Comments
Description
Transcript
PDF/870KB
求む!人間力。 [OUR FIELD] Satoshi Osumi 他 省 庁 国という大舞台で 働くということ 〔内閣官房(マイナンバー法案)〕 新たな制度の導入に向けて 比較で言えば、国税庁という組織では、スペシャリストとしての役割も求めら 私は現在、内閣官房の社会保障改革担当室で通称「マイナンバー法案」 (正 式名称は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に 関する法律案」といいます。)の企画・立案と、その関連規定の整備に携わ る仕事をしています。このマイナンバー法案は、国民一人ひとりに個人番号 (マイナンバー)を付与し、これを用いることで、主として社会保障と税、防 災の分野で各種の情報を連携・活用する社会保障・税番号制度を導入する ためのものです。 内閣官房 社会保障改革担当室室員 れていると言うことができそうです。 自分を高め続けること 今の私の仕事は、マイナンバーが税の分野でも利用されるという意味にお いて国税庁と繋がっている一方、その他の社会保障や防災の分野等との関 係を見れば、より広く他省庁を含めた霞ヶ関全体と繋がっています。法案が 成立し、マイナンバーが日本社会全体の重要なインフラの 1 つとして動き出 すことを思えば、その責任は大変大きく、重いものです。 スペシャリスト? ジェネラリスト? 大隅 怜 そう考えてみると、今更ながらとても大きな舞台で仕事をしているのだと 法律の企画・立案というと法律的な専門性ばかりが求められそうなもので 〔平成 21 年入庁〕 すが、意外にもそうではありません。実際の業務は専門的な法制作業だけ ではなく、関連する省庁や部局と頻繁に調整や交渉を行うことで合意形成を profile 行っていく、臨機応変に対応していくことが求められる場面が数多く存在しま ………………………………………………………………………………………………………… H 21.4 国税庁長官官房企画課 22.7 財務省主税局調査課 23.7 町田税務署個人課税部門国税調査官 24.7 内閣官房社会保障改革担当室 す。これは、自分の置かれている様々な状況に合わせてその都度、適切に 対応していくことが要求されるという意味で、ジェネラリストであることが求 められていると言い換えることもできるでしょう。 もちろん国税庁においても、霞ヶ関の官庁の 1 つとしてこうした能力が必 要とされる側面があることは言うまでもありません。その一方で、税の専門 家集団である国税局・税務署を統括する国税庁にあっては、税の分野の専 いうことを改めて感じずにはいられません。国税庁の職員として霞ヶ関全体 を舞台に働くということは、広い意味での霞ヶ関の役人であるジェネラリスト としての自分と、税という難解な分野におけるスペシャリストである自分とを ともに高めていくことだと私は思っています。私自身は、国税庁の司法試験 合格者を対象とした採用枠における最初の1人として法律家の世界から霞ヶ 関に飛び込んできました。スペシャリストとして活躍することもできるという 意味で、霞ヶ関は、これからの若手の法律家達にとっての、1つのフロンティ アということができるかもしれません。気が付けば、私が国税庁の職員になっ てから既に4 年が経とうとしていますが、国税庁、そして霞ヶ関、さらには国 という大舞台は、今も私を魅了し続けています。 自分を成長させてくれた場 ∼IMF 世界銀行年次総会∼ Ai Hikichi 門的な知見も強く求められます。これを上記のジェネラリストという言葉との 〔財務省(IMF・世界銀行年次総会)〕 世界最大規模の国際会議 皆さんは 2012 年 10 月にIMF・世界銀行年次総会が日本で開催されたこ とをご存知でしょうか?世界 188カ国の財務省・中央銀行関係の高官が一同 に会し、総関係者数 2 万人以上の世界最大規模の国際会議、入庁 4 年目の からその技術力に驚きの声が上がりました。見学後、とある国から「この施 設にわが国から研修員を派遣したい」との申し出まであった時には、日本の 技術力を示すという今回のプロジェクトの目的が本当に達成できたんだと、 激務の日々が報われた最高の充実感に浸りました。 私は、昨年の7月から4ヶ月間、財務省のIMF・世銀総会準備事務局のスタッ フとしてこの会議の開催に携わりました。 事務局での私の担当は各国代表団の工場見学企画。 「1 回の IMF 世銀総 会は 100 回の展示会に勝る」。これは、前回日本で総会が開催された 1964 日本の産業の紹介に力を入れた発想を受け継ぎ、現代の日本が持つ世界最 挽地 愛 スタートしたプロジェクトでした。外務省、経済産業省、国土交通省、地方 〔平成 21 年入庁〕 profile ……………………………………………………………………………………………………………………………………… H 21.4 国税庁課税部課税総括課 22.7 国税庁長官官房企画課 23.7 大宮税務署法人課税部門国税調査官 24.7 財務省 IMF 世銀総会準備事務局 24.11 関東信越国税局課税第二部法人課税課 国税実査官 NATIONAL TAX 21 AGENCY.2013 年当時、大蔵大臣であった田中角栄氏の言葉です。48 年前、田中蔵相が 関東信越国税局 課税第二部法人課税課国税実査官 先端の技術力を実際に見てもらう機会を作れないか・・・そのような発想から、 自治体、そして多くの民間 企業と協同して検討を進め、 現場の下見を繰り返しなが 実感した自らの成長 初めての出向、初めての国際会議、すべてが私にとって「初めて」のことで あり、プロジェクトを進めている最中は正直不安の固まりでした。上司、同僚、 部下との真剣勝負の議論(時には夜通し!)、明確な正解は誰も与えてくれな い中で、自分たちの頭で考え、自分たちで導き出した答えを実現するために、 多くの関係者を説得し、自ら行動して行く。あまりに過酷で、そして刺激的な この経験は、行政官としての自分の幅を大きく広げてくれたと確信しています。 多彩な経験 ら計画を練り上げていきま 平成 21 年 4 月の入庁以来、そこからたった 4 年の間に私が経験しただけ した。大田区の町工場、東 でも、国際的な租税回避を防止するための最先端の取り組みの検討、現在 京都の浄水施設、自動車工 国会で話題になっているマイナンバー制度の議論、税務署における法人税 場、そして最先端技術を搭 調査、そして今回の国際会議。霞ヶ関の中にとどまらず、総合職の公務員と 載したスマートハウスなど、 して様々なフィールドで仕事がしたい!という気概を持った皆さんと一緒に働 実際の現場では各国代表団 くのを楽しみにしています。 2013 国税庁職員採用案内〈総合職〉22