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フィールドワーク調査報告書

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フィールドワーク調査報告書
平 成 19 年 度
フィールドワーク調査報告書
第
5
号
淑 徳 大 学 総 合 福 祉 学 部
社 会 学 科
はしがき
本報告書は、社会学科の「フィールドワークI」および「フィールドワークⅡ」を履修
した学生の、1年間にわたる研究の成果をあらわしたものである。
本学社会学科のカリキュラムの1つの大きな特徴は、社会学の研究方法としての社会調
査について学生が体系的に学習することを可能とする点にある。1・2年次に必修科目と
して統計学および質的・量的調査の方法について計6科目を学び、3年次には「フィール
ド ワ ー ク I・Ⅱ 」 の ほ か 、 「 応 用 統 計 解 析 」 を 選 択 科 目 と し て 履 修 す る こ と が で き る 。 前 ・
後 期 合 わ せ て 通 年 で 取 り 組 む「 フ ィ ー ル ド ワ ー ク I ・II」は 、選 択 科 目 で は あ る が 、社 会 調
査法と統計解析について1・2年次に学習してきた事柄の集大成として、個別の研究テー
マの設定から、テーマに係る理論仮説の検討、調査の方法的枠組みと分析方法の検討、調
査対象の選定と調査票の作成、実査、データの集計、結果の解析にいたる一連の過程に学
生 が 主 体 と な っ て 取 り 組 む も の で あ る 。平 成 19 年 度 の 担 当 教 員 は 桝 潟 俊 子・時 井 聰 の 2 名 、
教 育 助 手 補 と し て 本 多 敏 明・庄 司 壮 の 2 名 が そ の 任 に あ た っ た 。履 修 学 生 は 24 名 で あ っ た 。
23 名 が 社 会 調 査 士 資 格 認 定 機 構 の 社 会 調 査 士 資 格( 取 得 見 込 み )の 認 定 を 得 て い る が 、こ
の、「フィールドワークI」「フィールドワークⅡ」の単位修得をもって資格取得に必要
な全体を充足したことになる。
今年度のテーマは「食と健康をめぐる諸問題の社会学的考察」である。こんにち、食と
健康に関する関心は非常な高まりをみせている。しかし、それらの関心がどのような生活
や社会経済状況のもとに高まっているのかについての総合的な議論はいまだ充分になされ
ているとはいえない。そこで、そのような総合的な議論に資するべく、食と健康をめぐる
諸問題における意識と行動を把握する調査を企画した。1章にみるように、食に関する意
識 と 行 動 と 、健 康 に 関 す る 意 識 と 行 動 の 二 つ の 側 面 か ら ア プ ロ ー チ し 、2 章 に み る よ う に 、
調 査 目 的 に 鑑 み て 、 千 葉 市 に 居 住 す る 20 代 ~ 60 代 の 女 性 を 対 象 と す る こ と と し た 。 量 的
調査としては調査票を用いた郵送調査を千葉市において実施し、質的調査としては千葉市
に 居 住 す る 20 代 か ら 60 代 の 女 性 に た い し て 面 接 調 査 を 実 施 し た 。 質 的 調 査 は 量 的 調 査 の
実査中に学生たちそれぞれの研究テーマに即して実施し、統計的データの分析を深めるた
め の デ ー タ 収 集 を 企 図 し た 。 今 年 度 は 24 名 も の 学 生 が 「 フ ィ ー ル ド ワ ー ク I ・Ⅱ 」 を 履 修
したが、学生たちの取り組みが熱心だったことは特筆に値する。ただ、データの集計、結
果の解析には十全に取り組む時間がなく、郵送調査のデータを分析しつくしていない点は
心残りである。しかし、実証の手順を踏むことにより、新しい知見を得ることができたの
は成果といえると思う。
調査の実施にあたっては多くの方々の助力を得たことに感謝したい。特に、郵送調査に
回答いただいた千葉市民の方々、事例調査に協力いただいた方々、調査票プリテストに協
力いただいた方々に感謝申し上げる。また、サンプリングや千葉市の地域研究にあたって
は、千葉市各区役所の市民課や企画広報室をはじめ、関係各課にお世話になったことに感
謝申し上げる。
な お 、本 学 部 の 学 部 名 称 に 関 し て 一 言 付 し た い 。本 学 部 は 平 成 17 年 度 か ら 学 部 名 称 を 社
会学部から総合福祉学部へと変更した。それに伴い、調査票や本報告書の発行者は総合福
祉学部社会学科としている。
平 成 20 年 3 月
総合福祉学部教授
i
桝潟俊子・時井
聰
目
次
はしがき
桝潟俊子・時井聰
1章 問題意識と研究テーマ……………………………………………………………………1
1.食に関する問題意識と研究テーマ………………………………………………………1
佐藤恵美・三澤千尋・長澤伸哉・笹野井絵梨・橋本紀子・桑原智希
長谷川恭平・鈴木将司・中村美由貴・下保智之・宮部優・吉田知代
2.健康に関する問題意識と研究テーマ……………………………………………………3
奥田桃子・田篠由志・池田奈月・三橋彩美・後藤康之・上杉ちあき
田中路大・岡本愛・長良梢・山上尚登・原栄理
2章 調査研究の概要……………………………………………………………………………5
1.調査の目的と調査票の概要
本多敏明・庄司壮…5
2.調査の概要
本多敏明・庄司壮…6
3.調査対象と調査の方法
本多敏明・庄司壮…7
4.調査対象の基本属性
長澤伸哉・宮部優・山上尚登…8
3章
千 葉 市 の 概 要 … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 13
1.千葉市の歴史
岡 本 愛 ・ 三 橋 彩 美 ・ 田 中 綾 加 … … … 13
2.千葉市政の変遷
奥 田 桃 子 ・ 笹 野 井 絵 梨 ・ 長 谷 川 恭 平 … … … 16
3 . 千 葉 市 の 人 口 … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 19
3. 1 人 口 構 造 の 変 化
桑 原 智 希 ・ 後 藤 康 之 ・ 下 保 智 之 … … … 19
3. 2 人 口 の 流 入 ・ 流 出
上 杉 ち あ き ・ 中 村 美 由 貴 ・ 長 良 梢 … … … 26
4.千葉市の産業構造
田 篠 由 志 ・ 鈴 木 将 司 ・ 田 中 路 大 … … … 27
5.千葉市の食農行政
佐 藤 恵 美 ・ 三 澤 千 尋 ・ 吉 田 知 代 … … … 31
6.千葉市の健康行政
原 栄 理 ・ 池 田 奈 月 ・ 橋 本 紀 子 … … … 35
iii
4 章 食 の 簡 便 化 と 食 の 安 全 へ の 意 識 … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 40
1.家族関係の希薄化・女性の就労と食の簡便化
笹 野 井 絵 梨 … … 40
2.健康と環境への意識と食の簡便化
三 澤 千 尋 … … 45
3.年齢と健康的な食事
橋 本 紀 子 … … 50
4.健康行動・健康意識と朝食の摂取
佐 藤 恵 美 … … 55
5.家族観と食卓を囲む頻度
長 澤 伸 哉 … … 60
6.家族のコミュニケ-ション度と食事の仕方
宮部
優 … … 65
7.偏食に影響を及ぼしている要因
吉 田 知 代 … … 70
8.配偶関係・ライフステージと食の安全性を意識した行動
鈴 木 将 司 … … 75
9.食事の提供頻度・食品購入態度との安全性への意識
長 谷 川 恭 平 … … 80
10. 食 品 の と り 方 と 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動
下 保 智 之 … … 85
11. 健 康 番 組 の 視 聴 と 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動
桑 原 智 希 … … 90
12. 食 文 化 の 継 承 と 食 の 安 全 意 識
中 村 美 由 貴 … … 95
5 章 健 康 意 識 と 健 康 行 動 … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 100
1.健康関心と運動
長良
梢 … … 100
2.健康と運動の関連
田 篠 由 志 … … 105
3.健康意識と健康な生活を送るための行動
池 田 奈 月 … … 110
4 . 年 齢 ・ 健 康 作 り の 積 極 性 ・ 健 康 向 上 心 ・ 健 康 不 安 4 つ の 関 係 後 藤 康 之 … … 115
5.情報番組と日常行動の関連
岡本
愛 … … 120
6.健康行動と食生活の関連
三 橋 彩 美 … … 125
7.女性の年齢と健康重視点の関係
奥 田 桃 子 … … 130
8.年齢・配偶者関係・子どもの有無とダイエット
上 杉 ち あ き … … 135
9.年齢・就労形態とストレスの原因と関連について
山 上 尚 登 … … 140
10. 健 康 意 識 と 医 療 サ ー ビ ス の 利 用
原
栄 理 … … 145
11. 女 性 の ア ル コ ー ル 依 存 症 に 関 す る 質 的 研 究
田 中 路 大 … … 150
本 多 敏 明 ・ 庄 司 壮 … … … 155
あとがき
資料
事 例 調 査 ( 4 章 ・1 ~ 4 章 ・12 5 章 ・1 ~ 5 章 ・11) … … … … … … … … … … … … … … 159
調 査 票 … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 185
単 純 集 計 表 … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 217
iv
1章
問題意識と研究テーマ
1. 食 に 関 す る 問 題 意 識 と 研 究 テ ー マ
A52012
A52061
A52095
A52130
佐藤 恵美
笹野井絵梨
長谷川恭平
下保 智之
A52022
A52070
A52113
A52170
三澤
橋本
鈴木
宮部
千尋
紀子
将司
優
A52043
A52083
A52118
A52172
長澤 伸哉
桑原 智希
中村美由貴
吉田 知代
近年、食の安全性に対する人々の意識は強まっているが、その反面、食の簡便化が進み
様々な問題点が指摘されている。今回の調査では食に対する人々の意識とその変化、食や
人々を取り巻く環境について調べた。
今日では食品添加物、残留農薬、中国産などの輸入食品・食材、遺伝子組み換え食品な
ど、さまざまな食品・食材の安全性に対する問題が注目されている。これらの報道は消費
者の購買行動に影響を与えるだろう。また、女性雇用者が増加するにあたって、共働きの
家庭も増えている。家族の意識や機能も変化しているといわれる中、家族にとっての食事
のあり方も変化しているのではないだろうか。就労形態や家族意識の変化なども購買行動
と関わってくるのではないかと考えた。
ま た 、日 本 の 現 状 で は 女 性 の 多 く が 家 事 を 担 う 形 に な っ て い る 。一 番 身 近 な 家 庭 環 境 と 、
食の安全性にはどのような関係があるのか。そこで、ライフステージと食の安全性に関わ
る購買行動をテーマとした。つまり既婚か未婚か、もしくは子どもが居るか居ないか、な
どによって食の安全意識に違いがあるのではないかと考えた。
上 述 の よ う に 、近 年 、食 品 の 安 全 性 に 関 す る 問 題 が 取 り 上 げ ら れ 騒 が れ る よ う に な っ た 。
これを煽るかのように健康情報番組では特集を組み、危険意識を高めさせるような放送を
している。こういった過剰な放送は便利なものも危険なものとして消費者に意識させてし
まい、添加物や輸入野菜への不信感や不安感を強めているのではないか。そこで健康情報
番組の視聴者は、番組を視聴することによって安全行動を取るのかということについて調
査、考察を行った。
そ の よ う な 状 況 下 で 、手 作 り 料 理 を 食 べ て い る 人 や 健 康 に 気 を 遣 っ て い る 人 は 、低 農 薬・
無農薬野菜の購入など食の安全についてどの程度意識しているのか。また、食の安全意識
は年齢層によって差があるのかについて興味・関心を持った。
次に食と関連させて、夕食での手作り料理の摂取頻度・健康に気を使っている人の割合
と食の安全意識との関連性はどの程度あるのか、同時に塩分と糖分の摂取と食の安全意識
はどのくらいの関連があるのか、分析した。
ファーストフード、レトルト食品、お惣菜などの簡便食は栄養バランスの偏りや、食材
の生産地が特定できない場合もある。また、輸入食品を多く用いており残留農薬も懸念さ
れ る 。更 に 、包 装 や 容 器 の ご み は 多 く 出 る 。こ の よ う に 健 康・環 境 問 題 を 孕 む 簡 便 食 だ が 、
人々はそれに依存し利用しているのが現状である。そのことから、健康や環境問題への軽
視が食の簡便化に拍車をかけているのではないかと考え、身体的健康・環境への意識と食
の簡便化との関連を研究テーマとした。
また、朝食といえば1日の食事の中でも健康的な生活には必要なものであると認識され
ており、人々から重要視されているように感じる。しかし、そのような認識があっても、
朝 食 を と ら な い と い う 事 態 は 存 在 し 、厚 生 省 (現 在 の 厚 生 労 働 省 )に よ る 平 成 10 年 度 版『 国
民 栄 養 の 状 況 』 に よ る と 、 20 歳 代 の 女 性 の 約 15% が 「 朝 食 を と っ て い な い 」 と 報 告 さ れ
て い る 。ま た 、
「 健 康 ブ ー ム 」と い わ れ 、人 々 の 健 康 意 識 も 高 く な っ て き て い る 今 日 、朝 食
摂取と健康意識には何かしらの関係があるのではないかと考え「健康意識が高い人ほど朝
食をしっかり食べている」という仮説を立てた。
近年では中食や外食利用頻度の増加によって、調理の手間を省いたことと同時に、食材
1
の鮮度や産地を自分自身の目で見て、吟味する過程も省いてしまった。このことを現代の
「食の軽視」と捉え、その食の軽視は、家族関係や、多くの女性が働くようになったこと
との関連性はあるのか、また、食の軽視という問題を受けて、現在、農林水産省でも推進
している食育活動に着目した。主に伝統・郷土料理、食事に関するマナー、そして地産池
消といった問題について分析した。
現代の日本は飽食の時代である。そのような食べ物を選り好みできる環境は、自らの嗜
好に偏りすぎてしまうことで偏食を引き起こしてしまうのではないだろうか。実際、現代
では親が子供の食事管理を怠り、食事以外にも菓子類などを与えることで生活習慣病など
の病気を引き起こす社会問題にもなっている。偏食は食事をする人のみの問題ではなく、
その食事環境や家族とのコミュニケーションも関連しているのではないかという視点から
偏食と家族とのコミュニケーションについて調べた。
家庭の食卓はただ栄養を摂取するということだけではなく、家族がコミュニケーション
をとる場でもあり、礼儀作法を教える場でもある。しかし現在は家族構成の変化、生活時
間の違いなどから家族が揃って食事をすることができない傾向が強まってきている。それ
により一人一人が異なったメニューを食べる個食、一人で食事をする孤食といった現象も
起こっている。このような状態では、コミュニケーションの場としての食卓は役割を果た
すことはできなくなる。このことから家族間のコミュニケーション量と食事に対する意識
や行動には関連があると考えて調査を行った。また、食卓を囲む頻度の減少は何が原因な
のか。その原因を家族観を中心に分析した。
< 引 用 ・ 参 考 文 献 ・ URL>
安 部 司 2005『 食 品 の 裏 側 』 東 洋 経 済 新 報 社
岩 村 暢 子 2003『 変 わ る 家 族 変 わ る 食 卓 』 勁 草 書 房
厚 生 労 働 省 http://www.mhlw.go.jp
( 2008/02/07)
2
2. 健 康 に 関 す る 問 題 意 識 と 研 究 テ ー マ
A52006
A52072
A52116
A52171
奥田
三橋
田中
山上
桃子
彩美
路大
尚登
A52016
A52084
A52129
A42082
田篠 由志
後藤 康之
岡本 愛
原
栄理
A52052
A52104
A52166
池田
上杉
長良
奈月
ちあき
梢
近年「健康ブーム」と言われるように、人々の健康への関心はますます高まってきてい
る。テレビでは健康番組に限らず、毎日のようにどこかで健康に関する情報を放送してい
る 。「 健 康 に よ い 」「 ダ イ エ ッ ト に 効 果 的 」 な ど と 紹 介 さ れ た 物 は 、 放 送 直 後 に 売 り 切 れ に
なることも珍しいことではない。雑誌、ラジオ、新聞、書籍、インターネットなどのメデ
ィ ア は も ち ろ ん 、「 健 康 」「 ダ イ エ ッ ト 」「 ス ト レ ス 」「 美 容 」「 書 籍 」「 血 糖 値 」 な ど を キ ー
ワ ー ド に 、何 ら か の 成 分 を 強 化・付 加 し て ヒ ッ ト し た 食 品 や 食 料 も あ る 。2007 年 に 社 会 現
象 を 巻 き 起 こ し た 1 ビ リ ー ズ ブ ー ト キ ャ ン プ が 注 目 さ れ た よ う に 、「 運 動 」 に 関 す る 意 識 も
高まっている。このように「健康」は市場としても盛況をみせているのである。
一 方 で 、日 本 人 の 3 分 の 2 近 く が 生 活 習 慣 病 を 原 因 と し た 病 気 で 亡 く な っ て い る と も 言
われている。生活習慣病は、脳卒中やがん、心臓病、糖尿病、高血圧など、運動不足や栄
養が偏った食生活、喫煙や過度な飲酒等のよくない生活習慣が積み重なって引き起こされ
る 病 気 で あ り 、近 年 注 目 度 の 高 い 2 メ タ ボ リ ッ ク シ ン ド ロ ー ム も 生 活 習 慣 病 に よ る も の で あ
る。
そのような社会の中で、人々は健康に対してどのような意識を持ち、行動をしているの
だろうか。私たちは健康に関する、運動、睡眠、飲酒など各自の関心のある分野とその背
景について調査・考察を行った。
ま ず 運 動 と 健 康 と の 関 係 に 着 目 し た 。「 平 成 18 年 度 体 力 ・ 運 動 能 力 調 査 」結 果 よ り 、 20
~ 79 歳 に お い て 、運 動・ス ポ ー ツ を 実 施( 週 1 日 以 上 )し て い る 人 に つ い て は 8 年 前( 平
成 10 年 度 ) と 比 較 す る と 、 50 歳 頃 か ら 加 齢 に 伴 い そ の 割 合 は 向 上 を 示 す と と も に 、 ほ と
んどの年代において、8 年前より現在の方が高い割合を示している。運動への関心は年々
高まり、多くの人が運動をしていることになる。健康のために運動をするには、それなり
の 意 思 や 、き っ か け が 必 要 で あ る 。
「 健 康 意 識 が 、ど の よ う に 運 動 を す る 行 動 へ 結 び つ く か 」
また「どのくらいの人が運動への関心を持ち、運動をしているのか」この2つのテーマを
検 証 す る 。さ ら に 運 動 を 含 め た 生 活 行 動 と 食 生 活 に も 関 連 が あ る の で は な い か と 考 え 、
「健
康的な生活行動をしている人は、食生活に気を遣っているのか」も明らかにしていく。
次に情報と健康との関係に着目した。情報があふれている情報化社会の今、本当に信じ
られるものを自ら判断する時代でもある。ダイエットや健康に良い食品などと紹介してい
る情報番組を見て実際に行動する人もいるだろう。何をもって情報番組を信用するのか、
そ れ に よ っ て そ の 行 動 に 違 い も あ る の で は な い か と 考 え た 。「 情 報 番 組 と 日 常 行 動 の 関 連 」
を明らかにすることがテーマの 1 つである。またモデルや女優などの影響から、女性は痩
せていて、スタイルの良い方が綺麗であるという考えが当たり前になってきていると感じ
る。そのため現代の若い女性は見た目を重視したダイエットをしているのではないかと考
えた。
「 配 偶 者 の 有 無 や 子 ど も の 有 無 、年 齢 な ど に よ っ て ダ イ エ ッ ト の 仕 方 や 目 的 は 違 っ て
くるのか」も検証する。
次 に 生 活 環 境 と 健 康 に つ い て 着 目 し た 。私 たちをとりまく環 境 は、きわめて複 雑 となり多 様 化 し
てきている。上 記 で 述 べ て き た よ う に 現 代 人 は 、 健 康 で な け れ ば な ら な い と い っ た 流 れ が 強
ま っ て き て い る 。『 健 康 ブ ー ム を 問 う 』 と い う 本 で は 、『 現 代 で は 健 康 そ の も の が 目 標 に な
り 、 テ レ ビ や 健 康 雑 誌 で は 、「 そ の 目 標 ・ 目 的 」 を 簡 単 に か な え て く れ そ う な 情 報 を 流 し 、
1
アメリカ発のエクササイズDVD
2 内 臓 脂 肪 の蓄 積 により糖 代 謝 異 常 (耐 糖 能 耐 糖 能 異 常 、糖 尿 病 )、脂 質 代 謝 異 常 (高 中 性 脂 肪
血 症 、低 HDL コレステロール血 症 )、高 血 圧 などの動 脈 硬 化 の危 険 因 子 が、一 個 人 に集 積 している
状態
3
私 た ち は 振 り 回 さ れ て し ま っ て い る 。』と あ る 。現 代 人 は 忙 し く な り す ぎ て 、努 力 し な が ら
健 康 に な っ て い く こ と に つ き あ え な く な っ て い る の で は な い か と 考 え る 。そ こ で 、
「健康意
識が高い人はどの分野において行動できていないか、なぜ健康意識はあるのに、行動に移
せ て い な い の か 」、「 健 康 意 識 は 年 代 層 、 ラ イ フ ス タ イ ル に よ っ て 重 視 す る 点 は ど の よ う に
変わっていくのか、健康維持のために重要だと判断されにくい項目は何なのか」をテーマ
として検証する。
また米国心臓協会が変化に対する体の反応であると定義をしているストレスという問題
を人々が抱えることによって、現代はストレスで悩みやすいストレス社会といえるにちが
いない。
「 人 々 が ど の よ う な 問 題 に 対 し て 悩 ん で い る の か 、ま た ど の よ う な 人 々 が ス ト レ ス
を 抱 え や す い の か 」、「 ス ト レ ス を 含 む 生 活 環 境 と ア ル コ ー ル 依 存 症 に 関 連 性 が あ る の か 」
についても検証を行った。
次に医療と健康について着目した。近年、緊急ではない病気であるにも関わらず、救急
車を安易に利用する者が増え、急患への救急車の利用が妨げられてしまっていることが問
題となっている。人々はどのような意識や状況において、救急車などの医療サービスを利
用する判断を行うのか。またどのような人々と、医療サービスに対する意識と行動が関係
す る の か 。こ の 疑 問 に つ い て 、
「 健 康 へ の 関 心・医 師 へ の 信 頼・ 急 患 発 生 時 の 対 応 と 、調 査
対象者の状態・意識・行動の関連」をテーマとし調査分析する。
また上記以外にも年齢と健康についても着目した。年齢の上昇によって身体の機能は低
下していく。これは一人たりとも逃れられない現実であり、必然である。身体の機能が低
下してくると、どうしても自らの身体の健康に不安が出てくる。これにより「健康でいた
い 」 と 思 う よ う に な り 、 健 康 に 対 す る 関 心 も 出 て く る の で は な い だ ろ う か 。「 年 齢 」「 健 康
関 心 の 高 低 」「 健 康 で い た い と い う 気 持 ち 」「 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 」 こ の 4 つ の 事 柄 に
関係があるのかどうかを実証していく。
以上のような健康に関する問題調査を明らかにするために、各自仮説設定と調査に取り
組んだ。
参考文献
飯 島 裕 一 編 2001『 健 康 ブ ー ム を 問 う 』 岩 波 新 書
文 部 科 学 省 http://www.mext.go.jp/ ( 2008/02/07)
4
2章
調査研究の概要
1. 調 査 の 目 的 と 調 査 票 の 概 要
本 報 告 は 、 淑 徳 大 学 総 合 福 祉 学 部 社 会 学 科 、 平 成 19 年 度 「 フ ィ ー ル ド ワ ー ク Ⅰ 」 お よ
び 「 フ ィ ー ル ド ワ ー ク Ⅱ 」 の 授 業 の 一 環 と し て 、 千 葉 県 千 葉 市 在 住 の 20 歳 代 ~ 60 歳 代 の
女性の対象に実施した「現代生活における食と健康についてのアンケート」に基づく調査
研究報告である。
1. 1 調 査 の 目 的
この調査は、人びとの生活において基本となる「食と健康」にまつわる様々な事象に関
して、1 章で述べた問題意識を明らかにするために行った。
1. 2 調 査 票 の 概 要
調 査 を 行 う に あ た っ て 、以 下 の 質 問 項 目 を 設 定 し 、調 査 票 を 作 成 し た( 巻 末 調 査 票 参 照 )。
居 住 地 区 に 関 す る 項 目 ( Q1)
年 齢 に 関 す る 項 目 ( Q2)
健 康 意 識 ・ 行 動 に 関 す る 項 目 ( Q3)
健 康 に 重 要 な こ と に 関 す る 項 目 ( Q4)
健 康 的 な 生 活 に 重 要 な 行 動 に つ い て の 考 え に 関 す る 項 目 ( Q5)
健 康 に と っ て 重 要 な 行 動 の 実 践 に 関 す る 項 目 ( Q6)
健 康 に と っ て 重 要 な 行 動 を 実 践 し な い 理 由 に 関 す る 項 目 ( Q6-1)
階 段 を 使 う か ど う か に 関 す る 項 目 ( Q7)
経 験 の あ る 運 動 に 関 す る 項 目 ( Q8)
ダ イ エ ッ ト 経 験 に 関 す る 項 目 ( Q9)
ダ イ エ ッ ト の 目 的 に 関 す る 項 目 ( Q9-1)
ダ イ エ ッ ト が 失 敗 し た 理 由 に 関 す る 項 目 ( Q9-2)
生 活 状 況 に 関 す る 項 目 ( Q10)
生 活 に お け る 重 点 に 関 す る 項 目 ( Q11)
健 康 情 報 の 情 報 源 に 関 す る 項 目 ( Q12)
視 聴 し て い る 健 康 情 報 テ レ ビ 番 組 に 関 す る 項 目 ( Q13)
健 康 情 報 テ レ ビ 番 組 を 信 用 す る 理 由 に 関 す る 項 目 ( Q13-1)
健 康 行 動 に 関 す る 項 目 ( Q14)
平 均 睡 眠 時 間 に 関 す る 項 目 ( Q15)
普 段 の 睡 眠 状 態 に 関 す る 項 目 ( Q16)
悩 み の 種 類 に 関 す る 項 目 ( Q17)
主 た る ス ト レ ス の 原 因 に 関 す る 項 目 ( Q18)
飲 酒 機 会 ・ 状 況 に 関 す る 項 目 ( Q19)
飲 酒 行 動 ・ 結 果 に 関 す る 項 目 ( Q20)
飲 酒 の 場 所 に 関 す る 項 目 ( Q21)
医 師 に 対 す る 信 頼 に 関 す る 項 目 ( Q22)
急 患 へ の 対 処 に 関 す る 項 目 ( Q23)
交 流 の 範 囲 に 関 す る 項 目 ( Q24)
家 族 関 係 に 対 す る 考 え 方 に 関 す る 項 目 ( Q25)
同 居 家 族 と の 日 常 生 活 行 動 に 関 す る 項 目 ( Q26)
夕 食 の 摂 り 方 に 関 す る 項 目 ( Q27)
普 段 の 生 活 に 関 す る 項 目 ( Q28)
食 生 活 に 関 す る 項 目 ( Q29)
5
食 事 の 優 先 順 位 に 関 す る 項 目 ( Q30)
食 品 の 価 格 に 関 す る 項 目 ( Q31)
一 人 当 た り の 夕 飯 予 算 に 関 す る 項 目 ( Q32)
手 作 り の 夕 食 の 頻 度 に 関 す る 項 目 ( Q33)
朝 食 を 食 べ る 頻 度 に 関 す る 項 目 ( Q34)
朝 食 内 容 に 関 す る 項 目 ( Q34-1)
嫌 い な 食 べ 物 を 食 べ る 程 度 に 関 す る 項 目 ( Q35)
嫌 い な 食 べ 物 を 食 べ る 理 由 に 関 す る 項 目 ( Q35-1)
食 品 ・ 食 材 購 入 の さ い の 配 慮 に 関 す る 項 目 ( Q36)
食 品 の 利 用 頻 度 に 関 す る 項 目 ( Q37)
食 事 の マ ナ ー に 関 す る 項 目 ( Q38)
食 事 の 準 備 の 頻 度 に 関 す る 項 目 ( Q39)
料 理 に か け る 手 間 に 関 す る 項 目 ( Q40)
献 立 の 立 て 方 に 関 す る 項 目 ( Q41)
千 葉 伝 統 ・ 郷 土 料 理 の 調 理 経 験 に 関 す る 項 目 ( Q42)
配 偶 関 係 に 関 す る 項 目 ( F1)
子 ど も の 有 無 に 関 す る 項 目 ( F2)
子 ど も の 人 数 に 関 す る 項 目 ( F2)
子 ど も と の 同 居 に 関 す る 項 目 ( F3)
末 子 成 長 段 階 に 関 す る 項 目 ( F3-1)
就 労 形 態 に 関 す る 項 目 ( F4)
職 務 内 容 に 関 す る 項 目 ( F5)
一 週 間 の 平 均 労 働 時 間 に 関 す る 項 目 ( F6a.)
一 週 間 の 平 均 労 働 日 数 に 関 す る 項 目 ( F6b.)
世 帯 構 成 に 関 す る 項 目 ( F7)
居 住 年 数 に 関 す る 項 目 ( F8)
世 帯 収 入 に 関 す る 項 目 ( F9)
2. 調 査 の 概 要
2. 1 調 査 の 名 称
「現代生活における食と健康についてのアンケート」
2. 2 調 査 の 主 体
淑徳大学総合福祉学部社会学科
2007 年 度 「 フ ィ ー ル ド ワ ー ク Ⅰ 」「 フ ィ ー ル ド ワ ー ク Ⅱ 」 履 修 生
奥田 桃子
田篠 由志
池田 奈月
田中 綾加 三橋 彩美
上杉 ちあき 田中 路大
岡本 愛
長良 梢
山上 尚登
三澤 千尋
長澤 伸哉
笹野井 絵梨 橋本 紀子 桑原 智希
鈴木 将司
中村 美由貴 下保 智之
宮部 優
吉田 知代
調査責任者
淑徳大学教授
淑徳大学教授
教育助手補
淑徳大学大学院
淑徳大学大学院
桝潟
時井
本多
庄司
俊子
聰
敏明
壮
6
後藤 康之
佐藤 恵美
長谷川 恭平
原 栄理
3. 調 査 対 象 と 調 査 の 方 法
3. 1 調 査 対 象
( 1) 母 集 団
千 葉 市 6 区 ( 中 央 区 、 花 見 川 区 、 稲 毛 区 、 若 葉 区 、 緑 区 、 美 浜 区 ) 在 住 の 20 代 ~ 60
代の女性。千葉市 6 区を 選定したのは、千葉 市が多様な特色 を表すと考え られるため で
あ る 。 そ の な か で 、 20 代 ~ 60 代 の 女 性 を 選 定 し た の は 、 健 康 や ダ イ エ ッ ト に 対 す る 関
心が比較的高く、さらには献立を立てることが多いことから食への関心も高いと考えら
れるためである。
平 成 19 年 8 月 1 日 現 在 に お い て 、 千 葉 市 の 住 民 基 本 台 帳 に 記 載 さ れ て い る 人 口 の 総
数 は 、 929,277 人 で あ っ た 。 20 代 ~ 60 代 の 女 性 は 、 321,602 人 で あ っ た 。
( 2) 対 象 者
千 葉 市 在 住 の 20 代 ~ 60 代 の 女 性 の な か か ら 無 作 為 に 抽 出 し た 1300 名 。
( 3) 選 定 方 法
以下の手順にしたがって、確率比例抽出法によって抽出をした。確率比例抽出法は、
第 1 段階では第 1 次抽出単位はその大きさに比例した確率でランダムに抽出され、第 2
段階では抽出された第 1 次抽出単位にその大きさに関係なく同数の標本が割り当てられ
る方法である。
① 1 地 点( 町 丁 ) ご と に 20 名 を 抽 出 し 、合 計 1300 名 を 抽 出 す る た め に 第 一 次 抽 出 単
位 と し て 65 地 点 を 選 定 す る こ と に す る 。( 1300( 人 ) ÷20( 人 ) = 65( 地 点 ))。
② 2008 年 8 月 1 日 現 在 、 千 葉 市 の 全 481 町 丁 の う ち 20 代 ~ 60 代 の 女 性 の 人 数 が 50
名 以 下 の 町 丁 を ひ と つ に ま と め 、 第 一 次 抽 出 単 位 の 町 丁 数 を 456 町 丁 と し た 。
③ 母 集 団 の 人 数 ( 321,602 人 ) を 抽 出 す る 地 点 数 ( 65) で 割 り 、 第 一 次 抽 出 単 位 の 抽
出 間 隔 を 決 め る 。 そ の 結 果 、 抽 出 単 位 は 、 4947.72( 人 ) と な る 。
④ ラ ン ダ ム に 決 定 し た 4 ケ タ の 番 号 を ス タ ー ト 番 号 と し て 、 そ こ か ら 4947 間 隔 で 該
当 し た 地 点 を 抽 出 す る 。こ の 作 業 を 繰 り 返 し て 、65 地 点 を 抽 出 す る 。例 え ば 、ス タ
ー ト 番 号 が 1234 で あ っ た 場 合 に は 、 1234( 第 一 地 点 )、 1234+ 4947= 6181( 第 二
地 点 )、 6181+ 4947= 11128( 第 三 地 点 )、 … … 、 317430( 第 六 十 五 地 点 ) と な る 。
⑤ 抽 出 し た 65 地 点 か ら 、各 地 点 ご と に 20 名 ず つ を 抽 出 し て 1300 名 を 抽 出 す る 。
( 65
( 地 点 ) ×20( 人 ) = 1300( 人 ))
3. 2 調 査 の 方 法
( 1) 統 計 的 ( 量 的 ) 調 査 [ 標 本 調 査 ]
郵送調査法(調査票を対象者に郵送し、対象者自身が調査票に記入し、返送する調査
方法)
調 査 時 期 平 成 19 年 10 月 10 日 ( 水 ) ~ 10 月 31 日 ( 水 )
回 収 結 果 有 効 回 収 数 ( 率 ) 341 票 ( 26.2% )
( 2) 記 述 的 ( 質 的 ) 調 査 [ 事 例 調 査 ]
自由面接法(調査員が対象者に直接面会し、質問だけはあらかじめ設定するが、質問
に対する対象者の解答は対象者の自由な発話に任せる調査方法)
調 査 時 期 平 成 19 年 11 月
7
4. 調 査 対 象 の 基 本 属 性
A52043
Q1
長澤
伸哉
A52170
宮部
優
A52171
山上
尚登
対象者の住んでいる居住区について
表1 居住区
居住区
中央区
23.7
美浜区
15.7
緑区
14.0
稲毛区
16.0
花見川区
14.2
単位 %
若葉区 計(人数)
16.3 100.0(337)
中 央 区 が 23.8% (80 人 )と 一 番 多 く を 占 め た 。美 浜 区 は 15.7% (53 人 )、緑 区 は 14.0% (47
人 )、 稲 毛 区 は 16.0% (54 人 )、 花 見 川 区 は 14.2% (48 人 )そ し て 若 葉 区 は 16.3% (55 人 )で
あった。
Q2
対象者の年齢層について
表2 年齢
年齢
20歳代
9.2
30歳代
17.5
40歳代
17.2
50歳代
30.0
単位 %
60歳代 計(人数)
26.1 100.0(337)
20 代 が 9.2% (31 人 )、30 代 が 17.5% (59 人 )、40 代 が 17.2% (58 人 )、50 代 が 30.0% (101
人 )そ し て 60 代 が 26.1% (88 人 )で あ っ た 。 ま た 、 50 代 が 一 番 多 く を 占 め た 。 そ の 中 で も
57 歳 が 全 体 の 4.8% (16 人 )で 一 番 多 か っ た 。
F1
対象者の配偶関係について
表3 配偶関係
配偶関係
未婚
13.7
既婚
79.3
離婚
4.3
死別
2.7
単位 %
計(人数)
100.0(329)
未 婚 が 13.7% (45 人 )、既 婚 が 79.3% (261 人 )、離 婚 が 4.3% (14 人 )そ し て 死 別 が 2.7%
であった。また、既婚者が一番多かった。
F2
対象者の子供の有無について
表4 子供の有無
子供
いる
75.0
いない
25.0
単位 %
計(人数)
100.0(328)
子 供 が い る 人 が 75.0% (246 人 )で 、 子 供 が い な い 人 は 25.0% (82 人 )で あ っ た 。
F2_chi
対象者の子供の数について
表5 子供の数
子供
1人
21.2
2人
58.8
3人
17.6
単位 %
4人以上 計(人数)
2.5
100.0(245)
子 供 が い る 人 の 中 で 、 子 供 の 数 が 1 人 は 21.2% (52 人 )、 2 人 は 58.8% (144 人 )、 3 人 は
17.6% (43 人 )そ し て 4 人 以 上 は 2.5% (5 人 )で あ っ た 。 ま た 、 最 も 多 か っ た の が 子 供 の 数
が 7 人であった。
8
F3
対象者の子供との同居について
表6 子供との同居
単位 %
同居
している していない 計(人数)
69.8
30.3
100.0(238)
子 供 が い る 人 の 中 で 、 子 供 と 同 居 し て い る 人 が 69.8% (166 人 )で 、 同 居 し て い な い 人 が
30.3% (72 人 )で あ っ た 。
F3_1
対象者の末子成長段階について
表7 末子成長段階
成長段階 小学生
未満
17.6
小学生
中学生
高校生
15.2
12.1
4.9
単位 %
中卒・
計(人数)
高卒以上
50.3 100.0(165)
子 供 が い る 人 の 中 で 、 末 子 の 成 長 段 階 が 小 学 生 未 満 は 17.6% (29 人 )、 小 学 生 は 15.2%
(25 人 )、中 学 生 は 12.1% (20 人 )、高 校 生 は 4.9% (8 人 )そ し て 中 卒・高 卒 以 上 は 50.3% (83
人 )で あ っ た 。 ま た 、 末 子 の 成 長 段 階 に お い て 中 卒 ・ 高 卒 以 上 が 50.3% で 半 数 を 占 め 、 一
番多かった。
資料:千葉市の女性の配偶関係について
千 葉 市 の 未 婚 率 は 22.1%で 、全 国 の 22.6%を 下 回 っ て い る 。ま た 、有 配 偶 率 は 67.8%と
な っ て お り 、 全 国 の 65.8%を 上 回 っ て い る 。
表1 配偶関係
全国
(%)
未婚
9609633 22.6
有配偶
28034573 65.8
死別
1944792
4.6
離別
2579040
6.1
不明
406067
1.0
計
42574105 100.0
千葉市
(%)
456378 22.1
1397948 67.8
85322
4.1
103235
5.0
20318
1.0
2063201 100.0
年齢別に見ると、千葉市のほうが全国に比べて未婚率が低く、有配偶率が高い傾向が見
られるが、大きな差はない。
表2 全国年 齢別
20代
未婚
5598093
有配偶 1932728
死別
3669
離別
137263
不明
5521
計
7677274
(%)
30代
72.9 2337869
25.2 6160209
0.0
29062
1.8 536097
0.1
91349
100.0 9154586
(%)
40代
25.5 800715
67.3 6218567
0.3 115182
5.9 632630
1.0 106393
100.0 7873487
(%)
50代
10.2
540216
79.0 7675332
1.5
495633
8.0
773784
1.4
106089
100.0 9591054
(%)
60代
5.6 332740
80.0 6047737
5.2 1301246
8.1 499266
1.1
96715
100.0 8277704
(%)
4.0
73.1
15.7
6.0
1.2
100.0
表3 千葉市 年齢別
20代
未婚
42940
有配偶
13664
死別
22
離別
664
不明
46
計
57336
(%)
74.9
23.8
0.0
1.2
0.1
100.0
(%)
25.4
68.3
0.3
4.6
1.4
100.0
(%)
9.8
80.1
1.1
6.7
2.2
100.0
(%)
4.8
81.2
4.5
7.4
2.0
100.0
(%)
3.2
75.6
13.4
5.8
2.0
100.0
30代
19271
51893
226
3512
1029
75931
40代
5562
45258
636
3796
1242
56494
50代
3339
55985
3130
5071
1385
68910
60代
1988
47274
8368
3608
1253
62491
出 典 : 平 成 17 年 国 勢 調 査
<http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/kekka.htm>(2007.2.18)
9
F4
対象者が働いているかについて
表8 働いているか
仕事
している
58.7
単位 %
していない 計(人数)
41.3
100.0(329)
仕 事 を し て い る 人 が 58.7% (193 人 )で 、仕 事 を し て い な い 人 が 41.3% (136 人 )で あ っ た 。
F4
対象者の職務形態について
表9 就労形態
就労形態
単位 %
正社員
21.0
パート・
アルバイ
50.8
公務員・
派遣社員
団体職員
6.7
6.7
自営・
農林業
8.2
その他
計(人数)
6.7
100.0(195)
働 い て い る 人 に お い て 、就 労 形 態 が 正 社 員 は 21.0% (41 人 )、パ ー ト (ア ル バ イ ト を 含 む )
は 50.8% (99 人 )、派 遣 社 員 は 6.7% (13 人 )、公 務 員・団 体 職 員 は 6.7% (13 人 )、商 店 な ど
の 自 営・農 業 は 8.2% (16 人 )そ し て そ の 他 は 6.7% (13 人 )で あ っ た 。ま た 、パ ー ト (ア ル バ
イ ト を 含 む )が 50.8% で 半 数 を 占 め 、 一 番 多 か っ た 。
F5
対象者の職務内容について
表10 職務内容
商工自営
職務内容
・農業
4.7
管理職・
会社団体役員
1.0
専門職
技術職
事務職
19.2
5.2
25.4
単位 %
販売・
サービス職
32.1
生産工程
作業員
3.1
自由業
その他
計(人数)
3.1
6.2
100.0(193)
働 い て い る 人 に お い て 、職 務 内 容 が 商 工 自 営・農 業 は 4.7% (9 人 )、管 理 職・会 社 団 体 役
員 は 1.0% (2 人 )、 専 門 職 は 19.2% (37 人 )、 技 術 職 は 19.2% (10 人 )、 事 務 職 25.4% (49
人 )、販 売・ サ ー ビ ス 職 は 32.1% (62 人 )、生 産 工 程 作 業 員 は 3.1% (6 人 )、自 由 業 は 3.1%
(6 人 )そ し て そ の 他 は 6.2% (12 人 )で あ っ た 。 ま た 、 販 売 ・ サ ー ビ ス 職 が 32.1% で 一 番 多
くを占めた。
F6_a
対象者の一週間平均労働時間について
表11 一週間平均労働時間
10時間以
10時間
労働時間
上20時間
未満
未満
14.1
16.2
単位 %
20時間以 30時間以 40時間以 50時間以
上30時間 上40時間 上50時間 上60時間
未満
未満
未満
未満
22.2
14.1
21.1
8.7
60時間
以上
計(人数)
3.8
100.0(185)
働 い て い る 人 に お い て 、一 週 間 平 均 労 働 時 間 が 10 時 間 未 満 は 14.1% (26 人 )、10 時 間 以
上 20 時 間 未 満 は 16.2% (30 人 )、20 時 間 以 上 30 時 間 未 満 は 22.2% (41 人 )、30 時 間 以
上 40 時 間 未 満 は 14.1% (26 人 )、40 時 間 以 上 50 時 間 未 満 は 21.1% (39 人 )、50 時 間 以
上 60 時 間 未 満 は 8.7% (16 人 )そ し て 60 時 間 以 上 は 3.8% (7 人 )で あ っ た 。 ま た 20 時
間 以 上 30 時 間 未 満 が 22.2% で 一 番 多 く を 占 め た 。
10
F6_b
対象者の一週間平均労働日数について
表12 一週間平均労働日数
2日以上
労働日数 2日未満
3日未満
1.6
9.2
単位 %
3日以上
4日未満
9.7
4日以上
5日未満
17.8
5日以上
6日未満
49.2
6日以上
計(人数)
12.4
100.0(185)
働 い て い る 人 に お い て 、 一 週 間 平 均 労 働 日 数 が 2 日 未 満 は 1.6% (3 人 )、 2 日 以 上 3 日
未 満 は 9.2% (17 人 )、 3 日 以 上 4 日 未 満 は 9.7% (18 人 )、 4 日 以 上 5 日 未 満 17.8% (33
人 )、 5 日 以 上 6 日 未 満 は 49.2% (91 人 )そ し て 6 日 以 上 は 12.4% (23 人 )で あ っ た 。 ま
た 、 5 日 以 上 6 日 未 満 が 49.2% で 一 番 多 か っ た 。
資料:千葉市の女性の就労状況について
特徴として、性別に関わらず千葉市の産業は全国に比べ第 1 次産業・第 2 次産業より
も第 3 次産業の方が盛んである。またそれと並んで、第 1 次産業と第 2 次産業の女性の
割 合 は 低 い 。 特 に 千 葉 市 の 第 2 次 産 業 に お い て 、 女 性 の 割 合 は 9.78% で 同 市 の 男 性 の
25.34% に 比 べ て も 低 く 、全 国 の 第 2 次 産 業 に お い て の 16.58% と い う 女 性 の 割 合 と 比 べ
ても低い。千葉市の女性は第 3 次産業従事者が主体であることがわかった。
表4 就労状況
総数
第1次産業計
農業
林業
漁業
第2次産業計
鉱業
建設業
製造業
第3次産業計
電気・ガス・水事業
情報通信業
運輸業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
飲食店、宿泊業
医療、福祉
教育、学習支援
複合サービス事業
サービス業
公務
分類不能の産業
50代
38,515
60代
16,762
20代
4,907,048
30代
5,326,950
全国女性
40代
5,397,638
50代
5,919,826
60代
2,701,513
168
1
332
2
1
451
22,983
428
1,678
55,028
730
5,026
120,999
996
9,007
244,855
1,893
14,705
366,202
2,053
14,542
2
1,293
2,974
2
1,004
2,145
3
1,332
2,888
745
1,358
420
95,392
543,883
787
179,083
739,125
903
168,928
746,843
1,211
214,565
950,948
529
101,409
370,373
116
1,699
1,325
8,329
2,266
470
2,425
5,787
2,421
216
7,819
1,012
1,408
73
759
984
8,234
2,196
526
2,106
5,446
3,312
264
5,960
750
1,026
59
533
1,078
9,559
1,526
779
2,997
5,493
2,886
400
6,749
810
1,088
6
156
292
3,395
301
559
1,558
2,021
838
148
3,892
329
713
7,063
152,349
92,447
1,081,180
176,333
35,072
361,231
1,000,356
297,735
40,820
791,838
91,044
114,796
11,799
146,512
134,988
1,077,837
213,035
47,956
303,694
939,555
327,832
56,447
849,622
138,054
99,840
8,061
73,684
128,405
1,166,261
217,955
52,630
307,928
1,015,137
413,565
62,527
718,004
111,240
74,565
6,345
40,988
125,345
1,343,089
150,401
78,458
483,343
856,411
329,427
59,503
824,011
114,134
80,194
996
8,314
34,988
521,380
32,796
60,501
275,615
238,636
80,679
13,214
483,848
44,508
50,930
20代
34,994
30代
39,637
30
73
1
2
2
670
1,958
61
1,583
787
8,201
1,657
360
2,677
5,593
2,292
120
6,851
603
1,548
千葉市女性
40代
34,956
出 典 : 平 成 17 年 国 勢 調 査
<http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/kekka.htm>(2007.2.18)
F7_1~ F7_7(F7NEW)
対象者の家族構成について
表13 家族構成
家族構成 一人暮らし 夫婦のみ 2~3世代世帯 3世代以上世帯
4.5
29.4
54.6
9.2
単位 %
その他 計(人数)
2.4
100.0(337)
一 人 暮 ら し が 4.5% (15 人 )、 夫 婦 の み が 29.4% (99 人 )、 2 世 代 世 帯 が 54.6% (184 人 )、
3 世 代 以 上 世 帯 が 9.2% (31 人 )そ し て そ の 他 が 2.4% (8 人 )で あ っ た 。ま た 、2~ 3 世 代 世 帯
が 54.6% で 一 番 多 か っ た 。
11
F8_1
対象者がいつから千葉市に住んでいるかについて
表14 いつから住んでいるか
単位 %
生まれた 移り住ん
いつから
計(人数)
ときから
できた
100.0(340)
21.5
78.5
生 ま れ た と き か ら が 21.5% (73 人 )で 、 移 り 住 ん で き た が 78.5% (267 人 )で あ っ た 。
F8_2
千葉市に移住してきた人の居住期間について
表15 移住者の居住期間
居住期間
5年未満
11.4
5年以上 10年以上 15年以上 20年以上
10年未満 15年未満 20年未満 25年未満
10.2
10.6
9.1
12.9
単位 %
25年以上 30年以上 35年以上
40年以上 計(人数)
30年未満 35年未満 40年未満
12.9
14.0
9.1
9.9
100.0(264)
5 年 未 満 が 11.4% (30 人 )、5 年 以 上 10 年 未 満 が 10.2% (27 人 )、10 年 以 上 15 年 未 満
が 10.6% (28 人 )、 15 年 以 上 20 年 未 満 が 9.1% (24 人 )、 20 年 以 上 25 年 未 満 が 12.9%
(34 人 )、 25 年 以 上 30 年 未 満 が 12.9% (34 人 )、 30 年 以 上 35 年 未 満 が 14.0% (37 人 )、
35 年 以 上 40 年 未 満 が 9.1% (24 人 )そ し て 40 年 以 上 が 9.9(26 人 )で あ っ た 。 ま た 、 30
年 以 上 35 年 未 満 が 14.0% で 一 番 多 く を 占 め た 。
F9
対象者の過去一年間の世帯収入について
表16 過去一年間の世帯収入
100万円
世帯収入 収入なし
未満
0.0
1.9
700~800
万円未満
12.6
100~200
万円未満
3.1
200~300
万円未満
7.6
800~900 900~1000 1000~
万円 未満 万円未満 1200万円
6.9
5.0
9.8
300~400
万円未満
11.6
1200~
1500万円
6.0
400~500
万円未満
13.2
1500~
1800万円
2.2
500~600
万円未満
6.6
1800~
2000万円
3.1
600~700
万円未満
8.2
単位 %
2000万円
計(人数)
以上
100.0(318)
2.2
収 入 な し が 0.0% (0 人 )、100 万 円 未 満 が 1.9% (6 人 )、100~ 200 万 円 未 満 が 3.1% (10
人 )、200~ 300 万 円 未 満 7.6% (24 人 )、300~ 400 万 円 未 満 が 11.6% (37 人 )、400~ 500
万 円 未 満 が 13.2% (42 人 )、 500~ 600 万 円 未 満 が 6.6% (21 人 )、 600~ 700 万 円 未 満 が
8.2% (26 人 )、700~ 800 万 円 未 満 が 12.6% (40 人 )、800~ 900 万 円 未 満 が 6.9% (22 人 )、
900~ 1000 万 円 未 満 が 5.0% (16 人 )、1000~ 1200 万 円 未 満 が 9.8% (31 人 )、1200~ 1500
万 円 未 満 が 6.0% (19 人 )、 1500~ 1800 万 円 未 満 が 2.2% (7 人 )、 1800~ 2000 万 円 未 満
が 3.1% (10 人 )そ し て 2000 万 円 以 上 が 2.2% (7 人 )で あ っ た 。 ま た 、 400~ 500 万 円 未
満 が 13.2% で 一 番 多 く を 占 め た 。
12
3章
千葉市の概要
1. 千 葉 市 の 歴 史
A52129
岡本
愛
A52072
三橋
彩美
A 52066
田中
綾加
千 葉 市 は 、 東 経 140 度 7 分 、 北 緯 35 度 36 分 に 位 置 し 、 千 葉 県 の ほ ぼ 中 央 部 に あ た り 、
首 都 東 京 ま で 約 40km の 地 点 に 存 在 す る 。 ま た 、 県 内 幹 線 道 路 及 び J R ・ 私 鉄 な ど の 鉄 道
の起点として、さらに情報通信網の起終点として、県都にふさわしい要衝の地にある。ま
た 、臨 海 部 お よ び 各 河 川 下 流 域 に 広 が る 平 地 と 、周 辺 部 の 台 地・谷 津 か ら 構 成 さ れ て お り 、
郊外や臨海部を中心に大規模な住宅団地が多くある一方、若葉区や緑区などの周辺部には
自 然 が 多 く 残 さ れ て い る 。千 葉 と い う 地 名 の 由 来 は 、
「 多 く の 葉 が 繁 茂 す る 」の 意 で か つ て
葛の葉がおいしげる原野だったからとも、繁栄を願っての地名だとも言われている。
都 市 と し て は 、大 治 元 ( 1126)年 千 葉 常 重 が 猪 鼻 台 に 居 館 を 築 い た こ と に 始 ま っ た 。近
代 都 市 と し て は 、 明 治 6( 1873) 年 、 木 更 津 、 印 旛 の 2 県 が 廃 合 さ れ 千 葉 県 と な り 、 県 庁
を両県の境となる千葉群千葉町(現千葉市中央区本千葉町)に置かれたことにより、県内
の政治・経済・文化の中心地、また交通の要衝として発展した。
そ し て 明 治 22( 1889) 年 4 月 1 日 、 千 葉 町 ・ 寒 川 村 ・ 登 戸 村 ・ 千 葉 寺 村 ・ 黒 砂 村 が 合
併 。 町 制 施 行 に よ り 千 葉 町 と な っ た 。 そ の 後 大 正 10( 1921) 年 1 月 1 日 、 市 制 施 行 に よ
り 、 千 葉 町 か ら 千 葉 市 と な っ た 。 こ れ は 全 国 で 66 番 目 の 県 内 初 の 市 制 施 行 で あ っ た 。 こ
れにより全府県(北海道・沖縄を除く)に市が揃う形となった。
当 時 の 市 域 は 約 15km 2 、人 口 3 万 3 千 人 で あ り 、師 範 学 校 、医 学 校 な ど 多 く の 学 校 や 病
院が設置され、また鉄道聯隊、陸軍歩兵学校などの軍事施設もあり、医療の街、軍隊の街
と し て 栄 え 、着 実 な 発 展 を 続 け て き た が 、昭 和 20( 1945)年 6 月 10 日 と 7 月 7 日 の 2 度
の 空 襲 に よ り 、中 心 市 街 地 の 約 7 割 を 焼 失 し 、尊 い 人 命 と 多 く の 貴 重 な 都 市 施 設 を 失 っ た 。
しかしながら、市民は力強く復興に立ち上がり、宮内三郎市長(名誉市民第一号)の元で
戦災復興事業に着手するとともに、近代的工業都市を目指し、臨海部への主要産業の誘致
や、千葉港の整備を進めるなど、消費都市から生産都市への転換を図った。そして、臨海
部の開発、大規模住宅団地の建設、内陸工業団地の造成、さらには、近隣町村との合併や
埋立により、市域を拡大するとともに、快適な生活環境づくり、バランスのとれた都市づ
く り を 進 め 、 平 成 4( 1992) 年 4 月 1 日 に は 、 全 国 12 番 目 の 政 令 指 定 都 市 に 移 行 し た 。
そ の 間 、 昭 和 59( 1984) 年 10 月 20 日 に 、 こ の 千 葉 市 に 住 む こ と を 誇 り と し 、 自 然 と
の調和を求めつつ、この緑と水辺を千葉市の個性にまで高め、豊かな緑ときれいな水辺の
都市づくりを市民の総力をあげて進めることを誓った。これを「緑と水辺の都市宣言」と
した。そして宣言文を永く後世に残すべく記念碑を市役所正面玄関前に建立した。平成元
( 1989) 年 2 月 28 日 に は 、 核 兵 器 な ど に よ る 戦 争 へ の 脅 威 を な く し 、 市 民 共 通 の 願 い で
あ る 世 界 の 恒 久 平 和 を 願 い 「 平 和 都 市 宣 言 」 を 行 っ た 。 平 成 4( 1992) 年 に は 、 千 葉 市 長
が初めて加わり七都県市首脳会議が行われた。この会議は、首都圏の広域的あるいは共通
の 行 政 課 題 に 積 極 的 に 対 応 す る た め 東 京 都・埼 玉 県・千 葉 県・神 奈 川 県 の 知 事 及 び 横 浜 市 ・
川 崎 市 の 市 長 を 構 成 員 と し て 昭 和 54( 1979) 年 7 月 に 六 都 県 市 首 脳 会 議 が 設 置 さ れ た も
の で あ る 。 こ れ ま で 検 討 さ れ た 主 要 協 議 事 項 は 、 (1)環 境 問 題 、 (2)廃 棄 物 処 理 問 題 、 (3)首
都 機 能 の あ り 方 、(4)地 方 分 権 問 題 、(5)地 震 ・ 防 災 対 策 で あ っ た 。ま た 、5 月 に は 、空 き 缶
等の散乱の防止に関し必要な事項を定めることにより、美しい街づくりを推進し、もっと
快適な都市環境を確保することを目的とするポイ捨て防止条例が施行された。後に、平成
16( 2004)年 6 月 1 日 か ら「 路 上 喫 煙 等 の 防 止 に 関 す る 条 例 」も 施 行 さ れ た 。路 上 等 で の
喫煙が特に危険であるJR千葉駅東口地区、JR稲毛駅周辺地区、幕張新都心地区(JR
海浜幕張駅周辺地区)を「路上喫煙等禁止地区」として指定し、禁止地区内の路上等での
喫 煙 に 対 し て は 、罰 則 が 適 用 さ れ る こ と と な っ た 。こ の 条 例 は 、路 上 喫 煙 等 の 防 止 に 関 し 、
市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、歩行者等の身体及び財産の安全を確
13
保し、市民の安全な生活環境の向上に資することを目的として制定された。
ま た 、 政 令 指 定 都 市 移 行 の 政 令 が 公 布 さ れ た 「 10 月 18 日 」 を 「 市 民 の 日 」 と し て 制 定
し、平成 8 年度から、毎年、各種記念行事を開催している。
平 成 12( 2000) 年 3 月 に は 、 地 域 に 根 ざ し た 真 の 国 際 都 市 を 基 本 理 念 と し 、 市 民 主 体
の国際化の推進・パートナーシップに基づくネットワークの構築・世界に開かれた都市の
創 造 を 基 本 目 標 と す る 、市 国 際 化 推 進 基 本 計 画( グ ロ ー バ ル リ ン ク ち ば 21)が 策 定 さ れ た 。
同年 3 月、市情報化基本計画が策定され、誰もがいきいきと暮らし、学び、遊ぶ「情報ネ
ッ ト ワ ー ク 都 市 」 の 実 現 を 目 指 し 計 画 さ れ た 。 さ ら に 21 世 紀 を 展 望 し た 市 政 の 基 本 理 念
や 基 本 目 標 を 掲 げ た 「 基 本 構 想 」 と 平 成 27( 2015) 年 を 目 標 年 次 と す る 中 長 期 的 な 都 市
づ く り の 基 本 的 方 向 性 を 示 す「 ち ば・ビ ジ ョ ン 21」で 構 成 さ れ て い る 千 葉 市 新 総 合 ビ ジ ョ
ン も 策 定 さ れ た 。「 基 本 構 想 」 に お い て は 、「 人 間 尊 重 ・ 市 民 生 活 優 先 」 を 市 政 の 基 本 理 念
と し て 掲 げ る と と も に 、そ の 基 本 目 標 を「 人 と ま ち い き い き と 幸 せ に 輝 く 都 市 」と し た 。
「 ち ば ・ビ ジ ョ ン 21」で は 、緑 や 自 然 、健 康 ・福 祉 な ど 、市 民 生 活 に お け る 心 の ゆ と り や
う る お い な ど 質 的 な 充 実 を「 や す ら ぎ を は ぐ く み 」と 、都 市 基 盤 の 充 実 や 文 化・教 育 な ど 、
将 来 へ の 展 望 を 「 未 来 を 支 え る 」 と 表 現 し 、 平 成 27( 2015) 年 ま で の 都 市 づ く り の 目 標
を「やすらぎをはぐくみ 未来を支える都市づくり」としている。
平 成 15( 2003) 年 2 月 、 隣 接 す る 四 街 道 市 の 住 民 の 発 議 に よ り 、 法 定 合 併 協 議 会 が 設
置され、合併方式を千葉市への編入とし、行政区名を「四街道区」とする方針が決まった
が、四街道市議会内で合併への賛否が拮抗し、賛成派・反対派双方による発議により平成
16( 2004) 年 5 月 16 日 に 行 わ れ た 、 合 併 の 是 非 を 問 う 住 民 投 票 の 結 果 、 反 対 意 見 が 賛 成
を上回った為に合併は白紙となった。
現在では、東京湾を望む幕張地区(美浜区)に、全国的に有名なイベントや会議などが
開催される幕張メッセや、千葉ロッテマリーンズの本拠地である千葉マリンスタジアムな
どがあり、
「 花 の 都・ち ば 」を 都 市 イ メ ー ジ と し て 確 立 す べ く 事 業 を 展 開 し て い る 。そ し て
世界に開かれた国際情報都市として、著しい発展を続けている。
14
<年表>
大 正 10( 11 3 6)年
4 9( 19 7 4) 年
1 月 市制施行により「千葉市」誕生
5 月 人 ロ が 60 万 人 突 破
神田清治氏が市長臨時代理に就任
5 2( 19 7 7) 年
7 月 京成電気軌道の船橋~千葉間が
7 月 松井旭市長初当選
1 1 月 人 口 が 70 万 人 突 破
開業し、押上まで開通
13 ( 11 3 9)年
5 月 荒木和成市長再選
5 6( 19 8 1) 年
8 月 久保三郎市長就任
6 月 松井旭市長再選
5 9( 19 8 4) 年 1 0 月 「 緑 と 水 辺 の 都 市 宣 言 」 を 行 う
昭 和 3(1 9 2 7)年
8 月 神谷良平市長就任
6 0( 19 8 5) 年
6 月 松井旭市長三選
7( 1 93 1)年 1 1 月 財 部 実 秀 市 長 就 任
6 1( 19 8 6) 年
6 月 千葉ポートタワーオープン
8( 1 93 2)年
6 2( 19 8 7) 年
4 月 人 口 が 80 万 人 突 破
6 3( 19 8 8) 年
3 月 千葉都市モノレール開業
9 月 加納金助市長就任
9( 19 3 3)年 1 2 月 永 井 準 一 郎 市 長 就 任
1 0( 19 3 4)年
7 月 御茶の水~千葉間に省線電車開通
12 (1 9 3 6)年
2 月 検見川町、蘇我町、都賀村、
(スポーツセンター~千城台間)
平 成 元 (19 8 9)年
都村を編入(合併)
15 (1 9 3 9) 年 1 2 月 2 97 h a( 約 90 万 坪 ) の 埋 め 立 て を
2 月 「平和都市」を宣言
6 月 松井旭市長四選
開 始 (川 崎 製 鉄 の敷 地 )
10 月 日 本 コ ン ベ ン シ ョ ン セ ン タ ー
1 9( 19 4 4)年
2 月 千城村を編入(合併)
2 0( 19 4 5)年
6 月 市街地第 1 回目の空襲
2( 1 99 0) 年
3 月 千葉マリンスタジアムオープン
7 月 市街地第 2 回目の空襲で、
4( 1 99 2)年
4 月 全 国 12 番 目 の 政 令 指 定 都 市 と し て
(幕張メッセ)オープン
中 心 部 23 1h a( 約 7 0 万 坪 )が 焼 失
2 1( 19 4 6) 年
6 月 加納金助市長就任
2 5( 19 5 0)年
5 月 宮内三朗市長初当選
2 9( 19 5 4)年
5 月 宮内三朗市長再選
3 0( 19 5 5)年
スタート、各区役所が業務開始
5 月 七都県市首脳会議
(首都圏サミット)に初参加
5( 19 9 3) 年
4 月 千葉市の「木・花・鳥」を制定
7 月 犢橋村を編入(合併)
6 月 松井旭市長五選
7 月 幕張町を編入(合併)
9 月 人 口 が 85 万 人 突 破
9( 1 99 7) 年
2 月 生浜町、椎名村、
誉田村を編入(合併)
6 月 松井旭市長六選
10 (1 9 9 8)年
5 月 ポイ捨て防止条例施行
1 2( 20 0 0) 年
3 月 市国際化推進基本計画
3 3( 19 5 8) 年
5 月 宮内三朗市長三選
36 (1 9 6 1)年
4 月 内陸工業地帯の開発に着手
3 7( 19 6 2) 年
5 月 宮内三朗市長四選
3 月 市情報化基本計画策定
3 8( 19 6 3) 年
4 月 泉町を編入(合併)
3 月 「千葉市新総合ビジョン」を策定
9 月 京葉臨海鉄道が開業
4 月 介護保険制度スタート
( グ ロ ー バ ル リ ン ク ち ば 21) 策 定
3 9( 19 6 4)年
4 月 人 口 が 30 万 人 突 破
1 3( 20 0 1)年
4 1( 19 6 6) 年
5 月 宮内三郎市長五選
4 3( 19 6 8) 年
6 月 人 口 が 40 万 人 突 破
1 4( 20 0 2) 年
4 月 人 口 が 90 万 人 突 破
4 4( 19 6 9) 年
7 月 土気町を編入(合併)
1 6( 20 0 4) 年
6 月 千葉市路上喫煙等の防止に
4 5( 19 7 0) 年
5 月 荒木和成市長初当選
4 6( 19 7 1) 年
4 月 人 口 50 万 人 突 破
4 月 区のシンボルマークを制定
6 月 鶴岡啓一市長初当選
関する条例を施行
1 7( 20 0 5)年
6 月 千葉市長選挙で鶴岡啓一氏が再選
10 月 フ ク ダ 電 子 ア リ ー ナ が オ ー プ ン
15
2. 千 葉 市 政 の 変 遷
A52006
奥田
桃子
A52061
笹野井
絵梨
A52095
長谷川
恭平
2. 1 千 葉 市 基 本 構 想
千 葉 市 で は 、平 成 11( 1999)年 12 月 よ り 、市 民 、民 間 団 体 、企 業 、行 政 が 手 を 携 え て 、
新しい世紀を生きそして暮らす市民一人ひとりが、生きがいと幸せを感じ、愛着と誇りの
持 て る 、「 郷 土 千 葉 市 」 を 築 き 、 次 の 世 代 に 引 き 継 い で い く た め 、「 千 葉 市 基 本 構 想 」 を 定
め 、 21 世 紀 を 展 望 し た 市 政 運 営 の 指 針 と し て い る 。
千葉市民の合意を得て定める「基本構想」は、千葉市の望ましい姿を実現していくため
に必要な施策を、総合的・計画的に推進するための礎となる。
2. 2 2 1 世 紀 に お け る 市 政 の 基 本 理 念
「人間尊重・市民生活優先」
千葉市の都市づくりにあたっては、
「 人 間 尊 重・市 民 生 活 優 先 」を 基 本 理 念 と し て 、世 界
の発展に貢献し、次代に誇れる「ちば」を築いていく。
2. 3 基 本 目 標
「人とまち いきいきと幸せに輝く都市」
市民生活のゆとりと活力の向上や様々な地域資源を活かしたまちづくりを進め、多彩な
魅力が輝く都市の形成を目指して、千葉市の都市づくりの基本的な目標を「人とまち い
きいきと幸せに輝く都市」として掲げる。
2. 4 望 ま し い 都 市 の 姿
( 1) 自 然 を 身 近 に 感 じ る ま ち ・ 千 葉 市
( 2) 健 や か に 安 心 し て 暮 ら せ る ま ち ・ 千 葉 市
( 3) 安 全 で 快 適 な ま ち ・ 千 葉 市
( 4) 豊 か な 創 造 力 を は ぐ く む ま ち ・ 千 葉 市
( 5) は つ ら つ と し た 活 力 の あ る ま ち ・ 千 葉 市
( 6) 共 に 築 い て い く ま ち ・ 千 葉 市
2. 5 千 葉 市 総 合 計 画
千 葉 市 で は 平 成 13( 2001) 年 を 初 年 度 と し 、 平 成 27( 2015) 年 を 目 標 年 度 と す る 15
年 間 の 中 長 期 的 指 針「 や す ら ぎ を は ぐ く み 未 来 を 支 え る 都 市 づ く り 」
『 ち ば・ビ ジ ョ ン 21』
の目標を掲げた。
こ れ に い た る ま で の 千 葉 市 で は 、 大 正 10( 1921) 年 1 月 1 日 に 誕 生 。 高 度 経 済 成 長 を
遂げる中、大都市近県のベットタウンとして「千葉市総合計画」が策定され、長期的な視
点 に 立 っ た 計 画 行 政 が ス タ ー ト し た 。 そ の 後 、 昭 和 48( 1973) 年 に 「 太 陽 の 輝 く 都 市 づ
く り 」を 掲 げ 、子 育 て 支 援 施 策 や 都 市 機 能 の 向 上 に 、昭 和 52( 1977)年 に は「 人 間 尊 重 ・
市民生活優先」を市政運営の基本理念に掲げ、公民館や地区コミュニティーセンターなど
の 身 近 な 施 設 の 充 実 や 海 浜 ニ ュ ー タ ウ ン の 整 備 な ど に 取 り 組 み 、 昭 和 59( 1984) 年 「 緑
と水辺の都市宣言」を行い、豊かな自然を千葉市の個性にまで高め、次代に引き継ぐため
に 緑 と 水 辺 の 都 市 づ く り を 目 標 と し て き た 。 平 成 3( 1991) 年 に は 、 昭 和 53( 1978) 年
より政令指定都市調査室を設置し、政令指定都市の準備を進めてきた結果として、平成 3
( 1991)年 10 月 15 日 、本 市 の 政 令 市 行 移 が 閣 議 決 定 さ れ 、大 都 市 と し て 新 た な 歩 み を 始
め、現代に至る。
16
2. 6
各区のあらまし
( 1) 中 央 区
中 央 区 は 、千 葉 市 の 南 西 部 よ り に 位 置 し 、大 正 10( 1921)年 1 月 1 日 の 市 制 施 行 以 来 、
県都の政治・経済・文化の中心地として発展してきた。なかでも、千葉市都心地区は、県
庁、市役所を始め国・県・市の各種公的機関が集中している。
区郊外の東部地区には、青葉の森公園や都市緑化植物園等の公園施設が多く見られる。
また、女性行政・福祉行政の拠点となる「千葉市ハーモニープラザ」や、医療技術の高度
化・多様化等に対応するため開院された「私立青葉病院」等、緑地の保全を図りながらの
開発が進められている。
臨海部では、大規模工業製鉄所等が立地し、東京湾岸に沿って京葉工業地区を形成して
い る 。ま た 、JR 蘇 我 駅 周 辺 で は 、現 在 、臨 海 部 の 工 業 用 地 か ら な る 地 域 を「 蘇 我 特 定 地 域 」
として、球技場がオープンするなど再整備が進められている。
政令指定都市移行後、美術館や生涯学習センター、消防合同庁舎、モノレールなど、多
くの施設ができている。
中央区は県都の中心区として、都市機能の充実・強化と居住環境・教育文化の整備充実
に主眼が置かれている。
( 2) 花 見 川 区
花見川区は千葉市の北西部に位置し、6 区の中で人口が最も多い区である。
区 を 縦 断 す る よ う に 流 れ る「 花 見 川 」は 釣 り や サ イ ク リ ン グ コ ー ス に 利 用 す る 人 も 多 く 、
区のシンボルとなっている。流域の自然を活かした「花見公園」や農作業の体験学習など
も 行 っ て い る「 ふ る さ と 農 園 」等 が あ り 、農 地 で は 野 菜 を 中 心 と し た 都 市 型 農 業 が 営 ま れ 、
千葉市の農業生産の重要な役割を担っている。
内陸部には製造業を中心とした工場が進出し、工業団地を形成しているほか、南部には
JR 総 武 線 や 京 葉 線 が 通 り 、 JR 新 検 見 川 ・ 幕 張 駅 周 辺 に は 商 業 施 設 の 集 積 が 見 ら れ る 。 ま
た 、 JR 幕 張 本 郷 駅 周 辺 は 幕 張 新 都 心 の 玄 関 口 と し て 発 展 を 続 け て い る 。
花見川区では、地理的条件を活かした都市と自然の調和が目指されている。
( 3) 稲 毛 区
稲毛区は千葉市の北西部の位置し、北部の工業団地を除くとほぼ住宅系の用途地域であ
り、他の区と比べると人口密度が高くなっている。交通の利便性が高く、都心への通勤者
も多く見られる。
JR 稲 毛 駅 周 辺 で は 商 業 機 能 が 集 積 し て い る ほ か 、稲 毛 図 書 館 等 の 文 教 施 設 の 整 備 も 進 み 、
区の中心としてさらなる発展が期待されている。
東部には千葉総合スポーツセンター等があり、スポーツレクリエーション活動の拠点と
なっている。
また、江戸時代の「駒形大仏」等、文化財や史跡も多く点在している。
( 4) 若 葉 区
若葉区は千葉市の北東部に位置し、6 区の中で最大の面積を有する区である。面積の大
半は農地・緑地であり、自然を活かした公園施設や乳牛育成牧場等がある。
区の西部の加曾利・大宮地区では、周辺を流れる川の水辺を活かした都川親水公園の整
備が計画されている。
東部一帯では、野菜・花等の栽培、酪農等を中心とした農業が営まれ、県内有数の農業
地区となっており、農業研究施設も多く設置されている。
加曾利貝塚や、徳川家康が鷹狩りの際に宿泊したといわれる御茶屋御殿跡等の文化財も
多く、これらの史跡を歴史広場・施設として整備する計画もあり、歴史と文化に親しめる
まちづくりが進められている。
また、都市部と農村部の交流や地域活性化を図るための、拠点施設や道路の整備も進め
17
られている。
( 5) 緑 区
緑区は千葉市の南東部に位置し、若葉区に次ぐ面積を有する区である。
名前の通り自然環境に恵まれた区であり、自然を活かした公園が多くある。恵まれた自
然環境のもと、多くの山林・農地・田畑を有しており、酪農・養豚・野菜等の栽培が行わ
れている。
一 方 で 、JR 外 房 線 沿 線 の 鎌 取・誉 田・土 気 地 区 で は 土 地 区 画 整 理 事 業 が 実 施 さ れ 、年 々
宅地が進んでいる。
ま た 、 平 成 13( 2001) 年 よ り 常 設 の 区 民 懇 話 会 を 設 置 し 、 区 民 と 行 政 の 協 働 が 図 ら れ
ている。
( 6) 美 浜 区
千葉市の北西に位置し、区域の全てが埋め立て地による造成地であり、計画的にまちづ
くりが進められた結果、都市機能の充実した区となった。
こ の 都 市 機 能 の 中 枢 を 成 す の が「 幕 張 新 都 心 」で あ り 、
「 幕 張 メ ッ セ 」を 中 心 と し た 高 層
ビルやホテル郡が林立している一方、住宅地の整備も進められている。
稲毛海浜公園球戯場をはじめ、千葉マリンスタジアム、稲毛ヨットハーバー、花の美術
館等のレクリエーション施設も充実している。
区の中央部には区役所や消防署、郵便局等が集まり、行政の中心となっている。
美浜区では、区の特徴である水際線と幕張メッセを中心とした国際的業務機能を中心と
した整備の充実・強化が進められている。
千葉市の各区
【引用・参考文献】
千 葉 市 総 務 局 市 長 公 室 広 報 課 、 2001『 写 真 集 千 葉 市 の あ ゆ み 』
千 葉 市 、 1993『 政 令 指 定 都 市 へ の あ ゆ み 』
『 千 葉 市 区 政 概 要 』 平 成 19 年 度 版
千 葉 市 商 店 街 連 合 会 ホ ー ム ペ ー ジ ( http://www.chiba-shopstreet.com/ )
18
3. 千 葉 市 の 人 口
3. 1
人口構造の変化
A 52083
桑原
A 52084
智希
後藤
康之
A 52130
下保
智之
総 務 省 の デ ー タ を 用 い て 昭 和 55( 1980)年 か ら 平 成 17( 2005)年 ま で の 5 年 ご と に 分
け、千葉市の人口構造の変化をみた。
千葉市の男性の人口構造の変化
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
7年
1
平
成
平
成
1
2年
7年
平
成
2年
平
成
0年
6
昭
和
昭
和
5
5年
65歳以上
15歳以上65歳未満
15歳未満
男性の場合、グラフを見ると、少子化が進み、高齢化が進行していることがわかる。
15 歳 未 満 の 人 口 構 造 の 変 化 の 場 合 、 平 成 12 年 ま で 15 歳 未 満 の 値 が 減 少 し 、 少 子 化 が
進 ん で い た が 、平 成 17 年 で は 少 し 増 え 、増 加 に 転 じ て い る 。逆 に 65 歳 以 上 の 人 口 は 平 成
7 年 以 降 、 5 年 間 で 約 4% も 増 加 し 、 加 速 的 に 進 ん で い る こ と が わ か る 。
千葉市の女性の人口構造の変化
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
昭
和
5
5
年
昭
和
6
0
年
平
成
2年
平
成
7年
平
成
1
2
年
平
成
1
7
年
65歳以上
15歳以上65歳未満
15歳未満
女性の場合も同様のことがいえ、少子化が進み、高齢化が進行している。
ま た 、15 歳 未 満 人 口 の 割 合 は 平 成 12( 2000)年 を 底 に 僅 か な が ら 、上 昇 に 転 じ て い る 。
65 歳 以 上 の 人 口 が 占 め る 割 合 は ど の 年 も 男 性 よ り 高 く 、よ り 深 刻 に な っ て い る こ と が わ
かる。
19
中央区人口ピラミッド
表1 中央区人口(平成5年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
表2 中央区人口(平成19年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
中 央 区 は 、千 葉 市 の 中 枢 を 担 う 区 だ け あ っ て 、人 口 も 6 区 中 最 大 で あ る( 2008 年 1 月 1
日 現 在 )。 年 齢 別 に 見 て も ど の 年 齢 層 も 多 い 。 千 葉 市 全 体 の 特 徴 と 同 様 に 、 平 成 5( 1993)
年 、 平 成 19( 2007) 年 と も に 「 団 塊 の 世 代 」 と そ の 子 供 の 年 齢 層 に 多 く 分 布 し て い る こ
とと、高齢者の人数が増え、若年の人口が減っている。
20
花見川区人口ピラミッド
表3 花見川区人口(平成5年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
表4 花見川区人口(平成19年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
花 見 川 区 は 千 葉 市 で 最 も 北 に 位 置 し 、東 京 に も 近 く 、JR 総 武 線 や 京 成 バ ス な ど 交 通 の 便
も 良 い た め か 、 生 産 年 齢 人 口 が 平 成 5( 1993) 年 、 平 成 19( 2007) 年 と も に 多 い 。 し か
し そ の 一 方 で 、65 歳 以 上 の 増 加 も 多 い 。花 見 川 区 は さ つ き が 丘 な ど の 住 宅 街 も 多 く あ る が 、
花見川流域には田畑等も多く分布しており、昔の町並みも残っている。それが高齢者の心
を引き付けているのであろうか。
21
稲毛区人口ピラミッド
表5 稲毛区人口(平成5年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
表6 稲毛区人口(平成19年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
稲 毛 区 は 、千 葉 大 学・敬 愛 大 学 な ど の 高 等 教 育 機 関 が 集 中 し て い る せ い か 、平 成 5( 1993)
年 に は 20~ 24 歳 の 年 齢 層 に 最 も 多 く 分 布 し て お り 、 少 子 高 齢 化 の 進 ん だ 近 年 (平 成 19 年 )
に お い て も 、比 較 的 若 年 の 人 口 は 多 め で あ る 。ち な み に 稲 毛 区 は 2008 年 1 月 1 日 現 在 、6
区の中では最高の人口密度となっている。
22
若葉区人口ピラミッド
表7 若葉区人口(平成5年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
表8 若葉区人口(平成19年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
若葉区は千葉市でも最大の面積を誇っており、千城台・小倉台・みつわ台などの住宅地
も開発されているが、若葉区の東は田園地帯で人口も少なめなので、面積に占める人口密
度は少ない。
23
緑区人口ピラミッド
表9 緑区人口(平成5年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
表10 緑区人口(平成19年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
緑 区 は 、 平 成 4( 1992) 年 に 出 来 た 最 も 新 し い 区 で 、 人 口 は 6 区 中 最 少 で あ る が 、 近 年
は あ す み が 丘 や お ゆ み 野 な ど の 住 宅 地 の 開 発 も 少 し ず つ 進 ん で き て お り 、 こ の 15 年 間 (平
成 5 年 ~ 平 成 19 年 )で 最 も 人 口 増 加 し た の は こ の 緑 区 で あ る 。 他 の 区 の グ ラ フ と 見 比 べ て
も全年齢層が増加しているのは緑区のみである。
24
美浜区人口ピラミッド
表11 美浜区人口(平成5年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
表12 美浜区人口(平成19年)
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
女
男
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
(10,000)
(8,000)
(6,000)
(4,000)
(2,000)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
美浜区は、稲毛区に 次いで 2 番目の人 口密度 を誇っているの だが、このほと んどは就業
人 口 で あ り 、 定 住 者 は 少 な い 。 よ っ て 美 浜 区 の 人 口 も 平 成 5( 1993) 年 、 平 成 19( 2007)
年 と も に 仕 事 盛 り の 30~ 50 歳 代 に 多 く 分 布 し て い る の が 分 か る 。 最 近 は 幕 張 新 都 心 計 画
などの影響によって定住者も増えている。
25
3. 2
人口の流入・流出
A52104
上杉
ちあき
A52118
中村
美由貴
A52166
長良
梢
千 葉 市 は 、臨 海 部 の 開 発 や 大 規 模 ニ ュ ー タ ウ ン の 造 成 な ど か ら 人 口 が 急 増 し た こ と に よ
り 、 昭 和 46(1971)年 に は 人 口 が 50 万 人 を 突 破 し た 。 そ し て 、 平 成 4 (1992)年 4 月 1 日 に
は 、全 国 12 番 目 の 政 令 指 定 都 市 に 移 行 し 、6 つ の 行 政 区 が 設 置 さ れ た 。表 1 は 平 成 4 (1992)
年 か ら 平 成 19(2007)年 ま で の 区 別 前 年 比 人 口 増 減 内 訳 合 計 を 表 に ま と め た も の で 、表 2 は
それをグラフにしたものである。
表1 区別前年比人口増減内訳合計 平成4(1992)年~平成19(2007)年
平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 平成8年 平成9年 平成10年 平成11年
(1992)
(1993)
(1994)
(1995)
(1996)
(1997)
(1998)
(1999)
中央区
628
82
62
-757
-683
1,518
2,083
花見川区
1,761
-116
-759
-442
-391
1,751
261
稲毛区
605
-252
-520
-1,239
52
-138
-340
若葉区
1,566
398
292
203
341
637
439
緑区
5,306
4,364
5,316
5,044
3,918
3,585
3,362
美浜区
-1,635
-1,743 -1,184
715
1,217
350
2,686
注 ) 平 成 4(1992)年 を 起 点 と す る 。
平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年
(2000)
(2001)
(2002) (2003) (2004)
(2005)
(2006) (2007)
中央区
1,679
3,355
2,513
2,129
1,709
4,058
1,963
3,499
花見川区
1,150
727
1,442
247
-33
-667
122
-920
稲毛区
-941
32
-110
148
894
1,518
497
1,489
若葉区
531
-87
268
-162
-864
-686
272
-171
緑区
2,995
2,649
2,763
1,924
1,992
1,294
1,804
2,143
美浜区
2,032
2,049
1,854
3,325
1,851
1,278
1,056
1,052
資料:千葉市の統計情報
表2 区別前年比人口増減内訳合計 平成4(1992)年~平成19(2007)年
6000
5000
4000
3000
2000
人
1000
0
-1000
-2000
-3000
(
中央区
花見川区
稲毛区
若葉区
緑区
美浜区
)
平成4年
平成5年
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
(1992)
(1993)
(1994)
(1995)
(1996)
(1997)
平成10年 平成11年 平成12年 平成13年
(1998)
(1999)
(2000)
(2001)
平成14年
(2002)
平成15年 平成16年
(2003)
(2004)
平成17年 平成18年
(2005)
(2006)
平成19年
(2007)
(年)
美 浜 区 打 瀬 に 17 の 集 合 住 宅 が 集 ま る 幕 張 ベ イ タ ウ ン が 作 ら れ 、平 成 7(1996)年 に 入 居 開
始 し た 。 ま た 、 中 央 区 に は 昭 和 63(1988) 年 3 月 に 千 葉 都 市 モ ノ レ ー ル が 開 業 し 、 平 成
3(1991)年 6 月 に J R 千 葉 駅 に 停 車 す る よ う に な っ た 。こ の よ う な 変 化 が あ り 、結 果 と し て
千葉市全体の人口は増え続けている。
26
4. 千 葉 市 の 産 業 構 造
A 52016
田篠
由志
A 52113
鈴木
将司
A 52116
田中
路大
4. 1 概 況
千 葉 市 企 画 調 整 局 統 計 課 の 平 成 12( 2000)年 千 葉 市 産 業 連 関 表 に よ れ ば 、千 葉 市 の 産 業
別 構 成 比 は 、 サ ー ビ ス 業 が 27.7% と 最 も 高 く 、 次 い で 製 造 業 が 21.2% 、 商 業 が 12.7% と
な っ て お り 、こ の 上 位 3 業 者 が 全 体 の 過 半 数 以 上 を 占 め て い る 。ま た 第 3 次 産 業 が 70.4%
を 占 め て お り 、千 葉 県 の 産 業 構 造 は 第 3 次 産 業 を 中 心 と し た 都 市 型 の 産 業 構 造 が 形 成 さ れ
て い る ( 表 1 参 照 )。 こ れ は 平 成 2 ( 1990) 年 の 千 葉 市 産 業 連 関 表 と 比 較 す る と 、 第 3 次
産 業 は 54.8% で あ り 、15.6% も 上 昇 し て い る こ と か ら も わ か る 。ち な み に こ の 年 最 も 高 か
っ た 第 2 次 産 業 の 製 造 業 が 6.3% 減 、建 設 が 9% 減 で あ り 、第 3 次 産 業 の サ ー ビ ス 業 が 8.9%
増 で 最 も 高 く な っ て い る こ と か ら 、今 後 は さ ら に 第 3 次 産 業 に 特 化 し て く る と 考 え ら れ る 。
全国の数字と比較しても、製造業は大幅に下回っているが、逆にサービス業を中心とする
第 3 次産業は、全体を通 して見ても上 回って いる。以上のことか ら千葉市の 産業の特徴 と
しては、第 3 次産業が高い水準にあることであるといえるだろう。
表 1 生産額の構成比
(単位:百万円 %)
千 葉 市
全 国
部 門 名
市内生産額
構成比
国内生産額
構成比
農林水産業
16,409
0.3
14,369,689
1.5
鉱業
1,045
0
1,378,652
0.1
製造業
1,223,640
21.2
308,161,226
32.1
建設
466,692
8.1
77,310,529
8.1
電力・ガス・水道
291,580
5.1
27,004,370
2.8
商業
735,535
12.7
96,947,625
10.1
金融・保険
217,905
3.8
38,149,484
4
不動産
461,733
8
65,852,662
6.9
運輸
323,930
5.6
47,906,891
5
通信・放送
153,803
2.7
22,139,486
2.3
公務(他に不分類の物)
256,299
4.4
36,225,894
3.8
サービス業
1,597,768
27.7
219,227,621
22.9
分類不能産業
24,528
0.4
4,212,331
0.4
合 計
5,770,867
100
958,886,460
100
出所:千葉市企画調整局統計課『平成12年(2000年)千葉市産業連関表(概要)』
4. 2 商 業
平 成 14( 2002)年 6 月 1 日 現 在 に お け る 本 市 の 卸 売・小 売 業 の 事 業 所 数 は 8,015、従 業
者 数 79,601 人 、年 間 商 品 販 売 額 3 兆 6,630 億 円 で あ る 。前 回 調 査( 平 成 11 年 )と 比 較 す
る と 、 事 業 所 数 は 625( 7.2% ) の 減 、 従 業 者 数 は 1,729 人 ( 2.1% ) の 減 、 年 間 商 品 販 売
額 も 4,139 億 円 ( 10.2% ) の 減 少 と な っ て お り 、 従 業 者 数 は 前 回 い っ た ん 増 加 し た も の の
今回は減少へ、事業所数、年間商品販売額は前回に引き続き減少となった。
卸 売 業・小 売 業 別 に み る と 、卸 売 業 は 事 業 所 数 1,922( 対 前 回 比 13.6% )、従 業 者 数 24,442
人 ( 同 11.0% )、 年 間 商 品 販 売 額 2 兆 6,273 億 円 ( 同 13.0% ) と な っ て お り 、 小 売 業 は 事
業 所 数 6,093( 同 5.0% )、 従 業 者 数 55,159 人 ( 同 2.4% )、 年 間 商 品 販 売 額 1 兆 357 億 円
( 同 2.1% ) と な っ て い る 。 ま た 前 回 か ら の 増 減 率 を み る と 、 事 業 所 数 、 従 業 者 数 及 び 年
間商品販売額の減少率は、小売業より卸売業の方が大きくなっていることが特徴である。
27
表2 商業(卸売業・小売業)の推移
対前回
区分
平成3年
6
9
11
14
卸売業
小売業
事業所数
9,623
9,437
増減数
増減率(%)
334
3.6
-186
-1.9
従業者数
(人)
81,028
84,064
年間商品
対前回
販売額
増減数
増減率(%) (百万円)
増減数
増減率(%)
13,695
20.3 4,618,134 1,245,226
36.9
3,036
3.7 4,545,364
-72,770
-1.6
対前回
8,863
8,640
-574
…
-6.1
…
78,800
81,330
-5,264
…
-6.3
…
4,577,432
4,076,908
32,068
…
0.7
…
8,015
1,922
6,093
-625
-302
-323
-7.2
-13.6
-5
79,601
24,442
55,159
-1,729
-3,032
1,303
-2.1
-11
2.4
3,663,044
2,627,346
1,035,699
-413,864
-391,862
-22,002
-10.2
-13
-2.1
出所:千葉市企画調整局統計課『平成14年商業統計調査結果』
4. 3 工 業
平 成 17( 2005) 年 の 事 業 所 数 は 535 事 業 所 、 従 業 者 数 19,439 人 、 製 造 品 出 荷 額 等 1
兆 505 億 7,594 万 円 、 付 加 価 値 額 3,932 億 2,649 万 円 で あ る 。
前 年 と 比 較 す る と 、事 業 所 数 で 6 事 業 所( 対 前 年 増 減 率 1.1% )の 増 加 、従 業 者 数 で 328
人 ( 同 1.7% ) の 減 少 、 製 造 品 出 荷 額 等 が 563 億 272 万 円 ( 同 5.7% )、 付 加 価 値 額 が 314
億 6,162 万 円 ( 同 8.7% ) の 増 加 と な っ て い る の が わ か る 。 過 去 の 推 移 を み る と 、 事 業 所
数は、増加に転じ、従業者数は再び減少。製造品出荷額等及び付加価値額は、3年連続増
加している。
表3 事業所数及び従業者数の推移(従業者4人以
事業所数
従業者数
実数
対前年
対前年
実数
対前年
対前年
(事業所)
増減数
増減率
(人)
増減数
増減率
区分
807
-19
-2.30%
29,249
-1,019
-3.40%
平成 7年
8年
770
-37
-4.60%
27,359
-1,890
-6.50%
9年
736
-34
-4.40%
25,757
-1,602
-5.90%
10年
753
17
2.30%
24,213
-1,544
-6.00%
11年
683
-70
-9.30%
22,898
-1,315
-5.40%
12年
668
-15
-2.20%
22,029
-869
-3.80%
13年
623
-45
-6.70%
21,274
-755
-3.40%
14年
560
-63 -10.%1
19,780
-1,494
-7.00%
15年
567
7
1.30%
19,739
-41
-0.20%
16年
529
-38
-6.70%
19,767
28
0.10%
出所:千葉市企画調整局統計課『平成16年工業統計調査結果』
表4 製造品出荷額等及び付加価値額の推移(従業者4人以上の事
製造品出荷額等
付加価値額
実数
対前年
対前年
実数
対前年
(万円)
増減数
増減率
(万円)
増減数
区分
平成 7年 107,274,543
-4,825,996 -4.30%
34,966,169
-5,004,776
8年 107,074,215
-200,328 -0.20%
33,701,330
-1,264,839
9年 108,883,175
1,808,960
1.70%
34,164,289
462,959
10年 100,553,545
-8,329,630 -7.70%
33,073,275
-1,091,014
11年
89,833,816
-10,719,729 -10.70%
29,329,259
-3,744,016
12年
93,930,352
4,096,536
4.60%
33,445,168
4,115,909
13年
86,425,610
-7,504,742 -8.00%
31,342,216
-2,102,952
14年
82,694,273
-3,731,337 -4.30%
28,538,052
-2,804,164
15年
87,428,114
4,733,841
5.70%
31,134,964
2,596,912
16年
99,427,322
11,999,208 13.70%
36,176,487
5,041,523
出所:千葉市企画調整局統計課『平成16年工業統計調査結果』
28
対前年
増減率
-12.50%
-3.60%
1.40%
-3.20%
-11.30%
14.00%
-6.30%
-8.90%
9.10%
16.20%
4. 4 千 葉 市 農 業 の 概 要
本市農業は、市街地の後背部に広大な優良農地を有し、水田を中心とした土地基盤整備
を始め、施設・機械の近代化など生産基盤の強化を図り、立地条件を活かして市民へ新鮮
な農畜産物を提供している。
平 成 16( 2004) 年 の 農 業 産 出 額 は 、 1,095 千 万 円 と 県 内 8 位 に 位 置 し て お り 、野 菜 を は
じめ、米・花き・畜産など多様な農業生産が行われている。内訳では野菜・果樹・花き等
の 園 芸 部 門 が 産 出 額 の 50% 以 上 を 占 め 、 本 市 農 業 の 中 心 を 担 っ て い る 。
また、農業生産基盤である農地は、本来の生産機能の他に、防災機能、治水機能、環境
保全・自然景観の保持やレクリエーションの場の提供など、都市の緑の空間としても重要
な役割を果たしている。
しかしながら、農業を取り巻く情勢は厳しく、本市においても都市化の進展による農地
の減少や高齢化等による担い手不足など様々な課題を抱えている。
このような中で、農業の持つ多面的機能への市民の期待が高まっており、本市農業は良
質な食料の供給に努めるとともに、情勢の変化に対応した新たな農業の展開を図っていく
ことが求められる。
4. 5 サ ー ビ ス 業
千葉市内の産業構造の中で大きなウェイトを占めるようになったサービス業であるが、
その内訳をみてみると、その他に分類されるものを除き、事業所数が最も多いのが美容業
となっており、次いで理容業、洗濯業、自動車整備業、医療業となっている。
従業員数の分布では、情報サービス・調査業、娯楽業、旅館・その他宿泊所の順に多く
な っ て い る 。 ま た 、 事 業 規 模 を み て み る と 、 サ ー ビ ス 業 全 体 で は 、 年 間 の 売 上 規 模 が 300
万 ~ 1,000万 円 未 満 の 事 業 所 が 約 70% と 多 く な っ て い る が 、 比 較 的 売 上 規 模 の 大 き い 業 種
は駐車場業、物品賃貸業、教育・学術研究機関、娯楽業、機会・家具等修理業、情報サー
ビス・調査業となっている。
( 1) 景 況
最近1年間の景況(売上、利益率)は、半数の企業が悪化しているが、1割強の企業で
は良好である。景況のよい企業や事業特性としては、
○ 分野では「医療・福祉関連分野」
○ 自 社 の 強 み ・ 特 徴 は 「 サ ー ビ ス 内 容 の 充 実 」「 顧 客 ニ ー ズ へ の き め 細 や か な 対 応 」
○ 行政サービスを上手に活用している
といった特性があげられる。
( 2) 今 後 の 経 営 と 事 業 の 方 向 性
新たな事業所の開設等、事業拡大を意向・計画する事業者は非常に少ない。その中で、
医 療 ・ 福 祉 分 野 は 、 拡 大 の 計 画 を も つ 事 業 者 が 3割 を 超 え て お り 、 分 野 の 差 が 浮 き 彫 り に
なっている。「サービス業基本調査結果」によると全国的に、就業者数が特に増加してい
るのは保健衛生や医療、社会保険・社会福祉分野であり、本市の成長分野の傾向は、全国
動向と同様の結果を示している。
多くの事業者は、今後、経営基盤を固めるための取組みに集中すると見られる。そのた
めの戦略として、コア事業の転換が必要となる事業者も多い。しかしながら、厳しい経営
環境の中、リスクの大きい事業転換に踏みきれず、ジレンマを抱える事業者が多いと推測
される。
29
表 5
サービス業分野別事業所
30%
25%
25%
20%
15%
11%
10%
7%
8%
4%
5%
4%
5%
3%
4%
5%
3%
1%
2%
1%
4%
2%
1%
3%
1%
0%
そ の他 の サ - ビ ス 業
政 治 ・経 済 ・文 化 団 体
宗教
教 育 (学 校 を 除 く ) 、学 術 研 究 機 関
社 会 保 険 、社 会 福 祉
医 療 業 (病 院 を 除 く ) 、保 健 衛 生
廃棄物処理業
そ の他 の 事 業 サ ー ビ ス業
協 同 組 合 (他 に 分 類 さ れ な い も の )
専 門 サ ー ビ ス 業 (他 に 分 類 さ れ な い も の )
情 報 サ ー ビ ス ・調 査 業
映 画 ・ビ デ オ 製 作 業 、放 送 業 、広 告 業
物品賃貸
機 会 ・家 具 等 修 理 業 (別 掲 を 除 く )
自動車整備業
娯 楽 業 (映 画 ・ビ デ オ 製 作 業 を 除 く )
旅 館 ・そ の 他 の 宿 泊 所
そ の他 の 生 活 関 連 サ ー ビ ス 業
駐車場業
美容業
理容業
洗濯業
0%
1%
5%
出所:総務庁『サービス業基本調査』
参考資料
・ 千 葉 市 企 画 調 整 局 統 計 課 『 平 成 12 年 (2000 年 )千 葉 市 産 業 連 関 表 ( 概 要 )』 2006
http://www.city.chiba.jp/kikakuchosei/tokei/contents/keizai/12io/ren.html
・ 千 葉 市 企 画 調 整 局 統 計 課 『 平 成 14 年 商 業 統 計 調 査 結 果 』 2002
http://www.city.chiba.jp/kikakuchosei/tokei/contents/kekka/14syogyo/14syo_top.html
・ 千 葉 市 企 画 調 整 局 統 計 課 『 平 成 16 年 工 業 統 計 調 査 結 果 』 2004
http://www.city.chiba.jp/kikakuchosei/tokei/contents/kekka/16kougyou/
・ 千 葉 市 役 所 経 済 農 政 局 農 政 部 農 政 課 『 千 葉 市 農 業 の 概 要 』 2007
http://www.city.chiba.jp/keizainosei/nosei/nosei/nougyou-gaiyou.html
・ 財 団 法 人 千 葉 市 産 業 振 興 財 団 『 千 葉 市 内 サ ー ビ ス 業 実 態 調 査 報 告 書 』 2003
http://www.chibashi-sangyo.or.jp/contents/report/download/report_01.pdf
30
5. 千 葉 市 の 食 農 行 政
A52012
佐藤恵美
A52022
三澤千尋
A52172
吉田知代
5. 1 「 食 」 と 「 農 」 の 現 状
世界の総人口が増え、食料消費の増大が見込まれているにも関わらず、必要な食料の
40% し か 自 給 し て い な い わ が 国 は 大 き な 不 安 を 抱 え て い る 。安 定 的 で 、安 全 な 食 糧 の 確 保
のためには、国内自給率を高めることが重要な課題である。千葉県は農業産出額で日本第
2 位の農業県であり、千葉市は県内第 8 位に位置し、首都圏という巨大な消費地を身近に
持つ生産地として優位性を持っている。また、千葉市は県中央に位置し、商業・工業など
の 県 の 産 業 の 中 核 に あ る 中 で 、野 菜 を 中 心 に 、酪 農 、米 、ら っ か せ い の 生 産 が 盛 ん で あ る 。
農 業 産 出 額 で は 、 野 菜 が 全 体 の 43%を 占 め 、 次 に 乳 用 牛 15% 、 米 8% 、 そ の 他 35% と 続
く 形 に な っ て い る ( 表 1 参 照 ) 。 野 菜 で 最 も 多 い 収 穫 は 、 に ん じ ん の 5,870t 、 次 に ほ う
れ ん そ う 2,760t 、 ね ぎ 2,581t と 続 き 、 こ れ ら は 作 付 面 積 ・ 出 荷 量 ・ 産 出 額 の い ず れ も
全国 1 位となっている。
表1
農業粗生産額 とその内訳
1,121 千万円
合計
783 千万円
耕種計
91 千万円
米
1 千万円
麦類
0 千万円
雑穀
千万円
72
豆類
30 千万円
いも類
481 千万円
野菜
16 千万円
果実
85 千万円
花き
1 千万円
工芸農作物
種苗・苗木類・そ
7 千万円
の他
畜産計
肉用牛
乳用牛
うち生乳
豚
鶏
うち鶏卵
うちブロイラ
ー
その他畜産物
(養蚕を含む)
加工農産物
338
5
164
148
17
x
x
x
x
千万円
-
千万円
千万円
千万円
千万円
千万円
千万円
千万円
千万円
千万円
出 典 : 農 林 水 産 省 「 平 成 17 年 生 産 農 業 所 得 統 計 」
( 注 )〔 表 中 に 使 用 し た 符 号 〕 「 -」 事 実 の な い も の 、「 0」 単 位 に 満 た な い も の 、「 …」 事 実 不
詳 又 は 調 査 を 欠 く も の 、「 x」 秘 密 保 護 上 統 計 数 値 を 公 表 し な い も の
な お 、こ れ ら の 統 計 値 の 一 部 に は 、各 調 査 結 果 を 基 に 情 報 収 集 に よ り 加 工 し た も の の ほ か 、他
機関における取りまとめ値等を基に作成したものが含まれています。
31
農産物・畜産物の面では千葉市の特産物を活かし学校給食にも数多くの畜産農物の使用
や子どもと生産者の交流なども行なわれている。また酪農を支援する施設として乳牛育成
牧場の開設や、市民が農作物への理解を深め、ふれあえる為の施設としてふるさと農園等
の 農 業 関 連 施 設 の 設 置 を し て 農 業 の 促 進 を 測 っ て い る 。 ま た 、 昭 和 53( 1978) 年 に は 都
市農業の普及拠点として農政センターが開設された。ここでは優良種苗の生産・供給など
を行い千葉市の農業の原動力になっている。野菜・花きなどのほ場や試験展示施設を設置
し農家への営農指導にも力を入れている。
地域で生産したものを地域で消費する地産地消にも力を入れており、農作物やレシピの
紹 介 な ど 地 産 地 消 促 進 の た め の ホ ー ム ペ ー ジ も 開 設 し て い る 。 ま た 、 平 成 27( 2015) 年
を目標年次に策定された「いずみグリーンビレッジ」の構想では、地域農業の振興を基軸
に生活環境の向上と自然環境の保全を図り、都市部と農村部における交流を促進し地域の
活性化を目指す事業を展開している。
平 成 13( 2001) 年 に 農 業 振 興 の 一 環 と し て 、 農 業 に 興 味 を 持 ち 農 業 に 従 事 し て み た い
人と人手を求める農家とを結びつけ雇用促進を図る農業版のハローワークを実施している。
制度の実施から希望者を合理的に募れるようになり、成果をあげている。また、新規就農
希 望 者 へ の 支 援 も 平 成 18( 2006) 年 度 か ら 始 ま っ て お り 、 新 た な 担 い 手 の 育 成 確 保 に 努
めている。マンパワー支援と同時にボランティア活動も活発化しており、地元農産物の活
性化を支えている。
「食」に関しては、消費者の不安や不信につながるニュースは多く、食品の安全・安心
の確保に向けた取り組みを求める声は以前にも増して大きい。このような中、安全で安心
な食生活を目指した取り組みが多く行われている現状が見受けられる。
5. 2 「 農 」 に 関 す る 行 政
近年、わが国では明治以来、世界でも有数の経済大国として発展してきた。しかし、国
民総生産や所得水準は向上したものの、市民が生活面での豊かさを実感できないという声
も 存 在 し て い る 。こ の よ う な 状 況 の 中 、21 世 紀 に は 新 た な 豊 か さ が 求 め ら れ て い る と い え
る。千葉市では市民、民間団体、企業、行政が一体となって「人間尊重・市民優先」を基
本 理 念 に「 人 と ま ち い き い き と 幸 せ に 輝 く 都 市 」を 基 本 目 標 と し 、平 成 11 年( 1999 年 )
12 月 に 「 千 葉 市 基 本 構 想 」( 千 葉 市 新 総 合 ビ ジ ョ ン ) を 立 ち 上 げ た 。
現在は、この「千葉市基本構想」の実施計画である「5か年計画」の一環として、平成
13 年 ~ 平 成 22 年 度( 2001 年 4 月 ~ 2011 年 3 月 )の 10 年 間 に わ た り「 都 市 と 調 和 し た 農
業 を 目 指 し て 」を 目 標 と し た「 千 葉 市 農 業 基 本 計 画 」が 制 定 さ れ た 。こ の 計 画 は 、
「良質な
農 畜 産 物 の 安 定 供 給 」「 農 業 の 持 続 的 な 発 展 」「 農 業 ・ 農 村 の 持 つ 多 面 的 機 能 の 発 揮 」 を 3
本の柱とした、都市の復興、良質な農畜産物の供給、環境と農業の調和、都市と農村の交
流促進、地域の活性化を図るという内容のものである。
同じように、
「 5 か 年 計 画 」の な か で も 平 成 18 年 ~ 22 年 度( 2006 年 4 月 ~ 2010 年 3 月 )
を 対 象 と し た「 第 2 次 5 か 年 計 画 」で は 、
「 第 8 部 第 2 章 都 市 農 林 業 の 復 興 を 図 る 」に お
いて、農作業受託組織の育成や地産地消の推進、環境型農業の推進など、より詳しい実地
項目を年頭に置き、政策を実地中である。
ま た 、 平 成 17( 2005) 年 に 国 に よ っ て 定 め ら れ た 「 食 料 ・ 農 村 ・ 農 業 基 本 計 画 」 に 基
づ き 、千 葉 市 で は 農 業 の 持 続 的 な 発 展 の た め に「 認 定 農 業 者 だ け で は な く 、小 規 模 農 業 者 、
兼 業 農 業 者 を も 交 え た 、集 落 を 基 盤 と し た 営 農 組 織 の 法 人 化・育 成 」
「担い手の 人材育成 ・
確 保 」「 農 地 の 有 効 利 用 の 促 進 」「 経 営 安 定 対 策 の 確 立 」 な ど が 対 策 と し て あ げ ら れ 、 平 成
19 年 度 ( 2008 年 ) 2 月 か ら は こ の 「 食 料 ・ 農 村 ・ 農 業 基 本 計 画 」 の 下 、 農 業 の 持 続 的 発
展と多面的機能の健全な発揮を目的とした「農地・水・環境保全向上対策」が本格実施さ
れる。これは 先にあげた生活面での豊かさではない「新たな豊かさ」の発展、さらには
高齢化や混住化が進行し、農地や農業用水などの資源を守る集落機能の向上を目的として
いる。
32
5. 3 「 食 」 に 関 す る 行 政
食の安全が叫ばれる昨今、上記のような農業政策のもと、千葉市ではホームページ内に
お い て 農 薬 の 基 礎 知 識 や BSE( 牛 海 綿 状 脳 症 )、 鳥 イ ン フ ル エ ン ザ ( 高 病 原 性 鳥 イ ン フ ル
エンザ)などを掲載し、食の安全性に関して紹介している。
ま た 、千 葉 県 で は 県 民 の 健 康 を 守 り 、安 全 で 安 心 な 食 生 活 を 確 保 す る た め 、平 成 18( 2006)
年4月に「千葉県食品の安全・安心の確保に関する条例」を制定した。この方針は食品関
連事業者や行政、消費者などがそれぞれ一体となって食の安全・安心をより確かなものに
していくことを目標としており、具体的には「千葉県食品衛生監視指導計画」に基づく、
保健所の監視指導や食品の検査、輸入食品の安全性の確保、県産農産物の安全性の確保、
食品の適正表示の義務などがあげられる。
保 健 福 祉 セ ン タ ー な ど の 機 関 に よ る 監 視 指 導 や 食 品 の 検 査 等 で は 、 平 成 18 年 度 は 、 食
品 営 業 施 設 に 対 し 、 計 88,305 件 の 監 視 指 導 を 実 施 し 、 県 内 に 流 通 す る 3,110 検 体 ( 食 品 )
について、残留農薬、細菌などの検査を行った。その結果、食品等で9件の違反、食中毒
の 発 見 が 23 件 あ っ た 。そ し て 、県 内 で 流 通 す る 輸 入 食 品 の 監 視 指 導 に お い て は 、189 品 目
の 輸 入 食 品 を 検 査 し た 。ま た 、県 産 農 産 物 の 残 留 農 薬 分 析 で は 、149 検 体( 食 品 )、132 項
目を行った。どちらの検査でも違反はないことが確認されている。
適正表示の義務に関しては、県をあげて「千葉県食品表示ウォッチャー」を公募し、県
民に委託している。それに伴ってか、千葉市でも市民から公募したモニターに物価動向、
商品の表示や内容量などの調査を市民に委託する「消費者モニター制度」を設けている。
平 成 19 年 度 ( 2008 年 ) 3 月 に は 「 物 価 モ ニ タ ー 」「 計 量 モ ニ タ ー 」「 消 費 生 活 モ ニ タ ー 」
の3つに分かれている消費者モニター事業のうち、
「 消 費 生 活 モ ニ タ ー 」に よ っ て「 商 品 の
包 装 と 環 境 問 題 に つ い て 」「 加 工 食 品 と 原 料 原 産 地 表 示 に つ い て 」「 ト レ ー サ ビ リ テ ィ っ て
何だろう?」
「 ち ば エ コ 農 産 物 の 現 状 に つ い て 」と い う 学 習 テ ー マ を も と に し た 、グ ル ー プ
学習の成果を発表する予定である。
ま た 、千 葉 市 食 品 衛 生 協 会 で は「 営 業 施 設 の 巡 回・指 導 」
「食品衛生責任者養成講習会の
開 催 」「 食 品 衛 生 講 習 会 」「 食 中 毒 予 防 キ ャ ン ペ ー ン 」 な ど 食 の 安 全 に 関 わ る 指 導 を 行 っ て
いる。
こうした県の取り組みで食の安全が保たれる中で、千葉市は地域で生産したものを地域
で消費する「地産地消」を推進している。
小学校、特別支援学校の給食では、千葉市でとれる農産物を多く取り入れている。平成
18 年 度 の 給 食 の 献 立 に は 、千 葉 の だ い こ ん 、落 花 生 、さ つ ま い も 等 が 入 れ ら れ 、市 民 の 日
には特別メニューが出される。それは、千葉市が千葉県下で生産量1位である牛乳、千葉
の郷土料理であるいわしのつみれや、花見川区を中心に収穫される「花どりにんじん」を
使った、ちはな丼やゼリーなどである。千葉市でとれる農産物を献立に取り入れ、子ども
たちが千葉市の農業や食文化などを知り「ふるさと千葉」を愛する心を育てることを目的
にしている。
5. 4 千 葉 市 の 「 食 」 と 「 農 」 の 行 政 に つ い て
先にもあげたとおり、日本は世界でも有数の経済大国として発展してきた反面、生活面
での豊かさを実感できないという声も存在している。それ以前に、食に関してはメディア
等 で も 連 日 と り あ げ ら れ る ほ ど 、「 食 の 安 全 性 」 に 関 す る ぬ か る み が 後 を た た な い 。
そ の よ う な 現 代 で は あ る が 、 千 葉 市 の 「 食 」「 農 」 に 関 す る 取 り 組 み は 年 々 行 政 の 強 化
をはかっている。その為、今の生活には数少ない「生活面での豊かさ」が実感できる日も
遠くはないかもしれない。しかし、千葉市だけが生活面での豊かさを実感することができ
る 都 市 と な る の で は な い 。 21 世 紀 を 担 う 都 市 と し て 、 千 葉 市 の 発 展 は 期 待 さ れ て い る 。
<引用・参考文献>
千 葉 市 総 務 局 市 長 公 室 広 報 課 、 2007『 市 民 フ ォ ト ち ば 2007 秋 号 No.140』
千 葉 県 総 合 企 画 部 報 道 広 報 監 督 報 道 広 報 室 、 2007『 県 民 だ よ り 』
33
千葉市農林業ホームページ
http://www.city.chiba.jp/keizainosei/nosei/nosei/nouringyoutop.html
県の食と農について
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yuri-i/gikai0106.html#Anchor104
関東農政局ちば
http://www.chiba.info.maff.go.jp/link.html
千葉市ホームページ
http://www.city.chiba.jp/
関 東 農 政 局 千 葉 農 政 事 務 所 、 2007、「 千 葉 の 農 林 水 産 業 」
http://www.chiba.info.maff.go.jp/toukei/pdf/cdata19.pdf
34
6. 千 葉 市 の 健 康 行 政
A42802
原
栄理
A52052
池田 奈月
A52070
橋本 紀子
6. 1 新 世 紀 ち ば 健 康 プ ラ ン < 健 康 日 本 21・ 千 葉 市 計 画 >
千葉市では、
「 千 葉 市 基 本 構 想 」に 定 め る 基 本 目 標 の 実 現 に 向 け て 、市 政 の 運 用 の 中 長 期
的 な 指 針 「 ち ば ビ ジ ョ ン 21」 及 び そ の 実 施 計 画 「 第 2 次 5 か 年 計 画 」 [千 葉 市 2004]の 推
進に取り組んでいる。これらと、市政の特定課題に対応するため各部局が策定する「個別
計 画 」 が あ り 、 新 世 紀 ち ば 健 康 プ ラ ン < 健 康 日 本 2 1 ・ 千 葉 市 計 画 > [千 葉 市 保 健 福 祉 局
2002]( 以 下 、健 康 プ ラ ン )と は 、こ の 個 別 計 画 の 保 健 福 祉 に 関 す る も の で あ る 。こ れ は 、
「 千 葉 市 新 総 合 ビ ジ ョ ン 」に 基 づ き 、
「 安 心 し て 暮 ら せ る 健 康 福 祉 の ま ち を 創 る 」こ と を 目
指 し 、「 一 次 予 防 に 重 点 を 置 い た 健 康 づ く り 」 と 「 親 と 子 が 健 や か に 暮 ら せ る 社 会 づ く り 」
を総合的・効果的に推進するため、市民や行政、関係機関・団体等が一体となって健康づ
く り に 取 り 組 む た め の 行 動 計 画 で あ る 。こ の 健 康 プ ラ ン は 、平 成 14 年 (2002 年 ) 12 月 に 策
定 さ れ 、 市 民 ぐ る み の 健 康 づ く り 運 動 を 総 合 的 に 推 進 し て い る 。 計 画 の 期 間 は 、 平 成 14
年 度 ( 2002 年 度 ) を 初 年 度 と し 、 平 成 22 年 度 ( 2010 年 度 ) を 目 標 年 度 と す る 9 年 間 の
計画であり、中間年に計画の進歩状況を評価し、内容の見直しを行う。
( 1) 計 画 策 定 の 背 景 と 位 置 づ け
わが国では、ライフスタイルの変化や人口の急激な高齢化とともに、がん、心臓病、脳
卒中、糖尿病などの生活習慣病が増加し、深刻な社会問題となっている。また、親子間に
おいても、改善の余地のある課題や思春期における健康課題、親子の心の問題など、新た
な課題が存在する。
そ こ で 、国 は 、平 成 12 年 (2000 年 )4 月 か ら「 健 康 日 本 21」を 、ま た 、「 親 と 子 が 健 や か
に 暮 ら せ る 社 会 づ く り 」 を め ざ し 、 平 成 12 年 (2000 年 )11 月 か ら 、「 健 や か 親 子 21」 を 総
合的に展開している。
千葉市においても、国と同様に生活習慣病や母子保健分野での様々な課題が年々増加し
ている。今後は、市民の価値観、ライフスタイルの多様化に考慮しながら、より高い健康
水準の達成を目指し、健康なまちづくりを進めていくことが重要となっている。そこで、
「 健 康 日 本 21」の 基 本 的 な 考 え 方 を 踏 ま え 、市 民 の 健 康 づ く り の 運 動 を 総 合 的 に 推 進 す る
ことを指針とし、千葉市の地域特性や実情を反映させた千葉市独自の計画として「新世紀
ちば健康プラン」を策定した。
① 「 健 康 日 本 21( 21 世 紀 に お け る 国 民 健 康 づ く り 運 動 )」
わが国における健康課題や健康増進施策の世界的な潮流を踏まえ、一次予防に重点を置
いた対策を推進することとし、
「 栄 養・食 生 活 」
「 身 体 活 動・運 動 」
「 休 養・こ こ ろ の 健 康 づ
く り 」「 た ば こ 」「 ア ル コ ー ル 」「 歯 の 健 康 」「 糖 尿 病 」「 循 環 器 病 」「 が ん 」 の 9 つ の 分 野 に
つ い て 、 平 成 22 年 (2010)年 を 目 途 と し た 到 達 す べ き 保 険 医 療 の 水 準 の 目 標 値 を 定 め 、 個
人の力と社会全体の支援を通じ、その達成をめざすものである。
② 健 や か 親 子 21「( 母 子 保 健 の 平 成 22 年 (2010 年 )ま で の 国 民 運 動 計 画 )」
21 世 紀 の 母 子 保 健 の 主 要 な 取 り 組 み を 提 示 す る ビ ジ ョ ン で あ り 、「 思 春 期 の 保 険 対 策 の
強化と健康教育の推進」
「 妊 娠・出 産 に か ん す る 安 全 性 と 快 適 さ の 確 保 と 不 妊 へ の 支 援 」
「小
児 保 健 医 療 水 準 の 維 持・向 上 さ せ る た め の 環 境 整 備 」
「子どもの心の安らかな発達の促進と
育児不安の軽減」の4つを主要課題として、その取り組みの方向性、具体的な取り組みを
