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人・まち・自然がつながる交流・創造都市

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人・まち・自然がつながる交流・創造都市
−概要版−
人・まち・自然 がつながる交流・創造都市
∼ 交 流 で つ な が る 創 造 力 で つ づ く 、安 全 で 心 地 よ い 都 市 へ ∼
名古屋市
名古屋のまちづくり の 基 本 方 針 で す 。
本編は、名古屋市公式ウェブ
名古屋市都市 計 画 マ ス タ ー プ ラ ン は 、 長 期 的 な 視 点 に
立ち、将来の都 市 像 や ま ち づ く り の 方 向 性 を 示 す と と も
に、地域住民・ 企 業 ・ 行 政 な ど の 協 働 に よ る ま ち づ く り
をすすめるガイ ド ラ イ ン と な る 、 ま ち づ く り の 基 本 方 針
です。本計画の 策 定 は 平 成 1 3 年 度 に次 ぎ 2 度 目 と な り ます 。
サイトに掲載しております。
前提条件
名古屋市都市計 画 マ ス タ ー プ ラ ン の 前 提条件は、下記のとおりです。
対象区域:名古屋市全体を基本とし、周辺市町村や名古屋大都市圏の各都市との
交流についても考慮します。
目標年次: 概ね20年の長期的な見通しのもとに、2020年 (平成32年)とします。
将来人口:2025年 (平成37年)頃に減少基調に入ることを想定します。
特 色
名古屋市都市計 画 マ ス タ ー プ ラ ン の 特 色は、次の3 点です。
駅 そ ば ま ち づ くり
将来的な人口減少や高齢化、大規模災害、地球環境問題への対応を考慮した都市構造を
めざし、その第一歩となる取り組みを示します
戦 略 的 ま ち づ くり
戦略的なまちづくりの展開に向けて、まちづくりの戦略と重点的に取り組む地域における
まちづくりのイメージを示します
地 域 ま ち づ くり
戦略的なまちづくりを支えるしくみとして、多様な主体による地域まちづくりの推進の
プロセス等を示します
2
名古屋はこんな所
洪積台地
位置と地形
名古屋は、 地理的に日本のほぼ中央に位置
し、 中部圏の中核となる都市としての役割も期
待されています。 地形は、 東部はなだらかな
丘陵地、 中央部は北から南になだらかに傾斜
する平坦な台地、 北 ・ 西部の沖積地は肥沃な
濃尾平野の一部、 南部は干拓事業により開発
された地域で平坦な低地となっています。
沖積平野
丘陵地
第三紀層
第四紀層・洪積層(高位)
第四紀層・洪積層(低位)
沖積層(斜線部分は 0m 以下)
まち の な りたち と 特性
名古屋のまちは、 尾張の国の中心地であっ
た清須のまちを移転 (清須越) することによっ
てつくられました。 また、 明治時代以降の耕地
整理 ・ 土地区画整理、 戦後の復興土地区画整
理、 組合施行土地区画整理などによって、 市
街地の形成がすすめられてきています。
新法の組合施行土地区画整理
旧法の土地区画整理
耕地整理
公共団体等施行土地区画整理
名古 屋 の 特徴
豊かな歴史文化
ものづくり圏域の中枢都市
名古屋は、 楽市 ・ 楽座など既
成概念を打ち破る画期的な政策
を行った信長や、 天下統一を果
■名古屋城
たした秀吉を輩出し、 家康によっ
て築城された名古屋城は、 400年を経た現在もまちの
シンボルとして親しまれています。 戦災を免れた本丸御
殿の障壁画を始めとする、 貴重な文化資産も数多く残さ
れています。 また、 築城にあわせ開削された堀川は、
400年もの間名古屋のまちづくりと人々の暮らしを支えて
きました。
江戸時代には7代宗春をはじめ歴代の尾張藩主が文化
芸術や学問の振興に取り組んだ結果、 幅広い分野の文
化・芸能が盛んになり「芸どころ名古屋」が培われました。
名古屋は、江戸時代から良質
な木材の集散地であったことか
ら、 建 具、 家 具、 仏 壇 ・ 仏 具
■産業技術記念館
などの生産が盛んになりました。
さらにこれらの木材加工技術を基礎にして、 時計、 鉄
道車両、 合板、 楽器などの近代工業へと発展しました。
また、 瀬戸や常滑などの陶磁器産地に近いことか
ら近代窯業が発展するなど、 ものづくりの歴史の中
で育まれた産業技術の蓄積と集積はさまざまな技術革
新を生み出す源泉となりました。
こうして、 名古屋を中心とする圏域は、 自動車、 航
