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ソーラー遊漁船における太陽電池モジュール屋根の強風対策

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ソーラー遊漁船における太陽電池モジュール屋根の強風対策
19
ソー ラー 遊漁船 における太 陽電池 モ ジ ュール 屋根 の 強風 対策
三 原伊文士 角 田哲也士 横 畠昭典 彙 藤谷親 鷲
藤繁裕章
燎士
・
・ ‥
井 上 昇機
★★十 ★
大石興基 ・
Measures against a Strong Wind of the Solar Cell Module Roof
in a Solar Fishing Boat
Yoshinori ⅣIIHARA, Tetsuya SUWIIDA, Akinori YOKOBATAKE, Chikashi FUJITANI,
Hiroaki FU」 ISHIGE, ShoukiINOUE and Koki OOISHI
Abstract
(two
sheets) of module used as huII roof of the experimental
By the strong wind in March, 1 set
solar fishing boat moored to the pontoon was blown away. Then, in order to investigate the
hydrodynamic property of a huII roof, we manufactured model roofs, conducted a wind tunnel
experiment and a flow visualization experiment, and examined some various effective measures.
Furthermore, based on the result, a repair work is given to the roof of the boat and it is under
observation now.
Key words: Solar fishing boat, HuIl roof, Hydrodynamic property, Model test
1.ま えが き
筆者 らは ソー ラー 遊漁船 の製品化 に取 り組 んでい
1)∼ 4)。
る
図 1に 示す ソー ラー遊漁船 “大空 2001"
"と 略す )の 船体 はアル ミニ ウム合金 (ア ル
(“ 大空
ミと略す )製 で 、屋根 は同材料 の フ レー ム に、アク
リル 板 で上下 よ り挟 んだモ ジ ュール を取 り付 けた構
そ こで 、船体屋根 の流体力学的特性 を調 べ るため
に、模型屋根 を製作 し、風洞実験 と可視化実験 を行
な い 、有効 な方策 を種 々検討 した。 更 に、そ の結果
を踏 まえて、“大空 "の 屋根 に改修 工事 を施 し、現在
観察 中である。
造である。
2002年 3月 、本校練習船 “大島丸 "ポ ンツー ン に
係留 して い た “大空 "の モ ジュール 1組 (2枚 )が 、
折 か らの 強風で図 2の よ うに吹 き飛 ば された。
図
2
図 1
*商 船学科
ソー ラー 遊漁 船 “大 空 2001"
2
穴 の 開 い た モ ジュール屋 根
模型屋根の設計 と製作
屋根改修後 のモ ジュール は、昭和 シェル FT136 E
を使用す る こ とに した為 、そ の寸法 を参考 にす る。
図 3に 実物 と槙型 の比較寸法 を記す。
**学 生課 ***全 日本海員組合 ****サ ンシャインプラン山口 *****太 陽光発電普及推進協会 2003年 9月 12日 受 付
20
大 島商船 高等 専 門学校 紀要
第 36号 (2003)
質 のアル ミ溶接棒 を用 い 、屋根 の投影 面積 が広 くな
るよ うに してい る。
この模型屋根 は図 の よ うに、船体傾斜 を 0° 、15° 、
30° 、45°
に調 節 で きる。 同様 に、屋根 の頂角 も変
えることがで きる。
図3
実物 と模型 の 寸法
機
(mm)
胃
“
なお、 これ まで の “大空 "の 実験結果 か ら、 モ ジュ
ール 数 を減 らして も、通常 の形態 の運航 には十分耐
えるため、それ まで の 16枚 か ら 12枚 に して い る。
模型 の寸法、縦 172mm、 横 103mm、 厚 さ 2mm
は、風洞 に よる実験時 に模型 と流路間 の隙間 の影響
を排除す るために考慮 され ねばな らな い 閉塞 比 を約
4%以 下に抑 えるべ く図 4中 の式 よ り算出 した ゛。
①
清子
蠣
拓
属
6葛
図5
船体傾斜 0° 及び屋根頂角
但 し、 (180-屋 根頂角 )/2=屋 根傾斜角
角
:罰
'鶉
ttm/zr=im/「 =R(練 ン
σ
lllD
Ozr=xr icosA僕 際の屋
根の投影商お
場盤柵婦
t鯰
醸
④lm=R'レ
/
⑤lm=R・ レ
=R'xr・ cosA
OllmXzm1/珈 pЮ 4に り
風瀧
のず去
図6
船体傾斜
30度
このフ レーム が完成 した後 に、図 7に 示す 4種 の
屋根 を製作 した。手 に入 りやす く加 工が容易 なベ ニ
図4
模 型 寸 法 の決 定
ヤ板製 、表面 が滑 らかでベ ニ ヤに比 べ て正確 な計測
結果 が 見込 める塩 ビ板製、放熱効果 が大 き く実物で
模型 の支柱 と土台は流体 の流れ を効率 よ くす るため
に本 を流線型 に した り、薄 い アル ミ板 を利 用す るな
使用予定 のアル ミ板 製 、それ に、実物で使用時 に、
開 い た際 の捩 りを緩和す る為 に片側 を 3分 割 したア
ど、完成 に到 るまで数 々の試作模型 を製作 した。
図 5、 図 6は 完成模型 である。柱 は ステ ン レス製
ル ミ製 である。
の薄 い板 で製作 し、屋根頂角 のフ レーム は細 くて硬
と開 き、風 がそ こか ら通 り抜 ける構造である。
いずれ の屋根 も安全弁 の よ うに、強 い風 を受 ける
ソー ラー 遊 漁 船 にお ける太 陽 電 池 モ ジュー ル 屋 根 の 強 風 対 策 (三 原 ・ 角 田・ 横 畠 。藤 谷 。藤 繁 。井 上 。大 石 )
21
‐
0 1
―
ノ
回
i
.
