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エジプトアラブ共和西 デルタ地域農業排水再利用計画 農業機械訓練

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エジプトアラブ共和西 デルタ地域農業排水再利用計画 農業機械訓練
15PF24
エジプトアラブ共和西
デルタ地域農業排水再利用計画
農業機械訓練・貸出しセンター設立計画
上エジプト潅漑施設改修計画
イランイスラム共和
ケルマン州バム地区地震被害農村インフラ復旧計画
プロジェクトファインディング調査および案件形成予備調査
報 告 書
平成16年2月
社団法人 海外農業開発コンサルタンツ協会
序 文
この報告書は、株式会社 三蕗コンサルタンツが農業開発コンサルタンツ協会のご依頼に
より、平成16年1月20日から2月9日の21日間に亘って現地調査を実施したエジプト
アラブ共和国「西デルタ地域農業排水再利用計画」、「農業機械化センタ建設拡張計画」お
よび「上エジプト潅漑施設改修計画」の3案件ならびにイランイスラム共和国「ケルマン
州バム地区地震被害農村インフラ復旧計画」に関わる現地調査結果をとりまとめたもので
ある。
エジプトアラブ共和国ではスーダン国とのナイル川水利用協定(WaterBudget)で55.5億m3/
年の利水が可能であるが、引き続き行われている新規農地の開拓等により限られた水の有
効利用、特に、ナイルデルタでの水の再利用が緊急課題となっており、更に、水の再利用
に伴う水質の悪化も見逃すことが出来ない情況である。また、小麦の生産量も近年特に不
足してきており、その多くを外国からの輸入に頼っており、このため、外貨保有額が減少
していることも深刻な問題となっている。この様な状況の中で、今後、水質の改善を視野
に入れた水の再利用や稲作から小麦作への転換等を図りながら、限られた水資源を如何に
有効に活用していくかが、今後の取組むべき課題として大きくクローズアップされている。
一方、イランでは2003年12月26日のマグニチュード6以上の大地震によりケルマン州
バム地域では住民の半数以上の方々が亡くなり、家屋の倒壊はもとより当地域の水源であ
るカナートや深井戸に被害が生じ、主要農産物であるデーツ等の樹園地では潅漑が出来ず
に収穫に深刻な被害が予測されている。この様な状況の中でADCA調査団はケルマン州農
業局職員の協力のもと被災状況を調査し緊急復旧支援および地下水の保全を前提とした
中・長期的なカナートと深井戸による水資源の有効利用の策定、節水潅漑、ウオーターハー
ベスティング等の地下水洒養の促進、農産物の加工施設や流通改善等の開発調査の必要性
を提案した。
本案件形成現地調査結果報告書が今後の2カ国の抱えている農業開発事業促進の一助と
なり、貧困や地震被災に困窮する地方住民の生活水準向上に少しでも役立つことを願うと
ともに、現地調査においてご協力頂いた両国政府担当者各位ならびに大使館、JICA現地事
務所、JICA専門家の方々に謝意を表する次第である。
平成16年2月
株式会社 三蕗コンサルタンツ
取締役社長 久 野 格 彦
目次
頁
序 文
Ⅰ.エジプトアラブ共和国 西デルタ地域農業排水再利用計画
位置図 −−−−……………−−−−叫−……−…−=……−−−−−−−−−一−−…−−…−−“−…−−…−−●__…−_“_ト1
1.1 計画の背景 −−−……−−−…−−−−=・−−−……−−…−−=…−−…−−−…___…_‖…__1_2
1.2 計画対象地域の概況 ……−……−−−−−−−……………………_…_…●__−_…1_3
1.3 事業実施機関の概要 −…−−−…−−−−−−−−−−−−−−…−−…____……__…●____…_1_3
1.4 事業計画の概要 −……−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−…………_______…__…__●…日日_1_3
1.5 総合所見 …−…−−−……−−−−…−・−−−−−−−−−−−……=…叫−___…__……_…____ト4
本計画による優先地点10ケ所位置図 …−−−−−−−−−−−……−−一−−−…_______…‖…_…_1.5
本計画による優先地点10ケ所諸元一覧表 −】−−−…−−−……−−…叫−−−…−−…−…一1−6
現地写真集 −………−−−−−叫−−−…−−−…−=−……−−……川山一−___‖_…_……__−…_−−___−−−−l−7
Ⅱ.エジプトアラブ共和国 農業機械訓練・貸出しセンター設立計画
位置図 −−−−−…−…−−−−−−=…−−−…−−−−−−−−…−−−−…−−…=…−−−−−−−−…−−−−−……−………−−2_1
2.1 計画の背景 ………−−==……−−−−一一−−−−−−−……………−_−_____…_…‖_…_2_2
2.2 計画対象地域の概況 …−−−−……−−−……−−−−−…−…−…−…−…__−___________2−2
2.3 事業計画の概要 −−−−−−−−−−=…−…=−−−…−−__…__−●……−…−…‖−2_3
2.4 総合所見 =…−−−−−==−−−−−…−−−−=−−−−−−=−=−−…−−…=−……−==−2−3
(付)タ.ヵレイヤ州シンへ。ルウイン農業機械センター現地調査結果 −−…−−−……==−−…=2−4
現地写真集 −−−−−−−−−…−………−−…−…−叫−−−−一山−−−…−−−−=……−−一一−____………___……2_6
Ⅲ.エジプトアラブ共和国 上エジプト港漑施設改修計画
位置図 …−−…叫−−−…−……−…−−−−−−−・−−−−−…−−−一一−−…−−−=…−…−…−−−−−_−_…_______−−_−3−1
3.1 計画の背景 −…叫−−−−−−…−−……−……===…叩………__…_−…___…__3_2
3.2 計画対象地域の概況 ………−−−=…−…−…______…___…−_………_…日日3_3
3.3 事業計画の概要 −…−___−−______−−_−______日日‖……_−___−……___…3_10
3.4 総合所見 −…=…‥−…=−=−−…−=−−−‥……−巾______‖_●‖●日日_日日3_11
計画施設概要表 ……._…日日_…_……‥…−…____…‖‥●日日_…………3−12
現地写真集 一一…−…−−−−−−…−−……___川−__−−_叫_−_______……………_叫−−…−______…__3_13
Ⅳ.イランイスラム共和国 ケルマン州バム地区地震被害農村インフラ復旧計画
位置図 …一一−−−一一……−−−−−…−・・・・・−−一−−…−−一……−−…−−−−−=−−………−…−−−一一…−−−=……4−1
バム地区地質図 −−=…=…−…−一一−=−…−…−−−…−−−…==…−−−−−…=−…−‥…4−2
4.1 概況 =−−−−…−−−=−==−…−−−==−−−一山−=…==…=−−…−…‖…___4_3
4.2 災害復旧に対するイラン国の対応 −−−叩…−……−−………−−−…−…−−−−−4−4
4.3 外国からの支援 …==…=……−−…−−−−=−…−…−________−__.‖…4_4
4.4 現地の被害状況 −………−−−−−…−…−…_−…_…日日日日_…−……−…−−−4_4
4.5 復旧支援と今後の展開 −−−−−−.叫・−−−−…=………−−…叫−−−−.−__._叫_…−___4_9
現地写真集 −−…−−−…−=……−…−…叩−−…一一−…−−−…………−−−川−−−__−−__−_____−_____4_12
Ⅴ.添付資料
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調査団員の構成 −……一一…−−…−−−−−−−−…−−−=……−−−−−…−_−………__5_1
調査行程 −−−−…==−=−===…−−−叩.−−…−−−…==………一一−−−…叫____5_1
関係省庁など主要面会者名簿 ==…−−−−−−…−−…−………−−……叩5.2
収集資料リスト …−−−−−−−−−−−−=−…=…−…−__…__‖…日日‖●…日日5_3
Ⅰ. エジプトアラブ共和国
酉デルタ地域農業排水再利用計画
エジブトアラブ共和国・西デルタ地域農業開発計画排水再利用計画
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ヱジプ∧アラブ共詔厨・西テンレク彪或岸賞辞水序脚画
1.西デルタ地域農業排水再利用計画
_国名 : (和)エジプトアラブ共和国
: (英)The Arab Republic of Egypt
_案件名 : (和)西デルタ地域農業排水再利用計画
‥ (英)The Project for Intermediate Agricultural Drainage Water Reuse in West Delta
Region
.調査地区名
(和)西デルタ地域
(英)WestDelta
_相手国担当機関: (和)水資源濯瀧省・排水庁・西デルタ地域排水中央管理所
(^Ministry of Water Resources and Irrigation, Egyptian Public Authority for
Drainage Proj ect (EPADP), West Delta Drainage Central Directorate
1.1計画の背景
エジプトアラブ共和国は、乾燥地域にあり、その水資源のほとんどをナイル川に頼っている0
1959年にスーダンとの間で結ばれたナイル協定は、エジプトのナイル川利用可能量55・5BCM
を定め、それ以降、現在までその水資源量に変更はない0その一方で、この間に人口は2倍(年
率およそ2.2%の人口増加)となり、農業・工業および生活用水など水需要が逼迫している0
農業分野においては農業用水の効率的な利用が緊急課題であり、エジプト政府は、1970年代か
らデルタ地域において水の効率的な利用を目的として農業排水の再利用事業を行ってきた0こ
れは、幹線排水路末端に建設するポンプにより排水を幹線濯漑用水路に注入することで潅漑用
水としての再利用を図るもので、現在まで23箇所のポンプ場によって年間4BCMの排水が濯
漑水として再利用されている。エジプト改称ま現在の水不足と将来の需要増に対処するため、
これを2017年までに$BCMに増加させる計画である。
しかしながら、人口増加に伴う流域の開発により、生活雑排水の排水路への流入により排水路
の水質が酎ヒし、潅漑用水への再利用が困難となり、既にその運転の中止を余儀無くされたポ
ンプ場もある。
こうした状況のなか、エジプト政府は、再利用水拡大の有効な手段の一つとして、比較的水質
が良好な排水路上流部の排水を、小規模ポンプによって、潅漑用水が最も不足している潅漑水
路末端部に注入するIntemediateDrainageReuse(IDR)方式を積極的に推進する方針を打ち出し
た。これは従来より行われてきた「幹線排水路レベルでの排水再利用」に対し、支線排水路の
上∼中流域の排水を再利用する「中間排水再利用」を推進するものである0
調査対象地域では、幹線用水路から分岐した支線用水路により運ばれる潅漑用水は、その絶対
量の不足とともに、往々にして潅漑区域の上流域(支線用水路の上流部)で過剰に取水される
ことから、中∼下流域では慢性的な水不足に悩まされている。
htemediateDrainageReuse(IDR、中間排水再利用)は、こうした状況に対処するため、支線排水
路の比較的水質が良好で、将来的にも水質が確保されると考えられる地点に小規模ポンプ場を
建設し、これにより近傍の支線用水路の末端部に注水して、潅漑地域下流部で生じている水不
足解消の一助とするものである。
1−2
工ジプトアラブ共和国・西デルタ臓雛水再利用計画
1.2 計画対象地域の概況
計画対象地域はデルタ地域の西部である。本地域の北側と南側には、ナイル川から取水するマ
ハモデイア幹線用水路(Mal1mOudiaCanal)とヌバリア幹線用水路Pubarya)がそれぞれ地域の北
側と南側を東から酉へ流下する。
この2大用水路から供給される潅漑用水は地域の農業を潤すが、各幹線用水路から分岐した支
線用水路に通水する潅漑用水は、支線用水路の上流域において過剰に取水される傾向にあり、
そのため潅漑地域末端では水不足に陥っている。
現在、計画対象地域である西デルタ地域の農地面積はおよそ1.8百万フェダン(760千ha)で
あり、1日の水需要58MCM/dayに対し利用可能な水資源量はおよそ50MCMkIayと、水需給の
バランスおよそ8MCMAayが必要され、特に、潅漑水路末端部の農家は水不足に腐心する状況
である。
当地域では夏作として綿花、米、メイズ、ソルガムが、また冬作として大麦、小麦、豆などが
作付けされている。また、1年を通じて野菜類の生産も行われている。
1.3 事業実施機関の概要
本事業計画の直接の実施機関は水資源潅漑省・排水庁(MinistryofⅥもterResourcesandIrrigation,
EgyptianPublicAuthorityfbrDrainagePrqiect(EPADP))傘下である西デルタ地域排水中央管理所
(WestDeltaDrainageCentralDirectorate)である。同排水中央管理所は、西デルタ地域の中心地の
ひとつであるダマンフールにあり、財務部局、排水諮問局、機械局、技術部局から構成される。
このうち技術部局内には理化学試験室を有し、地域内の排水の水質状況などについて定期的に
監視している。こうした活動は本計画においても有益なものであり、潅漑水として再利用され
る排水の水質モニタリングは、本計画の重要なコンポーネントのひとつである。
1.4 事業計画の概要
本計画対象地域では、これを所管する西デルタ地域排水中央管理所(在ダマンフール、WbstDelta
DrainageCentralDirectorate、Damanl1ur)により既に38ケ所の中間排水再利用候補地が考えられ
ているが、予算上の制約から実現に至っていない。
本事業計画は、これら38ケ所の候補地から優先地区を選定し、中間排水再利用に必要なポン
プ施設、上屋およびその据付けに必要な資機材の調達を行うための資金を提供するものである。
調査団はこれらの候補地について現地調査を行い、現地周辺状況、事業実施の緊急性および事
業効果が高いと想定される10地点を計画優先地点として選定した。
優先地点の選定基準は次のようである。
1.潅漑用水が不足している潅漑地域があること。
2− 再利用水の供給元となる排水路と潅漑用水が不足している潅漑地域の用水路が近接してい
ること。
3− 潅漑用に再利用する排水路の水質が比較的良好であること。
4− 潅漑用に再利用する排水路の流量が十分であること。
1−3
ヱジプ〈アラブ#府J野・西デルタ脚水序棚厨
5− ポンプ場建設スペースが十分であること。
6− ポンプ場への電気の供給が因業経でないこと。
7− より効果的な水供給とするため、再利用水の供給位置が潅漑用水路の末端に近いこと。
本計画の実施により、直接的な効果として、1)潅漑用水不足地域の解消、2)収量増(垂直拡大)
による農家所得の向上、などが見込まれ、その碑益人口はおよそ100,000人(稗益面積およそ
10,000ha)と概算される。また、間接的には、1)西デルタ全域における水資源の有効利用に寄与
する、2)地域住民の水環境問題に対する意識改善効果、などが見込まれ、その碑益人口はおよ
そ2百万人(裡益面積およそ760,000ha)に及ぶと期待される。
本調査実施時点で想定される優先10地区のポンプ諸元は次のようである。
ポ ンプ施設
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0
1.
