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Taro10-c-01 テロ特措法(本文)

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Taro10-c-01 テロ特措法(本文)
平成14年度
政策評価書(総合評価)
担当部局:防衛局防衛政策課
実施時期:14年5月∼15年3月
制度等名
:テロ対策特別措置法の制定及び同法に基づく自衛隊の活動
政策分野
:防衛政策(米国同時多発テロ事件への対応)
内
容 :
I テロ対策特措法の概要
(1) 目 的
平成13年9月11日に米国で発生したテロリストによる攻撃(テロ攻撃)が国際連合安全保障理事会決議(安保理決議)第1368
号において国際の平和及び安全に対する脅威と認められたことを踏まえ、あわせて、安保理決議第1267号、第1269号、第1333号その
他の安保理決議が、国際的なテロリズムの行為を非難し、国連加盟国に対しその防止などのために適切な措置をとることを求めてい
ることにかんがみ、わが国が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主体的に寄与するため、次の
事項を定め、もってわが国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする。
① テロ攻撃による脅威の除去に努めることにより国連憲章の目的達成に寄与する米国等の軍隊等(諸外国の軍隊等)の活動に対し
てわが国が行う措置等
② 国連決議又は国連等の要請に基づき、わが国が人道的精神に基づいて行う措置等
(2) 基本原則
(3) わが国が行う活動
(4) 基本計画
(5) 自衛隊による活動の実施、実施要項の策定
(6) 関係行政機関による対応措置の実施
(7) 国会の承認
(8) 国会への報告
(9) 物品の無償貸付及び譲与
(10) 武器の使用
(11) その他
詳細については、別添のとおり
Ⅱ テロ対策特措法に基づく活動
(1) 基本計画及び実施要項
テロ対策特措法に基づく米国等に対する協力支援活動等について、日米間においては、平成13年11月2日に行われた第1回調
整委員会及び同14日に行われた第2回調整委員会等において調整を行った。これらの調整・検討、さらには、情報収集活動の目的
で派遣された艦艇3隻による確認結果も踏まえて総合的に検討を行った上で、わが国として主体的に判断し、同16日に、政府は基
本計画を閣議決定し、同日国会に報告した。同20日、防衛庁は実施要項を策定し、内閣総理大臣の承認を受けた。
(2) 基本計画の概要は別添のとおり。
(3)基本計画に定められた活動の実施
平成13年11月22日、政府は、自衛隊の部隊等による協力支援活動、捜索救助活動及び被災民救援活動の各活動の実施に関し
承認を求め、国会における審議の後、同月30日承認された。
さらに、平成14年5月には、10日の第3回調整委員会における調整を踏まえ、米国等諸外国の活動状況を総合的に検討し、わ
が国としての主体的な判断に基づき、5月17日、基本計画の変更(自衛隊の部隊等の派遣期間を6ヶ月間延長(11月19日まで ))
を閣議決定し、同日国会に報告した。防衛庁長官は、内閣総理大臣の承認を受けた上で、協力支援活動等の実施期間を6ヶ月間延長
する旨の実施要項の変更を行った。
また、米軍等によるテロとの闘いの現状等も踏まえ、平成14年11月19日の閣議において、この期間をさらに6ヶ月延長し、
平成15年5月までとした。さらに、同閣議において米軍の使用する飛行場施設の維持に資するための建設用重機等の海上輸送につ
いては、海上自衛隊の輸送艦及び護衛艦によって実施することが適当であると判断し、その回数を1回に限ることとして、11月1
9日に基本計画において所要の変更がなされた。なお、同日、併せて、防衛庁長官が定める実施要項についても総理の承認を得て、
基本計画に沿った所要の変更がなされた。
①
海上自衛隊は、防衛庁長官の協力支援活動等の実施のための一般命令に基づき、護衛艦「さわぎり」、補給艦「とわだ 」
、掃海
