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JAF|国内競技車両規則2014年 第1編 レース車両規定

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JAF|国内競技車両規則2014年 第1編 レース車両規定
第1編 レース車両規定
※文中の太字斜体部分は、2013年JAF国内競技車両規則第1編レース
車両規定からの改正箇所を示す。
第1章 車両の分類
第 1章 車両の分類
部門とグループ
第 1条 国内競技車両
部門Ⅰ 量産車両(公認車両および登録車両)
N1:量産ツーリングカー
N2:特殊ツーリングカー
JAF−GT3
00:グランドツーリングカー300
JAF−GT5
00:グランドツーリングカー500
部門Ⅱ 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)
FJ1
600:フォーミュラJ1600
S−FJ:スーパーFJ
F4:フォーミュラ4
SF:スーパーフォーミュラ
第 2条 国際競技車両
部門Ⅰ
グループN :プロダクションカー
グループA :ツーリングカー
グループR :ツーリングカーまたは大規模量産プロダクションカー
部門Ⅱ
グループRGT:GTプロダクションカー
グループGT1
:グランドツーリングカー
グループGT2
:量産グランドツーリングカー
グループGT3
:カップグランドツーリングカー
グループCN:プロダクションスポーツカー
グループD :国際フォーミュラレーシングカー
グループE :フリーフォーミュラレーシングカー
部門Ⅲ
グループF :レーシングトラック
−9
−
第2章 レース車両の排気音量規制
第 2章 レース車両の排気音量規制
国内で開催されるJAF公認レース競技会に参加するすべての車両は以下の排気音
量に対する規制が適用される。
1.参加者は開催場所の周辺の環境を守るために国または地方自治体が制定した音量
に関する法令およびオーガナイザーが決める排気音量に関する規定に従うこと。
ただし、最大音量は測定距離3mの場合1
2
0
dB(A)以下とする。
JAFは、予告期間をもって最大音量を引き下げる権利を留保する。
2.参加車両の音量に関する規定は付則「レース車両の排気音量測定に関する指導要
綱」に従うこと。
−1
0
−
部門Ⅰ:量産車両
(公認車両および登録車両)
(第3章〜第8章)
−1
1
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
第 3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
第 1条 定 義
1.
1)公認車両
一定期間内における同一車両(“同一車両”の項参照)の生産台数が量産に
達すると認められた車両で、顧客に対する通常の販売(“通常の販売”の項参
照)を目的としたものであり、車両型式が当該車両の公認書と合致しているこ
と。この一定期間とは、連続する1
2
ヵ月間とする。JAFは最少生産台数を調
査し、FIAに対し公認を申請することができる(“公認”の項参照)。
1.
2)同一車両
同一の生産系列に属し同一の車体構造(外部および内部)、同一の機械構造部
分および同一のシャシー構造(モノコック構造の場合、このシャシーは車体と一
体となっている)を有する車両をいう。
機械構造部分とはエンジン、駆動、懸架、操向および制動の諸装置をいう。
1.
3)車両の型式(モデル)
車体特有の設計や外観、同一機械構造のエンジン・電気モーターおよび駆動
装置によって区別できる量産の車両をいう。
同一型式の判定には打刻が参照される。
1.
4)グループ別最少生産台数
グループ別最少生産台数を次のように定める。
量産ツーリングカー(N1)・・・・・ 2
,
5
0
0
台
特殊ツーリングカー(N2)・・・・・ 5
0
0
台
1.
5)通常の販売
通常の販売とは、自動車製造者の通常の日本国内販売網を通じ、個々の顧客
に対して車両を販売することをいう。
1.
6)公 認
公認とはJAFおよび/あるいはFIAによる公式の証明であって、当該型
式の車両の最少生産台数が、本規則のN1、N2、または20
1
3
年FIA国際モ
ータースポーツ競技規則付則J項のグループN、A、B、GT2、GT1、T
2のいずれかに、その車を分類可能ならしめる生産の条件のもとで達成された
−1
2
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
という証明である。公認申請は、JAF国内公認申請の場合、JAFにおいて
審査公認される。また、FIA公認申請の場合、JAFによってFIAに提出
され、公認はFIAの規則に基づいて行われる。公認は現行規則が有効である
年の前年の1月1日にまだ生産されている型式、またその1月1日以降に生産
が開始された車両にのみ与えられる。生産車の公認はそのモデルが生産を中止
した翌年から7年間有効である。モデルの公認は一つのグループに対してのみ
有効である。すでに公認されているモデルがそのグループから他のグループに
変更された場合、以前の公認は無効となる。
公認書の発効日が競技会期間中である場合、この書式は該当する競技の全期
間を通じて有効である。
1.
7)公認書
JAFおよび/あるいはFIAによって公認されたすべての車両は、公認書
とよばれる書類に記載される。公認書には、その型式の識別を可能とするため
の諸元が記入される。
公認記載項目、記入要領ならびに公認申請要領は「FIA車両公認規則」に
示される。
オーガナイザーは車両の検査のときに公認書の提示を要求することができる。
参加者が提示を行わなかったときは、オーガナイザーは出場を拒否すること
ができる。
当該車両を車両公認書と照合のうえ検査した結果疑問のある場合、技術委員
はその銘柄の車の販売店のために発行された整備説明書、または、あらゆるス
ペアパーツを記載してあるカタログと照合する必要がある。
参加者は自分の車両が生産された国のASNもしくはFIAから、その車両
の公認書、および必要な場合は追加公認書(正常進化・変型公認の公認書等を
含む)の交付を受け、常に携帯することが義務付けられている。
1.
8)登録車両
JAF登録車両規定(モータースポーツイヤーブック参照)に基づいて登録
された車両。
1.
9)気筒容積別クラス
車両はその気筒容積に従い、次の16クラスに分けられる。
−1
3
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
1.
.
.
気筒容積
6
6
0
c
c
を含み 6
6
0
c
c
まで
2.
.
.
〃
6
6
0
c
c
を超え 1
,
0
0
0
c
c
〃
1
,
0
0
0
c
c
〃 3.
.
.
〃
1
,
0
0
0
〃 1
,
1
5
0
〃
1
,
1
5
0 〃 4.
.
.
〃
1
,
1
5
0
〃 1
,
4
0
0
〃
〃 1
,
4
0
0
5.
.
.
〃
1
,
4
0
0
〃 1
,
5
0
0
〃
〃 1
,
5
0
0
6.
.
.
〃
1
5
,0
0
〃 1
,
6
0
0
〃
〃 1
,
6
0
0
7.
.
.
〃
1
,
6
0
0
〃 2
,
0
0
0
〃
〃 2
,
0
0
0
8.
.
.
〃
2
,
0
0
0
〃 2
,
5
0
0
〃
〃 2
,
5
0
0
9.
.
.
〃
2
,
5
0
0
〃 3
,
0
0
0
〃
〃 3
,
0
0
0
1
0
.
.
〃
3
,
0
0
0
〃 3
,
5
0
0
〃
3
,
5
0
0
〃 1
1 .
.
〃
3
,
5
0
0
〃 4
,
0
0
0
〃
4
,
0
0
0
〃 1
2 .
.
〃
4
,
0
0
0
〃 4
,
5
0
0
〃
4
,
5
0
0
〃 1
3 .
.
〃
4
,
5
0
0
〃 5
,
0
0
0
〃
5
,
0
0
0
〃 1
4 .
.
〃
5
,
0
0
0
〃 5,
5
0
0
〃
5
,
5
0
0
〃 1
5 .
.
〃
5
,
5
0
0
〃 6
,
0
0
0
〃
6
,
0
0
0
〃 1
6 .
.
〃 6
,
0
0
0
c
c
を超える車両
競技会特別規則では、第1
6クラス(気筒容積6
,
0
0
0
c
c
を超えるクラス)につい
てさらにクラス分けすることができる。ただし、その他のクラスを細分するこ
とはできない。
上記のクラスの分類は、過給されていないエンジンを備えた車両に対するも
のである。(過給装置付エンジンのクラス区分:4
.
3
.
1
)参照)
ある特定の競技の部門別に関し、JAFによって反対措置が課せられない限
り、オーガナイザーはすべてのクラスを特別規則書に記載する必要はなく、ま
たさらに、その競技の特殊事情によっては2つ、あるいは幾つかの相次いだク
ラスを合体させることは自由である。
1.
10)車 体(ボディ)
車体とは以下のことを意味する。
外側:完全に懸架されている車両のすべての部分で、空気の流れにさらされ
る部分。
内側:車室内の見える範囲のすべての部分および荷物室。
車体は次の形式に区別する。
−1
4
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
1.
10.
1)完全に密閉されている車体構造の車両。
1.
10.
2)完全なオープンの車体構造の車両。
1.
10.
3)コンバーティブルの車体構造の車両:開閉または脱着可能な屋根を備えた
車両。
[注]1
.
1
0
.
2
)および1
.
1
0
.
3
)の車両をオープンカーという。同一の系列に属す
る車体はすべて同種でなければならないが、〈サンルーフ〉はこの限りではない。
コンバーティブル車両はオープン車両に適用される規則にすべて合致しなけ
ればならない。
1.
11)電子システム
1.
11.
1)クローズド-ループ電子制御システム
以下の条件を満たす電子制御システムをいう。
1)連続的に実際値(可変制御)を監視するもの。
2)フィードバック信号を期待値(参考可変値)と比較するもの。
3)演算結果により自動的に調整するシステム。
例:シャシーの制御、オートマチックあるいはセミオートマチックトランスミ
ッション、電子クラッチ、ファイナル・ディファレンシャル、調整式ショ
ックアブソーバー、車高調整サスペンション、4輪操舵など。
1.
11.
2)ドライバーが作動させ、1つもしくは複数のシステムに作用する単純な自
動でない電気スイッチは、
電子制御とはみなされない。
1.
12)テレメトリー
走行中の車両とその車両の参加に関係しているあらゆる者との間で行われる
データの通信をいう。
1.
13)データロガー
走行中の各部状況をセンサー等により数値データ化し記録するシステム。デ
ータはメモリーに蓄積され、走行後確認することができる。
第 2条 一般事項
2.
1)適合性
競技に出場するすべての車両は本章および第4章“公認車両および登録車両
に関する安全規定”に従うことが義務付けられる。また、その車両を改造する
場合は、その車両が属しているグループに対し許される範囲内とする。
競技会期間中いかなるときでも、車両がそのすべてにわたってこれら規定を
−1
5
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
遵守していることを競技会の技術委員および審査委員の求めに応じて説明およ
び検証作業に応じることは各参加者の義務である。
2.
2)許される変更の限度
任意選択部品/仕様の公認はその車両の該当するグループに定められている
最少生産台数と同生産数が原則として必要とされる。ただし、あるグループに
対しては一定の条件により公認されるものもある。
公認書に記載されている部品/仕様(任意選択部品/仕様を含む)および公
認書には明示されていないが自動車製造者によって当該型式の車両に通常取り
付けられている部品/仕様に対する改造および変更(取り付け、取り外しを含
む)の限度は本規定によってグループの各々に対し明白に定められている。
排気ガス対策装置は自由とするが、これらを完全に取り除いた場合に生ずる
穴を完全にふさがなければならない。ただし、触媒装置については各グループ
の規則に従うこと。
JAFは、予告期間をもって触媒装置の装着を義務付ける。
2.
3)マグネシウム
公認書に記載されているか、もしくは自動車製造者によって当該型式の車両
に通常取り付けられている部品(以降、標準部品という)を除き厚さ3mm未
満のマグネシウム軽合金板の使用は禁止される。
2.
4)ねじ山の修理
破損したねじ山は同一内径の新たなねじ山をきることによって修理すること
ができる(ヘリコイル形式)。
第 3条 寸法および重量
3.
1)最低地上高
車両の左右1つの側面のすべてのタイヤの空気が抜けた場合であっても、車
両のいかなる部分も地表に接してはならない。
このテストはレース出走状態で(ドライバーが搭乗し)平坦な面上で行われ
ること。
3.
2)最低重量
ツーリングカー(N1/N2)は、それぞれの気筒容積に対し次の最低重量
を必要とする。
−1
6
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
N1
N2
660c
c
以 下
600kg
580kg
1,000c
c
〃 660kg
620kg
1,400c
c
〃 750kg
700kg
1,500c
c
〃 800kg
740kg
1,600c
c
〃 850kg
780kg
2,000c
c
〃 940kg
860kg
2,500c
c
〃 1,020kg
940kg
3,000c
c
〃 1,100kg
1,020kg
3,500c
c
〃 1,180kg
1,100kg
4,000c
c
〃 1,260kg
1,180kg
4,500c
c
〃 1,340kg
1,260kg
5,000c
c
〃 1,410kg
1,340kg
5,500c
c
〃 1,480kg
1,420kg
5,500c
c
を超える
1,550kg
1,500kg
これらの重量は、出走可能な状態で一切の潤滑油、冷却水を満たし、燃料と
ドライバーを除く車両の真の最低重量である。競技中、いかなるときでも上記
に記載されている最低重量より車両が軽くなっていてはならない。
疑義がある場合、技術委員は、重量を検証するため、燃料タンク(複数)を
空にすることができる。
過給装置付エンジンを搭載する車両によるワンメイクレース、および量産車
で生産中止から5年を経過した車両によるワンメイクレースの場合、上記以外
の最低重量を競技会特別規則書に規定できる。
3.
3)バラスト
1個あるいは数個のバラストによって最低重量を満たすことが許される。た
だし、バラストは十分な強度を有する単一構造体で、工具によって、車室また
は荷物室の床に目に見えるように取り付けられ、封印できる構造でなければな
らない。上記条件を満たせば、1個のスペアホイールまたはリムをバラストと
して使用してもよいが、当初の搭載位置に当初の取り付け方法で搭載しなけれ
ばならない。
3.
4)室内寸法
本規定によって許されている改造が車両公認書に記載されている寸法に影響
する場合、この寸法は当該車両に対する認可基準とは見なされない。
−1
7
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
第 4条 エンジン
4.
1)気筒容積
気筒容積:ピストンの上下運動により1個または複数の気筒内に生じる容積
Vをいう。
V=0
.
7
8
5
4
×b2×s×n。b=ボア、s=ストローク、n=気筒数。
4.
2)過給装置
方法のいかんを問わず燃焼室内に充填される燃料と空気の混合気の重量を増
加(吸気または/あるいは排気系統内における通常の大気圧下での重量および
ラム圧、流体力学的効果による重量の増加)させる装置をいう。
燃料の加圧噴射および外部の空気をエンジンの吸気口に向かわせるための吸
気装置は過給装置とはみなされない。
4.
3)気筒容積の換算係数
自然吸気ピストンエンジン以外のエンジンを搭載した車両の場合、以下に示
す換算方式により自然吸気ピストンエンジンの気筒容積に相当する値を計算す
る。
いかなる場合も、換算によって得られた相当容積が、その車両の実際の気筒
容積とみなされる。これは気筒容積別クラス分けの他、車室内寸法や最少座席、
最低重量等についても適用される。
4.
3.
1)過給装置付エンジン
過給装置付エンジンの車両は、その公称気筒容積に、ガソリンエンジンにつ
いては係数1
.
7
、ディーゼルエンジンについては係数1
.
5
を乗じ、それによって
得られた値に相当するクラスの車両として扱われる。
4.
3.
2)レシプロピストンエンジンとロータリーエンジン
(NSUWANKELの特許による方式のもの)との等価方式
この排気容積の換算式は燃焼室の最大および最小容積の差に等しいものとす
る。
4.
4)タービンエンジン
タービンエンジンの車両は、下記の換算方式により得られた値に相当するク
ラスの車両として扱われる。
換算方式は次の通りとする。
−1
8
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
S
(3
.
1
0
×R)−7
.
6
3
C= 0
.
0
9
6
2
5
S=高圧ノズル面積
Sはステーターブレードからの出口(ステーターが数個の段階をもつ場合に
は第一段階からの出口)における空気の流れの面積を平方センチメートルで表
す。測定は高圧タービンの第一段階の固定ブレード間の最小面積をとって行わ
れる。第一段階のタービンステーターブレードが調節できる場合、それらを最
大に開いた面積をもってSの測定値とする。
高圧ノズルの面積は翼間隙の高さ、幅、数の積を平方センチメートルで表す。
R=圧縮比、すなわちタービンエンジンのコンプレッサーの圧縮比。
この圧縮比は下記の通り、コンプレッサー各段の値を乗ずることによって得
られる。
亜音速軸流コンプレッサー(Subs
o
ni
ca
xi
a
lc
o
mpr
e
s
s
o
r
)=1段につき1
.
1
5
遷音速軸流コンプレッサー(Tr
a
ns
s
o
ni
ca
xi
a
lc
o
mpr
e
s
s
o
r
)=1段につき1
.
5
遠心コンプレッサー(Ra
di
a
lc
o
mpr
e
s
s
o
r
)=1段につき4
.
2
5
し た が っ て、遠 心 1 段 と 亜 音 軸 流 6 段 を 持 つ コ ン プ レ ッ サ ー の 場 合、
4
.
2
5
×1
.
1
5
×1
.
1
5
×1
.
1
5
×1
.
1
5
×1
.
1
5
×1
.
1
5
、または、4
.
2
5
×1
.
1
5
の6乗の圧縮比と
なる。
C=立法センチメートルで表したレシプロピストンエンジンに対する等価気
筒容積。
4.
5)ジェットエンジンおよびアフターバーナーシステムは禁止される。
4.
6)排気系統と消音器
排気口は熱を帯びた排気管によって焼損を生じないように適切な防熱措置を
講じなければならない。
排気系統は、暫定的であってはならない。排気ガスは、排気系統の末端から
のみ排出することが許される。シャシーの部分を排気ガスの排出のために使用
することは許されない。
4.
6.
1)後方に向ける場合
排気口の位置は燃料タンクの後方で地表から最大高さ4
5
c
m、最低高さ1
0
c
m
とし、出走状態の車両上面視で車両外縁から内側に1
0
c
m以内になければなら
ない。
−1
9
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
4.
6.
2)側方に向ける場合
排気口の位置は当該構造の直上あるいは直下の車体の側面より突き出しては
ならず、高さは第3条に定める最低地上高を維持しなければならない。また、
車体側面から内側1
0
c
m以内とする。
なお、N1車両については、基本車両が側方排気である場合を除き、後方排
気でなければならない。
4.
6.
3)消音器を取り付ける場合
車体の改造は、ブラケットの取り付けを除き、許されない。
消音器はできる限り生産車の消音器が取り付けられていた位置に取り付ける
こと。
4.
7)車室内においての始動
運転席に着座したドライバーによって操作可能な、車両に搭載されている電
気あるいは他のエネルギー源による始動装置を持たなければならない。
第 5条 駆動系統
すべての車両は競技をスタートする時点において、正常に作動する後退ギアを含
むギアボックスを搭載していなければならない。また、この後退ギアは正常に着座
したドライバーによって操作できなければならない。
第 6条 ホイール、スペアホイール
6.
1)ホイール
コンプリートホイール幅の測定:ホイール幅は地上に置かれた車両に取り付
けられた状態で測定する。車両はレース出走状態であって、ドライバーが搭乗
している状態とする。ホイール幅の測定点は、地面に接している箇所を除くタ
イヤ周辺のいかなる箇所においても測定できるものとする。
コンプリートホイールの要素として、複合タイヤが装着されている場合、コ
ンプリートホイールは、これらのタイヤが使用されているグループに関する最
大寸法に合致していなければならない。
コンプリートホイールの幅:リムとタイヤを組合せた幅をいう。
6.
2)スペアホイール
スペアホイールの搭載は義務付けられない。
第 7条 タイヤ
タイヤは地表以外の部分と接触してはならない。
−2
0
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
第 8条 車 体
8.
1)ド ア
すべての車両は両側に少なくとも1枚の硬いドアを備えなければならず、そ
のドアには閉鎖装置と蝶番を備えていなければならない。
8.
2)ホイールアーチ
車両のホイールアーチは暫定的な性格のものであってはならず、しっかりと
固定されており、かつ、車体との間に隙間があってはならない。
ホイールアーチはコンプリートホイールの上に張り出し、ホイールハブ中心
から計測して、少なくとも車輪回転軸を通過する垂直線の前30
°、後5
0
°の範
囲を効果的に覆うものでなければならない。
ホイールアーチのフランジ部は、タイヤとの接触を避けるために内側に折り
曲げなければならない。合成樹脂の場合、その部分を最小限切除することが許
される。
8.
3)車 室
1)車室とは、固定された前部隔壁と後部隔壁で仕切られた空間をいう。
2)2ボックス車両等で、後部隔壁が明確な壁形状を形成されない構造で床面
と連続している場合は、最後部座席シートバック背面の直後で、当該面と同
等の角度を持った面を想定後部隔壁とし、それと前部隔壁で仕切られた空間
をいう。
3)2座席車両で、当初から後部隔壁が存在しない場合は、前部隔壁と、2)
で定義する想定後部隔壁または床の底部主平面(フランジを除いたサイドシ
ル下面の直線部に平行な面)から立ち上がった面で仕切られた空間をいう。
4)車室は、エンジンルーム、ガソリンタンク、オイルタンク、ギアボックス、
プロペラシャフトから隔壁で完全に隔離されていなければならない。
5)車室の隔壁は、堅固で防火性に富んだ材質を持つものでなければならない。
(第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第1
7
条参照)
6)危険性のあるすべての物体《バッテリー(ドライバッテリーを除く)、可
燃性のある物品等》は、車室以外に搭載しなければならない。なお、車室内
に取り付けが許される付属品とは、スペアホイール、工具、取り替え部品、
安全装置、通信装置、バラスト(許されているもの)、ウインドスクリーンウ
ォッシャー液容器、クールスーツ用諸装置などをいう。
−2
1
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
7)オイルタンクを荷物室に取り付ける場合は、漏油および耐火の隔壁で完全
に仕切られていれば許される。
8)車室内にヘルメットおよび工具の収納容器を設置する場合、その容器は難
燃性の材質で造られなければならず、火災の場合に有毒ガスを発生してはな
らない。
9)オープン車両の搭乗者室および座席を覆ってはならない。
8.
4)無線機器
電波法に定める無線機器の競技車両への搭載および使用に際し、その空中線
(アンテナ)を設置/固定するためルーフ部に最小限の穴を開けることは許さ
れる。
8.
5)サンルーフ
同一型式においてすべての車両がサンルーフを標準装備している場合、サン
ルーフを取り外すことは禁止されるが、車体に一体化するという条件でリベッ
ト留め、
または溶接することは許される。
同様にガラスサンルーフを、残りのルーフ部と同じ厚さを持つ他の材質(ス
チール、アルミ)へ変更することは許される。
ロールケージ取り付けに伴う、レール部の最小限の改造は許される。
第 9条 電気系統
電気系統の定格電圧は、イグニッションスイッチの供給回路の電圧を含み、オリ
ジナルを保たねばならない。
第 10条 燃料系統
10.
1)燃料 − 燃焼物
10.
1.
1)燃料は、通常のガソリンスタンドのポンプから販売されている(潤滑油以
外のいかなる添加物も含まない)ガソリンでなくてはならない。
燃料は、次の特性を持たなければならない。
‐無鉛燃料を使用し最大1
0
2
RONで9
0
MON、最低9
5
RONで8
5
MONという特性
を有すること。測定はASTM規格のD2
6
9
9
8
6
、および、D2
7
0
0
8
6
に準拠
して行い、燃料を許可するか却下するかは、95
%の信頼限度をもってAST
M規格D3
2
4
4
に基づいて決定する。
‐比重は1
5
℃において、7
2
0
〜7
8
5
kg/m3の間にあること(ASTM規格D4
0
5
2
に沿って測定される)。
−2
2
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
‐重量で酸素は最大2
.
8
%(鉛の含有量が0
.
0
1
3
g/ℓ以下の場合は最大3
.
7
%)、
窒素は最大0
.
5
%で、残りの燃料は炭化水素のみで成り立っていて、いかな
る出力増強添加剤を含んでいないもの。
窒素の含有量の測定はASTM規格D32
2
8
に沿って、酸素の含有量は成分分
析により公差0
.
2
%をもって行われる。
‐過酸化水素および窒素酸化物の最大含有量:1
0
0
ppm(ASTM規格D3
7
0
3
)
‐鉛の最大含有量:0
.
4
0
g/ℓ、または、これを下回って定められた、大会規
定の定める量(ASTM規格D3
3
4
1
、または、D3
2
3
7
)
‐ベンゼンの最大含有量:容積比で5%(ASTM規格D3
6
0
6
)
‐リード式最大蒸気圧:9
0
0
hPa
(ASTM規格D3
2
3
)
‐7
0
℃での蒸留液:1
0
%〜4
7
%(ASTM規格D8
6
)
‐1
0
0
℃での蒸留液:3
0
%〜7
0
%(ASTM規格D8
6
)
‐1
8
0
℃での蒸留液:最低8
5
%(ASTM規格D8
6
)
‐最大最終沸騰点 :2
2
5
℃(ASTM規格D8
6)
‐最大残留物 :2%容積(ASTM規格D8
6
)
オーガナイザーは上記に適合しない市販燃料を指定することができる。ただ
し、組織許可申請時にその旨をJAFへ申請し承認を得なければならない。
10.
1.
2)複数の燃料を混ぜて使用することを含み、指定された燃料に対し、空気を
除き、その他の気体/液体/固体を混入して使用することは一切禁止される。
ただし、ロータリーエンジン搭載車両は、エンジンオイルに限り、車両改造
申告書にその種類を明記することにより、燃料への混入が認められる。
10.
2)燃料タンクの容量
N1、N2の各車両の燃料タンク総容量(主タンクと補助タンクを合わせた)
は次の限界以下のものでなければならない。(ただし、当初の燃料タンクを使
用する場合はその限りではない。)
気筒容積 7
0
0
c
c
までの車両
6
0
ℓ
〃 7
0
0
c
c
を超え1
,
0
0
0
c
c
までの車両
7
0
ℓ
〃 1
,
0
0
0
〃 1
,
4
0
0
〃
8
0
ℓ
〃 1
,
4
0
0
c
c
を超える車両
9
5
ℓ
−2
3
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
10.
3)燃料補給装置
10.
3.
1)基準のカップリング(継ぎ手)
サーキットに設備された集中方式、あるいは、参加者が用意した方式の場合、
燃料補給ホースには車両に装着された基準の注入口に適合する漏出防止のカッ
プリングを取り付けなければならない。(取り付けのための寸法は第3
1
図、
第3
1
a
図および第3
1
b図に示される。内径Dは5
0
mm(2
インチ)を超えてはな
らない。)
D1
D2
PP2
0
M
2
.
0
"
2
.
5
" 2
.
2
5
" 3
.
7
"
D3
D4
6
.
3
"
PP2
0
MR
1
.
5
"
2
.
5
" 1
.
7
5
" 3
.
7
"
6
.
3
"
PF2
0
MS
1
.
5
"
2
.
5
"
3
.
7
"
6
.
9
"
PP1
5
M
1
.
5
"
2
.
0
" 1
.
7
5
" 3
.
3
"
5
.
7
"
PF3
0
M
1
.
2
5
" 1
.
6
5
" 1
.
4
5
" 2
.
6
8
" 4
.
6
4
"
PF4
0
M
1
.
2
5
" 1
.
6
5
" 1
.
4
5
" 2
.
6
8
" 4
.
6
4
"
PP1
2
5
M
1
.
2
5
" 1
.
7
5
" 1
.
5
"
2
.
9
"
L1
押す/引く
オス型
5
.
1
"
D1
D2
L3
L4
PP2
0
F
2
.
0
"
2
.
5
"
6
.
7
5
"
3
.
2
5
"
PP2
0
FR
2
.
0
"
2
.
5
"
6
.
7
5
"
3
.
2
5
"
PF3
1
F
1
.
7
5
"
2
.
1
2
"
5
.
3
"
3
"
PF4
1
F
1
.
7
5
"
2
.
1
2
"
5
.
7
"
3
.
3
8
"
PP1
5
F
1
.
5
"
2
.
0
"
6
.
7
5
"
3
.
2
5
"
PP1
2
5
F
1
.
2
5
"
1
.
7
5
"
6
.
2
5
"
3
.
1
"
第3−1図
−2
4
−
押す/引く
メス型
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
同軸型
オス型
車体への取り付け
燃料タンクへの取り付け
メス型
第3−1a図
−2
5
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
8.939
4.303
5.460
Drill .312 DIA.
2 PLC 180 DEG APART
ON 5.000 BCD 12 HOLE
“C”SINK 82 DEG. X .4
4.329
4.309
2.801
0.843
0.455
TAP 10-32 THRU
4 PLC ON 5.000BCD
EQUALLY SPACED
DRILL .201 DIA.
10 PLC ON 5.000 BCD
X 12 HOLE
“C”SINK
82 DEG. X .4
WIGGENS CLAMP
メス型
12.970
AIR OUTLET STYLE’
S
1)1 1/2”
CAM LOCK WITH 1.500 BORE DIA.
2)1 3/4”
HOSE BARB WITH 1.500 BORE DIA.
3.958
6.731
FUEL INLET STYLE’S
1) 1 1/2”CAM LOCK WITH 1.500 BORE DIA.
10.6
2) 1 3/4”HOSE BARB WITH 1.500 BORE DIA.
3) 2’CAM LOCK WITH A 2”
OR
8.8
50MM,OR 1.900 BORE DIA.
4) 2 1/4 HOSE BARB WITH A 2”
,OR
50MM,OR 1.900 BORE DIA.
5) CUSTOMER SPECIFICATIONS
オス型
第3−1b図
‐競技中に燃料補給を伴う競技に参加するすべての車両は、この図に合致した
燃料注入口を装備しなければならない。この漏出防止カップリング継ぎ手は
デッドマン機構の原理に合致していなければならず、したがって開放状態の
ときに、いかなる保持装置も組み込まれてはならない(スプリングにより反
力を与えられたボール方式、差し込みピン方式等)。
−2
6
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
‐空気孔には逆流防止バルブを取り付け、また、バルブは上述の注入口にある
ような遮断方式を有し、かつ、直径の寸法も同一でなければならない。
サーキットに集中方式を用意できない場合には、参加者は上記の手順で燃料
補給を行うこと。
10.
3.
2)燃料補給タンク
燃料補給タンクは第3
2
図でなければならず(第3
1
a
図に示された基準のカッ
プリングを用いる場合、それと燃料補給タンクとの接続は第32
a
図の通りでな
ければならない)、燃料補給中、空気孔の排出口は適切なカップリングで補給
タンクの本体に接続すること。
燃料補給タンクには適切な転倒防止策を施すこと。
燃料ブラダーを剥き出しで使用することは認められない。
燃料補給タンク本体は完全な円筒形でなければならない。
−2
7
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
⑧
1m
A⑤
⑨
⑥
③
半透明のホース
⑩
⑦
D:50mm
10cm
④
50mm
20cm
D:80cm
②
⑤
①
⑧
④
1m
A⑤
A
⑩⑦
40cm
半透明のホース
⑥
④
③
①
⑨
⑤
D:50mm
②
④
2mMax
構造体は補給タンクに機械的
に固定されていること。
直径:最大33mm
高さ
:最大50mm
45°
45°
最大1mm
直径
最大38mm
最大1mm
⑨
最小1mm
補給タンク接続部
直径
最大39mm
流量リストリクター
第3−2図
①オス型給油口(基準のカップリング)
②給油ホース内径:3
8
mm(1
.
5
インチ)
③ブリーザーホース
(半透明)
④給油用コネクター 内径:3
8
mm(1
.
5
インチ)
⑤ブリーザー用コネクター
⑥自動遮断弁 内径:3
8
mm(1
.
5
インチ)
⑦給油口キャップ(漏出防止の措置が講じられていること。モンツァキャップは禁止)
⑧火炎防止換気口
⑨流量リストリクター※
⑩分別バルブ
※「⑨流量リストリクター」は、FIAイベントのみ適用されます。
−2
8
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
1)支柱:太さが5
0
mm以上のものが望ましい。本数は自由。
2)燃料補給タンクの高さ:燃料補給タンク上面は地面から高さ2mを超えて
はならない。
3)燃料補給タンクの寸法:(1)タンクの深さ:最大4
0
c
m
(2)タンクの直径:最大8
0
c
m
4)給油ホース:(1)長さ:柔軟性のある部分のみで最小5m(図⑨の流量
リストリクター使用時は最小2
.
5
m)
(2)内径:最大3
8
mm(1
.
5
インチ)
5)ブリーザーホース(半透明):ホースの長さは自由。また、その中間に金
属製のパイプ(アルミパイプ等)を使用してもよいが、ホースとの接続はク
ランプ等を使用することにより確実に漏出防止がなされなければならない。
6)コネクター(図④参照):図に従い内径38
mm(1
.
5
インチ)以下の漏出防
止コネクターを装備しなければならない。
7)自動遮断弁(図⑥参照):燃料補給タンクとコネクター(図④)の間に燃
料流入を閉鎖できる内径38
mm(1
.
5
インチ)以下の自動遮断弁をとりつけ
ること。
8)給油口キャップ(図⑦参照):漏出防止の措置が講じられていること(モ
ンツァキャップは禁止)。
9)火炎防止/換気口(図⑧参照):
(1)分別バルブ(図⑩参照):上部から換気口先端までの高さは、地面と
垂直に計った状態で1mなければならない。
(2)火炎防止/換気口の内径寸法は自由。
1
0
)分別バルブ(図⑩参照):オーバーフローした燃料と気体化したガスを分
別できるバルブを図の位置に取り付けなければならない。
−2
9
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
第3−2a図
10.
3.
3)燃料補給のアース
燃料補給装置のすべての金属部品は電気的にアースされていること。
下記が義務付けられる:
1.各ピットにアースコネクターが2つ備えられていること。(航空機規
格が推奨される。)
−3
0
−
第3章 公認車両および登録車両に関する一般規定
2.燃料補給装置(塔、タンク、ホース、ノズル、バルブおよびベントボ
トルを含む)はレースが続行している間を通して、上記のアースコネク
ターに連結されているものとする。
3.レース車両は、一時的であっても、ピットで停車した際は、速やかに
アースコネクターに連結されるものとする。
4.2および3が実行されなかったり、実行されるまでは、ホース(注入ま
たはガス抜き)を連結してはならない。
5.すべての燃料取扱いピットクルーは静電気防御服の着用が推奨される。
10.
4)簡易燃料補給方法
1回のピットインにおける燃料補給が20
ℓ以下の場合、下記の条件を満たし
た携行缶による補給が許される。
1)耐圧性の金属性携行缶で容量が2
0
ℓ以下であること。
2)携行缶が、車両給油口まで内径38
mm(1
.
5
インチ)以下の耐油性ホースを
接続できる構造となっていること。
3)バルブ径3
8
mm(1
.
5
インチ)以下でバルブ開閉が90
°以内の角度で操作で
きる手元コックが携行缶から3
0
c
m以内の位置に設置されていること。
4)手元コックから車両の給油口までのホースの内部が目視でき、長さが5
0
c
m
以内であること。
5)申請書および詳細を記載した特別規則書草案をJAFに提出し、その承認
を得たうえで公告すること。
第11条 ブレーキ
カーボン製ブレーキディスクの使用は禁止される。
第12条 障害者用操作装置
第4編付則「アクセサリー等の自動車部品」6.に従った障害者用操作装置を装
着することができる。ただし健常者の使用は許されない。
−3
1
−
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
第 4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
改造および付加物の取り付け等により競技会技術委員長が安全でない車両と判断し
た場合、その指示に従わなければならない。
安全性確保の見地から、その事例は「J
AFMOTORSPORTS」誌上に広報される場
合がある。
第 1条 配管類
1.
1)配管類の保護
燃料およびオイルとブレーキ配管は、外部から損傷を受けぬよう(飛石、腐
触、機械的損傷等)
、すべてを考慮して保護策をとらねばならない。また、室
内には絶対に火災および損傷を発生させない配慮を必要とする。
量産車の装備がそのまま維持される場合は追加の防護は任意。防音材および
防振材等を取り除くことにより配管や配線類が露出する場合には適切なる防護
策を講じなければならない。
燃料配管について、金属部品が絶縁部品によってボディシェルから隔離され
ている場合は、ボディシェルと電気的に接続されていなければならない。
1.
2)仕様および取り付け
量産の装備が保持されない場合は以下の適用が義務付けられる。
1)液体用配管の取り付け:
(1)冷却水または潤滑油を収容する配管:車室外部になくてはならない。
(2)燃料または油圧液を収容する配管:車室を通過してよいが、第4
1
図および
第4
2
図に従った前後の隔壁部分とブレーキ回路およびクラッチ液回路を除
き、車室内部にいかなるコネクターも有さないこと。
2)液体用配管の仕様:
燃料配管、潤滑油配管および加圧される油圧液を収容する配管の取り付け具は
下記の仕様に従って製造されていなくてはならない。柔軟なものである場合、こ
れらの配管はネジ山のついたコネクター、はめ込み式のコネクター、あるいは自
動的に密閉されるコネクターと、摩擦と炎に耐え得る(燃焼しない)外部網材を
有していなくてはならない。
(1)燃料配管の仕様(インジェクターおよびタンクへ戻る配管上の冷却ラジエ
-3
2
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
ターへの連結部を除く):1
3
5
℃(2
5
0
゜F)の最低作動温度で7MPa
(7
0
ba
r
/1
0
0
0
ps
i
)の最低破裂圧力を有していなくてはならない。
(2)潤滑油の配管の仕様:2
3
2
℃(4
5
0
゜F)の最低作動温度で7MPa
(7
0
ba
r
/1
0
0
0
ps
i
)の最低破裂圧力を有していなくてはならない。
(3)加圧下にある油圧液を収容する配管の仕様:2
3
2
℃(4
5
0
゜F)の最低作動
温度で最低破裂圧力2
8
MPa
(2
8
0
ba
r
/4
0
0
0
ps
i
)を有しなくてはならない。
油圧システムの作動圧力が1
4
MPa
(1
4
0
ba
r
/2
0
0
0
ps
i
)を超える場合は、作
動圧力の少なくとも倍の破裂圧力を有していなくてはならない。
隔壁
第4−1図
隔壁
第4−2図
第 2条 ブレーキ
2.
1)ブレーキ
同一のペダルによって作動する二重回路。
ペダルは通常、すべてのホイールに作動するものであること。
制動装置のパイプに漏れもしくは欠陥が生じた場合でも、ペダルは少なくと
-3
3
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
も2つのホイールに作動しなければならない。量産車にこのシステムが取り付
けられている場合は変更を必要としない。
ペダルブラケットの安全のための補強は許される。
2.
2)駐車ブレーキ
駐車ブレーキ装置は左右同時に作動すること。
第 3条 ファスナーの追加
フロントおよびリアボンネットとトランクリッドには、少なくとも2個のファス
ナーを可能な限り離れた位置に取り付けること。ファスナーは、赤(もしくは対照
的に目立つ色)の矢印で明示されていなければならない。元のファスナーおよび開
口を維持する装置(ダンパー等)は作動しないように処理するか取り除くこと。
第 4条 安全ベルト
安全ベルトは、その材質、取り付け方法などを含め「レース競技における安全ベ
ルトに関する付則」に従ったフルハーネスタイプでなければならず、その肩部スト
ラップは幅7
5
mm以上を有していなければならない(ヘッドアンドネックサポート
指定ベルトを除く)
。安全ベルトを座席やその支持体に固定することは禁止される。
FIA国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第2
5
3
条に定められた取り付け方法
も許される。(第4
3
図〜第4
4
図参照)
A穴の断面図
A:安全ベルト取り付け用の穴
第4−3図 第4−4図
第 5条 消火装置—消火系統
すべての車両は手動消火器を装備することが義務付けられる。
手動消火器を自動消火装置に取り替えることができる。
5.
1)手動消火器
手動消火器とは消火器単体をドライバー等が取り外して消火を行うための消
火器をいう。
-3
4
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
1)取り付け
各々の消火器の取り付けは、クラッシュ時を考慮し、減速度25
Gがいかなる方
向に加えられても耐えられるように取り付けなければならず、取り付け方向は車
両の前後方向中心線に対し直角に近い状態であること。(リベット留めは禁止さ
れる。)
金属製ストラップの付いたラピッドリリースメタル(ワンタッチ金具)の装着の
み認められる(最低2箇所に装着することが推奨される)。
すべての消火器は充分に保護されていなければならない。
2)取り付け場所・取り外し
消火器はドライバー等が容易に取り外せる位置に取り付けられなければならな
い。
3)下記情報を各消火器に明記しなければならない。
- 容器の容量
- 消火剤の種類
- 消火剤の重量もしくは容量
- 消火器の点検日
4)消火器の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以内とす
る。(消火剤の充填期日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用してはな
らない。)ただし、2年毎の点検を継続したとしても消火器の製造者が定めた有
効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。
- 消火器の製造者が、有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、そ
の使用期限は製造期日(または初回充填期日)から7年間を目処とする。
- 消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有
効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。
5)2年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店等の有資格者による
点検を受けること。外部が損傷している容器等機能/性能に影響を与える恐れが
あると判断される場合には、装置を交換しなければならない。
6)仕 様
1つあるいは2つの消火剤容器とする。粉末2
.
0
kg以上の内容量が必要である(ま
たは、FIA国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第2
5
3
条に記された消火剤
および内容量を装備してもよい)。すべての消火器は耐火性でなければならない。
-3
5
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
参考)2013年国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第253条
7.
3)手動消火器
7.
3.
1)すべての車両は消火器を1
個あるいは2
個装備していること。
7.
3.
2)認められる消火剤
AFFF、FX GTEC、Vi
r
o
3
、粉末消火剤、FI
Aが公認したその他の消火剤。
7.
3.
3)消火剤の最少容量
AFFF:2
.
4
ℓ
FX GTEC:2
.
0
kg
Vi
r
o
3
:2
.
0
kg
Ze
r
o3
6
0
:2
.
0
kg
粉末:2
.
0
kg
7.
3.
4)すべての消火器は、その内容物によって以下の封入圧力を有さなければなら
ない。
AFFF:製造者の指示に従う。
FX GTECおよびVi
r
o
3
:製造者の指示に従う。
Ze
r
o3
6
0
:製造者の指示に従う。
粉末:最小8ba
r
、最大1
3
.
5ba
r
更に、消火剤にAFFFが用いられている場合は、消火器それぞれに封入圧力
を確認できる機構を備えていなければならない。
7.
3.
5)下記情報を各消火器に明記しなければならない。
-容器の容量
-消火剤の種類
-消火剤の重量もしくは容量
-消火器の日付が確認されなければならず、それは消火剤の充填期日もしくは
前回の検査期日から2年以内の日付、あるいは有効期限以内の日付でなけれ
ばならない。
5.
2)自動消火装置
自動消火装置とは、車両に固定された消火装置が、車室内とエンジンルーム
に対し起動装置によって同時に作動するものをいう。
1)取り付け
各々の消火装置の容器は、クラッシュを考慮し、減速度25
Gがいかなる方向
-3
6
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
に加わってもそれに耐えられるように取り付けられなければならない。
2)操 作 - 起 動
2つの系統は同時に起動しなければならない。
いかなる起動装置も認められる。しかしながら、起動系統が機械式だけでな
い場合、主要エネルギー源からでないエネルギー源を備えなければならない。
運転席に正常に着座し、安全ベルトを着用したドライバーが起動装置を操作
できなければならない。
車両の外部のいかなる者も同時に操作できること。外部からの起動装置はサ
ーキットブレーカーに接して、あるいは、それと組み合わせて位置しなければ
ならない。また、赤色で縁取られた直径が最小1
0
c
mの白色の円形内に赤色で
Eの文字を描いたマークによって表示されなければならない。
装置はいかなる車両姿勢にあっても、たとえ車両が転倒した場合でも作動し
なければならない。
3)下記情報を各消火装置に明記しなければならない。
- 容器の容量
- 消火剤の種類
- 消火剤の重量もしくは容量
- 消火器の点検日
4)消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以内
とする。(消火剤の充填期日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用し
てはならない。)ただし、2年毎の点検を継続したとしても消火装置の製造者
が定めた有効年数あるいは耐用年数を超えて使用することはできない。
- 消火装置の製造者が、有効年数あるいは耐用年数を定めていない場合、そ
の使用期限は製造期日(または初回充填期日)から7年間を目処とする。
- 消火剤の充填日もしくは前回検査日の表示が年(月)表示である場合、有
効期間の起算日は当該年(月)の末日とする。
5)2年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店などの有資格者に
よる点検を受けること。外部が損傷している容器等機能/性能に影響を与える
恐れがあると判断される場合には、装置を交換しなければならない。
6)仕 様
FIAテクニカルリストNo.
1
6
の消火システム、またはFIA国際モーター
-3
7
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
スポーツ競技規則 付則J項 第2
5
9
条1
4
項に記された消火剤および内容量を装備
すること。
消火装置は耐火性でなければならず、また、充分に防護されていなければな
らない。消火剤の噴出ノズルは、ドライバーに直接消火剤がかかることのない
ように取り付けなければならない。(凍傷の危険)
7)放射時間
車室内 :最短3
0
秒/最長8
0
秒
エンジン:最短1
0
秒/最長4
0
秒
両方の消火装置が同時に作動しなければならない。
参考)2013年国際モータースポーツ競技規則 付則J項 第259条14
14.
1)消火装置
次の成分は使用が禁止される:BCF、NAF
14.
1.
1 )すべての車両は2つの消火装置を備えていなければならない。1つはコク
ピットへ放射されるもの、もう1つはエンジンルームへ放射されるものである。
消火器の代りに、第2
5
3
条7
.
2
項の仕様に合致した消火システムを取り付ける
ことが許される。
14.
1.
2)認められる消火剤
FI
Aによって特に承認されたAFFF(“テクニカルリスト No
.
6
”を参照)。ド
ライ粉末も許可される。ただし、国の法規で上記の製品の使用を認めていない
国で使用するか、そうした国に由来する車両の場合に限られる。
14.
1.
3)消火器最少容量
AFFF:使用されるタイプによって容量が異なる(“テクニカルリスト No
.
6
”
を参照)。
14.
1.
4)消火剤の最少容量
クローズドカー
オープンカー
粉末:コクピット
1
.
2kg
2
.
4kg
エンジン
2
.
4kg
1
.
2kg
AFFF:使用されるタイプによって容量が異なる(“テクニカルリスト No
.
6
”
を参照)。
14.
1.
5)放射時間
エンジン:最低1
0
秒/最高4
0
秒
-3
8
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
コクピット:最低3
0
秒/最高8
0
秒
両方の消火装置が同時に放射されなければならない。
14.
1.
6)すべての消火器はその内容物に応じて以下の封入圧力を有さなければなら
ない。
粉末:1
3
.
5ba
r
AFFF:使用されるタイプによって圧力が異なる(“テクニカルリスト No
.
6
”を参照)。
更に、AFFFの場合、各消火器は容器内の圧力を確認できる手段を装備して
いなければならない。
14.
1.
7)下記情報を各消火器に明記しなければならない:
‐容量
‐消火剤のタイプ
‐消火剤の重量または容量
‐消火器の日付が検査されねばならず、消火剤を詰めた日付もしくは最後に
検査を受けた日付から2年を過ぎて使用してはならない。
第 6条 ロールケージ
6.
1)全 般
ロールケージの取り付けが義務付けられる。
ロールケージは以下の何れかであること:
a) 6
.
2
項以降の条項に記された要件に従い製作されたもの
b) JAFまたは他のASNが公認あるいは認証したもの(「ロールケージ
製造者のロールケージJAF公認申請手続きに関する付則」に基づきJ
AFが公認したものを含む)
JAFまたは他のASNが承認し、製造者を代表する資格を有する技術
者が署名した公認の書類または証明書を、大会の車両検査委員に提出し
なければならない。
2
0
0
3
年1月1日より、ASNによって公認され販売されるすべての新規
ケージは、当該製造者が貼付する識別プレートによって識別されなけれ
ばならない。この識別プレートは複製できたり移動できたりしてはなら
ない(埋め込み、刻印、あるいは剥がすと破損するタイプのステッカー
-3
9
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
等による)
。
この識別プレートには製造者の名称、ASNの公認番号あるいは認証番
号、製造者による個別の製造番号の記載がなければならない。
同一の製造番号が記載されている証明書を車両に付帯させ、これを大会
の車両検査委員に提出しなければならない。
c)安全ケージ公認規定に基づきFIAが公認したもの
このロールケージはFIAにより公認された車両の公認書に対する追加
公認(VO)の対象とならなければならない。
1
9
9
7
年1
月1
日以降に公認され販売されたすべてのケージには、製造者の
識別と製造番号がはっきりと視認できるようになっていなければならな
い。
ロールケージの公認書式には、この情報の記入方法とその場所が特定さ
れていなければならず、購入者は、これに対応した製造番号の付された
証明書を受領しなければならない。
公認または認証されたロールケージに対する改造は禁止される。
素材またはロールケージへの恒久的な変更を伴う、ロールケージへの機械加
工、溶接によるいかなる工程も改造と見なされる。
事故により損傷を受けた公認あるいは認証されたロールケージに対するすべ
ての補修作業は、当該ロールケージ製造者が実施するか、あるいはその承認の
下で実施されなければならない。
ロールケージのパイプには液体またはその他のものを通してはならない。
ロールケージは、搭乗者の乗降を著しく阻害してはならない。
部材は、ダッシュボードとトリムおよび後部座席を貫通して、搭乗者用の空
間へ侵入してもよい。
後部座席は折り畳まれてよい。
6.
2)定 義
6.
2.
1)ロールケージ
コクピット内にボディシェルに近接して取り付けられる複数のパイプによる
構造。その機能は、衝撃を受けた際のボディシェル(シャシー)の変形を抑制
することである。
6.
2.
2)ロールバー
-4
0
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
2つの取り付け基部を有するフープ状のパイプフレーム。
6.
2.
3)メインロールバー(第4−6図)
2009年12月31日以前に公認または登録された車両:
前部座席直後で車両の左右に亘って配置される、横方向で、かつ垂直に近い
ワンピースのパイプによるフープ。
2010年1月1日から2011年12月31日までに公認または登録された車両:
前部座席直後で車両の左右に亘って配置される、横方向の垂直に対する最大
角が±1
0
°のワンピースのパイプによるフープ。
2012年1月1日以降に公認または登録された車両:
前部座席直後で車両の左右に亘って配置される、横方向の垂直に対する最大
角が±1
0
°のワンピースのパイプによるフープ。なお、当該パイプの中心線は
単一平面上になければならない。
6.
2.
4)フロントロールバー(第4−6図)
メインロールバーと同様なものであるが、その形状はウインドスクリーンピ
ラーとスクリーン上端に沿うもの。
6.
2.
5)サイドロールバー(第4−7図)
車両の前後方向中心線にほぼ平行で、垂直に近いワンピースのパイプによる
フープで、車両の右側もしくは左側に沿って配置され、そのフロント支柱はウ
インドスクリーンピラーに沿い、そのリア支柱は垂直に近く、かつ前部座席直
後に配置される。
2
01
2年1月1日以降に公認または登録された車両については、当該リア支柱
は横から見て真っ直ぐでなければならない。
6.
2.
6)ハーフ・サイドロールバー(第4−8図)
リア支柱のないサイドロールバーをいう。
6.
2.
7)前後方向の部材
フロントおよびメインロールバーの上部に接合する車両の前後方向中心線に
ほぼ平行なシングルピースのパイプ。
6.
2.
8)横方向の部材
ハーフ・サイドロールバーまたはサイドロールバーの上部に接合するほぼ横
方向のシングルピースのパイプ。
6.
2.
9)斜行部材
-4
1
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
メインロールバーの上部コーナーの一つ、またはサイドロールバーの場合は
横方向の部材の端部の一つと、反対側のロールバーの下部取り付け点との間、
もしくはバックステー上端ともう一方のバックステーの下部取り付け点との間
をつなぐ横方向のパイプ。
6.
2.
10)取り外し可能な部材
取り外しが可能でなければならないロールケージの部材。
6.
2.
11)ケージの補強
ロールケージの強度を増すために、ケージに追加される部材。
6.
2.
12)取り付け基部
通常は補強板の上になるが、ロールバーのパイプをボディシェル/シャシー
にボルト留めおよび/または溶接できるようにパイプ端に溶接されるプレート。
6.
2.
13)補強板
ロールバーの取り付け基部の下方に、ボディシェル/シャシーへの荷重をよ
り拡散するために、ボディシェル/シャシーに取り付けられる金属板。
6.
2.
14)ガセット(第4−5図)
U型に湾曲した金属板による湾曲部または連結部の補強(第4-5図)。その
厚さは1
.
0
mm以上なければならない。
このガセットの端(E点)は、角の頂点(S点)から測って、連結される最
も太いパイプ外径の2倍から4倍の距離に位置しなければならない。
2
0
1
3
年1月1日以降に公認または登録された車両については、角(S点)の
頂点に切り抜きが許されるが、その半径は連結される最も太いパイプの外径の
1
.
5
倍を超えてはならない。ガセットの平坦な面には穴1つを設けることがで
きるが、その直径は連結される最も太いパイプの外径を超えてはならない。
S
E
E
第4−5図
6.
