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ASCONE2010渡辺正峰先生講義レポート 意識の神経メカニズム
日本神経回路学会誌 Vol. xx, No. x(xxxx),1–6 ASCONE2010 渡辺正峰先生講義レポート 意識の神経メカニズムをめぐって (基礎編) 大 泉 匡 史∗2 ,3 理化学研究所脳科学総合研究センター脳数理研究チーム∗2 ,日本学術振興会特別研究員∗3 Masafumi Oizumi∗2 ,3 Laboratory for Mathematical Neuroscience, RIKEN Brain Science Institute∗2 Research Fellow of the Japan Society for the Promotion of Science∗3 本稿は 2010 年 11 月に行われた Autumn School for Computational Neuroscience(ASCONE) に おける,渡辺正峰先生の講義「意識の神経メカニズムをめぐって (基礎編)」の講義レポートである.こ の講義は合宿の一番最初の講義として,現在までの意識研究に関する基礎的な知識を提供する目的を主 として行われた.講義の最後には,渡辺先生自身が提案する意識の神経モデルについての解説も行われ た.本稿ではこの講義の内容を踏まえて,現在までの意識研究の概観および渡辺先生が提案する意識モ デルに関して紹介する. 1. 温度計に意識はあるか? ムを内部に持った機械が,我々と同じように「主観的 な体験」として「暑い」と思ったり「寒い」と思ったり 「温度計に意識はあるか?」と聞かれたらほとんどの しているのだろうか?この問に対しては多くの人がそ 人は即座に,ないと答えると思う.それどころか,そ のような質問を真面目な顔をして聞いてくる人がいた んなことは有り得ないと言うだろうし,私自身もそう 思っている.しかし,なぜこのようなロボットに主観 としたら,ひどく滑稽に思うかもしれない.それでは, 的な体験がなくて人間にはあるのかと問われると,私 内部に温度センサがあって,温度が高い時には「今日 は明確な答えを持っていないことに気づく. は暑いなー」等と言ってうちわであおぎ,温度が低い 時には「うー寒い」等と言ってこたつに入るロボット には意識があるだろうか? 単純に考えると意識があるということの意味とは, 2. 意識のハードプロブレム 物質及び電気的・化学的反応の集合体に過ぎない脳 から,一体どのようにして主観的体験が生じ得るのか 自分が今どういう状態かが分かる,例えば今何を見て というこの問題こそが,Chalmers によって提唱された いるのか,暑いのか寒いのか,楽しいのか悲しいのか 等,こういったことが自分で分かっているということ 意識のハードプロブレムと呼ばれる問題である6) .大 だろう.それでは先ほどの温度センサを持ったロボッ トはどうかと考えると,暑いのか寒いのかという自分 うことには同意すると思うが,なぜそのような一つ一 つは意識のない単純素子が大勢集まることによって主 の状態を自分で「分かっている」ように見える.わざわ 観的体験が生まれるのかという問題は,McGinn が言 ざ人間らしいロボットの例を持ち出さなくても,自分 の状態を監視するシステムを持った機械は現在の我々 うところの「水からワインが生じている」ようなもの の生活の中でもいくらでも例があるし,容易に作れて しまう.従って, 「客観的な体験」として今自分が暑い 意識のハードプロブレムに対する人々の態度は様々 である.提唱者の Chalmers 自身は,現代の物理学の のか寒いのかといったことを自分で分かっているとい 範囲内では解決できない問題だととらえており,新た う意味では我々人間と先ほどのロボットに差異はない. それでは,こういった自分の状態を監視するシステ な物理法則が必要だと考えている.同様に,物理学者の ∗2 ∗3 〒 351–0198 埼玉県北和光市広沢 2–1 多数の人が一つの神経細胞が意識を持っていないとい に感じられる15) . Penrose も正しく定式化された量子重力理論が必要で あると主張している17) .