:
t
―
│
0
口
回
=
ロ
一
―
―
0
―
―
―
す
:
③ アル ミ片側 3分
① フレーム ②屋根頂角 の軸
ベ
割板屋根 ④ アル ミ板屋根 ⑤ ニヤ板屋根 ⑥塩
ビ板屋根
図7
フレーム及び各種屋根
図
9
屋根 の頂角は
屋 根 が 開 いた 瞬 間
170°
(屋 根 の傾斜 角 5°
に相 当 し、
この 値 が小 さい ほ ど屋 根 の 傾 斜 は大 き くな る)、
3.風 洞実験
3.1基 礎実験
(=大 空 "の 頂角 )、 140° と変化 させ る一方 、
船体傾斜角 も 0度 、 15度 、30度 、45度 とい う具合
風洞 実験装置 の概要 を以下に記す。
・ 測定部 の寸法 :幅 750、 高 さ 300、 長 さ 2 100nlm
。モー ター :安 川電機 (株 )製 、可変速 モー タ、交
に変 化 させ 、屋根 が 開 い た瞬 間 の風速 を計測 した。
160°
そ の結果 を図 10∼ 図 Hの グラフに示 す。
各種屋根 の 開 きを頂角 160度 で比 較す ると、上流
流 200V3極 、 7.5kW
・ 送風機 :極 東電機 (株 )製 、風量 130m/min、 静風
圧 40nlmaq、 回転数 850rpm
側 の屋根 は、図 10の *′ 点で示す よ うに、船体傾斜
O° の場合 、 上 面 の圧 力が大 き く、風速 19.7m/sに
この装置 を使 って 、強 い風 を受 ける と屋根 が 開 き、
風 を逃す こ とでモ ジ ュール を保護す る事が出来 るか、
アル ミ 1枚 の順 で 開 く。質量 の軽 い塩 ビ板 とベ ニ ヤ
板 が先 に開 く。塩 ビ板 、ベ ニ ヤ板共、重量は 20gで
種 々の実験 を行 な つた。
図 8は 風洞 の 中に入れ た実験装 置 で右方 向 よ り、
最大 19,7m/sの 風 が吹いて来 る。図 9は 、ベ ニ ヤ
等 しいが 、表面 の粗度 の違 い で塩 ビが早 く開 くと思
板製 の上 流側 の屋根 が 開 いた瞬間を示す。
す る と、 ここで も重量 の 関係 で 、 3分 割 した屋 根 の
達 して もどの屋根 も開 かない。 15° 以上 になる と下
面 に風圧 を受 けて、塩 ビ、 ベ ニ ヤ、アル ミ 3分 割 、
われ る。
アル ミ片側 1枚 板 とアル ミ片側 3分 割板 の 比 較 を
方が開 きやす い。
一 方 、図 Hに 示す下流側 は船体傾斜 0° で 、塩 ビ、
ベニ ヤ、アル ミ枚 、 アル ミ片側 3分 割 の順 で 開 く。
アル ミ片側 1枚 板 とそ の片側 3分 割 した板 とでは、
1個 当 りの重量 の重 い方が先 に開 き、上流側 と逆順
にな つて い る。片側 3分 割 した屋 根 の 下流側 は上面、
下面共、流れ が複雑 なため と思われ る。
図8
屋根 が 開 く前
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大 島商船 高等 専 門学校 紀 要
第 36号 (2003)
間 の影響 はあま り顕著ではな い が 、頂角 160°
の 時、隙間 の効果 は明 白で屋根 は開 きに くくな
E根 頂角 160鷹
上
=側
_。
0■ ︶ 錮 “
る。 また、 3分 害1し て重量 の軽 くな つた もの は
開 きやす くな つてい る。頂角 140° の場合 は、
当ヒ ビ
」ト ベ ニ ャ
1枚
ー 7ル ミ
-7ル ミ 3分 割
1枚 屋根 につい ては隙間 の効果 は よ り顕著であ
るが、 3分 割屋根 の場合 は殆 ど差がな い。頂角
隙間は上 流側屋根 下面 の圧力 を弱 める働 きを し
て い る と考 え られ る。
船体傾斜角 30° 以 上では 3分 割 の効果 も、隙間
の効果 もあま り見 られ な い。
③
図 10