3)仕 様
6.
3.
1)基本構造
基本構造は、以下の設計のうちの一つに従い製作されなければならない:
-4
2
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
* メインロールバー1本+フロントロールバー1本+前後方向の部材2本+
バックステー2本+取り付け基部6箇所(第4-6図)。
または、
* サイドロールバー2本+横方向の部材2本+バックステー2本+取り付け
基部6箇所(第4-7図)。
あるいは、
* メインロールバー1本+ハーフ・サイドロールバー2本+横方向の部材1
本+バックステー2本+取り付け基部6箇所(第4-8図)。
第4−6図 第4−7図 第4−8図
メインロールバーの垂直部分は、ボディシェルの内部輪郭にできるだけ近接
したものでなければならず、その下部の垂直部分の湾曲は1箇所のみでなけれ
ばならない。
オープンカーの場合、メインロールバーの高さは、ドライバーの脊柱に沿っ
て座席の座面からメインロールバーの上部までを測定して少なくとも9
2
0
mm
なければならず、かつ、通常に着座したドライバーのヘルメットから5
0
mm以
上上方になければならない。
フロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロント支柱は、ウインド
スクリーンピラーに可能な限り近く沿わなければならず、20
0
7
年1月1日以降
に公認または登録された車両については、そのウインドスクリーンピラーの底
部に相当する高さに1ヶ所のみ湾曲があるものでなければならない。
ロールケージの製作のためになされる横方向の部材のサイドロールバーへの
連結、前後方向の部材のフロントおよびメインロールバーへの連結、ならびに
ハーフ・サイドロールバーのメインロールバーへの連結は、ルーフの高さにて
実施されなければならない。
すべての場合において、ルーフの高さに4ヶ所を超えて取り外し可能な連結
部を設けないことが推奨され、20
0
8
年1月1日以降に公認または登録された車
-4
3
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
両については、これが義務付けられる。
バックステーは、ルーフラインおよびメインロールバーの外側湾曲頂部に近
接して、車両の両側に取り付けられなければならず、取り外し可能な連結を用
いてもよい。
2
0
0
3
年1月1日以降に公認または登録された車両については、バックステー
の形成する角度は垂直に対して少なくとも30
°を有し後方へ延び、まっすぐで
なければならず、可能な限りボディシェルの内部側面に近接していなければな
らない。
6.
3.
2)設 計
基本構造が一旦決定したならば、義務付けられる部材と補強を加え完成され
なければならない(6
.
3
.
2
.
1
項参照)。それに対して任意の部材および補強を追加
することができる(6
.
3
.
2
.
2
項参照)。
明確に許されていない限り、または6
.
3
.
2
.
4
)に従った取り外し可能な連結具
が使用されていない限り、すべての部材および補強パイプはシングルピースで
なければならない。
6.
3.
2.
1)義務付けの部材と補強
6.
3.
2.
1.
1)斜行部材
2002年12月31日以前に公認または登録された車両:
ロールケージは、第4-9図、第4-1
0
図、第4-1
1
図、第4-1
2
図、第4
-2
6
図、および第4-2
7
図に示される斜行部材のうち、何れか1つに合致しな
ければならない。
斜行部材の方向が逆になっても構わない。第4-11
図の場合には、ボディシ
ェル/シャシー上の2箇所の取り付け点間の距離が3
0
0
mmを超えてはならな
い。
部材はまっすぐでなければならないが、取り外し可能であってよい。
2003年1月1日以降に公認または登録された車両:
ロールケージには、第41
2
図に従い2
本の斜行部材をメインロールバーに取
り付けなければならず、交差部をガセットにより補強しなければならない。
部材はまっすぐでなければならないが、取り外し可能であってよい。
斜行部材の下端は、メインロールバー取り付け基部から1
0
0
mm以内の箇所で
連結していなければならない(その計測については第4-5
8
図を参照)。
-4
4
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
斜行部材の上端は、バックステーとの連結部から1
0
0
mm以内のメインロー
ルバーに連結していなければならない。
第4−9図 第4−10図
第4−11図 第4−12図
6.
3.
2.
1.
2)ドアバー
1本または複数の前後方向の部材が、第4-1
3
図、第4-1
4
図、第4-1
5
図
および第4-1
6
図に従い(2
0
0
8
年1
月1
日以降に公認または登録された車両につ
いては、第4-1
4
図、第4-1
5
図および第4-1
6
図)、車両の運転席側に取り
付けなければならず、助手席側に取り付けることも強く推奨される。
各図を組み合わせてもよい。
これらは取り外し可能であってよい。
この側面防護はできるだけ高くなければならないが、上部取り付け点はドア
開口部の底部より計測しその高さの半分より高くなってはならない。
もし、この上部の取付け点がドア開口部より前もしくは後に位置している場
合、この高さの制限は、バーとドア開口部との交差位置に相当する高さにも適
用される。
“X”(クロス-ストラット)形状のドアバーの場合(第4-1
4
図)、クロス
ストラットの下部取り付け点はボディシェル/シャシーの前後方向のメンバー
に直接取り付けられ、“X”形状のうちの最低1本がシングルピース・バーで
-4
5
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
あることが推奨される。
ドアバーがフロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱
の補強(第4-2
0
図)へ連結されることも認められる(第4-4
2
A図参照)。
第4−13図 第4−14図
第4−15図 第4−16図
6.
3.
2.
1.
3)ルーフの補強
2006年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
ロールケージの上部は、第4-1
7
図、第4-1
8
図および第4-1
9
図のいずれ
か1つに合致していなければならない。
この補強はルーフのカーブに沿って構わない。
第4-1
7
図の場合に限り、1本の部材のみを取り付けることが許されるが、
その前部の接続はドライバー側になければならない(第4-17
A図および第4
-1
7
B図参照)
。
この補強の端は、ロールバーと部材との連結部から1
0
0
mm未満でなければ
ならない(第4-1
8
図と第4-1
9
図の補強におけるV字型の頂点には適用され
ない)。
2014年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
V字型の頂点のパイプの交差部:
パイプ同士がお互いに接合していない場合、それらのパイプの間の距離は、
-4
6
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
ロールバーあるいは横方向の部材との接合部において、100mmを超えてはな
らない。
第4−17図 第4−17A図 第4−17B図
※この場合、運転席が
※この場合、運転席が
右側になければ
ならない。
左側になければ
ならない。
第4−18図 第4−19図
6.
3.
2.
1.
4)フロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強
2008年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
寸法<A>(第4-20図参照)が200mmを超える場合は、フロントロールバ
ーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強をフロントロールバーの
左右に取り付けなければならない。
この補強は曲げてよいが、横から見てまっすぐであり、その曲げ角度は20
°
を超えてはならない。
その上端は、フロント(サイド)ロールバーと前後方向(横方向)部材の連
結部から1
0
0
mm未満でなければならない(その計測については第4-4
2
A図を
参照)
。
その下端は、フロント(サイド)ロールバーの(前部)取り付け基部より
1
0
0
mm未満でなければならない(その計測については第4-5
8
図を参照)。
-4
7
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
A
第4−20図
6.
3.
2.
1.
5)コーナーと交差部の補強
2007年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
以下の交差部:
- メインロールバーの斜行部材同士
- ルーフの補強(第4-1
7
図の構成で、かつ2008年1月1日以降に公認ま
たは登録された車両についてのみ)
- ドアバー同士(第4-1
4
図の構成)
- ドアバーとフロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの
支柱の補強(第4-4
2
A図)
は、6
.
2
.
1
4
項に合致する最低2つの相対するガセットにより補強されなけれ
ばならない。
ドアバーとフロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱
の補強とが同一面上にない場合、6
.
2
.
1
4
項の寸法に合致することを条件に、金
属板を組み合わせて補強することができる(第4-4
2
A図参照)。
6.
3.
2.
2)任意の部材と補強
6
.
3
.
2
.
1
項に規定されている指示事項を除き、第4-17
図〜第4-2
6
図および
第4-2
8
図〜第4-3
8
図に示される部材と補強は任意であり、自由に取り付け
できる。
これらは、溶接されるか、取り外し可能な連結具により取り付けされなけれ
ばならない。
上述のすべての部材および補強は、個別に使用されるか、あるいは互いに組
み合わせて使用することができる。
6.
3.
2.
2.
1)ルーフの補強(第4−17図〜第4−19図、第4−28図、第4−29図)
2005年12月31日以前に公認または登録された車両についてのみ任意。
-4
8
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
第4-1
7
図の場合に限り、1本の部材のみを取り付けることが許されるが、
その前部の接続はドライバー側になければならない(第4-17
A図および第4
-1
7
B図参照)。
6.
3.
2.
2.
2)フロントロールバーあるいはサイドロールバーのフロントの支柱の補強
(第4−20図)
2007年12月31日以前に公認または登録された車両についてのみ任意。
この補強は曲げてよいが横から見てまっすぐであり、その曲げ角度は20
°を
超えてはならない。
6.
3.
2.
2.
3)バックステーの斜行部材(第4−26図)
ルーフの補強が第4-19
図に合致したものであるならば、第4-26
図の構成
を第4-2
7
図に置き換えることができる。
2014年1月1日以降に公認または登録された車両についてのみ:
第4-19図に従ったルーフの補強が使用されている場合、第4-27図の構成
が義務付けられる。
6.
3.
2.
2.
4)フロントサスペンション取り付け点(第4−30図)
延長部分は、フロントサスペンションの頂部取り付け点に連結しなければな
らない。
6.
3.
2.
2.
5)横方向の部材(第4−31図〜第4−35図)
メインロールバー内、あるいはバックステー同士の間に取り付けられた横方
向の部材は、安全ベルトの取り付けに使用することができる(取り外し可能な
連結具の使用は禁止される)。
第4-3
1
図および第4-32
図に示される部材については、中央の上下方向の
部材と垂直の成す角度が3
0
°以上でなければならない。
フロントロールバーに取り付けられる横方向の部材は、搭乗者のための空間
を侵害してはならない。
これはできるだけ高い位置に設けることができるが、その下端はダッシュボ
ードの頂点より高い位置にあってはならない。
2
0
0
8
年1
月1
日以降に公認または登録された車両については、フロントロール
バーに取り付けられる横方向の部材は、ステアリングコラムより下に位置して
はならない。
6.
3.
2.
2.
6)コーナーと連結部の補強(第4−5図、第4−36図〜第4−38図)
-4
9
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
補強は、パイプあるいは6
.
2
.
1
4
に合致したU型に湾曲した金属板によって実
施されなければならない。補強材の厚さは1
.
0
mm以上なければならない。
このパイプによる補強の端は、それらが取り付けられる部材の半分より下に
なったり、これに沿ったりしてはならない。ただし、フロントロールバーの連
結部の補強の端はこの限りではなく、ドアバー/フロントロールバーの連結部
を結んでよい。
この連続箇所はドアバー
と同じ高さにしてよい
第4−21図 第4−22図 第4−23図
第4−24図 第4−25図 第4−26図
第4−27図 第4−28図 第4−29図
サスペンション取付点
第4−30図 第4−31図 第4−32図
-5
0
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
第4−33図 第4−34図 第4−35図
第4−36図 第4−37図 第4−38図
6.
3.
2.
3)ロールケージの最低限の構成
ロールケージの最低限の構成は、以下の通り定義される:
車両公認・登録時期
最低限の構成
2
0
0
2
年1
2
月3
1
日以前
第4-3
9
図またはその左右対称
(ただし、斜行部材は第4-9図〜第4-1
2
図、
あるいは第4-2
6
図〜第4-2
7
図の方式も可)
2
0
0
3
年1
月1
日〜
2
0
0
5
年1
2
月3
1
日
2
0
0
6
年1
月1
日〜
2
0
0
7
年1
2
月3
1
日
第4-4
0
図またはその左右対称
第4-4
1
図またはその左右対称
2
0
0
8
年1
月1
日以降
第4-4
2
図またはその左右対称
ドアバーおよびルーフの補強は、6
.
3
.
2
.
1
.
2
項および6
.
3
.
2
.
1
.
3
項に従い異なる構
成でもよい。
第4−39図 第4−40図
-5
1
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
第4−41図 第4−42図
計測
連結が許される
第4−42A図
6.
3.
2.
4)取り外し可能な部材
取り外し可能な部材が、安全ケージの構造の中に用いられている場合には、
使用される取り外し可能な連結具はFIAにより承認された方式に従っていな
ければならない(第4-4
3
図〜第4-5
3
図を参照)。
それらは一旦組み立てられたならば、溶接されてはならない。
ネジおよびボルトは、最低限I
SO規格の8
.
8
以上の品質でなければならない。
第4-4
6
図、第4-4
9
図および第4-5
3
図に合致する取り外し可能な連結具
は、6
.
3
.
2
.
2
項に規定される任意の部材と補強の取り付けのみに使用され、メイ
ンロールバー、フロントロールバー、ハーフ・サイドロールバーおよびサイド
ロールバーの上部を連結するために使用することは禁止される。同様に、20
0
8
年1月1日以降に公認または登録された車両については、第4-43
図および第
4-5
2
図に示される連結具についても上述の連結のために使用することが禁止
される。(本条項は、2
0
0
2
年1月1日以降に公認または登録された車両に対し
て適用される。それ以前に公認または登録された車両については、20
0
1
年国内
競技車両規則の第1編第4章第6条3.
3
.
5
.
6
項を適用してよいが、新規にロール
ケージを製作する場合には、本条項に従った取り外し可能な連結具を用いるこ
とが推奨される。)
-5
2
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
荷重の方向
25
10
3mm min
第4−43図 第4−44図
L
D
L>=D
e>=5mm(3/16”
)
D>=10mm(3/8”)
第4−45図 第4−46図
L1=L3>36mm
D=10mm
L1=L3>18mm
L2>=36mm
D=8mm
L3
L1
L2
D
L1
L3
第4−47図 第4−48図
Lは必要最小限の長さ。
クランプの幅は最低でも25mm以上有すること。
第4−49図
-5
3
-
D
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
18
e
36
18
e’
>=e
溶接
単位:mm
8
第4−50図
e
36
e’
>=e
36
溶接
10
第4−51図
34 24.25
溶接
3.2
26mini
3.0
90
10
2.5mini
第4−52図
>= 10
>= 10
第4−53図
6.
3.
2.
5)追加の制約
前後方向に見て、ロールケージは、垂直方向の荷重を支えるフロントサスペ
ンションおよびリアサスペンション部品(スプリングおよびショックアブソー
バー)の取り付け点の範囲内に全体が収まっていなければならない。
-5
4
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
ロールケージとリア・アンチロールバーのボディシェル/シャシーへの取り
付け点との間には、上記制限を超えた補強を追加することが認められる。
これらの各取り付け点と安全ケージとは、30
×1
.
5
mmの単一のパイプで接続
することができる。
2003年1月1日以降に公認または登録された車両のロールケージについて:
ドア開口部に侵入するケージの補強は、下記の基準を満たしていなければな
らない(第4-5
5
図)。
- 寸法A :3
0
0
mm以上
- 寸法B:2
5
0
mm以下
- 寸法C:3
0
0
mm以下
- 寸法E:ドア開口部(H)の高さの半分以下
2008年1月1日以降に公認または登録された車両のロールケージについて:
前面投影面において、フロントロールバーの上部コーナーの湾曲部と連結部
の補強は、フロントウインドスクリーンの第4-54
図に示す部分にのみ見える
ように設けなければならない。
垂直投影面 100mm
R100mm
70mm
第4−54図
D
A
B
C
H
E
E
第4−55図
6.
3.
2.
6)ロールケージのボディシェル/シャシーへの取り付け
最少取り付け点数は:
- フロントロールバーの各支柱につき1箇所
-5
5
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
- サイドロールバーまたはハーフ・サイドロールバーの各支柱につき1箇
所
- メインロールバーの各支柱につき1箇所
- 各バックステーにつき1箇所
- 斜行部材が第41
1
図の方式である場合には、その支柱1本につき1箇
所
ボディシェルへの取り付けを効果的に実施するために、当初の内装トリムは、
ロールケージおよびその取り付け点の周囲を切除したり、曲げることにより改
造できる。
しかしながら、この改造は室内装飾やトリムを完全に取り除くことを認める
ものではない。
必要に応じてヒューズボックスをロールケージの取り付けが可能となるよう
に移動させることができる。
特殊な場合:
非鋼鉄製のボディシェル/シャシーの場合、ロールケージとボディシェル/
シャシーとの溶接は一切禁止され、ボディシェル/シャシー上に補強板を接着
することのみ許される。
6.
3.
2.
6.
1)2007年12月31日以前に公認または登録された車両
1)各支柱側の最少取り付け点における車体への取り付け基部は、面積60
c
m2、
板厚2
.
5
mm以上を有すること。この取り付け基部は支柱に溶接されていなけれ
ばならない。
2)車体側の補強板は、面積12
0
c
m2、厚さ3
.
0
mm以上を有し、第45
6
図〜第45
8
図に示すように取り付けること。
ただし、第45
6
図、第45
8
図については、補強板を必ずしもボディシェル
へ溶接しなくともよい。
3)各支柱と車体との結合は、下記のいずれかの方法によること。
①直径8mm以上(4T以上)のボルトを3本以上使用し、緩み止め効果のあ
るナット(ワッシャー/セルフロッキング等)で、支柱の周辺に分散して取
り付ける。(第45
6
図〜第46
2
図を参照)
第46
0図の場合は、取り付け部の側部を溶接プレートで塞ぐことができる。
②溶接により取り付ける場合、車体あるいは骨組み(フレーム)に溶接して取
-5
6
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
り付ける。ロールバーの取り付け基部は、補強板無しで、直接ボディシェル
に溶接してはならない。
①および②の取り付け方法は最少限を示すものである。ボルトの数を増加す
ることや取り付け点の数を増やすことは許される。
6.
3.
2.
6.
2)2008年1月1日から2009年12月31日までに公認または登録された車両
フロント、メイン、サイドロールバーまたはハーフ・サイドロールバーの取
り付け点:
各取り付け基部は、最低3mmの厚みを有する鋼鉄製の板により構成されて
いなければならない。
各取り付け基部は、最低厚さ3mmで最小表面積120c
m2のボディシェルに
溶接された鋼鉄製補強板に、最低3本以上のボルトで固定されなければならな
い。1
2
0
c
m2の面積は、補強板とボディシェルとの接触面でなければならない。
第4-5
6
図〜第4-6
2
図に例示される。
第4-5
6
図と第4-5
8
図については、補強板は必ずしもボディシェルに溶接
されなくともよい。
第46
0図の場合は、取り付け部の側部を溶接プレートで塞ぐことができる。
取り付けボルトは、最小直径がM8で、最低限I
SO規格の8
.
8
以上の品質を有
していなければならない。
ボルトの留め具は、セルフロック式あるいはロックワッシャーでなければな
らない。
バックステーの取り付け点:
各バックステーは、少なくとも2本のM8ボルトで、最小6
0
c
m2を有する取
り付け基部によって固定されるか(第4-63
図)
、1
本の二面せん断のシングル
ボルトにより固定されなければならない(第4-6
4
図)
。
ただし、後者は、ボルトが適当な断面積と強度を有し、カラーがバックステ
ーの中に溶接されることを条件とする。
以上は最低要件である。
さらに、使用する留め具の数を増やすことができ、取り付け基部のプレート
を補強板に溶接したり、ロールケージ(6
.
3
.
1
項で定義されたもの)を、ボディ
シェル/シャシーに溶接することができる。
-5
7
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
6.
3.
2.
6.
3)2010年1月1日以降に公認または登録された車両
フロント、メイン、サイドロールバーまたはハーフ・サイドロールバーの取
り付け点:
各取り付け基部は、最低3mmの厚みを有する鋼鉄製の板により構成されて
いなければならない。
各取り付け基部は、最低厚さ3mmで最小表面積1
2
0
c
m2のボディシェルに溶
接された鋼鉄製補強板に、最低3本以上のボルトで固定されなければならない。
1
2
0
c
m2の面積は、補強板とボディシェルとの接触面でなければならない。
第4-5
6
図〜第4-6
2
図に例示される。
第4-5
8
図については、補強板は必ずしもボディシェルに溶接されなくとも
よい。
第460図の場合は、取り付け部の側部を溶接プレートで塞ぐことができる。
取り付けボルトは、最小直径がM8で、最低限I
SO規格の8
.
8
以上の品質を有
していなければならない。
ボルトの留め具は、セルフロック式あるいはロックワッシャーでなければな
らない。
2つのボルトの間の角度(取り付け基部の高さでパイプ軸から計測して。第
4-5
6
A図参照)は6
0
°未満となってはならない。
バックステーの取り付け点:
各バックステーは、少なくとも2本のM8ボルトで、最小6
0
c
m2を有する取
り付け基部によって固定されるか(第4-63
図)、1
本の二面せん断のシングル
ボルトにより固定されなければならない(第4-6
4
図)。
ただし、後者は、ボルトが適当な断面積と強度を有し、カラーがバックステ
ーの中に溶接されることを条件とする。
以上は最低要件である:
さらに、使用する留め具の数を増やすことができ、取り付け基部のプレート
を補強板に溶接したり、ロールケージ(6
.
3
.
1
項で定義されたもの)を、ボディ
シェル/シャシーに溶接することができる。
-5
8
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
第4−56図 第4−56A図
計測
第4−57図 第4−58図
第4−59図 第4−60図
-5
9
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
第4−61図 第4−62図
第4−63図 第4−64図
6.
3.
3)材質の仕様
円形の断面を有するパイプのみが認められる。
使用されるパイプの仕様:
材 質
冷間引抜
継ぎ目無し
純炭素鋼
最小引張強度
3
5
0
N/
mm2
最小寸法(mm)
用 途
4
5
×2
.
5
または
5
0
×2
.
0
メインロールバー(第4-6図およ
び第4-8図)または、構造によっ
てはサイドロールバーおよび後部横
方向の部材(第4-7図)
3
8
×2
.
5
または
4
0
×2
.
0
ハーフ・サイドロールバーおよび安
全ケージのその他の部分
※2008年1月1日以降に公認または登録された車両については、認められる添
加物の最大量は、炭素0
.
3
%、マンガンが1
.
7
%、その他の物質については0
.
6
%
である。
鋼材を選ぶにあたっては、伸びが大きいことと、溶接に適した質のものであ
ることに注意を払わなければならない。
2
0
04年1
2月31日以前に公認または登録された車両については2004年国内競
-6
0
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
技車両規則の同条項を適用してもよい。
2
00
3年1月1日以降に公認または登録された車両については、パイプを曲
げる場合は冷間加工処理によるものでなければならず、曲げの中心線の半径
は、少なくともパイプの直径の3倍でなければならない。
曲げる間にパイプが楕円形になる場合には、長い方の直径に対して、短い
方の直径が0
.
9
かそれ以上の割合となっていなければならない。
湾曲箇所にある表面は、波状や亀裂がなく、滑らかで均一でなければなら
ない。
6.
3.
4)溶接についての指示
溶接は管の端の全周に沿って施されなければならない。
すべての溶接は可能な限り高品質のものであり、全体的な溶融を施さなけれ
ばならず、できればガス被包アーク溶接を用いることが望ましい。
溶接の外観が良好だからといって、その品質が必ずしも保証されるものでは
ないが、貧相な溶接は決して良い品質のものではない。熱処理を施した鋼鉄を
使用する時には、製造者が特に指示した内容に従わなければならない(特別な
溶接棒、ガス被包溶接)。
6.
3.
5)防護のための被覆
搭乗者の身体がロールケージに接触する可能性がある箇所には、防護のため
の難燃性の被覆が施されていなければならない。
搭乗者のヘルメットがロールケージに接触する可能性がある箇所については、
FIA基準8
8
5
7
2
0
0
1
タイプAに合致したものが推奨される。
第 7条 後方視界
後方視界は、リアウィンドウの少なくとも幅50
c
m、高さ1
0
c
mの範囲を見渡せる
1つの室内ミラー、および2個の室外ミラーによって確保されなければならない。
ただし、リアウィンドウの上端と下端を結ぶ直線が水平に対して20
°に満たない角
度で傾斜している場合、室内ミラーを別途有効な後方視界を得る装置(室内ミラー
と同等の効果を得られる装置)に代えることが許される。
第 8条 けん引用穴あきブラケット
すべての車両はすべての競技に際し、前後にけん引用穴あきブラケットを備えな
ければならない。このけん引用穴あきブラケットは、車両をけん引して移動するの
に取り付け部分も含め十分な強度を有していなければならない。車両が砂地に停車
-6
1
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
したときでも使用が可能な位置に取り付けられていなければならない。また、これ
らは明確に視認でき、黄色、オレンジ色、あるいは赤色に塗装されていること。
金属製のけん引用穴あきブラケットは下記の要件を満たすこと。
①材質は、スチール製でなければならない。
②最小内径:5
0
mm(車両に装着した状態で直径5
0
mmおよび長さ5
0
mmの丸棒が
通ること)
。
③内径の角部はRを付けて滑らかにすること。
④板製の場合、最小断面積(取り付け部分も含む):1
0
0
mm2
⑤丸棒の場合、最小直径:1
0
mm
なお、可倒式、およびケーブルフープ式(上記②を満たすこと)も許される。
第 9条 ウインドシールド
前面ガラスは合わせガラスを常に備えていなければならない。
その外側表面には、1枚あるいは複数枚の無色透明なフィルムを取り付けること
ができる。
上端からガラス面に沿って1
0
c
mの幅で幻惑防止処置を施すことは許される。
第 10条 ウインドシールドの安全固定装置
ウインドシールドの安全固定装置を自由に設けてよい。
第 11条 サーキットブレーカー(主電源回路開閉装置)
イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイッチは、その位置が確認できるよ
う黄色で明示しなければならない。イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイ
ッチを変更する場合、ONの位置が上、OFFの位置が下になければならない。
電子的に制御されないインジェクターを有するディーゼルエンジンに関しては、
サーキットブレーカーは、エンジンに吸入される空気を遮断する装置に連動するよ
うになっていなければならない。
また、運転席および車外から操作できるすべての回路を遮断する各々独立した放
電防止型のサーキットブレーカー(主電源回路開閉装置)を装備しなければならな
い。これらはすべての電気回路を遮断できるものであり、エンジンを停止すること
ができるものであること。その場所は外部から容易に確認できる位置とし、赤色の
スパークを底辺が最小12
c
mの青色の三角形で囲んだ記号で表示すること。引くこ
とにより機能する車外操作部を持つサーキットブレーカーをフロントウインドシー
-6
2
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
ルド支持枠の下方付近に設置すること。ただし、車両の構造上フロントウインドシ
ールド支持枠の下方付近に設置することが不可能な場合、センターピラーあるいは
クォーターピラーの外部から操作可能な位置に装着することが許される。
第 12条 安全燃料タンク
12.
1)安全燃料タンク
安全燃料タンクを使用する場合、FIA公認の安全燃料タンクの使用が義務
付けられる。安全燃料タンクは約5年を経過した後に強度が急速に低下するた
め、ブラダーは製造者が検査し、次の2年間までの使用を保証しない限り、製
造年月日から5年以上経過したものを使用してはならない。ただし、その場合
でも製造年月日から7年を超えて使用してはならない。
取り付けは各車両定義の分類による改造規定に従うこと。コレクタータンク
を別に装着する場合は最大容量2ℓまでとする。
安全燃料タンク本体(燃料ブラダー)が、当初から耐火/耐浸透性のケース
(コンテナ)に収納されていない場合、コンテナに収納してから車体に取り付
けねばならない。
コンテナは、厚さ1.
0
mm以上のスチール、または厚さ1
.
6
mm以上のアルミニ
ウム、あるいはそれらと同等以上の強度を有することを証明できる不燃/不浸
透性の材質で作られており、燃料ブラダーに記載されている表示項目(製造者
名、型式、製造に用いられた基準、製造年月日、製造番号)を判読できる窓ま
たは表示項目内容の証明書類を備えていなければならない。なお、ブラダーの
表示項目内容の証明書類を備えられない場合に、ブラダーの表示項目を判読す
るためのコンテナの窓が車体により直接確認できない状態に限って、車体に穴
をあけて表示項目を確認するための窓を設ける必要最小限の改造は許される。
摩擦や異物混入による燃料ブラダーの損傷を避けるため、コンテナと燃料ブ
ラダーとが密接していなければならず(付属品取り付け部を除く)、コンテナの
内側に突起や鋭利な箇所があってはならない。
コンテナの車体への取り付けは暫定的であってはならず、また、取り付けに
よりコンテナが変形するようなことがあってはならない。
安全燃料タンクは当初の位置あるいは荷物室に取り付けることが許される。
N2およびJAF-GTの車両についてはホイールベース間に搭載することが
推奨される。
-6
3
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
漏出した燃料が車室内に滞留しない構造であること。また、荷物室に設置し
た場合、難燃性材料による隔壁を取り付けなければならない。燃料タンクの位
置の変更に伴い軽量化、補強が生じてはならない。
当初の燃料タンクの移動によって生じた空間部をはめ板でふさぐことは許さ
れるが、空気力学的効果が生じてはならない。
給油口の位置、寸法ならびに給油口のキャップは車体の表面を超えて突出す
ることなく、また、車内に燃料が漏れて流出することが防止されるならば変更
してもよい。この給油口は窓枠に位置してもよい。燃料の給油口には、燃料供
給ホースに適合する漏出防止カップリングが取り付けられていること。ただし、
レース競技中に燃料補給を行わない車両については適用が除外される(第3章
“公認車両および登録車両に関する一般規定”1
0
.
3
)、参照)。
12.
2)自動燃料遮断装置
エンジンにつながるすべての燃料補給パイプには自動の遮断弁がついている
ことを推奨する。
これら遮断弁は燃料タンクに直接位置し、燃料装置中の圧力のかかった配管
の1つが破損したり漏れたりした場合に、すべての燃料配管を自動的に閉じ、
さらに通気管路は、重力で始動するロールオーバーバルブを備えていなければ
ならない。
始動の最中を除き、すべての燃料ポンプはエンジンの稼動中にのみ作動する
こと。
12.
3)燃料遮断バルブ
燃料タンク給油口が直接タンクに連結していない場合、タンクの頂点にはバ
ルブが設置されていることが望ましい。バルブはタンク製造者によって供給さ
れ、事故のとき万一給油口が外れ落ちてしまった場合に密閉するものとする。
給油口と安全燃料タンクを結ぶ配管が車室を通過する場合、配管のタンク側に
燃料遮断バルブを備えなければならない。
12.
4)ブリーザー
1)燃料タンクにブリーザーを設置することができる。ブリーザー回路にはワ
ンウェイバルブを設け燃料の車外への排出を防止しなければならない。
2)設置するブリーザー回路の配管は、燃料配管と同じ仕様(1
.
2
項参照)でな
ければならない。
-6
4
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
3)車両のルーフにブリーザー装置の排出口を設けたタンクを装備することは
認められる。
第 13条 座 席
1)当初の座席を変更する場合、FIA基準8
8
5
5
1
9
9
9
またはFIA基準88
6
2
2
0
0
9
に従ったものの使用が強く推奨される。なお、座席にヘッドレストが含まれていること。
2)前部座席は後方に移動できる。しかし、当初の後部座席の前端によって区切ら
れた垂直面を越えてはならない。ただし、ヘッドレスト部分は考慮されない。
3)助手席ならびに後部座席は、(それらのバックレストを含めて)取り外すこと
ができる。
4)当初の座席の取り付け具または支持具が変更される場合、支持具は以下のいず
れかに取り付けられなければならない。
-座席を固定するために使用されている当初の固定点
-付則J項第2
5
3
-6
5
図に合致する座席固定用の固定点
座席支持具は第4-6
5
図に従って、最小直径8mmのボルトを使用し、1座席
につき少なくとも4箇所で座席固定用の固定点に取り付けられなければならない。
各取り付け点について、支持具、車体/シャシーと当て板の接触面積は最低
4
0
c
m2であること。
5)座席は、直径が最低8mmのボルトを使用し、座席の前部2ヶ所、後部2ヶ所
の4ヶ所の支持具で固定され、補強部は座席に結合されていなくてはならない。
6)支持具と当て板の最低の厚さは鋼鉄の場合は3mm、軽合金の場合は5mmを
有さなければならない。各支持具の前後方向の長さは、最低でも6
0
mmを有さね
ばならない。
7)座席を調整するレールが使用される場合、当初から車両に設定されているもの、
または座席とともに設定されているものを使用しなければならない。
8)運転席とサイドロールバーの間には機械装置の設置は許可されない。
9)座席とドライバーの間にクッションを置く場合、このクッションの厚さは
5
0
mm以下でなければならない。
-6
5
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
補 強
シートシェル
当て板
当て板
第4−65図
第 14条 ライト
ガラス製のライト類に無色透明の飛散防止対策を施さなければならない。
第 15条 床
防音材および防振材は取り外すことが許される。カーペットは取り外さなければ
ならない。
第 16条 内 張
運転席と助手席のドアの内張り、および、車体のドア開口部のプロテクターを除
き、内張りを取り外すことは許される。天井の内張りは、それが難燃材の場合を除
き、取り外さなければならない。
第 17条 火災に対する防護
火災の場合、火炎の直接の通過を防止するため、エンジンと搭乗者席の間に有効
な防護遮へい物を取り付けなければならない。
第 18条 ステアリングホイール
ステアリングホイールに切れ目があってはならない。
スイッチやメーター等を装着する場合、それらは突起した形状(トグルスイッチ
等)であってはならず、トグルスイッチ以外のスイッチやメーターを装着する場合
は、ドライバーと対面するステアリングホイールリムの全体で形成される平面より
もドライバーに近いところに位置してはならない。
緩衝パッドの装着を推奨する。
第 19条 オイルキャッチ装置
オイルがコースに流出することを防ぐための確実な装置を備えなければならない。
その装置の取り付け方法は、針金やテープなどによる暫定的なものであってはなら
ない。
-6
6
-
第4章 公認車両および登録車両に関する安全規定
エンジンオイルキャッチタンクを使用する場合、気筒容積が2
,
0
0
0
c
c
までの車両
に対しては2ℓ、気筒容積が2
,
0
0
0
c
c
を超える車両に対しては3ℓの容積がなけれ
ばならない。この容器はプラスチック、あるいは透明な窓を備えたものでなければ
ならない。キャッチタンク取り付けに伴うブリーザーバブルおよびホース類の変更
は認められる。回収されたオイルを重力によりエンジンへ還流させるシステムの取
り付けは認められる。この目的のためオイルパン、またはヘッドカバーに最小限の
改造が認められる。
エンジンオイル以外のオイルキャッチ装置を備えることが許される。
第 20条 圧力制御バルブ
ホイール上の圧力制御バルブは禁止される。
第 21条 その他
車両に搭載する部品等(スペアホイール、工具類)は、確実に固定されなければ
ならない。
ステアリングロック/オートドアロックは取り外さなければならない。
第 22条 ネット
下記仕様に従ったネットをロールケージに取り付けて使用することを推奨する。
帯の最小幅:1
9
mm
網目の最小寸法:2
5
×2
5
mm
網目の最大寸法:6
0
×6
0
mm
範囲:ステアリングホイール中心より後方のフロントサイドウィンドウを覆うも
のとする。
-6
7
-
第5章 量産ツーリングカー(N1)
第 5章 量産ツーリングカー(N1)
第 1条 車 両
1.
1)定義
量産ツーリングカー
1.
2)資格
車両はFIAグループN、A(ただし、19
9
2
年までに公認されたスポーツ進
化を除く)、JAF量産ツーリングカーとして公認されているか、またはJA
F登録車両として登録されていなければならず、少なくとも2個の座席を備え
ていなければならない。
1.
3)基本車両
公認あるいは登録された同一車両型式。
1.
4)基本車両の資料
公認書あるいは当該自動車製造者発行の国内向けカタログ、仕様書等。
第 2条 許可される、もしくは義務付けられる変更と付加物
本章によって許されていないすべての変更および調整仕上げは厳禁される。
車両に対して行うことのできる作業は、通常の整備に必要な作業または使用によ
る摩耗、事故によって損傷した部品の交換に必要な作業のみである。許可されてい
る変更および付加物の制限については、後記で規定される。これら以外に、使用に
よる摩耗、事故によって損傷した部品は、いずれも、損傷した部品と全く同一の日
本国内で販売されている部品によってのみ交換が許される。
本車両は厳密に量産車であり、基本車両の資料と同一でなければならない。
オートマチック車両の車体への、基本車両に設定されたマニュアルミッションの
搭載、および搭載のための最小限の改造が許される。
本章の規定にかかわらず、第2章“レース車両の排気音量規制”、第3章“公認
車両および登録車両に関する一般規定”、第4章“公認車両および登録車両に関する
安全規定”を守らなければならない。
ただし、上記規定より本章の規定が厳しい場合は、本章を守らなければならない。
本章に許される改造範囲を超える場合、第6章“特殊ツーリングカー(N2)”
に編入される。
−6
8
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
第 3条 エンジン
3.
1)気筒容積
変更は許されない。
3.
2)サーモスタット
自由。
3.
3)クーリングファンおよびファンシュラウド
取り外しおよび変更が許される。クーリングファンの変更に伴うファンシュ
ラウドの最小限の変更は許される。
3.
4)エアクリーナー
エアフィルターは自由。ただし、エアフィルターボックスは当初のままでな
ければならない。フィルターボックス前部に位置するボルトあるいはバンド等
により装着されたパイプ、ダクトおよびフィルターボックスとキャブレター、
あるいはスロットルボディ間のホースに補助的に取り付けられている装置(吸
気音防止レゾネーター、ブローバイガス循環ホース等)を取り外すことができ
る。ただし、取り外した後の穴は完全に塞がなくてはならない。
3.
5)オイルポンプ
シムおよびスペーサーによる油圧の調整機構に限り変更が許される。
3.
6)オイルフィルター
自由。ただし、取り付け位置の著しい変更は許されない。
3.
7)キャブレターおよびインジェクションシステム
ベンチュリーの直径あるいはスロットル開口部を変更することはできない。
インジェクションシステムは、当初の形式が保持され、かつ機能していなけ
ればならない。
エンジンに供給される燃料の量を調整しているキャブレターの部品、もしく
は、フューエルインジェクション装置の部品(エンジンコントロールユニット、
インジェクター、コネクター、プレッシャーレギュレーター、エアフローメー
ター等を含む)は流入する空気の量に影響がなければ、改造または交換するこ
とが許される。
3.
8)燃料ポンプ
安全燃料タンクを装着した場合に限り、燃料ポンプを変更することが認めら
れ、元のポンプを取り除くことが許される。
−6
9
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
3.
9)バルブスプリング
バルブスプリングは自動車製造者の定めた数と取り付け部を変更することな
く取り付けられることを条件に他のものと交換することができる。
3.
10)バルブおよびバルブシート
バルブガイド、バルブシートは基本車両に設定されている純正部品への変更
は許される。
3.
11)カムシャフト
基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。
3.
12)ピストンおよびコンロッド
ピストンおよびコンロッドはバランス調整のみ許されるが、それぞれ1個が
未加工品であること。
3.
13)ヘッドガスケット
ヘッドガスケットの変更は許される。
3.
14)オイルパン
オイルパンの外観変更は許されない。ただし、エンジンオイルの片寄り防止、
および温度センサー取り付けのための追加加工は許される。また、エンジンへ
の取り付け位置および取り付け方法/作動原理を変えなければ、オイルストレ
ーナーの位置を変更することも許される。
3.
15)フライホイール
基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。
3.
16)電気系統
●電気的に諸装置を調整できる調整装置(エンジンコントロールユニット等の
すべてのコンピューター類のコントローラーを含む)は当初から装着されて
いるものを除き車室内に設置されてはならない。
●点火装置は、装着ブラケットを含み、改造が許される。
ディストリビューター方式を同時点火方式(マルチコイル方式等)に変更す
ることは許される。
●取り付け位置を除き、バッテリーは自由。
ただし、リアバッテリー搭載車で、安全燃料タンクを装着するための最小限
の取り付け位置の変更は許される。
取り付けブラケット、ボルトの変更も許される。
−7
0
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
3.
17)吸・排気系統
吸気、排気マニホールドは国内向けの当初の部品と同一な純正部品との交換
が許される。
ただし、ポート内面に段付修正を行う場合、取り付け面より垂直に5mmの
奥行の範囲に限り、シリンダーヘッド側を含み許される。
3.
17.
1)吸気系統
取り付け位置について、取り付け穴の修正によりポート合わせを行うことも
許される。
インタークーラーのホースの変更は許される。
3.
17.
2)排気系統
排気マニホールドは防熱措置を施すことは許されるが、確認作業のため全面
的に覆うことはできない。排気マニホールド後方(過給装置付の場合、過給装
置の後方)の部分は材質を除き自由とするが、取り外した場合、第3章“公認
車両および登録車両に関する一般規定”4
.
6
.
1
)、4
.
6
.
2
)に従って処理されていな
ければならない。ただし、2
0
1
0
年1
月1
日以降に公認または登録された車両につ
いては、触媒装置を装着しなければならない。
3.
17.
2.
1)排気口
排気口はホイールベースの中央を通る垂直面の後方になければならない。
3.
17.
2.
2)消音器を取り付ける場合
ブラケットの取り付けを除き、車体の改造は許されない。
3.
18)ウォーターラジエター
車体側取り付け部の変更がなければ容量およびラジエターキャップ圧力の変
更が許される。
ホース類の変更は許される。
3.
19)エンジンオイルクーラー
オイルクーラーの取り付けおよび変更は許される。
元のオイルクーラーを取り外すことも許される。ただし、車体外部への取り
付けは認められない。
第 4条 シャシー
4.
1)クラッチ
取り付け方法および枚数の変更を行わなければ、クラッチカバー、クラッチ
−7
1
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
ディスク、クラッチスプリングの変更は許される。
4.
2)トランスミッション、ディファレンシャル
基本車両に設定されている純正部品への変更は許される。シフトレバーはボ
ルトオンでのみ取り付けられる変更および改造が許される。
リミテッドスリップデフは、いかなる改造も伴わずボルトオンでの取り付け
のみが許される。
4.
2.
1)オイルクーラー
空冷式オイルクーラーおよび電動オイルポンプを取り付けることができる。
その取り付け具は当該装置に対して最小限にとどめること。ただし、車体外部
への取り付けは認められない。
4.
3)タイヤ
公道走行の許される一般市販ラジアルタイヤとする。
4.
3.
1)装着できるタイヤの幅は基本車両の資料に記載されているサイズを最大と
する。偏平率を変更してもよい。
4.
3.
2)タイヤには、いかなる場合も、リグルーブを含み一切の加工も許されない。
4.
3.
3)JAFは、競技会オーガナイザーからの申請に基づき、上記4.
3
.
1
)に適合
した競技専用タイヤの使用を許可する。
※使用許可願いおよび競技専用タイヤを使用する旨を記載した特別規則書草
案をJAFに提出し、その承認を得たうえで公告すること。
4.
4)ホイール
4.
4.
1)基本車両の資料に記載された以外への径の変更は許されない。
ただし、上記4
.
3
)で選択したタイヤサイズのJ
ATMA YEARBOOK(日本自
動車タイヤ協会規格)に許容された範囲におけるリムの幅が適用される。
直径の異なるホイールは同時に装着できない。
4.
4.
2)ホイールの材質は、スチール製以外のものはアルミ合金製とし、JWLま
たはVIAマークの有るものとする。
4.
4.
3)タイヤおよびホイールは、いかなる場合も車両の他の部分と接触してはな
らない。ホイールのオフセットは自由。ただし、スペーサーは禁止される。
4.
5)ストラットおよびショックアブソーバー
車体への取り付け位置と取り付け方法、数および作動原理を変えなければス
トラットおよびショックアブソーバーの変更は許される。
−7
2
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
当初から取り付けられているものを除き、シェルケースの別タンクシステム
は許されない。また、シェルケースの材質の変更は許されない。
走行中に減衰力を変更できるシステムの搭載は許されない。
ストラットとナックルアームが一体構造となっている場合は、当初のナック
ルアームのタイロッドとの連結点の座標および材質が保持されていることを条
件に、
ナックルアームの変更が許される。
4.
6)ストラットタワーバー
車体への取り付け位置、取り付け方法および数を変えなければ変更すること
が許される。
ストラットタワーバーが当初から取り付けられていない車両の場合、ストラ
ットタワーバーを、ストラットアッパー取り付けボルトのみを利用して取り付
けることが許される。
4.
7)スプリング
車体への取り付け位置、取り付け方法、作動原理、およびスプリングの数を
変えなければ、変更は許される。
車高調整式への変更に伴うスプリングシートの変更、および挿入物の追加も
許される。
4.
8)スタビライザーおよびスタビライザーブッシュ
スタビライザーは、径の変更が許される。また、連結を含みその取り外しも
許される。ただし、可変式スタビライザーへの変更は認められない。
スタビライザーが当初から取り付けられていない車両については、基本車両
に設定されている場合に限り、取り付けが許される。
形状および寸法の変更が無ければ、スタビライザーブッシュは、金属以外の
他の材質に変更することが許される。
スタビライザーの径の変更に伴うブッシュ内径の変更は許される。
4.
9)ブレーキ
4.
9.
1)ブレーキシュー、ライニングパッドおよびブレーキホースの交換、変更は
許される。
4.
9.
2)標準で冷却ダクトが装着されていない場合、または標準で装着されている
冷却ダクトを取り外した場合、以下に従い冷却ダクトを装着することが許され
る。
−7
3
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
標準の開口部を使用し、フロントのみフレキシブルダクトによる冷却ダクト
の装着が許される。ただし、車体の外観形状に変更があってはならない。左右
のダクトの各々の内径は5
0
mm以下とし、その数は各々1本とする。
4.
9.
3)ディスクブレーキのバックプレートの取り外しは許される。サーボブレー
キとの接続を外すことはできるが、取り外してはならない。
4.
9.
4)アンチロック装置との接続を外すこと、およびアンチロック装置を取り外
すことは許される。プロポーショニングバルブを取り外すことも許される。ま
た、取り外しに伴うパイプの修正、変更が許される。
運転者が走行中に調整不可能なプロポーショニングバルブの追加は許される。
4.
10)ステアリングホイールおよびステアリング
ステアリングシャフトの変更または改造を行うことなく取り付けられるステ
アリングホイールとボスは自由。
クイックリリースシステムに変更する場合、クイックリリース機構は、ス
テアリングホイール軸と同中心のフランジにより構成されていなければならず、
フランジは陽極処理にて黄色く着色されるか、その他の耐久性のあるコーティ
ングにより黄色く着色され、ステアリングホイール裏側のステアリングコラム
に取り付けられなければならず、ステアリングの軸に沿ってフランジを引くこ
とによりリリースが行われなければならない。
ステアリングホイールの上下位置の調整は許される。
パワーステアリングのポンプと配管の接続を外すこと、およびそれらを取り
外すことは許される。
ステアリングロックは機能を解除しなければならない。しかし、当該機能部
分以外は変更されてはならない。
4.
11)ペダル類
安全性、操作性を向上させる目的でペダルパッドを変更することは許される。
ペダル剛性向上のため、マスターシリンダーまたはマスターバックに対しての
み、ロッドおよびプレートをボディ構造部へ連結するという簡易補強が許され、
ストラットタワーバーと一体化することも許される。
4.
12)ラバーマウントおよびブッシュ類
形状および寸法を変えなければ、金属への変更を除き、材質および硬度の変
更が許される。また、スグリタイプのものをソリッドタイプに変更することが
−7
4
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
許される。
4.
13)ドライブシャフト
ドライブシャフトブーツの材質を変更することが認められる。
第 5条 車 体
5.
1)外観、形状
車体の外観や形状を変更することは許されない。ただし、安全燃料タンクを
搭載するために必要な最低限の車体の改造(切除は不可)、および漏出防止カッ
プリング取り付けに伴う部材の付加および切除は認められる。
アンダーカバーを取り外すことは許される。
5.
2)板厚
車両のすべての車体パネルは常に基本車両の当初の材質および厚さと同一で
なければならない。(±1
0
%の許容公差を認める。計測は平面もしくは大きな
半径を有する部分で行われる。)
5.
3)座席
ドライビングポジションを改善する目的で運転席を交換してもよい。座席を
交換する場合、シートレールの強度は当初のものと同等以上でなければならず、
車体側の取り付け部の変更は許されない。
5.
4)室内ミラーおよび室外ミラー
室内ミラーの追加を含め変更は許されない。
5.
5)窓ガラス
5.
5.
1)フロントウィンドウ
フロントウインドシールドは第4章“公認車両および登録車両に関する安全
規定”第9条に適合しなければならない。
5.
5.
2)サイドウィンドウ
変更は許されない。サイドウィンドウに対し無色透明なフィルム等での飛散
防止対策を施すことを推奨する。ただし、既存車両によるワンメイクレースは、
競技会特別規則により、材質の変更を認めることができる。
5.
6)ドア
防音材を取り外すことは許される。ただし、取り外すことにより、ドアの形
状に変更をもたらすものであってはならない。
ウェザーストリップ等の保護材を取り除くことは許されない。また、ボルト
−7
5
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
オンであってもサイドドアビームを取り外してはならない。
ドア内部に衝撃吸収のため難燃性の衝撃吸収材を充填することが許される。
電気式巻き上げ装置を手動式巻き上げ装置に取り替えることが許され、取り
付けのための最小限の改造は認められる。
5.
7)ライト
前照灯、尾灯、制動灯、方向指示灯は正常に作動しなければならない。ガラ
ス製のライト類は無色透明のガラス飛散防止策を必ず実施すること。
5.
8)補助前照灯
補助前照灯の追加、変更、交換または取り外しが許される。取り外す場合、
装着部は当初のものを残さなければならない。
5.
8.
1)補助前照灯を装着するための穴
補助前照灯のブラケットのために車体前部に穴を開けることは許されるが、
その目的は「装着のため」に限定される。
5.
9)補 強
車体の補強は、使用される材料が当初の形状に沿いそれと接触していれば許
される。複合材料による補強は第5−1図のように片面にのみ許される。また、
車体(排気系を含み)、ならびにサイドシル・各メンバー等の空洞部を第5−
2図のように充填することにより補強することができる。
補強によって標準部品の取り付けに影響があってはならない。
第5−1図
−7
6
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
フロントフロアサイドシル
インナ
補強部分
フロントフロアパン
サイドアウタパネル
第5−2図
5.
10)補助的付加物
補助的付加物の取り外しは、その配線も含み許される(例えば、マッドガー
ド、アンダーガード、ストーンガード、オープン車両の幌およびその取り付け
具、室内照明、ラジオ、ヒーター、エアコン、モール類、エアバッグ、ホーン、
リアワイパー等)。
計器類(データロガー、センサー、配線を含む)の取り付け、または取り外
しが認められる。
絶縁材を車両の床下、エンジン室、トランク内やホイール格納アーチ部から
除去することは許される。シャシー/車体部にあって、ボルトオンで取り付け
てある使用していない支持体は取り外すことができる。
ヒールレストや消火器の取り付けブラケットおよび類似目的の部品、後部隔
壁を新たに室内に設置することは許されるが、難燃材質であることおよびボル
トなどで確実に車体に固定されていなければならない。
5.
11)エアジャッキ
エアジャッキの使用は許される。ただし、圧搾気体の容器を搭載することは
許されない。
第 6条 配管・他
6.
1)配 管
オイルキャッチタンク等の取り付けに伴う最小限の変更のみ許される。
6.
2)安全燃料タンク
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第12
条に基づく安全燃
料タンクに交換することが許される。
取り付けのための車体の改造は、第5条5
.
1
)で認められた改造を除き禁止さ
れる。タンク下部の最低地上高は1
0
c
m以上であること。
取り付けに伴う燃料配管の変更は許される。
−7
7
−
第5章 量産ツーリングカー(N1)
6.
3)室内冷却用ダクト
ドライバーおよび室内補機類のための冷却ダクトを設置してもよい。ただし、
外観形状の変更を伴うものは許されない。フレキシブルダクトをピラー等に簡
易的に固定することなどは、外観形状の変更とはみなされない。
−7
8
−
第6章 特殊ツーリングカー(N2)
第 6章 特殊ツーリングカー(N2)
第 1条 車両の資格
1.
1)定義
特殊ツーリングカー。
1.
2)資格
車両はFIAグループN、A(スポーツ進化を含む)、B、JAF量産ツーリ
ングカーまたは特殊ツーリングカーとして公認されているか、もしくはJAF
登録車両として登録されていなければならず、少なくとも2個の座席を備えて
いなければならない。
第 2条 許される改造
すでに量産ツーリングカー(N1)に対して許されている改造限度に次の項
目が加えられる。
本章の規定にかかわらず、第2章“レース車両の排気音量規制”、第3章“公
認車両および登録車両に関する一般規定”
、第4章
“公認車両および登録車両に
関する安全規定”を守らなければならない。
ただし、上記規定より本章の規定が厳しい場合は、本章を守らなければなら
ない。
2.
1)材質の制限
以下に示す材質は、各条項で認められているものを除き、使用することは許
されない。ただし、当該車両に標準で使用されている場合は当該部分にのみ使
用が許される。
チタニウム、マグネシウム、カーボン、アラミド繊維。
2.