0
N o 2 ,E トK 血a iⅣ
4
2
2.
0
1.
0
4
4
2.
0
2.
0
N o 12 ,S h o b rak h h et
N o 18 ,E itay /S h o b rak h et
N o 2 5 ,Z a hral 1
1.5 総合所見
上述のように、エジプト国担当機関において既に本計画の優先地区が選定されているにも拘ら
ず、予算上の制約から実現に至っていない。
エジプト国の逼迫する水需給への対応は、農業分野においても農業生産(水平・垂直拡大)およ
び食糧安全保障の観点から最重要かつ緊急を要する課題となっている。本計画の目指す排水の
再利用は限りある水資源の有効利用に直接繋がるものであり、同国が別途に推進する潅漑効率
向上のための施策と相まって、その効果が期待されている。特に、エジプト国最大の農業地帯
であるデルタ地域での本計画の実現は、今日、同国が直面する水問題に多大な効果をもたらす
ものと思料される。こうした状況から、緊急性かつ事業効果が高いと考えられる本計画の早期
実施が望まれるものである。
1−4
エジプトアラブ共和国・西デルタ地域農業排水再利用計画
本計画による優先地点10ケ所位置図
本計画による優先地点10ケ所諸元一覧表
Location
D rain
2
3
6
12
16
18
19
Pum p
T ype
SP
PG
PG
SP
PG
SP
PG
20
25
26
PG
SP
PG
N O
nam e
E l-K hairy
W estern K handaq
Sidi Eisa
S hob rakheet
SidiE isa
E itay / Shobrakheet
S idi Eisa
A bd E l-H am eed
Z ahrah
E astern G aparis
C anal
com m and Q (pum p)
feddan
m 3/sec
30000
2
30000
]
15000
1
35000
1
15000
2
15000
2
15000
1
1500
2500
3000
PumpType : SP Submersible Pump,PG PumpGate
Q=2.0 : 0.5m3/s
* 4units
Q=1.0
* 2units
: 0.5m3/s
1
2
1
TDS
B OD
ppm
684
5 12
313
742
512
742
742
684
742
684
ppm
nam e
35
35
15
30
34
19
14
26
38
24
T he Low er A bo D iab
G arrar M aaniah
A m lak Irrigation B ranch N o.5
M estnan Extension
A m lak Irrigation B ranch N o.3
T robm aba
A m lak Irrigation B ranch N o.2
A bd E l-H am eed
T he L ow er A bo D iab
El-R ezqa
com m and
feddan
4000
1000
1000
2000
2000
1000
Q
m 3/sec
2.3 1
0.58
0.58
0.58
4.44
1.16
0.58
1.16
1.16
0.58
TD S
BO D
ppm
204
345
340
3 15
326
204
204
204
3 15
345
ppm
16
22
19
12
16
13
ll
15
24
32
エジプ∧アテブ碧和国・西デカ/ク彪感度菜排水序紺局計画
現 地 写 真 集
1−7
エジプ′アラブ共和国・西デルタ地或農業排水再利用計画
ProposedIDRSite(1)
AbdEl−HameedDrain
AbdEl・HameedCanal
ト8
エジプトアラブ共和国・西デルタ地域農業排水再利用計画
Proposed IDE Site (2)
Eastern Gaparis Drain
El-Rezqa
Canal
1-9
エどZ:土アラフ冥府虜㌧西デルタ必砿鼻鰍序和樹犀
Existing
Main Drainage Reuse Pump Station
(Western Khandak)
Downstream View
Upstream View
エジプトアラブ共和国、西デルタ地域農業排水再利用計画
Existing Main Drainage
rvllntinn
pollution
Reuse Pump Station
n
Downstream View
Upstream View
1-ll
(Wadi)
operation
suspended
due to
Ⅱ. エジプトアラブ共和国
農業機械訓練・貸出しセンター設立計画
エジプトアラブ共和国・農業機械訓練貸出しセンタ
位置図
ー設立計画
ユノブ〈アラフ薄荷野・農.茅野威訓顔貨背Lセンター厨丘計画
2.農業機械訓練・貸出しセンター設立計画
−国名 :(和)エジプトアラブ共和国
:(英)TheArabRepublicofEgypt
一案件名 :(和)農業機械訓練・貸出しセンター設立計画
:(英)ThePrqiectforEstablishmentofAgriculturalMachineryTrainingandHire
ServiceCenter
.調査地区名
(和)べヘイラ州ダマンフール
(英)BeheiraProvince,Damanhur
−相手国担当機関:(和)農業省・農業リサーチセンター・農業機械化セクター
:(英)Ministry of Agriculture,Agricultural Research Center,Agricultural
MechanizationSector
2.1計画の背景
エジプト国において農業は、その就業人口、生産額の面から長く同国経済活動の基幹産業とし
て重要な役割を占めてきており、国家食糧安全保障や雇用対策といった施策の中心軸を担って
いる。
しかしながら、限られた可耕地から産出される農業生産は1970年以降停滞しており、その一
方で、急激な人口増加と相まって、食糧自給率は50%台まで低下している。同国の主食である
/ト麦をみれば、その年間消費量はおよそ11百万トンであるのに対し、国内生産量はおよそ6.6
百万トン(2000年)に過ぎず、全消費量の4割、5百万トン(US$S76血11ion相当)を輸入に依存し
ている。このためエジプト政府は小麦の自給率向上を重要課題としている。
現在、農業セクターでは、その戦略として、1)農業近代化、2)小麦など基幹作物の自給率向上、
3)農業機械化の推進と営農技術の普及、4)小麦および砂糖大根作付け面積の拡大、および5)土
地および水資源の有効活用、などを掲げている。
こうした背景により、エジプト政府は農業の機械化により土地の有効利用を図ると共に、同国
の農家の大多数を占めるにもかかわらず、自己負担では営農の機械化が困難である′ト農を対象
とした農業機械訓練および貸出しサービスセンターネットワークの設立を計画している。
本計画はエジプト国の穀倉地帯であるデルタ地域に農業機械の訓練、維持、整備および貸し出
し機能を備えた施設・組織の設立を計画するものである。
現在エジプト国内にはこうした目的により建設された施設が、デルタ地域にシンベルクイン
(El−Sembellawain、1987年無償資金協力により設立)とカフェルシェイク(KarfEISheikh)、中エ
ジプト地域のベニスエフ(BeniSuef)の合わせて3ケ所あり、これらを中心として出先の施設が
各地に配置され、地域農民らに対する農業機械の訓練、貸出しなどの活動を行っている。
農業省農業機械化セクターでは全国の各郡Pistrict)に各lケ所の、こうした農業機械センター
を設立したいとしているが財政的な問題もあり計画は進捗していない。
2.2 計画対象地域の概況
2−2
ユノブ∧アラブ共和国・ノ煮拗槻しセンター設立′計画
計画対象地域はデルタ地域の西側、ベヘイラ州(Beheira)で、建設する施設は当地域の中心であ
るダマンフール(Damanfur)に設立を予定している。ダマンフールはカイロより車で2.5時間
程度の西デルタ地域の中心的都市で、人口、交通、農業流通などが集中している。当地には既
に施設建設のための政府用地が確保されており、2、3の訓練樵も既設されていることから、電
気・水道なども容易に供給可能である。
2.3 事業計画の概要
本計画では、1)農業機械化の促進、2)農業機械の有効利用および利用コストの低減、3)小規模
農家の農業機械化促進、4)地域経済へのインパクトと雇用機会の創出、5)新技術の普及、など
を目的に、本計画で設立される施設を核として、その配下に(エジプト側により建設される)
数ヶ所のサブステーションを設立して目的の達成を図るものである。
農業機械訓練貸出しセンターは以下の機能を具備する。
1.農業機械訓練・教育指導機能
2.農業機械整備機能
3.農業機械貸出し機能
4− 維持管理機能
また、女性の地位向上や生計向上、地域の環境問題、および水資源の有効利用などの問題にも
対応する観点から、
5.女性による乳製品などの製造訓練および販売
6一 地域の環境問題、特にゴミ対策についての教育・啓蒙
7− 圃場レベルにおける潅漑用水管理に関する教育・啓蒙
なども本計画のコンポーネントとして想定される。
本計画による直接的な稗益者は、当施設が実施する各種訓練コースに参加する訓練生であり、
年間10,000人程度が見込まれている。その対象者は農民、大学卒業生ら青少年、女性および農
業省自らの職員(テクニシャン、エンジニア)、などである。
2.4 総合所見
上述のように、今日のエジプト国における人口増加および食糧の過剰輸入状況に対し、小麦な
どの基幹作物の自給率向上を含めた農業生産物の増産は同国の最重要かつ緊急に対応される
べき課題である。
したがって、これまで培われてきた農業機械化や訓練のためのノウハウを、農民はもとより、
雇用機会創出の起点として地域の青少年や大学卒業生、さらにはその社会的地位向上や生計向
上のために地域の女性らに普及させることは、国家政策の一翼を担うものであり、エジプト国
の農業基盤整備に多大な効果をもたらすと考えられることから、本計画の早期実施が望まれる。
今次調査では計画の概要と背景事情などの調査にとどまっている。したがって、本計画につい
ては今後再度現地調査を行い、計画のコンポーネント、事業規模の検討など、より詳細な調査
を実施する必要がある。
2−3
エジプ〈アラフ冥府厨・鮒しセンター厨丘厨画.