示すものである。
35
( 2) 計 画 が め ざ す も の ~ 健 康 を 全 て の 市 民 に ~
心身ともに健康で、生涯を通じ健やかな生活を送ることは、全ての市民の願いである。
しかし、心身に生涯や健康上の課題を抱えていても、自分らしくいきいき過ごすことがで
きればその人にとって「健康」な状態ということができる。この計画は、たとえ心身に生
涯や健康上の課題を抱えていても、
「 自 分 は 健 康 で あ る と い う 意 識 」を 持 ち 、毎 日 を い き い
きとくらすことを目標としている。すなわち「主観的健康感」の向上を重視している。
この計画では、市民の役割を、従来の保健サービスの受け取り手から健康づくりの主役
と し 、計 画 の 更 生 や 内 容 な ど 全 て に わ た り 、
「 市 民 主 役 の 健 康 づ く り 」の 視 点 で 策 定 し て い
る 。そ の た め 、市 民 や 行 政 、関 係 機 関・ 団 体 等 が 一 体 と な っ て め ざ す べ き 目 標( 健 康 目 標 )
を 設 定 す る と と も に 、そ の 目 標 を 達 成 す る た め の 具 体 的 な 取 り 組 み や 推 進 方 策 を 提 示 し た 。
また、ライフスタイルや健康課題においては、性差や世代によって市民一人一人で大きく
異なるため、
「 ラ イ フ ス テ ー ジ に 応 じ た 健 康 づ く り 」の 視 点 に 立 っ て 、男 女 別 や 人 生 の 各 段
階における特徴と課題に応じた取り組みについて示した。
「市民の健康づくり運動」を進めるにあたっては、ヘルスプロモーションの理念に基づ
き、市民が主体的に取り組む健康づくりを、社会全体で支援していくため、家庭・地域・
学校・企業・行政・健康に関する全ての関係機関・団体等が相互に連携し一体となった体
制を構築していくこととした。
「 健 康 日 本 21」で は 、国 民 が 主 体 的 に 取 り 組 め る 健 康 づ く り 運 動 を 推 進 す る た め に 、個
人の力に加え、社会全体で支援していくことが重要であるとして、ヘルスプロモーション
の理念を掲げている。
ヘルスプロモーションとは、
『 人 々 が 自 ら 健 康 を コ ン ト ロ ー ル し 、改 善 す る こ と が で き る
よ う に す る プ ロ セ ス で あ る 。(昭 和 61 年 (1986 年 )、世 界 保 健 機 構 (W H O ))』と さ れ て い る 。
すなわち、様々な実施主体が知識や技術の提供や環境づくりの側面からサポートを行って
いくことによって、市民を自らの主体的な取り組みによる健康づくりがより効果的に、よ
り容易に達成できるようになるプロセスといえる。
( 3) 計 画 の 目 標
〔健康目標〕
健康目標は、次の3つの視点から、分野ごとに具体的な目標を設定した。
①市民の健康状態
肥 満 度 や 歯 の 本 数 な ど の 身 体 状 況 と 、 健 (検 )診 結 果 や 死 亡 率 か ら み た 病 気
の状況など、客 観的にはかる ことのでき る市 民の健康状態の 目標である。
②健康に関わる意識・行動
生活習慣病や、親と子がともに健やかに育ち合うことを達成するための、
市民自身の意識と行動の目標である。
③行政・関連機関の取り組み
健康づくりや子育てなどに取り組む市民を社会全体で支援していくため、
行政、関連機関などが、それぞれの役割を担いつつ連携し、様々な支援や
環境を整備している。
こ れ ら の 目 標 を 数 値 化 し 、健 康 目 標 の 達 成 度 を 評 価 す る 。目 標 値 設 定 の 考 え 方 と し て は 、
国と同じか国の目標値の設定方法を参考にして設定、もしくは千葉市の健康課題に対応し
て独自に設定している。
36
( 4) 基 本 方 針
基 本 理 念・基 本 目 標 を 達 成 す る た め に 、
「 生 活 習 慣 病 の 改 善・予 防 の 目 標 」、
「親と子が健
やかに育ち合う ための目標」と いう 2 つの分 野を設定して、個々 の分野別ご とに現状分 析
を 行 っ て 健 康 課 題 を 抽 出 し 、 そ こ か ら 具 体 的 な 健 康 目 標 (指 標 )と 健 康 目 標 の 実 現 に 向 け た
具体的な取り組みを定めていく。更に、ライフステージごとに重要な取り組みを定め、生
涯を通した健康づくりを推進していく。
①ライフステージ
誕 生 か ら 5 歳 ま で を 幼 年 期 。5 歳 か ら 15 歳 ま で を 少 年 期 、15 歳 か ら 25 歳 ま で を 青 年 期
と す る 。25 歳 か ら 45 歳 ま で は 壮 年 期 と し 、45 歳 か ら 65 歳 ま で は 中 年 期 、65 歳 以 上 は 高
齢期とした。
②「生活習慣病の改善・予防の目標」
1.栄 養 ・ 食 生 活 … お い し く バ ラ ン ス よ く 食 べ る こ と で 、 い き い き 楽 し い 生 活 と 健 康 長 寿 を
実現する。
2.身 体 活 動 ・ 運 動 … 楽 し く 身 体 を 動 か す 親 子 の 増 加 を め ざ す 。
3.休 養 ・ こ こ ろ の 健 康 づ く り … こ こ ろ の 栄 養 補 給 の た め 、 家 族 や 仲 間 そ し て 自 然 と の 豊 か
なコミュニケーションづくりを目指す。
4.た ば こ … 自 分 の 身 体 の 健 康 と 、 周 り の 人 の 健 康 を 、 た ば こ の 害 か ら 守 る 。
5.ア ル コ ー ル … お 酒 は 、 適 量 や ル ー ル を 守 っ て 、 楽 し く 飲 む 。
6.歯 の 健 康 … 健 康 な 毎 日 を 送 る 第 一 歩 と し て 、 歯 と 歯 茎 の 健 康 づ く り に 家 族 み ん な で 取 り
組む。
7.糖 尿 病 … 運 動 や 食 習 慣 を 見 直 し 、 糖 尿 病 を 予 防 す る 。
8.循 環 器 病 … 一 人 一 人 が 危 険 因 子 を 減 ら し 、 脳 卒 中 や 心 臓 病 を 予 防 す る 。
9.が ん … 禁 煙 や 食 習 慣 の 改 善 と 検 診 で 、 が ん の 減 少 を 目 指 す 。
③「親と子が健やかに育ち合うための目標」
1.思 春 期 … 思 春 期 の 若 者 が 、 あ ら ゆ る 場 面 で 自 分 を 大 切 に し た 行 動 を と る こ と を 目 指 す 。
2.妊 娠 ・ 出 産 ・ 不 妊 … 安 心 し て 妊 娠 ・ 出 産 に 主 体 的 に 取 り 組 む こ と を 目 指 す 。
3.小 児 保 健 医 療 … 子 ど も が 安 全 に 、 健 や か に 育 つ 環 境 づ く り を 進 め る 。
4.育 児 不 安 … 不 安 な く の び の び と 育 ち 合 う 親 子 を 増 や す 。
( 5) 計 画 に 基 づ く 事 業
以上の計画策定の趣旨を踏まえ、具体的に千葉市が掲げている「安心して暮らせる健康
福祉のまちを創る」ための事業をいくつか紹介する。千葉市では、誰もが一生を安心して
健 康 に 過 ご す こ と が で き る よ う 、地 域 保 健 福 祉 体 制 等 保 健 福 祉 基 盤 の 充 実 を 図 る と と も に 、
保健サービスや医療体制の充実により健康づくりを推進している。これを推進するために
5 つ の 軸 が あ る 。「 Ⅰ .保 健 福 祉 基 盤 の 充 実 を 図 る 」は 、保 健 ・ 医 療 ・ 福 祉 の 緊 密 な 連 携 の
もと、利用者の立場に立ったより質の高いサービス提供体制の確立や利用者の保護を図る
ともに、保健福祉サービスの情報の提供に努め、地域福祉の推進や保健福祉センター総合
相談窓口の整備を実施している。
「 Ⅱ .健 康 づ く り を 推 進 す る 」で は 、市 民 が 健 康 で 充 実 し
た生活を送れるよう健康づくり体制を整備し、インターネットを活用した健康づくりの情
報提供などを行っている。
「 Ⅲ .活 力 あ る 長 寿 社 会 を 創 造 す る 」で は 、積 極 的 な 健 康 づ く り
や社会参加を高めるため、生涯学習の振興や就業機会の提供など、生きがい対策の推進と
し て 、い き い き セ ン タ ー の 整 備 や こ と ぶ き 大 学 校 の 学 科 新 設 を 実 施 し て い る 。
「 Ⅳ .安 心 し
て生み、育てる環境づくりを推進する」では、子育ての相談体制や子育てと就労の両立を
支 援 す る た め に 「 地 域 子 育 て 支 援 セ ン タ ー 」、「 子 育 て リ ラ ッ ク ス 館 」、「 一 時 ・ 特 定 保 育 」、
「 子 ど も ル ー ム 」の 拡 充 な ど を 各 区 で 行 っ て い る 。
「 Ⅴ .障 害 の あ る 人 も な い 人 も 共 に 暮 ら
せる社会を実現する」では、障害者の地域生活を支援する拠点として、各施設の整備・拡
充を図っている。
37
このように、活力ある長寿社会の創造に向けて、保健サービスや生きがい対策の充実を
図るとともに、子育て支援の充実など安心して生み育てることのできる環境づくりや障害
者の自立と社会参画を促進し、障害のある人もない人も共に安心して暮らせる社会を目指
している。
6. 2 千 葉 市 に お け る 健 康 関 連 施 設 と 概 要
前述の通り、保健福祉基盤の充実を図る目的のために設置されている、市民の健康につ
いての受け皿となる保健所と、各区の保健福祉センター健康課(稲毛区と花見川区は保健
センター、以下保健福祉センター)の具体的な活動を取り上げる。なお、市民に配られる
健康プランのパンフレットには行政の担当として保健所や保健福祉センターなどが挙げら
れているが、健康プラン内に連絡先などは記載されていない。
(1)千 葉 市 保 健 所
保 健 所 は 1997 年 の 地 域 保 健 法 に 基 づ き 、 都 道 府 県 、 政 令 指 定 都 市 、 中 核 市 そ の 他 指 定
された市又は特別区が設置する。千葉市は政令指定都市であるために、義務として保健所
が設置されている。
(2)保 健 福 祉 セ ン タ ー
千葉市には 6 つの行政区があるが、それぞれに保健福祉センターが設置されている。ま
た,これらの各区担当課が企画する各種健康に関する情報は、千葉市内の全ての世帯に配
布される「千葉市政だより」の行政区面の下部に、いずれの区でも掲載されている。
中央区 :中央保健福祉センター健康課
花見川区:犢橋保健センター
稲毛区 :小中台保健センター
若葉区 :若葉保健福祉センター健康課
緑区
:緑保健福祉センター健康課
美浜区 :美浜保健福祉センター健康課
※ 花 見 川 区 と 稲 毛 区 は 、第 2 次 5 か 年 計 画 の 中 で 保 健 福 祉 セ ン タ ー へ の 整 備 が 進 め ら れ て
いる。
(3)そ の 他 の 保 健 機 関
千葉市では、先に挙げた保健センター以外にも、職場における保健に関する様々な問題
の相談を受ける千葉市地域産業保健センター、市の施設ではないが千葉産業保健推進セン
ターとも連携を取り、健康行政を行っていく旨を健康プランで示している。また、千葉市
地域産業保健センターに関する情報は、
「 千 葉 市 地 域 産 業 保 健 セ ン タ ー 利 用 の し お り 」を 作
成し、配布している。
6. 3 各 施 設 の 保 健 に 関 す る 取 り 組 み
( 1) 千 葉 市 保 健 所
千葉市の健康行政における保健所の役割は,施政方針に基づく業務となっている。しか
し、千葉市保健所の業務はあくまで下記に示した範囲でおこなわれており、健康プランの
周知はその業務内容に含まれていない。保健所において健康プランまたは健康に関するイ
ンフォメーションのパンフレットを申請したところ、保健所職員からはパンフレットの配
布は保健所ではしておらず、千葉市役所の健康企画課へ行くように指示された。このこと
から,保健所は健康プランなどを用いた健康行政の啓蒙をすることはなく、保健所として
の役割に対処する場であると言える。
38
( 2) 保 健 福 祉 セ ン タ ー
「 千 葉 市 政 だ よ り 」 2008 年 1 月 号 ( No.190) に 掲 載 さ れ た 各 区 保 健 福 祉 セ ン タ ー の イ
ベント情報の特徴は以下のようなものである。各区に共通するのは、栄養相談と離乳食教
室と乳幼児もしくは成人の歯科相談が行われていることである。また、どの区においても
乳幼児およびその父母を対象としたイベントが何らかの形で行われており、逆に高齢者向
けのイベントはほとんどない。その他、精神保健福祉相談も各区で行われているが、紙面
の都合によるのか、花見川区版と稲毛区版には記載されていない。これらの情報は、先に
挙 げ た 千 葉 市 政 だ よ り 以 外 に も 、各 区 の 保 健 福 祉 セ ン タ ー の Web で 紹 介 し て い る 場 合 も あ
る。
[付記]留意点
本 プ ラ ン で は 、中 間 年 に 進 歩 状 況 を 評 価 し 内 容 の 見 直 し を 行 う と あ る が 、平 成 20 年 (2008
年 )2 月 28 日 現 在 、 結 果 は 市 の 公 式 ウ ェ ブ サ イ ト 上 で は 公 表 さ れ て い な い 。 こ の た め 、 こ
のプランによって実際に市民の健康状況がどれほど向上したのかについては明らかでない。
<参考資料>
千 葉 市 保 健 福 祉 局 健 康 部 健 康 企 画 課 、 2002『 新 世 紀 ち ば 健 康 プ ラ ン < 健 康 日 本 21・ 千 葉
市計画>』
千 葉 市 、 2006『 千 葉 市 第 2 次 5 か 年 計 画 平 成 18~ 22 年 度 (2006~ 2010 年 )』
千葉市「保健所トップページ」
http://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/kenkou/hokenjo/somu/hokenjo_top.html ( 2008
年 2 月 18 日 )
39
4章
食の簡便化と食の安全への意識
1. 家 族 関 係 の 希 薄 化 ・ 女 性 の 就 労 と 食 の 簡 便 化
A52061
笹野井
絵梨
1. 1 調 査 目 的
フ ァ ミ リ ー レ ス ト ラ ン や 、コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア な ど 、現 代 の 私 た ち の 食 生 活 に 、外 食 ・
中食は欠かせないものとなっている。外食・中食産業の発展と共に、食事作りにかける時
間は短縮され、便利になった反面、食の簡便化は、自分自身の目で食材を吟味し、買い求
め る 過 程 が 省 か れ て し ま う の で 、食 の 安 全 性 が そ こ な わ れ る こ と に つ な が る 問 題 で も あ る 。
これらの「食の軽視」に着目し、その中から、食の簡便化として調理にかける手間の簡略
化を取り上げ、調理の手間の簡略化は、どのようなことが関連しているのか検討すること
を、今回の調査目的としている。
1. 2 仮 説
<作業仮説1>
<作業仮説2>
家族との日常生活行動頻度が低い人は、調理に手間をかけない。
働 い て い る 女 性 は 働 い て い な い 女 性 と 比 較 し て 、調 理 に 手 間 を か け な い 。
1. 3 仮 説 検 証 に 用 い た デ ー タ の 分 析
( 1) 調 理 に か け る 手 間 ( 単 純 集 計 結 果 表 参 照 )
Q40_a 料 理 の 際 、 カ ツ オ や ニ ボ シ や 昆 布 な ど か ら ダ シ を と っ て 作 る に 関 し て 、「 よ く す
る 」が 18.5%、
「 と き ど き す る 」が 24.6%、
「よくする」
「 と き ど き す る 」を 合 わ せ る と 43.1%
となり、全体を通してカツオなどからダシをとる人のほうが少ない。
Q40_b 料 理 の 際 、野 菜 は カ ッ ト 野 菜 な ど 使 わ ず に 切 る と こ ろ か ら は じ め る に 関 し て 、
「よ
く す る 」 が 90.0%で あ り 、 大 半 の 人 が カ ッ ト 野 菜 を 使 わ ず 野 菜 を 切 る と こ ろ か ら 調 理 を 始
めている。自分で野菜を切ることについて「調理にかかる手間」という意識は低いことが
考えられる。
Q40_c 料 理 の 際 、 見 た 目 ( 彩 り 、 盛 り 付 け る お 皿 な ど ) に 気 を 配 っ て 作 っ て い る に 関 し
て、
「 よ く す る 」が 52.8%、
「 と き ど き す る 」が 34.0%で あ り 、
「よくする」
「ときどきする」
を 合 わ せ る と 86.8%と な り 、 全 体 を 通 し て 料 理 の 際 見 た 目 に 気 を 配 っ て 調 理 を し て い る 人
のほうが多い。
Q40_d 料 理 の 際 、 味 付 け 調 味 料 ( マ ー ボ ー 豆 腐 の 素 、チ ャ ー ハ ン の 素 な ど )に 頼 っ て 味
付 け を し て い る に 関 し て 、「 よ く す る 」 が 13.8%、「 と き ど き す る 」 が 46.3%、「 よ く す る 」
「 と き ど き す る 」 を 合 わ せ る と 60.1%と な る 。 半 数 以 上 の 人 が 、 味 付 け 調 味 料 に 頼 っ た 味
付 け を し て い る 。 Q40_a~ Q40_d に つ い て は 、 以 下 、 分 析 の た め 「 よ く す る 」「 と き ど き
す る 」 を 「 し て い る 」 と し 、「 あ ま り し な い 」「 ま っ た く し な い 」 を 「 し て い な い 」 と し 、
回答項目を統合した。
( 2) 家 族 と の 日 常 生 活 行 動 ( 単 純 集 計 結 果 表 参 照 )
Q26_a 家 族 と の 団 ら ん( テ レ ビ を 一 緒 に 見 る 、日 常 的 な 会 話 な ど )に 関 し て「 よ く す る 」
が 69.5%、
「 た ま に す る 」が 17.3%で あ り 、
「よくする」
「 た ま に す る 」を 合 わ せ る と 86.8%
となり、大半の人が家族との団らんをしている。
Q26_b 外 食 ( 休 日 や 家 族 の 誕 生 日 な ど ) に 関 し て 「 よ く す る 」 が 22.9%、「 た ま に す る 」
が 48.7%で あ り 、「 よ く す る 」「 た ま に す る 」 を 合 わ せ る と 71.6%と な り 、 全 体 と し て 家 族
との外食をする頻度が高い人が多い。
Q26_c 日 用 品 の 買 い 物 に 行 く に 関 し て 「 よ く す る 」 が 37.2%、「 た ま に す る 」 が 35.2%
で あ り 、「 よ く す る 」「 た ま に す る 」 を 合 わ せ る と 72.4%と な り 、 全 体 と し て 家 族 と 日 用 品
の買い物をする頻度が高い人が多い。
Q26_d( 家 族 と の ) 散 歩 は 、「 あ ま り し な い 」 が 29.6%、「 ま っ た く し な い 」 が 26.4%で
40
あ り 、「 あ ま り し な い 」「 ま っ た く し な い 」 を 合 わ せ る と 57.0%で あ り 、 半 数 以 上 の 人 が 家
族との散歩の頻度はあまり高くない。
Q26_e 悩 み 事 、 心 配 事 な ど の 込 み 入 っ た 会 話 は 「 よ く す る 」 が 24.6%、「 た ま す る 」 が
50.2%で あ り 、「 よ く す る 」「 た ま に す る 」 を 合 わ せ る と 74.8%と な り 、 7 割 あ ま り の 人 が
家族と悩み事などの込み入った会話をしている。
( 3) 女 性 の 就 労 形 態 ・ 労 働 時 間 ・ 労 働 日 数 ( 単 純 集 計 結 果 表 参 照 )
F4 就 労 形 態 に 関 し て「 正 社 員( フ ル タ イ マ ー )」は 12.0%、
「 パ ー ト タ イ マ ー( ア ル バ イ
ト 含 む )」 は 29.0%、「 派 遣 社 員 」 は 3.8%、「 公 務 員 ・ 団 体 職 員 な ど 」 は 3.8%、「 商 店 な ど
の 自 営 業 ・農 林 業( 家 族 従 業 員 含 む )」は 4.7%、「 そ の 他 」は 3.8%、「 無 職 」は 39.9%で あ
り 、無 職 の 女 性 が も っ と も 多 い 。
「 そ の 他 」の 項 目 の 自 由 回 答 と し て 、自 宅 で の 英 会 話 教 師・
ピ ア ノ 教 師 ・ 作 家 な ど が あ り 、 F4 の 就 労 形 態 の 項 目 に 合 致 す る も の が な く 、「 そ の 他 」 に
つ い て は 欠 損 値 と し て 処 理 を し た 。 就 労 形 態 は 、「 正 社 員 ( 公 務 員 含 む )」、「 パ ー ト タ イ マ
ー ( ア ル バ イ ト ・ 派 遣 含 む )」 と 回 答 項 目 を 統 合 し て 、 分 析 を 進 め る 。
F6_a 一 週 間 の 平 均 労 働 時 間 に 関 し て 、 平 均 値 が 29.1 時 間 、 平 均 値 未 満 の 人 が 29.5%、
平 均 値 以 上 の 人 が 25.8%で あ っ た 。
F6_b 一 週 間 の 平 均 労 働 日 数 に 関 し て 、平 均 値 が 4.5 日 、平 均 値 を 5 日 と し 、5 日 未 満 の
人 が 20.8%、 5 日 以 上 の 人 が 33.4%で あ っ た 。 39.9%の 無 職 の 人 は 非 該 当 で は な く 労 働 時
間・労働日数ゼロとし分析を進める。
1. 4 仮 説 の 検 証
( 1) < 作 業 仮 説 1 > の 検 証
家族との日常生活行動頻度の高低と調理にかける手間に関連はあるのかどうかを検証す
る た め に 、質 問 項 目 Q26_a~ Q26_e の 選 択 肢 を 逆 転 さ せ て 合 成 し 、新 変 数「 共 時 行 動 頻 度 」
を 作 成 し た 。 合 成 は 、 選 択 肢 の 1、 2、 3、 4 を 「 よ く す る 」 4 点 、「 た ま に す る 」 3 点 、「 あ
ま り し な い 」 2 点 、「 ま っ た く し な い 」 1 点 と い う 数 値 を 与 え 、 そ れ ぞ れ の 回 答 項 目 の 数 値
を合計し、合計した数値を質問数で割った。こうして作成した「共時行動頻度」の平均値
は 14 点 で あ り 、14 点 よ り も 低 い 人 を 共 時 行 動 頻 度 が「 低 い 」と し 、14 点 よ り も 高 い 人 を
共時行動頻度が「高い」とした。新変数「共時行動頻度」のクロンバックのα信頼係数は
0.7 で あ り 、 こ れ ら の 項 目 に は 、 内 的 整 合 性 が 認 め ら れ た 。 表 1 は 、 新 変 数 「 共 時 行 動 頻
度 」 お よ び Q26_a~ Q26_e 家 族 と の 日 常 生 活 行 動 と 調 理 に か け る 手 間 ( Q40_a~ Q40_d)
をそれぞれクロス集計し、χ2 検定を行なった結果である。その中で有意な差が見られた
ものに着目し、以下に考察を加える。
表1 家族との日常生活共時行動と調理の手間
従属変数
Q40_a
カツオ等からダシをとる
新変数 共時行動頻度
独
立
変
数
Q26_a家族との団らん
Q26_b家族との外食
Q26_c日用品の買い物
Q26_d家族との散歩
Q26_e悩み事等相談
4.0932
0.0344
2.8320
0.1526
1.1871
5.4436
Q40_b
カット野菜不使用
*
1.3398
0.7587
0.0143
0.6618
3.2335
0.0181
*
注1) *…p<0.05 **…p<0.01 ***…p<0.001を表し、関連があると認められたクロス集計
注2) 値はχ2値を表す
41
Q40_c
料理の見た目配慮
6.8885
1.9259
2.5229
0.0087
7.0786
5.0322
Q40_d
味付け調味料使用
**
**
*
0.3645
5.4436
0.1427
0.0462
0.5325
3.9964
*
*
表2 家族との日常生活行動頻度とカツオ等からダシをとる
単位%、( )内は実数
カツオやニボシや昆布などからダシをとる
計
共時行動頻度
している していない
低い
36.2
63.8
100.0 (116人)
高い
48.0
52.0
100.0 (196人)
計
43.6
56.4
100.0 (312人)
2
p=.0431
χ (1)=4.0932
表3 家族との日常生活行動頻度と料理の見た目配慮
単位%、( )内は実数
料理は見た目に気を配って作っている
計
共時行動頻度
している していない
低い
81.9
18.1
100.0
(116人)
高い
91.8
8.2
100.0
(196人)
計
88.1
11.9
100.0
(312人)
2
p=.0087
χ (1)=6.8885
表 2・表 3 よ り 、家 族 と の 共 時 行 動 頻 度 が 高 い 人 ほ ど 、
「カツオなどからダシをとる」
「料
理の見た目に気を配って料理を作る」ことに関連があるといえる。日常生活の中で、家族
と共に過ごし行動する頻度が高い人ほど、コミュニケーションをとる機会も多いと考えら
れる。そのため、家族との共時行動頻度が高い人は、カツオなどからダシをとる手間をか
け、料理の見た目に気を配ったものを提供したいと思う人が多いのではないかということ
が考えられる。
ま た 、 表 1 よ り 、 家 族 と の 悩 み 事 等 の 相 談 ( Q26_e) に 着 目 す る 。 家 族 と の 悩 み 事 等 の
相談をすることと、調理の手間について関連している項目が多い。このことに着目し、表
を作成し、以下に考察をする。
表4 悩み事等の会話とダシをとること
単位%、( )内は実数
カツオやニボシや昆布などからダシをとる
計
悩み事等の会話
している していない
する
46.9
53.2
100.0
(254人)
しない
30.8
69.2
100.0
(65人)
計
43.6
56.4
100.0
(319人)
2
p=.0196
χ (1)=5.4436
表5 悩 み事 等 の 会 話 と料 理 の見 た 目配 慮 の クロ ス集 計
単 位 % 、( )内 は実 数
料 理の 見 た目 に気 を配 って作って いる
計
悩み 事等 の 会 話
している して いない
する
90.1
9.9
100.0
(253人 )
しない
80.0
20.0
100.0
(65人)
計
88.1
12.0
100.0
(318人 )
2
p=.0249
χ (1)=5.0322
表6 悩 み事 等 の 会 話と味 付 け調 味 料
単 位 % 、( )内 は実 数
味 付 け調 味料 に頼 って味 付 けしている
計
してい る
して いない
悩み 事等 の 会 話
する
62.9
37.2
100.0
(253人 )
しない
49.2
50.8
100.0
(65人)
計
60.1
39.9
100.0
(318人 )
2
p=.0456
χ (1)=3.9964
42
表 4・ 表 5 よ り 、 悩 み 事 な ど の 込 み 入 っ た 会 話 を す る 人 ほ ど 、 カ ツ オ な ど か ら ダ シ を と
る手間をかける・料理の見た目に気を配る傾向がある。家族との悩み事などの相談をする
人ほど、家族との関係が緊密で、家族間のコミュニケーションをよくとっていることが考
え ら れ る 。 家 族 関 係 が 緊 密 で あ る ほ ど 、「 カ ツ オ 等 か ら ダ シ を と る 」「 料 理 の 見 た 目 に 気 を
配る」という手間をかけ、家族に料理を提供したいと考える人が多いのではないかと考え
られる。
また、表 6 より、家族との悩み 事などの相 談 をする人ほど 、味付け調味 料に頼った 味付
け を し て い る 傾 向 が あ る 。こ の 結 果 は 、家 族 関 係 が 緊 密 で あ る ほ ど 、味 付 け 調 味 料 に 頼 り 、
調 理 の 手 間 を か け な い と い う こ と で あ る 。こ れ は 作 業 仮 説 1 に 対 し て 逆 の 意 を 示 す 結 果 と
なった。この結果の考察を以下に加える。
巻 末 の 単 純 集 計 結 果 よ り 、Q30 食 事 の 優 先 順 位 に 関 し て 、も っ と も 多 か っ た 回 答 が「 栄
養 バ ラ ン ス 」 の 46.3%で あ り 、 次 に 多 い 回 答 が 「 味 」 の 21.4%で あ っ た 。 こ の こ と か ら 、
料理の味を重視している人はやや多いことがわかる。家族との団らん・悩み事などの会話
をする人ほど、味付け調味料に頼る人が多いのは、調理のさい味付け調味料を使用するこ
とで、より味の良いものを家族に提供したいと考える人が多いからではないかと考えられ
る。
( 2) < 作 業 仮 説 2> の 検 証
女 性 が 就 労 し て い る か 否 か と 、調 理 に か け る 手 間 の 簡 略 化 と の 関 連 に つ い て 分 析 し た い 。
そこで今回の調査では、就労状況に関わる項目として、就労形態、労働時間、労働日数に
ついて調べたので、それらの項目と調理にかける手間との関連をみる。女性の就労形態と
調理にかける手間とをクロス集計しχ2 検定をした。その結果は、次の表 7 のとおりであ
る 。就 労 形 態 と 調 理 の 手 間 に つ い て 関 連 が 認 め ら れ た も の に 着 目 し 、ク ロ ス 表 を 作 成 し て 、
以下に考察をする。
表7 労働時間・労働日数と調理の手間
従属変数
Q40_a
カツオ等からダシをとる
F4就労形態
独
立 F6_a一週間の労働時間
変
数 F6_b一週間の労働日数
Q40_b
カット野菜不使用
Q40_c
料理の見た目配慮
Q40_d
味付け調味料使用
20.6754 **
8.3937
1.7439
8.3313 *
15.9593 ***
1.8697
0.7872
8.7888 *
17.5525 ***
3.7264
0.9732
9.2787 **
注) 表1に同じ
表8 就労 形態とカツオ等 からダシをとる
単位 %、( )内は実数
カツオやニボシや昆布などからダシをとる
計
就労形態
している していない
正規雇用 (公務員含む)
27.8
72.2
100.0
(54人)
パート(派遣含む)
33.3
66.7
100.0
(111人)
自営業
56.3
43.8
100.0
(16人)
無職
56.6
43.4
100.0
(136人)
計
43.5
56.5
100.0
(317人)
2
p=.0001
χ (3)=20.6754
表 8 によると、働い ているか否か と、カツ オ などからダシを とる手間につ いて、無 職の
女性のほうがダシをとる調理の手間をかけている人が多い。正規雇用や、何らかの仕事を
している人のほうが、カツオなどからダシをとる手間をかける人が少ないのは、職場で働
く時間が長く、調理の手間にかけられる時間や、余裕が少ないからではないかと考えられ
る。仕事をしている女性の中でも、カツオなどからダシをとる手間をかけている人は、自
43
営 業 ( 56.3%) に 多 い 。 無 職 ( 56.6%) も 多 い が 、 両 者 を 比 較 す る と 、 ほ と ん ど 差 が な い 。
自 営 業 の 人 の 働 き 方 は 、正 規 雇 用( 27.8%)や 、派 遣 を 含 む パ ー ト( 33.3%)と 比 べ 、職 場
で の 拘 束 が 、や や 緩 い た め 、調 理 に 手 間 を か け る こ と が で き る の で は な い か と 考 え ら れ る 。
表9 就労形態と味付け調味料使用
単位%、( )内は実数
味付け調味料に頼って味付けをしている
計
就労形態
している していない
正規雇用(公務員含む)
64.8
35.2
100.0
(54人)
パート(派遣含む)
68.5
31.5
100.0 (111人)
自営業
62.5
37.5
100.0
(16人)
無職
51.1
48.9
100.0 (135人)
計
60.1
39.9
100.0 (316人)
2
p=.0396
χ (3)=8.3313
働 い て い る か 否 か と 味 付 け 調 味 料 の 使 用 と を ク ロ ス 集 計 し た 表 9 に よ る と 、正 規 雇 用 や 、
何 ら か の 仕 事 を し て い る 人 の ほ う が 、 無 職 ( 51.1% ) と 比 較 し て 、 味 付 け 調 味 料 に 頼 っ て
いる人が多い。働いている女性の中でも、味付け調味料に頼っている人の割合は、正規雇
用 が 64.8%、 派 遣 を 含 む パ ー ト が 68.5%で あ り 、 パ ー ト の 方 が 味 付 け 調 味 料 に 頼 っ て い る
人の割合がやや高い。パートや派遣の働き方は、正規雇用と比較し、職場での拘束がやや
緩いと考えられるが、パートや派遣として働いている人の家族構成をみたところ、2 世代
以上家族が多かった。このことより、派遣やパートとして働いている人は、仕事のほかに
家事責任も重い立場にある人が多いと推測される。そのため、家事と仕事の両立が要求さ
れ、時間的な余裕がないことで、味付け調味料に頼った味付けをしているのではないだろ
うか。
1. 5 ま と め
今回の統計的調査で、家族との共時行動頻度が高い人ほど、カツオなどからダシをとる
こと、料理の見た目に気を配って料理を作る人が多い傾向にあった。家族との共時行動頻
度が高く、直接的なコミュニケーションをとる機会が多いとみられる人ほど、調理に手間
をかけていた。中でも、悩み事などの込み入った会話をする人ほど、その傾向は強くみら
れた。
今回の事例調査対象者との比較をすると、対象者はパートナーと共通の趣味を持ち、パ
ートナーと過ごす時間が長く、食事などを通して、パートナーと過ごす時間を共にしてい
る。対象者は料理を趣味としており、家族に提供する料理には、味や安全性、栄養バラン
スにこだわったものを提供したいと考え、調理の手間をかけていることがわかり、この点
は統計的調査で得られた結果との共通点である。
「女性が働くようになり、調理に手間をかけなくなった」と一般的に言われるが、私は
これに疑問を持っていた。その理由は、中食・外食産業の発展により中食・外食利用頻度
が増え、それは女性の就業とは関連がないのではないか、と考えたからである。調理の手
間に着目して、今回の統計的データを分析したが、仕事をしている女性に食の簡便化の傾
向がみられた。長時間働いている女性は、調理の手間を簡略化せざるを得ないということ
が考えられる。事例調査の対象者との比較をすると、対象者は結婚前、現在の職場で正社
員として働いており、調理の手間をかける時間がなく、外食や出来合いのもので済ませる
ことが多かったと言っていたが、結婚し、パートタイマーとして働くようになってから、
料理に時間をかけられるようになり、安全でおいしいものを家族に提供してあげたいと思
うようになったと言っている。
今 回 の 分 析 の 結 果 か ら 、女 性 の 就 労 と 調 理 に 手 間 を か け な い こ と に は 関 連 が み ら れ た が 、
これは、一側面でしかない。女性の就労と、食の安全性を意識した購買行動や、中食・外
食の利用頻度の関連についても、今後、分析していきたい。
44
2. 健 康 と 環 境 へ の 意 識 と 食 の 簡 便 化
A52022
三澤千尋
2. 1 テ ー マ
ファーストフード、レトルト食品、お惣菜などといった簡便食は、栄養バランスや、そ
の生産地が特定できない場合があるなど、身体的健康を脅かすおそれがある。さらに、輸
入食材を多く用いるため食品の農薬汚染の問題、また包装や容器のごみといった環境問題
を抱えている。それにもかかわらず人々は簡便食を利用し依存する。健康や環境について
重要に視していないことが食の簡便化に拍車をかけているのではないだろうか。このよう
な 問 題 意 識 か ら 身 体 的 健 康・環 境 問 題 へ の 意 識 と 食 の 簡 便 化 と の 関 係 を 研 究 テ ー マ と し た 。
2. 2 仮 説
「身体的健康への意識の低さは食の簡便化を助長する」
「環境への意識の低さは食の簡便化を助長する」
2. 3 仮 説 検 証 に 使 用 す る 質 問 項 目
( 1) 食 の 簡 便 化 に つ い て
食の簡便化を、簡便食の利用頻度と料理の際の手間の2つの面から見ることにした。簡
便 食 の 利 用 頻 度 に 関 し て は 、Q37_a フ ァ ー ス ト フ ー ド( ハ ン バ ー ガ ー 、牛 丼 な ど )の 利 用 、Q37_b
レ ト ル ト 食 品 の 利 用 、 Q37_c カ ッ プ 麺 の 利 用 、 Q37_d ( 夕 食 時 ) 調 理 済 み の お 惣 菜 の 利 用 、
Q37_e ( 夕 食 時 ) 調 理 済 み の お 弁 当 の 利 用 を 用 い た 。 料 理 の 際 の 手 間 に 関 し て は 、 Q40_a 料
理 の 際 、 カ ツ オ や ニ ボ シ や 昆 布 な ど か ら ダ シ を と っ て 作 る 、 Q40_b 料 理 の 際 、 野 菜 は カ ッ
ト 野 菜 な ど 使 わ ず に 切 る と こ ろ か ら は じ め る 、 Q40_c 料 理 の 際 、 見 た 目 ( 彩 り 、 盛 り 付 け る お
皿 ) に 気 を 配 っ て 作 っ て い る 、Q40_d 料 理 の 際 、味 付 け 調 味 料 ( マ ー ボ ー 豆 腐 の 素 、 チ ャ ー ハ ン の
素など)に頼って味付けをしている、を用いた。簡便食の利用頻度は「ほとんど毎日」
「週
に1~2回」は少なく利用頻度は少ない傾向にある。そして「まったくない」とする人も
少ない為多くの人が食生活において簡便食を利用することがあるとわかる(単純集計表参
照 )。 今 回 は 簡 便 食 と さ れ る 食 品 全 体 の 利 用 頻 度 を 見 た い の で 、 Q37_a~ Q37_e の 変 数 を 合
成し簡便食の利用頻度を示す変数を作って分析に用いた。合成は「ほとんど毎日」を1に
「まったくない」を5になるよう点数化し得点が少ないほど頻度が多いとし、簡便食の利
用頻度を示す尺度とするため項目の検討としてクロンバックのα信頼係数を確認した。そ
の 結 果 、 α 信 頼 係 数 は 0.7 以 上 と 内 的 整 合 性 が 認 め ら れ 妥 当 性 の あ る 尺 度 で あ る 事 が 確 認
された為、5つの変数を合成して簡便食の利用頻度を表す新しい変数とした。この変数は
そ れ ぞ れ 割 合 が 約 3 割 に な る よ う 「 多 い 」「 普 通 」「 少 な い 」 の 3 つ に 分 け た ( 表 1 参 照 )。
表1 簡便食の利用頻度
簡便食の利用頻度
多い
普通
少ない
度数
108
108
117
パーセント
32.4
32.4
35.1
累積度数
累積パーセント
108
32.4
216
64.9
333
100.0
欠損値の度数=8
料 理 の 際 の 手 間 で 使 う Q40_a~ d は 、「 よ く す る 」「 と き ど き す る 」 を 「 す る 」 に 、「 あ ま
りしない」
「 ま っ た く し な い 」を「 し な い 」と い う よ う に 選 択 肢 を 統 合 し て 分 析 し た 。多 く
の 人 が カ ッ ト 野 菜 の よ う な も の は 使 用 し て い な い ( 表 2 参 照 )。
表2 Q40_b 野菜を切るところから始めるか
Q40_b 料理にかける手間
野菜切る所から始め
する
しない
度数
パーセント
328
10
97.0
3.0
累積度数
累積パーセント
328
338
97.0
100.0
欠損値の度数=3
ま た 、 Q40_c か ら 、 料 理 の 見 た 目 へ の 配 慮 は 80.0% 以 上 の 人 が し て い る ( 表 3 参 照 )。
45
表3 Q40_c 料理の見た目への配慮
Q40_c 料理にかける手間
料理の見た目配慮
する
しない
度数
パーセント
296
42
累積度数
87.6
12.4
累積パーセント
296
338
87.6
100.0
欠損値の度数=3
Q40_a・Q40_d か ら 、昆 布 な ど か ら ダ シ を と ら な い 人 が 50.0% 以 上 と 多 く 、味 付 け 調 味 料
( マ ー ボ ー 豆 腐 の 素 、 チ ャ ー ハ ン の 素 な ど ) を 使 う 人 も 60.0% 以 上 と 多 い ( 表 4 ・ 5 参 照 )。
表4 Q40_a 昆布等からダシをとるか
Q40_a 料理にかける手間
昆布等からダシをとる
する
しない
度数
パーセント
147
192
累積度数
43.4
56.6
累積パーセント
147
339
43.4
100.0
欠損値の度数=2
表5 Q40_d 味付け調味料の使用
Q40_d 料理にかける手間
味付け調味料の使用
する
しない
度数
パーセント
205
133
累積度数
60.7
39.4
累積パーセント
205
338
60.7
100.0
欠損値の度数=3
( 2) 健 康 意 識 に つ い て
Q3_a 健 康 作 り の た め に 目 標 を 持 っ て 取 り 組 ん で い る 、 Q3_b 自 分 の 健 康 は 自 分 で 管 理 し
て い る 、 Q3_c 健 康 に 関 す る 出 費 は 惜 し ま な い 、 Q3_d 定 期 的 な 運 動 を 心 が け る こ と は 大 切
だ と 思 う 、 Q3_e 普 段 、 健 康 の た め の 運 動 を し た い と 思 っ て い る 、 Q3_f 友 人 や 家 族 と の 会
話 で 健 康 関 連 の 話 題 が よ く 出 る 、 Q3_g 身 体 的 に 健 康 で あ り た い と 思 う 、 Q3_k も っ と 健 康
に な り た い と い う 向 上 心 が あ る 、 Q10_c 生 活 習 慣 病 の 予 防 を 心 が け て い る 、 Q29_e 食 べ す
ぎ に 気 を つ け て い る 、 Q29_g カ ロ リ ー を 考 え て 食 事 を し て い る 、 Q29_h 脂 肪 分 ・ 油 分 を と
り す ぎ な い 、Q29_i 塩 分 を と り す ぎ な い 、Q29_j 糖 分 を と り す ぎ な い 、以 上 14 項 目 を 身 体
的健康への意識に用いた。半数以上の人が「あてはまる」か「どちらかといえばあてはま
る 」と 答 え 健 康 意 識 は 高 い 傾 向 に あ る( 単 純 集 計 表 参 照 )。今 回 は 身 体 的 健 康 へ の 意 識 全 体
の 度 合 い を 見 た い の で Q3_a~ Q3_g、Q3_k、Q10_c、Q29_e、Q29_g~ Q29_j を 合 成 し 身 体 的 健
康意識を示す変数を作って分析に用いた。合成では「あてはまる」を 4 に「あてはまらな
い」を 1 になるよう逆転させ点数化し、得点が少ないほど健康意識が低いとした。そして
より身体的健康意識を示す尺度とするため合成する項目の検討としてクロンバックのα信
頼 係 数 を 確 認 し た 。 そ の 結 果 、 α 信 頼 係 数 は 0.8 以 上 と 内 的 整 合 性 が 認 め ら れ 妥 当 性 の あ
る 尺 度 で あ る 事 が 確 認 さ れ た 為 、14 項 目 の 変 数 を 合 成 し て 身 体 的 健 康 意 識 を 表 す 新 し い 変
数 と し た 。 こ れ は そ れ ぞ れ 割 合 が 約 3 割 に な る よ う 「 低 」「 中 」「 高 」 の 3 段 階 に 区 切 っ て
分 析 に 用 い た ( 表 6 参 照 )。
表6 身体的健康に対する意識
身体的健康に対する意識
低
中
高
度数
110
101
108
パーセント
34.5
31.7
33.9
累積度数
110
211
319
累積パーセント
34.5
66.1
100.0
欠損値の度数=22
( 3) 環 境 意 識 に つ い て
Q28_a テ イ ク ア ウ ト ( お 持 ち 帰 り ) や 出 来 合 い の も の を 買 っ た と き に 出 る ご み ( 包 装 、 容 器
な ど ) を 気 に す る 、 Q28_b ご み の 分 別 は 必 ず す る よ う に し て い る 、 Q28_c 農 薬 に よ る 食 べ
物 の 汚 染 を 気 に し て い る 、Q28_d 食 べ 物 の 食 べ 残 し を 気 に す る 、Q28_ e 食 べ 物 を 買 っ た と
き 割 り ば し 、 ス ト ロ ー 、 ス プ ー ン な ど を も ら わ な い よ う に し て い る 、 Q28_f 牛 乳 や 飲 み 物
46
の パ ッ ク は リ サ イ ク ル す る よ う に し て い る 、Q28_g 生 産 地 を 気 に し て 食 材 を 購 入 し て い る 、
以 上 7 項 目 を 環 境 へ の 意 識 に 用 い た 。ど の 項 目 も「 あ て は ま る 」
「どちらかといえばあては
まる」のどちらかに答えた人は半数以上いることから環境意識は全体的に高い。今回は環
境 意 識 と い う 全 体 の 度 合 い を 見 た い の で Q28_a ~ Q28_g の 変 数 を 合 成 し そ れ を 環 境 意 識 を
示す変数として分析に用いた。合成では「あてはまる」を 4 に「あてはまらない」を 1 に
なるよう逆転させ点数化し得点が少ないほど環境意識が低いとした。そしてより環境意識
を示す尺度とするため合成する項目の検討としてクロンバックのα信頼係数を確認した。
そ の 結 果 、 α 信 頼 係 数 は 0.7 以 上 と 内 的 整 合 性 が 認 め ら 妥 当 性 の あ る 尺 度 で あ る こ と が 確
認された為、7つの変数を合成して環境への意識を表す変数とした。この変数はそれぞれ
割 合 が 約 3 割 に な る よ う 「 低 」「 中 」「 高 」 の 3 段 階 に 区 切 っ て 分 析 に 用 い た ( 表 7 参 照 )。
表7 環境に対する意識
環境に対する意識
低
中
高
度数
102
117
114
パーセント
30.6
35.1
34.2
累積度数
102
219
333
累積パーセント
30.6
65.8
100.0
欠損値の度数=8
2. 4 仮 説 の 検 証
( 1) 健 康 意 識 と 食 の 簡 便 化 に つ い て
表8の身体的健康への意識と簡便食の利用頻度のクロス集計についてχ2検定をした結
果、この 2 変数間には何らかの関連があることがわかった。身体的健康意識が低い人では
簡 便 食 の 利 用 頻 度 が 「 多 い 」 50.0% 、「 普 通 」 24.5% 、「 少 な い 」 25.5% 、 健 康 意 識 が 高 い
人 で は 簡 便 食 が 「 多 い 」 14.2% 、「 普 通 」 41.5% 、「 少 な い 」 44.3% で あ る 。 こ の こ と か ら
身 体 的 健 康 意 識 が 低 い 人 ほ ど 簡 便 食 を 多 く 利 用 し て い る こ と が わ か る ( 表 8 参 照 )。
表8 健康意識と簡便食の利用頻度
身体的健康に対する意識
低
中
高
計
単位% ( )内は実数
簡便食の利用頻度
多い
普通
50.0
24.5
34.3
34.3
14.2
41.5
32.8
33.4
少ない
25.5
31.3
44.3
33.8
計
100.0
(106人)
100.0
(99人)
100.0
(106人)
100.0
(311人)
2
χ (4)=31.3258 p=<.0001
次に、身体的健康に対する意識と料理の手間についてみていく。身体的健康に対する意
識と、料理の際、野菜は切るところから始めるかということ、味付け調味料の使用にはク
ロス集計についてχ2検定をした結果、5%の有意水準で関連があるとは認められなかっ
た。表9の身体的健康への意識とダシをとる際の昆布などの使用のクロス集計についてχ
2
検定をしたところ、この 2 変数間には何らかの関連があることがわかった。健康意識が
低 い 人 で は ダ シ を と っ て 作 る 人 が 32.1% 、作 ら な い 人 が 67.9% で 、健 康 意 識 が 高 い 人 で は
ダ シ を と っ て 作 る 50.9% 、作 ら な い 58.0% で あ る 。身 体 的 健 康 意 識 が 低 い 人 ほ ど 料 理 の 際
カ ツ オ や ニ ボ シ や 昆 布 な ど か ら ダ シ を と っ て 作 ら な い こ と が わ か る ( 表 9 参 照 )。
表9 健康意識とダシをとる際の昆布等の使用
単位% ( )内は実数
昆布などからダシをとって作る
身体的健康に対する意識
低
中
高
計
する
32.1
42.0
50.9
41.6
しない
67.9
58.0
49.1
58.4
計
100.0
100.0
100.0
100.0
2
χ (2)=7.9111
(109人)
(100人)
(108人)
(317人)
p=0.0191
表 10 の 身 体 的 健 康 意 識 と 料 理 の 際 、見 た 目 ( 彩 り 、 盛 り 付 け る お 皿 ) へ の 配 慮 の ク ロ ス 集
計についてχ2検定をした結果、この 2 変数間には何らかの関連があることがわかった。
健 康 意 識 が 「 低 」「 中 」「 高 」 の ど こ に 属 し て い て も 料 理 の 見 た 目 に 配 慮 す る 割 合 が 多 い 。
47
健 康 意 識 が 低 い 人 で 見 た 目 を 配 慮 す る 人 が 77.1% 、健 康 意 識 が 高 い 人 で 見 た 目 を 配 慮 す る
人 が 92.6% で あ る 。身 体 的 健 康 意 識 が 低 い 人 は 高 い 人 ほ ど 料 理 の 際 、見 た 目 に 気 を 配 っ て
い な い こ と が わ か る ( 表 10 参 照 )。
表10 健康意識と料理の見た目への配慮
身体的健康に対する意識
低
中
高
計
単位% ( )内は実数
見た目に気を配る
する
しない
77.1
22.9
93.0
7.0
92.6
7.4
87.4
12.6
計
100.0
100.0
100.0
100.0
2
χ (2)=16.0458
(109人)
(100人)
(108人)
(317人)
p=0.0003
( 2) 環 境 に 対 す る 意 識 と 食 の 簡 便 化 に つ い て
ま ず 、環 境 に 対 す る 意 識 と 簡 便 食 の 利 用 頻 度 に つ い て み て い く 。表 11 の 、環 境 へ の 意 識
と簡便食の利用頻度のクロス集計についてχ2検定をした結果、この 2 変数間には何らか
の関連があることがわかった。環境意識が低い人のうち簡便食の利用頻度が「多い」のは
50.0% 、
「 普 通 」は 23.5% 、
「 少 な い 」の は 26.5% で 、環 境 意 識 が 高 い 人 の 中 で 簡 便 食 が「 多
い 」 の は 14.9% 、「 普 通 」 は 36.0% 、「 少 な い 」 の は 49.1% で あ る 。 こ の こ と か ら 、 環 境
意 識 が 低 い 人 ほ ど 簡 便 食 を 多 く 利 用 し て い る ( 表 11 参 照 )。
表11 環境意識と簡便食の利用頻度
環境に対する意識
低
中
高
計
単位% ( )内は実数
簡便食の利用頻度
多い
普通
50.0
23.5
35.1
36.8
14.9
36.0
32.5
32.5
少ない
26.5
28.1
49.1
35.0
計
100.0
(98人)
100.0
(114人)
100.0
(114人)
100.0
(326人)
2
χ (4)=33.9279 p=<.0001
次に、環境に対する意識と料理の手間についてみていく。クロス集計についてχ2 検定
をした結果、環境に対する意識と料理の際、野菜は切ることから始めるかということには
5 % の 有 意 水 準 で 関 連 が あ る と は 認 め ら れ な か っ た 。表 12 の 環 境 へ の 意 識 と ダ シ を と る 際
の昆布などの使用のクロス集計についてχ2検定をした結果、この 2 変数間には何らかの
関連があることがわかった。環境意識が低い人では昆布等からダシをとって作る人が
25.7% 、作 ら な い 人 が 74.3% で あ る 。環 境 意 識 が 高 い 人 で は 作 る 人 が 64.9% 、作 ら な い 人
が 35.1% で あ り 、環 境 意 識 が 低 い 人 ほ ど 料 理 の 際 、カ ツ オ や ニ ボ シ や 昆 布 な ど か ら ダ シ を
と っ て 作 る こ と は し な い こ と が わ か っ た ( 表 12 参 照 )。
表12 環境意識とダシをとる際の昆布等の使用
単位% ( )内は実数
昆布などからダシをとって作る
環境に対する意識
低
中
高
計
する
25.7
36.2
64.9
42.9
しない
74.3
63.8
35.1
57.1
計
100.0
(101人)
100.0
(116人)
100.0
(114人)
100.0
(331人)
2
χ (2)=36.8086 p=<.0001
表 13 の 環 境 意 識 と 料 理 の 際 、見 た 目 ( 彩 り 、 盛 り 付 け る お 皿 ) へ の 配 慮 の ク ロ ス 集 計 に つ
いてχ2検定をした結果、この 2 変数間には何らかの関連があることがわかった。環境意
識 が 「 低 」「 中 」「 高 」 の ど こ に 属 し て い て も 料 理 の 見 た 目 に 配 慮 す る 人 の 割 合 が 多 い 。 配
慮 を す る の は 環 境 意 識 が 低 い 人 は 78.2% 、高 い 人 は 92.1% で 、こ の こ と か ら 環 境 意 識 が 低
い 人 は 高 い 人 ほ ど 料 理 の 際 見 た 目 に 気 を 配 っ て い な い と わ か る ( 表 13 参 照 )。
48
表13 環境意識と料理の見た目への配慮
環境に対する意識
低
中
高
計
単位% ( )内は実数
見た目に気を配る
する
しない
78.2
21.8
91.4
8.6
92.1
7.9
87.6
12.4
計
100.0
100.0
100.0
100.0
2
χ (2)=11.8511
(101人)
(116人)
(114人)
(331人)
p=0.0027
表 14 の 、環 境 に 対 す る 意 識 と 料 理 の 際 の 味 付 け 調 味 料 の 使 用 に つ い て の ク ロ ス 集 計 に つ
いてχ2検定をした結果、この 2 変数間には何らかの関連があることがわかった。環境意
識 が 低 い 人 に お い て 味 付 け 調 味 料 で 味 付 け「 す る 」人 は 68.3%「 し な い 」人 は 31.7% で あ
っ た 。 環 境 意 識 が 高 い 人 で は 「 す る 」 が 43.0% 、「 し な い 」 が 57.0% で あ り 、 環 境 意 識 が
低 い 人 は 高 い 人 ほ ど 料 理 の 際 、 味 付 け 調 味 料 で 味 付 け し て い る ( 表 14 参 照 )。
表14 環境意識と味付け調味料の使用
環境に対する意識
低
中
高
計
単位% ( )内は実数
味付け調味料で味付け
する
しない
68.3
31.7
70.7
29.3
43.0
57.0
60.4
39.6
計
100.0
100.0
100.0
100.0
2
χ (2)=22.2451
(101人)
(116人)
(114人)
(331人)
p=<.0001
2. 5 総 合 的 議 論 ・ 結 論
クロス集計分析の結果、身体的健康への意識が低いほど簡便食の利用は多いということ
がわかった。レトルト食品、カップ麺などといった簡便食は、塩分が多く高カロリーなも
のが多いため健康を気にかける人はあまり食べないと考えられる。健康に気をつける気持
ちがないと、簡単で身近な簡便食を利用する傾向が見られた。料理の際の手間では健康意
識が高いほど昆布等からダシをとっていた。昆布等からのダシはうま味の価値もあり余分
な塩分を含んでいない。そのようにダシをとる多くは日本食であろう。このことから、健
康意識が高い人はカロリーや塩分への考慮と、日本食にすることを心がけているのではな
いかと思う。また、栄養バランスを考えて料理をする事が、彩り等に気を配る事に繋がる
のではないだろうか。高い健康意識が自然と料理に手間をかけさせると考えられる。身体
的健康への意識を持ち重要に考えることが、食の簡便化を抑制している。よって、人々の
身体的健康への軽視、低い意識は、簡単で便利で多くの人の味覚でおいしいと感じられる
ことを優先的に考えて作られた簡便食の利用に繋がるのである。また、環境への意識が低
いほど簡便食の利用は多いこともわかった。食の安全性が問われる中、輸入食材を多く用
いる簡便食はあまり利用しないと考えられる。容器などのごみを出すことも起因している
だろう。環境意識が低い人ほど昆布等からダシをとらず味付け調味料に頼っていて、料理
の際見た目に気を配っている。手間をかける背景には食の安全性への意識があると考えら
れる。簡単で便利だがリスクを抱える簡便食を利用するより手間をかけて作ると思われる。
環境への意識を持ち生活する事が簡便食の利用を抑え、自分で作る中で自然に手間のかけ
たものになる。環境への意識の高さは食の簡便化を抑制させている。つまり、食が簡便化
していく背景には、環境への無関心な気持ちが関係し、その意識はより食を簡便化させる
のである。このように身体的健康への意識、環境への意識は低いほど食が簡便化している
という関連が見られた。以上のことから身体的健康、環境への意識の低さが食をより簡便
化させるとわかり、また事例調査で、簡単で便利な生活を望む気持ち、おいしいものを早
く 簡 単 に と い う 人 々 の 欲 望 が 、簡 便 化 し た 食 を 作 り 出 し た と 言 え る( 巻 末 事 例 調 査 参 照 )。
身体的健康、環境への意識の低さと、より便利で簡単でおいしいものを望む人々の気持ち
が現代の簡便化した食を生み出し、そのような意識や気持ちはより食の簡便化を助長して
いるといえよう。
49
3.年 齢 と 健 康 的 な 食 事
A52070
橋本 紀子
3. 1 テ ー マ
本調査におけるテーマとしては、年齢と健康的な食事について考察していきたい。どん
な食物・栄養素を摂取するかという問題は健康の維持・促進において重要である。近年増
加傾向にある生活習慣病も、その原因には食生活における問題が指摘されている。これら
のことからもわかるように、健康と食生活とは非常に密接な関係にあるといえる。そこで
今回は、
「 バ ラ ン ス の 良 い 食 事 と 安 全 な 食 品 に よ っ て 作 ら れ る 健 康 的 な 食 事 」に 焦 点 を 当 て
て調査した。
近年は、
「 レ ト ル ト 食 品 や 冷 凍 食 品 や 中 食 と い っ た 手 間 の か か ら な い 食 事( 以 下 、簡 易 な
食 事 )」が 増 え 、
「 食 軽 視 」の 傾 向 は よ り 顕 著 な も の に な っ て き て い る (『 変 わ る 家 族 変 わ
る 食 卓 - 真 実 に 破 壊 さ れ る マ ー ケ テ ィ ン グ 常 識 - 』 /岩 村 暢 子 2003 勁 草 書 房 )。 こ う し
た食事の外部化・簡便化といった傾向が進んでいくことで、脂質過多や野菜不足となりそ
こから生活習慣病の人が増加することが予想される他、加工済み食品に多量に含まれてい
る食品添加物が人体へ悪影響を及ぼすなどといった問題がある。簡易な食事というのはこ
うした様々な問題を抱えているにも関わらず、その利用され続けている。このことは、簡
易 な 食 事 を 利 用 し て い る 人 の 、食 を 通 し た 健 康 へ の 関 心 の 低 さ を 示 し て い る の で は な い か 。
こうしたことから、栄養バランスや食品の選択に配慮していない人は、簡易な食事の利用
頻度が高いのではないか、と考える。
また、人は年代によって物事の考え方や嗜好などが異なる。食によって作られる健康に
ついても、年代による違いがみられると考えられる。近年顕著になってきているといわれ
る食軽視の問題についても、若い人より年配の人の方が、食事の栄養バランスや食品の選
択に対してより気を配っているのではないだろうか。こうしたことから、簡易な食事の利
用 頻 度 か ら み る「 食 の 簡 便 化 」は 、よ り 若 い 層 に 強 く 現 れ て い る の で は な い か と 思 わ れ る 。
そこで、以下、年齢と健康的な食事について分析する。
3. 2 仮 説
ま ず 、「 健 康 的 な 食 事 を と っ て い る 人 は 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 が 低 い 」、 と い う 仮 説 を た
てた。ここでは健康的な食事を、より栄養バランスや食品の選択に配慮した食事をとって
いることと、簡易な食事の利用頻度の低さという2つの面からみていく。そのために「食
事における栄養バランスへの配慮」や「食品の選択方法」に関する項目を合成して測定し
た。また「簡易な食事」は、中食や外食、レトルト食品といった調理の際に手間のかから
ない食事を指す。したがって、簡易な食事の利用頻度については、食事の簡便化に関する
項目を合成し、測定した。
ま た 、そ う し た 食 生 活 の あ り 方 は 、年 齢 に よ っ て 違 い が あ る こ と が 予 想 さ れ る 。そ こ で 、
「 若 年 層 よ り も 高 齢 層 の 方 が 健 康 的 な 食 事 を と っ て い る 人 が 多 い 」、「 若 年 層 よ り も 高 齢 層
の方が簡易な食事の利用頻度が低い」という仮説をたてた。
以下に仮説をまとめる。
仮説1:健康的な食事をとっている人は簡易な食事の利用頻度が低い
仮説2:若年層よりも高齢層の方が健康的な食事をとっている人が多い
仮説3:若年層よりも高齢層の方が簡易な食事の利用頻度が低い
50
3. 3 仮 説 検 証 に 使 用 す る 新 変 数 の 合 成 に つ い て
( 1) 健 康 的 な 食 事 に つ い て
健康的な食事をとっているかについては、
「 Q36-a~ f 食 品 の 選 択 」「Q41-a~ e 献 立 を 作
る う え で の 栄 養 バ ラ ン ス へ の 配 慮 」「Q29-g~ n 食 生 活 の う え で の 栄 養 バ ラ ン ス へ の 配 慮 」と
い う 3 つ の 質 問 項 目 群 を 順 序 尺 度 に よ っ て 得 点 化 し て 合 成 し 、新 し い 尺 度「 健 康 的 な 食 事 」
を作成した。
ここで用いた順序尺度では、
「 あ て は ま る 」に 1 、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」に 2 、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」 に 3 、「 あ て は ま ら な い 」 に 4 と い う 得 点 を 与 え た 。
したがって、合計数値がより小さいほど健康に配慮した食事をとっているといえる。
こ の 尺 度 の 内 的 整 合 性 を 検 討 す る た め に ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 は 算 出 し た と こ ろ 、 0.85
であり、許容値内であった。
ま た 、 合 成 尺 度 の 得 点 の 平 均 値 は 38.6 で あ っ た の で 、 37 以 下 の 数 値 は 平 均 よ り も 健 康
的 な 食 事 に 該 当 す る 行 動 を 多 く と っ て い る と し て 「 多 い 」、 38 よ り も 上 の 数 値 で は 健 康 的
な 食 事 に 該 当 す る 行 動 が 少 な い と し て 「 少 な い 」、 と い う カ テ ゴ リ ー 名 称 に し た 。
表1 健康的な食事
度数
パーセント
少ない
163
47.8
多い
178
52.2
累計度数 累計パーセント
163
100.0
341
100.0
表 1 は新しい尺度「健康的な食事」の単純集計表である。
健 康 的 な 食 事 に 該 当 す る 行 動 の 「 少 な い 」 人 は 47.8% 、「 多 い 」 人 は 52.2% で あ り 、 多
い人のほうが若干多かった。
( 2) 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度
手 間 の か か ら な い 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 に つ い て は 、「 Q37-a~ e 簡 易 な 食 事 の 頻 度 」 の
質問項目群を順序尺度によって得点化したものを合成し、新しい尺度「簡易な食事の利用
頻度」を作成した。
ここで用いた順序尺度では、
「 ほ と ん ど 毎 日 」に 1 、「 週 に 1 、2 回 」に 2 、
「 月 に 1 ,2
回 」に 3 、
「 年 に 数 回 」に 4 、と い う 得 点 を 与 え た 。し た が っ て 合 計 数 値 が よ り 小 さ い ほ ど 、
その簡易な食事の頻度が多いといえる。
こ の 尺 度 の 内 的 整 合 性 を 検 討 す る た め に ク ロ ン バ ッ ク の α 係 数 を 算 出 し た と こ ろ 、 0.74
であり許容値内であった。
ま た 、 合 成 尺 度 の 得 点 の 平 均 値 は 18.2 で あ っ た の で 、 17 以 下 の 数 値 は 平 均 よ り も 簡 易
な 食 事 の 利 用 頻 度 が 高 い と し て 「 高 い 」、 18 以 上 の 数 値 は 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 が 低 い と
し て 「 低 い 」、 と い う カ テ ゴ リ ー 名 と し た 。
高い
低い
表2 簡易な食事の頻度
度数
パーセント
147
43.1
194
56.9
累計度数 累計パーセント
147
100.0
341
100.0
表 2 は新しい尺度「簡易な食事の利用頻度」の単純集計表である。
簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 が 「 高 い 」 人 は 全 体 の 43.1% 、「 低 い 」 人 は 56.9% で あ り 、 低 い
人のほうが多いという結果が出た。
51
3. 4 仮 説 検 証
( 1)「 仮 説 1 : 健 康 的 な 食 事 を と っ て い る 人 は 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 が 低 い 」
表 3 は「健康的な食事」と「簡易な食事の利用頻度」をクロス集計したものである。
こ の ク ロ ス 集 計 に つ い て χ2 検 定 を 行 っ た 結 果 、 帰 無 仮 説 は 棄 却 さ れ た 。 よ っ て 、 健 康
的な食事に該当する行動と簡易な食事の頻度との間には関連が認められる。
表3 健康的な食事と簡易な食事の頻度
単位(%)
簡易な食事の頻度
計
健康的な食事
高い
低い
少ない
59.5
40.5
100.0 (163人)
多い
28.1
71.9
100.0 (178人)
計
43.1
56.9
100.0 (341人)
2
Χ (1)=34.25
p=<.0001
健康的な食事に該当する行動が少ない人の中で簡易な食事の利用頻度が低い人は
40.5 % 、 健 康 的 な 食 事 に 該 当 す る 行 動 が 多 い 人 の 中 で 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 が 低 い 人 は
71.9% と 、 健 康 な 食 事 に 該 当 す る 行 動 が 少 な い 人 ほ ど 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 が 低 い 。 以 上
の分析から、
「 仮 説 1:健 康 的 な 食 事 を と っ て い る 人 は 、簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 が 低 い 」と
いう仮説は検証された。
( 2)「 仮 説 2 : 若 年 層 よ り も 高 齢 層 の 方 が 健 康 的 な 食 事 を と っ て い る 人 が 多 い 」
表 4 は 、「 Q 2 年 齢 」 と 「 健 康 的 な 食 事 」 を ク ロ ス 集 計 し た も の で あ る 。
こ の ク ロ ス 集 計 に つ い て χ2 検 定 を 行 っ た 結 果 、 帰 無 仮 説 は 棄 却 さ れ た 。 よ っ て 、 こ の
2変数間には関連が認められた。
年齢
20~29歳
30~39歳
40~49歳
50~59歳
60~69歳
計
表4 年齢と健康的な食事
健康的な食事
少ない
多い
77.4
22.6
64.4
35.6
67.2
32.8
38.6
61.4
25.0
75.0
48.1
51.9
Χ2(1)=47.92
単位(%)
計
100.0 (31人)
100.0 (59人)
100.0 (58人)
100.0 (101人)
100.0 (88人)
100.0 (337人)
p=<.0001
全体の傾向としては、年代が上がるにつれて健康的な食事に該当する行動を多くとって
いる人が占める割合は高くなっている。逆に健康的な食事に該当する行動が少ない人が占
める割合は、年代が上がるにつれて低くなっている。つまり、年齢が若い人ほど健康な食
事をとっておらず、年齢が高い人ほどより健康的な食事をとっている。
ま た 各 年 代 に み ら れ る 健 康 的 な 食 事 の 多 少 は 、 40 代 以 下 と 50 代 以 上 を 境 に 逆 転 し て い
る 。 20 代 ~ 40 代 に お い て は 、 健 康 的 な 食 事 に 該 当 す る 行 動 が 少 な い 人 の 方 が 多 か っ た 。
一 方 、 50 代 ~ 60 代 に お い て は 、 健 康 的 な 食 事 に 該 当 す る 行 動 を 多 く と っ て い る 人 の 方 が
多 い と い う 結 果 が 出 た 。 こ の こ と か ら 、 40 代 以 下 と 50 代 以 上 と の 間 に は 、 健 康 的 な 食 事
を 取 っ て い る か ど う か に 明 確 な 世 代 差 が あ る こ と が わ か っ た 。つ ま り 、40 代 以 下 の 人 よ り
も 50 代 以 上 の 人 の 方 が よ り 健 康 的 な 食 事 を と る 傾 向 が み ら れ る 。
以上のことから、
「 仮 説 2:若 年 層 よ り も 高 齢 層 の 方 が 健 康 的 な 食 事 を と っ て い る 人 が 多
い」を検証することができた。
52
( 3)「 仮 説 3 : 若 年 層 よ り も 高 齢 層 に 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 が 低 い 」
表 5 は、
「 Q 2 年 齢 」と 合 成 尺 度「 簡 易 な 食 事 の 頻 度 」と を ク ロ ス 集 計 し た も の で あ る 。
こ の ク ロ ス 集 計 を χ2 検 定 し た 結 果 、 帰 無 仮 説 は 棄 却 さ れ た 。 よ っ て 、 こ の 2 変 数 間 に
は関連が認められた。
年齢
20~29歳
30~39歳
40~49歳
50~59歳
60~69歳
計
表5 年齢と簡易な食事の利用頻度
単位(%)
簡易な食事の利用頻度
高い
低い
計
61.3
38.7
100.0 (31人)
59.3
40.7
100.0 (59人)
53.5
46.6
100.0 (58人)
39.6
60.4
100.0 (101人)
23.9
76.1
100.0 (88人)
43.3
56.7
100.0 (337人)
Χ2(1)=26.79
p=<.0001
簡易な食事の利用頻度が高い人が占める割合は年齢が上がるにつれて低下し、簡易な食
事の利用頻度が低い人が占める割合は年齢が上がるにつれて高くなっている。つまり、年
齢が若い人ほど簡易な食事の利用頻度が高く、年齢が高い人ほど簡易な食事の利用頻度が
低かった。
ま た 、 各 年 代 に み る 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 の 高 低 は 、 40 代 以 下 と 50 代 以 上 を 境 に 逆 転
し て い る 。 20 代 ~ 40 代 で は 簡 易 な 食 事 の 頻 度 の 高 い 人 の 方 が 多 く 、 一 方 50 代 ~ 60 代 で
は、簡易な食事の頻度の低い人の方が少なかった。つまり、高年齢の人の方が簡易な食事
の頻度は低く、そこからは食事に手間をかけているという食生活が窺える。
以上の分析から、
「 仮 説 3:若 年 層 よ り も 高 齢 層 に 簡 易 な 食 事 の 利 用 頻 度 が 低 い 」を 検 証
することができた。
3. 5 ま と め
「仮説1:健康的な食事をとっている人は、簡易な食事の頻度が低い」は、検証するこ
とができた。表3によると、仮説にあるような「健康的な食事をとり簡易な食事の頻度が
低い」という人が、多数であることがわかった。簡易な食事の頻度が多いということは、
それだけ食事を調理する際の手間を惜しんでおり、生活における食の比重が低いと考えら
れる。これは、食の簡便化・外食化ということが出来、近年顕著になってきた食軽視とい
われる傾向のひとつの現れである。
「若年層よりも高齢層の方が健康的な食事をとっている」と「若年層よりも高齢層の方
が簡易な食事の利用頻度が低い」という2つの仮説においても、その仮説を検証する結果
を得ることが出来た。
簡 易 な 食 事 の 利 用 に つ い て は 、20 代 で は そ の 利 用 が と く に 多 か っ た 。し か し 年 齢 が 上 が
る に つ れ て 利 用 の 多 い 人 は 少 な く な り 、60 代 で は ほ と ん ど 利 用 さ れ て い な か っ た 。健 康 的
な 食 事 に 該 当 す る 行 動 に つ い て も 、20 代 で は 該 当 す る 行 動 の 少 な い 人 が 多 数 を 占 め て い る
の に 対 し 、60 代 で は 該 当 す る 行 動 の 多 い 人 が 多 か っ た 。つ ま り 、年 齢 が 高 い 人 ほ ど よ り 健
康的で手間をかけた食事をとっているといえる。
このことから、
「 あ ま り 健 康 的 な 食 事 を と っ て お ら ず 簡 易 な 食 事 の 頻 度 が 多 い 」タ イ プ は
20 代 ~ 40 代 ま で の 人 に 多 く み ら れ る 傾 向 で あ り 、
「健康的な食事をとり簡易な食事の頻度
が 少 な い 」 タ イ プ は 50 代 ~ 60 代 の 人 に 多 い 傾 向 で あ る と い え る 。
聞 き 取 り 調 査 を 行 っ た 20 代 の 対 象 者 は 、 統 計 的 調 査 か ら い え ば 「 あ ま り 健 康 的 な 食 事
をとっておらず簡易な食事の頻度が高い」タイプにあたる。聞き取り調査の対象者は、生
活における食事の位置づけが低く、あまり食事というものを重視していない。食費はでき
る だ け 切 り 詰 め 、食 費 を 切 り 詰 め た 分 で 他 の こ と を 楽 し み た い 、と い う 考 え を 持 っ て い た 。
53
こうしたことからも年齢と食生活との関連が改めて確認できた。食事における健康観につ
いても、産地に対する危機意識や栄養バランスに気をつけようという意識はあるものの、
成分表示をチェックせず残り物を片付けることを目的として献立を決めるなど、実際の食
生活には反映されていなかった。これらの分析を通じて、千葉市の女性は健康に配慮した
食事をろうという意識はあったものの、実態は伴っていないことがわかった。
統計的分析から、健康的な食事には年齢による影響が認められた。食の簡便化の傾向も
若年層により強く現れ、高齢層では健康的な食事をとっている人が多かった。栄養バラン
スや食品の選択からみた「健康な食事」についても、配慮していない人の方がより強く簡
便 化 の 傾 向 が み ら れ た 。そ し て 、こ う し た 傾 向 は 高 齢 層 で は 弱 く 、若 年 層 で 顕 著 で あ っ た 。
今後、健康と食生活というテーマを更に深く分析していくのであるならば、意識に関す
る行動ばかりではなく、より実際の行動を問う質問を増やすことで、予想される優等生回
答 に 注 意 す る 必 要 が あ る と 考 え る 。 今 回 は 、「 健 康 的 な 食 事 」 と 「 簡 易 な 食 事 」 に つ い て 、
より具体的な行動を調査して変数を合成したことにより、意識についても窺い知ることが
できた。
54
4. 健 康 行 動 ・ 健 康 意 識 と 朝 食 の 摂 取
A52012
佐藤
恵美
4. 1 テ ー マ と 仮 説
「 食 」を テ ー マ に 調 査 す る に あ た り 、私 は 朝 食 の 欠 食 と 健 康 と の 関 係 に つ い て 着 目 し た 。
朝 食 と い え ば 1 日 の 食 事 の 中 で も 「 1 日 の エ ネ ル ギ ー の 源 」 や 、「 午 前 中 の 活 力 」 な ど 、
健康的な生活に必要なものであると認識されており、重要視されているように思う。しか
し 、の よ う な 認 識 が あ っ て も 、朝 食 を と ら な い と い う 事 態 は 存 在 し 、厚 生 省 (現 在 の 厚 生 労
働 省 )の 平 成 10 年 度 版 『 国 民 栄 養 の 状 況 』 に よ る と 、 20 歳 代 の 女 性 の 約 15% が 「 朝 食 を
とっていない」と報告されている。
また、
「 健 康 ブ ー ム 」と い わ れ 、人 々 の 健 康 意 識 も 高 く な っ て き て い る 今 日 、朝 食 摂 取 と
健康意識には何かしらの関係があるのではないかと考えた。そこで「健康意識が高い人ほ
ど 朝 食 を し っ か り 食 べ て い る 」 と い う 仮 説 を 立 て 、 千 葉 市 在 住 の 20~ 60 歳 代 女 性 の 朝 食
事情の把握、および健康向上意識が朝食の欠食との関係を調べることにした。
4. 2 朝 食 の 欠 食 ・ 内 容 と 健 康 意 識
( 1) 朝 食 の 欠 食 に 関 す る 項 目
朝 食 の 欠 食 に 関 す る 項 目 と し て 、Q34 を 使 用 し た 。な お 、今 回 の 分 析 に あ っ た て は「 毎
日 」と い う 人 は 、「 毎 日 食 べ る 」グ ル ー プ (80.6% )と し 、 そ れ 以 外 の 人 を「 毎 日 は 食 べ な
い 」 グ ル ー プ (19.4% )と し た 。
( 2) 朝 食 の 内 容 に 関 す る 項 目
朝 食 の 内 容 に 関 す る 項 目 と し て 、Q34_1 を 使 用 し た 。ま た 、こ の 質 問 は 複 数 回 答 だ っ
た 為 、 分 析 の た め NHK 放 送 文 化 研 究 所 (2006)に よ る 「 食 生 活 に 関 す る 世 論 調 査 」 の 分
類 に 基 づ い て 組 み 替 え を 行 い 、主 食・お か ず・汁 物 を 食 べ て い る「 三 品 」グ ル ー プ (44.4% )、
主 食・お か ず 、又 は 主 食・汁 物 を 食 べ て い る「 お か ず 又 は 汁 物 が な い 」グ ル ー プ (33.3% )、
何 か 1 品 し か 食 べ て い な い 「 単 品 」 グ ル ー プ (22.2% )と い う 3 つ に 分 類 し た 。
ま た 、 NHK 文 化 放 送 研 究 所 (2006)の 調 査 3 と 「 パ ン 、 ご は ん な ど 」 と 「 味 噌 汁 、 ス ー
プ な ど 」 の 回 答 に つ い て そ れ ぞ れ 比 較 を 行 っ た 結 果 、 本 調 査 、 NHK の デ ー タ 、 共 に 主
食 、 汁 物 に 関 し て は 、 20 代 か ら 60 代 に か け て 摂 取 率 は 増 加 傾 向 に あ る 。 し か し 、 千 葉
市 の 女 性 は NHK 調 査 と 比 べ て 、 主 食 、 汁 物 共 に 摂 取 率 は 低 い こ と が わ か っ た 4 (図 1 、
図 2 参 照 )。
3
NHK 放 送 文 化 研 究 所 ( 2006) の デ ー タ
調査目的
現代の日本人がどのような食生活をしていて、食についてどのような価値
観をもっているかについて調査を実地し、食生活や食文化に関する意識や
実態を明らかにする。
調 査 時 期 2006 年 3 月 11(土 )~ 19 日 (日 )
調査方法 配布回収法
調 査 対 象 全 国 の 16 歳 以 上 の 国 民
調査相手
住 民 基 本 台 帳 か ら 層 化 無 作 為 2 段 抽 出 (第 1 段 階 の 抽 出 と し て 各 市 町 村 の
調査地点を、無作為に抽出し、次に第2段階の抽出としてその調査地点に
住所を有する者の中から無作為に調査相手を抽出する方法)
3600 人 (12 人 ×300 地 点 )
調 査 有 効 数 (率 ) 2422 人 (67.3% )
4
本 調 査 は 女 性 20 歳 代 か ら 60 歳 代 を 対 象 に し て い た の に 対 し 、 NHK の 調 査 は 16 歳 以
上 を 対 象 と し て い る 。 ま た 、 NHK の 調 査 で は 「 ご は ん 」「 味 噌 汁 」 と い う 選 択 肢 に 対 し
て 、本 調 査 で は「 パ ン 、ご は ん な ど 」
「 味 噌 汁 、ス ー プ な ど 」と ご は ん や 味 噌 汁 の 他 に パ
ンやスープが含まれている。
55
朝食摂取率
図1 NHK調査との朝食内容の比較(主食)
60%
42%
50%
50%
16%
17%
30%
0%
9%
20代
30代
40代
年代
50%
29%
50代
57%
28%
千葉市
NHK調査(2006)
60代
味噌汁摂取率
図2 NHK調査との朝食内容の比較(味噌汁)
50%
40%
30%
20%
10%
0%
27%
10%
20代
25%
9%
30代
34%
29%
19%
40代
44%
36%
35%
50代
千葉市
NHK調査(2006)
60代
年代
( 3) 健 康 意 識 に 関 す る 項 目
健 康 意 識 に 関 す る 項 目 と し て 、 Q4 の a~ l を 使 用 し た 。 ク ロ ン バ ッ ク 検 定 (α =0.8)を
行 い「 重 要 で あ る 」を 4 点 、
「 や や 重 要 で あ る 」を 3 点 、
「 あ ま り 重 要 で は な い 」を 2 点 、
「重要でない」を1点とし、回答をスコア化した。点数の高いグループから「高群」
(27.9% )「 中 群 」 (37.5% )「 低 群 」 (34.6% )と 分 類 し た 。
( 4) 健 康 意 識 と 朝 食 の 欠 食 ・ 内 容 に つ い て の 分 析 と 知 見
健康意識と朝食の欠食・内容についてそれぞれクロス集計をし、χ2 検定を行った。
その結果、どちらも有意な関連を見ることができず、仮説である「健康向上意識が高い
人ほど、朝食をしっかり食べている」は検証されなかった。
しかし、健康意識と朝食の欠食・内容とは本当に関連はないのであろうか。今回使用
し た Q4 の 健 康 意 識 に 関 す る 項 目 は 、「 WHO の 定 め た 定 義 に 対 す る 対 象 者 の 考 え 」 を 聞
い て い る よ う に 感 じ た 為 、 よ り 主 観 的 な 「 健 康 」 に つ い て 質 問 し て い る Q3 を 使 用 し 、
意識と行動の2つの面から新たに分析を行った。
( 5) 主 観 的 健 康 意 識 ・ 健 康 行 動 と 朝 食 の 欠 食 ・ 内 容 に つ い て の 分 析 と 知 見
Q3 の a、 b、 c、 f、 の 健 康 行 動 に 関 す る 4 項 目 を 「 主 観 的 健 康 行 動 」 d、 e、 g、 h、 i、
j、k の 健 康 意 識 に 関 す る 7 項 目 を「 主 観 的 健 康 意 識 」と し 、 そ れ ぞ れ ク ロ ン バ ッ ク 検 定
を 行 い 「 主 観 的 健 康 行 動 」 (α =0.7) に 関 す る 回 答 を ス コ ア 化 し 、 点 数 の 高 い も の か ら 平
均 値 を 境 に「 高 群 」(56.3%)「 低 群 」(43.7%)と し た 。「 主 観 的 健 康 意 識 」に 関 し て は ク ロ
ン バ ッ ク 検 定 を 行 っ た が 、 内 的 整 合 性 が 見 ら れ な か っ た (α =0.6)。
ま ず 、主 観 的 健 康 行 動 と 朝 食 の 欠 食 に つ い て ク ロ ス 集 計 を し 、χ 2 検 定 を 行 っ た 結 果 、
関 連 は 見 ら れ な か っ た 。し か し 、主 観 的 健 康 行 動 と 朝 食 の 内 容 に つ い て ク ロ ス 集 計 を し 、
χ 2 検 定 を 行 っ た 結 果 、 関 連 が 見 ら れ た ( 表 1 参 照 )。
表 1 主 観 的 健 康 行 動 と 朝 食 の 内 容
朝食の欠食
主観的健康意識
三品
汁物又はおかず抜き
高群
4 8 .4
3 7 .9
低群
3 9 .4
2 7 .5
計
4 4 .4
3 3 .3
(単 位 % )
計
単品
1 3 .7
1 0 0 .0 ( 1 8 2 人 )
3 3 .1
1 0 0 .0 ( 1 4 2 人 )
2 2 .2
1 0 0 .0 ( 3 2 4 人 )
2
χ ( 2 ) = 1 7 .4 9 5 0 p = 0 .0 0 0 2
主観的健康行動における朝食の内容に関しては、主観的健康意識「高群」という人は
「三品」
「 汁 物 又 は お か ず 抜 き 」と い う 人 が 多 く 、
「 単 品 」と い う 人 は 少 な い 。ま た 、
「低
群 」に 関 し て は「 三 品 」
「 汁 物 又 は お か ず 抜 き 」と い う 人 が「 高 群 」と 比 べ て 少 な く 、
「単
56
品」という人は「高群」と比べて多いことがわかった。
( 6) 新 た な 知 見
以上のような分析をしてみたものの、結果から言えば、仮説である「健康意識が高い
人ほど、朝食をしっかり食べている」という仮説は検証することができなかった。しか
し、健康行動と朝食の内容には関連が見られたことから、千葉市の女性の健康意識と健
康行動は乖離していると考えられる。つまり、千葉市の女性は朝食を摂ってはいるが、
あまり朝食を重要視していない傾向が伺える。
また、千葉市の女性は一般な健康の定義に捉われるのではなく、健康作りのために目
標を持つ等、自分の健康は自分で管理するというような、健康行動によって、朝食の内
容が変化していることがわかった。
4. 3 事 例 調 査 を も と に し た 統 計 的 分 析
事 例 調 査 で は 独 身 の 20 代 の 女 性 に イ ン タ ビ ュ ー を 行 っ た 。 対 象 者 の 朝 食 の 欠 食 に は 、
生活環境に関する因子も少なからず関連しているのではないかという知見が得られた。そ
こで事例調査をもとに「朝食の摂取と生活環境には関連がある」という仮説をたて、新た
に 検 証 を 行 っ た (別 紙 事 例 調 査 概 要 参 照 )。
( 1) 年 代 と 朝 食 に 関 す る 分 析
年代が違うと生活環境、1日の時の流れ方もかわってくる。故に、朝食となんらかの
関連があるのではないだろうか。
年 代 に 関 す る 項 目 と し て 、Q2 を 使 用 し た 。年 代 と 朝 食 の 欠 食 に つ い て ク ロ ス 集 計 し 、
χ 2 検 定 を 行 っ た 結 果 、 0.1% 水 準 で 関 連 が み ら れ た (表 2 参 照 )。
表 2 年 齢 と 朝 食 の 欠 食
年 齢
20代
30代
40代
50代
60代
計
(単 位 %
朝 食 の 欠 食
計
毎 日 食 べ ている
毎 日 食 べ ていない
7 7 .4
2 2 .6
1 0 0 .0
(31人
6 2 .7
3 7 .3
1 0 0 .0
(59人
8 2 .8
1 7 .2
1 0 0 .0
(58人
8 1 .0
1 9 .0
1 0 0 .0 ( 1 0 0 人
9 0 .9
9 .1
1 0 0 .0
(88人
8 0 .4
1 9 .6
1 0 0 .0 ( 3 3 6 人
χ 2 ( 4 ) = 1 8 .2 5 3 2 p = 0 .0 0 1 1
)
)
)
)
)
)
)
全 体 的 に「 毎 日 食 べ て い る 」人 が 多 い が 、「 30 代 」は 他 の 年 代 と 比 べ 、「 毎 日 食 べ て い
る 」と い う 人 の 割 合 が 62.7% と 最 も 低 い 。ま た 、欠 食 率 は 37.3% で 最 も 高 く な っ て い る 。
NHK 放 送 文 化 研 究 所 (2006)の デ ー タ と 年 代 別 の 朝 食 欠 食 率 を 比 較 す る と 、千 葉 市 の 女
性 は NHK の 調 査 に 比 べ 、欠 食 率 が 高 い こ と が わ か る 。NHK 調 査 で は 問 題 視 さ れ て い た
20 代 は 千 葉 市 の 20 代 と 比 べ る と ほ ぼ 同 じ 割 合 で は あ る が 、 千 葉 市 の 30 代 の 欠 食 率 は
N H K 調 査 と 比 べ て も 著 し く 高 く な っ て い る こ と が わ か る 5 (図 3 参 照 )。
朝食欠食率
図3 NHK調査との朝食欠食率の比較
40%
20%
0%
23%
19%
20代
37%
17%
8%
30代 4%
40代
19%
6%
50代
9%
1%
60代
千葉市
NHK調査(2006)
年代
5
本 調 査 に お け る 欠 食 と は 、 朝 食 を 「 毎 日 は 食 べ な い (Q34 に お い て 「 毎 日 」 と 回 答 し た
人 以 外 )回 答 し た 人 を 指 す 。 NHK 調 査 に お け る 欠 食 と は あ る 1 日 に お い て 「 朝 食 は と ら
な か っ た 」と 回 答 し て い る 人 を 指 し 、ま た 、NHK 調 査 に お け る 70 代 の 数 値 は 掲 載 し て
いない。
57
次 に 、 年 代 と 朝 食 の 内 容 に つ い て ク ロ ス 集 計 を し 、 χ 2 検 定 を 行 っ た 結 果 、 0.1% 水 準
で 関 連 が あ る こ と が わ か っ た (表 3 参 照 )。
表 3 年 齢 と 朝 食 の 内 容
年齢
20代
30代
40代
50代
60代
計
三品
4 1 .9
2 2 .6
5 0 .9
4 0 .9
5 6 .8
4 4 .1
(単 位 % )
朝食の内容
汁物又はおかず抜き
2 2 .6
3 5 .9
2 7 .3
3 5 .5
3 8 .6
3 3 .8
計
単品
3 5 .5
1 0 0 .0
(31人
4 1 .5
1 0 0 .0
(53人
2 1 .8
1 0 0 .0
(55人
2 3 .7
1 0 0 .0
(93人
4 .6
1 0 0 .0
(88人
2 2 .2
1 0 0 .0
(320人
2
χ ( 8 ) = 3 6 .0 3 2 8 p = < .0 0 0 1
)
)
)
)
)
)
朝 食 の 内 容 に 関 し て も 、 や は り 30 代 は 他 の 年 代 と 比 較 し て 「 三 品 」 と い う 人 が 少 な
く 、「 単 品 」 と い う 人 が 多 い 。
30 代 と い う と 、子 育 て 期 で あ っ た り 、近 年 は 女 性 で も 働 き 盛 り で あ っ た り と い う 年 代
である。その為、このような結果が見られたのではないかと考えられる。
( 2) 就 労 形 態 と 朝 食 に 関 す る 分 析
3-1 で の 考 察 や 事 例 研 究 か ら も 、
「 朝 食 摂 取 」と「 仕 事 」と は 関 係 し て い る よ う で あ る 。
「就労形態」と「朝食」との関係を見てみた。
就 労 形 態 に 関 す る 項 目 と し て 、 F4 を 使 用 し た 。「 正 社 員 ( フ ル タ イ マ ー )」、「 公 務 員 」
と い う 人 を「 正 規 雇 用 」(17.0%)、
「 パ ー ト( ア ル バ イ ト 含 む )」、
「 派 遣 社 員 」と い う 人 を
「 パ ー ト・派 遣 」(35.2%)、
「 商 店 な ど の 自 営 業・農 林 業( 家 族 従 業 員 含 む )」と い う 人 は
「 自 営 業 」 (5.0%)、「 無 職 」 と い う 人 は 「 無 職 」 (42.8%)と 分 類 し た 。
就労形態と朝食の欠食についてクロス集計をし、χ2 検定を行った結果、関連は見ら
れなかった。しかし、就労形態と朝食の内容についてクロス集計をし、χ2 検定を行っ
た 結 果 は 、 5 % 水 準 で 関 連 が 見 ら れ た (表 4 参 照 )。
表 4 就 労 形 態 と 朝 食 の 内 容
(単 位 % )
朝食の内容
計
就労形態
三品
汁物又はおかず抜き
単品
自営業
5 7 .1
2 1 .4
2 1 .4
1 0 0 .0
(14人 )
正規雇用
2 9 .2
3 5 .4
3 5 .4
1 0 0 .0
(48人 )
パ ー ト・派 遣
4 2 .2
2 8 .4
2 9 .4
1 0 0 .0
(109人 )
無職
5 1 .2
3 5 .9
1 3 .0
1 0 0 .0
(131人 )
計
4 4 .7
3 2 .5
2 2 .9
1 0 0 .0 ( 3 0 2 人 )
χ 2 ( 6 ) = 1 7 .0 5 3 2 p = 0 .0 0 9 1
「 正 規 雇 用 」と い う 人 は 他 の 就 労 形 態 に 比 べ「 三 品 」と い う 人 が 少 な く 、
「 単 品 」と い う
人 が 多 い 。「 パ ー ト ・ 派 遣 」 と い う 人 も 他 と 比 べ 「 三 品 」 と い う 人 が わ ず か に 少 な い 。
仕事における拘束の強い職の方が朝食を簡便視し、拘束時間のない無職の人の方が朝食
をしっかり食べていることがわかった。
( 3) 子 供 の 同 居 と 朝 食 に 関 す る 分 析
次 に 、「 子 供 の 同 居 」 と 「 朝 食 」 と の 関 連 を 見 て み る 。
子 供 の 同 居 に 関 す る 項 目 と し て F3 を 使 用 し 、 子 供 の 同 居 と 朝 食 の 欠 食 に つ い て ク ロ
ス 集 計 を し 、 χ 2 検 定 を 行 っ た 結 果 、 5 %水 準 で 関 連 が 見 ら れ た (表 5 参 照 )。
表 5 子 ど も の 同 居 と 朝 食 の 欠 食
子 どもの同居
同居
別居
計
(単 位 % )
朝食の欠食
計
毎日食べている
毎日食べていない
8 0 .1
1 9 .9
1 0 0 .0
( 1 6 6人 )
9 3 .1
6 .9
1 0 0 .0
(72人 )
8 4 .0
1 6 .0
1 0 0 .0
( 2 3 8人 )
2
χ (1 )= 6 .2 6 2 4 p = 0 .0 1 2 3
子 ど も と「 別 居 」し て い る 人 は「 同 居 」し て い る 人 よ り「 毎 日 食 べ る 」人 が 多 く 、「 毎
58
日は食べていない」人は少ないことがわかった。
ま た 、子 供 と の 同 居 と 朝 食 の 内 容 に つ い て ク ロ ス 集 計 を し 、χ 2 検 定 を 行 っ た 結 果 も 、
5 % 水 準 で 関 連 が 見 ら れ た (表 6 参 照 )。
表 6 子 ど も の 同 居 と 朝 食 の 内 容
子どもの同居
同居
別居
計
三品
4 0 .9
6 3 .4
4 7 .8
(単 位 % )
朝食の内容
汁物又はおかず抜き
36 .5
23 .9
32 .6
計
単品
22 .6
1 0 0 .0 (1 5 9 人 )
12 .7
1 0 0 .0
(71人 )
19 .6
1 0 0 .0 (2 3 0 人 )
2
χ (2)= 1 0 .0 5 16 p =0 .00 6 6
子 ど も と「 別 居 」で「 三 品 」の 人 は「 同 居 」と 比 べ る と 多 く 、「 別 居 」で「 単 品 」の 人
は「同居」に比べて少ない。
や は り 、子 供 と 別 居 し て い る 人 は 同 居 し て い る 人 と 比 べ る と 、
「 子 育 て 」に 手 が か か ら
ない分もあるためか、朝食を採りやすい環境にあるようである。
4. 4 ま と め
今 回 の 調 査 で 、 私 は 「 朝 食 」 に つ い て 調 査 し た 。 NHK 放 送 文 化 研 究 所 (2006)に よ る と 、
朝 食 の 欠 食 は 25 年 前 と 比 較 し て も 増 加 傾 向 に あ り 、 年 齢 層 も 当 時 は 若 い 男 性 に 限 っ て の
話であったものが、今では年齢層も性別も関係なく、年々広がっているそうだ。しかし、
それと同時に、メタボリック症候群という言葉が現れたことからもわかるように、肥満が
社会的問題にもなってきている。それを理由に昼食の欠食までもが進行しつつあると言わ
れている。
そのような状況のもと、当初の仮説であった「健康意識が高い人ほど朝食をしっかり食
べている」は、検証することはできなかった。
しかし、健康行動と朝食摂取には関連があることがわかり、事例研究から「朝食と生活
環 境 に は 関 連 が あ る 」と い う 新 た な 仮 説 を 立 て 、
「年代」
「就労形態」
「 子 供 と の 同 居 」と い
う 3 つ の 変 数 か ら 関 連 を 見 出 す こ と が で き た 。ま た 、
「睡眠」
「悩みの有無」
「 家 族 形 態 」と
は有意な関連は見られなかった。
今回の調査から、朝食の欠食の裏側には「時間」というキーワードが存在するように感
じ る 。「 仕 事 が 忙 し く て 、 朝 食 を 採 る 時 間 が な い 」「 子 育 て が 忙 し く て 、 朝 食 を 採 る 暇 が な
い」といった生活環境から「時間に余裕のある生活環境の見直し」が、朝食欠食、さらに
は「崩食」と叫ばれている現代の食の現状を救うことができる1つの方途ではないだろう
か。
参考文献
・ NHK 放 送 文 化 研 究 所 世 論 調 査 部 、 2006、『 崩 食 と 放 食 ― NHK 日 本 人 の 食 生 活 調 査 か
ら ― 』、 生 活 人 新 書 205、 日 本 放 送 出 版
・ 厚 生 労 働 省 、 http://www.mhlw.go.jp 2008/02/07
59
5. 家 族 観 と 食 卓 を 囲 む 頻 度
A52043
長澤
伸哉
5. 1 問 題 意 識 と テ ー マ
今や毎日家族全員で食卓を囲むという家庭は稀だと言われている。その理由として家族
員それぞれのライフスタイルのズレが挙げられる。子どもは塾や習い事などで、大人は仕
事の都合などによって家族揃って食卓を囲むことが難しくなってきている。
私 は 食 卓 の 風 景 が 変 わ る 原 因 の 1 つ に 家 族 観 の 変 化 が あ る の で は な い か と 考 え た 。よ っ
て、家族観と食卓の頻度の関連について着目した。また、事例調査により、子ども中心の
食卓づくりをしているという意見があったので子どもの居住状況や年齢と食卓を囲む頻度
にも着目した。
5. 2 仮 説
第 1 の仮説
「家族観(具体的には家族間の親密度)は食卓を囲む頻度に影響する」
第 2 の仮説
「年齢や子どもとの居住状況は家族観に影響する」
第 3 の仮説
「年齢や子どもとの居住状況は食卓を囲む頻度に影響する」
第 3 の仮説は第 1 の仮説と第 2 の仮説がともに検証された場合は必然的にそうなるだ
ろうと考えられる。
5. 3 仮 説 検 証 に 使 用 し た 変 数
( 1) 家 族 観
家 族 観 に つ い て の 質 問 は Q25_a~ h に つ い て で あ る 。Q25_a は 家 族 間 の 相 互 扶 助 に つ い
て の 是 非 を 、Q25_b は 家 族 成 員 の 同 居 を 重 要 視 し て い る か を 、Q25_c は 家 族 の た め の 自 己
犠 牲 の 是 非 を 、Q25_d は 家 族 間 の 話 し 合 い を 重 要 視 し て い る か を 、Q25_e は 家 族 間 で 悩 み
事 を 相 談 す る こ と を 重 要 視 し て い る か を 、 Q25_f 家 族 間 で 挨 拶 を 交 わ す こ と を 重 要 視 し て
い る か を 、Q25_g は 家 族 は 揃 っ て 食 事 を す る べ き か ど う か を 、Q25_h は 家 族 内 の 食 事 の メ
ニューを統一すべきかどうかについてそれぞれ質問したものである。
Q25_a~ h の 変 数 を 集 計 す る 際 に は 、
「 そ う 思 う 」と「 ど ち ら か と い え ば そ う 思 う 」を「 そ
う 思 う 」、「 ど ち ら か と い え ば そ う 思 わ な い 」 と 「 そ う 思 わ な い 」 を 「 そ う 思 わ な い 」 と い
う 2 つの選択肢に統合した。
Q25_a の 質 問 で は 、96.8% の 大 多 数 の 人 が「 そ う 思 う 」と「 ど ち ら か と い え ば そ う 思 う 」
と 回 答 し た こ と と 、 Q25_d・ Q25_e・ Q25_f で ど の 質 問 も 90% 以 上 の 人 が 「 そ う 思 う 」 と
「どちらかといえばそう思う」と回答したことから、この調査に回答した人の多くの人が
「相互扶助は大事であり、それに伴いコミュニケーションをとることは重要である」と考
えているようだ。
( 2) 年 齢 に つ い て
年 齢 の 分 析 に 用 い た 変 数 は Q2 で あ る 。50~ 69 歳 が 全 体 の 55.4% を 占 め 、平 均 値 は 49.1
歳である。集計する際には年齢が高い人と低い人との違いについて着目したかったため、
なるべく均等に 3 分割 にした。た だし、こ の 集計の仕方は単 なる統計的処 理であり 、社会
的背景などを踏まえた理由はない。
60
( 3) 食 卓 を 囲 む 頻 度
次 に Q27_a の 実 際 に 食 卓 を 囲 む 頻 度 に つ い て 見 る と 、「 ほ と ん ど 毎 日 」が 全 体 の 72.4%
と 大 多 数 で あ っ た 。し か し こ の 質 問 は「 ほ と ん ど 毎 日 」 と「 週 に 1~2 回 」の 間 が な く 、振
り 分 け 方 が 若 干 大 雑 把 で あ る よ う に 思 え る 。「 週 に 3~ 5 回 」な ど を の 選 択 肢 が あ れ ば 違 っ
た 結 果 に な っ た か も し れ な い 。 集 計 す る 際 に は 、「 ほ ぼ 毎 日 」 と 「 週 に 1~2 回 以 下 」 と に
分けて集計した。
( 4) 子 ど も の 有 無 と 末 子 の 成 長 段 階
子どもの有無については、
「 子 ど も が い る 」は 246 人 で 72.1% だ っ た 。既 婚 女 性 が 76.5%
で あ り 、 既 婚 女 性 の 94.2% は 「 子 ど も が い る 」。
次に子どもとの同居についてみると、
「 子 ど も と 同 居 し て い る 」は 166 人 で 全 体 の 46.7%
で あ り 、「 子 ど も が い る 」 246 人 の 中 で は 67.5% だ っ た 。
さ ら に 子 ど も と 同 居 し て い る 人 の 末 子 の 成 長 段 階 に つ い て み る と 、「 小 学 生 未 満 」 が 29
人 で 8.5% で あ り 、「 小 学 生 」 が 25 人 で 7.3% で あ る 。「 中 学 生 」 は 20 人 で 5.9% で あ り 、
「 高 校 生 」 は 8 人 で 2.4% で あ る 。「 中 卒 ・ 高 卒 以 上 」 は 83 人 で 24.3% で あ っ た 。 非 該 当
は 154 人 で 45.2%で あ っ た 。こ こ の 非 該 当 は 「 同 居 し て い る 子 ど も が い な い 」 と「 子 ど も
がいない」の合計である。同居していない子どもも含めれば「中卒・高卒以上」の値はも
っと高くなったと考えられる。前述したが、集計する際には「小学生以下」と「中学生以
上」とに分けて集計した。
5. 4 仮 説 の 検 証
( 1) 第 1 の 仮 説 の 検 証
第 1 の仮説は「家族 は一緒に住ん だほうがよ い」や「家 族のためなら 自分を犠牲 になっ
てもよい」などの家族の凝集性についての質問と食卓を囲む頻度をクロス集計してχ2検
定 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 例 え ば 表 1 の 通 り 、 5% の 有 意 水 準 で 帰 無 仮 説 が 成 立 す る の で 、
両者の関連は統計的には認められなかった。
表 1 家 族 のための自 己 犠 牲 の是 非 と食 卓 を囲 む頻 度
(単 位 %)
食 卓 を囲 む頻 度
家 族 のために自 分 を
多い
少 ない
計
犠 牲 にしてもよい
犠 牲 にしたくない
78.6
72.3
21.4
27.7
100.0
100.0
(229 人 )
(83 人 )
計
76.9
23.1
100.0
(312 人 )
χ (1)=1.3679
2
P=0.2422
表 2 家 族 の食 事 のメニューは同 じがよいかと食 卓 を囲 む頻 度
(単 位 %)
食 卓 を囲 む頻 度
家 族 の食 事 のメニュー
多い
少 ない
計
同 じが良 い
同 じでなくても良 い
82.0
57.1
18.0
42.9
100.0
100.0
(250 人 )
(63 人 )
計
77.0
23.0
100.0
(313 人 )
χ (1)= 17.5541
2
P<.0001
しかし、表 2 の通 り、家族の 食事は同じ メ ニューがよいか と食卓を囲む 頻度は、クロス
集 計 し 、χ 2 検 定 を し た 結 果 、帰 無 仮 説 は 5%未 満 で 棄 却 さ れ る の で 、こ の 両 者 に は 関 連 が
あるといえる。家族の食事のメニューは「同じでなくてもよい」と考えている人の中では
61
食 卓 を 囲 む 頻 度 は「 多 い 」
「 少 な い 」が お よ そ 半 々 で あ る の に 対 し 、家 族 の 食 事 の メ ニ ュ ー
は 「 同 じ が よ い 」 と 考 え て い る 人 の 食 卓 を 囲 む 頻 度 が 「 多 い 」 は 82 .0% と 大 多 数 で あ る 。
そ の 他 の 家 族 観 ( Q25_a~ g) と 食 卓 を 囲 む 頻 度 は 関 連 が 見 ら れ な か っ た 。 ま た 、 表 2
家族間の食事のメニューは同じでよいかと食卓を囲む頻度では関連が認められたが、これ
は家族観というより食事の仕方であることから「家族観は食卓を囲む頻度に影響する」と
いう仮説は検証されなかった。
( 2) 第 2 の 仮 説 の 検 証
第 2 の 仮 説 を 検 証 す る た め に 年 齢 、子 ど も と の 居 住 状 況 と 食 卓 を 囲 む 頻 度 と を ク ロ ス 集
計し、χ2検定を行った。
表 3 年 齢 と家 族 は同 居 したほうがよいか
(単 位 %)
家 族 は同 居 したほうがよいか
年齢
そう思 う
そう思 わない
計
20~36 歳
37~53 歳
54~69 歳
90.5
82.4
72.0
9.5
17.6
28.0
100.0
100.0
100.0
(74 人 )
(108 人 )
(150 人 )
計
79.5
20.5
100.0
(332 人 )
χ (2)=17.2793
2
P=0.0036
そ の 結 果 、 帰 無 仮 説 が 5%未 満 で 棄 却 さ れ た 。 よ っ て こ の 両 者 に は 関 連 が あ る と い え る 。
20~36 歳 の 90.5% の 人 が「 家 族 は 同 居 し た 方 が よ い 」と 考 え て お り 、圧 倒 的 に 多 い 点 が 目
立 つ 。ま た 、
「 そ う 思 わ な い 」と 考 え て い る 人 の 割 合 は 年 齢 が 高 く な る に つ れ て 増 え て い る 。
つまり年齢が高くなるほど、家族は同居しなくてもよいと考えるようになるという傾向が
見られた。
しかし、これだけでは年齢によって変化する子どもとの居住状況が原因なのか、それと
も生まれ育った時代の社会環境が原因なのか、それともその両方なのか判別できない。
表 4 子 どもとの居 住 状 況 と家 族 は同 居 したほうが良 いか
(単 位 %)
家 族 は同 居 したほうが良 い
子 どもと同 居
そう思 う
そう思 わない
計
している
していない
83.0
63.8
17.0
36.2
100.0
100.0
(165 人 )
(69 人 )
計
77.4
22.7
100.0
(234 人 )
χ (1)=10.3040
2
P=0.0013
そこで、次に子どもの居住状況と家族は同居した方が良いかという家族観をクロス集計
し 、χ 2 検 定 を し た 。そ の 結 果 、帰 無 仮 説 が 5%未 満 で 棄 却 さ れ る の で こ の 両 者 に は 関 連 が
あるといえる。表 4 によ ると、子どもと 同居 している人の方 が家族は同居 した方が良 いと
考 え て い る 人 の 割 合 が 約 20% 高 い 。
「子はかすがい」ということわざがあるが、この結果は子どもの存在が家族間の親密度
に強く影響を与えていることを表しているように思う。
62
表 5 子 どもの有 無 と家 族 のためなら自 分 が犠 牲 になっても良 い
(単 位 %)
家 族 のために自 分 が犠 牲 になっても良 い
子 どもの有 無
そう思 う
そう思 わない
計
いる
いない
75.4
61.7
24.6
38.3
100.0
100.0
(240 人 )
(81 人 )
計
72.0
28.0
100.0
(321 人 )
χ (1)=5.6240
P=0.0177
2
さらに、子どもの有無と「家族のためなら自分が犠牲になっても良いか」とをクロス集
計 し 、 χ 2 検 定 を 行 っ た ( 表 5)。 そ の 結 果 、 帰 無 仮 説 が 5%未 満 で 棄 却 さ れ る の で こ の 両
者には関連があるといえる。子どもがいる人の方が「家族のために自分が犠牲になっても
良い」と思っている人の割合が高い。
そ の 他 の 子 ど も と の 居 住 状 況 と 家 族 観 で は 関 連 が 見 ら れ な か っ た が 、上 記 の 2 つ の 関 連
が認められたことと、事例調査の際に「子どもができると家族は子ども中心の生活にシフ
トした」という話を聞いたことから、子どもとの居住状況と一部の家族観には関連が見ら
れた。
( 3) 第 3 の 仮 説 の 検 証
第 3 の 仮 説 は「 第 1 の 仮 説 と 第 2 の 仮 説 が と も に 検 証 さ れ て い れ ば 成 り 立 つ 」と 考 え て
いたが、第 1 の仮説 は棄却された 。しかし 、この仮説の検証 をすることに は別の観点 から
食卓を囲む頻度について着目するという意義があるので検証を試みた。
表 6 年 齢 と食 卓 を囲 む頻 度
(単 位 %)
家 族 全 員 で食 卓 を囲 む頻 度
年齢
ほぼ毎 日
週 1~2 回 以 下
計
20~36 歳
37~53 歳
54~69 歳
75.7
69.5
83.6
24.3
30.5
16.4
100.0
100.0
100.0
(70 人 )
(105 人 )
(140 人 )
計
77.1
22.9
100.0
(315 人 )
χ (2)=6.8191
2
P=0.0331
表 6 の 年 齢 と 食 卓 を 囲 む 頻 度 と の ク ロ ス 集 計 は χ 2 検 定 の 結 果 、帰 無 仮 説 が 5%未 満 で 棄
却された。そのため、この両者には関連があるといえる。食卓を囲む頻度が最も高い年齢
層 は 54~ 69 歳 で あ る 。 私 は こ れ は ラ イ フ ス テ ー ジ の 変 化 が 原 因 で は な い か と 考 え た 。
54~69 歳 だ と 定 年 後 の 生 活 も 入 る か ら で あ る 。そ れ に よ り 時 間 的 な 余 裕 が で き た 夫 が 増 え
たためではないだろうか。また、子どもも成長して家を出て行き、家族員が減ったという
こともあるかも しれない。しか し上の 2 つと も私の推測であ り、今調査から 上の推測を 検
証することはできない。
第 3 の 仮 説 は 表 6 で 関 連 が 認 め ら れ た こ と と 、事 例 調 査 で「 子 ど も の ス ケ ジ ュ ー ル に 合
わせて食事の準備をする」
「 子 ど も が 食 べ て く れ る も の を 食 卓 に 出 す 」と い う 話 を 聞 い た こ
と か ら「 年 齢 に よ っ て 食 卓 を 囲 む 頻 度 は 異 な る 」、ま た「 子 ど も と の 居 住 状 況 や 子 ど も の 有
無によって食卓の内容は変わる」という様に推定される。
5. 5 ま と め
以上の分析を基に知見をまとめておきたい。
まず、私は家族観が食卓を囲む頻度に影響を与えていると考えていたが、その仮説は検
証されなかった。第 3 の 仮説の検証と 事例調 査で得た知見を 基に考えると、食卓を囲む 頻
63
度を規定する要因は、
「 家 族 観 」と い う よ り「 年 齢 」や「 子 ど も と の 居 住 状 況 」で あ る よ う
に思われる。
最後に、事例調査で「食卓は家族がコミュニケーションをとる重要な場」だという話を
聞いた。
「 子 ど も は 自 分 の 部 屋 が あ る の で 、食 事 を 終 え る と す ぐ 部 屋 に 戻 っ て し ま う 場 合 も
多い」
「 そ れ ぞ れ や る こ と が あ る の で 中 々 ゆ っ く り 話 を す る 場 が な い 」と い う こ と が あ る の
だ と い う 。そ の た め 、
「 食 卓 を 囲 も う と す る 意 識 」や「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 積 極 的 に と ろ
うとする意識」と実際に食卓を囲む頻度のズレなどに着目できればよかったのかもしれな
い。
参考文献
岩村暢子
2003
『変わる家族 変わる食卓』
64
勁草書房
6. 家 族 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 と 食 事 の 仕 方
A52170
宮部優
6. 1 調 査 テ ー マ
長年、食事は食卓で家族が揃ってするものと考えられている。しかし現在は家族各々の
生活時間の違いや、各々が好きなものを食べたいがために、家族が揃って食事をしないこ
とが増えている。このようなことから一人一人が異なったメニューを食べる個食、一人で
食事をする孤食といった傾向が増えている。個食は好きなメニューをそれぞれ選ぶことか
ら、栄養不足が生じる原因となる点で、孤食は家族間のコミュニケーションの不足をまね
くという点で問題とされている。食卓に家族が集まらなくなるということは、家族間のコ
ミュニケーションや、家族についての考え方に影響を及ぼしていると考えられる。以上の
ことから家族間のコミュニケーション度について調査し分析を行った。
6. 2 仮 説
上記の調査テーマに接近するために以下のような仮説を立て、検証することにしたい。
「家 族 構 成 に よ っ て 、 家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 は 異 な る 」
「家 族 を 重 要 視 す る 傾 向 が 強 い ほ う が 、 家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 が 高 い 」
「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、 個 食 頻 度 が 低 い 」
「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、 個 食 に 対 し て 否 定 的 に な る 」
「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、 孤 食 頻 度 が 低 い 」
「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、 孤 食 に 対 し て 否 定 的 に な る 」
「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、 食 事 マ ナ ー に 対 す る 意 識 が 高 い 」
6. 3 分 析 に 用 い た 変 数
( 1) 家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度
家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 を み る た め に 、 Q26_a 家 族 と の 団 ら ん 、 Q26_b 外 食 、
Q26_c 日 用 品 の 買 い 物 に 行 く 、Q26_d 散 歩 、Q26_e 悩 み 事 、心 配 事 な ど の 込 み 入 っ た 会 話
と い う 家 族 と の 日 常 行 動 を 用 い た 。そ れ ぞ れ 「よ く す る 」、「た ま に す る 」を 「家 族 と の 日 常 行
動 の 頻 度 が 高 い 」、「あ ま り し な い 」、「全 く し な い 」を 「家 族 と の 日 常 行 動 の 頻 度 が 低 い 」と し
た 。家 族 と の 団 ら ん の 頻 度 が 高 い 者 が 92.5%(296 人 )、低 い 者 が 7.5%(24 人 )、外 食 の 頻 度
が 高 い 者 が 76.0%(244 人 )、 低 い 者 が 24.0%(77 人 )、 日 用 品 の 買 い 物 に 行 く 頻 度 が 高 い 者
が 77.7%(247 人 )、低 い 者 が 22.3%(71 人 )、散 歩 の 頻 度 が 高 い 者 が 40.1%(128 人 )、低 い 者
が 59.9%(191 人 )、悩 み 事 、心 配 事 な ど の 込 み 入 っ た 会 話 を す る 頻 度 の 高 い 者 が 79.4%(255
人 )、低 い 者 が 20.6%(66 人 )で あ っ た 。こ の 家 族 と の 日 常 行 動 の 頻 度 の 高 低 を も っ て 、家 族
間のコミュニケーション度とみることにした。
( 2) 家 族 構 成
家 族 構 成 を み る た め に 、 F7 を ア フ タ ー コ ー デ ィ ン グ し て 新 し い 変 数 F7NEW 家 族 構 成
を 作 成 し た 。 F7NEW 家 族 構 成 は F7 に お い て 、 「一 人 暮 ら し 」を 「一 人 暮 ら し 」、 「パ ー ト ナ
ー 、 配 偶 者 」を 「夫 婦 の み 」、 「あ な た の 子 供 」、 「あ な た の (義 )親 」、 「あ な た の 祖 父 母 」、 「あ
な た の 孫 」の う ち 、1 つ を 回 答 し た 者 を 「2~3 世 代 世 帯 」、2 つ を 回 答 し た 者 を 「3 世 代 以 上 世
帯 」と し 、こ の パ タ ー ン に あ て は ま ら な い 者 を 「そ の 他 」と し 、「一 人 暮 ら し を 」を 除 い た 同 居
人 の い る 者 を 用 い た 。 「夫 婦 の み 」が 30.7%(99 人 )、 「2~3 世 代 世 帯 」が 57.1%(184 人 )、 「3
世 代 以 上 世 帯 」が 9.6%(31 人 )、 「そ の 他 」が 2.5%(8 人 )で あ っ た 。
家 族 に 対 す る 価 値 観 を み る た め に 、Q25_a 家 族 が 常 に 助 け 合 っ て い く 事 は 重 要 だ 、Q25_b
家 族 は 一 緒 に 住 ん だ ほ う が よ い 、Q25_c 家 族 の た め な ら 自 分 が 犠 牲 に な っ て も よ い 、Q25_d
家 族 で 普 段 の 出 来 事 に つ い て 話 し 合 う こ と は 重 要 だ 、Q25_e 家 族 が お 互 い の 悩 み や 心 配 事
に つ い て 相 談 す る こ と は 重 要 だ 、 Q25_f 家 族 と 日 常 的 な 挨 拶 を 交 わ す こ と は 重 要 だ を 合 成
し た 変 数 を 作 成 し 、 そ れ ぞ れ の 選 択 肢 に 「そ う 思 う 」1、 「や や そ う 思 う 」2、 「あ ま り そ う 思
わ な い 」3、 「そ う 思 わ な い 」4 と ス コ ア を 与 え た 。 合 成 し た 変 数 の 平 均 値 等 は 表 1 の と お り
65
で あ る 。こ の 変 数 の 平 均 値 よ り も 低 い 者 を 「家 族 を 重 要 視 す る 傾 向 が あ る 」、高 い 者 を 「家 族
を 軽 視 す る 傾 向 が あ る 」と し た 。家 族 を 重 要 視 す る 傾 向 が あ る 者 が 52.7%(175 人 )、軽 視 す
る 傾 向 が あ る 者 が 47.3%(157 人 )で あ っ た 。
家族に対する価値観
表1 家族に対する価値観(合成変数)
中央値
平均値
最頻値 標準偏差
1.800000 1.913855 1.400000 0.51367
分散
0.26386
標本数
332
( 3) 個 食 頻 度 、 孤 食 頻 度
個 食 の 頻 度 を み る た め に 、Q27_b 家 族 と 一 緒 に 食 卓 を 囲 む が 、他 の 家 族 と は 違 う メ ニ ュ
ー を 食 べ る 頻 度 を 、 孤 食 の 頻 度 を み る た め に 、 Q27_c 家 族 と は 別 に 、 一 人 で 夕 食 を 採 る 頻
度 を 用 い た 。 そ れ ぞ れ 「ほ と ん ど 毎 日 」、 「週 に 1、 2 回 」を 「頻 度 が 高 い 」、 「月 に 1、 2 回 」、
「年 に 数 回 」、「ま っ た く な い 」を 「頻 度 が 低 い 」と し た 。個 食 の 頻 度 が 高 い 者 が 16.1%(50 人 )、
低 い 者 が 83.9%(261 人 )、 孤 食 の 頻 度 が 高 い 者 が 25.0%(79 人 )、 低 い 者 が 75.0%(237 人 )
であった。
( 4) 個 食 意 識 、 孤 食 意 識
個 食 に 対 す る 意 識 を み る た め に 、Q25_h 家 で 食 事 を す る 際 に 家 族 全 員 が 同 じ メ ニ ュ ー を
食 べ た ほ う が い い を 、孤 食 に 対 す る 意 識 を み る た め に Q25_g 家 族 は 揃 っ て 食 事 を し た ほ う
が い い を 用 い た 。そ れ ぞ れ 「そ う 思 う 」、「ど ち ら か と い え ば そ う 思 う 」を 「否 定 的 な 考 え を 持
