...

製品への毛髪の混入を防止するために

by user

on
Category: Documents
22

views

Report

Comments

Transcript

製品への毛髪の混入を防止するために
Earth Environmental Service Co., Ltd.
ESCO News Letter
発行日 2013年10月30日
第2巻 第18号
製品への毛髪の混入を防止するために
減少しにくいクレームの一つ「毛髪混入」
特に、人が多く介在し落下による混
毛髪は、食品工場では不快異物とし
入が危惧される食品工場での盛り付け
て、医薬品工場では生体由来異物とし
や包装の工程、また、フィルムや樹脂
て、混入防止のために様々な対策が講
容器を扱い静電気による付着が危惧さ
じられています。しかしながら、なかな
れる製品の充填や包装の工程は、毛
かクレームが減少しにくい異物であり、
髪混入「0件」達成のために重要な管
対策に苦慮されている工場も多くありま
理ポイントであり、対策に工夫がされて
す。
います。
毛髪はどこからやってくるの?
この号の内容
1
製品への毛髪の混入を
防止するために
毛髪はどこからやってくるの?
毛髪の混入と言っても…
ヒトの毛(全身)は1,000本/日
抜け落ちると言われています!
の選定はもちろん、その正しい着用は、
色々な取り組みを実施しても、なか
則となります。さらに、ラインの流れに対
なか混入件数の減少が難しい毛髪は、
する人の配置や作業動線を考慮し、余
どこからやってくるのでしょうか。
分な人の移動や暴露製品上での作業
毛髪を管理するうえでの
抑えどころ
を減らすことにより、混入のリスクを下げ
ご支援の概要
ヒトは頭髪だけで1日50~60本抜け
ると言われており、さらに、体毛なども合
わせると1日約1,000本の毛を落とすと
製品への混入を防止するための大原
2
毛髪混入防止の取り組み例
3
ることができます。
樹脂製品は静電気に注意
もいわれています。これを考えると、ヒト
このほか、樹脂容器や包材について
は8時間働く間に、300本以上の毛を落
も同様に毛髪などを持ち込み、混入さ
下させる危険があり、それを帽子やユ
せる危険が潜んでいます。樹脂製品
ニフォームを使用し、床などへの落下
は、静電気を帯びやすく部分的に帯電
を防いでいるということになります。
すると、周囲のほこりや毛髪、小型の昆
また、製造作業により、絶えず皮膚と
虫などが、製品の表面へ付着する原因
衣服の摩擦が生じており、摩擦による
となります。特に製品への直接包材は、
体毛の擦り切れ、引張りから、毛髪が落
床に近い場所への保管を避けるととも
下する危険もあります。つまり、落下防
に、包装機にセットした包材周辺の異
止の対策を施した帽子、ユニフォーム
物の除去に注意する必要があります。
Point!
首周りからの
落下を防止す
る頭巾形状
Point!
マスクをかけ
やすい突起
食品工場などで使われる毛髪対策を施した帽子の例
工場で使われる帽子には、毛髪落下防止のために様々な工夫がなされています。写真はその一例ですが、
首周りからの落下を防ぐ頭巾の形状、帽子と顔の間に隙間ができない柔らかい素材の使用、マスクをかけやす
くするための外部の突起、メガネをかけた時に帽子と顔に隙間ができないようにするための形状の工夫など
があります。
毛髪の混入と言っても…
本
社
大 阪 本 部
札 幌 支 店
帯 広 出 張 所
仙 台 支 店
盛 岡 出 張 所
東 京 支 店
東京第一営業所
東京第二営業所
宇都宮営業所
川 越 営 業 所
北 関 東 支 店
新 潟 営 業 所
松 本 営 業 所
千 葉 支 店
土 浦 営 業 所
横 浜 支 店
八王子営業所
静 岡 支 店
名 古 屋 支 店
名古屋第一営業所
名古屋第二営業所
三 重 営 業 所
京 滋 支 店
北 陸 営 業 所
大 阪 支 店
大阪第一営業所
神 戸 支 店
赤 穂 営 業 所
中 四 国 支 店
香 川 営 業 所
岡 山 営 業 所
松 山 営 業 所
徳 島 支 店
広 島 支 店
福 岡 支 店
福 岡 営 業 所
北九州営業所
熊 本 営 業 所
宮 崎 営 業 所
鹿児島営業所
沖 縄 出 張 所
病院サービス関西支店
兵 庫 営 業 所
西 播 営 業 所
阪 奈 営 業 所
03-3253-0640
06-6202-0640
011-867-6400
0155-21-0640
022-391-0640
019-908-6400
03-3907-6400
03-3907-6401
03-3907-6402
028-615-0640
049-279-0640
027-323-6400
0256-36-0640
0263-44-6400
043-203-0640
029-825-0640
045-442-0640
042-660-0640
054-268-6400
052-701-0640
052-701-0640
052-701-0640
059-221-6400
077-582-0640
076-421-0640
06-6202-0640
072-874-0640
078-222-0064
0791-48-0640
0875-27-9640
0875-27-9640
