV A4070G( R2ア レ ル ) 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン G20210A、 MTHFR C677Gお よ び ACE DD
の変異に関して得た。
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【0472】
( 表 2 ) 対 照 被 験 者 お よ び 任 意 抽 出 し た VT患 者 に お け る 遺 伝 性 血 栓 形 成 傾 向 の 頻 度
30
40
I白 人 被 験 者
IIア ジ ア 人 被 験 者
IIIア フ リ カ 、 北 米 、 ア ジ ア 、 オ ー ス ト ラ リ ア 、 ラ テ ン ア メ リ カ お よ び 中 東 お よ び イ ヌ イ
ットからの被験者である、欧州外の被験者
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IVア フ リ カ 人 被 験 者
V北 米 、 ラ テ ン ア メ リ カ 、 ア ジ ア お よ び 太 平 洋 諸 島 か ら の 、 欧 州 外 の 被 験 者
VIア フ リ カ 系 ア メ リ カ 人 被 験 者
【0473】
LRの 算 出 は ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 に よ っ て 行 っ た 。 さ ま ざ ま な 人 種 集 団 に お け る VTの 遺 伝
的感受性に関する以前に報告されたケースコントロール研究から取得したデータをリスク
オ ッ ズ 比 の 妥 当 な 推 測 値 と し て 処 理 す る こ と に よ り 、 各 ア レ ル の 検 査 陽 性 に 関 す る LRを 、
以 前 の 記 載 の 通 り に 結 果 の 外 挿 に よ っ て 算 出 し た ( Albert, Clin. Chem.. 28: 1113-9, 1
982; McCullagh and Nelder, Chapman and Hall, London, 1989; Yang et al., Am. J. H
um. Genet., 72: 636-49, 2003) 。 静 脈 血 栓 症 の 事 後 確 率 ( 静 脈 血 栓 症 を 発 症 す る 確 率 )
10
を、各遺伝子検査に関して、アレル検査結果が陽性である個体に関して決定した(各遺伝
子検査の陽性適中率としても知られる)。
【0474】
それぞれの静脈血栓症関連感受性遺伝子に関する、算出された尤度比および陽性適中率
は 表 3に 示 さ れ て い る 。
【0475】
( 表 3 ) 健 常 対 象 に お け る VTの 発 症 に 関 す る 、 MERTを 用 い た 単 一 の 感 受 性 遺 伝 子 お よ び
多数の遺伝子のスクリーニングの尤度比および陽性適中率
20
30
† 白 人 集 団 ; ‡ ア ジ ア 人 集 団 ; *ア フ リ カ 人 集 団
【0476】
続 い て 、 8種 類 の 遺 伝 子 に お け る 遺 伝 的 欠 陥 の そ れ ぞ れ の 影 響 が 独 立 し て い る こ と 、 お
40
よ び す べ て の 相 互 作 用 的 な 影 響 が 純 粋 に 相 乗 的 で あ る こ と を 仮 定 し て 、 LRを 、 10種 の VT関
連遺伝子感受性検査の一群に関して、個々の検査結果の尤度比の積として算出した。
【0477】
表 3に 示 さ れ て い る よ う に 、 そ れ ぞ れ の 遺 伝 子 検 査 で は 、 静 脈 血 栓 症 を 発 症 す る 確 率 に
関 し て 限 定 的 な 予 測 情 報 し か 得 ら れ な か っ た が ( 各 検 査 に 関 し て 疾 患 の 事 後 確 率 は 0.12%
∼ 2.5% の 範 囲 で あ っ た ) 、 開 示 さ れ る 方 法 を 用 い る こ と に よ り 、 任 意 抽 出 し た 患 者 を 用
い て 推 定 し た 場 合 に 静 脈 血 栓 症 が 発 生 す る 事 後 確 率 は 白 色 人 種 に 関 し て は 99.7% 、 ア ジ ア
人 に 関 し て は 85.1% 、 ア フ リ カ 人 集 団 に 関 し て は 88.7% に 上 昇 し 、 こ れ は 30倍 を 上 回 る 上
昇であった。
【0478】
50
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実施例3
静脈血栓症に対する感受性を検出するためのアレイ
変 異 /多 型 の 部 位 で あ る 可 能 性 の あ る そ れ ぞ れ の 部 位 に 関 し て ( 表 1) 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ
チ ド プ ロ ー ブ を 2つ ず つ 設 計 し た ( SEQ ID NO 1∼ 287) 。 第 1の も の は 野 生 型 配 列 に 対 し て
