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NEWS LETTER
2015年4月, № 34
キルギス共和国日本人材開発センター
(JICA プロジェクト発行)
キルギス共和国日本人材開発センター20年の歩み
今から20年前の1995年5月に、支援委
員会(日本政府とCIS12カ国の政府によ
って設立された国際機関)、日本政府、
キルギス政府の合意に基づき、キルギ
ス日本センターが設立されました。
2003年3月の独立行政法人国際協力
機構(JICA)へのセンター運営移管にと
もない、名称が「キルギス共和国日本人
材開発センター」に変更され、キルギス
国立総合大学をカウンターパート機関
としたJICAの技術協力プロジェクトが現
在まで実施されています。2005年にキ
ルギスの公益法人として登録されて以
来、JICAの技術協力プロジェクトと公益
法人という2つの側面を持つ機関として
運営されています。ビジネスコース、日
本語コース、キルギスと日本の相互理
解促進事業という三本柱で活動してお
り、これらの活動を通じて、キルギスの
経済・社会の発展に貢献するとともに、
キルギスと日本の関係強化を促進して
います。
ビジネスコースはセンター開設当初
より実施しており、2004年に開始した実
践的経営改善(ミニMBA)コースの修了
者数は700名以上です。修了者の中に
は、国民的な飲料メーカーや菓子メー
カーに成長した企業の経営者、ホテル
業やレストラン業で成功した起業家など
がいます。また、個別企業向けコースで
は、現地の大手飲料メーカー、食品メ
ーカー、旅行代理店、空港公社、航空
会社、携帯電話会社、マイクロファイナ
ンス機関等、様々な業種の企業の直面
する個別の経営課題に焦点を当てた研
修を実施しており、キルギスのビジネス
人材育成ならびにビジネス振興に貢献
しています。2014年には、これまでのキ
ルギス国内でのビジネスコース実施の
経験を社会・経済状況の近い隣国タジ
キスタンで活用するために、同国の首
都ドゥシャンベにおいて中央アジア大
学と合同でビジネスコースを実施し、中
央アジアの地域内協力にも貢献するこ
ととなりました。
これらの活動に加えて、2014年夏に札
幌、東京、大阪において、JICAと共に
キルギスのビジネス可能性・投資環境
について紹介するセミナーを開催しまし
た。 キルギス日本センターからは、セン
ターの活動、ビジネスコース実施を通じ
て培った現地企業やビジネス人材との
ネットワークについて説明するとともに、
日本企業進出の際の支援メニューにつ
いて紹介しました。今後、キルギスへの
進出を希望する日本企業に対して、パ
ートナー候補企業・現地人材の紹介や
パートナー企業に対する研修実施など
の可能性があります。
施しており、4年制一般コースの修了者
数は1,800名を超えています。キルギス
日本センターは2013年8月、国際交流
基金(JF)が全世界31カ所で展開するJF
講座の拠点の一つなり、学びやすく質
の高い日本語教育を実施しています。
相互理解促進事業では、文化紹介イ
ベントや短期文化講座の実施に加え
て、和太鼓グループ「大江戸太鼓」の活
動を支援しています。「大江戸太鼓」の
人気は高く、近年はキルギス国内のみ
ならず隣国カザフスタンからの演奏依
頼もあるほどです。
また、2009年より日本の大学の留学
説明会「日本留学フェア」を開催して
おり、キルギスからの留学生増加の取
組みを支援しています。加えて、2014
年には日本の学生の国際化を支援
する事業を開始し、2件の夏期海外研
修を実施しました。内容は、現地学生
との共同の観光開発調査を通じた課
題発見・提案能力、リーダーシップ強
化プログラムと、語学研修、現地学生