母艦「うらが」及び情報収集のため派遣した艦艇3隻からなる協力支援活動等のための部隊及び被災民救援活動等のための部隊を
編成した。平成13年11月25日掃海母艦「うらが」を神奈川県の横須賀基地より、補給艦「とわだ」を広島県の呉基地より、
護衛艦「さわぎり」を佐世保基地より、それぞれ派遣した。海上自衛隊の派遣部隊は、平成13年11月16日に米国と協力支援
活動のための交換公文が締結された後、同年12月2日から、協力支援活動として、インド洋上で米軍艦艇に対し、洋上給油を開
始した。また、平成14年1月18日に英国と協力支援活動のための交換公文が締結された後、平成14年1月29日から英国艦
艇に対し、洋上給油を開始した。さらに、平成15年2月28日にフランス、ドイツ及びニュージーランドと、同年3月11日に
イタリア、オランダ及びスペインと、同月28日にカナダ及びギリシャとの間で協力支援活動のための交換公文が締結された後、
海上自衛隊の派遣部隊は、3月9日からフランス軍艦艇に対し、同月11日からニュージーランド軍艦艇に対し、同月20日から
イタリア軍艦艇に対し、同月28日からはオランダ軍艦艇に対し洋上給油を開始した。
「うらが」及び「さわぎり」については、平成13年12月12日、パキスタン・カラチ港へ入港するとともに、被災民救援活
動として、救援物資である総トン数約200トンのテント及び毛布等をUNHCR現地事務所へ引き渡した。被災民救援活動終了
後、「うらが」は同年12月31日、横須賀基地に帰港し任務を終了した。
②
航空自衛隊は、防衛庁長官の協力支援活動等の実施のための一般命令に基づき、平成13年11月29日、航空自衛隊第1輸送
航空隊(小牧基地)所属のC−130H輸送機により、在日米軍基地間の国内輸送を開始した。さらに、同年12月3日には、在
日米軍基地とグアム方面等との間の国外輸送も開始した。これらの輸送では、航空機エンジン、部品整備器材、衣料品といった物
資等を輸送している。
○評価の内容:
1 制度等の効果
テロ対策特措法の制定により、同法に基づく協力支援活動として、海上自衛隊は、平成13年12月以降インド洋上において、米
艦艇等への給油及び被災民救援活動を、また、航空自衛隊は、平成13年11月以降国内外において米軍の物資等の輸送を、それぞ
れ実施している。
(1) 海上自衛隊においては、平成15年3月30日現在、インド洋北部において護衛艦「きりしま」「
・ はるさめ」、補給艦「ときわ 」
が活動中(注)であり、
・ 平成13年12月2日以降平成15年3月30日までに、艦船用燃料を、米軍の補給艦・駆逐艦等に対し170回、英軍の補給
艦等に対し11回、フランス軍の駆逐艦に対し3回、ニュージーランド軍のフリゲート艦に対し1回、イタリア軍の駆逐艦に対し
1回、オランダ軍のフリゲート艦に対し1回の合計185回、約28万6千klを提供し、
・ 平成14年2月21日には米艦艇に対して物品(予備品、日用品、郵便物等約1トン)輸送を実施した。
また、タイ王国の建設用重機等及び人員輸送のため、護衛艦「いかづち」が平成15年2月3日に横須賀、輸送艦「しもきた」
が2月4日に呉を出港した後、タイ王国の建設用重機等の輸送を実施した。
(2) 航空自衛隊においては、C−130型機、C−1型機及びU−4型機により、
・ 国内輸送については平成13年11月29日以降平成15年3月30までに142回、
・ 国外輸送については平成13年12月3日以降平成15年3月30日まで15回実施しているところである。
(注)平成13年11月の派遣以降、補給艦2隻を含む5隻体制を基準として、逐次、艦艇の交代を行ってきている。
(最近の動き)
護衛艦「きりしま」が、平成14年12月16日に横須賀を出港。
護衛艦「さみだれ」及び補給艦「とわだ」が、平成15年1月3日に呉に帰港。
護衛艦「ひえい」が、平成15年1月26日に呉に帰港。
護衛艦「いかづち」が、平成15年2月3日に横須賀、輸送艦「しもきた」が、同2月4日に呉を出港。
こうした活動については、平成14年12月の日米安全保障協議委員会「2+2」をはじめとする様々なレベルの様々な場におい
て、米国等から謝意、他国からの評価の表明がなされる等、国際社会からは高い評価と賞賛を得ているところである。これらから見
