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ぼちなみ計画]

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ぼちなみ計画]
躍
置
6
犀飼
4
口国
日躍
概要
かたわら、戸建て住宅の販売を行ってきた程
所在地/福岡県宗像郡玄海町大字池田
度で、造成から手掛けた住宅団地は、今回が
開発総:面積/203,103m2
初めての経験でした。当社の開発事業におけ
宅地総区画数/519区画
る理念は「福岡をもっと素敵な街にしたい」で
用途地域等/都市計画区域外、建築協定によ
す。宗像コモンのプロジェクトも「素敵な街に
る制限有り。
したい」から始まりました。スタッフにスペ
シャリストがいるわけでもなく、「こんなこと
・… 義_.瀦職
がしたい。できたらいいな。」まるでドラえも
膿◎
んのポケットでもないと前に進まないのでは
と思えるほど、混沌としたスタートでした。
市場環境も立地条件も事業を促進するもので
はなく、決して良いと言えない状況が本団地
丁寮藷9 一無…藷
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れ ゆト ト
を作らせる要因となりました。
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磯’顎.
立地及び市場について
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8 由
本団地の位置する玄海町は福岡市、北九州
市の両百万都市からそれぞれ40kmの中間地
醗 ・ド 酬電翼畝疇
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饗綬で
点、バスとJRを使って約1時間通勤圏という、
福岡では住宅立地としてギリギリの場所です。
多轟吸 牙ニス戸7亨
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(右)位置図
産趨伽
隣接の宗像市は近年ベッドタウン都市として
認知されはじめ、人口の流入も高く推移して
(下)全体計画図
いますが、玄海町はまだ人口1万人の町で、
玄界灘に面した神丘、三崎という2・つの港町
は栄えていますが、その周りを田園が囲む農
村地帯で、緑、空気といった自然環境には恵
まれた所ではありました。玄海町の住宅団地
は昭和50年代に270戸、160戸の中規模の
開発が行われたが、現在もその半数が空地の
ままで、良好な住環境が形成されているとは
言えない状況です。しかしながら隣接の宗像
市の宅地化がすすみ、玄海町域の住宅開発が
時間の問題であることは瞭然で、本事業は、
玄海町行政による「農村活性化構想」に基づ
く住宅地開発でスタートしました。
私どもに与えられた使命は「良好で健全な
はじめに
4
住環境の早期の実現」でした。
私共の会社は、福岡都市圏において、キャ
市場データによれば、戸建て建売の供給戸
ナルシティに代表される商業施設開発、ホテ
数は福岡県内で年間2,200∼300戸、宗像地
ル運営、住宅事業としては「ネクサス」という
区はその約1割の200戸前後の数字。敷地面
ブランド名でのマンション開発を主に展開し、
積は平均65坪で、都心に近ければ小さく、離
戸建て事業としては、総合住宅展示場運営の
れれば大きくと、50∼80坪で推移。価格は
家とまちなみ37 19983
少し無理をすれば手が届く範囲の3,000万円
心を通る幹線道路に沿って、公園を全て配置
台後半が多く、建物の規模は変わらないため、
することで、家々の前のオープンスペースと
土地の単価と面積によって価格がバランスさ
大きな島々に憧れの光景を実現させることに
れていました。
しました。東西の団地入口のゲートパークを
決して便利とは言えないが、「自然」という
はじめ大小21ヵ所の公園が延長700mの幹