との交流、ホームステイ、イシククリ旅
行を通じた異文化理解プログラムであ
り、このような研修実施を通じて、日本
の学生の国際化、日本とキルギスの相
互理解の促進・人的交流の拡大にも
貢献しています。
日本語コースもセンター開設時より実
1
キルギス共和国日本センター設立当時を振り返って
キルギス共和国日本センター初代館長 田中哲二様
中央アジア・コーカサス研究所所長
キルギス共和国大統領府附属行政アカデミー名誉教授
キルギス共和国中央銀行総裁顧問
日本・キルギス交流協会会長
元キルギス共和国大統領顧問
元国連大学学長上級顧問
元日本銀行考査役・国際局参事
1995年10月に日本センター館長のポストを辞してから既に
20年近く経っていますが、キルギスには今も2年に3回程度は
訪問しており、昨年も大統領府附属行政アカデミーで特別講
義を実施しました。
当時を振り返ってみると、開設して間もない日本センターに
対するキルギス側の期待は想像以上に大きなものがありまし
た。経済大国日本という国に対する漠然とした期待に加えて、
唯一の日本人の私の駐在1年目に、孤独感の克服のためにも
無我夢中で頑張った「大統領経済顧問」、「中央銀行総裁顧
問」、「ビジネスアカデミー名誉教授」、「マナス千年祭実行委
員会顧問」等の活動も、大統領、政府、市民より一定の評価を
受けていたのかもしれません。エピソードとしては、1995年5月
の日本センター開所式には忙しい大統領夫妻が2時間も付き
合ってくれましたし、日本センター館長の専用車のプレートナ
ンバーとしては赤い大使クラス用のプレートが供与されていま
した。また、偶然かも知れませんが、私に発出された在地の外
交官員証明証の番号は001で、実質的に大きなプレゼンス持
っていたロシア大使やトルコ大使よりも若い番号を与えられて
いたのです。
トクトミシェフ・ソヴェトベック様
元キルギス国立総合大学総長
元キルギス共和国教育科学大臣
元キルギス共和国国会議員
今年、キルギス日本センターは20周年を迎え
ます。1995年5月18日に、アカエフ大統領(当
時)と在ロシア連邦日本国大使館(在キルギス
共和国日本国大使兼任)の枝村大使(当時)に
よってキルギス日本センターが開設された場面
は、今でも記憶に残っています。
それは、独立したキルギス共和国が発展に向
ビ ジ ネ スコ ース
実践的経営管理コース第15期(2014年4
月~7月実施)修了生のアミラエフ・ザキー
ル氏が最初に立ち上げたビジネスは、「ブ
ッテルブラート」(「ブッテルブロット」はロシ
ア語で「オープンサンドイッチ」の意、「ブラ
ート」は「兄弟」の意)というファストフードチ
ェーンでした。ビジネスのコンセプトは、自
分でサンドイッチを作り、主に若者を対象
にして販売するというものでした。「ブッテ
ルブラート」のオーナーだった時に、ザキ
ール氏はキルギス日本センターのビジネ
スコースを受講しました。コース修了後、ビ
ジネス・パートナーとともに「ルバイー」とい
うレストランをビシケクに開店しました。アジ
現在の日本センターに対す
る期待として、キルギスの人材
育成や日本との交流促進は当
然のことですが、キルギス側の
ニーズを的確にとらえ日本社
会につなぐことも大切な役割
で、日本センターはそのため
の柔軟性のある第一線の窓口
としての意識を持つべきでしょ
う。私が初代の日本センター館
長を務めていた頃は大使館も
JICA事務所もなかったため、
日本向けの大小あらゆる相談が持ち込まれました。勿論、セ
ンターでできることには限界はあるのですが、相談があったら
決して門前払いはせずに一度引き取った上で検討し、①セ
ンターの努力で解決できるもの、②東京・モスクワ(当時のキ
ルギス兼轄大使館)ないし他の日本の機関及び国際機関に
紹介できるもの、③日本の民間部門に紹介できるもの、④ど