空機、 精密機器、 工作機械、 ファインセラミックスな
どの分野において、 世界的なレベルの産業技術の中
枢圏域となっています。
住みやすい大都市
環境保全の取り組み
名古屋は、 東京、 大阪に次ぐ
大規模な経済圏の中枢都市です
が、 東京、 大阪と比べて人口密
■久屋大通公園周辺
度が高くなく、 計画的なまちづ
くりにより広い道路や公園が確保され、 空間的なゆ
とりを備えています。 また、 大都市でありながら通勤
時間が比較的短いなど、 時間的にもゆとりのある都
市であるといえます。 日本初の地下鉄環状運転が実
現されるなど公共交通ネットワークが充実しているほ
か、 木曽川の豊かな水源を生かした水道水は全国
的にもおいしいと評価されており、 生活における便
利さ、 快適さにおいて市民の満足度は高く、 住みや
すいまちという評価を得ています。
名古屋市は、 渡り鳥の重要な
飛来地である藤前干潟を保全す
るため、 埋立処分場計画を断念
■藤前干潟
し、 ご み 非 常 事 態 を 宣 言 し ま し
た。 そして、 市民総ぐるみでごみ減量に取り組んだ
結果、 2009年度には1998年度に比べてごみ処理量
は約6割に、 埋立量は約3割にまで減りました。 こう
した努力によって守られた藤前干潟は、 2002年にラ
ムサール条約の登録湿地となりました。
環境に対する市民意識の向上や協働文化の浸透
は、 2005年に開催された愛 ・ 地球博を経て、 市民の
主体的な環境保全活動や2010年に開催された生物多
様性条約第10回締約国会議 (COP10) の取り組みへ
と広がりを見せています。
3
めざすべき 都 市 の 姿 は “
、 人 ・ま ち・ 自 然 が つ
∼ 交 流 で つ な が る 創 造 力 で つ づ
3 つ の くら し の 実 現
3つのくらしをバランスよく
実現することが大切なのね。
下記の3つの く ら し の 実 現 を め ざ し ま す 。
一人ひとりが豊かな暮らしを実感できる
「やすらぎのあるくらし」
少子高齢化の進行や生産年齢人口の減少にともない、生活に対する不安が広がっています。また、大
規模災害発生への懸念など、安心・安全に対する危機感が増大しています。このような状況の中、一人
ひとりが豊かな暮らしを実感できる「やすらぎのあるくらし」の実現をめざします。
名古屋大都市圏の中枢都市に
ふさわしいまちの鼓動や躍動を実感できる
♪
♪
「ときめきのあるくらし」
♪
♪
将来的な人口減少にともなう都市活力の低下が懸念される中、グローバル化による国際交流の活発化
にあわせて、交流人口の増加が求められています。このような状況の中、名古屋大都市圏の中枢都市に
ふさわしいまちの鼓動や躍動を実感できる「ときめきのあるくらし」の実現をめざします。
持続可能で水や緑、生き物などの自然を身近に感じられる
「うるおいのあるくらし」
地球温暖化の進行や化石燃料枯渇への懸念など、地球環境をとりまく様々な問題が顕在化しています。
都市においては、快適な都市生活を継続しつつも都市活動がもたらす環境負荷の抑制が求められていま
す。このような状況の中、持続可能で水や緑、生き物などの自然を身近に感じられる「うるおいのある
くらし」の実現をめざします。
背 景 と な る 時 代 の 潮 流
1 少子高齢化の加速と人口減少の進行
2 安心・安全に対する危機感の増大
■人口の推移
■災害に対する備えが整っているまち
万人
250
・現状では実現できているか
200
合計
150
できている
2.9%
65歳以上
100
50
15-64歳
0
0-14歳
S40
1965
S50
1975
S60
1985
H7
1995
H17
2005
H27
2015
H37
2025
年
どちらかといえば
できている
36.3%
どちらかといえば
できていない
45.3%
・今後、力を入れるべきか
今よりかなり
力を入れる
34.4%
今より
力を入れる
47.4%
できていない
10.0%
無回答
5.6%
今より力を
入れなくてもよい
0.7%
無回答
4.0%
今の状況を
維持する
13.5%
(名古屋市総務局推計の上限値)
(H20年度 市民2万人アンケート)
常 住 人 口 は、平 成 37年(2025年)頃にピークを迎え、
その後は、減少基調に入ると想定されています。
また、平成37 年の高齢化率(65歳以上の割合)は26%程
度(平成22年より5ポイント増加)となる見込みです。 このように、少子高齢化が進行し人口減少社会が到来す
