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第4 参考事例

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第4 参考事例
第4
参考事例
1 クマ撃退
クマ 撃退スプ
撃退 スプ レー
ヒグ マによ る人身事故を防ぐ ためにはヒ グマに出会わないこ とが肝要で す。し かし、ヒ グマ
と 遭遇し てしま い、相手 が万が一突進し てき た場合、至近距離 で噴 射する こ とによ り 相手を
撃退 する 効果を狙 ったス プレ ーが登 山用具店など で 販売 さ れて います。こ の スプ レ ーの有
効成分はトウ ガラシの辛味成分を濃縮したも ので、強い刺激臭があ りますが、生命には別状
ありません 。
使用可能な範囲
・ 有効射程距離は4~5m
・ 噴射時間は数秒
注 意 点
・ ヒ グ マが 目の前に 迫ってい る 状況で 、目 や鼻な ど の粘膜に 確実に噴 射
する必要があ ります。
・ ト ウ ガラシの辛味 成分は、人間が食欲増進に用 いるス パイ スと 同様の刺
激があ るため、薄める とヒ グ マの関心を引く臭いと もなり ます。ヒグ マの忌
避材としてキャンプ 地の周囲に撒く など は誤った使用法です。
※
このスプ レ ーは ヒグ マ対策の心強い味方で はあ りますが、正し く用いるために予め使
用 方法やそ の効果につ いて理解し ておく こ と が大切で す。ま た、撃退効 果は1 00%と
は限りません。
なお、航空機への持ち込みは規制さ れています。
2 ゴミの
ゴミ の 管理
○ 長野県軽井沢町での取り組み
長野県の軽井沢町は 国際的にも 有名な別荘地で すが、近年ツ キ ノワ グマ の出没が著しく
増加しています。その主な理由は、ク マがゴミ を餌と して利用でき るこ とを覚え てしまったこ と
で すが、別荘地と いう特性から短 期滞在の住 民が多く 、ゴミ出し のマナーが徹底していなか
ったこ とも 原因と 考え られています。
そこ で、軽井沢町では クマ の出没対策と して、地元の民間団体(株式会社ピッキ オ ※ )と 協
力しながらゴミ 捨て場の管理強化に取り 組ん でいます( 75ページを参照)。
か ご 型 ゴ ミ 箱
鋼 製の 網に よる
※蓋 を開 けられる
→
ゴ ミ 収 納 庫
※ ドアの 取り付 けが
甘く進入 される
- 52 -
→
鉄製メッキ鍵付き ゴミ箱
※ 現在 、改 良を進め ている
※
ゴ ミ 捨て場の改良を行っても 、ゴミ の捨て方、ド ア や施錠など ゴミ 箱の管理次第で 効
果が大き く左右さ れます。住民の理解なしには問題は解決しません。
※ 株式会 社ピ ッキオ
軽井 沢の 森を中心 に野 生動 植物 との共 存を目指 し、 調査研 究を続 けなが らネイチャ ーイ
ベ ントやエ コツア ー、野 生動 物の 保護管 理など を行 ってい る団体 です。
3 食料の
食料 の 管理
○ 知床連山の例
羅臼岳など知床の山々は、夏のシーズンには多く の登山者が訪れます。しかし、この地域
はヒ グマ が多く生息しているこ と から、特にテントで 泊まる際にはヒグ マを引き 寄せないよう食
料の管理を慎重に行う必要があ ります。こ のため、知床国立公園内の縦走路上の野営地に
は、環境省によって金属製のク マ対策食料保管庫が設置さ れています。
設置場所: 三つ峰野営地
二つ池野営地
硫黄山第一火口野営地
など
仕様: 材質=ステンレス
固定方法=ア ンカーで 岩に脚を固定
セメント製土台に脚を埋め込み
4 追い払い
ヒ グマ の出没対策と して、捕獲で は なく追い払いによ る 学習付けによ って、人前に現れる
ヒ グマをなくそうとする事例があり ます。
○使用するも の=威嚇弾(ゴム弾、花火弾)
ゴム弾: 有効射程は30~40m
花火弾: ヒグ マとの距離70~80mまで使用
単独で の使用ではなく、両者を併用しています。
※ゴム 弾、花火弾と も 、使用に 際しては 法令上の取り 扱いについての確認 が必要で す。
効果と 利点
・ 問題の場所からヒグマ を排除
・ ヒ グマの行動パターンを、人を避けるように矯正
・ 花火弾で は、命中精度が問われない
注 意 点
・ 問題行動を表す初期段階での実施が重要
(既に人為的影響を強く受けた個体には効果が期待でき ない)
・ 誘因物などの出没原因を取り除かなければ、別の個体が現れる こと になる
- 53 -
・ 威嚇弾を撃たれたヒ グマ がすぐ逃げ ずに威嚇行動を起こ した場合、そ れが逃げる 前
の威嚇行動か 攻撃につながる のか 、冷静な判断が必要
(逃げる前の威嚇行動で 実弾発砲してしまえば、追い払いにならない)
5 放
獣
被害をも たらしたり 人家近くに出没したヒ グマ を捕獲し、お仕置きをして人里へ現れ るこ と
への恐 ろし さ を植え 付け た上で 、 人里離れ た「 奥山」 への放獣 を行うこ と によ り、ヒ グ マ の保
護と被害の再発防止を図ろうとする事例があります。
放獣の基本的な考え 方
人
里
出
奥
没
放
↓
捕
獣
↑
獲
→
麻
酔
:
※
(課
山
移
動
→
お仕置き
捕獲に は有害 鳥獣 駆除の 許可 が必 要で す。
※
麻 酔 の 使 用 に は 環 境 省 に よ る許 可 が 必 要 で す 。
※
お 仕 置きに は、 ヒグ マ撃 退 スプ レ ーの 噴 射や 放 獣
の際 の威嚇 弾に よる追 い払 いが 行わ れます 。
題)
○ 放獣の実施 には、 ヒ グマ が容易 に人里へ 出てく る こ とが ないよう 、「奥 山」が ある こ と
や地域住民等の理解が必要で す。
○ 放獣を行っても 、ヒ グ マ を誘引する 原因を取り除か なけ れば新た な個体の出没が考
え られます。
○ また、充分なお仕置きをして放獣しても 、一度人里に生ゴミ など があるこ とを学習した
ヒ グマは、再び人里に戻ってくる場合が多いという海外での報告も あります。
- 54 -
第5
参 考 資料
1 ヒグマとは
ヒグマ とは
●分類: 食肉目 クマ 科 ヒグマ属
●学名: Ursus arctos
●分布: 北ア メリカ北西部、スカンジナビ アか らロシア東部、シベリアか らヒマラヤまで。
ヨーロッパの山脈に孤立した個体群が分布。
日本と そ の周辺で は、北海道、国後島、択 捉島、サハリ ン、中国東 北部に分布
し、渡島半島が極東地域における南限のひとつ。
●形態: 毛色は黒褐色から茶褐色で,前胸部に白斑があるものもいる。
体重は、オスで150~250kg、メスで60~120kg程度になる。
日本に生息する最大の陸上動物。
●生態: 北海道では生息地のほとんどを落葉広葉樹林や混交林が占める。
時速50km 程度の早さ で走るこ とができる 。
基本的に単独で生活する。食物条件により移動と定着を繰り返す。
行動圏は同性間・異性間で重複しており、なわばりは存在しないと考えられ