■角 170度 上流劇 隙間による比較
-7ル ミ 1期 間 な し
搬 間な し
-7ル ミ 3分
ミ 1期 間 あ り
-7ル
0ア ルミ3分
日︶ 錮 瞑
つヽ
量根■角 160度
基礎 実験結果 (上 流側 )
下流
"
令セ ︶ 錮 ﹄
・
▲
ロ
●
割隙間あり
塩ビ
ベ ニャ
ア ル ミ 1枚
ア ル ミ 3分 割
船体傾斜角
船
基礎 実験結果 (下 流側 )
3.2
屋根の頂角隙間の影響
基礎風洞実験 の結果、模型屋根 が風 の影響 を受 け
160度
上 流歯
暉 lnに よ る比 較
つt ︶ 錮 瞑
11
)
角
斜
0
2輔
頂角
図
(°
1槻 間 な し
-7ル ミ
ミ 3分 搬 間 な し
-7ル
― アル ミ 1枚 隙間 あ り
0ア ル ミ 3分 割 除間 あ り
て 、ある力 が働 けば安全弁 の よ うに開 くこ とがわか
つた。 これ は、開 い た時 の風速 が小 さい ほ ど屋根 は
吹 き飛びやす い状態 にあ り、逆 に大 きい ほ ど吹 き飛
20
船体傾 斜角
25
(°
)
びに くい状態 であることを意味す るの で 、実験 で風
の影響 を調 べ るの に好都合 である。
この こ とよ り、屋根 の頂角 に隙間を設 け、 アル ミ
製 の片側 1枚 屋根 と片側 3分 割 屋根 につい て 、隙間
がある場 合 とな い場合 の屋根 の 開 き方 を検討 した。
頂角
140底 上流側
陣 間によ
ミ 1期 間 な し
ミ 3分 冊 間 な し
ア ル ミ 1枚 隙 間 あ り
。 ア ル ミ 3分 割 隙 間 あ り
-7ル
-7ル
―
そ の結果 を、上流側屋根 につい ては図 12に 、下流
側屋根 につい ては図 13に 示す。
上 流側屋根 につい ては、
①
前節 の基礎 実験 の結果 同様 、船体傾斜角 0° で
は、頂角が 170° 、 160° 、 140° いずれ の場合
も、屋根上面 の圧力 が下面 の圧力 よ り大 き く、
決 して 開 く こ とはない。
② 船体傾斜角が 15° になると、3つ の頂角すべて
で屋根が開く。頂角 170° では片側 3分 割や隙
(°
図 12
頂角隙間 の影響 (上 流側 )
ソーラー 遊漁船 における太 陽電池 モ ジュール屋根 の強風対策 (三 原 ・ 角 田・ 横 畠・ 藤 谷・ 藤繁 。井 上 。大石 )
23
下流側 屋 根 につ い て は、
と思 われ る。頂角
は少 な い。
の 時 の、 3分 割 の効果
暉 間 に よ る比 較
下流
“
5
︲
頂角 170° 、160° で、
船体傾斜 が 15° になる と、
頂角隙間 がない場合 は、上流側屋根 の方が先 に
角
斜
0
2 傾
体
船
②
170°
170底
Q 日︶ 躙 嘔
に くくな つてい る。頂角隙間を抜 けた風 が下流
側 上 面 に発 生す る負圧 を弱 める働 きを してい る
lH角
しな りあ
な間あ間
間瞭 間陳
隙 割 除割
枚 分 枚分
船体傾斜角 0° では、頂角隙間 の効果 は、3つ
の頂角す べ て にお い て顕 著 であ り、屋根 は開 き
ァ
ゥ
一
一
o
①
開 い て下流側 に重 なるので 、重量 が増 した 下流
側 の屋根 は開かな くな り、デ ー タは得 られ なか
つた。3分 割 の効果 は頂角
にお い て明 らか
160°
である。
③
船体傾斜 が
、 160° で、
の
がある
頂角隙間
場合 は、船体傾斜 角 増 加 にほ
15°
以 上で 、頂角
● アル ミ 1枚 隙間 な し
▲ アル ミ 3分 割 隙 聞 な し
1饉 間 あ り
-7ルアル ミ
ミ 3分 割 隙 間 あ り
一
170°
ぼ比例 して 、開 きやす くな つて くる。
④
、船体傾斜角 15° 以 上 にな る と、 も
はや 、隙間 の効果 も 3分 割 の効果 もな くな る。
頂角
140°