う見ても対応できないもの、に分けて誠意を持って対応しまし
た。現在、センターはJICAの管轄下に移り状況は変わってい
ますが、キルギス側のセンターに対するイメージは、依然とし
て、取り敢えず何でも気軽に相談に乗ってくれる「日本への
アクセスポイント」という点にあると思います。多少余計なコスト
や時間が掛かるかも知れませんが、丁寧に取り敢えず話は聞
いてみようという姿勢を保持していくことが重要だと思います。
キルギスにおける旧友、日本にいるキルギス留学生も多く、
初代館長として、キルギス日本センターの更なる発展を応援
し続けるつもりです。
かう明るい兆しが見えた瞬間でした。キルギス
日本センター開設にあたって多大な尽力をさ
れた、枝村日本大使、田中キルギス大統領顧
問に感謝の意を表します。日本側の皆様は、
独立主権国家として歩む困難をよく理解し、中
央アジアで初の日本センターの設立を支援す
るために積極的な措置を講じてくださいました。
経済先進国である日本は、キルギスを含む全
世界の人材育成に多大な貢献をしています。
キルギス日本センターの20年間の活動実績に
よって、二国間関係を更に発展させるために日
本センターの存在が有意義であることが証明さ
れました。
修了生のサクセス・ストーリー
アンスタイルの居心地の良いインテリア、
バラエティに富んだ料理に礼儀正しいウ
ェイターといった長所を兼ね備えたレスト
ランです。夜、ラテンスタイルのパーティー
が行われることもあります。
ザキール氏は、実践的経営管理コー
ス修了生のうち成績優秀者の一人とし
て、2015年3月の訪日研修に参加してきま
した。研修を受けて帰国した後、新たなア
イデアを得たザキール氏は、カフェ「ルバ
イー」のメニューにギョウザなどの日本の
家庭料理を加えました。ザキール氏や従
業員の努力の甲斐あって、現在「ルバイ
ー」は、連日多くの客で賑わっています。
キルギス日本センタービジネスコース修
了生による成功事例が今後も出ることが、
期待されます。
2
ビ ジ ネ スコ ース
今年の訪日研修
3月3日(火)~15日(日)の2週間、実
践的ビジネスコース第14期と15期の成
績優秀生8名が訪日研修に参加してき
ました。参加者達は、「榛木金属工業株
式会社」や「パナソニック」、和紙製造会
社を訪問し、自身が学んだビジネス知
識の導入事例を視察する機会を得まし
た。
研修プログラムは、研修で得た知識を
自身のビジネスに活用できるよう、参加
者の専門分野に合わせて組まれていま
した。研修で扱われたテーマは、企業
内の3S活動、会社のブランディング戦
略、人材教育と顧客満足、事業開発戦
略、マーケティング戦略などでした。
企業訪問と講義の合間を縫って日本
文化プログラムも組まれており、参加者
は茶道体験をしたり、京都の寺を参拝し
たりしました。
帰国後、参加者はGクラブ(ビジネス
コース修了生組織)の会合にて、日本
で感じた印象と得た知識について発表
し、日本で得たノウハウを今後、自身の
仕事に活用したいと語りまし た。
なお、講師を対象とした訪日研修
活動予定
今後の行事について詳しい情報を
ホームページでご覧いただけます。
www.krjc.kg и Facebook.com/KRJC.KG
5月
エグゼクティブ・コース
5月
現地講師セミナー
は、1月下旬に大阪・東京・京都・神戸
で行われました。参加者は、企業訪問
に加え、産業能率大学や筑波大学とい
ったビジネス教育機関も訪問し、効果
的な教授法や教材の活用法、実践的マ
ーケティングについてさらに知識を高め
ました。今回、日本で得られた知識や経
験が、今後のビジネスや講義の改善に
活かされることが期待されます。
現地講師によるセミナーの実施
2月末、「EQ―成功の秘訣」というテー
マで日本センターにて3日間のセミナー