つ 」、 「ど ち ら か と い え ば そ う 思 わ な い 」、 「そ う 思 わ な い 」を 「肯 定 的 な 考 え を 持 つ 」と し た 。
個 食 に 否 定 的 な 考 え を 持 つ 者 が 79.6%(266 人 )、 肯 定 的 な 考 え を 持 つ 者 が 20.4%(68 人 )、
孤 食 に 対 し て 否 定 的 な 考 え を 持 っ て い る 者 が 95.5%(321 人 )、 肯 定 的 な 考 え を 持 っ て い る
者 が 4.5%(15 人 )で あ っ た 。
( 5) 食 事 マ ナ ー
食 事 マ ナ ー に 対 す る 意 識 を み る た め に 、Q38_a 食 事 を す る 際 に 、食 事 の マ ナ ー を 教 え る
こ と は 重 要 だ と 思 う 、Q38_b 他 人 と 一 緒 に 食 事 を す る 際 に 、相 手 の 食 事 マ ナ ー が 気 に な る 、
Q38_c 食 事 を す る 際 に 、自 分 自 身 の 食 事 マ ナ ー が 気 に な る 、Q38_d「い た だ き ま す 」や 「ご ち
そ う さ ま 」を き ち ん と 言 っ て い る 、 Q38_e 箸 の 使 い 方 に 気 を つ け て い る 、 Q38_f 食 べ る 時
は 食 器 を 持 っ て 食 べ て い る 、Q38_g 肘 を つ い て 食 べ な い よ う 気 を つ け て い る 、Q38_h 食 器
に 口 を つ け て 食 べ な い よ う 気 を つ け て い る 、 Q38_i な が ら 食 い を し な い よ う に し て い る を
用 い た 。そ れ ぞ れ 「あ て は ま る 」、「ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」を そ の 項 目 に つ い て 「意 識
が 高 い 」、 「ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」、 「あ て は ま ら な い 」を 「意 識 が 低 い 」と し た 。
食 事 を す る 際 に 食 事 マ ナ ー を 教 え る こ と に つ い て 意 識 が 高 か っ た 者 が 96.4%(326 人 )、 低
か っ た 者 が 3.6%(12 人 )、 他 人 と 一 緒 に 食 事 を す る 際 の 相 手 の 食 事 マ ナ ー に つ い て 意 識 が
高 か っ た 者 が 78.5%(263 人 )、 低 か っ た 者 が 21.5%(72 人 )、 食 事 を す る 際 の 自 分 自 身 の 食
事 マ ナ ー に つ い て 認 識 が 高 か っ た 者 が 78.5%(263 人 )、 低 か っ た 者 が 21.5%(72 人 )、 食 前
食 後 の 挨 拶 に つ い て 意 識 が 高 か っ た 者 が 87.2%(294 人 )、 低 か っ た 者 が 12.8%(43 人 )、 箸
の 使 い 方 に つ い て 意 識 が 高 か っ た 者 が 82.6%(276 人 )、 低 か っ た 者 が 17.4%(58 人 )、 食 器
を 持 っ て 食 べ る か に つ い て 意 識 が 高 か っ た 者 が 90.1%(302 人 )、低 か っ た 者 が 9.9%(33 人 )、
食 事 の 際 に 肘 を つ く か に つ い て 意 識 が 高 か っ た 者 が 94.0%(315 人 )、低 か っ た 者 が 6.0%(20
人 )、 食 器 に 口 を つ け て 食 べ る か ど う か に つ い て 意 識 が 高 か っ た 者 が 94.3%(313 人 )、 低 か
っ た 者 が 5.7%(19 人 )、な が ら 食 い に つ い て 意 識 が 高 か っ た 者 が 40.7%(135 人 )、低 か っ た
者 が 59.3%(197 人 )で あ っ た 。
6. 4 仮 説 検 証
( 1) 家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 を 規 定 す る 要 因
①家族構成と家族間のコミュニケーション度
まず家族間のコミュニケーション度に影響を与えると考えられる家族構成と、家族間の
コミュニケーションの関係を検証する。家族構成と同居している家族との日常生活行動を
66
クロス集計し、χ2 検定を行った。家族と日用品の買い物に行く頻度とは関連が認められ
た (表 2)が 、他 の 項 目 で は 関 連 が 認 め ら れ な か っ た 。日 用 品 の 買 い 物 に 行 く 頻 度 は 、3 世 代
以 上 世 帯 、 2~3 世 代 世 帯 、 そ の 他 の 世 帯 、 夫 婦 の み の 世 帯 の 順 に 割 合 が 高 か っ た 。
表2 家族構成と家族と日用品の買い物に行く頻度
買い物へ行く頻度
家族構成
高い
低い
夫婦のみ
68.8
31.3
100.0
2~3世代世帯
80.5
19.6
100.0
3世代以上世帯
90.3
9.7
100.0
その他
75.0
25.0
100.0
計
77.7
22.3
100.0
(単位%)
計
(96人)
(179人)
(31人)
(8人)
(314人)
2
χ (3)=8.1036 p=0.0439
②家族に対する価値観と家族間のコミュニケーション度
家族構成と同じく家族間のコミュニケーションに影響を与えると考えられる家族に対す
る価値観と、家族間のコミュニケーション度との関連を検証する。家族に対する価値観と
家族との日常生活行動をクロス集計し、χ2 検定を行った。家族との団らんの頻度、外食
に行く頻度、散歩に行く頻度、悩み事、心配事などの込み入った会話をする頻度とは関連
が 認 め ら れ た (表 3-1、 3-2、 3-3、 3-4)が 、 日 用 品 の 買 い 物 に 行 く 頻 度 に は 関 連 が 認 め ら れ
なかった。関 連が認められた 4 つ の項目では 、いずれも家 族を重要視し ているほう が、家
族間のコミュニケーション度が高いという結果であった。
表3-1 家族に対する価値観と家族との団らんの頻度
(単位%)
団らんの頻度
家族に対する価値観
計
高い
低い
重要視
96.6
3.4
100.0 (175人)
軽視
87.6
12.4
100.0 (145人)
計
92.5
7.5
100.0 (320人)
2
χ (1)=9.2281 p=0.0024
表3-2 家族に対する価値観と家族との外食の頻度
外食の頻度
家族に対する価値観
高い
低い
重要視
80.6
19.4
軽視
70.6
29.5
計
76.0
24.0
(単位%)
計
100.0 (175人)
100.0 (146人)
100.0 (321人)
2
χ (1)=4.3858 p=0.0362
表3-3 家族に対する価値観と家族と散歩に行く頻度
(単位%)
散歩に行く頻度
家族に対する価値観
計
高い
低い
重要視
46.0
54.0
100.0 (174人)
軽視
33.1
66.9
100.0 (145人)
計
40.1
59.9
100.0 (319人)
2
χ (1)=5.4558 p=0.0195
表3-4 家族に対する価値観と家族と悩みを相談する頻度
悩みを相談する頻度
家族に対する価値観
高い
低い
重要視
86.3
13.7
100.0
軽視
71.2
28.8
100.0
計
79.4
20.6
100.0
2
χ (1)=11.0420 p=0.0009
67
(単位%)
計
(175人)
(146人)
(321人)
③まとめ
家族構成は家族と日用品の買い物に行く頻度と関連が認められた。一緒に住んでいる人
数が多いほうが、生活時間が合う可能性が高くなり、外出する機会が増えるということが
考えられる。家族に対する価値観は家族との団らん、外食、散歩、悩み相談の頻度との関
連が認められた。家族を重要視しているか否かで回答の差が大きかったのが、悩み相談で
あった。家族を重要なものと考えているからこそ、悩み相談などの込み入った会話もでき
る関係になれるという構図が考えられる。
以上のことから家族構成と家族に対する価値観は家族間のコミュニケーション度を規定
する要因であるということがいえる。
( 2) 家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 と 個 食
ここからは家族間のコミュニケーション度とそれぞれの項目の関連を検証する。個食は
家族が同じ食卓で異なったメニューを食べることを指す。好きなメニューを選ぶ点から栄
養面で偏りが生じることや、異なったものを食べることから時間にズレが生じて後述する
孤食に繋がる点が問題だと指摘されている。
まず家族間のコミュニケーション度と個食頻度との関連を検証する。家族との日常生活
行動と個食頻度をクロス集計し、χ2 検定を行った。しかしいずれの項目でも個食頻度と
の関連は認められなかった。
次に家族間のコミュニケーション度と個食に対する意識との関連を検証する。家族との
日常生活行動と個食に対する意識をクロス集計し、χ2 検定を行った。しかしいずれの項
目でも個食頻度との関連は認められなかった。
「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、個 食 頻 度 が 低 い 」と 「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ
ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、個 食 に 対 し て 否 定 的 に な る 」と い う 仮 説 は 、ど ち ら も 立 証 さ れ な
かった。個食は家族で食卓を囲んでいても発生するものであり、家族間のコミュニケーシ
ョンを妨げるものではないということで、関連が認められなかったのではないだろうか。
( 3) 家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 と 孤 食
孤食は食事を 1 人で 食事をするこ とを指す 。食卓は食事をする だけでなく、家族がコミ
ュニケーションをする場でもあるので、家族間のコミュニケーションの不足に繋がる点が
問題とされている。また、食の簡便化が進む点、栄養面で偏りが生じる点などが問題とさ
れている。
まず家族間のコミュニケーション度と孤食頻度との関連を検証する。家族との日常生活
行動と孤食頻度をクロス集計し、χ2 検定を行った。家族との日常生活行動の 5 項目と孤
食 頻 度 は 全 て で 関 連 が 認 め ら れ た (表 4-1、 4-2、 4-3、 4-4、 4-5)。 5 項 目 全 て で 家 族 と 日 常
行動を行う頻度が高いほうが、孤食の頻度の割合が低いという結果であった。
表4-1 家族との団らんの頻度と孤食頻度
孤食頻度
団らんの頻度
高い
低い
高い
21.7
78.3
低い
62.5
37.5
計
24.8
75.2
(単位%)
計
100.0 (290人)
100.0 (24人)
100.0 (314人)
2
χ (1)=19.7396 p=<.0001
外食の頻度
高い
低い
計
表4-2 家族との外食の頻度と孤食頻度
孤食頻度
高い
低い
21.0
79.0
36.4
63.6
24.8
75.2
2
(単位%)
計
100.0 (238人)
100.0 (77人)
100.0 (315人)
χ (1)=7.3629 p=0.0067
68
表4-3 家族と日用品の買い物に行く頻度と孤食頻度
(単位%)
孤食頻度
買い物に行く頻度
計
高い
低い
高い
18.5
81.5
100.0 (243人)
低い
47.8
52.2
100.0 (69人)
計
25.0
75.0
100.0 (312人)
2
χ (1)=24.6184 p=<.0001
表4-4 家族と散歩に行く頻度と孤食頻度
孤食頻度
散歩に行く頻度
高い
低い
高い
17.6
82.4
低い
29.8
70.2
計
24.9
75.1
(単位%)
計
100.0 (125人)
100.0 (188人)
100.0 (313人)
2
χ (1)=5.9602 p=0.0146
表4-5 家族に悩みを相談する頻度と孤食頻度
孤食頻度
悩みを相談する頻度
高い
低い
高い
22.1
77.9
低い
36.4
63.6
計
25.1
74.9
(単位%)
計
100.0 (249人)
100.0 (66人)
100.0 (315人)
2
χ (1)=5.6583 p=0.0174
次に家族間のコミュニケーション度と孤食に対する意識との関連を検証する。家族との
日常生活行動と孤食に対する意識をクロス集計し、χ2 検定を行った。しかしいずれの項
目でも孤食に対する意識との関連は認められなかった。
「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、孤 食 頻 度 が 低 い 」と 「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ
ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、 孤 食 に 対 し て 否 定 的 に な る 」と い う 仮 説 は 、 孤 食 頻 度 が 5 つ の
家族との日常生活行動の項目で関連が認められた一方で、孤食意識では関連がどの項目で
も認められなかった。孤食頻度の結果は、特に家族との団らんの頻度の高低で孤食頻度に
大きな差が出た。食卓が家族間のコミュニケーションの場であり、孤食が家族間のコミュ
ニケーションを妨げる要因であるということがいえる。また、孤食に対する意識で関連が
認められなかったことから、意識と行動は伴わないということもいえる。
( 4) 家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 と 食 事 マ ナ ー に 対 す る 認 識
食事マナーは家庭の食卓で教えられるものと考え、家族間のコミュニケーション度との
関連を検証する。家族との日常生活行動と食事マナーに対する認識をクロス集計し、χ2
検定を行った。しかしいずれの項目でも食事マナーに対する認識との関連は認められなか
った。
「家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 度 が 高 い ほ う が 、 食 事 マ ナ ー に 対 す る 意 識 が 高 い 」と い う
仮説は立証されなかった。家族間のコミュニケーションにおいて、食事マナーは話題には
ならないということが考えられる。
6. 5 考 察
今回の調査から、家族の生活時間の違いが発生している現代においても食卓は家族のコ
ミュニケーションの場という役割を担っていることが、家族間のコミュニケーション量と
孤食の関係から。食卓に家族が揃わないということは、やはり家族間のコミュニケーショ
ン不足をまねくことになる。家族が揃う食卓を作ることが、家族関係によい影響をもたら
すのではないだろうか。
<参考文献>
岩 村 暢 子 (2003) 『変 わ る 家 族 変 わ る 食 卓 ― 真 実 に 破 壊 さ れ る マ ー ケ テ ィ ン グ 常 識 』 勁 草
書房
69
7. 偏 食 に 影 響 を 及 ぼ し て い る 要 因
A52172
吉田知代
7. 1 テ ー マ と 仮 説
近年、家族形態は三世代家族から核家族へと変化してきている。さらに子供の塾や親の
共働き・残業により家族の中でも生活習慣が異なることで、家族で一緒に食事をする機会
が減少し、家族が各々食事をとる形態も変化してきている。その中の例として家族と別の
メニューで食事をする個食や誰とも一緒に食事をせずたった一人で食事をする孤食があげ
られる。
個食や孤食の変化の増加にともない、かつては家族の健康や生活状態を知るという食事
の機能は薄くなり、外食や中食が増え、偏食になるのではないかという問題関心のもとに
「 個 食 を す る 人 は 偏 食 に な る 」「 孤 食 を す る 人 は 偏 食 に な る 」 と い う 仮 説 を 立 て た 。
さらに「家族とのコミュニケーションを重要視していない人ほど偏食になる」という仮
説を立てた。
また、事例調査で対象者から「子供が生まれてから食事内容を意識するようになった」
と聞いたので、これを取り入れて新たに「子供と同居している人は偏食をしにくい」とい
う仮説を立てた。
7. 2
個食、孤食および偏食について
( 1) 家 族 と 同 じ メ ニ ュ ー の 食 事 を す る か 頻 度 と 個 食
Q27_a 家 族 と 一 緒 に 、同 じ メ ニ ュ ー の 食 卓 を 囲 む 頻 度 は「 ほ と ん ど 毎 日 」が 72.4% を 占
め 、「 週 に 1~2 回 」 が 16.4% で あ り 、 家 族 と 同 じ メ ニ ュ ー を 食 べ な い 人 は 少 数 で あ っ た 。
ま た 、Q27_b 家 族 と 一 緒 に 食 卓 を 囲 む が 、ほ か の 家 族 と 違 う メ ニ ュ ー を 食 べ る 頻 度 は「 ほ
と ん ど 毎 日 」 4.7% 「 週 に 1~2 回 」 5.0% 「 月 に 1~2 回 」 9.1% も 含 め 合 計 23.8% と 少 数 で
あ る の に 対 し 「 年 に 数 回 」 22.3% 「 ま っ た く な い 」 45.2% と 合 計 67.5% を 占 め 、 個 食 を し
ない人がほとんどであった。
そ し て 検 証 の さ い「 ほ と ん ど 毎 日 」「 週 に 1~2 回 」を「 個 食 を す る 」。「 月 に 1~2 回 」「 年
に 数 回 」「 ま っ た く な い 」 を 「 個 食 を し な い 」 と し て 選 択 肢 を 統 合 し た 。
( 2) 孤 食 に つ い て
Q27_c 家 族 と は 別 に 、 一 人 で 夕 食 を 取 る 頻 度 は 「 ほ と ん ど 毎 日 」 6.2% 「 週 に 1~2 回 」
17.0% 「 月 に 1~2 回 」 7.6% も 含 め 合 計 30.8% と 少 数 で あ る の に 対 し 「 年 に 数 回 」 24.0%
「 ま っ た く な い 」 37.8% と 合 計 61.9% を 占 め 、 孤 食 を し な い 人 が ほ と ん ど で あ っ た 。
そ し て 検 証 の さ い「 ほ と ん ど 毎 日 」「 週 に 1~2 回 」を「 孤 食 を す る 」。「 月 に 1~2 回 」「 年
に 数 回 」「 ま っ た く な い 」 を 「 孤 食 を し な い 」 と し て 選 択 肢 を 統 合 し た 。
( 3) 偏 食 に つ い て
Q35 食 事 の さ い 、嫌 い な も の が あ っ て も 我 慢 し て 食 べ る か ど う か で は 「 全 部 食 べ る 」 が
14% な の に 対 し て「 ほ ぼ 食 べ る 」が 42.2% を 占 め て い る 。
「 ほ と ん ど 食 べ な い 」22.6%「 ま
っ た く 食 べ な い 」 7.0% と 合 計 29.6% で 、「 嫌 い な も の は な い 」 は 12.0% を 占 め た 。
Q35_1( Q35 で「 全 部 食 べ る 」
「 ほ ぼ 食 べ る 」と 回 答 し た の み )嫌 い な も の を 食 べ る 理 由
に つ い て で は 、「 体 に い い か ら 」11.4%「 栄 養 バ ラ ン ス 」16.4%「 出 さ れ た か ら 」13.2% と
そ れ ぞ れ 10% 台 を 占 め 、 そ の ほ か の 回 答 は 10% 未 満 で あ っ た 。
Q35 の 偏 食 で は「 全 部 食 べ る 」
「ほぼ食べる」
「 嫌 い な も の は な い 」を「 偏 食 を す る 」。
「ほ
と ん ど 食 べ な い 」「 ま っ た く 食 べ な い 」 を 「 偏 食 を し な い 」 と し て 選 択 肢 を 統 合 し た 。
70
7. 3 仮 説 検 証
( 1) 食 事 形 態 と 偏 食 の 関 係
①個食と偏食の関係
Q27_b の 個 食 と Q35 の 偏 食 と の 関 係 を み る た め に 選 択 肢 を 統 合 し た 変 数 で ク ロ ス 集 計
をした。そのχ2 検定を行なった結果、二変数間に関連は見られなかったので「個食をす
る人は偏食になる」という仮説は検証されなかった。
②孤食と偏食の関係
Q27_c の 孤 食 と Q35 の 偏 食 と の 関 係 を み る た め に 選 択 肢 を 統 合 し た 変 数 で ク ロ ス 集 計
をした。そのχ2 検定を行なった結果、二変数間に関連は見られなかったので「孤食をす
る人は偏食になる」という仮説は検証されなかった。
( 2) 家 族 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と 偏 食 の 関 係
①家族とのコミュニケーション意識と偏食の関係
ま ず 、 表 1 に よ る と 家 族 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 意 識 ( Q25_a 家 族 の 助 け 合 い は 重 要
Q25_b 家 族 は 一 緒 に 住 ん だ ほ う が 良 い 、Q25_c 家 族 の た め な ら 自 分 が 犠 牲 に な っ て も よ い 、
Q25_d 家 族 で 普 段 の 出 来 事 に つ い て 話 し 合 う こ と は 重 要 だ 、Q25_e 家 族 が お 互 い の 悩 み や
心 配 事 に つ い て 話 し 合 う こ と は 重 要 だ 、Q25_f 家 族 と 日 常 的 な 挨 拶 を 交 わ す こ と は 重 要 だ 、
Q25_g 家 族 は 揃 っ て 食 事 を し た ほ う が 良 い 、 Q25_h 家 で 食 事 を す る 際 に 家 族 全 員 が 同 じ
メ ニ ュ ー を 食 べ た ほ う が よ い ) と Q35 の 偏 食 と ク ロ ス 集 計 し 、 χ 2 検 定 を し た 。 そ の 結 果
Q25_a か ら Q25_g ま で は 、関 連 が 見 ら れ な か っ た が 、Q25_h 家 で 食 事 を す る 際 に 家 族 全
員 が 同 じ メ ニ ュ ー を 食 べ た ほ う が よ い と Q35 の 偏 食 は 、 有 意 水 準 5%で 関 連 が 見 ら れ た 。
表 2 によると、家族は同 じメニューを 食べた 方がよいと思わ ない人は、偏食 をする傾向
があり、これは家族と同じメニューを食べなくてもよいと思う人は個人の嗜好を優先する
傾向があるためと思われる。
表 1
家族とのコミュニケーション意識と偏食
偏食
a家 族 の助 け合 い重 要
b家 族 は同 居
c犠 牲 になってもよい
d家 族 と日 常 会 話 は重 要
e家 族 と悩 み相 談 は重 要
f家 族 と挨 拶 は重 要
g家 族 は一 緒 に食 事
h家 族 は同 じ献 立
注 1) p <0.05= * p <0.01= **
注 2) 値 は χ 2 値 を 表 す
71
12.6938
3.1455
10.4839
3.7260
6.6634
3.2513
13.9859
10.0454 **
p <0.001= ***
表 2
家族とのコミュニケーション意識と偏食
Q25_h家 族 は同 じ献 立
そう思 う
どちらかといえばそう思 う
どちらかといえばそう思 わない
そう思 わない
計
偏食
しない
78.7
65.8
63.3
50.0
69.7
する
28.7
34.4
36.7
50.0
30.3
計
100.0 (138 人 )
100.0 (122 人 )
100.0 (49 人 )
100.0 (18 人 )
100.0 (327 人 )
χ 2 (3)=10.0454 p=.0182
②家族とのコミュニケーション行動と偏食の関係
Q26_a か ら Q26_e ま で の 家 族 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 行 動 に つ い て の 項 目 に つ い て は 、
Q26_a 家 族 と の 団 ら ん「 よ く す る 」
「たまにする」
「あまりしない」
「まったくしない」
「同
居 し て い る 家 族 は い な い 」 を Q26_b 外 食 、 Q26_c 日 用 品 の 買 い 物 に 行 く 、 Q26_d 散 歩 、
Q26_e 悩 み 事 心 配 事 な ど の 込 み 入 っ た 会 話 と Q35 の 偏 食 と ク ロ ス 集 計 し た 。 χ 2 検 定 が 分
散 し て し ま っ た 。 そ こ で 「 よ く す る 」「 た ま に す る 」 を 「 す る 」。「 あ ま り し な い 」「 ま っ た
くしない」を「しない」に統合して変数を作成した。また「一人暮らし」は欠損値として
処理した。
そ し て 、 同 じ よ う に Q26_a か ら Q26_e の 家 族 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 行 動 に つ い て の
項 目 と Q35 の 偏 食 と ク ロ ス 集 計 を し た 。 そ の χ 2 検 定 を 行 な っ た 結 果 、 二 変 数 間 に 関 連 は
見 ら れ な か っ た の で Q26 の 家 族 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 行 動 と 偏 食 と の 関 連 は 検 証 さ れ
なかった。
( 3) 子 供 と の 同 居 と 偏 食 の 関 係
F2 と Q35 の 偏 食 と の 関 係 を み る た め に 選 択 肢 を 統 合 し た 変 数 で ク ロ ス 集 計 を し た 。 そ
のχ2 検定を行なった結果、二変数間に関連は見られなかったので「子供がいる人は偏食
をしにくい」という仮設は検証されなかった。
さ ら に 、 F7_1 の 末 子 の 成 長 段 階 と Q35 の 偏 食 と の 関 係 を み る た め に 選 択 肢 を 統 合 し た
変数でクロス集計をした。そのχ2 検定を行なった結果、二変数間に関連は見られなかっ
たので「子供と同居している人は偏食をしにくい」という仮設は検証されなかった。
このことから、事例調査のさい子供が生まれたことで食事の内容に気をつけるようにな
り、偏食が抑制されたという傾向は統計データでは検証されなかった。
( 4) 食 事 の バ ラ ン ス へ の 配 慮 と 偏 食 の 関 係
次 に 家 族 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 意 識 に つ い て「 あ て は ま る 」
「どちらかといえばあては
まる」
「どちらかといえばあてはまらない」
「 あ て は ま ら な い 」( Q29_a1 日 3 食 と っ て い る
Q29_b 食 事 を 抜 く こ と が あ る 、 Q29_ c 外 食 は 控 え て い る 、 Q29_ d 間 食 は 控 え て い る 、
Q29_e 食 べ 過 ぎ に 気 を つ け て い る 、Q29_f だ い た い 決 ま っ た 時 間 に 食 事 を し て い る 、Q29_
g カ ロ リ ー を 考 え て 食 事 を し て い る 、Q29_h 脂 肪 分・油 分 を と り 過 ぎ な い 、Q29_i 塩 分 を
取 り 過 ぎ な い 、 Q29_j 糖 分 を と り 過 ぎ な い 、 Q29_k 炭 水 化 物 は 控 え て い る 、 Q29_l 野 菜
を た く さ ん 食 べ て い る 、 Q29_m 果 物 を た く さ ん 食 べ て い る 、 Q29_n 飲 み 物 に 気 を 使 っ て
い る ) と Q35 の 偏 食 と の 関 係 を み る た め に ク ロ ス 集 計 を し た 。 そ の χ 2 検 定 を 行 な っ た 結
果 、 Q35 の 偏 食 と 食 事 の バ ラ ン ス へ の 配 慮 は ほ と ん ど の 項 目 で 有 意 水 準 5%で 関 連 が 見 ら
れた。中でも顕著なのが、間食の項目で「間食を控えている人は偏食をしない」という結
果が見られた。
この結果から、偏食をしない人は間食をしないことに最も気をつけており、偏食をしな
いよう意識することで間食しなくなるのではないだろうか。
72
表 3
間食と偏食
偏食
Q29_d 間 食 は控 えている
あてはまる
どちらかといえばあてはまる
どちらかといえばあてはまらない
あてはまらない
計
しない
79.7
75.3
69.1
47.1
69.4
計
する
20.3
24.7
30.9
52.9
30.6
100.0 (59 人 )
100.0 (97 人 )
100.0 (123 人 )
100.0 (51 人 )
100.0 (330 人 )
χ 2 (3)= 16.4824 p=.0009
し た が っ て 、 Q29_a か ら Q29_n ま で の 食 事 の バ ラ ン ス へ の 配 慮 に つ い て の 項 目 を 「 あ
てはまる」4 点「どち らかといえば あてはま る」3 点「どちらかと いえばあては まらない」
2 点「 あ て は ま ら な い 」1 点 と し ス コ ア 化 し た 。そ の 点 数 を Q29_a か ら Q29_n ま で 足 し 、
そ れ ぞ れ 30% ず つ に 区 切 り 、 点 数 の 高 い も の か ら 順 に 「 気 を つ け て い る 」「 ま あ ま あ 気 を
つ け て い る 」「 気 を つ け て い な い 」 の 3 つ に 分 類 し 偏 食 と の 関 係 を み る た め に ク ロ ス 集 計
を し た 。 そ の χ 2 検 定 を 行 な っ た 結 果 、 有 意 水 準 5%で 関 連 が 見 ら れ た 。「 食 生 活 に 気 を つ
けていない人は偏食をする」という仮説は検証された。
これは食事内容に気をつけている人は偏食をしない傾向があり、自分の食事管理をする
ことで偏食を抑制していることにも関連すると考えられる。
表 4
食事のバランスへの配慮と偏食の関係
食事のバランスへの配慮
気 をつけている
まあまあ気 をつけている
気 をつけていない
計
偏食
しない
78.5
71.4
58.7
70.1
計
する
21.4
28.6
41.4
100.0
100.0
100.0
(126 人 )
(91 人 )
(104 人 )
29.9
100.0
(321 人 )
2
χ (2)= 10.8902
p=.0043
( 5) 食 事 の 優 先 順 位 と 偏 食 の 関 係
表 5 に よ る と Q30 の 食 事 の 優 先 順 位 と Q35 の 偏 食 を ク ロ ス 集 計 し χ 2 検 定 を 行 な っ た 結
果 、 有 意 水 準 5%で 関 連 が 見 ら れ た 。
この結果から、カロリー、食事の量、栄養バランスを重要視している人ほど偏食をしな
い傾向であることがわかる。
これは、食事の目的がカロリー、食事の量、栄養バランスという体の管理に関するため
ものであるの場合は偏食につながりにくく、値段や味、安全性は食材自体に重きを置いて
いるため、味覚や嗜好による偏食につながる傾向があるのではないだろうか。
73
表 5
食事の優先順位と偏食
Q30 食 事 の優 先 順 位
カロリー
食 事 の量
値段
味
安全性
栄 養 バランス
計
偏食
しない
78.6
81.5
50.0
52.8
64.3
76.1
69.6
する
21.4
18.5
50.0
47.2
35.7
23.9
30.4
χ 2 (1)=17.6251
計
100.0
(28 人 )
100.0 (27 人 )
100.0
(8 人 )
100.0 (72 人 )
100.0
(42 人 )
100.0 (155 人 )
100.0 (332 人 )
p=.0035
7. 4 ま と め
「 家 族 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 意 識 が 低 い 人 は 偏 食 を す る 」と い う 仮 説 は 、
「家族は同じ
メニューを食べた方がよいと思う人は偏食をしない傾向がある」ことがわかり、一部検証
された。また、実際の行動として「個食をする人は偏食をする」は行動の面では検証でき
なかったが、意識において個食をしてもよいと思っている人は、偏食をする傾向があると
いえる。すなわち、家族は同じメニューを食べた方がよいと思わない人は、偏食をする傾
向があり、これは家族と一緒に食べる食事内容より個人の嗜好を優先する偏食につながっ
ていくと思われる。
しかし、偏食をする人は個人の嗜好を優先したいと思ってはいるが、行動として個食を
している人は偏食をしていないように、実際の個食という別メニューで食事をとるという
行動までには至らない。偏食は潜在意識の中の個食といえるのではないだろうか。
食事バランスへの配慮と偏食の関係についても食事バランスに気をつけている人ほど偏
食をしない傾向があり、これは食事の優先順位におけるカロリー、食事の量、栄養バラン
スを重要視している人ほど偏食をしない傾向と相通じるといえる。
また、事例調査の対象者は子供が生まれてから食事の内容に気をつけるようになったと
い う 。「 子 供 が い る 人 は 偏 食 を し に く い 」 や 「 個 食 を す る 人 は 偏 食 を す る 」「 孤 食 を す る 人
は偏食をする」等の仮説が検証されなかったことから、偏食と食事形態との関連、子供の
有無による影響は事例調査の対象者に見られる特徴である。統計調査では検証されなかっ
た。
(財 )兵 庫 県 長 寿 社 会 研 究 機 構 家 庭 内 問 題 研 究 所 1998
『家族の共有時間の確保と活用に関する調査研究報告書』 島印刷
根 岸 宏 邦 2000 『 子 ど も の 食 事 』 中 央 公 論 新 社
森 田 倫 子 2004 「 食 育 の 背 景 と 経 緯 - 『 食 育 基 本 法 案 』 に 関 連 し て - 」
( http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0457.pdf )
74
8. 配 偶 関 係 ・ ラ イ フ ス テ ー ジ と 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動
A52113 鈴 木 将 司
8. 1 問 題 意 識 ・ テ ー マ
今日、さまざまな食品・食材の安全性に対する問題が注目されている。たびたびメディ
アで取り上げられている食の安全性への意識は消費者の購買行動に影響を与えているのは
間違いないだろう。日本の現状としては女性の多くが家事を担う形になっている。私は一
番身近な家庭環境と、食の安全性にはどのような関係があるのか興味を持った。そこで、
結婚している女性とそうでない女性では食の安全意識に違いがあるのではないか、また子
どものいる人といない人にも食の安全意識に違いがあり、子どもの成長段階によっても食
の安全性に対する意識の違いがみられるのではないかと考えた。
8. 2 仮 説
◎結婚をしたり、子どもを持つことによって食の安全性を意識した行動は強まる。
<作業仮説1> 既婚者は未婚者と比べ、食の安全性を意識した行動をしている。
<作業仮説2> 子どもがいる人は、食の安全性を意識した行動をしている。
<作業仮説3> 末子の成長段階が低い人ほど、食の安全性を意識した行動をしている。
8. 3 テ ー マ お よ び 仮 説 検 証 に 用 い た 変 数 の 分 析
( 1) 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 と 新 変 数 の 合 成
仮説の食の安全性を意識した行動に関して「食品・食材の購買行動」の観点から調査を
す る 。Q36_a 中 国 産 の 食 品 を 買 わ な い よ う に し て い る 、Q36_b 加 工 食 品 の 成 分 表 示 を み て
選 ん で 買 う 、Q36_c 無 農 薬・ 減 農 薬 の 野 菜 を 選 ん で 買 う 、Q36_d 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大
豆 食 品 を 選 ん で 買 う 、 Q36_eBSE 問 題 を 考 慮 し 生 産 地 が ア メ リ カ 産 で な い 牛 肉 を 買 う 、
Q36_f 食 品 の 消 費 期 限 を 気 に し て 買 う 、を 用 い た 。巻 末 の 単 純 集 計 表 を 見 て み る と Q36_a
中 国 産 を 買 わ な い と Q36_f 消 費 期 限 を 気 に す る で は 「 あ て は ま る 」 が 約 7 割 、「 ど ち ら か
といえばあてはまる」が約2割であり、合わせて9割以上の人が「あてはまる」としてい
る 。そ の ほ か の 項 目 で も「 あ て は ま る 」
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」の 合 計 が 6 ~ 7 割
を占めており、食の安全性に対する配慮の高さがうかがえる。
食 品・食 材 の 購 入 配 慮 を 測 定 す る 変 数 と し て Q36_a~ Q36_f の 6 項 目 を 合 成 し 、
「 食 品・
食 材 購 入 配 慮 」 を 変 数 名 と し た 。 合 成 す る 際 に Q36_a~ Q36_f の 各 選 択 肢 で 「 あ て は ま
る 」 の 回 答 に は 4 点 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 の 回 答 に は 3 点 、「 ど ち ら か と い え
ば あ て は ま ら な い 」の 回 答 に は 2 点 、
「 あ て は ま ら な い 」の 回 答 に は 1 点 を 与 え て そ れ ぞ れ
点数化した。
表1 食品 ・食材 購入 配慮合 成変 数
平均 値(点) 標 準偏差 中央 値(点 )
食品 ・食 材
1 9.6
3.5
20
購 入配慮
分散
最頻値 (点 )
標本 数
12 .2
24
336
注 )平 均 値 が 19.6 だ っ た 為 、19 点 以 上 を 食 品 ・ 食 材 購 入 配 慮 が「 高 い 」と し 、18 点 以 下 を 食 品 ・ 食 材
購入配慮が「低い」とした。
表 2 食品 ・食 材購 入 配慮 の単 純集 計
食 への 配 慮
度数
パー セ ント
低い
14 9
44.4
高い
18 7
55.7
75
累積 度 数
1 49
3 36
累 積パ ー セ ン ト
44 .4
100 .0
欠 損値 の 度 数 = 5
( 2) 年 齢
年 齢 に つ い て 巻 末 の 単 純 集 計 表 を み て み る と 、 50 歳 代 ( 29.6% ) と 60 歳 代 ( 25.8% )
と 半 数 以 上 を 占 め て い る 。 20 歳 代 は 9.1% と 他 の 年 代 と 比 べ て 少 な く な っ て い る 。
( 3) 配 偶 関 係 と 子 ど も の 有 無
配偶関係について巻末の単純集計表をみてみると「既婚」が半数以上を占めており、つ
い で 、「 未 婚 」、「 離 婚 」、「 死 別 」 の 順 に な っ て い る 。 ま た 、 離 婚 が 4.1% 、 死 別 が 2.6% し
かなかったため、この二項目を統合し「離婚・死別」とした。
F2 あ な た に は お 子 さ ん が い ま す か 、の 問 い で は「 は い 」と 答 え た 人 が 7 割 を 超 え て お り 、
千葉市の女性のほとんどは子どもがいることがわかる。年齢別に子どもの有無をみてみる
と 20 歳 代 は 「 い る 」 と 回 答 し た 人 が 一 人 の み と な っ て い て 、「 い な い 」 が 上 回 る 結 果 だ っ
たが、他の年代はともに「いる」と回答した人が多い結果になっている。
「 は い 」 と 答 え た 人 の 中 で F3 お 子 さ ん と 同 居 し て い ま す か 、 の 問 い に 「 は い 」 と 答 え
た 人 は 48.7% で あ り 、末 子 の 成 長 段 階 は「 中・高 卒 以 上 」が も っ と も 多 く 24.3% と な っ て
いた。
( 4) 就 労 形 態
就 労 形 態 と し て F4 就 労 の 形 態 の 項 目 を 用 い た 。「 正 社 員 」 と 「 公 務 員 ・ 団 体 職 員 な ど 」
を 統 合 し て「 正 規 雇 用 」と し た 。さ ら に「 パ ー ト タ イ マ ー( ア ル バ イ ト 含 む )」と「 派 遣 社
員 」 を 統 合 し て 「 非 正 規 雇 用 」 と し 、「 商 店 な ど の 自 営 業 ・ 農 林 業 ( 家 族 従 業 員 含 む )」 と
「その他」を統合して「自営業・他」とした。
表 3 就労 形態 の 単 純 集 計
就労 形態
度数
正規 雇用
54
非 正規 雇 用
11 2
自 営 業・他
29
無職
13 6
パー セ ント
16.3
33.8
8.8
41.1
累積 度 数
累 積パ ー セン ト
54
16 .3
1 66
50 .2
1 95
58 .9
3 31
100 .0
欠 損値 の度 数 = 10
8. 4 仮 説 検 証
仮説検証の前に千葉市に居住する女性の特徴を捉えるため、年齢別、及び就労形態別に
食の安全性を意識した行動をみていく。
表 4 年 齢 別 、 食品 ・ 食 材 購入 配 慮
食 品 ・食材 購 入 配慮
年齢
低い
高い
20 歳代
64.5
35.5
30 歳代
65.5
34.5
40 歳代
51.7
48.3
50 歳代
34.3
65.7
60 歳代
30.2
69.8
計
44.6
55.4
2
χ (4) = 27 .84 07
単 位( % )
計
10 0.0 (31人 )
10 0.0 (58人 )
10 0.0 (58人 )
10 0.0 (99人 )
10 0.0 (86人 )
10 0.0 (332 人 )
p= <.0 001
年 齢 と 食 品・食 材 の 購 入 配 慮 と を ク ロ ス 集 計 し 、χ 2 検 定 を 行 っ た 結 果 、両 者 に は 0.1%
水準で統計的に有意な関連がみられた。年代があがるにつれて食品・食材の購入配慮が高
く な っ て い る こ と が わ か る 。特 に 20・ 30 歳 代 と 40 歳 代 、40 歳 代 と 50・60 歳 代 の 開 き は
大 き く な っ て い る 。な か で も 、20・30 歳 代 は 他 の 年 代 に 比 べ て 食 品・食 材 の 購 入 配 慮 が 低
くなっているといえる。
76
表 5 就 労 形 態 と食 品 ・食 材 購 入 配 慮
食 品 ・食材 購 入 配慮
就労 形 態
低い
高い
正規 雇 用
46.3
53.7
非 正 規雇 用
46.8
53.2
自 営 業 、他
41.4
58.6
無職
41.8
58.2
計
44.2
55.8
χ 2( 3)= 0.8 013
単 位( % )
計
10 0.0 (54人 )
10 0.0 (109 人 )
10 0.0 (29人 )
10 0.0 (134 人 )
10 0.0 (326 人 )
p= 0.8 492
就労形態と食品・食材の購入配慮とをクロス集計し、χ2 検定を行った結果、両者には
統計的に有意な関連がみられなかった。就労形態によって食品・食材購入の配慮に影響が
でるということはないようだ。
( 1) < 作 業 仮 説 1 > の 検 証
<作業仮説1>既婚者は未婚者と比べ、食の安全性を意識した行動をしている。
こ の < 作 業 仮 説 1 > を 検 証 す る に あ た り 、 配 偶 関 係 と Q36_a~ Q36_f の 食 品 の 安 全 性
を意識した購買行動をクロス集計し、χ2検定をした。その結果、関連がみられた表6~
8について分析する。
表6 配偶関係と加工食品の成分表示
成分表示を見る
配偶関係
する
しない
未婚
62.2
37.8
既婚
71.4
28.6
離婚・死別
91.3
8.7
計
71.6
28.4
2
χ (2)=6.3358
単位(%)
100.0
100.0
100.0
100.0
p=0.0421
計
(45人)
(259人)
(23人)
(327人)
注 ) Q36_a ~ f 「 あ て は ま る 」 と 「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 を 統 合 し て 「 す る 」 と し 、
「あてはまらない」と「どちらかといえばあてはまらない」を統合して「しない」とした。
配偶関係と加工食品の成分表示を見てから購入とをクロス集計し、χ2検定を行った結
果、両者には5%水準で統計的に有意な関連がみられた。既婚で「する」と回答した人は
71.4% 、 未 婚 で「 す る 」と 回 答 し た 人 は 62.2% で あ り 、既 婚 者 は 未 婚 者 と 比 べ 加 工 食 品 の
成分表示を気にする傾向が高くなっていた。しかし全体的に「する」と回答した比率は高
い傾向にあり、未婚者の方でも高い数値を示していた。食の安全性を測る際に加工品の成
分表示を見るということは既婚・未婚にかかわらず行っていることがわかった。
表7 配偶関係と無農薬・減農薬の野菜
無・減農薬野菜を選ぶ
配偶関係
する
しない
未婚
53.3
46.7
既婚
68.5
31.5
離婚・死別
87.0
13.0
計
67.7
32.3
2
χ (2)=8.2144
単位(%)
100.0
100.0
100.0
100.0
p=0.0165
計
(45人)
(260人)
(23人)
(328人)
注)表6と同じ。
配偶関係と無農薬・減農薬の野菜を購入とをクロス集計し、χ2 検定を行った結果、両
者 に は 5 % 水 準 で 統 計 的 に 有 意 な 関 連 が み ら れ た 。既 婚 で「 す る 」と 回 答 し た 人 は 68.5% 、
未 婚 で「 す る 」と 回 答 し た 人 は 53.3% で あ り 、既 婚 者 は 未 婚 者 と 比 べ て 無 ・減 農 薬 の 野 菜
を気にする傾向が高くなっていた。また、既婚者は「する」と「しない」の回答に顕著な
違 い が み ら れ た 。既 婚 者 と 未 婚 者 で 無・減 農 薬 の 野 菜 購 入 配 慮 に 違 い が み ら れ 、結 婚 が 無 ・
77
減農薬の野菜の購入に影響を及ぼしていることがわかった。
表8 配偶関係と遺伝子組み換え大豆食品
単位(%)
遺伝子組み換えでない大豆食品を選ぶ
計
配偶関係
する
しない
未婚
57.8
42.2
100.0 (45人)
既婚
82.2
17.8
100.0 (259人)
離婚・死別
87.0
13.0
100.0 (23人)
計
79.2
20.8
100.0 (327人)
2
p=0.0006
χ (2)=14.8308
注)表6と同じ。
配偶関係と遺伝子組み換えでない大豆食品の購入とをクロス集計し、χ2検定を行った
結 果 、 両 者 に は 0.1% 水 準 で 統 計 的 に 有 意 な 関 連 が み ら れ た 。 既 婚 で 「 す る 」 と 回 答 し た
人 は 82.2% 、未 婚 で「 す る 」と 回 答 し た 人 は 57.8% で あ り 、既 婚 者 と 未 婚 者 で 最 も 大 き な
差 が み ら れ た の が こ の ク ロ ス 集 計 で あ る 。ま た 、既 婚 で「 す る 」と 回 答 し た 人 が「 し な い 」
と回答した人を大きく上回っており、既婚者の大豆食品への配慮の高さがうかがえる。既
婚者は未婚者に比べて遺伝子組み換え大豆食品を気にしていることがわかった。
以上のことから<作業仮説1>は検証されたと考えられる。
( 2) < 作 業 仮 説 2 > の 検 証
<作業仮説2>子どもがいる人は、食の安全性を意識した行動をしている。
単位(%)
表9 子供の有無と食品・食材購入
子供の有無
いる
いない
計
食品・食材購入配慮
低い
高い
39.8
60.2
57.3
42.7
44.3
55.7
χ2 (1)=7.5798
計
100.0 (241人)
100.0 (82人)
100.0 (323人)
p=0.0059
子どもの有無と食品・食材の購入配慮とをクロス集計し、χ2 検定を行った結果、両者
に は 1 % 水 準 で 統 計 的 に 有 意 な 関 連 が み ら れ た 。子 ど も が い る 人 は い な い 人 と 比 べ 、食 品・
食材の購入を配慮している傾向が高く、子どもの有無が食品・食材の購入配慮に影響を及
ぼ す こ と が 読 み 取 れ る 。 ま た 、「 い な い 」 と 回 答 し た 人 は 「 低 い 」 の 回 答 が 57.3% と 「 高
い」を上回っており、子どもの有無で食品・食材購入配慮の顕著な違いを読み取れた。
<作業仮説2>は検証されたと考えられる。
( 3) < 作 業 仮 説 3 > の 検 証
<作業仮説3>末子の成長段階が低い人ほど、食の安全性を意識した行動をしている。
末子の成長段階と食品・食材の購入配慮とをクロス集計し、χ2 検定を行った結果、両
者には統計的に有意な関連があるともないともいえなかった。
「 中・高 卒 以 上 」で 食 品・食
材 購 入 の 配 慮 が「 高 い 」と 回 答 し た 人 は 66.7% で「 低 い 」を 大 幅 に 上 回 っ て い た 。そ れ 以
外 の 成 長 段 階 で は 「 小 学 生 」 で 食 品 ・ 食 材 購 入 の 配 慮 が 「 高 い 」 と 回 答 し た 人 は 28.0% 、
「 中 学 生 」で 45.0% と な っ て い て 、「 低 い 」の 比 率 が 上 回 る 結 果 と な っ て い た 。「 小 学 生 未
満 」、「 高 校 生 」は と も に 50.0% で あ り 、末 子 の 成 長 段 階 が 低 い 人 ほ ど 食 品 ・食 材 購 入 配 慮
が高いとはいえなかった。
<作業仮説3>は検証されなかった。
( 4) 統 計 的 調 査 デ ー タ の 分 析 か ら の 知 見 に 基 づ く 議 論
特 徴 を 詳 し く 調 べ る た め に 年 代 別 、就 労 形 態 別 の ク ロ ス 集 計 を し た 。年 代 別 で は 50、60
歳代で食品・食材購入の配慮が高い結果となっていた。就労形態別では大きな違いがみら
れず、就労形態が食品・食材の購入配慮に影響を及ぼすということはないようだった。
<作業仮説1>では全体的に未婚者と比べて既婚者が食の安全性の購入配慮が高いこと
がわかった。だが、未婚者においても食の安全性の購入配慮は高くなっており、既婚、未
78
婚で多少は差が見られたが、共に食の安全性への関心の高さがみえた。事例調査でも結婚
に よ っ て 食 へ の 安 全 性 が 強 ま っ た と い う こ と は そ れ ほ ど な い よ う だ っ た 。Q36_a 中 国 産 の
食 品 を 買 わ な い よ う に し て い る 、と Q36_f 食 品 の 消 費 期 限 を 気 に し て 買 う 、で は 傾 向 と し
て、既婚、未婚、離婚・死別ともに「気にして買う」が8割以上を占めており、食の安全
性を気にしていることが読み取れた。これは中国産食品の問題や食品メーカーによる期限
の 改 ざ ん 等 の 問 題 で 不 安 や 関 心 が と て も 強 く 表 れ た 結 果 だ と 考 え る 。Q36_eBSE 問 題 を 考
慮し生産地がアメリカ産でない牛肉を買うとでは有意差は見られなかったが、これもメデ
ィ ア で 取 り 上 げ ら れ て い る せ い も あ っ て か 既 婚 で 79.5% 、未 婚 で 68.9% と 配 偶 関 係 に か か
わ ら ず 、「 は い 」 と 答 え た 人 の 比 率 は と て も 高 か っ た 。 BSE 問 題 へ の 関 心 の 高 さ が う か が
える。結婚をすると配偶者と一緒に暮らす人が大半であろう。そのことを踏まえると家事
を担う主婦は、食卓をともにする配偶者の管理を食の面から支えるようになるのではない
だろうか。
<作業仮説2>では、子どもの有無と食品・食材の購入配慮のクロス集計ではっきりと
した差がみられた。子どもをもつということは結婚をするということより食品・食材の購
入配慮への関連が高いことがわかった。また、事例調査では子どもが産まれる前と後で食
品・食材の購入配慮が変化したかどうかを聞いた。そこでの回答も子どもを持つことによ
って食への安全性が強まったということだった。子どもがいる人いない人というだけでは
なく、子どもを持つ前・後によっても食の安全性に影響がでるのだとわかった。上述した
ように食の面からの支えは配偶者よりも子どもに対しての方が強いようだ。今回は子ども
の有無と食品・食材購入配慮だけでクロス集計を行ったが、さらに子どもの成長段階を加
えてクロス集計することで食品・食材購入配慮への結果は変わってくると思った。
< 作 業 仮 説 3 > で は 、末 子 成 長 段 階 と 食 品・食 材 の 購 入 配 慮 の ク ロ ス 集 計 を 行 っ た 。中 ・
高卒以上、小学生未満・高校生、中学生、小学生の順で、食品・食材購入配慮が高い結果
となり、
「 子 供 の 成 長 段 階 が 低 い 人 ほ ど 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 を し て い る 」と い う 傾 向
は見られなかった。中・高卒以上と回答し、尚且つ、食品・食材購入配慮が「高い」と回
答 し た 人 の み が 66.7% と な っ て い て「 低 い 」を 上 回 る と い う 結 果 に な っ て い た 。私 が 考 え
ていたように成長段階が低いほど食の安全性を意識した行動をしているという傾向は見ら
れなかった。食品・食材購入配慮において一番低い数値を示していたのは小学生というの
も意外な結果だった。
8. 5 ま と め
連日、絶えることなく食に関してのニュースはメディアによって取り上げられている。
その多くは私たち消費者にとって、よい報道ではないことが多い。その中で食の安全性に
対する不安は強くなる一方である。私は今回の調査で、配偶関係・ライフステージと食の
安全性を意識した行動はどのような関係があるのかについて興味を持ち調べた。統計的調
査 に よ る 分 析 で は 配 偶 関 係・子 ど も の 有 無 で 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 と の 関 連 が み ら れ 、
仮説は検証された。しかし、末子の成長段階と食の安全性を意識した行動では仮説は検証
されないという結果になった。
事例調査では、対象者は食の情報をメディアから細かに受け取り、認識しているのだと
感じた。食の安全性の情報を認知するだけではなく購買行動に移しており関心の高さがう
かがえた。また、私が考えていた以上に子どもをもつということは食の安全性を意識した
行動を強くするということもわかった。
統計的調査では数字を比較することで広い範囲での分析ができた。事例調査では一人の
ライフコースに着目して調査を行ったことで結婚前・後や子どもを産む前・後の違いを知
り、統計的調査で把握しきれなかった細かい調査内容を得ることができた。考え方や行動
の比較することで充実した調査ができた。
79
9. 食 事 の 提 供 頻 度 ・ 食 品 購 入 態 度 と 安 全 性 へ の 意 識
A52095 長 谷 川 恭 平
9. 1 研 究 テ ー マ
近 年 、食 の 軽 視 、簡 便 化 に 伴 う 問 題 が 、各 メ デ ィ ア で 多 く 取 り 上 げ ら れ て い る 。か つ て 、
家庭で献立を考え家族に食事を作るというのは当然のように行われていた。しかし、食材
を購入して調理することは少なく、ファーストフードやインスタント食品、できあいのも
のを出す家庭が増えているという。
スーパーなどでの食材の購入にあっても、有機栽培野菜、遺伝子組み換え食品、といっ
た表示をよく目にするようになった。BSE問題や、中国産製品など、輸入品の安全性に
ついてのニュースも近頃多く報道されている。
近年では、夫が働き、妻が家事をこなすという家庭での役割も変化しつつある。共働き
の家庭も多く見られるようになった。家事への意識も変わってきているように思われる。
家庭での食事においての家族への配慮や、食事を提供する人の安全性への意識はどのよう
になっているのだろうか。
良い品をより安く、というのが消費者の望むところであるが、食品購入の段階で値段や
安全性を考慮した際、何に重きを置くのかを調査し、そこから消費者の購買行動が、食の
安全性への意識にどのような影響を与えているのかを調べたい。
9. 2 仮 説
< 仮 説 1> 家 族 や 同 居 人 へ の 食 事 の 提 供 頻 度 が 高 い 人 は 、 安 全 性 へ の 意 識 が 高 い
< 仮 説 2> 食 材 購 入 の 金 額 を 抑 え る 人 ほ ど 、 安 全 性 へ の 意 識 が 低 い
< 仮 説 3> 食 材 購 入 の 手 間 を 抑 え る 人 ほ ど 、 安 全 性 へ の 意 識 が 低 い
9. 3 仮 説 検 証 ・ 分 析 に 使 用 し た 変 数
・ Q31_a~ Q31_f( 食 品 の 購 入 態 度 に つ い て の 質 問 )
・ Q36_a~ Q36_e( 食 品 の 購 入 時 の 配 慮 に つ い て の 質 問 )
・ Q39( 食 事 の 準 備 を 週 何 回 く ら い す る か )
各単純集計については巻末の単純集計表を参照。
な お 、< 仮 説 1> の 分 析 で は 、家 族 や パ ー ト ナ ー へ 食 事 を 提 供 す る 人 に 分 析 を 絞 る た め 、
F7 で 「 一 人 暮 ら し 」 と 答 え た 人 を デ ー タ か ら 除 く 。
さ ら に 、 Q39 の 選 択 肢 「 3. 週 に 2~ 3 日 」「 4. ほ と ん ど し な い 」 を 統 合 し 、「 ほ と ん ど
しない」とした。統合後の単純集計は次の通りである。
表 1
食事提供頻度
単純集計表
(単 位 %)
毎日
週 4~ 6 回
ほとんどしない
計
72.5%
14.5%
13.0%
100.0%(323)
注 )一 人 暮 ら し の 人 (15 人 )を 抜 い た デ ー タ で あ る 。
9. 4 仮 説 検 証
( 1) < 仮 説 1> の 検 証
Q39( 食 事 の 準 備 頻 度 )と Q36_a~ e(食 品 の 購 入 時 の 配 慮 )を そ れ ぞ れ ク ロ ス 集 計 し 、 χ 2
検 定 を 行 っ た 。そ の 結 果 、全 て の ク ロ ス 集 計 に お い て 2 つ の 変 数 間 に 関 連 が 見 ら れ た の で 、
以 下 、 分 析 を 行 う 。 (表 2~ 表 6)
80
表 2
食事提供頻度と中国産を買うか
(単 位 %)
中 国 産 を 買 わ な い ( Q 3 6 _ a)
食 事 提 供 頻 度 (Q 3 9 )
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
毎日
0.9
3.4
20.5
75.2
100.0(234 人 )
週 4~ 6 日
2.1
8.5
36.2
53.2
100.0(47 人 )
50.0
29.3
8.5
12.2
100.0(42 人 )
1.8(6 人 )
5.2(17 人 )
22.0(71 人 )
71.0(229 人 )
100.0(323 人 )
ほとんどしない
計
χ
2
= 2 2. 0 4 0 5
P=0.001
注 )「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」を「 や や あ て は ま る 」、
「どちらかといえばあてはまら
ない」を「ややあてはまらない」と表記した。以下、表中及び文中においてこの表記にて
統一する。
表 3
食事提供頻度と成分表示を見るか
(単 位 %)
成 分 表 示 を 見 る (Q36_b)
食 事 提 供 頻 度 (Q 3 9 )
毎日
週 4~ 6 日
ほとんどしない
計
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
3.0
21.9
35.6
39.5
100.0(233 人 )
6.4
27.6
44.7
21.3
100.0(47 人 )
19.1
23.8
23.8
33.3
100.0(42 人 )
5.6(18 人 )
23.0(74 人 )
35.4(114 人 )
36.0(116 人 )
100.0(322 人 )
χ
表 4
2
2 3 . 46 5 1
P = 0.0007
食事提供頻度と無農薬野菜を買うか
(単 位 %)
無 農 薬 野 菜 を 買 う ( Q 3 6 _ c)
食 事 提 供 頻 度 (Q 3 9 )
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
毎日
4.3
23.6
40.8
31.3
100.0(233 人 )
週 4~ 6 日
2.1
40.4
42.6
14.9
100.0(47 人 )
16.7
33.3
28.6
21.4
100.0(42 人 )
5.6(18 人 )
27.3(88 人 )
39.5(127 人 )
27.6(89 人 )
100.0(323 人 )
ほとんどしない
計
χ
表 5
2
= 2 1 .5 9 0 1
P= 0.001
食事提供頻度と非遺伝子組み換え食品を買うか
(単 位 %)
非 遺 伝 子 組 み 換 え 食 品 を 買 う ( Q 3 6 _d )
食 事 提 供 頻 度 (Q 3 9 )
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
毎日
2.6
12.5
36.2
48.7
100.0(232 人 )
週 4~ 6 日
4.3
29.8
36.2
29.7
100.0(47 人 )
ほとんどしない
計
16.7
21.4
35.7
26.2
100.0(42 人 )
4.7(15 人 )
16.2(52 人 )
36.1(116 人 )
43.0(138 人 )
100.0(321 人 )
χ 2 = 2 9 .5 6 3 3
表 6
P= <.0001
食 事 提 供 頻 度 と 牛 肉 の BSE 問 題 を 考 慮 す る か
(単 位 %)
B S E 問 題 を 考 慮 す る ( Q 3 6_ e )
食 事 提 供 頻 度 (Q 3 9 )
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
4.3
14.2
25.5
56.0
100.0(232 人 )
週 4~ 6 日
12.8
17.0
34.0
36.2
100.0(47 人 )
ほとんどしない
19.1
9.5
31.0
40.4
100.0(42 人 )
7.5(24 人 )
14.0(45 人 )
27.4(88 人 )
51.1(164 人 )
100.0(321 人 )
毎日
計
χ
81
2
= 1 8. 6 6 7 2
P = 0.005
Q36_a( 中 国 産 の 食 品 を 買 わ な い )で は 、 ほ と ん ど が 「 あ て は ま る 」 を 選 択 し て お り 、 消
費者の中国産食品の安全性への注意が窺える。本調査の数ヵ月後、中国産冷凍食品が毒性
の強い農薬で汚染されており、それを食べた人が食中毒を起こすという事件が起きた。そ
の事件を経た現在では消費者の中国産食品への警戒はさらに高まっていると予想できる。
ク ロ ス 集 計 に よ る と 、 基 本 的 に 料 理 を す る 日 数 が 多 い 人 ほ ど Q36 の 各 質 問 ( 食 品 の 購 入
時 の 配 慮 に つ い て の 質 問 ) に 「 あ て は ま る 」「 や や あ て は ま る 」 と 答 え る 傾 向 が あ る 。
食 事 提 供 頻 度 が 「 週 4~ 6 日 」 の 人 は 「 毎 日 」 の 人 に 比 べ 、「 や や あ て は ま る 」「 や や あ て
は ま ら な い 」に 集 ま っ て い る 事 が 多 い の も 特 徴 で あ る 。ま た 、
「 ほ と ん ど し な い 」人 は 、家
庭では食事提供を受ける側である。これらの人でも世間を賑わせている食品問題について
配慮している人は多いようである。
家 族 や パ ー ト ナ ー に 食 事 を 提 供 す る 人 ほ ど 安 全 性 へ の 意 識 が 高 く 、仮 説 は 検 証 さ れ た と い
えるだろう。
( 2) < 仮 説 2> の 検 証
Q31_a~ c と Q36_a~ e で そ れ ぞ れ ク ロ ス 集 計 を し 、χ 2 検 定 を 行 っ た 。そ の 結 果 が 次 の 表
である。灰色の網かけをしてあるセルが2変数間で関連が見られたχ2検定である。
表 7 食 品 の 購 入 態 度 (金 額 を 重 視 す る か )と 購 入 時 の 配 慮
クロス集計一覧表
中国産を買わ
成分表示を見る
無農薬野菜を買
非遺伝子組み換え
牛 肉 の BSE 問 題 を
な い (Q36_a)
(Q36_b)
う (Q36_c)
食 品 を 買 う ( Q 36 _ d )
考 慮 (Q36_e)
安 い 店 に 行 く (Q 3 1 _ a )
7.8689
16.9206*
22.7200**
15.6110
14.2493
割 引 品 を 買 う (Q 3 1 _ b )
22.3288**
39.0002***
45.6686***
32.4902***
32.8961***
安 い 物 を 選 ぶ (Q 3 1 _ c )
47.0923***
36.0351***
50.9793***
40.1819***
50.2359***
** :P=<0.01
***: P=<0.001
注 ) * :P=<0.05
Q31_a~ f の 質 問 の 内 容 は 、価 格 志 向 か 、手 間 を 抑 え る 志 向 か と い う 違 っ た ベ ク ト ル が 存
在 す る 。 Q31_a~ c は 価 格 志 向 か を 問 う 質 問 で あ る 。 こ こ か ら は 、 価 格 志 向 の 質 問 の 代 表
と し て 、Q31_c(気 が 進 ま な く て も 安 い も の を 選 ぶ )と Q36 の 質 問 と の 関 係 を 分 析 し て い く 。
表 8 Q31_c( 少 し で も 安 い も の を 選 ぶ か ) と 中 国 産 食 品 を 買 わ な い か
(単位%)
中 国 産 を 買 わ な い ( Q 3 6 _ a)
安 い も の を 選 ぶ (Q31_c)
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
あてはまらない
1.1
4.2
8.4
86.3
100.0(95 人 )
ややあてはまらない
1.8
2.3
27.0
68.9
100.0(167 人 )
ややあてはまる
0.0
10.5
29.8
59.7
100.0(57 人 )
12.5
25.0
25.0
37.5
100.0(16 人 )
1.8(6 人 )
5.4(18 人 )
22.0(74 人 )
70.8(237 人 )
100.0(335 人 )
あてはまる
計
χ
2
= 4 7. 0 9 2 3
P = 0.0001
表 9 Q31_c( 少 し で も 安 い も の を 選 ぶ か ) と 無 農 薬 ・ 減 農 薬 野 菜 を 買 う か
(単位%)
無 農 薬 野 菜 を 買 う ( Q 3 6 _ c)
安 い も の を 選 ぶ (Q31_c)
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
あてはまらない
6.3
14.7
36.9
42.1
100.0(95 人 )
ややあてはまらない
4.2
24.6
48.4
22.8
100.0(167 人 )
ややあてはまる
1.8
52.6
26.3
19.3
100.0(57 人 )
25.0
31.3
18.7
25.0
100.0(16 人 )
5.4(18 人 )
26.8(90 人 )
40.0(134 人 )
27.8(93 人 )
100.0(335 人 )
あてはまる
計
χ
2
= 5 0. 9 7 9 3
82
P = <.0001
表 10 Q31_c( 少 し で も 安 い も の を 選 ぶ か ) と 牛 肉 を 買 う 際 、 BSE 問 題 を 考 慮 す る か
(単位%)
BSE 問 題 を 考 慮 (Q36_e)
安 い も の を 選 ぶ (Q31_c)
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
あてはまらない
8.4
6.3
17.9
67.4
100.0(95 人 )
ややあてはまらない
5.4
10.8
36.2
47.6
100.0(166 人 )
ややあてはまる
5.3
31.6
22.7
40.4
100.0(57 人 )
31.3
25.0
12.4
31.3
100.0(16 人 )
7.5(25 人 )
13.8(46 人 )
27.5(92 人 )
51.2(171 人 )
100.0(334 人 )
あてはまる
計
χ
2
= 5 0. 2 3 5 9
P = <.0001
Q36 の 各 質 問 と の ク ロ ス 集 計 の う ち 、 特 徴 が 顕 著 な も の を 表 記 し た 。
Q36_a と の ク ロ ス 集 計 で は 、安 い も の を 選 ば ず 、中 国 産 を 買 わ な い と い う 人 が 86.3%だ
った。しかし、安いものを選ぶと答えた人の中でも、中国産の食品は買わないようにして
いる人は多いようである。
Q36_c と の ク ロ ス 集 計 で は 、 安 い も の を 選 ば ず 、 無 農 薬 野 菜 を 買 う と い う 人 が 42.1%だ
っ た 。 こ の ク ロ ス 集 計 で は 、「 や や あ て は ま る 」「 や や あ て は ま ら な い 」 に 集 ま っ て い る の
が 特 徴 で あ る 。「 あ て は ま る 」「 あ て は ま ら な い 」 と 言 い 切 ら ず 、 曖 昧 に 答 え る の は 、 一 応
気にはかけているが、そこまで気にしていない人も多いということだろう。
Q36_c と の ク ロ ス 集 計 で は 、安 い も の を 選 ば ず 、BSE 問 題 を 考 慮 す る と い う 人 が 42.1%
だ っ た 。ま た 、安 い も の を 選 ぶ と い う 人 は 比 較 的 BSE 問 題 に 考 慮 し な い と い う 傾 向 が あ る
ようだ。
全 体 的 な 傾 向 と し て 、各 ク ロ ス 集 計 の 内 容 は 安 い も の を 買 わ な い 人 ほ ど Q36 の 各 質 問 に
「 あ て は ま る 」「 や や あ て は ま る 」 と 答 え て い る 。 ま た 、 全 て の ク ロ ス 集 計 の 特 徴 と し て 、
安 い も の を 選 ば な い と 答 え た 人 は 、 Q36 の 質 問 に 「 や や あ て は ま る 」 で は な く 、「 あ て は
まる」と答える人が多かった。安全性の意識が高い人はこだわりが強いともいえる。
安いものを買わない人ほど安全性への意識が高いといえ、食材購入の金額を抑える人ほ
ど、安全性への意識が低いという仮説は検証されたといえる。
( 3) < 仮 説 3> の 検 証
Q31_d~ f と Q36_a~ e で そ れ ぞ れ ク ロ ス 集 計 を し 、χ 2 検 定 を 行 っ た 。そ の 結 果 が 次 の 表
である。灰色の網かけをしてあるセルが2変数間で関連が見られたχ2検定である。
表 1 1 食 品 の 購 入 態 度 (手 間 を か け る か ) と 購 入 時 の 配 慮
中国産を買わ 成分表示を見る
チ ラ シ を 見 る (Q 3 1 _ d )
クロス集計一覧表
無農薬野菜を買う
非 遺 伝 子 組 み 換 え 牛 肉 の B SE 問 題 を 考 慮
な い (Q36_a)
(Q36_b)
(Q36_c)
食 品 を 買 う ( Q 36 _ d )
(Q36_e)
14.0916
18.8406*
17.1907*
12.2467
14.5765
ま と め 買 い を す る ( Q 3 1 _ e)
7.5044
23.2859**
34.1515***
9.1472
17.0623*
店 を 使 い 分 け る (Q31_f)
18.0896*
38.9871***
52.1119***
52.5622***
29.0446***
注 ) * :P=<0.05
** :P=<0.01
***: P=<0.001
Q31_d~ f は 手 間 を 抑 え る 志 向 か を 問 う 質 問 で あ る 。 た だ し 、 例 と し て Q31_d(チ ラ シ を
見 る )を 挙 げ る と 、 安 い も の を 買 う た め に チ ラ シ を 見 る 、 と い う 見 方 も で き る の で 、 d~ f
の回答は価格志向としての意味を含んでいる可能性もある。
手 間 を 抑 え る 志 向 の 代 表 と し て 、 Q36 の 各 質 問 全 て の χ 2 検 定 で 関 連 が 見 ら れ た
Q31_f(食 材 に よ り 店 を 使 い 分 け る )と Q36 の 関 係 に つ い て 分 析 し て い く 。
無農薬・減農薬野菜や国内産の牛肉など、安全性を謳っている食品は大抵の場合、値
段が若干高めである。店を使い分けそれらの食品を買わない人は価格志向、店を使い分け
ず安全性の高い食品を買う人は安全性を優先する手間志向、店を使い分けず安全性の高い
食品を買わない人は手間志向と分類できるだろう。
83
表 1 2 Q 3 1 _ f (店 を 使 い 分 け る か ) と 無 農 薬 ・ 減 農 薬 野 菜 を 買 う か
(単 位 %)
無 農 薬 野 菜 を 買 う ( Q 3 6 _ c)
店 を 使 い 分 け る (Q31_f)
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
あてはまらない
9.7
37.1
30.6
22.6
100.0(62 人 )
ややあてはまらない
2.8
44.4
44.4
8.4
100.0(72 人 )
ややあてはまる
5.7
22.6
46.2
25.5
100.0(106 人 )
あてはまる
4.1
11.3
36.1
48.5
100.0(97 人 )
5.3(18 人 )
26.7(90 人 )
40.1(135 人 )
27.9(94 人 )
100.0(337 人 )
計
χ
2
= 5 2. 1 1 1 9
P = <.0001
表 1 3 Q 3 1 _ f (店 を 使 い 分 け る か ) と 牛 肉 を 買 う 際 、 B S E 問 題 を 考 慮 す る か
(単 位 %)
BSE 問 題 を 考 慮 (Q36_e)
店 を 使 い 分 け る (Q31_f)
あてはまらない
ややあてはまらない
ややあてはまる
あてはまる
計
11.3
14.5
32.3
41.9
100.0(62 人 )
ややあてはまらない
4.2
25.4
29.5
40.9
100.0(71 人 )
ややあてはまる
9.4
14.2
29.2
47.2
100.0(106 人 )
あてはまる
5.2
4.1
20.6
70.1
100.0 人 (97)
7.4(25 人 )
13.7(46 人 )
27.4(92 人 )
51.5(173 人 )
100.0(336 人 )
あてはまらない
計
χ
2
= 2 9. 0 4 4 6
P = 0.0006
Q36 の 各 質 問 と の ク ロ ス 集 計 の う ち 、 特 徴 が 顕 著 な も の を 表 記 し た 。
Q36_c と の ク ロ ス 集 計 で は 、店 を 使 い 分 け 、無 農 薬 野 菜 を 買 う と い う 人 は 48.5%だ っ た 。
全体的に見て店を使い分ける人ほど無農薬野菜を買うようである。
Q36_e と の ク ロ ス 集 計 で は 、店 を 使 い 分 け 、BSE 問 題 に 配 慮 す る と い う 人 は 70.1%だ っ
た 。店 を 使 い 分 け る 人 ほ ど BSE 問 題 を 考 慮 し て い る よ う で あ る 。メ デ ィ ア で 大 々 的 に 取 り
上げられたためか、アメリカ産の牛肉に対して不安意識を持つ人は多いようだ。
全 体 的 な 傾 向 と し て 店 を 使 い 分 け る 人 ほ ど Q36 の 各 質 問 に 「 あ て は ま る 」「 や や あ て は
ま る 」 と 答 え て い る 。 ま た 、 < 仮 説 2> の 検 証 と 同 じ 特 徴 と し て 、 店 を 使 い 分 け る 人 は 、
Q36 の 質 問 に 「 や や あ て は ま る 」 で は な く 、「 あ て は ま る 」 と 答 え る 人 が 多 か っ た 。 < 仮
説 2> の 検 証 と 同 じ く 、 安 全 性 を 志 向 す る 人 は 曖 昧 に で は な く 、 は っ き り と 食 品 の 安 全 性
について意識しているようである。
買い物の手間を抑えようとする人ほど安全性への意識が低いという仮説は検証された。
9. 5 考 察 と ま と め
基 本 的 に 千 葉 市 の 女 性 は BSE 問 題 に 配 慮 す る 、近 頃 話 題 に な っ た 中 国 産 の 製 品 は で き る
だけ買わないようにするという人が多くを占めており、食品への不安が窺える。
家族へ食事を出す人は食品の安全性に気を遣っているという仮説は立証されたといえる
のではないだろうか。回答者の多くは家族と同居しており、家族と揃って食事をするほう
がよいという人も多く、家庭において食事は重要な役割を果たしていると思われる。
買い物の手間や金額を抑えようとする人ほど、安全性への意識が低いという仮説は検証
された。全体を通して見ると、買い物に手間をかけている人ほど安全性への意識が高いよ
うである。また、食材の購入段階では、手間をかけてまで金額を抑えようとする人は少な
い よ う で あ る 。事 例 調 査 の 対 象 者 も 買 い 物 に か け る 金 額 よ り 手 間 を 抑 え た い と 答 え て い た 。
基 本 的 に 、消 費 者 の 優 先 順 位 は 、安 全 性 > 買 い 物 に か け る 時 間 や 手 間 > 金 額 と い う こ と
になるのではないだろうか。安全性を優先する背景には食品への不安があると思われる。
今回の調査は千葉市の女性に対象を限定したが、食品への不安は全国的に高まっていると
思われる。
84
10. 食 品 の と り 方 と 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動
A52130
下保
智之
10. 1 テ ー マ
食 品 の と り 方 に 気 を 使 っ て い る 人 は 、食 の 安 全 に ど の く ら い 気 を 使 っ て い る の か 。ま た 、
年齢層によって食の安全性を意識した行動にどのような差があるのか。そのような興味・
関心から「食品のとり方と食の安全性を意識した行動」にはどのような関係があるのかを
テーマに仮説を構成して検証する。
10. 2
<仮説
<仮説
<仮説
仮説
1> 食 品 の と り 方 に 気 を つ け て い る 人 は 、 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 を す る 。
2> 手 作 り の 夕 食 を 食 べ る 人 は 、 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 を す る 。
3> 高 年 齢 層 ほ ど 、 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 を す る 。
10. 3 仮 説 検 証 に 使 用 す る 変 数 ( 巻 末 の 単 純 集 計 表 参 照 )
( 1) 食 品 の と り 方 ・ 手 作 り 夕 食 の 摂 取 頻 度 ・ 年 齢 ( 独 立 変 数 )
Q29_g カ ロ リ ー を 考 え る 人 は 「 あ て は ま る 」 18.5% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」
39.3% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」 27.9% 、「 あ て は ま ら な い 」 12.9% で あ る 。
約 6 割の人がカロリーを考えて食品をとっている。
Q29_h の 脂 肪 分 ・ 油 分 の 摂 取 を 控 え る 人 は 、「 あ て は ま る 」27.9% 、「 ど ち ら か と い え ば
あ て は ま る 」48.7% 、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」17.0% 、
「 あ て は ま ら な い 」5.3%
である。約 7 割の人が脂肪分・油分の摂取を控えて食品をとっている。
Q29_i 塩 分 摂 取 を 控 え る 人 は 、「 あ て は ま る 」 29.0% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」
46.3% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」18.8% 、「 あ て は ま ら な い 」4.7% で あ る 。約
7 割の人が塩分摂取を控えて食品をとっている。
Q29_j 糖 分 摂 取 を 控 え る 人 は 、「 あ て は ま る 」 22.0% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」
51.0% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」 20.2% 、「 あ て は ま ら な い 」 5. 3% で あ っ た 。
約 7 割の人が糖分摂取を控えて食品をとっている。
Q33 手 作 り 夕 食 の 摂 取 頻 度 は 、
「 毎 日 食 べ る 」64.5% 、
「 週 に 4 回 ~ 6 回 食 べ る 」27.6% 、
「 週 に 2 回 ~ 3 回 食 べ る 」5.0% 、「 ほ と ん ど 食 べ な い 」2.1% 、「 夕 食 を 食 べ な い 」は 0.0%
であり、9割以上の人が週4日以上食べている。
Q2 年 齢 の 分 布 は 、20 代 9.2% 、30 代 17.5% 、40 代 17.2% 、50 代 30.0% 、60 代 26.1%
で あ り 、 50 代 が 最 も 多 い 。
( 2) 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 ( 従 属 変 数 )
Q36_a 中 国 産 の 食 品 を 買 わ な い よ う に し て い る 人 は 、「 あ て は ま る 」 71.0% 、「 ど ち ら か
と い え ば あ て は ま る 」21.7% 、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」5.3% 、
「あてはまらな
い 」 1.8% で あ り 、 中 国 産 を 購 入 し な い よ う に し て い る 人 が 9 割 を 超 え て い る 。
Q36_b 加 工 品 の 成 分 表 示 を 見 て 買 う 人 は 、「 あ て は ま る 」35.8% 、「 ど ち ら か と い え ば あ
て は ま る 」35.5% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」22.3% 、「 あ て は ま ら な い 」5.9%
であった。7 割以上の人が成分表示を見て買うようにしている。
Q36_c 無 農 薬 ・ 減 農 薬 野 菜 を 選 ん で 購 入 す る 人 は 、「 あ て は ま る 」 27.9% 、「 ど ち ら か と
い え ば あ て は ま る 」 39.9% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」 26.4% 、「 あ て は ま ら な
い 」5.3% で あ っ た 。7 割 近 く の 人 が 無 農 薬・減 農 薬 野 菜 を 選 ん で 購 入 す る よ う に し て い る 。
Q36_d 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 を 選 ん で 購 入 す る 人 は 、
「 あ て は ま る 」42.8% 、
「ど
ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 35.2% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」 16.1% 、「 あ て
は ま ら な い 」5.0% で あ り 、約 8 割 の 人 が 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 を 選 ん で 購 入 す る
ようにしている。
Q36_eB S E 問 題 を 考 慮 し ア メ リ カ 産 で な い 牛 肉 を 選 ん で 購 入 す る 人 は 、「 あ て は ま る 」
51.3% 、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」27.0% 、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」13.5% 、
「 あ て は ま ら な い 」7.3% で あ っ た 。8 割 近 く の 人 が ア メ リ カ 産 で な い 牛 肉 を 選 ん で 購 入 す
85
るようにしている。
10. 4 仮 説 検 証
( 1) 仮 説 検 証 に 使 用 し た 変 数 の ク ロ ス 集 計
表 1 は<仮説1>から<仮説3>の独立変数と従属変数についてそれぞれクロス集計し
χ 2 検 定 を し た 結 果 で あ る 。 表 中 の χ 2 値 に は * * * ,* * ,* を 付 し 、 2 変 数 間 に は そ れ ぞ れ
0.1% 水 準 、 1% 水 準 、 5% 水 準 で 関 連 が あ っ た も の で あ る 。
な お 、 ク ロ ス 集 計 に あ た っ て 、 次 の よ う に 選 択 肢 を 統 合 し た 。 Q29_g~ Q29_j の 食 品 の
と り 方 の 質 問 で は 、「 あ て は ま る 」「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 と 答 え た 人 は 、 Q29_g
~ Q29_j の 食 品 の と り 方 を「 意 識 し て い る 」と し 、
「どちらかといえばあてはまらない」
「あ
て は ま ら な い 」 と 答 え た 人 は 、 Q29_g~ Q29_j の 食 品 の と り 方 を 「 意 識 し て い な い 」 と い
う 2 つ の 選 択 肢 に 統 合 し た 。 同 様 に 、 Q36_a~ Q36_e の 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 の 質 問
に つ い て も 、ク ロ ス 集 計 で は 、4 件 法(「 あ て は ま る 」
「どちらかといえばあてはまる」
「ど
ちらかといえばあてはまらない」
「 あ て は ま ら な い 」)の 選 択 肢 を 統 合 し て 2 件 法(「 購 入 す
る 」「 購 入 し な い 」 ま た は 「 見 る 」「 見 な い 」) に し た 。
ま た 、 Q33 手 作 り 夕 食 の 摂 取 頻 度 に つ い て は 、「 毎 日 食 べ る 」「 週 に 4 回 ~ 6 回 食 べ る 」
と 答 え た 人 を「 週 4 日 以 上 」、
「週に 2 回~3 回食べる」
「 ほ と ん ど 食 べ な い 」と 答 え た 人 は
「週3日以下」とした。
表 1
仮説検証に使用した変数のクロス集計一覧
Q36_a中国産を購入 Q36_b成分表示を見 Q36_c無農薬・低農薬野 Q36_d遺伝子組替でな
しない
て買う
菜の購入
い大豆食品の購入
Q29_gカロリーを考
える
0.8276
23.2661
作業
Q29_h脂肪分・油
分を控える
8.2404
**
13.887
仮説1
Q29_i塩分を控える
7.1607
**
13.0757
作業仮
説2
作業仮
説3
Q29_j糖分を控える
3.4662
Q33手作り夕食摂
取
7.3448
Q2年齢
***
20.2966
***
7.0549
19.684
***
***
23.3049
**
7.4344
2.1718
***
***
**
2.221
***
***
not value
45.0566
58.5136
**
*
2
注1) p<0.001、 p<0.01 、 p<0.05 注2)値はχ 値を示す
Q36_eBSEを考慮した
牛肉の購入
19.9862
***
7.9061
19.4552
***
12.5583
16.4939
***
5.1442
8.1831
**
5.4885
9.0775
**
0.0001
28.4001
***
28.07
**
***
*
*
***
***
( 2) < 仮 説 1 > の 検 証
表 1 に よ る と 、食 品 の と り 方 と 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 と の 間 に は 、 Q29_g カ ロ リ ー
を 考 え る や Q29_j 糖 分 摂 取 を 控 え る と い う 食 品 の と り 方 と Q36_a 中 国 産 を 購 入 し な い と
いう各変数間に関連がみられなかった以外は、すべての変数間で関連がみられた。ここで
は 、紙 幅 の 関 係 か ら 、健 康 に 一 番 影 響 を 与 え る Q29_h 脂 肪 分 ・油 分 を 控 え る 、Q29_i 塩 分
摂取を控えるに着目して、食の安全性を意識した行動とのクロス集計を見ていくことにす
る。
表 2 脂 肪 分 ・油 分 の 摂 取 と 成 分 表 示 を 見 て 買 う
単 位 (% )
成分表示
χ
2
計
脂 肪 分 ・油 分
見る
見ない
意識している
7 6 .3
2 3 .7
1 0 0 .0
意 識 して い ない
5 4 .1
4 5 .9
1 0 0 .0
(74人 )
全体
6 5 .2
3 4 .8
1 0 0 .0
(335人 )
(1 )= 1 3 .8 8 7 p = < .0 0 0 1
86
(261人 )
表 3 脂 肪 分 ・油 分 の 摂 取 と 無 農 薬 ・低 農 薬 野 菜 の 購 入
単 位 (% )
無 農 薬 ・低 農 薬 野 菜 の 購 入
脂 肪 分 ・油 分
χ
2
購入する
計
購 入 しな い
意識している
7 3 .9
2 6 .1
1 0 0 .0
意 識 して い ない
4 6 .7
5 3 .3
1 0 0 .0
(260人 )
(75人 )
全体
6 0 .3
3 9 .7
1 0 0 .0
(335人 )
(1 )= 1 9 .6 8 4 p = < .0 0 0 1
表 4 脂 肪 分 ・油 分 の 摂 取 と 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 の 購 入
単 位 (% )
遺伝子組み換えでない大豆食品
脂 肪 分 ・油 分
χ
2
購入する
計
購 入 しな い
意識している
8 3 .8
1 6 .2
1 0 0 .0
意 識 して い ない
6 0 .0
4 0 .0
1 0 0 .0
(259人 )
(75人 )
全体
7 1 .9
2 8 .1
1 0 0 .0
(334人 )
(1 )= 1 9 .4 5 5 2 p = < .0 0 0 1
表 2 に よ る と 、脂 肪 分・油 分 摂 取 を「 意 識 し て い る 」人 の 方 が 、成 分 表 示 を「 見 て 買 う 」
割合が2割近く高い。表 3 によると、脂肪分・油分摂取を「意識している」人の方が、無
農薬・低農薬野菜を「購入する」割合が2割近く高い。表 4 によると、脂肪分・油分摂取
を「意識している」人の方が、遺伝子組み換えでない大豆食品を「購入する」割合が2割
近く高い。
表 5 塩 分 摂 取 と 成 分 表 示 を 見 て 買 う
単 位 (% )
成分表示
χ
2
計
塩分摂取
見る
見ない
意識している
7 6 .3
2 3 .7
1 0 0 .0
意 識 して い ない
5 5 .1
4 4 .9
1 0 0 .0
(78人 )
全体
6 5 .7
3 4 .3
1 0 0 .0
(335人 )
(257人 )
(1 )= 1 3 .0 7 5 7 p = < .0 0 0 1
表 6 塩 分 摂 取 と 無 農 薬 ・低 農 薬 野 菜 の 購 入
単 位 (% )
無 農 薬 ・低 農 薬 野 菜
塩分摂取
χ
2
購入する
計
購 入 しな い
意識している
7 4 .6
2 5 .4
1 0 0 .0
意 識 して い ない
4 5 .6
5 4 .4
1 0 0 .0
(256人 )
(79人 )
全体
6 0 .1
3 9 .9
1 0 0 .0
(335人 )
(1 )= 2 3 .3 0 4 9 p = < .0 0 0 1
表 7 塩 分 摂 取 と 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 の 購 入
単 位 (% )
遺伝子組み換えでない大豆食品
χ
2
計
塩分摂取
購入する
購 入 しな い
意識している
8 3 .5
1 6 .5
1 0 0 .0
意 識 して い ない
6 2 .0
3 8 .0
1 0 0 .0
(79人 )
全体
7 2 .8
2 7 .3
1 0 0 .0
(334人 )
(255人 )
(1 )= 1 6 .4 9 3 9 p = < .0 0 0 1
表 5 によると、塩分 摂取を「 意識している 」人の方が、成 分表示を「見る」割 合が 2 割
近く高い。表 6 によると、塩分摂取を「意識している」人の方が、無農薬・低農薬野菜を
「 購 入 す る 」割 合 が 3 割 近 く 高 い 。表 7 に よ る と 、塩 分 摂 取 を「 意 識 し て い る 」人 の 方 が 、
遺伝子組み換えでない大豆食品を「購入する」割合が 2 割近く高い。
ま た 、 表 を 載 せ る こ と は 出 来 な か っ た が 、 Q29_g カ ロ リ ー を 考 え る 人 、 Q29_j 糖 分 摂 取
を 控 え る と Q36_a 中 国 産 を 購 入 し な い と の 関 係 を 除 く 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 と は 、関
連がみられた。
以上の分析の結果、<仮説1>食品のとり方に気をつけている人は、食の安全性を意識
した行動との関係において検証された。
87
( 3) < 仮 説 2 > の 検 証
こ こ で は Q33 手 作 り 夕 食 の 摂 取 頻 度 と 、食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 と の 関 係 を ク ロ ス 集
計により分析する。
表 8 手 作 り 夕 食 の 摂 取 頻 度 と 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 の 購 入
単 位 (% )
遺伝子組み換えでない大豆食品
χ
2
計
手 作り夕食
購入する
購 入 しな い
週 に 4回 以 上
8 0 .4
1 9 .6
1 0 0 .0
(311人 )
週 に 3回 以 下
5 4 .2
4 5 .8
1 0 0 .0
(24人 )
全体
6 7 .3
3 2 .7
1 0 0 .0
(335人 )
(1 )= 9 .0 7 7 5 p = 0 .0 0 2 6
表 8 に よ る と 手 作 り 夕 食 を 「 週 4 回 以 上 」 食 べ る 人 は 、「 週 3 回 以 下 」 の 人 と 比 べ て 、
遺伝子組み換えでない大豆食品を「購入する」割合が 2 割以上高い。
このことから、<仮説2>に関しては、手作り夕食の摂取頻度と食の安全性を意識した
行動の一部との関係が検証された。
( 4) < 仮 説 3 > の 検 証
こ こ で は と 、 Q2 年 齢 と 、 食 の 安 全 行 動 と の 関 係 を ク ロ ス 集 計 に よ り 分 析 す る 。
表 9 年 齢 と 成 分 表 示 を 見 て 買 う
単 位 (% )
成分表示
χ
2
計
年齢
見る
見ない
20代
5 8 .1
4 1 .9
1 0 0 .0
(31人 )
30代
4 6 .6
5 3 .4
1 0 0 .0
(58人 )
40代
5 6 .9
4 3 .1
1 0 0 .0
(58人 )
50代
8 4 .2
1 5 .8
1 0 0 .0
(101人 )
60代
8 7 .4
1 2 .6
1 0 0 .0
(87人 )
平均
6 6 .6
3 3 .4
1 0 0 .0
(335人 )
( 4 )= 4 5 .0 5 7
p = < .0 0 0 1
表 10 年 齢 と 無 農 薬 ・低 農 薬 野 菜 の 購 入
単 位 (% )
無 農 薬 ・低 農 薬 野 菜
χ
2
計
年齢
購入する
購 入 しな い
20代
3 5 .5
6 4 .5
1 0 0 .0
(31人 )
30代
4 4 .8
5 5 .2
1 0 0 .0
(58人 )
40代
5 6 .9
4 3 .1
1 0 0 .0
(58人 )
50代
7 6 .2
2 3 .8
1 0 0 .0
(101人 )
60代
9 2 .0
8 .0
1 0 0 .0
(87人 )
平均
6 1 .1
3 8 .9
1 0 0 .0
(332人 )
(4 )= 5 8 .5 1 3 6
p = < .0 0 0 1
表 11 年 齢 と 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 の 購 入
単 位 (% )
遺伝子組み換えでない大豆食品
χ
2
計
年齢
購入する
購 入 しな い
20代
5 4 .8
4 5 .2
1 0 0 .0
(31人 )
30代
6 7 .2
3 2 .8
1 0 0 .0
(58人 )
40代
7 4 .1
2 5 .9
1 0 0 .0
(58人 )
50代
8 1 .0
1 9 .0
1 0 0 .0
(100人 )
60代
9 4 .3
5 .7
1 0 0 .0
(87人 )
平均
7 4 .3
2 5 .7
1 0 0 .0
(334人 )
( 4 )= 2 8 .4 0 0 1
p = < .0 0 0 1
88
表 12 年 齢 と B S E問 題 を 考 慮 し て ア メ リ カ 産 以 外 の 牛 肉 の 購 入
単 位 (% )
B S E 問 題 を 考 慮 し た 牛 肉 (ア メ リ カ 産 以 外 )
χ
2
年齢
購入する
購 入 しな い
計
20代
6 1 .3
3 8 .7
1 0 0 .0
(31人 )
30代
5 8 .6
4 1 .4
1 0 0 .0
(58人 )
40代
8 2 .8
1 7 .2
1 0 0 .0
(58人 )
50代
8 4 .0
1 6 .0
1 0 0 .0
(100人 )
60代
8 9 .7
1 0 .3
1 0 0 .0
(87人 )
平均
7 5 .3
2 4 .7
1 0 0 .0
(334人 )
( 4 )= 2 8 .0 7
p = < .0 0 0 1
表 9 に よ る と 成 分 表 示 を「 見 て 買 う 」人 は 、20 代 か ら 40 代 は 4 割 か ら 5 割 程 度 で あ る 。
50 代 以 上 に な る と 8 割 を 超 え て い る 。 表 10 に よ る と 無 農 薬 ・ 低 農 薬 野 菜 を 「 購 入 す る 」
人 は 、 20 代 35.5% 、 30 代 44.8 % 、 40 代 56.9% 、 50 代 76.2% 、 60 代 91.6% と な っ た 。
20 代 と 60 代 を 比 べ る と 、 無 農 薬 ・ 低 農 薬 野 菜 を 「 購 入 す る 」 人 で 55% 以 上 の 差 が あ り 、
若 年 齢 と 高 年 齢 の 人 で 大 き な 差 が あ っ た 。 表 11 に よ る と 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品
を 「 購 入 す る 」 人 は 、 20 代 で は 5 割 、 30 代 が 6 割 、 40 代 が 7 割 、 50 代 が 8 割 、 60 代 が
9 割 と な っ た 。年 齢 層 が 上 が る ご と に 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 を と っ て い る 。表 12 に よ る と 、
BSE 問 題 を 考 慮 し て ア メ リ カ 産 以 外 の 牛 肉 を「 購 入 す る 」人 は 、20 代 か ら 30 代 が 6 割 程
度 で あ る が 、40 代 以 上 は 8 割 を 超 え て い る こ と が わ か る 。ま た 、中 国 産 を 購 入 し な い に つ
い て は 、セ ル の 30% に お い て 期 待 度 数 が 5 よ り 小 さ く 、 χ 2 検 定 が 妥 当 で な い と い う 結 果
が出た。
以 上 の こ と か ら 、 < 仮 説 3> に 関 し て は 、 Q2 年 齢 と Q36_a 中 国 産 の 食 品 を 購 入 し な い
を除く食品の安全性を意識した行動との関係について検証された。
10. 5 ま と め
まずは、3 仮説検証に使用する変数について記述する。
3-1 食 品 の と り 方・ 手 作 り 夕 食 の 摂 取 頻 度・ 年 齢 の 中 で 、6 割 か ら 7 割 近 く の 人 が 食 品
の と り 方( Q29_g カ ロ リ ー を 考 え る 人 、Q29_h の 脂 肪 分 ・油 分 を 控 え る 人 、Q29_i 塩 分 摂
取 を 控 え る 人 、Q29_j 糖 分 摂 取 を 控 え る 人 )を「 考 え る 」「 意 識 し て い る 」と 、多 く の 人 が
食品のとり方に気をつけていることがわかった。
ま た 、 3-2 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 に お い て は 、 中 国 産 を 「 買 わ な い 」 人 が 9 割 と 最
も多いことがわかった。
次に<仮説1>から<仮説3>までの仮説検証を行い、食の安全行動の一部が検証され
たことについて記述する。
<仮説1>で は表 2 から表 7 を見ると、脂 肪分・油分や塩分摂 取を「意識し ている」人
の方が、2 割から 3 割ほど高い割合で食の安全性を意識した行動をとることがわかった。
< 仮 説 2 > で は 表 8 を 見 る と 夕 食 を 食 べ る 割 合 に よ っ て 、食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 で
2 割以上の差があることがわかった。
< 仮 説 3 > で は 表 9 か ら 表 12 を 見 る と 、 20 代 で 3 割 か ら 6 割 、 60 代 で 8 割 か ら 9 割
の人が食の安全性を意識した行動をとっており、若年齢層と高年齢層で大きな差があるこ
とがわかった。
ま た 、 ど の 年 齢 層 に お い て も 、 表 11 に あ る 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 を 「 購 入 す
る」割合が、食の安全性を意識した行動の中で一番高いことがわかった。
全体的に千葉市の女性は、食の安全性を意識した行動をとる割合が高い。しかし、若年
齢層は食の安全性を意識した行動をとっている割合が低い。生きていくためには欠かせな
いものの一つが食であるからこそ、自分の体のことを考えて、食の安全性について顧みて
もらいたいと思う。
89
11. 健 康 番 組 の 視 聴 と 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動
A52083
桑原智希
11. 1 調 査 テ ー マ
近年、賞味期限の改ざん、食品添加物の危険性、遺伝子組み換えや中国産食品など食品
に関する問題が多く取り上げられ騒がれている。これらの問題を煽るように健康情報番組
等でも特集を組み、過剰な演出によって危険意識を高めるような放送がある。私自身も健
康番組を視聴しているし、放送されている情報の影響を受けることがある。そこで「健康
番組を視聴する人は食の安全性を意識した行動をする」という仮説を立て、検証した。
11. 2 仮 説
「健 康 情 報 番 組 を視 聴 する人 は食 の安 全 を意 識 した行 動 をする」
11. 3
テーマおよび仮説検証に用いた変数の分析
( 1) 視 聴 健 康 情 報 番 組
表 1 健康情報番組の概要と視聴状況
番組名
放送局
放送時間 放送曜日 見ている人(%)
見ていない人(%)
Q 13.1 ~ 14 視 聴 健 康 情
Q13_01
生活ほっとモーニング
NHK
8:35~ 月~金
69(20.2)
268(78.6)
報番組の視聴状況は表 1 健
Q13_02
はなまるマーケット
TBS
8:35~ 月~金
83(24.3)
254(74.5)
康情報番組の概要と視聴状
Q13_03
おしゃれ工房
NHK
9:30~ 火~金
42(12.3)
295(86.5)
況 の 通 り で あ る 。な お 8.午
Q13_04
王様のブランチ
TBS
9:30~ 土
36(10.6)
301(88.3)
後は○○おもいッきりテレ
Q13_05
所さんの目がテン
日本テレビ 7:00~ 日
47(13.8)
290(85.0)
Q13_06
ご近所の底力
NHK
10:05~ 日
20(5.9)
317(93.0)
ビは、現在番組名を変更し
Q13_07
主治医が見つかる診療所 テレビ東京 19:00~ 月
77(22.6)
260(76.3)
「おもいッきりイイテレ
Q13_08
おもいッきりテレビ
日本テレビ 11:55~ 月~金
81(23.8)
256(75.1)
ビ」となったが本レポート
Q13_09
レディス4
テレビ東京 16:00~ 月~金
19(5.6)
318(93.3)
では「午後は○○おもいッ
Q13_10
今日の健康
NHK教育 20:30~ 月~木
47(13.8)
290(85.0)
きりテレビ」として表記す
Q13_11
ためしてガッテン
NHK
20:00~ 水
156(45.8)
181(53.1)
Q13_12
本当は怖い家庭の医学
テレビ朝日 20:00~ 火
144(42.2)
193(56.6)
る。
TBS
7:00~ 日
8(2.4)
329(96.5)
表 1 を 見 る と 、Q13_11 た Q13_13 カラダのキモチ
Q13_14
人間!これでいいのだ
TBS
19:00~ 土
3(0.9)
334(97.7)
め し て ガ ッ テ ン 、Q13_12 本
計341(100.0&)
当は怖い家庭の医学、が視
聴 し て い る 人 が 40.0%以 上 で 多 い 。 い ず れ も ゴ ー ル デ ン タ イ ム と 呼 ば れ る 時 間 帯 に 含 ま れ
る 20 時 以 降 の 放 送 と な っ て お り 、家 族 が 揃 う で あ ろ う 時 間 に 健 康 情 報 番 組 が 視 聴 さ れ て い
ることが表 1 から読み取ることができる。
( 2) 食 品 食 材 購 入 配 慮
Q36_a 中 国 産 は 買 わ な い 、 Q36_b 成 分 表 示 を 見 る 、 Q35_c 無 農 薬 野 菜 選 好 、 Q36_d 非 遺 伝
子 組 み 換 え 大 豆 食 品 選 好 Q36_e 牛 肉 の BSE 問 題 考 慮 、 Q36_f 消 費 期 限 の 考 慮 の 質 問 項 目 を
使 う 。 Q36_f は 消 費 期 限 の 考 慮 は 、 70.0%以 上 の 人 が 「 あ て は ま る 」 と 回 答 、 Q36_e 牛 肉 の
BSE 問 題 考 慮 も 50.0%以 上 が「 あ て は ま る 」と 回 答 し て い る の に 対 し 、Q36_b 成 分 表 示 を 見
る 、Q36_c 無 農 薬 野 菜 選 好 、Q36_d 非 遺 伝 子 組 み 換 え 大 豆 食 品 選 好 に 関 し て は「 や や あ て は
ま る 」「 や や あ て は ま ら な い 」 の 回 答 に 集 中 し て い る ( 単 純 集 計 表 参 照 )。
な お 以 下 の 分 析 は Q36_a~ Q36_f 食 品・食 材 購 入 配 慮 の「 あ て は ま る 」、
「ややあてはまる」
を 統 合 し「 あ て は ま る 」と し 、
「 や や あ て は ま ら な い 」、
「 あ て は ま ら な い 」を 統 合 し「 あ て
はまらない」とした。
( 3) 年 齢
Q2 年 齢 の 質 問 項 目 で は 50 代 が 29.6%で 最 も 多 い 。 次 い で 60 代 が 25.8%と 多 い 。 逆 に 最
も 少 な い 20 代 は 9.1%と な っ て い る 。 第 ○ 章 の 千 葉 市 の 人 口 構 造 か ら も わ か る よ う に 、 高
齢化した分布になっている。
90
( 4) 子 ど も と の 同 居
F3 子 ど も と の 同 居 で の 質 問 項 目 で 「 は い 」 と 回 答 し た 人 の 中 で F3_1 末 子 の 成 長 段 階 で
「 小 学 生 未 満 」、「 小 学 生 」、「 中 学 生 」、「 高 校 生 」 と 回 答 し た 人 を 「 成 長 段 階 の 子 供 と 同 居
し て い る 」と し た 。F2 子 ど も の 有 無 で「 い い え 」と 回 答 し 、F3 子 ど も と の 同 居 の 質 問 項 目
で「 い い え 」と 回 答 し 、か つ F3_1 末 子 の 成 長 段 階 で「 中 卒 、高 卒 以 上 」と 回 答 し た 人 を「 成
長段階の子どもと同居していない」とし、新変数を作成した。
( 5) 仕 事 の 有 無
F4 就 労 形 態 の 質 問 項 目 で「 正 社 員 」、
「 パ ー ト 」、
「 派 遣 社 員 」、
「 公 務 員 、団 体 職 員 な ど 」、
「 そ の 他 」と 回 答 し た 人 を 仕 事 を し て い る 人 、
「 無 職 」と 回 答 し た 人 を 仕 事 を し て い な い 人
とし、仕事の有無についての変数を作成した。
11. 4 仮 説 検 証
事例調査の知見などを参考にして、歳
をとると健康に気を使い、健康情報番
組を視聴する。成長期の子供と同居して
いると子供の食に気を使い健康情報番組
を視聴するようになる。また仕事をして
いないと時間に余裕ができ健康情報番組
を視聴する、その結果健康に気を使い安
全行動を取ると考えられる。そこで下図
の仮説モデルを元に、年齢、子どもとの
同居、仕事の有無、健康情報番組の視聴
を ク ロ ス 集 計 す る 。 さ ら に Q36 食 品 ・ 食
材 購 入 配 慮 と Q13 視 聴 健 康 情 報 番 組 の 視
聴との関係をクロス集計により検証する。
表 2
年齢・子どもとの同居・職業の有無と
視聴健康情報番組クロス集計結果一覧表
年齢
子どもとの同居 仕事の有無
Q13_1
生活ほっとモーニング
29.3193***
4.3444*
Q13_2
はなまるマーケット
2.9031
0.1120
1.0584
Q13_3
おしゃれ工房
7.0422
3.3056
0.0366
Q13_4
王様のブランチ
14.4805**
2.1513
4.1181*
Q13_5
所さんの目がテン
4.5587
0.0012
5.6951*
Q13_6
ご近所の底力
not vaild
not vaild
5.3339*
Q13_7
主治医の見つかる診療所
24.5492***
5.3996*
3.9042*
Q13_8
おもいっきりテレビ
24.0447***
4.3511*
2.2728
Q13_9
レディス4
not vaild
not vaild
1.7485
Q13_10
今日の健康
23.3977***
12.0721**
6.3270*
Q13_11
ためしてガッテン
36.5226***
9.1191**
2.9330
Q13_12
本当は怖い家庭の医学
8.4697
0.1326
0.1409
Q13_13
Q13_14
カラダの気持ち
人間これでいいのだ
not vaild
not vaild
not vaild
not vaild
not vaild
notvaild
仮説モデル
*=p<0.05
**=p<0.01
6.5950*
***=p<0.001
子 ど もと の 同 居
年齢
番 組 の視 聴
食 の安 全 行 動
仕 事 の有 無
( 1) 年 齢 と 視 聴 健 康 情 報 番 組
番 組 の 視 聴 層 を 分 析 す る た め に Q2 年 齢 と Q13_1~ 14 視 聴 健 康 情 報 番 組 を ク ロ ス 集 計 す る 。
「 生 活 ほ っ と モ ー ニ ン グ 」、「 王 様 の ブ ラ ン チ 」、「 主 治 医 の 見 つ か る 診 療 所 」、「 お も い ッ き
り テ レ ビ 」、「 今 日 の 健 康 」、「 た め し て ガ ッ テ ン 」 が p<0.05 で 有 意 で あ っ た 。
表 3 年齢と主治医の見つかる診療所
表 4 年齢と王様のブランチ
表3
単位(%)
単位(%)
これらの番組は表 3 年齢
主治医の見つかる診療所
王様のブランチ
と主治医の見つかる診療所
年齢
見ない
見る
計
年齢
見ない
見る
計
20代
94.3
5.7
100.0
35人
20代
80.0
20.0
100.0
35人
のように年齢が上がれば、
30代
88.1
11.9
100.0
59人
30代
79.7
20.3
100.0
59人
番組を視聴する人も増える
40代
84.5
15.5
100.0
58人
40代
87.9
12.1
100.0
58人
ことを示している。
50代
74.2
25.8
100.0
97人
50代
94.9
5.2
100.0
97人
60代
61.4
38.6
100.0
88人
60代
94.3
5.7
100.0
88人
しかし「王様のブラン
計
77.2
22.9
100.0
337人
計
89.3
10.7
100.0
337人
チ」だけは表 4 年齢と王様
χ2(4)=24.5492
χ2(4)=14.4805
p<.0001
p=.0059
のブランチのように年齢が下がるほど視聴する人が増えている。おそらく健康よりも若者
91
の娯楽に関する情報が大半を占める情報エンターテイメント的な性格が強いため、若い人
の視聴が増えているのだと思われる。
( 2) 子 ど も と の 同 居 と 視 聴 健 康 情 報 番 組
表 5 子どもとの同居とためしてガッテン
子どもとの同居の有無で番組の視聴が変化するかを
単位(%)
分 析 す る た め に 、 3-4 子 ど も と の 同 居 で 作 成 し た 変 数
ためしてガッテン
と Q13_1~ Q13_14 視 聴 健 康 情 報 番 組 を ク ロ ス 分 析 す る 。 子どもとの同居 見ない
見る
計
結 果 14 個 中 5 個「 生 活 ほ っ と モ ー ニ ン グ 」、
「主治医の
していない 47.2
52.8
100.0
233人
見 つ か る 診 療 所 」、「 お も い ッ き り テ レ ビ 」、「 今 日 の 健
している
66.7
33.3
100.0
81人
康 」、「 た め し て ガ ッ テ ン 」 が p<0.05 で 有 意 で あ っ た 。
計
52.2
47.8
100.0
314人
これら 5 個の番組は表 5 子どもとの同居とためして
χ2(1)=9.1192
p=.0025
ガッテンのように子どもと同居していない方が健康情報番組を視聴するというものであっ
た。これは子どもと同居していないと、子どもの面倒を見ない分、時間に余裕があり視聴
することができる。子どもと同居していると子どもの面倒を見るため視聴する時間の余裕
がないと考えることができる。
( 3) 仕 事 の 有 無 と 視 聴 健 康 情 報 番 組
仕 事 の 有 無 で 番 組 の 視 聴 が 変 化 す る か を 分 析 す る た め に F4 就 労 形 態 と Q13_1~ Q13_14
視 聴 健 康 情 報 番 組 を ク ロ ス 分 析 す る 。 結 果 14 個 中 6 個 の 番 組 が p<0.05 で 有 意 で あ っ た 。
「 生 活 ほ っ と モ ー ニ ン グ 」 、「 ご 近 所 の 底 力 」 、「 主 治 医 が 見 つ か る 診 療 所 」、 「 今 日
の健康」では表 6 仕事の有無と生活ほっとモーニングのように仕事をしていないほど視聴
する、このことから一日家で過ごすような生活をしている人は時間に余裕があり番組を視
聴すると考えることができる。6 個中 4 個の番組が平日の放送であることから仕事をして
いない人の方が時間に余裕がある生活を送っていて視聴していることがわかる。それとは
逆 に 「 王 様 の ブ ラ ン チ 」、「 所 さ ん の 目 が テ ン 」 で は 表 7 仕 事 の 有 無 と 王 様 の ブ ラ ン チ の よ
うに仕事をしている方が番組を視聴する。しかしこれら二つの番組は放送曜日が表 1 から
わかるように休日である土曜日、日曜日であることから仕事の有無による番組視聴の差が
逆転してもおかしくないと考えられる。
表 6 仕事の有無と生活ほっとモーニング
表 7 仕事の有無と王様のブランチ
単位(%)
単位(%)
生活ほっとモーニング
王様のブランチ
計
仕事の有無 見ない
見る
していない
している
72.9
84.5
27.1
15.5
100.0
100.0
計
79.8
20.2
100.0
χ2(1)=6.5950
計
仕事の有無 見ない
見る
133人
194人
していない
している
93.2
86.1
6.8
13.9
100.0
100.0
133人
194人
327人
計
89.0
11.0
100.0
327人
χ2(1)=4.1181
p=.0102
p=.0424
年齢が上昇すれば健康情報番組を視聴するということ、成長段階の子供と同居しない方
が健康情報番組を視聴するということ、仕事していない方が健康情報番組を視聴するとい
うことの 3 つの事柄をまとめて考えてみると、時間に余裕がある人(年齢が上昇するほど
時間に余裕があると考え、成長段階の子供と同居していない方が子供の面倒見ないので時
間に余裕ができると考え、仕事をしていない人ほど時間に余裕があると考え)が健康情報
番組を見ていると考えられる。
92
( 4) 視 聴 健 康 情 報 番 組 と 食 の 安 全 行 動 表 8 視 聴 健 康 情 報 番 組 、 食 の 安 全 行 動 ク ロ ス 集 計 結 果 一 覧 表
Q36_a
Q36_b
Q36_c
Q36_d
Q36_e
Q36_f
Q13_1~ Q13_14 視 聴 健 康 情
中
国
産
成
分
表
示
無
農
薬
遺
伝
子
組
み
換
え
BS
E
消
費期限
報 番 組 と Q36_a~ Q36_f 食
生活ほっとモーニング
Q13_1
not
vaild
8.5271**
8.4615**
2.3775
2.3775
not
valid
品・食材購入配慮をクロス分
Q13_2 はなまるマーケット
0.0012
0.6077
0.9080
0.0122
0.1762
not vaild
析 し た 。 結 果 15 個 が p<0.05
Q13_3 おしゃれ工房
not vaild 4.8509*
8.8675*
1.3950
2.5105
not vaild
で有意であった。結果は表 8
Q13_4 王様のブランチ
not vaild 1.0963
0.8959
0.0224
not vaild
not vaild
の視聴健康情報番組、食の安
Q13_5 所さんの目がテン
not vaild 0.0342
1.2681
0.2248
1.0101
not vaild
Q13_6 ご近所の底力
not vaild 0.7796
4.7100*
not vaild
not vaild
not vaild
全行動クロス集計結果一覧表
主治医の見つかる診療所 3.1117 11.5499*** 18.2660***
Q13_7
5.2107
2.705
not
vaild
を参照。
Q13_8 おもいっきりテレビ
0.7821
2.8201
6.8928**
1.4253
1.5759
not vaild
こ れ ら p<0.05 の も の は 表 9
Q13_9 レディス4
not vaild 1.6312
6.5942*
not vaild
not vaild
not vaild
~ 表 11 の よ う に す べ て 視 聴
Q13_10 今日の健康
not vaild 10.8530*** 5.1921*
5.0292*
1.1627
not vaild
している人ほど安全行動をす
Q13_11 ためしてガッテン
0.8284
2.4191
8.6407**
4.3085*
0.6255
0.2609
Q13_12 本当は怖い家庭の医学
1.8964
3.5380
6.0296*
0.6481
0.0025
0.7455
る、視聴しない人ほど安全行
Q13_13 カラダの気持ち
not vaild not vaild
not vaild
not vaild
not vaild
notvaild
動をしない。つまりこれらの
Q13_14 人間これでいいのだ
not vaild not vaild
not vaild
not vaild
not vaild
notvaild
番組を視聴している人は食の
* p<0.05
** p<0.01 *** p<0.001
安全性を意識した行動をして
いるといえるだろう。
ま た p<0.05 で あ る 健 康 情 報 番 組 の 放 送 局 は NHK が 多 い こ と が 表 1 健 康 情 報 番 組 基 本 属 性
か ら わ か っ た 。 こ れ は 視 聴 者 が 民 間 放 送 よ り も NHK の 方 が 信 憑 性 が 高 い と 考 え て い る と い
うことの表れとしてこのような結果が出たのではないだろうか。
表 9
表 10
今日の健康と成分表示
表 11
ためしてガッテンと無農薬野菜選好
単位(%)
今日の健康と非遺伝子組み換え大豆食品選好
単位(%)
成分表示を見る
単位(%)
無農薬野菜選好
今日の健康 あてはまらない あてはまる
計
非遺伝子組換大豆食品選好
計
ためしてガッテンあてはまらない あてはまる
今日の健康 あてはまらない あてはまる
計
見ない
見る
31.9
8.5
68.1
91.5
100.0
100.0
288人
47人
見ない
見る
38.9
23.9
61.1
76.1
100.0
100.0
180人
118人
見ない
見る
23.3
8.7
76.7
91.3
100.0
100.0
計
28.7
71.3
100.0
335人
計
31.9
68.1
100.0
335人
計
21.3
78.7
100.0
2
χ (1)=10.8530
2
χ (1)=8.6407
p=.001
2
χ (1)=5.0292
p=.0033
288人
48人
344人
p=.0249
結果
同居しない方が番組を視聴する
時間に余裕がある人ほど番組を視聴?