環境に恵まれた立地、似通った商品が供給国
線に面した計画となり、住民の共有の財産と
側のみの意図で送りこまれ、データが作られ
しての公園の幹線道路を「公園通り」と名付け、
ている市場、我々は商品作りの原点をここに
町名ともなりました。公園通りの景観を作り
見出しました。
だす各要素について述べたいと思います。
「ゲートパーク」
商品作りの2つのコンセプト
「コモン」の思想
周囲の豊かな緑空間に、都市空間の空気を
感じさせるモニュメントを配置することで、
日本の住宅地は何故美しくないのか。美し
住宅地としてのゲート性を高める、頭部は照
くなくなったのか。自分達は手掛けた責任も
明として機能し、夜間においてもその存在が
ないのでそんなことが言えたのです。風景と
見失われないようにしました。公園通りの歩
して決して美しくはない。たぶん、絵として
道のフットライトも同じデザインの灯具とし
描かれた当初は美しくあったに違いない。
個々の家々は個人により管理され、元の美し
さを維持されているとしても、「道路」「街路樹」
「植樹帯」、そして3%の「公園」の街の景観は見
る影もない。
街づくりの理念として、街は住民の共有の
財産であるという意識を持たずして、住宅地
は良好な環境を維持しえないという思いから
「共有」の意味を持つ「コモン」を団地の名称と
しました。この理念はかの「ボストン・コモン」
に由来したものです。また、住民だけでなく
デベロッパーも、作り手の責任として住民と
1 ウエストゲート ゲートパークのモニュメント
人々を迎える街のサイン。夜は常夜灯として、住民を
暖かく迎えてくれます。
一体となった共創の感づくりを目ざさなけれ
ばならないという自負が生まれてきます。
「3100プロジェクト」
住宅作りの理念として「3100」という数字
を揚げました。良い物を作りたい、しかも、
買い易い価格で。私共の会社は地場の会社で
給与も一般的、購入者層はつまり自分達で、
3,000万円という望ましい価格は即座に答が
2 イーストゲート ゲートパークのモニュメント
出ました。戸建ての敷地は広い方が良い。そ
メインゲートと同じデザインのモニュメントを設置
の適当な広さも100坪という答が社員へのア
し、裏口のイメージを払拭しています。
ンケートから出てきました。100坪の敷地を
持つ住宅を3,000万円で売る「3100プロジ
ェクト」は、大衆財としてあるべき住宅の姿
を、質と価格のバランスを見直し、新しい価
値観を創出することに意義がありました。
住宅地の景観をいかに美しく作るか、保っ
ていくか。私共は遠くアメリカの住宅地に憧
れを抱いていました。道路沿いに広がる手入
れの行き届いた芝生の前庭、家の軒を超す
3 幹線の「公園通り」 公園通りを庭として眺めるこ
木々に垣間見える家並み。東西1㎞の街の中
とができる幹線沿いの家並み。
家とまちなみ37−1998.3
5
ました。
「歩道或いは遊歩道」
幹線道路に沿う歩道は、車道に平行ではな
く、公園の中を迂回し、歩行は全て散策に変
ってしまうような動線を作り出しました。車
道と歩道に狭まれた三ケ月形の植栽帯が美し
い景観を生みだしています。
∴鵡.濫騨欝ぞ響顯
8 公園内、遊具1 子供の遊具も、デザインや色彩の
楽しい物を探したら、輸入品になりました。
4 公園通り、歩道の迂回 公園部の歩道は、公園の
中へと迂回し、住民の寄り道を誘います。
9 公園内、遊具2 公園のアクセントとなるモニュメ
ントも楽しい物がみつかりました。
木々は元々この地に育っていたもので、場内
移植により、枝を落とすことなく50本程度残
すことができました。家の軒を超すに十分な
木の丈です。
「植栽」
団地の周囲は緑が多く、移植した高木の同
5 公園通り歩道部、コモンツリーと街路樹の並木
家並みが続く部分は、街路樹と住宅のコモンツリーに
よる並木道が形成されます。
種の物が豊富にあります。公園の木としてフ
ェニックスやココスの大樹を植えることでア
イストップとし、葉色の異なる大小のコニフ