る。 メスは何 年にもわ たって一 定の範囲で 暮らし、行 動圏は年間数 km 2 か ら数
十km 2 であるのに対して、オスは広い範囲で動き回り、行動圏は数百km 2 に及ぶ
と考えられる。
交尾期は 5 月下旬から 7 月上旬にかけてで、妊娠したメスは翌年の 1 月下
旬から 2 月にかけて 1 ~ 3 頭の子を冬眠穴の中で出産する。
冬眠期間は 11 月上旬から 5 月中旬に及ぶが、繁殖状態、年や地域によって
異なる。一般に妊娠しているメスは早めに冬眠穴に入り、また活動を開始する
時期も最も遅いのに対し、オスは遅くまで活動して冬眠明けの時期も早い傾向
がある。また、亜成獣の個体は成獣と比較して活動開始時期が早い。一般に秋
の主要な食物である果実類が凶作の年には冬眠に入る時期が早まり、豊作の年
には遅くなる傾向があると考えられる。なお、飼育下にあるヒグマは、餌が与
えられるため冬眠しない。
一般にオスに比べメスの寿命が長く、野生のヒグマでは満 34 歳±まで生存
したと考えられるメスも確認されている。メスは満 4歳で出産が可能だが、5
歳以下の初産の子育ては失敗することが多いようである。
●食物: 植物食の強い雑食性で、春にはザゼンソ ウ、イラク サ、エゾニュウ 、フ キなど の多
汁質 の草本 、前年に 落果し たミズナ ラなど の実(ド ングリ)、越 冬に失敗 した
エゾシカの死体などを利用する。初夏にかけての食料はこれら草本類が大部分
- 55 -
を占める。夏になると草本のほかにシウリザクラやヤマグワなどの果実、アリ
を巣ごと襲って食べる。秋にはオニグルミ、ミズナラ、サルナシ、マタタビや
ヤマブドウなどの果実類が重要な食物となる。大雪山や日高山脈などの標高の
高い地域では、ハイマツやコケモモなどの果実を利用する。
●法律等によ る取扱
□北海道の野生生物
~
北海道レ ッドデータブック 2001
地域個体群(保護に留意すべき地域個体群)
: 積丹・恵庭(石狩西部) のヒ グマ個体群、天塩・増毛のヒ グマ個体群
□鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律
~
狩猟鳥獣
□絶滅のおそれのある 野生動植物の種の保存に関する法律
~
国際希少野生動植物種(輸出入及び国内における 譲渡し等の規制)
□絶滅のおそれのある 野生動植物の種の国際取引に関する 条約
( 通称:ワ シントン条約、CI TES)
~
付属書Ⅱ(輸出には政府発行の許可が必要)
( ヒグマ の中で も中国 やモ ンゴル など の個 体群 は付 属書 Ⅰに 分類 されてい ます )
〔 Memo 〕
い
クマの胆について
たんのう
ヒ グマ を含むクマ 類の胆嚢(ク マの胆) は、古く か ら医薬品とし て珍重され てき ま
した。このク マの胆は、ク マ類の捕獲が容易ではないこ とや一頭から採れ る量が少
ないこ とか ら、 高価に売買され てき ました。こ のため、胆嚢目当てに捕獲が行われ
ていると いう、根強い批判が一部にあります。
実際、胆嚢の経済的価値の高さ から、クマ類の乱獲や密猟が国際的に問題と な
り、現 在、ヒ グマ を含むク マ類の国際的 な取引はワ シント ン条約で 規制さ れ ていま
す。
ざ ん し
〔 Memo 〕
エゾシカ残滓の影響について
ヒ グマ は冬眠する と さ れ ていますが、近年、狩猟など により エ ゾシカ の残滓が放
置さ れる 事態が見られ 、こ れ を採食するこ と によ って冬期間も活動し ている 例が報
告さ れています。
エ ゾシカ の残滓に餌付いているヒ グ マによ って、人身事故が発生する 危険性が
増している と の指摘も あ るこ と か ら、現在、釧路支庁 においてヒグ マ の冬期間の活
動状況について調査を行っています。
- 56 -
2 捕獲数と
捕獲数 と 被害 の 推移
捕獲数
事故 農業 等被害 額
年度 駆除 狩猟 合計 死 傷 (全 道:千円 )
事故死亡の原因
S30 193 175 368 0 4
6,055
S31 172 477 649 1 3
7,758 詳細不 明
S32 258 261 517 0 1 13,794
S33 160 138 298 0 2 11,156
S34 198 242 440 0 7 10,501
S35 242 185 427 1 5
9,508 詳細不 明
S36 216 164 380 4 3 11,404 詳細不 明
S37 410 458 868 3 4 14,757 3名 ともクマ駆除 中
S38 260 121 381 1 1
8,338 牧場作 業中
S39 383 411 794 5 3 18,759 登山2 名 、登校 中1 名、 クマ駆除 中1 名、クマ狩 猟中 1名
S40 333 157 490 3 4 23,938 クマ 駆除中 2 名、その 他1 名
S41 472 194 666 0 2
4,821
S42 319 160 479 1 1
4,202 農作業 中
S43 357 137 494 2 1
4,537 川釣り中 1名 、クマ狩 猟中 1名
S44 344 179 523 2 1
4,324 林業関 係1 名、 野果 実採 り中1 名
S45 500 136 636 4 3
7,662 登山中 3 名(負 傷2 名) 、クマ狩 猟中1 名
S46 451 184 635 1 0 20,861 クマ 狩猟中 1 名
S47 225 136 361 0 1 17,840
S48 351 112 463 2 1 18,931 山菜採 り中1 名、 林業 作業 中1 名
S49 453 196 649 1 2 33,151 クマ 狩猟中 1 名
S50 265 123 388 0 2 27,570
S51 255 109 364 3 4 22,746 山菜採 り中2 名( 負傷 3名 も同一 のクマ) 、林業 作業 中1 名
S52 335
74 409 2 1 32,829 山菜採 り中1 名、 川釣 り中1 名
S53 312
84 369 0 0 25,999
S54 295 142 437 1 3 31,339 山菜採 り中
S55 280 128 408 0 1 33,497
S56 267 103 370 0 2 43,383
S57 264 155 419 0 0 39,575
S58 231 167 398 0 3 61,504
S59 226
89 315 0 1 52,148
S60 180
97 277 1 1 38,963 クマ 駆除中
S61 289 156 445 0 1 56,447
S62 139
78 217 0 0 64,770
S63 143 146 289 0 1 60,448
H1
108
76 184 0 3 57,607
H2
88 132 220 2 1 69,190 山菜採 り中1 名、 花木 採取 中1 名
H3
94 173 267 0 1 79,935
H4
124