る中、これらに対応したまちづくりが求められています。
災害に対する備えが整っているまちかどうかについ
て、現状では半数以上の人が実現できていないと考え、
今後、その実現に向けて、大多数の人が力を入れるべ
きと考えています。
東日本大震災を受け、こうした 災害への備えに対す
る危機感が増々強くなるものと思われ、安心・安全な
まちづくりが求められています。
4
な が る 交 流・創 造 都 市 ”
く 、安 全 で 心 地 よ い 都 市 へ ∼
ま ち づ くり の 方 針
「めざすべき 都 市 の 姿 」の 実 現 に 向 け た「 ま ち づ く り の 方 針 」は 、下 記 の 3 点 で す 。
暮らしやすさを実感できる
安心・安全・便利な
生活環境づくり
名古屋大都市圏を牽引する
交流・創造的活動
の場づくり
持続可能な社会を支える
低炭素・自然共生
都市づくり
● 住宅・住環境に対する市民の多様なニーズや志向を踏まえ、適切な住宅が選択
できる環境づくりをすすめるとともに、便利に移動できる交通サービスの実現
などにより、鉄道駅などを中心に過度に自動車に依存することなく歩いて暮ら
せる利便性の高い生活圏を形成し、居住を促進します。
● 地震・火災・大雨などの災害に強いまちづくりにより防災性の向上をはかると
ともに、良好なコミュニティを形成し、環境にやさしく安心して安全に住み続
けることができる住宅・住環境の形成を推進します。
● リニア中央新幹線の整備を見据え、名古屋大都市圏の中枢都市として、また国
内外との広域交流都市として、都心機能や港湾・空港機能の強化をはかるとと
もに、地域間連携や交流機能を高める交通基盤の整備をすすめ、国際的・広域
的な交流を促進します。
● 道路空間の活用、地域特性を生かした景観づくり、歴史的資源を生かしたまち
づくりなどをすすめる中で、交流や創造的活動の舞台にふさわしい個性的な魅
力空間を創出します。
● 歩いて暮らせる生活圏の創生に向けた取り組みにあわせ、環境にやさしい交通
体系の形成をはかるとともに、エネルギーの安定供給や効率的な利用、緑地の
保全・再生と緑化の推進などにより、低炭素で快適な都市を実現します。
● 水辺や緑地などの身近な自然の保全・再生、水循環の回復など、人や生き物に
とって快適な環境づくりに取り組み、自然と共生する豊かな都市を次世代へ継
承します。
3 グローバル化の浸透
4 地球環境問題の深刻化
5 地球環境問題の深刻化
■都市別国際コンベンション開催件数
■年平均気温の変化
■部門別1人当たり二酸化炭素排出量
年平均気温(℃)
t/人・年
件
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
名古屋市
横浜市
京都市
大阪市
H13
2001
H14
2002
H15
2003
H16
2004
H17
2005
H18
2006
H19
2007
H20 年
2008
福岡市
17.0
16.5
16.0
15.5
15.0
14.5
14.0
13.5
13.0
192328 33 38 43 48 53 58 63 68 73 78 83 88 93 98 03 08年
年平均気温
(H23.2 NAGOYAライフ−データでみる名古屋のくらし−)
グローバル化を背景に、
「国境を超えた都市間競争の時代」
になってきています。
また、航空路線網等の充実による世界各地への移動時間
の短縮や経済のグローバル化により、国際交流人口が増加
しています。
都市間競争が激化する中、国内外の多様な交流を都市の
活力の創出につなげられるまちづくりが求められています。
5年移動平均
トレンド
(名古屋地方気象台資料より作成)
12
10.1
10
8
7.4
6
1.9
4
2.2
2
1.8
0
1.4
名古屋
6.9
+5割
2.6
1.5
1.5
1.3
大都市平均
4.9
産業
2.0
運輸
1.9
業務
家庭
1.4
全国
(低炭素都市2050なごや戦略)
年平均気温はここ100年間で2.8℃上昇しており、全国平均気温の
上昇(1.1℃)を上回っています。
また、運輸部門のCO2排出量は全国平均より1割、大都市平均より
5割多くなっています。
地球環境問題が深刻化する中、エネルギー消費やCO2排出の削減
など、環境負荷の低減に資するまちづくりが求められています。
5
めざすべき 都 市 の 姿 を 実 現 す るため、
「集約連携
めざすべき都 市 構 造
