...

平成27年度 第1回多摩市在宅医療・介護連携推進協議会議事録

by user

on
Category: Documents
5

views

Report

Comments

Transcript

平成27年度 第1回多摩市在宅医療・介護連携推進協議会議事録
平成27年度 第1回多摩市在宅医療・介護連携推進協議会議事録
日
時:平成27年7月6日(月)19時~21時30分
会
場:多摩市役所特別会議室
出 席 者:明石のぞみ委員、新垣美郁代委員、小坂智弘委員、白井弘三委員、
田村豊委員、増井優委員、中沢太委員、髙橋睦委員、濱西真美委員、
堀越修委員、梅田和子委員、 岡村奈央子委員、篠崎育子委員、荒井康弘委員、
伊藤重夫委員、伊野勲委員、上村茂委員、鈴木恭智委員、古川美賀委員
欠 席 者:藤原佳典委員
事 務 局:早借地域ケア推進係長、水谷主任、小林主事、中島主事
公 開 区 分:公開
傍 聴 者:4名
1 荒井部長より挨拶
2 辞令交付
3 委員紹介・事務局紹介
4 在宅医療・介護連携推進協議会設置要綱及び運営に関する取扱要領の説明
5 会長及び副会長の選出
会長に新垣美郁代委員、副会長に堀越修委員を選出
上記1-5は省略しています。
6 在宅医療・介護連携推進事業と多摩市の現状について
【早借係長(事務局)
】 それでは、議題の6、在宅医療・介護連携推進事業と多摩市の現
状に入ります。この件については、古川委員よりご説明をお願いしたいと思います。
【古川課長】 本当に今日は皆様、ご参加いただきまして、ありがとうございました。
まず、議題の1つということで、在宅医療・介護連携の推進事業について及び多摩市の
現状について、古川のほうから、ご説明させていただきます。
資料につきましては4-1、そして、A4の横長の在宅医療・介護連携推進事業、この
2つを使わせていただきます。
なお、資料のこれから出てくる表につきましては、多摩市高齢者保健福祉計画から取ら
-1-
せていただいたものでございます。資料にあわせて保健福祉計画のページ数が振ってあり
ますので、
内容を後ほどご確認いただければと思います。
まずはスライドをご覧ください。
まず、多摩市の現状から説明をさせてください。多摩市は、現行平成26年度は年少人口
12.2%、生産年齢人口が62.4%、そして老年人口、特に後期高齢者が10.4%とい
う形になっています。高齢者人口が25.4%という数字になっていますが、これから平成
37年につきましては少子高齢化と言われていますが、子供の年少人口が9.8%まで減る
という予測です。生産年齢人口が57.6%まで減ります。しかし、後期高齢者、特に高齢
者人口は25.4%から32.6%ということで増えるのですが、特にここで顕著なのが後
期高齢者が10.4%から倍増し、21%で増えるという形になります。
後期高齢者、今はまだ多摩市は前期高齢者のほうが高くなっています。しかし、平成3
1年を境にして、後期高齢者のほうが増加をします。前期高齢者のほうが減ってくるよう
な数字になっています。このスピードというのは、日本は諸外国から比べて高齢化のスピ
ードが非常に速いというふうな形になっていますが、その国のスピードを多摩市では、平
成28年度から本市の高齢化率が国を上回る、国に比べて速いスピードで進行する形です。
ご存じのように、高齢者が多くなると要介護認定率も増加をしていきます。
それとあわせて、団地というハードの部分のところの中で、現行、平成20年度に比べ
て65歳以上の世帯の数が平成26年度には約1.5倍という形になっています。さらに、
ここで顕著なのは、75歳以上のみ世帯の方、75歳以上の単身世帯及び高齢者のみ世帯
の部分のところの増加率が非常に高くなっています。
また、そういった方たちが住んでいらっしゃる住まいの状況で、平成25年度の調査の
結果ですが、多摩市では一戸建てに住んでいる方が約3割、集合住宅に住んで、その中で
エレベーターのない住宅に住んでいる方が6割というデータが出ています。
そういう方たちが、将来どこで介護を受けたいかというと、家族などの介護を受けなが
ら自宅で生活をしたいという方と、居宅サービスを受けながら自宅で生活をしたいという
方が合計で約5割という形になっています。施設に入りたいという方は約2割です。
在宅で安心して暮らすことのできる条件はどういう条件かという問いには、身近な拠点
施設、拠点の整備、例えば訪問介護が受けられる、訪問看護が受けられるというような身
近な拠点施設の整備、そして認知症高齢者サービスの整備、家族介護者へ支援というとこ
ろが中心になっています。簡単に言うと、高齢者が増えるだけではなく、単身世帯及び高
齢者世帯、これは多摩市の団地の特徴だという部分もありますが、そういう方たちがエレ
-2-
ベーターのない団地に住まわれる割合が高くなるだろうというところが、今後多摩市の中
で、
在宅医療を進める上では非常にハンディが大きくなるだろうと思っているところです。
次に、国の動きなのですが、国は、介護保険制度が改正された中で、新しい地域支援事
業というのを実施します。多摩市では来年度からこの新しい地域支援事業を実施する予定
ですが、その中の1つに今回新しく在宅医療・介護連携の推進というような項目が入って
きています。これは介護保険財源の中での事業になっています。多摩市の中で、地域包括
ケアシステム、多摩市の中で高齢者の方たちが生活支援、そして介護予防、かかりつけ医
の支援、介護、そして社会参加、これらの部分が包括的な部にきちんとサービスが受けら
れるようなケアシステムを作っていこう、そして、多摩市版というのは高齢者だけではな
く、子供や子育て中であっても障がいがあっても、子供から高齢者まで誰もが幸せを実感
できるようなまちにしていこうというのが、今の多摩市の目標になっています。
その中で在宅医療・介護の連携・推進ということで、利用者及び患者様の部分の周りを
きちんとネットワークを組んでいこうというのが、今回の事業です。
次に、横長の資料をご確認ください。今の動きは、多摩市だけではなく、全国的な動き
になっています。そういった中で、国では在宅医療・介護連携推進事業を平成27年から
平成30年の4月までに全ての区市町村で実施というような形になっています。その目的
というのが、在宅医療・介護連携推進については、これまで医政局の施策の中で在宅医療
連携拠点事業や在宅医療推進事業を実施してきたことで一定の成果が出ていると。これを
踏まえた上で、介護保険法の中で制度化しようというのがこの事業になっています。この
事業は市町村が主体となって医師会等と連携し、取り組む、ここがポイントになっていま
す。平成30年4月までには全ての区市町村で実施ということで、多摩市では今年度、平
成27年から実施とし、具体的に下の(ア)から(ク)までの事業、これを全て実施して
いきます。
次にこの事業の一部については、医師会等に委託することも可能というような制度設計
になっているところです。具体的には(イ)と(ク)の部分以外について、自治体の医師
会等に委託することは可能というような事例になっています。
具体的な事業項目について説明させていただきます。
(ア)地域の医療・介護の資源の把
握ということで、地域にどういうふうに医療機関を提供しているのか、その医療機能はど
ういうものなのかというところをリスト化し、マップ化する。そして必要に応じて連携に
有用な項目について調査をし、これを関係者間で共有化する。具体的にこういうサービス
-3-
の見える化をするというところが(ア)の資源の把握です。
(イ)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討。地域の医療・介護関係者が参
画する会議を開催し、在宅医療・介護連携の現状を把握し、課題の抽出、対応策を検討す
る。これが今日この会議の位置づけとなっています。
(ウ)切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築を推進する。地域の医療・介護関
係者の協力を得て、
在宅医療・介護サービスの提供体制の構築を推進するというものです。
(エ)医療・介護関係者の情報の共有の支援。情報共有シート、地域連携パス等の活用
により、医療・介護関係者の情報共有を支援する。在宅での看取り、急変時の情報共有に
も活用するというのが(エ)です。
(オ)在宅医療・介護連携に関する相談支援。医療・介護関係者の連携を支援するコー