98 222 0 1 68,693
H5
169 118 287 0 1 93,177
H6
105
72 177 0 1 84,872
H7
122 111 233 0 0 95,864
H8
210 126 336 0 1 93,569
H9
112
94 206 0 1 104,578
H10 158 141 299 0 2 105,182
H11 207 132 339 1 5 87,892 川釣り中 (負 傷2 名も同 一の クマ によ る)
H12 184 103 287 1 1 78,323 シカ狩 猟中
H13 309 173 482 3 1 123,887 山菜採 り中2 名、 クマ駆除 中1 名
H14 127
(9 月3 0日 までの 集計 )
3 人身事故の
人身事故 の 例
○ 大正4年の苫前の事件
大正4年12月に苫前村古丹別三毛別で 、一頭のオ スのヒ グマ によ り死者6名、重傷者3名
の犠牲者が出た。ヒ グマ は人身事故が発生する半月ほ ど 前か ら度々人家付近に出没し、軒
下に吊してあったトウ モロコ シなどを食害していたようである 。
- 57 -
ヒグマ は12月9日に、一軒の開墾農家を襲撃し、中に居た婦人及び子供の2名を殺害。
翌10日に、村の捕獲隊が山中にヒグマ を発見したが、仕留められ ずに逆襲さ れた。
夜になり、前日の農家宅にヒ グマは再び現れたも のの物音に驚き 姿を消したが、5 0 0メー
トルほ ど離れた隣家に現れ、中に居た10名のうち4名を殺害、3名に重傷を負わせた。
12日夜に、ヒ グ マは 2日目に襲った家に再び現れ たが中には 侵入せず、その後、最初に
襲った家に侵入し屋内を荒らした。
13日夜には、ヒ グマ は新たに5軒に侵入して食料を奪い、家禽を襲ったが、6軒目の農家
で 待機していた捕獲隊に一斉射撃さ れ、山中に逃走。
14日に、捕獲隊は山中で発見し再び一斉射撃を行い、漸くヒグ マを仕留めた。
○ 昭和45年の日高山脈での事件
昭和45年7月に芽室岳からペテガリ岳まで縦走中の5名の学生が若いメスのヒグマに襲わ
れ、3名の犠牲者が出た。
7月25日、札内川九の沢南カ ールに幕営中にヒ グマ が現れ 、テン トの外に置いてあ るリ ュ
ッ クサ ック の食料を食べだ す。学生は隙 を見てリ ュッ ク サック をテント 内に収納したと こ ろ、ヒ
グマは立ち去った。夜になり再び現れ たヒ グマはテントに穴を開けた後に姿をくらました。
翌26日 早朝、ヒ グマ が再び現れ たた め全員がテント 内に避難し たが、ヒ グマ がテント を襲
ったため若干の抵抗の後、全員で 逃げ出し た。そして2名が救援要請に向か ったと こ ろ、途
中で別パーティーに出会ったため伝言を依頼して、2名は再び避難中の3名と 合流し場所を
変え て幕営し た。夕方にテントが再びヒグ マに襲われたため、テントを放棄して下山したが、
その途中に次々に襲われ 、翌27日にか けて3名が殺害さ れ た。なお26日夕方、襲撃を受け
た後に 合流した 更に別パ ーティーは 、そ の日のうちに下 山して遭 難はし ていない。ま た、こ
のヒグマは29日に付近で射殺されている。
○ 昭和51年の千歳の事件
昭和51年6 月9日に千 歳市で 、一 頭の若いメ スのヒ グ マ により 死者2 名、負傷者1 名の犠
牲者が出た。
国道か らタ ケ ノ コ採り で 山林に入って間 も ない地点で 、3人が別々 に襲われ たも のだが、
こ の付近では事件の直近に2件の人身事故があり2名が負傷している。
いずれ もタ ケノコ 採りとササ伐採作業中の事故で あり、人間の所持する食料に餌付いてい
た個体が積極的に接近してき たと され ている。
4 調査研 究の
究 の 結果
(1) 捕獲個体の分析(年齢査定)
捕獲され たヒグ マ個体の下あ ご第四前臼歯か ら、年齢を査定し ています。平成3年か ら10
- 58 -
年までに捕獲さ れ分析を行った823頭の内訳は次のとおりです。
満年齢
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
オス
22
67
91
91
63
31
23
33
16
17
7
メス
7
38
41
51
28
18
20
17
14
22
10
合 計(構成比)
29 ( 3.5%)
105 (12.8%)
132 (16.0%)
142 (17.2%)
91 (11.1%)
49 ( 6.0%)
43 ( 5.2%)
50 ( 6.1%)
30 ( 3.6%)
39 ( 4.7%)
17 ( 2.1%)
満年齢
11
12
13
14
15
16~20
21~
合 計
オス メス 合 計(構成比)
13
8
21 ( 2.6%)
11
8
19 ( 2.3%)
8
10
18 ( 2.2%)
5
7
12 ( 1.5%)
4
5
9 ( 1.1%)
5
6
11 ( 1.3%)
2
4
6 ( 0.7%)
509 314
823
(62%) (38%)
最高齢 オス :25歳以上(測定不能)
メス :23歳
(2) 広域痕跡調査
平成7年度から行っている この調査は 、山林作業又は送電線維持管理作業を行った労力
( 出動日 数など ) と 、発見し たフ ンな ど の痕跡の発 見状況か ら 、ヒ グ マ個 体群の生息 動向を
捉えようとするも のです。
7
6
発
見
フ
ン
数
/
出
動
1
0
0
班
5
4
3
2
1
夕 張山 地
日 高山 系
根 釧台 地
知 床半 島
阿 寒 ・白 糠
大 雪山 系
北 見山 地
宗 谷丘 陵
天 塩山 地
増 毛山 地
積 丹 ・恵 庭
図
渡 島半 島
0
平成7年度~10年度の地域別ヒ グマの生息密度指標(山林作業)の比較
( ※ 痕跡発見地点の分布状況については76ページを参照してくださ い。)
5 渡島半島地域 ヒグマ保護管理計
ヒグマ 保護管理計 画
第1章
1
計画の
計画 の 策定 にあたって
計画策定の
計画策定 の 背景
渡 島半 島 地域 に おい ては、ヒグマ の生 息域 と人 間の 活動 域 が近 接し 、人とヒグ マとの接 触 頻度 が道 内
の 他 の 地 域 に 較 べ て非 常 に高 く 、様 々 な軋 轢 を生 じて い る ため 、事 故 や 被 害 を防 止 し住 民 の 安 全 を確
- 59 -
保 する ため、具 体的 で効 果的 なプロ グラムを具 備 したヒグ マ対策 の確 立が 急が れている 。
一 方 、ヒグ マは絶 滅 の お それの あ る 野生 動 植 物 の種 の 国 際 取引 に 関 す る条 約 (ワシントン条 約 )附 属
書 Ⅰ に掲 載されてい る国 際 的な希少 動 物で あり、また、北 海道 の生 態系 の構 成要 素とし て重 要な存在 で
も ある ことか ら、 生物 多 様 性 保全 の 観 点 から も、将 来 に わ たってその 健全 なる 野 生 個体 群 の 存 続に 努 め
る 必要 が ある。