(付1ダカレイヤ州シンベルクイン農業機械センター 現地調査結果
1.概 況
「エ国」農業省農業リサーチセンター(AgriculturalResearchCenter,ARC)の農業機械化セクター
(AgriculturalMechanizationSectoちAMS)では現在3カ所(シンベルクイン、カフェルシェイク、
ベニスエフ)の農業機械訓練センターを運営している。この内、カフェルシェイクおよびベニ
スエフのセンターは施設が′ト規模で職員数も少なく、このため農民への訓練等の活動が限られ
ている。一方、1987年に日本の無償資金協力で建設されたダカレイヤ州シンベルクイン農業機
械訓練センターPakahlia governOrate,AgriculturalMachinery Hire Service Stationin El−
Simbillawein)は同国最大の農業機械訓練センターであり政府予算の1百万ポンド/年のほか、農
業機械の貸し出し、農民所有の農業機械(トラクター、コンバイン、トラック等)の修理等に
よる収入などを合わせ、4∼5百万ポンド/年でセンターの運営・維持が行われている。職員数
は214人、同センター傘下に12ケ所のステーションがある。
2.位置および施設
首都カイロの南方約120kmに位置し車で約3時間を要する。同センターの敷地面積はおよそ
10フェタ。ン(約4ヘクタール)で、敷地内には、訓練等、宿泊施設、農業機械設置ヤード、農業機械修
理および部品工作棟、備品保管棟およびパイロットファームなどを備えている。
3.主な活動内容
1.農民への訓練
同センターでは毎年農民に対して広報による訓練生を募集しており、訓練希望の農民は申請書
を提出し、所定の要件を満足しておれば、訓練を無償で受けることが出来る。昨年度の実績で
は11,700人の農民が訓練を受けている。訓練の主な内容は農業機械の修理、および日常の保
守・点検であり、25種類のカリキュラムが準備されている。1コース15∼25人で2週間の講
義を実施しており、農民はこの間、同センター内の宿舎に宿泊しながら受講している(この間、
食事代、宿泊費はセンターが負担する。)
こうした訓練の対象は農民に限らず、ARC自らの職員(テクニシャン、エンジニアら)に対し
ても行われている。
2− 職業訓練
青少年や職のない大学卒業生を対象に職業訓練を実施している。主な訓練の内容は溶接、塗装、
大工(机、棚、ベッド等の製作)、鍛冶等であり、訓練生はやはり無償で訓練を受けることが
出来る。
3一 女性への訓練
女性も同様に上記の訓練を受けることができるが、その他、特に乳製品の製造(ミルク、ヨー
グルト、チーズ)の訓練を受けている。全て無償である。牛乳などの原材料は近傍の農家から
購入、同センター内の調製室にて訓練・製造している。ヨーグルトは既に商品化しており同セ
ンター内での販売が行われている。
2−4
二=ジプ〈アラフ貴命厨・繊細しセンター鮎立 画面
4.問題点
特に深刻な問題はない。強いて言えば、冬期には寒いため農民が訓練を受けることを嫌ってお
り、希望受講者が少なくなる、とのことであった。
4.農業機械訓練センター設立計画について
AMSでは、農民はもとより、地域の青少年、大学卒業生、女性の社会的地位向上および生計
向のため農業機械訓練センターの新設が不可欠と考えておりl郡(District)1カ所のセンター
建設を計画しているが財政難のため、これらの計画が思うように進展していない。早急のセン
ター建設計画が望まれているのは中エジプト地域に2ケ所(AsyutとBeniSuef)、西デルタに2ケ
所(DamanhurとKingMarOut)の都合4ケ所である(担当者への聞き取りによる)。
これら4ケ所のうち、西デルタ地域の社会経済活動の中心に位置するダマンフール(Damanhur)
には既に政府用地が確保されており、2、3の訓練棟も既設されていることから、電気・水道な
ども容易に供給可能である。AMSでは、同地周辺の農業および社会状況からも、当該地に農
業機械訓練センターを建設することは事業効果も大と考えている。
2−5
ヱジプ∧アラブ共和野・細微しセンター炭塵計画
現 地 写 真 集
ダカレイヤ州シンベルウイン農業機械訓練・貸出しセンター
(1987年本邦無償資金協力事業により設立)
2−6
エジブトアラブ共和国・農業機械訓練貸出しセンター設立計画
農
整
観
業棟
機外
械
部備
内棟備
整横磯業
農
同 上
工作機器を備え、ほとんどの整備部
晶は場内で製作されている。
エジプトアラプ共和国・農業機械訓練貸出しセンター設立計画
農業機械ガレージ
同 上
部品庫内部の状況
エジプトアラブ共和国・農業機械訓練貸出しセンター設立計画
トレーニングコース参加者
農業機械の取り扱いを学ぶ訓練生ら。
同 上
講義室における訓練風景。
乳製品製造訓練室
主に女性を対象として、ヨーグルト
などの乳製品の製造訓練を行って
いる。これらは場内職員向けに販売
されている。
Ⅲ. エジプトアラブ共和国
上エジプト潅漑施設改修計画
エジプ′アテブ券和国・上エジブ 肋鰍膠計画
出望±墓空■ −
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ヱジプ〈アラフ貸倒虜・上ヱジプ 虐虐鰍威計画
3.上エジプト潅漑施設改修計画
−国名 :(和)エジプトアラブ共和国
:(英)TheArabRepublicofEgypt
一案件名 :(和)上エジプト港漑施設改修計画
:(英)ThePr毎ectforRehabilitationofIrrigationPumpStationsinUpperEgypt
.調査地区名 :(和)上エジプト地域(アスワン)
:(英)UpperEgypt(Aswan)
一相手国担当機関:(和)水資源濯漑省・機械電気局
:(英)Ministry ofWater ResourCeSandImigatio叫Mechanicaland Electrical
Department
3.1計画の背景
エジプトの経済は1991年以降の市場経済に向けた経済構造改革により5%台の経済成長率を達
成するなど、マクロ的には大きく改善してきているが、経済の自由化に伴う輸入急増による貿
易赤字の拡大や資金流動性の低下が原因して1999年以降は景気に停滞感がでてきている。こ
うした状況の中で、就業人口、生産額の面でも依然としてエジプトの基幹産業である農業分野
の課題は多い。
エジプトにおける小麦、植物油、トウモロコシ、砂糖を中心とした農産物輸入は、全輸入の
24%(約49億ドル、1997/98年)を占めており、これらの自給率の向上が課題となっている。ま
た、近年、高水準で推移する人口増加(2.2%−19SO∼99年)により増大する国内食糧需要や、都市
と農村間の経済格差是正のためにも、農業生産性の拡大が重要課題となっている。
一方、エジプトの潅漑施設は老朽化が進み、濯漑効率が低下してきており、限られた水資源(ナ
イル川年間有効利用量555億m3)の効率的な利用と農業生産増大のために、これら潅漑施設の
整備が急務となっている。このため水資源潅漑省は、潅漑用水の安定供給による地域の農業生
産性の回復・向上を目的として、全土にわたり潅漑および排水ポンプ場の改修および近代化計
画による潅漑の効率化を推進している。
エジプトの主要作物であるサトウキビと′J、麦の自給率はそれぞれおよそ60%程度、小麦の自給
率はおよそ50%程度にとどまっている。本計画の対象地域である上エジプト地域の農地面積は、
エジプト全体農地面積のおよそ30%を占め、小麦、サトウキビ、トウモロコシ、マメ類など、
エジプトにおける主要作物が生産されており、上エジプト地域農業の持つポテンシャルは大き
い。エジプト政府は現在、農作物増産対策として、ニューバレー地域におよそ21万haの大規
模農地開発計画を推進するなど、上エジプト地域の農業開発に力を入れている。
上エジプト地域の農業は、ナイル川を水源とするポンプ濯漑水のみに依存した農業が営まれて
いる。同地域には現在86ケ所のポンプ湯があり、そのうち45ケ所がフローティングポンプ場
である。これらフローティングポンプ場のうち、1991∼93年および1995∼9$年に実施された
我が国の無償資金協力、「第1次および第2次上エジプト濯漑施設改修計画」により21ケ所の
ポンプ場の機能が回復され、その事業効果は高く評価されている。また、2004年2月現在、「第
3次上エジプト潅漑施設改修計画」により5ケ所のポンプ場の改修作業が進行中である。
3−2
二⊂ジプ∧アラフ貨楯・上エジプ 慮慮彪軌鍬鹿討画
しかし、残るポンプ場は依然として改修が進んでおらず、施設の老朽化による機能低下、濯漑
用水の供給不足をきたし、さらには既にポンプ場を改修した潅漑地区との格差が拡大するなど、
未改修ポンプ場の更新が急務となっている。
これら未改修施設のうち、今次計画ではMEDアスワン支所が所管する9ケ所のポンプ場が改
修計画の対象である。
3.2 計画対象地域の概況
(1)上エジプト地域の概況
計画対象地域はエジプトの南部、ルクソールからアスワンにかかるナイル川沿岸地域である。
地形はナイル川に沿って形成された河岸段丘を呈し、シルト質の良質な土壌で覆われた肥沃な
土地であり、古くより農地として開発されてきた。同河岸段丘の外側は砂漠であり、ここから
ナイル」tlに向かって所々にワジ(水無し谷)が形成されている。ワジが造る平坦な扇状地は潅
漑農地として農地拡大のもっとも大きなポテンシャルとなっている。上述のように、現在、エ
ジプト政府は上エジプトにおける農業ポテンシャルに注目し、農業生産増産を目的として同地
域のニューバレー地域におよそ21万hの大規模農地開発プロジェクトを推進中であるなど、
上エジプト地域に対する農業生産の期待は大きい。
上エジプト地域では、同国の主要消費作物である小麦、トウモロコシ、サトウキビ、マメ類お
よび家畜飼料作物などが生産されている。同地域の農業形態はナイル川のみを水源とするポン
プ濯漑であり、零細で自給的な農業と、サトウキビ生産を中心とする中∼大規模な農業に二分
される。
(2)調査対象サイトの概況
ポンプ施設
今回調査箇所は9サイトあり、いずれもアスワンM王Dの所管内である。9サイトのうち現況
フローティングポンプ場が5ケ所、固定式ポンプ湯が4箇所である。
いずれの施設も設置後40∼50年を経過しており、MEDによる維持管理が十分に行われてきた
ものめ、老朽化は顕著であり(通常、潅漑用ポンプの寿命は30年程度と言われる)、そのため
維持管理作業のために運転休止を余儀なくされる場合も発生している。また、部品のスペア
パーツの入手は極めて困難となり、MEDにより独自にパーツの製作を試行しているが現状に
見合わない状況である。
固定式ポンプ場では、近年夏期ナイル川の水位が上昇し機場内に床上浸水するケースがあり、
逆に冬場の河川水位低下時にはキャビテーションが発生して必要水量を揚水できない状況に
ある。また、これによりインベラを度々交換する状態になるなど、ポンプ設備自体に悪影響を
及ぼしている。
運転・維持管理および農民組織
各ポンプ場では、週に1度、IrrigationDepartment(ID)が算出した必要水量から運転時間のオー
ダーを受け、それに基いて運転・管理を行っている。今回調査したサイトではいずれも7人程
度(あるいはそれ以上)の管理人を配備して、運転・維持管理に当たっている。これまで50
年来の施設を維持してきた実績も合わせ、将来においても施設の運用・維持管理体制は維持さ
れるものと思料される。
3−3
エジプ〈アテブ共和国・上エジプ 臓鮒密計画
一方、吐水槽以降の水路施設(ゲートを含む)に関する操作および維持管理はⅠ血gation
Department(ID)の所管である。幹線用水路の維持管理は、潅漑局がローカルのコントラクター
に修繕ヶ所および修繕内容(水路内土砂さらい、草刈り、コンクリート・ライニング工事など)
を指示し実施している。ゲートの操作による地区内への水配分は、潅漑局が委託するゲート
キーパーにより行う。圃場内水路の維持管理は、農民自身の手により、日常管理されている。
幹線用水路の状態は各サイトでまちまちであるが、総じて良好な状態とは言い難い。土水路区
間では、土砂の堆積・水草の繁茂・水路内法面の崩れ・ゴミの集積(これは農民側の意識の問
題でもある)などが確認される。
なお、水利用者グループなどの農民組織は現状では未結成の状況であり、水利費の徴収も行わ
れていない。
豊_−農
各サイトにおいては、家畜用飼料としてのベルシューム、サトウキビ、野菜(トマト、タマネ
ギ、ナス、青物類など)、デイツ・バナナ・マンゴなどの果実類、などが作付けされている。
これらの生産物は、いずれも自己消費、地域内マーケット流通、一部果実類はカイロなどへ出
荷されている。
(3)各サイトの現状(ポンプ場No.は第1次からの通し番号を示す)
今次改修計画の対象である9ケ所のポンプ場の現状は以下のようである。なお、各ポンプ場の
No.は第1次無償資金協力事業からの通し番号を示す。
No.27(GezeretEl−KobaniaKeblv、フローティングポンプ場1
ト 一般諸元
−位置 アスワンより15km下流、ナイル川内の島
−受益面積 既存:A=175たddan
拡張:A=0
−神益人口 1,100人(200H/H)
−主な作付け 冬期;ベルシューム
夏期;トマト、ナス
通年;バナナ、マンゴ、ベルシューム
2− 現況施設状況
. 上流側ポンプは1978年に、下流側ポンプは1980年にディーゼルからモーターに変換、こ
の際下流側ポンプのみペイント済み
− 一方のモーター(上流側)から異常音(カラカラ鳴っている)
− スペアパーツ無し
− 頻繁に運転を止める状況である(1年に50回程度)
− 接続パイプ、ボールジョイントおよびタワーから多量の漏水がある
・ 操作パネルのランプ点灯していない
・ 拡張区域への水路は一部到達しており、すでに耕作が行われている
・ 板張りの上屋壁、天井および屋根は穴、剥がれなどが目立っ
・ チェーンブロックが装備されていない
3−4
ヱジプ∧アラブ共和国・上エジプ 臓鰍鹿討画
上屋内の電灯は灯火しない
上屋の平面規模4.1m*8.6m
