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サハリン州の舗装用アスファルト製造工場

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サハリン州の舗装用アスファルト製造工場
北海道経済部
【サハリン州の舗装用アスファルト製造工場】
平成 18 年 6 月 27 日、北海道サハリン事務所職員が舗装用アスファルト生産を行う企業を訪問しま
した。概要は以下のとおりです。
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会社概要
当社は自治体単一企業であり、工場財産は自治体に帰属し、活動による利益の 10∼25%は自治体へ、
残りは当社のものとなる。この他資産税を自治体へ納入している。こうした状況であるが、社の活動
方針自体は会社自らが決定している。
これまでは、アスファルトからの舗装用資材生産のみを活動範囲としてきたが、来年以降、道路建
設分野も手がけることを検討している。
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舗装用アスファルト生産の状況
(1)原料調達
舗装用資材 1 トンの製造には、60∼70 ㎏のアスファルトを必要とする。当社はアスファルトを
年間 20,000 トン必要としており、アンガルスク(シベリア)の石油精製工場から仕入れている。仕
入価格は 1 トン当たり 20,000 ルーブル、約 700 米ドルである。サハリン大陸棚プロジェクトで石
油が産出されているが、現時点においては、これらプロジェクト企業からアスファルトを購入で
きるとは思っていない。
日本では主要な建設事業が既に終了し、それ故アスファルトを安く販売することが可能で、こ
れを中国に 300 万トン販売すると承知している。
(2)機械プラント
当社の最新機械プラントはウクライナ製であり、生産から生じる排煙の 99.7%を浄化する機能
を有している。日本の機械プラントについては、質自体はウクライナやドイツなどのプラントに
やや勝るものの、価格はそれらの 3 倍程度であり、質と価格を比較考量してウクライナ製を購入
した。他方、自分の知る限り、市内に 15 以上はある同業他社のうち 2 社は日本の機械プラントを
購入している。
工場の舗装用資材の年間生産は 30,000 トン程度である。工場には 3 つの製造機があり、最新の
機械プラント 1 基の 1 時間当たり生産能力は 130 トン、残り 2 基は 1 時間当たり各 20 トンで、全
体で1時間に 170 トンとなっている。
(3)販
売
現在のところ、サハリンの道路舗装工事量の状況からアスファルト及びアスファルト製品の需
要が多いとは言い難い。道路建設会社への販売価格は、舗装用資材の質に左右されるが 1 トン当
たり 3,600∼3,900 ルーブルである。当社は舗装用資材生産により年間 8,000 万ルーブルの収入を
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北海道経済部
得るが純益は 700 万∼1,000 万ルーブル程度である。
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州内の状況
(1)サハリンと日本ではアスファルトの保管に相違がある。サハリンでは屋根付き保管所に、日本
では液体貯蔵用タンクにこれを保管する。当社では工場内に容量 900 トンの保管所を有している。
(2)サハリンは低温、高湿で排水状況も悪く、道路の劣化が激しいのが現状である。また、湿地が
多く土地が凹みやすいという特徴もある。
(3)首長は、良質な道路を整備することによる快適性の向上、輸送時間の短縮化など数多くの経済
的利点を十分承知しており、その重要性を理解している。しかし、日本のような厚みのある道路
舗装を行うような多額の経費を支出するだけの予算を有していないのが現状である。本年までは
舗装の修理、しかも舗装厚が必ずしも十分でない程度のものであるが、来年は本格的な修理等を
行う予定と側聞しており、必要な予算が手当されるものと思っている。
(4)当社においても抱える問題であるが、道路整備に必要な技術自体は承知し、その点は日本の技
術とも差がないと思っているところであるが、施工する技術者の数が不足しているという点があ
る。
4
その他
(1)舗装用資材の質に関するロシアの GOST は米国や日本の規格よりも厳しいものとなっている。舗
装用資材生産のために、アスファルトは 150℃まで加熱される。
(2)自分は 7 月に日本を訪問し、粉砕ゴムを利用した舗装用資材の製造技術を得たいと思っている。
そうした化学的要素は舗装用資材の製造に付加を与えるものである。また、現在、舗装用資材生
産に利用している砂利、小石等の混合材について、日本で品質検査をしたいとも思っている。こ
れは、アスファルト自体の品質や道路舗装技術自体が日本と大きな相違がないにも拘わらず、実
際の道路が劣化しやすい原因が混合材の質によるかもしれないからである。
アスファルト保管庫(屋根付きであるが一側面が無壁のため花粉が上部に浮遊)
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北海道経済部
同社最新のウクライナ製舗装用資材製造プラント
製品サンプル(工場に隣接する同社の試験・検査室にて)
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