が行われました。同セミナーへの参加
者は20人で、半数以上が日本センター
の実践的ビジネスコース修了生でした。
講師は、人的資源管理を専門とするコ
ンサルタントであり、日本センターの実
践的ビジネスコースでも講師を務めるア
イーダ・パルピエワ氏でした。
セミナーでは、ビジネスにおける感情の
役割について知り、社員や同僚を肯定
的に評価することは、実務の面にも良い
影響をもたらすということを学びました。
今回のセミナーは、計画立案と受講
生募集などを日本センターが担当し、
シラバスや講義資料を準備し講義を行
う部分を講師が担当する、という形のジ
ョイントセミナーでした。このような活動
を通して、日本センターと現地講師陣と
の間に、長期的な協力関係が生まれま
す。なお、アイーダ・パルピエワ氏も日
本センターのビジネスコースの修了生
です。
キルギス日本センターは、今後も現地
講師と共同で様々のテーマのビジネス
セミナーを実施する予定です。
日 本 語コ ース
キルギス日本語教師会に対するキルギス日本センターの協力
2015年5月、キルギス日本センターは
20周年を迎えます。
キルギス共和国日本語教師会*の二代
目の会長より、以下のようなお祝いのメ
ッセージが届きました。
「日本センターの支援と協力は初めから
教師会にとって欠かせないものでした。
日本センターには国際交流基金から派
遣された日本語教育専門家がおり、キ
ルギスの日本語教育のレベルアップに
とって、とても大事な役割を果たしてい
ます。当時日本センターには上級コー
ス、教師養成コース、通訳コースもあり、
日本語教師も日本語の知識と教授法の
知識を深めるための勉強ができました。
今も様々な教育機関の日本語学習者
がセンターの図書館を利用し、文化祭
など様々な文化活動などに参加して、
日本語学習の動機を高めています。
また教師会は、2000年から会報を1年
に数回発行しています。現在はインタ
ーネットを通じて配布していますが、数
年間は日本センターの協力を受け、印
刷・コピーをしてもらっていました。教師
会の定例会で使用されるプリントを準備
するためにも日本センターの協力を受
けていました。
教師会の定例会は、日本センターで
行われることが多いです。センターの会
場や設備を借りて、日本語弁論大会、
作文コンクールの表彰式、朗読コンテス
ト、日本語教育セミナーなどを行ってき
ました。更に、日本センター所長は弁論
大会などの審査員を引き受けてくださっ
ています。センター所属の大江戸太鼓
グループは弁論大会のアトラクションで
よく演奏してくれます。
今年20周年になるキルギス日本人材
開発センターが今後ともますます繁栄
し、キルギスの日本語教育とキルギス日
本語教師会に支援してくださることを期
待しています。」
ヴォロビヨワ・ガリーナ、博士
* キルギス共和国日本語教師会は
1998年に設立され、1999年10月1日に
規約を定め役員を選出し、正式に活動
を開始した。教師会はキルギスにおけ
る日本語教育の発展を図ることを目的と
し、日本語教育に関する情報交換、日
本語教師の相互協力と研鑽及び交流
の場となっている。教師会会員は、ビシ
ケクの主要な日本語教育機関(KNU、
BHU、KRJC)、第2外国語として日本語
教育を行っている機関や中等教育機
関、地方の言語センター日本語教師か
ら構成される。会員数は現在40名。
3
日 本語コ ース
日本語コース修了生のサクセス・ストーリー
開設以来20年間で、キルギス日本セン
ターは1,800人以上の日本語コース修了
生を輩出しました。日本語学習は楽では
ありませんが、興味深く、面白いもので
す。日本語学習によって新たに自己実現
できる可能性があり、頑張れば結果も出
ます。日本語コース修了生の中には、日