トランスフォーマー(鉄塔に鋼製箱が取り付けてある)の状態は良好である
No.281SahelEトⅨ血atara、フローティングポンプ場
卜 一般諸元
.位置
.受益面積
アスワンより10km下流、ナイル川右岸
既存:A=1,540fbddan
拡張:A=460feddan
.碑益人口 12,000人(2,500HノH)
−主な作付け 冬期;ベルシューム
夏期;野菜、一部サトウキビ
通年;バナナ、マンゴ、デイツ、ベルシューム
2− 現況施設状況
− ポンプは2台、常時1台運転、1台スタンバイ(必要水量とポンプ運転記録との検証要)
一 冬10日間運転(16∼17時間)、2日間休止
一 夏常時24時間運転
・ 上屋内の状態は比較的良好、ただし電灯がない
・ モーターが若干熱い
・ 現在タワーが2本有るが、一方(上流側)のタワーからおびただしい漏水がある
一 夕ワーへの接続管のボールジョイントが老朽化している
・ 操作パネルの裏側はネジが飛んでおりはがれそうになっている
・ 上屋の平面規模5.Om*22.3m
・ 上屋の状態は良好である
・ ポンプ場から吐水槽までは鋼管D=700Ⅱ1m、L=500m程度離れている
トランスフォーマー操作室内の床(タイル貼り)が落ちている(壁と床の間に5cm程度の
隙間)
. 拡張区域への用水路の延長は現在工事進行中、既に一部区域で耕作が行われている
No.29(SahelEl−AkabBaharV、フローティングポンプ場1
1− 一般語元
一位置 アスワンより20km、ナイル川右岸
.受益面積 既存:A=440氏dd弧
拡張:A=0
.稗益人口 2,500人(600H丑Ⅰ)
−主な作付け 冬期;ベルシューム
夏期;野菜(トマト、ナス、プロツコリ、タマネギ)
通年;デイツ
2− 現況施設状況
・ ポンプは2台、常時2台運転
・ 冬連続運転(16∼18時間)
3−5
エジプトアラブ#帝国・上ヱジプ 臓緻密#厨
夏連続運転(20∼24時間)
ポンプは非常に老朽化しており常に維持管理しながらの運転
スペアパーツが無い
ポンプ軸から漏水している
チェーンブロックの状態は良好
接続パイプは7年前に取替え済み(インド製)
電力ケーブルが地上に剥き出しになっている
操作パネルのランプは点灯しない
上屋の屋根の状態は特に悪くないが、天井は剥がれている、床はツギハギだらけである
上屋の平面規模4.6m*9.4m
トランスフォーマ一室のドア表面に錆、側壁にへこみなどが有る
タワーから吐水槽までの送水管(SP)に穴空き箇所あり、多量に漏水している
No.30(Geze代tMeneba、固定機場)
1.一般諸元
.位置
.受益面積
アスワンより40km下流、ナイル川内の島
既存:A=150feddan
拡張:A=50feddan
.稗益人口
一主な作付け
1,200人(300H朋)
冬期;ベルシューム
夏期;野菜
通年;バナナ、マンゴ、ベルシューム
2− 現況施設状況
− ポンプは2台、常時2台運転
一 冬10日間運転(10時間)、4日間休止
一 夏10日間運転(12時間)、4日間休止
一 夏期ナイル川の水位上昇(2000年以降)により機場内に床上浸水(40cm程度)、冬期ナイ
ル川の水位低下でキャビテーションが発生している
・ そのためインベラの交換を毎年行っている
− その他スペアパーツが無い
− ポンプ軸からの漏水あり、場内に水溜りができている
・ 配管バルブ(スランジ)からの漏水は見られない
− 操作パネルのランプは点灯している、パネル裏側は配線が剥き出しの状態である
− 上屋内に電灯はない
・ 上屋(トタン張り)は1985年にリハビリ済み、状態は良好である
・ 上屋の平面規模4.7m*7.Om
トランスフォーマーの表面に部分的に錆が発生している
・ 拡張エリアには未だ用水路は伸びておらず、農民は既設用水路の末端およびナイル川から
個人ポンプにより揚水している状況である
・幹線用水路は石積みで、雑草が繁茂、側壁が崩れている箇所も有る
No.31(El_Sara空、固定機場1
ト・.一般諸元
3−6
ニ⊂ジプ∧アラブ共和野∵上エジプ再読覿晩熟劾餅計画
.位置 アスワンより80km下流、ナイル川左岸
−受益面積 既存:A=150fヒddan
拡張:A=50feddan
.碑益人口
一主な作付け
l,300人(320H皿)
冬期;ベルシューム、青菜類
夏期;トマト、グリーンペッパー、モロへイア
通年;バナナ、マンゴ、ベルシューム
2− 現況施設状況
− スペアーパーツ無し
− ポンプ軸からの漏水有り
. 配管材のペイントが剥げている
− モーターの状態は比較的良好である
− ポンプは2台、常時2台とも運転している
一 夏期ナイル川の水位上昇により機場内に床上浸水、冬期ナイル川の水位低下でキャビテー
ションが発生している
− 操作パネルの状態悪い、扉がきしんでいる、裏側の配線は剥き出し、ランプは点灯する
− 固定機場のためタワーは無い
トランスフォーマーの状態は比較的良好、ただしケーブルが地上剥き出しの状況である
. 既存区域と拡張区域は5m程度の高低差あり、既存地区の用水路末端からパイプで直接、
水を落下させている(落水部に保護工が必要と思料する)
− 拡張区域の主な作付けはバナナ、マンゴ、サトウキビなどである
− 上屋(トタン張り)の外壁は全体にトタンが剥がれている
− 上屋に設備している電灯は点灯している
No.32(GezeretEトFaw乱ZaEトKeblia、固定機場1
1− 一般諸元
−位置 アスワンより90km下流、ナイル川内の島
.受益面積 既存:A=200氏dd弧
拡張:A=50fbddan
−碑益人口
l,500人(370H/H)
一主な作付け
冬期;ベルシューム、青菜類、ブロッコリー
夏期;トマト、グリーンペッパー、モロへイア、ナス、ポテト
通年;バナナ、マンゴ、ベルシューム、レモン
2.現況施設状況
. 上屋は1983年に立て替え(トタン張り)済みである
・ スペアーパーツ無し
・夏期ナイル川の水位上昇(2000年以降)により機場内に床上浸水(20cm程度)、冬期ナイ
ル川の水位低下でキャビテーションが発生している
− ポンプは2台、常時2台とも運転している
・ 吸水槽の吸い込み管(SP)に大量の錆が発生している
. 電気パネルの裏側の配線が剥き出しの状態である
一 冬10日間運転(12時間)、4日間休止
一 夏10日間運転(13∼14時間)、2∼3日間休止
− 上屋内の電灯は点灯する、床の状況は良好である
3−7
エジプトアラフ貸席J野・上エジプ 臓鰍密計厨
吸水管貫通部の基礎コンクリートが大きく破損している
上屋外壁の状態は良好である
上屋の平面規模5.Om*7.5皿
トランスフォーマーの表面に錆が発生している
拡張エリアには現在のところまで用水路は伸びていない、農民はナイル川から直接ポンプ
アップしている、バナナ・メイズなどを作付けしている
No.33仲IiddleFawaza、固定機場1
1.一般諸元
.位置
−受益面積
アスワンより90km下流、ナイル川内の島
既存:A=150fbddan
拡張:A=60氏ddan
−神益人口
一主な作付け
l,400人(320HノH)
冬期;ベルシューム、青菜類、ブロッコリー
夏期;トマト、グリーンペッパー、モロへイア、ナス、ポテト
通年;バナナ、マンゴ、ベルシューム、レモン
2− 現況施設状況
− モーター音が異常に大きい
− ポンプは2台、常時2台とも運転している
一 夏期ナイル川の水位上昇(2000年以降)により機場内に床上浸水(20cm程度)、冬期ナイ
ル川の水位低下でキャビテーションを発生している
− そのためインベラの交換を頻繁に行っている
− その他スペアパーツが無い
− 電気パネル非常に老朽化、ランプは点灯しないものもある、裏側の配線が剥き出しである
− 上屋内のペイントは各所で剥がれている
一 冬10日間運転(12時間)、3∼4日間休止
一 夏10日間運転(13∼14時間)、2日間休止
一 機場基礎コンクリート(土台部分)の崩壊が激しい
・ 上屋の平面規模5.3m*7.8m
トランスフォーマーの表面に部分的な錆が発生している
− 拡張エリアには既に用水路は伸びており耕作が行われている(トマト他野菜類)
No.34(GezeretAboArafa、フローティングポンプ場
ト 一般諸元
.位置
.受益面積
アスワンより105km下流、ナイル川内の島
既存:A=150feddan
拡張:A=30feddan
一碑益人口 1,100人(250H/H)
.主な作付け
冬期;ベルシューム、青菜類、ブロッコリー
夏期;トマト、グリーンペッパー、モロへイア、ナス、ポテト
通年;バナナ、マンゴ、ベルシューム、レモン
2− 現況施設状況
3−8
二⊂ジプ〈アクア冥府厨・上二=ジプ 臓緻密計画‘
スペアーパーツ無し
モーター、ポンプともにノイズ有り
ポンプ軸からの漏水がある
台船は非常に老朽化している
上屋(板張り)は15年前にリハビリした
チェックバルブ、スルースバルプが完全に閉まらない状況である
上屋内に電灯は無い
ポンプは2台、常時2台とも運転している
電気パネルの状態悪く、扉が開けにくい、取っ手が壊れている、裏扉がゆがんでいる
ただしランプは点灯している
冬6日間運転(10時間)、4日間休止
夏8日間運転(12時間)、2日間休止
上屋内チェーンブロックは古く、稼動しにくい状況である
フランジからの漏水はない
真空ポンプの配管から漏水が有る
タワーが無い
トランスフォーマーが非常に老朽化、ケーブル出口の配線が剥き出しになっている
No.35(El.He空SEl−Mosta空da、フローティングポンプ
1− 】般諸元
.位置
.受益面積
一視益人口
一主な作付け
アスワンより125km下流、ナイル川右岸
既存:A=600fヒddan
拡張:A=0
4,000人(1,000H/H)
冬期;ベルシューム、小麦
夏期;サトウキビ、メイズ、野菜
通年;ベルシューム
2− 現況施設状況
− スペアーパーツ無し
− ポンプ軸からの漏水がある
一 台船は非常に老朽化している
− モーターの状態は比較的良好である
− ポンプは2台、常時2台とも運転している
・ 電気パネルの状態悪い、扉が開けにくい、取っ手が壊れている、裏扉がゆがんでいる
・ 冬10日間運転(12時間)、4∼5日間休止
・ 夏10日間運転(14時間)、2∼3日間休止
・ 電気パネルのランプは点灯するが、扉はガタついている、また裏側の配線は剥き出し
・ チェーンブロックのレールは端部で歪みがありスムースな移動ができない
タワーの状態は問題ない
・ ただし、タワーへの接続管(フレキシブルパイプ)は非常に古く水漏れする
タワーから吐水槽までの配管(SP)は地上剥き出しである
トランスフォーマーの状態は比較的良、ただしケーブルが地上剥き出しの状況である
・農民らの夏期(6月∼S月)における水不足の不満が大きい
・ 吸水槽内に水草、スクリーンを通過している模様
・ 幹線用水路に大量の水草が繁茂している
3−9
ヱジプ∧アテブ共和国・上ユジプ 紬鰍密計画
本ポンプ場の直下流に別途固定機場があり隣接する地区に濯漑水を供給しているが、受益
地区は重複していない(通常、水供給は完全に分離しているが、両ポンプ場の用水路は一
部でゲートにより接続しており、緊急時にのみ、固定機場からの補給を受けることになっ
ている)
本受益地区農民1人当たりの平均的農地所有は脆dd弧との情報あり(農民聞き取り)
上屋の平面規模は4.7m*9.5m
3.3 事業計画の概要
本事業計画は、上記9ケ所のポンプ場改修のうち、ポンプ施設(台船と搭載ポンプ)および接
続パイプの更新に必要な資機材一式の調達を行うための資金を提供するものである。ポンプ関
連機材の規模や仕様は、潅漑受益面積およびそれに必要な潅漑用水量から決定する。
濯漑受益面積は、1)現に現況ポンプ場で潅漑されている現況潅漑面積、2)濯漑局(ID)が本事業
完了までに開拓に必要な水路施設等の整備を行う拡張面積、から構成される。
ポンプ容量決定の基礎となる潅漑用水量は、各受益地の作付け体系と作物消費量、潅漑効率、
濯漑時間を考慮して算出する。このとき、計画の作付け体系は、現況の作付け体系を基本に、
農業政策および農民の意向を踏まえて設定する。また、作物消費水量は濯漑局の算定値を基本
とし、潅漑効率、濯漑時間は受益地の特性を考慮して決定する。
本計画の実施により、直接的な効果として、l)ポンプ場の年間運営維持管理費の低減、2)潅漑
面積の増加(水平拡大)、3)収量増(垂直拡大)による農家所得の向上、などが見込まれ、その稗益
人口はおよそ26,000人と概算される。また、間接的には、地域の農業生産の拡大および農民ら
の生活向上に寄与するとともに、国家目標である食糧需給バランスの是正に貢献するものと期
待される。
計画ポンプ諸元一覧表(概定)
N o.
ポ ンプ 場名 称
現 況
潅 漑 面積
(
ftd d a n )
27
G e zeret E l−
K o ba mi a K eb ly
28
S ah el E l−
K h a ta ra
29
S al lel E l−
A k ab B al laⅣ
30
拡 計 画 ポ ンプ 容 量 (
概
張
潅漑面積
(
氏d d an )
揚程
1 基 当た り
計画所
計画容
容量
要 台数
」
=
至
L
量
(m 3/se c)
(m )
(
m ユ
ノ
sec/
u 山)
(
u 血 t)
0.
25
2
0.
50
13
17 5
0
1,
540
460
1.
35
2
2.
70
23
440
0
0.
35
2
0.
70
13
G e zeret M en eh a
15 0
50
0.
23
2
0.
46
11
31
E トS ∬a g
15 0
50
0 .15
2
0.
30
16
32
G e zere tE l−
F a w az a E l−K eb lia
200
50
0.
23
2
0.
46
12
33
M id dle F aw a za
15 0
60
0.
15
2
0.
30
10 .
6
34
G e zeret A b o A rafa
15 0
30
0.
25
2
0.
50
13
35
E l−H e g s E l−
M o sta gd a
600
0
0.
35
2
0.