ディネーターの配置等による在宅医療・介護連携に関する相談窓口の設置・運営により連
携の取り組みを支援する。具体的に例えば医療・介護連携推進センターのようなものをつ
くりながら、そこでコーディネーターを置いて、在宅医療・介護連携に関する相談支援を
受けるというような事業です。
次に、
(カ)医療・介護関係者の研修。地域の医療・介護関係者がグループワーク等を通
じ、多職種連携の実際を習得する。介護職を対象とした医療関連の研修を開催する等が研
修体制になっています。
(キ)地域住民への普及啓発。地域住民を対象にしたシンポジウム等の開催、パンフレ
ット、チラシ、市報、ホームページ等を活用した在宅医療・介護サービスに関する普及啓
発。在宅での看取りについての講演会の開催等です。
最後の(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市町村の連携。これは広域的なものです
が、同一の二次医療圏内にある市町村や隣接する市町村等が連携し、広域連携が必要な事
項について検討する。
以上この8項目についての検討という形になっています。なので、今日皆様方、先生方
にぜひ検討していただきたいのは、こういうような事業があるということで、これからの
多摩市の実情を踏まえた上で、この具体的な8項目をどういうふうに今後進めていくかと
いうところをぜひ今回、これからの会議の中で検討をお願いできればと思います。
なお、後ほど皆様のほうから事前にアンケートをとらせていただきました。そのアンケ
ートをもとにしながら、多摩市の高齢者の実情だけではなく、医療・介護の連携がどうい
う状況かということの結果を踏まえた上で、この実情に合った形の中でも医療・介護連携
-4-
の推進を図っていきたいというふうに考えているところです。
団塊の世代が後期高齢者になる、あと10年、この10年の間に医療施策もどんどん変
わっていきます。そういった中では今のうちから準備をきちんとした形の中で、医療・介
護連携がとれる形の仕組みを構築していきたいと、それのための検討会議ですので、ぜひ
積極的なご意見、ご参加をお願いできればと思います。
以上です。
【早借係長(事務局)】
予算について補足いたします。今年度につきましては、各自治
体とも介護保険法改正、今年から開始するということで、厚労省としては平成29年度末
までに全ての市町村で8項目を実施しなさいということになっています。市の予算として
は、27年度は本協議会の他に予算には計上しておりません。次の5番でも説明いたしま
すが、今現在、各機関、各団体が取り組んでいるもの、組み合わせながら実施をし、来年
度以降、どのように予算を計上していくのかをお図りいただきたいと考えております。
【古川課長】 まず大きく今回、皆様方から、市内の在宅・医療連携に関する機関からア
ンケートをとらせていただきました。これについては(イ)の在宅医療・介護連携の課題
の抽出と対応策の検討という部分の中のまずは課題を抽出するというようなところの内容
になるかと思います。それが1点と、あわせて(オ)の在宅医療・介護連携に関する相談
支援。これは具体的には来年度よりこの事業を具体的に進めるに当たって、どういった内
容の事業にするかというようなところを、これは予算との関連があるので、具体的に検討
していただく必要があるかと思っています。ですので、優先順位というところでは、多摩
市の施策の部分に反映するというところの中では、1つその課題の抽出をしながら、
(オ)
の在宅医療・介護連携に関する相談支援の体制をどうやって組んでいくかというところを
まずは検討させていただくことが、市としてはお願いをしたいというところです。
【田村委員】
今年度はしっかり議論をして、意見をだしていくというところですね。
既に例えば(ア)は、ホームページを新しくリニューアルする、その中に原稿をこの目的
で若干の内容を見直した上で、掲載しようかと。介護事業者さんも、協議会、ほかの利用
者さんもそういった情報ツールを今持っていらっしゃると思います。その辺を整備して、
それをそれぞれに置くのか、検討していく必要がある。それから、(エ)については、これ
は医師会がICTを使った多職種連携、特に地域の中でICTを使おうという検討を始め、
実際にやるにはどんな機種を選定したら良いか等、既に動いています。
【古川課長】
今、田村先生からお話しいただいたように、多分各関係機関の皆さんの
-5-
それぞれ持っていらっしゃる仕事、あるいは先行的に実施している内容等があるかと思い
ます。その部分をぜひ出していただきながら、市として今回の形の中での考え方の整理を
していただければと思いますので、よろしくお願いしたいと考えています
【新垣会長】
この件に関してはよろしいでしょうか。
それでは、承認ということで。
続きまして議題の4番目に移ります。在宅医療・介護連携推進についての取り組み経過
と課題について事務局よりご説明をお願いします。
【早借係長(事務局)
】
それでは資料の5-1から始まっておりますクリップをおとり
いただいて、在宅医療・介護連携促進についての取り組み経過と課題から入らせていただ
きます。喫緊でございますけれども、アンケートをとらせていただきましたが、これは非
常に短いために事前にお送りすることができず、大変失礼なことをいたしまして、申しわ
けございません。課題についてこの後、ご説明をしていきたいと思います。
まず、資料5-1をご覧ください。1枚目の後、右あきでA3判、横開きに開くように
なりますので、こちらをお開きいただきたいと思うのですが、まずこちらの表になります
けれども、先ほど説明がありました厚労省が示します(ア)から(ク)までの各課題が一
番左のうちに並んでいます。これに関しましてアンケートの中で、今まで関連するどのよ
うな取り組みをなさってきましたかと、またはされていますかという質問をさせていただ
き、そこに挙がってきたものを説明抜きの言葉だけで恐縮ですけれども、羅列させていた
だきました。機関については、左の端から医師会、歯科医師会、病院相談員、訪問看護、
居宅介護、サービス提供事業所、包括、市、家族会となっています。あくまで羅列でござ
いますので、回答の中で主催しているところと単純に参加していますよというもの両方同
じ名称が書いているものもございます。ポイントとしましては、多摩市はいろいろと連携
に関しては各機関、団体さんの意識が非常に高いということで、独自の取り組みを進めて
こられたということがここに反映される一方で、市をはじめまして、組織的に全体を分配
しながら進めてきている、こういう状態にはなっていないというのが現状の総括だと思い
ます。そういった内容をページ1番のところに簡単に文章で書かせていただいております。
先ほど医師会長のほうからお話がありましたICTを含めまして現在取り組みが進められ
ておりますので、これも文言だけになりますが、次のページ以降に、参考にごく一部の取
り組みということで、3例つけさせていただいております。最初の3ページに、医師会か
らいただいている資料がございます。現在、26年度になりますけれども、1番の医師会
-6-
定款事業として、各種の委員会活動を展開していただいております。ということと多摩南
部地域病院、日医大永山病院を中心とする多職種連携の発信として、在宅緩和ケアカンフ
ァレンスが既に20回以上実施されております。
それから、医師会申請によるそれ以外の都の補助事業として、在宅療養推進区市町村支
援事業ということで、各種の市と連携した調査研究事業等も含めて、新たに多職種連携等
に取り組むものでございます。それ以外に東京都が東京都医師会に対して、自治体と行っ
ている研修事業ということで例示としていただいた報告を記載させていただきました。
次に4ページですが、これも市のほうが事務局として介護職を対象に研修について記載
をさせていただいております。チームアプローチ研修、それから、これについては、情報
共有ツールとして機能しているかどうかということも含めて議論になるかと思いますけれ
ども、在宅介護ノートと介護情報提供書、ケアマネタイムを記載させていただいておりま
す。これについては、必ずしも議論していることではないということもありまして。今後
の課題としてどうしていこうかということは喫緊の課題というふうに考えております。こ
れも例示として挙げさせていただいております。
最後にこの医師会のほうで予算をいただいて、多摩市と地域包括支援センター、そして
医師会で共催をさせていただいております医療・福祉・介護連係情報交換会を参考にさせ