この ため、 渡島 半 島地 域 に おける ヒグマ 対策 の 実施 に 当たっては、人間 の 英知 と努 力に より、人 とヒグ
マ との軋 轢 を軽減 し 、地 域住 民 の安 全 の確 保 とヒグマ の地 域個 体 群の 存 続を両 立し てい く方 策が 求 めら
れ てい るところであ る。
これまで の調 査 研究 の結 果に よ ると、渡 島半 島 地域 のヒグ マの生 息 数は、「春 グマ駆 除」が 実施 されて
い た 昭和 6 0 年 代初 め ま では 減 少を 続け てき たが、 それ 以 降は 横 ばい 若 し くは微 増 の 傾 向に あ る と考 え
られ る。
ヒグ マ の 管理 に お い ては、 事故 や 被 害 を防 止 す るた め に、 ゴミや 農 作 物 に 執 着 し出 没 してい る ヒ グマ
など を駆 除など で対 応 してい る現 状 に ある が、 全ての ヒグマ がそ の本 来 の性 質 から危 険 性や 加 害性 を有
し ている もの ではない ため 、これ までの 駆 除を中 心とし た対策 から、 有害 性の 高い ヒグマ をつ くり出さない
予 防的 な対策 も含め た総 合的 な対策 に転 換してい く必 要 がある 。
有 害 性 の高 い ヒグ マが つ くり出 される 原 因 を取り除 か ない ことには 、い つま でも 有害 駆 除 を中心 とし た
対 応 が 続 き 、 人手 も 予 算も 対 応し き れ ない と い う事 態 に 至 るこ とが 考 えら れ、 これま で の 対応 を継 続 し て
い く限 りに おい ては、 極言 す れば ヒグマ が絶 滅 する ま でその 危 険性 を取 り除 くことや 被害 の 防 止を図 る こ
とが でき ない ので はない かと懸 念される ところでもある 。
このよ う な現状 か ら、 渡島 半 島 地域 の ヒグマ に つい ては、 人との 軋 轢 を軽減 し 、被 害の 発 生 を抑制 し
なが ら地域 個 体群 の存 続を図 るとい う考 え方 を基本 とした管 理が 必要 であ り、この 点に 留意 しつ つ、本 計
画 を策定 する ものであ る。
2 計画策定の
計画策定 の 目標 と 基本的視点
( 1 ) 計 画策 定 の目 標
本 計 画は 、渡 島 半島 地 域 に おけ る住 民 生 活 とヒグマ との 軋轢 を軽 減 し、人 へ の 危険 性 や 農作 物 等
の 被 害 をで き る 限 り減 少 させ る とと もに 、北 海 道 の 生 態 系 を代 表 す る野 生 動 物 で あ る ヒグ マの 地 域 個
体 群 の絶 滅 を回 避 し、 生物 多 様 性 の 保全 に 配 慮 しつ つ 、自 然 資源 とし てもその 存続 を図 ってい くこと
を目指 して策定 する 。
<基 本目 標>
① ヒグ マによ る人 身事 故の 防 止
② ヒグマに よる 農作 物等 被害 の予 防
③ ヒグ マの地 域個 体群 の 存続
( 2 ) 基 本的 視 点
これらの 目 標を達 成し ていくに あたっては、次 の 三つ の事 項を基 本的 な視点 として、計 画を推進 し
ていく。
第 一に 、ヒ グマの 特 性を踏 まえ 、誘 引 物の 適 正な管 理 など の 予防 的 対 策(「 先取 り防 除」) に重 点 を
置 いて問題 発生 の未 然 防止 を図 るとともに、 出没 時に おける 危機 管理 体制 の確 立を進 める 。
第 二 に 、生 息 環 境の 保 全 、人 為 的 な個 体 数 管理 の 実 施 を含 め たヒグ マの 地 域 個 体 群の 適 正 管 理
に 向けて、科学 的デ ータ に基 づい て検討 を行 う。
第三 に 、地 域住 民 や関 係 行政 機関 等 の理 解 と協力 のもとに 、それ ぞれ が相 互 に連 携 して情報 を共
有化 し、地 域の 状況 に応 じた適切 な対 策を推 進す る。
3
計画 の 対象地域
渡 島 半 島 地 域 の ヒ グ マ の 地 域個 体 群 の 分 布 状 況 か ら 、 渡 島 支 庁 管 内 及 び 檜 山 支 庁 管 内 ( 奥 尻
町を除く) の全域に、後志 支庁管内の島牧 村・黒松内町・ 寿都町の3町 村の区域を加え た地域
を 本 計 画 の 対 象 地 域 と す る 。 (別添 「対象 区域 図」参 照 )(省略 )
4
計画期間
本 計 画 の 計画期間は、平成12年度から概ね10年間とする。
5
計画 の 位置 づけ
本 計 画 は 、「 北 海 道 野 生 動 物 保 護 管 理 指 針 」 (平 成 8 年 10月 策 定 ) に 基 づ き 野 生 動 物 の 計 画 的
- 60 -
保 護 管 理 を 進 め る ため の 施 策 の 一 つ と し て 位 置 づ け さ れ る も の で あ る 。
6 計画 の 構成
(1) 計画の構成
本計画では、ヒグマ対策の基 本的な考え方を示すとともに、 その目標実現のための対 応策 等 を
明 らかに する 。
この 計画 は、 三つ の 章か らなってお り、この うち、第 1章 では 、計画 策 定 の背 景 やその 目 標 、ね らい
等 の概 要を示し てい る 。
次に 第 2章 で は、ヒグマ 対策 として必 要 な具 体 的対 応策 に つい て整理 し てお り、対 応策 ごとに、 「方
向 性 」と して計 画 期 間 全 体 の 長 期的 な取 り 組 み の 方 針 を 示 し 、 さ ら に 「 当 面 の 実 施 策 」 と し て
計画 の前半 概ね5 カ年に おける 具体的な 実施策 を示し ている 。当面 の実施 策では、 概ね5カ
年 の う ちに 対 策 や 検討に 着 手 す る も の を挙 げ てお り 、 一 部 地 域 に お い て 実 施 す る 試 験 的 な事 業 も
含まれている。
最後に第3章では、計画を実行するにあたっての関 係機関相互の連絡・調整や計画の点検
・見直し等について取りまとめている。
( 2 ) 計画添付資料
計 画 を補 足す る ため の 説 明 や デ ータ ・ 事例 紹 介 等 に つ い ては 、巻 末 に 計 画添 付 資 料 として示 し て
い る。(省 略)
第2章
総合的ヒグマ
総合的 ヒグマ対策
ヒグマ 対策の
対策 の 推進
本 計 画 の 目 標 を達 成 す る た め に 必 要 な具 体 的 対 応 策 は、 以 下 の とお り5 つ に 大 別 され る 。各 地 域 そ
れ ぞれ の 事 情 に 応 じて これら を適 切 に 組 み 合 わ せ て実施 す る こと に より 、総 合 的 に ヒグ マ対 策 を推 進 し
てい く。 目標 とその 対応 策との 対応 関係 を表1 に示 し、本計 画の 組 立を図1 に示 す。
① 事 故や 被害 の未 然防 止(「先 取り防 除」)