79
13
3−10
エジプ〈アラブ発行国・上ユジプ 腰掛密計画
3.4 総合所見
今日、エジプトの経済状況は貿易赤字の拡大や資金流動性の低下などが原因して停滞している。
農業生産に関しては、増大する小麦、植物油、トウモロコシ、砂糖を中心とした農産物輸入の
改善が急務である。また、人口は年率2%強の増加をみせるなど、食糧安全保障の面からもそ
の自給率向上は同国基幹産業である農業セクターの緊急課題である。
こうした状況の改善に対し、上エジプト農業はこれまでと同様に、今後も重要な役割を担うこ
とが期待されているが、当地域の農業生産活動を支えるポンプ濯漑施設の老朽化、機能低下は
顕著であり、濯漑用水の供給不安定、供給不足をきたしている。
前述のとおり、本地域では現在進行中のものも含め、過去3度にわたり我が国の無償資金協力
事業が実施され、26ケ所のポンプ揚が更新されてきた。今回改修対象のほかになお、4ケ所の
フローティングポンプ湯があるが、エジプト政府は、これらについてはスイスに対して改修あ
るいはスペアパーツの供与を要請している。したがって、本計画対象である9ケ所のポンプ場
の更新が実施されることで、すべてのフローティングポンプ場改修事業が完了することとなり、
地域全体として、これまでに実施された我が国無償資金協力事業の効果発現が期待される。
以上から、緊急性および事業効果が高いと考えられる、本調査対象サイトにおけるポンプ潅漑
施設改修計画の早期実施が望まれるものである。
3−11
エジブト国 上エジプト濃漑施設改修針十両 計画施設概要
N o.
1
S tation N am e
G ezere tE l-K o ban ia K eb ly
N o .o f D isch arg e
U n it
per u n it
m 3/sec
2
0 .2 5
L ift
K SB
13
(G erm an y)
S ah el A l-K h a tara
2
1.3 5
23
3
S ah elE l-A k ab B ah ary
2
0 .3 5
13
G ezeret M en eh a (F ix ed)
2
0 .2 3
5
E l-S arag (F ix ed )
2
0 .15
6
G ezeret E l-F aw az a E l-K eb lia
(F ix ed )
2
0 .2 3
7
M id d le F aw aza (F ixe d ty p e)
2
0 .15
8
G ez eret A b o A ra fa
2
0 .2 5
9
E l-H eg s E l-M o stagd a
2
0 .3 5
Y ear
E xisitin g
M otor
Y ear
m
2
4
E x istin g
Pum p
Su lzer
(Sw iss)
Su lzer
(S w iss)
(R ussia)
19 5 1 6 7 5rpm
22 0/38 0 V
Y asuk aw a
(Jap an )
19 5 1 4 7 5 H P
4 9 0 rpm
10 6 0 V
R elian ce
(U SA )
19 4 8 13 5I EP
98 5rp m
2 2 0/38 0 V
ieliace
SIG M A
ll
19 5 0 (U S A )
(C z ech)
96 0m m
(R ussia)
S IG M A
14 70 rp m
16
19 6 9
(C z ech)
40K W
22 0/38 0 V
R elian ce
un d e
(U S A )
SIG M A
r
12
60H P
(C ze ch)
ch ec
97 5rpm
k in g
22 0/3 8 0V
(R u ssia)
SIG M A
14 70 rpm
10 .6
19 6 8
(C ze ch)
40K W
22 0 /38 0V
(R ussia)
K SB
13
19 5 1 7 3 5rp m
(G erm an y)
2 2 0/38 0 V
R elian ce
(U S A )
Su lzer
13
19 4 8 13 5 IIP
(S w iss)
98 5 rpm
22 0/38 0 V
1 96 5
Irrig ation
E xp an sio n
A rea
(F ed d an ) (F ed d an )
17 5
P ro d u cts
P ro b lem (ref:R em ark s below )
W h eat,
F ru its(B an an a,M an go ,L em on ),T oo o ld & n o sp are p art s,
0
V eg etab le(M oro h eya,O kra),
E fficien cy is n o tg o od
F od d er
W h eat, C o m ,B ana n a,
199 9 S w iss su p plied spare
46 0 V eg etable(T om ato ,M o roh eya),
parts,b u t effi ecincy is n ot go od
F od d er
1 97 8
1 54 0
1 94 8
440
0
19 5 0
15 0
50
1 96 9
15 0
50
T o o old & n ot com p ly w ith
F ru its(B an an a,M an go ),
V eg etab le(M oro h ey a,T o m ato ) w ater lev el fl u ctuation d ue to
fix ed p um p statio n
un d er
ch eck in g
200
50
F ru its(B an an a,M an go ,L em on ),T o o old & n ot com p ly w ith
V eg etab le
ex istin g & ex p an sion n eed
19 6 9
15 0
60
19 6 9
15 0
3 0 F ru its,V eg etab le
W h eat, C orn ,P alm T ree ,
V eg etab le(M oro h eya,O kra)
T o o old & n o sp are p arts
T o o old & n ot com p ly w ith
F ru its(B an an a,M an go ,L em on ),
w ater lev el fl u ctu ation d ue to
fix ed n u m n statio n
V eg etab le(M oro h eya,O kra)
T oo old & n ot co m p ly w ith
u n d er
ch eck in g
600
F ru its(B an an a,M an go ,L em on ),
V eg etab le(M o ro h ey a,O kra)
T oo o ld & n o t co m p ly w ith
ex istin g & ex p an sion n e ed
0 S u gar C an e, B an an a
Remarks (problems in general)
1 (Fixed Pump Stations):
Water inflow into pump house during high water level season in summer and insufficient capacity due to cavitation
2 (Floating Pump Stations):
Spare parts are not available due to obsoletion of equipment and wearing and tearing of pump house
3 (Al-Katara Pump Station): Pump efficiency is not good. Wearing and tearing of the equipment in general.
w ater lev el fl uc tu atio n d ue to
fi xe d pu m p statio n
T oo o ld & n ot co m p ly w ith
ex isin g n eed
during lower water level season in winter.
エジプトアラブ棚痢・
㌧上ヱジプ醜鰍密計厨
現 地 写 真 集
3−13
No.27 Gezeret EI-Kobania
Keblv
ポンプ場外観
上屋の壁(板張り)、天井および屋根
などに穴や剥がれがみられ、高級化
が著しい。
ポンプ場内部
ポンプ施設は稼動開始後50年あ
まりを経ている。モーターから異
常音が聞かれる。
1接続萱の状況
接続管、ポールジョイント、タワ
ーから多量に漏水している。
No.28 Sahel
EI-Kobania
Keblv
ポンプ場外観
上屋の状態は他のサイトに比較して
良好である。.
■−
ポンプ場内部
ポンプは2基あるが、常時運転は
l基のみ、他のl基はスタンバイ
用である。
接続管の状況
接続管のボールジョイントの老
朽化が著しい。現在タワーが2本
あるが、上流側のタワーから漏水
している。
3_15
エジブトアラブ共和国・上エジブト灌漑施設改修計画
No.29SahelEl−AkabBaharv
ポンプ場外観
上屋の状態は特に悪くはないが、天井
に剥がれ、床はツギハギだらけであ
る。
ポンプ場内部
ポンプは非常に老朽化しており、
常に保守点検しながらの運転を
している。ポンプ軸から漏水して
いる。
送水管の状況
タワーから吐水槽までの送水管
の一部に穴が開き、多量に水漏れ
している。
3−16
エジプトアラブ共和国・上エジプト灌漑施設改修計画
No.30GezeretMeneha
ポンプ場外観
固定機場であるか上屋はトタン張りで
19S5年にリハビリした..状態は比較的
良好である。.
ポンプ場内部
夏期ナイル川の水位上昇により機
場内に床上浸水するゥまた、冬期に
は水位低下によりキャビテーショ
ンが発生する。.
ポンプ軸から漏水がみられ、機場内
に水溜りができている。
制御パネルの状況
ランプ類は点灯しているが、パネ
ル裏側は配線が剥き出しの状態
である。
3−17
エジプトアラブ共和国・上エジブト灌漑施設改修計画
N0.31El−Sara空
ポンプ場外親
固定機場である。上屋はトタン張り
で、外壁は全体にトタンが剥がれてい
る..
ポンプ場内部
夏期ナイル川の水位上昇により機
場内に床上浸水する。また、冬期に
は水位低下によりキャビテーショ
ンが発生する。
ポンプ軸からの漏水がみられる。
スペアパーツがないなどの問題
がある。
制御パネルの状況
扉が歪んでいるなど、状態は非常
に老朽化している。パネル裏側の
配線は剥き出しである。
エジブトアラブ共和国・上エジプト灌漑施設改修計画
迦j2GezeretEトFawazaElXeblia
ポンプ場外観
固定機場である。上屋はトタン張りで、
状態は良好であが、吸水管貫通部の基礎
コンクリートが大きく破損している。.
ポンプ場内部
夏期ナイ/レ川の水位上昇により機
場内に床上浸水する。また、冬期に
は水位低下によりキャビテーショ
ンが発生する。.
制御パネルの状況
(背面の様子)
配線が剥き出しの状態である。
エジブトアテプ共和国・上エジブト灌漑施設改修計画
No.33MiddleFawaza
ポンプ場外観
固定機場である。上屋内のペインとが至
る所で剥がれている。また、機場基礎コ
ンクリートが激しく崩壊している。.
ポンプ場内部
夏期ナイル川の水位上昇により機場内
に床上浸水するかまた、冬期には水位低
下によりキャビテーションが発生する∈.
スペアパーツがないなどの問題があ
る。
吸水管の状況
機場基礎コンクリートが激しく崩
壊し、吸水管貫通部にはコンクリー
トの破片が詰め込まれているゥ
3_20
エジブトアラブ共和国・上エジブト灌漑施設改修計画
No.34Ge2:eretAboAJ・afh
ポンプ場外観
上屋(トタン張り)は1990年にリハビ
リしているが、台船は非常に老朽化して
いる。また、上屋内の保守用チェーンブ
ロックが古く、稼動しにくい状態であ
る。.
ポンプ場内部
モーター、ポンプからノイズが発生
している。また、ポンプ軸から漏水
がある。
チェックバルブ、スルースバルブが
完全に閉まらない状態である。
場内配管からの漏水
場内の配管から漏水しており、布切
れなどを巻いて対処している。
エジプトアラブ共和国・上エジプト灌漑施設改修計画
No.35EI-e空SEトMosta空da
ポンプ場外観
上屋は天井などに穴が開き老朽化が目
立つ。また、台船も非常に老朽化してい
る。.また、タワーへの接続管(フレキシ
ブルパイプ)は非常に古く、漏水してい
る...