本の大学に留学している人もいますし、
日本やキルギスで日本語を活用して仕
事をしている人もいます。日本語学習が
人生での選択に与えた影響はどのような
なものであったか、修了生の声をお届け
します。
www.krjc.kg и Facebook.com/KRJC.KG
7月
短期入門コース
7月
夏期ジュニアコース
8月
クーロワ・ナズグリ氏(2008年修了)
私が日本語に興味を持ったきっかけ
は何だったか。それは、中学校の時、
図書館でと清少納言の「枕草子」と「義
経記」という本を借りたことかもしれませ
ん。両方の作品に感動し、特に「枕草
子」は全文を自分のノートに書き写した
ほどです。もちろん、その時は、自分が
日本語の勉強を始めることになろうとは
想像もしていませんでした。大学では社
会学を専攻し、卒業後に働いている時
に合気道を始めました。合気道を始め
たものの、日本語を知らなかったので、
合気道の用語が分からずにとても困り
ました。ということで、日本語の学習を始
めることにした実際の動機は合気道だ
ったと言えます。キルギス日本センター
活動予定
今後の行事について詳しい情報を
ホームページでご覧いただけます。
の日本語コースに入り、4年間日本語を
学習しました。3年生の時、日本
センターで働き始めました。約2
年間日本センターで働いた後に
日本の大学院に入ろうと思い立
ち、日本文部科学省の奨学金
留学生の試験を受けたところ、
驚いたことに、合格しました。
最初の1年間は研究生として
学び、その後で修士課程に入り
ました。修士課程を修了し、今
は博士課程に進みました。国際
医療福祉大学大学院で、素晴ら
しい教官の指導を受けながら勉
強しています。研究テーマは「青少年の
自殺予防」です。無事に学位を取得し
2015-2016学年の受講生募集
た暁には、キルギスに帰国して、青少年
の自殺予防に効果的な制度を作りたい
と考えています。
ベイシンビエフ・チムール氏(2011年修了)
日本と最初
に出会った
子供時代に
ついて、鮮明
な記憶があり
ます。覚えて
いる人もいる
かもしれませ
んが、当時、
ソ連製の「一
寸法師」の絵
本がありまし
た。3、4才の
頃、私はその本のイラストを興味深く眺
めていました。1992~93年に初めて日
本のメーカーMITSUBISHIの製品を友
人宅で目にした時のこと、5才の時に日
本製テレビゲーム機、そして日本製コ
ンピュータを見た時の驚きを覚えていま
す。当時、「Made in Japan」を見ながら、
遠いアジアの国「日本」を想像していま
した。高校生の時にケーブルテレビで
NHKの番組を観て、日本語の会話とマ
ナーは、特に年配の人が話すキルギス
語に良く似ていると思いました。そして、
高校卒業後、大学でプログラミングを専
攻すると同時に、キルギス日本センター
で日本語を勉強しようと決めました。
ガリーナ先生によるビデオ講座を受
講した後、日本語コースに入りました。
日本センターでは、日本語を習得する
だけでなく、日本文化と現代の日本の
生活についても知ることができます。日
本センターで行われた様々な「祭り」、
日本人観光客やビジネスマンとの出会
い、日本語弁論大会、楽しかった修了 式などが思い出に残っています。
現在は、キルギス日本センター日本
語コース時代の同級生、そして日本語
コース初代修了生と協同して、「咲顔」
という日本食店を経営しています。「咲
顔」とは、日本語で「心からの笑顔」とい
う意味です。「咲顔」は、友人達と先生
の声を受けて開いた店で、日本人のオ
ーナーによる指導の下、本物の日本料
理と日本のサービス「おもてなし」を提
供しています。依然として日本センター
で先生とクラスメートと「咲顔」で会ったり
してうれしいです。
キルギス日本センター、どうもありがと
うございます!