時間
子 ど もと の 同 居
年齢
番 組 の視 聴
食 の安 全 行
年齢が上昇すれば番組を視聴する
仕 事 の有 無
仕事をしていない人ほど番組を視聴する
11. 5 ま と め
今 回 の 調 査 で は 14 の 番 組 を 取 り 上 げ 、ど の よ う な 人 が 健 康 情 報 番 組 を 視 聴 し て い る の か
と番組の視聴の有無による食の安全行動の違いを分析した。
健 康 番 組 の 視 聴 層 の 分 析 で は 、5 つ の 番 組 で 年 齢 が 上 昇 す れ ば 視 聴 の 割 合 が 高 く な り 、1
つの番組で年齢が下がれば視聴する割合が高くなる結果が出た。
「 王 様 の ブ ラ ン チ 」は 4-1
でも書いたように、若者向けの娯楽情報等を取り扱っていることから年齢が下がると視聴
の割合が高くなっていると考えられる。他 5 つの番組は食の健康に関する情報や安全性を
意識した番組内容となっているため、年齢が上がるほど健康を意識し始め、年齢の上昇に
93
比例して視聴の割合も高くなっていると考えられる。また年齢が上昇すると時間に余裕が
できるため視聴の割合も高くなると考えることもできる。
子供の有無では 5 つの番組で成長段階の子供と同居していない方が番組の視聴の割合が
高くなるという結果が出た。私が考えていたのは子供と同居している方が子供の健康を気
にして番組の視聴が増えると思っていたが、逆の結果が出た。このことから子供の面倒を
見なくて済むようになり時間に余裕ができたので番組を視聴するようになったということ
が考えられるのではないか。
同じく仕事に就いているかどうかも、仕事に就いていない人の方が健康情報番組を視聴
しており、仕事に就いていない人の方が仕事をしていない分、時間に余裕があるから視聴
できていると考えられる。
番組の視聴と食の安全行動に関しては、成分表示を見る、無農薬野菜選好、遺伝子組み
替え、の項目でいくつかの番組の視聴に関係し安全行動を取ることが認められた。
放 送 局 が NHK 多 く 見 ら れ た の は NHK が 他 の 放 送 局 と 比 べ 信 憑 性 が 高 い と 考 え て い る こ と
の 現 わ れ だ ろ う 。 ま た NHK の 番 組 を 見 て い る 視 聴 者 が 年 齢 の 上 昇 と 関 係 し て い る こ と か ら
年 齢 が 高 い 人 ほ ど NHK の 情 報 に 信 頼 を 寄 せ て と 考 え る こ と が で き る 。 こ の 結 果 か ら 年 齢 が
高くなればなるほど自分の健康を気にし始め健康情報番組を視聴し、食の安全行動を取る
ようになることが明らかになった。
またこれら三つの事柄をまとめると新たな事実として時間に余裕がある人ほど、健康情
報番組を視聴し安全行動を取るということが明らかになった。
健康番組の視聴から食という生活に密着した部分に気を使うことは大事だが、メディア
の 情 報 を 鵜 呑 み に し て し ま う の は 、過 去 の「 発 掘 ! あ る あ る 大 辞 典 」の 捏 造 の 時 の よ う な 、
消 費 行 動 を 起 こ し か ね な い 。こ う い っ た 事 例 は 、
「 科 学 的 根 拠 も な い の に 、健 康 に 良 い と 聞
か さ れ た 食 べ 物 の 効 果 を 盲 信 す る フ ー ド フ ァ デ ィ ズ ム food faddism」
( 橋 本 2007)で あ り 、
その同一の行動として食品添加物に発ガン性物質が含まれているので避けるべきといった
メディアの過剰な放送を鵜呑みにし、消費行動を起こすことは、消費者は安心を手に入れ
ると共に食品添加物の便利な部分を消し去ってしまう。
こういった食品添加物を危険視する報道は間違っていない、だが国は安全基準を定め一
日にこれぐらいの摂取量なら安全であるという基準を設けている。安全基準を定めている
ということは、安全であるから食べてもまず問題が無いと科学的に証明されているはずで
ある。しかし消費者はメディアの煽りを受けやすく不安から安全行動をするのである。無
農薬野菜に関しても同じことがいえる。
安全とは危険の起きる確率が少ないことであり、科学的に計算できるが、安心は個人の
心 理 状 態 で あ り 、 計 算 で き な い も の で あ る 。 と 橋 本 ( 2007) が 言 う よ う に 、 や た ら と 食 品
添 加 物 を 避 け 、無 農 薬 野 菜 を 買 う の で は な く 、い か に 個 人 の 心 理 状 態 で あ る「 安 心 」を「 安
全」に近づけ、添加物を使用した食品や農薬についての安全性の知識を獲得する必要があ
ると思われる。知らないが故に不安に陥ってしまい食品添加物を避け、無農薬野菜を買う
のである。そのためにも消費者は添加物や農薬の正しい知識を学ばなくてはならない。
またメディアからの情報は過剰な演出が含まれており「安心」と「安全」離を遠ざけて
しまう。メディアから情報を得ることも大事だが、それをキッカケとし、安全の意味を理
解 す る た め に も 、 食 品 添 加 物 を 扱 う 企 業 や 農 家 は 消 費 者 に 対 し て 安 全 性 を 説 明 し 、「 安 全 」
を「安心」の水準に少しでも近づける努力が必要なのではないかと私は考える。
参考文献
・ 安 部 司 ,2005,『 食 品 の 裏 側 』 ,東 洋 経 済 新 報 社
・ 橋 本 直 樹 ,2007,『 食 品 不 安 安 全 と 安 心 の 境 界 線 』 ,日 本 放 送 出 版 協 会
・ 森 岡 清 志 ,1998,『 ガ イ ド ブ ッ ク 社 会 調 査 』 ,株 式 会 社 日 本 評 論 社
・ 砂 田 登 志 子 ,2005,『 楽 し く 食 育 』 ,潮 出 版 社
94
12. 食 文 化 の 継 承 と 食 の 安 全 意 識
A52118
中村美由貴
12. 1 調 査 テ ー マ
近 年 BSE 問 題 や 賞 味 期 限 の 改 ざ ん 問 題 の 影 響 で 、食 の 安 全 に 対 す る 意 識 を 高 ま っ て い る
と 言 え る の で は な い だ ろ う か 。し か し 今 回 の 調 査 の た め に 参 考 し た 岩 村 暢 子 著 の『 変 わ る
家族 変わる食卓』によると、実際に気を使って食材を購入したり、調理をしたりという
人はあまり多くなく、栄養や添加物に関しても、宣伝文句やパッケージ、栄養表示のみに
頼った安易な判断が行われているという。これは知識や情報の不足というよりも、戦後の
生活価値意識の変化によって食への関心が低下し、食の軽視という問題がでてきたのでは
ないかと言うことだった。
また現代の食をめぐる問題として、食の外部化、簡便化、栄養バランスの崩れなどが挙
げられている。中食や外食の利用頻度、朝食の欠食率は増加傾向にあり、日本人の食生活
の大きな課題とされている。農林水産省ではこれらの問題を受け、食育活動を推進しはじ
めた。食育とは食文化の継承や完全な食生活の実現などを、自ら考える習慣を養い、食に
関する様々な知識などを身に付ける学習の取り組みのことを言う。一言で食育といっても
幅広いので、今回は食文化の継承に着目した。食文化の継承と食の安全意識には密接な関
係 が あ る の で は な い か と 思 う 。食 文 化 の 継 承 は 、地 産 地 消 や 旬 の 食 材 の 利 用 と い う 内 容 で 、
スローフードのような視点や、伝統・郷土料理の継承をもって把握する。食の軽視の内容
については、今回食の安全意識に重点をあてて考えていきたい。
12. 2 仮 説
「スローフードを行っている人は、食の安全に気をつけている」
「食文化を継承している人は、食の安全に気をつけている」
当初は、例えば「スローフードを行っていない人は、食を軽視している」というように
マイナスの視点から仮説を立てていた。しかし事例研究の結果と単純集計の結果を参考に
して、プラスの視点からみていきたいと思ったので仮説を変更した。また従属変数に関し
ても、
「 食 を 軽 視 し て い る 」と い う 枠 で は 内 容 が 広 く な っ て し ま う の で 、食 の 安 全 に 重 点 を
置いて仮説を検証していこうと思う。
12. 3 仮 説 検 証 に 用 い た 変 数 の 分 析
( 1) 季 節 の 食 材 、 地 元 で 生 産 さ れ た 食 材 に つ い て
季 節 の食 材 、地 元 で生 産 された食 材 に関 しては、Q40_e~f を利 用 した。Q40_e 料 理 の 際 、季 節
の 食 材 ( 旬 の 食 材 ) を 使 う と い う 質 問 で は 、「 よ く す る 」 と 答 え た 人 が 60.1%、「 と き ど き
す る 」 人 が 30.8%、「 あ ま り し な い 」 人 が 6.7%、「 ま っ た く し な い 」 人 が 1.2%で 、 約 9 割
の 人 が 季 節 の 食 材 を 使 っ て 料 理 し て い る 。ま た Q40_f 食 材 を 選 ぶ 際 、地 元 で 生 産 さ れ た 食
品を使うという質問では、
「 よ く す る 」と 答 え た 人 が 40.0%、
「 と き ど き す る 」人 が 35.5%、
「 あ ま り し な い 」 人 が 19.1%、「 ま っ た く し な い 」 人 が 4.7%で 、 約 7.5 割 の 人 が 地 元 で 生
産 さ れ た 食 材 を 使 っ て 料 理 し て い る ( 単 純 集 計 表 参 照 )。
また以 下 の集 計 の際 、「よ くする」「ときどきする」を「する」と統 合 し、「あまりしない」「まったくしない」を
「しない」と統 合 した。
( 2) 伝 統 ・ 郷 土 料 理
伝 統・郷 土 料 理 に つ い て は 、Q42 で 11 種 類 の 千 葉 の 伝 統・郷 土 料 理 を 例 に 挙 げ 、3 年 以
内 に 作 っ た こ と の あ る も の を 複 数 回 答 で 調 査 し「 太 巻 き 寿 司 」
「はば雑煮」
「性学もち」
「鳥
雑炊」
「菜の花の辛し和え」
「落花生みそ」
「鯵のさんが」
「いわし団子のつみれ汁」
「なめろ
う 」「 て っ ぽ う 漬 け 」「 鯨 の た れ 」「 ど れ も 知 ら な い 」「 作 っ た こ と が な い 」 の 選 択 肢 の 中 か
ら あ て は ま る も の 全 て に 丸 を つ け て も ら っ た 。ま ず 1~ 11 の 伝 統 ・ 郷 土 料 理 の な か で 、幾
つ 知 っ て い る か を 集 計 し た 。そ の 結 果 、1 つ も 丸 を つ け て い な い 人 が 32.0%で 、1~ 3 つ の
人 は 52.5%で あ っ た 。 4 つ 以 上 に な る と 全 体 の 15.5%し か い な い 。 今 回 の 調 査 で は 、 千 葉
95
の伝統・郷土料理の調理経験を通して食文化の継承をみようとしたが、それほど多くの人
に 継 承 さ れ て い る わ け で は な い こ と が 分 か っ た( 表 1 を 参 照 )。な お「 ど れ も 知 ら な い 」
「作
ったことがない」は、集計の際に欠損値として処理した。次に年齢別に調理経験のある伝
統 ・ 郷 土 料 理 の 数 を ク ロ ス 集 計 し 、( 表 2 参 照 )。 そ の 結 果 、 年 代 が 上 が る に つ れ て 調 理 経
験のある伝統・郷土 料理の数が 多くなって い る。特に調理経験の ある料理が 2 つ以 上ある
場合は、顕著である。
表 1 調 理 経 験 のある伝 統 ・郷 土 理 の数
0
表 2 年 齢 別 に見 る調 理 経 験 のある伝 統 ・郷 土 料 理 の数
32
109 人
1つ
18.5
63 人
年齢
0
2つ
17.6
60 人
20 代
74.2
9.7
3つ
16.4
56 人
30 代
50.9
22
4つ
6.7
23 人
40 代
39.7
5つ
4.1
14 人
50 代
19.8
6つ
3.2
11 人
60 代
7つ
0.6
2人
8つ
0.9
3人
計
計
100
341 人
調 理 経 験 のある伝 統 ・郷 土 料 理 の数
1つ
2 つ以 上
計
(人 )
16.1
100
(31)
27.1
100
(59)
25.9
34.5
100
(58)
18.8
61.4
100
(101)
14.8
13.6
71.6
100
(88)
32.3
18.4
49.3
100
(337)
2
χ (8)=69.1328
p<.0001 欠 損 値 =4
( 3) 食 の 安 全 意 識
独 立 変 数 と し て の 食 の 安 全 の 意 識 に つ い て は 、 Q36_a~ d で 、 中 国 産 の 食 品 購 入 、 加 工
食品の成分表示を見て食品を購入、無農薬・減農薬野菜の購入、遺伝子組み換えでない大
豆食品の購入、アメリカ産でない牛肉の購入といった食の安全を意識した購入行動を通し
て把握した。
12. 4 仮 説 検 証
( 1)「 ス ロ ー フ ー ド を 行 っ て い る 人 は 、 食 の 安 全 に 気 を つ け て い る 」
最初に、ここでのスローフードの中身は、季節の食材の利用と、地元で生産された食材
の 利 用 に つ い て で あ る こ と を 断 っ て お く 。上 記 の 仮 説 を 検 証 す る た め 、 Q40_e~ f の 地 産 地
消 の 項 目 と 、 Q36_a~ d の 食 の 安 全 意 識 の 項 目 を そ れ ぞ れ ク ロ ス 集 計 χ 2 検 定 を 行 っ た 。 そ
の 結 果 、 Q40_e の 季 節 の 食 材 の 利 用 と Q36_a の 中 国 産 で な い 食 品 購 入 の 有 無 で は 妥 当 な 検
定 結 果 を 得 る こ と が で き な か っ た が 、 そ れ 以 外 は 全 て 関 連 が あ っ た ( 表 3 参 照 )。
表 3 スローフードと食 の安 全 を意 識 した行 動 とのクロス集 計 一 覧
Q36_a
Q36_b
Q36_c
Q36_d
Q36_e
中 国 産 でない
加工食品の
無 農 薬 ・減 薬
遺 伝 子 組 み換 えでない
アメリカ産 でない
食品購入
成分表示
野 菜 の購 入
大 豆 食 品 の購 入
牛肉購入
Q40_e
季 節 の食 材 利 用
not valid
13.5794 * *
23.6668 * * *
16.0414 * * *
12.7743 * *
25.8531 * * *
25.6351 * * *
46.7980 * * *
45.2570 * * *
31.2187 * * *
Q40_f
地元生産の
食材利用
*
p<.05
**
p<.01
***
p<.001
Q36_d の 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 を 購 入 す る か と ク ロ ス 集 計 し た 結 果 、 季 節 の 食
材 を 利 用 し て い る 人 の 81.2%が 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 を 購 入 し て お り 、 そ れ に 対
し て 季 節 の 食 材 を 利 用 し て い な い 人 の 48.2%が 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 を 購 入 し て
お り 、 39.0%の 差 が あ っ た ( 表 4 参 照 )。
96
表 4 季 節 の食 材 の利 用 と遺 伝 子 組 み換 えでない大 豆 食 品 の購 入
遺 伝 子 組 み換 えでない大 豆 食 品 購 入
季 節 の食 材 を使 用 するか
計
(人 )
あてはまる
81.2
28.8
100.0
(308)
あてはまらない
48.2
51.8
100.0
(27)
計
71.4
28.6
100.0
(335)
2
χ (1)=16.0414
する
しない
p=<.0001
欠 損 値 =6
Q36_b と の ク ロ ス 集 計 で は 、 季 節 の 食 材 利 用 し て い る 人 の 81.2%が 無 農 薬 ・ 減 農 薬 野 菜 を
選 ん で 購 入 し て お り 、 そ れ に 対 し て 季 節 の 食 材 の 利 用 を し て い な い 人 は 51.9%の 人 が 無 農
薬 ・ 減 農 薬 野 菜 を 購 入 し て お り 、 29.3%の 差 が あ っ た ( 表 5 参 照 )。
表 5 季 節 の食 材 の利 用 と無 農 薬 ・減 農 薬 野 菜 を選 んで購 入
無 農 薬 ・減 農 薬 野 菜 を購 入
季 節 の食 材 を使 用 するか
する
しない
計
(人 )
あてはまる
81.2
18.8
100.0
(309)
あてはまらない
51.9
48.9
100.0
(27)
22.2
100.0
(336)
計
χ 2 (1)=12.7743
78.8
p=.0004
欠 損 値 =6
Q40_f の 地 元 で 生 産 さ れ た 食 品 を 利 用 と 食 の 安 全 意 識 と の 関 連 性 を 見 て い く 。 ま ず Q36_a
中国産の食品の購入の有無とをクロス集計した結果、地元生産の食材を使用している人の
96.9%が 中 国 産 の 食 品 を 購 入 し て お ら ず 、使 用 し て い な い 人 は 80.2% の 人 が 中 国 産 の 食 品 を
購 入 し て お ら ず 、 16.4%の 差 が あ っ た ( 表 6 参 照 )。
表 6 地 元 で生 産 された食 品 の使 用 と中 国 産 の食 品 の購 入
.
中 国 産 の食 品 は購 入 しない
地 元 生 産 の食 材 を使 用 するか
計
(人 )
あてはまる
96.9
3.1
100.0
(257)
あてはまらない
80.2
19.8
100.0
(81)
計
92.9
7.1
100.0
(338)
2
χ (1)=25.8531
あてはまる
p=<.0001
あてはまらない
欠 損 値 =3
Q36_c の 無 農 薬 ・ 減 農 薬 野 菜 を 選 ん で 購 入 す る か を ク ロ ス 集 計 さ せ た と こ ろ 、 地 元 で 生
産 さ れ た 食 品 を 使 用 し て い る 人 の 77.7%が 、 無 農 薬 ・ 減 農 薬 野 菜 を 選 ん で 購 入 し て お り 、
そ れ に 対 し て 地 元 で 生 産 さ れ た 食 材 を 使 用 し て い な い 37.0%の 人 が 無 農 薬 減 農 薬 野 菜 を 購
入 し て お り 、 43.7%の 差 が あ っ た ( 表 7 参 照 )。
表 7 地 元 で生 産 された食 品 の使 用 と無 農 薬 ・減 農 薬 を選 んで購 入
無 農 薬 ・減 農 薬 野 菜 を購 入
地 元 の食 材 を使 用 するか
2
あてはまる
あてはまらない
計
(人 )
あてはまる
77.7
22.3
100.0
(256)
あてはまらない
37.0
63.0
100.0
(81)
計
68.0
32.0
100.0
(337)
χ (1)=46.7980
p=<.0001
欠 損 値 =4
97
地 元 で 生 産 さ れ た 食 品 を 使 用 し て い る 人 の 87.1%が 、 BSE 問 題 を 考 慮 し て ア メ リ カ 産 で
な い 牛 肉 を 購 入 し て お り 、地 元 で 生 産 さ れ た 食 品 を 使 用 し て い な い 人 は 51.9% の 人 が ア メ
リ カ 産 で な い 牛 肉 を 購 入 し て お り 、 35.2%の 差 が あ っ た (表 8 参 照 )。
表 8 地 元 で生 産 された食 品 の使 用 と BSE 問 題 を考 慮 してアメリカ産 でない牛 肉 を購 入
.
アメリカ産 でない牛 肉 購 入
地 元 生 産 の食 材 を使 用 するか
する
しない
計
あてはまる
87.1
12.9
100.0
(255)
あてはまらない
51.9
48.1
100.0
(81)
計
78.6
21.4
100.0
(336)
2
χ (1)=45.2570
p=<.0001
欠 損 値 =5
またここでは表を割愛しているが、地元で生産された食品の使用と加工食品の成分表示
をみて購入しているかのクロス集計した結果、地元生産された食品を使用している人は
78.5%が 、 地 元 生 産 さ れ た 食 品 を 使 用 し て い な い 人 は 49.4%が 加 工 食 品 の 成 分 表 示 を み て 購
入 し て お り 、29.1%の 差 が あ っ た 。同 様 に 地 元 で 生 産 さ れ た 食 品 の 使 用 と 遺 伝 子 組 み 換 え で
ない大豆食品の利用をクロス集計した結果、地元で生産された食品を使用している人は
85.9% が 、 使 用 し て い な い 人 は 56.8%が 遺 伝 子 組 み 換 え で な い 大 豆 食 品 を 購 入 し て お り 、
29.1%の 差 が あ っ た 。旬 の 食 材 の 利 用 や 地 産 地 消 野 の 食 材 利 用 を し て 入 る 人 は 、食 品 を 購 入
する際に安全を意識して購入している傾向がある。特に地元の食材を使用している人は、
中国産の食材やアメリカ産牛肉には敏感になっている。事例調査でも、調査対象者は旬の
食材や地元の食材を頻繁に利用しており、食の案全意識も高いといえる。千葉市の女性の
傾 向 と 一 致 し て い る 。以 上 の 分 析 の 結 果 、
「 ス ロ ー フ ー ド を 行 っ て い る 人 は 、食 の 安 全 に 気
をつけている」という仮説は検証された。
( 2)「 食 文 化 を 継 承 し て い る 人 は 、 食 の 安 全 に 気 を つ け て い る 」
上 記 の 仮 説 を 検 証 す る た め に 、Q42 の 調 理 経 験 の あ る 伝 統・郷 土 料 理 と 、Q36_a~ d の 食
の安全意識の項目をそれぞれクロス集計し、χ2 検定を行った。その結果、全ての項目で
関 連 を み る こ と が で き た ( 表 9 参 照 )。
表 9 調 理 経 験 のある伝 統 ・郷 土 料 理 と食 の安 全 意 識 とのクロス集 計 一 覧
Q36_a
Q36_b
Q36_c
Q36_d
Q36_e
中 国 産 でない
加工食品の
無 農 薬 ・減 農 薬
遺 伝 子 組 み換 えでない
アメリカ産 でな
食品購入
成分表示
野 菜 の購 入
大 豆 食 品 の購 入
い牛 肉 購 入
Q40
10.6053 * *
伝 統 ・郷 土 料 理
*
p<.05
**
p<.01
***
30.7482 * * *
20.9416 * * *
21.3560 * * *
8.5516 *
p<.001
Q36_b と ク ロ ス 集 計 し χ 2 検 定 を 行 っ た と こ ろ 、伝 統・ 郷 土 料 理 を 作 っ た こ と が な い 人 で
加 工 食 品 の 成 分 表 示 を み て 購 入 し て い る 人 が 53.2%で あ る の に 対 し て 、 1 つ で も 作 っ た こ
と の あ る 人 が 71.0%、2 つ 以 上 作 っ た こ と の あ る 人 は 83.9%と い う 結 果 だ っ た( 表 10 参 照 )。
調理経験のない人と、2 つ以上調理経験がある人では、成分表示を見て購入する人の割合
に 19.3%も 差 が あ る 。
98
表 10 伝 統 ・郷 土 料 理 の調 理 経 験 と加 工 食 品 の成 分 表 示 をみて購 入
.
成 分 表 示 をみて購 入
調 理 経 験 有 りの伝 統 ・郷 土 料 理
する
しない
計
(人 )
0
53.2
46.8
100.0
(109)
1つ
71.0
29.0
100.0
(62)
2 つ以 上
83.9
16.1
100.0
(169)
計
71.7
28.3
100.0
(339)
2
χ (1)=30.7482
p=<.0001
欠 損 値 =2
Q36_c と の 集 計 結 果 を 見 る と 、 伝 統 ・ 郷 土 料 理 を 作 っ た こ と が な い 人 で 無 農 薬 ・ 減 農 薬
野 菜 を 購 入 し て い る 人 が 51.4%で あ る の に 対 し て 、1 つ で も 作 っ た こ と の あ る 人 が 74.2%、
2 つ 以 上 作 っ た こ と の あ る 人 は 76.8%と い う 結 果 だ っ た ( 表 11 参 照 )。 伝 統 ・ 郷 土 料 理 の
調 理 経 験 が な い 人 と 、2 つ 以 上 あ る 人 と で は 、無 農 薬 ・減 農 薬 野 菜 を 購 入 す る 人 に 25.4%も
差がある。
表 11 伝 統 ・郷 土 料 理 の調 理 経 験 と無 農 薬 ・減 農 薬 野 菜 の購 入
.
無 農 薬 ・減 農 薬 野 菜 購 入
調 理 経 験 有 りの伝 統 ・郷 土 料 理
する
しない
計
(人 )
0
51.4
48.6
100.0
(109)
1つ
74.2
35.8
100.0
(62)
2 つ以 上
76.8
23.2
100.0
(168)
計
68.1
31.9
100.0
(339)
χ 2 (2)=20.9416
p=<.0001
欠 損 値 =2
以 上 の 分 析 の 結 果 、調 理 経 験 の あ る 伝 統・郷 土 料 理 の 数 が 多 い ほ ど 、安 全 に 気 を 使 っ て 食
品を購入する傾向がみられた。仮説には含まれていないが、伝統・郷土料理は手間がかか
る も の も 多 い の で 、Q40 の 料 理 に か け る 手 間 に 関 す る 質 問 項 目 と の 関 連 を 見 た が 、二 つ の
変数間には関連はなかった。
12. 5 考 察 ・ ま と め
1 つ 目 の「 ス ロ ー フ ー ド を 行 っ て い る 人 は 、食 の 安 全 に 気 を つ け て い る 」と い う 仮 説 は 、
検 証 す る こ と が で き た 。 4-1 で も 述 べ た 通 り 、 季 節 の 食 材 を 使 用 し た り 地 元 で 生 産 さ れ た
食材を選ぶ人ほど食の安全に気をつけており、特に地元生産の食品を購入する人は、中国
産の食品やアメリカ産の牛肉など、海外産で問題のあった食品には敏感であった。しかし
スローフードが旬の食材を使うことと、地元で生産された食材を使うという項目しか調査
できなかったので、内容が限定されてしまった。2 つ目の「食文化を継承している人は、
食の安全に気をつけている」という仮説も、千葉の伝統・郷土料理の調理経験がある人ほ
ど食の安全に気をつけている人が多く、仮説は検証された。事例調査では伝統・郷土料理
では特徴を見ることができなかったが、1 つ目の仮説のように「スローフードを行ってい
る人は、食の安全に気をつけている」という千葉市の女性の特徴はみることができた。
実際に調査を行った昨年は、賞味期限改ざん問題を中心に食を取り巻く問題が多く、ニ
ュースなどでも頻繁に取上げられており、食の安全性に対しては特に敏感だったのではな
いかと思う。今日でも、食の問題は常に我々を取り巻いている。そして問題が多い分、農
林水産省を中心にスーパーや地域での食育活動を目にする機会はこれから増えてくるだろ
う。人々の食の意識がますます高くなることをこれからも期待したい。
<参考文献・資料>
岩 村 暢 子 2003 『 変 わ る 家 族 変 わ る 食 卓 』 草 書 房
農林水産省
我が国の食生活の現状と食育の推進について
99
5章
健康意識と健康行動
1. 健 康 関 心 と 運 動
A52166
長良
梢
1. 1 問 題 意 識 ・ テ ー マ
健 康 と は ど う い う 状 態 の こ と な の か 。 WHO の 定 義 を 参 考 に し 、 私 は 「 健 康 と は 心 身 と
もに健やかであり、良好な状態のこと」と定義する。
近年、メタボリックなどが話題になってきている。健康を保つためには適度な運動が必
要なのではないか。そこで、健康と運動にはどのような関連があるのかを明らかにするた
め、仮説検証を実施した。
1. 2 仮 説
仮説は、以下の 2 つである。
仮説1:健康への関心が高い人ほど運動に関心がある。
仮説2:体型を気にしている人ほど運動に関心がある。
1. 3 仮 説 検 証 に 用 い た 質 問 項 目 お よ び 変 数 の 分 析
( 1) 健 康 へ の 関 心 に つ い て
ここでいう健康への関心とは、普段から健康について考えて生活しているのかというこ
と で あ る 。健 康 意 識 の 高 さ を 分 析 す る た め に 、次 の 質 問 項 目 を 用 い て 分 析 を 実 施 し た 。Q3_d
定 期 的 な 運 動 を 心 が け る こ と は 大 切 だ と 思 う 、 Q3_e 普 段 、 健 康 の た め の 運 動 を し た い と
思 っ て い る 、Q3_g 身 体 的 に 健 康 で あ り た い と 思 う 、Q3_h 最 近 体 調 が 優 れ ず 、不 健 康 で は
な い か と い う 不 安 を 感 じ る 、 Q3_i 今 は 健 康 だ が 、 昔 大 き な 病 気 を し た た め 不 安 が あ る 、
Q3_j 特 に 体 調 不 良 で は な い が 、 何 と な く 不 安 を 感 じ る 、 Q3_k も っ と 健 康 に な り た い と い
う 向 上 心 が あ る の 7 つ の 質 問 項 目 で あ る 。単 純 集 計 表 よ り 67.0% の 人 は 健 康 へ の 関 心 が あ
ることがわかっている。
分析するにあた って、これ らの 7 つの質問項 目を統合して「健康関心 」という新 変数を
作った。そして、健康への関心が高い人と低い人を区別するため、平均値を算出した。選
択 肢 で あ る 1.あ て は ま る 、 2.ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 、 3.ど ち ら か と い え ば あ て は ま
ら な い 、4.あ て は ま ら な い の 4 つ の 数 値 を 全 て 足 す と 10 に な る 。足 し て 出 た 10 を 選 択 肢
の 数 の 4 で 割 る と 2.5 と い う 数 値 が 出 る 。 こ の 2.5 を 平 均 値 と し た 。 平 均 値 の 2.5 よ り も
高 い 人 は 健 康 へ の 関 心 が よ り 高 い と 考 え ら れ る の で「 健 康 関 心 が 高 い 」と し 、平 均 値 の 2.5
よりも低い人は健康への関心が低いと考えられるので「健康関心が低い」と分類し、分析
した。ここでは、健康への関心についての質問項目が多く、一つの質問項目から結果をみ
ていくよりも上記の質問項目を統合し、
「 健 康 関 心 」と い う 新 変 数 を 作 る こ と に よ り 総 合 的
に健康への関心をみることができると考えた。
( 2) 運 動 経 験 に つ い て
ここでいう運動経験とは、どの程度の運動経験があり、どの運動を行っていた人が多い
のかということである。運動経験の多さや運動経験のある種目を分析するために、次の質
問 項 目 を 用 い て 分 析 を 実 施 し た 。 Q7 あ な た は エ レ ベ タ ー ・ エ ス カ レ ー タ ー よ り も 階 段 を
使 う よ う に し て い ま す か 、 運 動 経 験 を 聞 い て い る 質 問 項 目 ( 複 数 回 答 ) の Q8_1 ス ト レ ッ
チ 運 動 を す る 、Q8_2 室 内 で で き る 運 動 を す る( ヨ ガ な ど )、Q8_3 ジ ョ ギ ン グ を す る 、 Q8_4
趣 味 と し て ス ポ ー ツ を す る( テ ニ ス 、水 泳 な ど )、Q8_5 運 動 を 目 的 と し 自 転 車 を こ ぐ 、 Q8_6
筋 肉 ト レ ー ニ ン グ を す る ( 腹 筋 、 背 筋 な ど )、 Q8_7 ウ ォ ー キ ン グ を す る 、 Q8_8 ラ ジ オ
体 操 や テ レ ビ で 紹 介 さ れ た 体 操 を す る 、 Q8_9 ト レ ー ニ ン グ ジ ム に 通 う 、 Q8_10 運 動 器
具( ダ ン ベ ル な ど )を 使 っ た 運 動 を す る 、 Q8_11 ど れ も し た こ と が な い の 12 こ の 質 問 項
目である。
100
Q7 の 階 段 の 利 用 に 関 し て は 分 析 す る に あ た っ て 、1.使 う よ う に し て い る 、2.ど ち ら か と
い え ば 使 う よ う に し て い る を 合 わ せ て 「 使 う 」 と し 、 3.ど ち ら か と い え ば 使 わ な い よ う に
し て い る 、 4.使 わ な い よ う に し て い る を 合 わ せ て 「 使 わ な い 」 と し て 2 つ に 分 類 し た も の
を 使 用 し た 。 単 純 集 計 表 よ り 68.0% の 人 は 階 段 を 利 用 し て い る こ と が わ か っ て い る 。
Q8 の 運 動 経 験 に 関 し て は 、 運 動 経 験 が 多 い 種 目 順 に 整 理 し た も の を 表 1 に ま と め た 。
表 1 よ り 10 種 目 の 中 で 運 動 経 験 が 多 か っ た 順 番 は 、 ス ト レ ッ チ 運 動 の 68.6% 、 ウ ォ ー キ
ン グ の 57.2% 、室 内 で で き る 運 動( ヨ ガ な ど )の 51.9% で あ っ た 。こ の 3 種 目 に 関 し て は 、
半数以上の人が経験していて、比較的短時間でできる簡単な運動が上位を占めていた。激
しい運動は経験している人が少なく、本格的な運動をしていた人はかなり少ないという傾
向 が あ る 。 単 純 集 計 表 よ り 1 つ で も 運 動 経 験 が あ る 人 は 94.3% で あ り 、 1 つ も 経 験 が な い
人 は 4.7% で あ っ た 。 ほ と ん ど の 人 は 1 つ 以 上 の 運 動 経 験 が あ る こ と が わ か っ て い る 。
表1 運動経験 単位(%)
種目
合計
ストレッチ運動
68.6
ウォーキング
57.2
室内でできる運動(ヨガなど)
51.9
筋肉トレーニング(腹筋、背筋など)
36.1
ラジオ体操やテレビで紹介された体操
33.1
趣味としてのスポーツ(テニス、水泳など)
30.5
運動器具(ダンベルなど)を使った運動
27.0
トレーニングジムに通う
22.6
運動を目的とし自転車をこぐ
22.3
ジョギング
19.9
どれもしたことがない
4.7
※運動経験の多い順に並べ変えてある
( 3) 体 型 に つ い て
ここでいう体型とは、どの程度の人が体型を気にしているのかということである。体型
についての意識の高さを分析するために、次のような質問項目を用いて分析を実施した。
Q10_f 毎 日 、体 重 計 に の っ て い る 、Q10_g 家 を 出 る 前 に は 必 ず 鏡 を 見 る 、Q10_h 外 出 時 は
パ ン ツ ス タ イ ル が 多 い 、 Q10_i 他 人 に ど う 思 わ れ て い る か 気 に な る 、 Q10_j 自 分 の こ と よ
り も 他 人 の こ と を 優 先 す る 、Q10_k 精 神 的 に 弱 い ほ う で あ る の 6 つ の 質 問 項 目 で あ る 。単
純 集 計 表 よ り 62.0% の 人 は 体 型 に つ い て 気 に な っ て い る こ と が あ る と わ か っ て い る 。
分析するにあた って、これ らの 6 つの質問項 目を統合して「体型」と いう新変数 を作っ
た。そして、体型を気にしている人と気にしていない人を区別するため、健康への関心の
と き と 同 様 に 平 均 値 を 算 出 し た 。 選 択 肢 で あ る 1.あ て は ま る 、 2.ど ち ら か と い え ば あ て は
ま る 、 3.ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 、 4.あ て は ま ら な い の 4 つ の 数 値 を 全 て 足 す と
10 に な る 。 足 し て 出 た 10 を 選 択 肢 の 数 の 4 で 割 る と 2.5 と い う 数 値 が 出 る 。 こ の 2.5 を
平 均 値 と し た 。 平 均 値 の 2.5 よ り も 高 い 人 は 体 型 で 気 に な っ て い る こ と が 多 い と 考 え ら れ
る の で 「 体 型 を 気 に す る 」 と し 、 平 均 値 の 2.5 よ り も 低 い 人 は 体 型 で 気 に な っ て い る こ と
がほとんどないと考えられるので「体型を気にしない」として分類し、分析した。ここで
は、体型についての質問項目が多く、一つの質問項目から結果をみていくよりも上記の質
問項目を統合し、
「 体 型 」と い う 新 変 数 を 作 る こ と に よ り 総 合 的 に 体 型 を み る こ と が で き る
と考えた。
1. 4 仮 説 検 証
( 1) 仮 説 1 「 健 康 へ の 関 心 が 高 い 人 ほ ど 運 動 に 関 心 が あ る 」 の 検 証
仮説 1 の健康への関心 が高い人とは、心身と もに健やかであ り、良好な状態 を維持する
ために健康について考えている人のことである。一方で運動に関心があるとは、運動の種
類は関係なく、積極的に運動を取り入れて実践している人のことである。
健康への関心が高いと多くのことに気を遣っているのではないか。運動は食事や睡眠と
は違い、自主的に行わなければいけないものである。そこで、運動に着目し、健康への関
心との関連を検証するために次の質問項目を使用した。
101
健康への関心が高い人は普段から運動に心掛け、階段を利用しているのではないかと考
え た 。そ こ で 、独 立 変 数 と し て 考 え ら れ る「 健 康 関 心 」と 、従 属 変 数 と し て 考 え ら れ る「 階
段 の 利 用 」に つ い て の ク ロ ス 集 計 分 析 を 実 施 し た 。
「 健 康 関 心 」は 、健 康 へ の 関 心 を 聞 い て
い る 7 つ の 質 問 項 目 を 統 合 し 、 作 っ た 新 変 数 で あ り 、「 階 段 の 利 用 」 は 、 階 段 を ど の 程 度
利 用 す る よ う に 心 掛 け て い る か と い う 質 問 項 目 の こ と で あ る 。こ こ で は 、
「 健 康 関 心 」と「 階
2
段の利用」の 2 つの関連を検証するためにχ 検定を実施した。
その結果、健康への関心が高い人も低い人も階段の利用状況についてはそれほど大きな
差はなく、健康への関心が高い人でも必ずしも階段を利用しているわけではなかった。こ
の「健康関心」と「階段の利用」については、有意な結果は認められなかった。
次に、健康への関心が高い人は運動に関心があり、運動経験も豊富なのではないかと考
えた。そこで、運動経験についての分析を実施した。分析には運動経験を聞いている質問
項 目 が 多 か っ た た め 、10 種 目 中 、運 動 経 験 が 多 か っ た 種 目 上 位 3 位 の ス ト レ ッ チ 運 動 、ウ
ォ ー キ ン グ 、 室 内 で で き る 運 動 (ヨ ガ な ど )ま で を 使 用 し た 。
独立変数として考えられる「健康関心」と、従属変数として考えられる「ストレッチ運
動 経 験 」、「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、「 室 内 運 動 経 験 」 そ れ ぞ れ の ク ロ ス 集 計 分 析 を 実 施 し た 。
「健康関心」は、健康へ の関心を聞 いている 7 つの質問項目を 統合し、作った新変 数であ
り、
「 ス ト レ ッ チ 運 動 経 験 」、
「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、
「 室 内 運 動 経 験 」は 、今 ま で に 運 動 経 験
が あ る 種 目 を 聞 い て い る 質 問 項 目 (複 数 回 答 )で 10 種 目 中 上 位 3 位 だ っ た も の で あ る 。こ こ
では、
「 健 康 関 心 」と「 ス ト レ ッ チ 運 動 経 験 」、「 健 康 関 心 」と「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、「 健 康
関心」と「室内運動経験」のそれぞれの関連性を検証するためにχ2検定を実施した。
その結果、
「 健 康 関 心 」と「 ス ト レ ッ チ 運 動 経 験 」、
「 健 康 関 心 」と「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、
「 健 康 関 心 」と「 室 内 運 動 経 験 」の 全 て に お い て 有 意 水 準 5% で 有 意 な 結 果 が 認 め ら れ た 。
表 2 よ り 健 康 へ の 関 心 が 高 く 、ス ト レ ッ チ 運 動 経 験 が あ る 人 は 72.4% 、表 3 よ り 健 康 へ の
関 心 が 高 く 、ウ ォ ー キ ン グ 経 験 が あ る 人 は 62.2% 、表 4 よ り 健 康 へ の 関 心 が 高 く 、室 内 運
動 経 験 が あ る 人 は 55.3% で あ っ た 。 上 記 の 他 に も 、 運 動 経 験 が 多 か っ た 種 目 で 4 位 か ら
10 位 だ っ た 種 目 全 て の ク ロ ス 集 計 分 析 を 実 施 し た 結 果 、 筋 肉 ト レ ー ニ ン グ (腹 筋 、 背 筋 な
ど )、ラ ジ オ 体 操 や テ レ ビ で 紹 介 さ れ た 体 操 、運 動 器 具 (ダ ン ベ ル な ど )を 使 っ た 運 動 の 3 つ
も健康関心と関連があると認められた。よって、健康への関心が高い人は比較的室内でで
きる軽い運動が多く、手軽にできる運動を行っていた人が多い傾向がみられた。
単位(%)
表2 健康関心とストレッチ運動経験
ストレッチ運動経験
健康関心
ある
ない
計
高い
72.4
27.6
100.0 (275人)
低い
55.6
44.4
100.0
(63人)
計
69.2
30.8
100.0 (338人)
χ 2 (1)=6.7979
p=0.0091
表3 健康関心とウォーキング経験
単位(%)
ウォーキング経験
計
健康関心
ある
ない
高い
62.2
37.3
100.0 (275人)
(63人)
低い
38.1
61.9
100.0
計
57.7
42.3
100.0 (338人)
χ 2 (1)=12.1834
表4 健康関心と室内運動経験
室内運動経験
健康関心
ある
ない
高い
55.3
44.7
低い
39.7
60.3
計
52.4
47.6
単位(%)
計
100.0
100.0
100.0
χ 2 (1)=4.9945
102
p=0.0005
(275人)
(63人)
(338人)
p=0.0254
( 2) 仮 説 2 「 体 型 を 気 に し て い る 人 ほ ど 運 動 に 関 心 が あ る 」 の 検 証
仮説 2 の体型を気に している人と は、見た 目を気にしてい たり、他人の目 を気にして い
たりする人のことである。一方で、運動に関心があるとは、運動の種類は関係なく、積極
的に運動を取り入れて実践している人のことである。
体型を気にしているかは個人の意識の違いにあるが、気にしている人はどの程度努力を
しているのか。特に体型改善をするためには、運動をすることが一番良いのではないか。
そこで、運動に着目し、体型との関連を検証するために次の質問項目を使用した。
体型を気にしている人は軽い運動にも心掛け、階段を利用しているのではないかと考え
た。そこで、独立変数として考えられる「体型」と、従属変数として考えられる「階段の
利 用 」に つ い て ク ロ ス 集 計 分 析 を 実 施 し た 。
「 体 型 」と は 、体 型 を 気 に し て い る か ど う か を
聞 い て い る 6 つ の 質 問 項 目 を 統 合 し 、 作 っ た 新 変 数 で あ り 、「 階 段 の 利 用 」 と は 、 階 段 を
ど の 程 度 利 用 す る よ う に 心 掛 け て い る か と い う 質 問 項 目 の こ と で あ る 。 こ こ で は 、「 体 型 」
と「階段の利用」の 2 つの関連を検証するためにχ2検定を実施した。
その結果、体型を気にしている人も気にしていない人も階段の利用状況についてはそれ
ほど大きな差はなく、体型を気にしている人でも必ずしも階段を利用しているわけではな
かった。この「体型」と「階段の利用」については、有意な結果は認められなかった。
次に、体型を気にしている人は運動をする努力をしていて、運動経験が豊富なのではな
いかと考えた。そこで、運動経験についての分析を実施した。分析には、健康への関心と
運 動 経 験 の 分 析 を 実 施 し た と き と 同 様 、10 種 目 中 、運 動 経 験 が 多 か っ た 種 目 上 位 3 位 の ス
ト レ ッ チ 運 動 、 ウ ォ ー キ ン グ 、 室 内 で で き る 運 動 (ヨ ガ な ど )ま で を 使 用 し た 。
独立変数として考えられる「体型」と、従属変数として考えられる「ストレッチ運動経
験 」、
「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、
「 室 内 運 動 経 験 」そ れ ぞ れ の ク ロ ス 集 計 分 析 を 実 施 し た 。
「体型」
は、体型を気にして いるかどう かを聞いて い る 6 つの質問項目を統 合し、作った新 変数で
あり、
「 ス ト レ ッ チ 運 動 経 験 」、
「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、
「 室 内 運 動 経 験 」は 、今 ま で に 運 動 経
験 が あ る 種 目 を 聞 い て い る 質 問 項 目 (複 数 回 答 )で 10 種 目 中 上 位 3 位 だ っ た も の で あ る 。こ
こでは、
「 体 型 」と「 ス ト レ ッ チ 運 動 経 験 」、
「 体 型 」と「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、
「 体 型 」と「 室
2
内運動経験」のそれぞれの関連性を検証するためにχ 検定を実施した。
そ の 結 果 、「 体 型 」 と 「 ス ト レ ッ チ 運 動 経 験 」、「 体 型 」 と 「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、「 体 型 」
と「室内運動経験」のうち「体型」と「ストレッチ運動経験」の項目のみに有意な結果が
認 め ら れ た 。表 5 よ り 体 型 を 気 に し て い て 、ス ト レ ッ チ 運 動 経 験 が あ る 人 は 72.5% で あ っ
た。体型を気にしている人も気にしていない人もウォーキング経験、室内運動経験に関し
て は 、そ れ ほ ど 大 き な 差 は な か っ た 。上 記 の 他 に 、運 動 経 験 が 多 か っ た 種 目 で 4 位 か ら 10
位 だ っ た 種 目 全 て の ク ロ ス 集 計 分 析 を 実 施 し た 結 果 、筋 肉 ト レ ー ニ ン グ (腹 筋 、背 筋 な ど )、
トレーニングジ ムに通うの 2 つも体 型と関連 があると認めら れた。よって、体 型を気にし
ている人は体を鍛える運動が多く、本格的に運動を行っていた人が多い傾向がみられた。
表5 体型とストレッチ運動経験
ストレッチ運動経験
体型
ある
ない
気にする
72.5
27.5
気にしない
60.6
39.4
計
69.2
30.8
単位(%)
計
100.0
100.0
100.0
χ 2 (1)=4.5131
(244人)
(94人)
(338人)
p=0.0336
1. 5 知 見 ・ 考 察
以上の結果から 、仮説 1 の「健 康への関心 が 高い人ほど運動 に関心がある 」は検証 され
たが、仮説 2 の「体型を気にしている人ほど運動に関心がある」は検証されなかった。
仮 説 1 検 証 の た め に 実 施 し た 「 健 康 関 心 」 と 「 階 段 の 利 用 」、 仮 説 2 検 証 の た め に 実 施
した「体型」と「階段の利用」の関連は認められなかった。健康への関心が高い人や、体
型を気にしている人が階段を利用しているわけではなかった。今回の調査では、平均年齢
103
が 49.1 歳 と 比 較 的 年 齢 層 が 高 か っ た 。年 齢 が 高 く な る に つ れ て 、階 段 よ り も エ レ ベ ー タ ー
やエスカレーターを使う人が多くなってしまう。そのため、健康への関心が高い人でも階
段を利用する人は少なくなってしまったのではないかと考えられる。どこへ行ってもエレ
ベーターやエスカレーターが設置されていることや、この調査では比較的年齢層が高かっ
たという点がこのような結果になった一因ではないだろうか。
仮 説 1 を 検 証 す る た め に 実 施 し た 「 健 康 関 心 」 と 「 ス ト レ ッ チ 運 動 経 験 」、「 健 康 関 心 」
と 「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、「 健 康 関 心 」 と 「 室 内 運 動 経 験 」 は 関 連 が 認 め ら れ た 。 上 記 の 他
に 、 運 動 経 験 が 多 か っ た 種 目 で 4 位 か ら 10 位 だ っ た 種 目 と 健 康 関 心 の ク ロ ス 集 計 分 析 を
実 施 し た 。 そ の 結 果 、 運 動 経 験 は 10 種 目 中 6 種 目 が 健 康 関 心 と の 関 連 が あ り 、 運 動 へ の
関心が高い傾向があった。関連があった運動経験の内容は、ウォーキング以外は全て室内
で で き る 運 動 だ っ た 。一 方 で 関 連 が な か っ た 種 目 は 、ジ ョ ギ ン グ 、趣 味 と し て の ス ポ ー ツ (テ
ニ ス 、水 泳 な ど )、運 動 を 目 的 と し 自 転 車 を こ ぐ 、ト レ ー ニ ン グ ジ ム に 通 う の 4 種 目 で あ っ
た。この結果から、健康への関心が高い人は本格的な激しい運動をするよりも、手軽に自
宅でもできるような軽い運動が多いことが特徴である。
また、事例調査より対象者は家族ができてから健康への関心が高くなり、家族の健康に
つてい考えることが多くなったという。運動に関しては、運動経験がいくつかあり、最近
ではウォーキングなどできる範囲で軽い運動を心掛けているという話が聞けた。
健康への関心が高い人は本格的ではないが、自分のできる範囲で軽い運動を実践してい
た人が多かった。運動経験が多いということは、どんな運動にでも挑戦しようという思い
が強く、運動への関心が高いのではないか。健康への関心が高い人は階段の利用との関連
はなかったが、運動への関心があり運動経験が豊富であった。こうした事柄をみても、仮
説1の「健康への関心が高い人ほど運動に関心がある」は検証されると思う。
仮 説 2 を 検 証 す る た め に 実 施 し た 体 型 と 運 動 経 験 に つ い て は 、「 体 型 」 と 「 ス ト レ ッ チ
運 動 経 験 」、「 体 型 」 と 「 ウ ォ ー キ ン グ 経 験 」、「 体 型 」 と 「 室 内 運 動 経 験 」 の う ち 、「 体 型 」
と「ストレッチ運動経験」のみ関連が認められた。上記の他に、運動経験が多かった種目
で 4 位 か ら 10 位 だ っ た 種 目 と 体 型 の ク ロ ス 集 計 分 析 を 実 施 し た 。 そ の 結 果 、 運 動 経 験 は
10 種 目 中 3 種 目 し か 関 連 が な く 、運 動 へ の 関 心 は 低 い 傾 向 が あ っ た 。関 連 が あ っ た 運 動 経
験 の 内 容 は 、 ス ト レ ッ チ 運 動 、 筋 肉 ト レ ー ニ ン グ (腹 筋 、 背 筋 な ど )、 ト レ ー ニ ン グ ジ ム に
通うであり、筋肉をつけるなど体を鍛える運動が多かった。この結果から体型を気にして
いる人は、体型を改善するために本格的に体を動かす運動が多いことが特徴である。特に
トレーニングジムは、専門的な知識を持ったトレーナーの下で指導を受けながら運動をす
る こ と が で き る た め 、体 型 を 改 善 す る に は 良 い 運 動 場 所 だ っ た の で は な い か と う か が え る 。
また、事例調査より対象者は最近になってメタボリックになってしまったという。その
ため、体型を気にし始め毎日体重計にのっているとのことだった。まずは軽い運動から始
め、今後機会があれば本格的な運動をしたいという話が聞けた。
体型を気にしている人は運動経験が少なかったため、1 つの運動を継続的に行っていた
人が多いのではないかと考えた。しかし、同じ運動だけに満足していて運動方法を変えよ
うとはしなかった。他の運動を取り入れて新しい運動にも挑戦してみようとする意欲がな
く、運動へ の関心が低か った。そのため 、仮 説 2 の「体型を気 にしている 人ほど運動に 関
心がある」は検証されなかったと思う。今回の調査では、運動経験を問う質問項目しかな
かったため、現在運動を行っているのかがわからなかった。体型を改善するためには、長
期間運動を行う人が多いのではないか。そのため、現在の運動状況、運動期間を問う質問
項目があれば、この仮説は検証されたのではないかと考える。
健康への関心が高い人と、体型を気にしている人との運動への関心の違いはどこにあっ
たのか。健康への関心が高い人は適度な運動を行うという意味で、できる範囲での軽い運
動に関心があるということがクロス集計分析からわかった。体型を気にしている人は体型
改善のために体を鍛えるという意味で、本格的な運動に関心があるということが事例調査
からわかった結果である。
104
2. 健 康 と 運 動 の 関 連
A 52016
2. 1
田篠由志
テーマ
健康の為に運動をするには、それなりの意志やきっかけが必要だと考える。健康の意識
が、どのように運動をする行動へ結びつくかについての検証・考察を加えた。
2. 2
仮説
「健康に対して目標が高い人ほど運動を経験する」という仮説を立てた。そこで、健康
意 識 を 「 健 康 へ の 不 安 感 」「 将 来 へ の 関 心 」 と し て 以 下 の 仮 説 を 立 て た 。
① 健康に不安を持つ人ほど運動を経験する。
自分が健康だと思える度合いは、その人によって違うものだと考える。何らかの病気の
人でも、生活に支障がなければ健康だと思えたり、特に病気ではなくても自分は不健康だ
と思う人もいるであろう。そこで、実際の健康状態に関わらず、健康に不安を持っている
人ほど、運動をしようとするのではないかと考えた。
② 将来を考える人ほど運動を経験する。
長生きをしたいということは、健康であり続けたいということと同じだと考える。長生
きしたいと思い、将来を考える人ほど、運動をしようとするのではないかと考えた。
以上の仮説を検証する。
2. 3
テーマおよび仮説検証に用いた質問項目の分析
( 1) 健 康 へ の 不 安 感 項 目 ( Q3 _g ~ Q3 _k ) の 単 純 集 計 結 果 の 分 析
「身体的健康でありたいと思う」にあてはまる方に答えた人がほとんどであった。同じよ
うな質問「もっと健康になりたいという向上心がある」では、あてはまる方に答えた人は
78.6% と 多 い が 、
「 身 体 的 健 康 で あ り た い と 思 う 」と 比 べ る と 18% ほ ど 少 な く な っ て お り 、
また「あてはまる」に答えた割合が少なくなっていた。それでも、ほとんどの人が健康で
あ り た い 、健 康 に な り た い と 考 え て い る よ う だ 。
「 最 近 体 調 が 優 れ ず 、不 健 康 で な い か と い
う 不 安 を 感 じ る 」で は 、あ て は ま る 人 よ り も 、あ て は ま ら な い 人 の 方 が 多 い 結 果 と な っ た 。
逆の質問「特に体調不良ではないが、なんとなく不安を感じる」では、あてはまる人とあ
て は ま ら な い 人 が 半 数 に 分 か れ る 結 果 と な っ た 。ま た 、
「 今 は 健 康 だ が 、昔 大 き な 病 気 を し
たため不安がある」では、あてはまらない人が大半となった。その背景として、昔大きな
病気をしていない人が含まれていることが原因だと考える。健康への不安感の質問の結果
から、健康に不安がある人とない人の人数には差がないことがわかった。
( 2) 将 来 へ の 関 心 項 目 ( Q10_a~ Q10_e) の 単 純 集 計 結 果 の 分 析
「 今 を 楽 し む よ り も 、将 来 の ほ う が 重 要 で あ る 」は あ て は ま ら な い 人 の ほ う が 多 か っ た 。
「 体 に 良 く な い と 思 っ た ら 、我 慢 を す る 」
「 生 活 習 慣 病 の 予 防 を 心 が け て い る 」の 生 活 の 質
問は、2つも同じような結果となり、あてはまる人のほうが多かった。生活習慣病の予防
として、体に悪そうなことを我慢することを一つの方法として取り入れていると考える。
「 将 来 の た め に 貯 蓄 を し て い る 」に あ て は ま る 人 は 68.6% と 、貯 蓄 を し て い る 人 の ほ う が
多かった。
「 老 後 の 楽 し み を 考 え て い る 」人 は 、あ て は ま る 人 と あ て は ま ら な い 人 が 半 数 に
分かれた。
105
「将来への関心」に選んだ項目より、将来のほうが重要と必ずしも考えていなくても、
健康のために行動をしたり、将来のために貯蓄をしている人が多いことがわかった。
( 3) 運 動 の 経 験 項 目 ( Q8_1 ~ Q8_11) の 単 純 集 計 結 果 の 分 析
ま ず 、 Q8 _11 よ り 、 ほ と ん ど の 人 が 1 ~ 10 の 運 動 を 1 つ で も 経 験 し て い る こ と が わ か
っ た 。 10 項 目 の う ち 「 ジ ョ ギ ン グ 」「 趣 味 と し て の ス ポ ー ツ 」「 運 動 目 的 に 自 転 車 を こ ぐ 」
「筋肉トレーニング」
「体操」
「ジムに通う」
「 運 動 器 具 を 使 う 運 動 」の 7 項 目 に お い て 、
「し
た こ と が な い 」人 の ほ う が 多 く 、全 て 60% 以 上 と な っ て い る 。し か し 、
「ストレッチ運動」
「室内運動」
「 ウ ォ ー キ ン グ 」の 3 項 目 に お い て「 し た こ と が あ る 」人 の ほ う が 半 数 を 超 え
ていた。この結果より、その場ですぐ始めることができ、比較的軽い運動は、運動を始め
るきっかけとなりやすく、多くの人が経験したと考える。
2. 4
仮説検証
( 1) 運 動 の 経 験 項 目 の 合 成 ( 表 1 、 表 2 )
単純集計の分析の結果、ほとんどの人が運動を経験したことがあり、始めるきっかけを
作りやすい運動は、運動をする人が多いことがわかった。運動を経験したことがある人が
多 か っ た 「 ス ト レ ッ チ 運 動 」「 室 内 運 動 」「 ウ ォ ー キ ン グ 」 の う ち 、「 ス ト レ ッ チ 運 動 」「 室
内運動」の 2 つの項 目において自 宅で運動す ることが多い項 目であった 。そこで 、仮説検
証 の た め 、Q8 の 運 動 項 目 を 、自 宅 で す る で あ ろ う 運 動( Q8 _1 、Q8 _2 、Q8 _6 、Q8
_10) と 、 自 宅 の 外 で す る で あ ろ う 運 動 ( Q8 _3 、 Q8 _4 、 Q8 _5 、 Q8 _7 、 Q8 _8 、
Q8 _9 )に 分 け 、そ れ ぞ れ「 自 宅 内 運 動( 表 1 )」と「 自 宅 外 運 動( 表 2 )」に 合 成 し 、
「1
つでも運動をしたことがある」
「 1 つ も 運 動 を し た こ と が な い 」と い う 項 目 に 分 け た 。そ の
結 果 、「 自 宅 内 運 動 」を「 1 つ で も 運 動 を し た こ と が あ る 」が 82.0% 、「 1 つ も 運 動 を し た
こ と が な い 」 が 18.1%で あ っ た 。「 自 宅 外 運 動 」 は 「 1 つ で も 運 動 を し た こ と が あ る 」 が
84.9% 、
「 1 つ も 運 動 を し た こ と が な い 」が 15.1%で あ っ た 。ど ち ら も 、
「したことがある」
の 方 が 多 く 、二 つ の 項 目 に 大 き な 差 は 見 ら れ な か っ た 。自 宅 内 運 動 に は「 ス ト レ ッ チ 運 動 」
「 室 内 運 動 」、自 宅 外 運 動 に は「 ウ ォ ー キ ン グ 」が 入 っ て お り 、始 め や す い 運 動 が 両 方 に 入
っているからだと考える。
表1 自宅内運動
1 したことがある
2 したことがない
表2 自宅外運動
1 したことがある
2 したことがない
度数
パーセント
277
61
度数
82.0
18.1
パーセント
287
51
84.9
15.1
累積
累積
度数
パーセント
277
82.0
338
100.0
欠損値の度数=3
累積
累積
度数
パーセント
287
84.9
338
100.0
欠損値の度数=3
( 2) 健 康 意 識 「 健 康 へ の 不 安 感 」「 将 来 へ の 関 心 」 と 運 動 の ク ロ ス 集 計 分 析 ( 表 3 )
「 健 康 へ の 不 安 感 」 項 目 の Q3 _g ~ Q3 _k 、「 将 来 へ の 関 心 」 項 目 の Q10_a~ Q10_e
と 運 動 項 目 「 自 宅 内 運 動 」「 自 宅 外 運 動 」 の ク ロ ス 集 計 を 行 う 。「 健 康 へ の 不 安 感 」 項 目 の
Q3 _g ~ Q3 _k と 「 将 来 へ の 関 心 」 項 目 の Q10_a~ Q10_e は あ て は ま る 側 と あ て は ま ら
ない側に分けるため、
「あてはまる」
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」を「 あ て は ま る 」に 、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」「 あ て は ま ら な い 」 を 「 あ て は ま ら な い 」 に 統 合 し 、
106
2つの選択肢に分け、クロス集計を行う。クロス集計結果についてのχ2 検定の値と、有
意な関連があると認められたクロス集計を下の表3にまとめた。
表3「健康への不安感」「将来への関心」と「自宅内運動」「自宅外運動」の
2
クロス集計のχ 値
自宅内運動
自宅内運動
自宅外運動
自宅外運動
Q3_g
Q10_a
0.4447
0.1700
2.1226
0.0486
Q3_h
Q10_b
0.2704
0.1797
2.0155
10.3575 *
Q3_i
Q11_c
0.5906
0.2870
0.0879
14.7202 *
Q3_j
Q11_d
3.2488
0.0009
0.4924
0.1976
Q3_k
Q12_e
0.9738
0.2264
2.8682
13.9899 *
*…5%の有意水準で関連があると認められたクロス集計。
① Q3 _k 「 も っ と 健 康 に な り た い と い う 向 上 心 が あ る 」 と 自 宅 外 運 動 ( 表 4 )
「もっと健康になりたいという向上心がある」と「自宅外運動」のクロス集計を行った
結果が、下の表4である。その結果について、χ2 検定を行った結果、2つの項目に有意
な関連性がみられた。
健 康 に な り た い と い う 向 上 心 が あ る 人 は 79.6 % 、 自 宅 外 運 動 を し た こ と が あ る 人 は
85.0% と ど ち ら も 多 い が 、 健 康 へ の 向 上 心 が あ る 人 の ほ う が 、 な い 人 よ り も 運 動 を し て い
る割合が多く、健康への向上心がない人のほうが、ある人よりも運動をしていない割合が
多かった。全体の割合で見ると、健康への向上心がある人のほうが運動をしていたのに対
し 、健 康 へ の 向 上 心 に 関 わ ら ず 、運 動 し な い 人 に は 健 康 へ の 向 上 心 の 差 が 見 ら れ な か っ た 。
このことから、
「 も っ と 健 康 に な り た い と い う 向 上 心 が あ る 人 ほ ど 自 宅 外 運 動 を す る 」と い
うことを示していると考える。
表4 健康への向上心と自宅外運動
単位(%)
自宅外運動
健康への向上心
したことがある
したことがない
計
ある
88.7
11.3
100.0 (266人)
ない
70.6
29.4
100.0 ( 68人)
計
85.0
15.0
100.0 (334人)
2
χ (1)=13.9899 p=0.0002
② Q10_b ( 体 に 良 く な い と 思 っ た ら 、 我 慢 を す る ) と 自 宅 外 運 動 ( 表 5 )
「体に良くないと思ったら、我慢をする」と「自宅外運動」のクロス集計を行った結果
が、下の表5である。その結果について、χ2 検定を行った結果、2つの項目に有意な関
連性がみられた。
体 に 悪 い こ と を 我 慢 す る 人 は 74.3% 、自 宅 外 運 動 を し た こ と が あ る 人 は 85.0% と ど ち ら
もあてはまる方が多いが、体に悪いことを我慢している人のほうが、していない人よりも
運動をしている割合が多く、体に悪いことを我慢していない人のほうが、している人より
も運動をしていない割合が多かった。全体の割合で見ると、体に悪いことを我慢する人の
ほうが運動をしていたのに対し、体に悪いことを我慢しているかに関わらず、運動しない
人 に は 体 に 悪 い こ と へ の 我 慢 に は 差 が 見 ら れ な か っ た 。こ の こ と か ら 、
「体に良くないと思
ったら、我慢をする人ほど自宅外運動をする」ということを示していると考える。
107
表5 体に悪いことの我慢と自宅外運動
単位(%)
自宅外運動
体に悪いことの我慢
したことがある
したことがない
計
している
88.6
11.4
100.0 (246人)
していない
74.1
25.9
100.0 ( 85人)
計
84.9
15.1
100.0 (331人)
2
χ (1)=10.3575 p=0.0013
③ Q10_c ( 生 活 習 慣 病 の 予 防 を 心 が け て い る ) と 自 宅 外 運 動 ( 表 6 )
「生活習慣病の予防を心がけている」と「自宅外運動」のクロス集計を行った結果が、
下の表6である。その結果について、χ2 検定を行った結果、2つの項目に有意な関連性
がみられた。
生 活 習 慣 病 を 予 防 し て い る 人 は 73.9% 、自 宅 外 運 動 を し た こ と が あ る 人 は 84.9% と ど ち
らも多いが、生活習慣病を予防している人のほうが、していない人よりも運動をしている
割合が多く、生活習慣病を予防していない人のほうが、している人よりも運動をしていな
い割合が多かった。全体の割合で見ると、生活習慣病を予防している人のほうが運動をし
ていたのに対し、生活習慣病を予防しているかに関わらず、運動しない人には体に悪いこ
と へ の 我 慢 に は 差 が 見 ら れ な か っ た 。こ の こ と か ら 、
「生活習慣病の予防を心がけている人
ほど自宅外運動をする」ということを示していると考える。
表6 生活習慣病の予防と自宅外運動
単位(%)
自宅外運動
生活習慣病の予防
したことがある
したことがない
計
している
89.3
10.7
100.0 (244人)
していない
72.1
27.9
100.0 ( 86人)
計
84.9
15.2
100.0 (330人)
2
χ (1)=14.7202 p=0.0001
2. 5
まとめ
仮説「健康に対して目標が高い人ほど運動を経験する」の健康意識において、現在の健
康観をみる「健康への不安」項目では、健康に不安を持っている人と持っていない人が同
じ く ら い い る こ と が わ か っ た 。将 来 の 健 康 観 を み る「 将 来 へ の 関 心 」項 目 で は 、
「今を楽し
むよりも、将来のほうが重要である」と考えている人のほうが少ないながらも、将来のた
めに行動している人が多いことがわかった。運動項目では、ほとんどの人が何らかの運動
を経験したことがあることから、その場ですぐ始めることができ、比較的軽い運動は運動
を始めるきっかけとなりやすく、多くの人が経験することがわかった。
健 康 意 識「 健 康 へ の 不 安 」
「 将 来 へ の 関 心 」と「 自 宅 内 運 動 」の ク ロ ス 集 計 の 結 果 か ら は 、
関 連 す る 項 目 が み ら れ ず 、仮 説 を 明 ら か に す る こ と が で き な か っ た 。
「身体的健康でありた
いと思う」にあてはまる方に答えた人がほとんどであった。このことから、テレビの番組
等で、自宅でできる運動方法が紹介されたときに、健康への不安や将来への関心などの健
康への目標がなくても、簡単であるから運動をしよう、というきっかけが生まれてくるの
ではないかと考える。
健 康 意 識 「 健 康 へ の 不 安 」「 将 来 へ の 関 心 」 と 「 自 宅 外 運 動 」 の ク ロ ス 集 計 の 結 果 で は 、
「もっと健康になりたいという向上心がある」
「 体 に 良 く な い と 思 っ た ら 、我 慢 を す る 」
「生
活習慣病の予防を心がけている」と自宅外運動の関連性がみられ、その他の「健康への不
安」
「 将 来 へ の 関 心 」の 項 目 と「 自 宅 外 運 動 」の 項 目 か ら は 関 連 性 を み る こ と が で き な か っ
た 。関 連 性 の み ら れ た ク ロ ス 集 計 結 果 か ら は 、
「もっと健康になりたいという向上心がある
人ほど運動を経験している」
「 体 に 良 く な い と 思 っ た ら 、我 慢 を す る 人 ほ ど 運 動 を 経 験 し て
いる」
「 生 活 習 慣 病 の 予 防 を 心 が け て い る 人 ほ ど 運 動 を 経 験 し て い る 」と い う こ と を 示 し て
108
いると考える。
「身体的に健康でありたいと思う」
「 最 近 体 調 が 優 れ ず 、不 健 康 で な い か と い う 不 安 を 感
じ る 」「 今 は 健 康 だ が 、 昔 大 き な 病 気 を し た た め 不 安 が あ る 」「 特 に 体 調 不 良 で は な い が 、
な ん と な く 不 安 を 感 じ る 」と「 自 宅 外 運 動 」の ク ロ ス 集 計 で は 関 連 性 が み ら れ な か っ た が 、
「もっと健康になりたいという向上心がある」人ほど運動を経験していることから、健康
に不安があるだけでは自宅外運動をするだけの十分なきっかけにはならず、さらに健康に
なりたい、という考えを持つことが、自宅外運動を経験するために重要なことであると考
える。
ま た 、「 今 を 楽 し む よ り も 、 将 来 の ほ う が 重 要 で あ る 」「 将 来 の た め に 貯 蓄 を し て い る 」
「 老 後 の 楽 し み を 考 え て い る 」と「 自 宅 外 運 動 」に は 関 連 性 が み ら れ ず 、
「体に良くないと
思 っ た ら 、我 慢 を す る 」
「 生 活 習 慣 病 の 予 防 を 心 が け て い る 」人 ほ ど 自 宅 外 運 動 を 経 験 し て
いることから、将来のために運動を経験することとは関連性がないが、健康に気を使って
いる人ほど運動を経験すると考える。このことは、健康行動と運動には何らかの関連性が
あるということを示していると考える。
今回の調査から、
「 健 康 に 不 安 を 持 つ 人 ほ ど 運 動 を 経 験 し て い る 」と「 将 来 を 考 え る 人 ほ
ど運動を経験している」という仮説を明らかにすることはできなかった。
しかし、
「 健 康 に 不 安 を 持 つ 人 」や「 健 康 で あ り 続 け た い 人 」と「 自 宅 外 運 動 」の 関 連 性
がみられなかったが、
「 現 在 よ り さ ら に 健 康 に な り た い 人 」と「 自 宅 外 運 動 」に は 関 連 性 が
みられ、現在よりさらに健康になりたい人ほど運動を経験していることがわかった。そし
て 、「 将 来 を 考 え る 人 」 と 「 自 宅 外 運 動 」 の 関 連 性 は み ら れ な か っ た が 、「 生 活 習 慣 病 の 予
防」と「自宅外運動」に関連性がみられた。このことから、健康行動と運動にも関連性が
あることがわかった。
ま た 、室 内 運 動 で は 健 康 意 識「 健 康 へ の 不 安 」
「 将 来 へ の 関 心 」と の 関 連 性 が み ら れ な か
っ た が 、 簡 単 に 始 め る こ と が で き 、 比 較 的 軽 い 運 動 で あ る 「 ス ト レ ッ チ 運 動 」「 室 内 運 動 」
「ウォーキング」が運動経験が半数より多いことから、室内運動は健康意識からだけでは
な く 、ち ょ っ と し た き っ か け や 興 味 で 運 動 を 始 め る 人 が 多 か っ た か ら で は な い か と 考 え る 。
統計調査からは、現在よりさらに健康になりたいという人や、健康に気を使っている人
ほど運動を経験していることから、健康目標と運動には関連性があると考える。そして、
運動を始めることは、運動の内容によって、始めやすい運動からはちょっとしたきっかけ
で、始めにくい運動からはそれだけの意志が必要であることがわかった。
事例調査では、健康目標と運動の関連性をみることができた。対象者は運動をしていな
かったが、大きな病気を経験してから運動を経験した。健康意識が病気によって変わり、
健康への不安が上昇したことを示していると考える。このことから、健康への目標の変化
に よ っ て 、運 動 へ の 行 動 も 変 化 し て い く こ と が わ か っ た 。将 来 の こ と は あ ま り 関 心 が な く 、
運動をしていなかったので、事例調査では「将来を考える人ほど運動を経験する」という
仮説が明らかとなった。
一口に健康の意識といっても、今回の調査のように、不安と向上心のような意識の差で
も行動に違いが表れることが分かった。今度は、健康行動を運動だけにこだわらず、健康
意識の違いによって食生活への配慮等がどのように左右されるか、また、同じ健康意識で
も、健康行動同士で行動に違いが生じるかを調査したい。
109
3. 健 康 意 識 と 健 康 な 生 活 を 送 る た め の 行 動
A52052
池田
奈月
3. 1 テ ー マ
私たち現代人は、健康を必要以上に重要視しすぎために、健康でなければならないとい
った意識が強まり、日常生活を見直し、運動や体を動かすことに目覚め始めた方も多いよ
う で あ る 。 し か し 、『 健 康 ブ ー ム を 問 う 』 と い う 本 で は 、 「健 康 と い う も の は 10 年 、 20 年
という単位で“健康づくりをする過程”に存在しているが、現代では健康そのものが目標
に な っ て し ま っ て お り 、 テ レ ビ や 健 康 雑 誌 で は 、 「そ の 目 標 ・ 目 的 」を 簡 単 に か な え て く れ
そ う な 情 報 を 流 し 、 私 た ち は そ れ ら に 振 り 回 さ れ て し ま っ て い る 。 」と あ る 。 こ の よ う に 、
健康をつくるには一つひとつの過程が重要なのに、現代人は忙しくなりすぎて毎日の暮ら
し の 中 で 努 力 し 、健 康 に な る と い う 回 り く ど い や り 方 に つ き あ え な く な っ て い る 。そ こ で 、
近年の健康ブームにより健康に対する意識が高くなっているのではないかということと、
その健康に対する意識が高い人でも、健康になるため行動できていないのではないかとい
う問題意識を持ったので、
「 健 康 意 識 が 高 い 人 は 食 生 活・運 動 行 動・睡 眠 の 、ど れ に お い て
行動できていないか」ということをテーマにし、検証・考察を加えた。
3. 2 仮 説
仮説は、
「 健 康 行 動 の 中 に 、食 生 活・運 動 行 動・睡 眠 が あ る が 、そ の 中 で 一 番 行 動 が 伴 っ
ていないのは運動」とした。
3. 3 テ ー マ お よ び 仮 説 検 証 に 用 い た 質 問 項 目 お よ び 変 数 の 分 析
分 析 に 用 い た 項 目 は 仮 説 の 健 康 関 心 の 高 さ を は か る た め に 、 Q3 の 健 康 に 関 す る 意 識 や
行 動 。健 康 行 動 の 実 行 を 見 る た め に Q5 健 康 生 活 を 送 る 上 で の 重 要 点 、Q6 の Q5 で 回 答 し
た も の を 普 段 の 生 活 で 実 行 し て い る か 、Q6_1 実 行 で き な い 理 由 、Q7 エ レ ベ ー タ ー ・ エ ス
カ レ ー タ ー の 使 用 、 Q15 平 均 睡 眠 時 間 、 Q29 食 生 活 の 質 問 項 目 に 着 目 し た 。
これらの質問項目の各変数については、仮説検証を行う為に必要に応じて、カテゴリー
統合をするなどして、新変数を作った。
( 1) 健 康 行 動
テーマにもあげているように、検証をする上で重要になっているのは健康行動をしてい
る か を は か る こ と で あ る 。分 析 す る に あ た り 、Q3_d・Q3_e・Q3_g か ら Q3_k を 統 合 し 「健
康 行 動 」の 新 変 数 を 作 っ た 。こ れ は そ れ ぞ れ 4 件 法 で 「あ て は ま る 」の 1 か ら 「あ て は ま ら な
い 」の 4 ま で あ る の で 、点 数 が 平 均 点 の 2.5 よ り 下 で あ れ ば 「健 康 行 動 を し て い る 人 」、平 均
点 以 上 な ら 「健 康 行 動 を し て い な い 人 」と す る 。 結 果 は 健 康 行 動 を し て い る 人 が 81.5%、 健
康 行 動 を し て い な い 人 が 18.5%と な っ た 。
( 2) 健 康 生 活 で 重 要 だ と 思 う 行 動
次 に 、 仮 説 検 証 に 必 要 な 項 目 は 食 生 活 ・睡 眠 ・運 動 の 行 動 を し て い る か ど う か で あ る 。 健
康行動としてあげている食生活・睡眠・適度な運動を、まずこれらのどれを重視している
の か を 見 る た め に 、 Q5 を 使 用 す る 。 Q5 の 「 人 間 関 係 を 円 滑 に し 、 ス ト レ ス を た め な い よ
う に す る 」は 、仮 説 検 証 で は 使 用 し な い の で 欠 損 値 と し た 。単 純 集 計 を 見 て み る と 、「食 事
に 気 を 使 う 」と 答 え た 人 が 51.5%、 「睡 眠 」32.8%、「 適 度 な 運 動 」 15.7%と な っ た 。 Q5 の 健
康 行 動 の 重 視 し て い る 項 目 を 、 実 行 し て い る か 確 認 す る 質 問 が Q6 の 「健 康 行 動 の 実 行 」で
あ る 。 Q6 で は 、 Q5 で 回 答 し た 行 動 を 「実 行 し て い る 」と 回 答 し た 人 が 74.5%、 「実 行 し て
い な い 」と 回 答 し た 人 が 23.2%と な り 、健 康 的 な 生 活 を 送 る た め に 重 要 だ と 思 う 行 動 に つ い
て多くの人がきちんと行動に移せていることがわかる。
110
( 3) 運 動
健 康 行 動 に あ げ た 「適 度 な 運 動 」を し て い る の か を 検 証 す る た め に 、 Q7 を 使 用 す る 。 こ
の 質 問 は 、「使 う よ う に し て い る 」と 「ど ち ら か と い え ば 使 う よ う に し て い る 」を 「使 う 」、「ど
ち ら か と い え ば 使 わ な い よ う に し て い る 」と 「使 わ な い よ う に し て い る 」を 「使 わ な い 」と カ
テ ゴ リ ー 統 合 し た 結 果 、「 使 う 」 人 は 69.3%、「 使 わ な い 」 人 は 30.7%と な っ た 。
( 4) 睡 眠
次 に 、健 康 行 動 の 中 の 「睡 眠 」を 実 行 し て い る か を 、Q15 一 週 間 の 平 均 睡 眠 時 間 を 使 用 し
て 検 証 す る 。こ れ は 、選 択 肢 の 「1.8 時 間 以 上 」を 8 時 間 と し 、「2.6~7 時 間 」を 6.5 時 間 、
「3. 4~5 時 間 」を 4.5 時 間 、 「4. 4 時 間 未 満 」を 4 時 間 と し 、 そ れ ぞ れ の 項 目 に 回 答 し た 人
数 を か け 、全 体 の 平 均 を 算 出 し た 結 果 、平 均 睡 眠 時 間 は 約 6.10 時 間 と な っ た た め 、睡 眠 時
間 が 6 時 間 以 上 の 「1. 8 時 間 以 上 」と 「 2. 6~7 時 間 程 度 」 の 人 を 「 睡 眠 が と れ て い る 」 と
し 、「 3. 4~5 時 間 」と「 4.4 時 間 未 満 」を 「 睡 眠 が 不 十 分 な 人 」と す る ( 変 数 項 目 は そ の
ま ま な の で 単 純 集 計 を 参 照 )。
( 5) 食 生 活
Q29 の 「食 生 活 」は 、健 康 行 動 の 中 の 「食 事 に 気 を 遣 っ て い る 」の か を 検 証 す る た め に 使 用
す る 。こ こ で の 、「食 事 に 気 を 遣 っ て い る 」と い う の は 、「食 べ 物 の 栄 養 や バ ラ ン ス 等 に 気 を
遣 い な が ら 食 事 を し て い る か 」と い う 意 味 で あ る 。 つ ま り 、 Q29_a か ら Q29_n の 全 14 項
目 を 、 Q3 の 健 康 意 識 の と こ ろ で 述 べ た 分 類 方 法 と 同 様 に 、 足 し 合 わ せ 、 選 択 肢 を 点 数 化
し 、平 均 点 の 2.5 以 下 な ら 「食 事 に 気 を 遣 っ て い る 人 」と な り 、そ れ 以 上 で あ れ ば 「食 事 に 気
を 遣 っ て い な い 人 」と な る 。 結 果 は 、 「食 事 に 気 を 遣 っ て い る 人 」が 78.9%、 「食 事 に 気 を 遣
っ て い な い 人 」が 21.1%と な り 、 多 く の 人 が 食 事 に 気 を 遣 っ て い る 傾 向 に あ る と わ か る 。
3. 4 仮 説 検 証
( 1) 食 事 に 気 を 遣 う こ と の 実 行
仮 説 の 「健 康 行 動 の 中 に 、食 生 活・運 動 行 動・睡 眠 が あ る が 、そ の 中 で 一 番 行 動 が 伴 っ て
い な い の は 運 動 」を 検 証 す る 。こ の 仮 説 を 検 証 す る た め に 、ど の 健 康 行 動 を 重 視 し て い る 人
が 多 い か を 、先 ほ ど の 3- 2 で 述 べ た Q5 の 単 純 集 計 を 参 照 す る と 、食 生 活 、睡 眠 、適 度 な
運 動 の 順 と な り 、食 生 活 を 重 視 す る 人 の 傾 向 が 高 い と い え る 。次 に 、Q5 と Q6 を 使 い 、食
事 に 気 を 遣 う・睡 眠・適 度 な 運 動 が 行 動 で き て い る の か ど う か を そ れ ぞ れ ク ロ ス 集 計 す る 。
まず、食生活を重視している人が、食事に気を遣うことが行動にあらわれているかを検証
する。結果は表1であるが、健康的な生活を送る為に食生活が重要だと思っている人の、
82.1%の 人 が 行 動 で き て い て 、 17.9%の 人 が 行 動 で き て い な い と な っ た 。
単位(%)
表1 食事に気を遣うことの実行
計
食事に気を遣う
実行している
82.1
(115人)
実行していない
17.9
(25人)
計
100.0
(267人)
次に、この食事に気を遣うことができている・いないと認識している人を、普段の生活
の な か で 本 当 に 行 動 に 移 せ て い る の か を 、Q29 の 食 生 活 、Q7・8 の 階 段 の 使 用 や 運 動 状 況 、
Q15 の 睡 眠 時 間 を 使 用 し て ク ロ ス 集 計 分 析 を す る 。ま ず 、食 事 に 気 を 遣 う こ と が で き て い
ると思っている人とできていないと思っている人を、普段の食生活のなかで食事に気を遣
っているかをク ロス集計分析 した。結果は表 2 で、食事に気を遣 うことがで きていると思
っ て い る 人 の 93.0%が 行 動 も 伴 っ て お り 、7.0%の 人 は で き て い る と 思 っ て い る が 、実 際 に
は行動が伴っていないという結果になった。このクロス集計の全体割合で比較すると、食
事 に 気 を 遣 う こ と が で き て い る と 思 っ て い る 人 の 76.4%が 実 際 に 食 事 に 気 を 遣 い 、 12.9%
の人は行動ができていないと思っていても、実際には行動が伴っているという結果になっ
た。χ2検定の結果についても有意水準を満たし、関連性がみられ、食事の行動ができて
いると思っている人は、実際の行動も伴っているといえる。しかし、行動できている・で
111
きていないと思っている人の中には、思っていることと実際の行動の結果が違っていた。
こ れ は 、自 分 自 身 の 行 動 が 、ど こ ま で が 「行 動 で き て い な い 」の か・ど こ か ら が 「行 動 で き て
い る 」と 言 え る の か と い う 、 意 識 の 違 い か ら 生 じ た も の だ ろ う 。
表2 食事に気を遣うことの行動と食生活
単位(%)
食事に気を遣う
計
食事に気を遣う
つかう
つかわない
実行している
93.0
7.0
100.0
(115人)
実行していない
72.0
28.0
100.0
(25人)
計
89.3
10.7
100.0
(140人)
p=.0020
c 2 (1)=9.5060
次に、食事に気を遣うことができていると思っている人と行動できていないと思ってい
る人を、その人が健康的な生活を送る上で重視していない睡眠において行動が伴っている
かクロス集計分析した。結果は、食事に気を遣うことができている・いないと思っている
人 は 、睡 眠 が と れ て い る ・ い な い に 差 は 見 ら れ ず 、ど ち ら も 50%の 割 合 で 睡 眠 状 態 の 結 果
が分かれた。χ2 検定の結果からも有為水準を満たさず、食生活と睡眠の間に関連を見い
だすことはできなかった。食事に気を遣おうと思っている人は、健康的な生活を送るため
に 、 自 分 で は 重 視 し て い な い 睡 眠 に つ い て は 、 「睡 眠 を よ く と ろ う 」と 行 動 し て い る わ け で
はないのだろう。睡眠以外にも、適度な運動ができているかをクロス集計分析した。結果
は、睡眠と同様食事に気を遣うことができていると思っていようが、いまいが運動をする
ことに差は見られず、χ2検定の結果については有為水準を満たさず、食生活と運動の間
には関連は見られなかった。つまり、食生活を重視する人は、運動をすることで健康にな
ろうとはしていないといえるだろう。しかし、食事に気を遣うことできている・いないと
認 識 し て い る 人 は 、ど ち ら も「 適 度 な 運 動 が で き て い な い 」割 合 の 方 が 高 か っ た 。つ ま り 、
食生活を重視する人は、食生活より睡眠、睡眠より運動の方が行動にまであらわれていな
い傾向にあるといえる。食生活を重視している人は、普段の生活のなかで食事に気を遣う
ことはしているが、それ以外の重視していない項目については、食事のようには行動が伴
っていないといえるだろう。
( 2) 睡 眠 を よ く と る こ と の 実 行
次に、睡眠を重視している人が、行動にまで移せているのかを検証する。健康的な生活
を 送 る 為 に 睡 眠 を と る こ と が 重 要 だ と 思 っ て い る 人 の 、 単 純 集 計 の 結 果 、 67.9% の 人 が 実
際 の 行 動 も 伴 っ て い て 、 32.1%の 人 は 行 動 は 伴 っ て い な い こ と が わ か っ た 。
そして、睡眠をよくとることができていると思っている人とできていないと思っている
人を、普段睡 眠をとってい るかクロス 集計分 析した。結果 は表 3 で、睡眠が とれている と
認 識 し て い る 人 の 71.9%が 、 実 際 の 睡 眠 も と れ て お り 、 表 1 の 食 事 の 行 動 と 実 際 の 食 事 の
行 動 の ク ロ ス 集 計 分 析 よ り 、約 20%も 低 く な っ た 。ま た 、こ の ク ロ ス 集 計 分 析 の 全 体 割 合
で 比 較 す る と 、 睡 眠 が と れ て い る と 認 識 し 、 実 際 に 睡 眠 が よ く と れ て い る 人 は 48.8%と な
り、表 1 の食事に気を遣う人の全体割合の結果に比べ 3 割も低い値になった。χ2検定の
結果、有為水準を満たし睡眠をよくとることができている・いないの認識と実際の睡眠が
とれているかには差があることがわかった。睡眠がとれていると思っている人でも、実際
には行動が伴っておらず、食事に気を遣うことできている人よりも、自分自身の重視する
行動が伴っていないといえる。
表3 睡眠をよくとることの行動と睡眠状況
睡眠
睡眠
とれている とれていない
とれている
71.9
28.1
とれていない
18.5
81.5
計
54.8
45.2
c 2 (1)=21.0981
単位(%)
計
100.0
100.0
100.0
(57人)
(27人)
(84人)
p=<.0001
次に、自分自身では重視していない食生活において行動が伴っているかをクロス集計分
析 し た 。 結 果 は 表 4 で 、 睡 眠 が と れ て い る 人 の 食 事 に 気 を 遣 う 割 合 は 77.2%で 、 睡 眠 が と
112
れ て い な い 人 の 食 事 に 気 を 遣 う 割 合 は 40.7% と な り 、 χ 2 検 定 の 結 果 に つ い て も 有 為 水 準
を満たし、睡眠をとることと食事に気を遣うことの間には関連性があるとわかった。つま
り、睡眠を重視している人でも、食事に気を遣うことは普段の生活のなかで行っていると
わかる。このクロス集計分析の全体割合でも、睡眠がとれていて食事に気を遣う人の割合
は 52.4%と 、 表 3 の 睡 眠 が と れ て い て 、 行 動 も 伴 っ て い る 人 の 48.8%を 上 回 っ て お り 、 食
生活については意識していなくても、気を遣いながら食事をしているといえるだろう。
表4 睡眠をよくとることの行動と食生活
単位(%)
食事に気を遣う
計
睡眠
つかう
つかわない
とれている
77.2
22.8
100.0
(57人)
とれていない
40.7
59.3
100.0
(27人)
計
65.5
34.5
100.0
(84人)
p=.0010
c 2 (1)=10.7698
適度な運動も行動にあらわれているかクロス集計分析したが、結果は睡眠の行動ができ
ていると思っていようが、いまいが実際の運動状況に関連は見られなかった。睡眠を重視
す る 人 は 、食 生 活 よ り 睡 眠 、睡 眠 よ り 運 動 の 方 が 行 動 も 伴 っ て い な い 傾 向 に あ る と い え る 。
ここまでで考えると「一番実行できていないものは運動である」といえるのではないだろ
うか。つまり、今回の仮説は検証されたのではないだろうか。最後に、適度な運動ができ
ている人と、食事・睡眠・運動をそれぞれ分析していく。
( 3) 適 度 な 運 動 の 実 行
適度な運動ができていると思っている人と、いないと思っている人を、普段の生活の中
で運動の行動に あらわれてい るか分析す る。表 5 は、運動しているか と実際の運動 状況を
ク ロ ス 集 計 分 析 し た 結 果 で あ る 。 適 度 な 運 動 が で き て い る 人 の 59.4%が 、 行 動 も 伴 っ て お
り 、 40.6% の 人 が 行 動 で き て い る と は 思 っ て い る が 、 実 際 に は 行 動 が と も な っ て い な い と
なった。χ2 検定の結果についても有為水準を満たし、運動行動の認識と実際の運動状況
には、関連があるとわかった。運動できていると思っている人は、行動にまで移せている
ということであるが、運動できていると思っている人の実際の運動している割合は、三者
のなかで最も低 い数値となっ た。表 5 のクロ ス集計分析を全 体割合でみる と、運動でき て
い る と 思 っ て い る 人 の 44.2%が 実 際 に 運 動 を し て い て 、 20.9%の 人 が で き て い な い と 思 っ
て お り 、 実 際 に 行 動 も 伴 っ て い な い と な っ た 。 全 体 で 44.2%と い う の は 、 食 事 に 気 を 遣 う
こ と が で き て い る と 思 っ て お り 、 実 際 に 行 動 も 伴 っ て い る 人 が 76.4%、 睡 眠 が と れ て い る
と 思 っ て い て 、 実 際 に 睡 眠 が と れ て い る 人 の 48.8%と い う 割 合 を 比 べ る と 、 一 番 低 い 数 値
となった。つまり、一番行動が伴っていないのは運動という根拠になるのではないだろう
か。
表5 運動の行動をしているかと実際の運動状況
単位(%)
適度な運動
計
適度な運動
している
していない
できている
59.4
40.6
100.0
(32人)
できていない
18.8
81.8
100.0
(11人)
計
48.8
51.2
100.0
(43人)
p=.0184
c 2 (1)=5.5593
次に、適度な運動ができていると思っている人といないと思っている人を、普段の食事
で気を遣ってい るのかを検証 する。表 6 は 、適度な運動を重 視する人が 、自分自身 では重
視していない食事に気を遣っているかをクロス集計分析したものである。結果は、適度な
運 動 が で き て い る と 思 っ て い る 人 の 食 事 に 気 を 遣 う 割 合 は 81.3%、 運 動 が で き て い な い と
お も っ て い る 人 の 食 事 に 気 を 遣 う 割 合 は 45.5%と な り 、 睡 眠 同 様 に 運 動 を 重 視 し て い る 人
でも、食事に気を遣うことは普段の生活のなかで行っていることがわかる。χ2 検定の結
果についても、有為水準を満たしており、適度な運動と食生活の間には何らかの関連があ
るとみてとれる。表6を全体割合でみても、運動できていて食事に気を遣っている人は
113
60.5%と な り 、 表 5 の 運 動 が で き て い る と 思 っ て い て 、 か つ 実 行 で き て い る 人 の 全 体 割 合
の 44.2%と 比 べ 、 運 動 を 重 視 す る 人 は 運 動 を す る よ り も 食 事 に 気 を 遣 っ て い る と わ か る 。
運動を重視する人は、食生活より運動、運動より睡眠の順で行動が伴わなくなる傾向にあ
る 。 つ ま り 、 最 も 実 行 で き て い る の は 「食 事 に 気 を 遣 う 」こ と で 、 最 も 実 行 で き て い な い も
の は 「適 度 な 運 動 」と な る だ ろ う 。 以 上 の 検 証 を 通 し て 今 回 の 仮 説 は 検 証 さ れ た と い え る 。
なぜ運動だけ、睡眠や食生活を異なる結果になったかは、まとめで考察する。
表6 運動の行動をしているかと食生活
食事に気を遣う
適度な運動
つかう
つかわない
できている
81.3
18.8
できていない
45.5
54.6
計
72.1
27.9
c 2 (1)=5.2134
単位(%)
計
100.0
100.0
100.0
(32人)
(11人)
(43人)
p=.0224
3. 5 ま と め
統計的調査データの分析を通し、仮説・テーマが検証されたかをまとめる。結果は、今
回 の 仮 説 「健 康 に な る 為 に 重 要 だ と 思 う 行 動 の 中 で 、一 番 行 動 が 伴 っ て い な い も の は 運 動 」