さらには,Dennett のように そもそも意識というものは錯覚であり,意識のハード 日本神経回路学会誌 2 Vol. xx, No. x(xxxx) プロブレムは疑似問題であると解釈するものもある8) . 3. 意識が生じるための必要条件とは? 新しい物理法則を模索するというのもそれはそれで 重要な研究かもしれないが,とりあえず現在我々が知っ ている自然法則の範囲内でできる実践的な研究はない のだろうか?その代表例の一つが Crick と Koch が取る アプローチの仕方で,意識の神経相関,Neural Corre- late of Consiousness(NCC) を実験的手法により明ら かにするという方法である4, 11) .意識が神経細胞の活 動によって生まれているというのは疑いようのない事 実なのであるから,意識の神経相関をまず明らかにし ようという態度は極めて建設的でありかつ実践的ある. ん,NCC が十分明らかになったとしても,意識のハー Fig. 1 Integrated information theory とダイナミッ クコア.Tononi(2008) より.図のシステム全 体の integrated information は Φ = 1.9 であ り,回路中央の部分システムは Φ = 3.6 であ ドプロブレムが解けるかどうかは全く保証がないのだ が,現状では NCC が何かといった問題すら分かって ることを示す.この場合,中央の部分システム がダイナミックコアに相当する (ダイナミック いないのだからまずここからスタートするというのは コアに関しては 6 節を参照のこと.). 彼らはこのアプローチに基づいて一次視覚野が NCC か否かといったような問題を研究している5) .もちろ 健全な態度であると感じる. 本講義において渡辺先生が取る研究態度も,意識の ハードプロブレムは取り扱わずに現状で何ができるか を考えるというものである.渡辺先生から受講者に対 して出された課題は以下のようなものであった (原文 ママ). 本日のお題「NCC の少し上を目指して」 • 意識のハードプロブレムに真っ向から挑む のは現段階では非常に困難である.そこで, これをとりあえず棚にあげ,現象的意識の 神経表象とそれを支える神経システムが満 たすべき条件について考察してください. • 余力があるなら,上記条件を満たすモデル を提案してください. • さらに余力があるなら,上記モデルを検証 する実験を考えてください. 現時点では意識が生じるための「十分条件」を特定 4. 意識と情報の統合 意識が生じるために必要な条件を一つ,極めて単純 に考えてみよう.まず,単体の神経細胞が意識を持っ ていないということは仮定する.そして,神経細胞が 大多数集まった脳というシステムが意識を持っている とする.両者の違いは何かと言えば,単体か,多数かと いう違いだ.しかしながら,いくら多数を集めたとし ても,神経細胞同士がお互いにつながっておらず,そ れぞれが独立に活動するシステムには意識は生じない だろう.従って,神経細胞が多数集まっていること,そ して複雑につながって相互作用し,情報をやりとりし ているということが意識が生じるための必要条件であ ると言える. ここまでは,少し考えれば誰でも思いつく必要条件 であるが,ただ単にシステム内の素子間で相互作用し, することは困難であろうが (十分条件が分かるという 情報をやりとりしているだけでは意識は生じないはず ことは,原理的には意識のある機械を作ることができ で,より詳細にどのような相互作用があれば意識が生 るということを意味する!),意識が生じるために神経 システムが満たすべき, 「必要条件」を実験的にいくつ じるかを明確化できるかどうかが問題となる. この問題に対する一つのアプローチとして,Tononi か見出すことは可能かもしれない.そういった意味で, が提唱する integrated information theory(IIT) が 渡辺先生が受講者に与えた課題は現代の意識研究にお ある2, 21) .IIT は脳内の領野間,ニューロン間にお いていわば中心的な課題と言える.それでは具体的に, いてどの程度情報のやりとり,統合が行われている 一体どういったものが「必要条件」として考えられて いるのかを次節で解説する. かを情報理論によって定量化する理論である (図 1). IIT において定義された情報理論的指標,integrated 大泉匡史:ASCONE2010 講義レポート 3 (A) (B) Fig. 3 グ ロ ー バ ル ワ ー ク ス ペ ー ス .Dehaene et al.