相 補 的 で あ り ( 奇 数 番 号 の SEQ ID NO: 1∼ 285お よ び SEQ ID NO: 286) 、 第 2の も の は 変 異
型 配 列 に 対 し て 相 補 的 で あ る ( 偶 数 番 号 の SEQ ID NO: 2∼ 284お よ び SEQ ID NO: 287) 。
例 え ば 、 SEQ ID NO: 1は 野 生 型 AT III配 列 に 対 し て 相 補 的 で あ り 、 SEQ ID NO: 2は 変 異 型
AT III配 列 に 対 し て 相 補 的 で あ り 、 後 者 は ヌ ク レ オ チ ド 2770で の 「 T」 挿 入 の 存 在 を 検 出
するために用いることができる。開示されるオリゴヌクレオチドプローブはさらに、プロ
ー ブ と 標 的 配 列 と の 間 の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン シ グ ナ ル の 検 出 を 可 能 に す る 1つ ま た は
10
複数の検出可能な標識を含み得る。
【0479】
ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン シ グ ナ ル の 「 損 失 」 お よ び 「 利 得 」 を 集 計 す る こ と に よ り 、 VT
に 関 連 し た 143種 の 既 知 の 頻 発 性 欠 陥 に 関 す る 個 体 の 遺 伝 的 状 況 が 明 ら か に な る と 考 え ら
れる。
【0480】
実施例4
核酸を利用した分析
本 明 細 書 で 提 供 し た VT関 連 核 酸 分 子 は 、 野 生 型 核 酸 分 子 と の 比 較 に よ る VT関 連 核 酸 分 子
の 多 型 /変 異 を も と に し た 静 脈 血 栓 症 に 対 す る 素 因 に 関 す る 遺 伝 子 検 査 の 方 法 に 用 い る こ
20
と が で き る 。 こ の よ う な 手 順 の た め に は 、 対 象 の 生 物 試 料 を 、 表 1に 列 記 さ れ た も の な ど
の VT関 連 核 酸 分 子 に お け る 多 型 ま た は 変 異 ( ま た は そ の 両 方 ) に 関 し て ア ッ セ イ す る 。 適
した生物試料には、末梢血、尿、唾液、組織生検、外科手術標本、羊水試料および剖検材
料 に 存 在 す る も の と い っ た 対 象 の 細 胞 か ら 得 ら れ る ゲ ノ ム DNAま た は RNA( mRNAを 含 む ) を
含む試料が含まれる。
【0481】
生 物 試 料 中 の 、 表 1に 列 記 さ れ た も の な ど の 1つ ま た は 複 数 の VT関 連 核 酸 分 子 に お け る 多
型 /変 異 の 検 出 は 、 ア レ ル 特 異 的 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド ( ASO) を 用 い る ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ
ョ ン ( Wallace et al., CSHL Symp. Quant. Biol. 51: 257-61, 1986) 、 直 接 DNAシ ー ク
エ ン シ ン グ ( Church and Gilbert, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 1991-1995, 1988)
30
、 制 限 酵 素 の 使 用 ( Flavell et al., Cell 15: 25, 1978; Geever et al., 1981) 、 変 性
試 薬 を 用 い た ゲ ル 中 で の 電 気 泳 動 移 動 度 に 基 づ く 識 別 ( Myers and Maniatis, Cold Sprin
g Harbor Symp. Quant. Biol. 51: 275-84, 1986) 、 RNア ー ゼ 保 護 ( Myers et al., Scie
nce 230: 1242, 1985) 、 化 学 切 断 ( Cotton et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 4
397-401, 1985) お よ び リ ガ ー ゼ を 介 し た 検 出 手 順 ( Landegren et al., Science 241: 10
77, 1988) な ど の 方 法 に よ っ て 行 う こ と が で き る 。
【0482】
野 生 型 ま た は 変 異 型 の VT関 連 配 列 に 対 し て 特 異 的 な オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド は 、 市 販 の 機 器