ァー、オリーブ、サルスベリ、マグノリア、
キングサリ、アジサイやバラ等、ガーデニン
グ雑誌に溢れる造園趣向の高い植栽を行いま
した。まだまだ小さいそれらの植栽も数年後
には、美しいシーンをもたらすものと秘かに
期待しています。
「草花、フラフープァクトリー」
多年草はともかく、季節の草花(一年草)を
6 公園通り、歩道の植栽帯 迂回によってできる三
植え、1年を通して花の咲く公園にすることに
ケ月形の植栽スペース。フェニックスの植栽は通りの
しました。住民から管理費をある程度集める
アイキャッチ。
「グランドカバー」
公園はペアーグランドを排除しました。こ
れは以後の公園内植栽、住宅外構にも通じる
識,
もので、ガーデニング(庭作り)を意識したコ
ンセプトです。地面は土の造形による緩かな
アンジュレーション、アクセントとしてのマウ
7 公園内、ガゼボ(あずま
や) 2ヵ所の公園にガゼボ
を設置。散歩の途中の休憩
難,憶\
ンド全てを芝生とし、植栽帯の中も、パーク
チップという園芸用の木砕片を散布しました。
10 公園内花植栽、一年草の定期植替え部分1 フラ
「高木」
フープァクトリーで生産される一年草の草花を植える
ました。
高さ15mを超すケヤキ、クス、シイ等の
公園内の花壇。
6
家とまちなみ37 1998.3
場所です。キットを輸入し
で生産された花の苗を公園内に植えるシステ
ムとしました。
フラフープァクトリーは街の中心のコモン
ハウス(集会所)横に位置し、常に散歩する人
達に花の成長を楽しんでもらえることになり
ました。
「無電住区、無アンテナ化」
公園通りの景観向上のため、幹線道路の電
柱を排除しました。コスト上、団地全体の無
部の植栽ゾーンの立木の足元に草花を植えます。公園
電柱化はできず、幹線沿いの住宅への電気の
の花壇と同様年3回の植替えを行います。
供給は、1本中に入った裏宅地からの地下埋設
(なえしろ やすゆき)
福岡地所(株)企画設計室次
長
1τ公園内花植栽、一年草の定期植替え部分2 歩道
苗代康幸
昭和31年生まれ。九州大
による地役権設定による手法をとりました。
学工学部建築学科卒。昭和
アンテナについては共同アンテナにより各戸
55年積水ハウス(株)入社、
の屋根からアンテナをなくすことにしました。
設計業務。平成元年福岡地
所(株)入社、(株)三京設計
「照明」
室に出向、住宅設計業務。
・1…:i雛議灘
ゲートパークのモニュメントライトにはじ
平成4年福岡地所(株)に戻
まり、幹線道路はアールデコ調のナトリウム
り現在に至る。
ランプの街灯を設け、ハンギングのためのア
常に提案する姿勢をもち
ームを取り付けた。公園内の植栽はバリード
12 公園内花植栽、一年草の定期植替え部分3 コモ
隷
ンハウスの入ロ部分。ゲートモニュメントと同じデザ
インのフットライトを通り沿いに点在させています。
馨覇
ながら、デベロッパーの一
員としてバランスのとれた
ライトによるアッパーライトを採用しました。
「街」と「家」づくりを目指し
周囲がまだ田舎だから、夜間はこの街は浮
ています。
び上ってしまう。光に寄せられて虫はまだし
も、よその車が入ってくるのは困った現象。
13 街の中心に位置するコモンハウス 集会所をコモ
ンハウスと名付け、街の中心部に位置させました。他
15 公園通り、街路灯の八ンギング オリジナルデザ
に2ヵ所小規模の:コモンハウスを建設予定。
インの街路灯に、八ンギングの植栽が吊るせるアーム
を取付けています。
「エバーグリーン」
アメリカに限らず外国の街で思うのは、冬
でも芝生が青いこと。憧れのアメリカの住宅
地も、構成する素材がコンクリートの道と芝
生の緑だけで美しい。スプリンクラーの設置、
夏の芝管理等、専門家とかなり検討を行った
14 花の生産工場フラフープァクトリー コモンハウ
スの隣です。公園の中にある温室のイメージです。
が断念せざるを得なかったのです。理由は、
水不足問題、管理費の高額化、そして当社の
準備不足にありました。冬期の景観に青い芝