ていただきました。こちらにつきましては、包括支援センターができて3年目の平成21
年度から医師会と包括との情報交換会からスタートして、主に地域のかかりつけ医の先生
方と包括との交流から始まったものでございますが、年度を経るに従って、これ以外の職
種を含めて徐々に拡大してきたと。基本的には毎年情報交換会、事例研究等も行ってきた
ということで、毎年実施しているものを掲載しております。過去5年間につきましては、
平成26年1月、本年1月と事例研究をしないで、事例発表、そして、本年については千
葉県柏市の先進事例の紹介ということになっております。こういったところにつきまして
も、顔の見える関係、お互いに話せる関係が必要だということで、ここ2年間はテーブル
に座っての議論というのは設けておりませんので、本年度どうしていくかというのは課題
になっております。いずれにせよ、こういった各種の取り組みが、各団体において実施さ
れており、組織的計画として進めているということで、説明をさせていただきました。
次に、現在アンケートの中からどのようなお声が上がっているのかということで、資料
5-2をご覧ください。
こちらについて当市の中島より内容の概要をご説明させていただきたいと思います。
-7-
【中島(事務局)
】 まず、アンケートの方法等の概要についてです。今回この医療介護連
携推進会議を立ち上げるということで、まずは現状と皆様が日々感じていらっしゃる思い、
課題抽出をしていくためにアンケートを実施させていただきました。
調査の対象者といたしましては、本協議会委員の皆様、そして、介護保険事業所連絡協
議会の理事の皆様、それから、患者様からということで家族会の方々にご協力をいただき
ました。回収率としては74%、28団体からのご回答をいただいております。アンケー
ト結果の概要を説明させていただきます。
現状といたしましては、連携の取り組みにおきまして、会議や勉強会など既にそれぞれ
の機関が実施をされていらっしゃる、しかし、全体としてそれをコーディネートする機関
や機能がないというイメージがございました。その中から課題が4点みえてきました。ま
ず1点目が、医療と介護の連携、情報の共有や顔の見える関係づくりということ。2点目
が在宅医療体制の整備。こちらは24時間体制で必要な介護が受けられる、十分な退院調
整ができるという点。3つ目が生活環境の整備。認知症の対策や見守り体制の整備、また、
移動支援もございました。
もう1つは、トータルコーディネート機関の設置ということで、
この4点が課題として挙げられました。
ここからは、それぞれにつきまして簡単に概要をご説明させていただきます。
(ア)これまで資源の把握やマップの作成、これについて行ってきたという回答があっ
た団体につきましては約3割、それぞれ各団体や協議会で作成をしているところなど、次
に医療と介護のための何かしらの配備を行ってきたかという部分に関しましては、約半数
が何かしらの会議で医療と介護の連携を行ってきています。
医療と介護の連携の会議を行う上で、困難に感じたことがあるかという質問に対しては、
約3割が連携について困難を感じたことがあるということで、温度差や医療と介護の制度
に違いがある、理解の違いなどが挙げられておりました。切れ目なく提供される体制の工
夫という部分に関しましては、約64%が在宅医療と介護が切れ目なく提供される工夫を
しているという回答。
具体的には情報の共有や意見の交換等を行っているところが主です。
切れ目ない医療と介護の回答の背景におきまして、今後特に検討を要する事項というこ
とにつきましては、当事者、家族ともに安心・安全に生活ができるようにということで、
緊急時の対応や家族支援も含めたカンファレンス等を行うというご意見を多くいただいて
おります。
情報共有のためのツールやシステムを既に利用されている回答は約3割、在宅ノート、
-8-
連絡ノートなどの利用が多かったです。今後連携に必要と思われるツールにつきましては、
ICTの活用や情報共有シートなどに多く回答が挙げられておりました。
医療と介護に関する何かしらの相談窓口につきましては、一応しているという回答が約
半数、その半数はほとんどが業務の傍ら相談を受けているということがありました。
多職種での研修会や交流会につきましては、開催が約半数、他職種ごとに行ったり、異
職種で行ったり、実施回数等もそれぞれ異なっておりました。
地域住民への普及啓発に関しまして、講演会やパンフレット等の配布を行っているかと
いうことにつきましては、行っているという回答が約4割、方法としてはチラシの配布な
どがありました。また、住民より依頼を受けて説明会を実施しているという回答もござい
ます。
今後、講演会やパンフレットの作成・配布を行うとした場合に、どのような内容に焦点
を当てたものがよいかということに関しましては、介護保険制度やサービスについて、ま
た在宅医療に関することということの事項が多く挙げられております。
近隣市区町村との情報共有の会議、実施につきましては、既に行っているとの回答が4
3%、他市への会議の参加や情報交換等が行われておりました。近隣市との連携において
自治体の調整事項として振り分けてもらいたいことに関しまして、市おのおのでのサービ
スの内容や対応が異なるということもあるということで、市同士での情報交換や連携が課
題だということで挙げております。
自由記載につきましては、医療、介護、福祉、その他ということで、それぞれご意見の
ほうをまとめさせていただています。
まずは、医療関係者です。医療関係者からは大きく3つ挙がっております。まず、医療
と介護の連携というところで、職種間のコミュニケーション不足や連携の中身についての
イメージが統一されていないということ、また、医療側の介護知識の欠如、介護側の医療
知識の欠如が挙げられておりました。
在宅療養においては、十分な退院調整で退院されるケースが後を絶たないということで、
退院時の調整に関すること、また行政の連携ということで災害時の対応や、行政同士の連
携の必要性ということを挙げていただいております。
次に、介護関係からの回答です。介護関係からの回答としましては大きく4つ、医療と
介護の連携、在宅療養、コーディネート体制、住環境についてということで挙がっており
ます。医療と介護の連携につきましては、医療と介護の考え方のずれ、違い、連携体制の
-9-
不明瞭な状態というのが挙がっております。在宅療養につきましては24時間体制で介護
が受けられる状況にないということ、また、介護者家族へのレスパイト等への支援の必要
性が挙がっておりました。
コーディネートにつきましては、介護や医療の体制は整備されているけれども、それら
を結びつけるシステムがないということで、コーディネート調整が必要という意見をいた
だいております。
また、住環境につきまして、認知症高齢者の対応、エレベーターがない方への外出の機
会、外出支援の必要性ということでのご意見をいただいてございます。
福祉関係の方からは、医療と介護の連携、在宅療養、普及啓発等に関するご意見もいた
だいております。医療と介護の連携におきましては、言語の違いや介護保険の理解不足、
疾患や治療と暮らしとの切り離されがちということでのご意見をいただいております。ま
た普及啓発に関しましては、在宅療養への市民の理解を深める必要性ということで回答が
挙がっておりました。そのため関係者の方からは、特に啓発の情報の共有が必要であると
いうことが挙がっておりました。
アンケートの結果としては以上になりますが、冒頭お伝えいたしましたとおり、これら
より共通する医療と介護の連携、在宅療養関係の整備、生活環境の整備、コーディネート
機関の設置という4つの課題があるというふうに考えました。
以上でございます。
【新垣会長】
それでは、ただいまの説明について質問やご意見のある方はいますか。
【古川課長】
9ページ以降の在宅生活を続けるための医療と介護の連携について自由
意見を実は非常に興味深く拝見させていただきました。この内容についてできれば、関係
者の方からぜひ伺えればと思うのですが、例えば9ページの下の介護関係の方から、医療
と介護の連携の中で、医療と介護の考え方の違いのずれからのお互いの不信感、あるいは
職種間で必要以上に遠慮し過ぎている現状があるのではないかという赤裸々な回答があっ
たと思ったのですが、これらのことについて具体的にどんなふうにあるのか、もしよけれ
ばぜひお話しいただければと思います。