086-903-0640
089-958-0640
088-665-0640
082-850-0640
092-621-0640
092-621-0640
093-952-6400
096-241-6400
0985-44-2640
099-251-6400
098-868-0640
078-569-0640
078-569-0640
0791-48-0640
072-874-0640
単に「毛髪の混入」と言っても、製品に
このような混入の状況を知ることで、混
絡まったり、内部に埋もれていたり、表面
入 し た工 程 の 推 定 が で きま す。社 外 ク
に付着していたり、包材とシュリンクフィル
レームだけでなく、社内で発見されたもの
ムの間に挟まれていたりなど、その混入の
も集計し、混入した工程、商品、ライン、
仕方は様々あります。
製造時間などのパラメーターで分類する
また、毛髪の種類についても、顕微鏡
ことにより、混入の傾向が明らかになり、対
下で観察すると、そのキューティクルの形
策の優先順位づけを行うことが可能にな
状から、人の毛ではなくペットの毛が混入
ります。次に起こりうる混入を防止するた
していたことが分かったということもありま
めにも、発見時の状況を詳しく記録するこ
す(下記写真参照)。
とが大切となります。
ヒトとその他の動物の毛
毛の表面には、キューティクル(小皮紋理)と呼ばれるうろこ状の模様がありま
す。このキューティクルの形状を顕微鏡などによって観察することにより、毛の種
類を判別できる場合があります。
写真:
ヒトの毛髪とネコの毛の表面性状、毛小皮紋理(キューティクル)の形状
撮影装置「日立卓上顕微鏡 TM3000」、 倍率×1000
毛髪混入防止の取り組み例
製品への毛髪混入防止、工場内での毛髪落下防止のために様々な取り組みが
なされています。下記は従業員による持ち込み、落下防止の取り組み例です。
◆服装
・頭巾型帽子 ······························ 首回りの隙間防止
・メガネバンドの使用、メガネのツルの穴········ 帽子と顔の隙間防止
・ゴーグルの着用 ··························· 眉毛等の落下防止
・ヘッドバンド ······························· 髪のずれ・抜け防止
・上着袖内部の絞り ························· 体毛の落下防止
・腕抜き、幅広アームバンド着用 ··············· 体毛の落下・袖口の汚れ防止
◆入室ルール
・私服、ユニフォームの更衣前後のローラー掛け
・更衣前の毛髪のブラッシング
・シール、濡れタオルでの眉毛拭き
・更衣前後の個人毎床面ローラー掛け
・靴下、足裏へのローラー掛け
毛髪を管理するうえでの抑えどころ
◆問題点の抽出
‧
クレームやデータの傾向を分析する
クレームや毛髪の採取データが多い月、曜日、製造時間、製品、製造ライン(発見まで
の工程)、共通の原料の有無、物の動線(番重、容器、パレット、台車など)、外部業者の
動線と作業服のルール、作業服の管理方法、入室手順など。
‧
分析した傾向から想定される問題点を抽出する。
‧
想定される問題点の現状を把握するために各種確認調査を行う。
‧
問題点の抽出をする。
◆問題点としてあがる項目と確認事項
① 作業員からの持ち込み
‧ 作業員の動線(出社から入場まで、場内での動き、トイレや休憩、食
事後の手順)
‧ 作業服(靴、メガネなど含む)の設計(形、材質)及び更衣のルール
‧ 作業服(靴、メガネなど含む)の管理
‧ 入室時のルールと手順(ローラーのかけ方、エアシャワー、個人用の
櫛)及び実施状況
② 外部業者からの持ち込み
‧ 外部業者の動線、作業服ルール、作業服の管理、入場時のルール及
び実施状況
③ 原料資材からの持ち込み
‧ 場内へ持ち込む段ボール、樹脂容器など、包装材への付着の有無
‧ 動線及び作業の確認
‧ 供給メーカーの管理状況の確認
④ 容器やパレット、台車などからの持ち込み
‧ パレットへの付着の有無
‧ 動線の確認と区分の確認
‧ 清掃や保守点検の確認
‧ 清掃用具の管理状況
‧ 毛髪等のたまりやすい箇所、形状の確認
⑤ 製造中の混入危険作業の確認及び動線上の問題
‧ 混入危険個所での作業上の注意ポイントの確認
⑥ 清掃、保守点検時の問題
‧ 清掃、保守点検作業時の注意ポイントの確認
‧ 清掃、保守点検終了及び製造作業開始前の確認
⑦ 帯電による毛髪の付着
‧ 静電気帯電状況の確認
⑧ クレームなどから分析された傾向から抽出されたその他の項目
⑨ その他
‧ 風向や風速による問題の有無
‧ 動線上のハード的な問題(ライン上、階段、ステージなど)
総合環境衛生管理で
社会に貢献します
ご支援の概要
●
●
●
●
●
現状からの傾向分析のサポート
分析された傾向から共通した事項の抽出、及び想定される問題点の抽出サポート
想定される問題点についての現状把握のための各種調査の実施サポート
問題点に対する改善活動(ハード面、ソフト面、従業員教育)
効果や評価のサポート
無断複写・複製はご遠慮下さい。
本件に関してのお問合せは、
03-3253-0640
ホームページもご覧ください
http://www.earth-kankyo.co.jp/
Fly UP