ことにしていたので、植替え費用にその一部
生は実現できませんでした。
を充当することにしました。当初は花の苗を
「ランドスケープ」
一括購入し植えていくことにしていたが、フ
公園通りの話がほとんどになるのですが、
ラフープァクトリーと名付けた育成温室を共
道路構成は、幹線道路にコミュニティ道路と
有施設として団地内に作り、年間計画に基き、
してのループ道路がT字に接続、ループ道路
種からの生産を行い、フラフープァクトリー
はボンエルフで相互につながり、クルドサッ
家とまちなみ37
1998,3
7
外構計画
各戸の外構も、景観構成の大きな要素で、
園芸的な趣きをもたせることにしました。道
路側の土留は曲線を描き、凹んだ部分はコモ
16 はじめてのクリスマス、コモンハウ
ス前にて コモンハウスの正面のホプシ
ーは街のX’マスツリー。来年は各戸のイ
ルミネーションと共に美しい冬の光景が
見られます。
18 住宅の外構、アプローチまわり 住宅のアプロー
チ部の、擬石を貼ったエントランスウォールとスタン
ド式ポストは統一仕様。
17 細街路風景 コニファーの生垣と草花、曲線を用
いた土留にデザインされる住宅の外構。
19 住宅の外構、コモンツリー ゆくゆくは街路の樹
に成長する各戸のコモンツリー。道路レベルに植え、
足元は草花の植栽です。
クはフットパスでつながっています。
一部ロータリー型のクルドサックを設け、
その中心に夜間ライトアップされるフェニッ
クスをアイストップとして植栽。直径16mの
この円形のスペースは、車の転回には少々不
便であるが、広場としての効用、単調な街路
構成をカバーする景観上のアクセントとして
機能しています。
幹線道路から各ループ道路の入口に、公園
を配置させ、ゲート性をもたせました。
20 住宅の庭、100坪タイプの庭のガーデニング 住
宅地割りはいわゆるハーモニカ型で、宅地
宅の庭は全て芝生貼りです。広い庭でのパーゴラやト
構成が100坪、80坪、65坪の3種類のバリエ
レリスによるガーデニングの提案の例です。
ーションから成り、間口により面積が異なっ
ています。幹線道路沿いに100坪宅地を配置
し景観作りを行ったが、65坪宅地が並ぶゾー
ンとの較差が大きすぎ、アンバランスな結果
となりました。第2期以降65坪宅地を減らし、
100坪宅地を増やす再造成工事を余儀なくさ
れる原因とな.りました。第1期分譲166戸の
敷地内訳は65坪35%、80坪15%、100坪
50%の割合でしたが、第2期以降80坪40%、
8
21住宅の庭、半戸外のデッキテラス 屋根付のデッ
100坪60%の割合とし、総区画数も519区画
キテラスを設け、外での食事を楽しむ提案を行っていま
から452区画に変更することになりました。
す。いろいろなバリエーションのテラスを全住戸に設置。
家とまちなみ37
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噂
ンツリーを植え、足元には草花を施す。コモ
られるのならその方が良かったのですが、共
ンツリーは将来、通りの木として街路の景観
有地を持つ他団地の様子が意識の低さを露呈
を形成するのに重要な要素で、道路のレベル
しているように感じられました。
に植えることにしています。1件当りのコモン
フラフープァクトリー運営はおそらく初めて
ツリーの数は道路に接する間口に応じて変え
の試みではないかと思われるため、その経緯
ています。
を述べることにします。前述のとおり、途中
高木はシンボルツリーとして街区の景観上
での方針変更により産み出された計画でした。
単調さをカバーするアクセントとして必要な
まず誰に相談してよいかすらわかりません。
宅地にのみ植栽。外構付きの建売住宅販売と
外構工事で花を納入している園芸店の部長さ
いうこともあり、かなり事業者側の意図が濃
んから、花の種類、必要な苗の数、温室業者
く、レモンやリンゴ、オリーブ等実の成る木
を紹介してもらい、温室規模などのハード面