「めざすべき 都 市 の 姿 」の 実 現 の た め に は 、
「 ま ち づ く り の 方 針 」に 沿 っ
て様々なまちづくりをすすめていくとともに、それらの取り組みが相乗
効果を生み出 す 都 市 構 造 を 実 現 し て い く 必 要 が あ り ま す 。
都市構造を考える上での視点
安心・安全な暮らしを
支える都市構造
交流社会をリードする
都市構造
地球環境問題に 都市の効率的な維持管理に
対応した都市構造
資する都市構造
<駅そ
公 共 交 通 が 利 用 し や す い な ど 人 と 地 球 に や さ し く、人・
も の・情 報 の 交 流 に あ わ せ て 創 造 的 活 動 が 活 発 に な る と と
も に、防 災 性 の 向 上 や 都 市 基 盤 等 の 効 率 的 な 維 持 管 理 に 寄
与する「集 約 連 携 型 都 市 構 造 」の実現をめざします。
実 現 に 向 け た 取り組 み の 方 針
本 市 の 人 口 増 加 が2
が2025年
0 2 5 年 頃 ま で 続 く こ と を 前 提 に、特 に 駅 そ ば 生 活 圏 に お け
る 居 住 人 口 の 増 加 を は か る と と も に、市 内 外 の 交 流 人 口 の 増 加 を は か る 駅 そ ば ま
ち づ く り をすすめます。
駅そば生活圏において、
「都市機能の更なる強化」と「居住機能の充実」をはかります。
都市機能の更なる強化と居住機能の充実を効率的・効果的にすすめるために、駅そば生活圏等に拠点を設定します。
どこに
引っ越
そうかな
鉄道駅
都 市 機 能 の 更 なる強 化
商業・業務・サービス・
文化施設等の集積 地域全体の価値の向上
生活利便施設等
の充実
2
少し高いけど
駅の近くが
魅力があって
いいなぁ
居住地を選ぶ際の選択肢としてもらう
居住機能の充実
優れた景観の形成や
個性的な魅力空間の
形成
大 規 模 な災害にそなえ、防災 性の高い都市構造の構築をすすめます。
将 来 的 な 人 口 減 少 に よ り 懸 念 さ れ る 空 地・空 家 の 増 加 な ど と、そ れ に 伴 う 地 域
環 境 の 悪 化や都市経営の非効率 化に対し、適切な対応策の検討をすすめます 。
6
型 都 市 構 造 」を め ざ しま す 。
集約 連 携 型 の 都 市 構 造 って な に?
駅を中心とした歩いて暮らせる圏域(駅そば)に、商業・業務・住宅・サービス・
文化等の多様な都市機能が適切に配置・連携されていて、さらに景観・歴史・環境や
防災に配慮された、魅力的で安全な空間づくりがなされている都市構造のことだよ。
ば の イメ ー ジ >
<将来都市構造図>
志段味
上小田井
駅から概ね半径800mの圏域
浄心
大曽根
に、地下鉄の環状線で囲ま
れる部分を含めて、「駅そば
生活圏」としているんだよ。
春田
※
今池
池下
都心域
中村公園
岩塚
拠点
小幡
黒川
藤が丘
上社
本郷
星ヶ丘
本山
一社
東山公園
日比野
※
熱田
植田
新瑞橋
南陽
荒子川公園
港区役所
名古屋港
駅そば生活圏
八事
瑞穂区役所
原
平針
野並
本笠寺
笠寺
徳重
鉄軌道
道路(高速道路、
国道等)
広域交流軸
鳴海
大高
港・臨海域
環境軸
御器所
八田
高畑
荒子
市街域
有松
主な交流軸
金城ふ頭
※大曽根は大曽根駅、ナゴヤドーム前矢田駅、砂田橋駅を
熱田は熱田駅、神宮西駅、神宮前駅を示す
7
分野別構想
まちづくりの方針に沿った、各分野(「土地利用」
「交通」
「港湾・空港」
「緑・水」
「住宅・住環境」
「防災」
「景観・歴史」
「低炭素・エネルギー」
「供給処理施設等」)
※
の方針と施策の方向性 について示します。※概要版では方針のみ抜粋しております。
土地利用
●名古屋大都市圏の中枢都市として、また国内外との広域交流都市として都心
機能の強化をはかります。
●集約連携型都市構造の実現に向け、鉄道駅等を中心に多様な都市機能の集積
をはかるなど、持続的な都市活動を支える土地利用の誘導をすすめます。
●めざすべき土地利用に向けて、現状の土地利用や防災性に配慮しつつ、商業
・業務、住居、工業・物流などの都市機能の適切な誘導をはかるとともに、
地区計画等の活用により、地域の特性に応じたきめ細かな土地利用の誘導に
つとめます。
地区計画の活用事例(高見二丁目地区)
交 通
●集約連携型都市構造の実現に向け、安心・安全・便利に移動できる交通サー
