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平成24年3月 男鹿市 産業建設部 建設課

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平成24年3月 男鹿市 産業建設部 建設課
なまはげ大橋
男鹿市では、管理している橋梁が 213 橋あります。その
うち 91 橋について橋梁点検を終えています。男鹿市橋梁長
寿命化修繕計画は、これら、橋梁点検を実施した橋梁 91 橋
について、今後定期的な点検を継続して行い、橋梁の健全性
を随時把握するとともに、その点検結果を反映させ、点検結
果から橋梁の補修を必要とする優先度を把握し、損傷が小さ
い段階から小まめに補修を行うといった、一連の取り組み方
をまとめた修繕計画の概要書です。
この計画に基づき、適切に橋梁の点検と補修を行うこと
により、橋梁の長寿命化と維持管理費の縮減を図ります。
平成24年3月
男鹿市 産業建設部 建設課
男鹿市の橋梁の現状
男鹿市の管理する橋梁 213 橋のうち、橋梁点検を実施した 91 橋において、コンクリート橋は全体の 87%
を占めています。
現在、老朽化の目安と言われる建設後 50 年を過ぎた橋梁の数は、全体の 4%程度ですが、このまま推移すれ
ば 10 年後には全体の 33%、30 年後には全体の 84%を占めることになり、加速化する橋梁の老朽化が目に
見えて解り、大半が 50 年以上を迎えることとなります。
※2012 年を現在とし、橋梁点検
を実施した 91 橋の供用年数(橋の
年齢)を集計したものです。
男鹿市の橋梁の健康状態を把握
点検(定期点検)を 5 年に 1 回の頻度で実施し、橋梁の健康状態を把握します。
なお、損傷の発生状況や重要度に応じて、点検の頻度や体系の見直しを行います。
各種の点検
【日常点検】
日常点検とは、安全な交通の確保と第三者被害の未然防止を
目的として、損傷を早期発見するために、道路パトロールの
際に実施する遠望目視点検
【定期点検】
定期点検とは、橋梁の将来的劣化予測を行うに当たり、現時
点における損傷状況を把握すると共に、橋梁の重大な損傷を
早期発見するために、定期的に実施する近接,遠望目視点検
【異常時点検】
異常時点検とは、集中豪雨等の異常気象や地震等の自然災害
によって誘発された損傷を、早期に発見するために、異常気
象もしくは自然災害発生直後に実施する遠望目視点検
【緊急点検】
緊急点検とは、橋梁に損傷が発見され、補修,補強対策が必
要となる場合に、その対策工法の選定や設計を行うに当た
り、必要となる情報を把握するために実施する近接目視点検
橋梁点検車を使用した【定期点検】実施の様子
【※他自治体での事例】
橋梁を長持ちさせるために
長寿命化への取組み
男鹿市民の資産である橋梁を長く大切に保全し、
病気やケガが小さいうちに治すと治療費は安く済む
病気やケガの予防、早期発見・早期治療のための行動計画
安全で安心な道路サービスを提供するとともに、維
持管理費の縮減を図ることを目的としています。
致命的な損傷を受けてから対策する「対症療法的
修繕」から、損傷を受ける前に適切な対策を実施す
る「予防的修繕」に転換することにより、少ない対
策費用で橋梁の長寿命化を図ります。また、架け替
え等が及ぼす道路交通への社会的・経済的損失を軽
減するなど、道路ネットワークの安全性・信頼性を
向上させる取組みです。
これまで...
これから...