を用いて化学合成することができる。続いて、これらのオリゴヌクレオチドを、例えば放
射性同位体(
3 2
Pな ど ) で 、 ま た は ビ オ チ ン ( Ward and Langer et al., Proc. Natl. A
40
cad. Sci. USA 78: 6633-6657, 1981) も し く は 蛍 光 団 な ど の 非 放 射 性 標 識 で 標 識 し 、 ド
ットブロット法または電気泳動後のゲルからの移行により、膜またはその他の固体支持体
に 対 し て 固 定 化 さ れ た 個 々 の DNA試 料 と ハ イ ブ リ ダ イ ズ さ せ る こ と が で き る 。 こ れ ら の 特
異 的 配 列 は 、 例 え ば 、 オ ー ト ラ ジ オ グ ラ フ ィ ー ま た は 蛍 光 反 応 ( Landegren et al., Scie
nce 242: 229-237, 1989) も し く は 比 色 反 応 ( Gebeyehu et al., Nucleic Acids Res. 15
: 4513-4534, 1987) な ど の 方 法 に よ っ て 可 視 化 す る こ と が で き る 。 野 生 型 ア レ ル に 対 し
て 特 異 的 な ASOを 用 い る と 、 ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン が 存 在 し な い こ と に よ り 、 そ の 遺 伝
子の特定領域に変異または多型があることが示される。これに対して、変異型アレルに対
し て 特 異 的 な ASOが 臨 床 試 料 と ハ イ ブ リ ダ イ ズ す る な ら ば 、 そ の こ と は ASOに よ り 規 定 さ れ
る領域に変異または多型が存在することを示す。
50
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【0483】
実施例5
タンパク質を利用した分析
こ の 実 施 例 は 、 VT関 連 タ ン パ ク 質 の 量 に 関 す る 欠 陥 を 検 出 す る た め 、 ま た は ア ミ ノ 酸 配
列 自 体 に お け る 変 化 を 検 出 す る た め に 用 い 得 る 方 法 を 記 載 し て い る 。 VT関 連 タ ン パ ク 質 配
列 は 、 野 生 型 タ ン パ ク 質 と の 比 較 に よ る VT関 連 タ ン パ ク 質 の 多 型 ま た は 変 異 ( ま た は そ の
両方)をもとにした静脈血栓症に対する素因に関する遺伝子検査の方法に用いることがで
き る 。 こ の よ う な 手 順 の た め に は 、 対 象 の 生 物 試 料 を 、 表 1に 列 記 さ れ た も の な ど の VT関
連タンパク質における多型または変異に関してアッセイする。適した生物試料には、、末
梢血、尿、唾液、組織生検、外科手術標本、羊水試料および剖検材料に存在するものとい
10
った対象の細胞から得られるタンパク質を含む試料が含まれる。
【0484】
対 象 に お け る 1つ ま た は 複 数 の VT関 連 タ ン パ ク 質 の 量 の 減 少 に よ り 、 そ の 対 象 が VTの 発
症に関して高い感受性を有することが示される。同様に、野生型タンパク質との比較によ
る 、 VT関 連 タ ン パ ク 質 に お け る 1つ ま た は 複 数 の 変 異 ま た は 多 型 の 存 在 に よ り 、 そ の 対 象
が VTの 発 症 に 関 し て 高 い 感 受 性 を 有 す る こ と を 示 す こ と が で き る 。
【0485】
VT関 連 タ ン パ ク 質 レ ベ ル が 、 正 常 対 象 ( VTを 発 症 す る 素 因 の な い 対 象 な ど ) に お け る こ
の よ う な 発 現 と 比 較 し て 低 い こ と を 明 ら か に す る こ と は 、 以 上 に 概 説 し た 方 法 に よ っ て VT
関連核酸の変異または多型の存在を直接明らかにすることに対する代替的または補足的な
20
ア プ ロ ー チ で あ る 。 特 定 の VT関 連 タ ン パ ク 質 に 対 し て 特 異 的 な 抗 体 を 利 用 し 得 る こ と に よ
り 、 Harlow and Lane( 「 Antibodies, A Laboratory Manual」 、 CSHL, New York, 1988)
に提示されたものといった、当技術分野で周知のさまざまなイムノアッセイ方法のいずれ
か に よ る 細 胞 性 VT関 連 タ ン パ ク 質 の 検 出 お よ び 定 量 が 容 易 に な る と 考 え ら れ る 。 こ の よ う
な抗体を構築する方法は当技術分野で公知である。
【0486】
野 生 型 VT関 連 タ ン パ ク 質 と の 比 較 に よ る VT関 連 タ ン パ ク 質 に お け る 1つ ま た は 複 数 の 変