2)制御機能
以下に示す制御機能を使用することは許されない。
トラクションコントロール、オートマチック/セミオートマチックギアボッ
クス、アクティブサスペンション、アンチロックブレーキシステム、シーケン
シャルミッション。
第 3条 エンジン
車両と同一製造者の他の公認車両または登録車両の生産エンジンであれば、別車
−7
9
−
第6章 特殊ツーリングカー(N2)
種のエンジンを搭載することができる。
エンジンの位置とその取り付けは、車体に対する当初のエンジンの方位と方向が
保持されているならば、エンジンルーム内で自由。
3.
1)気筒容積
気筒容積は、搭載しているエンジンが所属する第3章“公認車両および登録
車両に関する一般規定”1
.
9
)の気筒容積別クラス限度まで変更してよい(過給
装置付エンジンは、各々の係数を乗じ、それによって得られた値に相当するク
ラスの限度まで変更することができる)。
3.
2)シリンダーブロック
改造は自由。ただし、シリンダーブロックは当初のものを使用すること。
3.
3)シリンダーヘッドおよびバルブ
リフターを含み自由。ただし、シリンダーヘッドは当初のものを使用するこ
と。
3.
4)ヘッドガスケット
自由。
3.
5)カムシャフトおよび動弁系(バルブスプリングを含む)
自由。ただし、カムシャフトの位置、個数および駆動方式は変更できない。
材質の変更は禁止される。
3.
6)ピストン、ピストンピンおよびピストンリング
自由。
3.
7)クランクシャフト、コンロッド
自由。ただし、チタニウム合金の使用は許されない。
3.
8)フライホイール
自由。ただし、材質はスチールに限定される。
3.
9)ベアリング
プレーンベアリング、ローラーベアリングなどベアリングは同種の他のもの
に変更してもよい。
3.
10)吸気装置
吸気系統は自由。ただし、可変吸気トランペットは禁止される。
過給装置の装着は数に変更がなければ自由。(非装着エンジンに取り付ける
場合、シングルに限られる。)
−8
0
−
第6章 特殊ツーリングカー(N2)
3.
11)燃料供給装置
自由。ただし、インジェクターは各シリンダーにつき 基本車両の数を最大
とする。
3.
12)点火系統
自由。
3.
13)潤滑系統
オイルポンプを変更してもよい。オイルパンの変更および改造は自由。オイ
ルクーラーは、車両の輪郭から突出するものであってはならない。
3.
14)ウォーターラジエター
自由。
3.
15)その他の要素
3.
15.
1)ウォーターポンプおよび燃料ポンプ
自由。ただし、車室内に燃料ポンプを取り付けることは許されない。
3.
15.
2)プーリー類、ベルト
自由。
3.
16)排気系統
排気系統は材質を含み自由。ただし、2
0
1
0
年1
月1
日以降に公認または登録さ
れた車両については、触媒装置を装着しなければならない。
側方排気車両の排気口の高さは次の通り:
1)最低高:排気口の最低点は最低地上高を確保しなければならない。
2)最大高:排気口の最高点は前後車輪回転軸を結ぶ線より高くなってはなら
ない。
3.
17)マウント方法
自由。
第 4条 シャシー
4.
1)クラッチ
自由。ただし、ツインプレートを最大とする。
4.
2)トランスミッションおよびコントロールレバー
同一製造者のミッションの搭載、および搭載のための最小限の改造が許され
る。ギアレシオの変更およびオイルクーラー、オイルポンプの取り付けは自由。
4.
3)最終減速機と差動装置
−8
1
−
第6章 特殊ツーリングカー(N2)
同一製造者のディファレンシャルの搭載、および搭載のための最小限の改造
が許される。
駆動方式の変更は許されない。
トランスミッションと最終減速機との間のシャフトは自由。
ギアレシオは自由。
オイルクーラー、オイルポンプの取り付けは自由。
4.
4)アクスル
スピンドルを含み自由。
センターロック方式への変更は許されない。
4.
5)スプリングおよびスタビライザー
自由。ただし、主要な形式は変更してはならない。
補助スプリングの付加は許される。
走行中にスタビライザーを運転席からコントロールすることは許されない。
4.
6)ショックアブソーバー
自由。運転席から減衰力を調整することは許されない。
4.
7)サスペンションの要素
当初の形式を保つならば変更、改造は自由。当初の形式とはストラット方式、
ウイッシュボーン方式、トレーリングアーム方式、スウィングアクスル方式、
リジッドアクスル方式の5つをいう。
4.
8)ステアリングおよびステアリングギア
自由。
4.
9)ホイールおよびタイヤ
ホイールスペーサーを含み自由。
4.
10)ブレーキシステム
自由。ただし、1輪につき4ピストン以下のキャリパーを1個とする。
ブレーキの冷却は空気による場合のみ認められ、各ブレーキには空気を送り
込むフレキシブルダクトを設置することが許される。冷却用ダクトの断面は
8
0
c
m2以下であり、上から見た車両の輪郭から突出せず、バンパーより上の車
体に変更を生じない条件で付加することができる。
駐車ブレーキは自由。駐車ブレーキを装着する場合、左右同時に、かつ確実
に作動しなくてはならない。
−8
2
−
第6章 特殊ツーリングカー(N2)
第 5条 車 体
5.
1)車体の外部
5.
1.
1)バンパー(ステーを含む)
基本車両の全長の±3c
m以内であれば、バンパーは自由。またバンパーの
幅は1
,
8
5
0
mmまで拡張が許されるが、フェンダーと滑らかに接続すること。
5.
1.
2)ボンネット、トランクリッド
ボンネット、トランクリッドは形状、主要構成要素を変えない限り合成樹脂、
または軽金属への交換が許される。ただし、これらの部分は、十分な強度を満
足し、走行中に開かないようにすること。
エンジンクーリングのため、内部構造が見えないことを条件にナカダクトお
よび最大突出量が2
0
mmのルーバーを設置することができる。
5.
1.
3)前部空力装置
可動式でなく、基本車両の全長の±3c
m以内であれば、前部空力装置は自
由であるが、上から見た車体輪郭に対する突出量は最大3c
mまでに制限され
る。
前部空力装置をバンパーと一体に成形することができる。前車軸の中心より
前方のアンダーパネルは自由。
5.
1.
4)フェンダー
車両の全幅を最大幅1
,
8
5
0
mmまで広げることができる。
タイヤは真上から見て、車輪回転の中心を通過する垂直線の前後に、回転の
中心から計測して前後6
0
°の範囲において、はみだしてはならない。
フェンダーは車体のシルエットから遊離した形状であってはならず、かつ横
方向および後方から機械構造物が見えてはならない。
タイヤが容易に取り外せる形状でなければならない。
5.
1.
5)サイドスカート
サイドスカートは、車体から遊離した形状でなければ取り付けることができ
るが、最低地上高はいかなる状態でも確保されなければならない。
5.
1.
6)後部空力装置
車両の全長および全高を超えず、基本車両の最大幅より3
3
c
m以上小さく、
外縁に3mm以上のRをつけることを条件に形状は自由。
−8
3
−
第6章 特殊ツーリングカー(N2)
5.
1.
7)外部ミラー
外部の後方視界用ミラーは車両の両側に有効に取り付けられていなければな
らない。
各々の外部の後方視界用ミラーは最低9
0
c
m2の反射面積を有していなくては
ならない。
5.
1.
8)窓ガラス
サイドウィンドウおよびリアウィンドウを無色透明な他の材質のものに変更
することが許される。ただし、取り付け位置および板厚の削減と形状の変更は
認められない。取り付け部をタッピング、ビス等で補強することが推奨される。
5.
1.
9)車体外部の改造
フロントピラーおよびルーフドリップ部分の改造、サイドウィンドウガラス
取り付け位置の変更、結果として空力持性の改善をもたらす車体の不可視部分
の改造、および空力持性の改善をもたらす取り付けおよび切除等による車両の
改造は一切許されない。ただし、オープンカーのハードトップは自由。
5.
2)車体の内部
5.
2.
1)ダッシュボード(インストルメントパネル)の変更および交換は許される
が取り外しは許されない。
5.
2.
2)燃料タンクの容量は第3章“公認車両および登録車両に関する一般規定”1
0
.
2
)
に規定された限界以内ならば自由。
5.
2.
3)排気管取り付けのためのサイドシルおよびフロアの最小限の改造は許され
る。
5.
2.
4)FIA基準8
8
5
5
1
9
9
9
またはFIA基準8
8
6
2
2
0
0
9
に従った座席の使用が推奨
される。標準のシートレールフレームの前後の位置を変更してはならない。
第 6条 電装品および補機
6.
1)ライト類の付加による最小限の変更、および前部霧灯の取り外しは許される。
ただし、ヘッドライトの取り外しは配線を含み許されない。
リトラクタブルライトの可動システムの変更は許される。
6.
2)バッテリーの位置は自由。ただし、強固に取り付けられ、ドライバッテリー
でない場合には車室から確実に隔離されなければならない。
第 7条 安全燃料タンク
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第12
条に従った安全燃料タ
−8
4
−
第6章 特殊ツーリングカー(N2)
ンクの装着が義務付けられる。
ただし、3
.
1
6
)排気系統、および4
.
7
)サスペンションの要素の各条項が、第5章
“量産ツーリングカー(N1)”の規定の中の相当する条項に従って改造されてお
り、かつ、5.
1
.
1
)バンパーについてはステーおよびリインフォースメントを改造し
ない場合、安全燃料タンクの装着が免除される。
安全燃料タンクの取り付けのための改造は許される。タンク下部の最低地上高は
1
0
c
m以上であること。
安全燃料タンクをホイールベース間に搭載するため、安全燃料タンクが荷室およ
び車室にまたがる場合は、次の事項を遵守しなければならない。
1)前部座席の後端より後方に位置していなければならない。
2)タンクの両側は衝撃吸収構造とすることを強く推奨する。
3)隔壁は後方視界を妨げる形状であってはならない。
4)漏出した燃料は滞留してはならず、また車室には浸入しないよう十分配慮され
ていなければならない。
−8
5
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
第 7章 グランドツーリングカー300(JAF−GT300)
第 1条 車 両
1.
1)定 義
グランドツーリングカー300。
最少2座席を有し、車両の片側面にそれぞれ1枚以上の乗降用ドアを有する
自動車。
1.
2)基本車両としての資格
自動車製造者によって生産され、公道走行に適合し以下のいずれかの条件を
満たすこと。
①FIAグループN/A/GT3/GT2/GT1、JAF量産ツーリング
カーまたは特殊ツーリングカーとして公認された車両。
②JAF登録車両として登録された車両。
1.
3)基本エンジン
自動車製造者によって生産され、公道走行に適合し、FIAおよび/または
JAFによって認められたエンジン。
1.
4)オプション部品
FIAおよび/またはJAF車両公認書、またはJAF登録車両JAF−G
T主要諸元登録書に記載されているオプション部品のみ使用が許される。
第 2条 規 則
2.
1)改 造
本章によって許されていないすべての改造は禁止される。
本章の規定にかかわらず、第2章“レース車両の排気音量規制”、第3章“公
認車両および登録車両に関する一般規定”、および第4章“公認車両および登録
車両に関する安全規定”を守らなければならない。
ただし、上記規定と同義の条項が本章にも規定されている場合は本章に従う
こと。
2.
1.
1)材質の制限
2.
1.
1.
1)合成樹脂(カーボン/アラミド繊維を含む)
−8
6
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
本章で許されている場合、または基本車両、基本エンジンに標準で使用され
ている場合のみ当該部分に使用が許される。
2.
1.
1.
2)チタニウム、セラミック
本章の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。
1)基本車両、基本エンジンに標準で使用されている場合のみ、当該部分に使
用が許される。
2)下記に指定された部品に使用が認められる。
①エンジンコンロッド
②吸/排気バルブ
③バルブリテーナー
④ヒートシールド
⑤アペックスシール(ロータリーエンジン)
⑥ブレーキキャリパーのピストン
⑦過給装置
2.
1.
1.
3)アルミ合金
本章の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。
縦弾性係数が8
0
Gpa
を超えるアルミ合金の使用は、ブレーキキャリパーを除
き一切禁止される。
2.
1.
1.
4)その他の材質
本章の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。
比重1
2
.
0
を超える材質の使用は禁止される。
2.
1.
2)制御機能の制限
1)基本車両に設置されている制御機能であっても、オートマチックまたは電
子式のシャシーコントロールシステムあるいは機能は、JAFに申請し承認
されたアンチロックブレーキシステムおよび トラクションコントロールシ
ステムを除き、いずれも禁止される。これには本章別表1に列記したシステ
ムが含まれる。
ただし、ドライバーが作動させ、システムに作用する単純なオープンルー
プ電動スイッチは電子式の制御とは見なされない。
2)ピットレーン指定速度を遵守するためのリミッターの使用(付加)は認め
られる。
2.
2)規則への適合
競技会期間中いかなるときでも、車両がそのすべてにわたってこれら規定を
遵守していることを、競技会の技術委員および審査委員の求めに応じて説明お
−8
7
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
よび検証作業に応じることは、各参加者の義務である。
2.
2.
1)計 測
競技会期間中のすべての計測は、技術委員長の指定する場所において、オー
ガナイザーによって用意された機材、器具によって行われる。
これらの場所、機材、器具、および計測方法に対する抗議は認められない。
第 3条 車体および外部寸法
本章により改造を許されている場合を除き、公認書、登録車両に関する資料
に記載された基本車両の諸元寸法および取り付けのためのボルト類を除いた外
面形状を維持していなければならない。
3.
1)寸法
3.
1.
1)全長
車両の全長は3
.
1
.
4)により認められるオーバーハング、ホイールベース寸法
の総和を超えてはならない。
3.
1.
2)最大高さ
フラットボトム底面からルーフの最高点(ルーフ基準面とし、局部的突起形
状やルーフレール、アンテナ等の付加部品は除く)までの寸法は、フラットボ
トム底面に垂直に計測して1,
1
0
0
mm未満であってはならない。また、本規定に
適合するために、サイドシル、床の削除が許され、サイドシルの下側方向への
嵩上げおよび床位置を移動することも認められる。
3.
1.
3)最低地上高
空気圧1
6
0
kPa
のタイヤを取り付けた状態で車両のすべての外縁から測定し、
少なくとも4
5
mmの地上高が確保されなければならず、懸架されているあらゆ
る車両の部分はこの高さより下側に位置してはならない。
3.
1.
4)オーバーハングおよびホイールベース
1)フロントオーバーハング
オーバーハングを、最大9
5
0
mmまで延長することができる。ただし、基
本車両のフロントバンパーの最前端から1
2
0
mmを超えてはならない。
2)ホイールベース
基本車両のホイールベースが2
,
6
0
0
mm以下の車両は最大5%まで延長する
ことができる。基本車両のホイールベースが2
,
6
0
1
mm以上の車両は最大1%
まで延長することができる。ただし、その中間点の位置は、基本車両のホイ
−8
8
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
ールベースの中間点(基本車両の定義可能な位置からの寸法をJAFへ届け
出なければならない)を基点として前後方向に+/
3
0
mmの範囲で移動するこ
とが認められる。
3)リアオーバーハング
基本車両のリアオーバーハングが9
5
0
mm未満の車両は最大9
5
0
mmまで延
長することができる。
3.
2)ウィンドウ
3.
2.
1)フロントウィンドウ
フロントウインドシールドは第4章“公認車両および登録車両に関する安全
規定”第9条に適合しなければならない。ただし、
1)ウインドシールド表面の保護のための無色、透明なフィルムの貼付が許さ
れる。
2)ウインドシールドを厚さ6mm以上のポリカーボネイトに変更することが
できる。
3.
2.
2)その他のウィンドウ
1)取り付け位置、板厚と形状に変更がなければ車室内を透視することができ
る他の材質に交換してもよい。
2)ドアウィンドウガラスは機能が保持されているならば、作動方法、方式を
変更することが許され、ドライバー側ドアにはドアウィンドウガラスを取り
付けなくともよい。この場合、第4章“公認車両および登録車両に関する安
全規定”第2
2
条「ネット」に従った保護ネットを装備すること。
3)車室の換気用開口部を設置することが許されるが、各々のウィンドウに追
加された開口部の面積は該当するウィンドウ面積の1
5
%を超えてはならない。
開口部の形状は自由。
4)ウィンドウガラスの外側面上に、外側面から垂直に計測した突出量が最大
で5
0
mmまでのエアスクープを設置することができる。
5)ドアウィンドウガラスを除いたウィンドウガラスは、ウェザーストリップ、
モール等の補助的付加物を取り外し、車体本体に直接取り付けることができ
る。
6)ドアウィンドウ後方の車体側面に設置されたウィンドウは、ドアウィンド
ウガラスの外側面を延長した面まで突出させることができる。
−8
9
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
7)パーテーションウィンドウを防火壁に置き換えることができる。
8)サイドウィンドウおよびリアウィンドウに色付きガラスまたはウィンドウ
フィルムを使用する場合、5m離れた位置から車室内のドライバーを目視で
きなければならない。
9)ドア(4ドア車両の場合は前部ドア)より後方でかつ後部隔壁より後方に
位置するウィンドウについては不透視であってもよいが、塗装する場合は車
体色と異なる塗色により明確に区分されなければならない。
3.
3)車 体
3.
3.
1)車体の材質変更
前後バンパー、フェンダー、ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッ
チゲート、およびトランクリッドの材質は、十分な強度を保持し、形状を変え
ない限り合成樹脂または軽金属へ交換することが許される。ただし、ボンネッ
ト(エンジンフードを含む)、リアハッチゲートにガラスによる構成が含まれて
いて、その材質を変更する場合は、ガラスにより構成されていた部分が見切り
線により明確に区分されなければならず、当該部分を塗装する場合は車体色と
異なる塗色により明確に区分されなければならない。
また、本章が認める場合に限り形状を変更することができ、ボンネット(エ
ンジンフードを含む)、リアハッチゲート、トランクリッドは強度が維持され
るならば、その裏面の補強部材を削除することが許される。
3.
3.
2)ドア
1)ドア外面形状は、フラットボトム底面から1
2
0
mmまでの範囲を削除するこ
とが出来るが、それ以外の部分は当初の形状を維持しなければならない。ド
アの裏面形状を変更することが認められる。
2)ドアの材質は、十分な強度を保持することで合成樹脂または軽金属へ交換
することが許される。
3)ドアヒンジは、万一の事故の際にドライバーが速やかに脱出できるように
する目的のためにのみ、交換が許される。1)項により切除される範囲にド
アヒンジが含まれる場合は当該ドアヒンジの変更が認められる。
4ドアの後部ドアは開閉機能を維持する場合にはドアヒンジ、ドアロック
を3
.
3
.
4
)に準拠した4箇所以上のファスナーに置き換えることができる。
4)ドアミラーを移設した場合、当初のドアミラーベースを合成樹脂または軽
−9
0
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
金属へ変更することは認められる。
5)4ドア車両の後部ドアは、拡幅された後部フェンダー外側面まで後部ドア
を拡幅することができる。後部ドアの開閉機能は自由。
3.
3.
3)車体の開口部
3.
3.
3.
1)ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、およびトラン
クリッドの開口
1)外面形状を大幅に変更しない範囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置、
閉鎖が許されるが、開口部を塞ぐ場合、塞がれた範囲は当初の形状を保持、
または外包絡面を形成しなければならない。
但し、ボンネット(エンジンフードを含む)の開口部は下記の条件を満た
さなければならない。
①ボンネット(エンジンフードを含む)後縁から1
0
0
mm前方であること。
②開口部の前後長はボンネット(エンジンフードを含む)後縁から最大
1
,
0
0
0
mm。
③最大幅は車両の前後方向中心線から左右にそれぞれ最大6
2
5
mm。
ボンネット後縁
100mm Min
1,000mm Max
ボンネット後縁との平行線
625mm Max
第7−1図
2)リアハッチゲートおよびトランクリッドに外面形状を大幅に変更しない範
囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置が許される。
3)ハッチゲートの形状の変更を伴う開口部を設けてもよいが、当初のウィン
ドウ範囲に設ける場合、変更される形状の範囲はリアハッチゲートの当初ウ
ィンドウ面積の15
%を超えてはならず、開口部の最大幅は合計40
0
mmで、
車両の前後方向中心線に対し対称でなければならない。
4)開口部に最大突出量2
0
mmまでのルーバー、リップ等を取り付けること、
−9
1
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
および開口部に接続するダクトを追加することは許されるが、真上から見た
場合に当該開口部に接続するダクト以外の内部構造が見えてはならない。
3.
3.
3.
2)フェンダーの開口
コンプリートホイール後端より後方のフェンダーにブレーキ冷却後の空気を
排出させるための排気口を設置することが許されるが、これら排気口は側面お
よび上面から内部が見える構造であってはならない。
リアホイールの後面にブレーキ冷却後の空気を排出する排気口を構成した場
合は、後車輪軸中心を通る水平面より下を除き、空気以外の排出防止のため、
ルーバーまたは細密なワイヤーメッシュによる構造でなければならない。
フェンダーに排気管を通すための開口を設ける場合、その開口部は排気管の
直径の1/2までの隙間を有してよい。
3.
3.
3.
3)天井部分の開口
天井部分に開口部を1つ設置することができるが、下記の条件を満たさなけ
ればならない。
1)フロントウインドシールド後端より1
0
0
mm以上後方であること。ただし、
リアエンジンの吸気用の場合は後部隔壁最高端位置より後方であること。
(エアダクトを天井部分の開口部に接続することができる。)
2)開口部の前後長は天井全長の1/2を超えないこと。
3)最大幅は4
0
0
mmで、車両の前後方向中心線に対し対称であること。
4)車両上面視で開口部の範囲に車体の表面から垂直に計測して最大高さ
4
0
mmまでのエアスクープを設けることが許されるが、当該構造以外は車体
の表面から突出しないこと。
5)真上から見た場合に内部が見えないこと。
6)室内側の構造体は天井の内側面より1
5
0
mmを超えない範囲に位置し、ドラ
イバーの頭部より1
0
0
mm以上のヘッドクリアランスが保持できること。
3.
3.
3.
4)後部にエンジンが移動された場合の車体側面の開口
後部にエンジンが移動されている場合に、ヒートエクスチェンジャーの冷却
用等の外気の導入のため、4ドア車両の場合は後部ドアに、2ドア車両の場合
はドア後方のボディサイドパネルに、以下の条件で開口部を設置することがで
きる。
1)①4ドア車両の場合:
−9
2
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
後部ドア外周見切り線の内側で、フラットボトム底面から77
0
mm上方
を通過する平行な面の下側の範囲(第7
2
図斜線部)とする。
②2ドア車両の場合:
フラットボトム底面から77
0
㎜上方を通過する平行な面の下側で、ドア
後端見切り線、ドア下部見切り線の後方延長線および後車輪軸中心を通り
フラットボトム底面に垂直な面により囲まれた範囲内(第7
3
図斜線部)と
する。
2)開口部は側面、上面より内部が見える構造であってはならない。
3)ルーバー形状は禁止され、開口部には最大突出量5
0
mmまでのエアスクープを
770mm
設置することが許される。ただし、競技車両の最大幅を超えてはならない。
フラットボトム
770mm
第7−2図
フラットボトム
ドア下部見切線の
後方延長線
第7−3図
−9
3
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
3.
3.
3.
5)車体後部の開口
車体後部の開口部はルーバー、細密なワイヤーメッシュまたはパンチングメ
タル等で覆わなければならない。
3.
3.
4)ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、トランクリッド
のヒンジ
ヒンジ類は第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第3条「フ
ァスナーの追加」に規定されるファスナーにより、少なくとも4ケ所が安全に
固定され、走行中に開かないようにすることを条件に取り外すことができる。
エンジンおよび燃料タンクが設置されている箇所においては、これらのファ
スナーは工具を必要とすることなく取り外すことができなければならない。
ファスナーは、赤(もしくは対照的に目立つ色)の矢印で明示されていなけ
ればならない。
3.
3.
5)車体(モノコック構造体)と隔壁
本章で改造が許されている場合を除き、車室部分は当初の車体(モノコック
構造体)が維持され、フェンダー、バンパーおよびフィニッシャーに被われて
いない車体構造は残されていなければならない。
前部隔壁および後部隔壁を除き、車室に当初からある開口部は塞いでもよい。
3.
3.
5.
1)前部隔壁(カウルトップ部を含む)
1)当初の前部隔壁を削除し、車室を完全に隔離する新たな隔壁を設置するこ
とが出来る。
ただし、カウルトップ部を削除した場合フロントウィンドウ下端部支持構
造は新たに構築しなければならない。
カウルトップカバーは、材質・形状自由。ただし、車両前面視におけるボ
ンネット後端外縁より上に突出してはならない。
2)室内換気のため3
.
3
.
3
.
1)の開口に接続する開口が車室の隔離機能を維持す
ることを条件に認められる。
車室の換気口とボンネット(エンジンフードを含む)裏面に設置されたダ
クトを接合する場合、エンジンルームに火災が発生した場合に、車室に火炎
が侵入するのを防止できる構造でなければならない。
3)前部隔壁基準面(車両前側の面)を設置できる範囲
隔壁の前後方向位置は基準車の元の位置から±2
5
0
mmの範囲とする。
−9
4
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
4)前部隔壁、3
.
3
.
3
.
1
)の開口部の接続構造、または当初から存在する開口部
を塞ぐ素材の形状と材質
形状:自由。
材質:基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さ
を持つ材料。
5)
3
.
3
.
8)
「
床部のトンネル設置」
、3
.
3
.
1
2
.
1)および本項により許されている改造、
および3
.
3
.
6)「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」に規定したパ
イプフレーム構造をロールケージに接続するための開口部を設けることはで
きるが、開口部を設ける必要が生じた場合であっても、その大きさは必要最
小限に留められなければならない。
3.
3.
5.
2)後部隔壁
1)当初の車体の後部隔壁を削除し、新たな隔壁を設置することができる。
2)側面透視で運転席の座席後方に位置し車室を完全に隔離する後部隔壁を有
することが義務付けられる。ただし、室内換気の排気のため3
.
3
.
3
.
1
)3
)の開
口に接続する最小限の開口が車室の隔離機能を維持することを条件に認めら
れる。
隔壁設置可能域
第7−4図
3)後部隔壁、3
.
3
.
3
.
1
)3
)の開口部の接続構造、または当初から存在する開口
部を塞ぐ素材の形状と材質
形状:自由。
材質:堅固で防火性に富んだ材質により構成されていなければならない。
①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さを持
つ材料。
−9
5
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
②1
0
mm以上の厚さのハニカム構造を持つカーボンファイバー材。
③3
.
5
mm以上の厚さを持つカーボンファイバーコンポジット。
4)床の底部主平面を延長した面と後部隔壁の主平面を延長した面とを繋ぐ構
造とすることができる。
3.
3.
5.
3)リアミッドシップエンジン車両
3
.
3
.
5
.
1
)「前部隔壁」および3
.
3
.
5
.
2
)「後部隔壁」の他に以下が適用される。
1)エンジンルームと荷物室を隔離する隔壁およびエンジンルームと荷物室の
床を削除することが許されるが、荷物室の床部分にある補強部材等の車体の
強度に影響のある部材はその限りではない。
2)荷物室に燃料タンクを設置する場合、エンジンルームと荷物室を隔離する
隔壁の切除は禁止される。
3)エンジンルームと荷物室を隔離する隔壁に設置されているメンバーは、車
体強度に影響を及ぼさなければ脱着式に変更することが許される。
3.
3.
6)前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造
前部隔壁より前方および/または後部隔壁より後方の主構造(フレーム構造)
は、これを切除し、ロールケージに接続するパイプフレーム構造に置き換える
ことが許される。
後部隔壁後方の車体構造(モノコック構造体)を兼ねていた外板部分の材質
については、十分な強度を保持し3
.
3
.
3
.
3
)「天井部分の開口」に許される条件
以外に形状を変えない限り、合成樹脂または軽金属へ交換することが許され、
各ドア、フェンダー、トランクリッドと分離される構造の場合に限り着脱が許
される。ただし、当該部分は、前面、後面、側面視でシルエットから遊離して
いてはならず、ヒンジ、ロック機構、または3
.
3
.
4
)に準拠した4箇所以上のフ
ァスナーにより堅固に固定できなければならない。
前部隔壁より前方の主構造(フレーム構造)をロールケージに接続するパイ
プフレーム構造に置き換える場合、1
2
.
7
)「前(後)面防護構造」に規定され
る衝撃吸収構造体(クラッシャブルストラクチャー)の設置が義務付けられる。
パイプフレーム構造は下記条件を満たさなければならない。
1)材質:スチール製であること。
2)強度要件:前後方向に5
.
5
W、横方向に1
.
5
W、垂直方向に1
.
5
W(W=1
5
0
0
kg)
の荷重を負荷しても耐え得ること。
−9
6
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
(1)上記荷重を負荷する部位
前部パイプフレーム:衝撃吸収構造体の取り付け箇所
後部パイプフレーム:当該パイプフレームの後端
(2)上記荷重を負荷する条件
①車室床部(キャビン)を固定する。
②出走状態とする。(例;サスペンションを取り付けるための穴等は
開けた状態。エンジン、ギアボックス、フラットボトム等にストレ
スメンバーとしての機能を持たせる場合は、それらを搭載した状
態)。
(3)強度要件を満たす証明のJAFへの提出
①静荷重試験の結果、強度計算結果(強度計算書)、もしくは強度解析
結果
②ロールケージおよびパイプフレームの構造概略図および使用パイプ
の材質・寸法
本証明は、同一型式でかつ設計変更がなされない限り、毎年度の提出
は不要である。
3)ロールケージへの取り付け方法、パイプ径と肉厚
パイプの形状を含め自由。
ただし、パイプフレーム構造の装着に伴うFIA/JAF公認ロールケー
ジに対する一切の加工、改造は認められない。
4)エンジンを取り外しても、車体を懸架している部分が正常に作動しなけれ
ばならない。
3.
3.
7)フラットボトム、床
タイヤハウス、外部ミラーを除き、車両の真下から見える車体部分の全幅に
渡り下記に適合するフラットボトムの設置が義務付けられる。
1)前車輪軸中心線と後車輪軸中心線の間の車両下面に、いかなる状況におい
ても堅固な平面を持つ不浸透性の連続した固体を、しっかりと固定しなけれ
ばならない。
材質は自由。
フラットボトムは、最小幅9
5
0
mmで車両の前後方向中心線に対し対称で
あること。
−9
7
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
この面は、複数枚で構成されてよいが各々の隙間は1mm以内であり、平
面全域に渡り平面公差は垂直方向に最大で5mmとする。
2)フラットボトムは、いかなる場合も空力的効果を有してはならない。
3)隔壁より前方、排気管が通過する部分(サイドシルを除く)
、センタート
ンネル、およびリアエンジン車両のトンネルを除き、車室の床とフラットボ
トムの間を空気が流れる構造であってはならない。
隔壁
(バルクヘッド)
床
フラットボトム
前車輪軸中心線
Min 950mm
後車輪軸中心線
Min 950mm
床前端
フラットボトム前端
フラットボトム後端
第7−5図
4)車両のすべての懸架される部分は、3.
4
.
1
)「前部空力装置」に関わらず、
一切フラットボトムにより形成される平面より下方に位置してはならない。
5)フラットボトムの周縁部には、最大半径2
5
mmの上向きの湾曲を形成する
ことが許される。
6)フラットボトムに、次に従い開口部を設けることが許される。
(1)エアジャッキ用の開口部。
(2)排気管の放熱用の開口部。
‐排気管の直径に相当する幅まで
‐排気管の形状に沿っていること
‐最大直径5
0
mm以下
‐数は自由
(3)センサー用の開口部(最大φ2
0
)。
ただし、車高センサーの光軸の通過のため、最大2
0
mm×5
0
mmの穴
(スリット)を4個迄設置することができる。
7)フラットボトムは、フランジを除いたサイドシル下面の直線部を最上部と
−9
8
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
して設置することが許される。ただし、フラットボトムが、基本車両の床と
干渉する場合、元の床を改造すること、あるいは3
.
3
.
9
.
1
)2)「形状と材質」
に規定される材質により新たな平板状の床を形成することが許される。
8)フラットボトム設置のため、サイドシル下面の直線部より下部に位置する
部分は折り曲げあるいは切除できる。
フェンダーアーチ
フェンダーアーチ
サイドシル
A
A'
サイドシル下面の直線部
フラットボトム
A−A' 断面
サイドスカート
サイドシル
床
フラットボトム
折り曲げあるいは切除
第7−6図
9)3
.
3
.
1
2
.
1
)(3)「タイヤハウスの形状」を満足すること。
3.
3.
8)床部のトンネル設置
1)センタートンネル
基本車両のセンタートンネルを削除し以下に定める寸法内で新たなトンネ
ルを構築することが出来る。
材質:堅固で防火性に富んだ材質により構成されていなければならない。
①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚
さを持つ材料。
センタートンネル設置許容範囲
450mm
460mm
後部隔壁
370mm
390mm
800mm
車両CTRに対し
左右対称
前部隔壁
フラットボトム
第7−7図
−9
9
−
300mm
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
2)排気管用トンネル
①床面の上方向に対してフラットボトム形状に影響を及ぼさないことを条件
に幅2
1
0
mmおよび高さ2
1
0
mmまでのトンネルを1本設置することができ
る。ただし、フロントに左右バンクを有するエンジンを持つ車両の場合、
左右に各々1本のトンネルを構成することが認められる。
②壁面の改造が直径2
1
0
mmの円に外接する四角形の範囲まで許される。
3.
3.
9)ボデイサイドパネル、サイドシル
3.
3.
9.
1)ボデイサイドパネル、サイドシル、床
1)ドアウィンドウ下部見切りより下方のボデイサイドパネルおよびサイドシ
ル、床は、当初のボデイサイドパネルおよびサイドシル、床を削除し新たに
設置することができる。
2)形状と材質
形状:自由
ただし、ボデイサイドパネルとサイドシルはフラットボトム底面から、そ
の2
5
0
mm以上上方までの範囲で、車両幅方向で、ドア外側面下端とドア外
側面下端から1
2
0
mm内側の間に外側面を有さなければならない。ただし、
3
.
3
.
8)2)「排気管用トンネル」による改造は許される。
材質:堅固で防火性に富んだ下記の材質により構成されていなければなら
ない。
①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さ
を持つ材料。
②1
0
mm以上の厚さのハニカム構造を持つカーボンファイバー材。
③3
.
5
mm以上の厚さを持つカーボンファイバーコンポジット。
3)サイドシル内部を空気が流れる構造は禁止される。
4)フロントフェンダーとリアフェンダーの間で、ドアの下方の範囲は、基本
車両の外面(ドアアウターパネル又は、サイドシル外側面、又はサイドシル
カバー外側面)を拡幅しサイドシルカバーを設置してもよいが、拡幅されな
い部分は基本車両と同一の面を保持していなければならない。
本部位の最外側面とサイドシルとの間には、空気が流れる構造は禁止され、
最 外 側 面 に 排 気 管 を 通 す た め の 開 口 を 設 け る 場 合、車 両 側 面 視 で 直 径
1
2
0
mmの円に外接する四角形の範囲まで許される。
−1
0
0
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
5)サイドシルカバーを設置する場合、材質は自由。
ドア
ボディサイドパネル&サイドシル外側面
サイドシルカバー
ボディサイドパネル
&
サイドシル
ドア外側面下端
サイドスカート
MIN
250mm
MAX
120mm
MAX
120mm
フラットボトム
第7−8図
排気管トンネル
ドア
ボディサイドパネル
&
サイドシル
サイドシルカバー
MAX
210mm
ドア外側面下端
排気管
サイドスカート
フラットボトム
MAX
210mm
第7−9図
3.
3.
10)バンパー
3.
3.
10.
1.
1)フロントバンパー
1)車両の前後方向中心線と垂直に交わり、かつそれと左右対称で、基本車両
最大幅の7
5
%の長さを有する直線が、車両を真上から見たフロントバンパー
の輪郭に接する両端の間(第7
−1
0
図に示す基準点P1とP2の間)で、フラ
ットボトム底面から3
0
0
mm上方を通過する平行面によって区分けされる上
部形状は基本車両の形状を維持しなければならない。
2)上記1)に定める基準点P1とP2(第7
−1
0
図)の間で、フラットボトム
底面から上方40
mmを超え3
0
0
mm以下の部分のバンパーは、基本車両バンパ
ー輪郭の内側の範囲であれば開口部の追加を含み改造できる。
3)バンパー内側の補強部材は自由。
−1
0
1
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
3.
3.
10.
1.
2)リアバンパー
1)車両の前後方向中心線と垂直に交わり、かつそれと左右対称で、基本車両
最大幅の8
0
%の長さを有する直線が、車両を真上から見たリアバンパーの輪
郭に接する両端の間(第7
−1
0
図に示す基準点P3とP4の間)で、フラット
ボトム底面から3
0
0
mm上方を通過する平行面によって区分けされる上部形
状は基本車両の形状を維持しなければならない。
2)車両の左右後車輪軸中心を結ぶ線から車両後端の平行線上で、前後方向中
心から左右6
6
5
mmの点で3
0
°の角度を持って交差し、競技車両の前後方向
中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側の範囲(第7
−1
1
図に示され
る)でフラットボトム底面から3
0
0
mm以下の部分を改造する(切除も含む)
ことが出来る。ただし、車両の前後方向中心から左右65
0
mmまでの範囲に
わたりバンパーの改造部分の底面は水平な面を保持しなければならない。
3)バンパー内側の補強部材は自由。
30°
30°
P1
P3
W2
W1
W1:基本車両の全幅の75%の長さ
W2:基本車両の全幅の80%の長さ
P2
P4
30°
30°
第7−10図
30°
後車輪軸中心
665mm
車両後端
車両前後方向中心線
競技車両全幅
MAX 300mm
車両後端
フラットボトム底面の延長線
第7−11図
−1
0
2
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
3.
3.
10.
2)フェンダーの拡幅に伴うバンパー形状の変更
バンパー形状の変更は次の条件によってのみ許される。
形状変更の検査を容易にするため、テンプレートを所持していなければなら
ない。
1)フロントバンパーの形状を変更できる範囲
車両を真上から見て、第7
−1
0
図に示す基準点P1とP2を結ぶ直線に対
し、各々の基準点を基点として、30
°の角度を持つ直線と、車両の前後方向
中心線に平行で車体最外側に接する直線がそれぞれ交差する範囲の内側とす
る。さらに、各々の交点部分は、車両を真上から見て曲げ(R)を有してい
なければならない。
ただし、当該規定の範囲に位置するフロントバンパーは、カナードおよび
それに類似する形状(車両の前後方向に延びる棚形状)であってはならない。
2)リアバンパーの形状を変更できる範囲
2)
−1 フラットボトム底面から3
0
0
mm上方を通過する平行面によって区分け
される上部車両を真上から見て、第7
−1
0
図に示す基準点P3とP4を結ぶ
直線に対し、各々の基準点を基点として、30
°の角度を持つ直線と、車両の
前後方向中心線に平行で車体最外側に接する直線がそれぞれ交差する範囲の
内側とする。さらに、各々の交点部分は、車両を真上から見て曲げ(R)を
有していなければならない。
2)
−2 フラットボトム底面から3
0
0
mm上方を通過する平行面によって区分け
される下部車両を真上から見て、車両の左右後輪車軸中心を結ぶ線から車両
後端の平行線上で、前後方向中心から左右66
5
mmの点で3
0
°の角度を持っ
て交差し、競技車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の
内側の範囲(第7
−1
1
図に示される)とする。さらに、各々の交点部分は、車
両を真上から見て曲げ(R)を有していなければならない。
3.
3.
11)フェンダー
1)フェンダーを車両全幅寸法で最大1
,
9
5
0
mmまで拡幅させることができるが、
フロントフェンダー前部およびリアフェンダー後部は、車両を真上から見た
ときに、3
.
3
.
1
0
.
2)「フェンダーの拡幅に伴うバンパー形状の変更」に規定さ
れた範囲内に収まらなければならない。
フロントフェンダーの後縁はドア前端に存在する見切り線を超えて延長さ
−1
0
3
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
れてはならない。(フロントフェンダーの前後方向の寸法は拡大することが
できない。)
ドア前端の見切り線
フェンダーはこの見切り線
より後方に位置できない。
第7−12図
2)拡幅されるフェンダーのデザインに制限は無いが、開口の設置は3
.
3
.
3
.
2
)
「フェンダーの開口」に従い、車両外面の鋭角的な突起部分には半径5mm
以上のR形状を有し、拡幅されない部分については、基本車両と同一な面を
保持していなければならない。
3)基本車両のフェンダーがエンジンの吸気や冷却のための開口部を有する形
状の場合で、そのフェンダーを拡幅した結果、開口部の寸法変更、あるいは
開口部が閉鎖された形状となることも認められる。ただし、開口部の寸法変
更が伴う場合であっても、3
.
3
.
3
.
2
)「フェンダーの開口」に従わなければな
らない。
4)バンパーがフェンダーの内側に包括される構造は、基本車両と同一構造で
ある場合にのみ許される。
5)フェンダーは、基本車両の側面視におけるフェンダー上端外縁を超えては
ならない。ただし、3
.
3
.
1
2)「タイヤハウス」によって設置されたタイヤハ
ウスが干渉する場合は、設置されたタイヤハウス上端に接する曲面部をフェ
ンダー上端外縁より突出させることが許され突出部は滑らかなアールで周辺
と繋げることが出来る。
−1
0
4
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
タイヤハウス構築
による突出部
滑らかなアール
滑らかなアール
基本車両のフェンダー見切り線
第7−13図
6)当初のリアフェンダーがリアピラーと一体構造の場合、フェンダーはリア
ウィンドウの最下端を通過する水平面より下側とする。
3.
3.
12)タイヤハウス
3.
3.
12.
1)前/後コンプリートホイールを収納するため、基本車両の構造にかかわ
らず、ホイールアーチの内側に面構成による独立したタイヤハウスが存在して
いなければならず、材質は自由。
1)タイヤハウスは、コンプリートホイールが直進状態の出走状態で、以下の
範囲に設置されなければならない。
(1)フラットボトム底面と平行で、車輪中心を通る平面より上:
車輪軸中心から半径4
1
0
mmの範囲内。車両の左右方向の位置は自由。
(2)フラットボトム底面と平行で、車輪中心を通る平面より下:
左右車輪軸中心を通りフラットボトム底面に垂直な平面に平行で車両の前
後方向に各々4
1
0
mm間の平面の範囲内。車両左右方向の位置は自由。
(3)タイヤハウスの形状
①タイヤハウスの形状は自由。
②フラットボトム前端より後方で、フラットボトム後端より前方のタイヤ
ハウスの範囲において、フラットボトム底面から5
0
mm未満の高さにあ
るタイヤハウスと車体構造(第1編第3章第1条1.
1
0
)車体)は、下面
視でフラットボトムに覆われていなければならない。
−1
0
5
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
フロントタイヤハウスの例
F
F
410mm MAX
410mm MAX
角度は自由
410mm MAX
50mm Min
フラットボトム
フラットボトム
F
410mm MAX
50mm Min
フラットボトム
半径25mm
リアタイヤハウスの例
リアタイヤハウス
リアタイヤハウス
F
F
410mm MAX
410mm MAX
50mm Min
50mm Min
フラットボトム 半径25mm
フラットボトム
リアタイヤハウス
リアタイヤハウス
410mm MAX
F
F
410mm MAX
410mm MAX
角度は自由
410mm MAX
50mm Min
フラットボトム
フラットボトム
第7−14図
(4)タイヤハウスの車両後方部に、3
.
3
.
3
.
2
)「フェンダーの開口」で設置さ
れたブレーキ冷却後の空気を排出させるための排気口につながる開口形状
を形成してもよい。
(5)懸架装置、操舵装置およびブレーキ冷却のためのダクトを貫通させるた
めの開口、排気管放熱用の開口を設けることが許される。
2)基本車両のタイヤハウスが1)に規定される寸法を超えて構築されている
場合は、基本車両の寸法以内でなければならない。
3)タイヤハウスの前端あるいは後端が隔壁と干渉する場合、前部隔壁にステ
−1
0
6
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
アリングを直進状態にして前車輪軸中心から半径4
6
0
mm、後部隔壁に後車
輪軸中心から半径4
1
0
mmの範囲内に限り改造を行うことができる。
4)3)により規定される範囲内に存在するサイドシルは削除することが認め
られる。
3.
3.
12.
2)タイヤハウスを構築するため、当初のサイドレールアッパーとその周辺
骨格は、サスペンションストラットの上部取り付け点が当該部位に設置される
場合を除き、車体強度の低下がないことを条件にこれを除去することが認めら
れる。
3.
3.
12.
3)ドライブシャフトがサイドメンバーと干渉する場合、車体強度を確保で
きる補強を施すことを条件に、当該部分の最小限の範囲を加工することが許さ
れる。
3.
3.
13)サイドスカート
サイドスカートは、次の条件を満たすことにより設置が許され、その材質は
自由。
1)出走状態の車両の車輪軸中心を通る水平面より下であること。
2)拡幅された車両の最大幅までの範囲内に取り付けること。
3)前/後縁および側縁は半径5mm以上のR形状を有していること。
4)サイドスカートの外側面は、基本車両の外側面より内側に入り込まないこ
と。
5)フラットボトムと隙間無く、前後フェンダーとも接合されなければならな
い。
3.
3.
14)エンジンベイ
3.
3.
14.
1)ラジエターサポートとそのサポートメンバーは取り外してもよい。
3.
3.
14.
2)ボンネット(エンジンフードを含む)
、リアハッチゲート、トランクリ
ッド
3
.
3
.
1
2)「タイヤハウス」によって設置されたタイヤハウスとの干渉が生じる
部分は設置されたタイヤハウス上端に接する曲面形状で突出させることが許さ
れる。突出部は滑らかなアールで周辺およびフェンダーとつながる形状とする
ことが許される。
3.
3.
15)荷物室
荷物室の床部分は改造、あるいは除去することができるが、地面が見えては
−1
0
7
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
ならない。
1)改造の場合:
1.
1)床下の後部空力部品を設定しない場合:
①第7
−1
5
図Aのような形状は禁止される。
②床面は「平面でフラットボトムに平行」であること(第7
−1
5
図B参照)。
③床面が「平面でフラットボトムに平行」であれば、フラットボトムの高さ
まで下げることが許される。
1.
2)床下の後部空力部品を設定する場合:
①床下の後部空力部品が車両後端部分まで設置されている場合(第7
−1
5
図C
参照)
、その上面の床面形状は自由。
②床下の後部空力部品が前後方向の途中まで設置されている場合、その後端
より後部の床面の形状は同様に「平面でフラットボトムに平行」
であること
(第7
−1
5
図D参照)
③床下の後部空力部品と床面の間を空気が前後に流れないこと。
D
A
B
MAX 150mm
C
フラットボトム
第7−15図
1.
3)床下の後部空力部品設置の有無にかかわらず、荷物室床面の上側の空間
にはラジエターを通過した空気のみ流れることが許される。車体最下面(荷
物室床面)の上側(の空間)を空気が流れる構造で、当該開口部が荷物室内
等に設置されたラジエターを通過する空気の排出を目的とする場合は、開口
部面積はラジエターコア面積以下でなければならない。
2)床部分を除去した場合:
−1
0
8
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
①衝突に対する影響を最小限に抑える目的により、衝撃吸収構造を設置する
ことが認められる。
②車体強度の保持のためにクロスメンバーを自由に追加してもよい。
3)荷物室に安全燃料タンクを搭載する場合:
燃料タンクの脱落防止のため、補強部材による構造体を追加することが許さ
れる。
3.
3.
16)オープンカーのハードトップ
オープンカーのハードトップは次の条件に従うことにより取り付けることが
許される。
1)形状:ソフトトップ、もしくはオプションにハードトップが設定されてい
る場合は、形状がそれに近似していなければならない。
2)材質:堅固で防火性に富んだ材質であり、以下の何れかで構成されていな
ければならない。
ただし、取り付け部(フランジ部を含む)を除く。
①基本車両のモノコックを形成する素材と同一素材、同一以上の厚さを持つ
材料。
②1
0
mm以上の厚さのハニカム構造を持つカーボンファイバー材。
③3
.
5
mm以上の厚さを持つカーボンファイバーコンポジット。
3)最高点:当該車両カタログに記載されている3面図の最高点を当該車両の
最高点とする。
4)固定方法:車体への固定は自由。ただし、公認ロールケージへの固定は一
切の加工を伴ってはならない。
3.
3.
17)車室の内部
荷物室を除き、車室内には当初から設置されている以外の機械構造部分が存
在してはならない。
ダッシュボード(インストルメントパネル)の変更および交換は許されるが
取り外しは許されない。
補機類(電装品)の冷却およびドライバーの冷却のため、車室内に難燃性材
質のフレキシブルエアダクトを設置すること、また、これを3
.
3
.
1
9
)「補助的付
加物」に規定されたエアスクープに接続することが許されるが、ドライバーの
視界を妨げてはならない。
−1
0
9
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
オイルタンクは車室内に設置されてはならない。
3.
3.
18)補 強
車体(隔壁を含む)の補強は、運転席、助手席のための空間を含めた区域を
侵害しなければ自由に行うことができる。
3.
3.
19)補助的付加物
霜取り装置、車室の換気装置は当初の換気口が残され、外観形状を大幅に変
更しない範囲(最大突出量2
0
mm)であれば自由。
3.
4)空力装置
3.
4.
1)前部空力装置
①車体下部には、左右前車輪軸中心を結ぶ線から最大9
5
0
mmまでの前方の平行
線上で、前後方向中心から左右46
0
mmの点で3
0
゜の角度を持って交差し、競
技車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側でフラット
ボトム底面から1
3
0
mmの範囲に、前部空力装置を設置することが許される。
MAX 950mm
30°
前車輪軸中心線
フラットボトム前端
競技車両全幅
460mm
F
MAX
130mm
フラットボトム
前部空力装置
前、
後端高さ制限
MAX
130mm
第7−16図
②材質は自由。
③前縁および側縁は半径5mm以上のR形状を有していること。
−1
1
0
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
④車体下部の構造体は前部コンプリートホイールの前端を通過する垂直面よ
り前方に位置するフェンダーの下部と接合することができる。
⑤①の検査のためのテンプレートを所持していなければならない。
⑥フラップ(カナード)は、以下の範囲内に取り付けることができる。(第
7−17図)
(ⅰ)車両のフラットボトム底面の2
5
0
mm上方を通る平行面より下。
(ⅱ)前部コンプリートホイールより前で、P1
、P2
点の外側。
(ⅲ)左右前車輪軸中心を結ぶ線から最大9
5
0
mmまでの前方の平行線上で、
前後方向中心から左右4
6
0
mmの点で3
0
゜の角度を持って交差し、
競技車両の前後方向中心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内
側。
競技車両全幅
前車輪軸中心線
車両前後方向中心線
460mm
基本車両全幅の75%
(ⅳ)車体外縁から1
2
0
mm以内。
P2点
(反対側はP1点)
断面
MAX120mm
30°
MAX
250mm
カナード
MAX950mm
フラットボトム
第717図
3.
4.
2)後部空力装置
後部空力装置は、次の条件に従うことにより、リアエアスポイラーもしくは
リアウイングの何れかを取り付けることができる。
1)数は1構成であること。
−1
1
1
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
2)翼の枚数は1枚であり、翼断面の何れの部分も4
0
0
mm×1
5
0
mmの長方形に
収まること(ガーニーフラップを含むが支持体と翼端板は除く)。
3)高さは、オプション部品を除いた天井の最高点(フラットボトム底面から
1
,
1
0
0
mm)を限度とする。
4)幅は最大1
,
9
0
0
mm(支持体と翼端板を含む)。
車両の後端の左右後車輪軸中心を結ぶ線に平行な線上で、前後方向中心か
ら左右6
6
5
mmの各点で3
0
°の角度を持って交差し、基本車両の前後方向中
心と平行に引かれる最外側線の交わる線の内側の範囲(第7−18
図に示され
る)を車体輪郭の外縁と見なし、その輪郭から突出しないこと。
車両後端
リ ア ウ ィン グ
後車輪軸中心線
665mm
MAX
1,900mm
30°
第7−18図
5)車両を横から見て車体輪郭およびリアフェンダーの見切り線より上部もし
くはトランクリッド(エンジンフード)面上に位置すること。(リアフェン
ダー上に空力装置を設置することは許されない。)
6)後車輪軸の中心線を通過するフラットボトム底面に垂直な面より後方に位
置すること。
7)翼端板を含み、前縁および側縁は半径5mm以上のR形状を有しているこ
と。
8)形状および材質は自由。トランクリッドに取り付ける場合、支持体の取り
付け剛性を確保するためにトランクリッド内側に補強を施してもよい。
9)構造体を取り外すことなくトランクリッド、リアハッチゲートが開閉でき
−1
1
2
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
ること。
3.
4.