4
日 本 語コ ース
2015年キルギス共和国日本語弁論大会
4月4日(土)、2015年日本語弁論大会
がキルギス国立総合大学大講堂で行わ
れました。この大会は1997年から続く歴
史ある大会で、今年もビシケク市内の主
要日本語教育機関4校、遠くオシュ国立
大学からも参加者を得、18名が日ごろ
の日本語学習の成果をスピーチに込め
て競い合いました。テーマは「引き籠り」
や「人工知能」「キルギス式おつきあい」
などバラエティに富み、200名余りの聴
衆を楽しませてくれました。
コンテストの結果は以下の通りです。
上位4名が5月2日、ウズベキスタンのタ
シケントで開催される第19回中央アジア
弁論大会に出場します。
5
相 互 理 解促 進 事 業
キルギスにおける日本文化の里
7月「七夕祭り」
キルギス日本センターは、開設の1995
年以来「キルギスと日本の架け橋」とし
て、キルギス国民に日本文化を紹介し
てきました。
キルギス日本センターの大きなイベン
トの一つとして、2005年から毎年5月に
開催している「さつき祭り」があります。「
さつき祭り」は、太鼓演奏やダンスなど
を披露するステージ、日本武道演武、
日本文化体験ブース、日本食販売店な
ど、盛りだくさんの内容の行事です。
2005年から2008年にかけては、ビシュ
ケクだけでなく、ナリン州のアトバシやコ
チュコルなどでも地方文化祭を開催し
ました。
9月「盆踊り大会」
広島(1945年8月6日)と長崎(1945年8
月9日)の原爆犠牲者の霊を慰め、世界
恒久平和を祈念するイベントとして「平
和の日」を開催しています。2006年から
毎年、広島文化センターへ千羽鶴を送
っています。
12月「餅つき大会」
2006年から日本とキルギスの音楽を披
露する「音楽祭」が行われています。日
本人ボランティアがキルギス語で歌ったり
キルギスダンスを踊ったり、キルギス人が
日本の伝統楽器を演奏したり、お互いの
音楽文化を披露する場となっています。
これらの他にも、「七夕祭り」、「盆踊り
大会」、「餅つき大会」など、年間を通じて
様々な日本文化紹介イベントを行ってい
ます。皆さん、日本文化を感じに、キルギ
ス日本センターへぜひお越しください。
書き初め大会
1月24日(土)、キルギス日本センター
で「書初め大会」を開催しました。普段
より寒い日となったせいか来場者は少
なかったですが、「愛」を書きたい、「幸」
を書きたい、といろいろな漢字を書こうと
いう意欲にあふれる来場者がいました。
慣れない筆と半紙に戸惑う姿も見られま
したが、素晴らしい書道作品がたくさん
出来上がりました。また、来場者のキル
ギス語名を日本語に訳し、それぞれの
日本語名を漢字で書いてみる試みも好
評でした。
書初めの前後に、福笑い・かるた・け
ん玉などの「日本文化伝統遊びコーナ
ー」が設けられ、伝統的な遊びを通して
日本の正月の雰囲気を味わう機会もあ
りました。
⑥6
相 互 理 解促 進 事 業
大江戸太鼓 ー 日本の魂を伝えて -
2004年4月にキルギス日本センターにお
いて和太鼓グループ「大江戸太鼓」が結
成され、日本の伝統的文化の1つである
和太鼓がキルギスで知られるようになりま
した。最近数年間で、「大江戸太鼓」はキ
ルギスやカザフスタン、日本での様々なフ
ェスティバルやイベントに参加してきまし
た。中央アジアで唯一活発に活動してい
る和太鼓グループとして有名です。
2008年8月28日 日本和太鼓グループ「祭音」との共同コンサート
2009年10月17日 大江戸太鼓5周年記念コンサート
2014年11月29日 大江戸太鼓10周年記念コンサート
この「大江戸太鼓」は、キルギスの日本
武道各団体と共演したパフォーマンス
を披露することもあり、日本文化や日本
に関するイベントには欠かせない存在
になっています。チャリティコンサート、
ボランティアイベントなどにも積極的に
参加しています。
日本語カラオケコンテストの開催
2月21日(土)、キルギス日本センター
は、カフェ「ルバイー」で日本語カラオケ
コンテストを開催しました。
今回、ビシケク市内からだけでなく、チ
ョルポンアタ市からも応募があり、合計
20組の出場者による大会となりました。
日本センターの日本語コースの受講生
や日本のアニメが大好きな学生など、
普段から日本語に触れる機会が多い参
加者にとっては自身のお気に入りの1曲
を披露する最高の機会となりました。ま
た、日本のアニメで使われている曲が
多く歌われるなど、ここキルギスでも日
本のポップカルチャーが浸透している
様子が見受けられました。
当日は出場者に加えて、日本人有志
によるカラオケが披露された他、出場者