② ヒグマ 出没 時の 対応 (危機 管理 )
③ 地 域個 体群 の管 理
④ ヒグマ 対策 に必 要な人材 の育 成と総 合的 管理 体制 の検 討
⑤ 対 策推 進の ため の 調査 研究
表1
計画策定 の 目標と
目標 と 当面の
当面 の 実施策 との関係
との 関係
計 画 策 定 の 目 標
対
応
策
1 事故 や被害 の
未然防 止
(「 先取 り防 除」 )
2 ヒグマ出 没時 の対 応
(危 機管 理)
3 地域 個体群 の管 理
4 ヒグマ対 策に 必要 な
人材 の育 成と総 合的
管理 体制 の検 討
5 対策 推進の ための
調査研 究
当 面 の 実 施 策
(1) 農 作物等 被害 の効 果的
な防 除策 の検 討・ 普及
(2) 生 ゴミ等 の ヒグ マ誘 引物
の 管理
(3) 普 及啓発
(1) 連 絡体制 の整 備
(2) 駆 除体制 の整 備
(3) 誘 引物の 除去 ・隔 離
(4) 対 応判断 のため の情 報
収集
(5) 情 報提供
(6) 総 合的危 機管 理体 制の
検討
(1) 出 没・捕 獲状 況の 精査
(2) 計 画的な捕 獲の実 施に
向けた検討
(1) 研 修等の 実施
(2) 総 合的管 理体 制の 検討
(1) 対 策効果 の検 証
(2) 管 理技術 の開 発
<凡
例>
- 61 -
人身 事故
の防 止
農作 物等被 害
の予 防
ヒグマの地域
個体群 の存 続
○
◎
○
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
○
○
○
◎
○
●
●
●
◎
○
●
◎
◎
●
◎
○
●
○
○
○
○
◎
◎
○
○
○
◎
○
●
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎:目 標の 達成 に重 要な役割 をもつ 施策
○ :目 標の 達成に 関連 する施策
● :将 来的 に目 標の 達成 に関 連し てく る施 策
図1
保護管理計画 の 組立
事 故や
故 や 被 害の
害 の 未然 防止
ヒ グマ 出没 時の
時 の 対応
(「 先取 り 防 除」
除 」)
→
具体 的な 対策 は
第2 章の 1参 照
地 域個 体群 の 管 理
(危
( 危 機管 理)
理)
→
対応策
具体 的な 対策は
第2 章の 2参照
→
具体 的な 対策 は
第2 章の 3参 照
ヒ グマ 対策 に 必 要な
要な
人 材の
材 の 育成 と 総 合的
管 理体 制の
制 の 検討
→
先取 り防除に 必要
な モ ニ タ リ ン グ
危機 管理に 必要
なモニタ リング
具体 的な対策 は
第2 章の 4参 照
地域 個体 群の 管理に
必要 なモニタリ ング
対 策 推 進 の た め の 調 査 研 究
具体 的な対策 は
第2 章の 5参 照
1 事故や
事故 や 被害の
被害 の 未然防止 (「 先取 り 防除 」)
方向性
ヒグマは、本来は注意深い動物であり、人間を避け て生活している。しかし、いったん人
間の出した ゴミや農作物などを採餌 すると、人間の生活域は「容易に 採餌できる餌場」であ
ると学習し 、人間に対する恐怖心よ りも餌への執着心が上回り、出没 が増加する傾向にある
ことが知られている。
このことから、農作物や農水産業廃棄物・生ゴミな どの採餌は有害性の高いヒグマを作り
出す原因と なることから、この様な 機会を極力少なくするよう努める ことによって、人とヒ
グマとの軋轢の軽減を図る。
当面の実施策
( 1 )農 作 物等 被害 の 効果 的な
的 な 防 除策 の 検 討 ・ 普 及
ア
イ
ウ
エ
電 気 牧 柵 に よ る 農 地 の 囲 い 込 み 等 の 防 除 策 を、 状 況 に 応 じ て モ デ ル 的 に 実 施 す る 。
有効性が認められた被害防除策の普及を図る。
被害防除策導入のための支援に努める。
出 没環 境の 情報 収集 に努 め、 各種環 境条 件の 改善 によ る出 没予防 の可 能性に つい て検討 す
る。
( 2 )生 ゴ ミ等
ミ 等 の ヒ グ マ誘
マ 誘 引物 の 管理
農 水 産 業 廃 棄 物 ・ 生 ゴミ等 のヒグマ を誘引 するおそ れのある 物の適正 管理につ いて、関 係機
関等で協議を行い、日常的な予防対策を実施する。
( 3 )普 及 啓発
ア
ヒグ マと の事 故 を未 然に 防ぐ ため の正 し い知 識を 、日 頃か ら地 域住 民 や来 訪者 へ普 及
するよう努める。
イ 普 及 啓 発 に 当 た っ て は 、 普及 啓発 の専 門家 の助 言を受 けな がら 、わ か り や す い プ ロ グ ラ
ム の 開 発 や フ ォ ー ラ ム の 開催 な ど を 進 め る と と も に 、イ ン タ ー ネ ッ ト や地 域 の 自 然 教 室 、
学 校 教 育 な ど の 場 も 積 極 的に 活 用 す る 。
ウ 作成したプログラムの内容に応じて、協力者(機関)との間で実行に向けた調整を進める。
エ
プログラムについては、常 に 効 果 を検証して必要に応じて改善を図る。
- 62 -
2 ヒグマ 出没時 の 対応(
対応 ( 危機管理 )
方向性
ヒグマが人里等に出没した場合には、状況を的確に 判断し、迅速な対応が求められ、その
た め に は 、 日 頃 か ら ヒ グ マ の 出 没 に 備 え た 体 制 を 整 備 して お く こ と が 重 要 で あ る 。
連絡体制、駆除体制など、危機管理のための体制を 、単一または複数の市町村ごとに整備
す る ほ か 、 地 域 住 民 や 来 訪 者 へ の 的 確 な 情 報 提 供 を 進 め、 地 域 社 会 の 安 全 性 を 高 め る 。
当面の実施策
(1)連絡体制の整備
ア
関 係 機 関 相 互 の 情 報 伝 達 を マ ニ ュ ア ル 化 し て 、 緊 急時の連絡 体制の迅 速 化 ・ 正 確 性 の 向
上を図る。
イ 出 没 に際 し て 常 に 適 切 な 対応ができるよう、連絡体制確認のための訓練等を 実 施 す る 。
(2)駆除体制の整備
ア
イ
緊 急 時 に 速 や か に 駆 除 を 実 行 で き る 体 制 を 最も 効 果 的 な 地 域 単 位 で 整 備 す る 。
人身事故防止、農作物等被害防止のために必要な駆除はこれまでどおり実施する。
( 3 )誘 引 物の
物 の 除去 ・ 隔離
ヒグマ出没時において、出没の原因となった誘引物が特定された場合には、その速やかな除去
または隔離に努める。
(4)対応判断のための情報収集
出没し た( または 捕獲さ れた) ヒ グ マ の 出 没 状 況 に つ い て 情 報 収 集 ・ 分 析 を 行 い 、 今 後 の
ヒグマ出没 時における、より迅速・ 的確かつ効率的で安全な対応に反 映させるための基礎資
料とする。
( 5 ) 情報 提 供