るに、我が国によるテロ対策特措法に基づく努力は、国際的なテロリズムの防止や根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主体的
に寄与するとの意義を有していると考える。また、併せて、米軍のテロとの闘いへの協力を行っていることは、強固な日米関係の証
左ともなっている。
我が国の取組に対する各国の反応は次のとおり。
【米国】
○ラムズフェルド国防長官
「日本の努力に感謝する、自分は日本が自衛隊の役割を進展させていることに着目しているが、これは健全かつ重要であって高く評
価する」(13.12.10 日米防衛首脳会談)
○米国国家安全保障戦略
「日本(と韓国)は、同時多発テロ後数週間以内で、前例のないレベルでの後方支援を実施した。」(14.9.20 公表)
○ラムズフェルド国防長官
「テロとの闘いはグローバルなものである。日本のこれまでの支援に深い謝意を表した」(14.9.17 外務大臣に対する発言)
○マイヤーズ統合参謀本部議長
「( 日本は)テロとの闘いですばらしい貢献を続けている。米海軍の艦船に対し、4,800万ガロン(約18万kl)の石油を供
給した」(14.9.14 ワシントン市内での講演)
○アーミテージ国務副長官
「昨年11月以降、日本が実施しているテロとの闘いへの貢献について、深い感謝の意を表したい。日本による貢献は米国のみなら
ず、国際的にも高い評価を得ている。」(14.8.14 防衛庁長官に対する発言)
○パウエル国務長官
「インド洋上での艦船用燃料の補給や今般決定された海上輸送の協力、イージス艦派遣等日本の支援に感謝している 」(14.12.17
日米安全保障協議委員会(
「2+2」会合)
○ウォルフォビッツ国防副長官
「軍事面では、まだアフガニスタンの一部で緊張が続いているが、日本によるアフガンの復興及び安定のための支援にも感謝する」
(14.12.17 日米安全保障協議委員会(「2+2」会合)
【米国以外】
○英ストロー外相
「日本がいろいろ制約がある中で、非常に実践的、プラティカルな貢献を行っていることに大変感謝する」(14.1.9 日英外相会談
における発言)
○印フェルナンデス国防相
「現在の世界のテロとの闘いの中で、日本もテロと闘っていることを承知している。」
(14.6.2 防衛庁長官に対する発言)
○豪ヒル国防相
「日本のテロへの闘いに関する貢献を自分も評価している 。日本はアメリカへの後方支援だけでなく、人道支援の活動も行っている。
この点についても自分は非常に評価している 。」
(14.6.2 防衛庁長官に対する発言)
○比アロヨ大統領
「日本のテロ対策への取組を評価する。日本が国際的な安全保障の分野で幅広い役割を果たすことを期待する。
」
( 14.1.9 首脳会談)
○ムハンマド・アラブ首長国連邦軍参謀総長
「貴国艦隊が行っている任務は、テロと闘う諸国の軍隊に対する支援という非常に重要なものである。」
(14.5.4 防衛庁長官に対
する発言)
2
方策等の検討
「1 制度等の効果」で述べてきたとおり、我が国によるテロ対策特措法に基づく努力は、国際的なテロリズムの防止や根絶のた
めの国際社会の取組に積極的かつ主体的に寄与するとの意義を有していると考える。また、米軍のテロとの闘いへの協力を行ってい
ることは、強固な日米関係の証左にもなっている。よって、これらの効果を維持・増進していくため、今後も、テロとの闘いが続く
ものとみられること等諸般の情勢等に鑑み、主体的かつ積極的に国際的なテロリズムとの闘いに引き続き取り組むことが必要である
と考えている。
今後の対応:
我が国が、平成13年9月11日の米国同時多発テロの発生を受け、国際的なテロリズムとの闘いを自らの問題と認識し、国際的な
テロリズムの防止及び根絶のための取組に積極的かつ主体的に寄与するため、テロ対策特措法に基づく自衛隊の活動を着実に実施する
ことにより、我が国を含む国際社会の平和及び安全のために努力していくことが望ましい。
参
1
2
テロ対策特措法について
基本計画の概要
考
資
料
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