3)後部床下の空力装置
以下に従い完全にフラットで開口部のない傾斜のあるプレートを追加するこ
とが認められる。
後 車 輪 軸 の 中 心 よ り 後 方 の 床 下 で、車 両 の 前 後 方 向 の 中 心 線 か ら 左 右
6
5
0
mmまでの範囲には、基本車両に設定されている空力部品、もしくは以下
に従った完全にフラットで開口部のない傾斜のあるプレート(傾斜プレート)
のみ設置することが認められる。なお、当該空力部品または傾斜プレートの何
れも装着しないことは認められるが、併設は認められない。
ただし、傾斜プレートの前端を移動することにより、車両の構造物が傾斜プ
レートに干渉する場合は当該部位をフラットボトム面に平行な直方体形状で突
出することが許される。
材質は自由。
傾斜プレートの有無に関わらず、車両の前後方向の中心線から左右65
0
mm
を超える部分で、後車輪軸の中心線を通過するフラットボトム底面に垂直な面
より後方、かつフラットボトム底面から3
0
0
mm上方を通過する平行面より下
については自由とする。
1)フラットボトムの後端(後車輪軸中心線を通過する垂直面)と車体最後端
を通過する垂直面の間に位置すること。
2)傾斜プレートの最大幅は1
3
0
0
mmで、車両の前後方向中心線に対し対称で
あること。
3)傾斜プレートのいかなる点も、フラットボトムより1
5
0
mm以上上方に位置
してはならない。
4)排気管および空冷式クーラーラジエターの設置は認められる。
−1
1
3
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
MAX 150mm
フラットボトム
傾斜プレート
第7−19図
5.
1)傾斜プレート側方に遮蔽版を設置することは任意であり、設置する場合
の形状と材質は自由。
5.
2)基本車両の後部車体に取り外し可能なグリル等の補助的付加物がある場
合は、次の条件に従い当該付加物を取り外してもよい。
−補助的付加物より下部に車体部分が存在し、傾斜プレートとの間に隙間が無
い場合、補助的付加物を取り外した後にできる空間は3
.
3
.
3
.
5
)「車体後部の
開口」に従って処置が施されること。
6)フラットボトムの後端と傾斜プレートの前端を連続的に接合しなければな
らず、つなぎ目の部分は最大半径2
5
mmの湾曲を有してもよい。
7)垂直整流板は次の条件下で設置することが認められ、材質は自由。
(1)車両の前後方向の中心線と平行であること。
(2)いかなる空力的効果も有さないこと。
(3)最大4枚。
(4)垂直整流板はプレート後端部より後方に延長できるが、幅1
3
0
0
mm以
内の最高端はフラットボトム面から15
0
mm以下であり、最後端は車輌
輪郭の内側に位置していなければならない。
延長部分の上部を車体に固定する場合は第7
−2
0
図の通りの開口を必
要とする。
−1
1
4
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
トランク/またはハッチゲートを開け
た際に、地面が見えてはならない。
車体構造の下面
空間
傾斜プレート
垂直整流板
傾斜プレートの後方へ延長される整流板
傾斜プレート後方へ延長される
車体構造の下面
整流版取り付けのためのブラケット
150mm
直径50mmの円
傾斜プレート
垂直整流板
傾斜プレートの後方へ延長される整流板
車体構造の下面
傾斜プレート
垂直整流板
傾斜プレートの後方へ延長される整流板
第7−20図
8)追加した傾斜パネルに、次に従い開口部を設けることが許される。
(1)エアジャッキ用の開口部
(2)排気管の放熱用の開口部
‐排気管の直径に相当する幅まで
‐排気管の形状に沿っていること
−1
1
5
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
‐最大直径5
0
mm以下
‐数は自由
(3)センサー用開口部
最大2
0
mm×5
0
mmを2個迄設置することができる。
9)床下の後部空力部品を設定する場合で、その左右方向の寸法が、車両の前
後方向中心線からそれぞれ6
5
0
mmに満たない場合、その端部から車両の前
後方向中心線から6
5
0
mmまでの範囲には、排気管、オイルクーラー(配管を
含む)を除き、傾斜パネル面より下に位置する構造物があってはならない。
第 4条 重 量
4.
1)最低重量
本章別表2に従った最低重量を保持しなければならない。JAFは性能の均
等化を図るため、年度途中でも事前予告をもって最低重量を変更することがあ
る。
4.
2)バラスト
1個あるいは数個のバラストによって最低重量を満たすことが許される。搭
載位置および取り付け方法は自由であるが、バラストおよび車体側の取り付け
部共に十分な強度がなければならない。
第 5条 エンジン
5.
1)エンジンの型式および位置
基本車両と同一製造者のエンジンを搭載することができる。
エンジンの取り付け方位、方向、位置は、前部隔壁より前方、または後部隔
壁より後方であれば自由。
5.
2)エンジンの改造
5.
2.
1)気筒容積
気筒容積の変更は許される。
5.
2.
2)過給装置
自由。
5.
2.
3)シリンダーヘッド、シリンダーブロック
補強は許される。
5.
2.
4)クランクシャフト、コンロッド
自由。
−1
1
6
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
5.
2.
5)ベアリング
当初の形式(プレーンベアリング、ローラーベアリング等)が保持されてい
るならば自由。
5.
2.
6)ヘッドガスケット
自由。
5.
2.
7)カムシャフトおよび動弁系(バルブスプリングを含む)
カムシャフトの位置/個数および駆動方式の変更は禁止されるが、その他の
要素は自由。
基本エンジンに設置され、機構がそれと同一の場合のみ可変バルブタイミン
グの使用が許される。
5.
2.
8)ピストン、ピストンピンおよびピストンリング
自由。
5.
2.
9)フライホイール
自由。
5.
2.
10)点火系統
自由。
5.
2.
11)潤滑系統
次に定める制約の他は自由。
オイルクーラーは上方から見て、車両の輪郭から突出するものであってはな
らない。車体の外側に取り付ける場合、出走状態の車両の車輪軸中心を通る水
平面より下に位置しなければならない。
5.
3)吸気系統
次に定める制約の他は自由。
ウォーターインジェクション、可変インレットポート、調整式吸気装置は、
基本車両または基本エンジンに設置されている場合のみ使用が許される。
可変吸気トランペットは許されない。
5.
3.
1.
1)エアリストリクター
金属性であり円形断面を有する、1つまたは2つの長さが最小3mmの平行
孔を有するエアリストリクターを取り付けなければならない。エンジンに吸入
される空気は、すべてこのエアリストリクターを通過しなければならず、エア
リストリクターの上流で吸入空気の全量を強制的に遮断した場合、直ちにエン
−1
1
7
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
ジンが停止しなければならない。
5.
3.
1.
2)エアリストリクター径
本章別表2に規定されたエアリストリクター径を競技会期間中いかなる時で
も遵守しなければならない。
JAFは性能の均等化を図るため、年度途中でも事前予告をもってエアリス
トリクター径を変更することがある。
5.
3.
1.
3)過給装置付きエンジン
エアリストリクターの設置は、過給装置のホイールブレードの最先端を通過
する垂直面から最高5
0
mm上流までの間、あるいは空気漏れの無い一体部品で
最低7°の開口部を有する円錐体により過給装置吸気口直径の上流に設置され
なくてはならない。
エアリストリクターと円錐体が一体構造で設置される場合は、過給装置のハ
ウジング側と段差を設けることなく接合されていなければならない。
JAFは性能の均等化を図るため、事前予告をもって過給圧制限を実施する
ことがある。
エアリストリクター
Min.7°
一体部品
Min.3mm
過給装置のハウジング側
第7−21図
5.
3.
1.
4)自然吸気エンジン
エアボックスの設置が義務付けられ、エアリストリクターがエアボックスの
吸入口に取り付けられていなければならない。
エアボックスは、
1)1
,
0
0
0
mm×5
0
0
mm×5
0
0
mmを超えてはならない。
2)エアボックス前方の吸気ダクト類は車体外観を変更しない限り自由。また、
エアボックスの内部構造、材質も自由。
3)エアボックスおよびエアボックス前方の吸気ダクト類は、エンジンが稼動
中に吸入空気の全量を強制的に遮断した場合エンジンが停止し、破損、損傷
−1
1
8
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
しない強度を保持していなければならない。
5.
3.
2)エアリストリクターの免除
気筒容積が2
,
0
0
0
c
c
迄の自然吸気レシプロエンジンを使用する場合、吸気の
すべてを1つの開口部から得るならばエアリストリクターの装着を義務としな
い。
5.
3.
3)吸気温度
5.
3.
3.
1)インタークーラー
吸入空気の冷却のためのインタークーラーは取り付け位置、配管を含めて自
由。
ただし、配管は空気の通り道としてのみ機能すること。
インタークーラー以外のエンジンに供給される空気の温度を下げる目的また
は効果を持ついかなる装置、システム、手続き、構造もしくは設計はすべて禁
止される。
5.
4)冷却
ウォーターラジエターは、機能が基本車両と同一であれば、自由。
ウォーターポンプは自由。
ウォーターラジエター、オイルクーラーおよびエンジン各部の冷却は、空気
のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射または噴霧による方法は禁止
される。
ヒートエクスチェンジャーの使用は認められる。
エンジン補機類の冷却のためエンジンルーム内にフレキシブルエアダクトを
設置することが認められる。
5.
5)排気系統
排気系統は自由。ただし、
1)すべての排気ガスが通過する、少なくとも1つの触媒装置が設置されなけ
ればならない。触媒装置はJAFに申請し承認されなければならず、当該触
媒装置を使用して初めて参加する競技会の2ヵ月前までに申請しなければな
らない。
2)いかなる可変排気装置も禁止される。
側方排気車両の排気管の高さは次の通り:
1)最低高:排気口の最低点は最低地上高を確保しなければならない。
−1
1
9
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
2)最大高:排気口の最高点はフラットボトム底面から3
0
0
mm上方を通過す
る平行面より高くなってはならない。
5.
6)ロータリーエンジン
5.
6.
1)3ローターエンジンを使用する場合、過給装置は禁止される。
5.
6.
2)3ローターエンジンを使用する場合、本章別表2に規定されたエアリスト
リクターを設置しなくてはならない。
5.
6.
3)自然吸気のロータリーエンジンを使用する場合、吸気のすべてを1つの開
口部から得るならばエアリストリクターの装着を義務としない。
5.
6.
4)ロ一タリーエンジンのポート方式
自由。
第 6条 配管とポンプおよび燃料タンク
6
.
1
)
、6
.
2
)および6
.
3
)に従っていることを条件に自由。
6.
1)燃料タンク
安全燃料タンクの装着が義務付けられる。
安全燃料タンクと給油口の接合部は、多少の車体の変形を吸収して燃料漏れ
を発生させないフレキシブルジョイント構造でなければならない。
6.
1.
1)燃料タンクの位置
すべての安全燃料タンクは、当初の位置、ホイールベース間に設置され、下
記の条件が満たされなければならない。
1 )少なくとも厚さ1
0
mmを有する衝撃吸収構造体で囲われる構造でなければ
ならない。
2 )安全燃料タンクを搭載するために車室の床を切除することができる。
3 )3
.
3
.
5
.
2
)「後部隔壁」3)に規定する材質で構成された堅固で防火性に富
んだ防火壁によりドライバーとエンジンルームから隔離されなければならな
い。この際、3
.
3
.
5
)「車体(モノコック構造体)と隔壁」による隔壁もしく
は開口部の無い床を防火壁と見なすことができる。
防火壁を床から天井まで設けた場合、後方視界を確保するため、合わせガ
ラスによる最小限の大きさの窓を設けてもよい。
4 )漏出した燃料は滞留してはならず、また車室に浸入しないよう十分配慮さ
れていなければならない。
6.
1.
2)燃料タンクとエンジンの間にあるすべての燃料配管は自動閉鎖・分離バル
−1
2
0
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
ブを備えることが望ましい。このバルブは、燃料タンクから燃料配管取り付け
具を引き抜いたり、燃料配管取り付け具を破損するのに必要な荷重の50
%以下
の負荷で作動するものでなければならない。
6.
1.
3)燃料供給装置
車室内、車体外部への設置を禁止されることを除き自由。
6.
1.
4)タンク給油口が直接タンクに連結していない場合、タンクの頂点にはバル
ブが設置されていることが望ましい。バルブはタンク製造者によって供給され、
事故のとき万一給油口が外れ落ちてしまった場合に密閉するものであること。
6.
1.
5)給油口の位置
1)最低高:給油口の中心はフラットボトム底面から5
9
5
mm上方を通過する平
行面より低くなってはならない。
2)給油口中心と排気口端部との距離は上面視で1
,
0
0
0
mm以上離れていなけれ
ばならない。
給油口中心
595mm Min
フラットボトム
1,000mm Min
排気口
1,000mm Min
給油口
第7−22図
6.
2)燃料タンクの容量
車両に搭載できる燃料の総容量は1
0
0
ℓとする。
JAFは事前予告をもって、燃料タンクの総容量を減じることがある。
6.
3)燃料タンクの数
−1
2
1
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
6
.
2
)「燃料タンクの容量」に規定される容量の範囲内であれば複数の安全燃
料タンクを搭載することが許される。ただし、コレクタータンクの数は1つに
限定される。
6.
4)燃料の冷却
車載の燃料供給配管に、燃料の温度を下げるための冷却装置を設けることが
できるが、その冷却は外気の自然流による空冷式に限定される。
第 7条 電装品
7.
1)バッテリー
密閉式のバッテリーを使用しなければならず、ショート防止のための絶縁が
施されていなくてはならない。
バッテリーの搭載位置は、運転席を除き自由。
バッテリーの銘柄、容量は自由。
7.
2)照 明
前照灯、ターンシグナルランプは運転席においてその点灯を確認できるイン
ジケーターを設けなければならない。
7.
2.
1)前照灯
1)前照灯は当初の位置に基本車両の形状と機能を保持し、主光軸は前方向で
あり、前方の車両およびコース周辺のオフィシャルから点灯を認識できる、
少なくとも基本車両と同等の照度を維持しなければならない。左右交互に点
滅する前照灯は禁止される。
2)黄色またはアンバー色の前照灯カバーを備えなければならない。
3)基本車両と同一のライトユニット(発光バルブを除く)を設置できない場
合、ヘッドライトレンズ面は最小直径1
0
0
mm相当が保持されなければなら
ない。
4)照度(あるいは光度)向上のための光源の変更は認められる。
5)リトラクタブル構造の場合、リトラクター機能を削除し、透明な材料の使
用により前方を照射するよう改造することが許される。
7.
2.
2)その他の灯火類
7.
2.
2.
1)尾灯、制動灯
当初の形状を維持し、当初と同等以上の照度を維持しなければならない。
7.
2.
2.
2)方向指示器
−1
2
2
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
前後の車両およびコース周辺のオフィシャルから点滅が認識できなければな
らず、レンズ面は最小直径3
0
mm相当を有すること。
サイドマーカーは取り外しを含め自由。
7.
2.
2.
3 )レインライト
車両後部には、競技会期間中を通し正常に作動する、以下に規定されるレイ
ンライトのいずれかを装備しなければならない。
① ECE R38公道規準に従い承認されている(あるいはその他の国の同等ま
たはさらに厳しい規準に従い承認されている)レインライト
② FIAに承認された1つのレインライト(テクニカルリストNo.
19)
③ ②と同等の輝度を持つ以下規定に従ったレインライト
-車両後方から見えるレンズ面の面積は最小30cm2、最大140cm2
-光度は150cd以上、300cd以下
-発光色は赤色のみ
そのレインライトは、以下の条件を満たさなければならない。
-発光パターンは点灯のみ
-他の光源回路と独立した回路で確立されること
-車両中心線に直角で、車両後方を向いていること
-後方からはっきりと見えるものであること
-車両中心線から10cm以内の位置に取り付けられること
-フラットボトム底面から最低35cm上方にあること
-リアホイール中心線よりフラットボトム底面と平行に計測して、レンズ
の表面が45cm以上後方にあること
-ドライバーが車両に正常に着座した時にスイッチを操作できること
上記の3つの計測はレンズ面の中心で計測される。
7.
2.
2.
4 )その他の灯火
当初の灯火を取り外し、その結果生じた開口部にダクトを接続することが許
される。
7.
2.
3)ワイパー
フロントウィンドウワイパー構成を変更することができるが、少なくとも1
つのワイパーが装備されていなければならず、競技期間中は常に運転席からの
操作により有効に作動しなければならない。
−1
2
3
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
第 8条 駆動系
8.
1)駆動方式
基本車両の駆動方式に関わらず変更は許される。
「運動エネルギー回生システムに関する付則」に従いJAFに申請し承認を
受けた運動エネルギー回生システムの使用が認められる。
8.
2)クラッチ
2
.
1
.
2
)「制御機能の制限」の条件を満たしていればクラッチは自由。
8.
3)トランスミッションおよびコントロールレバー
最大6速および後退ギアで構成されていなければならない。取り付け位置は
自由。
パドルシフトシステムの使用は認められる。
8.
4)最終減速機と差動装置
2
.
1
.
2
)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば自由。
ビスカスクラッチは、車両が走行中に制御することができなければ使用が許
される。
8.
5)プロペラシャフトとドライブシャフト
自由。
8.
6)冷却
駆動系統の冷却は、空気のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射ま
たは噴霧による方法は禁止される。
オイルクーラーの取り付けは自由。
第 9条 サスペンションおよびステアリング
9.
1)サスペンションの形式と取り付け
基本車両のサスペンション形式からの変更および改造は自由。
ただし、サスペンションの車体側の取り付け点を移動した場合でも、エンジ
ンを取り外したときにサスペンションが正常に作動しなければならない。
9.
2)スタビライザー
取り付けブラケットを含み自由。
走行中にドライバーによって機械的方法で調整することのみが許され、他の
いかなる方法によっても走行中に調整可能であってはならない。
9.
3)アクスル
−1
2
4
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
スピンドルを含み自由。センターロック方式への変更は許される。
9.
4)スプリング
2
.
1
.
2
)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば補助スプリングの追加を
含めて自由。
9.
5)ショックアブソーバー
2
.
1
.
2
)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば自由。
9.
6)サスペンションアーム
すべてのサスペンションアームは金属製でなければならない。
9.
7)クロームメッキ
スチール製のサスペンションアームにクロームメッキを施すことは禁止され
る。
9.
8)ステアリング
ステアリングホイールと操向装置(ステアリングギアボックス、リンク)と
操向車輪とは、唯一機械的に連結されていなければならない。
また、パワーステアリングは、プログラム可能な制御を備えていない単一の
システムである場合に限り使用することができる。
ステアリングホイールは、クイックリリースシステムを備えていなければな
らず、その方式はステアリングコラム上に配置された同心円状のフランジを引
く方法によるものでなければならない。
ステアリングホイールの形状は自由。
衝撃吸収装置付きステアリングコラムの設置を推奨する。
第10条 ブレーキ
10.
1)ブレーキシステム
2
.
1
.
2
)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば自由。
ただし、マスターシリンダーからキャリパーの間の配管経路に、液圧センサ
ー、ブレーキランプスイッチ、プロポーショニングバルブ以外のセンサー、デ
バイス類が存在しないこと。
駐車ブレーキの設置は任意とする。ただし、駐車ブレーキを装備する場合、
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第2条2
.
2
)「駐車ブレー
キ」の規定に従わなければならない。
10.
2)ブレーキキャリパー
−1
2
5
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
各ホイールには最大6ピストンまでのシングルキャリパーが許されるが、キ
ャリパーの各ピストンの断面は円形でなければならない。
10.
3)ブレーキの冷却
空気による冷却以外、いかなる物質の噴射、噴霧による方法も禁止される。
ただし、ブレーキキャリパーは液体を循環させる方式で冷却してもよい。
バンパーより上の車体に変更を生じることがなく、ホイールベース間の車体
下部に空力的効果をもたらす形状でない限り、冷却用にダクトを装着すること
ができる。
1つのブレーキに設置されるエアダクトの数と寸法は自由。
ダクトの材質は自由。
10.
4)ブレーキディスク
各輪に鉄製の最大1つのブレーキディスクが許される。
第11条 ホイールおよびタイヤ
11.
1)寸法
11.
1.
1)コンプリートホイール最大径、最大幅
最大径:2
8インチ
最大幅:1
4インチ
11.
2)ホイールの材質
材質はアルミニウムに限定され、1本の最低重量は10kgとする。ただし、
エアバルブを含み、バランスウエイトは除くものとする。
ホイールの付属品は、コンプリートホイール最大幅を超えることなくボルト
等で固定される場合に限り認められる。
11.
3)ホイールの固定
自由。ただし、固定がセンターナット1つによって行われる場合、赤または
蛍光オレンジ色の安全スプリング、あるいは同等の機能をもった他のシステム
が車両の走行中に取り付けられていなければならず、ホイール交換後も同様に
設置されていなければならない。
11.
4)エアジャッキ
圧搾気体の容器を除き、エアジャッキの搭載は自由。
第12条 安全装備、装置
安全に関するすべての項目は第4章“公認車両および登録車両に関する安全
−1
2
6
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
規定”に次の事項を加えて適用する。
12.
1)安全ベルト
安全ベルトのストラップは2本の肩部ストラップと1本の腰部ストラップお
よび1本以上の脚部ストラップの着用が義務付けられる。
安全ベルトはFIA基準8
8
5
3
/
9
8
に従い公認されたものを使用しなければな
らない。
安全ベルトはそれぞれのストラップが単独で車体に取り付けられていなけれ
ばならない。左右の腰ベルトを同一公認番号の腰ベルトに限りそれぞれ2本ま
で用意することができ、片側2本の腰ベルトを1箇所の車体側取り付け点に取
り付けてもよい。
12.
2)後方視界用ミラー
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第17
条「火災に対する
防護」によりパーテーションウィンドウを隔壁化した場合、および6
.
1
.
1
)によ
り防火壁を床から天井まで設置した場合、第4章“公認車両および登録車両に
関する安全規定”第7条「後方視界」に関わらず、室内ミラーを除去すること、
同等の機能を持つ他の機構へ変更することは認められる。ただし、後方視界を
確保できなければならず、また、車体外部両側面に基本車両に設置されている
ものと同等以上の面積の室外ミラーを設置しなければならない。
12.
3)座席、ヘッドレスト
ドライバー頭部周辺にエネルギーを吸収する不燃材を詰めた補強部分を持つ
FIA公認競技用シート(基準88
5
5
1
9
9
9
または8
8
6
2
2
0
0
9
)を使用しなければ
ならない。
車両の前後方向の中心線を超えない限り、運転席位置を中央部へ移動するこ
とが認められる。
ヘッドレストはヘルメットをつけたドライバーの頭部が保持され、加速時に
後方へ動くようなものではなく、ロールオーバーバーとヘッドレストの間に挟
まらないようになっていなければならない。ヘッドレストの両側面の間隔は
4
0
0
mm以下で、最低20
mmのエネルギー吸収材が両側面に取り付けられている
ことが推奨される。
12.
4)座席とロールケージおよび側面防護構造の関係
シート中心での座面最低点を含み、車両中心線およびフラットボトム面に垂
−1
2
7
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
直な平面内において、下記寸法を確保すること(第7−2
3
図参照)。ただし、シ
ートスライドを有する場合、スライド位置は任意とする。
1)シート座面中心とサイドロールバー間の距離は9
5
0
mm 以上確保すること。
2)シート座面中心と側面防護構造との水平方向距離は2
5
0
mm以上、垂直方向
の高さ差は4
3
0
mm以下とする。
A
サイドロールバー断面
in
950m
シート中心での
座面最低点
430max
シート中心での
座面最低点
側面防護構造
存在範囲
A
フラットボトム
250min
SECTION A-A
車両側面視
第7−23図
12.
5)ドライバーヘルメットとロールケージの関係
ドライバーが正常に着座して真っすぐ前を向いた状態で、車両を側面から見
た場合、第7
−2
4
図に示す範囲にロールケージが存在してはならない。
正常に着座して真っすぐ前を向いた
ドライバーのヘルメット上端を通り、
フラットボトムに平行な線
450
50
300
R1
正常に着座して真っすぐ前を向いた
ドライバーのヘルメット後端を通り、
フラットボトムに垂直な線
この網掛け部分に、
ロールケージが存在
してはならない。
車両側面視
フラットボトム
第7−24図
12.
6)ドアと運転席間の構成物
−1
2
8
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
ドアと運転席間にはロールケージのサイドバーを除き機械構成部分が設置さ
れていてはならない。衝撃吸収装置、ニーパッド、給水用ボトルは機械構成部
品とみなさない。
12.
7)前(後)面防護構造
車両の前面に衝撃吸収構造体を設置する場合は、フロントコンプリートホイ
ール前端よりも前方のサイドレールに最小限の改造を施すことが許される。
3
.
3
.
6
)「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」によるパイプフレー
ム構造を設置する場合、以下に示す衝撃吸収構造体を設置しなければならない。
1)構造体を取り付ける部位
前部パイプフレームより前方とする。後部については義務付けない(任意)。
2)要求性能
車重15
0
0
kg、車速12
m/
s
でフルラップ前面衝突したときの車体の平均減速
度は2
5
Gを下回らなければならず、3ms
以上の間最大減速度6
0
Gを超える
ことがあってはならない。
3)動的衝撃試験
台車に衝撃吸収構造体単体を取り付け、動的試験を実施し、試験実施施設
の責任者の署名のある証明書の発行を受けなければならず、JAFへ当該証
明書の写しを提出しなければならない。
本証明書の写しは、同一型式でかつ設計変更がなされない限り、毎年度の
提出は不要である。
12.
8)側面防護構造
1)国際モータースポーツ競技規則付則J項第2
5
8
条第1
5
項1
5
.
1
により認められ
たロールケージ構造(第25
8
−4
図)を構成している場合を除き(ドア外板の
板厚を増加する等の措置を施すことを推奨する)
、運転席側ドアの内部に衝
撃吸収のため難燃性の衝撃吸収材を充填すること、および/または衝撃吸収
構造を施すこと。
2)ドライバー側ドアが基本車両と同一である場合、ドア内部の当初の衝撃吸
収構造の削除は認められず、第4章“公認車両と登録車両に関する安全規定”
第6条「ロールケージ」で規定されるロールバーと同一の材質、寸法の追加
バーを施さなければならない。
3)ドアの材質を変更した場合は第4章“公認車両と登録車両に関する安全規
−1
2
9
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
定”第6条6
.
3
.
2
.
1
.
2
)「ドアバー」によるドアバーを追加設置しなければなら
ない。
なお、基本となるドアバーの形態とは第4章“公認車両と登録車両に関す
る安全規定”第6条第4
−1
3
図とし、第4
−1
4
図、第4
−1
5
図、第4
−1
6
図の形
状はドアバーを追加した構造と見なされる。
ただし、JAF/FIA公認ロールケージでドアバーが構成されていない
場合は、2)および当該条項適用は必須とはされない。
4)運転席側ドアとロールケージの間に衝撃吸収装置を設置することは認めら
れる。
12.
9)ドライバーの脱出時間
正常に着座したドライバーが緊急時に車室から脱出するときに、運転者側ド
アより7秒以内に、助手席側ドアより9秒以内に脱出できる構造でなければな
らない。
12.
10)消火装置
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第5条5
.
2
)「自動消火
装置」に定められた自動消火装置の装着が義務付けられる。
第13条 その他の要素
13.
1)各種ガード、サポート類
ラジエターガード、タンクガードおよびサンプガードの設置は認められる。
ただし、3
.
3
.
6
)「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」を満足するこ
と。
材質は、マグネシウムを除き、自由。
13.
2)ハンディウェイト取り付け装置
ハンディウェイトを固定できる堅牢なウェイト固定装置を競技会の技術委員
が容易に確認できる位置に装備しなければならない。
−1
3
0
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
別表1
第2条2.
1.
2)「制御機能の制限」による禁止項目の具体的事例
禁止されるシステム等
1
セミオートマチックおよびオートマチックギアボックス
2
動力作動式クラッチ
電動または自動調整のファイナルドライブディファレンシャルシステム(例えば、電子制御お
3
よび/または外部ポンプ等を持つ気圧式あるいは油圧式のスリップコントロールを備えたディ
ファレンシャル等)
4
電動または自動調整のショックアブソーバー、サスペンションあるいは車高調整
5
四輪操舵
6
可動バラスト
7
エンジン以外のクローズドループ電子制御システム
8
走行中に運転席からショックアブソーバー、サスペンションスプリングの調整を行う装置
9
テレメトリーシステム
スロットルペダルとエンジン間を機械的に直接連動させる方法以外のスロットルコントロール
10
システム
11 アクティブサスペンション
−1
3
1
−
第7章 グランドツーリングカー3
0
0
(J
AF−GT3
0
0
)
別表2 最低重量とエアリストリクター 吸気
形式
気筒容積区分
(c
c
)
≦2
,
0
0
0
c
c
T/
C
2
,
0
0
0
c
c
<
≦3
,
0
0
0
c
c
3
,
0
0
0
c
c
<
≦4
,
0
0
0
c
c
数
1
2
1
2
1
2
1
,
1
0
0
3
9
.
1
2
7
.
9
3
7
.
3
2
6
.
7
3
7
.
0
2
6
.
4
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
3
9
.
4
2
8
.
2
3
8
.
1
2
7
.
2
3
7
.
3
2
6
.
6
3
6
.
7
2
6
.
2
3
6
.
3
2
5
.
9
3
5
.
9
2
5
.
6
3
5
.
6
2
5
.
4
3
5
.
2
2
5
.
2
≦2
,
0
0
0
c
c
2
,
0
0
0
c
c
<
≦2
,
5
0
0
c
c
2
,
5
0
0
c
c
<
≦3
,
0
0
0
c
c
3
,
0
0
0
c
c
<
≦3
,
5
0
0
c
c
NA
3
,
5
0
0
c
c
<
≦4
,
0
0
0
c
c
4
,
0
0
0
c
c
<
≦4
,
5
0
0
c
c
4
,
5
0
0
c
c
<
≦5
,
0
0
0
c
c
5
,
0
0
0
c
c
<
≦5
,
5
0
0
c
c
5
,
5
0
0
c
c
<
最低重量区分 (kg)
1
,
1
5
0
3
9
.
9
2
8
.
5
3
8
.
1
2
7
.
2
3
7
.
7
2
6
.
9
装着免除
4
0
.
2
2
8
.
7
3
8
.
8
2
7
.
7
3
8
.
0
2
7
.
1
3
7
.
4
2
6
.
7
3
7
.
0
2
6
.
4
3
6
.
6
2
6
.
1
3
6
.
3
2
5
.
9
3
5
.
9
2
5
.
7
1
,
2
0
0
4
0
.
6
2
9
.
0
3
8
.
8
2
7
.
7
3
8
.
4
2
7
.
4
4
1
.
0
2
9
.
3
3
9
.
6
2
8
.
3
3
8
.
7
2
7
.
7
3
8
.
1
2
7
.
2
3
7
.
7
2
6
.
9
3
7
.
3
2
6
.
6
3
7
.
0
2
6
.
4
3
6
.
6
2
6
.
1
*上記表中の過給装置付きエンジンの排気量は換算係数1
.
7
を乗じない数値。
以上
−1
3
2
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
第8章 グランドツーリングカー500(JAFGT500)
第 1条 車 両
1.
1)定 義
グランドツーリングカー500。
最少2座席を有し、車両の片側面にそれぞれ1枚の乗降用ドアを有する自動
車。
1.
2)基本車両としての資格
自動車製造者によって生産され、公道走行に適合し以下のいずれかの条件を
満たすこと。
① FIAグループN/A/GT2/GT1、JAF量産ツーリングカーま
たは特殊ツーリングカーとして公認された車両。
② JAF登録車両として登録された車両。
③ JAFによって認められた車両。
④ DMSBによってDTM基本車両として認められた車両。
1.
3)オプション部品
FIAおよび/またはJAF車両公認書、またはJAF登録車両JAF−G
T主要諸元登録書に記載されているオプション部品の使用が許される。
第 2条 規 則
2.
1)改 造
本章によって許されていないすべての改造は禁止される。
本章の規定にかかわらず、第2章“レース車両の排気音量規制”、第3章“公
認車両および登録車両に関する一般規定”、および第4章“公認車両および登録
車両に関する安全規定”を守らなければならない。
ただし、上記規定と同義の条項が本章にも規定されている場合は本章に従う
こと。
2.
1.
1)材質の制限
2.
1.
1.
1)合成樹脂(カーボン/アラミド繊維を含む)
本章で許されている場合、または基本車両に標準で使用されている場合のみ、
当該部分に使用が許される。
−1
3
3
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
2.
1.
1.
2)チタニウム、セラミック、ベリリウム
本章の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。
ブレーキキャリパーのピストン、ハブベアリング、 ヒートシールド、フロ
ントディフューザー、フラットボトムの擦り板、 および本章第5条「エンジン」
5
.
1
.
1
6)「材料の規制」により明確に使用が許されている部位、または基本車
両に使用されている当該部分にのみ使用が許される。
2.
1.
1.
3)アルミ合金
本章の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。
縦弾性係数が8
0
Gpa
を超えるアルミ合金の使用は、ブレーキキャリパーを除
き一切禁止される。
2.
1.
1.
4)その他の材質
本章の規定にかかわらず、以下を遵守しなければならない。
比重1
2
.
0
を超える材質の使用は禁止される。
2.
1.
2)制御機能の制限
1)基本車両に設置されている制御機能であっても、オートマチックまたは電
子式のシャシーコントロールシステムあるいは機能はいずれも禁止される。
これには本章別表1に列記したシステムが含まれる。
ただし、ドライバーが作動させ、システムに作用する単純なオープンルー
プ電動スイッチは電子式の制御とは見なされない。
2)制限される制御機能使用の疑義を防止するため、駆動輪と駆動系に車速セ
ンサーを取り付けることは禁止される。ただし、車両に1つのセンサーを非
駆動輪に対してのみ取り付けることを認める。
制限される制御機能の使用検証のために、オーガナイザーはJAFの承認
の下に、特定車両を指定して複数のセンサーの取り付けを指示することがで
きる。
3)ピットレーン指定速度を遵守するためのリミッターの使用(付加)は認め
られる。
2.
2)規則への適合
競技会期間中いかなるときでも、車両がそのすべてにわたってこれら規定を
遵守していることを、競技会の技術委員および審査委員の求めに応じて説明お
よび検証作業に応じることは、各参加者の義務である。
−1
3
4
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
2.
3) 計 測
競技会期間中のすべての計測は、技術委員長の指定する場所において、オー
ガナイザーによって用意された機材、器具によって行われる。
これらの場所、機材、器具、および計測方法に対する抗議は認められない。
第 3条 車体および外部寸法
本章により改造を許されている場合を除き、公認書、登録車両に関する資料
に記載された基本車両の諸元寸法、寸法公差、および取り付けのためのボルト
類を除いた外面形状を維持していなければならない。
3.
1)寸 法
3.
1.
1)デザインライン(3.
3.
1)より上部
1)全長は4,
650mmとする。
2)フロントオーバーハングは875mmとする。
3)前車輪軸中心より後方の長さは3,
775mmとする。
これら寸法(リアウィングおよびリアウィング・サポートは含まない)は
3.
3.
2)によりJAFに申請し承認された形状から+/6mmの公差が許される。
3.
1.
2)デザインライン(3.
3.
1)より下部
1)全長は4,
725mmを超えてはならない。
2)フロントオーバーハングは925mmを超えてはならない。
3)前車輪軸中心より後方の長さは3,
800mmを超えてはならない。
(リアウィングおよびリアウィング・サポート、フロントスプリッターおよ
びリアディフィーザーは含まない)
3.
1.
3)フロントスプリッターを含む車両の全長は最大で4,
775mmとする。
(リアウィングおよびリアウィング・サポートは含まない)
3.
1.
4 )最大高さ
フラットボトム底面からルーフの最高点(ルーフ基準面とし、局部的突起形
状やルーフレール、アンテナ等の付加部品は除く)までの寸法は、フラットボ
トム底面に垂直に計測して1
,
150mm 未満であってはならない。また、本規定
に適合するために、サイドシル、床の削除が許され、サイドシルの下側方向へ
の嵩上げおよび床位置を移動することも認められる。
3.
1.
5 )最低地上高
3
.
3
.
9.
2)「スキッドブロック」に従うこと。
−1
3
5
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
3.
1.
6 )ホイールベース
ホイールベースは2
,
750mm+/10mm でなければならない。
3.
2)ウィンドウ
3.
2.
1)フロントウィンドウ
フロントウインドシールドは第4章“公認車両および登録車両に関する安全
規定”第9条に適合しなければならない。ただし、
1)車両前面視におけるボンネット後端外縁より下側を削除することができる。
2)ウインドシールド表面の保護のための無色、透明なフィルムの貼付が許さ
れる。
3)ウインドシールドを厚さ5
.
8mm 以上のポリカーボネイトに変更することが
できる。
4)外面形状を大幅に変更しない範囲でかつ十分な強度を有していれば、取り
付け方法は自由。
3.
2.
2)その他のウィンドウ
1)取り付け位置、形状に変更がなければ車室内を透視することができるポリ
カーボネイト に交換してもよい。
ただし、板厚はサイドウィンドウで2.
8mm以上、リアウィンドウで3.
8mm
以上の厚さを有しなければならない。
なお、リアクォーターウィンドウをポリカーボネイトへ交換した場合、ク
イックリフューエルバルブ装着用ブラケットにより車室内を透視できなくて
もよい。
2)ドアウィンドウガラス
ドアウィンドウガラスが維持される場合、その機能を保持するために作動
方法、方式を変更することが許される。
3 )ドアウィンドウガラスを除いたウィンドウガラスは、ウェザーストリップ、
モール等の補助的付加物を取り外し、車体本体に直接取り付けることができ
る。
4 )パーテーションウィンドウを防火壁に置き換えることができる。
5 )サイドウィンドウおよびリアウィンドウに色付きガラスまたはウィンドウ
フィルムを使用する場合、5m離れた位置から車室内のドライバーを目視で
きなければならない。
−1
3
6
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
6)リアウィンドウに以下条件で穴を開けることが許される。
i
)車室内の換気を目的とした穴
リアウインドウ端部に沿って両側から80mm以内、上端部から200mm以上下方の
範囲で、穴の合計面積が10,
000mm²
以上、30,
000mm²
以下。穴の個数は自由。
i
i
)エアコンシステムの放熱、冷却を目的とした穴
幅1,
200mm以下で面積40,
000mm²
以下の穴一箇所。この穴はエアコンシステ
200
ムを搭載する場合に限り認められる。
80
80
第8-1図
3.
3)車 体
3.
3.
1)デザインライン
以下の第8-2図、第8-2a図および第8-2b図に示される太線をデザ
インラインと定義する。
車両進行方向
(1900)
750
850
900
400
275
275
00
R4
R5
00
550
フラットボトム底面 z=0
975
x=0
3800
第8-2図:デザインライン -側面図
−1
3
7
−
x=2750
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
975
400
275
206
580
275
第8-2a図:デザインライン -後面図
フラットボトム底面
第8-2b図:デザインライン -前面図
3.
3.
2)デザインラインより上のボディ外形
空気の流れに晒され、ドアおよびウインドウが閉められた状態でデザインラ
インより上に位置する競技車両の全ての範囲はJAFに申請し承認された形状
を維持していなければならない。
3.
3.
3 )車体の材質変更
車体の材質変更は認められる。
3.
3.
4 )ドア
1)ドア外面形状は、フラットボトム底面から2
75mmまでの範囲を削除する
ことが出来るが、それ以外の部分は当初の形状を維持しなければならない。
ドアの裏面形状を変更することが認められる。
2 )ドアヒンジは、万一の事故の際にドライバーが速やかに脱出できるように
する目的のためにのみ、交換が許される。1)項により切除される範囲にド
アヒンジが含まれる場合は当該ドアヒンジの変更が認められる。
3 )ドアミラーを移設した場合、当初のドアミラーベースの不透明な区域をド
アウィンドウと一体の透明部材として設計することができる。
3.
3.
5 )車体の開口部
3.
3.
5.
1)ボンネット(エンジンフードを含む)
、リアハッチゲート、およびトラン
−1
3
8
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
クリッドの開口
1)外面形状を大幅に変更しない範囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置、
閉鎖が許されるが、開口部を塞ぐ場合、塞がれた範囲は当初の形状を保持、
または外包絡面を形成しなければならない。
2)リアハッチゲートおよびトランクリッドに外面形状を大幅に変更しない範
囲で放熱、冷却を目的とした開口部の設置が許される。
3.
3.
5.
2)フェンダーの開口
1)前後コンプリートホイール後端より後方のフェンダーにブレーキ冷却後の
空気を排出させるための排気口を設置することが許されるが、これら排気口
は側面および上面から内部が見える構造であってはならない。
2)後部フェンダーに10
.
3)「ブレーキの冷却」で認められるダクトに接続す
る開口がフラットボトム底面から3
25mm上方の平面より下に許されるが、
側面および上面から見た場合に接続されるダクト以外の内部構造が見えては
ならない。
3)ホイールアーチ上面に以下の範囲で開口を設けてよいが、上面視でコンプ
リートホイールが見えてはならない。
前車輪軸中心より200mm前方から150mm後方の間
車両の前後方向の中心線から850mmから965mmの間
3.
3.
5.
3)天井部分の開口
1)ドライバーの救出のためにヘルメットの上部に少なくとも420×420mm (
公
差 ± 5mm)
の四角形の開口部がなければならない。開口部の角部は最大
R80mmで丸めることが許される。
2)その開口部はカバーによって閉鎖しなければならない。
そのカバーは解除ファスナーで車体外部から操作できるようにしなければ
ならない。カバーにより生じる分離線は最大2mmのクリアランスを有し、そ
の隙間は装飾用ストリップで埋めてはならない。
3.
3.
5.
4)その他の開口
補助的付加物等を取り外した結果生ずる車体後部(後面)の開口部は、ルー
バー、細密なワイヤーメッシュまたはパンチングメタル等で覆わなければなら
ない。
3.
3.
6 )ボンネット(エンジンフードを含む)、リアハッチゲート、トランクリッ
−1
3
9
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
ドのヒンジ
ヒンジ類は第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第3条「フ
ァスナーの追加」に規定されるファスナーにより、少なくとも2 ヶ所が安全に
固定され、走行中に開かないようにすることを条件に取り外すことができる。
エンジンおよび燃料タンクが設置されている箇所においては、これらのファ
スナーは工具を必要とすることなく取り外すことができなければならない。
ファスナーは、赤(もしくは対照的に目立つ色)の矢印で明示されていなけ
ればならない。
3.
3.
7 )車体(モノコック構造体)と隔壁
3.
3.
7.
1)車体(モノコック構造体)
JAFの指定するモノコック構造体のみの使用が認められる。当該モノコッ
クを使用して初めて参加する競技会の2か月前までに申請しなければならない。
申請は1シーズンに1回に限られる。
3.
3.
7.
2 )前部隔壁(カウルトップ部を含む)
1)当初の前部隔壁を削除し、車室を完全に隔離する新たな隔壁を設置するこ
とが出来る。
ただし、カウルトップ部を削除した場合フロントウィンドウ下端部支持構
造は新たに構築しなければならない。
カウルトップカバーは、材質・形状自由。ただし、車両前面視におけるボ
ンネット後端外縁より上に突出してはならない。
2)室内換気のため3
.
3
.
5.
1)の開口に接続する開口が車室の隔離機能を維持す
ることを条件に認められる。
車室の換気口とボンネット(エンジンフードを含む)裏面に設置されたダ
クトを接合する場合、エンジンルームに火災が発生した場合に、車室に火炎
が侵入するのを防止できる構造でなければならない。
3 )前部隔壁(バルクヘッド)
、3
.
3
.
5.
1)の開口部の接続構造、または当初か
ら存在する開口部を塞ぐ素材の形状と材質
形状:自由。
材質:堅固で防火性に富んだ下記の材質により構成されていなければなら
ない。
3.
3.
7.
3 )後部隔壁
−1
4
0
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
後部隔壁(バルクヘッド)、3
.
3
.
5.
1)2)の開口部の接続構造、または当初
から存在する開口部を塞ぐ素材の形状と材質
形状:自由。
材質:堅固で防火性に富んだ材質により構成されていなければならない。
3.
3.
8 )前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造
JAFに申請し承認されたパイプフレーム構造のみの使用が認められる。
3.
3.
9 )フラットボトム、スキッドブロック
3.
3.
9.
1 )フラットボトム
JAFの規定するフラットボトムの装着が義務付けられる。
3.
3.
9.
2 )スキッドブロック
JAFの規定するスキッドブロックの装着が義務付けられる。
3.
3.
10 )最大外形
車両を真上から見た最大外形は下記の例外部位を除き第8-3図に示される
範囲を超えてはならない。
例外部位
1)リアウィングおよびリアウィングサポートの部品
2)外部ミラー
3)フロントスプリッターの部品
4)フリックボックス(カナード)
5)リアディフューザー
6)フラットボトム底面から275mmより下のホイール
R3
00
3200
R1000
1950+6
前車輪軸中心
R2000
R50
00
925
3800
第8-3図
3.
3.
10.
1.
1)フロントバンパー
1)デザインラインより下の部分は最大外形の範囲内で改造が認められる。
−1
4
1
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
2 )バンパー内側の補強部材は自由。
3.
3.
10.
1.
2)リアバンパー
1)デザインラインより下の部分は最大外形の範囲内で改造が認められる。
2 )バンパー内側の補強部材は自由。
3.
3.
11 )フェンダー
デザインラインより下方の フェンダーを車両全幅寸法で最大1,
950mm0/+6mm まで拡幅させることができるが、フロントフェンダー前部および
リアフェンダー後部は、車両を真上から見たときに、3
.
3.
10)「最大外形」
に規定された範囲内に収まらなければならない。
フロントフェンダーの後縁はドア前端に存在する見切り線を超えて延長さ
れてはならない。
ドア前端の見切り線
フェンダーはこの見切り線
より後方に位置できない。
第8-4 図
3.
3.
12 )タイヤハウス
3.
3.
12.
1)前/後コンプリートホイールを収納するため、基本車両の構造にかかわ
らず、ホイールアーチの内側に面構成による独立したタイヤハウスが存在して
いなければならず、材質は自由。
1) タイヤハウスの形状
タイヤハウスの形状は自由。
2)フロントフェンダーへのルーバーの設置が認められる。
3.
3.
13 )オープンカーのハードトップ
オープンカーのハードトップは次の条件に従うことにより取り付けることが
許される。
1)形状:ソフトトップ、もしくはオプションにハードトップが設定されてい
−1
4
2
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
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(J
AF−GT5
0
0
)
る場合は、形状がそれに近似していなければならない。
2)材質:堅固で防火性に富んだ材質でなければならない。
3)最高点:当該車両カタログに記載されている3面図の最高点を当該車両の
最高点とする。
4)固定方法:車体への固定は自由。ただし、ロールケージへの固定は一切の
加工を伴ってはならない。
3.
3.
14 )車室の内部
荷物室を除き、車室内には当初から設置されている以外の機械構造部分が存
在してはならない。
ダッシュボード(インストルメントパネル)の変更および交換は許されるが
取り外しは許されない。
補機類(電装品)の冷却およびドライバーの冷却のため、車室内に難燃性材
質のフレキシブルエアダクトを設置することが許されるが、ドライバーの視界
を妨げてはならない。
オイルタンクは車室内に設置されてはならない。
3.
3.
15 )補 強
車体(隔壁を含む)の補強は、運転席、助手席のための空間を含めた区域を
侵害しなければ自由。
3.
3.
16 )補助的付加物
車両の動きに何らの影響も及ぼさない補助的付加物の取り付け、もしくは取
り外しは、快適性を高める装備品、絶縁材、使用しない支持体、モール類等と
ともに、その配線も含み許される。
3.
4)空力装置
本章で許されていない場合、 すべての空力装置は、車体に対して非可動で
あり堅固に取り付けられていなければならない。
3.
4.
1)前部空力装置(スプリッター)
1)JAFの規定するフロントスプリッターの装着が義務付けられる。
2)以下の範囲内においてフリックボックス(カナード)の装着が認められる。
側面視において、フロントディフューザーより上面で前車輪軸中心より
300mm以上前方、かつ、デザインラインより下方の範囲。また、平面視に
おいて、フロントディフューザー外形線より内側で、フロントスカート外形
−1
4
3
−
第8章 グランドツーリングカー5
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(J
AF−GT5
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)
線より外側、および、ボディ外形線より外側の範囲。
3.
4.
2)後部空力装置
後部空力装置は、次の条件に従うことにより、リアエアスポイラーおよびリ
アウイングを取り付けることができる。
3.
4.
2.
1)リアスポイラー
トランクリッド上面に車体前後方向中心線から左右それぞれ575mm、前車
輪軸中心から3,
725mm、フラットボトム底面から800mmの範囲に設置するこ
とができる。
3.
4.
2.
2)リアウイング
1)数は1構成であること。
2)翼の枚数は1枚であり、翼断面の何れの部分も長さ3
80mm×高さ200mm
の長方形に収まること(ガーニーフラップを含むが支持体と翼端板は除く)。
3)高さは、フラットボトム底面から1
,
160mmを限度とする。
4)幅は最大1
,
390mm(支持体と翼端板を含む)。
5)車両を横から見て車体輪郭およびリアフェンダーの見切り線より上部もし
くはトランクリッド(エンジンフード)面上に位置すること。(リアフェン
ダー上に空力装置を設置することは許されない。)
6)後車輪軸の中心線を通過するフラットボトム底面に垂直な面より後方に位
置すること。
7)翼端板を含み、前縁および側縁は半径4 mm以上のR形状を有しているこ
と。
8)形状および材質は自由。トランクリッドに取り付ける場合、支持体の取り
付け剛性を確保するためにトランクリッド内側に補強を施してもよい。
9)構造体を取り外すことなくトランクリッド、リアハッチゲートが開閉でき
ること。
10)翼端板の板厚は10mm以上であること。
11)JAFの指定するドラッグ抑制システム(DRS)を使用することができ
る。
3.
4.
3)後部床下の空力装置
JAFの規定するリアディフューザーの装着が義務付けられる。
第 4条 重 量
−1
4
4
−
第8章 グランドツーリングカー5
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(J
AF−GT5
0
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)
4.
1)最低重量
最低重量は、1
,
000kgを保持しなければならない。
4.
2)バラスト
1個あるいは数個のバラストによって最低重量を満たすことが許される。搭
載位置および取り付け方法は自由であるが、バラストおよび車体側の取り付け
部共に十分な強度がなければならない。
第 5条 エンジン
以下の条項を除き自由。
5.
1.
1)エンジンの型式および排気量
認められるエンジンはJAFに申請し承認を受けた過給器付き筒内直接噴射
の直列4気筒で、排気量2,
000ccを超えることの無いエンジンのみである。
当該エンジンを使用して初めて参加する競技会の2ヶ月前までに申請しなけ
ればならない。
申請は1シーズンに1回に限られる。
5.
1.
2)エンジンの位置
搭載されるエンジンは、基本車両の搭載位置に 車両前後方向で配置されな
ければならない。
5.
1.
3)クランク軸は車両前後方向に配され、シリンダーは直立に配置されなけれ
ばならない。
5.
1.
4)1シリンダーにつき1インジェクター とする。
5.
1.
5 )1シリンダーにつき吸気2バルブ、排気2バルブとする。
5.
1.
6 )バルブスプリングはコイル式とする。
5.
1.
7)カムシャフトは最大2 本とする。
5.
1.
8 )可変バルブタイミング機構は禁止される。
5.
1.
9)可変圧縮比機構は禁止される。
5.
1.
10 )デッキハイトは制限しない。
5.
1.
11 )ボア径は88±2.
0mmとする。
5.
1.
12 )クランクシャフトの ピン径および メインジャーナル径は自由 。
5.
1.
13 )クランクシャフトベアリングは、プレーンベアリングとする。
5.
1.
14 )クランク中心からサンプ底面までの距離は最小100mmとする。
5.
1.
15 )エンジン全長(エンジン前後のマウンティング面間 )は500±0.
5mmと
−1
4
5
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
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0
)
する。
5.
1.
16 )エンジン重量は最低85kgとする。ただし、下記部品は含まない。
オルタネーター、スターター、フライホイールおよびスタッドボルト、オイ
ル、水、ECU、排気管およびそのガスケット(ヘッド−排気管間)、エアフィ
ルタ、クラッチ一式、遮熱板
5.
1.
17 )材料の規制
各部品の材料規制は以下の通りとする。
a
) アルミ合金または鉄合金に制限される部品
シリンダーヘッドカバー、シリンダーヘッド、シリンダーブロック・サン
プ、フロントカバー、リアカバー、シリンダーライナ(スリーブ)
b) チタン合金、 鉄合金またはニッケル合金 に制限される部品
バルブ、バルブスプリングリテーナ、バルブコッタ、ターボセンターハウ
ジング
c
) 鉄合金に制限される部品
カムシャフト、バルブスプリング、ピストンピン、クランクシャフト、コ
ンロッド、フライホイール
d) アルミ合金に制限される部品
ピストン
e
) コバルト、 鉄または ニッケルをベースとした合金に制限される部品
ボルト、ナット類
f
) セラミックを使用して良い部品
点火プラグ、センサー類
g) 金属間化合物、マグネシウム合金
禁止(ターボコンプレッサーハウジングのみマグネシウム合金可)
h) ダイヤモンドライクカーボンコーティング(DLC)の禁止
ピストン、シリンダーライナ(スリーブ)
5.