ヒグマ 出没 時には 、地 元 で の 安 全 対 策 を 進 め る 上 で 必 要 な 、 正 確 か つ 最 新 の 情 報の把 握と
提供を迅速に行う。
(6)総合的危機管理体制の検討
危 機 管 理 を 含 む 総 合 的 な 対 策 等 を担 う 、 ヒ グ マ 専 門 家 か ら な る 新 た な仕 組 み に つ い て 検 討 を 進
める。
3
地域個体群の
地域個体群 の 管理
方向性
生 息動 向等の 科学 的調 査デ ータ を集 積す るとともに、出 没 要 因 や 捕 獲 状 況 等 の 情 報 の 収 集 分 析 な
ど を 進 め 、 個 体 数 を 管 理 ・ モ ニ タ リ ン グ す る こ とに よ り、 各 種 被 害 の 抑 制 と 健 全 な 地 域 個 体 群 の 存
続 を 目 指 す 。ま た、科 学 的 調 査 に 基 づ き 、生 息 環 境 の 把 握 や 生息地保全の手法について検討する。
当面の実施策
(1)出没・捕獲状況の精査
ア
ヒグマの 出没・捕 獲の際には 、出没し た個体、 捕獲され た個体に 関 す る 情 報 を 収 集 し 、 分
析する。
イ ヒ グ マ の 生 息 動 向 と 植 生 と の 関 連 の 分 析 な ど 、 科学的な調査に基づき、ヒグマの生息環境
の把握を進める。
ウ 生息環境に関する分析をもとに、関係機関の協力を得てその保全管理について検討する。
(2)計画的な捕獲の実施に向けた検討
事 故 や 被害を 未然防止し、地域 個体群を適正に管 理するため、問題 を起こす可能性が 比較的
高い個体を計 画的・効果的に捕獲する手法(「 管理捕獲」)を検討する。特に管理捕獲の一つとし
て、 出没情 報や捕獲 データの 科学 的 な分 析 に基 づ い て「春 季 の捕 獲」の実 施に向け て検討を 進め
る。
4 ヒグマ 対策に
対策 に 必要 な 人材 の 育成 と 総合的管理体制 の 検討
方向性
ヒグマ出没時に出動する熟練した従事者等の高齢化 が進むなど、現行の体制においては将
来的に人材不足の問題が生ずると予想される。
- 63 -
また、事故や被害の防止、危機管理体制の整備を図 っていくためには、関係者がヒグマ対
策に必要な 知識、経験、技術等を持 つことが必要であり、市町村の範 囲を超えた広域的な協
力 体 制、「 先 取 り 防 除 」 に 対 応 で き る 体 制 、 な ど が 求 め ら れ て い る 。
このため、緊急かつ必要な捕獲を実施できる体制を 維持するために、必要な研修を実施し
て ヒ グ マ の 捕 獲 の 経 験 と 技 術 を 有 す る 従 事 者 ( 熟 練 者 )等 の 育 成 ・ 確 保 を 図 る 。
なお、ヒグマ対策を総合的に進めるために、被害防 除や捕獲、モニタリングなど広く専門
的に対応で きる人材の育成・確保、 さらには、これを擁する新たな仕 組みの導入についても
検討を進める。
当面の実施策
(1)研修等の実施
ア
市 町村 の行政 担当 者等を 対象 に、各 種ヒグ マ対策 業務に 適切 に対処 できる よう、 研 修 及 び
連絡体制確認のための訓練を 実 施 す る 。
イ 捕 獲 従 事 者 を 対 象 に 、 出 動 時 に 的 確 に 対 処 で き る よ う 、 出 没 ・ 対 応 事 例 を 参 考 に 状況判
断等に関する研修を実施する。
(2)総合的管理体制の検討
ア
ヒ グ マ 対策先 進地 との情 報交 換など を進め ること によ り、対 策の実 施上必 要な実 践的な 知
見の収集と活用を図る。
イ ヒ グ マ の 出 没 に 対 応 で き る 熟 練 し た 従 事 者 を確保するた め、 そ の 育 成 策 や 広 域 的 な 協 力
体 制 な ど 、 制 度 上 の 問 題 点や 解 決 す べ き 課 題 を 検 討 す る 。
ウ 危 機 管 理 に 備 え 、 総 合 的 なヒ グ マ 対 策 等 を担 う 人 材 の 確 保 を念 頭 に お い た、 新 た な仕 組 み に
つ い て検 討 を進 め る 。
5 対策推進 のための 調査研究
方向性
生息動向、生息環境、被害状況、社会環境等に関するモニタリングを進め、被害対 策及び個体群管理を
推進す る上 で必要な情報 を継 続して収 集す るとともに、具 体的な対策 の効果 を検証 するための指 標として
活用する。
当面の実施策
(1)対策効果の検証
ア
生息動向を調査して、ヒ グマの個体数、齢構成、分布等を引き続き把握するとともに、
そ の 精 度 の さ ら な る 向 上 を目 指 す 。
イ ヒ グ マ の 生 息 動 向 と 植 生 と の 関 連 の 分 析 な ど 、 科学的な調査に基づきヒグマの生息環境の
把握を進める。(第2章3(1)イの再掲)
ウ 被害 状況の調査に当 たっては、必要 な情報の項目を整 理し、被害発生原因の分 析、防除
対 策 効 果 の 検 証 等 を 進 め る。
エ ヒ グ マ を 取 り 巻 く 社 会 環 境 を 把 握 す る た め に 、 ヒグ マに 対する 意識 、精神 的被 害の評 価
方法等の調 査 手 法の 検 討 を 進 め る 。
(2)管理技術の開発
ア
被害 情報 の分 析 を進 め、 その 分析 結果 に 応じ て防 除措 置を 試行 する な ど、 被害 防除 の
た め の 管 理 技 術 の 検 討 を 進め る 。
イ 犬等 によ る追 い 払い など 、ヒ グマ を駆 逐 する ため の方 法に つい て、 地 域の 実情 に応 じ
て 実 施 が 可 能 な 技 術 の 改 善・ 開 発 を 図 る 。
ウ 事 故 や 被害を 未然 防止 し、 地域 個体群 を適 正に管 理す るた め、問 題を 起こす 可能 性が比 較
的高い個体を計画的・効果的に捕獲する手法(「管理捕獲」)を検討する。
特に管理捕獲の一つとして、出没情報や捕獲データの科学 的な分析 に基 づい て「春季 の捕 獲」
の実施に向けて検討を進める。( 第 2 章 3 (2 ) の 再 掲 )
第3章
計画の
計画 の 実現 に 向 けて
この計 画 に基づく 対 応 策 の 実 施 に 当 た っ て は 、 市 町 村 な ど の 関 係 機 関 と 連 携 を 図 り な が ら 、
- 64 -
それぞれの役割を分担していく必要がある。
道は、各 種 の 対 応 策 を 進 め る 上 で 必 要 な ヒ グ マ の 生 息 動 向 や 環 境 条 件 な ど の モ ニ タ リ ン グ 、
被 害状況の分析な どの調査研究・情 報収集に努め、市町村等 がヒグマ対策を実行する 上で必要
なデータとして有効に活用されるよう情報の提供を行う。
また、必要 に応じて各種対応策等の 進捗状況や実施の効果等の点検を 行い、計画の見直しを
行う。
各種の対応策に関する関 係 機 関 の 連絡 ・ 調 整 等 を 図 る た め 、「ヒグマ対策協議会」(以下、「協議会」