ビスにより、環境にやさしい移動手段が選択される交通体系の形成をはかり
ます。
●地域間連携や交流機能を高める交通基盤の整備を推進します。
●豊かな道路基盤を有効に活用し、道路空間の再配分などにより、歩行者など
が安全・快適に利用でき、まちの魅力・にぎわいや個性を高める空間として
再生します。
道路空間の利活用(久屋大通)
港 湾・空 港
●中部圏・名古屋大都市圏の産業・経済・暮らしを支える国際産業ハブ港とし
て、利用しやすく質の高いサービスを提供し、安全で信頼される港づくりを
すすめます。
●多くの人々が訪れ、交流するウォーターフロントとして、魅力ある親しまれ
る港づくりをすすめます。
●国内外と中部を結ぶ玄関となる中部国際空港の機能強化や需要拡大をすすめ
ます。
金城ふ頭
緑・水
●公園・緑地の整備・運営、緑の保全・創出や水辺空間の整備により、身近に
自然が感じられる環境づくりをすすめます。
●緑と水の回廊による生物多様性の保全や健全な水循環の回復、風の道づくり
により、人や生きものにとって快適な環境づくりをすすめます。
東山公園周辺
8
住 宅・住 環 境
●駅そば居住を促進しつつ、様々な居住ニーズに対応できる多様な住宅・住環
境づくりをすすめます。
●災害や交通に対する安全性を高めるとともに、住宅セーフティネットの充実
や良好なコミュニティ形成の支援をすすめ、安全で安心して住み続けること
ができる住宅・住環境づくりをすすめます。
●みどり豊かで持続性の高い住宅地づくりと環境に配慮した住宅の供給・改善
をすすめ、地球環境にやさしく、長く住み継がれる住宅・住宅地づくりをす
すめます。
駅そばの共同住宅
防 災
●地震に伴う建物倒壊や市街地大火の予防・減災のため、避難地・避難路の整
備や建物の耐震化、木造住宅密集地域の改善など、都市レベル・地区レベル
での都市の構造的な防災対策をすすめます。
●水害の危険性から都市を守るため、河川・下水道の整備などにより、雨に強
いまちづくりをすすめます。
●災害や防災対策に関する様々な情報の提供とともに、発災後いち早く復旧・
復興できる体制づくりに向けた意識醸成をすすめることで、地域の防災力の
向上をはかります。
●平成23年3月11日に発生した東日本大震災を受け、今後、見直しがすすめら
れる東海・東南海・南海地震による被害想定などをもとに、防災対策の強化
をはかります。
極めて高い
高い
低い
ほとんどない
東海・東南海地震連動時の想定液状化危険度図
(平成15年度東海地震等震度分布予測調査)
景 観・歴 史
●地域の個性や特色を生かし、市民が誇りと愛着を持てる魅力ある景観づくり
をすすめます。
●良好な景観の形成に向けた施策の充実とともに、名古屋の顔・シンボルとな
る地区における風格と魅力ある景観づくりや、地域における景観まちづくり
への支援をすすめます。
●名古屋の歴史的骨格を見える化するとともに、まちづくり資産の活用と身近
な歴史に親しむ界隈づくりなどにより、「地域力」で歴史まちづくりをすす
めます。
名古屋駅周辺の建物群と名古屋城
低 炭 素・エ ネ ル ギ ー
●低炭素なまちづくりに向けたさまざまな施策を総合的に展開する低炭素地区
を形成し、低炭素で快適な駅そば生活圏の創生をめざします。
●環境にやさしい移動手段が選択される交通体系を形成し、交通移動にかかる
エネルギー消費の削減をはかります。
●建物のエネルギー負荷の削減、エネルギーの効率的な利用や安定供給と未利
用・自然エネルギーの活用等により、低エネルギーで快適な都市をめざしま
す。
●公園・緑地の整備や緑化の推進などの取り組みにより、都心部を中心とする
市街地の気温上昇を抑制することで、ヒートアイランドの緩和をはかります。
太陽光発電(鍋屋上野浄水場)
供給処理施設等
●円滑な都市活動を支え、都市生活の利便性の向上や良好な都市環境の確保等
をはかるため、下水道やごみ焼却場、市場、斎場等の都市施設の整備や維持
管理につとめます。
露橋水処理センター(建設中)
9
戦略的まちづくりの展開
「めざすべき都市の姿」の実現に向けて、「まちづくりの方針」および「分野別構想」に沿った
取り組みを効率的・効果的に進めていくために、「戦略的まちづくり」を展開します。
3 つのまちづくり戦略
戦略 1
都心部の機能強化や
名所づくりによる
名古屋の魅力・都市力の向上
戦略 2
拠点機能・拠点間連携の強化や
緑・水との調和による
都市の持続性の向上
戦略 3
人・まち・自然がつながる交流・創造
都市の実現に向けて、3つの戦略をた
