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4年生 算数科指導案

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4年生 算数科指導案
算数科学習指導案
日時
10月13日 金曜日 第2校時
学級 4年1組(男子13名女子22名)
場所
4年1組教室・多目的少人数教室
指導者
1.単元名
中村 好江・石田 敦子
三角形をしらべよう
2.指導によせて
<1> 児童観
Ⅰ アンケートの結果から
4年生1学期
算数の学習についてのアンケート
そう思う
少しそう思う
あまり思わない
①勉強が楽しくなる
24
33
6
2
②勉強がよ くわかるようになる
19
37
8
3
③先生がアドバイ ス等を してくれる
14
28
19
4
9
22
25
10
⑤自分の考えが持てる
11
33
15
7
⑥確認し てもらえる ので自信が持てる
16
21
16
12
⑦先生を 親しく感じる
14
33
12
6
⑧友だち の考えがよ くわかる
20
22
15
8
⑨たくさん発表できる
9
24
12
19
⑩少ないと緊張する
7
13
14
31
④自分か ら質問したり話しかけたりする
思わない
2
5
18
40
1学期末のアンケートの結果である。これを見ると子どもたちは概ね少人数学習を落
⑪少ないと気が散る
ち着いて学習できる環境であると感じ(⑩⑪)楽しく学習できる場で、少人数になると
よくわかる(①)と考えているようである。
しかし、④や⑨の項目をみると、発表したり、質問したりできていないと思う子が特
に多い事が読み取れる。また、自分から質問したい、どうしてなんだろうと思うことが
少ないのではないかと考えられる。そうなると、課題が自分の物になっていない場合が
多かった事が予想される。
この学年の子どもたちは、こちらが指示した事には素直に応じ、課題にまじめに取り
組む姿勢が素晴らしいが、自分たちから何かを始めようとしたり、追求したりする姿勢
が足りないと感じることがある。しかし、子どもたちはもっと発表や質問がしたいとい
―25-
う願いを持っていることが読み取れる。
次いで多いのが⑥確認してもらえるので自信が持てる・・・と思わない子である。自
信というのはどういう時に持てるものなのか考えなくてはならない。計算問題にまるつ
けをしてもらうことで安心することができるだろう。そのことが自信につながると考え
られる。しかし、練習問題が解けたとしても応用された問題が解けるかどうか自信がな
いかもしれない。単に、○付けをして回ることでは解決しないもうひとつの“自信”が
あるようにおもわれる。
その“自信”は一方的に教えられたことをこなすのではなく、自分たちが質問や発表
をして、話し合い、「そうか」「なるほど」と、思える学習ができたときに得られる、
“自
信”ではないだろうか。授業の中で、こうした子どもたちの願いが実現されるような工
夫が必要である。
Ⅱ
既習の学習事項から
児童は、第2学年で絵に描かれた動物を直線で結んで囲んで三角形や四角形を構成し、
構成要素である辺に着目して三角形や四角形の意味を理解してきている。このように児
童は図形に関する作業的・体験的な算数的活動を通して学ぶことを好む。
そこで、本単元では、ストローで二等辺三角形や正三角形を構成する、折り重ねて角
を調べる、敷き詰めるなどの算数的活動を中心に学習指導を展開し、二等辺三角形や正
三角形の意味理解を深めていく。
<2>教材観
本単元は学習指導要領、第4学年2内容 C「図形」
(1)に示された指導事項のうち、
C(1)図形
(1)図形についての観察や構成などの活動を通して、基本的な図形についての
理解を深める。
ア 図形を構成する要素に着目して、二等辺三角形、正三角形について知り、
それらをかいたり、作ったり、平面上で敷き詰めたりすること。
イ 基本的な図形と関連して角について知ること。
ウ 円について中心、直径及び半径を知り、円をかいたり作ったりすること。
また、円に関連して球についても直径などをしること。
小学校指導要領解説 算数編 第4学年の内容より
基本的な図形である二等辺三角形、正三角形を指導し、これに関連して角についても
理解できるようにすることをねらいとしている。
―26-
第2学年で観察、構成、分類等活動を通して、三角形の意味を学習している。また、だ
い3学年では、正方形、長方形の学習と関連づけて直角三角形を学習している。この単元
では構成要素である辺の相等関係に着目して三角形を仲間わけし、二等辺三角形や正三角
形の意味づけをしていく。
<2> 指導観
① 個性化教育推進計画と校内研究の観点から
個性化教育で育てたい力は、①基礎的な学力②課題解決の力③表現力である。
これは、校内研究のテーマ「④自分の考えを持ち、⑤豊かに表現し、⑥追求で
きる子」に重なる。また、少人数指導のねらいにある、
「算数の楽しさを味わわ
せ・・・」の部分も「理科が大好きな子ども」を育てようとする校内研究の目標
と同じである。教科は違っても目指す子どもの姿、教材を工夫する観点は共通す
る部分が大きい。
② アンケートから見えてきたものを踏まえて
子どもたちは、もっと発表して(話をして)自分で考える教える勉強がしたい
ということが見えてきた。教師が教えて考えさせるという発想から子どもが考え
て教えるという子ども主導の形に授業を作っていきたい。自分たちが考えて決壊
にたどり着いた。と思えるような授業ができれば納得し、自信をももてるであろ
う。
そこで、まず大切にしたいことは、
ⅰ
問題を自分の課題としてとらえ、考えようと思えるような、問題把
握の場面の工夫。
→②④問題解決の力
ⅱ
子どもの発言の中から本時のねらいに関わる大切な言葉を引き出し
ていく授業の流れの工夫→③⑤表現力
である。
3.単元の目標
・二等辺三角形や正三角形について理解し、作図ができる。また、二等辺三角形や正
三角形の角の大小・相等関係を確かめられる。
4.評価基準
関心・意欲・態度
数学的な考え方
・身近にある基本的な形(三角形)を分類しようとする。
・辺の長さによって三角形を分類して考える。
表現・処理
・コンパスを使って二等辺三角形、正三角形をかくことがで
知識・理解
きる。
・二等辺三角形、正三角形の性質が理解できる。
―27-
5.指導計画(全 10時間)
第1次 いろいろな三角形の辺に着目して弁別し、2等辺三角形と正三角形の定義を
知る
ストローを使った三角形作り・仲間わけ
2等辺三角形・正三角形の定義を知る
第2次 二等辺三角形や正三角形の作図
コンパスによる二等辺三角形や正三角形の作図
(1時間・本時)
(1時間)
(1時間)
第3次 二等辺三角形や正三角形を折り紙で作ったり敷き詰めたりして図形について
豊かな感覚を持つ。
折り紙による二等辺三角形や正三角形作り
敷き詰め模様を作る
(1時間)
(1時間)
第4次 二等辺三角形や正三角形の角を調べる
二等辺三角形や正三角形の角を工夫して調べる。
分度器を使った作図
(1時間)
(1時間)
第5次 定着と発展
確かめ道場
みらいへのつばさ
(1時間)
(2時間)
6.本時の目標
いろいろな三角形を作り、辺の関係に注目して仲間わけすることができる。
―28-
7,本時の展開
学習内容
◎指導の留意点□手だて
評価規準
準備
1.