1.
18)過給装置
過給装置は、JAFに申請し承認された1仕様のみとする。
5.
2)エンジンの改造
以下の部位を開発制限領域とし、製造者により製作された状態を維持してい
なければならない。
−1
4
6
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
①クランクケースAs
s
y鋳造物 ⑦ボア中心間隔
(サンプ、ブロック) ⑧オイルポンプ
②鋳造シリンダーヘッド ⑨ウォーターポンプ
③点火プラグ位置 ⑩スカベンジポンプ
④バルブ角 ⑪カムシャフト位置
⑤クランクシャフト ⑫カム駆動用ギア
⑥バルブ中心線間間隔 ⑬ベアリング最小径
5.
2.
1) 燃料系統
1)燃料ポンプ
JAFに申請し承認された高圧燃料ポンプおよびポンプカムプロフィール
の使用が義務付けられる。
車室内、車体外部への設置を禁止される。
2)燃料流量制限機構
JAFに申請し承認された燃料流量制限機構を装着しなければならない。
3 )燃圧
高圧側2
00bar、低圧側8barを上限 とする。
4 )燃料インジェクター
JAFに申請し承認された燃料インジェクターの使用が義務付けられる。
1個 /シリンダーとする。
5.
2.
2)点火系統
点火プラグは1気筒当り1本とする。
5.
2.
3)潤滑系統
オイルクーラーは上方から見て、車両の輪郭から突出するものであってはな
らない。
5.
3)吸気系統
可変インレットポート、調整式吸気装置、可変吸気トランペットは許されな
い。
5.
3.
1)インタークーラー
吸入空気冷却のためのインタークーラーは1個で、そのコア(フィンピッチ、
厚さ)はJAFに申請し承認された仕様とする。
インタークーラー以外のエンジンに供給される空気の温度を下げる目的また
−1
4
7
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
は効果を持ついかなる装置、システム、手続き、構造もしくは設計はすべて禁
止される。
5.
4)冷却
5.
4.
1) ウォーターラジエターのコアは、JAFに申請し承認を受けた仕様とする 。
ウォーターラジエター、オイルクーラーおよびエンジン各部の冷却は、空気
のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射または噴霧による方法は禁止
される。
5.
4.
2) ヒートエクスチェンジャーの使用は認められる。
5.
5)排気系統
排気系統は自由。ただし、
1)すべての排気ガスが通過する、少なくとも1つの触媒装置が設置されなけ
ればならない。触媒装置はJAFに申請し承認されなければならない。
2)いかなる可変排気装置も禁止される。
3)FAS(Fres
hAi
rSys
t
em)パス(アンチラグシステムの配管)は禁止され
る。
4)FR車両のエンジン排気は車両右側面の
前車輪軸中心から1,
350mm~1,
600mm
フラットボトム底面から150mm~400mm
の制限範囲に排出されなければならない。
5)MR車両のエンジン排気は車両右後面の
250mm~500mm
フラットボトム底面から210mm~460mm
の制限範囲に排出されなければならない。
5.
6)エンジンコントロールコンピューター
JAFの指定するエンジンコントロールコンピューターを使用しなければな
らない。
第 6条 配管および燃料タンク
6
.
1)、6
.
2)および6
.
3)に従っていることを条件に自由。
6.
1)燃料タンク
JAFの指定する 安全燃料タンクの装着が義務付けられる。
安全燃料タンクと給油口の接合部は、多少の車体の変形を吸収して燃料漏れ
−1
4
8
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
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(J
AF−GT5
0
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)
を発生させないフレキシブルジョイント構造でなければならない。
6.
1.
1)すべての安全燃料タンクは、JAFの指定するモノコック構造体の指定さ
れた位置に設置されなければならない。
漏出した燃料は滞留してはならず、また車室に浸入しないよう十分配慮され
ていなければならない。
6.
1.
2)燃料タンクとエンジンの間にあるすべての燃料配管は自動閉鎖・分離バル
ブを備えることが望ましい。このバルブは、燃料タンクから燃料配管取り付け
具を引き抜いたり、燃料配管取り付け具を破損するのに必要な荷重の50
%以下
の負荷で作動するものでなければならない。
6.
1.
3)タンク給油口が直接タンクに連結していない場合、タンクの頂点にはバル
ブが設置されていることが望ましい。バルブはタンク製造者によって供給され、
事故のとき万一給油口が外れ落ちてしまった場合に密閉するものであること。
6.
2)燃料タンクの容量
車両に搭載できる燃料の総容量は1
0
0
ℓとする。
事前予告をもって、燃料タンクの総容量を減じることがある。
6.
3)燃料タンクの数
6
.
2)「燃料タンクの容量」に規定される容量の範囲内であれば複数の安全燃
料タンクを搭載することが許される。ただし、コレクタータンクの数は1つに
限定される。
6.
4)燃料の冷却
車載の燃料供給配管に、燃料の温度を下げるための冷却装置を設けることが
できるが、その冷却は外気の自然流による空冷式に限定される。
第 7条 電装品
7.
1)バッテリー
密閉式のバッテリーを使用しなければならず、ショート防止のための絶縁が
施されていなくてはならない。
バッテリーの搭載位置は、運転席を除き自由。
バッテリーの銘柄、容量は自由。
7.
2)照 明
前照灯、ターンシグナルランプは運転席においてその点灯を確認できるイン
ジケーターを設けなければならない。
−1
4
9
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
7.
2.
1)前照灯
前照灯は当初の位置に基本車両の形状と機能を保持し、主光軸は前方向であ
り、前方の車両およびコース周辺のオフィシャルから点灯を認識できる、少な
くとも基本車両と同等の照度を維持しなければならない。左右交互に点滅する
前照灯は禁止される。
照度(あるいは光度)向上のための光源の変更は認められる。
リトラクタブル構造の場合、リトラクター機能を削除し、透明な材料の使用
により前方を照射するよう改造することが許される。
7.
2.
2)その他の灯火類
7.
2.
2.
1)尾灯、制動灯
当初の形状を維持し、当初と同等以上の照度を維持しなければならない。
7.
2.
2.
2)方向指示器
前後の車両およびコース周辺のオフィシャルから点滅が認識できなければな
らない 。
サイドマーカーは取り外しを含め自由。
7.
2.
2.
3)レインライト
車両後部には、競技会期間中を通し正常に作動する、以下に規定されるレイ
ンライトのいずれかを装備しなければならない。
① ECER38公道規準に従い承認されている(あるいはその他の国の同等また
はさらに厳しい規準に従い承認されている)レインライト
② FIAに承認された1つのレインライト(テクニカルリストNo.
19)
③ ②と同等の輝度を持つ以下規定に従ったレインライト
-車両後方から見えるレンズ面の面積は最小30cm2、最大140cm2
-光度は150cd以上、300cd以下
-発光色は赤色のみ
そのレインライトは、以下の条件を満たさなければならない。
-発光パターンは点灯のみ
-他の光源回路と独立した回路で確立されること
-車両中心線に直角で、車両後方を向いていること
-後方からはっきりと見えるものであること
-車両中心線から10cm以内の位置に取り付けられること
−1
5
0
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
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(J
AF−GT5
0
0
)
-フラットボトム底面から最低35cm上方にあること
-リアホイール中心線よりフラットボトム底面と平行に計測して、レンズ
の表面が45cm以上後方にあること
-ドライバーが車両に正常に着座した時にスイッチを操作できること
上記の3つの計測はレンズ面の中心で計測される。
7.
2.
2.
4 )その他の灯火
当初の灯火を取り外し、その結果生じた開口部にダクトを接続することが許
される。
7.
2.
3)ワイパー
フロントウィンドウワイパー構成を変更することが出来るが、少なくとも1
つのワイパーが装備されていなければならず競技期間中は常に運転席からの操
作により有効に作動しなければならない。
第 8条 駆動系
8.
1)駆動方式
基本車両の駆動方式に関わらず後輪による駆動のみが許される。
「運動エネルギー回生システムに関する付則」に従いJAFに申請し承認を
受けた運動エネルギー回生システムの使用が認められる。
8.
2)クラッチ
JAFの指定するクラッチを使用しなければならない。
なお、 2.
1
.
2)「制御機能の制限」の条件を満たすこと 。
8.
3)トランスミッションおよびコントロールレバー
JAFの指定するギアボックスを使用しなければならない。
最大6速および後退ギアで構成されていなければならない。
パドルシフトシステムの使用は認められる。
8.
4)最終減速機と差動装置
JAFの指定するギアボックスの最終減速装置と差動装置を使用しなければ
ならない。
また、45/65のランプ角のみ使用してよい。ランプの差動方向は自由。
なお、 2.
1
.
2)「制御機能の制限」の条件を満たすこと。
8.
5)プロペラシャフトとドライブシャフト
JAFの指定するプロペラシャフトとドライブシャフトを使用しなければな
−1
5
1
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
らない。
8.
6)冷却
駆動系統の冷却は、空気のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射ま
たは噴霧による方法は禁止される。
オイルクーラーの取り付けは自由。
第 9条 サスペンションおよびステアリング
9.
1)サスペンションの形式と取り付け
基本車両のサスペンション形式からの変更および改造は自由。
9.
2)スタビライザー
2
.
1
.
2)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば取り付けブラケットを含
み自由。
走行中にドライバーによってスタビライザーを調整することは禁止される。
9.
3)アクスル
スピンドルを含み自由。センターロック方式への変更は許される。
9.
4)スプリング
2
.
1
.
2)「制御機能の制限」の条件を満たしていれば補助スプリングの追加を
含めて自由。
9.
5)ショックアブソーバー
JAFの指定するショックアブソーバーを使用しなければならない。
2
.
1
.
2)「制御機能の制限」の条件を満たすこと 。
9.
6)サスペンションアーム
すべてのサスペンションアームは金属製でなければならない。
9.
7)クロームメッキ
スチール製のサスペンションアームにクロームメッキを施すことは禁止され
る。
9.
8)ステアリング
ステアリングホイールと操向装置(ステアリングギアボックス、リンク)と
操向車輪とは、唯一機械的に連結されていなければならない。
9.
8.
1) パワーステアリングは、プログラム可能な制御を備えていない単一のシス
テムである場合に限り使用することができる。また、パワーステアリングポン
プはJAFの指定するものでなければならない。
−1
5
2
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
9.
8.
2)JAFの指定する クイックリリースシステムを備えていなければならない。
クイックリリースシステム はステアリングコラム上に配置された同心円状の
フランジを引く方法によるものでなければならない。
9.
8.
3)ステアリングホイールの形状は自由。
9.
8.
4) 衝撃吸収装置付きステアリングコラムの設置を推奨する。
第10条 ブレーキ
10.
1)ブレーキシステム
JAFの指定するブレーキシステムを使用しなければならない。
2
.
1
.
2)「制御機能の制限」の条件を満たすこと 。
ただし、マスターシリンダーからキャリパーの間の配管経路に、液圧センサ
ー、ブレーキランプスイッチ、プロポーショニングバルブ以外のセンサー、デ
バイス類が存在しないこと。
駐車ブレーキの設置は任意とする。ただし、駐車ブレーキを装備する場合、
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第2条2
.
2)「駐車ブレー
キ」の規定に従わなければならない。
10.
2)ブレーキキャリパー
JAFの指定するブレーキキャリパーを使用しなければならない。
10.
3)ブレーキの冷却
空気による冷却および水噴射による冷却 以外、いかなる物質の噴射、噴霧
による方法も禁止される。
空力的効果をもたらす形状でない限り、冷却用にエアダクトを装着すること
ができる。
エアダクトは、3
.
2)「ウィンドウ」、3
.
3
.
5)「車体の開口部」、3
.
3
.
1
1)「フ
ェンダー」、3
.
3
.
1
2)「タイヤハウス」で許される開口部(天井部分の開口を
除く)と接続してもよいが、前部隔壁、後部隔壁を貫通してはならない。
1つのブレーキに設置されるエアダクトの数と寸法は自由。
ダクトの材質は自由。
10.
4)ブレーキディスク
各輪に最大1つのJAFの指定する ブレーキディスクが許される。
第11条 ホイールおよびタイヤ
11.
1)コンプリートホイールの最大寸法は以下のとおり。
−1
5
3
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
フロント:最大幅 336mm、最大外径 685mm
リ ア:最大幅 356mm、最大外径 712mm
11.
2)ホイール
11.
2.
1)ホイールのサイズは、フロント:12J18、リア:13J18とする。
11.
2.
2)ホイールの最低重量は以下のとおり。
フロント: 9.
5kg
リ ア:10.
0kg
11.
2.
3 )ホイールの材質
ホイールの材質はアルミニウム合金5000系および6000系のみとする。
ホイールの付属品は、コンプリートホイール最大幅を超えることなくボルト
等で固定される場合に限り認められる。
11.
3)ホイールの固定
自由。ただし、固定がセンターナット1つによって行われる場合、赤または
蛍光オレンジ色の安全スプリング、あるいは同等の機能をもった他のシステム
が車両の走行中に取り付けられていなければならず、ホイール交換後も同様に
設置されていなければならない。
11.
4)エアジャッキ
JAFの指定するエアジャッキを使用しなければならない。
第12条 安全装備、装置
安全に関するすべての項目は第4章“公認車両および登録車両に関する安全
規定”に次の事項を加えて適用する。
12.
1)安全ベルト
安全ベルトのストラップは2本の肩部ストラップと1本の腰部ストラップお
よび2本の脚部ストラップの着用が義務付けられる。
安全ベルトはFIA基準8
8
5
3
/
9
8
に従い公認されたものを使用しなければな
らない。
安全ベルトはそれぞれのストラップが単独で車体に取り付けられていなけれ
ばならない。左右の腰ベルトを同一公認番号の腰ベルトに限りそれぞれ2本ま
で用意することができ、片側2本の腰ベルトを1箇所の車体側取り付け点に取
り付けてもよい。
12.
2)後方視界用ミラー
−1
5
4
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第17
条「火災に対する
防護」によりパーテーションウィンドウを隔壁化した場合、および6
.
1
.
1)によ
り防火壁を床から天井まで設置した場合、第4章“公認車両および登録車両に
関する安全規定”第7条「後方視界」に関わらず、室内ミラーを除去すること、
同等の機能を持つ他の機構へ変更することは認められる。ただし、後方視界を
確保できなければならず、また、車体外部両側面に基本車両に設置されている
もの、または1
00cm2以上の面積の室外ミラーを設置しなければならない。
12.
3)座席、ヘッドレスト
JAFの指定するヘッドレストを使用しなければならない。 ヘッドレスト
はヘルメットをつけたドライバーの頭部が保持され、加速時に後方へ動くよう
なものではなく、ロールオーバーバーとヘッドレストの間に挟まらないように
なっていなければならない。ヘッドレストの両側面の間隔は4
0
0
mm以下で、
最低2
0
mmのエネルギー吸収材が両側面に取り付けられていることが推奨され
る。
12.
4)ドアと運転席間の構成物
ドアと運転席間にはロールケージのサイドバーおよびペダルスライダーのレ
バー を除き機械構成部分が設置されていてはならない。
衝撃吸収装置、ニーパッド、給水用ボトル、ダクト は機械構成部品とみな
さない。
12.
5)前/後面防護構造
車両の前面および後面にJAFの指定する衝撃吸収構造体を設置しなければ
ならない。
12.
6)側面防護構造
JAFの指定する側面衝撃吸収構造体を設置しなければならない。
12.
7 )消火装置
第4章“公認車両および登録車両に関する安全規定”第5条5
.
2)「自動消火
装置」に定められた自動消火装置の装着が義務付けられる。
第13条 その他の要素
13.
1)各種ガード、サポート類
ラジエターガード、タンクガードおよびサンプガードの設置は認められる。
ただし、3
.
3
.
8)
「前部隔壁の前方、後部隔壁の後方の車体構造」を満足すること。
−1
5
5
−
第8章 グランドツーリングカー5
0
0
(J
AF−GT5
0
0
)
材質は、マグネシウムを除き、自由。
13.
2)ハンディウェイト取り付け装置
ハンディウェイトを固定できる堅牢なウェイト固定装置を競技会の技術委員
が容易に確認できる位置に装備しなければならない。
別表1
第2条2.
1.
2)「制御機能の制限」による禁止項目の具体的事例
禁止されるシステム等
1
アンチロックブレーキシステム
2
トラクションコントロール
3
セミオートマチックおよびオートマチックギアボックス
4
動力作動式クラッチ
電動または自動調整のファイナルドライブディファレンシャルシステム(例えば、電子制御お
5
よび/または外部ポンプ等を持つ気圧式あるいは油圧式のスリップコントロールを備えたディ
ファレンシャル等)
6
電動または自動調整のショックアブソーバー、サスペンションあるいは車高調整
7
四輪操舵
8
可動バラスト
9
エンジン以外のクローズドループ電子制御システム
1
0 走行中に運転席からショックアブソーバー、サスペンションスプリングの調整を行う装置
1
1 テレメトリーシステム
12 アクティブサスペンション
−1
5
6
−
部門Ⅱ:競技専用車両
(ナショナルフォーミュラ)
(第9章〜第1
3
章)
−1
5
7
−
第9章 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)に関する定義
第 9章 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)に関する定義
1.
1)フォーミュラ車両
サーキットあるいはクローズドコース上で行われるスピードレースのために
のみに設計された4輪自動車をいう。
1.
2)自動車
直線上に並べられていない少なくとも4つの車輪によって走行し、少なくと
も2つの車輪が操舵に、また少なくとも2つの車輪が推進に使用される陸上車
両をいう。
1.
3)陸上車両
それ自体の手段によって、地表に対する実際上の支えを常時保持して推進し、
その推進および操舵装置は乗車したドライバーの制御下にある移動装置をいう。
1.
4)車体
ロールオーバー構造体ならびにエンジン、トランスミッションおよび走行装
置で機械的機構に明らかに関連する部分を除き、外気にさらされている車両の
すべての主要懸架部分をいう。エアボックス、ラジエターおよび排気系統(S
Fは除く)は車体の一部とみなされる。
1.
5)空気力学的装置
空気力学的な動作に影響することを基本機能とした車体の部分をいう。
1.
6)ホイール
フランジとリムをいう。
1.
7)コンプリートホイール
フランジ、リムおよびタイヤをいう。
1.
8)自動車の銘柄
フォーミュラレーシングカーの場合、自動車の銘柄とは完成車のことをいう。
製造者が自身で生産しないエンジンを取り付けた場合、その車両は「合成」と
みなされ、エンジン製造者名と車両製造者名が連名となる。車両製造者名が常
にエンジン製造者名の前に付く。
合成車が選手権のタイトルのかかったカップ、あるいはトロフィーを獲得し
た場合には、この賞は車両の製造者に与えられる。
−1
5
9
−
第9章 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)に関する定義
1.
9)競技
競技とは、フリー走行、公式予選およびレースからなる。
1.
10)重量
車両重量とは、レース用装備品をすべて着用した状態のドライバーを含めた
競技の行われているすべての期間中の重量をいう(すべての燃料を含まない)。
1.
11)レーシング重量
すべての燃料タンクを満たし、ドライバーが搭乗し、出走可能な状態の車両
重量をいう。
1.
12)気筒容積
エンジンの気筒内でのピストン運動により排出される容積をいう。この容積
は、立方センチメートルであらわされる。エンジンの気筒容積を算出する場合
のπの数値は3
.
1
4
1
6
とする。
1.
13)過給装置
何らかの方法により、燃焼室に充填される燃料/空気の混合気の重量を増加
(インテークおよび/またはエキゾーストシステム内における通常の大気圧、
ラム効果および力学的効果によって吸入される重量を超えて増加)させる装置
をいう。燃料の加圧噴射は、過給装置とはみなされない。
1.
14)主要構造体
サスペンションまたはスプリングの負荷が伝えられる車両のすべての主要構
造体で、シャシー上の前部サスペンション最前部から後部にあるサスペンショ
ンの最後部にまで縦方向に延びている部分をいう。
1.
15)懸架・サスペンション
スプリングを介在して車体/シャシーからすべてのコンプリートホイールを
懸架する手段。
1.
16)コクピット
ドライバーを収容する容積をいう。
1.
17)サバイバルセル
すべての燃料タンクとコクピットを収容する連続した閉鎖構造体をいう。
1.
18)アクティブサスペンション
車両が動いているときにサスペンションのいかなる部分および車高を制御す
るすべての方式をいう。
−1
6
0
−
第9章 競技専用車両(ナショナルフォーミュラ)に関する定義
1.
19)複合構造
一枚の薄板から成る層の集まり、もしくはコアの材質の両側に接着された2
枚の外板で構成される断面を有する同質でない材質をいう。
1.
20)テレメトリー
走行中の車両とその車両の参加に関係しているあらゆる者との間で行われる
データの通信をいう。
1.
21)セミオートマチック・ギアボックス
ドライバーがギアの変更を要した際に、ギアが入るようにするためにエンジ
ン、クラッチ、またはギアセレクターの内の1つ以上を瞬間的に制御するもの
をいう。
1.
22)コクピットのパッド
ドライバーの居住性の向上と安全性確保のみを目的としたコクピット内部に
配置される非構造部品をいう。この材質はすべて工具を使用しなくても即座に
取り外せる機構になっていなくてはならない。
−1
6
1
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
第10章 フォーミュラJ1600(FJ1600)
第 1条 規 定
1.
1)改定に関する公表年月日
JAFは、毎年遅くとも1
0
月にこれらの規定に関する改定内容を発表し、通
常、翌年の1月1日から施行する。
ただし、安全上の理由による改定は上記にかかわらず直ちに施行する。
1.
2)危険な構造
自動車が危険とみなされた場合、その車両は競技会の審査委員会によって除
外されることがある。
1.
3)規則の遵守
車両は、競技期間中いかなる時でも、これらの規則に合致していなければな
らず、第4編付則“FJ1600車両規定の競技会用実施細則”をも遵守すること。
1.
4)測 定
すべての測定は、車両が平坦な水平面の上に静止した状態で行われなければ
ならない。
1.
5)競技参加者の義務
競技参加者は競技期間中、いかなる時でも自己のFJ16
00車両が本規定に合
致していることを、車両検査委員および競技会審査委員会に立証する義務があ
る。
1.
6)アクティブサスペンション
アクティブサスペンションは禁止される。
1.
7)材質規制
以下の材質の使用を禁止する。
マグネシウム/チタニウム/カーボン/アラミド繊維。
1.
8)クロームメッキ
サスペンションに対するクロームメッキは禁止される。
第 2条 車体と寸法
2.
1)車 幅
ステアリングホイールを直進状態にしたときのコンプリートホイールを含む
−1
6
2
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
車体の全幅は、1
,
7
0
0
mmを超えてはならない。
2.
2)フロントホイールの中心線より前方の幅
フロントホイールの中心線より前方の車体は、幅1,
1
0
0
mmを超えてはならな
い。
2.
3)フロントホイールとリアホイールの間の幅と形状
フロントホイールの中心線より後方とリアホイールの中心線の前方にある車
体の最大幅は1
,
3
0
0
mmを超えてはならない。この中に衝撃吸収構造体は含まれ
る。
リアホイールの中心線より前方の車体で、リアコンプリートホイールの高さ
より上方の車体のいかなる部分も、車両の縦方向軸の中心から45
0
mmを超え
てはならない。
2.
4)リアホイールの中心線より後方の幅
リアホイールの中心線から後方の車体の幅は、9
0
0
mmを超えてはならない。
2.
5)オーバーハング
リアホイールの中心線より後方8
0
0
mm以上の所には、車両のいかなる部分
もあってはならない。
フロントホイールの中心線より前方9
0
0
mm以上の所には、車両のいかなる
部分もあってはならない。
ホイールの中心線とは左右のハブセンター間を結ぶ中心線をいう。
2.
6)高 さ
ドライバーが正常に着座し、また正常にレース装備した車両のいかなる部分
も、安全ロール構造体を除き、地上から9
0
0
mmを超えてはならない。
安全ロール構造体のうち、地上高90
0
mmを超える部分は、車両の性能に大
きく影響を与えるような空気力学的形状をもってはならない。
2.
7)ホイールベース/トレッド
最小ホイールベース:2
,
0
0
0
mm
最小トレッド :1
,
2
0
0mm
2.
8)フラットボトム
2.
8.
1)前部コンプリートホイールの後端と後部コンプリートホイールの前端との
間にあって、車両の真下から見える車両のすべての構成部分は、±1
0
mmの許
容範囲内で1つの平面上(フラットボトム)に位置しなければならない。
−1
6
3
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
また、フラットボトムの後端はリアコンプリートホイールの前端より後方で
リアコンプリートホイール軸で終結しなければならない。これらすべての部分
は、いかなる状況下にあっても、均一で、固形で、堅固に固定されており(車
体/シャシー構成に関していかなる遊びもあってはならない)、水・空気を通さ
ない面であること。これらの部分によって形成される表面の周囲は、最大半径
5
0
mmの上向きの湾曲を形成することが許される。フラットボトム後端部の形
状は、上向きに平面で立ち上げることが許されるが、その高さはフラットボト
ムを形成する平面から上方に2
0
mm以内とする。
2.
8.
2)±1
0
mmの許容差が、考えられる製造上の問題点を網羅するために規定に
導入されているが、これは“フラットボトム”の精神に反する設計を許すため
のものではない。
2.
8.
3)いかなるスキッド、スカートあるいは“フラットボトム”から突出してい
る他の装置(上と同様に導入された±1
0
mmの許容差)も、本条文に関連する
規定に抵触するため、フラットボトム区画から取り除かなければならない。
2.
8.
4)車両の底部を保護するため、スキッドをフラットボトム区画の外に配置す
ることができるが、本規則第2条「車体と寸法」は遵守されなければならない。
2.
8.
5)上記フラットボトムの後端より後方において地表と車両の主要部分との間
を全面的あるいは部分的に遮断するような空気力学的構造物は一切禁止される。
(ディフューザー構造等の禁止)
車両の空気力学的影響を有する特定の部分は:
‐車体に関する規則に合致していなくてはならず、
‐車体の主要部分にしっかりと取り付けられていなくてはならず、(しっかりと
取り付けるとは、固定されていない部分があってはならないという意味であ
る。)
‐車体の突出部と固定されていなくてはならない。
車両の主要部と地表との間隙を連結するいかなる装置あるいは構造体は、あ
らゆる状況下でも禁止される。
いかなる状況下にあっても本条によって規定される表面によって生ずる幾何
学平面より下部に位置してはならない。
2.
9)空気力学的装置
空気力学的装置は一切禁止される。
−1
6
4
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
ウイング、エアダム、スポイラーも禁止される。
ただし、ドライバーが風・飛石等を防ぐため、開口部に沿って最小限のウイ
ンドスクリーンを取り付けることは許される。その取り付けは暫定的なもので
あってはならない。
リアサスペンション・フロントピックアップより後方で、かつアッパーピッ
クアップより下方にカウルを取り付けることは許されない。
2.
10)コクピット
2.
10.
1)コクピット開口部
コクピットに入るための開口部は図に示される水平板(テンプレート)が、
ステアリングホイールを取り外した状態で車両上部から垂直に挿入できるもの
でなくてはならない。テンプレートをコクピットの開口部の最も低い点から下
方へ2
5
mm下げることが可能でなくてはならない。
ドライバーは、ドアを開けたり、その他の部分を移動させることなく、乗降
できなくてはならない。
300mm
450mm
車両中心線
600mm
平面図
第10-1図
2.
10.
2)脱出時間
コクピットは、ドライバーが通常の位置に着座し、すべての運転装置を取り
付け、安全ベルトを締めてステアリングホイールが最も不都合な状態にあって
も、ドライバーが5秒以内に外に出られるよう設計されていなくてはならない。
2.
11)ステアリングホイール
ステアリングホイールは迅速に取り外せる機構を備えていなくてはならない。
その開放(取り外し)方法は、ステアリングホイール後方のステアリングコラ
ムに設置された同心円状のフランジを引く方法によるものでなくてはならない。
−1
6
5
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
ステアリングラックは、フロントアクスル軸より前方に取り付けなければなら
ない。
ステアリングホイールに切れ目があってはならない。
スイッチ、メーター、その他の部品等を装着する場合、それらは突起した形
状(トグルスイッチ等)であってはならず、ドライバーと対面するステアリン
グホイールリム全体で形成される平面よりドライバーに近いところに位置して
はならない。
緩衝パッドの装着を推奨する。
第 3条 重 量
3.
1)車両の最低重量
4
6
5
kg
3.
2)バラスト
バラストはその取り外しに工具を必要とするような方法で固定されるならば
使用することが許される。技術委員が封印を施すことができるようなものでな
ければならない。
第 4条 エンジン
4.
1)エンジンの種類
エンジンブロックおよびシリンダーヘッドの鋳造品もしくは機械加工の完成
したものは、JAF公認車両または登録車両に搭載されたものでなければなら
ない。
4.
2)エンジンの形式
レシプロピストンによるエンジンのみ認められる。
4.
3)最大容積
1
,
6
1
0
c
c
を含み1
,
6
1
0
c
c
までとする。
4.
4)シリンダーの最大数
最大4とする。
4.
5)過給装置、燃料噴射は禁止される。
4.
6)シリンダーヘッドのバルブ数はシリンダー当たり2個とする。
4.
7)DOHCエンジンは禁止される。
4.
8)吸気系統
シリンダーヘッドとキャブレターおよびエアファンネルの間にある吸気系統
−1
6
6
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
すべての要素。
4.
9)エンジンの改造限度
エンジンおよび補機は次の各項を除き変更してはならない。ただし、シャシ
ーにエンジンを搭載するための最小限の変更は許される。
1
,
6
0
0
c
c
エンジンの補修のためのオーバーサイズピストンの使用は、ボアの
拡大が0
.
2
5
mmまでのものに限り許される。
4.
10)サーモスタット
サーモスタットは自由。
4.
11)オイルフィルター
オイルフィルターは自由。
4.
12)エアフィルター
エアフィルターは、エアクリーナー、エアファンネル、ハウジングを含めて
自由とする。
4.
13)燃料ポンプ
燃料ポンプは自由。
4.
14)潤滑系統
潤滑系統は自由。ただし、ドライサンプ方式は禁止される。
4.
15)クラッチディスク
クラッチディスクは当初の枚数を変更しなければ自由。
4.
16)ウォーターポンププーリ-、クランクプーリー、ファンベルト
ウォーターポンププーリー、クランクプーリー、ファンベルトは自由。
4.
17)バルブシート
バルブシートは自由。
4.
18)ヘッドガスケット
ヘッドガスケットは自由。ただし、純正部品に限る。
4.
19)フライホイール
軽量加工が許される。ただし、リングギア径寸法は保持されなければならな
い。
4.
20)オルタネーター
オルタネーターの容量、形式、取り付け方法は自由とする。また取り外しも
許される。
−1
6
7
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
4.
21)キャブレター
公認の形式に標準に装備され、公認書に記載されたキャブレターは、変更も
改造もしてはならない。ただし、搭載に際してのリンケージの変更は自由とす
る。また、エンジンに吸入する燃料および空気の量を調整する部品やフロート
室のガソリン片寄り対策に関する改造加工部品はこの限りではない。キャブレ
ターの取り付け角度を修正するためのスペーサーは許される。
4.
22)バルブスプリング
バルブスプリングはいかなる他のものとも交換が許される。ただし、製造者
の定めた数を変更してはならず、当初の取り付け部を変更することなく取り付
けられること。バルブスプリング調整用のスプリングシートの取り付けは許さ
れる。
4.
23)シリンダーブロック
シリンダーブロックはボーリング、ホーニングの加工のみ許される。
4.
24)シリンダーヘッド
シリンダーヘッドの面削は平面研磨に限り公認部品の厚さ1mmまで許され
る。ただし、
その場合の公差は+0
.
1
mmまでとする。
また、面削後に生じるインテークマニホールドの段付き修正加工は禁止され
る。
4.
25)調整・仕上げ
クランクシャフト、ロッカーアーム、ピストンピン、ピストンリング、カム
シャフト、プッシュロッドを除き、当初の部品の切削、仕上げによる調整(修
正、研磨、軽量化、縮小化)は許される。
ただし、
下記については公認書に記載された寸法を厳守すること。
A)キャブレター出口内径(公認書の数値)
B)シリンダーヘッドのインテークおよびエキゾーストポートの内径(公認書
の数値)
C)カムシャフト(公認書の数値)
4.
26)性能の均等化
JAFは性能の均等化のため、事前予告をもって出力制限装置を取り付ける権
利を留保する。
−1
6
8
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
4.
27)排気管
排気管の出口は、それぞれが水平に、かつ後方に向けられている場合、地面
から4
0
0
mm以下の高さでなければならない。
走行中の可変装置は禁止される。また、排気管の材質は消音器を除き鉄系で
磁力に反応すること。
4.
28)排気音量測定
すべての車両は第2章“レース車両の排気音量規制”に従うこと。
第 5条 始 動
5.
1)始動装置
電気エネルギー源による始動装置を車両に搭載しなければならず、ドライバ
ーが正常に着座した状態で作動できなければならない。また、始動装置は常に
エンジンを始動できるものでなくてはならない。
5.
2)エンジン始動
グリッド上およびピットにおいて、補助的に外部よりエネルギー源を、
車両
に一時的に接続してエンジンを始動することができる。
第 6条 ホイールへの伝達
6.
1)駆 動
車両は2輪でのみ駆動すること。
6.
2)ギア比
前進ギアの最大数は5速とする。
6.
3)後退ギア
すべての車両は、競技期間中いかなる時にもエンジンがかかっている間、
通
常に使用できる後退ギアを備えていなくてはならない。
6.
4)横置きギアボックスおよびリアアクスル(リアホイールハブセンター)より
前方のギアボックスは禁止される。
6.
5)ギアボックス
ギアボックスは日本製に限り許される。
6.
6)ディファレンシャル
デフの作動を制限する装置は禁止される。
第 7条 サスペンション
7.
1)コクピットから調整できるスタビライザーは禁止する。
−1
6
9
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
第 8条 燃料パイプとタンク、ケーブルおよび電気装置
8.
1)ライン/ケーブル/電気装置
ケーブルラインおよび電気装置が、その取り付け位置/材質または連結方法
等に関して航空機工業基準に準拠していない場合、次のことを生じるいかなる
漏れもないよう取り付けられなければならない。
‐コクピット内の液体たまり
‐コクピット内への液体の侵入
‐電線または電気装置と液体の接触
もし、ケーブルラインあるいは電気装置がコクピットを通過する、またはコ
クピット内に取り付けられている場合、それらは防火材でかつ液体の侵入を防
ぐ材料によって完全に覆われていなければならない。
電気系、燃料系へのMIL規格品の使用は禁止される。
8.
2)パイプライン
すべての燃料の配管は最大作動温度1
3
5
℃で、4
.
1
MPa
(4
1
ba
r
)の最低破裂圧
力を有していなければならない。
8.
3)燃料タンク
下記に従い、JAF/FIA公認の安全燃料タンクの装着が義務付けられる。
A)最大容量2
0
ℓまでのタンクを1個。なお、コレクタータンクの使用は禁止
される。
B)取り付け位置はシートバックとエンジンルームとの間とする。
ただし、ブラダーの材料およびセーフティフォームの変更について責任あ
る製造者が公認を申請した場合、上記の条件を満たすならば、JAF安全
燃料タンクの一種として認めることがある。
8.
4)燃料タンクの給油キャップ
燃料タンクの給油キャップは車体より突出してはならない。
衝突の際や不完全なロックによりキャップが緩まないように設計されていな
ければならない。
燃料給油口は衝突により、破損されやすい場所を避けて取り付けなければな
らない。
空気孔はコクピットの後方2
5
0
mm以上の場所に位置すること。
−1
7
0
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
8.
5)オイルキャッチタンク
車両には最少2ℓのオイルキャッチタンクを装着しなければならない。ブリ
ーザーはこのキャッチタンクに排出しなければならない。
この容器は透明なプラスチック製であるか、透明な窓わくを備えること。
ミッションケースより後方に位置してはならない。
第 9条 制動装置
9.
1)2重回路
すべての車両は、同一のペダルによって操作される少なくとも2系統の回路
を有する制動装置を装備しなければならない。この装置の1つの回路に漏れ、
もしくは欠陥が生じた場合でも、ペダルは少なくとも2輪のホイールを依然と
して制御できなければならない。
9.
2)ブレーキ圧の調整
アンチロックブレーキおよびパワーブレーキは禁止される。
9.
3)材質と加工
ブレーキディスクは鉄製に限る。また、ディスクへの穴あけ、溝切りも禁止
する。ベンチレーテッドディスクも禁止する。
9.
4)ブレーキキャリパー
ブレーキキャリパーは鉄製で最大2ピストンまでとし、各ホイールにつき1
個とする。
9.
5)ブレーキダクト
ブレーキを冷却するためのすべてのダクト類および空気力学的付加物はすべ
て禁止する。
第 10条 タイヤとホイール
10.
1)タイヤ
競技専用タイヤの装着が許される。ただし、タイヤの径は左右同一とする。
10.
2)ホイールの最大数
ホイールの数は4本に限定される。
10.
3)ホイールの寸法
ホイールの幅は6インチを超えてはならない。
ホイールリム径は1
3
インチとする。
−1
7
1
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
10.
4)材 質
ホイールの材質は鉄またはアルミ合金とする。(ただし、アルミ合金の場合
はJWLまたはVIA規格に合致していること。)
第 11条 安全装置
11.
1)消火器
すべての車両には、内容量2kg以上の粉末消火器、またはFIA国際モー
タースポーツ競技規則付則J項第2
5
3
条7に記された消火剤および内容量、あ
るいは同第2
5
9
条1
4
に記された消火器を、ドライバーが速やかに操作できるよ
うに搭載しなければならない。取り付け位置は車体構造の内側とし、コクピッ
ト内とエンジンルームに同時に散布する2系統の消火装置とする。
11.
2)記載項目
1)以下の情報を各消火器に明記しなければならない:
a)容器の容量
b)消火剤の種類
c)消火剤の重量もしくは容量
d)消火器の点検日
2)消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以
内とする。(消火剤の充填日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用
してはならない。)
3)2年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店などの有資格者
による点検を受けること。
11.
3)電気回路開閉装置(サーキットブレーカー)
ドライバーが安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転席に着
座した状態で操作できる放電防止つきサーキットブレーカーによって、点火装
置、燃料ポンプ、および電気回路を遮断することができなくてはならない。
ス イ ッ チ は コ ク ピ ッ ト の 右 側 に 取 り 付 け ら れ 白 い 縁 ど り を し た 底 辺 が
1
0
0
mmの青い三角の中に赤色のスパークを描いた標識で表示されていなくて
はならない。また、外部からでも容易に操作できるような構造になっていなけ
ればならない。
11.
4)リアビューミラー
すべての車両は、ドライバーが後方と車両の両側を見ることができるよう取
−1
7
2
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
り付けられた最低2つのミラーを有していなくてはならない。
各ミラーは最低、5
,
5
0
0
mm2の面積がなければならない。この面積は反射面
のみを対象とする。
技術委員は、通常に着座したドライバーが確実に後方車両を確認できるよう
な検証を実施することができる。
11.
5)安全ベルト
幅7
5
mm以上の2本の肩部ストラップ、1本の腰部ストラップおよび2本の
脚部ストラップの装着が義務付けられる。
これらのストラップは、車両に確実に固定され、FI
A基準8
8
5
3
/
9
8
に合致し
ていなければならない。
11.
6)尾 灯
すべての車両には、競技会中作動する少なくとも白熱球の21
ワット相当以上
の明るさをもつ赤色警告灯を装備していなくてはならない。
1)車両の縦方向の中心線に対して9
0
°で後方に面していること。
2)後方からはっきりと見えること。
3)車両の中心線より1
0
0
mm以上の所に取り付けないこと。
4)地上から最低4
0
0
mmの所にあること。
5)その表面は最小2
,
0
0
0
mm2の面積を有すること。
6)車両に正常に着座したドライバーによって点灯できるものでなくてはなら
ない。
11.
7)ヘッドレスト
すべての車両は後方へ8
3
3
N(8
5
kg)の荷重がかかった時に、5
0
mm以上傾か
ないヘッドレストを備えていなくてはならない。
ヘッドレストの表面は2
0
,
0
0
0
mm2以上で連続的であり、突出した部分があっ
てはならない。
第 12条 安全構造
12.
1)車体構造
12.
1.
1)車体の構造は左右対称でなければならない。すなわち、その車を水平に
し計量した場合、いずれの片側半分の重量も全体の重量の半分でなければなら
ないが、その半分の重量の±5%の誤差が許される。車両はすべてのタンクを
満たし(燃料、水、オイル)、バラストを除いた状態で計測される。
−1
7
3
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
12.
1.
2)フロントバルクヘッドからフロント・サスペンション・ピックアップ後部
までの間は、スペースフレームに厚さ1.
6
mmの鉄板を組み合わせた構造とする
こと(フロントバルクヘッド、フロアパネル、サイドパネルの4面に取り付け
なければならない)。
また、メインフレームの片面に取り付けなければならない床板およびサイド
パネルは平板で厚さ1.
5
mm以上とする。取り付けに関しては溶接またはリベッ
ト留め(ピッチ7
0
mm以上であること)で正確、確実に固定されていること。
なお、取り付けのための最小限の曲がりは許される。
このパネルは主要ロール構造体のバルクヘッドまで取り付けなければならな
い。
12.
1.
3)スペースフレーム構造とは最低限主要となる4本のパイプを四隅に配置
し、バルクヘッドと斜材とによりトラス構造をなすフレーム形式をいう。
12.
1.
4)スペースフレームをウォーターパイプおよびオイルパイプに併用しては
ならない。
12.
1.
5)主 要 と な る 4 本 の パ イ プ は 外 径2
8
mmで 肉 厚1
.
6
mm、も し く は
2
8
mm×2
8
mmで肉厚1
.
6
mm以上の断面を持つこと。
12.
1.
6)フロント・サスペンション・ピックアップは車体構造の外側に取り付ける
こと。
12.
1.
7)ドライバーの足部裏面からドライバー座席の背部までのいかなる点でもコ
クピットの内部断面積は7
0
,
0
0
0
mm2以下であってはならず、また最小幅はコク
ピットの全長を通じ2
5
0
mm以上なければならない。またこの部分に侵入して
よい唯一の物はステアリングコラムとドライバーの居住性のためのパッドのみ
である。
12.
2)前部衝撃吸収構造体
前部衝撃吸収構造体は前部横断隔壁の前方3
0
0
mmの位置に最小2
0
,
0
0
0
mm2の
断面を有し前部横断隔壁と接する部分の断面は最小、横2
4
0
mm、縦2
5
0
mmと
する。
この前部衝撃吸収構造体は前面、上下左右面で構成され、取り付けに際して
の最小の曲げ加工(最大曲げ半径1
0
mm)を除き平面板とする。前部衝撃吸収
構造体部材はアルミニウム合金50
5
2
またはこれと同等以上の強度を有するもの
とする。部材の肉厚は最少2mmとする。前部衝撃吸収構造体の上面板には穴
−1
7
4
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
を開けられるが、元の強度を保持すること。
すべてのペダル軸はフロントアクスル軸より後方に位置すること。
12.
3)側面防護体
側面防護体は高さ2
0
0
mm以上であること。それらは車両の縦の中心線から
最小4
0
0
mmの両側に連続して第2ロール構造体から燃料タンクの背面までの
長さであること。それぞれの構造体の構成は2,
0
0
0
mm2の最小断面積と最小引
張り強度2
2
5
MPa
(2
2
5
N/
mm2)からなる。構造体は側面衝撃の緩和を有効に
するために車体を横断して連結すること。ラジエターはこれら構造体に取り入
れることができる。
12.
4)ロール構造体
12.
4.
1)安全構造の基本目的はドライバーの防護にある。この目的は設計の基本
考察である。
12.
4.
2)すべての車両は少なくても2つのロール構造体を装備しなければならない。
第2ロール構造体は、ステアリングホイールの前方にあり、ステアリングホ
イールの前方2
5
0
mm以上にあってはならず、また少なくともステアリングホ
イールの頂点と同じ高さでなければならない。
主要ロール構造体は、第2ロール構造体の後方5
0
0
mm以上離れていなけれ
ばならず、ドライバーが正常に着座し、ヘルメットをかぶり、シートベルトを
締めた状態の時、そのドライバーのヘルメットは第2ロール構造体の頂点と主
要ロール構造体の頂点を結ぶ線を越えてはならない。
12.
4.
3)第2ロール構造体は外径3
5
mm以上で肉厚2
.
0
mm以上の冷間仕上継目無鋼
管を使用すること。
12.
4.
4)主要ロール構造体の高さはコクピット底面から垂直に測定し、少なくとも
9
5
0
mm以上なければならない。
−1
7
5
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
50mm
50mm
横から見た図
車両中心線
上から見た図
垂直投影面積
10,000mm2 以上
第10-2図
12.
4.
5)主要ロール構造体の頂点は、通常の運転姿勢におけるドライバーのヘルメ
ットから少なくとも5
0
mm以上、上方になければならない。
12.
4.
6)主要ロール構造体の上部より5
0
mm低いところを通る水平面上に構成され
た主要ロール構造体の垂直投影面積は最低1
0
,
0
0
0
mm2なければならない。
12.
4.
7)主要ロール構造体は外径3
5
mm以上で肉厚2
.
0
mm以上の冷間仕上継目無鋼
管を使用し、主要ロール構造体は高さ50
0
mmのところで、幅4
0
0
mmを必要と
し、曲げはR5
0
mm以上(外Rで測定し6
7
.
5
mm以上)の1回曲げとして使用す
ること。
12.
4.
8)主要ロール構造体より後方にのびる補助ロールバーステーは、外径
2
5
.
4
mm以上、肉厚1
.
6
mm以上で取り付けはフレ−ム構造体に連結されて強固
に取り付けられていること。その角度は水平より6
0
°以内であること。
12.
5)サイドロールバー
コクピット両側面には車体下面より最低5
0
0
mmの高さにサイドロールバー
を取り付けること。
−1
7
6
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
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0
(FJ1
6
0
0
)
最小曲げR50mm
高さ500mmの部分の最小幅400mm
サイドロールバーの最小高さ500mm
200mm
外径25.4mm以上で肉厚1.6mm以上
最小断面積2,000mm2
最小400mm
第10-3図
サイドロールバーは第2ロール構造体と主要ロール構造体を強固に連結する
こと。
サイドロールバー構造体は外径25
.
4
mm以上で肉厚1
.
6
mm以上の鉄パイプで
あること。
12.
6)ロール構造体の強度
第2ロール構造体および主要ロール構造体の頂点に、次の最小荷重が同時に
加わっても耐えられるものでなければならない。
‐1
.
5
W横方向
‐5
.
5
W前後方向
‐7
.
5
W垂直方向
Wは4
.
8
0
2
kN(4
9
0
kgf
)とする。
参加者は、コンストラクター責任者またはその設計者による証明書を、競技
会の技術委員の求めに応じ提出しなければならない。
証明書には、このロール構造体の図面または写真が添付され、このロール構
造体が上記荷重に耐え得ることが明記されていなければならない。
−1
7
7
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
一般考察:
1)ボルト、ナットを使用する場合には、その数に応じて十分な最小寸法を必要
とする。
その材質は最上級のものであること(航空機用)。
スクエアヘッドボルト、ナットは使用しないこと。
2)構造の主たる部分には継ぎ目の無い1本のパイプを使用し、曲折部分は滑ら
かに連続的に曲げられており、ひだ、あるいは壁部に欠損がないこと。
3)溶接は全体にわたって最高の技能を持って行われるべきである(通常アーク
溶接、または特別の場合にはヘリアーク溶接が使われる)。
4)スペースフレーム構造に関し、ロール構造体はそれにかかる荷重を広い面積
に分散するように車両に取り付けられることが重要である。ロール構造体を単
一なパイプ、あるいは継ぎ足されたパイプに付帯させるだけでは不十分である。
それぞれの取り付け部にはガセットを使用しその断面積はロール構造体パイ
プの断面積以上の面積であること。
また、これらは強固に補強されていなければならない。
ロール構造体はフレームの延長として設計されるべきで、単なるフレームの
付属として考えるべきではない。
基本構造の強度は十分な考慮が払われるべきである。例えば荷重を分散させ
るため補強バーあるいはプレートを付加すること。
第 13条 燃 料
第3章“公認車両および登録車両に関する一般規定”第1
0
条1
0
.
1
)「燃料−燃焼
物」に従うこと。
−1
7
8
−
第1
0
章 フォーミュラJ1
6
0
0
(FJ1
6
0
0
)
全巾最大1,700mm
フロントホイールより前方の車体巾最大1,100mm
コクピット最小巾250mm
最小240mm
最小断面積2,000mm2
300mm
フロントオーバーハング900mm
最小250mm
開口部テンプレート
A
450mm
最大
60度
最小950mm
断面A−A部の最小面積10,000mm2
A
300mm
600mm
最小500mm
最大250mm
フラットボトム区間
ホイールベース最小2,000mm
最小50mm
ホイールベース区間の車体最大巾1,300mm
リアオーバーハング800mm
400mm以下
リアホイール中心線から後方の最大巾900mm
最小トレッド1,200mm
最大900mm
第10-4図
−1
7
9
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
第11章 スーパーFJ(S-FJ)
第 1条 規 定
1.
1)改定に関する公表年月日
JAFは、毎年遅くとも1
0
月にこれらの規定に関する改定内容を発表し、通
常、翌年の1月1日から施行する。
ただし、安全上の理由による改定は上記にかかわらず直ちに施行する。
1.
2)危険な構造
自動車が危険とみなされた場合、その車両は競技会の審査委員会によって除
外されることがある。
1.
3)規則の遵守
車両は、競技期間中いかなる時でも、これらの規則に合致していなければな
らず、第4編付則“S−FJ車両規定の競技会用実施細則”をも遵守すること。
1.
4)測 定
すべての測定は、車両が平坦な水平面の上に静止した状態で行われなけれ
ばならない。
1.
5)競技参加者の義務
競技参加者は競技期間中、いかなる時でも自己のS-FJ車両が本規定に合
致していることを、車両検査委員および競技会審査委員会に立証する義務があ
る。
1.
6)アクティブサスペンション
アクティブサスペンションは禁止される。
1.
7)材質規制
以下の材質の使用は禁止される。
マグネシウム/チタニウム/カーボン/アラミド繊維。
1.
8)クロームメッキ
サスペンションに対するクロームメッキは禁止される。
第 2条 車体と寸法
2.
1)車 幅
ステアリングホイールを直進状態にしたときのコンプリートホイールを含む
−1
8
0
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
車体の全幅は、1
,
7
0
0
mmを超えてはならない。
2.
2)フロントホイールの中心線より前方の幅
フロントホイールの中心線より前方の車体は、幅1,
3
0
0
mmを超えてはならな
い。
2.
3)フロントホイールとリアホイールの間の幅と形状
フロントホイールの中心線より後方とリアホイールの中心線の前方にある車
体の最大幅は、1
,
3
0
0
mmを超えてはならない。この中に側面防護体は含まれる。
リアホイールの中心線より前方の車体で、リアコンプリートホイールの高さ
より上方の車体のいかなる部分も、車両の縦方向軸の中心から45
0
mmを超え
てはならない。
2.
4)リアホイールの中心線より後方の幅
リアホイールの中心線から後方の車体の幅は、9
0
0
mmを超えてはならない。
2.
5)オーバーハング
リアホイールの中心線より後方6
0
0
mm以上の所には、車両のいかなる部分
もあってはならない。
フロントホイールの中心線より前方9
0
0
mm以上の所には、車両のいかなる
部分もあってはならない。
ホイールの中心線とは左右のハブセンター間を結ぶ中心線をいう。
2.
6)高さ
ドライバーが正常に着座し、また正常にレース装備した車両のいかなる部分
も、安全ロール構造体を除き、地上から9
0
0
mmを超えてはならない。
安全ロール構造体のうち、地上高90
0
mmを超える部分は、車両の性能に大
きく影響を与えるような空気力学的形状をもってはならない。
2.
7)ホイールベース/トレッド
最小ホイールベース:2
,
2
0
0
mm
最小トレッド :1
,
2
0
0
mm
最低地上高 :5
0
mm(レース用装備品をすべて着用したドライバー
が正常に着座した状態)
縦3
5
0
mm×横3
5
0
mm×高さ5
0
mmの最低地上高測定
板に触れることなく通過できなければならない。
−1
8
1
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
2.
8)フラットボトム
2.
8.