については、検証できたといえる。食生活を重視している人が、どの行動において最も行
動に移せていたかは、食事に気を遣うことで、最も行動が伴っていなかったのは運動であ
った。睡眠を重視している人の、最も行動に移せていたものは、食事に気を遣うことで、
最も行動が伴っていなかったのは運動であった。このように、食事と睡眠を重視する者で
は最も行動に移せていたものが同じになったが、運動を重視している人は、最も行動が伴
っていなかったものが睡眠となった。なぜこのような違いが生じたのか、事例調査の結果
を見ると、最も行動が伴っていたのは食生活と、統計的調査と同じ結果になった。私は、
40 代 の 女 性 の 方 に 聞 き 取 り 調 査 を 行 っ た が 、そ の 結 果 健 康 な 体 を 維 持 し よ う と 意 識 し て い
る 行 動 は 食 事 で あ り 、 普 段 の 生 活 の 中 で 自 然 と 一 部 に な っ て い る 「調 理 を す る 時 」に 特 に 気
を遣っていることがわかった。統計的調査では、健康な身体を維持するために、食生活を
重視している人は、それが行動できていると思っている人も、行動できていないと思って
い る 人 も 、 「食 事 に 気 を 遣 う こ と を し て い る か 」と ク ロ ス 集 計 分 析 す る と 、 ど ち ら も 高 い 割
合で食事に気を遣っているとなった。この「最も行動に結びついているのは食事」という
結果は、年齢が高い人にはあてはまると思う。食事は生活の一部として、料理をする時間
があり、年齢の高い人は毎日家族に食事を作っているから、食生活を重視し、それが行動
にあらわれているのだろう。しかし、年齢が低い人はそうではないだろう。なぜなら、事
例調査対象者は、食事について家族と同居しているなどして料理をしていなかった時は、
自分自身では食事をする際に栄養や、バランスなどに気を遣っていなかったそうなので、
食事に関しては年齢が低いか、未婚で家族と同居をして料理をしていないと、食事に気を
遣うことの意識自体していないことも考えられるので、一番行動が伴っていないのは食生
活という結果にならないかもしれない。また、最も行動に結びついていないのは運動とい
う結果は、運動は食事を作るのと違い、時間を見つけて行わなければならなかったり、わ
ざわざ外に出たり・ずっと続けていくことが面倒くさいと思う人がいるからであろう。年
齢が高い人は、時間的余裕はあるが、運動を行う体力がなくなっているのだと思う。年齢
の低い人は、体力はあるが仕事などで時間が無いという理由があるのだろう。つまり、年
齢によって行動できないものや、その行動に移せない理由が異なってくるのだと思う。
引 用 文 献 : 飯 島 裕 一 編 著 『 健 康 ブ ー ム を 問 う 』 岩 波 新 書 ,2001
114
4. 年 齢 ・ 健 康 作 り へ の 積 極 性 ・ 健 康 向 上 心 ・ 健 康 不 安 の 4 つ の 関 係
A52084
4. 1
後藤
康之
問題意識
年齢とともに、身体の機能は低下していく。これは一人たりとも逃れられない現実であ
り、必然である。身体の機能が低下してくると、どうしても自らの身体の健康に不安が出
て く る 。こ れ は 仕 方 の 無 い こ と だ 。し か し 私 が 思 う に 、人 間 は こ こ ま で な っ て 初 め て 、
「健
康でいたい」と思うようになり、健康作りに取り組んでいくのではないだろうか。
4. 2
仮説
図1
年齢が高い
健康作りに積極的
健康向上心がある
自己の健康に対する
不安感が強い
上 の 図 1 は 、「 年 齢 が 高 い 人 ほ ど 健 康 作 り に 積 極 的 」「 年 齢 が 高 い 人 ほ ど 不 安 感 が 強 い 」
「年齢が高い人ほど健康向上心が強い」「不安感の強い人ほど健康向上心が強い」「健康
作りに積極的な人は健康向上心が強い」「健康作りに積極的な人は不安感が強い」の 6 つ
の仮説を図にしたものだ。年齢の高さ・健康作りの積極さ・不安感の強さ・健康向上心の
有り無しの 4 つが正比例の関係かどうか(図 2 参照)を仮説とし、検証する。
図2
年齢
低
高
健康作り 積極的でない
不安感 弱い
向上心 ない
4. 3
積極的
強い
ある
分析に用いた変数と使用の理由
こ こ で は 、「 年 齢 」「 健 康 作 り へ の 積 極 性 」「 健 康 で い た い と い う 気 持 ち 」「 自 己 の 健 康 に
対する不安」の 4 つの変数を使って、仮説を検証する。
( 1) 年 齢 に つ い て
年 齢 に 関 し て は 40 歳 ~ 55 歳 と 20 歳 ~ 39 歳 、56 歳 ~ 69 歳 の 3 つ の カ テ ゴ リ ー に 分 け る 。
女性には「更年期障害」など、更年期になると現れる数々の症状などがあり、この分け方
を す る こ と で 新 た な 何 か が 見 え て く る と 思 っ た か ら だ 。 Q2(年 齢 )の 分 布 は 40 歳 ~ 55 歳 が
108 人 、 20 歳 ~ 39 歳 が 90 人 、 56 歳 ~ 69 歳 が 139 人 (欠 損 値 4)と 、 年 齢 層 に よ る ば ら つ き
が少ないため、分析に使うには最適と思われる。
115
( 2) 健 康 作 り へ の 積 極 性 に つ い て
Q3-a 健 康 作 り の た め に 目 標 を 持 っ て 取 り 組 ん で い る ,Q3-b 自 分 の 健 康 は 自 分 で 管 理 し て
い る ,Q3-c 健 康 に 関 す る 出 費 は 惜 し ま な い ,Q3-d 定 期 的 な 運 動 を 心 が け る こ と は 大 切 だ と
思 う ,Q3-e 普 段 、健 康 の 為 の 運 動 を し た い と 思 っ て い る ,Q3-f 友 人 や 家 族 と の 会 話 で 健
康関連の話題がよく出る,は、金銭面・運動面などの角度から回答者自身の健康作りに対
する取り組みの度合を表したものである。ここでは「健康作りへの積極性」と名づける。
一つの項目に「あてはまる」と答えただけでその人健康作りに積極的であるとは言い難い
の で 、Q3-a 健 康 作 り の た め に 目 標 を 持 っ て 取 り 組 ん で い る ,Q3-b 自 分 の 健 康 は 自 分 で 管 理
し て い る ,Q3-c 健 康 に 関 す る 出 費 は 惜 し ま な い ,Q3-d 定 期 的 な 運 動 を 心 が け る こ と は 大 切
だ と 思 う ,Q3-e 普 段 、健 康 の 為 の 運 動 を し た い と 思 っ て い る ,Q3-f 友 人 や 家 族 と の 会 話 で
健 康 関 連 の 話 題 が よ く 出 る ,の 5 つ の 項 目 を 点 数 化(「 あ て は ま る 」=4 点 と し た ,「 ど ち ら
か と い え ば あ て は ま る 」 =3 点 と し た ,「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」 =2 点 と し た ,
「 あ て は ま ら な い 」 =1 点 と し た 。) し 、 合 計 点 数 が 高 い ほ ど 自 己 の 健 康 作 り に 積 極 的 で あ
ると判断する。
( 3) 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 に つ い て
Q3-h 最 近 体 調 が 優 れ ず 、不 健 康 で は な い か と 言 う 不 安 を 感 じ る ,Q3-I 今 は 身 体 の 状 態 は
悪 く な い が 、昔 大 き な 病 気 を し た た め 不 安 が あ る ,Q3-j 特 に 何 か が あ っ た わ け で は な い が 、
何となく不安を感じる,は、最近の状況、昔の状況などの視点から回答者の自己の健康に
対する不安の強弱を表したものである。一つの項目に「あてはまる」と答えただけでその
人 の 不 安 は 計 り が た い 為 に 、 4- 2 の 健 康 意 識 と 同 じ よ う に Q3-h 最 近 体 調 が 優 れ ず 、 不 健
康 で は な い か と 言 う 不 安 を 感 じ る ,Q3-I 今 は 身 体 の 状 態 は 悪 く な い が 、昔 大 き な 病 気 を し
た た め 不 安 が あ る , Q3-j 特 に 何 か が あ っ た わ け で は な い が 、 何 と な く 不 安 を 感 じ る , の 3
つ の 項 目 を 点 数 化(「 あ て は ま る 」=4 点 と し た ,
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」=3 点 と し
た ,「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」 =2 点 と し た ,「 あ て は ま ら な い 」 =1 点 と し た 。)
し、合計点数が高いほど不安感が強いと判断する。
( 4) 健 康 向 上 心 に つ い て
「 も っ と 健 康 で い た い と い う 気 持 ち 」を 、こ こ で は 健 康 向 上 心 と 名 づ け て み た 。Q3-k も
っ と 健 康 に な り た い と い う 向 上 心 が あ る ,の 質 問 項 目 で 検 証 す る 。こ こ で は 41% の 人 が「 あ
てはまる」と答えている。
4. 4
仮説検証
( 1) 年 齢 と 健 康 作 り へ の 積 極 性 の 関 係 ( 表 1 参 照 )
「 年 齢 」(Q2)と「 健 康 作 り へ の 積 極 性 」Q3-a(健 康 の 目 標 ),Q3-b(健 康 管 理 ),Q3-c(健 康 出
費 ),Q3-d(定 期 的 運 動 重 要 ),Q3-e(運 動 願 望 ),Q3-f(健 康 関 連 話 ), の 合 計 に つ い て ク ロ ス 集
2
計 を し た 。そ の 結 果 に つ い て χ 検 定 を し 、5% の 有 意 水 準 で 関 連 が あ る と 認 め ら れ た 。こ
のことから年齢が高い人ほど健康作りに積極的であることが分かる。低年齢層の人は「ま
だ若いから問題ない」と思うのだろうか。
表1 年齢と健康作りへの積極性
(単位%)
健康作りへの積極性
年齢
積極的 積極でない
計
20歳~39歳
87.8
12.2
100.0
(90人)
40歳~55歳
96.3
3.7
100.0 (107人)
56歳~69歳
97.8
2.2
100.0 (134人)
計
94.6
5.44
100.0 (331人)
χ2 (1)= 11.3234
P=0.0035
<健康作りへの積極性>(Q3-a,Q3-b,Q3-c,Q3-d,Q3-e Q3-fの合計)に関し
て、6~12点を積極でないとし、13~24点を積極的とした。これは、平
均点2点以下・3点以上に分けたもので、2点以下なら「3,どちらかとい
えばあてはまらない」「4,あてはまらない」に多く分布しているもの
とし、3点以上なら「1,あてはまる」「2,どちらかといえばあてはま
る」に多く分布しているものと思われるからである。
116
( 2) 年 齢 と 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 の 関 係 ( 表 2 参 照 )
「 年 齢 」 Q2( 年 齢 ) と 「 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 」 Q3-h( 不 健 康 感 ),Q3-I( 昔 病 気 不
2
安 ),Q3-j(健 康 不 安 )の 合 計 に つ い て ク ロ ス 集 計 を し た 。 そ の 結 果 に つ い て χ 検 定 を し 、
5% の 有 意 水 準 で 関 連 が あ る と 認 め ら れ た 。よ っ て 年 齢 が 高 い 人 ほ ど 自 己 の 健 康 に 対 す る 不
安が強いことが分かる。
表2 自己の健康に対する不安と年齢
(単位%)
自己の健康に対する不安
年齢
強い
まあまあ
弱い
計
20歳~39歳
14.4
18.9
66.7
100.0
(90人)
40歳~55歳
17.6
32.4
50.0
100.0 (108人)
56歳~69歳
19.1
33.8
47.1
100.0 (136人)
計
17.4
29.3
53.3
100.0 (334人)
χ2(1)=9.5463
P=0.0488
<自己の健康に対する不安>(Q3-h,Q3-I,Q3-jの合計)に関して、3~6点を弱い、7~
8点をまあまあ、9~12点を強いとする。これは、平均点「2点以下」「2点以上3点
未満」「3点以上」の3つに分けたもので、2点以下の場合は回答の大半を「3,どち
らかといえばあてはまらない」「4,あてはまらない」が占めていると思われるた
め、弱いとする。3点以上の場合は回答の大半を「1,あてはまる」「2,どちらかと
いえばあてはまる」が占めていると思われるため、強いとする。その2つの中間で
ある2点以上3点未満の場合をまあまあとした。
( 3) 年 齢 と 向 上 心 の 関 係 ( 表 3 参 照 )
「 年 齢 」 Q2(年 齢 )と 「 向 上 心 」 Q3-k(健 康 向 上 願 望 )に つ い て ク ロ ス 集 計 を し た 。 そ の 結
2
果 に つ い て χ 検 定 を し 、5% の 有 意 水 準 で 関 連 が あ る と は 認 め ら れ な か っ た 。こ の こ と か
ら 、「 年 齢 」 と 「 向 上 心 」 に は 関 連 が な い こ と が 認 め ら れ た 。
表3 健康向上心と年齢
(単位%)
健康向上心
年齢
ある 無くはない ない
計
20歳~39歳
34.4
52.2
13.3
100.0
(90人)
40歳~55歳
43.5
52.8
3.7
100.0 (108人)
56歳~69歳
43.4
50.7
5.9
100.0 (136人)
計
41.0
51.8
7.2
100.0 (334人)
χ2(1)=8.2283
P=0.0836
<健康向上心>「1,あてはまる」をある、「2,どちらかといえばあてはまる」「3,
どちらかといえばあてはまらない」を無くはない、「4,あてはまらない」をない
とした。「1,あてはまる」「4,あてはまらない」に関してははっきりと答えてい
るのでそのまま「ある」「ない」とし、「2,どちらかといえばあてはまる」「3,
どちらかといえばあてはまらない」に関しては健康向上心があるのかないのか曖
昧な為、「無くはない」とした。
( 4) 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 と 向 上 心 の 関 係 ( 表 4 参 照 )
「 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 」 Q3-h(不 健 康 感 ),Q3-I(昔 病 気 不 安 ),Q3-j(健 康 不 安 )の 合 計
2
と 「 向 上 心 」 Q3-k(健 康 向 上 願 望 )に つ い て ク ロ ス 集 計 を し た 。 そ の 結 果 に つ い て χ 検 定
を し 、 5%の 有 意 水 準 で 関 連 が あ る と 認 め ら れ た 。 こ の こ と か ら 、 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安
が強い人は健康向上心があるということが分かる。
表4 自己の健康に対する不安と健康向上心
健康向上心
自己の健康に対する不安
ある 無くはない
強い
62.7
30.5
まあまあ
51.0
49.0
弱い
27.9
11.2
計
40.8
52.1
2
χ (1)=35.9298
117
(単位%)
ない
6.8
0.0
60.9
7.1
計
100.0
(59人)
100.0
(98人)
100.0 (179人)
100.0 (336人)
P=<.0001
( 5) 健 康 作 り へ の 積 極 性 と 向 上 心 の 関 係 ( 表 5 参 照 )
「 健 康 作 り へ の 積 極 性 」 Q3-a(健 康 の 目 標 ),Q3-b(健 康 管 理 ),Q3-c(健 康 出 費 ),Q3-d(定 期
的 運 動 重 要 ),Q3-e(運 動 願 望 ),Q3-f(健 康 関 連 話 ),の 合 計 と「 向 上 心 」Q3-k(健 康 向 上 願 望 )
2
に つ い て ク ロ ス 集 計 を し た 。 そ の 結 果 に つ い て χ 検 定 を し 、 5%の 有 意 水 準 で 関 連 が あ る
と認められた。このことから、健康作りに積極的な人は健康向上心があるという事が分か
る 。 健 康 作 り に 積 極 的 な 人 (94.3% )の 中 に 健 康 向 上 心 の あ る 136 人 は 全 員 入 っ て お り 、 健
康向上心のない人との差が歴然としていた。
表5 健康向上心と健康作りへの積極性
健康作りへの積極性
健康向上心
積極的 積極でない
ある
100.0
0.0
無くはない
93.7
6.3
ない
66.7
33.3
計
94.3
5.7
2
χ (1)= 42.5205
(単位%)
計
100.0
100.0
100.0
100.0
(136人)
(174人)
(24人)
(334人)
P=<.0001
( 6) 健 康 作 り へ の 積 極 性 と 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 の 関 係 ( 表 6 参 照 )
「 健 康 作 り へ の 積 極 性 」 Q3-a(健 康 の 目 標 ),Q3-b(健 康 管 理 ),Q3-c(健 康 出 費 ),Q3-d(定 期
的 運 動 重 要 ),Q3-e(運 動 願 望 ),Q3-f(健 康 関 連 話 ), の 合 計 と 「 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 」
Q3-h(不 健 康 感 ),Q3-I(昔 病 気 不 安 ),Q3-j(健 康 不 安 )の 合 計 に つ い て ク ロ ス 集 計 を し た 。 そ
2
の 結 果 に つ い て χ 検 定 を し 、 5%の 有 意 水 準 で 関 連 が あ る と 認 め ら れ な か っ た 。 こ の こ と
から、
「 健 康 作 り へ の 積 極 性 」と「 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 」に は 関 連 が あ る こ と が 認 め ら
れなかった。これで図 1 の 6 つの関係のうち 2 つが否定されたことになる。
表6 自己の健康に対する不安と健康作りへの積極性
(単位%)
健康作りへの積極性
自己の健康に対する不安
積極的 積極でない
計
強い
96.6
3.5
100.0
(58人)
まあまあ
94.8
5.2
100.0
(96人)
弱い
93.3
6.7
100.0
(179人)
計
94.3
5.7
100.0
(333人)
2
χ (1)= 0.9250
P=0.6297
4. 5
考察
「年齢」
「健康作りへの積極性」
「健康向上心」
「 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 」の 4 つ の 項 目
にそれぞれ関連があるかどうかということに基づいて分析してきた。
表 1 から、年齢が高い人ほど、健康作りへの積極性があることが分かった。注目すべき
は 、 56~ 69 歳 の 層 と 40~ 55 歳 の 層 で は 1.5% し か 差 は な か っ た も の の 、 40~ 55 歳 の 層 と
20~ 39 歳 の 層 で は 8.5% も の 差 が あ っ た と い う こ と だ 。 こ れ は 更 年 期 障 害 な ど か ら く る 自
己の健康に対する不安の増加がこの結果をもたらしているのではないか。
表 2 を 見 て み る と 、年 齢 が 高 い 人 ほ ど 、自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 が 強 い こ と が 分 か っ た 。
表 1 と同じく更年期障害などからくる自己の健康に対する不安の増加が原因か。
表 3 の 健 康 向 上 心 と 年 齢 の 関 係 を 見 て い く と 、P 値 が 0.0836 で あ る た め 、健 康 向 上 心 と
年 齢 の 間 に 関 連 は な か っ た 。最 も 多 く「 あ る 」
「 無 く は な い 」と 答 え た の は 40~ 55 歳 の 人 々
であった。
表 4 の 自 己 の 健 康 に 対 す る 不 安 と 健 康 向 上 心 の 関 係 は 、P 値 が 0.0001 よ り も 下 で あ る た
め、自己の健康に対する不安と健康向上心の間には関連が見られた。健康向上心がある人
ほど自己の健康に対する不安が強いということが分かった。事例研究の時に言われた「人
は不安を持って初めて向上心というものを持つことが出来る」という言葉は、今回の分析
にあてはまった。
表 5 の 健 康 向 上 心 と 健 康 作 り へ の 積 極 性 の 関 連 は 、 P 値 が 0.0001 よ り も 下 で あ る た め 、
健康向上心と健康作りへの積極性の間には関連が見られた。
「 健 康 向 上 心 が あ る 」と 答 え た
118
人は誰 1 人として「健康作りに積極的でない」と答えてはおらず、健康向上心がある人ほ
ど健康作りに積極的ということを完全に立証する良い材料である。
そして最後の表 6 では自己の健康に対する不安と健康作りへの積極性の関連について示
し て い る が 、こ れ は P 値 が 0.6297 と 、関 連 が 無 か っ た 。不 安 感 が 弱 い 人 で も 健 康 作 り に 積
極 的 な 人 は 93.3% お り 、不 安 感 の 強 い 弱 い 関 係 な く 健 康 作 り に 積 極 的 な 人 は 多 々 い る 。こ
の 6 つの表の結果を図に表すと、次の図 3 のようにまとめられる。
図3
年齢が高い
健康作りに積極的
健康向上心がある
自己の健康に対する
不安感が強い
二重線=関係あり 点線=関係なし
結果としては、年齢と健康向上心、健康作りへの積極性と自己の健康に対する不安の 2
つ の 間 に お い て 関 連 が 見 ら れ な か っ た 為 、図 1 の 仮 説 は 実 証 出 来 な か っ た し 、年 齢 の 高 さ・
健康作りの積極さ・不安感の強さ・健康向上心の有り無しの 4 つが正比例の関係ではない
か と い う 私 の 推 測 も 千 葉 市 在 住 20 歳 ~ 69 歳 の 女 性 に は あ て は ま ら な か っ た 。
119
5. 情 報 番 組 と 日 常 行 動 の 関 連
A52129
岡本
愛
5. 1 調 査 テ ー マ
情報があふれている今、健康によい運動や食品は何なのか、本当に信じられるものを消
費者が自ら判断する時代でもある。衛生的に問題があるとされている中国製の商品や食品
も 、消 費 者 か ら 選 ば れ な く な り 、中 華 街 で は 売 り 上 げ が 10 分 の 1 に な っ て し ま っ た 店 も あ
るという。それほど消費者の目は厳しく、行動力もあると感じる。
また、人々の中に「痩せている」=「美しい」という価値観が浸透していると思う。特
に女性は「痩せる」ということが外見的な美しさの重要な要素なのではないか。ダイエッ
トの種類や目的は様々だが、情報番組を見て実際に行動する人もいるだろう。実際「ある
ある大辞典」の納豆で健康にダイエットできるという内容の放送から、ねつ造が発覚する
まで、スーパーの納豆は今までになく品薄だった。このように情報番組が全て真実かはわ
からない。私はこのようなことから、消費者は何をもって情報番組を信用するのか、年齢
によってその行動に違いはあるのかと疑問に思い、この調査での問題意識とした。
5. 2 仮 説
今回私は上記の問題意識から次の2つの仮説を立て、設問・分析を行った。
・年齢が高い人ほど情報番組に影響された行動をとる。
・多くの人に視聴されている情報番組を見ている人ほどダイエットする。
なお、この調査で挙げた番組の中には、その後放送終了した番組や、タイトルを変更し
た番組も含まれており、このレポート内では番組名を一部省略した表記があることをお断
りしておく。
5. 3
分析に使用する変数の特性
( 1) 年 齢 に つ い て
Q2 で は あ な た の 年 齢 に つ い て 回 答 し て も ら っ た 。「 20 歳 代 」 は 31 人 ( 9.1% ) と 全 体 の
1 割 に 満 た な い 程 度 で あ っ た 。「 30 歳 代 」 は 59 人 ( 17.3% )、「 40 歳 代 」 は 58 人 ( 17.0% )
と 、2 つ の 回 答 率 は ほ ぼ 同 じ で 2 つ あ わ せ て 全 体 の 3 割 強 を 占 め て い る 。
「 50 歳 代 」は 回 答
率 が 一 番 多 く 101 人 ( 29.6% )、 こ れ だ け で 全 体 の 約 3 割 の 回 答 が あ っ た 。「 60 歳 代 」 も 2
番 目 に 多 く 88 人 ( 25.8% ) の 回 答 が あ っ た 。 回 答 者 の 平 均 年 齢 は 49.1 歳 で 全 体 的 に 年 齢
が高い人の回答率が高いことがわかる。
4-1-1 ダ イ エ ッ ト 経 験 の 有 無 に つ い て
Q9 で は あ な た が 一 週 間 以 上 続 け た ダ イ エ ッ ト の 経 験 に つ い て 回 答 し て も ら っ た 。「 実 行
中 」 が 60 人 ( 17.6%)、「 前 は や っ て い た 」 91 人 ( 26.7%) で 、 一 度 で も ダ イ エ ッ ト 経 験 が
あ る 人 が 意 外 に も 少 な く 、 合 わ せ て も 151 人 ( 44.3%) と 想 像 し て い た よ り も や や 少 な め
で あ っ た 。ま た 、
「 ダ イ エ ッ ト 経 験 な し 」と 回 答 し た 、一 度 で も ダ イ エ ッ ト の 経 験 が な い 人
は 180 人 ( 52.8%) で 全 体 の 331 人 の 半 数 を 超 え た 。
4-1-2 情 報 番 組 の 視 聴 に つ い て
Q13 で は あ な た が 健 康 情 報 を 得 る た め に よ く 見 る テ レ ビ 番 組 は ど れ か( 複 数 回 答 可 )」に
ついて回答してもらったが、番組によって視聴している/していないかにかなり差があっ
た ( 表 1 )。
ま た 、「 特 に な い 」 と 答 え た 人 は 全 体 の 23.4% に あ た る 79 人 で あ っ た 。 こ れ と 無 回 答 を
除 い た 75.7%に あ た る 258 人 は 、 何 ら か の テ レ ビ 番 組 で 健 康 情 報 を 得 て い る こ と が 解 る 。
分 析 で は「 生 活 ホ ッ ト モ ー ニ ン グ 」
「はなまるマーケット」
「主治医が見つかる診療所」
「午
後 は ○ ○ お も い っ き り テ レ ビ 」「 た め し て ガ ッ テ ン 」「 た け し の 本 当 は 怖 い 家 庭 の 医 学 」 の
番 組 を 見 て い る 人 の 割 合 が 20% を こ え て い る 上 位 6 番 組 を ピ ッ ク ア ッ プ し た い 。
120
表1 健康情報番組の視聴
Q13_11
Q13_12
Q13_2
Q13_8
Q13_7
Q13_1
Q13_5
Q13_10
Q13_3
Q13_4
Q13_6
Q13_9
Q13_13
Q13_14
Q13_15
Q13_16
見ている
人数
ためしてガッテン
156
たけしの本当は怖い家庭の医学
144
はなまるマーケット
83
午後は○○おもいっきりテレビ
81
主治医が見つかる診療所
77
生活ホットモーニング
69
所さんの目がテン!
47
きょうの健康
47
おしゃれ工房
42
王様のブランチ
36
ご近所の底力
20
レディス4
19
カラダのキモチ
8
人間!これでいいのだ
3
その他
1
特にない
割合
46.3%
42.7%
24.6%
24.0%
22.8%
20.5%
13.9%
13.9%
12.5%
10.7%
5.9%
5.6%
2.4%
0.9%
0.3%
n= 337
見ていない
人数
割合
181
53.7%
193
57.3%
254
75.4%
256
76.0%
260
77.2%
268
79.5%
290
86.1%
290
86.1%
295
87.5%
301
89.3%
317
94.1%
318
94.4%
329
97.6%
334
99.1%
336
99.7%
79
23.4%
( 2) 健 康 行 動 に つ い て
Q14 で は あ な た が し た こ と の あ る 健 康 行 動 (a-d)に つ い て 回 答 し て も ら っ た 。 Q14 の 中 で
「 a 紹 介 さ れ て い た 商 品 の 購 入 」 は 191 人 (56.0%)、「 b 紹 介 さ れ て い た 食 品 の 購 入 」 は
205 人 ( 60.1%)、「 c 紹 介 さ れ て い た 調 理 法 の 実 践 」 は 247 人 ( 72.4%)、「 d 紹 介 さ れ て
い た ダ イ エ ッ ト 運 動 の 実 施 」 は 181 人 ( 53.1%) と 全 て 半 数 を 超 え た 。 中 で も 食 品 の 購 入
と調理法の実践の回答は 6 割以上で高い水準の回答が得られた。
5. 4 ク ロ ス 集 計 に よ る 分 析
( 1) 仮 説 「 年 齢 が 高 い 人 ほ ど 情 報 番 組 に 影 響 さ れ た 行 動 を と る 」 に つ い て の 検 証
仮 説 に 基 づ き Q14 の 「 あ な た が し た こ と の あ る 健 康 行 動 (a-d)」 と Q2 の 年 齢 に つ い て 検
定 を か け た 。年 齢 に つ い て は 、20 歳 代 は ま だ パ ー ト ナ ー や 子 ど も が い な い 状 態( 以 下「 未
婚 期 」)、30~ 49 歳 は 子 ど も が 成 長 期( 以 下「 子 ど も が 成 長 期 」)、50~ 69 歳 は 子 ど も が 成 人
し 独 立 し て い る( 以 下「 子 ど も が 独 立 済 」)と 考 え 、そ こ で 違 い が あ る の で は な い か と 考 え
3 つに分類した。単純集計では健康行動についての対象設問すべて過半数以上の人が番組
の影響で行動したという事がわかったが、それは年齢層ごとに違いがあるのか分析するた
めクロス集計分析をし、その結果についてχ2検定を行ったところ、何らかの関連がある
と思われたものだけを表にした。
ま ず 、「 年 齢 が 未 婚 期 」 で 「 紹 介 さ れ た 商 品 購 入 し た 経 験 が あ る 」 人 は 60.0% 、 年 齢 が
「 子 ど も が 成 長 期 」 で 「 紹 介 さ れ た 商 品 購 入 し た 経 験 が あ る 」 人 は 58.6% 、 年 齢 が 「 子 ど
も が 独 立 済 」 で 「 紹 介 さ れ た 商 品 購 入 し た 経 験 が あ る 」 人 は 56.0% で あ っ た 。 年 齢 が 「 未
婚 期 」が 若 干 多 か っ た が「 子 ど も が 成 長 期 」
「 子 ど も が 独 立 済 」も 同 じ よ う に 有 意 水 準 5 %
に達していないため「年齢」と「紹介された商品の購入」は関連がないということがいえ
るだろう。商品ともなると、自分の子どもに影響を与えるような商品ではなく、自分自身
やパートナー向けの商品を買うのではないか。そうなると、子どもの成長過程に関わらず
どの年齢層の人も情報番組で紹介された商品を購入し、あまり差がないという結果になっ
たのではないか。
次 に 、「 年 齢 が 未 婚 期 」 で 「 紹 介 さ れ た 食 品 購 入 し た 経 験 が あ る 」 人 は 63.3% 、 年 齢 が
「 子 ど も が 成 長 期 」 で 「 紹 介 さ れ た 食 品 購 入 し た 経 験 が あ る 」 人 は 62.9% 、 年 齢 が 「 子 ど
も が 独 立 済 」 で 「 紹 介 さ れ た 商 品 購 入 し た 経 験 が あ る 」 人 は 61.0% で あ っ た 。 年 齢 が 「 未
婚 期 」が 若 干 多 か っ た が 他 の 2 つ と ほ と ん ど か わ ら な く 5 % 水 準 を 満 た し て お ら ず 、
「年齢」
121
と「紹介された食品の購入」は関連がないということいえるだろう。たしかに食品を買う
場 合 、20 代 以 上 の 人 な ら ば 誰 も が 買 い 物 は 簡 単 に で き 、日 常 生 活 で 頻 繁 に 行 わ れ る 行 動 で
はないか。
表 2 では、
「 年 齢 が 未 婚 期 」で「 紹 介 さ れ た 調 理 法 を 実 践 し た 経 験 が あ る 」人 は 50.0% 、
「 年 齢 が 子 ど も が 成 長 期 」で「 紹 介 さ れ た 調 理 法 を 実 践 し た 経 験 が あ る 」人 は 73.3% 、
「年
齢 が 子 ど も が 独 立 済 」で「 紹 介 さ れ た 調 理 法 を 実 践 し た 経 験 が あ る 」人 は 80.6% で あ っ た 。
こ の こ と か ら 、「 年 齢 」 が 高 く な る に つ れ て 「 紹 介 さ れ た 調 理 法 を 実 践 し た 」 傾 向 に あ り 、
「年齢」が若くなるにつれて「紹介された調理法を実践しない」傾向にあることがわかっ
た。そして5%水準を満たしており「年齢」と「紹介された調理法の実践」は関連がある
といえるだろう。やはり、わざわざ調理方を実践するには手間や時間をかかるため、子ど
もが独立し、時間の余裕ができる年齢層がより多く情報番組に影響された行動をとったと
考えられる。
表2 年齢と番組で紹介されてした行動(調理法実践)
単位(%)
行動(調理法実践)
計
年齢
経験あり 経験なし
未婚期
50.0
50.0
100.0
(30人)
子どもが成長期
73.3
26.7
100.0
(116人)
子どもが独立済
80.6
19.4
100.0
(182人)
計
75.2
24.9
100.0 (328人)
χ 2(2)=13.1969 p=.0014
表 3 では、
「 年 齢 が 未 婚 期 」で「 紹 介 さ れ た ダ イ エ ッ ト 運 動 を し た 経 験 が あ る 」人 は 73.3% 、
「 年 齢 が 子 ど も が 成 長 期 」で「 紹 介 さ れ た ダ イ エ ッ ト 運 動 を し た 経 験 が あ る 」人 は 66.4% 、
「 年 齢 が 子 ど も が 独 立 済 」 で 「 紹 介 さ れ た ダ イ エ ッ ト 運 動 を し た 経 験 が あ る 」 人 は 43.7%
で あ っ た 。こ の こ と か ら 、
「 年 齢 」が 高 く な る に つ れ て「 紹 介 さ れ た ダ イ エ ッ ト 運 動 を し て
い な い 」傾 向 に あ り 、
「 年 齢 」が 若 く な る に つ れ て「 紹 介 さ れ た ダ イ エ ッ ト 運 動 を し て い る 」
傾向にあることがわかった。そして5%水準を満たしており「年齢」と「紹介されたダイ
エ ッ ト 運 動 を す る 」の は 関 連 が あ る と い え る だ ろ う 。し か し 仮 説 と 逆 の 結 果 に な っ て い る 。
こ れ は 上 記 の「 調 理 方 を 実 践 す る 」の と 同 じ よ う な 、手 間 や 時 間 を か け て し て い る 事 だ が 、
この結果から子ども成長過程に関わらず若い年齢層のほうが美意識が高く、ダイエット行
動をしているのではない。
表3 年齢と番組で紹介されてした行動(ダイエット運動)
単位(%)
行動(ダイエット運動)
計
年齢
経験あり
経験なし
未婚期
73.3
26.7
100.0
(30人)
子どもが成長期
66.4
33.6
100.0 (116人)
子どもが独立済
43.7
56.3
100.0 (182人)
計
54.4
45.6
100.0 (328人)
χ 2(2)=19.4673 p=<.0001
( 2) 仮 説 「 多 く の 人 に 視 聴 さ れ て い る 情 報 番 組 を 見 て い る 人 ほ ど ダ イ エ ッ ト す る 」 の 仮
説についての検証
仮説に基づき、ダイエット経験の有無と多くの人に視聴されている 6 番組をクロス集計分析をし、そ
の結果についてχ2検定を行い有意水準5%を満たし何らかの関連があると思われる結果が出たものだ
けを表にした。
「主治医が見つかる診療所」を見ている人でダイエットの経験の有無を聞いたところ、表 4 のように
「経験済み」が 35.1%にあたる 26 人、「未経験」が 46.9%にあたる 48 人であった。
122
表4 ダイエット経験の有無と主治医が見つかる診療所番組視聴 単位(%)
ダイエット経験
計
あり
なし
見ている
35.1
64.9
100
(74人)
見ていない
48.6
51.4
100 (253人)
計
45.6
54.4
100 (327人)
2
χ (1)=4.1953 p=.0405
また、多く 視聴 され てい る 6 番 組は どん な特 性 があ るの か分 析し、Q13_1(番 組を 信じ る理
由)と6 つの 各番 組 をク ロス 集計 分析 をしχ 2 検定 を行 った 。番 組 を信 用す る理 由で 有意 であ
る と さ れ た も の は 「 一 般 視 聴 者を 使 っ た 実 験 や 体 験 談 が 紹 介 さ れ て い る か ら」、「 有 名 人 を 使
っ た 実 験や 体 験 談 が 紹 介 さ れ て い る か ら 」、「 医 学 的 根 拠 が あ る か ら 」、「 他 の 番 組 で も 取 り
上 げ ら れ て い る か ら 」、「 興 味 の あ る 食 品 ( 商 品 ) を 取 り 上 げ て い る か ら 」 で あ っ た 。
「 主 治 医 が 見つ か る 診療 所 」 はχ 2検定の 有意 水 準 を 満 たし て お り、 番 組 を信 じ る 理 由
の単純集計でよみとれた事と、
「 主 治 医 が 見 つ か る 診 療 所 」と 信 じ る 各 理 由 の ク ロ ス 集 計 を
てらしあわせると、
「 主 治 医 が 見 つ か る 診 療 所 」の 視 聴 者 は 、有 名 人 が 紹 介 し て い る 、専 門
家が解説している、医学的根拠がある3つの理由が関連していたが、他の番組もこのよう
な理由で視聴されている。このことからこの結果は偶然にでたものではないかと感じた。
また、6 番組の放送する時間帯で番組を信じる理由やダイエットの有無に違いがあるのか
をもっと調べてみる必要があると感じた。
5. 4 ま と め
年齢が高い人ほど情報番組に影響された行動をとるという事についての、検証の結果で
は番組で紹介された商品購入と食品購入は関連がなく、調理法実践とダイエット運動に関
連があるという結果が出た。たしかに食品や商品の場合、健康意識が高くなくても日常生
活 と 密 接 し て い る 行 動 (買 い 物 な ど )を す れ ば 簡 単 に で き る 事 な の で 、 年 齢 に よ っ て 差 は 生
じなかったのではないかと思う。一方、わざわざ調理方を実践する、ダイエット運動する
事は、商品や食品を買うよりも手間や時間をかけてしている事なので、そこで行動するか
しないかが年齢によって差ができたのではないだろうか。仮説と逆の結果がでたのはダイ
エット運動との関連だった。やはり若い時の方が体型を気にして行動をおこす人がたくさ
んいたのだろうかと感じた。
多くの人に視聴されている情報番組を見ている人ほどダイエットしているかについて、
仮 説 中 の「 多 く の 人 に 見 ら れ て い る 番 組 」は 該 当 者 中 で 20% 以 上 の 割 合 で 視 聴 さ れ て い る
6 番 組 の こ と で あ り 、そ れ と 信 用 す る 理 由 、ダ イ エ ッ ト 経 験 の 有 無 で ク ロ ス 集 計 分 析 し た 。
検証の結果では「主治医が見つかる診療所」だけが関連があるという結果を得た。しかし
各番組と番組を信じる理由という質問項目でクロス集計分析した結果についてχ2検定し
た と こ ろ 「 主 治 医 が 見 つ か る 診 療 所 」 の 視 聴 者 は 、「 有 名 人 が 紹 介 し て い る 」「 専 門 家 が 解
説している」
「 医 学 的 根 拠 が あ る 」の 3 つ の 理 由 が 番 組 を 信 用 す る 理 由 と 有 意 な 関 連 を 持 っ
ていたが、他の 5 番組もこの3つの理由で視聴されている。
また、番組の時間帯によって番組を信じる理由やダイエットの有無に違いがあるのかを
もっと調べる必要があると思う。
今回の調査では、まず私は女性なら誰しも1度はダイエット経験があるだろうという概
念が、単純集計の分析を始めてすぐ覆された。初めに調査テーマでも述べたように、無意
識 の う ち に 私 自 信 も「 痩 せ て い る 」=「 美 し い 」と い う 価 値 観 だ っ た 事 が 明 ら か に な っ た 。
はじめ私は仮説を「情報番組の信用度が高い人ほどダイエットする」としていたが信用
度が明確に測る事ができず、今回、視聴者側がどうゆう特長があるとしている番組を見て
いる人がダイエットをした事があるというような見解になった。反省点として調査票を作
る段階で信用度が明確に測れるような質問項目を作成した方が良いと思った。
123
結果は自分の予想と反した意外な事が解った。私は調査対象者が番組を信じる理由とし
て医学的根拠や、専門家が出ている番組だけを信じ、行動していると思っていたが、他の
番組や周りの事もみて番組を初めて信用することが解った。そして年齢が若い方が情報番
組を見て色々なものを試し、行動力があるように感じられた。やはり年齢を重ねてきた人
たちの方が今までの人生経験などで考え方が違うのだろうか、若い時と今では情報番組に
影 響 さ れ 、す る 行 動 は 違 う の か を 調 査 票 で は 聞 く 事 が で き な か っ た の で 事 例 調 査 を 行 っ た 。
事例調査では協力者の健康意識も高かったので、かなり食の安全性や健康に気をつかっ
ている事がわかる。調査対象者は明らかにくだらない番組は見ないと言っていたが、今の
情報番組まじめで固いものよりもバラエティ的な要素を踏まえた番組がほとんどだと思っ
たのだが、その境界線は視聴者の主観で違ってくるのだろう。情報番組はあまりみないよ
うだったが、人伝えやスーパーなど、どこかで情報を集め、結局一度は健康によいといわ
れているものを買っていた。しかしスーパーなどで健康に良いとおすすめされているもの
も「~の番組で紹介させました」などと出ているケースも少なくないだろう。そう思うと
間接的にでも、やはり情報番組の影響があると感じた。
色々なものへの安全性が敏感になっている今、情報化社会の中でテレビ番組だけでは、
いまいち説得力がかけているのではないだろうか。
<参考文献>
松 田 麻 美 子 著 , 2002,『 常 識 破 り の 超 健 康 革 命 』, グ ス コ ー 出 版
124
6. 健 康 行 動 と 食 生 活 の 関 連
A52072
三橋彩美
6. 1 テ ー マ
近年は人々の食生活が変わり、以前に比べてとても豊かになっていると感じる。それに
伴い、生活習慣病など食生活が健康に与える影響が大きくなってきている。また、生活習
慣病の予防には、日頃の食生活が重要だということが言われてきている。そこで私は生活
習慣病に着目し、健康と食事の関連を見ていきたいと考え、日頃の生活ということで毎日
行っている健康行動について考えてみることにした。
6. 2 仮 説
私は、健康的に行動している人は食生活でもしっかり考えて行動していると思ったので
「健康的な生活行動をしている人は、食生活に気を遣っている」という仮説を立てた。
私はこの仮説で気を遣っている、の内容として、毎日の食事の中で健康でいるために実
際に実践している行動と考えた。
6. 3 テ ー マ お よ び 仮 説 検 証 に 用 い た 質 問 項 目 に つ い て の 分 析
仮 説 検 証 を 行 う 前 に 、 今 回 の 対 象 者 で あ る 千 葉 市 在 住 の 20 歳 ~ 69 歳 の 女 性 の 特 性 を 考
えてみた。なお、集計表については、巻末の単純集計表を参照した。
ま ず 、 今 回 の 調 査 に 協 力 し て く れ た 人 は 、 50 歳 代 と 60 歳 代 の 人 が 過 半 数 を 占 め た 。 平
均 年 齢 は 49.1 歳 で あ る 。76.5% の 人 が 既 婚 者 で 、72.1% の 人 に 子 ど も が い た 。ま た 、56.6%
の人が仕事をしており、パートをしている人が多い。家族構成は 2 世代世帯が一番多く、
千葉市には、移り住んで来た人が多い。今回の対象者は女性なので、結婚して嫁いできた
人が多いと考えられる。
健康面では、身体的に健康でありたいと思っている人が多く、生活習慣病の予防を心が
け て い る 人 も 多 か っ た 。お い し い 食 事 を と れ る こ と と 、よ く 眠 れ る こ と を 重 要 視 し て い て 、
一番重要なのは食事だと考えているようだ。生活における最重要項目も食事であった。運
動については、なるべく階段での移動を心がけ、特に道具を必要とせず比較的簡単に始め
ら れ る 運 動 を 経 験 し て い た 。 平 均 睡 眠 時 間 は 6~ 7 時 間 で 、 比 較 的 適 度 な 睡 眠 が と れ て い
る と 思 っ て い る よ う だ 。食 生 活 に つ い て は 、 同 じ 時 間 に 1 日 3 食 し っ か り 摂 っ て い る 人 が
多 か っ た 。 フ ァ ー ス ト フ ー ド ・ レ ト ル ト 食 品 ・ カ ッ プ 麺 ・ 惣 菜 な ど は 、 月 に 1~ 2 回 く ら
い利用している人が多く、サプリメントや健康食品を利用している人はあまり多くはなか
った。また、栄養バランスを重視して食事を摂っているようだ。食事は、ほぼ毎日手作り
の 夕 食 を 食 べ て い て 、朝 食 は 80.4% の 人 が 毎 日 食 べ て い る 。食 品 、食 材 の 購 入 に つ い て は 、
以前から問題となっている中国産の食品は避けていたり、消費期限を気にしたりと購入の
際は配慮していることがうかがえる。食事のマナーについては、全体的に気を遣っている
が、テレビを見ながらなどのながら食いは、半数以上の人が当てはまっている。
全体的に見るとやはり食を気にしている人は多いと感じた。そして健康についても身体
的に健康でありたいと思っている人が多く、自分の健康は自分で管理するなど健康関心が
高いことがわかった。
以下、生活行動と食生活の関連を見ていく。
今 回 の 分 析 に は 9 項 目 の 健 康 行 動 に 関 す る 質 問 と し て 、 Q3_a 健 康 作 り の た め に 目 標 を 持
っ て 取 り 組 ん で い る 、Q3_b 自 分 の 健 康 は 自 分 で 管 理 し て い る 、Q3_c 健 康 に 関 す る 出 費 は
惜 し ま な い 、Q7 エ レ ベ ー タ ー・エ ス カ レ ー タ ー よ り も 階 段 を 使 う よ う に し て い る 、Q10_a
今 を 楽 し む こ と よ り も 将 来 の ほ う が 重 要 で あ る 、Q10_b 体 に 良 く な い と 思 っ た ら 我 慢 を す
る 、Q10_c 生 活 習 慣 病 の 予 防 を 心 が け て い る 、Q16_a 適 度 な 睡 眠 が と れ て い る 、Q16_b 早
寝 早 起 き を し て い る 、 を 使 用 し 、 11 項 目 の 食 生 活 に 関 す る 質 問 と し て 、 Q29_a1 日 3 食 と
っ て い る 、 Q29_c 外 食 は 控 え て い る 、 Q29_e 食 べ す ぎ に 気 を つ け て い る 、 Q29_f だ い た い
決 ま っ た 時 間 に 食 事 を し て い る 、 Q29_g カ ロ リ ー を 考 え て 食 事 を し て い る 、 Q29_h 脂 肪
125
分・油 分 を と り す ぎ な い 、Q29_i 塩 分 を と り す ぎ な い 、Q29_j 糖 分 を と り す ぎ な い 、Q29_l
野 菜 を た く さ ん 食 べ て い る 、 Q29_m 果 物 を た く さ ん 食 べ て い る 、 Q29_n 飲 み 物 に 気 を 遣
っている、を使用した。
次に以上あげた、各項目の単純集計をみる。
( 1) 健 康 行 動 に つ い て
Q3_a 健 康 作 り の た め に 目 標 を 持 っ て 取 り 組 ん で い る 、 の 質 問 で は 、「 あ て は ま る 」と 答
え た 人 が 15.3% 、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」と 答 え た 人 が 41.4% 、
「どちらかといえ
ば あ て は ま ら な い 」 と 答 え た 人 が 23.2% 、「 あ て は ま ら な い 」 と 答 え た 人 が 18.8% で 、 あ
る程度の目標を持って取り組んでいる人が多いが、特に目標を持っていない人もいること
がわかる。
Q3_b 自 分 の 健 康 は 自 分 で 管 理 し て い る 、の 質 問 で は「 あ て は ま る 」「 ど ち ら か と い え ば
あ て は ま る 」 を 合 わ せ る と 90.0% で あ っ た 。 や は り 20 代 以 上 に な る と 自 分 の 健 康 は 自 分
で管理している人が多い。
Q3_c 健 康 に 関 す る 出 費 は 惜 し ま な い 、の 質 問 で は 、
「 あ て は ま る 」と 答 え た 人 が 13.8% 、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 と 答 え た 人 が 42.2% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な
い 」 と 答 え た 人 が 30.8% 、「 あ て は ま ら な い 」 と 答 え た 人 が 12.0% で 、 惜 し む 人 と 惜 し ま
ない人の割合はほぼ半分である。
Q7 エ レ ベ ー タ ー・エ ス カ レ ー タ ー よ り も 階 段 を 使 う よ う に し て い る か 、の 質 問 で は「 あ
て は ま る 」「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 を 合 わ せ る と 68.0% で あ っ た 。 意 識 的 に 歩 く
ようにしている人が多い。
Q10_a 今 を 楽 し む こ と よ り も 、 将 来 の ほ う が 重 要 で あ る 、 の 質 問 で は 、「 あ て は ま る 」
と 答 え た 人 が 7.3% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 と 答 え た 人 が 27.9% 、「 ど ち ら か と
い え ば あ て は ま ら な い 」と 答 え た 人 が 46.3% 、
「 あ て は ま ら な い 」と 答 え た 人 が 15.3% で 、
将来のことを気にしている人はそれ程多くないことがわかる。
Q10_b 体 に 良 く な い と 思 っ た ら 、我 慢 を す る 、Q10_c 生 活 習 慣 病 の 予 防 を 心 が け て い る 、
の 質 問 で は「 あ て は ま る 」
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」を 合 わ せ る と 72.7% で あ っ た 。
自分の体を考えて生活している人が多いことがわかる。
( 2) 食 生 活 に つ い て
Q29_a1 日 3 食 と っ て い る 、 Q29_e 食 べ す ぎ に 気 を つ け て い る 、 Q29_f だ い た い 決 ま っ
た 時 間 に 食 事 を し て い る 、 Q29_h 脂 肪 分 ・ 油 分 を と り す ぎ な い 、Q29_i 塩 分 を と り す ぎ な
い 、 Q29_j 糖 分 を と り す ぎ な い 、 Q29_l 野 菜 を た く さ ん 食 べ て い る 、 Q29_n 飲 み 物 に 気 を
遣 っ て い る 、は「 あ て は ま る 」ま た は「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」と 答 え た 人 が 70%
を越していた。毎日ちゃんと食べて、体のことを考えた食事をしている人が多いことがわ
かる。
Q29_c 外 食 は 控 え て い る 、Q29_g カ ロ リ ー を 考 え て 食 事 を し て い る 、で は「 あ て は ま る 」
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」と「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」
「あてはまらない」
では、大きな差は見られなかった。
Q29_m 果 物 を た く さ ん 食 べ て い る 、で は 「 あ て は ま る 」 と 答 え た 人 が 21.4% 、「 ど ち ら
か と い え ば あ て は ま る 」 と 答 え た 人 が 39.0% 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」 と 答
え た 人 が 32.3% 、
「 あ て は ま ら な い 」と 答 え た 人 が 5.9% で 、60.4% の 人 が た く さ ん 食 べ て
いることがわかった。野菜だけでなく、果物も積極的にとっている人が多い。
6. 4 仮 説 検 証
検 証 は 健 康 行 動 に 関 す る Q3_a 健 康 作 り の た め に 目 標 を 持 っ て 取 り 組 ん で い る 、 Q3_b
自 分 の 健 康 は 自 分 で 管 理 し て い る 、 Q3_c 健 康 に 関 す る 出 費 は 惜 し ま な い 、 Q7 エ レ ベ ー タ
ー・ エ ス カ レ ー タ ー よ り も 階 段 を 使 う よ う に し て い る 、Q10_a 今 を 楽 し む こ と よ り も 将 来
の ほ う が 重 要 で あ る 、Q10_b 体 に 良 く な い と 思 っ た ら 我 慢 を す る 、Q10_c 生 活 習 慣 病 の 予
防 を 心 が け て い る 、 Q16_a 適 度 な 睡 眠 が と れ て い る 、 Q16_b 早 寝 早 起 き を し て い る 、 の 9
126
項 目 と 食 生 活 に 関 す る Q29_a1 日 3 食 と っ て い る 、Q29_c 外 食 は 控 え て い る 、Q29_e 食 べ
す ぎ に 気 を つ け て い る 、 Q29_f だ い た い 決 ま っ た 時 間 に 食 事 を し て い る 、Q29_g カ ロ リ ー
を 考 え て 食 事 を し て い る 、 Q29_h 脂 肪 分 ・ 油 分 を と り す ぎ な い 、Q29_i 塩 分 を と り す ぎ な
い 、Q29_j 糖 分 を と り す ぎ な い 、Q29_l 野 菜 を た く さ ん 食 べ て い る 、Q29_m 果 物 を た く さ
ん 食 べ て い る 、 Q29_n 飲 み 物 に 気 を 遣 っ て い る 、 の 11 項 目 を ク ロ ス 集 計 分 析 し 、 そ の 結
果についてχ2 検定を実施した。
ま た 、ク ロ ス 集 計 す る 際 に 独 立 変 数・従 属 変 数 と も に「 あ て は ま る 」
「どちらかといえば
あ て は ま る 」 を 合 成 し て 「 あ て は ま る 」 と し 、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」「 あ て
はまらない」を合成して「あてはまらない」とした。
ク ロ ス 集 計 分 析 を し た と こ ろ 、そ の 結 果 に つ い て χ 2 検 定 で 有 意 で あ っ た の は 99 通 り 中
58 通 り と 、と て も 多 く の 項 目 に 有 意 な 関 係 が 見 ら れ た 。そ し て 、食 生 活 の 質 問 項 目 と 特 に
関 係 性 が 強 い の は Q3 の 健 康 行 動 に 関 す る 質 問 と Q10 の 現 在 の 生 活 状 況 に 関 す る 質 問 で あ
った。このことから、自分で自分の体を考えて行動している人は食の面からも体を考えて
い る の だ と わ か る 。 ま た 、 Q29_h の 脂 肪 分 ・ 油 分 を と り す ぎ な い 、 と Q29_n の 飲 み 物 に
気を遣っている、は、ほぼすべての健康行動と関連が見られた。
上 記 し た χ 2 検 定 の 結 果 の 中 で 5% の 有 意 水 準 で 有 意 な 関 連 が あ る と 見 ら れ た も の を 以
下取り上げていくことにする。
( 1) 自 分 で 健 康 管 理 を し て い る か と 食 生 活 に 気 を 遣 っ て い る か
単位(%)
表1 自分で健康管理をしているかと脂肪分・油分
脂肪分・油分
健康管理
控えている
控えていない
計
している
81.5
18.5
100.0 (303人)
していない
40.6
59.4
100.0 (32人)
計
77.6
22.4
100.0 (335人)
2
χ (1)=27.86
p=<.0001
表2 自分で健康管理をしているかと塩分
単位(%)
塩分
計
健康管理
控えている
控えていない
している
79.5
20.5
100.0 (303人)
していない
46.9
53.1
100.0 (32人)
計
76.4
23.6
100.0 (335人)
2
χ (1)=17.13
p=<.0001
「 自 分 で 健 康 管 理 を し て い る か 」と「 食 生 活 に 気 を 遣 っ て い る か 」を ク ロ ス 集 計 分 析 し 、
そ の 結 果 に つ い て χ 2 検 定 を す る と 、「 脂 肪 分 ・ 油 分 を と り す ぎ な い 」「 塩 分 を と り す ぎ な
い」の項目において有意な関連があることがわかる。つまり、自分で健康を管理している
人は、特に生活習慣病の原因と言われている脂肪分、塩分を控えるなど日頃の食生活で気
を遣っていると考えられる。
( 2) 体 に 良 く な い こ と を 我 慢 す る か と 食 生 活 に 気 を 遣 っ て い る か
単位(%)
表3 体に良くないことを我慢するかと食べすぎ
食べすぎ
我慢
気をつけている 気をつけていない
計
する
89.0
11.0
100.0 (245人)
しない
59.5
40.1
100.0 (84人)
計
81.5
18.5
100.0 (329人)
2
χ (1)=35.94
p=<.0001
127
表4 体に良くないことを我慢するかとカロリー
単位(%)
カロリー
我慢
考えている
考えていない
計
する
67.8
32.2
100.0 (245人)
しない
32.1
67.9
100.0 (84人)
計
58.7
41.3
100.0 (329人)
χ2(1)=32.71
p=<.0001
「体に良くないことを我慢するか」と「食生活に気を遣っているか」をクロス集計分析
し 、 そ の 結 果 に つ い て χ 2 検 定 を す る と 、「 食 べ す ぎ に 気 を つ け て い る 」、「 カ ロ リ ー を 考 え
て食事をしている」
「 脂 肪 分・油 分 を と り す ぎ な い 」
「塩分をとりすぎない」
「糖分をとりす
ぎ な い 」「 飲 み 物 に 気 を 遣 っ て い る 」 の 項 目 に お い て 有 意 な 関 連 が あ る こ と が わ か る 。
ここでは、その中で我慢するという面で特に関連があると感じた「食べすぎに気をつけ
ている」と「カロリーを考えて食事をしている」を表にした。体に良くないことを我慢し
ている人は、食生活でも我慢をしていて、暴飲暴食をしないように腹八分目で抑えたり、
食べるときもカロリーを考えて食事をしたりして健康に気を遣っていると考えられる。
ま た 、 他 の 「 脂 肪 分 ・ 油 分 を と り す ぎ な い 」「 塩 分 を と り す ぎ な い 」「 糖 分 を と り す ぎ な
い 」「 飲 み 物 に 気 を 遣 っ て い る 」 の 項 目 に つ い て も 体 に 良 く な い こ と を 我 慢 し て い る 人 は 、
体のことを考えて塩分などを控えたり、普段飲むものにも気を遣ったりと体のことを考え
ていることがわかる。
( 3) 生 活 習 慣 病 の 予 防 を 心 が け て い る か と 食 生 活 に 気 を 遣 っ て い る か
単位(%)
表5 生活習慣病予防と糖分
糖分
生活習慣病予防
控えている
控えていない
計
心がけている
82.1
17.9
100.0 (240人)
心がけていない
49.4
50.6
100.0
(87人)
計
73.4
26.6
100.0 (327人)
χ2(1)=34.88
p=<.0001
表6 生活習慣病予防と飲み物
単位(%)
飲み物
生活習慣病予防 気を遣っている 気を遣っていない
計
心がけている
82.6
17.4
100.0 (242人)
心がけていない
46.0
54.0
100.0
(87人)
計
73.0
27.1
100.0 (329人)
χ2(1)=43.60
p=<.0001
「生活習慣病の予防を心がけているか」と「食生活に気を遣っているか」をクロス集計
分 析 し 、 そ の 結 果 に つ い て χ 2 検 定 を す る と 、「 食 べ す ぎ に 気 を つ け て い る 」、「 カ ロ リ ー を
考えて食事をしている」
「 脂 肪 分・油 分 を と り す ぎ な い 」
「塩分をとりすぎない」
「糖分をと
り す ぎ な い 」「 飲 み 物 に 気 を 遣 っ て い る 」 の 項 目 に お い て 有 意 な 関 連 が あ る こ と が わ か る 。
ここでは、
「 糖 分 を と り す ぎ な い 」と「 飲 み 物 に 気 を 遣 っ て い る 」を 表 に し た 。生 活 習 慣
病に糖尿病があったり、最近は生活習慣病に良いとされる飲み物が販売されているからで
ある。
生活習慣病の項目は食生活のいろいろな項目と関連があることから、生活習慣病への関
心が強い人は実際に身近なところから予防をしていて、中でも食生活での予防をしている
ことがわかる。やはり、生活習慣病の予防をしている人は食に気を遣っているのだと考え
られる。
128
( 4) 早 寝 早 起 き を し て い る か と 食 生 活 に 気 を 遣 っ て い る か
表7 早寝早起きと1日3食とっているか
単位(%)
1日3食
早寝早起き
とっている
とっていない
計
している
94.4
5.6
100.0 (162人)
していない
79.0
21.1
100.0 (171人)
計
86.5
13.5
100.0 (333人)
2
χ (1)=17.09
p=<.0001
「早寝早起きをしているか」と「食生活に気を遣っているか」をクロス集計分析し、そ
の 結 果 に つ い て χ 2 検 定 を す る と 、「 1 日 3 食 と っ て い る か 」の 項 目 に お い て 有 意 な 関 連 が
あることがわかった。
1 日 3 食とるということは、朝早く起きることから始まると思う。遅く起きると 1 日 2
食になりがちだ。やはり、1 日 3 食きちんととっている人は、早く起きて朝ご飯を食べて
いるのだと考えられる。
6. 5 ま と め
今回は「健康的な生活行動をしている人は、食生活に気を遣っている」という仮説を作
成 し 、ク ロ ス 集 計 分 析 を し 、そ の 結 果 に つ い て χ 2 検 定 で 2 つ の 関 連 の 有 無 を 調 べ て み た 。
調べてみると全体的に関連があるものが多かった。やはり生活行動と食生活は関連してい
るのだと思った。中でも、脂肪分の項目はほとんどのχ2 検定で強い関連が出ており、特
に 気 を 遣 っ て い る こ と が わ か る 。ま た 、健 康 行 動 の 質 問 項 目 の 中 で 特 に Q10_c 生 活 習 慣 病
の予防を心がけているの項目をクロス集計分析し、その結果についてχ2 検定をしたとこ
ろ多くの有意な関連が出たことから、生活習慣病などの病気の予防には、日頃の食生活を
重 要 視 し て い る の で は な い か と 思 う 。や は り 、食 事 は 人 に と っ て は 欠 か せ な い も の な の で 、
一番簡単に始められる生活習慣病予防対策だと考える人が多いのだろう。
そして今回の対象者は女性だったため、家で料理をする機会が多いと考える。夫や子ども
がいる人が多いので家族のことも考えて塩分を控えたり、野菜を多くしたりと食生活には
気を遣っているのだと思う。自分の健康も考えつつ家族の健康も考えているのではないか
と思った。今度調査するときは、男性も対象者に入れると少し違いがでるのではないかと
考える。
ま た 、Q10_a 今 を 楽 し む こ と よ り も 将 来 の ほ う が 重 要 で あ る 、と 食 生 活 の 質 問 項 目 を ク
ロス集計分析して、その結果についてχ2 検定をしたところ有意な関連は見れなかった。
食生活の質問項 目と 1 つも関連が見 られなか ったのは、この質問 だけであっ た。今より将
来のことを考えるのではなく、今を楽しみつつ、食生活には気を遣って将来も健康でいよ
うと考えている人が多いのではないかと思う。
事例調査では、今回のテーマについて具体的に話をすることができた。そして、今回の
対象者は食生活には人一倍気を遣うようにしていることがわかった。しかし、健康行動に
関しては、睡眠などの面で本当はしたいのにできない、ということがわかった。健康な行
動をしたいという願望はあるのだが、周りの環境によりうまくできないということがある
という。そのため、少なくとも食事には気をつけていうようだった。健康的な行動をして
いて、さらに食生活にも気を遣っている人もいるが、この事例のように健康的な行動がで
きないぶん、せめて食生活には気を遣って生活している人もいるということがわかった。
特に女性の場合、家事などをする機会が多いので、このような人は多いのではないかと考
える。
そして今回の調査の反省点として、調査票を作る段階で分析するときのことをもう少し
考えて、工夫して質問項目を作成したほうが良いと思った。調査票を作る段階では、聞き
たいと思ったことをそのまま入れてしまったが、あとの分析のことを考えて、分析しやす
い聞き方にしたりと工夫が必要なことがわかった。次回調査する際は、注意をしなければ
いけないと思う。
129
7. 女 性 の 年 齢 と 健 康 重 視 点 の 関 係
A52006
奥田
桃子
7. 1 テ ー マ
現代、男女雇用機会均等法の強化や労働基準法の女性保護規定の撤廃等の法律の改正に
より女性の深夜労働、時間外労働及び休日労働が可能となった。それに伴いあらゆる職場
で 女 性 の 就 業 が 進 ん で い る 。 し か し 、 以 前 か ら あ っ た 女 性 の 役 割 (家 事 ・ 育 児 ・ 介 護 )な ど
は減ることはなく、女性の役割の多様化が深刻になってきている。そんな現代社会、仕事
を 含 め た 生 活 の 中 で 女 性 は 、自 身 の 健 康 管 理 を 十 分 に 出 来 る の で あ ろ う か と 疑 問 を 持 っ た 。
7. 2 仮 説
『 女 性 は 年 齢 に よ っ て 健 康 の 重 視 点 が 異 な る 。』
女 性 は 各 年 齢 に よ っ て 家 庭 内 で 果 た す (家 事 ・ 育 児 ・ 養 育 ・ 脱 親 )役 割 が 異 な り 、 そ れ に
伴い健康の重視する点も年齢によって変化していくのではないかと考えた。
健康重視点として、
「 食・睡 眠・運 動・人 間 関 係 」を 挙 げ 、年 齢 に よ っ て ど の よ う に 変 化
するのか、また4点は健康維持のためにどれも必要な項目であり、健康維持のために重要
だと判断されにくい項目は何なのか、重要とされなかった項目にどのような特徴、年齢と
社会的背景がかかわっているのか具体的に調べた。
7. 3 女 性 の 健 康 重 視 点 と 生 活 条 件 に つ い て の 分 析
( 1) 年 齢 区 分 に つ い て
はじめに私は、
「 年 齢 」を 女 性 の 労 働 に よ っ て 区 切 り 、新 し い 変 数 を 作 っ た 。こ れ は 、日
本 女 性 の 労 働 の 特 徴 が ラ イ フ イ ベ ン ト (主 に 、 結 婚 ・ 出 産 ・ 育 児 )な ど に よ っ て 左 右 さ れ る
ことに基づく。
「 労 働 力 調 査 」に よ る と 日 本 女 性 の 労 働 特 徴 を 年 齢 階 級 別 労 働 力 率 で 示 す と 、
「 若 年 層 と 中 年 層 の 労 働 力 率 が 高 い 2 つ の 山 を 形 成 す る M 字 型 を 描 く 。右 側 の 山 は 年 々 上
昇しており、それは中年既婚女性の雇用者としての労働市場への進出が続いていることに
よる。つまり、結婚、出産、育児等でいったん退職し、子どもの手が離れた後に再就職す
る 人 が 多 い か ら で あ る 。」(赤 岡 2000;19)と い わ れ る よ う に 、先 に 挙 げ た 子 育 て な ど の 女 性
のライフイベントが労働に影響を及ぼしているといえる。これにより、今回の調査の年齢
分 け は 女 性 の 労 働 の 特 徴 、「 労 働 力 率 」 に よ っ て 以 下 の 4 つ に 区 切 る こ と に し た 。
「 20 歳 ~ 35 歳 未 満 」、「 35 歳 ~ 50 歳 未 満 」、「 50 歳 ~ 60 歳 未 満 」、「 60 歳 ~ 69 歳 」
表1.年齢区分
度数
20歳~35歳
35歳~50歳
50歳~60歳
60歳~69歳
累積
パーセント
62
18.5
148
44.1
249
74.1
336
100.0
欠損値=5
パーセント
62
86
101
87
累積
18.5
25.6
30.1
25.9
( 2) 末 っ 子 の 成 長 段 階 に つ い て
F3-1 の 質 問 、 1 小 学 生 未 満 ,2 小 学 生 ,3 中 学 生 ,4 高 校 生 ,5 中 卒 ・ 高 卒 以 上
末 っ 子 の 成 長 段 階 は 、 親 (対 象 者 )を ど れ だ け 縛 る 要 因 か (自 由 な 時 間 を 作 ら せ な い )ま た 、
千葉市の女性は、どの年齢も就業している人の割合が高い。それによって、働きながら、
子供の面倒を見るということが健康の重視点を選ぶ際に影響を与えるのではないかと考え、
上記の質問項目を以下の 3 つに分類した。
「 手 が か か る 段 階 (F3-1_1.2) 」、「 そ れ ほ ど で も な い 段 階 (F3-1_3) 」、「 放 任 し て い ら れ る 段
階 (F3-1_4.5)」
表2.末っ子の成長段階
度数
手のかかる
まあまあ
放任
パーセント
54
28
83
累計
32.7
17.0
50.3
累計
パーセント
54
32.7
82
49.7
165
100.0
欠損地=176
末っ子の成長段階でみた結果、手がかかる段階または、放任していられる状態のどちら
かにやや分かれていることが見て取れた。
末っ子の成長段階と年齢をクロス集計分析にかけ、χ2 検定にかけてみた結果、有意な
関係があるということが見て取れる。当たり前のことだが、対象者が年齢を重ねるにつれ
130
て子どもも成長する。結果、若い世代では手がかかる段階の子どもを持つ女性が多く、年
齢が上がっていくにつれて子どもの成長段階も、放任へと向かっていくことが明らかにな
った。
表3.年齢別末っ子の成長段階
年齢
手がかかる それほどでもない
放任
20歳~35歳
100.0
0.0
0.0
35歳~50歳
58.1
32.3
9.7
50歳~60歳
3.4
13.6
83.1
60歳~69歳
0.0
0.0
100.0
計
32.7
16.8
50.3
X2(6)=130.0942
(単位%)
計
100.0
100.0
100.0
100.0
99.8
(16人)
(62人)
(59人)
(28人)
(150人)
p=<.0001
( 3) 就 業 形 態 に つ い て
質 問 項 目 F4 就 業 形 態 に つ い て 、 1 正 社 員 (フ ル タ イ マ ー ),2 パ ー ト タ イ マ ー (ア ル バ イ ト
含 む ),3 派 遣 社 員 ,4 公 務 員・団 体 職 員 ,5 商 店 な ど の 自 営 業・農 林 業 (家 族 従 業 員 含 む ),6 そ の
他 ,7 無 職 を 、雇 用 さ れ る 側 か 、雇 用 す る 立 場 か で 以 下 の 4 つ に 分 類 し 新 た に 新 変 数 と し た 。
「 正 規 雇 用 (F4_1.4)」「 非 正 規 雇 用 (F4_2.3)」「 自 営 業 (F4_5)」「 無 職 (F4_7)」 (表 4)
働 い て い る 形 態 と し て 多 か っ た の は「 非 正 規 雇 用 (約 35%)」次 い で「 正 規 雇 用 (約 17%)」
「 自 営 業 (5%)」 と い う 結 果 で あ っ た 。 雇 用 の 多 様 化 が 進 む 中 、 千 葉 市 で も 非 正 規 雇 用 で 働
く人の割合が大きくなっていることがわかる。
就業形態と年齢とをクロス集計分析し、χ2 検定にかけた結果有意な関係であるというこ
とが見て取れた 。どの年 代も「 非正規雇用 」で働いている人 の割合が高く 、表 5 より無 職
で は 60 歳 以 上 が 、78.6%次 い で 20 歳 ~ 35 歳 ま で が 32.1%と い う 結 果 が 出 た 。職 の 有 無 で
見 た と き に は 、 調 査 対 象 者 の 若 年 と 老 年 者 が 無 職 の 割 合 が 高 く 、 対 象 者 の 間 の 年 代 35 歳
~ 60 歳 ま で の 女 性 が 主 に 職 に 就 い て い た 。
末 っ 子 の 成 長 段 階 を 含 め て 考 察 す る と 、 高 校 生 未 満 の 末 っ 子 を 持 つ 35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女
性 と 就 業 に つ い て い る 女 性 35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 と が 重 な る 。 こ の こ と か ら 、 子 育 に か
か る お 金 を 女 性 も 働 い て 稼 い で い る と い う こ と が 考 え ら れ る 。ま た 、就 業 形 態 別 に 見 て も 、
非 正 規 雇 用 で 働 い て い る 割 合 が 高 い の も 、 35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 で あ る 。 子 育 て の 為 に
も仕事の時間が組みやすい非正規雇用を選んで働いている人が多いのではないだろうか。
表4.就業形態
度数
正規雇用
非正規雇用
自営業
無職
パーセント
54
112
16
136
表5.年齢と就業形態
年齢
正規雇用 非正規雇用
20歳~35歳
30.4
37.5
35歳~50歳
22.2
45.7
50歳~60歳
18.3
45.2
60歳~69歳
2.4
13.1
計
17.2
35.4
17.0
35.2
5.0
42.8
自営業
0.0
2.5
8.6
5.9
4.8
累計
54
166
182
318
累計
パーセント
17.0
52.2
57.2
100.0
欠損値=23
(単位%)
無職
計
32.1
100
(56人)
29.6
100
(81人)
28.0
100
(93人)
78.6
100
(84人)
42.7
100 (324人)
p=〈.0001
X2 (9)=75.8730
( 4) 健 康 重 視 点
質 問 項 目 Q5.特 に「 健 康 的 な 生 活 を 送 る た め に 重 要 だ 」と 思 う 行 動( 4 つ の 健 康 重 視 点 :
食事、睡眠、適度な運動、人間関係を円滑にしストレスをためないようにする)と年齢を
ク ロ ス 集 計 分 析 に か け た ( 表 6)。 そ の 結 果 、 20~ 35 歳 ま で の 人 の 健 康 重 視 点 の 順 位 が 1
位 睡 眠 、 2 位 食 、 に 対 し 、 35 歳 以 上 の 人 は 1 位 食 、 2 位 睡 眠 、 と 逆 の 数 値 を と り 、 年 齢 に
よ っ て 健 康 重 視 点 が 変 化 す る こ と が わ か っ た 。ま た 、50 歳 ~ 60 歳 ま で に 関 し て は 、2 番 目
に重視する点が睡眠、人間関係と同じ割合で重視するという結果が得られた。しかし、全
体的な割合を見ると、健康の重視点として「食」を選択している人が多く、年齢別に健康
重 視 点 を ま と め た 結 果 か ら も 健 康 重 視 点 は 35 歳 以 上 に な る と 年 齢 に 関 ら ず 「 食 」 に 偏 っ
た結果がでた。
質 問 項 目 Q15 平 均 睡 眠 時 間 の 単 純 集 計 を 見 る と 、調 査 対 象 者 の 一 週 間 の 平 均 睡 眠 時 間 は
主 に 「 6~ 7 時 間 」 の 睡 眠 時 間 を 取 っ て お り 全 体 の 225 人 、「 3 時 間 未 満 」 と い っ た き わ め
て 少 な い 睡 眠 時 間 の 対 象 者 は 4 人 と い う 結 果 が で た 。ま た 、Q16_a 適 度 な 睡 眠 が 取 れ て い
131
る の 質 問 に 対 し て は 、全 体 の 約 7 割 の 対 象 者 が 適 度 な 睡 眠 が 取 れ て い る と 感 じ て い る と 答
え た 。「 非 正 規 雇 用 」と し て 一 番 多 く 働 い て い る の は 35 歳 以 上 の 女 性 で あ り 、「 正 規 雇 用 」
と し て 一 番 多 く 働 い て い る の は 20 歳 ~ 35 歳 ま で の 女 性 で あ る (表 3 参 考 )。 ま た 、 末 っ 子
の 成 長 段 階 で は 20 歳 ~ 35 歳 ま で の 女 性 は 「 手 が か か る 」 段 階 で あ る 。 こ の こ と か ら 、 雇
用 さ れ る 側 と し て 拘 束 さ れ る 時 間 と 、 子 育 て と い う 役 割 を こ な さ な く て は な ら な い 20 歳
~ 35 歳 ま で の 女 性 は 自 身 の 時 間 が 少 な く な り 、健 康 重 視 点 に お い て 自 身 で 管 理 で き る「 食 」
ではなく、管理することの出来ない時間の「睡眠」を健康重視点の一番に選択したのでは
ないかと考えられる。
表6.年齢と健康重視点
年齢
食
20歳~35歳
32.3
35歳~50歳
36.1
50歳~60歳
36.0
60歳~69歳
57.5
計
40.9
(単位%)
睡眠
35.5
33.7
25.0
16.1
26.9
運動
16.1
9.3
14.0
12.6
12.8
人間関係
16.1
20.9
25.0
13.8
19.4
X2 (9)=20.1034
計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(62人)
(86人)
(100人)
(87人)
(335人)
p=.0173
7. 4 仮 説 の 検 証
仮 説 ・「 女 性 は 年 齢 に よ っ て 健 康 の 重 視 点 が 異 な る 。」 は 、 2-4-1 の 年 齢 と 健 康 重 視 点 と
の ク ロ ス 集 計 分 析 に よ っ て 、「 20 歳 か ら 35 歳 の 女 性 の 健 康 重 視 点 1 位 、 睡 眠 2 位 、 食 」。
「 35 歳 以 上 の 女 性 の 健 康 重 視 点 は 1 位 、食 2 位 、睡 眠 」と い っ た 結 果 が 出 た 。ク ロ ス 集 計
分析によって年齢の変化と健康重視点の変化に有意な関連が見られた。が、どのような要
因によって年齢が異なると健康重視点も異なるのかここでは明らかに出来なかった。
な ぜ 、 20 歳 ~ 35 歳 ま で の 女 性 の 健 康 重 視 点 と 35 歳 以 上 69 歳 ま で の 女 性 の 健 康 重 視 点
が「睡眠」と「食」と違った結果が得られたのか検討を加える。
7. 5 年 齢 別 女 性 の 健 康 重 視 点 と 生 活 条 件 の 特 徴
( 1) 20 歳 ~ 35 歳 ま で の 女 性 の 分 析
20 歳 ~ 35 歳 ま で の 女 性 が 「 睡 眠 」 を 一 番 に 重 視 し た か 属 性 別 に 考 察 し 、 次 の 5 つ の 特
徴が得た。各年齢を就業形態別に見た結果、正規雇用で働いている割合が一番高かったの
は 20 歳 ~ 35 歳 の 年 齢 で あ り 、 就 業 形 態 別 に 労 働 時 間 を 比 べ た と こ ろ 長 時 間 労 働 し て い る
割 合 は 正 規 雇 用 で (76%)、 次 い で 自 営 業 (54%) 、 非 正 規 雇 用 (11%)と い う 結 果 に な っ た 。
ストレス原因から、
「 仕 事 」を 一 番 ス ト レ ス と 感 じ て い る 年 齢 は 20 歳 ~ 35 歳 で あ る こ と 。
表 8 よ り 、 食 事 意 識 に 関 し て も 20~ 35 歳 ま で の 女 性 の 意 識 が 一 番 低 く 、 表 10 を 見 る と 、
ファストフードの利用頻度が、各年齢の中で一番高く食事に対して他の年齢よりも食を軽
視 す る 傾 向 に あ る と 考 え ら れ る 。 以 上 の 特 徴 か ら 、 20 歳 ~ 35 歳 ま で の 女 性 が 「 食 」 よ り
表 7. 年 齢 と ス トレ ス の 原 因
年 齢
20歳
35歳
50歳
60歳
~
~
~
~
計
35歳
50歳
60歳
69歳
人 間
3 3 .9
2 8 .2
3 7 .1
3 4 .2
3 3 .4
仕 事
2 1 .0
1 5 .3
1 1 .3
5 .3
1 2 .8
家 事
1 4 .5
2 7 .1
7 .2
1 0 .5
1 4 .7
経 済
1 6 .1
1 6 .5
2 0 .6
1 0 .5
1 6 .3
(単 位 % )
自 分 の
計
そ の 他
健 康
6 .5
8 .1
1 0 0 .0
(6 2 人 )
9 .4
3 .5
1 0 0 .0
(8 5 人 )
1 7 .5
6 .2
1 0 0 .0
(9 7 人 )
2 7 .6
1 1 .8
1 0 0 .0
(7 6 人 )
1 5 .6
7 .2
1 0 0 .0 ( 3 2 0 人 )
p = .0 0 0 3
χ 2 ( 1 5 ) = 4 1 .1 3 4 4
も、
「 睡 眠 」を 重 視 し た の は 、他 の 年 齢 よ り も 外 的 要 因 (健 康 が 環 境 に 影 響 さ れ る 。例 え ば 、
就 業 形 態 、労 働 時 間 )に さ ら さ れ て い る こ と に よ っ て 、時 間 を 外 部 に 拘 束 さ れ 自 身 で 管 理 し
きれない時間に 影響が出て 、表 6 より「睡 眠 」という項目 を健康重視点 としている のでは
ないだろうか。
( 2) 35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 の 分 析
35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 は 健 康 重 視 点 1 位 が 食 、2 位 が 睡 眠 と 60 歳 ま で の 女 性 と 同 じ 傾
向 の 健 康 重 視 点 を 取 っ て い る が 、 食 の 意 識 の 内 面 (実 際 の 行 動 な ど )に 差 が 見 ら れ た 。 食 事
の意識、ファストフードの利用から検証していく。
食事の意識という項目はなかったので「食事」に関する項目から抜粋し、自身で項目を
逆 転 さ せ 、 ス コ ア 化 し た 。 食 の 意 識 に 用 い た 項 目 「 Q29_a 一 日 3 食 と っ て い る 」「 Q29_c
外食はひかえる」
「 Q29_g カ ロ リ ー を 考 え た 食 事 摂 取 」
「 Q29_h 脂 肪 分・油 分 を 取 り す ぎ な
い 」「 Q29_i 塩 分 を 控 え る 」「 Q29_j 糖 分 を 控 え る 」 以 上 を ス コ ア 化 し 、 平 均 値 を 出 し た 。
結 果 、最 大 値 24、最 小 値 6、平 均 17.7 か ら 、食 事 の 意 識 が「 低 い 」人 を 得 点 6~ 17。食 事
132
意 識 が「 高 い 」人 を 得 点 18~ 24 と し た 。単 純 集 計 の 結 果 、「 食 事 が 低 い (43%)」「 食 事 意 識
高 い (57% )」 で あ っ た 。 対 象 者 全 体 と し て は 、 食 事 に 対 す る 意 識 は 「 高 い 」。
食の意識と年齢とをクロス集計分析しχ2 検定を行った結果、有意な結果が得られた。
特 に 20 歳 ~ 35 歳 ま で の 女 性 の 他 に 、 35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 も 食 に 対 し て 気 を 使 っ て い
な い と い う こ と が 見 て 取 れ る (表 8)。
表 8 .年 齢 と 食 事 に 対 す る 意 識
年 齢
低 い
20歳 ~ 35歳
6 7 .7
35歳 ~ 50歳
5 0 .6
50歳 ~ 60歳
4 2 .4
60歳 ~ 69歳
1 7 .1
計
4 3 .0
(単 位 % )
計
高 い
3 2 .3
4 9 .4
5 7 .6
8 2 .9
5 7 .0
χ 2 ( 3 ) = 3 9 .9 8 7 2
1 0 0 .0
1 0 0 .0
1 0 0 .0
1 0 0 .0
1 0 0 .0
( 62人 )
( 85人 )
( 99人 )
( 82人 )
(3 2 8 人 )
p = .0 2 3 3
Q37_a の フ ァ ス ト フ ー ド (ハ ン バ ー ガ ー 、 牛 丼 な ど )の 利 用 頻 度 に 関 し て の 質 問 は 、
月 に 数 回 (ほ と ん ど 毎 日 、 週 に 1,2 回 、 月 に 1,2 回 )、 年 に 数 回 (年 に 数 回 )、 全 く な い (全 く
な い )に 分 け 、 食 事 の 意 識 と 同 様 に 検 定 に か け た 結 果 、 35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 は フ ァ ス ト
フードの利用頻度は月に数回と、健康重視点を「食」とした年齢の中で最も利用している
こ と が わ か っ た (表 5)。
35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 の 「 食 」 の 意 識 と 家 庭 生 活 を 含 め 考 察 す る と 、 末 っ 子 の 成 長 段
階 が 「 手 が か か る 」、「 そ れ ほ ど で も な い 」 の 中 学 生 未 満 の 段 階 で あ り 、 食 事 に 子 ど も の 好
む フ ァ ス ト フ ー ド を 使 用 し 、 頻 度 が 高 く な っ た と 考 え ら れ る 。 35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 の
健 康 重 視 点 は「 食 」で あ る が 、実 際 の 行 動 は 子 育 て に よ っ て 、自 身 が 考 え て い る 程 に「 食 」
を重視しきれていないと見て取れる。その結果、健康重視点を「食」としながらも「食」
に 対 す る 意 識 は 低 く な る と い う 特 徴 を 出 し て い る 。 35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 は 「 食 」 を 重
視しながらも「食」に対する意識は低い。その要因は自身の事だけを考えられない「子育
て」という要因をもっているからではないだろうか。
表 1 0 .年 齢 と フ ァ ス ト フ ー ド の 利 用
年齢
月に数回
年に数回
全 くな い
20歳 ~ 35歳
6 0 .7
3 1 .2
8 .2
35歳 ~ 50歳
4 7 .6
4 4 .2
8 .1
50歳 ~ 60歳
2 8 .7
4 3 .6
2 7 .7
60歳 ~ 69歳
7 .0
5 3 .5
3 9 .5
計
3 3 .8
4 4 .0
2 2 .2
χ 2 (6 )= 6 7 .1 3 9 2
(単 位 % )
計
1 0 0 .0
1 0 0 .0
1 0 0 .0
1 0 0 .0
1 0 0 .0
(6 1 人 )
(8 6 人 )
(1 0 1 人 )
(8 6 人 )
(3 3 4 人 )
p = .0 0 0 1
表9.ファストフードの利用
度数
月に数回
年に数回
全くない
パーセント
114
149
76
累計
33.6
44.0
22.4
累計
パーセント
114
33.6
263
77.6
339
100.0
欠損値=2
( 3) 50 歳 ~ 69 歳 ま で の 女 性 の 分 析
50 歳 ~ 69 歳 ま で の 女 性 は 健 康 重 視 点 を 「 1 位 、 食 」「 2 位 、 睡 眠 」 と し 、 末 っ 子 の 成 長
段 階 、食 の 意 識 、フ ァ ス ト フ ー ド の 利 用 な ど も 調 査 で は ほ ぼ 同 じ 値 を と っ た 。が 、50 歳 ~
60 歳 と 、 60 歳 ~ 69 歳 ま で の 女 性 と で は 「 社 会 と の 接 点 」 で や や 内 容 が 異 な る 。 そ の 内 容
を詳しく調べた結果以下の特徴が得られた。
社会との接点を、知人との交流の範囲・就業の有無、交流で考える。千葉市の女性は就
業 し て い る 割 合 が 高 く 、60 歳 ま で 就 業 し て い る 割 合 は 約 7 割 で あ る 。 60 歳 ~ 69 歳 の 女 性
に な っ て 就 業 の 割 合 は 2 割 、無 職 の 割 合 が 約 8 割 と な る 。Q24_c 知 人 と の 交 流 で は 、各 年
齢 の 中 で 50 歳 ~ 69 歳 の 女 性 が 一 番 広 い 。
Q24_d 職 場 と の 交 流 は 、 各 年 齢 の 中 で は や や 狭 い と 職 場 と の 繋 が り の 薄 れ が 感 じ ら れ る 。
表 2 よりストレス内容が自身の健康や経済と原因が段々と家庭的要因へと絞られていくこ
と が わ か っ た 。就 業 が 少 な く な っ た こ と に よ っ て 自 身 に か け る 時 間 が 増 え た と 考 え ら れ る 。
133
表 11.
2
3
5
6
年 齢
年 齢
0歳 ~ 35
5歳 ~ 50
0歳 ~ 60
0歳 ~ 69
計
表 1 2 . 年 齢
年 齢
2 0 歳 ~ 3 5
3 5 歳 ~ 5 0
5 0 歳 ~ 6 0
6 0 歳 ~ 6 9
計
と 交 流 関 係 (知 人 )
広 い
や や 広 い
6 .5
9 .7
5 .8
1 2 .8
1 3 .1
1 9 .2
1 1 .9
3 5 .7
9 .7
1 9 .9
歳
歳
歳
歳
と 交 流 (職 場 ・ 学 校 )
広 い
や や
3 0 .7
3 5 .3
1 6 .2
1 1 .5
2 2 .8
歳
歳
歳
歳
(単 位 % )
や や 狭
40
39
37
34
37
い
.3
.5
.4
.5
.8
狭 い
4 5 .6
4 1 .9
3 0 .3
1 7 .9
3 2 .6
2
χ ( 9 ) = 3 0 .3 4 7 4
や や 狭
1 1
1 8
2 4
2 5
2 0
い
.3
.8
.2
.6
.7
狭 い
2 2 .6
8 .2
1 6 .2
2 3 .1
1 7 .0
χ 2 (9 )= 2 5 .4 8 0 2
1
1
1
1
1
0
0
0
0
0
計
1 0
1 0
1 0
1 0
1 0
0
0
0
0
0
2
0
0
0
0
計
.0
.0
.0
.0
.0
(6 2 人
(8 6 人
(9 9 人
(8 4 人
(3 3 1 人
p = .0 0 0 4
)
)
)
)
)
(単 位 % )
広
3 5
3 7
4 3
3 9
3 9
い
.5
.7
.4
.7
.5
.0
.0
.0
.0
.0
(6 2 人
(8 5 人
(9 9 人
(7 8 人
(3 2 4 人
p = .0 0 2 5
)
)
)
)
)
7. 6 結 論
今 回 の 調 査 で 、 健 康 重 視 点 を 年 齢 別 に 調 べ た 結 果 「 20 歳 ~ 35 歳 」 は 「 睡 眠 」 を 健 康 重
視 点 の 第 一 と 考 え 、「 35 歳 ~ 50 歳 」ま で の 女 性 は 健 康 重 視 点 の 第 一 は「 食 」を ぶ 。 年 齢 が
異なると、健康の重視する点が異なることがわかった。
このことにより、
「 女 性 は 年 齢 に よ っ て 健 康 の 重 視 点 が 異 な る 」と 考 え て い た 私 の 仮 説 の
一部を明らかにすることが出来た。
今 回 調 査 対 象 と し た 千 葉 市 在 住 の 20 歳 ~ 69 歳 ま で の 女 性 は 、 主 に 「 食 」 に 対 し 健 康 の
重 視 点 を 置 い て お り 、運 動 に 関 し て そ れ ほ ど 注 目 を し て い な か っ た 。
「食事をしっかりとっ
て い れ ば 大 丈 夫 」、
「 食 事 が 身 体 を 作 っ て い く 」と い う 事 例 研 究 の 対 象 者 の 言 葉 が 印 象 的 だ 。
調査から、健康重視点は「食」と「睡眠」に偏っていたが、重視する項目を選ぶ際の決
め手になるものが各年代、対象者が置かれている生活によって違いが見られることがわか
っ た 。 例 え ば 、 35 歳 ~ 50 歳 の 女 性 は 健 康 重 視 点 を 「 食 」 と し て い た が 、 実 際 に 食 事 の 意
識 を 調 べ た 結 果 、 35 歳 ~ 50 歳 ま で の 女 性 の 「 食 」 へ の 意 識 は 低 い も の で あ り 、 ま た 食 事
内容にもファストフードを使用する頻度が高くなるなど、健康重視点を「食」としていて
も、実際には行動まで行えていないといった差が生まれ、必ずしも重視した項目を達成し
ているわけではなかった。重視点を達成できない要因を私は、対象者の置かれている生活
にあるのではないかと考え検証した。末っ子の成長段階・就業形態・知人との付き合いな
ど を 含 め 検 証 し た 結 果 、そ れ ら の 生 活 が 対 象 者 に 大 き な 影 響 を 与 え て い る こ と が わ か っ た 。
今回調査を行って、現代女性の置かれている生活、就業・育児・家事などの忙しさ、ま
た年齢を重ねることによってそういった生活が除々に無くなっていき、自由な時間を得て
自 身 と 向 か い 合 っ て い く 機 会 が 増 え て い く と い う こ と が 明 ら か に で き た 。こ の こ と は 、 60
歳以上になるとストレス原因を「自身の健康」と位置づけていることから言えるのではな
い だ ろ う か 。ま た ス ト レ ス 原 因 を「 自 身 の 健 康 」と 考 え て い る の は 、就 業 形 態 で 分 け た「 自
営業者」である。自営業者はやはり自身が率先して働かなければならない立場として「自
身の健康」を保つことにストレスを感じているのではないかと見える。今回の調査では、
就業形態を、正規雇用、非正規雇用、自営業と分類させてもらったが、数の少なかった自
営業の人に焦点を当ててみてもやはり、健康重視点を選ぶ要因、ストレスを感じているも
のの原因とされたものが、その人の置かれている「立場」にあるということが分かり、人
は物事を選ぶ際には、自身の考えで選んでいるようで、実際は回りの環境、生活によって
選ぶものが決められているということがわかった。
結果、年齢を重ねることによって、生活・立場が変わりその影響で健康の重視点も変化
していくと今回の調査で明らかにすることが出来た。
【参考文献・引用文献】
赤 岡 功 , 長 坂 寛 , 渡 辺 峻 , 筒 井 清 子 , 山 岡 煕 子 ,2000,「 男 女 共 同 社 会 と 女 性 労 働 」 ミ ネ ル ヴ ァ 書 房
橘 木 俊 詔 ,2001,「 家 計 か ら み る 日 本 経 済 」 岩 波 新 書 .