わくわく星人か
らの手紙を読み、
課題を把握する。
2.
【関】
意欲的に三角形を
形や大きさの違う三
◎三角形の定義をおさえる。
◎モールの使い方を実演する。
角形をたくさん作ろ
◎3本で1個の三角形を作ることを 作ろうとしている。
う。
おさえる。
◎同じ色は同じ長さになっている事
に触れる。
□同じ三角形ができているグループ
にはいろいろな種類を作るよう助
言する。
□作業が停滞しているグループには
辺の長さや色に注目して作るよう
に助言する。
◎自分たちの言葉で、
三角形の仲間に名
前を付けさせる。
cおにぎりの仲間cとりのくちばしの
仲間cコーンの仲間c屋根の仲間
c順番に並べよう c仲間に分けてみ
よう。
◎似ている形について仲間分けさせる
3
三角形を仲間分けし
よう。
4
5
次時の活動を知る
ふり返り
謎についてわかっ
たことをわくわく
日記に書こう。
◎仲間に名前を付けさせる。
T 次の時間に謎を解きましょう。
cなぞがとけた。cなぞがとけそうだ。
cまだわからない。
―29-
【考】大きさや形に気
を付けて仲間わけ
することができる。
8
資料
わくわく星人からの手紙
真野小学校4年生の皆さんへ
わくわく星ではわくわく星人の数が増えてきました。それにともない、車も
ふえ、交通渋滞がおこっています。
そこで、道路を増やす工事をしています。
道路には、標識をつけて、道路の種類を区別するつもりなのですが、実は困
ったことがあるのです。形や大きさの違う標識がいろいろあるので、どの標識
がどの仲間なのか謎に包まれてしまいました。
さて、みなさんはこの謎が解けるかな。
わくわく星人より★
月
日
わくわく日記
四年
組名前
今日学んだことをわくわく星人に伝えよう。
―30-
9
成果と課題
【本時の成果と課題】
<成果>
・ 問題提示の場面ではわくわく星人の登場、わくわく星
の道路標識、
「謎を解く」というキーワードが子どもたち
の興味関心を高めた。
・ どの子にも作業が保証される小グループでの活動を計
画した。三角形を作る材料は組み替えやすいモールとスト
ローにし、長さごとに色を変え、特徴がわかりやすいように配慮した。
・ 学習の終わりは、わくわく星人への手紙を書くという形で振り返りを書き、次
時への意欲付けとした。
<課題> ・わくわく星人からの手紙には「謎を解いてほしい」とあり、教師の発問
は、
「いろいろな三角形を作ろう」という物であった。この二つがうまく結びつかな
い子もあり、三角形を作ったら仲間に分けるというところを強調して伝えた方が、
子どもたちに見通しが持てやすかったかもしれない。
・グループでもっと話し合い、葛藤する場面がでると
予想していたが、淡々と作業が進み、仲間わけについて議
論する様子があまり見られなかった。仲間わけのやり方を
限定したり、選択したりする等して話し合いが活性化するよ
うな工夫が必要であった。
・授業の最後には謎が解きやすいように、それぞれの
仲間わけを整理しながら黒板に並べ、次の学習への手がか
りになるようにした。しかし、ここで学習が終得てしまわ
ずに、1時間半くらいの時間設定で、続いて仲間わけを考
えた方が、子どもたちにとっては話しやすく、理解しやす
かったように思われる。
【少人数学習から】
基礎的な学習の力は・聞く、話す、記録する、考える、伝え合う等、どの教科にも通
じることであり、少人数学習ではそのどれもがきめ細かに指導できるよう心がけている。
学習の手順がいつも同じリズムでスタートするように、毎時間ノートを使い、日付、ペ
ージ、テーマ自分の考えを書く作業を行う。また、少ない人数だから話しやすいという安
心感が持てるように、どのこの意見にも肯定的な雰囲気が持てるように心がけている。
また、算数科では「そうか」「なるほど」と思える瞬間が理解につながると考え、話し合
いの中から気づきが生まれるように、子どもたちの言葉を大切に拾い上げ、ねらいにつな
げていけるようにしたい。1時間の中のどの場面にその可能性があるか、授業を仕組むと
きに教師が気づけるかどうかが大切であると考えている。
―31-
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