【新垣会長】 私もその方がとても分かりやすいと思います。例えばどういうことでも、
そういうことがあるとか何か思い当たるところがあるとか、アンケートを書いてくださっ
た方がこちらにいらっしゃるとは限らないですけれども、ご自身の中でそういうことを伝
えたいのではないかと、もしあれば。
-10-
【岡村委員】
主に包括としてはどちらかというと介護に関してはケアマネさんに、重
い方に関してはコーディネートをお任せしちゃうことが多いので、包括としては、最初の
導入部分でこの方に何が必要なのかというところで関わることが多いのですけれども、そ
こで感じるのはお医者さん、まず受診をしたくてもなかなかできなかったり、寝たきりに
なりつつあるのだけれども、お医者さんに行けない方に、でも、実際に新規で訪問してく
れるお医者さんというのがなかなか少なかったりするという現状はあって、介護保険の申
請に至るまでにハードルが高いというところがあったりしてスムーズに介護のほうに乗せ
ることができないという現状がちょっとあるなと感じています。先生は先生の考え方があ
りますし、介護部分でこれは必要だよねと思う部分もあるのですが、そこがなかなかすり
合わせができなくて、
調整が遅れてしまったりというところもあるのかなというところで、
ちょっと連携のしにくさを感じているところはあるかもしれないと思います。
【堀越副会長】
介護側も医療の知識が足りない現状はあるのですが、病気が治ったか
ら退院しましょうというお話もいただきますけれども、その後、どういう生活をするのか
なというのも決まっているのか。ご本人さんが言うから在宅でしょうがないねという言葉
で片づけられてしまうということも今までありましたね。それはケアマネがちゃんと無理
をさせないようにとか、調整をと思うんですけれども、意外と退院が急だったり、経験上
です。不信というわけではないんですけれども。
【明石委員】
実はデイケアとデイサービスと連携を組みなさいというふうになったと
きに、デイサービス事業所と話をすり合わせるのが大変だなという感じになって、それは
どういうことかというと、結局、アセスメントが違う、そういうところで私はすごく、こ
れは話し合っていかないと一貫性を担保するのは難しいかなというところは感じます。
【荒井部長】
明石先生がおっしゃったように介護事業者さんが必要な情報と医療さん
が必要な情報というのがそれぞれちょっと違っている。脳卒中の連携会議に歯科医師会の
先生方から発言があったのは、要はICT使って情報をリアルタイムで見たいよといった
ときに、
フォーマットがまず決まらないと先生たちの対応は医療的なところに通じていて、
介護の人たちはどちらかというとその人の生活がどのようになっていくかというところを
かなり重要視されているんじゃないかと。だから、そこのところ、両方が一定程度医者は
医者で、あるいは歯科医師、薬剤師が、書けるような何かフォーマットみたいなものがな
いと。あと、私が個人的に思うのは、医者にかかると必ず診察料がかかる。例えば入院時
に情報提供みたいなのを書く、診断書も書く、診断書料発生してくると。こういうふうに
-11-
ICTで仕組みがどんどん動いているのに、先生たちの診察料をどうやって支払われるの
かなと単純に思うのと、あと介護の人たちにそれを提供するとすれば、そういう人たちの
情報提供力が何か考えていく必要があるのかな思うところがある。この問題は連携しまし
ょう、
連携しましょうと言うんですけど、仕組みの違うものを何か1つのところでやって、
新たな考え方、ケースを超えて入れていかないと、なかなか連携するのも難しい行政本位
の立場からいうと思うところがあります。
、ぜひともそういうところも忌憚のない意見をい
ただきながら、関係をいかに円滑にしていったらいいのか、橋渡しみたいなものをつくる
場がこの連携がより必要だなというふうに、いろいろな会議に出させていただいて、見て
いるところであります。皆さんからご意見をいただければ。
【増井委員】
この考え方のずれからの不信感、病院で相談員をやらせていただいて考
え方の違いという、私は幾つかのパターンがあるかと思います。中には生活自体をあまり
そもそも見えていない、例えば患者さんが圧迫骨折をして、手術もしない、コルセットつ
くったらもう退院になる。生活はというところの視点を持ち込むのが私の仕事なんだと思
っているのですが、そういうケースもありますし、またとりあえず病棟の平らのところが
歩ければ、退院じゃないか。でも、先生、お風呂入れないですなど、いろいろなことがあ
ります。そういう病院の勤務医の先生方は本当に生活という部分に目が届かないという面
が、考え方の違いというか。いつもそこに生活という視点を持ち込むことで大切だと感じ
ているところです。
【古川課長】
退院調整が不十分であるということに気づかないで退院せざるを得ない
状況というのはあるのでしょうか。
【増井委員】
今、例に挙げたようなことも病院も入院期間を短くすると、年々厳しく
なると思いますけれども、
その中で色々な判断を早くしていかなければいけない、
しかし、
実際はソーシャルワーカーの数というのも、病院の中にそんなにいないのも現状です。
【篠崎委員】
様々なツールだったりとか、情報だったりとか、各職種の違いがある
けれども、そういうことをもとに直接会って色々私たちはこう考えるのです、患者さんの
お家を見るとこんな状況だからということ、やりとりを最初はしっかりたくさんすること
によって数年たつと少しその辺がそんなに気を使わなくてもできるようになるというのが、
この医療と介護の連携なんじゃないかなという風に思うので、最初はとにかくお互いに出
かけて行ったりする中で、医療と介護の連携をやっていくのかなと感じています。
今、病院の中でもなかなか中を変えていけない、外部の人が病院の中に出かけていって
-12-
発言をするということが大事なことだと思うのと、分野は違うのですけれども、保健所は
一般の高齢者の方には関わることがほぼないので、精神保健福祉法の第23条通報、警察
官の通報によって診察に行ってそのまま精神科の病院に入院する、そうすると精神科も同
じく入院期間をもうできるだけ短くして早く地域に帰すという方向なので、私たち保健所
が知らないうちに帰ってきていて、またすごい大声上げているというようなことがありま
す。このようなことが二、三カ月の間にあって、医療につなげたのにこちらが知らないう
ちに帰ってきてというようなことは、ずっと大きな課題になっています。今やっている工
夫というのは精神保健福祉法の第23条通報があって、その日のうちに、あるいは夜遅く
ということであれば翌日の午前中にも対象者がどこの病院に入院をしたかということを確
認して、その日のうちに病院に地区担当の保健師が連絡をとります。入院してからすぐに
退院についての調整が始まりということもあり、やはり今までのやり方の考え方を少し置
いといて、新たな違う方法というのを考えていかないとなかなかこの医療と介護の連携体
制は組んでいけないのかなとちょっと思いながら聞いていました。
そういう意味では多摩市の場合は、非常に医療と介護の連携が年に1回、連絡会があっ
て、比較的壁が低いと感じます。他の市の様子を見ると、先生には怖くて電話ができない
ですというところが非常に多くて、改めてケアマネタイムのような形で午後の2時から3
時の間だったら遠慮なく電話をかけていいよという時間を設けないと、それ以外何か電話
をかけられないと聞いたりするのですが、そういう意味では、今までの報告を聞いて多摩
市は壁が低いのだなというふうに感じたところです。感想ですみません。
【田村委員】
話を聞いていて2点思ったことがあります。1点は医師といっても開業
医と病院の医師は大分状況が違うということです。介護側から見て医師とはどっちを指す
のかということが、一緒くたになっています。例えば医療と介護の連携といってもその場
所に顔を出すのは開業医です。大きなパーティーでも、実際に病院で医療行為をやってい
る先生で、ですからその関係が1つある。それは問題意識があってお互いに顔の見える関
係をつくって、お互いに誤解がないように何を話してというような解決を図ると思います
が、病院の入院担当医師と介護の方と顔を合わせる機会というのは非常に少ない気がしま
す。
開業医と病院医師との間では頻繁に関係は持っていますが、そこでは、残念ながら介護
の問題はほとんどありません。病院医師が開業医に対してうちはこれだけの高度医療がで