全員で「恋するフォーチュンクッキー」を
踊るなど、多くの人が参加した大盛況の
イベントとなりました。
キルギス日本センターでは、このような
日本語や日本文化に興味を持つきっか
けとなるようなイベントを今後も開催する
予定です。
⑥7
IT
聴覚障がい者向けITコース
キルギス日本センターでは、2006年か
ら聾盲協会と連携して、聴覚障がいを
持 未成年者と成人にコンピュータ・ス
キルの基本を教えるITコースをしていま
す。現在までに、400人のコース修了生
を輩出しました。
このITコースは、コンピュータ・スキル
の基本を習得することによって、聴覚障
がい者の視野と活動範囲を広げられる
可能性を持てるようになることを目指し
ています。
コースは、キルギス日本センターのIT
コース用セミナー室にて、同コースの修
了生の中から選りすぐった優秀な講師
(キム氏、アブドゥライモワ氏、カシカラリ
エフ氏)により実施されています。
以下、キルギス聾盲協会のマムベタク
ノフ会長の言葉を紹介します。
「聴覚障がい者向けITコースは、当時
キルギス日本センター所長であった浜
野道博氏(2006-2009年勤務)の尽力と
JICAキルギス事務所およびキルギス聾
盲協会の協力により始まりました。
それまでも、コンピュータ・スキルを身
に付けたい障がい者はたくさんいました
が、資金や設備が不足していたため、
ビシケクで聴覚障がい者向けITコース
を行うことは無理でした。
ですので、このようなITコースが開か
れたことは、浜野道博氏の功績だと言
えます。
最初の受講生は私も含めた10名でし
た。コースは2006年4月3日~6月12日
までで、 7月14日に修了書授与式が行
われました。
この最初の受講生終了後、講師のた
めのコースも行うことになり、修了生の中
から優秀な数名を講師として選んだとい
うことです。
キルギス日本センター開設20周年、
おめでとうございます。この場を借りて、
これまでのご支援に感謝の意を表しま
す。」
SMMコースで得た知識の応用
キルギス日本センターでは、2012年か
ら「ソーシャルメディアを活用したマーケ
ティング(SMM)コース」を実施していま
す。現在までに、70人のコース修了生
を輩出しました。その半数以上が、日本
センターの実践的経営管理コース修了
生でした。
同コースの修了生が、コースで得た
知識を実際のビジネスに導入している
のは素晴らしいことです。以下、SMMコ
ース修了生で、現在は日本料理店「ふ
る里」のマネージャーを務めるイスライ
ロフ・ジャニーシュ氏の声をお届けしま
す。
「昨今、従来のメディアを使用して、自
社の製品やサービスを宣伝するのは難
しくなってきていて、モバイル端末によ
る簡単な方法が人気です。そのため、イ
ンターネット技術の発展とともに、ソーシ
ャルメディアネットワークも発展してきま
した。
私は、2013年にキルギス日本センター
のSMMコースを修了しました。
以前の私は、PRのページをインター
ネット上に載せる必要性を理解していた
ものの、理論と実践ともにスキルが無い
状態でした。コース修了後には、自信
を持って職場である日本食料理店のイ
ンターネット上PRができるようになりまし
た。お客様からの質問やコメントに答え
る方法も身につきました。
我々の店のお客様は皆さん多忙です
ので、ソーシャルネットワークを通じた情
報発信が便利ですし、この方法によっ
て顧客拡大も目指せます。
SMMコースを受講したことで、ソーシャ
ルメディア分野での自分の活動を始め
ることができ、キルギス日本センターに
感謝しています。この場を借りて、キル
ギス日本センター開設20周年を祝し、
今後の更なる発展をお祈りします。楽し
いイベントが今後もたくさん行われること
を期待しています。」
Jibek-Jolu st.
Филармония
Togolok-Moldo st.
Frunze st.
Isanova st.
Mira st.
Turusbekova st.
КНУ
им. Ж.Баласагына
“Демир Банк”
Chui street.
МЭРИЯ
г.Бишкек
Торговый Дом
НАРОДНЫЙ
編集者より:
キルギス共和国日本人材開発センター(KRJC)のNews Letterは四半期に
1回発行しています。News Letterでは、3ヶ月間の活動報告と今後の行事に
ついての記事を掲載しています。
編集者:
西川直子(業務調整員)、サグデェワ・オクサナ(シニア・マネージャー)
Гипер-маркет
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