という)を設置する。
なお 、ヒ グ マ に 関 す る 調 査 ・ 研 究 と 、 地 元 で の ヒ グ マ 対 策 に 対 す る 指 導 ・ 助 言 機 関 と し て 、
北 海道 環 境科 学研 究センター 自 然環 境部 道 南地 区野 生 生物 室の 有 効な活用 を図る 。
1
協議会 の 設置
( 1) 道及び市町村が主体となって、渡島支庁管内全域を対象とした「渡島地区ヒグマ対策協議会」と、
檜山支庁及び 後志支庁南部の計画対象地域を対 象とした「檜山・南後志地区ヒ グマ対策協議会」
をそ れぞれ 設置し、 関 係 機 関 ・ 団 体 等 と の 連 絡 ・ 調 整 、 情 報 の 共 有 を 図 り 、 相 互 理 解 を 進 め
る。
( 2) 協議会では 、地域の実情に応じた適切な対策が連携して実施されるよう、各関係機関が当該年
度に実施しようとしている対策の内容を取りまとめる。
( 3 ) 各 種 の 調 査 結 果 や 各 関係 機 関の 対 策 の 実 施 状 況 は 年 度 ご と に 取 り ま と め て 協 議 会 で 報 告
し、以降の対策の推進に役立てるものとする。
( 4) 協議会では 、各種対応策の実施に役立つ技術的情報及び実施事例を取りまとめて「対策実施の
手引き」を作成し、必要に応じて追加・改訂する。
2
計画 の 点検 ・ 見直 し
(1) 本 計 画実 施の 方向 性を 明確 に して 各対 応策 に計 画的 に取 り組む とと もに 、各 種対 応策 等
の 進 捗 状 況 や 実 施 の 効 果 な ど 、 計 画 の 達 成 状 況 を 逐 次 点検 す る 。
(2) 自 然 環境 や社 会環 境の 変化 に 柔軟 かつ 適切 に対 応す るた め、本 計画 は、 実施 から 概ね 5
年 を 経 過 し た 時 点 で 各 対 応 策 を 再 検 討 し 、 見 直 し を 図 るも の と す る 。
渡島半島地域ヒグマ保護管理計画に基づく
「 春季の 管理捕獲」実施方 針
(
1
平成 15 年概 要版
)
実 施方 針の
針 の 作成 の 目 的
(1) 作成 の 背 景
渡 島 半島 地 域 は、人 とヒグ マとの 接 触頻 度 が道 内 の 他地 域 に 比べ て高 く、様 々 な軋 轢 が生 じ
てい る。
この ため 、 道 で は、平 成 1 2 年 に「 渡 島 半 島 地域 ヒ グマ 保 護 管 理計 画 」 を策定 し 、人 身 事 故 の
防 止 や 農 作 物 等 被 害 の 予 防 と地 域 個 体 群 の 存 続 と を両 立 させ る ため の ヒ グマ の 適 正 な保 護 管
理 方策 の 確立 を図 ることとしている 。
ま た、最 近 ではヒ グマ 出没 の 通 報数 の 増 加が 著 しく、 地元 で の効 果 的 な対策 実 施 が迫 られ て
い る 状況 にある 。
そ こで 、上 記 計 画 に 基 づ く総 合 的 なヒ グマ 対 策 の 一 環と して、 「春 季 の 管 理 捕 獲 」を3 年 の 期
間 を設定 して、試行 する 。
(2) 「 春 季の
季 の 管理 捕獲 」 の 目的
総合 的 な ヒグ マ 対策 の 一環 と して 試 行 する 「 春季 の 管理 捕 獲 」 は 、「 捕獲 対 象 を 選 択し
択し
捕 獲 数 を 制 限 し た 捕 獲 を 春 季 に 行 う こ と に よ っ て 、 ヒ グ マ の 人 里 へ の 出 没 を で き る 限り
抑 制・
制 ・ 低 減 させ 、 かつ 地 域個 体 群の
群 の 存 続 を 図 る 。」 とい う 、 ヒ グ マ保
マ 保 護 管理 方 策 の 確 立を
立を
図 る。
- 65 -
ヒグマの 保 護管 理方 策で は、 次の ような様々 な対策 を総 合的 に実 施す る 必要 がある 。
① ヒグマを人 里に 誘引 する 生ゴミなどを適 正に 管理 する 。
② ヒグマの 好む 農作 物等 を採餌 でき ない よう 隔離 する 。
③ 人間 がヒグ マの生 息域 に立 ち入る 際の 注意 事項 など につ い て普 及啓 発を図 る。
④ 出没 して問題 を起こす 可能 性の 高い 個体 を、問題 発生 前に 選択 的に 捕獲 する 。
⑤ 様々 な対策 の推 進に 必要 な、 人材 の育 成、総 合的 管理 体制 の検 討を進 める 。
⑥ 対 策 推進 の 基 礎となる 調 査 研究 を推進 す る 。
等々
今 回 の「 春季 の 管 理捕 獲 」は、こ のう ちの④ の 対 策に つ い て、 3年 間 の 試行 期 間を定 め て、捕
獲 対 象 や捕 獲 数を制 限し た上で 実施 し、 これ によ って、ヒグマに よ る軋 轢 を、 どの 程 度、抑 制 ・低
減 す る ことが で き る の か を 検 証 し、 併 せ て科 学 的 なモ ニ タ リン グに よ り、 地 域 個 体 群 へ の 影 響 を
検 証す るもの である 。
2
「 春季 の 管 理捕 獲」
獲 」 試行 にあ た って の考
の考 え方
春 季 の 管 理 捕 獲 で は 、 夏 か ら 秋 に か け て 人 里 周 辺 で 軋 轢 を 起 こ し 駆 除 の 対 象 と な るこ
と が 多 い オ ス の ヒ グ マ を 主 体 と し た 捕 獲 を 、 安 全 か つ 効 果 的 に 実 施 で き る 春 季 に 行 うこ
と に よ り 、 人 里 周 辺 で 発 生 す る ヒ グ マ に よ る 軋 轢 の 低 減 を 図 る と と も に 、 捕 獲 数 に 上限
を 設 け て科
て 科 学的 に 効 果検 証を
証 を 行 い 、 個 体 群の
群 の 存続 を 図 る 。
(1) 捕獲 対象 の 考 え 方
主 な 捕獲 対象 は オス ( 満 2 歳 以上 )
① 捕獲 によ る事 故・被 害の 未然 防止 を考え ると、オス の捕 獲が 効果 的で ある。
② メスの捕 獲は、 生息 数へ の影 響が 大き い。
(2) 管 理捕 獲の
獲 の 実 施時 期の
期の 考え 方
春先 の 残 雪期 の 捕 獲が
獲 が 適切
① 残 雪 期は 、目 視に よ る 個体 識 別 が比 較 的 容易 で あり、オ スの 成 獣 とそれ以 外 の 個体 との 区
別 が可 能で ある。
② 捕獲 を行う場 合 、春の 下 草の ない 季 節は見 通し が良 く、比較 的安 全 に捕 獲を行 うことがで き
る。
(3) 捕 獲数 の 上 限 設定 の 考 え 方
メス に 厳 しい 上限 を 設定
① オス は広い 行 動 圏を持 つ ことが判 明 してお り、 オス を捕 獲 した場 合 、捕獲 場 所に 関 わら ず、
潜 在的 には人 里周 辺へ の出 没の 可能 性の ある 個体 を捕 獲し たと言 える 。
一 方 、 メス はオ ス よ りも狭 い 行 動 圏 を持 ち、 里 山 と奥 山 の 個 体 は 異 なる と考 え ら れる の で 、