千葉県子どもプラン
1,http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_jika/plan/plan1c.html
サラリーマンの平均年収
2,http://www.777money.com/torivia/torivia4_3.htm
134
8. 年 齢 ・ 配 偶 者 関 係 ・ 子 ど も の 有 無 と ダ イ エ ッ ト
A52104 上 杉 ち あ き
8. 1
テーマ
現在、モデルや女優などの影響から、女性は痩せている人の方が綺麗であるという考え
が当たり前になってきていることから、現代の若い女性は見た目を重視したダイエットを
しているのではないかと考えた。そして配偶者の有無や子どもの有無、年齢などによって
ダイエットの取り組み方は違ってくるのではないかと考え仮説を立て、検証を行った。
8. 2
仮説
食事作りを行うのは男性よりも女性の方が多く、家庭の中で食事作りは妻が行っている
家庭が多いと考え、その事から女性は食に気を遣ったダイエットをしていると考え仮説を
立てた。
・「 ダ イ エ ッ ト を し て い る 人 は 食 に 気 を 遣 っ て い る 」
・「 子 ど も の い る 人 の 方 が 食 に 気 を 遣 っ た ダ イ エ ッ ト を し て い る 」
・「 結 婚 し て い る 人 の 方 が 食 に 気 を 遣 っ た ダ イ エ ッ ト を し て い る 」
8. 3
分析に用いた質問項目
( 1) 新 変 数 の 作 成
Q 29_a~ Q 29_n 食 生 活 に つ い て は「 あ て は ま る 」
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」を「 は
い 」「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら な い 」、「 あ て は ま ら な い 」 を 「 い い え 」 と し 、 次 に Q 2
年 齢 を 20 歳 ~ 40 歳 を 若 年 層 、 41 歳 ~ 69 歳 を 中 高 年 層 と し た 。
( 2) 使 用 し た 質 問 項 目
ダイエットの経験についてはQ9 ダイエット経験を使用する。
食 生 活 に つ い て は Q 29_a 一 日 三 食 摂 っ て い る 、 Q 29_b 食 事 を 抜 く こ と が あ る 、 Q 29_
c 外 食 は 控 え て い る 、Q 29_d 間 食 は 控 え て い る 、Q 29_e 食 べ 過 ぎ に 注 意 し て い る 、Q 29_
f 同 じ 時 間 に 食 事 を す る 、Q 29_g カ ロ リ ー を 考 え る 、Q 29_h 脂 肪・油 分 を 控 え る 、Q 29_
i 塩 分 を 控 え る 、 Q 29_j 糖 分 を 控 え る 、 Q 29_k 炭 水 化 物 を 控 え る 、 Q 29_l 野 菜 を た く
さ ん 食 べ る 、 Q 29_m 果 物 を た く さ ん 食 べ る 、 Q 29_n 飲 み 物 に 気 を 遣 う を 使 用 す る 。
8. 4
分析
年齢、子どもの成長段階、配偶関係と食生活、ダイエット経験、年齢とダイエットの目
的とダイエット経験などのそれぞれの仮説の3つの項目の関連を調べていくためにクロス
集計分析を実施し、その結果についてχ2 検定を行った。
( 1) ダ イ エ ッ ト 経 験 と 食 生 活
「ダイエットをしている人は食に気を使っている」の仮説の検証を行うために、Q9 ダイ
エ ッ ト 経 験 、 Q 29_a~ Q 29_n 食 生 活 に つ い て の 項 目 を 使 用 し 、 ダ イ エ ッ ト 経 験 と 食 生 活
をクロス集計分析をした結果、χ2 検定を行ったところ有意な関連が見られた。
135
表1 ダイエット経験と一日三食摂っている
一日三食摂っている 一日三食摂っていない
実行中
69.5%
30.5%
前はやっていた
84.4%
15.6%
計
78.5%
21.5%
χ2(1)=4.7249
計 実数(人)
100.0%
59人
100.0%
90人
100.0%
149人
P=0.0297
表2 ダイエット経験と食事を抜くことがある
食事を抜くことがある 食事を抜くことはない
計 実数(人)
実行中
44.1%
55.9% 100.0%
59人
前はやっていた
25.6%
74.4% 100.0%
90人
計
32.9%
67.1% 100.0%
149人
2
χ (1)=5.5335
P=0.0187
表 1 の ダ イ エ ッ ト 経 験 と 一 日 三 食 摂 っ て い る 、表 2 の ダ イ エ ッ ト 経 験 と 食 事 を 抜 く こ と
がある共にχ2 検定の結果より、有意な関係がある事が分かった。ダイエット実行中の女
性は、ダイエットをしていない女性に比べ、普段の食生活で、一日三食きちんと摂ってい
なかったり、食事を抜いたりする人が多いことから、食事をとらないで痩せようとしてい
る女性が多いことが分かった。
表3 ダイエット経験と間食は控えている
間食を控えている 間食を控えていない
実行中
66.1%
33.9%
前はやっていた
37.8%
62.2%
計
49.0%
51.0%
χ2(1)=11.4407
計 実数(人)
100.0%
59人
100.0%
90人
100.0%
149人
P=0.0007
表4 ダイエット経験と食べ過ぎに注意している
食べ過ぎに注意している 食べ過ぎに注意していない計
実数(人)
実行中
89.8%
10.2%
100.0% 59人
前はやっていた
75.3%
24.7%
100.0% 89人
計
81.1%
18.9%
100.0% 148人
χ2(1)=4.8963
P=0.0269
表 3 の ダ イ エ ッ ト 経 験 と 間 食 は 控 え て い る 、表 4 の ダ イ エ ッ ト 経 験 と 食 べ 過 ぎ に 注 意 し
ている共にχ2 検定の結果より、有意な関係がある事が分かった。食事を抜くことがある
と同様に、間食を控えている、食べ過ぎに注意しているを意識している人がダイエットを
していない女性よりも、ダイエット実行中の女性の方が多く、食べることを控える事を意
識し、ダイエットしている女性が多いことが分かった。
表5 ダイエット経験とカロリーを考える
カロリーを考えている カロリーを考えていない
実行中
79.7%
20.3%
前はやっていた
50.0%
50.0%
計
61.7%
38.3%
χ2 (1)=13.2736
P=0.0003
表6 ダイエット経験と炭水化物を控える
炭水化物を控えている 炭水化物を控えていない
実行中
52.5%
47.5%
前はやっていた
34.4%
65.6%
計
41.6%
58.4%
χ2(1)=4.8043
計 実数(人)
100.0%
59人
100.0%
90人
100.0%
149人
計 実数(人)
100.0%
59人
100.0%
90人
100.0%
149人
P=0.0284
表 5 の ダ イ エ ッ ト 経 験 と カ ロ リ ー を 考 え る 、表 6 の ダ イ エ ッ ト 経 験 と 炭 水 化 物 を 控 え る
共にχ2 検定を行った結果より、有意な関係がある事が分かった。ダイエットを現在実行
し て い な い 人 は 、一 日 三 食 摂 っ て い る 84.4% 、食 事 を 抜 く こ と が あ る 25.6%と 食 生 活 を 気
136
に し て い る の に 対 し て 、 ダ イ エ ッ ト 実 行 中 の 人 は 、 一 日 三 食 摂 っ て い る 69.5%、 食 事 を 抜
く こ と が あ る 44.1%と ダ イ エ ッ ト を し て い な い 人 達 に 比 べ 低 い 傾 向 に あ る 。 こ の こ と か ら
ダ イ エ ッ ト 実 行 中 の 人 は 、食 事 を 抜 い て 痩 せ よ う と し て い る 人 が 多 い の で は な い だ ろ う か 。
食べ過ぎに注意している、カロリーを考えている、炭水化物を控えるなどは、ダイエット
をしていない人よりも実行中の人の方が意識している人が多いことが分かった。カロリー
に関しては自分自身もコンビニなどで食べ物を買うときなど、カロリー表示をみてカロリ
ーが低い物を買ったりすることもある。
( 2) 子 ど も の 成 長 段 階 と ダ イ エ ッ ト 経 験
「 子 ど も の い る 人 の 方 が ダ イ エ ッ ト を し て い る 」 の 仮 説 の 検 証 を 行 う た め に F 3_1 末 子
成長段階、Q9 ダイエット経験の項目を使用し、クロス分析を行った。今回は、ただ子ど
もがいるというだけではなく、一緒に暮らしている子どもが小さいほど、成長盛りの子ど
も の 健 康 な ど を 考 え た 食 事 作 り を す る の で は な い か と 考 え 、 F 3_1 の 末 子 成 長 段 階 の 項 目
を使用した。
χ 2 検 定 を 行 っ た 結 果 、子 ど も の 成 長 段 階 と ダ イ エ ッ ト 経 験 、年 齢 と ダ イ エ ッ ト 経 験 の 2
変数には有意な関連は見られなかった。
表8 子どもの成長段階とダイエット経験
実行中 前はやっていた
小学生未満
25.0%
75.0%
小学生
33.3%
66.7%
中学生
30.0%
70.0%
高校生
20.0%
80.0%
38.7%
61.3%
中卒・高卒以上
計
40.0%
60.0%
2
計 実数(人)
100.0%
16人
100.0%
15人
100.0%
10人
100.0%
5人
100.0%
31人
100.0%
77人
P=0.4025
χ (1)=5.1106
表8 配偶関係とダイエット経験
実行中 前はやっていた
未婚
56.5%
43.5%
既婚
36.8%
63.2%
離婚
33.3%
66.7%
死別
50.0%
50.0%
計
39.9%
60.1%
χ2(1)=3.3423
計 実数(人)
100.0%
23人
100.0%
114人
100.0%
9人
100.0%
2人
100.0%
148人
P=0.3418
子どものいる人の方が、子供の事を考えた食事作りをし、自分のダイエットにも取り入
れているのではないかと考え、子どものいる人の方がダイエットをしているという仮説を
立 て た 。 し か し 、 中 卒 ・ 高 卒 以 上 の 子 ど も と 暮 ら し て い る 女 性 の 方 が 38.7%と 他 の 女 性 と
比べダイエットをしていることが分かった。この結果から成長盛りの小さい子どもがいる
からこそ、カロリーが低いなどのダイエットメニューを作ることが出来ないのではないだ
ろうかと考えた。事 例調査に協 力してもら っ た女性も小学生 の子どもが 2 人いる が、子ど
も の 残 し た 物 を 食 べ た り で 、普 段 の 食 生 活 で ダ イ エ ッ ト を す る の は 難 し い と 話 し て く れ た 。
年齢で見てみると若い人よりも高齢の人の方がダイエット実行中の人が多い事が分かった。
ここでは若い人よりも、高齢の人のほうが健康の事を気にしだしているのではないかと感
じた。若い人よりも高齢の人のほうが、子どもも成長し、自分自身のダイエットに費やせ
る時間も増えてくるのではないかと感じた。
137
( 3) 配 偶 関 係 と 食 生 活 と ダ イ エ ッ ト 経 験
「結婚している人の方が食に気を遣ったダイエットをしている」の検証を行うためF
1「 配 偶 関 係 」、 Q 9「 ダ イ エ ッ ト 経 験 」 の 項 目 を ク ロ ス 分 析 し 検 証 を 行 っ た 。
χ2 検定を行った結果、配偶関係とダイエット経験の 2 変数には有意な関連は見られ
なかった。
表8 配偶関係とダイエット経験
実行中 前はやっていた
未婚
56.5%
43.5%
既婚
36.8%
63.2%
離婚
33.3%
66.7%
死別
50.0%
50.0%
計
39.9%
60.1%
χ2(1)=3.3423
計 実数(人)
100.0%
23人
100.0%
114人
100.0%
9人
100.0%
2人
100.0%
148人
P=0.3418
配偶者のいる女性の方が夫の健康などを考えた食事作りをし、自分のダイエットにも取
り入れているのではないかと考え「結婚している女性の方が食に気を遣ったダイエットを
している」という仮説を立てた。しかし、配偶者のいる女性よりも、配偶者のいない女性
の方がダイエットをしている人が多いという傾向にあった。子どもと暮らしている女性同
様、配偶者の事も考え食事作りをしなくてはいけないため、自分のためのダイエットメニ
ューを普段の食事として作るわけにはいかないのだと感じた。働いている女性ならば、食
事作りにかけられる時間も限られるために、メニューを別々に作る時間も無いのではない
だろうか。一方、未婚の女性ならば、自分の事だけを考えた食事が出来るため、普段の食
事でダイエットメニューを作ることが出来るのではないだろうか。
8. 5
まとめと考察
今回の調査では 私は 3 つの仮説を立 て調査を 行った。まず「ダイエ ットをして いる人は
食 に 気 を 遣 っ て い る 」と い う 仮 説 で は 、一 日 三 食 摂 っ て い な か っ た り 、食 事 を 抜 い た り し 、
ダイエットをしている人が多いのではないだろうか。しかし、ダイエットをしていない人
よりも、ダイエット実行中の女性の方が、カロリーを考える、食べ過ぎに注意している、
間食を控える、炭水化物を控えるなどの項目で意識をしている人が多いことが分かった。
このことから、ダイエット実行中の人の方が、食生活に気を遣いダイエットをしているこ
とが分かった。女性がダイエットをする際に一番意識をしている事は食事制限などをして
痩せることなのではないか。
次に「子どものいる人の方がダイエットをしている」という仮設では、私の考えとは逆
に、ある程度成長した子どもをもつ女性の方が、小さい子どもと暮らしている女性よりダ
イエットをしている傾向にあった。小さな子どもを持つ女性の方が、自分のダイエットの
ためのメニューを普段の食事に出すわけにもいかず、子どもの成長や健康なども考えた食
事作りをしなくてはならないため、普段の食生活でダイエットをすることは難しいのでは
ないかと感じた。子どもがいると子どもの残した食べ物をついつい食べてしまうので、な
かなかダイエットにはならないと事例研究に協力してくれた女性は話してくれた。
最 後 に「 結 婚 し て い る 人 の 方 が 食 に 気 を 遣 っ た ダ イ エ ッ ト を し て い る 」と い う 仮 説 で は 、
結婚している人の方が、配偶者の健康のことなども考えた食事作りを自分のダイエットに
も取り入れていると考え仮説を立てた。しかし、私の考えとは逆に、配偶者のいる女性よ
り も 、未 婚 の 女 性 の 方 が ダ イ エ ッ ト を し て い る 傾 向 に あ っ た 。
「子どものいる人の方が食に
気を遣ったダイエットをしている」という仮説の結果同様、配偶者の健康の事も考えた食
事作りをしなくてはならないため、普段の食生活をダイエットに取り入れて痩せることは
難しいのだと感じた。事例研究に協力してもらった女性も自分のダイエットのために野菜
だけの食事を出したり、カロリー低めの食事を家族に出すわけにはいかないと答えてくれ
138
たように、子どもや夫がいるからこそ、ダイエットするための食事をしていないのではな
いだろうか。
今回の仮説検証の統計分析結果から、
「 ダ イ エ ッ ト し て い る 人 は 食 に 気 を 遣 っ て い る 」と
いう仮説は検証されたと考える。
「結婚している人の方が食に気を遣ったダイエットをして
い る 」「 子 ど も の い る 人 の 方 が 食 に 気 を 遣 っ た ダ イ エ ッ ト を し て い る 」 の 2 つ の 仮 説 の 結
果は自分の考えていたこととは、逆の結果になった。子どもや配偶者がいる女性は、子ど
もや配偶者の健康、成長の事を考えた食事作りをしなくてはならないため、普段から食事
には気を遣い、自分のダイエットにも取り入れているのではないかと考えた。しかし、配
偶者や成長盛りの子どもがいるからこそ、ダイエットに適したカロリー低めや野菜中心の
食事を出すわけにもいかず、普段の食生活を自分のダイエットに取り入れるのは難しいの
で は な い か と 考 え た 。こ の よ う に 2 つ の 仮 説 に 関 し て は 自 分 の 考 え て い た 結 果 と 逆 の 結 果
が出たが、結果の背景を自分なりに考えることが出来たのではないだろうか。
139
9. 年 齢 ・ 就 労 形 態 と ス ト レ ス の 原 因 と 関 連 に つ い て
A52171
山上
尚登
9. 1 問 題 意 識 ・ テ ー マ
今日、技術の変化と発展により経済的に急激な変動が起こっている。その結果、私たち
をとりまく環境は、きわめて複雑となり多様化している。こうした環境では、米国心臓協
会が変化に対する体の反応だと定義をしているストレスという問題を人々が抱えやすい社
会といえる。そこで、人々がどのような問題に対してストレスを抱えているのかを明らか
にしたいと思った。
また、今回の調査対象者は女性に限定されている。そこで、女性の年齢と就労形態それ
ぞれの相違とストレスの原因について何らかの関連があるのではないだろうかと推測した。
こうして、私は女性がどのような問題に対してストレスを抱えているのかを明らかにす
るため、そして女性の年齢と就労形態それぞれの相違とストレスの原因について何らかの
関連を探るため「年齢・就労形態とストレスの原因との関連について」という調査テーマ
を選定した。
9. 2 仮 説
ストレス社会と言われる今日、人々がどのような問題に対してストレスを抱えているの
かを明らかにしたいと思った。しかし、今回の調査対象者が女性に限定されている。そこ
で 、女 性 が ど の よ う な 問 題 に 対 し て ス ト レ ス を 抱 え て い る の か を 明 ら か に し よ う と 思 っ た 。
ま た 、女 性 の 年 齢 と 就 労 形 態 そ れ ぞ れ の 相 違 と ス ト レ ス の 原 因 と の 関 連 を 探 ろ う と 思 っ た 。
そのために私は、
「 年 齢 の 相 違 に よ っ て ス ト レ ス の 原 因 は 変 化 す る 」そ し て「 就 労 形 態 の 相
違によってストレスの原因は変化する」という二つの仮説を立てた。
9. 3 統 計 的 調 査 デ ー タ の 分 析
私が使用した以下の変数に関する詳しいデータは単純集計表を参照。
( 1) 主 た る ス ト レ ス 原 因 に つ い て : 使 用 し た 変 数 は Q18の 主 た る ス ト レ ス の 原 因 で あ る 。
( 2) 年 齢 に つ い て : 使 用 し た 変 数 は Q2の 年 齢 で あ る 。
こ の 年 齢 に 関 す る 変 数 を 用 い て 分 析 を 行 う た め に 、 年 齢 を 20代 、 30代 、 40代 、 50代 そ し
て 60代 と い う よ う に 分 け た 。
そ の 結 果 、20代 は 全 体 の 9.2% 、30代 は 全 体 の 17.5% 、40代 は 全 体 の 17.2% 、50代 は 全 体
表1 年齢の単純集計表
年齢
度数
パーセント 累積度数
20代
30代
40代
50代
60代
累積
パーセント
9.2
26.7
43.9
73.9
100.0
31
9.2
31
59
17.5
90
58
17.2
148
101
30.0
249
88
26.1
337
欠損値の度数 = 4
の 30.0% そ し て 60代 は 全 体 の 26.1% と な っ た (表 1参 照 )。
( 3) 就 労 形 態 に つ い て : 使 用 し た 変 数 は F4 の 就 労 形 態 で あ る 。
この就労形態に関する変数を用いて分析を行うにあたり、正規雇用者と非正規雇用者の
み を 対 象 と す る た め 、 4の 公 務 員 ・ 団 体 職 員 な ど は 正 規 雇 用 者 に 含 め る こ と に し た 。
ま た 、 5の 商 店 な ど 自 営 ・ 農 林 業 は 全 体 の 5.3% (16人 )し か い な か っ た こ と か ら 、 分 析 を
行 っ た と し て も 有 意 な 結 果 が 得 ら れ な か っ た 。そ の た め 、5の 商 店 な ど 自 営・農 林 業 は 分 析
の対象から除外することにした。
さらに、
「 そ の 他 」も ま た 全 体 の 4.4% (13人 )し か い な か っ た こ と か ら 、
「商店 など自営 ・
農林業」と同様に、分析を行っても有意な結果が得られなかった。そのため、分析の対象
か ら 「 そ の 他 」 も 除 外 す る こ と に し た 。 こ う し て 、「 商 店 な ど 自 営 ・ 農 林 業 」 と 「 そ の 他 」
140
を 分 析 の 対 象 か ら 除 い た 新 し い 変 数「 就 労 形 態 」を 作 成 し た 。そ の 際 、
「 正 社 員 」と「 公 務
員 ・ 団 体 職 員 」 な ど を 「 正 規 雇 用 者 」 と し た 。 そ し て 「 パ ー ト (バ イ ト 含 む )」 と 「 派 遣 社
員 」 を 「 非 正 規 雇 用 者 」 と し た 。 ま た 、「 無 職 」 は そ の ま ま 「 無 職 」 と し て 分 析 に 用 い る 。
そ の 結 果 、 正 規 雇 用 者 は 全 体 の 17.9% 、 非 正 規 雇 用 者 は 全 体 の 37.1% そ し て 無 職 は 全 体
表2 就労形態の単純集計表
就労形態
正規雇用者
非正規雇用者
無職
度数
累積
パーセント
54
17.9
166
55.0
302
100.0
パーセント 累積度数
54
17.9
112
37.1
136
45.0
欠損値の度数 = 39
の 45.0% と な っ た (表 2参 照 )。
9. 4 ク ロ ス 集 計 分 析 と χ 2 検 定 に よ る 分 析 と 知 見
( 1) 年 齢 と ス ト レ ス の 原 因 に 関 す る ク ロ ス 集 計 分 析 と χ 2 検 定 に よ る 分 析 と 知 見
< 仮 説 1> 年 齢 の 相 違 に よ っ て ス ト レ ス の 原 因 は 変 化 す る
年齢が異なることによって、ストレスの原因は変化するのではないだろうか。
年齢とストレスの原因に関する項目についてのクロス集計分析とその結果についてχ2
検 定 を 行 っ た 結 果 を 見 る と 、 年 齢 と ス ト レ ス の 原 因 に 有 意 な 関 連 が あ る こ と が わ か る (表 3
参 照 )。
(単位%)
表3 年齢とストレスの原因
ストレスの原因
人間
計
年齢
仕事 家事 経済 健康 その他
関係
20代
35.5 29.0
3.2
9.7 12.9
9.7 100.0
(31人)
27.6 12.1 29.3 22.4 5.2
3.5 100.0
30代
(58人)
40代
31.6 15.8 24.6 14.0 8.8
5.3 100.0
(57人)
50代
37.5 10.4
7.3 20.8 17.7
6.3 100.0
(96人)
60代
34.7
4.0 10.7 10.7 28.0 12.0 100.0
(75人)
計
33.8 12.0 14.8 16.4 15.8
7.3 100.0 (317人)
χ 2 (1)=55.3478
p<0.0001
年 齢 と ス ト レ ス の 原 因 に 関 す る 項 目 に つ い て の ク ロ ス 集 計 分 析 表 を 見 る と 、20代 に お い
て 一 番 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る の は 人 間 関 係 の 35.5% で あ る 。 ま た 、 人 間 関 係 に 続
い て 、 仕 事 の 29.0% そ し て 健 康 の 12.9% が 20代 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る 。
30代 に お い て 一 番 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る の は 家 事 の 29.3% で あ る 。 ま た 、 家 事
に 続 い て 、 人 間 関 係 の 27.6% そ し て 経 済 の 22.4% が 30代 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る 。
40代 に お い て 一 番 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る の は 人 間 関 係 の 31.6% で あ る 。 ま た 、
人 間 関 係 に 続 い て 、 家 事 の 24.6% そ し て 仕 事 の 15.8% が 40代 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い
る。
50代 に お い て 一 番 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る の は 人 間 関 係 の 37.5% で あ る 。 ま た 、
人 間 関 係 に 続 い て 、 経 済 の 20.8% そ し て 健 康 の 17.7% が 50代 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い
る。
60代 に お い て 一 番 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る の は 人 間 関 係 の 34.7% で あ る 。 ま た 、
人 間 関 係 に 続 い て 、 健 康 の 28.0% そ し て そ の 他 の 12.0% が 60代 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て
いる。
年齢ごとのストレスの原因に関するクロス集計分析の結果から、人間関係とはどの年齢
の 人 に も 共 通 し て ス ト レ ス の 原 因 に な っ て い る こ と が 明 ら か で あ る (表 4参 照 )。
(単位%)
表4 各年齢におけるストレスの原因トップ3
年齢
1位
2位
3位
20代
人間関係(35.5)
仕事(29.0)
健康(12.9)
30代
家事(29.3) 人間関係(27.6)
経済(22.4)
40代
人間関係(31.6)
家事(24.6)
仕事(15.8)
50代
人間関係(37.5)
経済(20.8)
健康(17.7)
60代
人間関係(34.7)
健康(28.0)
その他(12.0)
141
ま た 、 ス ト レ ス の 原 因 を 仕 事 と す る 人 の 割 合 は 20代 で 29.0 % 、 30代 で 12.1% 、 40代 で
15.8% 、50代 で 10.4% そ し て 60代 で 4.0% だ っ た 。こ の こ と か ら ス ト レ ス の 原 因 を 仕 事 と す
る 人 の 割 合 が 最 も 多 い の は 20代 で あ る こ と が わ か っ た 。 そ し て 、 私 は 年 齢 と 仕 事 の ス ト レ
表 5 年 齢 別 仕 事の ス トレス
20代
仕事のストレス
29.0
30代
12.1
40代
15.8
50代
10.4
(単 位 % )
60代
4.0
ス原因は結婚、家事、出産、育児など女性にとって特徴的な出来事と相似しているのでは
な い だ ろ う か と 推 測 し た (表 5参 照 )。
そ し て 、 20代 を 除 き 30代 か ら 60代 に か け て 、 健 康 を ス ト レ ス の 原 因 と す る 割 合 は 30代 で
5.2% 、 40代 で 8.8% 、 50代 で 17.7% そ し て 60代 で 28.0% だ っ た 。 こ の こ と か ら 、 年 齢 が 高
いほどストレスの原因を健康とする人の割合が多いことがわかる。つまり、年齢が増すと
と も に ス ト レ ス の 原 因 と し て 健 康 と す る 人 の 割 合 多 く な る こ と が わ か っ た 。 ま た 、 20代 に
お い て ス ト レ ス の 原 因 を 健 康 と す る 人 の 割 合 が 12.9% で 若 い に も か か わ ら ず 多 い こ と が わ
か っ た 。 し か し 、 20代 で 健 康 の ス ト レ ス の 割 合 が 多 い 理 由 は 、 20代 と 他 の 年 代 の 人 で は 健
康 の 内 容 が 異 な る か ら だ と 推 測 す る (表 6参 照 )。
( 2) 就 労 形 態 と ス ト レ ス の 原 因 に 関 す る ク ロ ス 集 計 分 析 と χ 2 検 定 に よ る 分 析 と 知 見
< 仮 説 2> 就 労 形 態 の 相 違 に よ っ て ス ト レ ス の 原 因 は 変 化 す る
表 6 年齢 別 健 康 の ストレ ス
20代
健 康の ス ト レ ス
12.9
30代
5.2
40代
8.8
50代
17.7
(単 位 % )
60代
28.0
同じ働くということでも就労形態が異なることによってストレスの原因は変化するので
はないだろうか。
就労形態とストレスの原因に関する項目についてのクロス集計分析とその結果について
χ2検定を行った結果を見ると、就労形態とストレスの原因に有意な関連があることがわ
か る (表 7参 照 )。
(単位%)
表7 就労形態とストレスの原因
ストレスの原因
人間
計
就労形態
仕事 家事 経済 健康 その他
関係
正規雇用者
30.2 32.1
7.6 17.0 7.6
5.7 100.0
(53人)
非正規雇用者 32.7 14.0 15.9 21.5 12.2
3.7 100.0 (107人)
無職
38.7
0.0 18.6 12.9 21.0
8.9 100.0 (124人)
計
34.9 11.3 15.5 16.9 15.1
6.3 100.0 (284人)
χ 2 (1)=49.3500
p<0.0001
就労形態とストレスの原因に関する項目についてのクロス集計分析表を見ると、正規雇
用 者 に お い て 一 番 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る の は 仕 事 の 32.1% で あ る 。 ま た 、 仕 事 に
続 い て 、 人 間 関 係 の 30.2% 、 経 済 の 17.0% が 正 規 雇 用 者 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る 。
非 正 規 雇 用 者 に お い て 一 番 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る の は 人 間 関 係 の 32.7% で あ る 。
ま た 、 人 間 関 係 に 続 い て 、 経 済 の 21.5% そ し て 家 事 の 15.9% が 非 正 規 雇 用 者 の ス ト レ ス の
原因となっている。
無 職 に お い て 一 番 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る の は 人 間 関 係 の 38.7% で あ る 。 ま た 、
人 間 関 係 に 続 い て 、 健 康 の 21.0% 、 家 事 の 18.6% が 無 職 の ス ト レ ス の 原 因 と な っ て い る 。
そして、就労形態別のストレスの原因に関するクロス集計分析の結果から、人間関係は
ど の 就 労 形 態 の 人 に も 共 通 し て ス ト レ ス の 原 因 に な っ て い る こ と が 明 ら か だ (表 8参 照 )。
表8 就労形態別ストレスの原因トップ3
(単位%)
年齢
1位
2位
3位
正規雇用者
仕事(32.1) 人間関係(30.2)
経済(17.0)
非正規雇用者 人間関係(32.7)
経済(21.5)
家事(15.9)
無職
人間関係(38.7)
健康(21.0)
家事(18.6)
さ ら に 、正 規 雇 用 者 と 非 正 規 雇 用 者 と で は ス ト レ ス の 原 因 と し て 仕 事 と す る 人 の 割 合 が 、
正 規 雇 用 者 で 32.1% そ し て 非 正 規 雇 用 者 で 14.0% だ っ た 。 こ こ か ら 、 正 規 雇 用 者 と 非 正 規
142
雇 用 者 と の 間 に 18.1% と い う 2割 近 い 差 が 見 ら れ た 。こ の こ と か ら 、同 じ 働 く と い う こ と で
あっても、仕事をストレスの原因とする割合は非正規雇用者よりも正規雇用者の方が多い
こ と が 考 察 で き た (表 9参 照 )。
表9 正規、非正規雇用者の仕事のストレスの
(単位%)
正規雇用者
非正規雇用者
仕事のストレス
32.1
14.0
9. 5 統 計 デ ー タ の 分 析 か ら の 知 見 に 基 づ く 議 論
まず、年齢とストレスの原因との分析結果を通して、結婚、家事、出産、育児などの女
性にとって特徴的な出来事が、年齢とストレスの原因の結果に大きく関係していると推測
し た 。な ぜ な ら 、日 本 で は 一 般 的 に 女 性 の 就 業 は M字 型 曲 線 を 描 く と さ れ て お り 、そ の 女 性
の 就 業 の M字 型 曲 線 と 私 が 行 っ た 年 齢 と ス ト レ ス の 原 因 と の 分 析 結 果 に 関 連 が 見 ら れ た か
ら で あ る 。 女 性 の 就 業 の M字 型 曲 線 と は 女 性 労 働 者 の 年 齢 階 層 別 の 労 働 力 率 (15歳 以 上 人 口
に 占 め る 労 働 力 人 口 の 割 合 )を グ ラ フ に 表 す と 、 30歳 代 前 半 を 底 と す る M字 の カ ー ブ を 表 9
の よ う に 描 く こ と を い う 。こ の こ と か ら 、そ れ を 女 性 の 就 業 の M字 型 曲 線 と 呼 び 、女 性 労 働
者の働き方を表している。
表 9に お い て 、 M字 の 形 を し て い る 折 れ 線 グ ラ フ は 女 性 の 就 業 を 表 し て い る 。 そ れ に 対 し
て そ の M字 型 曲 線 の 上 に あ る 台 形 の 形 を し て い る 折 れ 線 グ ラ フ は 男 性 の 就 業 を 表 し て い る 。
表 9は 総 務 省 の 労 働 力 調 査 を 基 に 千 葉 市 女 性 セ ン タ ー が 作 成 し た も の で あ る (表 10参 照 )。
表 10
出 典 : 千 葉 市 女 性 セ ン タ ー 2008.4.4
女 性 の 就 業 の M字 型 曲 線 と 関 係 し て い る の は 年 齢 と 仕 事 の ス ト レ ス 原 因 で あ る 。 そ れ は 、
年 齢 と 仕 事 の ス ト レ ス 原 因 を グ ラ フ に し て 表 す こ と で わ か る 。そ の 際 、女 性 の 就 業 の M字 型
曲 線 は 15歳 以 上 人 口 に 占 め る 労 働 力 人 口 の 割 合 を グ ラ フ に 表 す も の で あ る た め 15歳 を 仮
定 し 加 え た 。す る と 、表 11は 表 10の よ う に 30代 を 底 と す る M字 を 描 く 。つ ま り 、こ の こ と か
ら 年 齢 と 仕 事 の ス ト レ ス 原 因 は 女 性 の 就 業 の M字 型 曲 線 と 相 似 し て い る と 言 え る の で は な
表11 仕事のストレス
35.0
30.0
25.0
20.0
割合
15.0
10.0
5.0
0.0
60代
50代
40代
30代
20代
15歳
仕事のストレス
年齢
い だ ろ う か (表 11参 照 )。
次 に 、 20代 で 健 康 の ス ト レ ス の 割 合 が 多 い 理 由 は 、 健 康 の 内 容 が 20代 と 他 の 年 代 の 人 で
143
は 異 な る か ら だ と 推 測 し た 。 な ぜ な ら 、 20代 で 若 い に も か か わ ら ず ス ト レ ス の 原 因 を 健 康
と す る 人 の 割 合 が 12.9% で 多 い こ と に 疑 問 を 感 じ た か ら だ 。 そ こ で 、 20代 の 人 に お け る 健
康の内容はスタイルの維持やスキンケアなど外見に関することだと推測する。また、その
他の年代の人における健康の内容は医師による診断や治療を要する身体の症状に関するこ
となのではないだろうか。
9. 6 総 合 的 議 論 ・ 結 論
今回の調査で、私はストレスについての調査を行いたいと思った。しかし、今回の調査
では調査対象者が女性に限られている。そこで、私は女性がどのような問題に対してスト
レスを抱えているのかを明らかにしようとした。また、対象者である女性の年齢と就労形
態それぞれの相違とストレスの原因について何らかの関連を探ろうとした。そこで「年齢
の相違によってストレスの原因は変化する」と「就労形態の相違によってストレスの原因
は変化する」という二つの仮説を立てた。そして、これら二つの仮説に基づいて分析を行
った。その結果、今回の調査で私が立てた「対象者の年齢とストレスの原因には関係があ
る」そして「対象者の就労形態とストレスの原因には関係がある」という二つの仮説は検
証された。
単純集計票、クロス集計分析そして事例調査を通して以下のことが分かった。
主たるストレスの原因の単純集計表から、最も多くの女性が抱えるストレスの原因は人
間 関 係 の 34.0% (109人 )で あ る こ と が わ か っ た 。そ し て 人 間 関 係 に 続 い て 、経 済 の 16.5% (53
人 )、自 分 の 健 康 の 15.9% (51人 )、家 事 の 14.6% (47人 )、仕 事 の 11.8% (38人 )そ し て そ の 他
の 7.2% (23人 )と な っ て い る 。ま た 、年 齢 と ス ト レ ス 原 因 の ク ロ ス 集 計 分 析 か ら 、人 間 関 係
のストレスはどの年代の人にも共通して高い割合を示した。同様に、就労形態とストレス
原因のクロス集計分析から、人間関係のストレスはどの就労形態の人にも共通して高い割
合を示した。つまり、多くの女性が抱えるストレスの原因は人間関係であるということが
わかった。
クロス集計分析からは、年齢・就労形態それぞれの相違とストレスの原因との間に有意
な 関 連 が あ る こ と が わ か っ た 。ま ず 、年 齢 と 仕 事 の ス ト レ ス 原 因 は 女 性 の 就 業 の M字 型 曲 線
と 関 係 が あ る こ と が 考 察 で き た 。 次 に 、 年 齢 と 健 康 の ス ト レ ス 原 因 に お い て 、 20代 を 除 き
年齢が高くなるほどストレスの原因を健康とする人の割合が多いことがわかった。このこ
とから、私が立てた「年齢の相違によってストレスの原因は変化する」という仮説は検証
された。そして、就労形態と仕事のストレス原因においては、非正規雇用者よりも正規雇
用者の方がストレスの原因を仕事とする人の割合が多いことがわかった。このことから、
私が立てた「就労形態の相違によってストレスの原因は変化する」という仮説は検証され
た。
事例調査からは、正規雇用者として働く場合と非正規雇用者として働く場合でのストレ
スの大きさの違いがわかった。それは、正規雇用者として働く場合の方がストレスは大き
いということである。また、女性が多い企業では積極的に育児休暇などの制度を取り入れ
ている。そうすることで女性社員が出産・育児で職場を離れても、職場に復帰することが
できるように企業がしていることがわかった。このことから、日本の企業が結婚、家事、
出産、育児などの女性において特徴的な出来事を尊重する姿勢に変わりつつあることがわ
かった。
最後に、事例調査を行ったことによって、ストレスを抱えることで飲酒・喫煙量が増え
ることがわかった。このことから、ストレスが人々に与える悪影響の可能性を感じ取るこ
とができた。
<引用・参考サイト>
・ ス ト レ ス と 健 康 .COM 2007.9.25 http://www.mh-guide.com/stress/whatis.htm
・ 千 葉 市 女 性 セ ン タ ー 2008.4.4
http://danjo.city.kashiwa.lg.jp/gakushuu/gender_terms/terms/mcurve.htm
・ 日 本 ス ト レ ス 学 会 2007.9.25 http://www.tokyo-med.ac.jp/ph/jass/SYUISYO.htm
144
10. 健 康 意 識 と 医 療 サ ー ビ ス の 利 用
A42802
件
栄理
図1 千葉市消防局の救急車出動件数の推移
30000
25000
23964
25830
5000
23280
10000
21980
15000
20517
20000
18962
10. 1 テ ー マ
最近,救急車の不適正利用による慢性的な救急車不足と
いう現象は,東京都を含む近傍の市町村で問題視されてい
る[東京 消防 庁 /横 浜 市安 全管 理 局/ さ い たま 市 消防局
2008].こ れ は ,今 回 の 調 査 対 象 地 域 で あ っ た 千 葉 市 で も 同
様である.千葉市では,近年救急車の出動件数が上昇の一
途 を 辿 っ て い る こ と を 統 計 か ら 見 る こ と が で き る [横 浜 市
都 市 経 営 局 2008: 図 1]
ここで疑問としてあげられるのは,救急車や医療機関な
どの医療サービスの利用者は,どのような意識や状況にお
いて救急車や医療機関を利用する判断を行うのだろうか,
ということである.
兵庫県豊岡市の公立豊岡病院では,外来救急患者につい
て の 統 計 を 公 表 し て い る [公 立 豊 岡 病 院 組 合 2008 : 図 2]
が ,こ の 統 計 か ら ,豊 岡 病 院 で は 子 ど も で あ る 0~ 19 歳 が
最も病院の救急外来(特に明記がないので,救急外来と救
急車搬送の合計であると思われる)を利用していると示さ
れ て い る . 今 回 の 調 査 対 象 者 は 20 歳 ~ 69 歳 ま で の 女 性 で
あるため,仮に子どもの利用を踏まえるとき,子育て中の
グループとそれ以外のグループとの間の医療サービスの利
用にも注目してみようと考えるものである.
原
2000
2001
2002
2003
2004
2005
0
図 2
年
年齢階層別外来救急患者数
10. 2 仮 説 設 定 と 使 用 変 数 の 分 析
( 1) 仮 説
「医療サービスは,サービス利用者の健康関心度が低いほど利用される」
「医療サービスは,サービス利用者が子育てをしている時ほど利用される」
( 2) 作 業 仮 説
上記に関連して,この仮説には以下の作業仮説が含まれる.1 つ目は,医療サービス利
用者の健康に対する関心が低ければ低いほど,医療サービス利用者の医師に対する信頼が
強 い ( =医 療 サ ー ビ ス が 利 用 さ れ る ) と い う 「 健 康 関 心 度 と , 医 師 へ の 信 頼 度 に は 関 連 が
ある」という仮説.2 つ目は,医療サービス利用者の健康に対する関心が低ければ低いほ
ど , 医 療 サ ー ビ ス 利 用 者 の 近 親 者 が 急 病 を 患 っ た 時 の 対 応 に 差 が 生 じ る ( =医 療 サ ー ビ ス
が利用される)という「健康関心度と,急患への対処方法には関連がある」という仮説.
3 つ目は,医療サービス利用者の医師に対する信頼が強ければ強いほど,医療サービス利
用者の近親者が急病を患った時の対応に差が生じるという「医師への信頼度と,急患への
対処方法には関連がある」という仮説.4 つ目は,医療サービス利用者が子育て中である
場合とそうではない場合の間には医療サービス利用者の近親者が急病を患った時の対応に
差 が 生 じ る と い う「 医 療 サ ー ビ ス 利 用 者 の 子 育 て 状 況 と 急 患 へ の 対 処 方 法 に は 関 連 が あ る 」
という仮説である.
10. 3 使 用 変 数 の 分 析
この報告書で用いた質問項目は以下の通りである.
Q3
:健康意識・行動
Q22
:医師への信頼
Q23
:急患への対処方法
F3_1
:末子の成長段階
145
F7_3 : 子 ど も と 同 居
なお,上記質問項目の単純集計表は付録資料を参照のこと.
( 1) 健 康 意 識 ・ 行 動
健康意識・行動についての各質問項目は,全体として意識や行動を通じて健康への関心
度を測るものとなっている.そのために,健康意識・行動についての各質問項目の選択項
目 を「 あ て は ま る → 4」「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る → 3」「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま ら
な い → 2」「 あ て は ま ら な い → 1」 の よ う に 逆 転 項 目 と し て , ス コ ア 化 し た 尺 度 を 『 健 康 尺
度 』と し て 統 合 し た .ま た 健 康 尺 度 の 要 約 統 計 量( 表 1)か ら ,平 均 値 を 求 め た と こ ろ 32.0
で あ っ た .平 均 値 を 基 準 と し て 分 け た も の を ,
『 健 康 関 心 度 』と し て カ テ ゴ リ に 統 合 し た( 表
2). な お , 平 均 値 を 上 回 っ た グ ル ー プ は 「 関 心 度 が 高 い 」 の カ テ ゴ リ , 小 さ い グ ル ー プ は
「関心度が低い」のカテゴリとなっている.
表 1 か ら わ か る の は , 健 康 尺 度 の 標 準 正 規 分 布 の 平 均 値 が 27.5 で あ る の に 対 し て , 健
康 尺 度 の 平 均 値 は 32.0 で あ り ,回 答 者 の 多 く は 全 体 と し て 健 康 関 心 度 が 高 い こ と が う か が
える.また ,表 2 からわかるの は,関心 度が 高いグループと 関心度が低い グループの パー
セ ン ト の 差 は 0.8 ポ イ ン ト で あ り , ほ と ん ど 同 数 で あ る .
表1 健康尺度と医師信頼尺度の要約統計量
標準正規分布の平均値 平均
変数名
健康尺度
27.50 32.00
医師信頼尺度
25.00 29.82
表2 健康関心度
関心度が高い
関心度が低い
度数
163
169
標準偏差 最小値 最大値
5.02
15
44
3.09
18
40
パーセント
49.10
50.90
累積度数
163
332
歪度
-0.50
-0.18
尖度
0.57
1.27
累積パーセント
49.10
100.00
( 2) 医 師 へ の 信 頼
医師への信頼についての各質問項目は,全体として医師への評価を通じて医師への信頼
度を測るものとなっている.そのために,医師への信頼についての各質問項目の選択項目
を「 信 頼 で き る → 4」「 ど ち ら か と い え ば 信 頼 で き る → 3」「 ど ち ら か と い え ば 信 頼 で き な い
→ 2」「 信 頼 で き な い → 1」 の よ う に 逆 転 項 目 と し て , ス コ ア 化 し た 尺 度 を 『 医 師 信 頼 尺 度 』
と し て 統 合 し た .ま た 医 師 信 頼 尺 度 の 要 約 統 計 量( 表 1)か ら ,平 均 値 を 求 め た と こ ろ 29.8
で あ っ た .平 均 値 を 基 準 と し て 分 け た も の を ,
『 医 師 へ の 信 頼 度 』と し て 統 合 し た( 表 3).
なお,平均値を上回ったグループは「信頼度が高い」のカテゴリ,小さいグループは「信
頼度が低い」のカテゴリとなっている.
表 1 か ら わ か る の は ,医 師 信 頼 尺 度 の 標 準 正 規 分 布 の 平 均 値 が 25.0 で あ る の に 対 し て ,
医 師 信 頼 尺 度 の 平 均 値 は 29.8 で あ り ,回 答 者 の 多 く は 全 体 と し て 医 師 へ の 信 頼 度 が 高 い こ
とがうかがえる .また,表 3 か らわかるの は ,信頼度が高 いグループと 信頼度が低 いグル
ー プ の パ ー セ ン ト の 差 は 6.1 ポ イ ン ト で あ り , 信 頼 度 が 高 い グ ル ー プ の 方 が 若 干 多 い .
こ れ は ,信 頼 度 が 高 い グ ル ー プ と 低 い グ ル ー プ の 間 に 顕 著 な 差 を 見 出 す こ と は で き な い が ,
「どちらかといえば医師は信頼される」という傾向が現れているのではないだろうか.
表3 医師への信頼度 度数
信頼度が高い
156
信頼度が低い
138
パーセント
53.06
46.94
累積度数
156
294
累積パーセント
53.06
100.00
( 3) 急 患 へ の 対 処 方 法
急患への対処では,
「 夜 間 外 来 に 行 く 」方 法 を 採 ら れ る こ と が 44.6%と 最 も 多 く ,次 い で
「 市 販 の 薬 を 使 用 」 24.9% ,「 救 急 車 を 呼 ぶ 」 15.0%,「 か か り つ け 医 に 行 く 」 7.3% , 最 も
少 な い の が「 様 子 を 見 る 」の 5.6%で あ っ た .こ の こ と か ら ,調 査 対 象 者 全 体 と し て は ,近
親 者 が 深 夜 に 急 病 に 襲 わ れ た 際 ,診 療 所 で は な く 病 院 の 夜 間 外 来 で 医 師 に 診 察 を 受 け る か ,
自宅で市販の薬を服用して処置するという傾向が現れている.また「救急車を呼ぶ」が 3
位であることからも,増加傾向にある救急車の利用において,急患への対処以外の不適正
146
利用が行われていることを表しているのかも知れない.
( 4) 医 療 サ ー ビ ス 利 用 者 の 子 育 て 状 況
医 療 サ ー ビ ス 利 用 者 の 子 育 て 状 況「 子 育 て 中 」
「 子 育 て 中 で は な い 」を 示 す 変 数 と し て『 子
育 て 状 況 』を 設 置 し た .子 育 て 中 か 否 か の 条 件 は ,子 ど も と 同 居( F7_3)し て お り , 末 子
の 成 長 段 階( F3_1)が「 中 卒・高 卒 以 上 」以 外 で あ る 調 査 対 象 者 を「 子 育 て 中 」と し た( 表
4).こ の こ と か ら ,子 育 て 中 で あ る 人 と 子 育 て 中 で は な い 人 の 比 率 は だ い た い 1:3 で あ り ,
調査対象者の大多数は子育てをしていないということになる.
表4 子育て状況
子育て中
子育て中ではない
度数
82
259
パーセント
24.05
75.95
累積度数
82
341
累積パーセント
24.05
100.00
10. 4 作 業 仮 説 検 証
前述した 4 つの作業仮説について,それぞれクロス集計分析とχ2 検定を行った.
( 1) 健 康 関 心 度 と 医 師 へ の 信 頼 度
健康関心度と医師への信頼度についてクロス集計を行ったところ,健康関心度が高いグ
ル ー プ に つ い て 最 も %が 大 き か っ た の は ,
「 信 頼 度 が 高 い 」の 54.6%で あ り ,健 康 関 心 度 が
低 い グ ル ー プ に つ い て 最 も %が 大 き か っ た の は「 信 頼 度 が 低 い 」の 54.0%で あ っ た( 表 5).
このことから,健康関心度が高い人ほど医師への信頼度も高く,健康関心度が低い人ほど
医 師 へ の 信 頼 度 が 低 い .こ の ク ロ ス 集 計 つ い て c 2 検 定 を 行 っ た と こ ろ ,健 康 関 心 度 と 医 師
への信頼度の間に有意な関連は認められなかった.
これは,先に示した健康関心度が医師への信頼度に影響するとは限らず,また医師への
信頼度が健康関心度に影響するとは限らないことを示している.
(単位%)
表5 健康関心度と医師への信頼度
医師への信頼度
信頼度が高い
信頼度が低い
計
健康関心度
関心度が高い
関心度が低い
54.6
45.5
46.0
54.0
50.5
49.5
計
100.0 (154人)
100.0 (137人)
100.0 (291人)
c 2 (1) = 2.1252 p = .1449
( 2) 健 康 関 心 度 と 急 患 へ の 対 処 方 法
健康関心度と急患への対処方法についてクロス集計を行ったところ,健康関心度が高い
グ ル ー プ に つ い て 最 も %が 大 き か っ た の は ,
「 夜 間 外 来 へ 行 く 」の 52.1%で あ り ,次 点 は「 救
急 車 を 呼 ぶ 」 の 52.0%で あ っ た . 一 方 , 健 康 関 心 度 が 低 い グ ル ー プ に つ い て 最 も %が 大 き
か っ た の は 「 か か り つ け 医 へ 行 く 」 の 60.0% で あ り , 次 点 は 「 様 子 を み る 」 の 52.6%で あ
っ た( 表 6).こ の こ と か ら ,健 康 関 心 度 が 高 い 人 ほ ど 夜 間 外 来 へ 行 く か 救 急 車 を 呼 び ,健
康関心度が低い人ほどかかりつけ医へ行くか様子をみるということである.このクロス集
計 に つ い て χ 2 検 定 を 行 っ た と こ ろ , 5%の 有 意 水 準 に お い て , 健 康 関 心 度 と 急 患 へ の 対 処
方法の間に有意な関連は認められなかった.
これは,先に示した健康関心度が急患への対処方法に影響するとは限らず,また急患へ
の対処方法が健康関心度に影響するとは限らないことを示している.
147
表6 健康関心度と急患への対処方法
急患への対処方法
救急車を呼ぶ
夜間外来へ行く
かかりつけ医へ行く
市販の薬を使用する
様子をみる
計
(単位%)
健康関心度
関心度が高い
関心度が低い
52.0
48.0
52.1
48.0
40.0
60.0
47.6
52.4
47.4
52.6
49.7
50.3
計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(50人)
(146人)
(25人)
(84人)
(19人)
(324人)
c 2 ( 4) = 1.5574 p = .8164
( 3) 医 師 へ の 信 頼 度 と 急 患 へ の 対 処 方 法
医師への信頼度と急患への対処方法についてクロス集計を行ったところ,医師への信頼
度 が 高 い グ ル ー プ に つ い て 最 も %が 大 き か っ た の は ,
「 救 急 車 を 呼 ぶ 」の 71.1%で あ り ,次
点 は 「 市 販 の 薬 を 使 用 す る 」 の 61.3%で あ っ た . ま た , 医 師 へ の 信 頼 度 が 低 い グ ル ー プ に
つ い て 最 も %が 大 き か っ た の は 「 か か り つ け 医 へ 行 く 」 と 「 様 子 を み る 」 の 66.7%で あ っ
た( 表 7).こ の こ と か ら ,医 師 へ の 信 頼 度 が 高 い 人 ほ ど 救 急 車 を 呼 ぶ か 市 販 の 薬 を 服 用 し ,
医師への信頼度が低い人ほどかかりつけ医へ行くか様子をみるということになる.このク
ロ ス 集 計 に つ い て χ 2 検 定 を 行 っ た と こ ろ , 5%の 有 意 水 準 に お い て , 医 師 へ の 信 頼 度 と 急
患への処置方法の間に有意な関連が認められた.
ここで注目するのは,医師への信頼度が低い人ほど,医師であるかかりつけ医へ行く傾
向にあることである.一見して矛盾しているような結果ではあるが,これは医師への信頼
度が低い人のかかりつけ医が誰よりも信頼できる医師であるのかも知れない.つまり,医
師への信頼度が低い人は信頼できる特定の医師を持っているからこそ,急患への対処方法
としてかかりつけ医へ連れて行くのではないだろうか.
表7 医師への信頼度と急患への対処方法
医師への信頼度
急患への対処方法
信頼度が高い
信頼度が低い
救急車を呼ぶ
71.1
28.9
夜間外来へ行く
47.8
52.2
かかりつけ医へ行く
33.3
66.7
市販の薬を使用する
61.3
38.7
様子をみる
33.3
66.7
計
53.1
46.9
(単位%)
計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(45人)
(136人)
(18人)
(75人)
(18人)
(292人)
c 2 ( 4) = 15.0088 p = .0045
( 4) 医 療 サ ー ビ ス 利 用 者 の 子 育 て 状 況 と 急 患 へ の 対 処 方 法
子育て状況と急患への対処方法についてクロス集計を行ったところ,子育て中であった
グ ル ー プ に つ い て 最 も %が 大 き か っ た の は ,
「 夜 間 外 来 へ 行 く 」の 32.9%で あ り ,次 点 は「 様
子 を み る 」 の 26.3%で あ っ た . 一 方 , 子 育 て 中 で は な い グ ル ー プ に つ い て 最 も %が 大 き か
っ た の は 「 か か り つ け 医 へ 行 く 」 の 92.0%で あ り , 次 点 は 「 救 急 車 を 呼 ぶ 」 の 88.2%で あ
っ た( 表 8).こ の こ と か ら ,子 育 て 中 の 人 ほ ど 夜 間 外 来 へ 行 く か 様 子 を み て ,子 育 て 中 で
はない人ほどかかりつけ医へ行くか救急車を呼ぶということである.このクロス集計につ
い て c 検 定 を 行 っ た と こ ろ , 5%の 有 意 水 準 に お い て , 子 育 て 状 況 と 急 患 へ の 対 処 方 法 の
2
間 に 有 意 な 関 連 が 認 め ら れ た .そ の 結 果 ,
「医療サービス利用者の子育て状況と急患への対
処方法には関連がある」という仮説は有意であると検証される.
これは,子育て中であるほど夜間外来を利用するという点で,先にあげた豊岡病院の統
計を裏付けるものであり,子どもの急患への対処としてはかかりつけ医を利用できない何
らかの原因があることを示しているのではないだろうか.
148
表8 サービス利用者の子育て状況と急患への対処方法
子育て状況
急患への対処方法
子育て中
子育て中ではない
救急車を呼ぶ
11.8
88.2
夜間外来へ行く
32.9
67.1
かかりつけ医へ行く
8.0
92.0
市販の薬を使用する
21.2
78.8
様子をみる
26.3
73.7
計
24.4
75.6
(単位%)
計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(51人)
(152人)
(25人)
(85人)
(19人)
(332人)
c 2 ( 4) = 14.5228 p = .0058
( 5) 知 見
以上の分析の結果から解かることとしては,上記の分析により,医師の信頼度と急患へ
の対処方法の関連と,サービス利用者の子育て状況と急患への対処方法の関連が有意であ
ることがわかった.一方で,健康関心度と医師の信頼度,健康関心度と急患への対処方法
の関連は有意ではないことが明らかになった.
時 間 外 診 療 で も 快 く 受 け 入 れ て く れ る 医 師 ( 質 問 項 目 Q22_f) に 対 す る 「 信 頼 で き る 」
「 や や 信 頼 で き る 」 の 合 計 が 92.4%で あ る こ と か ら , 診 療 の 24 時 間 対 応 に は 強 い ニ ー ズ
があるだろうと言えるものの,かかりつけ医は基本的に個人で営業している開業医である
の で , 24 時 間 対 応 す る こ と は 難 し い . そ の た め , 24 時 間 対 応 し て い る 夜 間 外 来 の 利 用 と
なってしまうのではないか.子育て中における急患への対処で,かかりつけ医へ行くとい
う率が少ないのは,このような「かかりつけ医の利用の難しさ」という事情が絡んでいる
からではないか.この点は,別掲の聴き取り調査においても類似した事例をあげている.
10. 5 考 察
今回の調査分析で考察されるのは,1 つ目の仮説であった「医療サービスは,サービス
利用者の健康関心度が低いほど利用される」について,健康関心度はいずれの検定におい
ても有意な関係が見られず妥当であるとは言えない,1 つ目の仮説は帰無仮説が棄却され
得るということ.一方,2 つ目の仮説であった 「医療サービスは,サービス利用者が子
育てをしているほど利用される」について,子育て中か否かという条件において,急患へ
の対処に有意な関連が見られたということである.それでは,問題意識にあげた救急車の
不適正利用は何が要因であると考えられるのだろうか.ここで注目するのがかかりつけ医
の位置づけである.
救急車の不適正利用は,救急車に対する人々の信頼と密接に関わっているだろう.しか
し,救急車に対する信頼に値するという認識が,かかりつけ医に対する信頼と決定的に異
なるのは,救急車の高度な救急体制が,いつでもどこでもどんなことでも利用できる便利
なもの,という認識を人々に与えている点ではないだろうか.方や,かかりつけ医は個人
で診療所を開業している場合がほとんどなので,いつでもどこでもどんなことでも利用で
きる便利なものとは言えないだろう.つまり,自分に合ったかかりつけ医を得るためには
自ら方々へ探し回らなくてはならない.それならば,急患発生の混乱時,とにかく呼べば
何とかしてくれるだろう救急車の利用が増え,またその利便性のゆえに,救急とは関係の
ない不適正利用が多く行われる結果になったのではないだろうかと考えるものである.
横 浜 市 都 市 経 営 局 経 営 企 画 調 整 部 調 査・広 域 行 政 課 「 横 浜 市 統 計 ポ ー タ ル サ イ ト 大 都 市 比
較統計年表」
http://www.city.yokohama.jp/me/stat/daitoshi/new/index.html 2008/02/06
公立豊岡病院組合立豊岡病院管理課 「時間帯別・年齢別救急利用状況」
http://www.hospital.toyooka.hyogo.jp/03_04_minasama/PDF/3/03_jikan_nenrei_riyo
ujoukyou.pdf 2008/02/20
149
11. 女 性 の ア ル コ ー ル 依 存 症 に 関 す る 質 的 研 究
A52116 田 中 路 大
11. 1 問 題 意 識
日 本 人 は 超 許 容 的 文 化 6 と 呼 ば れ る ほ ど 飲 酒 に 対 し て 寛 容 な 国 で あ り 、非 常 に ア ル コ ー ル
に近しいところで生きている。
現 在 の 日 本 に は 飲 酒 者 が 7,000 万 人 以 上 存 在 す る 7 と い わ れ て い る 。そ の う ち 240 万 人 前
後 が ア ル コ ー ル 依 存 症 、あ る い は そ れ に 続 く 予 備 軍 で あ る 。
図1 女性の飲酒人口
女性の飲酒が珍しいことでなくなった現在では、女性の飲
100%
酒 量 の 増 加( 図 1 参 照 )、そ れ に 伴 い キ ッ チ ン ド リ ン カ ー 8 な
1954年:
世論調査
ども増加傾向にあり、アルコール依存症は飲酒者の誰にと
80%
1968年:
64%
世論調査
61%
っても軽視できない問題なのである。
53%
1976年:
60%
余暇開発
清水新二編「酒飲みの社会学」では、計り知れない不安
1984年
40%
:日米協同
とストレス下にあったであろう平成 7 年 1 月の阪神・淡路
19%
2003年
13%
20%
:実態調査
大震災の折り、震災救援物資の中に相当量のアルコールが
0%
含まれており、震災直後一部の避難所では毎晩のように酒
1 95 4年 19 68 年 1 97 6年 19 84 年 2 00 3年
宴風景が展開されていたという。ストレスと飲酒には強い
関連があるのではないだろうか。
そこで実際に女性の問題飲酒者はどの程度存在し、その該当者の特徴はどのようなもの
であるかを調査した。
11. 2 ア ル コ ー ル 依 存 症 と 質 的 調 査 に つ い て
ま ず ア ル コ ー ル 依 存 症 の 疑 い が あ る か 否 か の チ ェ ッ ク を 目 的 と し て 、Q20_a~ Q20_n に は 、
久 里 浜 式 ア ル コ ー ル 症 ス ク リ ー ニ ン グ テ ス ト 9 (以 後 KAST と 表 記
表 1
す る )を そ の ま ま 用 い た 。 KAST は ア ル コ ー ル 治 療 で 有 名 な 久 里 浜
KAST 項 目
アルコール症センターが独自に作成したものであり、多くの医療
人数
割合
総得点
機関や先行研究に使用されることも多く、現在国内で最も権威の
あるアルコール依存症のチェックテストである。各質問項目には
6点 以 上
7 人
3.1%
それぞれ異なる点数が割り振られている。
2点 以 上
8 人
3.5%
こ の -4.5 点 以 下 は 「 正 常 飲 酒 群 」 、 -4.5~ 0.0 点 は 「 問 題 飲 酒
予 備 群 」、0.0~ 2.0 点 は「 問 題 飲 酒 群 」、2.0~ 6.0 点 は「 重 篤 問
0点 以 上
5 人
2.2%
題 飲 酒 群 」 と な り 、 6.0 点 以 上 の 者 は ア ル コ ー ル 依 存 症 の 可 能 性
0点 未 満
206 人
91.2%
が 極 め て 高 く な る 。 久 里 浜 ア ル コ ー ル 症 セ ン タ ー に よ れ ば 、 2.0
点以上の者からアルコール依存症である可能性が考えられるため、 飲酒者
226 人
100.0%
ま ず は 飲 酒 者 の 中 に 2.0 点 以 上 の 対 象 者 が ど の 程 度 存 在 す る の か
をみた(表1参照)。
表 1 を み る と わ か る よ う に 、 調 査 対 象 者 341 人 中 飲 酒 者 は 226 人 の 66.3%で 、 全 国 平 均
と ほ ぼ 同 等 の 数 値 で あ り 、 そ の 中 で KAST2.0 点 以 上 の 対 象 者 は 、 15 人 の 6.6% と な っ た 。
厚 生 労 働 省 の 研 究 デ ー タ 1 0 を み て み る と 、同 様 の KAST を 用 い て 明 ら か に な っ た 女 性 の ア ル
コ ー ル 依 存 症 者 は 1.5%で あ り 、女 性 の 飲 酒 者 は 全 国 推 定 平 均 と ほ ぼ 同 等 の 数 値 で あ っ た が 、
KAST2.0 点 以 上 の 者 は 全 国 推 定 平 均 を 上 回 っ て い る こ と が わ か っ た 。
当 初 は 量 的 調 査 を 行 い 検 証 し て い く 予 定 で あ っ た が 、今 回 の よ う に 対 象 者 が 少 数 で あ る ケ
ースの場合、質的調査で対象者に的を絞り特徴を追っていくことで、より詳しいアルコー
ル依存症者の実態が見えてくるだろう。よってまずは調査票全体から対象者に共通する
様 々 な 点 を 明 ら か に し 、 そ の 後 KAST6.0 点 以 上 の 、 極 め て ア ル コ ー ル 依 存 症 の 可 能 性 の 高
6
飲酒はもちろん、酒に酔ったうえでしでかした行為、さらには病的な飲酒まで、部分的に認められる文化
全国代表標本による日本人の飲酒実態とアルコール関連問題より
8 主婦の飲酒常習者
9 久里浜アルコール症センター独自のアルコール依存症チェックテスト
1 0 20 0 4 年 6 月 「 成 人 の 飲 酒 実 態 と 関 連 問 題 の 予 防 に 関 す る 研 究 」
(主任研究者 樋口進)
7
150
い対象者に関しては、一人一人の人物像を可能な限り追っていく。そして最後にそれらを
ふ ま え て 、ど の よ う な 女 性 が ア ル コ ー ル 依 存 症 に な り や す い の か 、私 の 考 え を 述 べ て い く 。
11. 3 対 象 者 の 共 通 す る 特 徴
( 1) KAST2.0 点 以 上 の 対 象 者 15 人 の 基 本 属 性
年 齢 を 比 較 す る と 30 代 後 半 以 上 の 者 が 85.7%、 既 婚 者 が 80.0%、 子 表 2 基本 属 性の 共 通点 パー セン ト
ど も が い る 者 が 64.3%、地 元 を 離 れ て 移 り 住 ん で い る 者 が 80.0%、そ し 年齢:30代後半以上
85.7%
80.0%
て 92.7%の 者 が 家 族 と 同 居( 夫 婦 の み の 世 帯 42.8% 、2 世 代 世 帯 42.8% 、 既婚者
子どもがいる
64.3%
3 世 代 世 帯 7.1% )し て い る こ と が わ か っ た 。KAST2.0 点 以 上 の 対 象 者
家族との同居世帯
92.7%
の ほ と ん ど が 、 中 高 年 の 既 婚 女 性 で あ り 、 同 居 世 帯 の ラ イ フ ス タ イ ル 千葉市に移住してきた者
80.0%
の 者 な の で あ る ( 表 2 参 照 )。
久 里 浜 ア ル コ ー ル 症 セ ン タ ー に よ る と 、中 高 年 女 性 の ア ル コ ー ル 依 存 症 の 発 症 の 要 因 は 、
家庭などで抱える夫婦不和、子育てのストレス、主婦としての閉塞感などが契機となり、
隠れ飲みから始まるという。また子供が成長して親としての役割が少なくなってきた時期
に、空虚感や寂しさから一人での飲酒が始まる場合も挙げている。本来の本人はまじめで
何事も完璧に取り組もうとする傾向や、細かい事を気にしやすい繊細な人間であるケース
が多いらしく、このことからもストレスを溜め込みやすい者ほど、飲酒量が増加し問題飲
酒 に 繋 が っ て い る の で は な い か と 考 え た 。 こ れ ら を ふ ま え て KAST2.0 点 以 上 の 対 象 者 15
人の飲酒の特徴を明らかにしていく。
( 2) KAST2.0 点 以 上 の 対 象 者 15 人 の 飲 酒 の 特 徴
上記のように対象者のほとんどが主婦であることから、キッチンドリンカーの疑いが十
分に考えられる。キッチンドリンカーの大きな特徴は、昼間のキッチンなど自宅に一人で
いる時間帯に、隠れて飲酒を行うことから始まり、それが続くことでほぼ毎日の飲酒をや
められなくなった者である。
清水新二編『酒飲みの社会学』では、晩酌のような飲酒スタイルは、寛容な日本の飲酒
文化を象徴しているという。アルコール依存症者に自宅での晩酌を好む者が多いというこ
と か ら 、 質 問 項 目 に 飲 酒 の 場 所 、 飲 酒 の 状 況 に 関 す る 質 問 を 加 え て い た 。 そ し て Q21 最 も
多 い 飲 酒 の 場 所 を 「 自 宅 」 と 回 答 し た も の が 100.0%( 飲 酒 者 全 体 で は 39.6%)、 Q19a 一 人
で の 飲 酒 頻 度 を 「 ほ ぼ 毎 日 」 と 答 え た も の が 57.1%、「 週 に 1,2 回 」 と 答 え た 者 が 35.7%と
多 い こ と が わ か る 。逆 に 一 人 で の 飲 酒 頻 度 を 飲 酒 者 全 体 で 見 て み る と 、
「 ほ ぼ 毎 日 」と 答 え
た も の が 7.3%、
「 週 に 1,2 回 」と 答 え た 者 が 7.9%と 低 い 数 値 と な っ て い る 。ま た Q19c 家 族
と の 飲 酒 の 頻 度 を 「 ほ ぼ 毎 日 」 と 答 え た 者 は 7.1%( 飲 酒 者 全 体 で は 3.5%)、「 週 に 1,2 回 」
と 答 え た 者 は 14.3%( 飲 酒 者 全 体 で は 12.0% )と 低 い 水 準 に 留 ま っ た 。残 り の Q19b 友 人 ・
異 性 2~ 3 人 と の 飲 酒 頻 度 、4 人 以 上 の 飲 酒 頻 度 に 関 し て も 、ど ち ら も「 ほ ぼ 毎 日 」、「 週 に
1,2 回 」 に 該 当 す る 者 は 6.7%と ほ と ん ど い な い 。
ほ と ん ど の 者 が 家 族 と の 同 居 世 帯 で あ り 、 自 宅 で の 飲 酒 が 100.0%で あ る に も 関 わ ら ず 、
家族との飲酒頻度は極めて少ないことがわかる。この事から晩酌ではないが、キッチンド
リンカーの特徴の一つである、隠れての飲酒を行っているものが多いのではないかと考え
ら れ る 。次 に KAST の 項 目 の 中 か ら 、ど の 質 問 項 目 に 対 象 者 の 回 答 が 集 ま っ て い る か を 記 し
ていく。
Q20_b せ め て 今 日 だ け は 飲 む ま い と 思 っ て も つ い 飲 ん で し ま う こ と が 多 い に 、
「 あ る 」と
回 答 し た 者 が 100.0%(飲 酒 者 全 体 で は 8.5%)、Q20_c 周 囲 の 人 か ら 大 酒 の み と 非 難 さ れ た こ
とがあるに、
「 あ て は ま る 」と 回 答 し た 者 が 73.3%(飲 酒 者 全 体 で は 5.9%)、Q20_d 適 量 で や
めようと思ってもつい酔いつぶれるまで飲んでしまうに、
「 あ る 」と 回 答 し た 者 が 53.3%(飲
酒 者 全 体 で は 3.2%)、 Q20_e 酒 を 飲 ん だ 翌 朝 に 前 夜 の こ と を と こ ろ ど こ ろ 思 い 出 せ な い に 、
「 あ て は ま る 」 と 回 答 し た 者 が 66.6%(飲 酒 者 全 体 で は 4.4%)、 Q20_k 酒 を 飲 ま な い と 寝 つ
けないことが多いに、
「 あ て は ま る 」と 回 答 し た 者 が 60.0%(飲 酒 者 全 体 で は 4.1%)と な っ た 。
そ の 他 の KAST の 質 問 項 目 で は 、
「 あ る 」な ど と 回 答 し た 者 は ど れ も 20.0%以 下 で あ り ,対 象
者 の 飲 酒 の 特 徴 が ほ と ん ど 類 似 し て い る こ と が わ か る (表 3 参 照 )。
151
キッチンドリンカーのもう一つの特徴は、ほとんど毎日の飲酒をやめられなくなること
で あ り 、Q20_b せ め て 今 日 だ け は 飲 む ま い と 思 っ て も つ い 飲 ん で し ま う こ と が 多 い に 、
「あ
表
3
飲
酒の
共
通
点
パ
ーセ ント
る 」 と 回 答 し た も の が 100.0% で あ る こ と か ら も 、 対 象 者 が キ
Q21 最も多い飲酒場所:自宅
100.0%
ッチンドリンカーである可能性がますます疑えるだろう。また
Q20 _b 酒がやめられない
100.0%
飲酒をやめられないことに加えて、大酒飲みと非難される者、
Q20 _c 大酒飲みと非難
73.3%
Q20 _d 酔いつぶれるまで飲む
53.3%
酔いつぶれるまで飲んでしまう者、前夜のことを思い出せない
Q20 _e 前夜のことを思い出せない
66.6%
者などが多いことから、対象者のほとんどが自棄酒を繰り返し
Q20 _k 酒を飲まないと寝つけない
60.0%
ていることが疑える。では対象者はどのようなライフスタイル
の者なのであろうか。
( 3) KAST2.0 点 以 上 の 対 象 者 15 人 の 対 象 者 の 生 活 面 の 特 徴
Q10_a 今 を 楽 し む こ と よ り も 、 将 来 の ほ う が 重 要 で あ る に 「 あ て は ま る 」、「 ど ち ら か と
い え ば あ て は ま る 」と 回 答 し た も の が 60.0%、Q10_b 体 に 良 く な い と 思 っ た ら 、我 慢 を す る
に「 あ て は ま る 」、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」と 回 答 し た も の が 53.3%、Q10_c 生 活 習
慣 病 の 予 防 を 心 が け て い る に 「 あ て は ま る 」、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 と 回 答 し た
者 が 60.0%、Q10_d 将 来 の た め に 貯 蓄 を し て い る に「 あ て は ま る 」、
「どちらかといえばあて
は ま る 」 と 回 答 し た 者 が 53.3%と 、 い ず れ も 過 半 数 を 越 え て い る こ と が わ か る 。
Q28_a テ イ ク ア ウ ト や 出 来 合 い の も の を 買 っ た 時 に 出 る ご み を 気 に す る に「 あ て は ま る 」、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」と 回 答 し た 者 が 66.7%、Q28_b ご み の 分 別 は 必 ず す る よ う
に し て い る に 「 あ て は ま る 」、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 と 回 答 し た も の は 86.7%、
Q28_c 農 薬 に よ る 食 べ 物 の 汚 染 を 気 に し て い る に 「 あ て は ま る 」、「 ど ち ら か と い え ば あ て
は ま る 」 と 回 答 し た も の は 93.3%、 Q28_d 食 べ 物 の 食 べ 残 し を 気 に す る に 「 あ て は ま る 」、
「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」と 回 答 し た 者 が 66.7%、Q28_f 牛 乳 や 飲 み 物 の パ ッ ク は リ
サ イ ク ル す る よ う に し て い る に 「 あ て は ま る 」、「 ど ち ら か と い
表4 生活 面の共通点 パーセント
え ば あ て は ま る 」と 回 答 し た も の が 53.3%、Q29_g カ ロ リ ー を 考
Q10_a 今より将来が重要
60.0%
え て 食 事 を し て い る に 「 あ て は ま る 」、「 ど ち ら か と い え ば あ て
Q10_b 体に悪いことは我慢する
53.3%
は ま る 」と 回 答 し た も の が 66.7% と 、こ れ ら の 質 問 も 過 半 数 を Q10_c 生活習慣病の予防
60.0%
越 え て い る ( 表 4 参 照 )。
Q10_d 将来の為に貯蓄している
53.3%
こ れ ら の こ と か ら わ か る こ と は 、 飲 酒 に 対 し て は 制 御 で き な Q28_b ごみの分別をする
66.7%
93.3%
い 問 題 飲 酒 を 繰 り 返 し て い る ア ル コ ー ル 依 存 症 者 で も 、 普 段 の Q28_c 食物の農薬汚染を気にする
Q28_d 食べ残しを気にする
66.7%
生活態度、健康意識の面を見てみると、どちらかといえば真面
Q28_f 紙パックはリサイクルする
53.3%
目 で あ り 、 マ ジ ョ リ テ ィ の 部 類 に 入 る 者 が 多 い と い う こ と で あ Q29_g 食事のカロリーを考える
66.7%
る。つまり女性の場合、例えアルコール依存症者であっても、
男性のように仕事や家庭への悪影響が顕著に見えてくるものではなく、まじめな人間であ
るからこそ他人に迷惑をかけまいと、誰にも言わず一人で悩みを抱えこむ者が多く、その
発散として飲酒に走ってしまうのだと考えられるのではないだろうか。
( 4) KAST2.0 点 以 上 の 対 象 者 15 人 の 対 象 者 の 性 格
Q10_i 他 人 に ど う 思 わ れ て い る か 気 に な る に 「 あ て は ま る 」、「 ど ち ら か と い え ば あ て は
ま る 」と 回 答 し た 者 は 73.3%(全 体 で は 55.7%)、Q10_j 自 分 の こ と よ り
表5 性格の共通 点
パーセント
も 他 人 の こ と を 優 先 す る に 「 あ て は ま る 」、「 ど ち ら か と い え ば あ て は
Q10_i 周囲の目が気になる
73.3%
ま る 」と 回 答 し た 者 は 60.0%(全 体 で は 50.7%)、Q10_k 精 神 的 に 弱 い ほ
Q10_j 自分より他人の事を優先する
60.0%
う で あ る に 「 あ て は ま る 」、「 ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」 と 回 答 し
Q10_k 精神的に弱い
60.0%
た 者 は 60.0%(全 体 で は 51.6%)と 、や は り 過 半 数 以 上 が ど ち ら か と い え
ば繊細な性格の者であり、全体と比較しても若干であるが平均を上回っていることがわか
る ( 表 5 参 照 )。
個 々 の ス ト レ ス の 要 因 に 共 通 す る 点 は 、 Q18 主 た る ス ト レ ス の 原 因 で 「 人 間 関 係 」 と 答
え た も の が 53.3%で 過 半 数 を 越 え て い る こ と く ら い し か 見 ら れ な か っ た 。 し か し Q17 悩 み
の種類を見る限り、各々が異なる問題ではあるがストレスを抱えていることはわかった。
そ こ で 次 は KAST6.0 点 以 上 の 対 象 者 7 名 の 中 の 特 に 特 徴 の あ る 4 名 に 絞 り 、 基 本 属 性 、 抱
152
えている悩みなどを中心に人物像を明らかにしていきたい。
11. 4 KAST6.0 点 以 上 の 対 象 者 の 事 例 研 究
( 1) 若 葉 区 在 住 の A さ ん
KAST14.6 点 で 最 も 点 数 が 高 く 、一 人 で 週 に 1,2 回 の 飲 酒 を 繰 り 返 し て い る 若 葉 区 在 住 42
歳の既婚者 A さんは、小学生の子どもが一人いる二世代世帯であり、販売・サービス職の
パ ー ト を し な が ら 暮 ら し て い る 。 年 間 所 得 は 300 万 円 ~ 400 万 円 未 満 で あ る 。 Q5 特 に 健 康
生 活 に 重 要 な 行 動 は「 睡 眠 を よ く と る 」こ と と 答 え て い る が 、そ れ を 実 行 で き て は い な い 。
そ の 理 由 と し て「 家 事・育 児 で 忙 し い 」と 回 答 し て い る 。Q17 悩 み の 種 類 で は Q17_f 仕 事 、
Q17_k 経 済 的 な こ と 、Q17_l 育 児・教 育 、Q17_m 自 分 の 健 康 に「 悩 ん で い る 」と 回 答 、Q17_c
友 人 関 係 、Q17_e 近 隣 で の 人 間 関 係 、Q17_g 勉 強 、Q17_h 自 由 に 使 え る 時 間 が な い こ と Q17_i
家事に「どちらかといえば悩んでいる」と回答しており、多くの悩みを抱えていることが
わ か る 。Q10_i 他 人 に ど う 思 わ れ て い る か 気 に な る 、Q10_k 精 神 的 に 弱 い ほ う で あ る に「 あ
て は ま る 」 と 回 答 、 Q10_j 自 分 の こ と よ り も 他 人 の 事 を 優 先 す る に 「 ど ち ら か と い え ば あ
てはまる」と回答している。
この A さんは精神的に弱く、多くの悩みを抱えていることからも、女性のアルコール依
存症者に多い繊細で真面目な性格であると考えられる。
( 2) 稲 毛 区 在 住 の B さ ん
KAST11.8 点 で 、 一 人 で ほ ぼ 毎 日 飲 酒 を 繰 り 返 し て い る 稲 毛 区 在 住 36 歳 の 既 婚 者 B さ ん
は 、 子 ど も が い な い 夫 婦 の み の 世 帯 で あ り 、 専 業 主 婦 で あ る 。 年 間 所 得 は 600 万 円 ~ 700
万 円 未 満 で あ る 。 Q5 特 に 健 康 生 活 に 重 要 な 行 動 に 「 適 度 な 運 動 を す る 」 と 答 え て い る が 、
そ れ を 実 行 で き て は い な い 。そ の 理 由 と し て Q6_1_7「 仲 間 が い な い 」、Q6_1_11「 飽 き て 続
か な い 」と 回 答 し て い る 。Q17 悩 み の 種 類 で は 、Q17_m 自 分 の 健 康 に「 ど ち ら か と い え ば 悩
んでいる」と回答しているが、それ以外の項目では該当せず、A さんのように悩みが多い
わけではなく、また精神的に弱いなどの繊細な特徴も見られなかった。そこで運動出来な
い 理 由 を 仲 間 が い な い と 回 答 し て い る こ と か ら 、Q24 交 流 の 範 囲 を 見 て み る と 、Q24_a 近 所
付 き 合 い が 多 い 、Q24_b 親 戚・兄 弟 な ど と の 付 き 合 い が 多 い 、Q24_c 自 宅 に 知 人 が よ く 来 る
に 「 そ う 思 わ な い 」 と 回 答 、 Q24_d 職 場 ・ 学 校 の 知 人 と の 付 き 合 い が 多 い に 「 あ ま り そ う
思わない」と回答している。
このことから B さんは交流関係が円滑とはいい難く、また専業主婦であることから一人
で い る 時 間 が 多 い と 考 え ら れ る 。パ ー ト ナ ー と の 同 居 世 帯 で あ る に も 関 わ ら ず 、ほ ぼ 毎 日 、
一人での飲酒を繰り返していることからも、キッチンドリンカーである可能性は充分に考
えられる。
( 3) 中 央 区 在 住 の C さ ん
KAST8.5 点 、一 人 で ほ ぼ 毎 日 飲 酒 を し て い る 中 央 区 在 住 41 歳 の C さ ん は 、末 子 は 中 学 生
で、二人の子どもと同居する二世代世帯であるが、パートナーとは離婚している。事務職
の パ ー ト と し て 働 い て い る が 、 年 間 所 得 は 200 万 円 ~ 300 万 円 未 満 で あ り 、 子 ど も 二 人 を
養 う の に は 、 C さ ん に か か る 負 担 は 大 き い の で は な い か と 推 測 で き る 。 Q5 特 に 健 康 生 活 に
重 要 な 行 動 に 「 食 事 に 気 を 使 う 」 と 回 答 し て お り 、 実 際 に 実 行 も 出 来 て い る よ う だ 。 Q17
悩 み の 種 類 で は 、 Q17_k 経 済 的 な こ と に 「 悩 ん で い る 」 と 回 答 、 Q17_a 職 場 で の 人 間 関 係 、
Q17_f 仕 事 、Q17_l 育 児 ・教 育 、Q17_m 自 分 の 健 康 に「 ど ち ら か と い え ば 悩 ん で い る 」と 回
答している。経済的なことを最も悩みとしており、子どもの育児の為にも働かなくてはい
けない状況下に置かれているが、職場の人間関係や環境にも悩んでいることから、公私両
面 か ら ス ト レ ス を 受 け て い る こ と が わ か る 。 ま た Q10_i 周 囲 の 目 が 気 に な る に 「 あ て は ま
る」と回答していることから、生活状況を他人にどう思われているのかを気にしているの
か も し れ な い 。 注 目 す べ き は KAST6.0 点 以 上 の 対 象 者 の 中 で 唯 一 の Q19_l 毎 日 3 合 以 上 の
飲酒をしているに「あてはまる」と回答していることである。
153
( 4) 若 葉 区 在 住 の D さ ん
KAST6.2 点 、一 人 で の 飲 酒 を ほ ぼ 毎 日 繰 り 返 し て い る 若 葉 区 在 住 27 歳 の 未 婚 者 D さ ん は 、
KAST2 点 以 上 の 対 象 者 の 中 で も 唯 一 の 20 代 で あ る 。久 里 浜 ア ル コ ー ル 症 セ ン タ ー に よ れ ば 、
20 代 か ら 30 代 前 半 で 問 題 飲 酒 を 抱 え る 女 性 の 特 徴 と し て は 、 多 く の 場 合 飲 酒 問 題 だ け で
な く 摂 食 障 害 11、 他 の 薬 物 依 存 や リ ス ト カ ッ ト な ど の 行 動 面 の 問 題 が 重 複 し て お り 、 全 員
で は な い が 幼 少 期 の 虐 待 や 家 族 関 係 の 葛 藤 を 経 験 し て い る 場 合 も 見 ら れ る と い う 。 Q29_a
一 日 三 食 と っ て い る に「 あ て は ま ら な い 」、Q29_b 食 事 を 抜 く こ と が あ る に「 あ て は ま る 」、
Q29_h 脂 肪 分・油 分 を と り す ぎ な い 、Q29_i 塩 分 を と り す ぎ な い 、Q29_j 糖 分 を 取 り す ぎ な
いに「どちらかといえばあてはまらない」と回答していることから、食生活にそこまで気
を 使 っ て い な い の で は な い か と 推 測 で き る が 、摂 食 障 害 で あ る か ま で は 断 定 で き な い 。Q26
同 居 家 族 と の 日 常 生 活 行 動 で は Q26_a 家 族 と の 団 ら ん 、Q26_c 日 用 品 の 買 い 物 に 行 く に「 ま
っ た く し な い 」、Q26_e 悩 み 事 、心 配 事 な ど の 込 み 入 っ た 会 話 に「 あ ま り し な い 」と 回 答 し
ている。家族との団らんがほとんどなく、込み入った会話もしないことから、家族関係が
必 ず し も 良 好 で あ る と は 言 え な い 。 だ が 家 族 関 係 に 悩 ん で い る わ け で は な い よ う で 、 Q17
悩 み の 種 類 で は 、 Q17_k 経 済 的 な こ と 、 Q17_m 自 分 の 健 康 に 「 悩 ん で い る 」 と 回 答 、 Q17_f
仕 事 、Q17_g 勉 強 に「 ど ち ら か と い え ば 悩 ん で い る 」と 回 答 し て い る 。ま た Q5 特 に 健 康 生
活に重要な行動には「適度な運動をする」と回答しており、実際に実行も出来ているよう
だ。G さんは家族関係が必ずしも良好であるとは言い難い環境ではあるが、それを悩みと
しているわけではなく、家族関係が稀薄化している理由として、仕事や勉強に追われて日
常的に忙しい状況下に置かれているため、家族と生活習慣がすれ違いになっているのかも
しれない。平均労働時間や、職種が無回答であるため断定は出来ないが、それらが原因と
して一人での飲酒を毎日繰り返しているのではないだろうか。
11. 5 ま と め
以 上 の よ う に KAST2.0 点 以 上 の 対 象 者 15 名 に 絞 っ て の 質 的 調 査 を 行 っ て き た が 、女 性 の
アルコール依存症者の共通する特徴がいくつか見えてきた。アルコール依存症者に共通し
て言えることは、やはり飲酒を制御することが出来ず、飲酒をやめることが困難になって
しまうということであろう。しかし女性の場合はアルコール依存症であっても、男性のよ
うに家庭内暴力や、友人関係の悪化、仕事をサボりがちになるなどの外部への影響は少な
く、日常的にすべき役割にはあまり影響はしないようだ。その為キッチンドリンカーのよ
うに隠れて飲酒する者が多く、家族や身近な人間にもアルコール依存症であることが、気
づかれにくいのではないかと感じた。
ま た KAST で 高 得 点 で あ っ て も 、飲 酒 回 数 、飲 酒 量 が 少 な い 者 も い る こ と が 明 ら か に な っ
た。これは男性に比べ体が小さく、体内の水分率が男性より低い事などの理由から、女性
はアルコールに元々弱く、比較的短期間で少量のアルコールでも、アルコール依存症とな
ってしまうのだろう。
今回の調査から女性のアルコール依存症になりやすい者の特徴をまとめると、中高年の
既婚者であり、基本的にしっかりと生活出来ているどちらかといえば繊細な性格の者で、
ストレスを感じている、また直接実感していなくても人間関係や経済面などの、生活状況
が 良 い と は い え な い 者 に 多 い の で は な い か と 考 え ら れ る 。つ ま り 私 の 知 見 は 、
「中高年の女
性の生活環境の悪化は、本人に生活環境が悪化している実感があってもなくても、アルコ
ール依存症になる可能性が高い」ということになる。
参考文献
清 水 新 二 編 , 1 99 8 , 『 酒 飲 み の 社 会 学 』 素 朴 社 .
大 橋 薫 編 , 1 9 8 0, 『 ア ル コ ー ル 依 存 の 社 会 病 理 』 星 和 書 店 .
社 会 法 人 ア ル コ ー ル 研 究 医 学 協 会 h t t p : / / ww w . a r u k e nk y o. o r . j p /
久里浜アルコール症センター
h t t p : / / ww w . k u r i h am a -a l c o h o l i s m - c en t e r . j p / in d e x . h t m l
京都精神保健福祉総合センター
h t t p : / / ww w . p r e f . ky o to . j p / h e a l t h / he a l t h / h e al t h 0 8 _ e . ht m l
11神
経 性 食 欲 不 振 症 ( 拒 食 症 ) と 神 経 性 大 食 症 ( 過 食 症 ) の総 称
154
あとがき
今 回 で『 フ ィ ー ル ド ワ ー ク 報 告 書 』は 第 5 号 と な っ た 。私 た ち 2 人 が 担 当 さ せ て い た だ
い て 3 冊 目 の 報 告 書 で あ る 。履 修 生 の 人 数 を み る と 、17 年 度 は 7 人 、18 年 度 は 11 人 、今
年 度 は 24 人 と 年 々 倍 増 し て い る 。 社 会 調 査 士 資 格 の 認 知 度 や 関 心 度 の 高 ま り を 期 待 す る
私たちにとって、これほど嬉しいことはないが、一方で、授業の進行をお手伝いする立場
としては、新たな課題に直面し、試行錯誤の中でなんとかここまで来たというのが正直な
ところである。当然のことながら、担当教員である桝潟先生、時井先生のご苦労はそれ以
上である。履修生が多いということは、私たちにとってだけではなく、履修生自身にとっ
ても一長一短だったのではないかと思う。
「フィールドワークⅠ・Ⅱ」という授業は、問題関心から始まり、仮説設定、調査票作
成、サンプリング、調査票の発送、データ入力、統計解析、調査報告という社会調査にお
ける一連の作業を、1 年を通して行なう授業である。本授業で行なう調査は大量調査も行
なうため、ひとつひとつの作業は膨大である。履修生が多いことによって、その膨大な作
業を分担できたことや、困ったときにそれを分け合える仲間がいたことは、なによりの支
えとなったであろう。
もちろん、履修生が多いということは、良い面ばかりではない。膨大な作業を分担する
ということは、それだけ協調が求められることを意味するし、調査票の質問の数には自ず
と限界があるため、各人に許される質問の数は少なくなる。また、人数が多い分、全体に
おける自分の問題関心の位置づけをより意識しなければならない。さらに言えば、本報告
書 の 作 成 に お い て も 、紙 幅 の 制 約 か ら 各 人 に 割 り 当 て ら れ る 枚 数 は 少 な か っ た 。こ れ ら は 、
今までの履修生も直面した問題だとは思うが、今年度はとりわけ大変だったと思う。
しかし、履修生の多さによるこうした制約は、むしろ得るものの方が多かったのではな
いかと思う。調査票にしても報告書にしても一人あたりの紙幅の少なさは、各人の問題意
識をより自覚的にすることを求めるが、これは良い調査をするための必要条件であるし、
なにより、限られた紙数で必要なことを表現する力は今後も様々な場面で求められること
だろう。また、全体の中で自分の意見を位置づけ、調整することや、共同作業を成し遂げ
る こ と は 、「 社 会 関 係 を 生 き る 」 わ れ わ れ に と っ て 必 要 な 経 験 だ と 思 う 。
調査をするということは、様々な人を巻き込んでしまうことである。本調査は、量的調
査 に お い て 300 人 以 上 、 質 的 調 査 に お い て 約 30 人 の 方 々 に 回 答 し て い た だ い た 。 本 調 査
を行うにあたっては関係各所のご協力があり、回答していただいた方々の貴重な時間をい
ただいている。われわれがデータとして扱うひとつひとつの「数字」の向こう側に、調査
に協力してくださったひとりひとりの生活者が存在することを忘れてはならない。言い換
え れ ば 、 300 人 の デ ー タ を 分 析 す る と い う こ と は 、 300 人 を 超 え る 人 び と と 関 わ り を 持 つ
ことに他ならないのだ。
夏 休 み も 、冬 休 み も 、春 休 み も 、就 職 活 動 を 同 時 並 行 さ せ な が ら 、
「まだ終わらないのか
… 」と 何 度 も 心 が 折 れ そ う に な り な が ら 、履 修 生 は 、一 年 間 の 授 業 を 通 し て 、こ う し た 様 々
な関わりの中で人びとの声に真摯に耳を傾けてきた。大したお手伝いもできなかった私た
ちはせめてそのことの証言者として、履修生たちのこうした誠実さと根気を改めて書き留
めておきたい。
最後になるが、調査をさせていただくにあたって、本調査にご協力いただいた千葉市各
区役所の市民課の皆様、住民基本台帳より選出させていただいた皆様、またインタビュー
に応じてくださった皆様各位に、心より感謝を申し上げたい。
平 成 20 年 3 月
教育助手補
155
本多 敏明
庄司 壮
事 例 調 査
4 章・1
1
·
·
家族関係の希薄化・女性の就労と食の簡便化
A52061
笹野井
絵梨
テーマ
家 族 と の 日 常 の 共 時 行 動 を 通 し て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と る こ と は 、調 理 の 手 間 を か け る
ことに影響を与えているか
女性が働くことによって、調理に手間をかけなくなるのか
2
調査対象者プロフィール
千 葉 市 稲 毛 区 在 住 、38 歳 の 女 性 。銀 行 で パ ー ト タ イ マ ー と し て 働 い て い る 。現 在 、対 象 者 、
パートナー、パートナーの母親(対象者の義母にあたる)と 3 人暮らしである。
3
4
調査日時・場所
平 成 19 年 11 月 10 日 ( 土 )
対象者の自宅にて、午後 1 時から午後 3 時まで調査を行なった。
調査方法
自由面接法
5
知見・考察
家 族 と の 関 係 に つ い て 、対 象 者 と パ ー ト ナ ー は 趣 味 が 旅 行 で あ る と い う こ と が 共 通 し て お り 、
年 に 2~ 3 回 長 期 休 暇 を と り 海 外 旅 行 に 行 く 。 そ の こ と が お 互 い の 生 き が い と な っ て お り 、 ま
た 、ス ト レ ス 解 消 方 法 で も あ る 。独 身 時 代 は 、現 在 勤 め て い る 銀 行 で 正 社 員 と し て 働 い て お り 、
料 理 を す る 時 間 が ほ と ん ど な く 、出 来 合 い の も の や 外 食 で 済 ま せ て い る こ と が 多 か っ た が 、結
婚 し パ ー ト タ イ マ ー と し て 働 く よ う に な っ て か ら は 、料 理 番 組 を 欠 か さ ず チ ェ ッ ク し 、メ モ を
取 っ て 実 践 し た り 、外 食 し た 際 に は 、お 店 の 人 に 料 理 の 作 り 方 を 聞 い た り し て い る 。料 理 を す
ることもまた、彼女のストレス解消となっている。
生 鮮 食 品 の 買 い 物 を す る 店 の 選 び 方 は 、鮮 魚 は 近 所 の 駅 ビ ル の 中 に あ る 、魚 屋 を 利 用 し て い
る 。理 由 と し て は 、鮮 度 が い い こ と 、冷 凍 の 魚 で は な く そ の 日 に と れ た 、新 鮮 な 魚 し か 置 い て
い な い こ と 、店 員 に 旬 の 魚 や そ の 日 の お す す め を 直 接 聞 け る こ と を あ げ て い る 。肉 を 買 う 店 に
ついても、同じ理由で駅ビルの中の店を利用する。
野 菜 に 関 し て は 、近 所 の ス ー パ ー を 利 用 し て い る 。理 由 は 、地 産 地 消 を 心 が け て お り 、生 産 者
の 顔 と 名 前 が き ち ん と 記 載 さ れ て い る こ と で 、安 心 し て 買 う こ と が で き る た め 、そ の ス ー パ ー
を 利 用 し て い る 。結 婚 し 、家 族 が で き る こ と で 、料 理 に 手 間 を か け 安 心・ 安 全 な も の を 家 族 に
食べさせたい、という意識が高まるということがわかった。
今 回 の 対 象 者 は 、以 前 に 正 社 員 と し て 働 い て い た が 、現 在 は パ ー ト タ イ マ ー と し て 働 く よ う
に な っ た こ と で 、調 理 に か け る 手 間 に つ い て の 変 化 も 聞 く こ と が で き た 。正 社 員 と し て 働 い て
い る う ち は 、調 理 に か け る 時 間 は ほ と ん ど な く 、料 理 を 手 作 り す る こ と は ほ と ん ど な か っ た と
言 っ て い る 。今 回 の 統 計 的 調 査 の 結 果 で も 同 様 に 、職 場 で 高 い 地 位 で 働 き 、時 間 が 長 く 、日 数
も 多 い ほ ど 、無 職 の 女 性 と 比 較 し て カ ツ オ な ど か ら ダ シ を と る と い う 手 間 を か け る 人 は 少 な く 、
味 付 け 調 味 料 に 頼 っ た 味 付 け を す る 人 は 多 か っ た 。今 回 の 対 象 者 の よ う に 、パ ー ト タ イ マ ー と
し て 働 き 、会 社 で の 拘 束 時 間 が 長 い 場 合 で も 、家 族 が で き 、家 族 と 共 に 過 ご す 時 間 が 長 い こ と 、
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を よ く と る こ と で 、調 理 に 手 間 を か け た い 、安 心・安 全 な 食 材 に こ だ わ り
たい、という意識が高まるということがわかり、統計的調査の補強となった。
159
4章・2
健康と環境への意識と食の簡便化
A52022
三澤千尋
1
テーマ
「 健 康 と 環 境 に 対 す る 意 識 と 食 の 簡 便 化 の 関 連 」を テ ー マ に「 身 体 的 健 康 へ の 意 識 の 低 さ は
食 の 簡 便 化 を 助 長 す る 」「 環 境 へ の 意 識 の 低 さ は 食 の 簡 便 化 を 助 長 す る 」 と い う 2 つ の 仮 説 を
立てた。
2
調査対象(対象者プロフィール)
千 葉 市 在 住 の 、 50 歳 、 専 業 主 婦 。 4 人 家 族 ( 夫 と 娘 が 2 人 )。
3
調査日時・場所
2007 年 11 月 11 日 、 午 後 、 千 葉 市 中 央 区 に あ る 協 力 者 の 自 宅 に て 。
4
調査方法
自由面接法
5
知見・考察
調査対象者は健康についてよく考えている。特に食生活におけるカロリーへの意識が高い。
油 分 、甘 み を 気 に か け 、食 品 を 買 う 際 も 、カ ロ リ ー な ど の 表 示 を 見 な が ら 買 っ て い る 。健 康 第
一 と 考 え て お り 、 時 間 が あ れ ば ウ ォ ー キ ン グ に 出 か け る と い っ た 行 動 な ど か ら も 、 現 在 50 代
といったこともあり生活習慣病が気になっているということがやはりあるのだろう。
環 境 へ の 意 識 で は 、普 段 の 生 活 の 中 で 出 る ご み に つ い て は 意 識 し て い る 。そ れ は 、生 活 の 中
で 出 さ れ る た く さ ん の ご み を 見 て 、減 ら さ な い と い け な い と 感 じ て い る こ と か ら わ か る 。し か
し 、最 終 的 に ご み と な っ て し ま う ス ト ロ ー や 割 り 箸 は 便 利 な た め 、時 々 利 用 し て い る 。ご み に
つ い て 意 識 は し て い る が 、減 ら す た め の 行 動 に は 至 っ て い な い こ と か ら 、便 利 で あ る と い っ た
気 持 ち か ら ゴ ミ に 対 す る 意 識 は 薄 れ て し ま う の で は な い だ ろ う か 。ま た 、食 品 の 安 全 問 題 は 強
く 意 識 し て い る 。農 薬 や 添 加 物 の 問 題 に つ い て の 意 識 が 、な る べ く 国 内 産 の 食 品 を 買 う こ と に
つながっている。
食 の 簡 便 化 の 面 で は 、簡 便 食 の 利 用 は た ま に あ る 。特 に お 惣 菜 は 、副 食 と し て 夕 食 に 並 べ ら
れ た り す る 。そ れ ら は 作 る 手 間 が 省 け 簡 単 で 、最 近 で は 種 類 も 豊 富 な た め 、主 婦 に と っ て は 便
利な存在である。ここでも、簡単で便利ということで、調査対象者は簡便食を利用していた。
料 理 の 際 は 、簡 単 で 、し か も 味 が 良 い た め 、味 付 け は 素 を 使 う こ と が 多 い 。家 族 に と っ て も そ
の味のほうが慣れていて良いという。
今 回 の 事 例 調 査 で は 、身 体 的 健 康 と 環 境 問 題 を 軽 視 し て は い な い 。簡 便 食 に つ い て は 、た ま
に 利 用 す る と の こ と で 、健 康 や 環 境 を や や 意 識 し て 生 活 し て い る か ら と い っ て 、全 く 簡 便 食 を
利 用 し な い と い う こ と は な い 。ま た 、味 付 け の 面 で 簡 便 化 が 見 ら れ た 。調 査 対 象 者 は 、家 族 の
食 事 を よ く 作 る こ と か ら 、簡 単 で お い し く 作 る こ と が 出 来 る ダ シ の 素 や 、簡 便 食 の 存 在 は 大 き
く 、役 立 っ て い る 。や は り 、簡 単 で 便 利 と い う こ と が 生 活 を 送 る 上 で 求 め ら れ て い る こ と の 一
つ な の だ と わ か る 。だ が 、そ の 利 用 頻 度 が 多 く な い の は 、健 康 や 食 の 安 全 性 を 含 む 環 境 へ の 意
識がそうさせていると考えられる。
こ の よ う な こ と か ら 健 康 や 環 境 に 対 し 、そ れ な り の 意 識 が あ っ て も 、簡 単 で 便 利 と い う こ と
が 簡 便 食 の 利 用 に 繋 が る こ と が 考 え ら れ た 。ま た 、簡 単 で 便 利 な 生 活 を 望 む 気 持 ち 、お い し い
ものを早く簡単にという欲望が、簡便化した食の現状を作り出したと言える。
統 計 的 調 査 デ ー タ か ら は 、身 体 的 健 康 へ の 意 識 、環 境 へ の 意 識 は 低 さ が 食 を 簡 便 化 し て い る
と い う こ と が わ か っ た 。そ し て こ の 事 例 調 査 に お い て は 、便 利 で 簡 単 で 、お い し い も の を 望 む
人 々 の 気 持 ち が 、簡 便 化 に つ な が る こ と が わ か っ た 。よ っ て 、現 代 の 簡 便 化 し た 食 の あ り 方 は 、
身 体 的 健 康 、環 境 へ の 意 識 の 低 さ と 、簡 単 で 便 利 な も の を 望 む 気 持 ち が 食 の 簡 便 化 を 助 長 す る
のだと言えよう。
160
4章・3
A52070
年齢と健康的な食事
橋本 紀子
1.テーマ
聞 き 取 り 調 査 で は 、「 健 康 と 食 生 活 」 を テ ー マ に 質 問 を 行 っ た 。 質 問 す る に あ た っ て は 、 主
に 対 象 者 の「 健 康 と 食 生 活 」に 関 す る 意 識 と 実 際 の 行 動 と の 違 い に 着 目 し た 。食 に つ い て の 意
識 と 実 際 に 行 っ て い る 食 事 と の 間 に は 、 違 い が あ る と い う 指 摘 が さ れ て い る た め で あ る (『 変
わ る 家 族 変 わ る 食 卓 - 真 実 に 破 壊 さ れ る マ ー ケ テ ィ ン グ 常 識 - 』 /岩 村 暢 子 2003 勁 草 書
房 )。 つ ま り 、 た と え 食 を 通 し た 健 康 に 対 し て 十 分 な 認 識 ・ 問 題 意 識 の あ る 人 で あ っ て も 、 そ
の認識・問題意識が実際の行動に現れているわけではない、ということについて調査した。
2.調査対象
本 籍 を 千 葉 市 に 置 く 千 葉 市 在 住 の 女 性 、 2007 年 11 月 3 日 現 在 で 満 21 歳 。 4 年 生 大 学 の 薬
学 科 に 通 う 学 生 で あ る が 、千 葉 市 内 の ア パ ー ト で 一 人 暮 ら し を し 、学 費 以 外 の 生 活 費 は 自 身 の
アルバイトでやりくりしている。
3.調査日時・場所
2007 年 11 月 3 日 PM7: 50~ 9: 00 過 ぎ ま で の 約 1 時 間 。 千 葉 市 内 の 調 査 対 象 者 の 自 宅 。
4.調査方法
自由面接法
5.知見
調 査 の 結 果 、食 事 に お け る 健 康 へ の 配 慮 は 、全 く さ れ て い な い と い う わ け で は な か っ た 。し
か し 、食 事 で 何 か 気 を つ け て い る こ と が あ る か と い う 質 問 に は 、せ い ぜ い 水 を 飲 む 程 度 で あ る
と 答 え て い る 。健 康 志 向 食 品 な ど の 利 用 は な く 、利 用 し な い 理 由 と し て は 金 銭 的 な 問 題 が 挙 げ
ら れ た 。こ れ ら の 回 答 か ら は 、食 事 に 対 す る 特 別 な 配 慮 は 見 ら れ な い が 食 事 に よ っ て 健 康 に な
ろうとする意識はあるということがわかった。
次 に 、食 品 を 購 入 す る 際 の 行 動 に つ い て は 、ま ず 始 め に 値 段 を 見 て 、次 に 賞 味 期 限 を チ ェ ッ
ク し 、最 後 に 産 地 を 見 て か ら 購 入 し て い た 。食 品 の 選 択 方 法 か ら み て も 、食 費 を 節 約 す る こ と
に 重 点 を お い て い る こ と が わ か る 。対 象 者 本 人 も 、食 費 は な る べ く 減 ら し 、他 の こ と に 使 い た
い 、と い う 考 え を 持 っ て い た 。つ ま り 、生 活 全 体 に お け る 意 識 の 中 で 、食 事 の 比 重 が 小 さ い こ
とがわかった。
こ の 結 果 は 、質 問 紙 標 本 調 査 の 結 果 で 見 ら れ た 20 代 ~ 40 代 の 多 数 を 占 め る「 簡 易 な 食 事 の
頻 度 が 多 く 健 康 的 な 食 事 を と っ て い な い 」と い う 傾 向 に あ て は ま る 。食 費 は で き る だ け 切 り 詰
め、その分他のことを楽しみたい、という考えからも食軽視の傾向が窺える。
食 品 へ の 問 題 意 識 に つ い て は 、世 間 的 に 危 険 で あ る と さ れ る 産 地・添 加 物 入 り の 食 品 は 、健
康 へ の 影 響 が 出 な い か ど う か 心 配 で あ る た め 購 入 し た く な い と い う 。こ の 世 間 的 に 危 険 で あ る
と い わ れ る 食 品・成 分 な ど に 関 す る 知 識 は 、テ レ ビ や イ ン タ ー ネ ッ ト か ら の 情 報 に よ る と こ ろ
が 大 き い 。し か し こ う し た 食 品 へ の 知 識 や 問 題 意 識 が あ る に も 関 わ ら ず 、そ れ ら は 必 ず し も 実
際 の 食 品 購 入 時 に 反 映 さ れ て い る わ け で は い 。食 品 添 加 物 に 対 す る 意 識 に つ い て も 聞 い た と こ
ろ 、食 品 添 加 物 の 中 に は 体 に 良 く な い も の も 含 ま れ て い る と い う こ と を 認 識 は し て い る が 、ど
ん な 食 品 添 加 物 に 害 が あ る の か に つ い て ま で は 把 握 し て い な い こ と が わ か っ た 。食 品 を 購 入 す
る 際 に は 成 分 表 示 も チ ェ ッ ク さ れ て い な か っ た 。な ぜ 食 品 添 加 物 に 対 し て 危 険 性 が あ る と 考 え
て い る の に 調 べ な い の か と い う 質 問 に 対 し て は 、面 倒 だ か ら と い う 答 え が 返 っ て き た 。こ れ に
つ い て 詳 し く 聞 い た と こ ろ 、害 が あ る 食 品 を あ え て 食 べ た り は し な い が 別 に 気 に も し な い 、日
焼けと一緒の感覚であるという。
今 回 の 事 例 調 査 で は 、は っ き り と 意 識 と 行 動 の 差 を み る こ と が 出 来 た 。食 品 に 対 し て 問 題 意
識 を 持 っ て は い る が 、そ れ は 具 体 的 な 行 動 に は 現 れ て い な か っ た 。ま た 、食 品 添 加 物 に 関 す る
質 問 か ら は 、購 入 し た く な い と い っ て い る に も 関 わ ら ず 実 際 の 食 品 行 動 時 に は チ ェ ッ ク さ れ て
いないというような、言っていることと実際にしていることとの違いが見られた。
161
4章・4
健康行動・健康意識と朝食の摂取
A52012
佐藤恵美
1.
テーマ
統 計 調 査 よ り 「 健 康 意 識 」 と 「 朝 食 摂 取 」 に は 関 連 が み ら れ な か っ た が 、「 主 観 的 健 康 行
動 」と「 朝 食 摂 取 」は 関 連 が 見 ら れ た 。つ ま り 、健 康 行 動 を 行 っ て い な い 人 は 朝 食 欠 食 率 が
高いということになる。
し か し 、本 当 の 朝 食 欠 食 理 由 は 他 に も 何 か あ る よ う に 感 じ る 。例 え ば「 仕 事 が 忙 し い 」や
「 食 べ る 時 間 が な い 」「 食 べ る 気 に な ら な い 」 な ど が あ げ ら れ る 。 そ こ で 事 例 研 究 で は 仕 事
を し て い る 女 性 を 対 象 に 朝 食 の 欠 食 理 由 や そ の 考 え ら れ る 原 因 、健 康 意 識 や 行 動 な ど に つ い
て質問した。
2.
調査対象(対象者プロフィール)
氏名 E さん
年 齢 25 歳
居住地 千葉市
職業 風俗店勤務
未既婚 未婚(彼氏なし)
2 年 前 、宮 城 県 か ら 千 葉 県 に 上 京 し 、宮 城 在 住 時 は 会 社 員 と し て 働 き な が ら 風 俗 店 で 働 い
ていた。上京時に会社を退社し、今は風俗店のみで働いている。
3.
調査日時
調 査 日 時 平 成 19 年 11 月 9 日 ( 金 ) 午 後 7 時 か ら 8 時
調査場所 対象者の勤務地近くの喫茶店
4.
調査方法
自 由 面 接 法( 調 査 員 が 対 象 者 に 直 接 面 会 し 、質 問 だ け は あ ら か じ め 設 定 す る が 、質 問 に 対
する対象者の回答は対象者の自由な発話にまかせる調査方法)
知見.
ま ず 、職 業 柄 ほ ぼ 昼 と 夜 が 逆 転 し て い る 生 活 の た め「 朝 食 」と い う 概 念 が 存 在 し て い な い
こ と が わ か っ た 。そ し て 職 業 柄 で あ る の か 、E さ ん は 明 る い 性 格 で あ る た め 、あ ま り 人 間 関
係 に 悩 み は な く 、 楽 し そ う な 生 活 を 送 っ て い る よ う に 感 じ ら れ た 。 し か し 、「 睡 眠 時 間 」 や
会 社( お 店 )に 対 す る「 福 利 厚 生 」に つ い て 悩 ん で お り 、W H O の 定 義 か ら 見 る と「 健 康 で
あ る 」と は 言 え な い よ う な 生 活 リ ズ ム で あ る よ う に 感 じ ら れ る 。健 康 に 気 を 配 っ て い る 一 面
も 見 ら れ 、ま た 、本 人 も「 健 康 で あ る 」と 自 負 し て い る た め 、健 康 意 識 が 低 い と は 言 え な い 。
そ れ に と も な っ て 、左 に あ る E さ ん の 1 日 の 生 活 を 図 に し
11:00
起床
たものを見てもらってもわかるとおり、E さんの生活の中に
家事
食
事のために時間をとっているのは、出勤してからの待機中
15:00
出勤
(お客さんを待っている時間)のみである。その時間はバラ
仕事
待機
バラで、お客さんが入ってしまったらなくなってしまう可能
食事
性もあると言う。また、食べているものもお菓子やマックな
1:00
帰宅
どの食事ですましている日がほとんどで、自宅の冷蔵庫には
家事
食品がないこともしばしばであると回答していた。食事に関
趣味
しては頻度も内容もあまり良い状況であるとは言えない。
4:00
就寝
では、なぜ食事の時間・バランスの良い食事をとることが
で き な い の だ ろ う か 。ポ イ ン ト は「 仕 事 」や「 時 間 」な ど の「 生 活 環 境 」に あ る の で は な い
か と 考 え ら れ る 。E さ ん の 場 合 、仕 事 も 夜 で あ り 、昼 間 は 家 事 を し た り し て い る も の の 、食
材 を 買 い に 行 く 時 間 が な か っ た り 、ど う し て も 睡 眠 に 時 間 を と ら れ た り と 、こ の よ う な 生 活
環境の違いは大きな差になってくると考えられる。
そ こ で 新 た に「 朝 食 の 摂 取 と 生 活 環 境 に は 関 連 が あ る 」と い う 仮 説 を 立 て 、本 文 で 検 証 を
行った。
5.