4.流 れの可視化実験
4.1 可視化実験装置の概要
5
10
15
20
25
船体 傾 斜 角
30
(°
35
40
45
)
実験装置 の概要 を以下に述 べ る。
・ 循環水用 タ ン ク容量 :5ポ
18.5m、
吐出量 0.5
7 10nll■
600mm
。排水 タ ン ク :長 さ 810nlm、 幅
・ 水槽本体長 さ :約 3m
深 さ 500nlm
600nlm、
、深 さ
140ま 下表
に よ る比較
" m間
しな り あ
な 聞あ 聞
聞瞭 間隙
隙割隙割
枚分枚分
・ 流量調節用 タ ン ク :長 さ H00nlm、 幅
頂角
つヒ ︶ 瓢 ロ
∼0.9m/min、 所要動力 3.7kw、 定格回転数 1800rpm
・ 貯水 タ ン ク容量 :約 0.5ポ
ァ
一
一
︶
一
・ 循環水 ポ ンプ :全 揚程 14.5∼
・ 水槽測定部寸法 :幅 400m m、 深 さ 400mm、 長 さ
(°
1630rnrn
・ 流 速 :3 cm/s
図 13
・ 水槽 を流れ る流 量 :約 0.188ポ /min
装置 は上記 の機器 を備 えたシ ステ ム で構成 され て
い る開水路で、 この水槽本体 の材質 は総 ア ク リル 製
である。 実験 で使用す る流れ の境界層 の状態 は層流
境界層 である。
実験 は水 中に染料 を流す色素流脈法 で行 っ た。染
4.2
頂角隙間 の影響 (下 流側 )
頂角隙間の効果の視認
可視化実験 は風洞 実験結果 の証明 として、流れ を
実際 に可視 化 し、そ の流れ を確認す るために行 つた。
この 実験 では 、屋根 はアル ミ 1枚 板 を使 用。頂角
は “大空 2001"の 頂角
160°
(屋 根傾斜 角
10°
)に
料 は水 に溶 解 した フル オ レセ レン (比 重 1)を ステ
ン レス管 (外 形 1.06nlm、 厚 さ 0.18nll■ )よ り水 中 に流
固定 して 、船体傾斜角 のみ 0° 、 15° 、30° 、45°
と変化 させ ていつた。そ の結果 を図 14∼ 図 17に 示
した。 なお、流脈 を観 察す る際 の 光源 は 1.5kwの 電
球 を用 い る。
す。
これ らの 図を参照 して 、隙間 の 有無 の影響 を比較
す る。図 14の 船体傾斜角 0° で 、隙間 がな い場合 は、
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大 島 商 船 高 等 専 門学 校 紀 要
第 36号 (2003)
屋 根 の 先 に進 入 して きた細 い 緑 色 に発 光 した 染 料 が
屋 根 表 面 を上 下 に 分 かれ て 流れ て い き、 下流側 屋根
を出 る ときには大 きな渦 を描 い て 抜 けて い る。 この
現象 が 原 因 で 、 下流側 屋根 の 上 面 の 圧 力 が減 少 して
屋 根 が 開 きや す くな る こ とが判 明 した 。
図 15の よ うに屋根 頂 角 に隙 間 を設 け る と、隙 間 か
・
ら流体 が 流 出す る事 に よつて 下流側 屋 根 の 上 部 面 の
ヽ)/
圧 力 が若 干 上 昇 し、屋 根 は開 きに くくな る。
風洞 実験 の 結 果 、船 体傾 斜 角 が
15°
′
′
ヽ
を超 え る と、
隙 間 が な い 場合 は上流側 屋 根 が 開 い て 下流側 に重 な
っ た が 、そ の 理 由は図 16に 示す船 体傾 斜
30°
2002/ 3/21)
時の
上 流側 の 写真 を見 る と明 白で あ る。 即 ち、そ の 上面
図 16
船体傾斜 30° 隙間な し
には 流れ に よる負圧 が 発 生 し、 上 流側 屋根 は開 きや
す くな る。隙 間 を設 け る と、図 17の よ うにそ の 負圧