(1998) より. Fig. 2 Motion phosphene と TMS induced scotoma.(A) MT+/V5 野に TMS を適用する と motion phosphene と呼ばれる,動きのあ る閃光が知覚される.(B) 視覚刺激呈示時に V1 野に TMS を適用すると視野欠損 (TMS induced scotoma) が生じる. information(Φ) が大きければ,意識の程度が高く,Φ toma) を利用している (図 2).彼らは V5 野を磁気刺 激した後に V1 野を磁気刺激して,motion phosphene に視野欠損が生じるかどうかを調べた.仮に motion phosphene に何ら影響がないということになれば,視 覚的意識は高次領野が担っていて,低次視覚系は網膜 同様,視覚情報の単なる中継基地に過ぎないというこ とになる.逆に,motion phosphene に影響があると が小さければ意識の程度が低い.例えば,覚醒時におけ すれば高次からフィードバックによる V1 野の活動が る Φ より睡眠時における Φ の方が小さいのではないか 視覚的意識に必要ということになる.結果としては, といったことが予想されている2) .それではどのくらい V5 野を磁気刺激した 5-45ms 後に V1 野を磁気刺激 をすると,motion phosphene に影響が出ることが分 Φ が大きければ意識があると言えるのかといった問題 に対しては,明確な答えが用意されてはいないのだが (Tononi 自身は意識はあるかないかといった離散的な 量ではなく連続的な量ではないかと考えている21) .), 一つの判断基準として有用かどうかを調べることは今 後の重要な研究課題であろう. 5. 高次領野から低次領野へのフィードバック 意識が生じるための必要条件としてもう一点,高次 かった.この結果は,高次領野から低次領野へのフィー ドバックが視覚的意識に必要であるということを示唆 する. 6. 意 識 の 場 所 意識が生じるために神経システムが満たすべき必要 条件に関連して,脳内のどこに意識を生み出す神経シ ステムが存在するのかという問題を考えよう. 領野から低次領野へのフィードバックが重要か否かと いう問題を考える.この問題を視覚的意識に関して調 まず分かりやすい考え方として,Baars や Dehaene らによって提案されたグローバルワークスペース理論 べた実験として,Pascual-Leone と Walsh の実験が がある1, 7) .グローバルワークスペースとは感覚処理 16) .彼らの実験は,MT+/V5 野に transcranial magnetic stimulation(TMS) を適用した際に生じる motion phosphene 及び,刺激呈示時に V1 野に TMS を適用した際に生じる視野欠損 (TMS induced scoある を行う神経システム,価値判断を行う神経システム, 記憶を担う神経システム,注意をコントロールするシ ステム,運動処理を行う神経システム等,モジュール 化された神経システムの全てがアクセス可能な神経回 日本神経回路学会誌 4 Vol. xx, No. x(xxxx) 路網のことを指す (図 3).グローバルワークスペース は様々な情報を統合し,それに基づいて次の行動を実 行する司令塔の役割を果たす場所であり,グローバル ワークスペースで処理された情報が意識に相当すると いう考え方である. グローバルワークスペース理論のように,特定の脳 内の領野,神経細胞集団が意識を担っているという考 え方とは別の立場を取るものとしては,Tononi のダイ ナミックコア仮説がある20) .ダイナミックコア仮説に おいては,意識を担うニューロン集団は時々刻々変わ り,脳全体に分散していると考えられている.脳全体と 言っても,全ての神経細胞が意識に貢献しているかと いうとそうではなくて,前の節で紹介した integrated information, Φ が大きい神経細胞の部分集合の活動の みが直接意識に貢献していると考えられている.