きます、これだけの手術ができます、うちはこれだけの手術例がありますけれども、まだ
-13-
キャパがありますので、もっと症例の紹介をお願いしますというようなレベルの話が専ら
で、実際に退院をした後その人が、介護の世界に入る時に、そこでどういうことが、何が
行われているのかという話はでてきません。ですから、病院医師と介護をやっている事業
者との顔の見える関係というのが非常に医者の中でも遅れているのがあるなという気がし
ました。むしろ二極関係ではなくて、ある場面では三極関係で考える必要があるのではな
いかと思います。介護事業者と開業医と病院の医師というふうに考えていかないと、いつ
の間にか病院医師がいなくなってきているということも起きるのではないかと思います。
それと冒頭出ました話で、何が困っているのか、2つありまして、医者の側も何とか適
切な対応をしたい、在宅で暮らしている方に対して医療として何ができるのかということ
を考えるのですが、介護の方と考えが違ってちょっと時に見当外れであったり、あつれき
が生じたりということがあり、これはコミュニケーションをよくして、解決する見込があ
ると思います。ただ、もっと問題なのは、このところにお医者さんが来てくれないと話が
進まないという場合です。例えば主治医がいない方が家で寝たきりになったときに誰か診
に来てくれないと困る、という時に、出動してくれる医者がいない、あるいは何か相談を
しようとしてもそういうことには関わりたくないんだと、僕は医療はやるけど、介護には
関係ないんだというふうな感じの人がいて、これはもう取りつく島がなく、このようなレ
ベルの問題もあり得ます。地区医師会によっては、特に最初、岡村さんが言ってくれたよ
うな、包括が仕事をするときに医者が出てこないと話が進まないんだが、医者がいないと
いうときに地域包括支援センターごとにサポート医をつけて、それに報酬を出して、とに
かく何かあったらよろず相談を受けてくださいというふうな仕組みをしているところもあ
ります。それはそれなりに効果があるというのは裏を返せば、そうでもしないとちゃんと
必要なときに出てきてくれる医者がいないという現実をあらわしていると思います。そこ
のところは非常に問題として根深いと感じています。
つまりお互いに何とかしようと、何とか工夫して、何とかお互いを知ってうまく仕事が
できるようになりたいなという思いがあれば、やり方を工夫して、粘り強くやれば前へ進
むものです。今は問題意識を持っている人がカバーしましょうということでやっているわ
けです。地域包括支援センターのサポート医になっている人というのは地域の中でも非常
に在宅医療に熱心で、
意識も高く、
その人がみんなやっているという状況になっています。
この行動は一朝一夕には変わらないと思うのですけれども、医療と介護の関係がうまく
いっていないというのは、その二面があると思うのです。要するにもっと理解を深めてい
-14-
けば何とかなるだろうということは工夫をすればいいし、その結果、もともと関わりたく
ないと思っている人たちに関わらせようというのは難しいので、少なくとも在宅医療に熱
心な意識を持っている医者をたくさん増やして、地域住民が困らないよう手配していくと
いうある程度割り切った対応も必要なのではないか、と聞いていて思いました。
以上です。
【古川課長】
15年前に高齢支援課にいたとき、あのころというのは、患者が退院す
るとき、退院時カンファレンスは当たり前のように行っていました。そこに在宅介護支援
センターや市、あるいはヘルパーさんや関係者みんなで相談して、生活のとにかく寝かせ
られ老人にならないようにということで、在宅に帰ったときにどういう物・人の準備が必
要かというところをちゃんと整備してから、自宅に帰ったという印象が多かったです。現
在は退院後自宅に帰って、何で今こんな問題になるの、ということがあり、どうにも納得
いかなかいことがありました。そうしたら高齢者の数が多くなっているという話、在院期
間が非常に短くなっているという現状を知りました。先ほどさっき先生からもお話があっ
たように、昔はそういう準備をして退院させないと、本当に寝かせられ老人になっちゃっ
て、せっかく病院で一生懸命やったケアが、指導が生活の中でうまく生かされないという
ところがあって、ということはこれから高齢者がどんどんもっと増えていく。入院して帰
ってくるときに医療・介護連携で一番必要なのは退院時支援の準備をきちんとして、自宅
に帰れる体制整備だと思っていました。それが今のお話を伺ったように、自宅に帰ってか
らが大変という事例があることが、これから高齢者が増え、本当に大変になるのでは、と
悩むところであり、体制整備しなければいけないと思いました。その体制整備といったと
きに、コーディネーターというのは本当に必要なのではないか、というふうに思ったので
すが、皆さんどうですか。直接行っていらっしゃるのでしょうか。
【濱西委員】
ヘルパー派遣での話ですけれども、
おっしゃったように退院したときに、
病院ではこの状態で退院という判断があると思いますが、お家へ帰ってくると歩くのもま
まならないとか、お食事をつくるのも大変だったりとか、お風呂も介助が必要という状況
で戻ってくる患者さんもいて、病院にいるときとお家に帰ってきたとき差があります。医
療と介護で顔が見える関係があるとそこからの状態としては退院、お家帰ってきたら、歩
くことができるのか、トイレに行けるか、などお家の中の様子も含めての話し合いができ
る環境がとれると、ヘルパーは生活を支えていくので、医療的なところでどういった情報
が医療関係の人たちに必要なのか、どこまで伝えられたらいいのかという連携のところで、
-15-
できたらなと思っています。病院から帰ってきたときの本人の生活をどう支えられるのか
というのは、体制が整えられたらいいなということを感じています。
【堀越副会長】
大分前に、カンファレンスに呼んでいただくことがあって、病院のほ
うはピンポイントで「何月何日の何時に来られますか」という聞き方で、それに皆さん都
合つけて行くわけで、サービス事業者も来ていただいてという現状です。それで行っても
ちろん有意義な時間を過ごすことも多々あります。介助の部分でも、
「ちょっと支えていれ
ば大丈夫ですよ」と看護師さんはおっしゃるのですけれども、病院では支えるのがプロの
看護師さんだったりしますが、実際在宅に戻って支えるのは80代後半の女性だったりす
るわけで、その辺がちょっと咀嚼して理解しなければいけないかなと思います。現実とつ
ながるのかというと難しい部分はあります。
【伊藤課長】
実際に介護保険のサービスを受けられる環境の方は、サービス担当者会
議というのがあって、お医者さんを招集するということは一応決まりの中で行っているの
ですが、先ほど古川が申し上げた、やはり退院時という部分はキーワードかなとは思いま
す。先ほど篠崎さんから多摩市はそういうところが一定程度はハードルは低いと評価はい
ただいたのですが、私どもは介護保険の関係を踏まえるとハードルは低いけれども、もう
それが1つの多摩市の限界になっていて、在宅ノートをつくったり、ケアマネタイムもつ
くったけれども、それが形骸化をしていて、それ以上先に全然進んでいないということが
現状かなと思います。
あるべき姿ってどんなところを皆さん想像されますか。在宅療養、医療と介護がすごく
連携がうまくいっているというのをどういう状態が皆さん理想系として、どういう状態が
医療と介護がばっちり連携が進んでおり、あるいはそうした事例が今まであったかどうか
皆さん聞かせてもらえればと思います。
【高橋委員】
やはり病院によって温度差があります。顔の見える関係というのはすご
く大事で、私たちも知っている先生だとすぐ報告しやすいし、何でも相談できるしという
感じです。多摩南部地域病院は患者支援センターをコーディネートしてくれる看護師さん
がいまして、そこでターミナルの方の退院前にカンファレンスが必ずあって、大体カンフ
ァレンスは入院時1回だけなのですけれども、その後も退院までの間に状態変化があれば、
病院のほうからも連絡があるし、
こちらから質問をしたりして、直接先生に聞けなくても、
コーディネーターの方が「ああ、じゃあ先生に聞いておく、じゃあまた連絡するね」と、
割とスムーズに連携がとれて、ターミナルの方でもとりあえずお家に帰りたい、でも、も
-16-
し無理だったらすぐ病院に戻ってきていいからと言っていただき、在宅でもうまくいくケ
ースはあります。
病院の中でも連携がとりやすい病院とそうでない病院があります。急性期の病院とかは、