が植えられていることは、購入者が気づいて
はおさえはできたものの、栽培実務の受け入
いないこともあります。道路側の植栽は数種
れ先がなかなか見つかりません。地元の栽培
のコニファーによる生垣です。
農家の方々にも相談しましたが金銭面で相手
道路からlm範囲内のフェンス、塀を建築
にされず、そんな折、宗像市に「庄助ふるさ
協定で禁じています。犬を飼う人がフェンス
と村」という施設があり、市民のための花の温
を欲しがるのは当然ですので、lm内のフェン
室栽培を行っているという話を聞き、厚かま
ス等も道路側に植栽を施し直接見えないよう
しくも隣町のことで担当の方に相談に行きま
にすることを義務付けています。
した。
じ
草花類も植えていますが、入居後購入者に
その方の紹介で地元玄海町の花卉栽培農家
よって手が加えられ、年々美しくなっていく
のグループの方々と会うことができました。
ことは近年の住宅団地の様子を見て安心して
その中に町会議員の方がおられたことも幸
います。フラフープァクトリーの花生産など、
いして委託栽培を引受けてもらえることにな
住民の話題が花に関することが多くなりそう
りました。素人の熱意が地元のために一肌脱
で、ゆくゆくは、ニュージーランドのクライ
いで貰えることになった原因のようで、現在
ストチャーチのようにガーデニングコンテス
最初の栽培に着手し、園芸教室の開催など、
トが催される街に発展してくれないだろうか
ボランティアとして新住民との交流の話も持
等と思ってしまいます。
ち上っています。委託栽培の品種は、公園の
植栽管理会社、生産者と当社の間で協議し、
管理システム
年間計画を作成、1年毎の見直しを行うように
,
「コモン」の思想から、公園がこの街の共有
しています。
財産として、共益費を元に管理されていきま
ゆくゆくは管理組合の中の花委員なる人達
す。正確に言えば、公園の土地の所有権は玄
が育成するようになることを期待しています。
海町にあり、住民の共有物は、芝生から上の
一年草の定植面積は200m2、年3回の植替
植栽の全て、遊具等の公園施設、フラフープ
えを予定しています。1回の最低生産数を
ァクトリーです。
7,000ポットと決め、余剰分については定植
宗像コモンでは、区分所有法に基づく管理
数を増やすか、住民に配布するか未定です。
規約を作り、建物所有者による管理組合が、
「3100」の実現に向けて
公園の維持管理を行うことになっています。
環境管理費として毎月3,675円を組合員か
第1期商品の価格は下表のとおり、概ね
ら集め管理会社に業務委託を行っています。
「3100」の実現ができたのではないかと思いま
管理の具体的内容は、公園の芝刈をはじめ
とする植栽管理、定期清掃、遊具等の維持管
理、フラフープァクトリーの運営、花の定期
植替え等です。
区分所有法に基く管理規約としたのは、マ
匹
ンション等では当然であるものが、戸建て団
地においては、共有物という概念の認識が薄
く、共有者の責任をより重く意識して欲しい
からです。戸建団地によくある紳士協定が守
す。
[価格]激闘歯噛4LDK2階建の場合
価格帯
戸数
2800万円台
1
2900万円台
9
3000万円台
25
3100万円台
6
家とまちなみ37 1998.3
9
ユーザーの「より良い物をより安く買いたい」
に隣の住宅の工程をこなし、重機の在置も運
という心理は年々高まってきており、リーズ
搬の手間を省けました。建方工事のクレーン
ナブルな価格と質のバランスに留意し、商品
も1日に複数の上棟を行うこと、運搬回数の
のコストダウンを推進しました。
減につながる等、工事に伴う諸費用といわれ
マンション建設に比べ戸建の建設はコスト
る経費の削減が行われました。
面、施工計画において効率化が進んでいない
建具、造作材、タイル等の輸入も、大量発
ようで、1団地内の166戸の戸建てを、166戸
注ということで、既製品輸入からオリジナル
の1つのマンションという概念でとらえるこ
商品の製作が可能となり、価格面はもちろん、