1)前部コンプリートホイールの後端と後部コンプリートホイールの前端との
間にあって、車両の真下から見える車両のすべての構成部分は、±1
0
mmの許
容範囲内で1つの平面上(フラットボトム)に位置しなければならない。
また、フラットボトムの後端はリアコンプリートホイールの前端からリアホ
イールの中心線の間で終結しなければならない。これらすべての部分は、いか
なる状況下にあっても、均一で、固形で、堅固に固定されており(車体/シャ
シー構成に関していかなる遊びもあってはならない)、水・空気を通さない面で
あること。これらの部分によって形成される表面の周囲は、最大半径5
0
mmの
上向きの湾曲を形成することが許される。フラットボトム後端部の形状は、上
向きに平面で立ち上げることが許されるが、その高さはフラットボトムを形成
する平面から上方に2
0
mm以内とする。
2.
8.
2) ±1
0
mmの許容差が、考えられる製造上の問題点を網羅するために規定に
導入されているが、これは“フラットボトム”の精神に反する設計を許すため
のものではない。
2.
8.
3)いかなるスキッド、スカートあるいは“フラットボトム”から突出してい
る他の装置(上と同様に導入された±1
0
mmの許容差)も、本条文に関連する
規定に抵触するため、フラットボトム区画から取り除かなければならない。
2.
8.
4)車両の底部を保護するため、スキッドをフラットボトム区画の外に配置す
ることができるが、本規則第2条「車体と寸法」は遵守されなければならない。
なお、スキッドの端部は半径5mm以上の面を持つこととする。
2.
8.
5)上記フラットボトムの後端より後方において地表と車両の主要部分との間
を全面的あるいは部分的に遮断するような空気力学的構造物は一切禁止される。
(ディフューザー構造等の禁止)
車両の空気力学的影響を有する特定の部分は:
−車体の主要部分にしっかりと取り付けられていなくてはならず、(しっかり
と取り付けるとは、固定されていない部分があってはならないという意味であ
る。)
−車体の突出部と固定されていなくてはならない。
車両の主要部と地表との間隙を連結するいかなる装置あるいは構造体は、あ
らゆる状況下でも禁止される。
−1
8
2
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
いかなる状況下にあっても本条によって規定される表面によって生ずる幾何
学平面より下部に位置してはならない。
2.
8.
6)エンジンの搭載位置
エンジンブロック背面(ベルハウジングと接する面)はリアホイールの中心
線より2
6
0
mm以内とする。
2.
9)空気力学的装置
空気力学的装置は前後のウイングおよび翼端板を除き一切禁止される。
ただし、ドライバーが風・飛石等を防ぐため、開口部に沿って最小限のウイ
ンドスクリーンを取り付けることは許される。その取り付けは暫定的なもので
あってはならない。
リアサスペンション・フロントピックアップより後方で、かつアッパーピッ
クアップより下方にカウルを取り付けることは許されない。
2.
9.
1)ウイング
各フロントウイングおよびリアウイングは1枚で構成され、2枚以上で構成
することは禁止する。ウイング形状は前方および上方から見て長方形であるこ
と。
各翼端板は平板とするが、フロントウイングの翼端板の前側(前から見える
すべての面)は半径5
mm以上の面を持つこととする。
前端の角部(上側、下側とも)には最小半径3
5
mmのRを付けることが推奨さ
れる。この場合R形状を形作る範囲に限り平板とならないことは認められる。
リアウイングの取り付け支持方法はセンターマウントとする。
リアウイングの車体への取り付けに関するウイング側固定構造は車両中心線
を基準として対称とし、その取り付け構造のすべては3
0
0
mm以内であること。
2.
10)コクピット
2.
10.
1)コクピット開口部
コクピットに入るための開口部は図に示される水平版(テンプレート)が、
ステアリングホイールを取り外した状態で車両上部から垂直に挿入できるもの
でなくてはならない。テンプレートをコクピットの開口部の最も低い点から下
方へ2
5
mm下げることが可能でなくてはならない。
測定時には、ドライバーサイドパッドは取り外すこと。
ドライバーは、ドアを開けたり、その他の部分を移動させることなく、乗降
−1
8
3
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
できなくてはならない。
300mm
500mm
車両中心線
600mm
第11-1図
2.
10.
2)脱出時間
コクピットは、ドライバーが通常の位置に着座し、すべての運転装置を取り
付け、安全ベルトを締めてステアリングホイールが最も不都合な状態にあって
も、ドライバーが5秒以内に外に出られるよう設計されていなくてはならない。
2.
11)ステアリングホイール
ステアリングホイールは迅速に取り外せる機構を備えていなくてはならない。
その開放(取り外し)方法は、ステアリングホイール後方のステアリングコラ
ムに設置された同心円状のフランジを引く方法によるものでなくてはならない。
ステアリングラックは、フロントアクスル軸より前方に取り付けなければなら
ない。
ステアリングホイールに切れ目があってはならない。
スイッチ、メーター、その他の部品等を装着する場合、それらは突起した形
状(トグルスイッチ等)であってはならず、ドライバーと対面するステアリン
グホイールリム全体で形成される平面よりドライバーに近いところに位置して
はならない。
緩衝パッドの装着を推奨する。
第 3条 重 量
3.
1)最低重量
大会期間中を通じ495kgを下回ってはならない。
3.
2)バラスト
バラストはその取り外しに工具を必要とするような方法で固定されるならば
−1
8
4
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
使用することが許される。技術委員が封印を施すことができるようなものでな
ければならない。
第 4条 エンジン
4.
1)エンジンの種類
国土交通省の指定を受けた量産車両に搭載されているエンジンを使用しなけ
ればならない。
4.
2)エンジンの形式
レシプロピストンによるエンジンのみ認められる。
4.
3)最大容積
1
,
5
1
0
c
c
を含み1
,
5
1
0
c
c
までとする。
4.
4)シリンダーの最大数
最大4とする。
4.
5) 過給装置は禁止される。
4.
6) シリンダーヘッドのバルブ数はシリンダー当たり4個とする。
4.
7)エンジンの改造限度
エンジンおよび補機は次の各項目を除き変更してはならない。ただし、シャ
シーにエンジンを搭載するための最小限の変更は許される。
エンジン補修のためのオーバーサイズピストンの使用は、ボアの拡大が
0
.
2
5
mmまでのものに限り許される。ただし、ピストンは純正部品に限る。
4.
8)サーモスタット
自由。
4.
9)オイルフィルター
自由。
4.
10)エアフィルター
ゴミの進入を防ぐ目的のメッシュやエアクリーナーの取り付けはスロットル
ボディ端面から2
0
0
mm以内で自由とする。
エ ア フ ァ ン ネ ル は ス ロ ッ ト ル ボ デ ィ 端 面 よ り 長 さ1
2
0
mm以 下、最 大 径
1
4
0
mm以下とし、開口部は車両の後方を向いていること。
インダクションボックスまたは走行により吸気圧を上げる構造のダクト、カ
ウル等の取り付けは許されない。
また、リアカウルを取り付けた場合、エアファンネル後端面は横からと後方
−1
8
5
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
から見えること。
4.
11)燃料ポンプ
自由。
4.
12)潤滑系統
自由。ただし、ドライサンプ方式は禁止される。
4.
13)クラッチディスク
クラッチディスクは当初の枚数を変更しなければ自由。
クラッチカバーは元の取り付け寸法、形状を変えなければ変更は許される。
4.
14)ファンベルト
自由。
4.
15)フライホイール
軽量加工は許される。ただし、リングギア径寸法は保持されなければならな
い。
4.
16)オルタネーター
取り外しは許されない。また、発電機能は正常に機能していなければならな
い。
4.
17)バルブスプリング
いかなる他のものとも交換が許される。ただし、製造者の定めた数を変更し
てはならず、当初の取り付け部を変更することなく取り付けられること。バル
ブスプリング調整用のスプリングシートの取り付けは許される。
4.
18)シリンダーブロック
ボーリング、ホーニングの加工のみ許される。
4.
19)シリンダーヘッド
面削は平面研磨に限り1
mmまで許される。
4.
20)調整・仕上げ
クランクシャフト、ピストン、ピストンピンのバランス取りのみ許される。
4.
21)性能の均等化
JAFは性能の均等化のため、事前予告をもって出力制限装置を取り付ける
権利を留保する。
4.
22)排気管
排気マニホールドは防熱措置を施すことは許されるが、確認作業のため全面
−1
8
6
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
的に覆うことはできない。排気マニホールド後方部分は自由、ただし、サイレ
ンサーを除き材質は鉄系で磁力に反応すること。
排気管の出口は、それが水平に、かつ後方に向けられている場合、地面から
4
0
0
mm以下の高さでなければならない。走行中の可変装置は禁止される。
触媒装置の装着を義務付ける。装着する触媒装置はJAFに申請し承認を受
けたものとする。取付け位置は排気管最後端とし、取外しにより触媒装置内部
を前後から容易に視認できる方式としなければならない。
4.
23)排気音量測定
すべての車両は第2
章“レース車両の排気音量規制”に従うこと。
第 5条 始 動
5.
1)始動装置
電気エネルギー源による始動装置を車両に搭載しなければならず、ドライバ
ーが正常に着座した状態で作動できなければならない。また、始動装置は常に
エンジンを始動できるものでなくてはならない。
5.
2)エンジン始動
グリッド上およびピットエリアにおいて、補助的に外部よりエネルギー源を、
車両に一時的に接続してエンジンを始動することができる。
第 6条 駆動装置
6.
1)駆 動
車両は2輪でのみ駆動されなければならない。
6.
2)ギアボックスの型式
前進ギアの最大数は5段とし、シ−ケンシャルシフト方式は禁止される。
6.
3)後退ギア
すべての車両は、競技期間中いかなる時にもエンジンがかかっている間、通
常に使用できる後退ギアを備えていなくてはならない。
6.
4)横置きギアボックスおよびリアアクスル(リアホイールハブセンター)より
前方のギアボックスは禁止される。
6.
5)ギアボックス
日本製に限り許される。
6.
6)ディファレンシャル
デフの差動を制限する装置は禁止される。
−1
8
7
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
第 7条 サスペンション
7.
1) コクピットから調整できるスタビライザーは禁止される。
第 8条 燃料パイプとタンク、ケーブルおよび電気装置
8.
1)ライン/ケーブル/電気装置
ケーブルラインおよび電気装置が、その取り付け位置/材質または連結方法
等に関して航空機工業基準に準拠していない場合、次のことを生じるいかなる
漏れもないよう取り付けられなければならない。
−コクピット内の液体たまり
−コクピット内への液体の侵入
−電線または電気装置と液体の接触
もし、ケーブルラインあるいは電気装置がコクピットを通過する、またはコ
クピット内に取り付けられている場合、それらは防火材でかつ液体の侵入を防
ぐ材料によって完全に覆われていなければならない。
電気系、燃料系へのMIL規格品の使用は禁止される。
8.
2)パイプライン
すべての燃料の配管は最大作動温度1
3
5
℃で、4
.
1
MPa
(4
1
ba
r
)の最低破裂圧
力を有していなければならない。
8.
3)燃料タンク
下記に従い、JAF/FIA公認の安全燃料タンクの装着が義務付けられる。
A)最大容量2
0
ℓまでのタンクを1個。なお、コレクタータンクの使用は禁
止される。
B)取り付け位置はシートバックと主要ロール構造体のバルクヘッドの間と
する。
C)すべての燃料タンクには、製造者名、タンクの製造に際し適用された仕
様(規格)、製造月日が表示されていなければならない。
8.
4)燃料タンクの給油キャップ
燃料タンクの給油キャップは車体より突出してはならない。
衝撃の際や不完全なロックによりキャップが緩まないように設計されていな
ければならない。
燃料給油口は衝突により、破損されやすい場所を避けて取り付けなければな
らない。
−1
8
8
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
空気孔はコクピットの後方2
5
0
mm以上の場所に位置すること。
8.
5)オイルキャッチタンク
車両には最小2ℓのオイルキャッチタンクを装着しなければならない。ブリ
ーザーはこのキャッチタンクに排出しなければならない。
この容器は透明なプラスチック製であるか、透明な窓わくを備えること。
ミッションケースより後方に位置してはならない。
第 9条 制動装置
9.
1)2重回路
すべての車両は、同一のペダルによって操作される少なくとも2系統の回路
を有する制動装置を装備しなければならない。この装置の1つの回路に漏れ、
もしくは欠陥が生じた場合でも、ペダルは少なくとも2輪のホイールを依然と
して制御できなければならない。
9.
2)ブレーキ圧の調整
アンチロックブレーキおよびパワーブレーキは禁止される。
9.
3)材質と加工
ブレーキディスクは鉄製に限定され、ディスクへの穴あけ、溝切りは禁止さ
れる。ベンチレーテッドディスクは禁止される。
9.
4)ブレーキキャリパー
すべてのブレーキキャリパーは、同質の金属材で作られていなければならず、
最大4ピストンまでとし、各ホイールにつき1個でなければならない。
9.
5)ブレーキダクト
ブレーキを冷却するためのすべてのダクト類および空気力学的付加物はすべ
て禁止される。
第 10条 タイヤとホイール
10.
1)タイヤ
競技専用タイヤの装着が許される。ただし、タイヤの径は左右同一でなけれ
ばならない。
10.
2)ホイールの数
ホイールの数は4本に限定される。
10.
3)ホイールの寸法
ホイールの幅は6インチを超えてはならない。
−1
8
9
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
ホイールリム径は1
3
インチを超えてはならない。
10.
4)材質
すべてのホイールは、均質の鉄またはアルミ合金で作られていなければなら
ない。(ただし、アルミ合金の場合はJWLまたはVIA規格に合致している
こと。)
第 11条 安全装置
11.
1)消火器
すべての車両は、内容量2kg以上の粉末消火器、またはFIA国際モータ
ースポーツ競技規則付則J項第2
5
3
条7に記された消火剤および内容量、ある
いは同第2
5
9
条1
4
に記された消火器を、ドライバーが速やかに操作できるよう
に搭載しなければならない。取り付け位置は車体構造の内側とし、コクピット
内とエンジンルームに同時に散布する2系統の消火装置でなければならない。
11.
2)記載項目
1)以下の情報を各消火器に明記しなければならない:
a)容器の容量
b)消火剤の種類
c)消火剤の重量もしくは容量
d)消火器の点検日
2)消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以
内とする。(消火剤の充填日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用
してはならない。)
3)2年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店などの有資格者
による点検を受けること。
11.
3)電気回路開閉装置(サーキットブレーカー)
ドライバーが安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転席に着
座した状態で操作できる放電防止つきサーキットブレーカーによって、点火装
置、燃料ポンプ、および電気回路を遮断することができなくてはならない。
ス イ ッ チ は コ クピットの右側に取り付けられ 白 い 縁 ど り を し た 底 辺 が
1
0
0
mmの青い三角の中に赤色のスパークを描いた標識で表示されていなくて
はならない。また、外部からでも容易に操作できるような構造になっていなけ
ればならない。
−1
9
0
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
11.
4)後方視界用ミラー
すべての車両は、ドライバーが後方と車両の両側を見ることができるよう取
り付けられた最低2つのミラーを有していなくてはならない。
各ミラーの反射面の最小幅は1
5
0
mmで、少なくともそれが縦50
mmにわたり
維持されていなければならない。各コーナー部については最大半径1
0
mmのR
が上記寸法内で許される。
技術委員は、通常に着座したドライバーが確実に後方車両を確認できるよう
な検証を実施することができる。
11.
5)安全ベルト
2本の肩部ストラップ、1本の腰部ストラップおよび2本の脚部ストラップ
の装着が義務付けられる。
これらのストラップは、車両に確実に固定され、FIA基準88
5
3
/
9
8
に合致
していなければならない。
11.
6)尾灯
すべての車両には、競技会中作動する少なくとも白熱球の21
ワット相当以上
の明るさをもつ赤色警告灯を装備していなくてはならない。
1)車両の縦方向の中心線に対して9
0
°で後方に面していること。
2)後方からはっきりと見えること。
3)車両の中心線より1
0
0
mm以上の所に取り付けないこと。
4)地上から最低4
0
0
mmの所にあること。
5)その表面は最小2
,
0
0
0
mm2の面積を有すること。
6)車両に正常に着座したドライバーによって点灯できるものでなくてはな
らない。
11.
7)ヘッドレスト・サイドパッド
すべての車両は、直径5
0
mmのパッドを介し垂直に8
3
3
N(8
5
kg)の荷重を加
えた時に、5
0
mm以上変形しないヘッドレストを備えていなくてはならない。
ヘッドレストは、4
0
,
0
0
0
mm2以上の領域にわたり、その厚さが5
0
〜6
0
mmの
衝撃吸収材を有しなければならず、連続的であり、突出した部分があってはな
らない。
衝撃吸収材は、FI
Aが指定したCONFORFo
r
m CF4
5
(
Bl
ue
)
、またはそれと同
等の性能を有するとJAFが認めた材質でなければならない。
−1
9
1
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
また、正常な着座位置にあるドライバーのヘルメットの両側に直接沿う位置
のコックピット両側の、少なくとも2
5
,
0
0
0
mm2の領域にわたり、その厚さが5
0
〜6
0
mmの衝撃吸収材によるパッドを装備しなくてはならない。
ヘッドレスト、サイドパッドの上面は、少なくともコックピット開口部と同
じ高さでなければならず、工具を使用しなくても取り外せるような構造になっ
ていなければならない。
固定具を使用する場合には、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在
が明確に表示されていなければならない。
ヘッドレスト、サイドパッドは、事故による衝撃がドライバーの頭部に加わ
った時に、ドライバーのヘルメットが最初に接触する場所になければならない。
第 12条 安全構造
12.
1)車体構造
12.
1.
1)車体の構造は左右対称でなければならない。すなわち、その車を水平にし、
計量した場合、いずれの片側半分の重量も全体の重量の半分でなければならな
いが、その半分の重量の±5%の誤差が許される。車両はすべてのタンクを満
たし(燃料、水、オイル)、バラストを除いた状態で計測される。
12.
1.
2)スペースフレーム前端のバルクヘッドから主要ロール構造体のバルクヘッ
ドまでの間は、スペースフレームに厚さ1
.
6
mmの鉄板を溶接で組み合わせた構
造でなければならない(フロントバルクヘッド、フロアパネル、サイドパネル
の4面に取り付けなければならない)。この鉄板には機能部品の搭載構成上に
必要な部分的な開口は許されるが、開口部は最小限の大きさでかつ大きな強度
低下がおこらないように考慮されていなければならない。開口部にスペースフ
レームが存在する部位についてはこの限りではない。
12.
1.
3)スペースフレーム構造とは最低限主要となる4本のパイプを四隅に配置し、
バルクヘッドと斜材とによりトラス構造をなすフレーム形式をいう。
12.
1.
4)スペーススレームをウォーターパイプおよびオイルパイプに併用してはな
らない。
12.
1.
5)主要となる4本のパイプは最外径2
8
mm以上の真円で肉厚1
.
6
mm以上の丸
パイプ、最外形の対向する二辺の長さが各々2
8
mm以上で肉厚1
.
6
mm以上の正
方形もしくは長方形の角パイプ、短辺28
mm以上かつ長辺5
4
mm以上で肉厚
1
.
6
mm以上の扁平パイプ(長方形を除く)のいずれかを使用しなければならない。
−1
9
2
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
ドライバーの足部裏面からドライバー座席の背部までの範囲において上記の
主要となる4本のパイプは車両の中心線から1
5
0
mm以上離れた場所に位置し
なければならない。
12.
1.
6)フロント・サスペンション・アームの車体側取り付け点は車体構造すなわ
ちスペースフレームの外側に位置しなければならず、取り付け点より車体構造
の内部に向かう方向にはスペースフレームを構成するパイプ、または肉厚
1
.
6
mm以上の鉄板がなければならない。
12.
1.
7)ドライバーの足部裏面からドライバー座席の背部までのいかなる点でもコ
クピットの内部断面積は8
0
,
0
0
0
mm2以下であってはならず、また最小幅はコク
ピ ッ ト の 全 長 を 通 じ3
0
0
mm以 上 で、主 要 ロ ー ル 構 造 体 の 前 部 か ら 前 方 へ
6
0
0
mmの部分については5
0
0
mm以上を確保しなければならない。ただし、四
隅に配置される主要となるパイプ以外でフレーム底面を構成するパイプは上記
の最小幅に含まれない。
12.
1.
8)主要ロール構造体バルクヘッドから後方のスペースフレームはベルハウジ
ングで終了してもよい。
12.
2)前部衝撃吸収構造体
前 部 衝 撃 吸 収 構 造 体 は 前 部 横 断 隔 壁 の 前 方30
0
mmの 位 置 に 少 な く と も
2
0
,
0
0
0
mm2の断面を有し、前部横断隔壁と接する部分の断面は横2
4
0
mm以上、
縦2
5
0
mm以上でなければならない。
この前部衝撃吸収構造体は前面、上下左右面で構成され、取り付けに際して
の最小の曲げ加工(最大曲げ半径1
0
mm)を除き平面板でなければならず、前
部衝撃吸収構造体部材はアルミニウム合金50
5
2
またはこれと同等以上の強度を
有していなければならない。
部材の肉厚は2
mmを下回ってはならない。前部衝撃吸収構造体の上面板に
は穴を開けられるが、元の強度が維持されていなければならない。
ドライバーが通常に着座した状態で、操作されていない位置にあるペダルの
上に乗せられた足の裏は、フロントホィール中心線より前方に位置してはなら
ない。
12.
3)側面防護体
ドライバーを防護するために、車両の両側に側面防護体を設けなければなら
ない。
−1
9
3
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
側面防護体の構造は、車両の中心線から最小5
5
0
mmのところに高さ3
0
0
mm
以上、前後長さは第2ロール構造体の前端から燃料タンク後端までを覆うもの
で、外径2
5
.
4
mm以上、肉厚1
.
2
mm以上のパイプで四角い構造とし、角は半径
1
0
0
mm(外Rで測定し1
1
2
.
7
mmの円弧に対して±5mm)以内で曲げることが
出来る。
この四角い構造材とメインフレーム間は、上下各2本の外径2
5
.
4
mm以上、
肉厚1
.
2
mm以上のハイプを水平な配置で繋げなければならない。
この水平に配置されたパイプの取り付け高さは、側面防護体の半径10
0
mm
以内とする。
パイプ同士の取付け間隔は上下が最低1
4
0
mm、上側同士および下側同士は
3
5
0
mm以上離れていなければならない。
側面防護体およびこれを構成する取付け水平パイプは、上面および車体側面
から見てすべて側面防護体カウルにて覆われていなければならない。
側面防護体カウルは車体側面から見て側面防護体をすべて覆わねばならず、
かつ側面には穴やスリット等の空気が通過できる構造であってはならない。た
だし、側面防護体の最後端より後方はこの限りではない。側面防護体カウルの
材質はFRPに限定する。
側面防護体
メインフレーム
300mm以上
外径25.4mm以上、肉厚1.2mm以上水平に取り付けること
外径25.4mm以上、肉厚1.2mm以上
100R以内
第2ロール構造体前端から燃料タンク後端以上
550mm以上
第11-2図
12.
4)ロール構造体
12.
4.
1)安全構造の基本目的はドライバーの防護にある。この目的は設計の基本考
察である。
12.
4.
2)すべての車両は少なくとも2つのロール構造体を装備しなければならない。
主要ロール構造体は、ドライバーの後方に位置しなければならない。
第2構造体は、ステアリングホイールの前方になければならないが、いかな
−1
9
4
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
る地点においてもステアリングホイールのリム上端の前方2
5
0
mm以上前にあ
ってはならない。
主要ロール構造体は、第2ロール構造体の後方に5
0
0
mm以上離れていなけ
ればならない。
2つのロール構造体は、いかなる時でもそれらの頂点を結ぶ線より、ドライ
バーが正常に着座し、ヘルメットをかぶり、シートベルトを締めた状態の時、
そのドライバーのヘルメットの頂点およびステアリングホイールのリム上端が
下に来るような高さがなければならない。
12.
4.
3)第2ロール構造体は外径3
5
mm以上、肉厚2mm以上の冷間仕上継目無鋼
管を使用し、曲げはR1
2
5
mm(外Rで測定し1
4
2
.
5
mmの円弧に対して±5mm)
以上の1回曲げで構成しなければならない。
12.
4.
4)主要ロール構造体の頂点は、コクピット底面から垂直に測定し、少なくと
も9
5
0
mm以上なければならない。
12.
4.
5)主要ロール構造体の頂点は、通常の運転姿勢におけるドライバーのヘルメ
ットの頂点から少なくとも5
0
mm以上、上方になければならない。
12.
4.
6)主要ロール構造体の頂点より5
0
mm低いところを通る水平面上に構成され
る主要ロール構造体の垂直投影面積は最低1
0
,
0
0
0mm2なければならない。
12.
4.
7)主要ロール構造体は、コクピット底面から垂直に高さ5
0
0
mmの位置で、
その全幅は4
0
0
mm以上なければならない。主要ロール構造体は外径3
5
mm以上、
肉厚2mm以上の冷間仕上継目無鋼管を主材として使用し、その曲げ部はR
5
0
mm(外Rで測定し6
7
.
5
mmの円弧に対して±5mm)以上の1回曲げで構成
しなければならない。円弧の内心角は1
8
0
°を超えてはならない。
12.
4.
8)主要ロール構造体より後方にのびる後方支持部材は、外径2
5
.
4
mm以上、
肉厚1
.
6
mm以上の冷間仕上継目無鋼管を使用し、取り付けはフレーム構造体に
連結されて強固に取り付けられなければならず、その角度は水平より60
°以内
でなければならない。
12.
5)側面ロール構造体
コクピット両側面には車体下面より最低5
0
0
mmの高さに側面ロール構造体
を取り付けること。
側面ロール構造体は、直径2
5
.
4
mm以上、肉厚1
.
6
mm以上の鉄パイプで構成
され、主要構造体と第2構造体を強固に連結されなければならない。
−1
9
5
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
12.
6)ロール構造体の強度
主要ロール構造体および第2ロール構造体の頂点に、次の最小荷重が同時に
加わっても耐えられるものでなければならない。
−1
.
5
W横方向
−5
.
5
W前後方向
−7
.
5
W垂直方向
Wは4
.
8
0
2
KN(4
9
0
kgf
)とする。
参加者は、車体製造責任者またはその設計者による証明書を、競技会の技術
委員の求めに応じ提出しなければならない。
証明書には、このロール構造体の図面または写真が添付され、このロール構
造体が上記荷重に耐え得ることが明記されていなければならない。
一般考察:
1)ボルト、ナットを使用する場合には、その数に応じて十分な最小寸法を必要
とする。
その材質は最上級のものであること(航空機用)。
スクエアヘッドボルト、ナットは使用しないこと。
2)構造の主たる部分には継ぎ目の無い1本のパイプを使用し、曲折部分は滑ら
かに連続的に曲げられており、ひだ、あるいは壁部に欠損がないこと。
3) 溶接は全体にわたって最高の技能を持って行われるべきである(通常アーク
溶接、または特別の場合にはヘリアーク溶接が使われる)。
4)スペースフレーム構造に関し、ロール構造体はそれにかかる荷重を広い面積
に分散するように車両に取り付けられることが重要である。ロール構造体を単
一なパイプ、あるいは継ぎ足されたパイプに付帯させるだけでは不十分である。
それぞれの取り付け部にはガセットを使用しその断面積は使用するパイプの
断面積以上の面積であること。
また、これらは強固に補強されていなければならない。
ロール構造体はフレームの延長として設計されるべきで、単なるフレームの
付属として考えるべきではない。
基本構造の強度は十分な考慮が払われるべきである。例えば荷重を分散させ
るため補強バーあるいはプレートを付加すること。
第 13条 燃 料
−1
9
6
−
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
に従うこと。
第3章“公認車両および登録車両に関する一般規定”第1
0
条1
0
.
1
)「燃料−燃焼物」
フロントホイール中心軸より前方の車体幅最大1,300mm
全幅最大1,700mm
最小240mm
NO1バルクヘッド最小300mm
リアホイール中心軸から後方の最大幅900mm
最小トレッド1,200mm
NO1バルクヘッドより600mm前方のコクピット内幅最小500mm
600mm
最小550mm
最大400mm
NO3バルクヘッド最小500mm
300mm
−1
9
7
−
600mm
最小 10,000mm2
断面A-A
A
最大260mm
リアオーバーハング最大600mm
第11-3図
300mm
最小断面積 20,000mm2
第2ロール構造体の前端から
A
燃料タンク後端まで
最小500mm
最小950mm
最小R5mm
最大250mm
フラットボトム区間
最低地上高50mm以上
50mm
500mm
ホイールベース最小2,200mm
60
°
最大
サイドロールバー最小高500mm
側面防護体の高さ最小300mm
側面防護体最大曲げ半径R100mm
フロントオーバーハング最大900mm
最小50mm
第1
1
章 スーパーFJ(S−FJ)
最小
R5
0
高さ500mmの最小幅400mm
5
最
第11-4図
−1
9
8
−
小
2
R1
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
第12章 フォーミュラ4(F4)
第 1条 規 定
1.
1)改定に関する公表年月日
JAFは、毎年遅くとも1
0
月にこれらの規定に関する改定内容を発表し、通
常、翌年の1月1日から施行する。
ただし、安全上の理由による改定は上記にかかわらず直ちに施行する。
1.
2)エアリストリクターについての変更
JAFは性能の均衡化のため、エアリストリクターの寸法を変更することが
できる。
1.
3)危険な構造
自動車が危険とみなされた場合、その車両は競技会の審査委員会によって除
外されることがある。
1.
4)規則の遵守
車両は、競技期間中いかなる時でも、これらの規則に合致していなければな
らず、第4編付則“F4車両規定の競技会用実施細則”をも遵守すること。
1.
5)測 定
すべての測定は、車両が平坦な水平面の上に静止した状態で行われなければ
ならない。
1.
6)競技参加者の義務
競技参加者は競技期間中、いかなる時でも自己のF4車両が本規定に合致し
ていることを、車両検査委員および競技会審査委員会に立証する義務がある。
1.
7)アクティブサスペンション
アクティブサスペンションは禁止される。
1.
8)材質/加工規制
1.
8.
1)材質規制
以下の材質は使用を禁止する。
マグネシウム/チタニウム/カーボン/アラミド繊維/インコネル。
サバイバルセル、ホイールテザー、およびシャシー前部横断隔壁の前方の独
立した衝撃吸収構造体に関してのみ、カーボン/アラミド繊維を使用すること
−1
9
9
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
ができる。
1.
8.
2)加工規制
DLC加工(類似した加工、表面処理を含む)は禁止する。
1.
9)クロームメッキ
サスペンションに対するクロームメッキは禁止される。
第 2条 車体と寸法
2.
1)車 幅
2.
1.
1)ステアリングホイールを直進状態にしたときのコンプリートホイールを含
む車体の全幅は1
,
7
0
0
mmを超えてはならない。
2.
1.
2)フロントホイールの中心線より前方の幅
フロントホイールの中心線より前方の車体の全幅は1
,
3
0
0
mmを超えてはなら
ない。
2.
1.
3)フロントホイールとリアホイールの間の形状
フロントホイールの中心線より後方とリアホイールの中心線の前方にある車
体の最大幅は1
,
3
0
0
mmを超えてはならない。この中に衝撃吸収構造体は含まれ
る。
エアボックスを除き、リアホイールの中心線より前方の車体で、リアコンプ
リートホイールの高さより上方の車体のいかなる部分も、車両の縦方向軸の中
心から4
5
0
mmを超えてはならない。
2.
1.
4)リアホイールの中心線より後方の幅
リアホイールの中心線から後方の車体の幅は、9
0
0
mmを超えてはならない。
2.
2)オーバーハング
リアホイールの中心線より後方6
0
0
mm以上の所に車両のいかなる部分もあ
ってはならない。
フロントホイールの中心線より前方1
,
0
0
0
mm以上の所には、車両のいかなる
部分もあってはならない。
ホイールの中心線とは左右のハブセンター間を結ぶ中心線をいう。
2.
3)高 さ
ドライバーが正常に着座し、また正常にレース装備した車両のいかなる部分
も、安全ロール構造体を除き、地上から9
0
0
mmを超えてはならない。
安全ロール構造体のうち、地上高90
0
mmを超える部分は、車両の性能に大
−2
0
0
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
きく影響を与えるような空気力学的形状をもってはならない。
2.
4)ホイールベース/トレッド
最小ホイールベース:2
,
0
0
0
mm
最小トレッド :1
,
2
0
0
mm
2.
5)フラットボトム
2.
5.
1)前部コンプリートホイールの後端と後部コンプリートホイールの前端との
間にあって、車両の真下から見える車体のすべての構成部分は、±1
0
mmの許
容範囲内で1つの平面上(フラットボトム)に位置しなければならない。
また、フラットボトムの後端はリアコンプリートホイールの前端より後方で
リアコンプリートホイール軸で終結しなければならない。これらすべての部分
は、いかなる状況下にあっても、均一で、固形で、堅固で、硬直なソリッドパ
ネルのみが許され(ハニカムサンドイッチ構造は禁止)(車体/シャシー構成
部にしっかりと取り付けられていること)不浸透性の表面でなければならず、
これらの部分によって形成される表面の周囲は、最大半径50
mmの上向きに湾
曲させることができる。フラットボトム後端部の形状は、上向きに平面で立ち
上げることが許されるが、その高さはフラットボトムを形成する平面から上方
に2
0
mm以内とする。
2.
5.
2)±1
0
mmの許容差が、考えられる製造上の問題点を網羅するために規定に
導入されているが、これは“フラットボトム”の精神に反する設計を許すため
のものではない。
2.
5.
3)いかなるスキッド、スカートあるいは“フラットボトム”から突き出して
いる他の装置(上と同様に導入された±1
0
mmの許容差)も、本条文に関連す
る規定に抵触するため、フラットボトム区画から取り除かなければならない。
2.
5.
4)車両の底部を防護するため、スキッドをフラットボトム区画の外に配置す
ることができるが、本規則第2条「車体と寸法」を遵守しなければならない。
なお、スキッドの端部は半径5mm以上の面を持つこととする。
2.
5.
5)フロントホイール軸より前方と車両の縦方向軸の中心線から2
0
0
mm以上離
れたすべての車体構造は、“フラットボトム”により形成される平面より車両上
方に なければならない。
2.
5.
6)上記フラットボトムの後端より後方において地表と車両の主要部分との間
を全面的あるいは部分的に遮断するような空気力学的構造物は一切禁止される。
−2
0
1
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
(ディフューザー構造等の禁止)
2.
6)空気力学的装置
車両の空気力学的性能に影響する車両の他のすべての特定の部分は、本条文
に関連する規定を遵守していなければならない。例えば、前部ウイング末端の
板状部(翼端部)は、柔軟であってはならず、かつ1枚の平板であっても空気
力学的性能に影響を及ぼすいかなる部品も追加することを禁止する。
車両の空気力学的影響を有する特定の部分は:
‐車体に関する規則に合致していなくてはならず、
‐車体の主要部分に完全に取り付けられていなくてはならず(しっかりと取り
付けられるとは、固定されていない部分があってはならないという意味であ
る。)
‐車体の突出部と固定されていなくてはならない。
車両の主要部と地表との間隙を連結するいかなる装置あるいは構造体は、あ
らゆる状況下でも禁止される。
いかなる状況下にあっても本条によって規定される表面によって生ずる幾何
学平面より下部に位置してはならない。
2.
7)ウイング
フロントおよびリアウイングは1枚で構成され2枚以上で構成することは禁
止する。なお、ウイングの形状は前方および上方から見て長方形であり、全域
にわたって同一断面形状を維持しなくてはならない。
各ウイングにガーニーフラップの取り付けが許されるが、形状は一直線に曲
げたものでウイングの後瑞から後方1
0
mm以内とし隙間を開けてはならない。
各ウイングには平板の翼端板を設ける事ができる。フロントウイングの翼端
板の全ての角度(上側、下側共)には車両側方から見て、最小半径3
5mmのR
を付けることが推奨される。また、平板の周囲は、半径5mm以上の円弧の断
面形状を持つこととする。このR形状を形作る範囲は平板とならなくてもよい。
2.
8)コクピット
2.
8.
1)コクピット開口部
コクピットに入るための開口部は図に示される水平板(テンプレート)がス
テアリングホイールを取り外した状態で車両上部から垂直に挿入できるもので
なくてはならない。テンプレートをコクピットの開口部の最下端より下に
−2
0
2
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
2
5
mm下げることが可能でなくてはならない。
測定時には、ドライバーサイドパッドは取り外すこと。
ドライバーは、ドアを開けたり、その他の部分を移動させることなく、乗降
できなくてはならない。
300mm
450mm
車両中心線
600mm
平面図
第12-1図
2.
8.
2)脱出時間
コクピットは、ドライバーが通常の位置に着座し、すべての運転装置を取り
付け、安全ベルトを締めてステアリングホイールが最も不都合な状態にあって
も、ドライバーが5秒以内に外に出られるように設計されていなければならな
い。
第 3条 重 量
3.
1)車両の最低重量
大会期間中を通じ5
5
5
kgを下回ってはならない。
3.
2)バラスト
バラストはその取り外しに工具を必要とするような方法で固定されるならば
使用することが許される。技術委員が封印を施すことができるようなものでな
ければならない。
第 4条 エンジン
4.
1)エンジンの種類
レシプロピストンによる一般市販エンジンが使用できる。一般市販とは、誰
もが容易に購入できるよう、価格と販路が公開される事である。ただし性能の
均等化の為、新規に使用するエンジンはシーズン開始前にJAFに申請し、承
認を受けなければならない。
−2
0
3
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
4.
1.
1)最大容積
2
,
0
0
0
c
c
を含み2
,
0
0
0
c
c
までとする。
4.
1.
2)シリンダーの最大数
最大4とする。
4.
1.
3)過給装置は禁止される。
4.
2)吸気系統
シリンダーヘッドとスロットルリングフランジの外側の間にある吸気系統す
べての要素。
4.
3)エンジンの改造
規定によって許されていないすべての変更および調整、仕上げは厳禁される。
エンジンに対して行うことのできる作業は、エンジン性能の個体差をなくし、
性能を向上させると同時に恒久的にコストの削減を目的とした作業のみである。
具体的には鋭角部の除去、角部のR作業、シリンダーヘッドポート内の研磨
加工、クリアランスの調整作業である。ただし、元の寸法を変更することは許
されない。元の寸法とは申請され承認を受けたエンジンの諸元表に記載された
寸法のことである。
これら以外に使用による磨耗事故によって損傷した部品は、いずれも損傷し
た部品と全く同一の日本国内で購入できる(輸出用を含む)部品によってのみ
交換が許される。シリンダーヘッドとエアボックスの間の吸気装置は自由とす
る。
ただし、吸気系の長さを可変できる装置、およびそれに類する装置はすべて
禁止する。また空気の量をコントロールするスロットルバルブの径は最小
4
3
mm、最大4
5
mmで最大4個までとする。吸/排気ポートの切削による加工
は自由。ただし、肉盛り等、材料の付加は方法の如何を問わず許されない。ま
た、ポートに対するインサート等の加工も許されない。
円形断面を有する、長さ3mm、直径2
5
mmの並行孔のエアリストリクター
を取り付けること。エンジンに吸入される空気はすべてこのエアリストリクタ
ーを通過すること。1
.
2
)に従いエアリストリクター径が変更されることがある。
エアリストリクターは、金属性でなければならない。
エアボックスの材質は多孔性でない限り自由とするが容積は最大9
.
5
ℓとす
る。
−2
0
4
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
また、エアボックスはコンプリートホイールから1
5
0
mm以上離れていなけ
ればならない。
マニホールド、インジェクター、エアボックスおよびエアリストリクターを
含む全吸気系は長さ1
,
0
0
0
mm、幅5
0
0
mm、高さ5
0
0
mmの箱に納まるものでな
ければならない。ただし、水平対向エンジンについては、エアリストリクター
は5
0
0
mm×5
0
0
mm×3
8
0
mmを超えることのないエアボックスに取り付けるこ
と。
吸気系はシリンダーヘッドと一体でエンジンから取り外しうるよう規定され
る。
4.
3.
1)シリンダー径の拡大は0
.
5
mmまで許されるが気筒容積は2,
0
0
0
c
c
を超えては
ならない。ただし、シリンダー径の歪修正の場合は元の寸法に対してトレラン
スを02
.%まで許容する。また、修正のためのシリンダーライナーの入れ替え
は鉄製に限り許される。加工に伴う上面の研磨も許される。
4.
3.
2)サーモスタット
サーモスタットは自由。
4.
3.
3)オイルフィルター
オイルフィルターは自由。
4.
3.
4)ヘッドガスケット
ヘッドガスケットは自由。
4.
3.
5)カムシャフト、カムギア、バルブスプリング、バルブシート、バルブリフ
ター、ロッカーピポット、バルブクリアランスの調整機構は自由とする。ただ
し、可変バルブタイミングシステムの使用は禁止される。これに伴う最小限の
改造は許される。材質の変更も禁止される。
4.
3.
6)ピストンおよびコンロッドはバランス調整のみ許されるが、それぞれ1個
が未加工品であること。ただし、バルブとの接触をさける加工は全ピストンに
許される。
クランクシャフトの最低限のバランス調整は許される。
シリンダーブロックのクランクキャップ部分に対するステフナー(補強材料)
の取り付けは、そのボルトを含め許される。ただし、その取り付けは既存のボ
ルト穴を利用しなければならない。
4.
3.
7)ドライサンプ方式への変更は許される。(オイルパン、オイルポンプ駆動
−2
0
5
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
用ベルト、プーリーの変更も含む)ただし、ドライサンプのスカペンジポンプ
の数は2個までとする。
ドライサンプ方式への変更に伴い、元のオイルパンと接合する部分の切削加
工および溶接等による最小限の加工は許される。
オイルポンフ駆動用ベルト、プーリー等の変更にともない、元のアイドルプ
ーリーやウォーターポンプ等のプーリーを含め、最小限の変更は許される。
4.
3.
8)フライホイール
フライホイールは自由とする。ただし、材質は鉄製で重量は2
.
5
kg以上とす
る。
4.
3.
9)インジェクター、燃料ポンプ
インジェクターは、最大4個までとし、一般市販のものとする。燃料ポンプ
は自由。
4.
3.
10)シリンダーヘッド
シリンダーヘッドの平面研磨は自由とする。ただし平面研磨によって生じる
フロントカバーの段つきやボルト穴の長穴加工は許される。
4.
3.
11)スターター
スターターモーターは電気式であれば自由とする。
4.
3.
12)オルタネーター
オルタネーターの容量、形式、取り付け方法は自由とする。オルタネーター
の取り外しも許される。取り外しによって生じる補器類駆動のベルトやプーリ
ーの改造、アイドラプーリーの追加は許される。
4.
3.
13)性能の均等化の為、ECUおよびインダクションボックスはJAFに申
請し、承認を受けなければならない。
4.
3.
14)シャシーにエンジンを搭載する場合の最小限の変更および改造は許され
る。
4.
4)吸気系統の制御
F4エンジン吸気系、真空度コントロール器具。
以下に示すコントロール器具は、F4用吸気系の真空度をチェックするため
の最良の方法であり、控訴の可能性がないものである。すべてのF4は、レー
ス前後にこれをチェックするため、技術委員の処理により本器具を取り付けな
ければならない。この器具のねらいは、吸気系の中に人工的に真空をつくるこ
−2
0
6
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
とであり、下記のものが含まれる。
‐0
.
0
2
5
〜0
.
0
2
8
m3(2
5
〜2
8
ℓ)/mi
nの公称出力を有し、かつ、空気流ゼロに対
し7
3
〜8
6
kPa
(5
5
〜6
5
c
m Hg)の真空を生ぜしめうるダイヤフラム式真空ポ
ンプ。
‐エアリストリクターに完全にマッチしたゴム製管状ストッパー。
‐ゴム製ストッパーと真空ポンプ間のパイプに接続する真空計。
チェックに際し守らなければならない手順は、次の通りである。
a)各シリンダーにおいて少なくとも1個のバルブが閉じる位置になるまでエ
ンジンを回す。
b)噴射スライドまたはキャブレターバタフライを開く。
c)真空ポンプにより2
0
kPa
(1
5
c
m Hg)あるいは、それ以上の空気低下が吸
気系内に生じるかを真空計でチェックする。
d)a)の条件が満たされない場合は、すべてのインレットバルブを閉じるた
めにロッカーアームまたはカムシャフトを取り外す。また、競技中バルブ
が損傷した場合には、当チェック手順以前にエントラントは技術委員監督
下において、それらのバルブを修理してもよい。このような場合、20
kPa
(1
5
c
m Hg)でなく最小限2
7
kPa
(2
0
c
m Hg)の真空を確保しなければな
らない。
4.
5)始 動
電気エネルギー源と始動装置を車両に搭載しなければならず、またドライバ
ー席に通常に着座したドライバーによって作動でき、いかなる時もエンジンを
スタートできなければならない。
なお、グリッドおよびピットにおいて、補助的に外部より電気エネルギー源
を、車両に一時的に接続してエンジンを始動することができる。
4.
6)排気管
排気管の出口は、後方に向けなければならず、水平面から60度以内の上方に
向けることが許容される。
排気管の高さは、 地面から600mmの水平面 以下でなければならない。
走行中の可変装置は禁止される。また、18
.1
.)で使用が禁止される材質を除
き、排気管の材質はサイレンサーを含み自由とする。
触媒装置の装着を義務付ける。装着する触媒装置は、JAFに申請し、承認
−2
0
7
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
を受けなければならない。
4.
7)排気音量規定
すべての車両は第2章“レース車両の排気音量規制”に従うこと。
第 5条 駆動装置
5.
1)トランスミッション
5.
1.
1)最大5段ギアボックス。後退ギアは含まれない。
5.
1.
2)後退ギア
競技に出走したすべての車両は、正常に車両に着座したドライバーによって
操作でき、また正常に作動する後退ギアを備えなければならない。
5.
1.
3)車両は2車輪でのみ駆動すること。
5.
1.
4)横置きギアボックスおよびリアアクスルより前方のギアボックスは許され
ない。
パドルシフト方式は禁止される。
5.
2)ディファレンシャル
リミテッドスリップ方式は認められる。
5.
3)クラッチ
クラッチ外径は5.5インチ以上とする。
第 6条 サスペンション
6.
1)コクピットから調整できるスタビライザーは禁止する。
第 7条 燃料パイプとタンク、ケーブルおよび電気装置
7.
1)ライン/ケーブル/電気装置
ケーブルラインおよび電気装置が、その取り付け位置/材質または連結方法
等に関して航空機工業基準に準拠していない場合、次のことを生じるいかなる
漏れもないよう取り付けなければならない。
‐コクピット内に液体のたまり
‐コクピット内への液体の侵入
‐配線または電気装置と液体との接触
もし、ケーブルラインあるいは電気装置がコクピットを通過する、または、
コクピット内に取り付けられている場合、それらは防火材でかつ液体の侵入を
防ぐ材料によって完全に覆われなければならない。
電気系、燃料系へのMIL規格品の使用は禁止される。
−2
0
8
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
7.
2)パイプライン
すべての燃料の配管は最大作動温度1
3
5
℃で、4
.
1
MPa
(4
1
ba
r
)の最低破裂圧
力を有していなければならない。
7.
3)燃料タンク
最大容積5ℓのコレクタータンクを除くすべての燃料タンクは、FIA/
FT3
1
9
9
9
の仕様に合致するか、あるいはそれを上まわる仕様の燃料ブラダー
でなければならない。
7.
3.
1)JAF/FIA承認の安全燃料タンク
第4編“付則”参照
7.
3.
2)燃料タンク容量はコレクタータンクを含み3
5
ℓ以下とする。
7.
3.
3)タンクの給油口およびキャップ
給油口およびそのキャップは、車体外板より突き出してはならない。
給油口は急速燃料補給の際(特に加圧の下に行う場合)空気の排出ができる
ように十分な直径を有するものとし、かつ、タンクと外気とを結合するブリー
ザーパイプが必要ならばブリーザーパイプより走行中燃料が漏れてはならない。
また、その排出口はコクピット開口部より後方に2
5
0
mm以上であること。
すべてのキャップは、燃料補給後、不完全なロックあるいは衝突による衝撃
によって偶発的に開く危険を少なくするよう十分なロックを確保するように設
計されていなければならない。
レースおよび予選中のガソリン補給は禁止される。
7.
4)衝撃吸収構造体
直接外気にさらされる車両の燃料タンクのすべての部分は、後記の仕様に合
致した衝撃吸収構造体を組み込まなければならない。
この区画はウォーターラジエター、インレットダクト、風防等のように付加
されたものに無関係の車体/モノコック構造より完全に外部の範囲をいう。
a)衝撃吸収構造体は最小1
8
0
kPa
(1
8
N/
c
m2)の衝撃強度をもつ耐火性のコア
を用いたサンドイッチ構造であること。このコアの中を水パイプを通すこと
は許されるが、燃料、オイル、配線を通してはならない。
サンドイッチ構造は2
2
5
MPa
(2
2
5
N/
mm2)の引っ張り強度と5%の最小伸
張度をもつ厚さ1
.
5
mmの2枚で、どちらか1枚はアルミニウムの合金板で包
含されなければならない。代替として、サンドイッチ構造体は、2
2
5
MPa
−2
0
9
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
(2
2
5
N/
mm2)の引っ張り強度を有する厚さ1.
5
mmの2枚の板で包含するこ
とができる。
b)サンドイッチ構造体の厚さは最小1
0
mmなければならない。
燃料タンクの位置する前後の部分は製造者の設計による最も幅の広い点は最
小1
0
0
mmの厚さをもち、長さが3
5
0
mm以上あり、また次第に1
0
mmまで薄く
なった衝撃吸収構造体で防備されなければならない。
上記の衝撃吸収構造体の取り付けを強く推奨する。
第 8条 潤滑系統
8.
1)オイルタンク
車両の主要構造体の外部に位置するすべてのオイルタンクは厚さ1
0
mmの衝
撃吸収構造体で防護されなければならない。ベルハウジング内にエンジンオイ
ルを収容する場合はこの限りでない。
オイルを収容している車両のいかなる部分もギアボックスあるいはファイナ
ルドライブケーシングの後方に位置してはならない。
レース中、オイルの補給は許されない。
8.
2)オイルライン
エンジンに常設されているパイプラインを除き、コクピットの外部にあるす
べてのオイルパイプラインは補強構造でなければならない。
これらは、次の圧力に耐えられなくてはならない:
‐圧力の下でこれらラインの作動について6
.
8
6
MPa
(7
0
kg/c
m2)
‐その他について6
8
6
kPa
(7kg/c
m2)
8.
3)オイルキャッチタンク
車両には最小2ℓのオイルキャッチタンクを装着しなければならない。ブリ
ーザーはこのキャッチタンク内に排出しなければならない。
この容器は透明をプラスチック製であるか、透明な窓わくを備えること。
ミッションケースより後方に搭載してはならない。
第 9条 制動装置
9.
1)制動装置
すべての車両は、同一のペダルによって操作される少なくとも2系統の回路
を有する制動装置を装備しなければならない。この装置は1つの回路に漏れ、
もしくは欠陥が生じた場合でも、ぺダルは少なくとも2輪のホイールを依然と
−2
1
0
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
して制御できなければならない。
9.
1.
1)ブレーキディスクは鉄製に限る。また、パッド摺動面に溝切り加工をされ
たディスクの使用は許される。ただし、パッド摺動面への穴あけは禁止する。
9.
1.
2)ブレーキキャリパーは最大4ピストンまでとし、各ホイールにつき1個と
する。
9.
1.
3)ブレーキを冷却するためのエアダクトを取り付けることが許される。
ただし、フロントブレーキを冷却するためのエアダクトは下記を超えてはな
らない。
‐ホイールの水平中心線上1
4
0
mmの位置にあって、地面と平行な面。
‐ホイールの水平中心線下1
4
0
mmの位置にあって、地面と平行な面。
‐フロントリムの内側面に平行に車両の中心線に向かって1
2
0
mm移動した面。
‐車両の側面から見た時、前方についてはタイヤの周囲、後方についてはホイ
ールリムの周囲。
第10条 ホイールとタイヤ
10.
1)ホイールの最大数
ホイールの数は4本に限定される。
10.
2)位 置
後部空気力学的装置を取り外した車両を平面的に見た場合、コンプリートホ
イールはエアボックスを除く車体の外側になければならない。
10.
3)寸 法
a)コンプリートホイールの幅は1
1
.
5
インチを超えてはならない。
ホイールリム径:1
3
インチとする。
タイヤの径は左右同一とする。
b)幅の測定は、タイヤを通常の走行状態の圧力下で、コンプリートホイール
をドライバーが搭乗した走行状態の地上に静止している車両に装備して実施
する。幅の測定はハブの高さより上部で、コンプリートホイールの最も広い
点で行うこと。
10.
4)材 質
ホイールの材質は鉄またはアルミ軽合金とする。
第 11条 安全装置
11.
1)消火装置
−2
1
1
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
すべての車両には、内容量2kg以上の粉末消火器、またはFIA国際競技
規則付則J項第2
5
3
条7に記された消火剤および内容量、あるいは同第2
5
9
条1
4
に記された消火器を、ドライバーが速やかに操作できるように搭載しなければ
ならない。
11.