てて、効率的・効果的にすすめるのね。
市内各地域にある自然や文化といったまちづくりの資源や既存ストッ
クを活用して、多様な主体による地域ごとの特色ある「地域まちづくり」
をすすめます。
誘導地域
拠点、緑・水・歴史といった資源の活用や良好な景観形成が
望ましい地域、防災性の向上などが求められる地域などを「誘
導地域」とし、地域まちづくりの方向性を多様な主体で共有して
まちづくりに取り組むことができるように誘導します。
重点地域
「誘導地域」のうち、
「3つのまちづくり戦略」に基づく「5
つの取り組み」を推進すべき地域を「重点地域」と位置づけ、
積極的に地域まちづくり(行政発意型の地域まちづくり)を
すすめます。
5
つの取り組み
地域資源を生かした居住環境の
向上と生活利便性を生かした
既成市街地の再生
市内各地域
● 世 界 に 誇 る 都 心 づ くり
● ま た 来 た くな る 名 所 づ くり
● 広 域 後 背 圏 を 有 する 既 存 拠
点の再生
● 新 た な 拠 点 を 中 心 とし た 生
活圏の形成
● 趣 を 生 かし た 住 宅 地 の 再 生
誘 導 地 域 における取り組 み
「3つのまちづくり戦略」に基づく地域まちづくりを誘導するため、「まちづくりの方針」の都市
構造で示した拠点や、「分野別構想」の中で示した緑・水・歴史といった資源の活用や良好な景観
形成が望ましい地域、防災性の向上などが求められる地域を、「誘導地域」として示します。それ
により、地域まちづくりの方向性を多様な主体で共有してまちづくりに取り組むことができます。
● 拠点
● 緑・水 分野
● 景観・歴史 分野
● 防災 分野
(主な木造住宅密集地域)
10
重 点 地 域 における取り組 み
戦略1 都心部の機能強化や名所づくりによる名古屋の魅力・都市力の向上
● 世界に誇る都心づくり
● また来たくなる名所づくり
名古屋大都市圏の成長を牽引するため、都心域に
おいて、開発誘導・回遊性向上・にぎわい創出の相
乗効果により、中枢機能の集積と広域交流機能の充
実や風格と魅力ある都市空間の形成をはかり、都心
を再生します。
人・歴史・文化の交流を促進するために、観光資
源を有する地域において、観光資源と一体的なまち
づくりを進めることにより、ホスピタリティの強化
と市民の誇りとなる名古屋の魅力の醸成をはかり、
名所をつくります。
地域名:名古屋駅、
栄・伏見・大須、
ささしま・名駅南、
納屋橋・四間道
地域名:名城・白壁、
熱田、有松、
城山・覚王山、
築地、金城ふ頭
熱田神宮周辺
名古屋駅周辺
戦略2 拠点機能・拠点間連携の強化や緑・水との調和による都市の持続性の向上
● 広域後背圏を有する既存拠点の再生
● 新たな拠点を中心とした生活圏の形成
都市力・都市魅力を強化するために、広域後背圏
を有する都心域周辺の交通結節点において、回遊性
向上・にぎわい創出をはかり既存拠点を再生するこ
とにより、後背圏との一体性と市街地のメリハリを
確保します。
土地の有効活用や緑・水辺などの地域資源を生か
したまちづくりと、公共交通の利便性の向上を一体
的にすすめることで新たな拠点と生活圏の形成をは
かり、市域で均衡のとれた集約連携型都市構造をめ
ざします。
地域名:大曽根、
金山、今池
地域名:志段味、南陽、
荒子・高畑、
荒子川公園・港明、
徳重、藤が丘
大曽根商店街
荒子観音(観音寺)
戦略3 地域資源を生かした居住環境の向上と
志段味
生活利便性を生かした既成市街地の再生
● 趣を生かした住宅地の再生
納屋橋
・四間道
大曽根
名城・
白壁 筒井
名古屋駅
・葵
城山・
栄・
覚王山
伏見・大須
米野
ささしま
今池
・名駅南
居住環境の向上が必要な既成市街地において、路
地空間などの地域資源の活用と防災性の確保の両立
により、多様で趣があるまちの形成をはかり、既成
市街地を再生します。
金山
荒子・高畑
地域名:米野、
筒井・葵、
鳴海、大高、
下之一色南部、
笠寺、御剱
藤が丘
御剱
熱田
下之一色南部
荒子川公園
・港明
南陽
築地
笠寺
徳重
鳴海
有松
大高
金城ふ頭
酒造蔵(大高)
※ 各重点地域においては、取り組みの効果を高めるため、必要に応じて他の戦略に沿った取り組みもすすめます。
11
地域まちづくりの推進
地域まちづくりとは、
“地域がより良くなるために、
地域の力
(考え)
で地域を育てること”
であると考えます。
これまでは、道路や公園などの公共施設の整備といった行政主体のハードを中心としたまちづくりや、