潜 在的 には人 里周 辺へ の出 没の 可能 性が 低い 。
② 個体 群へ の影 響の 大き いメ スの捕 獲数 につ いては慎 重な管理 が必 要で ある 。
3
「 春季 の 管 理捕 獲」
獲 」 の 方法
オ ス を 主 体 的 に 捕 獲 し メ ス の 捕 獲 を 抑 制 す る た め 、 子 連 れ の 捕 獲 や 穴 狩 り を 禁 止 する
な ど捕
ど 捕 獲手 法を
法 を 制限 する 。
ま た 、 地 域 個 体 群 の 存 続 に 支 障 が 生 じ な い よ う 捕 獲 数 に 上 限 を 設 け 、 上 限 に 達 し た段
た段
階 で 春 季の
季 の 管理 捕獲 を 終 了さ
了 さ せる 。
(1) 捕 獲 の 実 施主 体な
体な ど
市 町村 長に よる 有害 鳥獣 駆除 (予察 駆除 )とする 。
(2) 実 施期 間及 び 対象 地域
3月 21日 から 5月1 1日 までの 間の 41日 以内 とする 。
な お 、 捕 獲 数 が 上 限 に 達 し た 場 合 は 、そ の 段 階 で 春 季 の 管 理 捕 獲を 終 了 す る も の と す
- 66 -
る。
対 象地 域は、「渡 島半 島地 域ヒグマ 保護 管理 計画 」の対 象地 域とす る。
(3) 捕 獲手 法及 び 捕獲 対象 の 制 限
メ スの 捕獲 を次 によ り制 約 する 。
ア
猟具 は銃器 のみ
(箱 ワナに よる 捕獲 では、オ スメ スの 事 前の 判別 が困 難な ため。)
イ
穴 狩り の禁 止
( 子連 れの メス を捕 獲す る可 能性 が 出グ マ狩 りと 比較 して 高い ため。)
ウ
親 子連 れの 捕獲 の禁 止
エ
前 掌幅 13cm 以 下の 足跡 を 追跡 対象 から 除外
( オス は満 2 歳以 上で は前 掌幅 が 概ね 13cm を超え る 一方 、メ スは 成獣 とな って も
前掌 幅は 概ね 13cm 以 下で ある。)
(4) 総捕 獲数 の 上 限設 定
「 春 季の 管 理捕 獲 」で は 、個 体 群の 存続 を 図る た め、 オ スメ スそ れ ぞれ に つい て 捕獲 数
に上 限を 設け る。
ア
メス の捕 獲数 の上 限設 定
:10 頭
1990 ~ 2000 年 のメ スの 年平 均捕 獲数 水準 は2 0 頭で ある が、 10 頭が 上乗 せな っ
たと して も、 3 年間 程度 (試 行期 間) であ れば 生息 数の 大き な 減少 には 至ら ない 。
イ
オス の捕 獲数 の上 限設 定
:39 頭
1990 ~ 2000 年 のオ スの 年平 均捕 獲数 水準 であ る 39 頭を 、捕 獲数 の上 限と する 。
ウ
ブロ ック管理 の実 施
捕 獲が 一 部地 域 に集 中 しないよ う、渡 島 半島 地 域を数 ブロ ックに 分割 し、それ ぞれ に捕 獲
数の 上限 を設定 する 。
4
調 査研 究の
究 の 必要
春 季 の 管 理 捕 獲 の 実 施 に あ た っ て は 、 ヒ グ マ に よ る 問 題 の 発 生 抑 制 効 果 と ヒ グ マ 生息
数 水 準 の 把 握 の た め の 調 査 が 不 可 欠 で あ り 、 春 季 の 管 理 捕 獲 の 実 施 が 個 体 群 に 及 ぼ す影
す影
響 及び
及 び 問題 発生 水準 を 把 握す
握 す るた めの モ ニタ リン グを
グ を 継続 的に
的 に 実施 する 。
(1) 標識 ・ 電 波追 跡調 査
標 識個 体の 電波 追跡 調査 のデ ータ から 、 生息 数水 準を 推定 する 。
(2) 広 域痕 跡調 査
森 林 作業 、 送電 線 管理 作 業時 の 痕跡 発見 率 の推 移 から 、 生息 数の 増 減傾 向 を推 定 する 。
(3) 分 布調 査
定 期的 なア ンケ ート によ り、 分布 動向 を 把握 する 。
(4) 捕 獲 努力 量調 査
捕 獲努 力量 調査 によ り、 生息 数の 増減 傾 向を 推定 する 。
(5) 捕 獲 個体 調査
捕 獲 個体 に つい て 、捕 獲 時の 状 況等 を把 握 する と とも に 生物 学的 情 報を 調 査し 、 個体 群
動態 パラ メー ター 推 定の ため の基 礎資 料を 得る 。
(6) 軋 轢発 生頻 度 調査
地 域ご との 軋轢 発生 頻度 をモ ニタ リン グ する 。
5
春 季の
季 の 管理 捕獲 の 効 果 検証 と 見 直し
直し
①
春 季の 管理 捕獲 の試 行に あた って は、継 続的 な調 査研 究の 結果 に基 づき、効果 を検 証し、
翌年 の捕 獲方 法や 期 間等 の検 討に 反映 させ る。
②
3 年間 の 試 行 後、「 渡 島 半 島地 域 ヒ グ マ 保 護管 理 計 画 」 の 中 間見 直 し に 合 わ せ、 問 題 発
- 67 -
生 の 抑 制 効果 及 び 個 体 群 へ の影 響 の 検 証 結 果を基 に 「 春季 の 管 理 捕 獲 」の あり方 を検 討 する 。
【 ヒグマの有害鳥獣捕獲制度 】
区
分
春季 の管 理捕 獲
春グ マ駆除
実
施
平成 14年 ~16年 (予 定)
昭 和41年 ~平 成1 年
目
的
期
間
事故・ 被害 の未 然防 止
場
所
個 体数の 削減
地域個 体群 の存 続
3 月21日~ 5月 11日
3 月15日 ~5 月31日
( 期間 中の41日間 )
( 4月 11日 ~5 月10日 )
捕獲 の
( 通常の )有 害鳥 獣捕 獲
主 に山 間部
里 地から 奥山ま で
( スノーモ ービルの使 用制 限)
捕 獲 者 原 則とし て居 住市 町村
被害・ 事故 の防 止
3 月~ 12月の 出没 期間
主 に 農 地 や 人 家 裏 など 、 人 の
生活 域に 接し た場 所
居 住す る支 庁管 内(~ 昭和 55) 原則 として居住 市町 村
の要 件 相 手 市 町 村 の 同 意 に よ り 広 域 居 住市 町村( 昭和 56~ )
対 応が 可能
捕獲 の オ ス ・メ ス別 の 捕獲 頭 数の 上 限
制
限 を設 定
特に なし
( 一人 あたりの捕獲 数は設 定)
穴 グマ・ 親子 グマの 捕獲禁 止
有害 個体 を目的 とした捕獲
( 被害 を 与 え な い個 体 は 捕獲
の 対象外 )
捕 獲前 の雌 雄判 別
春季の管理捕獲と 春グ マ駆除
春 グマ駆除
春 季の 管理 捕獲
捕 獲
→
オス の捕 獲 →
個体 数減 少 = 被 害の 減少 ?
被 害を及 ぼす個体 の減 少= 夏以 降の 被害減 少
メ スの捕 獲
夏以降 の被 害減 少に は貢献せ ず
→
個体 群の 絶滅 のお それ増加 =捕 獲を厳し く制限
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