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携帯電話を業務端末へ, モバイル CRM ソリューションの フィールド

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携帯電話を業務端末へ, モバイル CRM ソリューションの フィールド
特集記事
02
携帯電話を業務端末へ, モバイル CRM ソリューションの
フィールドサービス業務への適用事例
木村 和生
2
携帯電話を業務に活用したいというニーズは年々
高まっています。 今回,BREW®携帯電話を某社の
あるお客様の保守サービス部門では, 定期点検や
電話による修理依頼に対応するためのサービス員が各
サービスセンターなどに配置されています。
フィールドサービス業務に適用しました。 適用にあ
たっては, セキュリティの確保, 操作性, 基幹シス
テムとの連携とともに, 作業指示の送信の仕組みな
顧客からの修理依頼の発生からサービス員への作業指
示, 現場作業後の顧客への報告書提出など, フィールド
サービス業務の顧客対応スピードアップと業務効率化にあ
たり, 以下の課題が考えられていました。
・ センターで現場の状況を知り, 顧客からの問い合わせ
に的確に対応したい
・ 点検や修理結果など一度現場で手書きで作成した報告
ど,業務を改革するための基盤機能に留意しました。
1
フィールドサービスにおける課題と
ma-SQUARE の採用
現場でできることは現場で
(1) 携帯電話を業務端末に
を, 帰社後に会社の PC に改めて入力しているなどサー
ビス員の入力負荷が大きい
“常に持ち歩いている” という点で, モバイル PC で
もなく,PDA でもなく, 携帯電話が “モバイル業務端末”
として, 現場のスピードアップ, 業務効率化への最短距
離にあります。 近年高機能化 ・ 高性能化する携帯電話
・ ノート型 PC は持ち歩いているが, 起動が遅いうえにセ
キュリティに懸念がある
・ 電波圏外 (建屋内, 地下, 携帯電話禁止区域など)
でも活用したい
に搭載される BREW アプリケーションと, 基幹システムと
の仲介を行うモバイルゲートウェイサーバを開発することに
よって “業務で使える携帯端末” が実現できるようになり
ました。
(2) 機能の概要
これらの課題を解決するために携帯端末の適用を検討
していたところ, オフライン操作やセキュリティ機能に優れ
た ma-SQUARE の特長が高く評価され, 採用されること
BREW アプリケーションとモバイルゲートウェイサーバと
の組合せにより, 既存の基幹システムと携帯電話の間に
おいて送受信処理や同期処理を行い, 確実なオフライン
データ連携を行います。 また, 業務端末として必須とな
るセキュリティについては, 認証, アクセスログ取得のほ
か, オプションとして遠隔からデータ消去を行うセンター
プッシュ機能など, 様々なセキュリティ機能に対応してい
になりました。 3
フィールドサービスにおける
モバイル CRM の要件
この事例での採用のポイントは以下の 3 点です。
(1) オフライン操作の実現
ます。
この仕組みをモバイ
ル CRM ソ リ ュ ー シ ョ ン
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図 1. ma-SQUARETM概要図
サービス員は, セキュリティを確保しながら, 現場で必要な情報を必要なときに参照でき,
更に現場からタイムリーに報告できます。
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「東芝ソリューション テクニカルニュース」2007年(春季号)
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した。 図 1 に maSQUARE の機能構成
を示します。
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図 2. ma-SQUARETMの適用イメージ
コールセンタでは顧客からの修理依頼を受け, サービス員に作業指示を出します。 サービス員は現場にて作業に
必要な情報を携帯電話で取得し, 作業を実施後, 報告書を携帯電話で作成, 基幹システムに送信するとともに
印刷して顧客に提出します。
サービス員が作業を行う現場には , 携帯電話の使用に
制限がある病院, 電波が届かない地下や建屋内など,
携帯電話を通常どおり使用できない場所が多くあります。
ma-SQUARE は携帯電話に基幹システムのデータをあ
らかじめ取り込む機能を持っており, オフライン操作が可
能になっています。
オフライン操作では, キー操作の都度通信を待つこと
がなく, “イライラしなくて済む” という操作の軽快さもメリッ
トの一つです。
(2) センタープッシュによる作業指示送信
急ぎの修理依頼など, 現場への急行にあたっては,
センタープッシュ機能で業務効率化を実現します。
これは, 基幹システムからの作業指示をモバイルゲート
ウェイサーバを介して携帯電話へセンタープッシュにより送
出し, 携帯電話では指示受信を知らせる画面を表示しま
す。 受信したサービス員はその指示に対する 「受諾」 「拒
否」 をボタン操作で回答できます。 「受諾」 とした場合は,
引続き当該指示の保守履歴や既納品情報などを携帯電
話で受信します。 また, この作業指示は圏外などの場合
は自動的に再送されます。
これらの仕組みにより, 別の現場で作業中のサービス員
へも効率的に作業指示を送るなど, 確実な指示伝達が可
能となり, 顧客対応のスピードアップが図れます。
(3) バーコード入力とモバイルプリンタでの現地印刷
4
導入のメリット
前記の 3 点を含め, ma-SQUARE 導入により, 以下
のように課題が解決されることが期待されています。
(1) サービス員管理の効率化
作業開始や終了の状況確認がセンター側で一覧できる。
同時に, 実績工数の正確な把握も可能となる。
(2) 使用場所を問わない情報参照 ・ 帳票作成
オフライン運用実現により, 携帯電話に使用制限のある場
所でも保守履歴の参照や報告書の作成などが可能となる。
(3) セキュリティ対応
携帯電話での ID, パスワード認証, モバイルゲートウェ
イサーバでのアクセス制御などにより, 情報漏えいのリスク
を低減できる。
5
現状と今後の展望
ma-SQUARE は, オフライン動作による電波状況の
悪い場所での基幹システム連携や軽快な操作性, 高いセ
キュリティ機能を特長としています。 今後は位置情報を含
めた現場状況把握, コールセンタやフィールドサービス
パッケージとの連携強化などにより, いっそうの業務効率
化と “現場力を強める” パッケージソリューションとして強
化を図っていきます。
保守作業報告に記載する原因や処置内容などの文章
は, 定型文に対応する 2 次元バーコードを携帯電話のカ
メラで読み取ることで入力します。 使用部品の記録にも同
様にバーコードを使用し, キー入力を省くことで入力ミス
を防止し, 作業効率向上に寄与します。
必要な情報を入力した後に報告書をモバイルプリンタで
印刷することで, 顧客への報告書提出と基幹システムへ改
めて入力する作業を二重に行わなくて済むようになります。
図 2 は (1) ~ (3) の特徴を生かした適用イメージを示し
ています。
Profile
木村 和生
ソリューション第三事業部
クロスインダストリーソリューション部
クロスインダストリーソリューション第二担当 主務
CRM ソリューションに関する技術 ・ 開発業務に従事。
7
「東芝ソリューション テクニカルニュース」2007年(春季号)
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