162
4章・5
A52043 長 澤 伸 哉
家族観と食卓を囲む頻度
1. テ ー マ
私 の テ ー マ を 一 言 で 表 す な ら 「 家 庭 に と っ て 食 卓 と は 何 か 。」 と い う も の で あ る 。 食 卓 は
単 に 栄 養 を 採 る た め の 場 で は な い は ず だ 。家 庭 に と っ て 食 卓 と は 何 か 、私 は そ れ は コ ミ ュ ニ
ケ ー シ ョ ン の 場 で あ り 、礼 儀 作 法 を 教 え る し つ け や 、教 育 の 場 で あ る の で は な い か と 考 え た 。
そ の た め 今 回 の 事 例 調 査 で は 第 1 に 食 卓 の 機 能 に つ い て 、第 2 に そ の 機 能 は 昔 と 変 化 は あ る
のか、という点に着目して聞き取り調査を行った。
2. 対 象 者 の プ ロ フ ィ ー ル
出 身 は 東 北 の 田 舎 で 、 現 住 所 は 千 葉 県 千 葉 市 の 千 葉 駅 周 辺 で あ る 。 年 齢 は 49 歳 で 、 子 ど
も の 頃 の 家 族 構 成 は 父 親 、母 親 、兄 、本 人 の 4 人 家 族 で 父 親 は サ ラ リ ー マ ン で あ っ た 。今 の
家 族 構 成 は 夫 、 本 人 、 長 男 ( 20)、 次 男 ( 15) の 4 人 家 族 。 今 は 定 期 的 に パ ー ト を し て い る
が、パートに割く時間は少ない。
3. 調 査 日 時 と 場 所 に つ い て
調 査 実 地 日 は 2007 年 11 月 11 日 と 12 日 の 2 日 で あ る 。 ど ち ら も 本 人 の 自 宅 に 直 接 赴 き 、
聞 き 取 り 調 査 を 行 っ た 。 時 間 は 2 日 間 の 合 計 で お よ そ 1 時 間 30 分 で あ る 。
4. 調 査 方 法 に つ い て
調 査 方 法 は 直 接 対 象 者 に 面 会 し 、調 査 員 の 質 問 に 対 し 対 象 者 が 自 由 に 回 答 す る 自 由 面 接 法
を行った。
5. 知 見 と 考 察
以下に聞き取り調査で得た知見を記述していく。
「 あ な た の 家 で は 家 族 全 員 揃 っ て 食 事 を し ま す か 」と い う 質 問 に 対 し「 平 日 は ま ず 家 族 全
員 は そ ろ わ な い 」「 お 父 さ ん ( 夫 ) が 仕 事 で ま ず い な い 。 子 ど も た ち は 大 体 い る が 外 で 友 達
と か と 済 ま す と き も あ る 」と い っ た 返 事 が 返 っ て き た の で 、食 卓 を 家 族 全 員 で 囲 む 頻 度 は 少
な い と い え る だ ろ う 。 た だ し 、 可 能 な 限 り そ ろ っ て 食 事 を す る 努 力 を し て お り 、「 家 族 は そ
ろって食事をするのがいい」と考えているようだ。
その点は対象者が「私が子どもの時(中学生くらい)までは一緒に(食事を) していたが、
大 き く な る と( そ れ ぞ れ の 事 情 も あ っ た の で )そ う で も な く な っ て き た 」と 言 っ た 事 か ら 対
象 者 の 昔 と 比 べ て も 大 差 は な か っ た 。対 象 者 が 子 ど も の 頃 の 父 親 が 午 後 6 時 半 に 帰 宅 し て い
た の に 対 し 、 現 在 の 夫 の 帰 宅 時 間 が 午 後 9 時 ~ 10 時 と 相 当 違 い が 見 ら れ た が 、 ど ち ら も 家
族 成 員 の ラ イ フ ス タ イ ル を 検 討 し た う え で 食 卓 を 共 に す る か ど う か 決 定 し て い る 、と 言 う 点
は共通していた。
た だ 、 昔 の 方 が 食 卓 の し つ け の 機 能 は 色 濃 く あ っ た よ う だ 。「 嫌 い な 食 べ 物 も 食 べ さ せ ら れ
た 」「 学 校 で も 家 で も そ う だ っ た 。 今 は 違 う 」 と 対 象 者 が コ メ ン ト し て い た こ と か ら も こ の
ことが言えるのではないか。
食 卓 の 内 容 ( メ ニ ュ ー や 時 間 ) に つ い て も 昔 と 今 で は 若 干 違 い が あ る よ う だ 。「 子 ど も の 嫌
い な も の は 出 さ な い 」「 今 で は 学 校 で も 嫌 い な も の を 先 生 が 無 理 や り 食 べ さ せ た り し な い 、
( 対 象 者 が )子 ど も の 頃 は 違 っ た 」と い う こ と か ら 子 ど も 中 心 の 食 卓 作 り に な っ て い る よ う
に感じた。
食 卓 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 機 能 は 今 も 昔 も 強 い よ う だ が 、食 卓 以 外 で の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ
ン の 機 会 は 昔 に 比 べ 、失 わ れ て い る よ う に 感 じ た 。食 卓 の メ ニ ュ ー や 時 間 は 子 ど も を 中 心 に
考えられ、実行されているようだ。
家 族 観 に つ い て は「 無 理 に 足 並 み を そ ろ え る こ と は な い が 、家 族 が 困 っ て い た ら 助 け る べ
き」と「家族は助け合っていくもの」という考えを前提としていた。
163
4章・6
家族のコミュニケ-ション度と食事の仕方
A52170
宮部優
1. テ ー マ
家族とのコミュニケーション度と個食、孤食などの食事の仕方について
2. 調 査 対 象 者
千 葉 市 中 央 区 在 住 の 40 代 女 性 。夫 (40 代 )と 長 男 (高 校 生 )、長 女 (高 校 生 )と の 四 人 暮 ら し 。パ
ートタイマーとして働いている。
3. 調 査 日 時 ・ 場 所
11 月 4 日 (日 )午 前 10 時 ~ 12 時 に 、 調 査 対 象 者 の 自 宅 で 聞 き 取 り を 行 っ た 。
4. 調 査 方 法
自由面接法により調査を行った。
5. 知 見 ・ 考 察
5-1. 家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に つ い て
根 拠 は な い が 、一 般 的 な 家 庭 よ り も コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は 取 れ て い る よ う な 気 が す る 。夫 と
も 子 供 と も 会 話 を し な い 日 は な い と 言 っ て い い し 、連 れ 立 っ て 出 か け る こ と も 頻 繁 に あ る 。せ
っ か く 家 族 な の に バ ラ バ ラ で は 面 白 く な い 。コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 取 っ て 仲 良 く と い う こ と は
重要だと思う。
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 深 め る の に 重 要 な の は 、普 段 の 会 話 だ と 思 う 。普 段 の 会 話 が あ っ て こ
そ の 、ど こ か へ 出 か け る と い う イ ベ ン ト だ と 思 う 。今 日 の 学 校 、会 社 で な に が あ っ た か 、友 達
の ○ ○ さ ん が ど う し た だ と か 、一 見 し て 他 愛 な い よ う な 会 話 を 頻 繁 に す る と い う こ と が 、ま ず
基 本 だ と 思 う 。会 話 を す る 場 面 と し て は 食 卓 も あ て は ま る が 、食 卓 に 限 っ た こ と で は な く 、家
庭のいろいろな場面で会話をすることが大切だと思う。
5-2. 個 食 に つ い て
普 段 の 夕 食 で 、家 族 で 別 々 の メ ニ ュ ー を 食 べ る こ と は 週 1 回 程 度 。家 族 個 別 の メ ニ ュ ー を 作
る こ と は 煩 わ し く 、別 々 の メ ニ ュ ー に な る の は ス パ ゲ ッ テ ィ の ソ ー ス な ど レ ト ル ト 食 品 を 利 用
す る 際 に な る 。各 々 が 別 の メ ニ ュ ー を 食 べ る こ と に つ い て 、悪 い 印 象 は な い 。し か し 自 分 が 保
護 者 と い う 立 場 を 考 え る と 、個 別 メ ニ ュ ー で 子 供 達 の 好 き な も の ば か り 食 べ さ せ る わ け に は い
かない。だからあまり頻度は増やさない。実際には手間がかかるという面もある。
5-3. 孤 食 に つ い て
普 段 の 夕 食 で 、一 人 で 食 事 を す る こ と は ほ と ん ど な い 。一 人 で 食 べ る の は よ い こ と だ と は 思
わ な い 。寂 し い し 、そ れ で は 楽 し い 食 事 に は な ら な い 。食 事 は 「み ん な で 楽 し く 」が 基 本 だ と 思
っ て い る 。た だ 高 校 生 と も な る と 、家 に 帰 っ て く る 時 間 が 合 わ な く な っ て く る の で 、一 緒 に 食
べられないのは仕方がない。会話はするようにしている。
5-4. 食 事 マ ナ ー に つ い て
子 供 達 に は 一 般 常 識 的 な マ ナ ー は 教 え て き た つ も り 。家 庭 で マ ナ ー と し て よ く な い こ と を し
て い た ら 、そ の 場 で 注 意 を 与 え た 。常 識 的 な こ と は 知 っ て お い た ほ う が い い し 、子 供 が 外 で 恥
ず か し い 思 い を し て は か わ い そ う と い う 思 い も あ っ た 。小 学 校 に 入 っ て か ら 言 う よ う に な っ た
が 、さ す が に 今 は そ う い う 場 面 に な る こ と は な い 。教 え た こ と は 守 っ て く れ て い る よ う に 見 え
る 。よ く 子 供 に 教 え て い た 時 期 は 、他 人 の マ ナ ー が よ り 気 に な っ て い た が 、今 は そ れ ほ ど で は
な い (気 に な ら な い と い う わ け で は な い )。
5-5. ま と め
対 象 者 は 家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は 深 ま っ て い る よ う に 感 じ ら れ 、個 食 、孤 食 の 頻 度 は
少 な く 、個 食 に は 肯 定 的 で 孤 食 に は 批 判 的 だ っ た 。食 事 マ ナ ー に 関 し て は 意 識 が 高 い よ う に 思
え る 。家 族 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 話 や 食 事 マ ナ ー に つ い て の 話 か ら 、家 族 や 子 供 を か な り
重 要 視 し て い る 点 が 見 え る 。孤 食 に 関 し て は 行 動 と 意 識 が 一 致 し て い た が 、個 食 に 関 し て は 一
致 し て い な か っ た 。個 食 を 悪 い と は 思 わ な い が 、行 動 と し て 現 れ て い な い の は 手 間 が か か る こ
とと、子供の栄養面を理由に挙げていた。
164
4章・7
偏食に影響を及ぼしている要因
A52172
吉田知代
1
テーマ
今 回 、 私 は 家 族 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と 偏 食 の 関 係 性 に つ い て 、「 家 族 と の コ ミ ュ ニ ケ ー
ションを意識していない人ほど偏食になる」という仮説を立てた。
2
調査対象(対象者プロフィール)
対 象 者 は 千 葉 県 千 葉 市 中 央 区 在 住 の 52 歳 の 主 婦 で 、 販 売 ・ サ ー ビ ス 業 の パ ー ト タ イ マ ー を
している。実家は農家で祖母、父、母、妹の 3 世代家族で暮らし、結婚後は夫、長男、長女、
次女の 5 人家族で子供はみな成人し、現在長女は結婚し別居中である。
3
調査日時・場所
2007 年 10 月 25 日 の 18 時 ~ 19 時 ま で の 約 1 時 間 、 対 象 者 の 自 宅 に て 行 な っ た 。
4
調査方法
自由面接法
5
知見・考察
今 回 協 力 し て い た だ い た 対 象 者 は 、子 供 の こ ろ か ら 家 族 と の 関 係 が 濃 く 、そ れ は 結 婚 し て か
ら も 対 象 者 の 家 族 に 関 す る 考 え に 深 く 結 び つ い て い る よ う だ 。こ れ は 私 の 仮 説 で あ る「 家 族 と
のコミュニケーションを意識していない人ほど偏食になる」を裏返した事例と考えられる。
対象者の実家は農家ということもあってか常に家族が集まるところにいることを重要視し
て お り 、そ れ は 対 象 者 が 大 人 に な っ て 結 婚 し 家 族 を 持 っ た 現 在 ま で 影 響 し て い る と 考 え ら れ る 。
対 象 者 は 家 族 が 一 緒 に い る こ と は 当 た り 前 と 感 じ て お り 、個 食 、孤 食 に つ い て も の 否 定 的 な 態
度はその影響と見られる。
対 象 者 は 家 族 一 緒 に 夕 飯 を 食 べ る こ と を 重 要 視 し て い た た め 、夫 の 帰 り を 家 族 全 員 で 遅 く ま
で 待 っ て か ら 夕 食 を 取 っ た り 、子 供 が 習 い 事 な ど で 夕 飯 を 食 べ る の が 遅 く な っ た と き な ど は 子
供に付き合って対象者は夕食を 2 回取る事もあった。
ま た 、偏 食 に つ い て も 実 家 が 農 家 と い う こ と も あ り 食 物 を 作 る 苦 労 を 知 っ て お り 、食 事 を 残
す と 叱 ら れ る た め 嫌 い な も の は 口 を つ け て 残 し て い る 。こ の よ う に 対 象 者 は 厳 し く し つ け ら れ
ていた。
子 供 の こ ろ の 影 響 か ら 対 象 者 の 子 供 に も 自 ら が 手 本 と な り 、好 き 嫌 い を 無 く そ う と 尽 力 し て
いる。長男が生まれたときは、1 歳ぐらいから 好き嫌いなく食事を与えるよう にし、お菓子は
長 男 に 友 達 が 出 来 る ま で 煮 干 や チ ー ズ な ど 対 象 者 い わ く「 し っ か り し た 歯 ご た え の も の 」で 代
用していた。
子 供 に は 嫌 い な も の は 叱 っ て 食 べ さ せ る よ う に し て お り 、小 さ い と き は 嫌 い な も の を 食 べ る
ま で 残 し た り 、家 の 外 に 出 し た り 、食 事 を 下 げ な か っ た 。対 象 者 の 努 力 の か い も あ り 、子 供 た
ちは嫌いのものは怒られるので食べるようになっていった。そして、末っ子の次女の時には、
上の二人の兄弟が次女の好き嫌いを無くすために協力していた点から見ても家族が一緒に食
事を取ることが偏食の抑制につながると考えている。
こ れ は 、「 家 族 は 同 じ メ ニ ュ ー を 食 べ た ほ う が よ い と 思 っ て い る 人 は 偏 食 を し な い 」 と い う
仮説を裏付ける事実である。
こ れ は 対 象 者 の 長 女 が 実 家 を 離 れ て 一 人 暮 ら し を し た 際 に 、徐 々 に 食 の 内 容 が 傾 い て い っ た
こ と か ら も 説 明 で き る 。ま た 対 象 者 が 実 家 に 住 ん で い た こ ろ 、自 分 で 食 材 を 購 入 す る と き は 嫌
いなものを買わなかったと言ったことからも説明できる。
こ の 、事 例 調 査 に お け る 知 見 を 参 考 に し て「 子 供 が い る 人 は 偏 食 を し に く い 」と い う の 仮 説
を立てたが、検証されなかった。
165
4 章 ・8
配 偶 関 係 ・ ライフステージと 食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動
A52113 鈴 木 将 司
1.テーマ
年齢・配偶関係・子どもの有無と食の安全性を意識した行動
2.
調査対象(対象者プロフィール)
千 葉 市 緑 区 在 住 、 39 歳 女 性 、 既 婚 、 5 歳 の 娘 が い る 。
農業関係の職場でパートタイマーとして働いている。
3.
調査日時・場所
2007/11/07 午 後 6 時 ご ろ か ら 午 後 7 時 ご ろ ・ 対 象 者 の 自 宅
4.
調査方法
自由面接法
5.知見・考察
今 回 の 事 例 調 査 に 協 力 し て い た だ い た 方 は 、既 婚 で 子 持 ち と い う こ と で 私 が 考 え て い た よ う
に 食 の 安 全 性 に 対 す る 意 識 は 高 か っ た 。仮 説 に 基 づ き 質 問 し て み た と こ ろ 、結 婚 前 と 後 で は 食
へ の 意 識 は そ れ ほ ど 変 わ ら な か っ た よ う だ 。し か し 、調 査 対 象 者 が「 結 婚 の 前 後 で は そ ん な に
変 わ ら な か っ た と 思 う 。で も 子 ど も が で き て か ら は 大 き く 変 わ っ た ね 。や っ ぱ り 安 全 性 に 対 し
て 気 を つ け る よ う に し て い る よ 」と 言 っ て い る よ う に 、各 質 問 の い た る と こ ろ で 子 ど も へ の 食
の配慮の高さがみてとれた。
統 計 的 調 査 で は 行 わ な か っ た が 、買 い 物 の 頻 度 と 購 入 場 所 の 聞 き 取 り も 行 っ た 。買 い 物 の 頻
度 は 週 に 1 回 程 度 で あ る が 、生 協 を と っ て い る と の こ と だ っ た 。対 象 者 は 生 協 に 安 全 な イ メ ー
ジ を 持 っ て お り 、安 心 し て 購 入 し て い る よ う だ っ た 。し か し 、質 問 の 途 中 で「 生 協 で も 食 品 の
問 題 が あ っ た 」と い う 話 に 触 れ る と び っ く り し た 様 子 で 、食 品 の 安 全 性 に 対 し て 一 体 な に を 信
じ れ ば い い の か よ い の か と 困 惑 し て い た 。食 品 の 買 い 物 を し て い る と こ ろ も 毎 回 同 じ 場 所 で 安
全性のほかに商品の回転率(鮮度)も気にしていた。
統 計 的 調 査 で も 質 問 し た 中 国 産 の 食 品 問 題 、 食 品 添 加 物 、 BSE 牛 肉 問 題 、 そ れ に 加 え て 、
期 限 改 ざ ん の 質 問 を し た 。食 品 添 加 物 に つ い て は「 添 加 物 は 怖 い 。妊 娠 し て い る と き だ と 自 分
が 大 丈 夫 で も 赤 ち ゃ ん に 影 響 が 出 る か も し れ な い こ と に も 不 安 を 感 じ る 」と い う 意 見 で 、BSE
牛 肉 問 題 で は「 不 安 は あ る け ど 、自 分 が 食 べ て も そ ん な に 気 に し な い 。そ れ よ り も 子 ど も が 食
べ て 症 状 が 発 症 す る こ と に 不 安 を 感 じ る 」と い っ て お り 、こ こ で も 子 ど も に 対 し て 食 の 安 全 性
を 配 慮 す る 傾 向 が 読 み 取 れ た 。 そ れ ぞ れ 食 品 の 生 産 地 に つ い て の 関 心 は と て も 強 く 、 BSE 問
題 が あ っ た ア メ リ カ 産 牛 肉 、鳥 イ ン フ ル エ ン ザ で 問 題 に な っ た ア ジ ア 系 の 生 産 地 の 食 材 は 絶 対
に 買 わ な い と い っ て い た 。そ の 中 で 私 が 特 に 気 に な っ た の は 中 国 産 食 品 の 問 題 、食 品 の 期 限 改
ざ ん 問 題 に 対 す る 考 え だ 。中 国 産 の 食 品 、食 品 の 期 限 改 ざ ん に 対 す る 関 心 は と も に 不 安 だ け で
はなく怒りに近いものだった。
消費者側からの意見とすればやって当たり前であるべきことがなされていないのは腹立た
し い こ と で あ る 。生 産 者 と 消 費 者 の 顔 が み え る 関 係 に な り 、お 互 い に 信 頼 関 係 が 生 ま れ て く れ
ばこのような問題も解決に進んでいくのではなかろうか。
ま た 、旦 那 さ ん が 糖 尿 病 で あ り 、そ の こ と に 配 慮 し て 外 食 よ り 家 で 食 べ る こ と の ほ う が 多 く
なるらしく、調理の際の味付けに気をつけているという話もうかがえた。
こ う し て 事 例 調 査 を 行 っ た こ と で 、私 が 考 え て い た こ と の ほ か に も そ の 人 を 取 り 巻 く 環 境 や
問 題 な ど 様 々 な こ と が 食 品・食 材 の 購 入 配 慮 に か か わ っ て い る の だ と 気 づ か さ れ た 。事 例 調 査
は 統 計 的 調 査 を 補 足 す る た め に 行 っ た が 、統 計 的 調 査 で は 関 連 を 調 べ る こ と が で き な か っ た こ
とや数値からだけでは読みとれなかった「直接的な感情」を感じることができた。
166
4 章 ・9
食 事 の 提 供 頻 度・食 品 購 入 態 度 と の 安 全 性 へ の 意 識
A52095 長 谷 川 恭 平
1. テ ー マ
食品の安全性や価格について
2. 調 査 日 時
平 成 19 年 11 月 4 日
日曜日
3. 調 査 対 象 の 基 本 属 性
性別:女性 年齢:25歳
夜 7 時頃から 8 時頃まで
住所:千葉市緑区
職業:歯科助手
4. 調 査 方 法
自由面接法(聞き取り調査)
調査実施場所:調査者の自宅
5. 得 ら れ た 知 見 ・ 考 察
ま ず 、対 象 者 に 自 宅 に お い て 料 理 を 作 る か ど う か を 聞 い て み た 。対 象 者 は 料 理 を 作 る こ と は
少なく、だいたい週に1、2回夕食を作ることになっている。
料 理 を 作 る こ と は 少 な い が 、家 庭 に お い て 買 い 物 を 担 当 し て い る の は 対 象 者 で あ る 。買 い 物
の 段 階 で は 、成 分 表 示 な ど に も 一 応 は 気 を 配 っ て い る 。対 象 者 の 家 庭 に は 特 に 病 気 や ア レ ル ギ
ー を 患 っ て い る 人 は い な い よ う だ が 、「 あ ん ま り 科 学 調 味 料 と か 着 色 料 と か 入 っ て い る も の は
食 べ た く な い 」と の こ と だ っ た 。メ ニ ュ ー を 決 め る 際 は 、そ れ ほ ど ナ ー バ ス に な る こ と は な い
が、あまり材料が偏らないように気を配っている。
買 い 物 の 際 に は ま と め 買 い す る こ と も 多 々 あ る よ う だ 。「 仕 事 の 都 合 上 、 買 い 物 に 割 け る 時
間も手間も、できるだけ抑えたい」と答えていた。
国 産 の 品 と 輸 入 品 の 違 い に つ い て は 、「 正 直 な 話 、 味 の 違 い は あ ま り わ か ら な い の で 、 基 本
的 に 安 い も の を 買 う よ う に し て い る 。で も 、さ す が に 中 国 産 の 商 品 や 、ア メ リ カ 産 の 牛 肉 は 買
い た く な い 」そ う で あ る 。対 象 者 本 人 は あ ま り 国 産 か 輸 入 品 か は 気 に し て い な い よ う だ が 、
「知
り合いには、味の違いを気にする人もけっこういる」とのことだった。
対 象 者 は あ ま り ニ ュ ー ス や 新 聞 な ど か ら 積 極 的 に 情 報 を 集 め た り し な い よ う だ が 、世 間 で 騒
が れ て い る こ と に は 敏 感 な よ う で あ る 。も し 中 国 産 の 商 品 が す ご く 安 か っ た ら 買 う か ? と い う
質 問 に は 、「 い く ら 安 か っ た と し て も 、 気 持 ち が 悪 い か ら 買 わ な い 」 と 答 え た 。
買 い 物 に 行 く 際 は 、一 通 り 広 告 や チ ラ シ な ど を チ ェ ッ ク し て か ら 買 い 物 に 行 く ら し い 。買 い
物 は 基 本 的 に 近 場 の 店 で 済 ま せ る が 、セ ー ル な ど を や っ て い る 店 が あ れ ば 多 少 遠 い 所 で も 足 を
伸 ば す 。し か し 、買 う も の を 店 に よ っ て 変 え る こ と は「 移 動 の 時 間 や 手 間 を 考 え る と 面 倒 だ か
らあまりしない」らしい。
「 品 物 の 見 た 目 が 多 少 悪 く て も 、割 引 さ れ て い た り す れ ば 買 う 」そ う で あ る 。賞 味 期 限 な ど
は あ ま り 気 に し な い よ う で 、「 冷 凍 で き る も の で あ れ ば 解 凍 品 で あ っ て も 、 も う 一 度 冷 凍 し た
り す る し 、露 骨 に 傷 ん で い る も の で な け れ ば 割 と 平 気 で 使 う 」そ う だ が 、最 終 的 に は 価 格 よ り
も安全性を重視するようである。
対象者の中の食品に対する基本的な優先順位は 安全性<移動や準備の手間<値段 である
といえる。しかし、品物や値段、品質によって多少の前後はあるようだ。
イ ン タ ビ ュ ー 当 時 は 、時 期 的 に 中 国 産 の 食 品 問 題 が 各 メ デ ィ ア の 話 題 に 上 り 始 め た 頃 で あ る 。
こ の イ ン タ ビ ュ ー の 数 ヵ 月 後 に 再 び 中 国 産 の 食 品 で 問 題 が 起 き た た め 、も う 一 度 イ ン タ ビ ュ ー
を行うとすればまた違った回答が得られるかもしれない。
167
4 章 ・10
食品のとり方と食の安全性を意識した行動
A52130 下 保
智之
1 テーマ
食品のとり方と食の安全性を意識した行動について
仮 説 と し て は 、① 手 作 り 料 理 を 作 る 人 は 、食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 を す る 。② 食 品 の と り
方に気をつけている人は、食の安全性を意識した行動をとる。という以上の二つとした。
2
調査対象(対象者プロフィール)
千 葉 市 緑 区 在 住 47 歳 女 性 、 主 婦 兼 学 生
3
調査日時・場所
2007 年 11 月 2 日 、 15 時 20 分 ~ 16 時 20 分
4
淑徳大学内の 2 号館教室にて実施
調査方法
自由面接法
5
知見・考察
昔 は 生 協 を 使 っ て お り 、パ ン フ レ ッ ト に 産 地 名 が 記 載 さ れ て い る た め 、冷 静 に 見 る こ と が で
きた。このような見方があることを聴き取り調査によって知ることができた。
し か し 、生 協 を 使 用 し て も 注 文 を 忘 れ て し ま う こ と が 多 か っ た た め 、現 在 で は ス ー パ ー マ ー
ケ ッ ト で 商 品 を 購 入 し て い る 。商 品 を 購 入 す る 際 は 、産 地・ 農 薬・ 添 加 物 に 関 し て 意 識 し て 購
入 し て い る よ う に 心 が け て い る 。中 国 産 と 青 森 産 の に ん に く を 購 入 す る 際 は 、お 金 に 余 裕 が あ
っ た 場 合 の み 青 森 産 を 購 入 す る よ う に し て い る 。お 米 に 関 し て は 千 葉 産 の も の だ け を 購 入 し て
い る 。理 由 と し て 、そ の 土 地 で 作 ら れ た も の が 、住 ん で い る 人 に と っ て 一 番 合 う の で は な い か
と い う 話 し を 聞 き 、こ だ わ り を 持 つ よ う に な っ た と 語 っ た 。こ の よ う に 、地 産 地 消 の 流 れ が 自
然と行われていることがわかった。
料 理 に 関 し て は 、煮 す ぎ・焼 き す ぎ で 栄 養 分 が 逃 げ 出 さ な い よ う に し て い る 。味 付 け に 関 し
て は 、塩 や 砂 糖 な ど で 味 を 濃 す ぎ な い よ う に し 、で き る だ け 自 然 の 味 を 出 す よ う 心 掛 け て い る 。
し か し 、味 つ け に 関 し て は 気 を 配 り す ぎ て い る こ と も あ っ て 全 体 的 に 味 が 薄 い 傾 向 で あ り 、家
族にソースや塩をかけられてしまう問題点が浮かびあがった。
次 に 、オ ー ス ト ラ リ ア で 2 0 年 在 住 し て 感 じ た こ と 、オ ー ス ト ラ リ ア で の 食 生 活 に つ い て ま
とめた。
・ 25 年 前 に 販 売 し て い た 日 本 の 食 品 で は 、 キ ッ コ ー マ ン の 醤 油 の み 存 在 し て い た 。
・ 12 年 位 前 の 寿 司 ブ ー ム で 海 苔 な ど 日 本 文 化 に 馴 染 み の 深 い 食 品 が 購 入 し や す く な っ た 。
・ 10 年 位 前 に 低 農 薬 ・ 無 農 薬 の 食 品 を 扱 う 自 然 食 品 店 に 目 を つ け た 。
・7 年前には無農薬という言葉がよく耳に入り、周りも関心を持ちはじめていた。
・5 年前に日本に帰国したときは自然食品店の少なさに驚いた。
オ ー ス ト ラ リ ア で も 地 産 地 消 の シ ス テ ム が あ り 、日 本 の 会 社 が オ ー ス ト ラ リ ア の 工 場 で 、オ
ー ス ト ラ リ ア 産 の 小 麦 粉 を 使 い 、乾 燥 う ど ん・ そ ば を 作 り 、オ ー ス ト ラ リ ア 向 け に 販 売 す る と
いう工夫がされている。
ま た 、オ ー ス ト ラ リ ア で の 食 文 化 の 話 し で は 、自 然 食 品 店 を 利 用 し て い た と い う 点 で そ の 当
時 か ら 農 薬 な ど に 気 を つ け て い た こ と が わ か っ た 。オ ー ス ト ラ リ ア で の 調 理 の 工 夫 、地 産 地 消
の シ ス テ ム の 工 夫 、日 本 の 食 文 化 の 浸 透 な ど 現 地 に 滞 在 し な け れ ば わ か ら な い よ う な 話 を 聴 く
ことができ、有意義な話となった。
以 下 は ま と め と す る 。今 回 の 調 査 か ら 、煮 す ぎ ・焼 き す ぎ で 栄 養 分 が 逃 げ 出 さ な い よ う に し
た り 、塩 や 砂 糖 な ど で 味 を 濃 す ぎ な い よ う に す る 等 、手 作 り 料 理 を 作 っ て 食 品 の と り 方 に 気 を
つ け て い る 人 は 、食 の 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 を と っ て い る こ と が わ か っ た 。し か し 、に ん に く
を 購 入 に 関 し て 、金 銭 面 に お い て は 余 裕 が な い 場 合 は 、中 国 産 を 購 入 せ ざ る を 得 な い 現 状 も 知
る こ と が で き た 。 ま た 、 オ ー ス ト ラ リ ア に 20 年 滞 在 し た 中 で の 日 本 食 が 広 ま る 細 か な 過 程 を
知ることもできた。
168
4 章・11
健康番組の視聴と食の安全性を意識した行動
A 52083 桑 原 智 希
1 .テ ー マ
健康番組の情報と食の安全性を意識した行動
2 .調 査 対 象 ( 対 象 者 プ ロ フ ィ ー ル )
女性
千葉市若葉区在住
44 歳
父、母、夫、子供2人の6人家族
パートで働いている
3 .調 査 日 時 ・ 場 所
10 月 下 旬 、 調 査 対 象 者 宅
4 .調 査 方 法
自由面接法
5 .知 見 ・ 考 察
対 象 者 は 「 は な ま る マ ー ケ ッ ト 」、「 た め し て ガ ッ テ ン 」、「 た け し の 本 当 は 怖 い 家 庭 の 医 学 」
を よ く 視 聴 し て い て 、こ れ ら の 番 組 を 見 て 実 生 活 に 取 り 入 れ ら れ そ う な こ と は 積 極 的 に 取 り 入
れ よ う と し て い る 。テ レ ビ は よ く 見 る 方 で 興 味 の あ る 内 容 の と き は ビ デ オ で 録 画 を し て で も 必
ず 視 聴 す る よ う に し て い る 。若 い 頃 は 仕 事 や 子 育 て で 忙 し か っ た の で 情 報 源 が テ レ ビ し か な か
ったが、最近は時間に余裕ができてきて新聞なども読むようになり情報源が増えた。
年齢が上昇するにつてれ自分の健康が気になってきて健康情報番組をよく視聴するように
な っ た 。ま た 妊 娠 し て か ら も 自 分 の 身 体 に 気 を 使 う よ う に な り 、子 供 が で き て か ら は 自 分 の こ
と だ け で な く 、子 ど も の 成 長 や 健 康 、食 の 安 全 を 考 え る よ う に な り よ く 視 聴 す る よ う に な っ た 。
賞味期限や消費期限に関しては最近のニュースなどの報道で報じられている改ざん問題の
よ う に 、信 用 で き な く な っ て き て い る が 、や は り 信 用 し な く て は 生 活 し て い く こ と が で き な い
ので、どうしても信用せざるを得ないのが現状。
健 康 情 報 番 組 の 中 で も「 た け し の ホ ン ト は 怖 い 家 庭 の 医 学 」の よ う に 病 気 や 症 状 な ど 具 体 的
な事例を挙げられると私自身にも実感する側面もあるので気にし始めて安全行動に移してし
ま う 部 分 も 多 々 あ る 。し か し 実 際 は 食 品 添 加 物 が 使 わ れ て い た と し て も 、冷 凍 食 品 な ど は 生 活
に便利なために食品添加物など気にせずに使ってしまっている。
対 象 者 は 年 齢 の 上 昇 、そ し て 子 ど も と 同 居 し は じ め る こ と に よ っ て 健 康 情 報 番 組 を 視 聴 す る
ようになり安全性を意識した行動をしはじめるようになった。
し か し な が ら 安 全 性 を 意 識 し た 行 動 を す る だ け で 健 康 に な る と は 決 し て 思 っ て は お ら ず 、あ
く ま で も 自 分 を 含 め た 若 い 世 代 の 人 た ち だ け が 、食 の 安 全 行 動 、健 康 行 動 を す る こ と に よ っ て
病 気 の 予 防 に 繋 が っ て い る と 考 え て い て 、高 齢 者 が 今 更 そ う い っ た 安 全 行 動 、健 康 行 動 を 取 っ
たところで既に病気になってしまっていれば病気が治るとはまったく思っていない。
ま た テ レ ビ や 新 聞 で 日 々 報 じ ら れ て い る 食 の 問 題 に 関 心 が あ り な が ら も 、実 際 の と こ ろ は 賞
味 期 限 な ど の 情 報 を 信 用 し な が ら 生 活 し な く て は 生 活 が や っ て い け な い と 考 え て い る 。こ の こ
と は 実 際 に 危 な い と テ レ ビ で 報 道 し な が ら も 、安 全 行 動 を せ ず に 生 活 を 送 っ て し ま っ て い る 人
の典型ともいえるだろう。
169
4 章・12
1
食文化の継承と食の安全意識
A52118 中 村 美 由 貴
テーマ
食育と食の軽視の関連について。
2
調査対象(対象者プロフィール)
現 在 緑 区 在 住 の 51 歳 の 女 性 。 週 に 5 日 程 度 、 ス ー パ ー の レ ジ に て パ ー ト 勤 務 を し て い る 。
家 族 構 成 は 対 象 者 の 実 母 、夫 、娘 だ が 、夫 は 東 京 を 拠 点 に 生 活 し て い る の で 殆 ど 家 に は 戻 ら な
い 。 3 人 家 族 。 千 葉 市 内 の 居 住 歴 は 31 年 。
3
調査日時・場所
2007 年 11 月 5 日 ( 月 )。 14 時 30 分 か ら 2 時 間 程 度 。 対 象 者 の 自 宅 近 く の カ フ ェ レ ス ト ラ
ンにて実施。
4 調査方法
自由面接法。調査員が対象者に 直接面会し、質 問はあらかじめ設定するが、質 問に対する対
象者の回答は対象者の自由な発話にまかせる調査方法。
5 知見・考察
調 査 に 協 力 し て い た だ い た 方 は 主 婦 で あ る 傍 ら パ ー ト 勤 務 を し て い る の で 、食 事 の 支 度 に つ
い て は 仕 事 の な い 日 に 主 に や っ て い る 。仕 事 の 日 は 仕 事 、休 み の 日 は 余 暇 を 楽 し ん だ り 家 の こ
と を す る 、と い っ た よ う に 、オ ン オ フ を う ま く 切 り 替 え て 生 活 し て い る と 感 じ た 。仕 事 の 日 は
基 本 的 に 同 居 し て い る 実 母 が 食 事 の 支 度 を し て く れ て い る と の こ と だ っ た の で 、レ ト ル ト 食 品
や カ ッ プ 麺 な ど を 利 用 す る こ と は あ ま り な い と い う こ と だ っ た 。自 分 が 調 理 の 際 の 手 間 も 惜 し
ん で い る 様 子 も な い 。 中 国 産 の 食 品 は 一 切 買 わ ず 、 遺 伝 子 組 み 換 え 食 品 や BSE 問 題 も 考 慮 し
て 食 品 を 選 ん で い る の で 、安 全 意 識 も 高 い と い え る 。全 体 を 通 し て 、食 を 軽 視 し て い る と い う
傾 向 は 見 受 け ら れ な い と 感 じ た 。ま た 食 事 の マ ナ ー に 関 し て は 、対 象 者 が 社 会 に 出 て か ら か な
り意識しているようだった。自分の娘さんに対しても、目に留まる度に注意していたという。
伝統・郷土料理は、自分で作るということはあまりないようであった。はば雑煮に関しては、
は ば 海 苔 が 高 額 で あ る こ と や 色 々 な 具 を 入 れ た い と い う こ と で 今 は 作 ら な い と い う 。ま た い わ
し 団 子 の つ み れ 汁 や ピ ー ナ ッ ツ み そ は 伝 統・郷 土 料 理 と い う 認 識 が 薄 い よ う で あ っ た 。時 間 に
余 裕 が あ れ ば 、公 民 館 な ど で 行 っ て い る 料 理 教 室 な ど で 伝 統・郷 土 料 理 の 作 り 方 を 教 わ り た い
が、仕事や家事に追われている今は難しいということであった。そして旬の食材に関しては、
親 戚 や ご 近 所 の 方 が 家 庭 菜 園 を 持 っ て い た り 農 業 を 営 ん で い た り す る の で 、地 元 の も の で 、し
か も 旬 の 食 材 を 入 手 で き る 機 会 に か な り 恵 ま れ て い る 。む し ろ 対 象 者 に と っ て は そ れ が 当 然 の
こ と だ っ た の で 、特 に 恵 ま れ て い る と も 感 じ る こ と も な く 、当 た り 前 の こ と だ と 思 っ て い る 様
子 だ っ た 。地 元 生 産 の 食 材 に 関 し て も 同 様 に 、親 戚 や ご 近 所 の 方 の い た だ き も の が 多 く 、ま た
自宅の近くに農協の直売所があるため、そこから購入しているということであった。
伝 統・郷 土 料 理 の 実 際 の 調 理 経 験 は 別 と し て 、全 体 的 に 食 生 活 に 気 を 遣 っ て い る と い う 印 象
を 受 け た 。特 に 地 産 地 消 や 旬 の 食 材 は 普 段 か ら 手 に 入 る こ と が 当 た り 前 だ っ た た め か 、カ ッ ト
野 菜 の 利 用 が な い こ と や 、安 全 意 識 が 高 い こ と は 自 然 で あ る よ う に 思 え た 。今 回 対 象 者 は 食 事
の マ ナ ー は 自 分 で 気 を つ け て き た と い う こ と で あ っ た が 、自 他 問 わ ず 学 ん だ こ と や 食 に 関 し て
恵まれた環境で育っていると、食を軽視するといった傾向は見られないと考察する。
170
5章・1
A52166
健康関心と運動
長良
梢
1.テーマ
この調査は、仮説である健康関心と運動、体型と運動の 2 つを検証するためのものである。
この調査を実施し、調査票と事例調査の両方の観点から仮説検証を行う。
2.調査対象
千 葉 市 在 住 の 48 歳 女 性 。 現 在 は 、 保 育 士 の パ ー ト と し て 働 い て い る 。 家 族 構 成 は 、 パ ー ト
ナ ー 、パ ー ト ナ ー の 父 母 、子 ど も 4 人 の 計 8 人 家 族 で あ る 。現 在 は 、長 男 だ け が 別 居 し て い る 。
3.調査日時・場所
調 査 日 時 平 成 19 年 10 月 29 日 ( 月 )
調査場所 ファミリーレストラン
PM12:00~
4.調査方法
自由面接法
5.知見・考察
「 健 康 へ の 関 心 が 高 い 人 ほ ど 運 動 に 関 心 が あ る 」が 仮 説 1 で あ る 。調 査 票 か ら 得 ら れ た 仮 説
1 の 検 証 結 果 は 、健 康 へ の 関 心 が 高 い 人 は 階 段 を 利 用 し て い る と い う 結 果 は 出 な か っ た が 、健
康 へ の 関 心 が 高 い 人 は 運 動 経 験 が 豊 富 で あ っ た 。健 康 へ の 関 心 と 運 動 経 験 の 2 つ の 関 連 が あ っ
た 種 目 は 、ス ト レ ッ チ 運 動 、ウ ォ ー キ ン グ 、室 内 で で き る 運 動 (ヨ ガ な ど )、筋 肉 ト レ ー ニ ン グ (腹
筋 、背 筋 な ど )、ラ ジ オ 体 操 や テ レ ビ で 紹 介 さ れ た 体 操 、運 動 器 具 (ダ ン ベ ル な ど )を 使 っ た 運 動
で 、 10 種 目 中 6 種 目 は 健 康 へ の 関 心 と の 関 連 が あ っ た 。 こ の 結 果 か ら 、 健 康 へ の 関 心 が 高 い
人 は 、手 軽 に 自 宅 で も で き る よ う な 軽 い 運 動 が 多 か っ た 。運 動 経 験 が 豊 富 で 、運 動 へ の 関 心 が
高いことがわかっている。
事 例 調 査 か ら は 、次 の よ う な 話 が 聞 け た 。対 象 者 は 、若 い 頃 と 比 べ る と 年 齢 を 重 ね る に つ れ
て 健 康 へ の 関 心 は 高 く な っ て い る よ う だ っ た 。特 に 家 族 が で き て か ら は 家 族 の 健 康 を 第 一 に 考
え る よ う に な り 、 健 康 へ の 関 心 の 変 化 は 大 き か っ た 。 子 ど も が 4 人 と 家 族 が 多 い た め 、「 自 分
が 病 気 に な ん か な っ て い ら れ な い 、家 族 を 守 ら な く ち ゃ 」と い う 思 い が 強 く な り 、体 が 丈 夫 に
な っ た 。自 分 の 健 康 よ り も 家 族 の 健 康 に つ い て 考 え る こ と が 多 く な り 、バ ラ ン ス の 良 い 食 事 作
り に も 心 掛 け て い る と の こ と だ っ た 。運 動 に 関 し て は 、中 学 時 代 は バ レ ー 、就 職 後 に エ ア ロ ビ
な ど を し て い た 。最 近 は 、で き る 範 囲 で 軽 い 運 動 を 心 掛 け て い る と の こ と だ っ た 。こ の 調 査 か
らは、家族ができたことにより健康への関心が高くなっていったこと、運動には関心があり、
できる範囲で運動を心掛けているという部分では調査票から得られた結果と同じ結果が得ら
れた。
次 に 、「 体 型 を 気 に し て い る 人 ほ ど 運 動 に 関 心 が あ る 」 が 仮 説 2 で あ る 。 調 査 票 か ら 得 ら れ
た 仮 説 2 の 検 証 結 果 は 、体 型 を 気 に し て い る 人 は 階 段 を 利 用 し て い る と い う 結 果 は 出 な か っ た 。
体型を気にしている人は運動経 験は少ないが、1 つの運動を継続的に行 っている人が多いと 考
え ら れ る 。体 型 を 気 に し て い る か ど う か と 運 動 経 験 の 2 つ の 関 連 が あ っ た 種 目 は 、ス ト レ ッ チ
運 動 、筋 肉 ト レ ー ニ ン グ (腹 筋 、背 筋 な ど )、ト レ ー ニ ン グ ジ ム に 通 う で 、10 種 目 中 3 種 目 の み
関 連 が あ っ た 。こ の 結 果 か ら 、体 型 を 気 に し て い る 人 は 、体 型 改 善 の た め に 体 づ く り を す る よ
う な 本 格 的 な 運 動 が 多 か っ た 。し か し 、仮 説 1 よ り も 運 動 経 験 は 少 な く 、運 動 へ の 関 心 が 低 い
ことがわかっている。
事 例 調 査 か ら は 、次 の よ う な 話 が 聞 け た 。身 だ し な み に つ い て 、対 象 者 は 特 に こ だ わ り を 持 っ
て い る わ け で は な か っ た 。若 い 頃 は 肌 が 弱 か っ た た め 化 粧 も ほ と ん ど で き ず 、楽 な 服 装 が 多 か
っ た 。子 供 が で き て か ら は 自 分 に 手 が か け ら れ な く な り 、楽 な パ ン ツ ス タ イ ル が 増 え て い っ た
よ う だ 。最 近 に な っ て 、メ タ ボ リ ッ ク に な っ て し ま っ た た め 、体 型 を 気 に し 始 め 毎 日 体 重 計 に
の っ て い る と の こ と だ っ た 。そ の た め 、ウ ォ ー キ ン グ を し た り 、な る べ く 階 段 を 使 っ た り と 軽
い 運 動 を 始 め て い た 。こ の 調 査 か ら は 、対 象 者 は 最 近 に な っ て 体 型 を 気 に し 始 め た が 、本 格 的
な 運 動 を 行 う と い う よ り は 、ま ず は 軽 い 運 動 か ら 始 め て い た 。調 査 票 か ら 得 ら れ た 結 果 と は 違
っ た が 、今 後 何 か 本 格 的 な 運 動 を 始 め た い と い う 意 思 は あ っ た の で 、そ の よ う な 部 分 で は 調 査
票から得られた結果と同じ結果が得られるようになるのではないかと考えられる。
171
5章・2
A52016 田 篠 由 志
健康と運動の関連
1
テーマ
健 康 と 運 動 の 関 連 に つ い て 、年 齢 が か さ む に つ れ て 、健 康 意 識 の 変 化 や 、そ れ に 伴 う 運 動 に
対する考え方が変化するかを目的として調査した。
2
調査対象(対象者プロフィール)
千 葉 市 に 移 住 し て 40 年 の 58 歳 女 性 。 既 婚 者 で 子 ど も が 2 人 お り 、 現 在 は 夫 婦 で 2 人 暮 ら
しをしている。飲食店を経営している。
3
調査日時・場所
調 査 日 : 2007( 平 成 19) 年 11 月 1 日 、 対 象 者 の 経 営 す る 飲 食 店 に お い て 調 査 を 行 っ た 。
4
調査方法
自由面接法
5
知見・考察
事 例 調 査 で は 、統 計 調 査 の 補 足 と し て 、年 齢 が か さ む に つ れ て 、健 康 意 識 や 運 動 に 対 す る 考
え 方 が 変 化 す る か を 目 的 と し て 調 査 を 行 っ た 。対 象 者 を 選 ん だ 理 由 は 、現 在 と 過 去 を 聞 く た め 、
できるだけ上の年齢の人に聞きたかったからである。
「 若 い と き に も っ と や っ て お け ば よ か っ た 。若 い と き は な ら な い だ ろ う と 思 っ て い て も 、年
を と る と 痛 く な る の で 若 い こ ろ か ら 運 動 を し た ほ う が い い 」と 言 っ て い る の で 、若 い こ ろ の 健
康 へ の 不 安 感 や 将 来 へ の 関 心 は 低 か っ た と 考 え る 。そ し て 、若 い こ ろ は ほ と ん ど 健 康 の た め の
運 動 を お こ な っ て い な か っ た よ う で あ る 。精 神 的 疲 労 は 現 在 も 昔 も 仕 事 で あ る そ う だ が 、運 動
よ り も カ ラ オ ケ や 入 浴 で ス ト レ ス 解 消 を す る こ と が 多 く 、現 在 で は ド ラ イ ブ や 買 い 物 を 主 に 行
っ て い る そ う だ 。本 人 に よ れ ば 、疲 労 は 精 神 的 な 疲 れ を と ら な い と だ め だ と 思 っ て お り 、体 を
動かしても疲れはとることができると言っている。
ス イ ミ ン グ ・ ク ラ ブ の 会 員 に 10 年 く ら い な っ て お り 、 仕 事 終 わ り に 通 っ て い た が 、 甲 状 腺
の 病 気 に な っ て か ら 始 め て い る 。直 接 病 気 の 治 療 に な る 運 動 で あ る わ け で は な く 、運 動 を す る
ことがそこまで好きなわけではないようなので、病気による健康に対する意識の上昇により、
運動を始めたのではないかと考える。
現 在 で は 病 気 に 対 し て 不 安 に 思 う こ と も な く 、多 少 悪 い と こ ろ が あ っ て も 、仕 方 が な い と 言
っ て い る 。も っ と 健 康 に な り た い と 思 う か 、と い う 問 い に は 、こ の ま ま の 状 態 を 維 持 で き れ ば
い い と 言 っ て い る 。ま た 、会 社 勤 め を 辞 め て か ら は 健 康 診 断 に 行 っ て お ら ず 、死 ぬ な ら そ れ で
も い い と 思 っ て い る こ と か ら 、将 来 へ の 関 心 は 薄 い よ う で あ る 。ひ ざ が 痛 か っ た り 、肩 が 上 が
ら な か っ た と き な ど に 、し た ほ う が い い の か な あ 、と 思 う と き が あ る ら し い が 、現 在 で は 運 動
ら し い 運 動 は し て い な い よ う で あ る 。そ の 理 由 と し て 、運 動 を す る こ と に よ っ て 疲 れ た り 、ひ
ざなどが痛くなることや、健康のためには食事を重要視する傾向にあることが挙げられる。
仮 説 と 照 ら し 合 わ せ る と 、現 在 の 健 康 へ の 不 安 感 と 将 来 へ の 関 心 は 低 く 、運 動 は し て い な い 。
そ し て 、若 年 の こ ろ 、運 動 を し て い れ ば よ か っ た と 述 べ て お り 、特 に 健 康 意 識 が 高 い わ け で も
な く 、運 動 も ほ と ん ど し て い な い よ う で あ る が 、現 在 ま で 続 く 重 い 病 気 に か か っ て か ら 、ス イ
ミ ン グ を 行 っ て い た の で 、一 時 的 に は 健 康 意 識 が 高 ま っ て 運 動 を し た と 考 え る 。現 在 で は 病 気
に 関 し て 気 に し て い な い 、ク ラ ブ も や め た と い う こ と か ら 、病 気 の 不 安 か ら 慣 れ 、運 動 も や め
たと考える。
172
5章・3
1. テ ー マ
2. 調 査 対 象
健康意識と健康な生活を送るための行動
A52052
池田奈月
「 健 康 行 動 で あ る 食 生 活 ・ 睡 眠 ・ 運 動 の 中 の ど れ に お い て 行 動 で き て い な い か 」と
い う こ と と 、「 な ぜ 行 動 に 移 せ て い な い の か 」 と い う こ と で あ る 。
千 葉 市 中 央 区 に 在 住 し て 3 年 に な る 、現 在 無 職 の 47 歳 女 性 で 、51 歳 の 会 社 員 の
夫と二人暮らしをしている。子どもはいない。
3. 調 査 日 時 ・ 場 所
2007 年 10 月 30 日 午 後 1 時 45 分 か ら 2 時 25 分
千葉市中央区の飲食店内にて
4. 調 査 方 法 : 自 由 面 接 法
5. 知 見 ・ 考 察
今 回 の 事 例 調 査 で は 、健 康 に な る た め に 意 識 し 、そ の 意 識 し て い る 行 動 を し て い る か を 中 心
に 質 問 し た 。そ の 結 果 、食 生 活 を 重 視 し て い る こ と が わ か っ た 。食 生 活 と い う こ と で 、ま ず 料
理 に つ い て 尋 ね た 。結 婚 す る 以 前 は 両 親 や 家 族 と 住 ん で い た た め あ ま り 料 理 は せ ず 、自 分 の 好
き な も の を 食 べ て い た が 、結 婚 し て か ら 二 人 暮 ら し に な り 、自 分 で 料 理 す る よ う に な っ た 。こ
のように、家族のために食事の栄養やバランスに気を遣うようになってきたことがわかった。
ま た 、 特 に 食 事 に 気 を 使 う よ う に な っ た の は 、 40 歳 を 過 ぎ て か ら と い う こ と で 、 仕 事 を し て
い た 頃 や 、 結 婚 す る 以 前 の 20 代 の 頃 は 、 家 族 と 同 居 し て い た た め 、 食 事 に 関 し て は 気 を 遣 っ
て お ら ず 、「 健 康 の た め に 食 生 活 に 気 を 遣 う 」 と い う 意 識 は 持 っ て い な か っ た よ う だ 。
次 に 、重 視 し て い る の は 食 生 活 と い う こ と で あ っ た が 、運 動 に 関 し て も 、現 在 の 運 動 の 有 無
や 、頻 度 な ど に つ い て 尋 ね た 。最 近 は よ く 歩 い た り 、買 い 物 時 に 自 転 車 を 使 う 程 度 の こ と は し
て い る が 、ス ポ ー ツ な ど の 身 体 を 動 か す よ う な こ と ま で は し て い な い こ と が わ か っ た 。し か し 、
結 婚 す る 以 前 や 、仕 事 を し て い た 時 は ソ フ ト ボ ー ル を 週 に 1 回 行 っ て い た そ う だ 。こ の こ と か
ら 、仕 事 や 家 事 の 忙 し さ な ど は 運 動 す る こ と を 妨 げ る 理 由 に は な っ て い な い と 言 え る の で は な
い か と 思 う 。代 わ り に 、年 齢 が 上 が る に つ れ て 体 力 的 に キ ツ く な り 、運 動 や ス ポ ー ツ を し な く
なったという理由が挙げられた。
以 上 の こ と か ら 、年 齢 が 上 が る に し た が っ て 、健 康 に な る た め に 意 識 す る こ と と し て 、食 事
に 気 を 遣 う よ う に は な っ て き た が 、運 動 は 年 齢 が 上 が る に つ れ て 、体 力 的 に き つ く な る の で や
ら な く な る と い う こ と が わ か る 。こ れ は 、
「健康行動の中で一番行動が伴っていないのは運動」
と い う 統 計 的 調 査 の 仮 説 の 行 動 に 移 せ な い 理 由 と し て 、年 齢 が 高 い 人 に は あ て は ま る な の で は
な い か と 思 う 。つ ま り 、運 動 の よ う に 、年 齢 が 高 い 人 は 体 力 的 に や り た く て も 身 体 が 動 か な い
人 も い る だ ろ う し 、逆 に 若 い 人 は 仕 事 が 忙 し く て で き な い と い う 理 由 が 原 因 と し て あ る の で は
な い か と い う こ と で あ る 。こ の よ う に 、健 康 に な る た め に 重 視 し て い る 行 動 は 何 か 、ま た 行 動
に 移 せ て い な い の な ら 、ど の よ う な 理 由 で 行 動 に 移 せ て い な い の か と い う こ と を 今 後 、年 齢 別
や 健 康 的 な 生 活 を 送 る た め に 重 視 し て い る 行 動 に 分 け て 検 証 し て い く 必 要 が あ る と 思 う 。ま た 、
同 じ 世 代 な ど で は 似 た よ う な 考 え 方 を 持 つ 人 が い る だ ろ う し 、年 齢 に よ っ て 行 動 に 移 せ な い 理
由 が 変 化 し 、多 様 に な っ て く る の で は な い か と 思 う 。今 回 の 聞 き 取 り 調 査 か ら 、健 康 的 な 生 活
を 送 る た め に し て い る 行 動 や 、行 動 で き な い 理 由 が 、年 齢 に よ っ て 異 な っ て く る の で は な い か
ということがわかった。
173
5 章 ・4
1
年齢・健康作りへの積極性・健康向上心・健康不安の 4 つの関係
A52084 後 藤 康 之
テーマ
ど の よ う な 視 点 を 持 っ て 「 健 康 」「 不 健 康 」 を 判 断 す る の か
2
調査対象(対象者プロフィール)
祖 母 の 友 人 の H さ ん は 、 1942 年 生 ま れ の 65 歳 。広 島 県 出 身 。姉 が 2 人 い た 。 3 歳 の と き に
被 爆 。 間 も な く 2 人 の 姉 は 亡 く な っ た 。 20 歳 の 時 に 結 婚 し 、 1 男 1 女 を 儲 け る 。 当 時 と し て
は珍しく共働きで、家事 ・育児などは分担 。5 年前に退職し、夫とともに 息子夫婦の住んでい
る 千 葉 市 稲 毛 区 に 移 り 住 む 。夫 は 既 に 他 界 。休 日 は 近 所 の 子 供 た ち に 昔 の 遊 び を 教 え 、愛 車 で
遠出している。平日は生け花教室を開いている。
3
調査日時・場所
10 月 27 日 ( 土 ) の 11 時 ~ 12 時 30 分 に 稲 毛 公 園 で 実 施 し た 。
4
調査方法
自由面接法
5
調査結果
H さ ん 自 身 体 が 弱 い 上 に 、若 い 頃 は 夫 に 対 し て「 被 爆 者 で あ る こ と を 隠 す 」為 、健 康 管 理 を
常 に 怠 ら な か っ た 。食 事 の 献 立 も 考 慮 し 、な ん と 献 立 表 ま で 作 成 し て い た 。そ れ を 見 て 私 が「 細
か な 気 遣 い で す ね 」と 感 嘆 す る と 、H さ ん は 答 え て 、「 私 の 場 合 は い く ら 健 康 診 断 に 行 っ た 所
で 、又 食 生 活 に 気 を 使 っ た と こ ろ で ど う に か な る よ う な も の で は な い け ど 、そ れ で も 何 か し な
い と 居 て も 立 っ て も い ら れ な か っ た 。」一 人 で じ っ と 考 え 事 を し て い る と 、白 血 病 に よ り 死 ん
で い っ た 2 人 の 姉 の 姿 が 浮 か ん で く る と い う 。H さ ん は そ れ を 少 し で も 長 く 忘 れ 去 る た め に 当
時 と し て は 珍 し く 仕 事 を し て 、常 に 何 か を や る ・気 遣 う・考 え る こ と に よ っ て そ の 不 安 か ら 逃
れ て い た 。で も 、勿 論 完 全 に 逃 れ る こ と は 出 来 ず 、時 に は 不 安 が 襲 っ て く る こ と も あ る 。そ れ
は 昔 も そ う で あ っ た が 、こ こ で H さ ん が 昔 と 違 う の は 、不 安 の 襲 っ て く る 頻 度・不 安 の 程 度 で
あ る 。H さ ん 曰 く 、不 安 は 昔 よ り 大 き く な っ て い る と い う こ と だ 。何 故 か と 問 う と 、「 人 間 は
加 齢 と と も に 抵 抗 力 は 衰 え る 。そ し て 抵 抗 力 が 落 ち る と い う こ と は 、病 気 に か か る 確 率 が 高 く
な る と い う こ と 。そ れ に 比 例 し て 、不 安 も 大 き く な る 。」と 返 し て き た 。最 後 に 、「 あ な た は
自 分 が 健 康 だ と 思 い ま す か 。」と 聞 い て み た 。 以 外 に も H さ ん は「 は い 」と 答 え て き た 。私 が
首 を か し げ て い る と 、「 確 か に ほ か の 人 か ら 見 れ ば 私 は 健 康 と は い え な い 。で は 被 爆 者 は 不 健
康かというと、私はそう思わない。被爆者の中にも自分でお金を得て生活している人もいる。
そ う い う 人 た ち と 被 爆 し て な い 人 た ち を 見 比 べ て も 健 康 の 優 劣 な ん て つ け ら れ な い 。私 は 被 爆
し た お か げ で 自 分 の 健 康 に つ い て 深 く 考 え る こ と が 出 来 る よ う に な っ た 。だ か ら こ の 年 ま で 生
き ら れ た と 思 う 。」さ ら に H さ ん は「 健 康 に な る た め に は ま ず は 不 健 康 に な ら な い と 。一 生 健
康 な 人 に 健 康 と い う こ と の 意 味 は 分 か ら な い 。不 健 康 に な っ て 、不 安 を も っ て 初 め て 自 分 の 身
体 と 向 き 合 え る し 、そ こ か ら も っ と 健 康 に な ろ う と い う 向 上 心 も 生 ま れ る 。不 安 な く し て 向 上
心は生まれない。真の健康への第一歩は不健康になることじゃないかと思う。」と言った。
6
知見
H さ ん が 自 ら を「 健 康 だ 」と 言 い 切 っ た 時 、始 め は 理 解 に 苦 し ん だ が 、そ れ は 私 が 彼 女 を「 こ
の 人 は 被 爆 者 」と い う 目 で 見 て い た か ら だ 。「 確 か に 彼 女 は 被 爆 者 だ が 、毎 日 を 楽 し く 過 ご し
て い る し 、日 々 の 生 活 に 不 自 由 も し て い な い 。健 康 と 言 わ れ れ ば 健 康 だ 」と 理 解 し た 。私 は 始
め H さ ん を「 不 健 康 」と 勝 手 に 見 な し た が 、最 後 は「 健 康 」と 理 解 し た 。人 が 健 康 か 不 健 康 か
は 見 る 側 の 主 観 に よ る の で は な い か と 思 っ た 。考 え て み れ ば H さ ん が「 私 は 健 康 だ 」と 言 っ た
の も H さ ん 自 身 の 主 観 に よ る も の だ し 、イ ン タ ビ ュ ー 前 に 私 が 持 っ て い た「 H さ ん は 不 健 康 だ 」
と い う 考 え も イ ン タ ビ ュ ー 後 に 持 っ た「 H さ ん は 健 康 か も 」と い う 考 え も 、私 の 主 観 に よ っ て
決 め ら れ て い る 。さ ら に 、医 者 の 診 察 も 医 師 の 主 観 が 少 な か ら ず 入 っ て い る 。私 は 、健 康 か 不
健康かは客観的視点ではなく、主観的視点によって決められるという見解に至った。
174
5 章・5
情報番組と日常行動の関連
A52129
岡本
愛
1.調査テーマ
どんな時情報番組に影響された行動をとるのか
2.調査対象
稲 毛 海 岸 に 在 住 の 53 歳 女 性 で 、 会 社 員 の パ ー ト ナ ー と 専 門 学 校 に 通 う 長 男 の 3 人 暮 ら し 。
飲 食 店 で 10 時 か ら 15 時 ま で 週 に 4 日 程 厨 房 で パ ー ト タ イ マ ー と し て 働 い て い る 。
3.調査日時・場所
平 成 19 年 11 月 5 日 の 16 時 ~ 17 時 の 間 で 、 私 と 対 象 者 の 共 通 の ア ル バ イ ト 先 で 行 っ た 。
4.調査方法
自由面接法
5.知見・思考
テレビはつけているが常に何か作業をしながら見ているのでテレビはつけているが集中は
し て 見 て は な い 。チ ャ ン ネ ル を 回 し て 面 白 そ う な も の を 見 て い て 、そ の 中 に 役 立 ち そ う な 情 報
番 組 が や っ て い た ら そ れ を 見 て い る 事 が 多 く 特 に こ だ わ り は な い 。洗 濯 や 料 理 な ど 、家 事 を し
て い る と き は TV を 消 し て ラ ジ オ を つ け て い る 。 こ れ は 私 の 予 想 だ が 、 具 体 的 な 番 組 名 は 答 え
て い な か っ た が 、対 象 者 の 生 活 ス タ イ ル か ら す る と 情 報 番 組 を 見 る 時 間 帯 は だ い た い 夜 な の で 、
夜 の 番 組 を 見 て い る の で は な い か と 思 う 。真 新 し い 加 工 さ れ て い な い 食 品 が で て い た ら 見 る か
も し れ な い 。自 分 の 健 康 意 識 は 若 か っ た 時 か ら 高 い と 思 う 。有 機 野 菜 や 無 農 薬 野 菜 を 買 う よ う
に し て い る 。味 噌 汁 の ダ シ も 煮 干 し で と っ て い て 、味 の 素 な ど は 絶 対 に 使 わ な い 、子 供 が 幼 稚
園 の 時 と 高 校 生 の 時 の 弁 当 に も 冷 凍 食 品 は 入 れ な い な ど 徹 底 し た 健 康 志 向 の よ う だ 。そ の 後 結
婚 し て か ら 、子 ど も も 生 ま れ 自 分 が 調 理 す る 立 場 に な っ て も 食 に 対 し て 気 を 遣 う 事 は 変 わ っ て
い な い 。日 々 の 家 事 、仕 事 、生 活 で 運 動 に な っ て い て 疲 れ て い る か ら 特 別 運 動 し た い と 思 わ な
いが周りに迷惑かけない程度の体力はつけて健康でいたいとは思っている。
ま た 、 仲 の 良 い 人 と は お 互 い の 家 族 の 健 康 状 態 の 情 報 を 交 換 す る 。 友 人 が 単 に TV で 見 た と
言っている商品や運動は半信半疑だが、
「 あ れ 食 べ る と 良 く な っ た 」と か「 こ う や る と 効 く よ 」
な ど 、 TV を 見 た 友 人 の 体 験 や 医 者 の 言 葉 は 信 じ て 実 践 し よ う と し て い る 。 若 い 時 は TV で 紹
介 さ れ て い る 目 新 し い も の を 購 入 し た り も し て い た ら し い が 、ね つ 造 事 件 や 食 の 安 全 性 が 問 わ
れ て い る 今 や は り 自 分 の 周 り か ら の 情 報 や 昔 か ら あ る 情 報 の ほ う が 信 憑 性 が あ る よ う だ 。昔 か
ら あ る 食 品 、野 菜 や 果 物 、豆 腐 や 乳 製 品 は 基 本 信 用 し て い て 親 か ら 、地 域 か ら 、授 業 か ら 学 ん
だ 昔 の 慣 習 で 良 い モ ノ を 信 じ て い る 。 科 学 、 医 学 的 に 発 展 し て い る 今 の 時 代 、 20 年 前 に 解 ら
な か っ た 事 が わ か る 世 の 中 だ か ら 医 学 的 根 拠 が 紹 介 さ れ て い る モ ノ が TV で や っ て い た ら 試 す
た め に 買 い に 行 く こ と が あ る な ど 、新 し い も の を 全 否 定 す る こ と は な い よ う だ 。ま た 、ダ イ エ
ッ ト を 促 進 す る よ う な 食 品 を 購 入 し た こ と が あ る よ う だ っ た が 、元 々 や せ 形 で 貧 血 気 味 と い う
のもあり、意識してダイエットした事はない。
協 力 者 の 健 康 意 識 も 高 か っ た か ら か 、か な り 食 の 安 全 性 や 健 康 に 気 を つ か っ て い る 事 が わ か
る 。調 査 対 象 者 は 明 ら か に く だ ら な い 番 組 は 見 な い と 言 っ て い た が 、今 の 情 報 番 組 ま じ め で 固
い も の よ り も バ ラ エ テ ィ 的 な 要 素 を 踏 ま え た 番 組 が ほ と ん ど だ と 思 っ た の だ が 、そ の 境 界 線 は
視 聴 者 の 主 観 で 違 っ て く る の だ ろ う 。情 報 番 組 は あ ま り み な い よ う だ っ た が 、人 伝 え や ス ー パ
ー な ど 、ど こ か で 情 報 を 集 め 、結 局 1 度 は 健 康 に よ い と い わ れ て い る も の を 買 っ て い た 。し か
し ス ー パ ー な ど で 健 康 に 良 い と お す す め さ れ て い る も の も「 ~ の 番 組 で 紹 介 さ せ ま し た 」な ど
と 出 て い る ケ ー ス も 少 な く な い だ ろ う 。そ う 思 う と 間 接 的 に で も 、や は り 情 報 番 組 の 影 響 が あ
ると感じた。
今 回 私 が た て た 仮 説 の ひ と つ に「 年 齢 が 高 い 人 ほ ど 情 報 番 組 に 影 響 さ れ た 行 動 を と る 」と あ
る が 、ク ロ ス 集 計 の 分 析 で の 結 果 、情 報 番 組 で 紹 介 さ れ た 食 品 や 商 品 の 購 入 、調 理 法 や ダ イ エ
ッ ト 行 動 の 実 行 で は 、調 理 法 や ダ イ エ ッ ト 行 動 の 実 行 の み 何 ら か の 関 連 が あ る だ ろ う と い う 結
果 が 出 た 。し か し 今 回 こ の 事 例 調 査 を し た う え で 、や は り 健 康 意 識 が 高 い 人 は そ の 分 健 康 に つ
い て 考 え て い る 時 間 も 多 く 、子 ど も の 将 来 を 考 え る な ど 長 い ス パ ン で 物 事 を 考 え 、そ の 場 限 り
の知識としてではない「健康の意識」という事をとらえていると感じた。
175
5 章・6
A52072
健康行動と食生活の関連
三橋彩美
1
テーマ
最 近 、生 活 習 慣 病 と い う 言 葉 を よ く 耳 に す る 。ま た 、生 活 習 慣 病 の 予 防 に は 、日 頃 の 食 生 活
が 重 要 だ と い う こ と が 言 わ れ て き て い る 。 そ こ で 私 は 生 活 習 慣 病 に 着 目 し 、「 健 康 的 な 生 活 行
動 を し て い る 人 は 、食 生 活 に 気 を 遣 っ て い る 」と い う 仮 説 を 立 て 、健 康 と 食 事 の 関 連 を 見 て い
きたいと考えた。
2
調査対象(対象者プロフィール)
千 葉 市 緑 区 に 住 む 48 歳 女 性 。 既 婚 。 夫 ・ 娘 ・ 息 子 と 住 ん で い る 。 パ ー ト を し て お り 、 平 均
週 4 日、1 日 4 時間働いている。
3
調査日時・場所
2007 年 11 月 11 日 (日 )・ 千 葉 市 緑 区 の 対 象 者 の 自 宅
4
調査方法
自由面接法
5 知見・考察
今回のテーマにそって対象者に普段の生活と食生活についてうかがってみた。
対象者は、健康のために食生活や睡眠に気を遣って生活していると教えてくれた。しかし、
睡 眠 は 充 分 に と れ て い な い の が 現 状 だ と お っ し ゃ っ て い た 。食 生 活 は 気 を つ け て い る ほ う だ と
思っていて、健康でいるためには毎日の食事が大切だと思っているそうだ。
運 動 は テ レ ビ な ど で 紹 介 さ れ て い る 、家 で 簡 単 に で き る も の な ら 実 践 し て い る と お っ し ゃ っ
て い た 。ウ ォ ー キ ン グ や ジ ム は 行 き た い と 思 っ て い る の だ が 、実 際 パ ー ト や 家 事 が あ る と 行 く
時 間 は と れ な い と 話 し て く だ さ っ た 。自 分 の 健 康 は 自 分 で 管 理 し て い る が 、最 近 疲 れ や す く な
ってきたと少し表情を曇らせていた。しかし、今まで特に大きな病気をしたことがないので、
このまま大きな病気をせずに生きていけたら良いと考えているそうだ。
普 段 の 食 生 活 で は 栄 養 バ ラ ン ス を 考 え 、野 菜 を 多 く 摂 る よ う に し て い る と 教 え て く れ た 。そ
の 際 お 味 噌 汁 な ど を う ま く 利 用 し 、た く さ ん 野 菜 を 摂 れ る よ う に 工 夫 し て い る そ う だ 。塩 分 は
特 に 気 に し て い て 、料 理 は 塩 を あ ま り 使 わ な い で 、他 の 調 味 料 を う ま く 使 っ て 味 付 け し て い る
と い う 。 油 分 と 糖 分 は あ ま り 気 に し て い な い と の こ と だ 。 ジ ュ ー ス は 100% の も の を 選 ぶ よ う
に し て い て 、お 酒 は め っ た に 飲 ま な い と お っ し ゃ っ て い た 。ま た 、食 事 の 際 カ ロ リ ー は 特 に 考
え な い と の こ と だ 。好 き 嫌 い に 関 し て は 、小 さ い 頃 か ら 好 き 嫌 い を し な い よ う に 育 て ら れ た の
で 、今 も ほ と ん ど な い そ う だ 。結 婚 し て か ら は 、夫 や 子 ど も の 健 康 も 考 え て 料 理 を し て い る と
教 え て く れ た 。食 事 は な る べ く 手 作 り を 心 が け 、お 惣 菜 な ど は お か ず を 一 品 追 加 す る と き に 買
っ て い る 程 度 。食 事 の 時 間 は ほ ぼ 決 ま っ て い る が 、パ ー ト を 始 め て か ら 夕 食 の 時 間 が 遅 く な っ
た こ と が 気 に な っ て い る と 教 え て く れ た 。食 生 活 に は 気 を 遣 っ て い る つ も り な の で 、今 の 食 事
をこれからも続けていくつもりだとおっしゃっていた。
「 健 康 的 な 生 活 行 動 を し て い る 人 は 、食 生 活 に 気 を 遣 っ て い る 」と い う 仮 説 に 関 し て 考 え て
み る と 、対 象 者 は 食 生 活 に は と て も 気 を 遣 っ て い る よ う だ 。具 体 的 に 野 菜 を 多 く と れ る メ ニ ュ
ー に し た り 、毎 朝 果 物 を 食 べ る な ど 簡 単 な こ と か ら 始 め て い る よ う だ 。ま た 、コ ン ビ ニ 弁 当 や
外 食 は ほ と ん ど な い と い う 。し か し 、そ の 反 面 、健 康 的 な 生 活 行 動 は あ ま り で き て い な い よ う
だ 。今 は ゆ っ く り 寝 る 時 間 が 欲 し い と い う 。健 康 的 な 生 活 行 動 が で き な い 理 由 と し て 時 間 が な
いことが大きな原因となっているようだった。
今 回 の 対 象 者 は 48 歳 の 女 性 で 、 夫 と 子 ど も が い る た め 自 分 だ け で な く 、 家 族 の こ と を 考 え
て 食 事 を し て い る と 考 え ら れ る 。対 象 者 自 身 、小 さ い 頃 か ら 食 生 活 に 関 し て は 、気 を つ け る よ
う に 育 て ら れ て き た の で 、自 分 の 子 ど も に も 気 を つ け る よ う に と 毎 日 の 食 事 を 通 し て 教 え て い
るのだと思った。
こ の 調 査 を 通 し て 、健 康 的 な 生 活 行 動 が で き な い ぶ ん 、せ め て 食 生 活 だ け は 気 を つ け よ う と
考えている主婦の方がいるという事例がわかった。
176
5章・7
1. テ ー マ
女性の年齢と健康重視点の関係
A52006
奥田桃子
女性の健康重視点の変化について
2. 調 査 対 象
調査対象者
千 葉 市 中 央 区 在 住 、 57 歳 、 女 性 (親 戚 )、 主 婦
3. 調 査 日 時 ・ 場 所
平 成 19 年 10 月 28 日 午 後 1 時 ~ 6 時 。 対 象 者 の 自 宅 に て
アポイントメントの取り方
直接電話で交渉。
4. 面 接 方 法
自由面接法
5. 各 健 康 重 視 点 に 対 す る 意 識 を 聞 き 取 っ た 中 か ら 、 年 代 別 に 知 見 ・ 考 察 す る 。
1)食 に 対 す る 知 識 ・ 意 識
幼 少 期 か ら 母 親 の 料 理 の 手 伝 い 、 見 な が ら 学 ぶ 。 高 校 (家 政 科 )で の 授 業 と し て 学 ぶ
→旬の食材を食べることを意識するようになった。
2)運 動 に 対 す る 知 識 ・ 意 識
自 然 に 学 生 時 代 に 運 動 部 に 入 部 (運 動 が 好 き )現 在 ヨ ガ を 続 け て い る こ と に 関 し て 父 親 が 亡 く
な っ た 時 の ス ト レ ス (医 師 に 診 断 さ れ た )に よ っ て 精 神 的 に 病 み 、 そ の 改 善 の 一 環 と し て 行 い 始
める。3 年経って身体に良いことだと感じ、続けることに。
3)人 間 関 係 に 対 す る 知 識 ・ 意 識
幼 少 期 ・ 育 っ た 環 境 (4 人 姉 妹 の 次 女 )で 自 分 の 他 に 両 親 の 手 伝 い を し な か っ た 。
→ 物 分 り の 良 い 子 に な る 。意 識 と し て は 、そ う い う 人 も い る の だ 。嫌 な こ と が あ っ て も 自 分 の
中 に 溜 め 込 む 。友 人 関 係 の 中 で は 、対 象 者 は 中 心 的 な タ イ プ で 相 手 の こ と を 考 え ら れ る 、目 的
達成を考え相手に合わせることが出来る。
4)睡 眠 に 対 す る 知 識 ・ 意 識
睡眠に関しては、対象者への聞き取りでは残念ながら変化、意識は見えてこなかった。
<考察>
今 回 、私 は 年 齢 と 健 康 の 重 視 点 の 変 化 に つ い て 調 べ た い と 考 え た の で 、対 象 者 か ら は ラ イ フ
ヒストリーを聞き取ることにした。
彼 女 か ら 聞 き 取 り 調 査 を 行 っ て 感 じ た こ と は 、「 食 」 と い う 事 の へ の 執 着 で あ っ た 。 彼 女 の
人 生 の 転 機 、 主 に 就 業 に 着 く と き (彼 女 の 場 合 は 結 婚 す る ま で に 2 回 転 職 し て い る が )に は 必 ず
「 食 」の 話 が 出 て き た 。会 社 の 食 堂 の 味 が 合 わ ず に 辞 め た こ と 、転 職 す る 間 に 居 候 宅 近 く で 食
べ て い た ご 飯 の こ と 。 ま た 新 た に 就 職 し た 寮 生 活 で の 自 炊 に 関 す る 話 な ど 。「 食 」 に 左 右 さ れ
ながら人生を送ってきたと感じられた。
そ れ ら は 全 て 幼 少 期 の 食 事 に 由 来 す る 。 彼 女 の 幼 少 期 (昭 和 52 年 生 ま れ )は 東 北 地 方 と い う
こ と も あ り 物 が あ ま り な い 時 代 だ っ た 。ま た 、年 中 野 菜・ 魚 が 取 れ る は ず も な い の だ か ら 、旬
の 野 菜・魚 な ど し か 食 卓 に は 出 て こ な い 。そ う い っ た 時 代 に 幼 少 期 を 過 ご し 、食 事 を し て い た
彼 女 に と っ て は「 食 」と い う 意 識 は と て も 高 い と い え る 。ま た 、人 間 関 係 に お い て は 、常 に 彼
女 自 身 が 内 に 溜 め て し ま う 傾 向 に あ っ た よ う だ が 、そ れ を ス ト レ ス と 感 じ た こ と は な か っ た そ
う だ 。 他 者 に 対 し て し て あ げ ら れ な か っ た こ と に 関 し て 自 分 を 責 め 、 ス ト レ ス (精 神 的 に 病 ん
で し ま う 時 期 )を 感 じ た こ と は あ っ た よ う だ 。 そ れ は 一 時 の 出 来 事 で 、 現 在 ま で に ス ト レ ス を
感 じ た こ と は や は り そ れ っ き り な い そ う だ (本 人 が 感 じ て い な い だ け な の か も し れ な い 。 )
運動はストレスに気がついた 時に始めたヨガ が、3 年続けて「なんだか 身体にいいかもしれ
な い 。」と 感 じ 続 け て い る 。対 象 者 は 、「 食 事 」 が 身 体 を 作 り 、何 事 も 身 体 が 一 番 、 身 体 を 作 る
「 食 事 」は 何 よ り も 大 切 だ と 話 し て く れ た 。健 康 を 重 視 す る 、決 め て と な る も の は 自 身 の 置 か
れ て い る 立 場・ 役 割 、ま た 、育 っ た 環 境 や 、考 え 方 も 影 響 し て い く と い う こ と が 今 回 の 調 査 で
明らかになった。
177
5 章・8
年 齢・配 偶 者 関 係・子 ど も の 有 無 と ダ イ エ ッ ト
A 52104 上 杉 ち あ き
1.テーマ
小 さ な 子 ど も が い る 女 性 は 、子 ど も の 成 長 、健 康 の 事 を 考 え た 食 事 作 り を し 、自 分 の ダ イ エ
ットにも取り入れているのではないかと考え調査を行った。
2.調査対象(対象者プロフィール)
稲 毛 区 在 住 の 小 学 生 2 人 の 子 ど も と 主 人 と 4 人 で 暮 ら す 30 代 女 性
3.調査日時・場所
平 成 19 年 11 月 6 日 ・ 調 査 対 象 者 の 自 宅 ( 稲 毛 区 )
4.調査方法
自由面接法
5.知見・考察
私 は 、小 さ な 子 ど も と 暮 ら し て い る 女 性 は 育 ち 盛 り の 子 ど も の 事 を 考 え た 食 事 を 作 り 、バ ラ
ンスや健康のことを考え作られた食事を自分のダイエットに取り入れているのではないかと
考 え 仮 説 を 立 て た 。今 回 事 例 研 究 に 協 力 し て く れ た 女 性 は 、夏 が 近 づ き 薄 着 に な る た め に 痩 せ
ようと思い、今年の春に食事制限のダイエットをし、3キロ落とすことに成功した。しかし、
今 回 の ダ イ エ ッ ト で は 自 分 だ け 家 族 と は 違 っ た 食 事 を 摂 っ て い た の だ が 、家 族 皆 で 食 事 を し て
い る の に 自 分 だ け 違 っ た メ ニ ュ ー を 摂 る の は あ ま り 良 く な い 事 、子 ど も が 残 し た り し て 余 っ た
物 を 食 べ て し ま う 事 で 、普 段 の 食 生 活 を ダ イ エ ッ ト に 取 り 入 れ る こ と は あ ま り 効 果 的 で は な か
ったと笑いながら話してくれた。
普 段 の 食 生 活 で は 成 長 期 の 子 ど も や 夫 の 事 を 考 え 、栄 養 が 偏 っ て し ま わ な い よ う に バ ラ ン ス
を 考 え た 食 事 を 作 っ て い る 事 が 分 か っ た 。カ ロ リ ー な ど 計 算 し な が ら 作 っ て い る の か 聞 い た と
こ ろ 、昼 間 は パ ー ト で 、帰 っ て き た ら す ぐ 家 事 や 食 事 の 準 備 を し な く て は い け な く 、カ ロ リ ー
を計算しながら食事を作ることは時間も無く、面倒なためやっていないと答えてくれた。
若 い 頃 は 食 事 を 抜 い た り 、ダ イ エ ッ ト に 良 い と 言 わ れ た も の だ け を 食 べ る な ど 、体 に 悪 い ダ
イ エ ッ ト を し て い た が 、当 時 は 健 康 に つ い て の 不 安 も 無 い た め 、短 期 間 で 痩 せ る 食 事 を 抜 く な
ど の ダ イ エ ッ ト を よ く し て い た よ う だ 。し か し 、す ぐ に 食 べ 物 の 誘 惑 に 負 け て し ま い 、長 く は
続 か な か っ た と 話 し て く れ た 。運 動 に つ い て も 、す ぐ に 面 倒 に な っ て し ま い 続 け る 事 は 出 来 な
か っ た と 話 し て く れ た 。今 よ く し て い る ダ イ エ ッ ト 方 法 は ウ コ ン や カ ス ピ 海 ヨ ー グ ル ト な ど の
健 康 食 品 な ど で ダ イ エ ッ ト な ど で あ る 。 2 人 目 の 子 ど も が 生 ま れ て か ら 、腰 な ど に 贅 肉 が 付 き
や す く な り 、体 重 が 減 り に く く 、ち ょ っ と し た 事 で す ぐ に 疲 れ る よ う に な っ て し ま っ た と い う 。
そ の た め 、将 来 の 健 康 の 不 安 も あ る た め 、健 康 に 痩 せ ら れ る ダ イ エ ッ ト 法 を 実 践 す る よ う に な
ってきたようである。
運 動 に つ い て は 家 事 や パ ー ト で あ ま り 時 間 が 無 く 、ダ イ エ ッ ト の 際 に 運 動 を す る 事 は 無 い が 、
自 分 の 体 力 の 落 ち が 早 く な っ た 事 を 気 に し 、仕 事 の 行 き 帰 り は 歩 く よ う に し て い る と 話 し て く
れ た 。し か し 、車 で の 移 動 が 多 い た め 、車 を 使 う こ と に 慣 れ て し ま い 、近 く の コ ン ビ ニ に 行 く
に も つ い つ い 車 を 使 っ て し ま う 事 が 多 い 。歩 か な く て は い け な い と は 思 う が 、車 で の 移 動 だ と
短時間ですみ、楽なため近い場所に行くにも車で移動してしまうと話してくれた。
今 回 の 調 査 か ら 、子 ど も や 夫 の た め に バ ラ ン ス の 摂 れ た 食 生 活 を 心 が け て い る と い う 点 で は
明 ら か に で き た の で は な い か と 思 う が 、そ の 食 生 活 を 自 分 の ダ イ エ ッ ト に 取 り 入 れ て 痩 せ る と
言 う こ と は 難 し い と い う 事 が 分 か っ た 。パ ー ト な ど に 出 て 働 い て い る 女 性 は 食 事 に 手 を か け ら
れ る 時 間 も 少 な く 、自 分 だ け の メ ニ ュ ー を 作 っ た り す る の も 手 間 が か か る こ と で あ る 。し か し 、
健 康 に 痩 せ た い と い う 思 い が あ り 、「 健 康 に 痩 せ ら れ る 」 と い っ た ダ イ エ ッ ト 食 品 や 健 康 食 品
などの情報を知人やテレビなどから収集して自分のダイエットに取り入れていることが分か
っ た 。こ の こ と か ら 、普 段 の 食 生 活 を ダ イ エ ッ ト に 取 り 入 れ る こ と は な い が 、家 族 の 事 を 考 え
た 食 事 作 り を 心 が け て お り 、自 分 の 健 康 の 事 を 考 え た 健 康 食 品 、ダ イ エ ッ ト 食 品 な ど を 使 用 し
てダイエットをしており、私の立てた仮説の一部が明らかにできたと考える。
178
5章・9
年齢・就労形態とストレスの原因と関連について
A52171 山 上 尚 登
1.
テーマ
ストレスについて
2.調査対象(対象者プロフィール)
千 葉 市 中 央 区 に 在 住 (一 人 暮 ら し )の 23 歳 の 未 婚 女 性 、 A さ ん 。
今 年 、 大 学 を 卒 業 し 現 在 は ア パ レ ル 業 界 で シ ョ ッ プ 店 員 (正 社 員 )と し て 勤 務 。
大学時代はアルバイトで 4 年間、アパレル関係の職場で販売・接客をしていた。
3.調査日時・場所
平 成 19 年 11 月 11 日 午 後 10 時 頃 。 フ ァ ミ リ ー レ ス ト ラ ン
4.調査方法
自由面接法
5.知見・考察
A さんが感じる職場でのストレスは、半年に 1 度いろいろなお店のスタッフが集まり、
お客さん役と店員役とに分かれて接客のシミュレーションを行い、それを上司に評価され
ることである。なぜなら、このシミュレーションは周りで多くのスタッフや上司が見てい
る状況で自分の接客をしなければならないためプレッシャーとなりストレスを感じる。A
さんは大学時代にアルバイトで 4 年間、アパレル関係の職場で販売・接客をしていた経験
がある。しかし、接客のシミュレーションを行い、それを上司に評価されるということは
アルバイトでは無かった。そのため、アルバイトつまり非正規雇用者として働くことと現
在、正規雇用者として働くこととでは、明らかに現在、正規雇用者として働くことの方が
より多くのことを会社に求められ大変だ。また、ストレスもアルバイトで接客・販売の仕
事をしていた時よりも大きい。
次 に 、A さ ん の 職 場 で の 不 満 は 、誰 で も 正 社 員 に な れ る こ と で あ る 。な ぜ な ら 、A さ ん の
会社では、ある期間働けば誰でも希望すれば正社員になることができる。そのため、A さ
んが就職活動を必死に行ったことが馬鹿馬鹿しく思えるからだ。
また、日本の社会や企業の中では未だに女性に対する差別や偏見が根強く残っているこ
と か ら 、A さ ん の 会 社 で も 女 性 社 員 に 対 す る 差 別 や 偏 見 が 存 在 す る の か を 聞 い た 。し か し 、
A さんの会社では女性社員に対する差別や偏見は無く、むしろ女性社員にとっては働きや
すい職場環境にあるという。なぜなら、A さんの会社において社員の多くは女性であるこ
とから、育児休暇制度など会社の制度がしっかりしているからだ。
そして、A さんの社会人になってからの飲酒量は、仕事帰りにコンビニで缶ビールを買
い自宅でお酒を一人で飲むことや、職場の人とお酒を飲みに行くこともあり飲酒量は増え
た。
また、A さんの社会人になってからの喫煙の量は、仕事の休憩中と駅のホームそして家
での喫煙量が増えた。また、仕事のストレスなどがあるときには 1 日に 1 箱程度のタバコ
を吸うこともある。
このことから、社会人になり A さんの飲酒と喫煙の量は増えたことがわかった。
以上のことから、働くことは、上司の評価や同僚と競うことそして忙しさによって、大
きなストレスを引き起こすと考えられる。特に、アルバイトなどの非正規雇用者として働
くことよりも正規雇用者として働くことの方が仕事でのストレスは大きいようだ。
また、日本の社会や企業の中では未だに女性に対する差別や偏見が根強く残ってはいる
が、女性社員が中心となっている企業では女性社員に対する差別や偏見は無いようだ。
さらに、ストレスは飲酒・喫煙量が増える原因となることがわかった。つまり、ストレ
スは飲酒者または喫煙者に対して悪影響はもたらす可能性がある。
最 後 に、今 回 、仕 事 等 で忙 しいところを、私 の事 例 調 査 のために時 間 を作 ってくださった A さんに
は、心 から感 謝 しています。
179
5 章 ・ 10
健康意識と医療サービスの利用
1
テーマ
健康意識と医療についてどのような関連があるか
2
調査対象(対象者プロフィール)
A さ ん 千 葉 市 花 見 川 区 在 住 , 22 歳
3
学生
A42802
原 栄理
女性
調査日時・場所
東 京 都 新 宿 区 に て 2007 年 11 月 9 日 17 時 30 分 ご ろ 聴 き 取 り 調 査 を 行 っ た .
4 調査方法
自由面接法によって行った.
5 知見・考察
知見
調 査 対 象 者 の A さ ん に と っ て ,健 康 は 肉 体 的 な 良 し 悪 し よ り 精 神 的 な 良 し 悪 し の 方 が ,よ り
ウ ェ イ ト が あ る と 考 え て い る .つ ま り A さ ん に と っ て 健 康 と は ,精 神 的 な 主 観 か ら 判 断 さ れ る
も の で あ り ,健 康 に 影 響 を 及 ぼ す も の と し て ス ト レ ス や 余 暇・ レ ジ ャ ー( 自 分 の 時 間 )と い う
精神的なものについてあげている.
か か り つ け 医 と い え ば ,家 族 で 近 隣 の 診 療 所 の 医 師 に か か る と い う 形 が 主 で あ る が ,今 回 の
調 査 で は ,か か り つ け 医 は 家 族 単 位 で は な く 個 人 で ,し か も 近 隣 で は な く 少 し 遠 方 で も ,自 分
に 合 っ た か か り つ け 医 を 利 用 す る と い う 事 例 が 示 さ れ た .ま た A さ ん は 安 易 な 救 急 車 利 用 の 原
因 と し て ,地 域 医 療 の 現 状 を 把 握 で き て い な い た め に ,手 っ 取 り 早 く 救 急 車 を 頼 っ て し ま う の
ではないかと言及していた.
テ ー マ の「 健 康 意 識 と 医 療 に つ い て ど の よ う な 関 連 が あ る か 」に つ い て ,A さ ん の 健 康 意 識
は 医 療 と 積 極 的 に 関 わ る も の で は な か っ た .し か し ,A さ ん に と っ て の 健 康 は 精 神 的 な 主 観 か
ら 判 断 さ れ る も の で あ る .同 時 に ,医 師 の 対 応 も た だ 患 部 の 治 療 を す る だ け で な く ,患 者 の 話
を よ く 聴 い て ,そ の 人 自 身 の ケ ア を し て も ら い た い と 考 え て い る .A さ ん の 健 康 が 精 神 的 な も
の で あ る こ と か ら ,医 師 の 対 応 も 肉 体 的 な 治 癒 だ け で な く 精 神 的 な も の で も あ る べ き だ ,と 考
え て い る の で は な い か と 考 え ら れ る .そ の た め に ,近 く に い る 不 特 定 の 医 師 よ り ,遠 く に い る
特 定 の 医 師 を か か り つ け 医 と し て ,心 身 と も に 診 察 し て も ら い た い と 思 っ て い る と い う こ と で
ある.
考察
調査の結果は,2 つの点を指摘する.1 つは,かかりつけ医への信頼は絶大であるが,その
絶 大 な 信 頼 の 対 象 は 自 ら 求 め な け れ ば な ら な い と い う こ と .も う 1 つ は ,医 療 サ ー ビ ス と は あ
く ま で 非 常 時 ,非 日 常 の も の で あ り ,必 要 な 時 に 必 要 な 分 だ け 使 え れ ば よ い も の で あ る と 認 識
されることである.
そ れ は ,調 査 に よ っ て 示 さ れ た よ う な ,か か り つ け 医 に 対 し て は 強 い 信 頼 が あ る も の の ,診
察 は 24 時 間 営 業 で は な い な ど , 急 患 へ の 対 処 と し て 使 い づ ら い と い う か か り つ け 医 制 度 の 問
題 点 が ,結 果 的 に 体 制 と し て 確 立 し て い る 救 急 車 に よ る 搬 送 と 大 病 院 に よ る 夜 間 外 来 に 人 々 は
頼 っ て い る の で は な い か ,つ ま り ,か か り つ け 医 制 度 の 利 用 が 少 な い た め に ,夜 間 外 来 や 市 販
の薬の使用,そして救急車の利用が行われているのではないか,と考えるものである.
上 記 の よ う な 救 急 車 の 不 適 正 利 用 に 対 す る 障 害 へ の 対 策 と し て ,119 番 受 付 時 点 で の ト リ ア
ー ジ や ,救 急 車 利 用 料 金 の 設 定 が 検 討 さ れ て い る が ,前 者 は ト リ ア ー ジ の 判 断 ミ ス が 起 こ る 可
能 性 を 完 全 に 排 除 す る こ と は 不 可 能 で あ り ,後 者 は そ の 設 定 の た め に 救 急 車 を 使 わ ず に 死 亡 し
た り ,病 状 を 悪 化 さ せ る と い う 本 末 転 倒 な 事 態 を 引 き 起 こ す 可 能 性 が あ る .医 療 サ ー ビ ス 利 用
者 だ け で は な く 医 療 関 係 者 も ,救 急 病 院 と 診 療 所 が 地 域 医 療 の 両 輪 で あ る こ と の 認 識 を 深 め る
と 共 に ,利 用 者 が わ ざ わ ざ 遠 く へ 赴 か な く て も 良 い よ う に ,利 用 者 の 全 幅 の 信 頼 を 寄 せ ら れ る
医師の育成を含めて,人々への啓蒙を行っていかなければならないだろう.