やはり直接先生には状態報告とか指示をもらうことというのは難しくて、あと開業医の先
生は本当に顔の見えている先生には報告しやすいですし、あとは先生のほうからも「診察
中でも連絡をしていいから」と言ってもらえるとすごく心強いです。
【田村委員】
では、具体的にどうしろという話ですけど、病院と開業医の医師の合同
の検討会というのが結構あるのです。全体の集まる懇親会など、そういったところの演目
に介護関係者が実際に退院した人たちをどういうふうに支援するかという演目は出てきた
ことがありません。食道がんの最新注意とか、新しい治療法はどういうふうになっている
のかとか、そういったことが専らです。そういったところには病院の医師が結構出てきま
す。開業医よりも多く、そこにぜひこういう医療と介護の連携のために介護者の声を直接
病院の人に聞いてもらおうという講義をすると、少なくとも院長とか幹部の人たちが来て
くれます。そういった中で、少し病院の医師も医療と介護の連携に無関係ではない、むし
ろ非常に真剣な、深刻に関わっているんだということをやってもらうと、これは顔の見え
る関係の改良版ですけれども、そういったことも必要という気がします。
きちんとやっているところはきちんとやれるのではないかと思います。結局色々問題が
出てくるのはきちんとやれないケースで、うまくいかなかったケースが色々出てきて、そ
れは困ったなということが起きていると思うし、そういうばらつきの問題だと思います。
そのばらつきを解決する手段として、そういったことをやっていく必要があるのではない
かと思います。
実際に手術後の退院指示というのは医者が出すわけです。医者が退院指示をするかどう
か、決定的に大きいわけです。医者の退院指示をケースワーカーさんがどう聞くか、なか
なか厳しいと思います。一生懸命お願いベースになっているのではないかと思います。そ
ういう中で医者の力は強いですから、そういう人にこの病診連携の輪の中に入ってもらう、
そのためにはこういったところに「医療の支援に来てください」と言うのはなかなか無理
ですから、病院の中に押しかけていくのがいいんじゃないかなと思います。
【明石委員】
今、急性期の先生方は手術後の生活支援までするのは難しい現状で、
今、アポとっても「先生はオペです」と、
「急患です」と言って出てこないです。連携とい
うのは相手が今どういう状況だから、連携する相手を知らないと、もっとお互いに何やっ
-17-
ているんだということを知らなきゃいけないと考えます。私も病院というのも申しわけな
いですけれども、半分諦めている部分があります。連携というのは正直相手を知らないと
どの程度の連携のネットを張る相手なのかが分からないということです。あと情報をただ
提供したとしてもだめです。やはりその情報で自分はどうするかというような相手と話し
合えるものは、到達点を見出さなきゃいけないので、やはりさっき古川さんがおっしゃっ
たように、腹も見える関係までいかないとだめなのかなと思います。
【増井委員】
情報連携というのはソーシャルワーカーが社会支援を実際に把握してい
たり、相手が何ができて、何が得意なのか、きちんと彼らに伝えていく、そういう情報連
携がきちんとなされた経過、その積み重ねが信頼だと、私は思っています。急性期の病院
というのはどんどん縮めて、入院期間を縮めて、不十分な形で返していくというのは、よ
ろしくないということを気づき始めているというのは、PFMという、アメリカのディス
チャード・マネジメント。そういう試みを始めている病院さんが東京都内で葛飾医療セン
ター。地域に対しても各事業者さんからも勉強会があると聞いていますので、そういう情
報連携という部分、もう一歩進めて外来から何かさらに進められないかなと、検診の部分
であったり、
あとは診療所のところで最初にかかわるときから何か生活情報や生活リスク、
実際に退院調整がある場合は確かお金がつくが、あまり使われていない現状があります。
患者さんが入院したら情報連携の点数がつきます。せっかくそういう情報連携の制度がき
ちんとできているにもかかわらず、ほとんど来ないです。これが来ると非常に実は助かり
まして、先生にある程度生活イメージって伝わっていくことができますね。
【田村委員】
明石さんおっしゃるように、病院の医者は忙しいから、実際にこの人の
介護ケアプランどうしたらいいんだろうみたいなこと考えてるのは無理なのですけれども、
ただ、そういう世界があると知っているだけで、例えば担当のケアマネさんが病院に行っ
て、いろいろやっているときにその医者があいつら、何しに来ているんだという態度をと
るのか、御苦労さんですと一言かけられるのか、それ、決定的に違うと思うんですよ。そ
ういった関係をつくっていくということもすごく大事だと思うんです。もちろん僕は、シ
ステムも大事だと思っています。システムを軽視していないです。ただ、システムだけを
精緻につくっても、そこにかかわる人がそれの意味を認めて、それのうまく回ってくれる
ような気持ちを持てるかどうか、そのハートのカウンセルがすごい大事だと思っているの
です。
【篠崎委員】
その病院の機能というところでは、本当に相手を知って、相手を思いや
-18-
ったりとか、そこの部分というのは基本的にいろいろな人たちが協力をしてやるためには
基本のところで大事なところなのだろうなというふうに思います。ただ、これから医療ビ
ジョン、これから都道府県が医療構想をつくっていくという中で、少し病院の機能を役割
分担していくという方向で政策的に持っていく、おたくの病院はどこの部分をこれから担
っていくんですか、急性期ですか、回復期ですか、療養ですかというようなところを病院
がそもそもこの地域の中の病院がうちは急性期になります、うちは回復期中心になります
とかというビジョンをつくっていくということになるので、少し病院も非常に地域とかか
わりがすごく深くなる病院と、やはり急性期で1週間、2週間の命を救うというところの
分かれてくると、地域側も連携をとるべき病院というふうな整理をされて、そういう整理
をされてくるのかなと思います。今は、病院の方針でうちは急性期やりますとか、療養型
やりますとかということで、地域によって差があるところがあるので、ちょっと将来的に
はそういうところが変わってくるかなと。
【伊藤課長】
先ほどの濱西さんと髙橋さんのお話を聞いて、精神の場合は、例えば多
摩総合精神保健福祉センターとか、在宅に帰るワンクッションという箱があって、そこで
入院から退院に向けての生活支援、その場が設定されると思いますけれども、先ほど古川
が申し上げた15年、20年前というのは、多分そのワンクッションが病院の中で、明石
先生がおっしゃったように急性期の方、多少時間に余裕あったりもしている中で、そうい
う場が設けられたんですけれども、現状はもう病院も治療の必要がなければ在宅に出てく
ださいという中で、在宅の中で生活支援にかかわる部分をある程度時間をかけてやらなき
ゃならないという現状があると思うのです。だから、そこの部分について誰がどういうふ
うにコーディネートをしていく仕組みをつくっていくのかというものが、一番ポイントに
なってくるのかなというふうに皆さんのお話を伺って思うのですけれども。
【白井委員】
歯科として関わると、在宅の歯科診療となると思うんですけれども、ま
ず、どこの会議に出て、歯医者も必ず多職種連携構築、何年も前からずっと行っています
が、実際に具体的にどうすればいいという話です。色々な組織がいろいろ活動していて、
うまく有機的に結びつけれれば、それをコーディネートするようなシステムがあればいい
と思っています。あればぜひこの委員会でそういうシステムを構築していただければあり
がたいなというのが1つあります。それから、訪問歯科診療に関してなんですけれども、
業者さんにお願いしやすいので、業者さんにお願いしていると思うのですが、僕らに直接
話されても、今、痛くても今、来てくれと言われても、他の患者さん診ているわけだから
-19-
今、行けないわけです。
「じゃあ早くてもお昼休み」とか「明日の何時ね」という話になっ
ちゃうんだけど、それだとあまりタイムリーじゃないので、今、うちの歯科医師会でも、
八王子とか多摩市に障害者のセンターを持っていて、そこを中心に常勤のセンターをつく
ってそこからかかりつけの先生につなげましょうと言っているんです。けれども、業者さ
んが全て全て悪いとは言いませんけれども、実は、私、うちの患者さんのお父様で、歯が