2)記載項目
1)以下の情報を各消火器に明記しなければならない:
a)容器の容量
b)消火剤の種類
c)消火剤の重量もしくは容量
d)消火器の点検日
2)消火装置の点検日は、消火剤の充填期日もしくは前回点検期日から2年以
内とする。(消火剤の充填日もしくは前回の点検期日から2年を過ぎて使用
してはならない。)
3)2年毎に製造者、製造者が指定した工場、あるいは代理店などの有資格者
による点検を受けること。
11.
3)後方視界
すべての車両は、その両側にドライバーが後方を見ることができるように少
なくとも2つのミラーを装備しなければならない。
各ミラーの反射面の最小幅は1
5
0
mmで、少なくともそれが縦50
mmにわたり
維持されていなければならない。各コーナー部については最大半径1
0
mmのR
が上記寸法内で許される。
11.
4)ステアリングホイール
ステアリングホイールは迅速に取り外せる機構を備えていなければならない。
その取り外しはステアリングホイール裏側のステアリングコラムに設置された
同心円状のフランジを引く方法であること。
ステアリングホイールに切れ目があってはならない。
スイッチ、メーター、その他の部品等を装着する場合、それらは突起した形
状(トグルスイッチ等)であってはならず、ドライバーと対面するステアリン
グホイールリム全体で形成される平面よりドライバーに近いところに位置して
はならない。
緩衝パッドの装着を推奨する。
−2
1
2
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
11.
5)安全ベルト
肩部ストラップ、1本の腰部ストラップおよび2本の脚部ストラップの装着
が義務づけられる。
これらのストラップは、車両に確実に固定され、FIA基準88
5
3
/
9
8
に合致
していなければならない。
11.
6)電気回路開閉装置(サーキットブレーカー)
ドライバーが安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転席に着
座した状態で、操作できる放電防止つきサーキットブレーカーによって、点火
装置、燃料ポンプ、および電気回路を遮断することができなければならない。
ス イ ッ チはコクピットの右側に取り付け ら れ 白 い 縁 ど り を し た 底 辺 が
1
0
0
mmの青い三角の中に赤色のスパークを描いた標識で表示されていなくて
はならない。また、外部からでも容易に操作できるような構造になっていなけ
ればならない。
外部のスイッチは引く事により操作するもので、主要ロール構造体の基部の
右側に取り付けられ、救急要員が離れた所からフックにより操作できるもので
なくてはならない。
11.
7)尾 灯
すべての車両には、競技中作動する赤色灯を装備していなくてはならない。
1)JAFに申請し、承認を受けたモデルであること。
2)車両の中心線に対して9
0
°の角度で後方に向けられていること。
3)後方から明確に認知できること。
4)車両の中心線より1
0
0
mm以内に設置されなければならない。
5)地上から4
0
0
mm以上の位置に設置すること。
6)取り付け位置は尾灯表面の中心で定義されるものとする。
7)車両に正常に着座したドライバーによって点灯できるものでなくてはなら
ない。
8)操作スイッチにより点灯した時には常時点滅する構造のものを強く推奨す
る。
11.
8)ヘッドレスト・サイドパッド
すべての車両は、直径5
0
mmのパッドを介し垂直に8
3
3
N(8
5
kg)の荷重を加
えた時に、5
0
mm以上変形しないへッドレストを備えていなくてはならない。
−2
1
3
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
ヘッドレストは、4
0
,
0
0
0
mm2以上の領域にわたり、その厚さが5
0
〜6
0
mmの
衝撃吸収材を有しなければならず、連続的であり、突出した部分があってはな
らない。
また、正常な着座位置にあるドライバーのヘルメットの両側に直接沿う位置
のコックピット両側の、少なくとも2
5
,
0
0
0
mm2の領域にわたり、その厚さが5
0
〜6
0
mmの衝撃吸収材によるパッドを装備することができる。
ヘッドレスト、サイドパッドの上面は、少なくともコックピット開口部と同
じ高さでなければならず、工具を使用しなくても取り外せるような構造になっ
ていなければならない。
固定具を使用する場合には、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在
が明確に表示されていなければならない。
ヘッドレスト、サイドパッドは、事故による衝撃がドライバーの頭部に加わ
った時に、ドライバーのヘルメットが最初に接触する場所になければならない。
ヘッドレスト、サイドパッドの衝撃吸収材は、FIAが指定したCONFOR
Fo
r
m CF
4
5(Bl
ue
)、またはそれと同等の性能を有するとJAFが認めた材質
を強く推奨する。
11.
9)安全構造
11.
9.
1)サバイバルセル
1)シャシー構造体は連続した2つの構造部材をドライバーの両側に1つずつ
包含すること。
2)それぞれの構造部材は、燃料タンクの背面から作動していない位置にある
ペダルより前方まで延長され、そして横断隔壁で終結する。
このペダル軸はフロントホイール中心の垂直面より後方に位置しなければ
ならない。
3)それぞれの構造部材を構成する強度部材は、最小引っ張り強度22
5
MPa
(2
2
5
N/
mm2)以上で、その全長を通じ最小1
,
0
0
0
mm2の断面積を有すること。
ハニカム材、発泡材等の空隙を含む材料は強度部材として断面積には含まな
い。
4)その全長を通じそれぞれの構造部材は、金属材料製の場合最小15
,
0
0
0
mm2
の構造断面積(空隙を含む)を有しなければならない。カーボン/アラミド
繊維製の場合はこの限りではないが、金属材料製と同等かそれ以上の強度を
−2
1
4
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
有し、その証明をJAFに提出し、承認を得なければならない。
5)ボックスすべての孔部あるいは切り抜き部は、強固に補強し、またこれら
孔部を通るすべての断面の材質は最低材質・領域の要求条件に合致している
こと。
6)ドライバーの足部裏面からドライバー座席の背部までいかなる点でもコク
ピットの内部断面積は7
0
,
0
0
0
mm2以下であってはならず、また最小幅はコク
ピットの全長を通じ2
5
0
mm以上なければならない。
この部分に侵入してよい唯一の物はステアリングコラムとドライバーの居
住性のためのパッドのみである。
7)前部と後部ロールオーバーバー構造体の間の構造部材の最小高は3
0
0
mm以
上あること。
8.
1)シャシーは前部横断隔壁の前方に独立した衝撃吸収構造体を包含するこ
と。
ラジエターをこの構造体に組み込むことは許される。もし、この構造体が
取り外しできる場合にはしっかりと取り付けられなければならない。
8.
2)構造体は前部横断隔壁の前方3
0
0
mmの位置に最小2
0
,
0
0
0
mm2の断面を有
すること。
8.
3)部材は最小引っ張り強度22
5
MPa
(2
2
5
N/
mm2)以上のアルミニウム材料
とし、部材の厚さは最小1
.
5
mmでなければならない。
カーボン/アラミド繊維製の場合は、金属材料と同等かそれ以上の安全性
能を有すること。
しっかり取り付けられたラジエターは、これら主要条件に合致していると
考察される。孔部あるいは切り抜き部分は元の強度を保有するよう強固に補
強されていなければならない。
11.
9.
2)側面防護体
側面防護体は高さ1
5
0
mm以上あること。それらは、車両の縦の中心線から
最小5
5
0
mmの両側にあり、前部ロールオーバーバーから燃料タンク背面まで
連続して設置されなくてはならない。側面防護体は、180kPa
(1
8N/
c
m2)以上
の衝撃強度をもつコアを用いたサンドイッチ構造であること。
サンドイッチ構造の表面板には225MPa
(2
25N/
mm2)の引っ張り強度と5%
の最小伸張度をもつ表裏の合計厚さ20
.mm以上のアルミニウムの合金板あるい
−2
1
5
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
は同等の強度を持つ材料で構成されなければならない。それぞれの防護体は最
小2
,
0
0
0
mm2の断面積を有すること。側面防護体は側面衝撃の緩和を有効にす
るため車体横断して堅固に連結すること。ラジエターをこれら構造体に取り入
れることができる。このコアの中に水パイプを通すことは許されるが、燃料、
オイル、配線を通してはならない。
11.
9.
3)ロール構造体 1)安全構造の基本目的はドライバーの防護にある。この目的は設計の基本考
察である。
2)すべての車両は少なくとも2つのロール構造体を装備しなければならない。
チタニウム材の使用は禁止される。サバイバルセルがカーボン/アラミド繊
維製でロール構造体が一体の場合、カーボン/アラミド繊維の使用は認めら
れる。
第2ロール構造体は、ステアリングホイールの前方にあり、ステアリング
ホイールの前方2
5
0
mm以上にあってはならず、また少なくともステアリン
グホイールの項点と同じ高さでなければならない。
主要ロール構造体は、第2ロール構造体の後方5
0
0
mm以上離れていなけ
ればならず、ドライバーが通常に車両に着座し、へルメットをかぶり、シー
トベルトを締めた状態のとき、そのドライバーのヘルメットは、第2ロール
構造体の頂点と主要ロール構造体の頂点を結ぶ線を超えてはならない。
座席の背部にある主要ロール構造体は、車両の縦方向の中心線に対し左右
対称であり、また次の項目に合致しなければならない。
‐高さはコクピット底面から垂直に測定し、ロール構造体の頂点までの間が
少なくとも9
5
0
mmなければならない。
‐ロール構造体の頂点は、通常の運転姿勢におけるドライバーのへルメット
から少なくとも5
0
mm上方になければならない。
‐主要ロール構造体の上部より5
0
mm低いところを通る水平面上に構成され
た主要ロール構造体の垂直投影面積は少なくとも10
,
0
0
0
mm2はなければな
らない。
−2
1
6
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
50mm
50mm
横から見た図
上から見た図
車両中心線
垂直投影面積
10,000mm2以上
第12-2図
3)サイドロールバー:
コクピット両側面には車体下面より最低5
0
0
mmの高さにサイドロールバ
ーを取り付けること。
サイドロールバーは第2ロール構造体と主要ロール構造体を連結すること。
サイドロールバー構造体は直径2
5
mm以上で肉厚1
.
6
mm以上の鉄パイプで
あること。ただし、これをサバイバルセルで代用してもよい。
4)ロール構造体の強度:
第2ロール構造体および主要ロール構造体の頂点に、次の最小荷重が同時
に加わっても耐えられるものでなければならない。
‐1
.
5
W横方向
‐5
.
5
W車の前後方向
‐7
.
5
W垂直方向
Wは5
.
7
3
3
kN(5
8
5
kgf
)とする。
参加者は、コンストラクター責任者またはその設計者による証明書を、競技
会の技術委員の求めに応じ提出しなければならない。証明書には、このロール
構造体の図面または写真が添付され、このロール構造体が上記荷重に耐え得る
ことが明記されていなければならない。
−2
1
7
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
一般考察:
1)ボルト、ナットを使用する場合には、その数に応じて十分な最小寸法を必
要とする。その材質は最上級のものであること(航空機用)。スクエアヘッド
ボルト、ナットは使用しないこと。
2)構造の主たる部分には継ぎ目の無い1本のパイプを使用し、曲折部分は滑
らかに連続的に曲げられており、ひだ、あるいは壁部に欠損がないこと。
3)溶接は全体にわたって最高の技能をもって行われるべきである(通常はア
ーク溶接、または特別の場合にはへリアーク溶接が使われる)。
4)スペースフレーム構造に関し、ロール構造体はそれにかかる荷重を広い面
積に分散するように車両に取り付けられることが重要である。
ロール構造体を単一なパイプ、あるいは継ぎ足されたパイプに付帯させる
だけでは不十分である。
ロール構造体はフレームの延長として設計されるべきで、単にフレームの
付属として考えるべきでない。
基本構造の強度は十分な考慮が払われるべきである。例えば適宜に荷重を
分散させるため補強バーあるいはプレートを付加すること。
5)モノコック構造には車両の内部に36
0
゚
の完全な輪状のロール構造体を装備
することが考えられ、また、適切な取り付け板をもって取り付けられる。こ
の種のロール構造体はフレームに代わるものである。
11.
10)ホイールテザー
ホイールと車両との結合を保つすべてのサスペンション連結部が破損した際
にホイールが車両から外れるのを防ぐために、ホイールテザーの装着が認めら
れる。テザーの強度要件は引っ張り強度7
0
kNであることが望ましい。ホイー
ルテザーを装着する場合は、車両の主要構造体と各ホイール/アップライトア
ッセンブリを、断面積が7
5
mm2を上回る柔軟性のあるケーブルで連結しなけれ
ばならない。
第 12条 燃 料
第3章“公認車両および登録車両に関する一般規定”第1
0
条1
0
.
1
)「燃料−燃焼物」
に従うこと。
−2
1
8
−
第1
2
章 フォーミュラ4
(F4
)
全幅最大1,700mm
フロントホイールより前方の車体幅最大1,300mm
最大250mm
600
300
450
A
最小150mm
断面A-A
A
前部ロールオーバーバーから
燃料タンクから背面まで
最小500mm
最小500mm
フラットボトム区間
最小ホイールベース2,000mm
最小50mm
最小300mm
R5
最小断面積2,000mm2
300mm
フロントオーバーハング1000mm
最小550mm
50mm
最小断面積10,000mm2
最小950mm
リアオーバーハング最大600mm
リアホイール中心線から後方の最大幅900mm
最大600mm
安全ロールバー以外の最高地上高900mm
最小トレッド1,200mm
第12-3図
−2
1
9
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
第13章 スーパーフォーミュラ(SF)
第 1条 規 定
1.
1)規定の発行
スーパーフォーミュラ(SF)車両の構造を規定する以下の技術規定はJA
Fによって発行される。
1.
2)規定の改定
JAFは、毎年遅くとも1
0
月にこれらの規定に関する改定内容を発表し、通
常、翌年の1月1日から施行する。
ただし、安全上の理由による改定は上記にかかわらず直ちに施行する。
1.
3)規則の遵守
すべてのSF車両は、競技期間中および公式テスト期間中の いかなる時で
も、これら規則に合致していなければならない。
1.
4)適合車両
1.
4.
1)本規定の以下の条項に合致した車両で、JAFが認めたスーパーフォーミュ
ラ(SF)車両製造者から供給される車両。
1.
4.
2) 本規定で個別に認められた改造、および,スーパーフォーミュラ(SF)車両
製造者が指定した改造以外にいかなる改造も許されない。
1.
4.
3)シャシーの一部として取替えが可能な部品は、本規則で個別に認められてい
るものを除き、すべてスーパーフォーミュラ(SF)車両製造者が供給するもの
に限られる。
1.
5)測 定
すべての測定は、車両を平坦な水平面の上に静止させた状態で行われる。
1.
6)競技参加者の義務
競技参加者は競技期間中、いかなる時でも自己のSF車両が本規定に合致し
ていることを、車両検査委員および競技会審査委員会に立証する義務がある。
1.
7)テクニカルパスポート
すべての競技参加者は、公式登録申請に基づき、JAFが競技参加者の個々
の車両に対して発行するテクニカルパスポートを所持し、常に車両に付帯して
おかなければならない。
−2
2
0
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
いかなる車両も、車両検査でテクニカルパスポートが有効でない場合、競技
に出場することは許されない。
第 2条 車体と寸法
カメラ、カメラハウジング、エンジンおよびトランスミッションと走行装置
の機械的機能に限定して関連する部分を除き、外気にさらされている車両の全
ての懸架部分は車体と定義される。
エアボックス、ラジエターおよびエンジンの排気装置は車体の一部とみなさ
れる。
2.
1)許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更
2.
1.
1)本規定の遵守、ならびに構成部品の正規の取り付け位置および寸法の確保を
目的とした各部品の切削、調整およびシムの追加。
2.
1.
2)オリジナルの車体に対して次の改造が認められる。
1) 車載カメラ、無線、ECU、データロガー、センサーアンテナ、通信コネ
クター、および配線の取り付け。
2) ラジエター、オイルクーラーから放出される空気量を制御する開口部およ
びルーバーの設置。
3) 接合部、留め具、または、任意の傷つきやすい部分の先端部に限り車体に
テープを貼付。
4) 車体(衝撃吸収装置を含む)の塗装。
5) 車高センサー防護用カバーの設置。
(1) 平面視において、縦横断面比は 3.
5:1以下。
(2) 側面視において、200mm×80mmの領域以内。
6) ガーニータイプのトリムタブの取り付けおよび取り外し。
2.
2 )ホイールの中心線
ホイールの中心線とは、いずれも床面に垂直に静止している車両のタイヤト
レッドの中心を基準にしてコンプリートホイールの相対的な側面の2つの垂線
の中間をいう。
2.
3 )高さの測定
すべての高さは基準となる面(以下、基準面)を基準として、そこから計測
されるものとする。
2.
4 )全 幅
−2
2
1
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
操舵される車輪 を直進位置に向けた状態でのコンプリートホイールを含む
車体の全幅は1
,
900mm を超えてはならない。
車体の全幅は、空気圧1
.
4
ba
r
のタイヤを取り付けた状態で測定するものとす
る。
2.
5 )リアホイールの中心線より前方の幅
2.
5.
1)リアホイールの中心線とフロントホイールの中心線との間にある車体の幅
は、1
,
600mm を超えてはならない。
2.
5.
2)フロントホイールの中心線から前方にある車体の幅は、1
,
900mm を超えて
はならない。
2.
5.
3)他の車両のタイヤに損傷を与えることを防ぐため、フロントホイール前方
の車体側面先端部の頂点および前端(フロント翼端部先端を構成するすべての
部分を含む)は、少なくとも半径5mmの丸みを帯びており、最低1
0
mmの厚さ
がなければならない。
車両中心線に対し、上面視で6
0
°未満の角度で後退している場合には、これ
らの領域にある車体の一切の水平部分の前端部はこの要件に合致する必要は無
い。
2.
6 )リアホイールの中心線より後方の幅
2.
6.
1) リアホイールの中心線から後方の車体の幅は、1,
000mm を超えてはならな
い。
2.
6.
2)基準面から650mm以上の高さに位置する車体部分の幅は、リアホイール中
心線とその後方600mmの間にあっては895mmを超えてはならず、600mm以上
後方にあっては、950mmを超えてはならない。
2.
7 )全 高
車体のいかなる部分も、基準面から上方9
50mm を超えて位置してはならな
い。
2.
8 )フロント車体部分
フロントホイール中心線の後方3
3
0
mmの地点 より前方に位置し、車両の中
心線と中心線から7
2
5
mmの間にある車体のすべての部分は基準面 上方6
0mm
以上でなければならず、7
2
5
mmを超える所にある部分は基準面 上方6
0mm 以
上3
20mm 以下でなければならない。
折り目から1
5
mmを超えないガーニータイプのトリムタブ は許される。
−2
2
2
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
ガーニータイプのトリムタブ の曲げ角度は任意だが、基準面から高さ
320mm を超えてはならない。
2.
9 )リアホイール前方の車体
2.
9.
1)1
3.
4)で規定する 後方視界用のミラーとその取り付け部を除き、フロント
ホイールの中心線より3
3
0
mm以上後方、およびリアホイールの中心線より
3
3
0
mm以上前方にあり、基準面から高さ6
0
0
mm以上にある車体のいかなる部
分も、車両の縦方向の中心線から3
10mm 以上離れてはならない。
2.
9.
2)リアホイール中心線とリアホイール中心線より5
5
0
mm前方に引いた線の間
で、車両の中心線から5
0
0
mmを超える位置にある車体のいかなる部分も、基
準面から3
7
5
mmを超える高さにあってはならない。
2.
9.
3)リアホイール中心線とリアホイール中心線より4
0
0
mm前方に引いた線の間
で、車両の中心線から5
0
0
mmを超える位置にある車体のいかなる部分も、基
準面から3
3
5
mmを超える高さにあってはならない。
2.
10 )リアホイール間の車体
2.
10.
1)リアホイールの中心線とリアホイールの中心線より3
3
0
mm前方の地点と
の間にある車体のいかなる部分も、基準面から8
05mm を超える高さにあって
はならない。
2.
10.
2)リアホイールの中心線とリアホイールの中心線より1
20mm 後方の地点と
の間にある車体のいかなる部分も、基準面から5
6
0
mmを超える高さにあって
はならない。
2.
11 )リアホイールの中心線から後方の車体
2.
11.
1)リアホイールの中心線から1
20mm 以上後方に位置する 車体のいかなる部
分も、基準面から高さ9
50mm 以上にあってはならない。
2.
11.
2)リアホイールの中心線から1
20mm 以上後方で、基準面から高さ690mm
と9
50mm の間にある車体で、車両の中心線から115mm離れた地点と405mm
離れた地点との間にあるいかなる部分も、車両を側面から見た場合、基準面上
方6
90mm と950mm の間で、リアホイール中心線後方140mm と540mm の間
に位置する領域に収まっていなければならない。
この領域を側面から見たとき、その縦断面に2つを超えて閉鎖部分があって
はならない。
2.
11.
3)車両の走行中に、これらの領域の関係が変化する可能性が無いことを確
−2
2
3
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
実にするため、堅固な複数の支持体を使用し、互いに架橋されなければならな
い。
2.
11.
4)折り目から1
0mm を超えないガーニータイプのトリムタブ は許される。
ガーニータイプのトリムタブ の曲げ角度は任意だが、角度にかかわらず基
準面から高さ9
50mm を超えてはならない。
2.
12)フロントホイール周囲の車体
1
0.
5)で規定するエアダクトおよび13.
4)で規定する後方視界用のミラーと
それらの取り付け部 を除き、平面に見て、車両の中心線から350mm および
950mm の所にある2本の縦方向の線と、フロントコンプリートホイールの中
心線から前方4
00mm および同ホイールの中心線から後方800mm の所にある
2本の横断線とによって形成される領域には、いかなる車体の部分もあっては
ならない。
2.
13 )地面に面した車体部分
2.
13.1)フロントホイールの中心線より1,
000mm 以上後方、およびリアホイール
の中心線より3
3
0
mm以上前方にある、車両の下から見える懸架部分はいずれ
も、基準面とステップ面のどちらかを形成するものとする。これは、見えてい
る後方視界用ミラーのいかなる部分ならびにサスペンションアーム・ブラケッ
トにも適用されない。
2.
13.2)さらに、すべての部品によって基準面上に形成される面は次の条件を満
たさなければならない。
‐フロントホイールの3
3
0
mm後方の地点からリアホイールの中心線まで継続す
る。
‐その幅は最小3
0
0
mm、最大4
75mm とする。
‐車両中心線を軸に左右対称とする。
2.
13.
3)フロントホイールの中心線より33
0
mm以上後方、およびリアホイールの
中心線より3
3
0
mm以上前方にある、車両の下から見える懸架部分はいずれも、
均一で、重厚で、堅く、連続していて、固定され(車体/シャシーに関してい
かなる遊びもないこと)、不浸透性の表面となっていなくてはならない。
基準面とステップ面の表面に、これら自身の面に完全に囲われた穴を設ける
ことが認められるが、車両部品が車両の真下からそれらの穴を通して直接見え
ないことを条件とする。
−2
2
4
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
2.
13.
4)製造上の問題および、すべての規定に準拠していなければいかなる設計
も認められないという点を考慮し、フロントホイール中心線の33
0
mm後方の
地点とリアホイール中心線の間にある基準面とステップ面の表面の形状に対し
て±5mmの垂直公差が認められ、車両の真下からこれらの面 が見えるかどう
かを確認する時には、左右に5mmの水平公差が認められる。
2.
13.
5)フロントホイールの中心線より3
3
0
mm後方にある地点より後方にあり、
車両の下から見ることができ、車両の中心線から2
5
0
mm以上離れた所にある
すべての懸架部分(2
.
1
2
.
6
)に従い装着された懸架部分を除く)は、基準面から
高さ3
5mm 以上になくてはならない。
14)スキッドブロック
2.
2.
14.
1)基準面上のすべての部品で形成される面の下に、各前面角部に半径5
0
mm
(±2mm)の丸みをつけた状態で長方形のスキッドブロックを取り付けなけ
ればならない。スキッドブロックは複数でもよい。
ただし、
a)スキッドブロックはフロントホイール中心線の3
3
0
mm後方から縦方向にリ
アホイールの中心線の前方2
55mm に至るものであること。
b)比重が1
.
3
〜1
.
4
5
の間で均質の材質で造られていること。
c)幅は3
0
0
mmで公差は±2mmであること。
d)厚さは1
0
mmで公差は±2mmであること。
e)新しい場合は一定の厚さであること。
f)2
.
14.
2
)で認められている留め金具を固定する際に必要な穴や、下記g)
に指定されている穴以外の穴や切り取りがあってはならない。
g)第1
3
1
図に示される位置に7つの穴をあけること。
使用後のスキッドブロックの適合性を確証するために、その厚さは直径
8
0mmの穴3つの周囲のみを使って測定される。
この3つの穴の各々の周囲の少なくとも1箇所で最小8
mm の厚さが遵守
されていなければならない。
h)スキッドブロックは、ブロックと基準面上の部品で形成される面の間に空
気を通さぬよう、車体の中心線を軸として左右対称に取り付けること。
2.
14.
2)スキッドブロックを車両に取り付ける際に使用する留め金具は、次の条
件を満たしていなければならない。
−2
2
5
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
a)留め金具は、最少1
0
箇所。
b)下から直接見たときの総面積は4
0
,
0
0
0
mm2を超えてはならない。
c)下から直接見たときの各部分の面積は2
,
0
0
0
mm2を超えてはならない。
d)底面全体が車両の下から直接見えるように取り付けること。
留め金具は底面と同一面あるいはそれより上方に設置されること。
2.
14.3)ブロックの周囲の下端の縁を、斜角30°、深さ8mmとなるよう削っても
よいが、後縁は長さ2
0
0
mmにわたり深さ8mmまで面取りすることができる。
2.
15 )オーバーハング
2.
15.
1) 車両のいかなる部分もリアホイール中心線の後方870mmを超えては なら
ず、またフロントホイール中心線の前方1
,
240mmを超えては ならない。
2.
15.
2)リアホイール中心線より後方120mm以上離れた位置にあり、基準面から高
さ650mm以上に位置する車体部分は、リアホイール中心線の後方725mmを超
えてはならない。
2.
15.
3)車両の縦方向の中心線から200mm以上離れた所にある車体のいかなる部分
も、フロントホイール中心線の前方1
,
010mmを超えては ならない。
すべての オーバーハングの測定は、すべて基準面に対して平行に行われる。
2.
16 )空気力学的装置
9
.
5.
5)に規定されるホイールテザーを保護する目的のみのため単独で使用さ
れている非構造のシュラウド、および1
0.
5)に規定されるエアダクト を除き、
車両の空気力学的性能に影響するいかなる部分も
‐車体に関するすべての規定に準拠していなければならない。
‐車両の懸架部分全体に堅固に固定して取り付けられていなければならない
(一切の遊びがなく固定されているものとする)。
‐ラバー等弾性のあるものを用いてはならず、剛体結合されていること。
‐懸架部分との連結において動きが一切ないものとする。
あらゆる状況においても、車両の懸架部分と地面との間に、何らかの装置あ
るいは構造体を有することは一切禁止される。
2
.
1
4
)に規定されるスキッドブロックを除き、空気力学的影響を持つ構造部
分および車体は、状況を問わず基準面より下に位置してはならない。
2.
17 )車体上部
2.
17.
1)車両を側面から見て、リアホイールの中心線より1
,
2
0
0
mm前方の垂直線と、
−2
2
6
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
基準面から高さ5
40mm の位置の水平線と、基準面から高さ760mm の地点で
この垂直線と交わりリアホイール中心線の前方2
70mm の地点でこの水平線と
交わる斜線の3本の線で形成される三角形の領域部分の領域全体には、2
.
17.
2)
に記述されている開口部を除き、車体部分が存在しなければならない。
この三角形部分の車体は、車両の中心線に対して対称であり、最初の斜線よ
りも2
0
0
mm下の平行なもう1本の斜線上のどの地点で測定しても必ず幅が
2
0
0
mm以上なければならない。
また、この2本の斜線に挟まれる部分の車体は、第2斜線上に幅20
0
mmの
底辺を持つ水平面に形成される垂直な二等辺三角形よりも広くなければならな
い。
2.
17.
2 )サーキット上で停止した車両の撤去を速やかに行うため、主要ロールオ
ーバー構造体には車両を持ち上げるためのストラップが通せるような、確認が
容易で遮るもののない断面6
0
mm×3
0
mmの開口部を装備しなければならない。
開口部は、赤色または黄色の矢印でその所在が示されていなければならない。
吊り上げストラップあるいはテンプレートを通過させる際に、それらが落下
しないような構造でなければならない 。
2.
18 )車体の柔軟性
フロントホイール前方の車体部分は、垂直方向に0
.
5
kNの荷重を加えた時に、
垂直方向の歪みが5
mmを超えてはならない。
この試験を行うときは、フロントホイール中心線の85
0
mm前方、かつ車両
の中心線から6
5
0
mmの位置が中心となる直径5
0
mmのパッドを介し、長さ
2
0
0
mmで幅1
5
0
mmのアダプターを通して下方に荷重を加える。
競技参加者はこのテストが必要と見なされた場合にアダプターを提供しなけ
ればならない。
第 3条 重 量
3.
1)最低重量
6
60kg未満であってはならない。
3.
1.
1)最低重量の検証にかかわるすべての搭載燃料は、車載の燃料ポンプにより
排出されなければならない。
3.
1.
2)車載の燃料ポンプを使用することが出来ない場合は、すべての搭載燃料が
排出されることが明らかであることを条件に、補助的な外部ポンプを一時的に
−2
2
7
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
接続して使用することができる。
3.
2)バラスト
バラストは、その取り付けを目的とした位置に取り外しに工具を必要とする
ような方法で固定されるならば使用することは許される。車両検査委員によっ
て必要とみなされた場合に封印を施すことが可能でなければならない。
3.
3)レース中の追加
燃料、窒素と圧搾された空気を除き、いかなる物質もレース中車両に追加し
てはならない。
レース中に車両のいずれかの部品の交換が必要となった場合、新たに取り付
ける交換部分の重量が元の部分の重量を超えてはならない。
第 4条 エンジン
4.
1.
1)エンジンの型式および排気量
認められるエンジンはJAFに申請し承認を受けた過給器付き筒内直接噴射
の直列4気筒で、排気量2,
000ccを超えることの無いエンジンのみである。
当該エンジンを使用して初めて参加する競技会の2ヶ月前までに申請しなけ
ればならない。
申請は1シーズンに1回に限られる。
4.
1.
2)クランク軸は車両前後方向に配され、シリンダーは直立に配置されなければ
ならない。
4.
1.
3)1シリンダーにつき1インジェクターとする。
4.
1.
4)1シリンダーにつき吸気2バルブ、排気2バルブとする。
4.
1.
5)バルブスプリングはコイル式とする。
4.
1.
6)カムシャフトは最大2本とする。
4.
1.
7)可変バルブタイミング機構は禁止される。
4.
1.
8)可変圧縮比機構は禁止される。
4.
1.
9)デッキハイトは制限しない。
4.
1.
10)ボア径は88±2.
0mmとする。
4.
1.
11)クランクシャフトのピン径およびメインジャーナル径は自由。
4.
1.
12)クランクシャフトベアリングは、プレーンベアリングとする。
4.
1.
13)クランク中心からサンプ底面までの距離は最小100mmとする。
4.
1.
14)エンジン全長(エンジン前後のマウンティング面間)は500±0.
5mmとす
−2
2
8
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
る。
4.
1.
15)エンジン重量は最低85kgとする。ただし、下記部品は含まない。
オルタネーター、フライホイール及びスタッドボルト、オイル、水、ECU、
排気管及びそのガスケット(ヘッド-排気管間)、エアフィルタ、クラッチ一式、
遮熱版
4.
1.
16)材料の規制
各部品の材料規制は以下の通りとする。
i
)アルミ合金または鉄合金に制限される部品
シリンダーヘッドカバー、シリンダーヘッド、シリンダーブロック・サン
プ、フロントカバー、リアカバー、シリンダーライナ(スリーブ)
j
)チタン合金、鉄合金またはニッケル合金に制限される部品
バルブ、バルブスプリングリテーナ、バルブコッタ、ターボセンターハウ
ジング
k)鉄合金に制限される部品
カムシャフト、バルブスプリング、ピストンピン、クランクシャフト、コ
ンロッド、フライホイール
l
)アルミ合金に制限される部品
ピストン
m)コバルト、鉄またはニッケルをベースとした合金に制限される部品
ボルト、ナット類
n)セラミックを使用して良い部品
点火プラグ、センサー類
o)金属間化合物、マグネシウム合金
禁止(ターボコンプレッサーハウジングのみマグネシウム合金可)
p)ダイヤモンドライクカーボンコーティング(DLC)の禁止
ピストン、シリンダーライナ(スリーブ)
4.
1.
17)過給装置
過給装置は、JAFに申請し承認された1仕様のみとする。
4.
2.
)エンジンの改造
4.
2.
1) 燃料系統
1)燃料ポンプ
−2
2
9
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
JAFに申請し承認された高圧燃料ポンプおよびポンプカムプロフィールの
使用が義務付けられる。
車室内、車体外部への設置を禁止される。
2)燃料流量制限機構
JAFに申請し承認された燃料流量制限機構を装着しなければならない。
3)燃圧
高圧側200bar、低圧側8barを上限とする。
4)燃料インジェクター
JAFに申請し承認された燃料インジェクターの使用が義務付けられる。
1個/シリンダーとする。
4.
2.
2)点火系統
点火プラグは1気筒当り1本とする。
4.
2.
3)潤滑系統
オイルクーラーは上方から見て、車両の輪郭から突出するものであってはな
らない。
4.
3)吸気系統
可変インレットポート、調整式吸気装置、可変吸気トランペットは許されな
い。
4.
3.
1)インタークーラー
吸入空気冷却のためのインタークーラーは1個で、インタークーラー以外の
エンジンに供給される空気の温度を下げる目的または効果を持ついかなる装置、
システム、手続き、構造もしくは設計はすべて禁止される。
4.
4)冷却
4.
4.
1)ウォーターラジエターのコアは1個で、ウォーターラジエター、オイルクー
ラーおよびエンジン各部の冷却は、空気のみが認められ、空気以外のいかなる
物質の噴射または噴霧による方法は禁止される。
4.
5)排気系統
排気系統は自由。ただし、
1)すべての排気ガスが通過する、少なくとも1つの触媒装置が設置されなけ
ればならない。触媒装置はJAFに申請し承認されなければならない。
2)いかなる可変排気装置も禁止される。
−2
3
0
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
3)FAS(Fres
hAi
rSys
t
em)パス(アンチラグシステムの配管)は禁止され
る。
4.
6)エンジンコントロールコンピューター
JAFの指定するエンジンコントロールコンピューターを使用しなければな
らない。
第 5条 燃料システム
5.
1)許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更
配管および取り付け具はオリジナルと同等、あるいはそれ以上の最低破裂圧
力を有していなければならない。
1) オイル配管(オイルタワーを含む)
2) 燃料配管
3) 燃料タンク内部(燃料ブラダーを除く)
4) 水配管(ラジエターキャップを含む)
5) 燃料ポンプ
5.
2 )燃料タンク
5.
2.
1)燃料タンクは、FIAのFT5
1
9
9
9
仕様に合致するか、またはそれを上回る
単一の燃料ブラダーでなければならない。
5.
2.
2)車載されるすべての燃料は、側面から見てエンジンの前面とドライバーの
背中の間に貯蔵されていなくてはならない。さらに、いかなる燃料もドライバ
ーの背中が座席と接触する最も高い点より3
0
0
mm以上前方に貯蔵することは
できない。ただし、最大で2ℓの燃料をサバイバルセルの外側には貯蔵するこ
とができるが、これはエンジンの通常の作動にのみ必要とされるもののみとす
る。
5.
2.
3)燃料は車両の縦方向軸から4
0
0
mm以上離れた所に貯蔵してはならない。
5.
2.
4)すべての燃料ブラダーはFIAに承認された製造者により製造されていな
くてはならない。FIAの承認を得るために、製造者はFIAより承認される
仕様に各自の製品が合致していることを証明しなければならない。これらの製
造者は承認された基準に合致しているタンクのみをその顧客に納品すること。
承認された製造者の一覧はFIAテクニカルリストNo.
1に記載されている 。
5.
2.
5)すべての燃料ブラダーには製造者名、ブラダーの製造に際し適用された仕
様および製造月日が記載されていなければならない。
−2
3
1
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
5.
2.
6)製造日から5年以上経過した燃料ブラダーを使用してはならない。
5.
3 )取り付けと配管
5.
3.
1)燃料タンクのすべての開口部は、ブラダーの内側に金属製または複合材質
のボルトリングによって接合されたハッチまたは取り付け具によって閉鎖され
ていなければならない。
ボルトの穴の縁は、ボルトリング、ハッチまたは取り付け部の端から5mm
以上離れていなければならない。
すべてのハッチおよび取り付け具は、燃料タンクに付属のガスケットまたは
“O”リングで密閉されなければならない。
5.
3.
2)燃料タンクとエンジンの間にあるすべての燃料配管は、自動閉鎖・分離バ
ルブを備えなければならない。このバルブは、燃料タンクから燃料配管取り付
け具を引き抜いたり、燃料配管取り付け具を破損するのに必要な荷重の50
%以
下の負荷で分離するものでなければならない。
5.
3.
3)燃料を収容する配管は、コクピットを通過してはならない。
5.
3.
4)すべての配管は、いかなる漏れが生じても、コクピット内に燃料が滞留し
ないように取り付けられていなくてはならない。
5.
3.
5)すべての配管は、それが曲げられるものである場合、ネジ山のついたコネ
クターおよび摩擦と炎に耐え得る外部網材を有していなくてはならない。
5.
3.
6)すべての燃料の配管は最大作動温度1
3
5
℃で、4
.
1
MPa
(4
1
ba
r
)の最低破裂
圧力を有していなければならない。
5.
4 )衝撃吸収構造体
燃料タンクは、サバイバルセルの一部分を形成しており、 1
7
.
2
.
1
)および1
7
.
3
)
に規定する試験により 要求される荷重に耐え得る衝撃吸収構造体で完全に覆
われていなければならない 。
5.
5 )燃料タンクの給油口
5.
5.
1)すべての車両は燃料タンク給油口と通気口を備えなければならない。これ
は結合されているか、シングルユニットでなければならず、車両の両側もしく
は片側に取り付けられていること(FI
A 国際モータースポーツ競技規則付則J
項第252条第9項第2526図または、JAF国内競技車両規則第1編レース車両規定
第3章1
0.
3.
1) 第31
図、 第3
1
a
図に準拠する)。
5.
5.
2)燃料タンクの給油口および通気口は、デッドマン機構の原理に合致した、
−2
3
2
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
基準の漏出防止ドライブレイクカップリングを備えなければならず、開放状態
のときに、いかなる保持装置も組み込んではならない。
5.
5.
3)燃料タンクの給油口および通気口は、車体より突き出してはならない。
5.
5.
4)燃料タンクの給油口および通気口が燃料タンクに直接取り付けられ、給油
口および通気口が燃料タンクの最上部に位置しない構造を有する場合、給油口
および通気口にダクト(シュノーケル)を設けることは禁止される。
5.
5.
5)燃料タンクの給油口、通気口およびブリーザーは、事故の際に破損しやす
いような場所を避けて取り付けられなくてはならない。
5.
5.
6)燃料タンクと外気とを結ぶブリーザーパイプは走行時に液体の漏れがない
ように設計されていなければならず、その排気口はコクピットの開口部より
2
5
0
mm以上離れていなくてはならない。
5.
5.
7)燃料タンク内と外気を連結しているすべての通気口またはブリーザーパイ
プは車体の外側に開口していなければならず、逆流防止バルブを備え、車両が
転倒したとき、または燃料補給中に燃料の漏出を防ぐ様に設計されていなくて
はならない。
5.
5.
8)すべての車両には、燃料タンクから車両検査委員により燃料を取り出すこ
とができる自動閉鎖コネクターを備えていなければならない。このコネクター
はFIAで認可されたタイプのものでなければならない。
コネクターの仕様、その装着ダイアグラムはFIAテクニカルリスト№5に
従うこと。
5.
6 )燃料補給
5.
6.
1)レース中のすべての燃料補給は、FI
A 国際モータースポーツ競技規則付則
J項第252条第9項第2527図またはJAF国内競技車両規則第1編レース車両規定
第3章1
0
.
3
.
2
)「燃料補給タンク」に従った装置を使用しなければならない。
5.
6.
2)レース中の燃料補給ホースには、車両に装着された基準の給油口と通気口
に適合する基準の漏洩防止カップリングを取り付けなければならない。
5.
6.
3)燃料補給を開始する前に、車両および給油装置は地面に電気的にアースさ
れていなければならない。
5.
6.
4)補給タンクからカップリングまでの補給装置のすべての金属部分も同様に
アースされていなければならない。
5.
6.
5)大気温度より摂氏1
0
℃以上低い温度で燃料を車両へ搭載することは禁止さ
−2
3
3
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
れる。
5.
6.
6)
‐燃料の温度を大気温度より下げるための特別な装置の使用は、車載の如
何を問わず禁止される。
‐車載の燃料供給配管系統に、燃料の温度を下げるための冷却装置を設ける
ことができるが、その冷却は外気の自然流による空冷式に限定される。
第 6条 オイルとウォーターシステム
6.
1)許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更
配管および取り付け具はオリジナルと同等、あるいはそれ以上の最低破裂圧
力を有していなければならない。
1) 配管および取り付け具。
2) オイルまたはウォーターラジエターのインテーク開口部の部分的閉鎖。
3) オイルまたはウォーターラジエターの前部にストーンガードの設置。
6.
2 )オイルタンクの位置
オイル貯蔵するすべてのタンクは、車両を縦方向に見てフロントホイール軸
とギアボックスケーシングの最後部との間に設置されなければならず、サバイ
バルセル両端(横方向)より外に位置してはならない。
6.
3 )オイルシステムの縦方向の位置
オイルを収容する車両のすべての部分は、リアコンプリートホイールの後方
に設けられてはならない。
6.
4 )キャッチタンク
オープン方式のサンプブリーザーを含む潤滑系統の車両では、このブリーザ
ーは、最少容積2
,
000ccのキャッチタンク内に排出しなければならない。
6.
5 )オイルシステムの横方向の位置
オイルを収容するすべての部分は、車両の縦方向の中心線から7
0
0
mm以上
離れてはならない。
6.
6 )オイルおよび水の配管
6.
6.
1)水または潤滑油を収容する配管は、コクピットを通過してはならない。
6.
6.
2)すべての配管は、いかなる漏れが生じても、コクピット内に液が滞留しな
いように取り付けられていなければならない。
6.
6.
3)油圧液配管の取り外し可能なコネクターは、コクピット内にあってはなら
ない。
−2
3
4
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
6.
6.
4)すべての潤滑油の配管は作動温度1
3
5
℃で4
.
1
MPa
(4
1
ba
r
)の最低破裂圧力
を有していなければならない。
6.
6.
5)急激な圧力変化を受けることのないすべての油圧液配管は、重力による負
圧を利用する配管を除き、スチール製コネクターを使用したときの最大作動温
度は2
0
4
℃、アルミニウム製コネクターを使用したときは1
3
5
℃で、各々が最低
破裂圧力4
0
.
8
MPa
(4
0
8
ba
r
)を有していなければならない。
6.
6.
6)急激な圧力変化のかかる油圧液の配管はすべて最大作動温度2
0
4
℃で最低
破裂圧力8
1
.
6
MPa
(8
1
6
ba
r
)を有さなければならない。
第 7条 電気系統
7.
1)許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更
1) ドライバーの通信装置の取り付け。
2) 7.
3)に規定する集計データのダウンロード用配線の取り付け。
7.
2 )エンジン始動補助装置
グリッド、ピットエリアにおいてエンジンを始動させるために、補助的な装
置を一時的に車両に接続して使用することができる。
7.
3 )データ集計装置
7.
3.
1)競技参加者は、競技の行われているすべての期間中、次のデータを集計し
なければならない。
‐エンジン回転数
‐車両速度
‐変速ギア位置
7.
3.
2)7
.
3.
1
)の集計データをダウンロードできるようなコネクターを車体に設け
なければならない。
7.
3.
3)すべてのプラクティスセッションの途中および終了後ならびにレース終了
後、7
.
3.
1
)で規定する集計データが競技会技術委員によりダウンロードされる。
また、競技会技術委員より集計データ(他のすべての集計データを含む)の提
出を求められた場合、競技参加者はこれを提出しなければならない。
7.
4 )ドライバー無線
無線装置は音声による通信のみ許される。
第 8条 駆動装置
8.
1)許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更
−2
3
5
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
1) 車輪回転センサーの取り付け。
2) CVブーツ
3) クラッチ
エンジン供給者が指定したものでなければならない。
4) クラッチ周辺にカバーの取り付け。
5) マスターシリンダー
6) リザーバータンク
7) フルード
8) 配管
9) フィッティング
8.
2)ニュートラルスイッチ
8.
2.
1)エンジンが停止し、車両が静止状態になった際にもトランスミッションの
ギア位置をニュートラルにするための手段を備えていなければならない。
8.
2.
2)そのスイッチ、あるいはボタンは外部から容易に操作できるように見易い
位置に設置され、明確に表示されていなければならない。
8.
3 )四輪駆動
四輪駆動車両は禁止される。
8.
4 )ディファレンシャル
ディファレンシャルの機構は機械式に限定される。
8.
5 )前進ギア
すべての車両は6段より多い前進ギアを有してはならない。
8.
6 )後退ギア
すべての車両は競技期間中のいかなる場合においても、ドライバーが通常に
コクピットに着座しエンジンを作動した状態で選択し、使用できる後退ギアを
装備していなくてはならない。
8.
7 )トラクションコントロール
トラクションコントロール機構の使用は禁止される。
8.
8 )車両速度リミッター
車両速度リミッターを作動させた時、天候にかかわらず常にリアライトが点
滅すること。また、車両が停止状態であっても、操作スイッチを起動した時に
は点滅すること。
−2
3
6
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
第 9条 サスペンションとステアリング
9.
1)許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更
1) サスペンション構成部材への、センサー、歪ゲージの貼り付けおよび配線
の取り付け。
2) センサーの取り付け、接続を目的としたステー、ブラケット、サポートの
取り付け。
センサー、歪ゲージ、ステー、ブラケット、サポートがサスペンション構
成部材の強度/機能に影響を与えてはならず、オリジナルと同等、あるいは
それ以上の強度信頼性が維持されていなければならない。
3) アクスルキャップの取り付け。
4) ダンパー
5) キャンバーシム
6) ホィールナット
7) ステアリングポジションセンサーおよび配線の取り付け。
8) ステアリングホイール位置の移動を目的としたスペーサーの追加。
9) ステアリングホイールの変更。
その代替品は、15.
5)で規定する衝突試験に合格していなければならない。
9.
2 )アクティブサスペンション
アクティブサスペンションの使用は禁止される。
9.
3 )クロームメッキ
鋼鉄サスペンションのクロームメッキは禁止される。
9.
4 )懸架・サスペンション
車両は懸架・サスペンションを装備しなければならない。
9.
5 )サスペンション部材
9.
5.
1)すべてのサスペンション部材は均質の金属材で造られていなくてはならな
い。
9.
5.
2 )各サスペンション構成部品の個々の部材は、断面の縦横比(9.
5.
5)で規定
するホイールテザーを保護する目的のため、単独で使用されている非構造のシ
ュラウドを含む)が3
.
5
:1以下で、しかも断面の主軸に対して対称でなければ
ならない。ただし、すべてのサスペンション構成部品は、内側および外側アタ
ッチメントに隣接しており、関連する部材のアタッチメント間の合計距離に対
−2
3
7
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
して占める割合が2
5
%以下であれば、断面の縦横比が3
.
5
:1を超えても、また、
対称でなくてもよい。
測定はすべて、関連する部材の内側アタッチメントと外側アタッチメントの
間に引いた直線に対して垂直に行われる 。
9.
5.
3 )すべてのサスペンション部材の断面の主軸は、車両の中心線に平行に測定
したときに、基準面に対して5°を超える角度(±迎角)がついていてはなら
ない。
9.
5.
4 )サスペンション部材の非構造部分は車体とみなす。
9.
5.
5 )ホイールと車両との結合を保つすべてのサスペンション連結部が破損した
際にホイールが車両から外れるのを防ぐのを助けるために、車両の主要構造体
と各ホイール/アップライトアッセンブリを、断面積が7
5
mm2を上回る柔軟性
のあるケーブルで連結しなければならない。それらのケーブルおよび取り付け
部も、事故が発生した際にホイールがドライバーの頭部に当たることがないよ
うに設計しなければならない。
各ケーブルの長さは、サスペンションの正常な動作を妨げないために必要な
長さを超えてはならない。
各ケーブルには、以下のそれぞれ別個の取り付け部を有していなければなら
ない。
‐7
0
kNの最低引っ張り強度に耐え得ること。
‐最小内径1
5
mmのケーブル端部の取り付け具に適合できること。
各ホイールにはFIA試験手順0
3
/
0
7
にて試験を受けた際の性能に応じ、1
本あるいは2本のケーブルを取り付けることができる。取り付けケーブルが1
本の場合、それは試験手順0
3
/
0
7
の3
.
1
.
1
の要件を超えるものでなければならず、
2本の場合は、それぞれ3
.
1
.
2
の要件を超えるものでなければならない。
各ケーブルは、長さが最低4
5
0
mmで、7
.
5
mmを上回るテザー曲がり角半径
となる端部取り付け具を使用しなければならない。
9.
6 )ステアリング
9.
6.
1)ステアリングはドライバーとホイールの間を機械的に連結するように構成
されていなくてはならない。
また、パワーステアリングは、プログラム可能な制御を備えていない単一の
システムである場合に限り使用することができる。
−2
3
8
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
9.
6.
2)四輪操舵は禁止される。
9.
6.
3)ステアリングホイール、ステアリングコラムおよびステアリングラックア
ッセンブリーは、衝突試験に合格しなければならない。試験手順の詳細は1
5
.
5
)
で説明される。
9.
6.
4)衝突試験に合格したステアリングホイール、ステアリングコラム、ステア
リングラックアッセンブリーおよびクイックリリース機構、ステアリングメカ
ニズムを変更、改造してはならない。
第 10条 制動装置
10.
1)許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更
配管、フィッティングは、オリジナルと同等、あるいはそれ以上の最低破裂
圧力を有していなければならない。
1) ブレーキ周辺のエアダクト
(1) エアダクト吸気口の一部閉鎖。
(2) エアダクト吸気口の前部にストーンガードの設置。
2) マスターシリンダー
3) リザーバータンク
4) フルード
5) 配管
6) フィッティング
7) ブレーキ圧力センサーおよび配線の取り付け。
10.
2 )制動 回路
すべての車両は、少なくとも2系統の同一ペダルによって操作される回路を
有するブレーキを装備しなければならない。このブレーキは1つの回路に漏れ、
もしくは欠陥が生じた場合でもペダルは少なくとも2つのホイールを制御でき
なければならない。システムは、ブレーキの1つの回路に欠陥が生じた場合で
もペダルがもう1つの回路でブレーキを制御できるよう設計されていなければ
ならない。
ペダルによって操作されるブレーキ回路に、ブレーキペダル以外の操作で作
用する機能、効果を設けることは、その手段(機械、電気、油圧、空気圧、お
よびその複合)にかかわらず禁止される。
10.
3 )ブレーキディスク
−2
3
9
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
すべてのブレーキディスクは、最大厚さが28
mmで、最大外径は278mmでな
ければならない。
10.
4 )ブレーキキャリパー
10.
4.
1)すべてのブレーキキャリパーは、同質の金属材で造られていなくてはな
らない。
10.
4.
2)各ホイールに装着されるブレーキキャリパー・ピストンの数は6つまで
とする。
10.
5 )エアダクト
フロントおよびリアのブレーキ周辺のエアダクトは、制動装置の一部分と見
なされ下記を超えてはならない。
‐ホイールの水平中心線より上方1
55mm の位置にあって、地面と平行な面。
‐ホイールの水平中心線より下方1
55mm の位置にあって、地面と平行な面。
‐ホイール リムの内側面に平行に車両の中心線に向かって1
50mm 移動した面。
車両の側面から見た時、
‐フロントホイール中心線から前方285mmとリアホイール中心線から前方
260mmの位置にある基準面に直角な面。
-フロント、リア各々共、ホイールリム後方の円周外縁で基準面に直角な面。
‐すべての計測はホイールを水平面に対し垂直位置に保ったままで行われなけ
ればならない。
10.
6 )液体冷却
ブレーキの液体冷却は禁止される。 10.
7 )ブレーキ圧の調整
アンチロックブレーキおよびパワーブレーキは禁止される。
第 11条 ホイールとタイヤ
11.
1)位 置
後部空力装置を取り外した車両を平面に見た場合、ホイールは車体の外側に
位置していなければならない。
11.
2)寸 法
11.
2.
1)コンプリートホイールの最大幅:1
8
.
0
インチ
コンプリートホイールの最大直径:2
6
.
5
インチ
ホイール本体の直径:1
3
.
0
インチ
−2
4
0
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
11.