180
5 章 ・ 11
女性のアルコール依存症に関する質的研究
A52116 田 中 路 大
1. テ ー マ
女性の飲酒についての質的研究
2. 対 象 者 プ ロ フ ィ ー ル
氏 名 S さ ん 年 齢 21 歳 職 業 フ リ ー タ ー
3. 調 査 時 期 ・ 場 所
平 成 19 年 10 月 26 日 (金 )千 葉 市 中 央 区 のスカイラーク
4. 調 査 方 法
自由面接法
5. 事 例 調 査 デ ー タ 分 析 か ら の 知 見 と 議 論
S さ ん は 1986 年 に 千 葉 県 千 葉 市 で 産 ま れ 、現 在 21 歳 の 未 婚 者 の 女 性 で あ る 。県 内 私 立 高 校
を 2005 年 3 月 卒 業 後 、 都 内 某 美 容 専 門 学 校 に 入 学 、 美 容 師 免 許 を 取 得 し 2007 年 3 月 に 卒 業
後 、県 内 の 美 容 室 の 正 社 員 と し て 働 く が 、9 月 に 退 職 し 現 在 は フ リ ー タ ー と し て 3 つ の 仕 事 を
掛 け 持 ち し て 生 活 し て い る 。家 族 構 成 は 両 親 と S さ ん と 妹 二 人 の 5 人 家 族 で 、現 在 も 同 居 中 で
ある。趣味は映画鑑賞や、友人との飲み会や旅行に行く事である。
S さ ん が 飲 酒 を 始 め た の は 18 歳 の 頃 か ら で あ り 、 飲 酒 を 行 う 時 は 毎 日 の よ う に 飲 酒 を 行 う
が、飲まない時は全く飲酒しないようである。そしてそれは生活環境が大きく関連しており、
最 も 飲 ん で い た 時 期 は 美 容 室 で 働 い て い た 時 期 で 、週 3,4 回 の 頻 度 で 飲 酒 を 繰 り 返 し て い た が 、
現 在 は 週 1 回 程 度 の 頻 度 し か 行 っ て い な い 。こ れ ら の 飲 酒 は 1 人 で 行 っ て い る と い う わ け で は
なく、友人との飲酒が多いようだが、企画はほとんど自分でしているようだ。S さんは「遊び
と い え ば 飲 み 会 以 外 想 像 で き な い 」と 言 う ほ ど に 飲 酒 を 好 ん で い る が 、時 期 に よ っ て 飲 酒 の 回
数に変化があることから、S さんの生活環境について質問してみた。
専 門 学 校 、美 容 室 時 代 、仕 事 を 辞 め た 後 で 最 も 辛 か っ た 時 期 は 美 容 室 時 代 で あ り 、他 の 社 員 と
仲 良 く な れ ず 孤 立 す る こ と が 多 く 、週 6 回 の 勤 務 も ハ ー ド で あ っ た こ と か ら 、友 人 と 会 い 飲 酒
することが唯一の楽しみであったと答えている。専門学校時代も授業は厳しく大変だったが、
身 近 に 友 人 が い た こ と か ら 諦 め ず に 卒 業 す る こ と が で き た よ う に 、困 難 で は あ っ た が 楽 し む こ
とが出来ていたようだ。
一 番 楽 し か っ た 時 期 は 専 門 学 校 を 卒 業 し 美 容 室 で 働 く 前 の 期 間 で あ る と 答 え て い る 。こ の 時
期 は 飲 酒 機 会 も 多 か っ た が 、自 分 か ら 企 画 す る の で は な く 、卒 業 パ ー テ ィ や 地 元 や 高 校 の 友 人
に 誘 わ れ て の 飲 み 会 が 多 く 、飲 酒 量 も 美 容 室 時 代 と 比 べ る と 少 な か っ た よ う だ 。現 在 は フ リ ー
タ ー で あ る こ と か ら 、不 安 に な る こ と も あ る が 、専 門 学 校 に 通 い た い と い う 夢 を し っ か り と 持
っ て お り 、そ の 夢 を 目 標 に 向 け て お 金 を 稼 い で い る 。束 縛 が な く 自 由 で あ る こ と か ら 、苦 痛 に
感じることは以前より少ないようである。
S さんは自分でも気づいていなかったが、過去の自分を改めて振り返ると、ストレスが溜ま
っ て い る 時 に 飲 酒 を 多 く し て い た 気 が す る と 答 え て く れ た 。他 の 女 性 も 同 じ よ う に ス ト レ ス を
解 消 す る と 思 う か と 質 問 し た が 、飲 酒 で ス ト レ ス 解 消 し て い る 人 も 間 違 い な く 存 在 す る が 、女
性の場合衝動買いなどで解消する者も多いのではないかと答えている。
基 本 的 に S さ ん は 飲 酒 を 多 く す る 傾 向 に あ る 人 で は あ る が 、そ の 中 で も 一 番 飲 酒 が 多 か っ た
の は 正 社 員 時 代 で あ る と わ か っ た 。そ れ は 話 の 中 に あ っ た よ う に 、職 場 の 環 境 の 悪 さ 、時 間 的
束 縛 、以 前 と 比 べ た 時 の 友 人 関 係 の 希 薄 な ど の 要 素 が 原 因 で 、飲 酒 を 多 く す る 傾 向 に な っ た の
で は と 考 え ら れ る 。一 番 楽 し か っ た 時 期 と 答 え た 専 門 学 校 卒 業 後 と 就 職 ま で の 間 の 期 間 は 、卒
業 シ ー ズ ン で あ り 世 間 的 に 見 て も 飲 酒 が 多 い 時 期 で あ る た め 、あ ま り 参 考 に は な ら な い が 、正
社 員 時 代 週 3~ 4 回 の ペ ー ス で の 飲 酒 を S さ ん 自 身 が 企 画 し て い る こ と か ら も 、 S さ ん が ス ト
レ ス 解 消 に 飲 酒 を 用 い て い る こ と が わ か る 。ま た 量 が 多 く な る の も ス ト レ ス が 溜 ま っ て い る 時
だ と S さ ん は 述 べ て い る 。今 回 の S さ ん の 話 だ け を 参 考 に す る な ら ば 、こ の 仮 説 は 検 証 さ れ た
のではないだろうかと私は考える。
S さんの話を聞くと、中高年の女性の飲酒と大きく異なることは、生活環境の悪化から飲酒
を 行 う こ と は 一 緒 で あ る が 、そ れ が 1 人 で 行 う も の で は な く 、友 人 と の 飲 酒 が 増 加 し て い る こ
と で あ る 。こ れ は 中 高 年 の 女 性 の 場 合 、学 生 時 代 に 携 帯 電 話 の よ う に 簡 単 に 連 絡 を 取 れ る 便 利
な 手 段 が な か っ た こ と で 、学 校 卒 業 と 同 時 に 友 人 関 係 も 疎 遠 に な っ て し ま う ケ ー ス が 昔 は 当 た
り 前 だ っ た の で は な い だ ろ う か 。今 の 若 い 世 代 が 中 高 年 と な る 年 齢 に 達 し た 時 、中 高 年 の ア ル
コール依存症の特徴も現在と大きく変わっているのかもしれない。
181
単 純 集 計 表
Q1 居住区
1 中央区
2 美浜区
3 緑区
4 稲毛区
5 花見川区
6 若葉区
9 DK/NA
Q2 年齢
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
DK/NA
平均値 = 49.11(歳)
Q3_a 健康の目標
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q3_b 健康意識・行動について
健康管理
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q3_c 健康意識・行動について
健康出費
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q3_d 健康意識・行動について
定期的運動
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q3_e 健康意識・行動について
運動願望
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q3_f 健康意識・行動について
健康関連話
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q3_g 健康意識・行動について
身体的健康願望
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q3_h 健康意識・行動について
不健康感
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
度数
80
53
47
54
48
55
4
度数
31
59
58
101
88
4
度数
52
141
79
64
5
度数
175
132
24
8
2
度数
47
144
105
41
4
度数
231
86
14
6
4
度数
190
109
27
10
5
度数
130
139
47
22
3
度数
293
36
5
3
4
度数
42
97
103
96
3
パーセント
23.46
15.54
13.78
15.84
14.08
16.13
1.17
パーセント
9.09
17.30
17.01
29.62
25.81
1.17
パーセント
15.25
41.35
23.17
18.77
1.47
パーセント
51.32
38.71
7.04
2.35
0.59
パーセント
13.78
42.23
30.79
12.02
1.17
パーセント
67.74
25.22
4.11
1.76
1.17
パーセント
55.72
31.96
7.92
2.93
1.47
パーセント
38.12
40.76
13.78
6.45
0.88
パーセント
85.92
10.56
1.47
0.88
1.17
パーセント
12.32
28.45
30.21
28.15
0.88
185
累積
度数
80
133
180
234
282
337
341
累積
パーセント
23.46
39.00
52.79
68.62
82.70
98.83
100.00
累積
度数
31
90
148
249
337
341
累積
パーセント
9.09
26.39
43.40
73.02
98.83
100.00
累積
度数
52
193
272
336
341
累積
パーセント
15.25
56.60
79.77
98.53
100.00
累積
度数
175
307
331
339
341
累積
パーセント
51.32
90.03
97.07
99.41
100.00
累積
度数
47
191
296
337
341
累積
パーセント
13.78
56.01
86.80
98.83
100.00
累積
度数
231
317
331
337
341
累積
パーセント
67.74
92.96
97.07
98.83
100.00
累積
度数
190
299
326
336
341
累積
パーセント
55.72
87.68
95.60
98.53
100.00
累積
度数
130
269
316
338
341
累積
パーセント
38.12
78.89
92.67
99.12
100.00
累積
度数
293
329
334
337
341
累積
パーセント
85.92
96.48
97.95
98.83
100.00
累積
度数
42
139
242
338
341
累積
パーセント
12.32
40.76
70.97
99.12
100.00
Q3_i 健康意識・行動について
昔病気不安
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q3_j 健康意識・行動について
健康不安
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q3_k 健康意識・行動について
健康向上願望
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q4_a 健康に重要なこと
疲れにくい
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_b 健康に重要なこと
運動するゆとり
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_c 健康に重要なこと
趣味等を楽しめる
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_d 健康に重要なこと
相手の気持ちを理解
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_e 健康に重要なこと
良好な人間関係の形成
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_f 健康に重要なこと
協力して社会活動できる
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_g 健康に重要なこと
おいしい食事
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
度数
28
47
71
192
3
度数
43
130
83
81
4
度数
138
130
45
24
4
度数
200
114
13
5
9
度数
195
122
15
3
6
度数
192
122
18
2
7
度数
197
123
13
1
7
度数
116
169
46
5
5
度数
108
167
55
4
7
度数
290
44
3
-
4
パーセント
8.21
13.78
20.82
56.30
0.88
パーセント
12.61
38.12
24.34
23.75
1.17
パーセント
40.47
38.12
13.20
7.04
1.17
パーセント
58.65
33.43
3.81
1.47
2.64
パーセント
57.18
35.78
4.40
0.88
1.76
パーセント
56.30
35.78
5.28
0.59
2.05
パーセント
57.77
36.07
3.81
0.29
2.05
パーセント
34.02
49.56
13.49
1.47
1.47
パーセント
31.67
48.97
16.13
1.17
2.05
パーセント
85.04
12.90
0.88
0.00
1.17
186
累積
度数
28
75
146
338
341
累積
パーセント
8.21
21.99
42.82
99.12
100.00
累積
度数
43
173
256
337
341
累積
パーセント
12.61
50.73
75.07
98.83
100.00
累積
度数
138
268
313
337
341
累積
パーセント
40.47
78.59
91.79
98.83
100.00
累積
度数
200
314
327
332
341
累積
パーセント
58.65
92.08
95.89
97.36
100.00
累積
度数
195
317
332
335
341
累積
パーセント
57.18
92.96
97.36
98.24
100.00
累積
度数
192
314
332
334
341
累積
パーセント
56.30
92.08
97.36
97.95
100.00
累積
度数
197
320
333
334
341
累積
パーセント
57.77
93.84
97.65
97.95
100.00
累積
度数
116
285
331
336
341
累積
パーセント
34.02
83.58
97.07
98.53
100.00
累積
度数
108
275
330
334
341
累積
パーセント
31.67
80.65
96.77
97.95
100.00
累積
度数
290
334
337
337
341
累積
パーセント
85.04
97.95
98.83
98.83
100.00
Q4_h 健康に重要なこと
よく眠れる
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_i 健康に重要なこと
快い快便
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_j 健康に重要なこと
体重の安定
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_k 健康に重要なこと
仕事等のやりがい
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q4_l 健康に重要なこと
無報酬サービスできる
1 重要である
2 やや重要である
3 あまり重要でない
4 重要でない
9 DK/NA
Q5 健康生活に重要な行動
1 食事に気を使う
2 睡眠をよくとる
3 適度な運動をする
4 ストレスをためない
9 DK/NA
Q6 健康重要行動の実践
1 している
2 していない
9 DK/NA
Q6_1_1 健康重要行動実践しない理由
仕事が忙しい
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_2 健康重要行動実践しない理由
家事・育児が忙しい
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_3 健康重要行動実践しない理由
効果がわからない
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_4 健康重要行動実践しない理由
協力が得られない
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
度数
293
39
4
-
5
度数
276
54
6
1
4
度数
228
98
9
-
6
度数
149
148
31
6
7
度数
82
144
89
20
6
度数
141
90
43
65
2
度数
254
79
8
度数
42
34
254
11
度数
53
23
254
11
度数
71
5
254
11
度数
69
7
254
11
パーセント
85.92
11.44
1.17
0.00
1.47
パーセント
80.94
15.84
1.76
0.29
1.17
パーセント
66.86
28.74
2.64
0.00
1.76
パーセント
43.70
43.40
9.09
1.76
2.05
パーセント
24.05
42.23
26.10
5.87
1.76
パーセント
41.35
26.39
12.61
19.06
0.59
パーセント
74.49
23.17
2.35
パーセント
12.32
9.97
74.49
3.23
パーセント
15.54
6.74
74.49
3.23
パーセント
20.82
1.47
74.49
3.23
パーセント
20.23
2.05
74.49
3.23
187
累積
度数
293
332
336
336
341
累積
パーセント
85.92
97.36
98.53
98.53
100.00
累積
度数
276
330
336
337
341
累積
パーセント
80.94
96.77
98.53
98.83
100.00
累積
度数
228
326
335
335
341
累積
パーセント
66.86
95.60
98.24
98.24
100.00
累積
度数
149
297
328
334
341
累積
パーセント
43.70
87.10
96.19
97.95
100.00
累積
度数
82
226
315
335
341
累積
パーセント
24.05
66.28
92.38
98.24
100.00
累積
度数
141
231
274
339
341
累積
パーセント
41.35
67.74
80.35
99.41
100.00
累積
度数
254
333
341
累積
パーセント
74.49
97.65
100.00
累積
度数
42
76
330
341
累積
パーセント
12.32
22.29
96.77
100.00
累積
度数
53
76
330
341
累積
パーセント
15.54
22.29
96.77
100.00
累積
度数
71
76
330
341
累積
パーセント
20.82
22.29
96.77
100.00
累積
度数
69
76
330
341
累積
パーセント
20.23
22.29
96.77
100.00
Q6_1_5 健康重要行動実践しない理由
お金がかかる
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_6 健康重要行動実践しない理由
やり方がわからない
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_7 健康重要行動実践しない理由
仲間がいない
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_8 健康重要行動実践しない理由
実行する必要がない
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_9 健康重要行動実践しない理由
体を動かすのが嫌い
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_10 健康重要行動実践しない理由
場所がない
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_11 健康重要行動実践しない理由
飽きて続かない
あてはまらない
あてはまる
非該当
DK/NA
0
1
8
9
Q6_1_12 健康重要行動実践しない理由
体が丈夫ではない
あてはまらない
あてはまる
非該当
DK/NA
0
1
8
9
Q6_1_13 健康重要行動実践しない理由
周囲に溶け込めない
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_14 健康重要行動実践しない理由
気持ちを伝えられない
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
Q6_1_15 健康重要行動実践しない理由
その他
0 あてはまらない
1 あてはまる
8 非該当
9 DK/NA
度数
63
13
254
11
度数
66
10
254
11
度数
68
8
254
11
度数
74
2
254
11
度数
65
11
254
11
度数
73
3
254
11
度数
55
21
254
11
度数
70
6
254
11
度数
72
4
254
11
度数
71
5
254
11
度数
58
18
254
11
パーセント
18.48
3.81
74.49
3.23
パーセント
19.35
2.93
74.49
3.23
パーセント
19.94
2.35
74.49
3.23
パーセント
21.70
0.59
74.49
3.23
パーセント
19.06
3.23
74.49
3.23
パーセント
21.41
0.88
74.49
3.23
パーセント
16.13
6.16
74.49
3.23
パーセント
20.53
1.76
74.49
3.23
パーセント
21.11
1.17
74.49
3.23
パーセント
20.82
1.47
74.49
3.23
パーセント
17.01
5.28
74.49
3.23
188
累積
度数
63
76
330
341
累積
パーセント
18.48
22.29
96.77
100.00
累積
度数
66
76
330
341
累積
パーセント
19.35
22.29
96.77
100.00
累積
度数
68
76
330
341
累積
パーセント
19.94
22.29
96.77
100.00
累積
度数
74
76
330
341
累積
パーセント
21.70
22.29
96.77
100.00
累積
度数
65
76
330
341
累積
パーセント
19.06
22.29
96.77
100.00
累積
度数
73
76
330
341
累積
パーセント
21.41
22.29
96.77
100.00
累積
度数
55
76
330
341
累積
パーセント
16.13
22.29
96.77
100.00
累積
度数
70
76
330
341
累積
パーセント
20.53
22.29
96.77
100.00
累積
度数
72
76
330
341
累積
パーセント
21.11
22.29
96.77
100.00
累積
度数
71
76
330
341
累積
パーセント
20.82
22.29
96.77
100.00
累積
度数
58
76
330
341
累積
パーセント
17.01
22.29
96.77
100.00
Q7 階段を使う
1 使うようにしている
2 比較的、使うようにしている
3 比較的、使わないようにしている
4 使わないようにしている
9 DK/NA
Q8_1 経験のある運動
ストレッチ運動
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_2 経験のある運動
室内運動
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_3 経験のある運動
ジョギング
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_4 経験のある運動
趣味としてのスポーツ
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_5 経験のある運動
運動目的の自転車
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_6 経験のある運動
筋肉トレーニング
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_7 経験のある運動
ウォーキング
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_8 経験のある運動
体操
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_9 経験のある運動
ジムに通う
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_10 経験のある運動
運動器具を使う運動
0 したことがない
1 したことがある
9 DK/NA
Q8_11 経験のある運動
どれもしたことがない
0 あてはまらない
1 あてはまる
9 DK/NA
Q9 ダイエット経験
1 実行中
2 前はやっていた
3 ダイエット経験なし
9 DK/NA
度数
52
180
82
21
6
度数
104
234
3
度数
161
177
3
度数
270
68
3
度数
234
104
3
度数
262
76
3
度数
215
123
3
度数
143
195
3
度数
225
113
3
度数
261
77
3
度数
246
92
3
度数
322
16
3
度数
60
91
180
10
パーセント
15.25
52.79
24.05
6.16
1.76
パーセント
30.50
68.62
0.88
パーセント
47.21
51.91
0.88
パーセント
79.18
19.94
0.88
パーセント
68.62
30.50
0.88
パーセント
76.83
22.29
0.88
パーセント
63.05
36.07
0.88
パーセント
41.94
57.18
0.88
パーセント
65.98
33.14
0.88
パーセント
76.54
22.58
0.88
パーセント
72.14
26.98
0.88
パーセント
94.43
4.69
0.88
パーセント
17.60
26.69
52.79
2.93
189
累積
度数
52
232
314
335
341
累積
パーセント
15.25
68.04
92.08
98.24
100.00
累積
度数
104
338
341
累積
パーセント
30.50
99.12
100.00
累積
度数
161
338
341
累積
パーセント
47.21
99.12
100.00
累積
度数
270
338
341
累積
パーセント
79.18
99.12
100.00
累積
度数
234
338
341
累積
パーセント
68.62
99.12
100.00
累積
度数
262
338
341
累積
パーセント
76.83
99.12
100.00
累積
度数
215
338
341
累積
パーセント
63.05
99.12
100.00
累積
度数
143
338
341
累積
パーセント
41.94
99.12
100.00
累積
度数
225
338
341
累積
パーセント
65.98
99.12
100.00
累積
度数
261
338
341
累積
パーセント
76.54
99.12
100.00
累積
度数
246
338
341
累積
パーセント
72.14
99.12
100.00
累積
度数
322
338
341
累積
パーセント
94.43
99.12
100.00
累積
度数
60
151
331
341
累積
パーセント
17.60
44.28
97.07
100.00
Q9_ki 過去のダイエット時期
1年未満
1年以上2年未満
2年以上3年未満
3年以上4年未満
4年以上5年未満
5年以上10年未満
10年以上15年未満
15年以上20年未満
20年以上25年未満
25年以上
非該当
DK/NA
平均値 = 94.34(ヶ月)
Q9_1 ダイエットの目的
1 理想の体型になる
2 洋服を着こなす
3 スタイルの維持
4 異性の好感を得る
5 生活習慣病の予防
6 健康の維持
7 体質の改善
8 足腰への配慮
88 非該当
99 DK/NA
Q9_2 ダイエット失敗の理由
1 効果が出なかった
2 飽きて続かなかった
3 経済的に続かなかった
4 健康を害した
5 リバウンドした
6 食欲に負けた
7 その他
8 ダイエット失敗はない
88 非該当
99 DK/NA
Q10_a 生活状況
今より将来が重要
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q10_b 生活状況
体に悪い事は我慢
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q10_c 生活状況
生活習慣病の予防
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q10_d 生活状況
将来のための貯蓄
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q10_e 生活状況
老後の楽しみを考える
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q10_f 生活状況
毎日体重を量る
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
度数
8
7
9
13
5
12
9
4
7
5
240
22
度数
56
17
14
1
27
21
3
8
180
14
度数
16
38
2
4
12
46
12
13
180
18
度数
25
95
158
52
11
度数
111
137
55
30
8
度数
100
145
61
26
9
度数
96
138
60
40
7
度数
55
110
102
69
5
度数
85
71
67
111
7
パーセント
2.35
2.05
2.64
3.81
1.47
3.52
2.64
1.17
2.05
1.47
70.38
6.45
パーセント
16.42
4.99
4.11
0.29
7.92
6.16
0.88
2.35
52.79
4.11
パーセント
4.69
11.14
0.59
1.17
3.52
13.49
3.52
3.81
52.79
5.28
パーセント
7.33
27.86
46.33
15.25
3.23
パーセント
32.55
40.18
16.13
8.80
2.35
パーセント
29.33
42.52
17.89
7.62
2.64
パーセント
28.15
40.47
17.60
11.73
2.05
パーセント
16.13
32.26
29.91
20.23
1.47
パーセント
24.93
20.82
19.65
32.55
2.05
190
累積
度数
8
15
24
37
42
54
63
67
74
79
319
341
累積
パーセント
2.35
4.40
7.04
10.85
12.32
15.84
18.48
19.65
21.70
23.17
93.55
100.00
累積
度数
56
73
87
88
115
136
139
147
327
341
累積
パーセント
16.42
21.41
25.51
25.81
33.72
39.88
40.76
43.11
95.89
100.00
累積
度数
16
54
56
60
72
118
130
143
323
341
累積
パーセント
4.69
15.84
16.42
17.60
21.11
34.60
38.12
41.94
94.72
100.00
累積
度数
25
120
278
330
341
累積
パーセント
7.33
35.19
81.52
96.77
100.00
累積
度数
111
248
303
333
341
累積
パーセント
32.55
72.73
88.86
97.65
100.00
累積
度数
100
245
306
332
341
累積
パーセント
29.33
71.85
89.74
97.36
100.00
累積
度数
96
234
294
334
341
累積
パーセント
28.15
68.62
86.22
97.95
100.00
累積
度数
55
165
267
336
341
累積
パーセント
16.13
48.39
78.30
98.53
100.00
累積
度数
85
156
223
334
341
累積
パーセント
24.93
45.75
65.40
97.95
100.00
Q10_g 生活状況
外出前に鏡を見る
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q10_h 生活状況
パンツスタイルが多い
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q10_i 生活状況
周囲の目が気になる
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q10_j 生活状況
他人の事を優先
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q10_k 生活状況
精神的に弱い
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q11 生活における最重要項目
1 衣生活
2 食生活
3 住生活
4 子どもの教育
5 余暇生活
6 耐久消費財の面
7 その他
9 DK/NA
Q12_1 健康情報の情報源
テレビ
0 利用しない
1 利用する
9 DK/NA
Q12_2 健康情報の情報源
ラジオ
0 利用しない
1 利用する
9 DK/NA
Q12_3 健康情報の情報源
新聞
0 利用しない
1 利用する
9 DK/NA
Q12_4 健康情報の情報源
雑誌
0 利用しない
1 利用する
9 DK/NA
Q12_5 健康情報の情報源
本
0 利用しない
1 利用する
9 DK/NA
度数
207
86
28
14
6
度数
214
67
31
24
5
度数
62
128
106
39
6
度数
28
145
139
21
8
度数
62
114
110
46
9
度数
11
184
18
41
43
3
33
8
度数
35
303
3
度数
275
63
3
度数
140
198
3
度数
154
184
3
度数
222
116
3
パーセント
60.70
25.22
8.21
4.11
1.76
パーセント
62.76
19.65
9.09
7.04
1.47
パーセント
18.18
37.54
31.09
11.44
1.76
パーセント
8.21
42.52
40.76
6.16
2.35
パーセント
18.18
33.43
32.26
13.49
2.64
パーセント
3.23
53.96
5.28
12.02
12.61
0.88
9.68
2.35
パーセント
10.26
88.86
0.88
パーセント
80.65
18.48
0.88
パーセント
41.06
58.06
0.88
パーセント
45.16
53.96
0.88
パーセント
65.10
34.02
0.88
191
累積
度数
207
293
321
335
341
累積
パーセント
60.70
85.92
94.13
98.24
100.00
累積
度数
214
281
312
336
341
累積
パーセント
62.76
82.40
91.50
98.53
100.00
累積
度数
62
190
296
335
341
累積
パーセント
18.18
55.72
86.80
98.24
100.00
累積
度数
28
173
312
333
341
累積
パーセント
8.21
50.73
91.50
97.65
100.00
累積
度数
62
176
286
332
341
累積
パーセント
18.18
51.61
83.87
97.36
100.00
累積
度数
11
195
213
254
297
300
333
341
累積
パーセント
3.23
57.18
62.46
74.49
87.10
87.98
97.65
100.00
累積
度数
35
338
341
累積
パーセント
10.26
99.12
100.00
累積
度数
275
338
341
累積
パーセント
80.65
99.12
100.00
累積
度数
140
338
341
累積
パーセント
41.06
99.12
100.00
累積
度数
154
338
341
累積
パーセント
45.16
99.12
100.00
累積
度数
222
338
341
累積
パーセント
65.10
99.12
100.00
Q12_6 健康情報の情報源
インターネット
0 利用しない
1 利用する
9 DK/NA
Q12_7 健康情報の情報源
他人
0 利用しない
1 利用する
9 DK/NA
Q12_8 健康情報の情報源
その他
0 利用しない
1 利用する
9 DK/NA
Q12_9 健康情報の情報源
特になし
0 あてはまる
1 あてはまらない
9 DK/NA
Q13_1 視聴健康情報番組
生活ほっとモーニング
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_2 視聴健康情報番組
はなまるマーケット
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_3 視聴健康情報番組
おしゃれ工房
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_4 視聴健康情報番組
王様のブランチ
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_5 視聴健康情報番組
所さんの目がテン
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_6 視聴健康情報番組
ご近所の底力
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_7 視聴健康情報番組
主治医が見つかる診療所
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_8 視聴健康情報番組
おもいっきりテレビ
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_9 視聴健康情報番組
レディス4
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
度数
255
83
3
度数
127
211
3
度数
322
16
3
度数
331
7
3
度数
268
69
4
度数
254
83
4
度数
295
42
4
度数
301
36
4
度数
290
47
4
度数
317
20
4
度数
260
77
4
度数
256
81
4
度数
318
19
4
パーセント
74.78
24.34
0.88
パーセント
37.24
61.88
0.88
パーセント
94.43
4.69
0.88
パーセント
97.07
2.05
0.88
パーセント
78.59
20.23
1.17
パーセント
74.49
24.34
1.17
パーセント
86.51
12.32
1.17
パーセント
88.27
10.56
1.17
パーセント
85.04
13.78
1.17
パーセント
92.96
5.87
1.17
パーセント
76.25
22.58
1.17
パーセント
75.07
23.75
1.17
パーセント
93.26
5.57
1.17
192
累積
度数
255
338
341
累積
パーセント
74.78
99.12
100.00
累積
度数
127
338
341
累積
パーセント
37.24
99.12
100.00
累積
度数
322
338
341
累積
パーセント
94.43
99.12
100.00
累積
度数
331
338
341
累積
パーセント
97.07
99.12
100.00
累積
度数
268
337
341
累積
パーセント
78.59
98.83
100.00
累積
度数
254
337
341
累積
パーセント
74.49
98.83
100.00
累積
度数
295
337
341
累積
パーセント
86.51
98.83
100.00
累積
度数
301
337
341
累積
パーセント
88.27
98.83
100.00
累積
度数
290
337
341
累積
パーセント
85.04
98.83
100.00
累積
度数
317
337
341
累積
パーセント
92.96
98.83
100.00
累積
度数
260
337
341
累積
パーセント
76.25
98.83
100.00
累積
度数
256
337
341
累積
パーセント
75.07
98.83
100.00
累積
度数
318
337
341
累積
パーセント
93.26
98.83
100.00
Q13_10 視聴健康情報番組
今日の健康
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_11 視聴健康情報番組
ためしてガッテン
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_12 視聴健康情報番組
本当は怖い家庭の医学
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_13 視聴健康情報番組
カラダのキモチ
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_14 視聴健康情報番組
人間!これでいいのだ
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_15 視聴健康情報番組
その他
0 見ない
1 見る
9 DK/NA
Q13_16 視聴健康情報番組
特にない
0 いいえ
1 はい
9 DK/NA
Q13_1_a 番組信用理由
視聴者実験紹介
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q13_1_b 番組信用理由
有名人実験紹介
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q13_1_c 番組信用理由
専門家解説
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q13_1_d 番組信用理由
商品が売れている
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
度数
290
47
4
度数
181
156
4
度数
193
144
4
度数
329
8
4
度数
334
3
4
度数
336
1
4
度数
258
79
4
度数
76
97
40
31
79
18
度数
28
64
80
64
79
26
度数
125
108
10
7
79
12
度数
12
66
86
75
79
23
パーセント
85.04
13.78
1.17
パーセント
53.08
45.75
1.17
パーセント
56.60
42.23
1.17
パーセント
96.48
2.35
1.17
パーセント
97.95
0.88
1.17
パーセント
98.53
0.29
1.17
パーセント
75.66
23.17
1.17
パーセント
22.29
28.45
11.73
9.09
23.17
5.28
パーセント
8.21
18.77
23.46
18.77
23.17
7.62
パーセント
36.66
31.67
2.93
2.05
23.17
3.52
パーセント
3.52
19.35
25.22
21.99
23.17
6.74
193
累積
度数
290
337
341
累積
パーセント
85.04
98.83
100.00
累積
度数
181
337
341
累積
パーセント
53.08
98.83
100.00
累積
度数
193
337
341
累積
パーセント
56.60
98.83
100.00
累積
度数
329
337
341
累積
パーセント
96.48
98.83
100.00
累積
度数
334
337
341
累積
パーセント
97.95
98.83
100.00
累積
度数
336
337
341
累積
パーセント
98.53
98.83
100.00
累積
度数
258
337
341
累積
パーセント
75.66
98.83
100.00
累積
度数
76
173
213
244
323
341
累積
パーセント
22.29
50.73
62.46
71.55
94.72
100.00
累積
度数
28
92
172
236
315
341
累積
パーセント
8.21
26.98
50.44
69.21
92.38
100.00
累積
度数
125
233
243
250
329
341
累積
パーセント
36.66
68.33
71.26
73.31
96.48
100.00
累積
度数
12
78
164
239
318
341
累積
パーセント
3.52
22.87
48.09
70.09
93.26
100.00
Q13_1_e 番組信用理由
有名司会者出演
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q13_1_f 番組信用理由
医学的根拠あり
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q13_1_g 番組信用理由
他番組も紹介
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q13_1_h 番組信用理由
デメリットも紹介
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q13_1_i 番組信用理由
映像模型使用
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q13_1_j 番組信用理由
商品に興味あり
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q14_a 健康行動
紹介商品購入経験
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
Q14_b 健康行動
紹介食品購入経験
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
Q14_c 健康行動
紹介調理法実践経験
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
Q14_d 健康行動
紹介運動経験
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
度数
11
20
87
120
79
24
度数
103
122
14
9
79
14
度数
18
78
88
52
79
26
度数
61
112
46
24
79
19
度数
94
115
20
15
79
18
度数
45
101
59
40
79
17
度数
191
141
9
度数
205
126
10
度数
247
82
12
度数
181
151
9
パーセント
3.23
5.87
25.51
35.19
23.17
7.04
パーセント
30.21
35.78
4.11
2.64
23.17
4.11
パーセント
5.28
22.87
25.81
15.25
23.17
7.62
パーセント
17.89
32.84
13.49
7.04
23.17
5.57
パーセント
27.57
33.72
5.87
4.40
23.17
5.28
パーセント
13.20
29.62
17.30
11.73
23.17
4.99
パーセント
56.01
41.35
2.64
パーセント
60.12
36.95
2.93
パーセント
72.43
24.05
3.52
パーセント
53.08
44.28
2.64
194
累積
度数
11
31
118
238
317
341
累積
パーセント
3.23
9.09
34.60
69.79
92.96
100.00
累積
度数
103
225
239
248
327
341
累積
パーセント
30.21
65.98
70.09
72.73
95.89
100.00
累積
度数
18
96
184
236
315
341
累積
パーセント
5.28
28.15
53.96
69.21
92.38
100.00
累積
度数
61
173
219
243
322
341
累積
パーセント
17.89
50.73
64.22
71.26
94.43
100.00
累積
度数
94
209
229
244
323
341
累積
パーセント
27.57
61.29
67.16
71.55
94.72
100.00
累積
度数
45
146
205
245
324
341
累積
パーセント
13.20
42.82
60.12
71.85
95.01
100.00
累積
度数
191
332
341
累積
パーセント
56.01
97.36
100.00
累積
度数
205
331
341
累積
パーセント
60.12
97.07
100.00
累積
度数
247
329
341
累積
パーセント
72.43
96.48
100.00
累積
度数
181
332
341
累積
パーセント
53.08
97.36
100.00
Q14_e 健康行動
ゲルマニウム温浴経験
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
Q14_f 健康行動
岩盤浴経験
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
度数
68
261
12
度数
82
246
13
Q14_g 健康行動
エステ
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
100
230
11
Q14_h 健康行動
マッサージ
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
151
180
10
Q14_i 健康行動
スポーツジム
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
Q15 平均睡眠時間
度数
度数
度数
138
190
13
度数
1 8時間以上
2 6~7時間
3 4~5時間
4 3時間未満
9 DK/NA
26
225
81
4
5
Q16_a 普段の睡眠状態
適度な睡眠
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
119
118
64
32
8
Q16_b 普段の睡眠状態
早寝早起き実行
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q16_c 普段の睡眠状態
睡眠回復
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q16_d 普段の睡眠状態
日中眠気
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q16_e 普段の睡眠状態
よく眠れる
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q16_f 普段の睡眠状態
睡眠優先
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
度数
度数
77
85
115
59
5
度数
54
116
105
57
9
度数
35
99
122
75
10
度数
77
92
81
79
12
度数
50
108
125
50
8
パーセント
19.94
76.54
3.52
パーセント
24.05
72.14
3.81
パーセント
29.33
67.45
3.23
パーセント
44.28
52.79
2.93
パーセント
40.47
55.72
3.81
パーセント
7.62
65.98
23.75
1.17
1.47
パーセント
34.90
34.60
18.77
9.38
2.35
パーセント
22.58
24.93
33.72
17.30
1.47
パーセント
15.84
34.02
30.79
16.72
2.64
パーセント
10.26
29.03
35.78
21.99
2.93
パーセント
22.58
26.98
23.75
23.17
3.52
パーセント
14.66
31.67
36.66
14.66
2.35
195
累積
度数
68
329
341
累積
パーセント
19.94
96.48
100.00
累積
度数
82
328
341
累積
パーセント
24.05
96.19
100.00
累積
度数
100
330
341
累積
パーセント
29.33
96.77
100.00
累積
度数
151
331
341
累積
パーセント
44.28
97.07
100.00
累積
度数
138
328
341
累積
パーセント
40.47
96.19
100.00
累積
度数
26
251
332
336
341
累積
パーセント
7.62
73.61
97.36
98.53
100.00
累積
度数
119
237
301
333
341
累積
パーセント
34.90
69.50
88.27
97.65
100.00
累積
度数
77
162
277
336
341
累積
パーセント
22.58
47.51
81.23
98.53
100.00
累積
度数
54
170
275
332
341
累積
パーセント
15.84
49.85
80.65
97.36
100.00
累積
度数
35
134
256
331
341
累積
パーセント
10.26
39.30
75.07
97.07
100.00
累積
度数
77
169
250
329
341
累積
パーセント
22.58
49.56
73.31
96.48
100.00
累積
度数
50
158
283
333
341
累積
パーセント
14.66
46.33
82.99
97.65
100.00
Q17_a 悩みの種類
職場人間関係
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_b 悩みの種類
家族関係
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_c 悩みの種類
友人関係
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_d 悩みの種類
恋人関係
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_e 悩みの種類
近所関係
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_f 悩みの種類
仕事
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_g 悩みの種類
勉強
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_h 悩みの種類
自由な時間が無いこと
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_i 悩みの種類
家事
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
度数
14
41
53
75
145
13
度数
18
54
75
133
54
7
度数
9
21
69
170
64
8
度数
4
6
19
68
235
9
度数
12
19
63
158
80
9
度数
26
53
62
59
131
10
度数
3
26
31
60
209
12
度数
24
50
79
104
76
8
度数
10
48
83
135
56
9
パーセント
4.11
12.02
15.54
21.99
42.52
3.81
パーセント
5.28
15.84
21.99
39.00
15.84
2.05
パーセント
2.64
6.16
20.23
49.85
18.77
2.35
パーセント
1.17
1.76
5.57
19.94
68.91
2.64
パーセント
3.52
5.57
18.48
46.33
23.46
2.64
パーセント
7.62
15.54
18.18
17.30
38.42
2.93
パーセント
0.88
7.62
9.09
17.60
61.29
3.52
パーセント
7.04
14.66
23.17
30.50
22.29
2.35
パーセント
2.93
14.08
24.34
39.59
16.42
2.64
196
累積
度数
14
55
108
183
328
341
累積
パーセント
4.11
16.13
31.67
53.67
96.19
100.00
累積
度数
18
72
147
280
334
341
累積
パーセント
5.28
21.11
43.11
82.11
97.95
100.00
累積
度数
9
30
99
269
333
341
累積
パーセント
2.64
8.80
29.03
78.89
97.65
100.00
累積
度数
4
10
29
97
332
341
累積
パーセント
1.17
2.93
8.50
28.45
97.36
100.00
累積
度数
12
31
94
252
332
341
累積
パーセント
3.52
9.09
27.57
73.90
97.36
100.00
累積
度数
26
79
141
200
331
341
累積
パーセント
7.62
23.17
41.35
58.65
97.07
100.00
累積
度数
3
29
60
120
329
341
累積
パーセント
0.88
8.50
17.60
35.19
96.48
100.00
累積
度数
24
74
153
257
333
341
累積
パーセント
7.04
21.70
44.87
75.37
97.65
100.00
累積
度数
10
58
141
276
332
341
累積
パーセント
2.93
17.01
41.35
80.94
97.36
100.00
Q17_j 悩みの種類
介護
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_k 悩みの種類
経済的なこと
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_l 悩みの種類
育児・教育
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q17_m 悩みの種類
自分の健康
1 悩んでいる
2 どちらかといえば悩んでいる
3 どちらかといえば悩んでいない
4 悩んでいない
5 あてはまらない
9 DK/NA
Q18 主たるストレス原因
1 人間関係
2 仕事
3 家事
4 経済
5 自分の健康
6 その他
9 DK/NA
Q19_a 飲酒機会・状況
一人飲酒頻度
1 毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 年に1、2回
6 まったくない
8 非該当
9 DK/NA
Q19_b 飲酒機会・状況
友人・異性2~3人飲酒頻度
1 毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 年に1、2回
6 まったくない
8 非該当
9 DK/NA
Q19_c 飲酒機会・状況
家族飲酒頻度
1 毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 年に1、2回
6 まったくない
8 非該当
9 DK/NA
Q19_d 飲酒機会・状況
4人以上飲酒頻度
1 毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 年に1、2回
6 まったくない
8 非該当
9 DK/NA
度数
10
28
36
69
188
10
度数
45
74
68
95
50
9
度数
16
53
34
52
175
11
度数
31
82
126
74
23
5
度数
109
41
47
53
51
23
17
度数
25
27
16
18
15
119
115
6
度数
2
7
50
72
51
41
115
3
度数
12
41
50
37
28
53
115
5
度数
1
9
14
83
76
38
115
5
パーセント
2.93
8.21
10.56
20.23
55.13
2.93
パーセント
13.20
21.70
19.94
27.86
14.66
2.64
パーセント
4.69
15.54
9.97
15.25
51.32
3.23
パーセント
9.09
24.05
36.95
21.70
6.74
1.47
パーセント
31.96
12.02
13.78
15.54
14.96
6.74
4.99
パーセント
7.33
7.92
4.69
5.28
4.40
34.90
33.72
1.76
パーセント
0.59
2.05
14.66
21.11
14.96
12.02
33.72
0.88
パーセント
3.52
12.02
14.66
10.85
8.21
15.54
33.72
1.47
パーセント
0.29
2.64
4.11
24.34
22.29
11.14
33.72
1.47
197
累積
度数
10
38
74
143
331
341
累積
パーセント
2.93
11.14
21.70
41.94
97.07
100.00
累積
度数
45
119
187
282
332
341
累積
パーセント
13.20
34.90
54.84
82.70
97.36
100.00
累積
度数
16
69
103
155
330
341
累積
パーセント
4.69
20.23
30.21
45.45
96.77
100.00
累積
度数
31
113
239
313
336
341
累積
パーセント
9.09
33.14
70.09
91.79
98.53
100.00
累積
度数
109
150
197
250
301
324
341
累積
パーセント
31.96
43.99
57.77
73.31
88.27
95.01
100.00
累積
度数
25
52
68
86
101
220
335
341
累積
パーセント
7.33
15.25
19.94
25.22
29.62
64.52
98.24
100.00
累積
度数
2
9
59
131
182
223
338
341
累積
パーセント
0.59
2.64
17.30
38.42
53.37
65.40
99.12
100.00
累積
度数
12
53
103
140
168
221
336
341
累積
パーセント
3.52
15.54
30.21
41.06
49.27
64.81
98.53
100.00
累積
度数
1
10
24
107
183
221
336
341
累積
パーセント
0.29
2.93
7.04
31.38
53.67
64.81
98.53
100.00
Q20_a 飲酒行動・結果
酒で人間関係にひび
1 ある
2 ない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_b 飲酒行動・結果
酒がやめられない
1 あてはまる
2 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_c 飲酒行動・結果
大酒飲みと非難
1 ある
2 ない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_d 飲酒行動・結果
つぶれるまで飲む
1 あてはまる
2 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_e 飲酒行動・結果
前夜の記憶がない
1 あてはまる
2 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_f 飲酒行動・結果
休日は朝から飲む
1 あてはまる
2 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_g 飲酒行動・結果
二日酔いで欠席
1 あてはまる
2 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_h 飲酒行動・結果
病気になったこと
1 ある
2 ない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_i 飲酒行動・結果
酒がないと苦しい
1 ある
2 ない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_j 飲酒行動・結果
仕事上の飲酒
1 よくある
2 ときどきある
3 めったにない・ない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_k 飲酒行動・結果
飲まないと不眠
1 あてはまる
2 あてはまらない
8 非該当
9 NA/DK
度数
4
218
115
4
度数
29
194
115
3
度数
20
203
115
3
度数
11
212
115
3
度数
15
208
115
3
度数
2
221
115
3
度数
4
218
115
4
度数
13
210
115
3
度数
-
223
115
3
度数
2
22
197
115
5
度数
14
209
115
3
パーセント
1.17
63.93
33.72
1.17
パーセント
8.50
56.89
33.72
0.88
パーセント
5.87
59.53
33.72
0.88
パーセント
3.23
62.17
33.72
0.88
パーセント
4.40
61.00
33.72
0.88
パーセント
0.59
64.81
33.72
0.88
パーセント
1.17
63.93
33.72
1.17
パーセント
3.81
61.58
33.72
0.88
パーセント
0.00
65.40
33.72
0.88
パーセント
0.59
6.45
57.77
33.72
1.47
パーセント
4.11
61.29
33.72
0.88
198
累積
度数
4
222
337
341
累積
パーセント
1.17
65.10
98.83
100.00
累積
度数
29
223
338
341
累積
パーセント
8.50
65.40
99.12
100.00
累積
度数
20
223
338
341
累積
パーセント
5.87
65.40
99.12
100.00
累積
度数
11
223
338
341
累積
パーセント
3.23
65.40
99.12
100.00
累積
度数
15
223
338
341
累積
パーセント
4.40
65.40
99.12
100.00
累積
度数
2
223
338
341
累積
パーセント
0.59
65.40
99.12
100.00
累積
度数
4
222
337
341
累積
パーセント
1.17
65.10
98.83
100.00
累積
度数
13
223
338
341
累積
パーセント
3.81
65.40
99.12
100.00
累積
度数
0
223
338
341
累積
パーセント
0.00
65.40
99.12
100.00
累積
度数
2
24
221
336
341
累積
パーセント
0.59
7.04
64.81
98.53
100.00
累積
度数
14
223
338
341
累積
パーセント
4.11
65.40
99.12
100.00
Q20_l 飲酒行動・結果
毎日3合以上飲酒
1 あてはまる
2 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_m 飲酒行動・結果
警察沙汰
1 ある
2 ない
8 非該当
9 DK/NA
Q20_n 飲酒行動・結果
酔うと怒りっぽい
1 あてはまる
2 あてはまらない
8 非該当
9 DK/NA
Q21 飲酒の場所
1 自宅
2 友人宅
3 親戚宅
4 個人店
5 チェーン店
6 スナック
7 クラブ・ライブハウス
8 カラオケ
9 BAR
10 飲み屋以外の飲食店
11 その他
88 非該当
99 DK/NA
Q22_a 医師に対する信頼
見た目が立派
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
Q22_b 医師に対する信頼
キャリアが長い
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
Q22_c 医師に対する信頼
話しを聞いてくれる
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
Q22_d 医師に対する信頼
薬を処方してくれる
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
Q22_e 医師に対する信頼
女性
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
Q22_f 医師に対する信頼
時間外診療の受け入れてくれる
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
度数
4
219
115
3
度数
-
223
115
3
度数
3
220
115
3
度数
135
4
1
15
39
1
-
1
4
16
6
115
4
度数
4
157
115
40
25
度数
64
226
31
6
14
度数
212
117
2
-
10
度数
20
121
151
29
20
度数
31
223
50
6
31
度数
138
177
7
4
15
パーセント
1.17
64.22
33.72
0.88
パーセント
0.00
65.40
33.72
0.88
パーセント
0.88
64.52
33.72
0.88
パーセント
39.59
1.17
0.29
4.40
11.44
0.29
0.00
0.29
1.17
4.69
1.76
33.72
1.17
パーセント
1.17
46.04
33.72
11.73
7.33
パーセント
18.77
66.28
9.09
1.76
4.11
パーセント
62.17
34.31
0.59
0.00
2.93
パーセント
5.87
35.48
44.28
8.50
5.87
パーセント
9.09
65.40
14.66
1.76
9.09
パーセント
40.47
51.91
2.05
1.17
4.40
199
累積
度数
4
223
338
341
累積
パーセント
1.17
65.40
99.12
100.00
累積
度数
0
223
338
341
累積
パーセント
0.00
65.40
99.12
100.00
累積
度数
3
223
338
341
累積
パーセント
0.88
65.40
99.12
100.00
累積
度数
135
139
140
155
194
195
195
196
200
216
222
337
341
累積
パーセント
39.59
40.76
41.06
45.45
56.89
57.18
57.18
57.48
58.65
63.34
65.10
98.83
100.00
累積
度数
4
161
276
316
341
累積
パーセント
1.17
47.21
80.94
92.67
100.00
累積
度数
64
290
321
327
341
累積
パーセント
18.77
85.04
94.13
95.89
100.00
累積
度数
212
329
331
331
341
累積
パーセント
62.17
96.48
97.07
97.07
100.00
累積
度数
20
141
292
321
341
累積
パーセント
5.87
41.35
85.63
94.13
100.00
累積
度数
31
254
304
310
341
累積
パーセント
9.09
74.49
89.15
90.91
100.00
累積
度数
138
315
322
326
341
累積
パーセント
40.47
92.38
94.43
95.60
100.00
Q22_g 医師に対する信頼
待合室が混む
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
Q22_h 医師に対する信頼
評判が良い
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
Q22_i 医師に対する信頼
診察科の数
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
Q22_j 医師に対する信頼
掛かりつけ
1 信頼できる
2 どちらかといえば信頼できる
3 どちらかといえば信頼できない
4 信頼できない
9 DK/NA
Q23 急患への対処
1 救急車を呼ぶ
2 夜間外来へ行く
3 かかりつけ医に行く
4 市販の薬を使用
5 様子を見る
9 DK/NA
Q24_a 交流の範囲
近所付き合い多い
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 そう思わない
9 DK/NA
Q24_b 交流の範囲
親戚・兄弟付き合い多い
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 そう思わない
9 DK/NA
Q24_c 交流の範囲
知人がよく来る
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 そう思わない
9 DK/NA
度数
41
234
40
6
20
度数
118
199
10
2
12
度数
9
121
154
39
18
度数
146
177
3
3
12
度数
51
152
25
85
19
9
度数
37
82
127
89
6
度数
68
127
114
27
5
度数
32
68
126
109
6
Q24_d 交流の範囲
職場・学校の知人付き合い多い
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 そう思わない
9 DK/NA
74
129
68
56
14
Q25_a 家族関係に対する考え方
家族の助け合い重要
そう思う
どちらかといえばそう思う
どちらかといえばそう思わない
思わない
DK/NA
257
73
7
-
4
1
2
3
4
9
度数
度数
パーセント
12.02
68.62
11.73
1.76
5.87
パーセント
34.60
58.36
2.93
0.59
3.52
パーセント
2.64
35.48
45.16
11.44
5.28
パーセント
42.82
51.91
0.88
0.88
3.52
パーセント
14.96
44.57
7.33
24.93
5.57
2.64
パーセント
10.85
24.05
37.24
26.10
1.76
パーセント
19.94
37.24
33.43
7.92
1.47
パーセント
9.38
19.94
36.95
31.96
1.76
パーセント
21.70
37.83
19.94
16.42
4.11
パーセント
75.37
21.41
2.05
0.00
1.17
200
累積
度数
41
275
315
321
341
累積
パーセント
12.02
80.65
92.38
94.13
100.00
累積
度数
118
317
327
329
341
累積
パーセント
34.60
92.96
95.89
96.48
100.00
累積
度数
9
130
284
323
341
累積
パーセント
2.64
38.12
83.28
94.72
100.00
累積
度数
146
323
326
329
341
累積
パーセント
42.82
94.72
95.60
96.48
100.00
累積
度数
51
203
228
313
332
341
累積
パーセント
14.96
59.53
66.86
91.79
97.36
100.00
累積
度数
37
119
246
335
341
累積
パーセント
10.85
34.90
72.14
98.24
100.00
累積
度数
68
195
309
336
341
累積
パーセント
19.94
57.18
90.62
98.53
100.00
累積
度数
32
100
226
335
341
累積
パーセント
9.38
29.33
66.28
98.24
100.00
累積
度数
74
203
271
327
341
累積
パーセント
21.70
59.53
79.47
95.89
100.00
累積
度数
257
330
337
337
341
累積
パーセント
75.37
96.77
98.83
98.83
100.00
Q25_b 家族関係に対する考え方
家族は同居
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 思わない
9 DK/NA
Q25_c 家族関係に対する考え方
家族のために犠牲になってよい
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 思わない
9 DK/NA
Q25_d 家族関係に対する考え方
家族と日常会話は重要
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 思わない
9 DK/NA
Q25_e 家族関係に対する考え方
家族と悩み相談は重要
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 思わない
9 DK/NA
Q25_f 家族関係に対する考え方
家族と挨拶は重要
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 思わない
9 DK/NA
Q25_g 家族関係に対する考え方
家族は一緒に食事
そう思う
どちらかといえばそう思う
どちらかといえばそう思わない
思わない
DK/NA
1
2
3
4
9
Q25_h 家族関係に対する考え方
家族は同じ献立
1 そう思う
2 どちらかといえばそう思う
3 どちらかといえばそう思わない
4 思わない
9 DK/NA
Q26_a 同居家族との日常生活行動
家族団らん
1 よくする
2 たまにする
3 あまりしない
4 まったくしない
5 同居している家族はいない
9 DK/NA
Q26_b 同居家族との日常生活行動
外食
1 よくする
2 たまにする
3 あまりしない
4 まったくしない
5 同居している家族はいない
9 DK/NA
Q26_c 同居家族との日常生活行動
買い物
1 よくする
2 たまにする
3 あまりしない
4 まったくしない
5 同居している家族はいない
9 DK/NA
度数
139
127
52
17
6
度数
63
179
71
20
8
度数
200
123
11
1
6
度数
179
136
19
2
5
度数
232
96
5
3
5
度数
191
130
10
5
5
度数
143
123
50
18
7
度数
237
59
19
5
15
6
度数
78
166
59
18
15
5
度数
127
120
55
16
15
8
パーセント
40.76
37.24
15.25
4.99
1.76
パーセント
18.48
52.49
20.82
5.87
2.35
パーセント
58.65
36.07
3.23
0.29
1.76
パーセント
52.49
39.88
5.57
0.59
1.47
パーセント
68.04
28.15
1.47
0.88
1.47
パーセント
56.01
38.12
2.93
1.47
1.47
パーセント
41.94
36.07
14.66
5.28
2.05
パーセント
69.50
17.30
5.57
1.47
4.40
1.76
パーセント
22.87
48.68
17.30
5.28
4.40
1.47
パーセント
37.24
35.19
16.13
4.69
4.40
2.35
201
累積
度数
139
266
318
335
341
累積
パーセント
40.76
78.01
93.26
98.24
100.00
累積
度数
63
242
313
333
341
累積
パーセント
18.48
70.97
91.79
97.65
100.00
累積
度数
200
323
334
335
341
累積
パーセント
58.65
94.72
97.95
98.24
100.00
累積
度数
179
315
334
336
341
累積
パーセント
52.49
92.38
97.95
98.53
100.00
累積
度数
232
328
333
336
341
累積
パーセント
68.04
96.19
97.65
98.53
100.00
累積
度数
191
321
331
336
341
累積
パーセント
56.01
94.13
97.07
98.53
100.00
累積
度数
143
266
316
334
341
累積
パーセント
41.94
78.01
92.67
97.95
100.00
累積
度数
237
296
315
320
335
341
累積
パーセント
69.50
86.80
92.38
93.84
98.24
100.00
累積
度数
78
244
303
321
336
341
累積
パーセント
22.87
71.55
88.86
94.13
98.53
100.00
累積
度数
127
247
302
318
333
341
累積
パーセント
37.24
72.43
88.56
93.26
97.65
100.00
Q26_d 同居家族との日常生活行動
散歩
1 よくする
2 たまにする
3 あまりしない
4 まったくしない
5 同居している家族はいない
9 DK/NA
Q26_e 同居家族との日常生活行動
悩み相談
1 よくする
2 たまにする
3 あまりしない
4 まったくしない
5 同居している家族はいない
9 DK/NA
Q27_a 夕食の摂り方
一緒に同じメニュー頻度
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
6 一人暮らし
9 DK/NA
Q27_b 夕食の摂り方
一緒に違うメニュー頻度
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
6 一人暮らし
9 DK/NA
Q27_c 夕食の摂り方
一人で夕食を摂る頻度
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
6 一人暮らし
9 DK/NA
Q28_a 普段の生活について
ゴミを気にする
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q28_b 普段の生活について
ゴミの分別をする
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q28_c 普段の生活について
食物の農薬汚染を気にする
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q28_d 普段の生活について
食べ残しを気にする
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
度数
34
94
101
90
15
7
度数
84
171
56
10
15
5
度数
247
56
8
6
2
15
7
度数
16
34
31
76
154
15
15
度数
21
58
26
82
129
15
10
度数
81
123
88
44
5
度数
235
86
14
3
3
度数
164
125
42
6
4
度数
143
144
38
11
5
パーセント
9.97
27.57
29.62
26.39
4.40
2.05
パーセント
24.63
50.15
16.42
2.93
4.40
1.47
パーセント
72.43
16.42
2.35
1.76
0.59
4.40
2.05
パーセント
4.69
9.97
9.09
22.29
45.16
4.40
4.40
パーセント
6.16
17.01
7.62
24.05
37.83
4.40
2.93
パーセント
23.75
36.07
25.81
12.90
1.47
パーセント
68.91
25.22
4.11
0.88
0.88
パーセント
48.09
36.66
12.32
1.76
1.17
パーセント
41.94
42.23
11.14
3.23
1.47
202
累積
度数
34
128
229
319
334
341
累積
パーセント
9.97
37.54
67.16
93.55
97.95
100.00
累積
度数
84
255
311
321
336
341
累積
パーセント
24.63
74.78
91.20
94.13
98.53
100.00
累積
度数
247
303
311
317
319
334
341
累積
パーセント
72.43
88.86
91.20
92.96
93.55
97.95
100.00
累積
度数
16
50
81
157
311
326
341
累積
パーセント
4.69
14.66
23.75
46.04
91.20
95.60
100.00
累積
度数
21
79
105
187
316
331
341
累積
パーセント
6.16
23.17
30.79
54.84
92.67
97.07
100.00
累積
度数
81
204
292
336
341
累積
パーセント
23.75
59.82
85.63
98.53
100.00
累積
度数
235
321
335
338
341
累積
パーセント
68.91
94.13
98.24
99.12
100.00
累積
度数
164
289
331
337
341
累積
パーセント
48.09
84.75
97.07
98.83
100.00
累積
度数
143
287
325
336
341
累積
パーセント
41.94
84.16
95.31
98.53
100.00
Q28_e 普段の生活について
ストロー等もらわない
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q28_f 普段の生活について
パックはリサイクルする
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q28_g 普段の生活について
生産地を気にする
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_a 食生活について
一日三食摂っている
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_b 食生活について
食事を抜くことがある
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_c 食生活について
外食は控えている
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_d 食生活について
間食は控えている
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_e 食生活について
食べ過ぎに注意している
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_f 食生活について
同じ時間に食事をする
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_g 食生活について
カロリーを考える
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
度数
126
103
78
28
6
度数
173
62
52
49
5
度数
161
110
45
20
5
度数
238
53
23
24
3
度数
31
49
79
178
4
度数
63
135
101
39
3
度数
61
99
125
52
4
度数
113
161
47
16
4
度数
165
119
29
24
4
度数
63
134
95
44
5
パーセント
36.95
30.21
22.87
8.21
1.76
パーセント
50.73
18.18
15.25
14.37
1.47
パーセント
47.21
32.26
13.20
5.87
1.47
パーセント
69.79
15.54
6.74
7.04
0.88
パーセント
9.09
14.37
23.17
52.20
1.17
パーセント
18.48
39.59
29.62
11.44
0.88
パーセント
17.89
29.03
36.66
15.25
1.17
パーセント
33.14
47.21
13.78
4.69
1.17
パーセント
48.39
34.90
8.50
7.04
1.17
パーセント
18.48
39.30
27.86
12.90
1.47
203
累積
度数
126
229
307
335
341
累積
パーセント
36.95
67.16
90.03
98.24
100.00
累積
度数
173
235
287
336
341
累積
パーセント
50.73
68.91
84.16
98.53
100.00
累積
度数
161
271
316
336
341
累積
パーセント
47.21
79.47
92.67
98.53
100.00
累積
度数
238
291
314
338
341
累積
パーセント
69.79
85.34
92.08
99.12
100.00
累積
度数
31
80
159
337
341
累積
パーセント
9.09
23.46
46.63
98.83
100.00
累積
度数
63
198
299
338
341
累積
パーセント
18.48
58.06
87.68
99.12
100.00
累積
度数
61
160
285
337
341
累積
パーセント
17.89
46.92
83.58
98.83
100.00
累積
度数
113
274
321
337
341
累積
パーセント
33.14
80.35
94.13
98.83
100.00
累積
度数
165
284
313
337
341
累積
パーセント
48.39
83.28
91.79
98.83
100.00
累積
度数
63
197
292
336
341
累積
パーセント
18.48
57.77
85.63
98.53
100.00
Q29_h 食生活について
脂肪・油分を控える
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_i 食生活について
塩分を控える
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_j 食生活について
糖分を控える
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_k 食生活について
炭水化物を控える
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_l 食生活について
野菜をたくさん食べる
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_m 食生活について
果物をたくさん食べる
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q29_n 食生活について
飲み物に気を遣う
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q30 食事の優先順位
1 カロリー
2 食事の量
3 値段
4 味
5 安全性
6 栄養バランス
9 DK/NA
Q31_a 食品の価格について
安い店に行く
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q31_b 食品の価格について
割引商品を買う
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
度数
95
166
58
18
4
度数
99
158
64
16
4
度数
75
174
69
18
5
度数
28
89
152
67
5
度数
129
146
57
6
3
度数
73
133
110
20
5
度数
102
144
71
21
3
度数
29
28
8
73
42
158
3
度数
35
85
127
90
4
度数
48
145
100
44
4
パーセント
27.86
48.68
17.01
5.28
1.17
パーセント
29.03
46.33
18.77
4.69
1.17
パーセント
21.99
51.03
20.23
5.28
1.47
パーセント
8.21
26.10
44.57
19.65
1.47
パーセント
37.83
42.82
16.72
1.76
0.88
パーセント
21.41
39.00
32.26
5.87
1.47
パーセント
29.91
42.23
20.82
6.16
0.88
パーセント
8.50
8.21
2.35
21.41
12.32
46.33
0.88
パーセント
10.26
24.93
37.24
26.39
1.17
パーセント
14.08
42.52
29.33
12.90
1.17
204
累積
度数
95
261
319
337
341
累積
パーセント
27.86
76.54
93.55
98.83
100.00
累積
度数
99
257
321
337
341
累積
パーセント
29.03
75.37
94.13
98.83
100.00
累積
度数
75
249
318
336
341
累積
パーセント
21.99
73.02
93.26
98.53
100.00
累積
度数
28
117
269
336
341
累積
パーセント
8.21
34.31
78.89
98.53
100.00
累積
度数
129
275
332
338
341
累積
パーセント
37.83
80.65
97.36
99.12
100.00
累積
度数
73
206
316
336
341
累積
パーセント
21.41
60.41
92.67
98.53
100.00
累積
度数
102
246
317
338
341
累積
パーセント
29.91
72.14
92.96
99.12
100.00
累積
度数
29
57
65
138
180
338
341
累積
パーセント
8.50
16.72
19.06
40.47
52.79
99.12
100.00
累積
度数
35
120
247
337
341
累積
パーセント
10.26
35.19
72.43
98.83
100.00
累積
度数
48
193
293
337
341
累積
パーセント
14.08
56.60
85.92
98.83
100.00
Q31_c 食品の価格について
安い物を選ぶ
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q31_d 食品の価格について
チラシを見る
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q31_e 食品の価格について
安いときにまとめ買い
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q31_f 食品の価格について
店を使い分ける
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q32 一人当たり夕飯予算
250円未満
250円以上500円未満
500円以上750円未満
750円以上1000円未満
1000円以上1500円未満
1500円以上
DK/NA
平均値 = 649.34(円)
Q33 手作りの夕食
1 毎日
2 週に4~6回
3 週に2~3回
4 ほとんど食べない
5 夕食は食べない
9 DK/NA
Q34 朝食を食べる頻度
1 毎日
2 週に4~6回
3 週に2~3回
4 ほとんど食べない
5 朝食は食べない
9 DK/NA
Q34_1_1 朝食内容
パン、ご飯等
0 食べていない
1 食べている
8 非該当
9 DK/NA
度数
16
57
168
95
5
度数
64
113
67
91
6
度数
46
88
119
83
5
度数
98
107
72
62
2
度数
7
60
135
35
47
10
47
度数
220
94
17
7
-
3
度数
274
32
12
11
11
1
度数
12
312
11
6
Q34_1_2 朝食内容
焼き魚、ハム等
0 食べていない
1 食べている
8 非該当
9 DK/NA
151
173
11
6
Q34_1_3 朝食内容
味噌汁、スープ等
0 食べていない
1 食べている
8 非該当
9 DK/NA
160
164
11
6
度数
度数
パーセント
4.69
16.72
49.27
27.86
1.47
パーセント
18.77
33.14
19.65
26.69
1.76
パーセント
13.49
25.81
34.90
24.34
1.47
パーセント
28.74
31.38
21.11
18.18
0.59
パーセント
2.05
17.60
39.59
10.26
13.78
2.93
13.78
パーセント
64.52
27.57
4.99
2.05
0.00
0.88
パーセント
80.35
9.38
3.52
3.23
3.23
0.29
パーセント
3.52
91.50
3.23
1.76
パーセント
44.28
50.73
3.23
1.76
パーセント
46.92
48.09
3.23
1.76
205
累積
度数
16
73
241
336
341
累積
パーセント
4.69
21.41
70.67
98.53
100.00
累積
度数
64
177
244
335
341
累積
パーセント
18.77
51.91
71.55
98.24
100.00
累積
度数
46
134
253
336
341
累積
パーセント
13.49
39.30
74.19
98.53
100.00
累積
度数
98
205
277
339
341
累積
パーセント
28.74
60.12
81.23
99.41
100.00
累積
度数
7
67
202
237
284
294
341
累積
パーセント
2.05
19.65
59.24
69.50
83.28
86.22
100.00
累積
度数
220
314
331
338
338
341
累積
パーセント
64.52
92.08
97.07
99.12
99.12
100.00
累積
度数
274
306
318
329
340
341
累積
パーセント
80.35
89.74
93.26
96.48
99.71
100.00
累積
度数
12
324
335
341
累積
パーセント
3.52
95.01
98.24
100.00
累積
度数
151
324
335
341
累積
パーセント
44.28
95.01
98.24
100.00
累積
度数
160
324
335
341
累積
パーセント
46.92
95.01
98.24
100.00
Q34_1_4 朝食内容
野菜、果物等
0 食べていない
1 食べている
8 非該当
9 DK/NA
Q34_1_5 朝食内容
乳製品
0 食べていない
1 食べている
8 非該当
9 DK/NA
Q34_1_6 朝食内容
コーヒー、お茶等
0 食べていない
1 食べている
8 非該当
9 DK/NA
Q34_1_7 朝食内容
その他
0 食べていない
1 食べている
8 非該当
9 DK/NA
Q35 嫌いなものでも食べる
1 全部食べる
2 ほぼ食べる
3 ほとんど食べない
4 まったく食べない
5 嫌いなものはない
9 DK/NA
Q35_1 嫌いなものを食べる理由
1 体にいいから
2 栄養を偏らせないため
3 出されたものは残さないから
4 食事のマナーだから
5 作った人に失礼だから
6 強要されるから
7 好き嫌いをなくすため
8 他に食べるものがなかったから
9 その他
88 非該当
99 DK/NA
Q36_a 食品・食材購入配慮
中国産を買わない
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q36_b 食品・食材購入配慮
成分表示を見る
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q36_c 食品・食材購入配慮
無農薬野菜選好
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q36_d 食品・食材購入配慮
非遺伝子組替大豆食品選好
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
度数
131
193
11
6
度数
136
188
11
6
度数
85
239
11
6
度数
307
17
11
6
度数
48
144
77
24
41
7
度数
39
56
45
21
18
-
8
2
3
142
7
度数
242
74
18
6
1
度数
122
121
76
20
2
度数
95
136
90
18
2
度数
146
120
55
17
3
パーセント
38.42
56.60
3.23
1.76
パーセント
39.88
55.13
3.23
1.76
パーセント
24.93
70.09
3.23
1.76
パーセント
90.03
4.99
3.23
1.76
パーセント
14.08
42.23
22.58
7.04
12.02
2.05
パーセント
11.44
16.42
13.20
6.16
5.28
0.00
2.35
0.59
0.88
41.64
2.05
パーセント
70.97
21.70
5.28
1.76
0.29
パーセント
35.78
35.48
22.29
5.87
0.59
パーセント
27.86
39.88
26.39
5.28
0.59
パーセント
42.82
35.19
16.13
4.99
0.88
206
累積
度数
131
324
335
341
累積
パーセント
38.42
95.01
98.24
100.00
累積
度数
136
324
335
341
累積
パーセント
39.88
95.01
98.24
100.00
累積
度数
85
324
335
341
累積
パーセント
24.93
95.01
98.24
100.00
累積
度数
307
324
335
341
累積
パーセント
90.03
95.01
98.24
100.00
累積
度数
48
192
269
293
334
341
累積
パーセント
14.08
56.30
78.89
85.92
97.95
100.00
累積
度数
39
95
140
161
179
179
187
189
192
334
341
累積
パーセント
11.44
27.86
41.06
47.21
52.49
52.49
54.84
55.43
56.30
97.95
100.00
累積
度数
242
316
334
340
341
累積
パーセント
70.97
92.67
97.95
99.71
100.00
累積
度数
122
243
319
339
341
累積
パーセント
35.78
71.26
93.55
99.41
100.00
累積
度数
95
231
321
339
341
累積
パーセント
27.86
67.74
94.13
99.41
100.00
累積
度数
146
266
321
338
341
累積
パーセント
42.82
78.01
94.13
99.12
100.00
Q36_e 食品・食材購入配慮
牛肉のBSE問題考慮
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q36_f 食品・食材購入配慮
消費期限考慮
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q37_a 食品の利用について
ファーストフードの利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q37_b 食品の利用について
レトルト食品の利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q37_c 食品の利用について
カップ麺の利用
ほとんど毎日
週に1、2回
月に1、2回
年に数回
まったくない
DK/NA
1
2
3
4
5
9
Q37_d 食品の利用について
夕食メニューに惣菜の利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q37_e 食品の利用について
夕食メニューに弁当の利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q37_f 食品の利用について
サプリ補助食品の利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q37_g 食品の利用について
免疫力向上健康食品の利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q37_h 食品の利用について
美容のための健康食品の利用
ほとんど毎日
週に1、2回
月に1、2回
年に数回
まったくない
DK/NA
1
2
3
4
5
9
度数
175
92
46
25
3
度数
247
78
11
4
1
度数
-
12
102
149
76
2
度数
3
40
128
141
27
2
度数
2
26
143
108
60
2
度数
6
70
116
99
48
2
度数
6
18
68
132
112
5
度数
69
31
21
52
156
12
度数
72
46
29
40
149
5
度数
34
28
15
47
212
5
パーセント
51.32
26.98
13.49
7.33
0.88
パーセント
72.43
22.87
3.23
1.17
0.29
パーセント
0.00
3.52
29.91
43.70
22.29
0.59
パーセント
0.88
11.73
37.54
41.35
7.92
0.59
パーセント
0.59
7.62
41.94
31.67
17.60
0.59
パーセント
1.76
20.53
34.02
29.03
14.08
0.59
パーセント
1.76
5.28
19.94
38.71
32.84
1.47
パーセント
20.23
9.09
6.16
15.25
45.75
3.52
パーセント
21.11
13.49
8.50
11.73
43.70
1.47
パーセント
9.97
8.21
4.40
13.78
62.17
1.47
207
累積
度数
175
267
313
338
341
累積
パーセント
51.32
78.30
91.79
99.12
100.00
累積
度数
247
325
336
340
341
累積
パーセント
72.43
95.31
98.53
99.71
100.00
累積
度数
0
12
114
263
339
341
累積
パーセント
0.00
3.52
33.43
77.13
99.41
100.00
累積
度数
3
43
171
312
339
341
累積
パーセント
0.88
12.61
50.15
91.50
99.41
100.00
累積
度数
2
28
171
279
339
341
累積
パーセント
0.59
8.21
50.15
81.82
99.41
100.00
累積
度数
6
76
192
291
339
341
累積
パーセント
1.76
22.29
56.30
85.34
99.41
100.00
累積
度数
6
24
92
224
336
341
累積
パーセント
1.76
7.04
26.98
65.69
98.53
100.00
累積
度数
69
100
121
173
329
341
累積
パーセント
20.23
29.33
35.48
50.73
96.48
100.00
累積
度数
72
118
147
187
336
341
累積
パーセント
21.11
34.60
43.11
54.84
98.53
100.00
累積
度数
34
62
77
124
336
341
累積
パーセント
9.97
18.18
22.58
36.36
98.53
100.00
Q37_i 食品の利用について
動脈硬化予防健康食品の利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q37_j 食品の利用について
肥満予防健康食品の利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q37_k 食品の利用について
血圧安定健康食品の利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q37_l 食品の利用について
疲労回復健康食品の利用
1 ほとんど毎日
2 週に1、2回
3 月に1、2回
4 年に数回
5 まったくない
9 DK/NA
Q38_a 食事のマナーについて
食事マナー教育重要
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q38_b 食事のマナーについて
他人のマナー気になる
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q38_c 食事のマナーについて
自分のマナー気になる
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q38_d 食事のマナーについて
食前食後の挨拶する
あてはまる
どちらかといえばあてはまる
どちらかといえばあてはまらない
あてはまらない
DK/NA
1
2
3
4
9
Q38_e 食事のマナーについて
箸の使い方気になる
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q38_f 食事のマナーについて
食器に口をつけて食べない
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
度数
15
32
26
43
219
6
度数
13
31
19
30
241
7
度数
6
15
19
23
272
6
度数
28
30
35
56
188
4
度数
217
109
11
1
3
度数
86
177
62
10
6
度数
96
167
63
9
6
度数
205
89
33
10
4
度数
166
110
43
15
7
度数
182
120
26
7
6
パーセント
4.40
9.38
7.62
12.61
64.22
1.76
パーセント
3.81
9.09
5.57
8.80
70.67
2.05
パーセント
1.76
4.40
5.57
6.74
79.77
1.76
パーセント
8.21
8.80
10.26
16.42
55.13
1.17
パーセント
63.64
31.96
3.23
0.29
0.88
パーセント
25.22
51.91
18.18
2.93
1.76
パーセント
28.15
48.97
18.48
2.64
1.76
パーセント
60.12
26.10
9.68
2.93
1.17
パーセント
48.68
32.26
12.61
4.40
2.05
パーセント
53.37
35.19
7.62
2.05
1.76
208
累積
度数
15
47
73
116
335
341
累積
パーセント
4.40
13.78
21.41
34.02
98.24
100.00
累積
度数
13
44
63
93
334
341
累積
パーセント
3.81
12.90
18.48
27.27
97.95
100.00
累積
度数
6
21
40
63
335
341
累積
パーセント
1.76
6.16
11.73
18.48
98.24
100.00
累積
度数
28
58
93
149
337
341
累積
パーセント
8.21
17.01
27.27
43.70
98.83
100.00
累積
度数
217
326
337
338
341
累積
パーセント
63.64
95.60
98.83
99.12
100.00
累積
度数
86
263
325
335
341
累積
パーセント
25.22
77.13
95.31
98.24
100.00
累積
度数
96
263
326
335
341
累積
パーセント
28.15
77.13
95.60
98.24
100.00
累積
度数
205
294
327
337
341
累積
パーセント
60.12
86.22
95.89
98.83
100.00
累積
度数
166
276
319
334
341
累積
パーセント
48.68
80.94
93.55
97.95
100.00
累積
度数
182
302
328
335
341
累積
パーセント
53.37
88.56
96.19
98.24
100.00
Q38_g 食事のマナーについて
肘をついて食べない
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q38_h 食事のマナーについて
食器に口をつけない
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q38_i 食事のマナーについて
ながら食いをしない
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q39 食事の準備頻度
1
2
3
4
9
毎日
週に4~6日
週に2~3日
ほとんどしない
DK/NA
Q40_a 料理にかける手間
昆布等からダシをとる
1 よくする
2 ときどきする
3 あまりしない
4 まったくしない
9 DK/NA
Q40_b 料理にかける手間
野菜切る所から始める
1 よくする
2 ときどきする
3 あまりしない
4 まったくしない
9 DK/NA
Q40_c 料理にかける手間
料理の見た目配慮
1 よくする
2 ときどきする
3 あまりしない
4 まったくしない
9 DK/NA
Q40_d 料理にかける手間
味付け調味料の利用
1 よくする
2 ときどきする
3 あまりしない
4 まったくしない
9 DK/NA
Q40_e 料理にかける手間
季節の食材使用
1 よくする
2 ときどきする
3 あまりしない
4 まったくしない
9 DK/NA
度数
238
77
15
5
6
度数
233
80
13
6
9
度数
53
82
130
67
9
度数
243
51
23
21
3
度数
63
84
97
95
2
度数
307
21
6
4
3
度数
180
116
34
8
3
度数
47
158
91
42
3
度数
205
105
23
4
4
パーセント
69.79
22.58
4.40
1.47
1.76
パーセント
68.33
23.46
3.81
1.76
2.64
パーセント
15.54
24.05
38.12
19.65
2.64
パーセント
71.26
14.96
6.74
6.16
0.88
パーセント
18.48
24.63
28.45
27.86
0.59
パーセント
90.03
6.16
1.76
1.17
0.88
パーセント
52.79
34.02
9.97
2.35
0.88
パーセント
13.78
46.33
26.69
12.32
0.88
パーセント
60.12
30.79
6.74
1.17
1.17
209
累積
度数
238
315
330
335
341
累積
パーセント
69.79
92.38
96.77
98.24
100.00
累積
度数
233
313
326
332
341
累積
パーセント
68.33
91.79
95.60
97.36
100.00
累積
度数
53
135
265
332
341
累積
パーセント
15.54
39.59
77.71
97.36
100.00
累積
度数
243
294
317
338
341
累積
パーセント
71.26
86.22
92.96
99.12
100.00
累積
度数
63
147
244
339
341
累積
パーセント
18.48
43.11
71.55
99.41
100.00
累積
度数
307
328
334
338
341
累積
パーセント
90.03
96.19
97.95
99.12
100.00
累積
度数
180
296
330
338
341
累積
パーセント
52.79
86.80
96.77
99.12
100.00
累積
度数
47
205
296
338
341
累積
パーセント
13.78
60.12
86.80
99.12
100.00
累積
度数
205
310
333
337
341
累積
パーセント
60.12
90.91
97.65
98.83
100.00
Q40_f 料理にかける手間
地元生産食品の使用
1 よくする
2 ときどきする
3 あまりしない
4 まったくしない
9 DK/NA
Q41_a 献立の立て方
肉料理の日が多い
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q41_b 献立の立て方
野菜を多く使用
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q41_c 献立の立て方
栄養バランスを考慮
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q41_d 献立の立て方
多くの品目を使う
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q41_e 献立の立て方
食べたい食材を使う
1 あてはまる
2 どちらかといえばあてはまる
3 どちらかといえばあてはまらない
4 あてはまらない
9 DK/NA
Q42_1 千葉伝統・郷土料理の調理経験
太巻き寿司
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_2 千葉伝統・郷土料理の調理経験
はば雑煮
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_3 千葉伝統・郷土料理の調理経験
性学もち
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_4 千葉伝統・郷土料理の調理経験
鳥雑炊
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_5 千葉伝統・郷土料理の調理経験
菜の花の辛し和え
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
度数
136
121
65
16
3
度数
35
114
124
57
11
度数
146
145
36
4
10
度数
118
152
46
14
11
度数
99
154
66
12
10
度数
88
172
56
14
11
度数
272
60
9
度数
281
51
9
度数
327
5
9
度数
309
23
9
度数
173
159
9
パーセント
39.88
35.48
19.06
4.69
0.88
パーセント
10.26
33.43
36.36
16.72
3.23
パーセント
42.82
42.52
10.56
1.17
2.93
パーセント
34.60
44.57
13.49
4.11
3.23
パーセント
29.03
45.16
19.35
3.52
2.93
パーセント
25.81
50.44
16.42
4.11
3.23
パーセント
79.77
17.60
2.64
パーセント
82.40
14.96
2.64
パーセント
95.89
1.47
2.64
パーセント
90.62
6.74
2.64
パーセント
50.73
46.63
2.64
210
累積
度数
136
257
322
338
341
累積
パーセント
39.88
75.37
94.43
99.12
100.00
累積
度数
35
149
273
330
341
累積
パーセント
10.26
43.70
80.06
96.77
100.00
累積
度数
146
291
327
331
341
累積
パーセント
42.82
85.34
95.89
97.07
100.00
累積
度数
118
270
316
330
341
累積
パーセント
34.60
79.18
92.67
96.77
100.00
累積
度数
99
253
319
331
341
累積
パーセント
29.03
74.19
93.55
97.07
100.00
累積
度数
88
260
316
330
341
累積
パーセント
25.81
76.25
92.67
96.77
100.00
累積
度数
272
332
341
累積
パーセント
79.77
97.36
100.00
累積
度数
281
332
341
累積
パーセント
82.40
97.36
100.00
累積
度数
327
332
341
累積
パーセント
95.89
97.36
100.00
累積
度数
309
332
341
累積
パーセント
90.62
97.36
100.00
累積
度数
173
332
341
累積
パーセント
50.73
97.36
100.00
Q42_6 千葉伝統・郷土料理の調理経験
落花生みそ
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_7 千葉伝統・郷土料理の調理経験
鯵のさんが
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_8 千葉伝統・郷土料理の調理経験
いわし団子のつみれ汁
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_9 千葉伝統・郷土料理の調理経験
なめろう
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_10 千葉伝統・郷土料理の調理経験
てっぽう漬け
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_11 千葉伝統・郷土料理の調理経験
鯨のたれ
0 調理経験なし
1 調理経験あり
9 DK/NA
Q42_12 千葉伝統・郷土料理の調理経験
どれも知らない
0 知っている
1 どれも知らない
9 DK/NA
Q42_13 千葉伝統・郷土料理の調理経験
どれも作ったことない
0 作ったことがある
1 作ったことがない
9 DK/NA
F1 配偶関係
1 未婚
2 既婚
3 離婚
4 死別
9 DK/NA
F2 子どもの有無
1 はい
2 いいえ
9 DK/NA
F2_chi 子どもの数
1人
2人
3人
4人以上
非該当
DK/NA
平均値 = 2.02(人)
F3 子どもとの同居
1 はい
2 いいえ
8 非該当
9 DK/NA
度数
280
52
9
度数
282
50
9
度数
189
143
9
度数
276
56
9
度数
322
10
9
度数
324
8
9
度数
317
15
9
度数
240
92
9
度数
45
261
14
9
12
度数
246
82
13
度数
52
144
43
6
82
14
度数
166
72
82
21
パーセント
82.11
15.25
2.64
パーセント
82.70
14.66
2.64
パーセント
55.43
41.94
2.64
パーセント
80.94
16.42
2.64
パーセント
94.43
2.93
2.64
パーセント
95.01
2.35
2.64
パーセント
92.96
4.40
2.64
パーセント
70.38
26.98
2.64
パーセント
13.20
76.54
4.11
2.64
3.52
パーセント
72.14
24.05
3.81
パーセント
15.25
42.23
12.61
1.76
24.05
4.11
パーセント
48.68
21.11
24.05
6.16
211
累積
度数
280
332
341
累積
パーセント
82.11
97.36
100.00
累積
度数
282
332
341
累積
パーセント
82.70
97.36
100.00
累積
度数
189
332
341
累積
パーセント
55.43
97.36
100.00
累積
度数
276
332
341
累積
パーセント
80.94
97.36
100.00
累積
度数
322
332
341
累積
パーセント
94.43
97.36
100.00
累積
度数
324
332
341
累積
パーセント
95.01
97.36
100.00
累積
度数
317
332
341
累積
パーセント
92.96
97.36
100.00
累積
度数
240
332
341
累積
パーセント
70.38
97.36
100.00
累積
度数
45
306
320
329
341
累積
パーセント
13.20
89.74
93.84
96.48
100.00
累積
度数
246
328
341
累積
パーセント
72.14
96.19
100.00
累積
度数
52
196
239
245
327
341
累積
パーセント
15.25
57.48
70.09
71.85
95.89
100.00
累積
度数
166
238
320
341
累積
パーセント
48.68
69.79
93.84
100.00
F3_1 末子成長段階
1 小学生未満
2 小学生
3 中学生
4 高校生
5 中卒・高卒以上
8 非該当
9 DK/NA
F4 就労形態
1 正社員(フルタイマー)
2 パート(アルバイト含む)
3 派遣社員
4 公務員・団体職員など
5 商店などの自営業・農林業
6 その他
7 無職
9 DK/NA
F5 職務内容
1 商工自営・農業
2 管理職・会社団体役員
3 専門職
4 技術職
5 事務職
6 販売・サービス職
7 生産工程作業職
8 自由業
9 その他
10 無職
99 DK/NA
F6_a 一週間平均労働時間
10時間未満
10時間以上20時間未満
20時間以上30時間未満
30時間40時間未満
40時間以上50時間未満
50時間以上60時間未満
60時間以上
非該当
DK/NA
平均値 = 29.13(時間)
F6_b 一週間平均労働日数
2日未満
2日以上3日未満
3日以上4日未満
4日以上5日未満
5日以上6日未満
6日以上
非該当
DK/NA
平均値 = 4.45(日)
F7_1 世帯構成
一人暮らし
0 一人暮らしではない
1 一人暮らし
9 DK/NA
F7_2 世帯構成
パートナーと同居
0 同居していない
1 同居している
9 DK/NA
度数
パーセント
29
25
20
8
83
154
22
度数
8.50
7.33
5.87
2.35
24.34
45.16
6.45
パーセント
41
99
13
13
16
13
136
10
度数
12.02
29.03
3.81
3.81
4.69
3.81
39.88
2.93
パーセント
9
2
37
10
49
62
6
6
12
136
12
度数
2.64
0.59
10.85
2.93
14.37
18.18
1.76
1.76
3.52
39.88
3.52
パーセント
26
30
41
26
39
16
7
136
20
度数
7.62
8.80
12.02
7.62
11.44
4.69
2.05
39.88
5.87
パーセント
3
17
18
33
91
23
136
20
度数
0.88
4.99
5.28
9.68
26.69
6.74
39.88
5.87
パーセント
322
15
4
度数
94.43
4.40
1.17
パーセント
70
267
4
20.53
78.30
1.17
212
累積
度数
29
54
74
82
165
319
341
累積
パーセント
8.50
15.84
21.70
24.05
48.39
93.55
100.00
累積
度数
41
140
153
166
182
196
332
341
累積
パーセント
12.02
41.06
44.87
48.68
53.37
57.48
97.36
100.00
累積
度数
9
11
48
58
107
169
175
181
193
329
341
累積
パーセント
2.64
3.23
14.08
17.01
31.38
49.56
51.32
53.08
56.60
96.48
100.00
累積
度数
26
56
97
123
162
178
185
321
341
累積
パーセント
7.62
16.42
28.45
36.07
47.51
52.20
54.25
94.13
100.00
累積
度数
3
20
38
71
162
185
321
341
累積
パーセント
0.88
5.87
11.14
20.82
47.51
54.25
94.13
100.00
累積
度数
322
337
341
累積
パーセント
94.43
98.83
100.00
累積
度数
70
337
341
累積
パーセント
20.53
98.83
100.00
F7_3 世帯構成
子どもと同居
0 同居していない
1 同居している
9 DK/NA
度数
157
180
4
F7_4 世帯構成
(義)親と同居
0 同居していない
1 同居している
9 DK/NA
275
62
4
F7_5 世帯構成
祖父母と同居
0 同居していない
1 同居している
9 DK/NA
327
10
4
F7_6 世帯構成
孫と同居
0 同居していない
1 同居している
9 DK/NA
F7_7 世帯構成
その他
0 同居していない
1 同居している
9 DK/NA
F8_1 住んでいる年数
1 生まれたときから
2 移り住んできた
9 DK/NA
F8_2 移住者の居住期間
5年未満
5年以上10年未満
10年以上15年未満
15年以上20年未満
20年以上25年未満
25年以上30年未満
30年以上35年未満
35年以上40年未満
40年以上
非該当
DK/NA
平均値 = 266.78(ヶ月)
F9 過去一年間の世帯収入
1 収入はなかった
2 100万円未満
3 100~200万円未満
4 200~300万円未満
5 300~400万円未満
6 400~500万円未満
7 500~600万円未満
8 600~700万円未満
9 700~800万円未満
10 800~900万円未満
11 900~1000万円未満
12 1000~1200万円未満
13 1200~1500万円未満
14 1500~1800万円未満
15 1800~2000万円未満
16 2000万円以上
99 DK/NA
Q34_1NEW 朝食種別
1 パン・ご飯など
2 焼き魚、ハムなど
3 味噌汁、スープなど
4 サラダ、果物など
5 乳製品
6 コーヒー、お茶など
7 1と1以外の組合せ
8 1以外の組合せ
88 非該当
99 DK/NA
度数
度数
度数
328
9
4
度数
325
12
4
度数
73
267
1
度数
30
27
28
24
34
34
37
24
26
73
4
度数
-
6
10
24
37
42
21
26
40
22
16
31
19
7
10
7
23
度数
14
1
1
-
-
1
297
9
12
6
パーセント
46.04
52.79
1.17
パーセント
80.65
18.18
1.17
パーセント
95.89
2.93
1.17
パーセント
96.19
2.64
1.17
パーセント
95.31
3.52
1.17
パーセント
21.41
78.30
0.29
パーセント
8.80
7.92
8.21
7.04
9.97
9.97
10.85
7.04
7.62
21.41
1.17
パーセント
0.00
1.76
2.93
7.04
10.85
12.32
6.16
7.62
11.73
6.45
4.69
9.09
5.57
2.05
2.93
2.05
6.74
パーセント
4.11
0.29
0.29
0.00
0.00
0.29
87.10
2.64
3.52
1.76
213
累積
度数
157
337
341
累積
パーセント
46.04
98.83
100.00
累積
度数
275
337
341
累積
パーセント
80.65
98.83
100.00
累積
度数
327
337
341
累積
パーセント
95.89
98.83
100.00
累積
度数
328
337
341
累積
パーセント
96.19
98.83
100.00
累積
度数
325
337
341
累積
パーセント
95.31
98.83
100.00
累積
度数
73
340
341
累積
パーセント
21.41
99.71
100.00
累積
度数
30
57
85
109
143
177
214
238
264
337
341
累積
パーセント
8.80
16.72
24.93
31.96
41.94
51.91
62.76
69.79
77.42
98.83
100.00
累積
度数
0
6
16
40
77
119
140
166
206
228
244
275
294
301
311
318
341
累積
パーセント
0.00
1.76
4.69
11.73
22.58
34.90
41.06
48.68
60.41
66.86
71.55
80.65
86.22
88.27
91.20
93.26
100.00
累積
度数
14
15
16
16
16
17
314
323
335
341
累積
パーセント
4.11
4.40
4.69
4.69
4.69
4.99
92.08
94.72
98.24
100.00
F7NEW 家族構成
1 一人暮らし
2 夫婦のみ
3 2~3世代世帯
4 3世代以上世帯
5 その他
9 DK/NA
度数
15
99
184
31
8
4
パーセント
4.40
29.03
53.96
9.09
2.35
1.17
214
累積
度数
15
114
298
329
337
341
累積
パーセント
4.40
33.43
87.39
96.48
98.83
100.00
調
査
票
現代生活における食と健康についてのアンケート
今日、食と健康への関心が高まっているといわれます。ただ、それらの関心がどの
ような生活や社会背景のもとに生まれているのかについて、総合的な議論にはいたっ
ていないと思われます。
そのような総合的な議論の必要性という観点から本調査を企画いたしました。授業
の 一 環 と し て 、 20 代 ~ 60 代 の 女 性 の 方 々 に 、 食 生 活 と 健 康 に つ い て お 教 え い た だ き
たいという企画でございます。お忙しいところ大変恐縮ですが、アンケートの趣旨を
ご理解いただき、ご協力いただきますようお願い申し上げます。
ご 回 答 い た だ く 方 々 は 、 千 葉 市 在 住 の 20 代 ~ 60 代 の 方 々 を 代 表 す る よ う に 、 無 作
為抽出法(くじ引きのような方法)で選ばせていただきました。
ご回答は無記名でお願いしており、データは数値化し、コンピュータで統計的に処
理いたしますので、個人情報が特定されることはありません。回答には多少お時間が
かかりますが、どうぞありのままをご記入くださいますようお願い申し上げます。
このアンケート調査につきまして、ご不明な点やご質問がございましたら、下記ま
でお問い合わせください。
平 成 19 年 10 月
調査責任者
淑徳大学教授
淑徳大学教授
淑徳大学 社会学科 3 年
奥田桃子
田篠由志
上杉ちあき 田中路大
三澤千尋
長澤伸哉
鈴木将司
中村美由貴
教育助手補
淑徳大学大学院
淑徳大学大学院
桝潟 俊子
時井 聰
池田奈月
岡本 愛
笹野井絵梨
下保智之
田中綾加
長良 梢
橋本紀子
宮部優
三橋彩美
山上尚登
桑原智希
吉田知代
本多 敏明
庄司 壮
後藤康之
佐藤恵美
長谷川恭平
原栄理(4 年)
連 絡 先 : 千 葉 市 中 央 区 大 巌 寺 町 200 番 地
淑徳大学総合福祉学部社会学科
電 話 番 号 :043-265-7331(内 線 559)
217
Q1 あ な た が お 住 ま い の 区 を お 聞 き し ま す 。 あ て は ま る 番 号 に ○ を つ け て く だ さ い 。
(○はひとつ)
1. 中央区
2. 美浜区
3. 緑区
4. 稲毛区
5. 花見川区
6. 若葉区
Q2 あなたの年齢を教えてください。
満(
)歳
Q3 あなたの健康に関する意識や行動についてお聞きします。次の a~kのことがらについて、あては
まる番号に○をつけてください。(○はひとつずつ)
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
a. 健康作りのために目標を持って取り組んでいる
1
2
3
4
b. 自分の健康は自分で管理している
1
2
3
4
c. 健康に関する出費は惜しまない
1
2
3
4
d. 定期的な運動を心がけることは大切だと思う
1
2
3
4
e. 普段、健康のための運動をしたいと思っている
1
2
3
4
f. 友人や家族との会話で健康関連の話題がよく出る
1
2
3
4
g. 身体的に健康でありたいと思う
1
2
3
4
h. 最近体調が優れず、不健康ではないかという不安を感じる
1
2
3
4
i. 今は健康だが、昔大きな病気をしたため不安がある
1
2
3
4
j. 特に体調不良ではないが、何となく不安を感じる
1
2
3
4
k. もっと健康になりたいという向上心がある
1
2
3
4
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
218
・・・・・
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・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
Q4 あなたは、健康のために次の a~l のことがどのくらい重要だと思いますか。あてはまる番号に○
をつけてください。(○はひとつずつ)
重
要
で
あ
る
重や
要や
で
あ
る
重あ
要ま
でり
な
い
重
要
で
な
い
a. 疲れにくい
1
2
3
4
b. 適度な運動をするゆとりがある
1
2
3
4
c. 趣味やレジャーを楽しむことができる
1
2
3
4
d. 相手の気持ちを理解できるゆとりがある
1
2
3
4
e. どんな人とも良好な人間関係を作れる
1
2
3
4
f. どんな相手とも協力して社会活動ができる
1
2
3
4
g. 食べ物をおいしく食べることができる
1
2
3
4
h. よく眠ることができる
1
2
3
4
i. 快い便通がある
1
2
3
4
j. 体重が安定している
1
2
3
4
k. 仕事や家事にやりがいを感じ没頭できる
1
2
3
4
l. 時に無報酬のサービス(ボランティア)ができる
1
2
3
4
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
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・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
Q5 あなたが、特に「健康的な生活を送るために重要だ」と思う行動はどれですか。あてはまる番号に
○をつけてください。
(○はひとつ)
1.
食事に気を使う
2.
睡眠をよくとる
3.
適度な運動をする
4.
人間関係を円滑にし、ストレスをためないようにする
Q6 では、あなたは健康的な生活を送るために重要だと思う行動(Q5 で回答したもの)を普段の生活で
実行していますか。
1. はい
Q7 へお進みください
2. いいえ
続けて Q 6-1 にお答えください
219
Q6 で「2.いいえ」と回答した方にお聞きします
Q 6-1
あなたが、健康的な生活を送るために重要だと思う行動を普段の生活で実行でき
ない理由は何ですか。あてはまる番号すべてに○をつけてください。
1. 仕事が忙しい
2. 家事・育児で忙しい
3. 実行した時の効果がわからない
4. 家族や友人の協力が得られない
5. お金がかかる
6. 指導者がいないのでやり方が解らない
7. 仲間がいない
8. 実行する必要がない
9. 体を動かすのが嫌い
10. 場所がない
11. すぐに飽きて続かない
12. 体が丈夫ではない
13. 周囲に溶け込めない
14. 周囲に気持ちを伝える事ができない
15. その他(
Q7
)
あなたはエレベーター・エスカレーターよりも階段を使うようにしていますか。あて
はまる番号に○をつけてください。(○はひとつ)
1.
使うようにしている
2.
どちらかといえば使うようにしている
3.
どちらかといえば使わないようにしている
4.
使わないようにしている
Q8
あなたは、次の 1~10 の運動をしたことがありますか。あてはまる番号すべてに○を
つけてください。
1.
ストレッチ運動をする
2.
室内でできる運動をする(ヨガなど)
3.
ジョギングをする
4.
趣味としてスポーツをする(テニス、水泳など)
5.
運動を目的とし自転車をこぐ
6.
筋肉トレーニングをする(腹筋、背筋など)
7.
ウォーキングをする
8.
ラジオ体操やテレビで紹介された体操をする
9.
トレーニングジムに通う
10. 運動器具(ダンベルなど)を使った運動をする
11. どれもしたことがない
220
Q9
あなたは、これまで一週間以上続いたダイエットの経験がありますか。複数ある場合
はそのうちの主だったものについてお答えください。(○はひとつ)
また、「2.前(昔)はやっていた」と回答した方は、最近の経験についてどのくらい
前かを年月でお教えください。
1.
実行中
2.
前(昔)はやっていた (
3.
ダイエットの経験はない
)年(
)か月前
Q10(次のページ)へお進みください
続けて Q9-1、Q9-2 にお答えください
Q9 で「1.実行中」、「2.前(昔)はやっていた」と回答した方にお聞きします
Q9-1
その主な目的は何ですか。あてはまる番号に○をつけてください。
(○はひとつ)
1.
理想の体形・容姿になるため
2.
洋服を着こなすため
3.
スタイル維持のため
4.
異性から好感を得るため
5.
生活習慣病(高血圧、心臓病、糖尿病など)予防のため
6.
健康維持のため
7.
体質改善のため
8.
足腰への負担を減らすため
Q9 で「1.実行中」、「2.前(昔)はやっていた」と回答した方にお聞きします
Q9-2
これまでうまくいかなかったダイエットがある場合、うまくいかなったのは何故
ですか。あてはまる番号に○をつけてください。(○はひとつ)
1.
効果が現れなかったから
2.
飽きてしまい続かなかったから
3.
経済的に継続できなかったから
4.
急激なダイエットで健康を害してしまったから
5.
リバウンドしてしまったから
6.
食べ物の誘惑に負けてしまったから
7.
その他(
8.
うまくいかなかったダイエットはない
)
221
Q10
現在の生活状況についてお聞きします。次の a~k のことがらについて、あてはまる
番号に○をつけてください。(○はひとつずつ)
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
a. 今を楽しむことよりも、将来のほうが重要である
1
2
3
4
b. 体に良くないと思ったら、我慢をする(暴飲食、喫煙等)
1
2
3
4
c. 生活習慣病の予防を心がけている
1
2
3
4
d. 将来のために貯蓄をしている
1
2
3
4
e. 老後の楽しみを考えている
1
2
3
4
f. 毎日、体重計にのっている
1
2
3
4
g. 家を出る前には必ず鏡を見る
1
2
3
4
h. 外出時はパンツスタイルが多い
1
2
3
4
i. 他人にどう思われているか気になる
1
2
3
4
j. 自分のことよりも他人のことを優先する
1
2
3
4
k. 精神的に弱いほうである
1
2
3
4
Q11
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
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・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
現在のあなたの生活で最も重点を置いているものはどれですか。あてはまる番号に○
をつけてください。(○はひとつ)
1.
衣生活
2.
食生活
3.
住生活
4.
子どもの教育
5.
レジャー・余暇生活
6.
自動車・電気製品・家具などの耐久消費財の面
7.
その他(
Q12
)
あなたは、健康に関する情報をどのような手段で得ていますか。あてはまる番号すべ
てに○をつけてください。
1. テレビ
2. ラジオ
3. 新聞
4. 雑誌
5. 本
6. インターネット
7. 友人・知人からの情報
8. その他(
222
)
9.
特にない
Q13
あなたが健康情報を得るためによく見るテレビ番組はどれですか。あてはまる番号す
べてに○をつけてください。
1. 生活ほっとモーニング(NHK 総合)
2. はなまるマーケット(TBS)
3. おしゃれ工房(NHK 教育)
4. 王様のブランチ(TBS)
5. 所さんの目がテン!(日本テレビ)
6. ご近所の底力(NHK 総合)
7. 主治医が見つかる診療所(テレビ東京)
8.
9. レディス 4(テレビ東京)
午後は○○おもいッきりテレビ(日本
テレビ)
10. きょうの健康(NHK 教育)
11. ためしてガッテン(NHK 総合)
12. たけしの本当は怖い家庭の医学(テレ
13. カラダのキモチ(TBS)
14. 人間!これでいいのだ(TBS)
ビ朝日)
15. その他(
16. 特にない
)
Q14(次のページ)にお進みください
Q13 で 1~15 のどれかに○をつけた方にお聞きします
Q13-1 あなたが健康番組を信用する理由は何ですか。あてはまる番号に○をつけてくだ
さい。(○はひとつずつ)
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
a. 一般視聴者を使った実験や体験談が紹介されているから
1
2
3
4
b. 有名人を使った実験や体験談が紹介されているから
1
2
3
4
c. 専門家が登場して解説しているから
1
2
3
4
d. その食品(商品)が売れているから
1
2
3
4
e. 有名な司会者が登場しているから
1
2
3
4
f. 医学的根拠があるから
1
2
3
4
g. 他の番組でも取り上げられているから
1
2
3
4
h. 効果が無い場合や危険性などについても紹介しているから
1
2
3
4
i. 映像や模型などを使って分かりやすく見せてくれるから
1
2
3
4
j. 興味のある食品(商品)を取り上げているから
1
2
3
4
・・・・・
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223
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Q14
健康行動についてお聞きします。次の a~i のことがらについて、あてはまる番号に○
をつけてください。(○はひとつずつ)
は
い
い
い
え
a. メディア(テレビ・雑誌など)で紹介されていた商品を購入した事がある
1
2
b. メディア(テレビ・雑誌など)で紹介されていた食品を購入した事がある
1
2
1
2
1
2
e. ゲルマニウム温浴に行った事がある
1
2
f. 岩盤浴に行った事がある
1
2
g. エステに行った事がある
1
2
h. マッサージに行った事がある
1
2
i. スポーツジムに通った事がある
1
2
・・・・・
・・・・・
c. メディア(テレビ・雑誌など)で
紹介されていた調理法を実践した事がある
・・・・・
d. メディア(テレビ・雑誌など)で
紹介されていたダイエット運動をした事がある
Q15
・・・・・
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・・・・・
あなたのここ一週間の一日当たりの平均睡眠時間はどのくらいですか。あてはまる番
号に○をつけてください。(○はひとつ)
1. 8時間以上
Q16
2. 6~7時間程度
3. 4~5時間程度
4. 3時間未満
あなたの普段の睡眠状態について、
次の a~f のことがらはどの程度あてはまりますか。
あてはまる番号に○をつけてください。
(○はひとつずつ)
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
a. 適度な睡眠がとれている
1
2
3
4
b. 早寝早起きをしている
1
2
3
4
c. 一晩眠ると疲れはとれる
1
2
3
4
d. 日中に眠気をあまり感じない
1
2
3
4
e. 夜、途中で目が覚めることなく眠れる
1
2
3
4
f. 他にやりたいことがあっても睡眠を優先する
1
2
3
4
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
224
・・・・・
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・・・・・
Q17
あなたは、次の a~mのことがらについてどの程度悩んでいますか。あてはまる番号
に○をつけてください。(○はひとつずつ)
また、各項目に関して該当しない方は「あてはまらない」に○をつけてください。
悩ど
んち
でら
いか
ると
い
え
ば
悩
ん
で
い
る
悩ど
んち
でら
いか
なと
いい
え
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
悩
ん
で
い
な
い
a. 職場での人間関係
1
2
3
4
5
b. 家族関係
1
2
3
4
5
c. 友人関係
1
2
3
4
5
d. 恋人関係
1
2
3
4
5
e. 近隣での人間関係
1
2
3
4
5
f. 仕事(仕事内容や待遇など)
1
2
3
4
5
g. 勉強
1
2
3
4
5
h. 自由に使える時間がないこと
1
2
3
4
5
i. 家事
1
2
3
4
5
j. 介護
1
2
3
4
5
k. 経済的なこと
1
2
3
4
5
l. 育児・教育
1
2
3
4
5
m.自分の健康
1
2
3
4
5
Q18
・・・・・
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・・・・・
あなたの日頃のストレスの原因として、最もあてはまるものはどれですか。あてはま
る番号に○をつけてください。
(○はひとつ)
1.
人間関係(職場、家族、友人、恋人など)
2.
仕事(仕事内容や待遇など)
3.
家事(介護、育児・教育を含む)
4.
経済的なこと
5.
自分の健康
6.
その他(
)
225
Q19
あなたのお酒を飲みに行く機会およびその状況についてお聞きします。あてはまる番
号に○をつけて下さい。(○はひとつずつ)
なお、お酒を飲まない人は Q22(11 ページ)にお進みください。
っ
1週 1月
に
に
2
2
回
回
、
、
、
毎
日
年
に
数
回
1年
に
2
回
ま
た
く
な
い
a. 一人での飲酒の頻度
1
2
3
4
5
6
b. 親しい友人や異性、2、3人との飲酒の頻度
1
2
3
4
5
6
c. 家族(パートナー・子ども)との飲酒の頻度
1
2
3
4
5
6
d. 4人以上での飲み会(宴会や同窓会など)の頻度
1
2
3
4
5
6
Q20
・・・・・
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・・・・・
・・・・・
最近6ヶ月の間に次のようなことがありましたか。それぞれのことがらについて、あ
てはまる番号に○をつけて下さい。(○はひとつずつ)
a. 酒が原因で、大切な人(家族や友人)との人間関係にひびがはいったことがある
1.あ
る
2.な い
b. せめて今日だけは酒を飲むまいと思ってもつい飲んでしまうことが多い
1.あてはまる
2.あてはまらない
c. 周囲の人(家族や友人上司など)から大酒飲みと非難されたことがある
1.あ
る
2.な い
d. 適量でやめようと思っても、つい酔いつぶれるまで飲んでしまう
1.あてはまる
2.あてはまらない
e. 酒を飲んだ翌朝に前夜のことをところどころ思い出せない
1.あてはまる
2.あてはまらない
f. 休日にはほとんどいつも朝から飲む
1.あてはまる
2.あてはまらない
226
g. 二日酔いで仕事を休んだり、大事な約束を守らなかったりしたことがときどきある
1.あてはまる
2.あてはまらない
h. 糖尿病、肝臓病または心臓病と診断されたり、その治療を受けたことがある
1.あ
る
2.な い
i. 酒がきれたときに汗が出たり手がふるえたり、いらいらや不眠など苦しいことがある
1.あ
る
2.な い
j. 商売や仕事上の必要で飲む
1.よくある
2.ときどきある
3.めったにない・ない
k. 酒を飲まないと寝つけないことが多い
1.あてはまる
2.あてはまらない
l. ほとんど毎日3合以上(ウイスキーなら1/4本以上、ビールなら大瓶3本以上)の晩
しゃくをしている
1.あてはまる
2.あてはまらない
m.酒の上の失敗で警察のやっかいになったことがある
1.あ
る
2.な い
n.酔うといつも怒りっぽくなる
1.あてはまる
Q21
2.あてはまらない
あなたは、普段どこでお酒を飲むことが最も多いですか。あてはまる番号に○をつけ
てください。
(○はひとつ)
1. 自宅
2. 友人宅
3. 親戚宅
4. 個人店(小規模の居酒屋や屋台など)
6. スナック
5. チェーン店(笑笑・庄屋など)
7. クラブ・ライブハウス
10. 飲み屋以外の飲食店(レストランなど)
9. BAR
11. その他(
8. カラオケ
)
227
Q22
医師に対するあなたの信頼についてお聞きします。次の a~jのような医師に対して
どの程度できますか。あてはまる番号に○をつけて下さい。(○はひとつずつ)
信
頼
で
き
る
信ど
頼ち
でら
きか
ると
い
え
ば
信ど
頼ち
でら
きか
なと
いい
え
ば
信
頼
で
き
な
い
a. 見た目が立派な医師
1
2
3
4
b. キャリアの長い医師
1
2
3
4
c. 患者の話をよく聴いてくれる医師
1
2
3
4
d. 毎回薬を処方してくれる医師
1
2
3
4
e. 女性の医師
1
2
3
4
f. 時間外診療でも快く受け入れてくれる医師
1
2
3
4
g. いつも待合室が混んでいる医師
1
2
3
4
h. 評判のよい医師
1
2
3
4
i. 対応する診察科をたくさんもつ医師
1
2
3
4
j. 掛かり付けの医師
1
2
3
4
Q23
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
もし、深夜、あなたの近親者のお腹が急に痛くなった時、あなたがとる行動はどのよ
うなものだと思いますか。あてはまる番号に○をつけてください。(○はひとつ)
1.
すぐさま救急車を呼ぶ
2.
総合病院の夜間外来へ連れて行く
3.
最寄りのかかりつけ医に診てもらう
4.
市販の薬を服用する
5.
何もしないで様子を見る(我慢させる)
228
Q24
あなたの交流の範囲について伺います。
そ
う
思
う
そど
うち
思ら
うか
と
い
え
ば
そど
うち
思ら
わか
なと
いい
え
ば
そ
う
思
わ
な
い
a. 近所付き合い(お隣さん・お向かいさんなど)が多い
1
2
3
4
b. 親戚・兄弟などとの付き合いが多い
1
2
3
4
c. 自宅に知人がよく来る
1
2
3
4
1
2
3
4
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
d. 職場・学校の知人との付き合い
(幼稚園で知り合ったお母さんなども含む) が多い
Q25
・・・・・
・・・・・
・・・・・
家族関係に関するあなたの考えとして、次の a~h のことがらはどの程度あてはまりま
すか。あてはまる番号に○をつけてください。
(○はひとつずつ)
そ
う
思
う
そど
うち
思ら
うか
と
い
え
ば
そど
うち
思ら
わか
なと
いい
え
ば
そ
う
思
わ
な
い
a. 家族が常に助け合っていく事は重要だ
1
2
3
4
b. 家族は一緒に住んだほうがよい
1
2
3
4
c. 家族のためなら自分が犠牲になってもよい
1
2
3
4
d. 家族で普段の出来事について話し合うことは重要だ
1
2
3
4
e. 家族がお互いの悩みや心配事について相談することは重要だ
1
2
3
4
f. 家族と日常的な挨拶を交わすことは重要だ
1
2
3
4
g. 家族は揃って食事をしたほうがよい
1
2
3
4
h. 家で食事をする際に家族全員が同じメニューを食べたほうがよい
1
2
3
4
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
229
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
Q26
あなたは、同居している家族と、次の a~fの日常生活行動をどの程度一緒におこな
っていますか。あてはまる番号に○をつけてください。(○はひとつずつ)
っ
よ
く
す
る
た
ま
に
す
る
あ
ま
り
し
な
い
a. 家族との団らん(テレビを一緒に見る、日常的な会話等)
1
2
3
4
5
b. 外食(休日や家族の誕生日等)
1
2
3
4
5
c. 日用品の買い物に行く
1
2
3
4
5
d. 散歩
1
2
3
4
5
e. 悩み事、心配事などの込み入った会話
1
2
3
4
5
Q27
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
ま
た
く
し
な
い
家同
族居
はし
いて
ない
いる
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
あなたの家庭での夕食の摂り方についてお聞きします。あてはまる番号に○をつけて
ください。(○はひとつずつ)
年 なま
に い
た
数
く
回
一
人
暮
ら
し
っ
a. 家族と一緒に、同じメニューの食卓を囲む頻度
、
、
毎ほ 1 週 1 月
日と に に
2
ん 2
ど 回 回
1
2
3
4
5
6
他の家族と違うメニューを食べる頻度
1
2
3
4
5
6
c. 家族とは別に、一人で夕食を摂る頻度
1
2
3
4
5
6
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
b. 家族と一緒に食卓を囲むが、
・・・・・
・・・・・
230
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
Q28
普段の生活についてお聞きします。次の a~g のことがらはどの程度あなたにあては
まりますか。あてはまる番号に○をつけてください。(○はひとつずつ)
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
1
2
3
4
b. ごみの分別は必ずするようにしている
1
2
3
4
c. 農薬による食べ物の汚染を気にしている
1
2
3
4
d. 食べ物の食べ残しを気にする
1
2
3
4
1
2
3
4
f. 牛乳や飲み物のパックはリサイクルするようにしている
1
2
3
4
g. 生産地を気にして食材を購入している
1
2
3
4
a. テイクアウト(お持ち帰り)や出来合いのものを
買った時に出るごみ(包装、容器など)を気にする
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
e. 食べ物を買ったとき割りばし、ストロー、スプーンなどを
もらわないようにしている
Q29
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
あなたの食生活についてお聞きします。次の a~n のことがらはどの程度あてはまり
ますか。あてはまる番号に○をつけてください。(○はひとつずつ)
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
a. 1日3食とっている
1
2
3
4
b. 食事を抜くことがある
1
2
3
4
c. 外食は控えている
1
2
3
4
d. 間食は控えている
1
2
3
4
e. 食べすぎに気をつけている
1
2
3
4
f. だいたい決まった時間に食事をしている
1
2
3
4
g. カロリーを考えて食事をしている
1
2
3
4
h. 脂肪分・油分をとりすぎない
1
2
3
4
i. 塩分をとりすぎない
1
2
3
4
j. 糖分をとりすぎない
1
2
3
4
k. 炭水化物(ご飯、パン、麺類)は控えている
1
2
3
4
l. 野菜をたくさん食べている
1
2
3
4
m.果 物をたくさん食べている
1
2
3
4
n.飲み物に気を遣っている
1
2
3
4
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
231
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
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・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
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・・・・・
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・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
Q30
あなたは食事をするとき何を最も優先させますか。あてはまる番号に○をつけてくだ
さい。(○はひとつ)
1. カロリー
2. 食事の量
3. 値段(安さ)
4. 味
5. 安全性
6. 栄養バランス
Q31
食品の価格についてのあなたの考えをお聞きします。次の a~fのことがらはどの程
度あてはまりますか。あてはまる番号に○をつけてください。(○はひとつずつ)
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
a. 多少遠い所であっても、品物の値段が安い店に行く
1
2
3
4
b. 割引されている商品を好んで購入する
1
2
3
4
c. 多少気が進まなくても少しでも安いものを選ぶ
1
2
3
4
d. チラシをチェックしその時安いものを買う
1
2
3
4
e. 安いときにまとめて買い、それによって献立を決める
1
2
3
4
f. 食材により店を使い分ける
1
2
3
4
Q32
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
あなたは、一人当たりの夕飯の予算(一人暮らしの方は一回あたりの予算)をどれく
らいとして考えていますか。
約(
Q33
)円
あなたは、ここ半年、夕食のさいにあなたや家族が手作りした料理をどのくらいの頻
度で食べていますか。あてはまる番号に○をつけてください。(○はひとつ)
1. 毎日
2. 週に4~6回
4. ほとんど食べない
5. 夕食は食べない
Q34
3. 週に2~3回
あなたは朝食を、週のうち、どのくらいの頻度で食べていますか。最もあてはまる番
号に○をつけてください。(○はひとつ)
1. 毎日
2. 週に4~6回
3. 週に2~3回
4. ほとんど食べない
5. 朝食は食べない
Q35 へお進みください
232
Q34 で 1~4 のどれかに○をつけた方にお聞きします
Q34-1 あなたは普段の朝食でなにを食べていますか。あてはまる番号すべてに○をつけ
てください。
1. パン、ご飯など
2. 焼き魚、ハム、玉子焼きなど
3. 味噌汁、スープなど
4. 野菜、サラダ、果物(野菜・果物ジュース含む)
5. 乳製品(ヨーグルトなど)
6. コーヒー、紅茶、お茶など
7. その他(
)
Q35
あなたは、食事のさい、嫌いなものがあっても我慢して食べますか。あてはまる番号
に○をつけてください。(○はひとつ)
1.
全部食べる
2.
ほぼ食べる
3.
ほとんど食べない
4.
まったく食べない
5.
嫌いなものはない
続けて Q35-1 にお答えください
Q36 へお進みください
Q35 で「1.全部食べる」、
「2.ほぼ食べる」と回答した方にお聞きします
Q35-1
あなたが嫌いなものを食べる理由に最も当てはまるも番号に○をつけてくださ
い。(○はひとつ)
1. 体にいいから
2. 栄養を偏らせないため
3. 出されたものは残さないから
4. 食事のマナーだから
5. 作った人に失礼だから
6. 強要されるから
7. 好き嫌いをなくすため
8. 他に食べるものがなかったから
9. その他(
)
233
Q36
あなたは、どのようなことに配慮して食品、食材を購入していますか。次の a~f に
ついて、あてはまる番号に○をつけてください(○はひとつずつ)
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
a. 中国産の食品を買わないようにしている
1
2
3
4
b. 加工食品の成分表示(着色料、酸化防止剤等)をみて選んで買う
1
2
3
4
c. 無農薬・減農薬の野菜を選んで買う
1
2
3
4
d. 遺伝子組み換えでない大豆食品を選んで買う
1
2
3
4
e. BSE問題を考慮し生産地がアメリカ産でない牛肉を選んで買う
1
2
3
4
f. 食品の消費期限を気にして買う
1
2
3
4
Q37
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
あなたの食品の利用についてお聞きします。次の a~l の食品をどの程度利用します
か。あてはまる番号に○をつけてください。(○はひとつずつ)
っ
、
、
毎ほ 1 週 1 月
日と
に に
ん 2
2
ど回 回
年 なま
に い
数
た
回
く
a. ファーストフード(ハンバーガー、牛丼など)の利用
1
2
3
4
5
b. レトルト食品の利用
1
2
3
4
5
c. カップ麺の利用
1
2
3
4
5
d. (夕食時)調理済みのお惣菜の利用
1
2
3
4
5
e. (夕食時)調理済みの弁当の利用
1
2
3
4
5
f. サプリメントや補助食品の利用
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
g. 免疫力を高めるための健康食品(乳酸菌・プロポリスなど)の
利用
・・・・・
h. 美容のための健康食品(コラーゲン・トレハロースなど)の利用
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
i. 動脈硬化予防のための健康食品(ポリフェノール・DHA など)の
利用
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
j. 肥満予防のための健康食品(食物繊維・ビール酵母など)の
利用
・・・・・
k. 高・低血圧予防のための健康食品(ギャバなど)の利用
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
l. 疲労回復のための健康食品(クエン酸・大豆ペプチドなど)の
利用
・・・・・
234
・・・・・
・・・・・
・・・・・
Q38
あなたの食事マナーについてお聞きします。次の a~i のことがらはどの程度あては
まりますか。あてはまる番号に○をつけてください。(○はひとつずつ)
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
a. 食事をする際に、食事のマナーを教えることは重要だと思う
1
2
3
4
b. 他人と一緒に食事をする際に、相手の食事マナーが気になる
1
2
3
4
c. 食事をする際に、自分自身の食事マナーが気になる
1
2
3
4
d. 「いただきます」や「ごちそうさま」をきちんと言っている
1
2
3
4
e. 箸の使い方に気をつけている
1
2
3
4
f. 食べるときは食器を持って食べている
1
2
3
4
g. 肘をついて食べないよう気をつけている
1
2
3
4
h. 食器に口をつけて食べないよう(犬食いしないよう)気をつけている
1
2
3
4
1
2
3
4
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
i. ながら食い(テレビを見たり、新聞を読みながら食べる)を
しないようにしている
Q39
・・・・・
・・・・・
あなたは食事の準備を週に何日くらいしていますか。あてはまる番号に○をつけてく
ださい。(○はひとつ)
1. 毎日
Q40
・・・・・
2. 週に4~6日
3. 週に2~3日
4. ほとんどしない
あなたの料理にかける手間に関して、次の a~fのことがらはどの程度あてはまりま
すか。あてはまる番号に○をつけてください。
(○はひとつずつ)
っ
よ すと しあ しま
く るき なま な
す
ど いり いた
る
き
く
a. 料理の際、カツオやニボシや昆布などからダシをとって作る
1
2
3
4
1
2
3
4
1
2
3
4
1
2
3
4
e. 料理の際、季節の食材(旬の食材)を使う
1
2
3
4
f. 食材を選ぶ際、地元で生産された食品を使う
1
2
3
4
・・・・・
・・・・・
・・・・・
b. 料理の際、野菜はカット野菜など使わずに
切るところからはじめる
・・・・・
・・・・・
・・・・・
c. 料理の際、見た目(彩り、盛り付けるお皿など)に
気を配って作っている
・・・・・
・・・・・
・・・・・
d. 料理の際、味付け調味料(マーボー豆腐の素、
チャーハンの素など)に頼って味付けをしている
235
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
Q41
あなたの献立の立て方に関して、
次の a~e のことがらはどの程度あてはまりますか。
あてはまる番号に○をつけてください。
(○はひとつずつ)
あど
てち
はら
まか
ると
い
え
ば
あ
て
は
ま
る
あど
てち
はら
まか
らと
ない
いえ
ば
あ
て
は
ま
ら
な
い
a. 一週間のうち、献立のメインが肉料理の日が多い
1
2
3
4
b. 野菜を多く取り入れた料理を作る
1
2
3
4
c. 献立は栄養バランスを考えて作る
1
2
3
4
d. 献立には多くの品目を使う
1
2
3
4
e. その時食べたいと思った食材で献立を作る
1
2
3
4
Q42
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
千葉の伝統・郷土料理で、あなたが 3 年以内に作ったことのある料理はどれですか。
あてはまる番号すべてに○をつけてください。
1. 太巻き寿司
2. はば雑煮
3. 性学もち(つきぬきもち)
4. 鳥雑炊(とりぞせ)
5. 菜の花の辛し和え
6. 落花生みそ
7. 鯵のさんが
8. いわし団子のつみれ汁
9. なめろう
10. てっぽう漬け
11. 鯨のたれ(鯨の赤身をたれに漬け込んで、干したもの)
12. どれも知らない
13. 作ったことがない
◇最後に、あなたとご家族のことについてお伺いします。少々立ち入ったこと
もお伺いしますが、ご協力お願いします◇
F1
あなたの配偶関係をお聞きします。あてはまる番号に○をつけてください。
(○はひとつ)
1. 未婚
2.
3. 離婚
既婚
4. 死別
F2
あなたにはお子さんがいますか。いらっしゃる方は人数もお教えください。
1.
はい (
2.
いいえ
F3
あなたは、あなたのお子さんと同居していますか。
1.
はい
続けて F3-1 にお答えください
2.
いいえ
F4 にお進みください
)人
F4 にお進みください
236
F3 で「1.はい」(同居している子供がいる)と回答した方にお聞きします
F3-1 あなたの一番下の子供の成長段階は次のうちどれにあてはまりますか。あてはま
る番号に○をつけてください。
(○はひとつ)
1. 小学生未満
2. 小学生
3. 中学生
4. 高校生
5. 中卒・高卒以上
F4
現在、あなたの就労の形態についてお聞きします。あてはまる番号に○をつけてくだ
さい。(○はひとつ)
1.
正社員(フルタイマー)
2.
パートタイマー(アルバイト含む)
3.
派遣社員
4.
公務員・団体職員など
5.
商店などの自営業・農林業(家族従業員含む)
6.
その他(
7.
無職
)
F5
あなたのお仕事は次のうちどれにあてはまりますか。あてはまる番号に○をつけてく
ださい。(○はひとつ)
1. 商工自営・農業
2. 管理職・会社団体役員
3. 専門職
4. 技術職
5. 事務職
6. 販売・サービス職
7. 生産工程作業職
8. 自由業
9. その他(
)
10. 無職
差支えがなければ、あなたのお仕事の勤務先やお仕事の内容(例:○○株式会社、営業
など)についてお教えください。
F6
あなたは、一週間にどのくらい働いていますか。ここ半年の労働時間と労働日数の平
均をそれぞれ教えて下さい。
a. 時間:一週間に平均(
)時間
b. 日数:一週間に平均(
)日
237
F7
あなたが現在一緒に住んでいらっしゃる方は、次のうちどなたですか。あてはまる番
号すべてに○をつけてください。
1. 一人暮らし
2. パートナー、配偶者
3. あなたの子供
4. あなたの(義)親
5. あなたの祖父母
6. あなたの孫
7. その他(
)
F8
あなたは千葉市及びその周辺地域に、いつから住んでいますか。あてはまる番号に○
をつけてください。(2 を選んだ方は、移り住んできてからの年数もお教えください)
1.
生まれたときから
2.
移り住んできて
(
)年(
)か月
F9
過去一年間のお宅(生計をともにしている家族)の収入は、税込みでは次の中のどれ
に近いですか。臨時収入、副収入、年金も含めてお答えください。他の家族の方の収入
を含めて、あてはまる番号に○をつけてください。
(○はひとつ)
1. 収入はなかった
9. 700 万円以上
2. 100 万円未満
800 万円未満
10. 800 万円以上
900 万円未満
1000 万円未満
3. 100 万円以上
200 万円未満
11. 900 万円以上
4. 200 万円以上
300 万円未満
12. 1000 万円以上
1200 万円未満
5. 300 万円以上
400 万円未満
13. 1200 万円以上
1500 万円未満
6. 400 万円以上
500 万円未満
14. 1500 万円以上
1800 万円未満
7. 500 万円以上
600 万円未満
15. 1800 万円以上
2000 万円未満
8. 600 万円以上
700 万円未満
16. 2000 万円以上
◇以上で質問は終わりです◇
なお、このアンケートに対するご意見等がありましたらお書きください。
ご協力ありがとうございました。
238
平 成 19 年 度
フィールドワーク調査報告書
第 5号
発 行 : 2008 年 3 月 31 日
発行者:淑徳大学総合福祉学部社会学科
〒 260- 8701
千 葉 市 中 央 区 大 巌 寺 町 200
℡ 043-265-7331
印 刷:株式会社 正文社
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