この Fig. 4 渡辺先生の意識モデル. Φ が大きい神経細胞の部分集合のことをダイナミック コアと呼んでいる (図 1).例えば,小脳はダイナミッ クコアには含まれないと考えられている.どの神経細 胞集団がダイナミックコアかは時々刻々変化していて, 大きいという意味は Tononi のダイナミックコアの定 ある神経細胞がある時間においてはダイナミックコア 義と一緒である. 第二に,生成モデルが脳内に存在するという仮定を の一部を担うが,また別の時間ではダイナミックコア 置いている10) .生成モデルとは,脳が持っている前提 に含まれていないといったことが起こり得る. 知識から生み出した知覚世界の予測である.視覚で言 グローバルワークスペースとダイナミックコアのど えば,網膜→ LGN → V1 →…といった順方向の視覚 ちらが正しいのかは未解決の問題である.もちろん, これら以外にも様々な仮説は存在する (例えば12, 13) ). 情報処理過程に加えて (図 4 の上方向の矢印),高次領 今後の実験的検証によってどの仮説が間違いで,どの 野から視覚世界の予測信号が逆方向に流れて来て (図 4 の下方向の矢印),実際の信号と予測信号との差分, 仮説が正しそうかということが徐々に明らかになって 予測誤差が計算されると考えられている.そして,こ いくと考えられる. の予測誤差が小さくなるように,高次領野の予測が更 新されていく. 7. 生成モデルと意識の仮想現実メタファー 最後に,前節までで紹介してきた前提知識を踏まえて, 渡辺先生はこの高次領野が生み出す知覚世界の予測 こそが意識の中身であると考えている.渡辺先生のモ 渡辺先生自身が提案する意識モデルを紹介する22) (図 デルでは,知覚世界の予測を生み出している神経細胞 4). 集団の活動こそが意識の神経表象であり,その他の神 まず第一に,渡辺先生はダイナミックコア仮説を採 経細胞の活動は Φ を大きくするために必要ではあるけ 用しており,図 4 に示される神経回路全体がダイナミッ クコアを形成しているとしている.ただし,渡辺先生 れども,意識の中身ではなく,ダイナミックコアを接 着する裏方の役割を果たしていると考えている.さら が言うダイナミックコアの定義は Tononi のそれとは に渡辺先生は,脳が生み出す知覚世界の予測とは言わ ちょっと違っていて,ダイナミックコア全体が意識の神 ば,脳が作り出す「仮想現実」であり,脳が覚醒状態 経表象というよりは,ダイナミックコアの中にも,意識 において「仮想現実」を生み出すシステムは夢をみる の担い手として本質的な役割を担っているものと,そ れらを「接着」する裏方の二つが存在すると考えてい ためのシステムとしても使われているのではないかと 考えている (意識の仮想現実メタファー18) ). る.これは,ニューロン集団の保持情報として私たちの 8. 両眼視野闘争とモデルの関係と電極刺激による検 視覚的意識に一致するのは中低次領野に限られるとい うことから発想されている (intermediate level theory of consciousness9) ).回路全体として情報の統合の程 度が大きい,すなわち integrated information, Φ が 証実験 渡辺先生のモデルを両眼視野闘争時の猿のニューロン 活動に当てはめて考えてみよう.Logothetis のグルー 大泉匡史:ASCONE2010 講義レポート 5 アに影響が及ぶことが考えられるが,より限定的であ ると考えられる.こういった予想を microstimulation 及び fMRI データの解析によって確かめる. 第二に,microstimulation を上記 a-d タイプの神経 細胞の表象自体を変化させる道具としてとらえ,猿に 知覚報告させる場合,以下のようなことが予想される. 1. a タイプの神経細胞への刺激の知覚的影響は限定 的: 左右眼の刺激に選択性をもつ二つの b タイプ の神経細胞群の活動強度が逆転しない程度であれ ば,知覚に影響しない. Fig. 5 両眼視野闘争時の猿のニューロン活動.Blake & Logothetis(2002), Logothetis(1998) より 改変. 2. b タイプの神経細胞への刺激の知覚的影響は直接 的:b タイプの神経細胞の活動強度が逆転すれば, 知覚も逆転する. 