残痕といって何本が残っていたわけです。もう歯槽膿漏でぐらぐら動いているやつが残っ
ていて、その上に石が乗っている状態でした。それは、とげが刺さっているようなものな
ので、ものをかむと痛いわけです。痛いからと業者さんに電話かけると、週に2回でも3
回でも来てくれるし、業者さんの営業の方はにこにこしているし、おっしゃることも上手
だから頼みやすいのでお願いしちゃうんだけれど、1月たっても2月たってもちっとも痛
みが消えないということがあります。来てくれるのだから、ちょこちょことつくって、
「じ
ゃあ、また来週ね」と帰ってしまうが、いつまでたってもものを食べられない状態があり
ます。それで「ちょっと診てくれないか」と言われて、行きました。今、お話した状態で
すから、
刺さってその上に義歯が乗っかってかんでるから痛くてかめるわけがないのです。
行ってすぐ残痕抜いて、入れ歯のお渡しして帰ってきました。その日からもう何でももの
を食べられるようになりました。どうして業者は1日で治療ができないのかと思ったので
すけれども、保険制度の問題で、今の保険制度、訪問診療、歯科診療、訪問診療は行くだ
けで何にもしなくても1万円ぐらい収入が出るんです。何もしなくても10件回ればそれ
だけで10万円の収入が入ります。だけど痛みをとってしまうと主訴がなくなり、行けな
くなってしまうから、業者さんは収入なくなってしまうのです。だから、そういうものも
含めて、今うちの歯科医師会で色々な制度をつくりましょうとやっているところですが、
介護士の皆さんにお願いしたいのは、いつまでたっても、2回来ても、3回来ても、5回
来ても全然主訴が改善しないのは、どこかおかしいと思っていただきたいです。だけど、
僕らは価値観が違って、すぐ来てくれるし、何回でも来てくれるし、にこにこしてくれる
し、すごく頼みやすいからという話になってしまうのですけれども、それはちょっと歯科
医療とは対極にあるものなので、そこら辺の認識のずれを改めていただけるとありがたい
です。
【古川課長】
今の先生のお話、皆様の話を伺いながら、在宅医療、在宅で暮らす方た
ちが困っているようなこととか、あるいはセラピストのほうで、いや、これはちょっとこ
んなことは続けたらよくないのではないか、というような情報がきちんと、こういう会議
-20-
で集約されて、そのことが関係者に全部情報が行き渡って、どうもこういうふうに困った
ら、
「どこどこ病院の誰々先生は随分態度があんまりよくないみたい」
。
「じゃあ、他の先生
にちょっと相談しよう」
、あるいは「歯医者さんのこの部分は、どういうことなんだ」とい
う、介護側では分からない部分の情報が集約されて、その中で多摩市も在宅ケアとしてど
んなことを解決していけばいいか、どんなふうに解決していけばいいのか、そんなふうな
ところをコーディネート機関として情報が集約されて、検討できて、解決できる、そんな
場所があるといいなと思いました。そうすると多摩市内のいろいろな、今のお話、私は白
井先生から初めて聞いたのですが、その部分情報が何か共有できているといいかなと思い
ました。
【伊藤課長】
先ほどちょっとお話伺った、現にサービス担当者会議という認定を受け
た会議があって、症例とのすみ分けとか、それでどういうふうに、本来であればそこにも
ちろん歯科医師さんも交えて、その方についてもそういった情報共有をなされるわけだし、
それについてやらなければケアマネは減算されたりするんですね。その辺とのちょっと兼
ね合いというか。
【古川課長】
個人のケースというよりも、仕組みとして、組織としてちょっとイメー
ジが。
【新垣委員】
顔が見えない、見えるというか、知っている、知らないというような、
すごくいいことなんだなと私は改めて、システムを構築するのは重要ですし、その前に、
人が集まってきて自然なシステムが一番美しいと思います。私も在宅始めたばかりという
のはとても孤独感を感じて、ケアマネさんも知らない、そういう状態でやっていました。
それがこういう会に出てきて、こういうことをやって、ケアマネージャーさんのことが分
かると、簡単なことで電話をかけてきてくださる、私も簡単なことで電話をするようにな
るという意味でやりやすくなってきたと思います。五、六年の間に大分やりやすくなって
きたかなと思います。それがもう少し形になれば、こういう立場にいる以上は、形にして
いかなきゃいけないなと思いました。
次に行きたいと思います。
議題の8です。平成27年度から29年度の取り組みについて、説明をお願いします。
【早借係長(事務局)】
それでは、最後になりますが、平成27年度から29年度の連
携について、資料6-1、それから2について、事務局より簡単に説明いたします。
(1)27年度をご覧ください。詳しくは後ほど説明いたしますが、まず年度内につき
-21-
ましては3回、本日を含めて3回、あと2回開催していきたいと思います。それから、次
回の協議会に関しましては11月で、次々回に関しましては2月ごろ予定させていただき
たいということでございまして、今日情報共有させていただいて抽出された課題について
は、議事録と併せて、事前に皆様にはお送りさせていただき、次回につないでいきたいと
思っております。
なお、この次回の主要な課題でございますが、後ほど説明いたします。来年度で(ア)
から(ク)の繰り出しについて、業務委託によって専門機関や団体に委託していることに
ついていかがかということについて、ご協議をお願いしたいと思っています。あわせて、
相談支援機関としての「在宅医療・介護支援センター」の立ち上げについても、見える計
画としていきたいと思っています。
それから、第3回につきましては、平成29年度までの3カ年の全体の具体的な進行プ
ランにつきましてご提案、協議をして確定していければと考えています。これをもって来
年度から本格的な事業実施に踏み込んでいきたいということでございますので、よろしく
お願いいたします。
それから、昨年まで実施してきました在宅医療・介護連携情報交換会、これについては
継続して今年度も実施していきたいと思います。昨年につきましては、多摩市の地域包括
支援センター、高齢支援課が取り組んでまいりましたけれども、できましたら、今協議会
の中でもし出身団体等の中でこの事前の企画にご参加いただけるところがありましたら、
ぜひ私どものほうに個別でご連絡いただいて、いろいろ打ち合わせから行っていければと
思っております。
それから、来年度以降については基本的には現在年3回の協議会の実施ということで、
考えておりますが、事前に要綱のほうで説明いたしました必要に応じたプロジェクト等の
変更、設置について、委託の問題とあわせて現場のスタッフ等でも、次回、次々回で実施
してということでございます。以上の内容を2ページ目に主なスケジュールとして、簡単
に説明させていただきました。
次に資料の6-2で、在宅医療・介護連携支援センターの資料について説明させていた
だきます。この資料の名称はセンターとなっていますけれども、実は内容的には多摩市、
これは直営で実施する部分と下半分の都市区医師会と専門機関に委託して実施する部分の
すみ分け案になります。国から提示された8項目の各課題につきましては、必要に応じて
多摩市は協議委託をして実施することが可能であるということです。もちろん市が全く何
-22-
もしないということでは全然なく、全体の責任と進行管理、そして、業務委託は特定業務
ですので、より専門的な見地がある機関に委託するということを市としては考えておりま
す。一番上の項目、本協議の運営、そして課題の抽出・集約、それから二次医療圏におけ
る自治体間の調整、連携、ここについては市が直接お話ししていくところで、下半分にあ
る委託業務については医師会で委託するのか、あるいは民間事業の委託として専門機関に
委託するということを考えております。
この中で在宅医療・介護連携支援センターは、協議としてはその下に書かれている囲み
の中、在宅医療・連携に関する相談の受付等、先ほどから出ておりました連携に係るコー
ディネート機能の相談、特に介護職からの相談に応じていくというイメージですが、委託
者が同様であっても別であっても、右側に掲げる5つの業務を実施している、全体的には
コーディネートなり支援といったことでの関係もうまくいけるだろうというふうに考えた
図でございます。
以上の内容を裏面のほうで再掲させていただいておりますが、この中で地域包括支援セ
ンター、この間は医療・介護連携に関しましても、また介護予防に関しましても認知症対