建築物に関する面的な規制・誘導など全市的な視点からのまちづくりが進められてきました。
今後は、上記の取り組みに加え、地域ごとの強みや弱み(魅力や課題)を踏まえ、計画・ルールづくり
から、将来にわたる施設の管理やまちづくり活動など、地域の方々によるまちづくりもあわせて進めてい
くことが、これまで以上に必要であると考えます。
● 目 的
地域まちづくりの目的は、地域の方々(現在または将
来、地域に住み・働き・憩う方々)にとって、より良い
環境を築きあげることです。
地域まちづくりの多様な主体
自治会
住民
行政
● 内 容
地域まちづくりの内容は、多様な主体(住民、自治会、
NPO、商店街、企業、行政等)が、役割分担を明確にし
つつ取り組む「まちづくりの構想づくり」とその「実
践」です。
● 地域まちづくりのイメージ
① 構 想 づ くり
将来像・方針を
明確にする
NPO
②実践
ルールを決める
○○をつくる
商店街
企業
○○をつかう
この一連の流れを繰り返す
ま ち づ くり 構 想
まちづくり構想とは、地域まちづくりを多様な主体の参画のもとにすすめていくために共有す
る、地域の「将来像」とその実現のための「方針」です。
● まちづくり構想の意義
地域のまちづくりの方向性がひとつになり、活動がより活発化します
地域と行政の思いが共有でき、地域のまちづくりが効果的・効率的にすすみます
12
● まちづくり構想の例
まちづくり構想の例 1
まちづくり構想の例 2
■テーマ まちの防災性の向上 ■エリア 複数の町内会や学区にまたがる範囲 ■将来像 私たちのまちは木造の密集住宅地だから地
震や火災が心配
「災害に強いまちづくりをしよう」
■方 針 ・狭あい道路の拡幅などを進めよう
・みんなで協力して、避難地 や 避難路周
辺の建物の耐震化や不燃化を進めよう
・安全に避難できるように避難ルートマッ
プをつくろう など
■テーマ 住宅地の景観 ■エリア いくつかの街区にまたがる範囲 ■将来像 「私たちの住宅地を緑や花がいっぱいある
明るいまち並みにしよう」
■方 針 ・高い塀をやめて庭の緑が見えるようにし
よう
・通りから見える場所に生垣や花壇などを
つくろう ・建物の色彩を明るい色で統一しよう
・建物の高さを制限しよう など
構 想 づ くり の 流 れ
実 践 の しく み
地域まちづくりの多様な主体
地域
住民 自治会 NPO 商店街 企業
行政等
アドバイザー
市の職員
地域
住民 自治会 NPO 商店街 企業
地域まちづくりの多様な主体
行政等
アドバイザー:コンサルタント等の専門家
STEP1
STEP1
まちづくりの発意
体制づくり
情報提供等
★重点地域において
は、行政が発意し
ます。
既存組織の活用 または
新規立上げ
発意を促すための
情報提供
地域で相談・議論
議論の支援
会合の開催など
まちづくり支援
制度による支援 STEP2
まちづくり構想
の検討
行動計画づくり
地域の行動と行政の行動を
役割分担 STEP2
地域での合意形成
合意形成の支援
一定割合以上の合意
を得る
まちづくり支援制度
による支援
行政の行動を
実践
ルールづくり
地域でのルールづくり
地区計画や建築協定等
の検討・提案
都市計画手続の
実践
施設整備
地域でできる施設整備
の実践
公共施設整備の
実践
活動
地域による施設利用や
管理などさまざまな
活動の実践
まちづくり支援制度
による支援等
地域の行動の進捗状況・
改善点の検証
行政の行動の
進捗状況の報告
STEP3
進行管理
STEP4
行政への提案
まちづくり構想を
市へ提案
実践へ
提案を受取る
内容に応じ、一定の手
続きを経て、都市計画
マスタープランに位置
づける
13
行政の役割を調整
地域の行動を実践
実践
行政の考えを説明 合意形成
役割分担
行動する内容の優先順位づけ
事例や手法を紹介
STEP3
順位づけと役割分担
都市計画マスタープランへの位置づけ
(地域別構想策定のイメージ)
地域がつくった「まちづくり構想」のうち、分野別構想の施策の方向性に沿った内容を含む構想を、都市
計画マスタープランの「地域別構想」に位置づけます。
都市計画マスタープランに位置づけることで、まちづくり構想がその地域における都市計画上の指針とな
り、具体のまちづくりや開発事業の推進力となることが期待されます。
分野別構想の施策の方向性に沿った内容の一例
《まちづくり構想の例より引用》
【防災分野】
【景観・歴史分野】
・高い塀をやめて庭の緑が見え ・狭あい道路の拡幅などを進めよう