3. c,d タイプの神経細胞への刺激の知覚的影響は間 接的:a タイプの神経細胞への刺激より b タイプ への神経細胞との相互作用が強いく,b タイプの プの実験によって両眼視野闘争時に低次視覚野及び高 神経細胞の活動強度が逆転すれば,その時点で知 次視覚野において,神経細胞が知覚交代に応じる神経 覚も逆転する. 今後上記したような予測を検証することによって, 細胞がどれくらいの割合存在するかということが調べ られている3, 14) (図 5).高次領野になるほど知覚交代 モデルの正当性,もしくは問題点が明らかになってい に応ずる神経細胞の割合は増え,また興味深いことに くことと思われる. V4 野や MT 野では刺激が知覚されないと逆に興奮す る神経細胞も存在する. 9. ま と め これらの神経細胞を渡辺先生のモデル (図 4) に従っ て分類すると以下のようになる. 本稿では意識を生み出すために神経システムが備え るべき必要条件は何かといった問題を中心として,こ a. 中低次視覚野(V1-V4) で知覚交代に応じないニ れまで提案されてきた意識モデル及び渡辺先生が提案 ューロン:ダイナミックコア外,生成モデルにお されているモデルについて概要を記述した.本稿は渡 ける感覚入力 辺先生の講義で取り上げられた内容を,筆者自身の視 b. 中低次視覚野で知覚交代に応じ,かつポピュレー 点,理解の範囲内から再構築したものであって,渡辺 ションとしての保持情報が知覚に一致するもの: コア内,意識の本質的担い手,生成モデルにおけ 先生の講義を忠実に再現したものとはなっていないこ とに注意されたい.講義の中で筆者が理解できなかっ る予測表象 た部分は割愛している.ただし,本稿に明らかな間違 c. 中低次視覚野で知覚交代に対する応答が逆のもの いなどがないかは渡辺先生のチェックを受けている. (知覚していない時に活動が上昇) :コア内,接着 本稿では実際の実験事実の記述が少なく,モデルや 役,生成モデルにおける予測誤差表象 d. 高次視覚野で知覚交代に応答するもの:コア内,接 概念の記述がほとんどであるため,読者が意識研究に 対し間違った印象を持ってしまうのではないかと危惧 着役,生成モデルにおける高次シンボリック表象 している.現在の意識研究は実験的検証が可能なモデ 以上のような神経細胞の分類の正当性を検証するため ルや概念の提案,そして実際の実験的検証に強く重き にはどのような実験を行えば良いだろうか?渡辺先生 が置かれたものになっており,一昔前の意識が哲学者 は fMRI で猿の脳活動を取りながら微小な電気刺激 (electrical microstimulation) をすることによって19) , の問題であった時代とは様相が異なっていることを強 調しておきたい.7,8 節で紹介したように,渡辺先生 以下のようなことを確かめることを考えている. ご自身もモデルの提案だけでなく,それを検証する実 まず第一に,microstimulation をごく微小の電流を 験を含め研究を行っておられる.もちろん,何か確定的 流すことによって生じる摂動ととらえた場合,コア内の なことを言うためにはまだまだ実験事実は不足してい 神経細胞を刺激すれば,その影響がコア全体に及ぶこ とが予想される.コア外でも,コアとの接点を通してコ るが,今後,意識の神経機構に関する実験的検証がど のように進んでいくかは非常に楽しみなところである. 日本神経回路学会誌 6 10. 謝 辞 本稿を詳細に読んでいただき,多くの重要なコメン トをくださった渡辺正峰先生に感謝する.特に 7,8 節 の内容に関しては詳細な解説をいただき,筆者が講義 では理解できなかった部分の理解を大きく助けていた だいた.また,図 2,4,5 は渡辺先生からご提供いた だいたものである.北園淳氏も本稿に関して多くのコ メントくださり,原稿を改善していただいた.北園氏 は筆者が意識の問題に興味を抱くきっかけを与えてく ださった人物であり,意識に関する色々な問題に関し て議論していただいた.あわせて深く感謝したい. 参 考 文 献 1) Baars, B. J. 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