ポンプ場内部
ポンプ軸からの漏水がみられる。ス
ペアパーツがないなどの問題があ
る。
保守用チェーンブロックの状態
上屋内天井のチェーンブロックは
歪んでおり、正常な使用は不能な状
態である。
Ⅳ. イランイスラム共和国
ケルマン州バム地区地震被害農村インフラ復旧計画
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4−2
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イランイスラム資j軌野・ケルマンメ仰バム劇区機屋教書農村インフラ粛好評厨
4.ケルマン州バム地区地震被害農村インフラ復旧計画
.国名 :(和)イランイスラム共和国
:(英)Isla血cRepublicof止弧
−案件名 :(和)ケルマン州バム地区地震被害農村インフラ復旧計画
:(英)ReconstruCtionAssistance fbr RtLralIm舟astruCttJreS damaged by
EarthquakeinBa皿area,Kerman
一調査地区名 :(和)ケルマン州バム地区
:(英)Bam,Kema叩rOljnce
−相手国担当機関:(和)農業省
:(英)MinistryofJihad−かAgriculture
4.1概 況
バム岬am)地区はケルマン市(Keman)の南東200kmに位置しており、車で約2時間の道のり
であり古来よりシルクロードの休憩地として知られている。古代バム市の遺跡であるA巧te
Bamは6km2の面積をもち、威厳のある壁や塔および外周を堀に囲まれた世界でも最大の泥
レンガの建造物として有名である。当地域は年間雨量50∼60mmの乾燥地でありカナート
(qanat)や井戸を利用した潅漑農業が営まれている。カナートのマザークェルは各村落の西
方に位置し深いところでは竪坑は200mに達しており、ここから水路の洗掘を防ぐ為、緩傾
斜(1/5,000∼1/10,000)で地下水は東に流れ、畑に流入しているむ(巻頭位置図参照)これ
らの地下水は良質である。一方、深井戸は主に集落内外に点在しており深さ50∼100mであ
る。地域の東方の井戸では一部塩分濃度が高く飲料水として不的確となっている。主要農
産物はデイツ(ナツメヤシの実)、染料に用いられるへナおよび果樹類(柑橘類)である。
写真左:かつてのArgre Bam、写真右:被災して城塞および城下のほとんどが崩壊した
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2003年1ヱ月26日にマグニチュード6.3と言われる大地震が当地を直撃した。このため約
100,000の住民の50∼55%、50,000人以上が死亡したと伝えられている。.また、寮災のため、
約1,000人の子供達が孤児となっているさ震災の原因はバム地区中心から約4km東を南北
4_3
イランイスラム兵丹野・ケルマ/ル′†ム彪区敬啓好害者材インフラ彦好好 画
に走るバムフォルト(BamFault、延長約12kn)と呼ばれる活断層の滑動が原因と思われる
(巻頭地質図参照)。震災から既に1カ月が経ち、現在のバム地区の状況は比較的落ち着い
てきた様相を呈しているものの、市民は家屋の崩壊により路上でのテント生活を余儀なく
されており日々の糧を得るために苦労が続いている。また、犠牲者の埋葬も未だ続いてお
り、被災時の状況がいかにひどいものであったかは想像に難くない。現在、同地区では国
をあげて震災からの復興活動が各所で行われている。
4.2 災害復旧に対するイラン国の対応
現在、バム地区では災害復旧のためのバム地区災害復興中央委員会(CentralReconstruCtion
CommitteeofBam)が設立され、同中央委員会のもと12の分野別災害復興委員会が地区の
復興にあたっている。本件調査の直接的な関係機関は、これら委員会のうちの農業セクタ
ー(ReconstruCtionCommitteeforAgricultureSector)である。このセクターは、元来、農業推
進省(MimistryofJihad−かAgriculttue)バム地区事務所であったものが、震災と同時に農業セク
ターの復旧委員会に変わったものである。同事務所だけでも、地震前にはおよそ50名であ
った職員のうち35名が犠牲となっている。
復旧に係る費用は中央政府から出資され、今後2年間でおよそ1650億R⊥(20百万US$)
がソフトローンとして農民らに貸付けされる計画である。
また、バム地区では被災地域を13のブロックに分割し、これらの各ブロックに対して国内
各州から人材が派遣される人的支援が行われている。こうした援助の中には、カナート復
旧にかかわる職人なども含まれている。このような各州からの人的支援により、震災直後
には15,000人余りが派遣され、現在でもおよそ10,000人が他州からの支援として復旧活動
を行っている。
4.3 外国からの支援
地震発生と同時に我が国をはじめ、国際機関、米国、ロシア、英国、中国等は人道的支援
として、被災者に対する食糧の配布、医療活動、発電機、テント等の緊急援助物資の供与
を行ってきたが、現在ではこれらの活動は停止されている。唯一、トルコが緊急避難用と
して800個のコンテナを供与している。災害復旧中央委員会ではこうしたコンテナは15,000
個を必要としているが、その手当ては出来ていない現状である。
4.4 現地の被害状況
(1)樹園地の被害状況
バム地区における果樹営農のうち、特にデイツは、国内はもとより東南アジアやヨーロッ
パ諸国へも輸出されるなど、当地区農業の主要換金農産物である。しかしながら、地震発
生以来、地域の潅漑用水供給の主要施設であるカナートや井戸のポンプ小屋の崩壊により
樹園地への潅漑水供給が絶たれており、今後受粉のために30日以内には水の供給が不可欠
である。バム地区のデイツ果樹園は20,000haあるが、その内S,000ba(関係農民およそ10,000
人)が水路や畑を囲っている土壁(Cl血e)の崩壊にあっている。潅漑水源の減少と相侯っ
て、予想されていたデイツ総収穫量の70%減となることが農業省より広報されている。そ
4−4
イランイスラA共和国・ケル′マン州ノヾム彪区牌害者材インフラ彦1好評画
の原因は、カナートと井戸および圃場内の潅漑ネットワークが被災し、潅漑給水システム
が崩壊したことによる。
こうした樹園地では果樹栽培と畜産の複合農業が営まれている。ひとつは、本地区におけ
る果樹営農の主たる現金収入現であるデイツの栽培、今一方は、果樹木の間に植生する草
類(アルファルファなど)を家畜飼料として利用する畜産経営である。したがって、果樹
園地被害の緊急復旧は農民および家畜の生存に不可欠である。
デイツは無潅水でおよそ2ヶ月間はその果実の生長に支障はない。しかしながら、震災か
ら既に1ヶ月が経ち、いまだ港汲水供給の目途が立っていない状況は極めて深刻であり、
早急な手当てが必要である。現地では、濯漑施設であるカナートの修復に努めているが、
この先1ヶ月での完全復旧は困難な状況と言える。このため、緊急対策としてカナート修
復とともに深井戸によるポンプ揚水による水手当が必要である。潅漑用水の確保ができな
い場合、バム地区経済に深刻な打撃を及ぼす事態が懸念される。
なお、バム地区にはデイツの私設貯蔵施設がおよそ200ケ所あり、需要の時機(国内およ
び輸出)を見極めた出荷が行われてきた。しかしながら、今回の災害により、およそ40ケ
所の貯蔵施設が全壊状態、160ケ所の施設で半壊程度の被害を受けている。
(2)カナートの被害状況
カナートの被害状況
バム地区のカナートは全275ケ所があり、年間457MCMの潅漑水を導水しているが、これ
ら全般に被害を受けている。なかでも、糾のカナートで被災程度が大きく、これらのうち、
30のカナートでは通水が完全に途絶えている。なお、バム地区の東隣パルバット(Barevat)
では上流地域のカナート12ケ所は全て被災なし、下流地域では9カ所のうち、2ケ所が被
災した。
乾燥地域の水源施設 一カナートー
カナートあるいはガナートは、摺曲山脈山麓部の扇状地地下水を水源として、これを延長数伽
から数十kmの暗渠によって地表まで導く巨大な地下の導水施設である。山麓の地下の水源部最
先端に掘った竪坑が母井戸である。まず、ここに地下水を溜めることからカナートがはじまる。
古くよりカナートの掘削はモガンニーと呼ばれる専門職人の手によることが多かった。母井戸
で集められた地下水は、長い暗渠(横坑)を通って地表にその水面を現す。暗渠で導水するた
め、多数の竪坑を数十mおきに連続して堀り、それらを地下で繋げて地下水路を建設する。竪
坑の深さは普通規模で20∼30m、深いものでは150∼200mにおよぶ。カナート完成までに10年
ほどかかることも稀ではない。また、竪坑、横坑とも素堀りであるため、年1∼2回は坑内に崩
落した土砂の漢漢などの維持管理作業が不可欠である。
カナートの出口から、カナート水は、さらに開渠水路を流下して先ず果樹園(デイツ)に入り、
その後集落を通って耕地へと導かれる。したがって、通水施設に関する技術や形態だけをカナ
ートと呼ぶのみならず、カナートに支えられている集落、農地、全体を考えた水利システムが
カナートと言える。
イラン・イラクではカナート、アフガニスタンではカレーズ、サハラではフォガラと呼ばれる。
中国のカン井と言われるものも同じ形の施設であり、モロッコではレツタラと呼ぶ地下水集水
トンネルが多い。日本にも、三重県鈴鹿山麓にマンボウと呼ばれる同様の施設があり、現在で
もその一部が水田濯矧=使用されている。
4−5
イランイスラム共和野・ケ〟/マンフ仰/†ム彪区二後家好書房材インフラ彦膚#虜.
カナートの掘削
カナートの流れ
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カナートの被災原因は主に次の2ケースである。
1)下流部立抗の壁がカナート水路へ崩壊して水路を閉塞、このため、カナート上流区間
の水位が上昇し、その影響を受けて湿潤化した上流部の立抗の壁が順次崩壊して通水
不能となる場合。
2)カナートの途中で断層(前出のバムフォルト)が発生し、ここを通過するカナート水
路が上下に分断されたことが原因である場合。
カナートの復旧工事状況
記述のとおり、現地では、地域の主要農産物である果樹園に対する潅漑水の給水を再開す
べくカナートの修復に努めているが、当地域のカナート職人の多くが犠牲となっているこ
とから、カナートの復旧工事は他州からの人的支援に頼らざるを得ない状況である。現在、
隣州のヤズ州(Ⅵld)をはじめ、4州からおよそ150人の職人がカナート復旧に当っている。
復旧工事は主に、崩落した竪坑土砂および横坑に堆積した土砂の除去作業である。現地で
は、修復作業の方法として、
1)一連の作業(掘削、疫漢)すべてを人力によるもので、竪坑位置に滑車を設置して、坑
内からの波沃土砂を人力で引き上げる、
2)坑内作業(掘削)において坑壁が強固な場合にコンプレッサーを導入して作業を行う、
ただし、この場合でも坑内からの波沃土砂を人力で引き上げる、
3)坑内からの波漢土砂を竪坑位置に滑車を設置し、これをエンジンモーターで引き上げる、
4)坑内からの夜沃土砂を竪坑位置に滑車を設置し、これをトラクターの後輪シャフトを利
用して引き上げる、
などにより実施している。
4_6
イランイスラム共和国・ケルマンj仰ノヾム劇圧勝寓農村インフラ窟好評ノ野
写其左より上記のり−4)に相当
事ヂ蛋_−三野
また、竪坑および横坑の坑壁を保護するため、鉄筋コンクリート製枠の製作や古タイヤお
よびレンガを利用するなどして対応している。.しかしながら、製作された鉄筋コンクリー
ト製枠の品質にはバラツキがあり、一部には使用には至らないものも多い。
一連の復旧作業では、人材および作業機材・機械が不足しており、果樹園への給水が地震
発生以来現在まで停止を余儀なくされている状況もあることから、早急な対応が望まれて
いる。
カナートの維持管理の現状
バム市街の東およそ4kmに位置するバラバット地区岬訂餅at)において行われているカナー
トの改修現場にてカナートの維持管理について聞き取り調査を実施した。主な内容は以下
の通りである。
a)カナートの規模
.総延長:10.Okm、流量:0.15m3/s c、潅漑面積:400ha、農家数:50戸(400人)
b)カナートの維持管理
施設の改修
毎年一回の立坑の補強、横坑内の波藻を実施している。実施するにあたっては、バム地区
農業省の許可が必要である。また、新規のカナート建設には同地区農業省が水路路線の土
地収用等を検討し、問題が無ければ許可をコミュニティに与えると共に、水資源・エネル
ギー省に報告することが義務付けられている¢バム地域では約275ケ所のカナートがある
が、いずれも同じ様な維持管理を行っている〕
改修料金
横坑の改修2.Omにつき、各農家はカナート改修委員会に120万RL(150US$)を支払うこと
が義務付けられている。
カナート維持管理委員会
委員長、副委員長および会計の3名からなっており、村人の選挙により選出されるら この
委員になることは名誉なことで活動は無報酬である。
4●7
イランイスラム刻軌野・ケルマンワ性′〈’ム.観区後家好害者材インフラ彦1好評画‘
改修工事
今回の地震被災により、カナート建設職人の多くが死亡しており、今回の改修ではヤズ州
(Yazd)より職人を雇い改修工事を行っている。1グループ9人の構成、報酬は3百万R⊥/
人/月である。
問題点
改修に当っては地区農業省の許可が必要であるが、認可に時間がかかる。末端に行くにし
たがって、横坑からの漏水が激しく無駄に水を使っている。バム地域のカナート工事職人
が殆ど皆無となっており、今後、技術の伝承を如何にするかが問題である。
(3)井戸の被害状況
震災前、バム地区には準深井戸(深度50mまで)59ケ所、深井戸(深度50m以上で地域の
平均深度は約100m)605 ケ所の井戸があった。これらによる年間の給水量は、およそ
370MCM(全664ケ所、それぞれ4MCMおよび363MCM)であった。
これらのうち、およそ1割にあたる50ケ所のポンプ湯が被災した。これらのポンプ小屋は
ほとんど全壊状態である。また、深井戸施設の22ケ所および準深井戸施設のSケ所でポン
プ小屋とポンプ機材が壊滅した。
これらの復旧は農業省がこれらの復旧を担うこととしている。しかしながら、ポンプ機材
の不足などから、震災時のまま放置された施設が多い。なお、通常、井戸の新規建設につ
いてはエネルギー省の許諾が必要とされるが、一方で、緊急の場合においては、井戸の新
規掘削に対して許可を与える方針である。
(4)家畜の被害状況
家畜別の被害状況は次のようである。
・牛(乳牛)
震災前6,500頭のうち2,200頭を失う
・羊および山羊
震災前29,400頭のうち7,800頭を失う
(上記数値は被災区域における数値である。バム地区全体の震
災前頭数は300,000頭)
・養鶏
震災前120,000羽のうち52,000羽を失う
・養鶏センター
被災地区内全9ケ所のうち、
完全崩壊1ケ所、70%被災6ケ所、20%被災2ケ所
・牛乳集荷センター
被災地区内全7ケ所のうち、
完全崩壊1ケ所、70%被災6ケ所、20%被災2ケ所
(保冷施設・冷蔵施設が機能不能、震災前の生産量は112,000リ
ットル/日で、他地域へも流通)
4_S
イランイスラムニ#府厨・ケルマンルヾム彪圧勝害農村インフラ彦1好計画
これら家畜の被害があった農家はおよそ1,700H丑Ⅰにのぼっている。震災による牛乳生産慮
は従前の60%にまで落ち込むものと見積もられている。現在、家畜(飲)用水の不足、飼
料の不足が深刻で、早急の供給手当てがなければ深刻な被害が予測される。乳牛の場合に
は搾乳施設の損壊やストレスによる搾乳量の減少などが懸念されている。農業セクター復
興委員会では、これまでに260トンの家畜用飼料(アルファルファ、麦藁など)および15
トンの養鶏用飼料の配給を行ってきているが、更なる供給が望まれている。
また、家畜小屋の被害(土壁の崩壊など)が各所に見られる。農業セクター復興委員会で
はこれらの復旧にも努めているが、資材(鉄条網)の不足から、十分な対応ができていな
い状況である。
(5)社会インフラの状況
家 屋
家屋の損壊状況は極めて深刻である。被災地域によってはほとんどの家屋が全壊状態であ
り、現在ではそれらの瓦礫が周辺に残置されたままの状態で、これらの再建の目途は立っ
ていない模様である。
上水道
本地区の上水道は9本の深井戸を水源としているが、これらの井戸では被害は認められな
い(ポンプ小屋のダメージのみ)。但し、配水システムのパイプの被害がある。バム地域の
配水パイプは総延長420kmで、その内、30%が鋼管、70%がアスベストス管であり、この
内、アスベストス管区間が全壊状態となっている。また、貯水池(バム地区に4ケ所)に
ついては、9本の深井戸を貯水しており震災により堤防にクラック(幅2cm、深さ10cm以
下)が発生しているが深刻な状態ではない。復旧工事は地方給水公社が実施する予定で、
政府の予算が確保できれば、今後、2カ年で復旧工事は可能であるが、現実には、復旧事業
費の手当ての目途は立っていないとのことである。
電 気
電気は全体の70%程度まで復旧されている。
通 信
電話は、グランドラインは通常に稼動している。モバイルの復旧率は70%程度である。
道 路
バム地区内を通る幹線道路は復旧が進み、ほぼ問題なく通行することが出来る状態である。
4.5 復旧支援と今後の展開
バム地区災害復興に関して、次の段階的支援計画(復旧支援と今後の展開)が想定される。
4_9
イランイスラム兵.神国㌧ケルマン州バム亜区勉屠冴害者材インフラ彦1好一計画.