策、権利擁護に関しましても全て国や地域包括支援センターがコーディネート機能を担っ
ていますという説明がこの間なされてきました。しかしながら現実の支援業務、通常の介
護予防その他の部分の中で包括センターができないということで、市町村にしましても医
療・介護連携の窓口及び支援のコーディネート機関の設置という方向で役割分担していく
というようなご提案でございます。これについて今日はあまり時間がございませんので、
意見を幾つかいただきながら、次回の本格的な課題とさせていただきます。
よろしくお願い申し上げます。
【田村委員】
実際に実のある支援センターにするには、物すごく色々な問題があるん
です。ですから、ちょっとそれを色々具体的な検討をかなりタイトにしていかないといけ
ないと思います。例えば2回目の会議のときで、これは議題になるのでしょうか。それで
ここで議論をするときには具体的なことが改定されていなくて、その辺をちゃんとやらな
いといけないなと思います。議論がすごく進んだ段階ですみません、医師会はのめません
みたいな話になってしまうと話がおかしくなってしまうので、そういうところをよろしく
お願いいたします。
【古川課長】
今、先生の具体的な話ですが、今日はちょっと時間になってしまいまし
た。ただ、11月に全てが協議という部分でなく、その間にもし差し支えなければ、何人
-23-
かの方々にちょっとお集まりいただく中で、具体的内容について協議するような協力をい
ただくことはいかがでしょうか。実は会議の予定としては3回とらせていただいていると
ころですが、11月までの間に方向をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
【新垣会長】
【明石委員】
皆さんどうぞ発言をしてください。
この支援センターが実施することと支援というのがよく分からないです。
何を支援するのか、支援自体は何なのかということがあるので、もうちょっと内容が分か
らないとお話が。
【古川課長】
これからのキーマンは医者。かかりつけ医の先生の部分と介護がどれだ
け連携ができるかというところだろうと思っています。在宅にどんどん患者さんが入って
くる、在宅にどんどん高齢者が増えるといったときに、往診してくださる先生がこれから
どれだけ増えるのか、そういったことに関心を持ってくださる医師を増やしていかないと
いけないんだろうというふうに思うところです。そういったときにこの動機づけをする部
分は誰がいいんだろうと考えると、これは医師会にこれは国のほうの制度もそういう形に
なっていますが、医師会が主になっていただくような、そこら辺の中で動機づけをして、
医師会にご協力いただくのはどうかと考えます。
【田村委員】
最終的には医師会が引っ込んでいたらいけないなと認識は持っています。
実際に在宅に出ていく患者さんの質が変わってくるのです。これからは、本当は入所して
ほしいけど入所できず、在宅に戻らざるをえない。在宅に戻っても真夜中でも電話かけれ
ばドクターが20分ぐらいで駆けつけてくれますからみたいなことで、本当ですかとか言
われながら退院していく、そういう在宅患者が増えるんです。そういう人のニーズを一人
でやっている先生が受けられるかというと無理です。そういうものが全然未解決なままあ
るので、課長さんがおっしゃるように医師会でコーディネーターを立てて、そこで動機づ
けをしていけば物事が解決するかというとそれは難しいです。
だから、じゃあやらないと言っているわけではないです。ただ、そのためには今言った
本当の問題の一例で、
紙に書いてあることを優しく問題解決はできないで、そこのところ、
本当に手を尽くして、知恵を尽くしてやっていかないといけないという認識です。この会
議の例えば最終的にはここで書いてあるものを全部説明するための1つのものだというふ
うに考えると見合うものはできない。だから、最終的には信用しないといけないでしょう
けれども、実際にこの地域の中でどうしたらこういう問題が解決できるのかということで
す。もうちょっとフリーに考えなきゃいけないと思います。実際にこの問題についてはか
-24-
なりすり合わせ、汗を流して知恵を絞る時間が必要だと思います。
【古川課長】
お医者様側だけではなくて介護側、看護側、地域側の在宅の具体的な担
い手の人たちの発想や考え方もやっぱりドラスティックに変えていかなければいけないと
思います。そういった意味では色々な方たちが参画することは必要だと思います。
【伊藤課長】
先ほどの明石委員のお話、同じところでは最終ページのところに括弧書
きに書いてあるのは、原則住民からの相談は、地域包括支援センターが受け付けるとなっ
ていて、在宅医療・介護連携支援センターは個別のケースは受け付けない、そこははっき
りきっぱり区別されるのですか。個別のケースは包括支援センターで受け付ける、円の中
の支援というところは、個別のケースもネットワーク形成とか困りごとに対してセンター
が大きな視点で支援をするという組織図になる。だから、失礼な言い方かもしれませんけ
れども、こちらの在宅医療・介護連携支援センターに、個別の困りごとの相談があったら、
そこでシャットアウト、それは包括に相談してくださいときっぱり言ってもらわないと逆
に困っちゃうような仕組みにはなっていると思います。
【古川課長】
例えばある大きな病院がこれから退院させるのだけれども、地域の中の
かかりつけ医がなかなかいないらしいよと、いった時にそういう地域のかかりつけ医を紹
介してくれないかというところが、病院からここの医療・介護支援センターに入るかもし
れません。あるいはヘルパーさんたちがなかなかお医者さんとネットワークがとれないの
だけれども、どうしたらいいのかという市民からの相談内容、関係機関等の在宅医療・介
護連携に関連する相談がここに入るというような形です。
【田村委員】
その完成図は分かります。完成図にどこにどういうふうにはしごをかけ
て登っていくとそれが実現するのかという、その方法論が大変なんです。
【古川課長】
それは検討で積み重ねていかなきゃいけません。具体的な実証のところ
までつくり上げていかなきゃいけないわけです。多分今日はそこまでは難しいので、11
月までの間に。
【田村委員】
普通のペースでやったら2年ぐらいかかります。それを11月までにや
るということは相当なペースでやらないといけないなと思います。
【古川課長】
頑張りましょう。ぜひまた別途時間を調整させていただきますので、申
しわけございませんが、ご協力、具体的な作業の部分のご協力を頂戴できればと思います
が、よろしいでしょうか。申しわけございませんが、ぜひご協力をお願いいたします。
【新垣会長】
このあたりは例えば都内でも先行してこういうセンターを設けていたり
-25-
とか、相談窓口は包括に置いて、市がこのセンターの役割を少し進んでいる市もあるとは
思うのですが、その辺はその議論の1つの素材として少し情報収集みたいなところは事務
局でしていただければと思います。
【田村委員】
それはモデルになっている自治体があります。既に都内では看護師を持
っている大規模なステーションが、そういうのをやって、それなりに成功しているもので
すから、これをモデルにされたのですが、医師会の体制はそういう大規模医師会と多摩市
医師会は全然違うものですから、それをそのまま医師会に投げられても流れないです。だ
から、そこのところをどうするかということ。
【新垣会長】
医師会に委託しているところもあるし、医師会に委託していないところ
もあるので、特に委託していないところはどうだろうかと思います。
【古川課長】
その辺のいくつかの事例の情報収集は、色々なパターンの事例があるの
で情報を確認します。11月までの間に、作業の場を設けるため、調整させていただきた
いと思います。
【小坂委員】
議論の中でなかなか入り切らなかったのですけれども、介護や看護等を
しているから相談窓口、相談する薬剤師もいないとか相談場所があるかという議論を出し
ていただければと思いますし、こんなふうに薬剤師がやったらいいんだという、その部分
に関して何かあれば。
【新垣会長】
日ごろから感じている人いらっしゃると思います。これに関しては特に
ご意見ないでしょうか。
それでは、27年度から29年度の取り組みについて原案のとおり異議はないでしょう
か。
(
「異議なし」の声あり)
【新垣会長】
これで承認させていただきます。次回は11月ごろを予定しています。
―― 了 ――
-26-
Fly UP