・みんなで協力して、避難地や避難路
るようにしよう
・通りから見える場所に生垣や 周辺の建物の耐震化や不燃化を進め
よう
花壇などをつくろう ・建物の色彩を明るい色で統一 ・安全に避難できるように避難ルート
マップをつくろう など
しよう
・建物の高さを制限しよう
など
素敵なまちに
したいわね。
分野別構想の
施策の方向性
に沿った内容
■分野別構想に沿った内容を含む
まちづくり構想
○○地域のまちづくり構想
■テーマ …………
■エリア …………
■計画期間 …………
■将来像 …………
…………
■方 針 ①………
②………
③………
④………
⑤………
分野別構想に
かかわらない
内容
■都市計画マスタープラン
全体構想
地域別構想
○○地域のまちづくり構想
分野別構想
「土地利用」
「交通」
「港湾・空港」
「緑・水」
「住宅・住環境」
「防災」
「景観・歴史」
「低炭素・エネルギー」
「供給処理施設等」
■テーマ …………
■エリア …………
■計画期間 …………
■将来像 …………
…………
■方 針 ①………
②………
③………
④………
⑤………
の各分野
14
参考として
記載
分野別構想に沿った内容
を含むまちづくり構想を、
都市計画マスタープラン
の地域別構想に位置づけ
評 価・見 直 し の 方 針
評価指標
都市計画マスタープランでは、長期的な視点に立ち、将来の都市像やまちづくりの方向性を示しています。
今後、
まちづくりをすすめる中でその評価を行い、次期都市計画マスタープランの検討に反映していきます。
めざすべき都市の姿
人・まち・自然がつながる
交流・創造都市
評価指標
まちづくりの方針(都市構造)
【 】は現況値
駅そば生活圏人口比率※
集約連携型都市構造の実現
70% 【67%】
H32
H22
※駅そば生活圏人口/全市人口
都市計画マスタープランに関連がある個別計画の達成目標のうち1つを抜粋して、参考に記載します。
分野別構想
個別計画名
交通
達成目標(抜粋)【 】は現況値
なごや新交通戦略推進プラン
市内の鉄道及び市バス1日あたり乗車人員合計
239万人 【227万人】
H32
緑・水
H21
緑被率
なごや緑の基本計画2020
27% 【23.3%】
H32
住宅・住環境
H22
駅から500m圏内の居住世帯のある住宅の割合
住生活基本計画
37% 【34.4%】
H30
低炭素・エネルギー
低炭素都市なごや戦略実行計画
H20
低炭素モデル地区 2地区程度 【0地区】
H32
H22
PDCA
中間年次および目標年次(2020年)において
「評価指標」
(上の表の網かけ部分)により評価を行います。
また、関
連する個別計画の達成状況を参考にしながら
「まちづくりの方針」の妥当性を検証し、次期都市計画マスタープラ
ンの検討をすすめます。
PDCAとは、計画を立てて(Plan)、それを実施し(Do)、結果を確認して(Check)、その結果をみて次につなげること(Action)の頭文字をとったものです。
∼ 2011年
P
Plan
計画
中間年次
D
Do
実施
施策の方向性に沿った
施策の展開
都市計画
マスター
プランの策定
目標年次 2021年∼
C
C
Check
評価
Check
評価
評価指標による
評価
反映
Action = new Plan
見直し 新たな計画
次期都市計画マスタープランの検討
15
反映
A P
new
=
評価指標による
評価
名古屋市都市計画マスタープラン
− 概 要 版 −
人・まち・自然がつながる交流・創造都市
∼交流でつながる創造力でつづく、安全で心地よい都市へ∼
都市計画マスタープランの本編は、名古屋市
公式ウェブサイトに掲載しております。
また、都市計画課窓口でも販売しております。
名古屋市 住宅都市局 都市計画部 都市計画課
〒460-8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号
策定年月 平成23年12月
印刷年月 平成24年 3月
電話番号 052-972-2712
FAX
052-972-4164
名古屋市公式ウェブサイト http://www.city.nagoya.jp
電子メールアドレス [email protected]
印 刷 図書印刷株式会社
この冊子は、
古紙パルプを含む再生紙を使用しています。
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