予防的修繕
コスト縮減
対症療法的修繕
橋梁の維持管理について
計画,点検,評価,修繕のサイクルで、より良い橋梁の管理を目指します。
計 画
修 繕
橋梁維持管理基本サイクル
評
価
点 検
予防的修繕について
予防的修繕の際には橋の長寿命化に効果のある、橋面防水対策・鋼橋防食機能の維持・コンクリートの劣
化対策に取り組みます
橋面防水対策
橋面水の橋梁内部への侵入防止対策は、橋の長寿命化に大きな効
果があることから、コンクリート床版の修繕の際には橋面防水対策
を行います。
(具体的対策:橋面防水工)
「橋面防水層散布状況」
【他自治体での事例】
「橋面防水対策を施していない橋の床版(橋下面)状況」
鋼橋防食機能の維持
鋼橋劣化の主たる原因の 1 つである腐食を防ぐため、塗り替えを
行い、防食機能を維持します。
旧塗膜の浮きや剥がれを除去(ケレン)して塗装を行い、腐食への耐
久性を高めます。
(具体対策:ケレン、塗り替え工)
「塗り替え工上塗作業状況」
【他自治体での事例】
「防食機能が劣化した状態」
コンクリートの劣化対策
コンクリートは、主に外部から侵入する水分や塩分によって劣化
が進むことから、コンクリート部材の修繕では、ひび割れをふさぐ
ことで侵入を防止し、損傷の拡大を防ぎます。
(具体対策:ひび割れ注入工)
「ひび割れ注入工作業状況」
【他自治体での事例】
長寿命化修繕計画に向けて
橋梁点検結果
平成 23 年度までに、91 橋の橋梁点検を完了しました。
男鹿市では、この点検結果を基にして、健全度の高いもの
から5段階に区分しています。その内、健全度区分ⅠとⅡに
評価された橋の合計は全体の 56%あり、健全度区分Ⅴと評
価された橋は全体の 14%で、健全度の高い橋が概ねである
ことがわかりました。
※健全度=橋梁の健康状態
健全度区分別橋梁数の割合
修繕の基本的な考え方
男鹿市における橋梁の修繕は、以下のような考え方で推進します。
健全度区分
Ⅲ~Ⅴの橋梁
概ね 10 年以内
に補修
以後 健全度を取り戻した橋は
予防的修繕で健康状態を保つ
対策の優先順位は、個別路線等の「重要性(生活道路及び観光地アクセス道路等)」および「安全性の確保」の
観点から、男鹿市が管理する全 213 橋のうち、橋梁点検を終えた 91 橋に対して、健全度が低いと判定された
橋梁を優先して維持修繕します。
尚、未点検の橋梁は橋長 5m 未満の小規模な橋であり、これらの橋に対しては、今後点検を随時実施し、10
年後に修繕計画の見直しを行うものとします。
長寿命化修繕計画の効果【試算】
点検結果を基に、以下にあげる 2 つのケースにおいて、今後 50 年間の修繕費をシミュレーションしました。
●対症療法的修繕(事後保全型)
→修繕の必要性が顕著化した後に修繕を実施した場合
●予防保全的修繕(予防保全型+予算平準化型)
→予算の平準化を図りながら予防的な修繕を実施した場合
【シミュレーション結果】
●対症療法的修繕(事後保全型):16 億 8 千万円
●予防保全的修繕(予防保全型+予算平準化型):10 億円
計画的かつ予算の平準化を図りながら予防的な修繕とする、予防保全型の実施を徹底することにより、対症療
法的修繕よりも大規模な修繕や架替えを回避できるため、
今回対象とした 91 橋について今後 50 年間で 6 億 8
千万円(約 40.5%)のコスト縮減が見込めます。
16 億 8 千万円
コスト縮減
6 億 8 千万円
10 億円
予算の平準化
男 鹿 市 橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画 策 定 (学 識 経 験 者 に よ る 意 見 聴 取 )
本計画は、学識経験者等の方にご意見を伺い、議論を重ね作成しました。
【意見を聴取した学識経験者等の専門知識を有する者】
秋田県橋梁長寿命化修繕計画検討委員会 委員
小林 淳(秋田県立大学 システム科学技術学部 学部長)
【実施日】
平成 24 年 1 月 26 日,平成 24 年 3 月 2 日
【場所】
秋田県立大学
本荘キャンパス内
第 1 回検討委員会実施の様子
第 2 回検討委員会実施の様子
まとめ
損傷の早期発見,早期修繕を行うことで、今後加速化する老朽化に対して、「橋の延命化」「損傷による事故
の減少」「修繕費のコスト縮減」につながると考えられます。
そのためには、点検の実施は丌可欠であり、継続して実施していくことで、限られた予算の中で、効率的な現
状の把握と修繕が可能となり、安全で信頼のある道路ネットワークを維持できると確信しています。
男鹿市 産業建設部 建設課
〒010-0595 秋田県男鹿市船川港船川字泉台 66-1
TEL:0185-23-2111 FAX:0185-23-2424
ホームページ
http://www.city.oga.akita.jp
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