1.緊急支援二
人道的援助の立場から被害の拡大防止と農業生産体制の可及的復旧の支援。前述の
如く、デイツ畑への濯漑水源の確保および導水が最優先支援事業として位置づけら
れており、この緊急支援は今後、少なくとも2ヶ月以内の支援でなければ意味がな
いと判断される。
2一 中・長期支援:
半乾燥地域農業開発モデルの構築。特に、地下の河川であるカナートと深井戸によ
る水利用の調和を前提とした水環境、水資源の保全、節水潅漑、ウオータハーべス
ティング、畜産振興、流通、農産加工の改善等が必要である。
(1)緊急支援
水利施設の復旧
カナート内が崩落土砂などで塞がれたヶ所では、カナート内の水位が上昇し、それにより
浸潤した坑壁の更なる崩落を招くことから、水中ポンプによるカナート内の水を汲み上げ
たいとするものの、こうした機材が不足(農業セクター復興委員会では2台のみ所有)し
ていることから放置された状況にあり、被害の拡大が予想される。
現在までに、カナート修復のために、およそ150名におよぶ職人派遣の人的支援がヤズ州
をはじめとする4州から行われている。彼らは、カナート自体の修復やカナートの竪坑お
よび横坑の坑壁を保護するためのコンクリート製枠の製作を行っているが、セメントや鉄
筋などの資材が不足している。また、製作されたコンクリート製枠の品質にはバラツキが
あり、一部には使用には至らないものも多い。なお、今後は竪坑に蓋を設置することが望
まれる。
農業セクター復興委員会では、震災後、2週間目には既に農業施設の再建を開始した。しか
しながら、復旧に使用するバックホウやショベルカー、トラクターなどの重機は、すべて
民間業者からのレンタルによるものであり、復旧作業が思うに任せない状況にある。
また、緊急の復旧を要する農地に対しては、パイプライン(PVC、D=200∼25m/n、使用圧力
6ハ÷−ル、L=100k皿)の建設による潅漑水の供給を考えているが、やはりこれも資材が不足し
ている状況である。
このように、カナート修復のための当局の最大限努力にもかかわらず、資機材の不足から
実行が遅々として進まない状況である。
緊急の援助が必要とされる資機材
上記の状況から、緊急支援として建設用重機(トラクター、バックホー等)、給水車、発電
機、水中ポンプ、PVCパイプなどの建設資機材援助が思料される。なお、ポンプあるいは
深井戸建設については、イギリスの支援が入るとの情報もある。
4−10
イランイス.ラム#楯・ケルマ/州バム彪区鹿屋瀞害者ガインフラ碧貯蔵牌
(2)中長期支援
半乾燥地域での持続的農業開発モデルの構築を図るためのマスタープランの実施。
ト カナートを含めた総合的な潅漑システムの改善
当地区ではこれまで、ボーダー潅漑によるかけ流し状態での潅漑がおこなわれてきた。今
後、水源滴養や節水といった概念の念頭にして濯漑システムの改善を図る。
㌻ 水環境・水資源のモニタリングシステムの構築
当地区には、多数の井戸により揚水が行われている。カナートのもつ水資源のリサイクル
性に比べ、井戸施設は半ば強制的な水利用であるため、カナートと井戸が共存するように
バランスを保つ必要があることから、地下水資漁の有効活用とそのモニタリングシステム
の構築を図る。
3− カナートに関する技術的検討
カナートは、古くよりその職人技術により建設されてきたが、その多くが犠牲となったこ
とから、カナートの掘削、修復および補強といった技術的検討を行う。
4− カナートの水管理および維持管理体制の確立
カナートは、村落(コミュニティ)ベースにより建設および水管理が行われてきた。そこ
には、カナート建設の職人やコミュニティに属する人々の中から各国場へ潅漑水の配分を
担当する水番や新設や定期的維持管理作業のための職人の存在があった。しかしながら、
今回の被災により彼らの多くか犠牲となり、伝統的な水分配方式、削井および維持管理等
の知識・技術の継承が困難になったことから、今後住民参加による水管理、維持管理体制
の導入を図る。
5− 包括的半乾燥地域農業開発モデルの構築
水不足および深刻な土壌侵食による沙漠化が進行している半乾燥、乾燥地域での農業開発
や農村インフラ整備など、あるべき姿およびその早期事業計画を提案して、地域住民の民
生安定、所得向上を図るため、パッケージでの半乾燥地域における持続的農業開発モデル
を構築する。
4−11
イランイスラム共和野・ケルマンル′†ム彪釣軌露好害者材インフラ粛膚計画
現 地 写 真 集
4−12
イランイスラム共和国・ケルマン州バム地区地震被害農村インフラ復旧計画
全、半壊した家屋
多くの場合、瓦礫、残がいのまま放置されて
いる
鞍上でのテント生活
バム市内のほとんどの道路沿いに仮設テント
が張られているi▼.
被災した人々
テントはl張り10Ⅱ12弱程度、家財道具など
はテントの外に置かれている場合がほとんど
である_.
生活水は給水車が運ぶ貯水タンクにより供給
されている(写真左十
イランイスラムj靭軌野・ケルマンタ仰バム彪厚二健粛好書房材インフラ雛厨房野
バム鼻糞セクター復興委員会敷地内
写真奥が被災したバム地区農業局舎。手前は、
職員らの仮設テント
バム農業セクター復興委員会敷地内
外壁が崩壊したバム地区農業局舎。
軒喜軍票野草苧亨・二㌣三二こ ̄キ:キ:ご羊‥肇聯琴野
地割れの状況
バム地区の東およそ4kmの位置で南北に走る
ゝニー▼ − ̄
断層(BamFa山t)に発生した地割れ。.幅10cm
∼20cmのものが続くr.
_′
ラミざ十 く
去−.二{ ∴て∴二
、、、
′
■、一
㌫沫−ト ̄ ′
ド ー.」■ ヽ 一
誓㌣軒‥_….ゝ....二言意
◆■
・・ヽ’.ニ㍗
.」、、1.し、
こ一声.・■√t ごL、
tl 、
」 ▼:i▲、∼■−
、ヽ 1ヽ,1
’●・‘■∵十∴㌣
4−14
イランイスラA発動国・ケルマンメ仰バム彪広也廣好害農村インフラ窟好#厨
デイツ園坦
バム地区の基幹作物であるデイツ。.地区内の
各所に見られるn
崩落した囲い壁
デイツ園地は各所有者境界に囲い壁がある
が、地震により各所で壁が崩壊した。
用水路を埋め尽くした固い垂の瓦礫
崩落した囲い壁の残がいが畑地内の用水路を
埋め尽くしている仁.
樹園地内の用水路と分水施設
手前に見えるのが樹園地内の用水路と分水施
設。地震発生以来、通水されていない樹園地
も多い⊃
4−15
イランイスラム鼻
・ケルマン抑′†ム惚劇拠覿好寛彦材インフラ慶旧計画
被災した牛舎
牛舎を囲う土壁が崩落し、折り曲げられた鉄
骨が剥き出しになっている。
生き残った家畜
震災後は家畜用水、飼料の不足が深刻な状況
である。また、搾乳機器などの損壊もあるこ
とから、生産量の大幅な減少が予測されてい
る。
デイツの貯炭施設
本地区の主要換金作物であるデイツの貯蔵
庫。地区内のほとんどの施設で被害を受けた。
写真内、柱にひび割れが確認できる。
デイツの貯蔵施設
写真左:外壁に入ったひび割れの状況。
写真下:この貯蔵施設では、ほぼ全壊の状態。
天井が落ち、鉄骨のみが残る。
l 1 1 I l t 里 曹 一 日 . − t t −
4−1(i
イランイスラム鼻
・ケルマンルi.ム彪広地粛好轟鼻材イ′フラ窟旧館
カナート水の流れ111
カナートの出口。この地点で、カナート水は
地上に出て、開渠となる。.
カナート水の流れ(21
開渠により樹園地まで導水される。写真の水
路ではレンガによるライニングが施されてい
る。
カナート水の流れ〔31
樹園地を囲う土壁の底に空いた穴(写真では
巨£
ま‘44㌧−
幣
コンクリート管を敷設)を通って樹園地内へ
入る。
′ 一− ふ′:一㌢・・1ン・・ 〟
・1−、・■・..夢二
三こ三ごし、幕rこミ.1
亘ユー ,「「
㌔転デー.lr‘
 ̄ 一 寸 .
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1’・・射→・1、・∴−′_
− ∴t
●h _.●
′Y
酢j■ノ.㌦_÷−・
カナート水の流れ(41
樹園地内の用水路巾 写真はライニングされた
水路が崩壊した土壁の瓦礫で埋まっているa
4−17
イランイスラム共
・ケルマン抑バム也区惚粛静寛彦村インフラ彦好野 面
▼ ▼†ヽ■=■ ̄ ̄覇「一り
カナート竪坑の掘削現場
砂漠内に続くカナート竪坑の掘削現場り 坑内
の掘削、土砂引き上げなどは、すべて人力に
よっている。
同 上
バム地区市内におけるカナート竪坑の掘削現
場。巻き上げ機は材木で組み立てられたもの¢
同 上
写真左:坑内からの掘削土砂を引き上げたと
ころ∩
同 上
写真下:掘削土砂を詰める袋。厚手の生地で
できているr.
●..
ヰこヾ
′▼ 一  ̄
4−18
イランイスラム鼻
・グルマンルヾム地区磯屠冴書農村インフラ彦好野 面
カナート竪坑の掘削現場
ここでは掘削土砂の引き上げにエンジンを使
用している(写真右下隅)。
同 上
竪坑壁が堅牢で、人力による掘削が困難な時、
コンプレッサーを使用している。
同__±
掘削土砂の巻き上げにトラクターの駆動力を
利用している。トラクター後輪に土砂引き上
げ用のワイヤーを巻き、後輪を空転させて土
砂を引き上げる。
同 上
トラクター後輪部から竪坑を見る。
4−19
イランイスラA身和国・ケルマンタ仰/ム彪彪 麒轟芳村インプチ粛好錐
カナート竪坑の坑壁保護
鉄筋コンクリート枠を別途製作してカナート
竪坑の坑壁を保護している。
製作中の鉄筋コンクリート枠
「L_套二十二‘丁−【、,’㌣Tt¶n▲’’
製作はシラーズ(Shraz)から派遣された職人
廃ぷ.与妄料率襲撃聾
享芋粥
rこ、▲ ・■、㌧
 ̄ ■■■■■■■ ̄  ̄一JT
らにより行われているこ。
【 ニ■■㌻ _ ・ −
 ̄、」 −−−−.−∵・一声__ 一・
■■ 【 ▼  ̄ ̄ 1
小言=−一L
▲■ ●、 →・√ー■■■ヽ
■−  ̄.._ ■■■■_
ー 1′ ■一−
ごごナ竃i
・・−′・・
同 上
鉄筋コンクリート枠は、楕円形で、長径
120cm、短径80cm、幅20cm、厚さ4.5cmで
ある。.品質にバラツキが多い...
、ぺ雫・:、
’」
同上材料
写真上:セメントはケルマンから搬入する。.
