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113 - 電子情報通信学会
平成 25 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会 講演番号: 113 C-3 フォトマスク転写法を用いた光インターコネクト向け ポリマーV 溝基板の作製 Fabrication of V-grooves for optical interconnects from UV-curable resin by Mask-Transfer Self-Written method 榎本 忠幸 Tadayuki ENOMOTO 添田 幸伸 三上 修 Yukinobu SOEDA Osamu MIKAMI 東海大学工学部 光・画像工学科 School of Engineering, Tokai University 1. 諸言 近年、スーパーコンピューターなどの演算速度の向上に より情報量は急速に増加している。故に従来の電気配線代 にわり低電力、低コストが期待される光配線が注目を集め ている。しかし、光接続の難しさゆえ導入にはいくつかの 課題が残されている。これまで当研究室ではフォトマスク 転写法での V 溝基板作製に成功してきた[1]。ここでは、V 溝の形状制御をはかるとともに、ピッチ変換など新たな付 加価値を与えることを検討した。 2. フォトマスク転写法を用いた V 溝作製プロセス Fig.1 に自己形成技術を応用したフォトマスク転写法の概 略図を示す。遮蔽板フォトマスクを介し、液状の光硬化樹脂 に UV 光を垂直に照射する。光硬化樹脂はフォトマスクの持 つ開口パターンに従い架橋重合反応を起こし硬化する。Fig.2 にプリズムを用いた V 溝作製の実験系を、Fig.3 に使用する フォトマスクの開口パターンを図示する。従来のフォトマス ク転写法で V 字型の溝を作製するには、光源を二つ用意しそ れぞれのビームにオフセット角を持たせ、フォトマスクに照 射する必要があった。そこで我々は作製プロセスの簡略化の ため、フォトマスク上に三角プリズムを設置し、プリズムに よる屈折を利用することで従来と同様に一つの光源での作 製に成功した。またプリズムの頂点角t を変えることにより V 溝のテーパ角を制御することができる。その相対関係を Fig.4 に示す。また V 溝のテーパ角はプリズムと光硬化樹 脂の屈折率でコントロールすることも可能である。テー パ角はスネルの法則より(1)式から導出することが出来 る。 3. ポリマーV 溝の作製 V 溝の高さは V 溝の作製される基板とフォトマスクとの 距離に依存する。基板上に光硬化樹脂を塗布し、平行にフォ トマスクを上から設置する。フォトマスクの開口パターンは 幅 98mm の開口が 250mm ピッチになるよう設計されている (Fig.3) 。プリズムとフォトマスクを介し UV 光(=365nm) を照度約 36mW/cm2 で 5 秒間照射した。また今回、頂点角t を変えることで実際どれほどの形状を制御できるか検証す るため、 90度と60度の頂点角θt を持つプリズムを用意した。 また屈折率 1.47 の光硬化樹脂を用いて行った。この条件下で 実際にガラス基板上に作製されたポリマーV 溝を Fig.5 に示 す。(1)式より得られる傾斜には至らなかったが、頂点角t を 変えることで形状抑制が出来ることを証明できた。 100mm 100mm (a) using 90°prism (b) using 60°prism Fig. 5 Fabricated V-groove by MTSW method 光配線の高密度集積化を計ることが求められている。ファ イバをアライメントするだけでピッチ変換可能な V 溝の作 製を試み、500mm から 250mm へのピッチ変換 V 溝の作製に 成功した(Fig.6) 。 1000 μm UV radiation (=365nm) photomask prism t photomask UV-curable resin V-groove Self-Written Waveguide (SWW) Fig.1 The MTSW method setup Fig.6 Fabricated pitch conversion V-groove 4. 結論 Fig.2 Experiment set up プリズムを用いることで V 溝作製を簡略化し、かつ プリズム頂点角 θt を変えることによって V 溝の形状変化を 制御できることを確認した。またピッチ変換 V 溝の検討を行 い、その作製に成功した。 Fig.3 Photmask form Fig. 4 The relationship between and t t sin 90 2 t ・・・ (1) 90 sin 1 2 n 参考文献 [1] Tadayuki Enomoto , Yukinobu Soeda, Osamu Mikami, "Novel V-groove for optical interconnect fabricated by mask-transfer self-written method and UV-curable resin”, MJIIT-JUC Joint International Symposium 2013 (MJJIS2013), IT-2-2, Tokai Univ. Nov. 6-8, 2013. -113- Copyright © 2014 IEICE