2.
2)これらの測定は車軸の高さで水平に行われる。
11.
3)ホイールの材質
すべてのホイールは均質の金属材で造られていなくてはならない。
11.
4)ホイールの数
ホイールの数は4本に限定される。
11.
5)ホイールアッセンブリー
タイヤに加えてホイールに物理的に取り付けることのできる部品は、ホイー
ルの表面処理および保護材、タイヤガス充填および排出のためのバルブ、ホイ
ールナット、バランスウェイト、ドライブペグ、タイヤ圧力および温度監視装
置、タイヤ圧力調整装置、ホイールスペーサーおよびホイールと一体構造でな
いホイールカバーに限定される。
ただし、11.
2.
1)に規定される最大幅を超えないことを条件とする。
第 12条 コクピット
12.
1)許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更
1) ペダル
2) ペダルブレース
3) ペダルマウントベース
4) スクリーン
5) フットレスト
上記については、改造、取り付けおよび変更後においても、オリジナル仕様
と同等、あるいはそれ以上の強度信頼性が維持されていなければならない。
6) ドリンク装置
12.
2 )コクピット開口部
12.
2.
1)コクピット開口部の寸法が適切であることを確認するため、第1
3
2
図に示
される型板が、サバイバルセルおよび車体に挿入されるものとする。
この試験を行うときは、ステアリングホイール、ステアリングコラム、シー
ト、および1
3
.
7
.
1
)〜1
3
.
7
.
6
)で必要とされるすべてのパッド(取り付け具を含
む)は外してもよいが、次の条件が満たされていなければならない。
‐型板の下端が基準面から高さ525mmの位置になるまでは、車両上方から挿入
された水平を保って垂直に下げられなければならず、
‐第1
3
2
図に基づき、de
線上にある型板の縁端部は第1
3
5
図に示される AA線
−2
4
1
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
の後方 1,
8
0
0
mm以上になければならない 。
コクピット入口の型板による測定もすべて(1
2
.
2
.
3
)
、1
4
.
2
.
1
)、1
4
.
4
.
4
)
、1
4
.
5
.
4
)、
1
5
.
3
)
、および1
7
.
4
)に示される場合)、型板がこの位置に保持されている間に測
定されなければならない 。
12.
2.
2)コクピット開口部最前端は、サバイバルセルの構造または一部分であっ
たとしてもステアリングホイールの少なくとも5
0
mm前方になくてはならない。
12.
2.
3)ドライバーは、ステアリングホイール以外の部品を取り外さなくても乗
降できなければならない。ドライバーは通常に着座すると進行方向に直面する
様になっていなければならない。また、ドライバーのヘルメットの後端部 が
コクピット入口の型板の後端より1
2
5
mm以内でなければ ならない。
12.
2.
4)ドライバーは、すべての安全ベルトを締め、運転に必要な装備をつけ、
通常に着座した状態から、ステアリングホイールを取り外して、5秒以内で車
両から脱出できなければならない。その後、ステアリングホイールを取り付け
ることが、合計1
0
秒以内でできなければならない。
ステアリングホイールが取り付けられた後は、操舵制御が維持されなければ
ならない。
12.
3 )ステアリングホイール
ステアリングホイールはクイックリリースシステムを備えていなければ な
らない。その操作 方式は、ステアリングホイールの後方のステアリングコラ
ム上に設置された同心円上 のフランジを引く方法によるものでなければなら
ない。
12.
4 )内部断面
12.
4.
1)第1
3
3
図に示す外部型板を、コクピットに挿入し、作動していない状態の
最後部ペダルの正面から1
0
0
mm後方の地点まで垂直に通すことができるよう
な垂直断面積がコクピット全体に確保されていなければならない。
この部分に侵入してもよいのは、ステアリングホイールおよび13
.
7
.
7)で要
求されるパッドのみである。
12.
4.
2)第1
3
3
図に示す内部型板を、コクピットに挿入し、作動していない状態の
最後部ペダルの正面から1
0
0
mm後方の地点まで垂直に通すことができるよう
な垂直断面積がコクピット全体に確保されていなければならない。
この部分に侵入してもよいのは、ステアリングホイールのみである。
−2
4
2
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
12.
4.
3)安全ベルトを締め、ステアリングホイールを外した状態で、通常に着座
したドライバーが両足を同時に持ち上げられるようになっていなければならず、
その際ドライバーの膝は、ステアリングホイールの面を後方に向かって通過で
きなければならない。この動作は車両のいかなる部分によっても妨げられては
ならない。
12.
5 )ドライバーの足の位置
12.
5.
1)サバイバルセルは、前方向においては、燃料タンク後方からドライバー
の足の少なくとも前方300mmの地点まで延びていなければならない。その際
のドライバーの足は操作されていないペダルの上に乗せられているものとする 。
12.
5.
2)ドライバーが通常に着座した状態で、操作されていない位置にあるペダ
ルの上に乗せられている足の裏は、フロントホイール中心線よりも前方に位置
していてはならない。
第 13条 安全装置
13.
1)許されるオリジナル仕様の改造、取り付けおよび変更
1) 消火装置
2) 後方視界用ミラー
3) 後方視界用ミラーの位置
車体への当初の取り付け位置を維持しなければならない。
4) 安全ベルト
5) リムーバブルシート
改造、取り付けおよび変更後も13.
2) 、13.
4) 、13.
5)、および13.
8) を満足
していなければならない。
13.
2 )消火装置
13.
2.
1)すべての車両はコクピットとエンジンコンパートメントに散布される消
火装置を備えなければならない。
13.
2.
2)FIAに特別に認可されたあらゆるAFFF、およびFIAテクニカルリス
トNo
.
1
6
に記載された消火システムの使用が許される。
13.
2.
3)消火剤の量は使用するAFFFの種類により変わってよい。種類別の最低容
量はFIAテクニカルリストNo
.
6
に従うこと。
13.
2.
4)作動の際、1
0
秒以上3
0
秒以内にわたって、消火装置は内容量の9
5
%を一
定の圧力で放出しなければならない。
−2
4
3
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
消火剤を収容した複数のコンテナが取り付けられていた場合は、それらは同
時に放出されなければならない。
13.
2.
5)各圧力容器には、圧力をチェックする機能が備わっていなければならな
い。これは、使用するAFFFの種類により変わってよい。FIAテクニカルリ
ストNo
.
6
に従うこと。
13.
2.
6)下記の情報が、消火剤が入っている各コンテナに記載されていなければ
ならない。
a)消火剤の種類
b)消火剤の重量または容量
c)容器の日付が検査されなければならず、消火剤を充填した日付から2年を
過ぎて使用してはならない。
13.
2.
7)消火装置のすべての部品はサバイバルセル内に置かれなければならず、
すべての消火装置は耐火性でなければならない。いかなる場合でも、容器の取
り付けは減速度2
5
Gに耐え得るものでなければならない。
13.
2.
8)車両の主要 電気回路に故障が生じた場合でも 、すべての消火システム を
作動させることができるならば、システム 自体に動力源を有する放出起動シ
ステム が許される。
ドライバーが安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転席に通
常に 着座した状態で、消火システムを手動により 起動させることが できなけ
ればならない。
さらに、外部起動システム は1
3.
3.
2)に規定される サーキットブレーカース
イッチに組み込まれていなければならない 。それら は、最低線幅4
mmで赤く
縁取られた最低直径100mmの 白色の円形内に、最低高さ80mmで最低線幅
8mmの“E”の文字を赤字で描いた マークで表示されなければならない。
2.
9)装置はどのような状態であっても、たとえ車両が転倒した場合でも作動
13.
しなければならない。
13.
2.
10)消火ノズルは使用する消火剤に適したものを用い、ドライバーに直接向
けられないよう取り付けられていなくてはならない。
13.
3 )マスタースイッチ
13.
3.
1)ドライバーが、安全ベルトを装着し、ステアリングホイールをつけ運転
席に着座した状態で操作できる放電防止つきサーキットブレーカーを操作する
−2
4
4
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
ことに よって、イグニッション 、すべての燃料ポンプおよびリアライトへの
電気回路を遮断できなければならない。
このスイッチはダッシュボード上に設けなければ ならず、白い縁取りをし
た青の三角形の中に赤のスパークを描いた標識で表示されていなければ なら
ない。
13.
3.
2)離れた場所からフックにより操作されることができる2つの 水平ハンド
ルを持つ外部スイッチを設けなくてはならない。これらのハンドルは、車両両
側の 主要ロールオーバー構造体の基部に設けられ、13.
3.
1)に記載のスイッチ
と同じ機能を有していなければならない。
13.
4 )後方視界用ミラー
13.
4.
1)すべての車両には、ドライバーが後方および車両の両側を見ることがで
きるよう、車両の両側に各々1つ以上のミラーを装備しなければならない。
13.
4.
2)各ミラーの反射面の最小幅は1
5
0
mmで、少なくともそれが縦5
0
mmにわ
たり維持されていなくてはならず、各コーナーの半径は10
mmを超えてはなら
ない。
各ミラーは、車両に装着した状態でそれらの全ての取り付け部も含み、平面
および前面に見て16,
000㎟、側面に見て14,
000㎟を超える面積を有してはなら
ない。
13.
4.
3)反射面のいかなる部分も車両の中心線から2
5
0
mm以内にあってはならず、
かつコクピット入口の型板の後部から8
3
0
mmを超える位置にあってはならな
い。
13.
4.
4)ドライバーは、下記の指示に従った方法によって、車両の後ろに据えら
れたボード上に、任意に表示される高さ1
5
0
mm幅1
0
0
mmの文字や数字の識別
を要求されるものとする。
高さ:地表から4
0
0
mm以上1
,
0
0
0
mm以下
幅 :車両の中心線のいずれかの側で2
,
0
0
0
mm
位置:車両のリア車軸から1
0
m後方
13.
5 )安全ベルト
2本の肩部ストラップ、1本の腰部ストラップ、および2本の脚部ストラッ
プの装着が義務付けられる。これらのストラップは、車両に確実に固定され、
FIA基準8
8
5
3
/
9
8
に合致していなければならない。
−2
4
5
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
13.
6 )リアライト
すべての車両には以下の基準を満たす3つのドライバー頭部保護のパッドエ
リアが装備されなければならない。
この赤色灯は;
‐FIAが特定したモデルであること。
‐車両の中心線に対し9
0
°の角度で後方に向けられていること。
‐後方から明確に認知できること。
‐車両の中心線から1
0
0
mm以内に設置されていなければならない。
‐基準面より上方3
0
0
mm(+/
5mm) 〜375mm(+/5mm) の位置に取り付け
ること。
‐リアホイール中心線からレンズ表面までを基準面に平行に計測するときに、
リアホイール中心線より8
00mm 以上後ろに位置すること。
‐車両に正常に着座したドライバーによって点灯できるものでなくてはならな
い。
‐操作スイッチを起動した時には、常時点滅すること。
上記3つの測定はリアライト後面の中心で行われるものとする。
13.
7 )コックピットパッド
13.
7.
1)すべての車両には、以下の基準を満たす3つのドライバー頭部保護のパ
ッドエリアが装備されなければならない。
‐1つのパーツとして取り外せることが可能となっていること 。
‐ドライバーの頭部後方では2つの水平ペグで、また前方各部分では2つの固
定具を用いて配置され、工具を使わなくても簡単に取り外しができること。
前面各部の2つの固定具は、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在
が明確に表示されていること。
‐FIAが指定した材質CONFORf
o
r
m CF4
5
(
Bl
ue
)
で造られていること。
‐ドライバーの頭部が接触する可能性のある全ての領域にわたり、重量で50%
(±5%)の硬化樹脂含有量のある、60240gs
mの平織り構造の2積層アラミド
繊維/エポキシ樹脂複合基材プリプレグ材質により作られたカバーが付いて
いること。
‐事故による衝撃がドライバーの頭部に加わったときに、ドライバーのヘルメ
ットが最初に接触する場所であること。
−2
4
6
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
13.
7.
2)ドライバーの頭部を保護するパッドの1つはドライバーの後側に取り付
けられ、少なくとも4
0
,
0
0
0
mm2以上の領域にわたりその厚さが7
5
mm〜9
0
mm
でなければならない。
ドライバーの快適性のみを目的として必要であれば、厚みが1
0
mm以下の追
加パッドをこのヘッドレストに取り付けることが出来るが、1
3
.
7.
1
)で指定す
るパッドと同様の素材でできていることを条件とする。
7.
3)その他2つのドライバー頭部保護パッド域が、通常に着座した状態でド
13.
ライバーのヘルメット(車両中心線上)の前端、後端、下端を通る2本の垂直
線と1本の水平線とサバイバルセルの上部表面で画定される領域になければな
らない。
各保護パッド領域は、車両を横から見て少なくとも30,
000mm2の領域にわた
り厚さが95mm以上でなければならない。
この最小肉厚はサバイバルセルの上端についてその全長にわたり維持される。
最小肉厚は車両中心線に垂直に評価されるが、それらの上部内側端に沿って最
大10mmの湾曲を適用することができる。
ドライバーの快適性のみを目的として追加のパッドをこの側方ヘッドレスト
に取り付けることが認められるが、1
3
.
7
.
1
)で指定するパッドと同様の素材が使
用され、表面の摩擦抵抗が低く、本体ヘッドレストと同様の素材でできており、
救急オフィシャルが工具を使用することなく容易に取り外しが可能であること。
13.
7.
4)側方保護パッドエリアの前方に、コクピットパッド接続部をコックピッ
トリムの両側に備えなければならない。 これは、斜め前方の衝撃を受けた場
合にもドライバーの頭部を十分に保護できることを目的とするものである。し
たがって、このパッドも他の3箇所の保護 パッドエリア と同じ材質でできて
いなければならない。
この場合、次の条件を満たさなければならない。
‐車両の中心線に対して対称に、かつ両側のパッドに続けて取り付けること。
‐全長にわたりその上面が少なくともサバイバルセルと同じ高さになること。
‐上部内側の端部は半径1
0
mm以内の丸みをおびていること。
‐この2つのパッド間の距離が3
20mm 以上となるような位置にあること。
‐ドライバーの乗り心地の良さを損なわない範囲でできる限り実用的とするこ
と。
−2
4
7
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
13.
7.
5)上記のパッドはいずれも、事故発生時にドライバーの頭部が押し付けら
れるあらゆる方向を想定し、万一フォームが完全に圧縮される部分があっても、
ヘルメットが車両の構造部分に触れることがないように取り付けなければなら
ない。
さらに、レスキュークルーのことを考え、上記のパッドはすべてFIA承認
のシステムにより取り付けなければならない。取り外し方法も明確に表示され
ていなければ ならない。
7.
6)保護パッドエリアのいかなる部分も、ドライバーが通常に着座した状態
13.
で車両の上から直接見たときに、ドライバーのヘルメットからの視界を一切妨
げてはならない。
13.
7.
7)事故時の足のけがを最小限に抑えるため、ドライバーの足の両側や上に
もパッドを取り付けなければならない。
これらの場所に取り付けるパッドは、次の条件を満たしていなければならな
い。
‐FIAが指定した材質CONFORf
o
r
m CF4
5(Bl
ue) で造られていること。
‐全領域にわたり厚さが2
5
mm以上であること。
‐第2ロール構造体試験が実施された 地点の中心から後方5
0
mmの地点と、第
1
3
4
図に示す作動していない状態のペダルの最後端 から1
0
0
mm後方の地点
までの間に位置する領域を覆っていなければならない 。
‐第1
3
3
図のAA線より上方の領域を覆っていなければならない 。
8 )シートの固定 および取り外し
13.
13.
8.
1)事故によりドライバーが怪我をした場合に、座席ごと車両から救出でき
るようにするため、車両にシートを取り付けるときはボルトを3本以上使用し
ないものとする。ボルトを使用する場合は、次の指示に従わなければならない。
‐レスキュークルーがすぐにわかり、簡単に取り外せるようにすること。
‐垂直に取り付けること。
‐すべてのレスキュークルーに配付されている全チームに共通の工具で取り外
しが可能であること。
‐ボルトは、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在が明確に表示され
ていること。
13.
8.
2)シートには、ドライバーを安全に固定するためのベルトを取り付けるこ
−2
4
8
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
とができ、ネックサポートの取り付けが可能なベルトガイドが装備されていな
ければならない。
‐FIAレスキューパック内に装備されている頭部安定化装置の受け側スロッ
トの入口断面は、黄色による識別、あるいは矢印によりその所在が明確に表
示されていなければならない 。
13.
8.
3)シートは、シートベルトのどの部分をも切断したりすることなく、取り
外せなければならない。
上述の工具、ベルトガイドおよびネックサポートに関する詳細は、FIA発
行の次の資料に記述されている 。
「RECOMMENDED SPECI
FI
CATI
ON FOR EXTRACTABLE SEATSI
N
SI
NGLESEATER AND SPORTSCARSVers
i
on301202005」
13.
9 )頭部および頸部の保護装置
13.
9.
1)FIAテクニカルリストNo
.
2
9
に従ったものであること。
13.
9.
2)ドライバーが通常に着座した状態において、いかなる車両の構造部分か
らも2
5
mm未満であってはならない。
第 14条 車両の構造
14.
1)材 質
14.
1.
1)厚さ3mmに満たないマグネシウムシートの使用は禁止される。
14.
1.
2)複合構造内におけるすべての繊維性強化材質の破損に至る歪みが1
.
5
%以下
であってはならない。
14.
1.
3)サバイバルセルまたはノーズボックスの一切の修理は、製造者によって認
可された修理工場で、製造者の仕様書に従って行われなければならない。
14.
1.
4)テクニカルパスポートが完全に整うまでは、車両は別の競技で使用されて
はならない。
14.
2)ロール構造体
14.
2.
1)すべての車両は、車両が転倒した場合にドライバーを防護する2つのロー
ル構造体を備えなければならない。
主要ロール 構造体は、コクピット入口の型板の後方3
0
mmの地点で、基準面
の少なくとも9
4
0
mm上方に位置していなければならない。
第2ロール 構造体は、ステアリングホイールの前方になければならないが、
どの位置にあっても ステアリングホイールリムの周縁の頂点 前方250mm以上
−2
4
9
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
にあっては ならない。
2つのロール構造体は、ドライバーのヘルメットとステアリングホイールが
主要ロール構造体の頂点と第2ロール構造体の頂点とを結ぶ線から それぞれ
少なくとも7
0
mmと 5
0
mm下方に常に位置するよう 、十分な高さ を有してい
なければ ならない。
14.
2.
2)主要ロール 構造体は、1
6
.
2
)に説明されている静荷重試験に合格しなけれ
ばならない。
さらに、車両製造者は、縦の構成部品が前方方向に利用された場合にも同じ
負荷に耐え得ることを明確に示した計算詳細を 提供しなければならない。
14.
2.
3)第2ロール 構造体は、1
6
.
3
)に説明されている静荷重試験に合格しなけれ
ばならない。
14.
2.
4)主要ロール構造体および第2ロール構造体共に、垂直投影面で、各ロール
構造体の最高点から50mm低いところを通過する水平面を交差して、最低面積
10,
000mm2の構造的断面積を 有していなければならない。
14.
3)ドライバーの後部の構造体
ドライバーの直後にあり、コックピットを燃料タンクから離し、車両中心線
から150mm未満の位置にあるサバイバルセルの部品は、第132図に示されるabcde線よりも前方に位置してはならない。
この構造体の一体性を確認するために、サバイバルセルは、車両中心線に対
して直角に配置された堅牢な垂直バリアに衝突させる試験に合格しなければな
らない。試験手順の詳細は、第15条2)
に記載されている。
14.
4)サバイバルセルの仕様
14.
4.
1)全てのサバイバルセルは、その識別を目的とするFIAが承認した3つの
トランスポンダーを組み込まなければならない。
3つのトランスポンダーはサバイバルセルの恒久的部品とされ、第136図に
従い配置され、常に確認検査がしやすい状態でなければならない。
14.
4.
2 )サバイバルセルはドライバー用に少なくとも12.
2)に規定する開口部を
有していなければならない。サバイバルセルの他のすべての開口部は、機械構
成要素に接するための 必要最小限の大きさでなければならない。
14.
4.
3 )サバイバルセルの前には1つの衝撃吸収構造体を備えなければならない。
この構造体はサバイバルセルの一体構造である必要はないが、サバイバルセル
−2
5
0
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
にしっかりと取り付けられていなければならない。
水平投影面上で、その最前端の後方50mmの点で最低でも9,
000mm2の外部
断面積を有していなければならず、さらに、この点において取られた断面積の
いかなる部分も基準面の上方500mmを越えることはできない。
14.
4.
4 )第135図について
BB線とCC線の間のサバイバルセル外側の幅は、最小450mmでなければな
らず、側部は片側が少なくとも60mmで、コックピットの開き口の内側に垂直
に計測してコックピット開口部より広くなければならない。これら最小寸法は
少なくとも350mmの高さに渡り維持されなければならない。
サバイバルセルの幅はBB線前方で逓減することができるが、その場合AA
線のところで最低300mmの幅となるまで線形率で逓減する平面よりも車両中
心線に近い外側表面があってはならない。
最 小 幅 は 車 両 中 心 線 に 左 右 対 称 に 配 置 さ れ、BB線 の と こ ろ で 最 小 高
400mmが、AA線のところでは275mmが維持されなければならない。
AA線とBB線の間のいかなる点の高さも、これら2つの断面の間で線形逓
減によって決められる高さより下回ってはならない。
サバイバルセルの外側の最小断面積を評価する場合には、BB線のところで
半径50mmを有すること、およびAA線の地点で25mmとなるまで線形率での
逓減が容認される。
許される半径の適用後、AA線とBB線の間のサバイバルセル外部断面は、
それぞれの最低幅に渡って、AA線の地点で225mmの最低高となるまで線形
率で逓減され、BB線の地点で最低300mmの高さを有していなければならな
い。
AA線とBB線の間のサバイバルセルの最小高は、当該区間の水平中心線に
ついて左右対称である必要はないが、その幅全体にわたって維持されなければ
ならない。
BB線およびCC線間のサバイバルセル最小幅は550mmとする。
14.
4.
5 )12.
2.
1
)で説明されている試験が 実施され 、型板をその下端が基準面の
上方に高さ5
2
5
mmの位置になるように設置したとき、サバイバルセルは、車
両のどちら側から見てもどの部分も見えないような形状でなければならない。
ドライバーのヘルメットの両側に それぞれ位置するサバイバルセルの部品
−2
5
1
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
は、5
5
0
mm以上離れていてはならない。
ドライバーの頭部が過度に突き出すことのないよう、 また、横方向 の視界
を良好に維持するために、ドライバーが通常に着座 し、頭部を可能な限り後
方にして真っ直ぐ前を見た時、 ドライバーの目は車両の横から見て見えなけ
ればならない。この時、ドライバーの頭部の重心は、耳の中心を通る垂直線と
目の中心を通る水平線の交差する点と見なされる。
14.
4.
6 )側面からの衝撃を受けた際にドライバーを保護する性能を高めるために、
サバイバルセルの側部を想定した均一構造の平らな試験パネルを設計および構
築し、これを強度試験に合格させなければならない。試験手順は1
7
.
6
)におい
て説明される。
第1
3
5
図に基づき、局部的な補強および/またはインサートを除き、 サバ
イバルセルの部品で、1
4
.
4
.
4
)に示す最小幅と同じかそれより幅の広い部品はす
べて(丸みをおびている部分も含まれる)、1
7
.
6
)において試験を実施されるパ
ネルと同じ仕様で造られなければならない。さらに、この試験を受けた仕様の
部分は以下 の領域を覆っていなければならない。
‐AA線のところで、少なくとも2
5
0
mmの高さより開始され、
‐BB線のところで、少なくとも高さが4
0
0
mmとなるまで線形率で逓減し、さ
らにその高さでサバイバルセルの後部にまで維持され、
‐BB線とサバイバルセルの後部との間では基準面上1
0
0
mm以上の領域。
14.
4.
7 )14.
4.
4)、14.
4.
6)、14.
5.
1)、14.
5.
2)、14.
5.
4)、14.
5.
5)、15.
1)、15.
2)、15.
3)、
16.
1)、16.
2)、16.
3)、17.
1)、17.
2)、17.
3)、17.
4)、17.
5)、17.
6)お よ び17.
8)
の条件が一旦満たされたなら、厚みが6.
2mm以上のパネルをサバイバルセル側
に恒久的に取り付けなくてはならない。
これらのパネルは
1) 前後方向については、コックピット入り口型板の前方125mmに位置する垂
直面とその型板の後方50mmに位置する垂直面の間の領域を覆うものでなけ
ればならない。
両端に水平な50mm線形逓減部を含むことができる。
2) 垂直方向については、14.
4.
6)および17.
6)に従って構築された領域を覆っ
ていなければならない。
これは、14.
4.
4)により認められた半径が許可される最小シャシー幅につ
−2
5
2
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
いては適用されない。
3)16層ザイロンと2層カーボンにより、レイアップ製法に従って製作されてい
なければならない。
詳細は、FIA発行の「Speci
f
i
cat
i
onf
or2008SecondarySi
deI
nt
rus
i
on
Panel(Fi
nalVers
i
on1.
0)」に記載されている。
4) パネル表面全体に適切な接着剤を用いてサバイバルセルに恒久的に貼り付
けなければならない。
側方衝撃吸収体周囲への取り付け、配線用の孔および必要な取り付け具のた
め、片側で合計25,
000㎟の切抜き部をこれらのパネルに設けることができる。
14.
5)サバイバルセルの安全要件
14.
5.
1)サバイバルセルおよび前部衝撃吸収構造体は、車両の中心線に対して垂直
に置かれた固定障壁 への衝突試験に合格しなければならない。その 試験手順
は1
5
.
2
)に定められている 。
14.
5.
2)前部ロール構造体と後部ロール構造体の間では、サバイバルセルの各側面
に衝撃吸収構造体が備わっていなければならず、しっかりと固定されていなけ
ればならない。
これらの構造体の目的は、側方からの衝撃に対しドライバーを保護すること、
またその保護を実際確実なものとするために、ドライバーの着席位置付近の側
面強度試験を成功させなければならない。試験手順は、17.
2)に記載されてい
る。
サバイバルセルならびに衝撃吸収構造体の1つは衝突試験に合格しなければ
ならない。
その試験手順は、15.
3)に定められている。これらの構造体が車両中心線に
対し左右対称になるように設計され、取り付けが為されていない場合は、その
それぞれの構造体の試験を成功させなければならない。
14.
5.
3)衝撃吸収構造体1つを、車両中心線について対称に、その最後端面領域の
中心が基準面上方300mm(±5mm)となり、リアホイールの中心線から575mm
以上になるよう、ギアボックス後方に装着しなければならない。
衝撃吸収構造体の最後端面は、幅100mm以上の長方形でなければならない。
また、この最小幅は少なくとも130mm以上の高さにわたって維持されなけれ
ばならず、各角部には10mm以上の丸みをつけることができる。
−2
5
3
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
後面とリアホイール中心線の間では、このように定められた領域の寸法を減
少させることはできず、許可された丸みを除き、下から見える構造体あるいは
ギアボックスのいかなる部分も後面の下端より高くすることはできない。構造
体の範囲内で最小サイズのポケットが、サスペンション部材の固定の目的だけ
のために認められる。
この構造体は衝突試験に合格しなければならず、使用中の温度に対して著し
い影響を受けない素材で製作されなければならない。試験手順は、15.
4)に定
められている。
14.
5.
4)サバイバルセルは、下記の5種類の静荷重試験をそれぞれ受けなければな
らない。
1)燃料タンク部 の中心を通過する垂直面に対する試験
2)内部の取り付け具を中心に旋回したときに、最前部のフロントホイールテ
ザーの外端がサバイバルセルと接触する最後部の地点を通過する垂直面に対
する試験
3)コクピット入口の型板の後端の前方3
7
5
mmの位置の垂直面に対する試験
4)燃料タンクの真下からの 試験
5)コクピットの開口部の各側面 に対する試験
各々の 試験手順は1
7
.
2
)〜1
7
.
4
)において説明される。
14.
5.
5)前部、側部および後部 衝撃吸収構造体のサバイバルセルへの取り付け部
に対する試験として、静側面荷重試験が行われなければならない。試験手順は
1
7
.
5
)
、17.
7)、17.
8) において説明される。
第 15条 衝突試験
15.
1)すべての衝突試験に適用される条件
15.
1.
1)すべての試験は、FIAが公認(FIAテクニカルリスト№4)したテス
トハウスにおいて、FIA試験手順0
1
/
0
0
に従って、FIAが承認した測定機
器を使用して実行されなければならない。
15.
1.
2)試験を受けた構造体に大規模な改造が施された場合には、再試験を実施し
それに合格しなければならない。
15.
1.
3)基準のサバイバルセルは衝突試験実施前に、14
.
2
)
、1
4
.
5
.
4
)
、1
4
.
5
.
5
)に記
載されるすべての静荷重試験に合格しなければならない。
15.
2)前部の試験-1
−2
5
4
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
試験の結果に影響を及ぼす可能性のあるすべての部品は、エンジン取り付け
点で台車に確実に固定し試験構造体に取り付けられなければならない。 これ
により衝撃強度が増すことがないように取り付けられる。
燃料タンクは水で満たされた上、取り付けられなければならない。
最低7
5
kgの重量のダミーが、1
3
.
5)で説明されている安全ベルトを締めた状
態で取り付けられなければならない。ただし、安全ベルトを外した状態では、
ダミーはコクピット内で前方向に自由に移動できるようにしておかなくてはな
らない。
1
3
.
2)に定められる消火装置も取り付けられていなければならない。
この試験の目的上、台車と試供構造体の総重量は7
8
0
kg
(+1% /0) とし、衝
突 速度は15.
0m/s
以上 とする。
試験構造体の抵抗力は、衝撃時に以下が達成できるものでなければ ならな
い。
1
) 最初の150mmの変形を起こす間の平均減速度は10G を超えないこと。
2) 最初の60KJエネルギー吸収を起こす減速度は20Gを超えない。
3
) 台車の平均減速度は40Gを超えないこと。
4
) ダミーの胸部に与えられる減速ピークが累積3ms
を超える間6
0
Gを超えな
いこと。
5
) さらに、サバイバルセル、安全ベルトまたは消火装置の取り付け部に、何
ら損傷があってはならない。
この試験は、1
7
.
2
)〜1
7
.
4
)で説明されている試験を受けるサバイバルセルと、
1
7
.
5
)に説明されている試験を受けるものと同一の前部衝撃吸収構造体に対し
て、実行されなければならない。
15.
3)側方 試験
試験の結果に影響を及ぼす可能性の大きい部品はすべて、地面にしっかりと
固定された試供構造体に取り付け、重量78
0
kg(+1
%/0) の固形物質を10m/s
以上 の速度でそれに衝突させる 。
試験に使用する物体は次の条件を満たさなければならない。
1
) FIA指定のインパクターアセンブリをFIAの指示通りに取り付けるこ
と。
2
) コクピット開口部の型板の後端の前方500mm(±3mm) の地点および基
−2
5
5
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
準面から高さ3
0
0
mm(±2
5
mm)の位置で構造体に中心部分が当るような配
置にすること。
試験中、衝突させる物体がいかなる軸においても回転することは許されない
が、試験対象となる部品の衝撃抵抗を強化することがなければ、サバイバルセ
ルを支えることは許される。衝撃の軸は車両の中心線に対して垂直、地面に対
して平行でなければならない。
試験構造体の抵抗力 は、衝撃を受けている間は、以下の通りでなければな
らない。
3
) 衝撃の方向で測定した物体の平均減速度は20Gを超えないこと。
4
) 4つのインパクターセグメントのいずれか1つに適用する力は累積3ms
を
超える間8
0
kNを超えないこと。
5
) 4つのインパクターセグメントそれぞれに吸収されるエネルギーは総エネ
ルギー吸収の1
5
%〜3
5
%の範囲であること。
6) さらに、 構造的な損傷はすべて衝撃吸収構造体内に収まらなくてはならな
い。
この試験は、1
7
.
2
)〜1
7
.
4
)で説明される試験を受けるサバイバルセルで実施
するものとする。また、1
7.
8) で説明されている試験を受ける側方衝撃吸収構
造体(複数)に対して行われなければならない。
15.
4)後部試験
エンジンの後部面より後方に取り付けられ、試験結果に実質的影響を与える
可能性のある部品は全て、試験構造体に装着しなければならない。
サスペンションメンバーが構造体に搭載されることになっている場合は、試
験時にも取り付けられなければならない。
構造体とギアボックスは地面にしっかりと固定しなければならず、それに向
けて質量780kg(+1%/0)の固形物体を11m/s
以上の速度でそれに衝突させる。
試験に使用する物体は、平らで、寸法が幅450mm(±3mm)、高さ550mm
(±3mm)でなければならない。すべての縁部は半径10mmの丸みを帯びてい
てもよい。この下端部は車両の基準面と同じ高さ(±3mm)になるように位置
させ、車両の中心線に対して垂直に90°
の角度で構造体に衝突するように配置
しなければならない。
試験中、衝突させる物体がいかなる軸においても回転することは許されない
−2
5
6
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
が、衝突構造体は試験対象部品の衝撃抵抗を高めない限り、どのような方法で
固定してもよい。
試験構造体の抵抗力は、衝突時に以下が達成できるものでなければならない。
1)最初の225mmの変形を起こす減速度は20Gを超えない。
2
) 最大減速度は、累積15msを超える間20G を超えないこと。これは、衝撃
方向でのみ測定されること。
3
) さらに、構造的な損傷はすべてリアホイール中心線の後方の領域に収まら
なくてはならない。
この試験は、1
7
.
7
)で説明されている試験対象となった後部衝撃吸収構造体
について実施されなければならない 。
15.
5)ステアリングコラムの試験
9
.
6.
3
)で触れられている部品、およびその他試験結果に実質的影響を与える
可能性のある部品は、全て試験構造体に装着しなければならない。試験結果に
影響を及ぼす可能性のある部品もまた、取り付けられていなければならない。
試験構造体は地面に固定されていなければならず、質量8kg(+1%/0)の固形
物体を7m/s
以上の速度でそれに衝突させる。
この試験に使用される物体は直径1
6
5
mm(+/
-1mm)の半球形のものでなけ
ればならない。
この 試験では半球体の中心が、ステアリングコラムの主要部と同じ軸に沿
ったステアリングホイールの中心で、構造体を打撃するように衝突させなけれ
ば ならない。
試験中、衝突させる物体がいかなる軸においても回転することは許されない
が、試験対象となる部品の衝撃抵抗を強化することがなければ、試供構造体を
支えることは許される。
試供構造体の抵抗力 は、衝突を与えられている間 、物体の減速ピーク が累
積3ms
を超える間 80Gを超過しないような抵抗力を有していなければならな
い。 これは衝突方向でのみ測定されること 。
試験後も 、実変形はすべてステアリングコラム内に収まらなければならず 、
ステアリングホイールのクイックリリース機構が正常に機能 していなければ
ならない。
第 16条 ロール構造体の試験
−2
5
7
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
16.
1)両ロール構造体の試験に適用される条件
16.
1.
1)3mm厚のゴムを荷重パッドとロール構造体の間に使用することが許され
る。
16.
1.
2)両方の最高荷重の適用 は3分未満としなければならず 、1
0
秒間維持され
なければならない。
16.
1.
3)荷重が加わった際、その変形は 荷重軸に沿って計測して、50
mm未満 で
なければならず、構造な破損は 垂直に測定してロールオーバー構造体の頂点
の下 100mmまでに制限される。
16.
1.
4)試験を受けた構造体に大規模な改造が施された場合には、改造部分にさら
に試験を受けることが求められる。
16.
2)主要ロール構造体試験
横方向の5
0
kN、縦方向の6
0
kN
(後方方向)、垂直方向の9
0
kNに相当する荷重
が、荷重軸に垂直に固定された直径2
0
0
mmの平坦な堅いパッドを通して、構
造体の頂上部に加えられなければならない。
この試験の間ロール構造体は、その下部を平面に支えられ、エンジン取り付
け部を通じて固定され、1
7
.
2
)に記述された静荷重試験パッドのいずれかによ
り側面をくさび止めされたサバイバルセルに取り付けられていなければならな
い。
16.
3)第2ロール構造体試験
垂直方向の7
5
kNの荷重が、荷重軸に垂直に固定された直径1
0
0
mmの平坦な
堅いパッドを通して、構造体の頂上部に加えられなければならない。
試験中、ロール構造体は、平らな水平面に固定されたサバイバルセルに取り
付けられなければならない。
第 17条 静荷重試験
17.
1)すべての静的試験に適用される条件
17.
1.
1)1
5.
2)に記載された衝突試験の対象となるサバイバルセルに、17.
2)、17.
3)、
17.
4)、17.
5) および17.
8.
2) に記載された静荷重試験を行わなくてはならない。
17.
1.
2 )歪みと変形は、円形の負荷 パッド域 の中心および、方形 のパッドの頂点
で計測されることとする。
17.
1.
3 )すべての最高 荷重は3分未満、ボールジョイント継手を介して、パッド
部の中心に加えられ、それは最低3
0
秒間持続しなければならない。
−2
5
8
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
17.
1.
4 )17.
2
)、1
7
.
3
)および1
7
.
4
)に説明される試験の後 では、荷重を除いて1分
経過してからの恒久的 変形は、1
.
0
mm(1
7
.
3
)では0
.
5
mm)未満でなければな
らない。
17.
1.
5 )すべての試験は、FIAが承認した測定機器を使用して実施されなけれ
ばならない。
17.
1.
6 )すべての荷重パッドの端部は最大半径3mmの丸みをもたせることができ、
3mm厚のゴムを荷重パッドと試供構造体の間に置くことができる 。
17.
1.
7 )重量が、15.
2
)、1
5
.
3
)に記述されている衝突試験を受けるものから、5%
を超えて異なる場合、さらに前部および側方衝突試験とロール構造体試験が行
われなければならない。
17.
1.
8 )試験を受けた構造体に大規模な改造が施された場合には、改造部分に対
する再試験を実施しそれに合格しなければならない。
17.
2)サバイバルセルの側方 試験
17.
2.
1)1
4
.
5
.
4
)に記述されている試験1の試験荷重を加えるパッドは、長さ1
00mm
高さ300mmで、サバイバルセルの形状に添うものとする。そのパッドはサバ
イバルセルの最外側面で、パッドの下端をサバイバルセルの最下部に合わせた
位置としなければならない。
水平横方向の2
5
.
0
kNの一定荷重が加えられるとき、サバイバルセルの内部ま
たは外部表面に構造的欠陥が生じてはならない。
17.
2.
2)1
4
.
5
.
4
)に記述されている試験2では、サバイバルセルの形状に一致する
直径2
0
0
mmのパッドをサバイバルセルの両側の最外側面に対して設置しなけ
ればならない。
パッド部の中心が上記の面および、構造体の高さの中間点を通過していなけ
ればならない。
水平横方向の3
0
.
0
kNの一定荷重が加えられるとき、サバイバルセルの内部ま
たは外部表面に構造的欠陥が生じてはならず、歪みの総計が15
mmを超えては
ならない。
17.
2.
3)1
4
.
5
.
4
)に記述されている試験3では、サバイバルセルの両側の最外側面
に対して、サバイバルセルの形状に沿う 直径2
0
0
mmのパッドを設置しなけれ
ばならない。パッドの中央は基準面の上方35
0mmに位置し、14.
5.
4)に言及さ
れている垂直面上になければならない。
−2
5
9
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
水平横方向の3
0
.
0
kNの一定荷重が加えられるとき、サバイバルセルの内部ま
たは外部表面に構造的欠陥が生じてはならず、歪みの総計が15
mm以下でなけ
ればならない 。
17.
3)燃料タンク床 試験
直径2
0
0
mmのパッドが燃料タンク床域 の中心に置かれ、垂直上方に12
.
5
kN
の荷重が加えられる。
この負荷 が加えられた結果 、サバイバルのセルの内部または外部表面に構
造的欠陥が生じてはならない。
17.
4)コクピットリム試験
直径1
0
0
mmの2つのパッドを、その上端をコクピット側面の最高点と同じ
高さにし、その中心をコクピット開口部の型板の後端より2
50mm 前方に位置
するように、コクピットリムの両側に取り付けなければならない。
水平横方向の1
5.
0kNの一定荷重が90°の角度で車両の中心線に加えられる
間、サバイバルセルの内部または外部表面に構造的欠陥が生じてはならず、歪
みの総計が2
0
mmを超えてはならない。
17.
5)ノーズ部プッシュオフ試験
試験中は、サバイバルセルは平坦な面に設置され、試験対象となる取り付け
部の強度を増すことのない方法により、堅固に固定されていなければならない。
フロントホイールの車軸から5
5
0
mm離れた地点で、1
7
.
2
.
1
)の横方向の試験
で使用されるものと同一のパッドを使用して、衝撃吸収構造体の片側に水平横
方向の4
0
.
0
kNの一定荷重を加えることとする。
パッド部の中心は上記の面および、構造体の高さの中間点を通過していなけ
ればならない。3
0
秒間荷重を加えた後に、構造体または、構造体とサバイバル
セルの取り付け部に欠陥が生じていてはならない。
17.
6)側方 貫通試験
17.
6.
1)この試験は、FIA試験手順0
2
/
0
0
に従って、FIAが承認した測定機器
を使って実行されなければならない。
試験の手順詳細は、2013FI
Aフォーミュラ1技術規則付則に記載されている。
17.
6.
2)試験パネルの寸法は5
0
0
mm×5
0
0
mmでなければならない。堅い円錐台を
2mm(±1mm)/秒の速度で、パネルの中心を通じ、 変位が1
5
0
mmを超え
るまで、この試験パネルの中心に貫通させる。
−2
6
0
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
最初の1
0
0
mmの変位が生じている間、試験 荷重は2
50kNを超えていなけれ
ばならず、 エネルギー吸収性 は6,
0
0
0
Jを超えていなければならない。これら
の要件が満たされる前 に、取り付け物に損傷を生じること、または境界部分
に系統だった損傷を生じることがあってはならない。
17.
7)後部衝撃吸収構造体プッシュオフ試験
17.
7.
1)試験中は、ギアボックスと後部衝撃吸収構造体は水平な面にしっかりと固
定されていなければならない。試験対象となる取り付け部の強度を増すことの
ない方法により、堅固に固定されていなければならない。
17.
7.
2)4
0
kNの一定の横向き水平荷重が1
7
.
2
.
1
)のサバイバルセルの側方試験で使
用されたものと同じパッドを使用し、リアホイール軸から後方40
0
mmの点で
衝撃吸収構造体の片側に加えることとする。
パッド部分の中央は、当該部分の衝撃吸収構造体の高さの中心を通らなけれ
ばならない。
水平荷重を3
0
秒加えた後、衝撃吸収構造体とギアボックスの取り付け部に一
切の構造的欠陥が生じてはならない。
17.
8)側部衝撃吸収構造体プッシュオフ試験
17.
8.
1)スーパーフォーミュラ(SF)車両製造者は、構造体(含む複数)が以下に
耐え得ることを明確に示す計算詳細を提供しなければならない。
- ボールジョイント・パッドにより前方および後方方向へ別々に負荷される
20KNの水平荷重。
この場合のパッドは、構造体の形状に沿ったものとすることができ、高さ
550mm×幅100mmで、中心が車両中心線から600mm、基準面上方300mmの
ところに位置する。
- ボールジョイント・パッドにより上方および下方方向へ別々に負荷される
10KNの荷重。
この場合のパッドは、構造体の形状に沿ったものとすることができ、長さ
400mm×幅100mmで、中心が車両中心線から600mm、コックピット入り口
型板の後端の500mm前方に位置する。
いかなる場合にも、計算によって、部品に構造的損傷がないことが示される
こと。
また、ボールジョイント・パッドが使用され、ジョイント部がパッド領域
−2
6
1
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
の中心にあると想定されること。
複合衝撃構造体が、車両に装着されている場合は、パッドに接触している
部分のみが構造体に負荷される荷重を受ける必要がある。
17.
8.
2)プッシュオフ試験の間、サバイバルセルは平坦な板の上に置かれ、それに
しっかりと固定されていなければならないが、試験を受ける取り付け部の強度
を増すような固定方法を用いてはならない。
その後20kNの一定の後ろ向き水平荷重が、高さ550mm×幅100mmで、衝撃
吸収構造体の形状に沿ったものとすることができるボールジョイント・パッド
を使用し、構造体の車両中心線から600mmの地点に加えられる。
パッド領域の中心は、基準面の300mm上方に位置し、構造体とサバイバル
セルとの間の一切の構造と取り付け部に全く損傷を生じてはならない。
複合衝撃構造体が車両に装着されている場合は、パッドに接触している部分
のみが試験を受ける。
第 18条 燃 料
18.
1)燃 料
一般市販燃料に限定され、 供給された燃料には何も加えてはならない。
18.
2)空 気
燃料に混入することができる酸化剤は空気に限る。
第 19条 車載テレビカメラ
19.
1)車載テレビカメラシステム搭載の有無にかかわらず、最低重量(3
.
1
)参照)
を満たさなければならない。
19.
2)車載テレビカメラシステムを搭載しない車両は、その重量に相当するダミー
ウェイトを搭載しなければならない。
19.
3 )車載テレビカメラシステムは、車体寸法規定 の対象とはならない。
19.
4 )車両(主要ロール構造体を含む)への取り付けは、指定された場所、治具、
方法、寸度に限定される。
−2
6
2
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
φ50
90 90
100 100
φ80
0
330
387
50
330
φ80×2
φ50
φ50×2
750
245
1500
2135
2250
第13-1図:スキッドブロックの寸法
−2
6
3
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
R200
520
R100
12°
R100
400
850min
e
375
270
130
250
25
50
90
950
d
c
Ram Position
230
R300 max
550
b
15°
45°
a
基準面
第13-2図:コクピット入口の型板
−2
6
4
−
R25 max
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
第13-3図:コクピット横断面型板
最小850
領域 B
ペダル面最後部より
後方100mm
連続したパッド
前部ロール構造体より後方50mm
第13-4図:コクピットのパッド
−2
6
5
−
第1
3
章 スーパーフォーミュラ(SF)
925
A
B
C
b
a
300
450
コクピット型板の
後部
a
A
B
b
最小60 C
1800
450
275
400
300
R25(4)
R50(4)
A−A面における
最小外部寸法
B−B面における
最小外部寸法
第13-5図:サバイバルセルの寸法
第13-6図:トランスポンダーの位置
−2
6
6
−
第1
4
章 リブレ(その他の車両)
(NE)
第14章 リブレ(その他の車両)(NE)
本規則第1編レース車両規定、もしくは国際モータースポーツ競技規則付則J項の
グループのいずれにも属さない車両で競技会を開催する場合、オーガナイザーは、特
別規則書に車両規則を明記しなければならず、いかなる場合においても下記に従いJ
AFの許可を得なければならない。
1)車両規定およびその仕様の詳細をJAFに申請し、その承認を得たうえで公告
すること。
2)承認された車両規定および仕様は競技会特別規則書に明記すること。
3)部門Ⅰ(量産車両)、部門Ⅱ(競技専用車両)のどちらに相当するか、もしく
はどちらにも相当しないかにより、下記の条項に合致しなければならない。
(第1章参照)
ただし、JAFが安全であると認めた時はその限りではない。
部門Ⅰ(量産車両)に相当する車両……………1
部門Ⅱ(競技専用車両)に相当する車両………2
その他の形式………………………………………3
4)すべての車両は、第2章“レース車両の排気音量規制”に従っていなければな
らない。
5)気筒容積の制限はオーガナイザーが任意に定めることができる。
6)JAFにより、2
0
0
9
年1月1日より新車と見なされるすべてのクローズドカー
は、コクピットへの出入りおよびその乗員へのアクセスが可能なように、左右
両側にそれぞれ少なくとも1つの開口部を有していなければならない。
7)コクピットは、正常に着座したドライバーがドライバー側の開口部を使って7
秒以内に、同乗者側の開口部を使って9秒以内で脱出できるよう設計されてい
なければならない。
−2
6
7
−
第1
4
章 リブレ(その他の車両)
(NE)
触媒装置:
1 第5
章3
条3
.
1
7
.
2
)
2 2
0
1
1
年1月1日以降に新たに申請される車
3 両については触媒装置の装着が義務付け
られる。
制動安全装置:
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
サーキットブレーカー:
安全燃料タンク:
燃料配管、ポンプ、フィルター:
燃料補給用開口部とキャップ:
オイルキャッチタンク:
電気ケーブル:
安全ベルト:
オイルシステムの縦方向の位置:
後退ギア:
サスペンションアーム:
ホイールの材質:
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
第4
章2
条2
.
1
)
第4
章1
1
条
第6
章7
条
付則J項2
5
9
.
6
.
3
第4
章1
条1
.
1
)および1
.
2
)
付則J項2
5
9
.
6
.
2
第3
章1
0
条1
0
.
3
)
付則J項2
5
9
.
6
.
4
第4
章1
9
条
ただし、1
0
0
0
c
c
以下のエンジンを使用す
る場合、1ℓ以下でも良い
付則J項2
5
9
.
7
.
4
付則J項2
5
9
.
8
.
5
第4
章4
条
付則J項2
5
9
.
1
4
.
2
.
1
付則J項2
7
5
.
7
.
2
付則J項2
7
5
.
9
.
3
付則J項2
7
5
.
1
0
.
3
.
1
付則J項2
7
5
.
1
2
.
2
−2
6
8
−
第1
4
章 リブレ(その他の車両)
(NE)
消火器
後方視界用ミラー:
リアライト:
ヘッドレスト:
牽引用穴あきブラケット:
防火壁:
座席:
ステアリング:
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
1
1
2
3
第4
章5
条5
.
1
)および5
.
2
)
付則J項2
7
5
.
1
4
.
1
第4
章7
条
付則J項2
7
5
.
1
4
.
3
付則J項2
7
5
.
1
4
.
5
第4
章1
3
条
付則J項2
7
5
.
1
4
.
6
第4
章8
条
付則J項2
5
9
.
1
4
.
6
第4
章1
7
条
付則J項2
5
9
.
1
5
.
3
第4
章1
3
条
第4
章1
8
条
安全構造:
部門Ⅰ(量産車両)に相当する車両は、第4章第6
条「ロールケージ」に合致
しなければならず、“その他の車両(クラシック、ヒストリック)”に相当す
る車両は付則J項2
5
9
条1
5
.
1
に合致しなければならない。部門Ⅱ(競技専用車両)
に相当する車両は、それらの形式により、下記の規定に合致しなければならな
い。
・クロスカントリー型:付則J項2
8
3
条8
・2つ以上の座席を備えたサーキット車両型:付則J項2
5
9
条1
5
.
1
・シングルシーター型:最低2つのロールオーバー構造
シングルシーターの寸法と位置:
第2ロール構造体はステアリングホイールの前になくてはならず、ステアリ
ングホイールリムの頂点より2
5
0
mm前方まで、また少なくとも同じ高さにな
くてはならない。
主要ロール構造体は、第2ロール構造体より少なくとも5
0
0
mm後方になく
−2
6
9
−
第1
4
章 リブレ(その他の車両)
(NE)
てはならず、主要ロール構造体の頂点から第2ロール構造体の頂点に延びる線
が、ヘルメットを着用してシートベルトを締め、通常に着座したドライバーの
ヘルメットの上方5
0
mmの位置を通るよう、十分高い位置になくてはならない。
この主要ロール構造体の最低高はドライバーの脊柱に沿って座席のシェルか
らロール構造体の頂点までを測定し最低9
2
0
mmなければならない。側面の2
つの直立支柱の間にあるロール構造体の内側で測定し、その幅は少なくとも
3
8
0
mmなければならない。それはドライバーの脊柱に沿って座席のシェルか
ら垂直に高さ6
0
0
mmの位置で測定すること。
シングルシーターの強度:
ロール構造体に関する十分な強度を製造者が得るために、2つの方法がある。
a)ロール構造体の規格については全く自由であるが、付則J項第27
5
条1
5
.
2
.
3
に示された最小強度に耐え得るものでなければならない。当該強度要件を満
たすことを証明する書類をJAFへ提出すること。
b)チューブとブレース(支柱)の直径は少なくとも3
5
mmで、肉厚は少なく
とも2mmなければならない。その材質は、モリブデンクロムSAE4
1
3
0
また
はSAE4
1
2
5
(あるいは、DIN、NF等と同等なもの)。
ロール構造体の頂点から水平に対し60
°を超えない角度で後方に少なくとも
1本の支柱を取り付けること。この支柱の直径および材質はロール構造体と同
じでなければならない。2本の支柱を取り付ける場合は、外径2
6
mmで肉厚3
mmのパイプを用いてもよい。メインフープと支柱との間の取り外し可能な連
結部は付則J項第2
5
3
3
7
図から第2
5
3
4
6
図に合致していなくてはならない。支
柱は前方に取り付けてもよいが、転倒した際、ドライバーが脱出できる構造と
すること。
シングルシーターの安全構造:
パワーウェイトレシオに応じた車両カテゴリーの安全構造の条件に配慮する
こと。
−2
7
0
−
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