写真下:鉄筋はD=6mmを使用。
4−20
イランイスラム′井紺・ケルマンルi.ム劇広地屡訝書農村インフラ粛旧計画
カナート竪坑の坑垂保護
古タイヤを利用してカナート竪坑の坑壁を保
護している。
カナート水の排除
カナート内に滞留した地下水をポンプにより
排除して、更なる竪坑坑が壁崩落する2次災
害防止を図っている。
同 上
ポンプのエンジンにはトラクターのエンジン
を利用している∈.(写真はルーマニア製)
.._・1んJ,●・∴
職人らのテント住まい
各州から派遣されてきたカナート修復職人ら
は現場でテントによる生活をしている。
イランイスラム鼻緒・ケルマンタ仰バム地区彼霹妙案着付インフラ細評画
崩壊したポンプ境
ポンプ小屋のレンガ壁が崩れ、鉄骨は折
れ曲がっている。
エンジンなどポンプ機材は、被災時のま
ま放置されている.ゥ
配管類は接続されたままの状態。
Ⅴ. 添付資料
顔材質#
5.添付資料
5.1調査団員の構成
団 長 後藤 道雄 株式会社 三拓コンサルタンツ 海外営業部 部長
団 員 家泉 達也 同 上 顧問
団 員 ゴラムホッスイン・
ショコヒファード 同 上
海外技術部第1課
5.2 調査行程
順
月日
曜日
行
程
1.
1/
20
火
成 田− フ ラ ン ク フル ト
移動 日 (
後藤 、家泉)
2.
1/
21
水
フ ラ ン ク フル トー カ イ ロ
移動日
主 な行 動
水 資源 濯漑 省 、潅 漑 改 善 局 次 官 E ng.K am 山
M oham ed お よび エ ジプ ト排 水 局 E ng.H ussein
E Iw an 局 長 と打合 せ
3.
1/
22
木
カイ ロ
4.
1/
23
金
カイ ロ
滅 田=
− テぺ テ三
木・
・
=
≡
・
5.
1/
24
土
カイ ロ
エ ジプ ト日本 国 大使 館 野 口書 記 官 お よび 同 刀C A
事務 所 岩 間 次長 、 東担 当表 敬 訪 問
バハ ル ヨセ フ 、 ラ フ ー ン堰 現地 調 査
移動 日 (
シ 畠■
;
ゴ吏 )
;
≡
キ≡
水 資 源 潅 漑 省 、機 械 ・電 気 局 、E ng.A 山K h 山1 Ⅵ血m
お よ び E ng.
M oham ed A bdulF atouh と協 議 。
農 業 省 、農 業研 究セ ンター 、E ng .
A lm ed G ehad
次 官 お よび E ng .
M oh am ed Sal al 1E ldin 等 と協議
=
チノ
キラ ■
ン
カイ ロ
:
≡
≡
・
シ 去声・
ヒ∴ 古 殿 専 門家 .
と軒 ち合 せ =
■
農 業 機 械 化 セ ン ター 場 現 地 調 査
資料 坂 東 や≡
≡
≡
6.
1/
25
日
7.
1/
26
月
8.
1/
27
火
後 藤 、家 泉 )、関 係 省 庁 と会 議
フ ラ ン ク フル トー テ へ ラ 移 動 日 (
9.
1/
28
水
テヘ ラ ン
=
テヘ ラ ン .
・・
カ イ ロー フ ラ ンク フル ト E O J、JIC A 等 現 地 調 査 結 果 報 告 、 JB IC カ イ ロ事
務 所 表 敬 、 関係 省 庁 と打 合 せ 、移 動 日
質 料 痕 集 、 関廃 省 鹿 と=
の 会 議 日程 調整 ■
≡
:
テ∼
\ラ ン ■.
ン′
農 業 省 国際 協 力 局 長 D r.
R 如加 B E IG I と打 合 せ
世 銀 プ ロジ ェ ク ト事 務 局 長 M r.
A bbas
S A D R E D D IN I
お よび 大使 館 鳥 居 書 記 官 、 古 殿 専 門家 と打 合 せ
水 資 源 開発 計 画 次 官 D r Al iN O R Z A D と打 合 せ
29
10 . 1/
木
テヘ ラ ンー ケ ルマ ン
ケル マ ン州 農 業 省 と打 合 せ
11. 1/
30
金
ケル マ ン
バ ム地 区現 地 調 査
12 . 1/
31
土
ケルマ ン
同上
13.
日
ケル マ ンー テ ヘ ラ ン
ケル マ ン州 関係省 庁 と打 合 せ
2/
1
世 銀 プ ロ ジ ェ ク ト事 務 局 長 M rA bbas
S A D R E D D IN l と打 ち合 せ
5−1
靡脚
順
月日 曜日
14. 2/
2
月
行
程
主な行動
後藤、家泉)
テヘランーフランクフル 移動日 (
ト
15
2/
3
火
テヘラン、祭日
ショコヒ
、資料整理 げ
ield Repo正の作成)
一成田
.
後憂さ
−
.
奉泉帰国、
世銀プロジェクト
事務局長M r.
Abbas
SADREDDINI と
打合せ
2/
4
水
テヘラン
農業省国際協力局長D r.
RqiabBEIGIと打合せ
17
2/
5
木
テヘラン
刀CA 古殿専門家と打合せ
18
2/
6
金
テヘラン
FieldRepo止の作成
19
2/
7
土
テヘラン
農業省国際協力専門家Hossein A SKARIと打合せ
20
2侶
21
2/
9
発
日 テヘラン
月 成田着
16
日
本大使館 鳥居書記官と
打合せ、移動
移動日
5.31関係省庁など主要面会者名簿
月日 曜
役 水)競 監
1/
21 (
監叢 監 禁 諾
職
氏 (品 チ揺
名
n (
M OW 岨 )
,
E ng .K 皿 1M oham ed E nan y
E gyptian P−
iblic A uth 0ri ty fbr D rai n age Prqiects,C hairm an E ng .H ussein E Iw an
(
木)
在
エ
ジプ
ト日本大使館、
1 等 書記官
1/
22
野 口 哲秋
在エ ジプ ト刀C A 事務所、次長 、担 当
Tbshiytlki Iw am a,rIbro A zm
M O W R A I,M echami cal & E lectri cal D epartm ent (
M ED )
,
1/
24 (土)M echmi cal E n gi neer
E ng .A li K h lil Thlem
M E D ,Studies & Specifi cation D epartm entE ngi neer
E ng .M oham ed A bdulF atouh
M imi stry of A gri cul ture and L and R eclam ation,(
M O A LR )
E ng .Al un ed G ehad
A gri culttlralR esearch C enter,1Stu ndersecretary
M O A L R ,M echanical D epartm ent M anager
E ng .M oham ed Salal lE ld in
M O A L R ,A gri cul tural E ngi n eerin g U mi t,E val uation D ept.
E ng .Threk H ussin Al i
M an ager
1/
25 (日)シンベル ウイン農 業機械セ ンター現地調査
1/
26 (
月)在エ ジプ ト日本大使館、 1 等 書記 官
野 口 哲秋
国際協力銀行カイ ロ首席駐在員お よび同所 長
在エ ジプ ト刀C A 事務所、担 当
大金正和、米 田 源
M O W R A l,Ⅰ
mi gation Im provem ent Sector(
Ⅰ
IS)Secretary
「
h ro A z皿
E ng .K am al M oham ed E nany
M O A L R ,M echanicalD epar tm ent M anager
E ng .M oham ed Sal ah E ldin
1/
28 (
水)P residentof Ⅵnehsar C onsultants E ngi n eers
M oham ad Al iF O R O U G H I
D irector G eneral of O fnce fbr International an d R egi onai D r.R 毎ab B E IG I
O rgaIlizadon s,M imi stry of Jihad −
e−
A gri culture (
M OA)
D irector of th e W B P rq iectL iai so n O 仇ce (
M O A)
A bbas SA D R E D D IN I
D irector of Info rm .& Statistical 0 圧ice W ater R esources R eza R A E I
M an agem entO rgan ization,M imi stry of E nergy
在イ ラン 日本大使 館 2 等書記官
鳥居 健太郎
在イ ラン 刀C A 専 門家
古殿 晴悟
5−2
遥惑む.f
F ̄ ̄ ̄ ̄占 ̄ロ「議 ̄ ̄ ̄】 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄よ ̄  ̄ ̄ 這 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄▼ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄よ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄▼ ̄ ̄ ̄ ̄右 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄‡
D ep u ty H e a d fo r T ec h nic al an d Im p lem e n tatio n A f fairs,G h o lam rez a S H A H B A
K erm an P rov in ce , (M O A )
D e p u ty H e ad for S o il a n d W a ter M a n ag e m e n t, K e
M o h a m a d S A E ID I
P ro v in c e, (M O A )
E x p ert of S o il an d W ater M an a ge m en t, -d itto A li R E Z A IN E
E x p ert of L iv e sto ck B ree d in g , -d itt o A h a d FA S O L
H e ad o f K erm an P rov in c e Jih ad -e -A g ric u ltu re O rg an iza ti o n M o h a m ad re za F O T U W A T
D ep u ty fo r S o il an d W ater M ana g em en t
D irecto r fo r U tiliz ati o n S y ste m , -d itto R e p resen ta tiv e
W ater B o ard
irecto r o f th e
W ri tin g F ie ld
^ ^^ ^^^
D irecto r o f th e
∵+萱賀萱
M o h am ad R eza G A N JE H S A F A R
fo r R u ral W a ter S u p p ly , K e rm an R eg ie
W B P roject L ia iso n O fi c e (M O A )
R ep o rt
'
^
^
^ ^ ^
W B P roje ct L ia iso n O fi c e (M O A )
M o h am ad A li F A R S I
M o h am ad R E Z A I
A b b a s S A D R E D D IN I
l
A b b a s S A D R E D D IN I
irecto r G e ne ral o f O fi c e fo r In terna tion al a n d R eg io n D r. R aja b B E IG I
O rg an iza tio n s, M in istry of Jih a d -e-A gricu ltu re (M O A )
JIC A E x p e rt o n A g ric ultural D ev elo p m en t, sta tio n ed i S e ig o F U R U D O N O
M in istry o f Jiha d -e -A gri cu ltu re
W ritin g F ie ld R ep o rt
.In te rn a ti o n a l P rojec ts E x p ert, O fi c e fo r In te rn atio n al an H o ssein A S K A R I
R e g io n al O rgan iz atio n
S e co n d S ec retary, E m b a ssy o f Ja p an
K e ntaro T O R II
5.4 収集資料リスト
(1)エジプト国関係
資料名
発行機 関
1● T he E conom ic and Social D evelopm ent P lan for M in istry ofP lanning
2003′
2004
■
崩on ito rin g and A naly sis of D raknage W ater Q uality D rain age R esea∫
2. ■
e h In stitute
Project -TechnicalR eportN o .5 1D R A IN A G E W A T E R ST AT U S IN T H E N IL E D E LT A
Y モA R B O O K 1996/1997
1 M onitorin g and A nalysis of D raknage W ater Q uality D rain age R esearch In stitute
Project -TechnicalR eportN o .52D R A IN A G E W A T E R STA T U S IN T H E N IL E D E LT A
Y E A R B O O K 1997′1998
4. 西 デ ル タ地 域 用 水 ●排 水 系統模 式 図他 図 面 】 式 W estD elta D rain age C entralD irectorate
5● イ プ ラ ヒ ミア 用水 路
水理縦断図他
図 面 一式
IIS M inya
(2)イラン国関係
N ote : P ; in P ersian (F arsi) E ; in E n g lish J; in Jap ane se
7」 f; fl ォi」!
m 4%
1 . S h o rt-term an d L o n g -term P lan s fo r R e h ab ilitatio n an d
D ev elo p m en t o f A g ricu ltu re S ecto r in E arth q u a k e
stric k en A rea of B am D istric t (P )
2 . S elected D ata an d In form atio n ab o u t B am D istric t (P )
5−3
K e rm an P ro v in cial Jih ad -e -A g ric u ltu re
O rg a niz ati o n - 2 0 0 4
S tati stic al C en ter o f Iran - 2 0 0 2
添付資料
資料 名
発行機 関
3 . FA O C onsultant R ep ort on E arth quake D am age in B am M an ano G O SI,F A O C onsultant- 2004
A rea (J)
4 ■ B am E arthqu ake D am age E stim ated at 15 T rillion R ials Iran N ew s, February-7,2004
(E )
5 ● C D of D ocum entary of R escue O p erati on in E a畑iquak e
Strick en A rea ofB am
6 ● C D bearing the G eological inform ati on, and in dicating
the B am F aulton w h ich eart h quak e occurred
7 ■ O rganization C hart of M in istry of Jihad-e-A griculture
(E )
8 . 貴 重 な 水 を運 ぶ カナ ー ト (J)
9 Im p act of R ecent E arthquak e on W ater R esources in
B am C ity
10 ■ B am Integ rated R ural D evelopm ent(B IR D )
K erm an Provincial Jihad-e-A gricu lture
O rganizati on - 2004
K erm an P rovincial Jihad-e-A griculture
O rganization - 2004
Pu blic A ffairs O 氏ce, of the M inistry of
Jihad-e-A gn culture- 20 02
小 堀巌 0 国 際 連 合 大 学
M in istry of E nergy, K erm an R egional
W ater A uth ority, 6 Jan .,200
E ducation & R esearch D ep uty, M in istry
of Jahad-e-Sazan degi O ctober,1999
S urv ey D ep artm ent
11● R o ad M ap
12● 地 形 図 、 1:50 ,00 0
D epartm en tof Survey
5−4
Fly UP