は弱 ま つて 開 きに く くな る。
(\
'1、
:.1、
│
,\ /
1
″ヽ
│
→
゛
,嵐
図 17
巴
醜
慶
船体傾斜 30° 隙間あ り
ヽ
図 14
船体傾斜 0° 頂角隙間な し
5.屋 根改修
模型 を使 った風 洞実験及 び 流れ の 可視化実験 よ り
頂角隙間 の効果 が期待 できる と考 え、“大空"の 屋根
を図 18の よ うに改修 した。そ の詳細 を図 19に 示す。
改修後 3ヶ 月海 上に係 留 して い るが、今 の ところ問
題 ない。
一″
/
図
15
船体傾斜角 0° 頂角隙間あ り
なお、屋根 の 安全弁 として の機 能 は、実用 を考 え
た時 、強風 の度 に開閉 を繰 り返 し、屋根 が破 損 しや
す くな る恐れ があるの で 、今回は採用 しなかった。
ソー ラー 遊 漁 船 にお ける太 陽電 池 モ ジュー ル 屋 根 の 強 風 対 策 (三 原 。角 田 。横 畠・ 藤谷 ・ 藤繁 。井上 。大石 )
25
開 い て下流側 に重 なるの で 、重量 が増 した 下流
側 の屋根 は開かな くな り、風洞実験 のデ ー タは
得 られ な くなる。
③
船体傾斜 が
、 160° で 、
頂角隙間が ある場 合 は、船 体傾斜 角 の増加 にほ
15°
以上で、頂角
170°
ぼ比 例 して 、開 きやす くな る。
④
頂角
、船体傾斜 角 15° 以上 になる と、 も
はや 、隙間 の効果 はな くなる。
140°
実験結果 よ り得 られ た頂 角隙間 の効果 を応用 して 、
ソー ラー 遊漁船 “
大空 2001"の 屋根 を改修 し、そ の
図 18
改修後 の屋根
後海 上 に係留 してい るが、 これ まで の ところ問題 は
な い。
参考文献
1)
三原伊 文他 、「内海 にお ける高齢者 の た め
の ソ ー ラ ー 遊 漁 船 の 開 発 」、 マ リ ン
エ ンジ ニ ア リン グ 学術 講 演 会 講 演論 文集 、
2001年 5月
2)
図
19
グ学術講演会講演論文集、2001年 10月
3) 三原伊文他 、「ソー ラー遊漁船 の運転性能」、
マ リンエ ンジニ ア リン グ学術講演会講演論文
改修 後 の 屋 根 詳 細 図
4)
6.あ とがき
アル ミ片側 1枚 板 の模型を使 つた風洞実験及び流
の
れ 可視化実験で得 られた結果 を次にまとめる。
上流側屋根は
① 船体傾斜角 0° では、
頂角が 170° 、160° 、140°
いずれ の場合 も、決 して屋根は開かない。
② 船体傾斜角 15° になると、頂角 170° 、160° 、
140° いずれ の場合 も、それぞれ異なる風速で屋
根は開 くよ うになるが、頂角隙 間を設 けるとい
ずれ も開きにくくなる。
①
船体傾斜角 30° 以上になると、頂角隙間の効果
はな くなる。
下流側屋根は
①
船体傾斜角 0° では、頂角 170° 、160° 、140°
いずれ の場合 も、それぞれ異なる風速で屋根は
開 くが、頂角隙間の効果 は顕著で屋根は開きに
くくなる。
②
三 原伊 文他 、「環境 へ の影響 を考慮 した ソ
ー ラー遊漁船 の製作」、マ リンエ ンジニ ア リン
船体傾斜が 15° になると、
頂角 170° 、160° で、
い
頂角隙間がな 場合は、上流側屋根 の方が先に
集 、2002年 5月
三 原伊 文他 、「ソー ラー 遊漁船 にお ける発
生電力・ 消費電力 の計測」、マ リンエ ンジニ ア
5)
リン グ学術講演会講演論文集 、2002年 H月
比 良 二 郎、瀧 澤英 一 共 著 、「流体力学 の 基
礎 と演 習」、東京書店発行
26
大 島商 船 高 等 専 門 学 校 紀 要
第 36号 (2003)
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