異 ま た は 多 型 の 存 在 を 明 ら か に す る こ と は 、 以 上 に 概 説 し た 方 法 に よ っ て VT関 連 核 酸 の 変
異 ま た は 多 型 の 存 在 を 直 接 明 ら か に す る こ と に 対 す る 、 も う 1つ の 代 替 的 ま た は 補 足 的 な
アプローチである。変異型または多型性タンパク質と野生型タンパク質を識別し得る抗体
30
は、当技術分野で公知の方法を用いて調製することができる。
【0487】
任 意 の 標 準 的 な イ ム ノ ア ッ セ イ 形 式 ( ELISA、 ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ ト 法 ま た は RIAア ッ セ イ
) を 、 VT関 連 ポ リ ペ プ チ ド ま た は タ ン パ ク 質 の レ ベ ル を 測 定 す る た め 、 お よ び VT関 連 タ ン
パ ク 質 に お け る 変 異 ま た は 多 型 を 検 出 す る た め に 用 い る こ と が で き る 。 野 生 型 ( 正 常 ) VT
関 連 タ ン パ ク 質 の レ ベ ル と 比 較 し 、 VT関 連 ポ リ ペ プ チ ド の レ ベ ル が 低 い こ と に よ り 、 VTを
発 症 す る 素 因 が 示 さ れ る 。 同 様 に 、 1つ ま た は 複 数 の 変 異 型 ま た は 多 型 性 の VT関 連 タ ン パ
ク 質 の 存 在 も VTを 発 症 す る 素 因 を 示 す 。 免 疫 組 織 化 学 の 手 法 を 、 VT関 連 ポ リ ペ プ チ ド ま た
はタンパク質の検出および定量のために利用することもできる。例えば、組織試料を対象
か ら 入 手 し 、 切 片 を 、 適 切 な VT関 連 タ ン パ ク 質 特 異 的 結 合 物 質 お よ び 任 意 の 標 準 的 な 検 出
40
システム(二次抗体を西洋ワサビペルオキシダーゼと結合させたものなど)を用いて野生
型 ま た は 多 型 性 も し く は 変 異 型 の VT関 連 タ ン パ ク 質 の 存 在 に 関 し て 染 色 す る こ と が で き る
。 こ の よ う な 手 法 に 関 す る 一 般 的 な 手 引 き は 、 Bancroft and Stevens( 「 Theory and Pr
actice of Histological Techniques」 、 Churchill Livingstone, 1982) お よ び Ausubel
et al.( 「 Current Protocols in Molecular Biology」 、 John Wiley & Sons, New York,
1998) に 記 載 が あ る 。
【0488】
VT関 連 タ ン パ ク 質 を 定 量 す る 目 的 に は 、 細 胞 性 タ ン パ ク 質 を 含 む 試 料 で あ る 、 細 胞 の 生
物 試 料 を 用 い る こ と が で き る 。 VT関 連 タ ン パ ク 質 の 定 量 を イ ム ノ ア ッ セ イ に よ っ て 行 い 、
そ の 量 を 、 VTを 発 症 す る 遺 伝 的 な 素 因 の な い 対 象 か ら の 細 胞 で 認 め ら れ る タ ン パ ク 質 の レ
50
(59)
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ベ ル と 比 較 す る こ と が で き る 。 対 象 の 細 胞 に お け る 1つ ま た は 複 数 の VT関 連 タ ン パ ク 質 の
量 が 、 正 常 ヒ ト 細 胞 で 認 め ら れ る 同 じ VT関 連 タ ン パ ク 質 の 量 と 比 較 し て 有 意 に 少 な い と は
、 通 常 、 約 30% ま た は そ れ 以 上 の 差 が あ る こ と を い う 。 1つ ま た は 複 数 の VT関 連 タ ン パ ク
質 の 実 質 的 な 過 少 発 現 を 、 VTを 発 症 す る 遺 伝 的 素 因 を 示 す 指 標 と す る こ と が で き る 。
【0489】
実施例6
キット
対 象 が VT関 連 核 酸 配 列 中 に 1つ ま た は 複 数 の 多 型 ま た は 変 異 を 有 す る か 否 か を 判 定 す る
た め の キ ッ ト が 提 供 さ れ る ( VT検 出 用 ア レ イ を 含 む キ ッ ト な ど ) 。 ま た 、 ア レ イ 上 の オ リ
ゴ ヌ ク レ オ チ ド と 、 対 象 か ら 増 幅 さ れ た VT関 連 核 酸 と の 間 で 形 成 さ れ る ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー
10