とで、数々のコスト削減が可能になりました。
商品面での特徴となっています。輸入におい
資材の計画的受注生産はメーカーのメリッ
て、輸送に関わる費用が懸案でしたが、計画
ト、数回単位の資材大量運搬は納入効率につ
生産により、コンテナ単位での工事過程に応
ながりました。
じた効率輸送ができました。
現場においても、多くの業者、職人の長期
外構計画において、土留の化粧ブロック、
間の現場常駐が可能になり、現場移動のロス
塀の擬石など、輸入を行いましたが、単価と
いうより、高度の技術を要しない施工性に優
もなくなりました。基礎工事では、養生期間
れた商品として効果がありました。
降轟曝畢一一演腰側欄瞳噛甚旧刊蘇嘱臨画ヨー購国里麟螂鱒㈱蜘 聾一斗i聯熱ll聯1靴糊llil葺il購1田刀i衝器ll騨蘇1遡黙1照1照終il鞠曲騨欄巌二糊1願鰺蝋
謬
妻 嚢
1財団纒雛まちなみノ最近号バックナンバー
生垣等の植栽も大量になるため、約1年前
嚢
から準備を進め安定供給をはかりましたが、
草花等は、栽培農家との受注計画生産による
133号 平成8年3月発行
コストダウン化、生垣や中木においても3年
1第7回街並みシンポジウム「ア→駕ンライフとカントリーライフ」
1まちなみ計画①「桃花台グリーンテラス光ケ丘」 増田史男
難
1まちなみ計画②「諏訪野の街づくり」
宮脇檀
1住宅総合展示事鞍績(平成7年7月∼12月)
一華一
羅
1戸建住宅地掛画”を考える 佐藤俊一
程度の準備期間があれば、アメリカの生産体
制が受注生産でコスト削減になっている例を
見ても十分に可能性があるのではないかと、
フラフープァクトリーの計画過程やアメリカ
134号平成8年9月発行
での資材調達を通じ知ることができました。
ひ建住弔鐘酷考える・・ア刈力錐宅地緬‘・学ぶ・佐藤俊一
計画生産はコスト面はもちろん、憧れのガ
途
嚢スウェーデンの街並みと都市計画制度① 松本忠
1まちなみ計画・阪南スカイタウンのまちづくり・山田隆明
ーデニング誌にある植栽が意図どおりに創り
あげられる可能性があるという点で、ますま
戸建住宅地研究①「共有地(コモン)の管理、保全の実態」
前園百合子
す夢を膨らませてくれます。
まちづくり設計競技[平成7年度]入選作詳報
難瀧毒毒
住宅総合展示事業実績(平成8年1月∼6月)
後記
宗像コモン第1期分譲は、建売166戸同時
まちなみ計画「八王子みなみ野シティのまちづくり」 鎌田雅行
販売という大量販売で、事業計画に約1年半
まちなみ計画「八一モニーヒルズ木津の街づくり」 芝村雅樹
を要しました。その多くの時間は事業の検証
第8回街並みシンポジウム「古今東西まちなみ物語」
で、「100坪」「公園通り」という商品特徴がどれ
戸建住宅地研究②「住宅地を支える道路と交通」久保田尚
糞
35号平成9年3月発行
戸建住宅地研究③「戸建て住宅地計画の評価」齊藤広子
戸建住宅地研究④「非グリッド型住宅地に関する考察」前園百合子
スウェーデンの街並みと都市計画制度② 松本忠
住宅総合展示事業実績(平成8年7月∼12月)
だけ消費者にインパクトを与え、支持される
かの検証でした。他にない商品価値を創造す
ることで、供給者側の作り出した市場データ
を一変できるか。平成9年5月の販売開始以
来半年足らずで来場者は6,000組を超え、販
36号 平成9年9月発行
まちづくりエッセイ⑦「都市計画家よ、もっと社会性を論じよう。」 三浦展
まちづくりエッセイ⑧「下町型住宅、再発見」 椎原晶子
売も順調に推移しています。平成10年3月末
から入居が始まり、4月には400人の街が誕
生します。大量販売により、早期に街は機能
し始めます。
「この街で時間を享受する。」都会の喧騒か
l畿蹴麟格に鷲宅環境 鶴田繍l
ら離れたこの街には、休日毎の都心での買物
が、お金と時間の浪費に思えるほど、豊かな
生活があります。街の仕組みは出来あがり、
今度は新しい住民との本当の意味での街づく
りが始まります。
10
家とまちなみ37 1998.3
Fly UP