ション複合体を検出するために必要な試薬を含むキットも提供される。これらのキットは
それぞれ、指示書、例えば、決定された(例えば、実験的に測定された)値と比較するた
めの較正曲線またはチャートを提供する指示書を含み得る。
【0490】
1つ の 例 に お い て 、 キ ッ ト は 、 表 1に 列 記 さ れ た も の な ど の VT関 連 核 酸 分 子 を 増 幅 し 得 る
プライマーを含む。特定の例において、プライマーは、水溶液中に懸濁化された状態で、
またはフリーズドライもしくは凍結乾燥された粉末として提供される。プライマーを供給
するための容器は、例えば微量遠心管、アンプルまたは瓶といった供給される形態を保持
し得る任意の従来の容器であり得る。いくつかの用途において、プライマーの対は、個別
の典型的には使い捨て式であるチューブまたは同等な容器中に、あらかじめ計量された単
20
回使用量として提供される。
【0491】
キット中に供給される各々のプライマーの量は、例えばその製品が向けられる市場に応
じた、任意の量でよい。例えば、キットが研究または臨床の用途用に適合化される場合に
は、用意される各々のオリゴヌクレオチドプライマーの量は、数回のインビトロ増幅反応
のプライミングを行うのに十分な量である可能性が高い。当業者は単回の増幅反応に用い
るのに適したオリゴヌクレオチドプライマーの量を周知している。一般的な指針は、例え
ば 、 Innis et al.( 「 PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications」 、 Academ
ic Press, Inc., San Diego, CA, 1990) 、 Sambrook et al.( 「 Molecular Cloning: A L
aboratory Manual」 、 Cold Spring Harbor, New York, 1989) お よ び Ausubel et al.( 「
30
Current Protocols in Molecular Biology」 、 John Wiley & Sons, New York, 1998) に
記載されている。
【0492】
特 定 の 例 に お い て 、 キ ッ ト は 、 表 1に 列 記 さ れ た も の な ど の 野 生 型 、 変 異 型 ま た は 多 型
性 の VT関 連 配 列 を 認 識 す る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド を 有 す る ア レ イ を 含 む 。 ア レ イ は 、 例 え ば
陰性または陽性対照として役立てるための、他のオリゴヌクレオチドを含み得る。野生型
および変異型の配列を認識するオリゴヌクレオチドは、同一のアレイ上にあってもよく、
ま た は 異 な る ア レ イ 上 に あ っ て も よ い 。 具 体 的 な ア レ イ は 実 施 例 3に 開 示 さ れ て い る 。 例
え ば 、 キ ッ ト は 、 SEQ ID NO: 1∼ 287に 示 さ れ た オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 、 ま た は そ れ ら の サ
ブ セ ッ ト 、 例 え ば 、 SEQ ID NO: 1∼ 287に 示 さ れ た オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド の う ち 少 な く と も 1
40
0種 な ど 、 例 え ば 、 SEQ ID NO: 1∼ 287に 示 さ れ た オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド の う ち 少 な く と も 20
種 、 少 な く と も 50種 、 少 な く と も 100種 、 少 な く と も 143種 、 ま た は さ ら に は 少 な く と も 25
0種 を 含 み 得 る 。 1つ の 特 定 の 例 に お い て 、 ア レ イ は 、 奇 数 番 号 の SEQ ID NO: 1∼ 285( す
な わ ち 、 SEQ ID NO: 1、 3、 5、 7な ど ) お よ び 同 じ 例 に お い て SEQ ID NO: 286を も 含 み 、
ま た は 偶 数 番 号 の SEQ ID NO: 2∼ 284( す な わ ち 、 SEQ ID NO: 2、 4、 6、 8な ど ) お よ び 同
じ 例 に お い て SEQ ID NO: 287を も 含 む 。 し か し 、 こ の よ う な ア レ イ の 両 方 を 単 一 の キ ッ ト
に含めることができる。
【0493】
いくつかの例において、キットはさらに、例えば適切な緩衝液を含む、ハイブリダイゼ
ーションおよび検出反応を実施するために必要な試薬を含む。書面による指示書を含める
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こともできる。
【0494】
VT関 連 タ ン パ ク 質 の 発 現 、 例 え ば 表 1に 列 記 さ れ た 核 酸 分 子 に よ っ て コ ー ド さ れ る タ ン
パ ク 質 の 過 少 発 現 の 検 出 の た め の キ ッ ト も 提 供 さ れ る 。 こ の よ う な キ ッ ト は 、 1つ ま た は
複 数 の 野 生 型 ま た は 変 異 型 の AT III、 プ ロ テ イ ン C、 プ ロ テ イ ン S、 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 、 第
V因 子 ( FV) 、 プ ロ ト ロ ン ビ ン ( 第 II因 子 ) 、 MTHFR、 お よ び ACEタ ン パ ク 質 ( 完 全 長 、 断
片もしくは融合物)または特異的結合物質(ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル
抗 体 ま た は 抗 体 断 片 ) を 含 み 、 少 な く と も 1つ の 対 照 を 含 む こ と が で き る 。 VT関 連 タ ン パ
ク質に特異的な結合物質および対照は、別々の容器に含めることができる。キットはまた
、 VT関 連 タ ン パ ク 質 : 作 用 物 質 の 複 合 体 を 検 出 す る た め の 手 段 を 含 む こ と も で き 、 例 え ば
10
、この作用物質は検出可能なように標識されていてもよい。検出可能な作用物質が標識さ
れ て い な い 場 合 に は 、 こ れ を 二 次 抗 体 ま た は プ ロ テ イ ン Aに よ っ て 検 出 す る こ と も で き 、
い く つ か の キ ッ ト に お い て は 、 こ れ ら の 2つ の う ち い ず れ か を 1つ ま た は 複 数 の 別 々 の 容 器
に入れて提供することができる。このような手法は周知である。
【0495】
いくつかのキットにおけるそのほかの成分には、アッセイを実施するための指示書が含
ま れ る 。 指 示 書 は 、 検 査 者 が 、 VTと 関 連 す る 発 現 レ ベ ル が 対 照 試 料 と 比 較 し て 低 下 し て い
るか否かを判定することを可能にする。反応容器および補助的試薬、例えば発色団、緩衝
剤、酵素などをキットに含めることもできる。
【0496】
本発明者らの発明の原理を適用し得る数多くの考えられる態様に鑑みて、例示された態
様は本発明の好ましい一例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきでは
ないことが認識されるべきである。実際には、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によ
って規定される。したがって、本発明者らは、これらの特許請求の範囲および精神に含ま
れるものすべてを、本発明者らの発明として請求する。
【配列表】
2007522804000001.app
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【国際調査報告】
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(81)指定国 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),
EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,
CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,
CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L
U,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW
(74)代理人 100128048
弁理士 新見 浩一
(72)発明者 ドグルー シグデム エフ.
アメリカ合衆国 メリーランド州 ベセスダ プークス ヒル ロード 5160 アパートメン
ト #23
(72)発明者 レンネルト オウエン エム.
アメリカ合衆国 メリーランド州 ポトマック ベルズ ミル テラス 10300
(72)発明者 チャン ウェイ−イー
アメリカ合衆国 メリーランド州 ノース ポトマック バタフライ コート 10708
Fターム(参考) 4B024 AA11 CA09 HA11 HA12 HA14
4B029 AA07 BB20 CC03 FA15
4B063 QA12 QA17 QA19 QQ03 QR32 QR40 QR48 QR56 QR62 QR82
QS34 QS36 QX02 QX07
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