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省燃費エンジン用水素フリーDLCバルブリフターの開発

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省燃費エンジン用水素フリーDLCバルブリフターの開発
ることで密着性を確保。被コーテ
利用が可能。すでに、ショックア
ブソーバなど足回り部品での実験
を 始 め て い る ﹂。 燃 費 効 果 だ け で
なく、なめらかな操作性の向上を
﹁ 年後には日産車の 台に
台程度が同技術を使ったクルマに
わりながらも、今は昔夢見たエン
定外だった﹂という材料開発に携
倍
ジン車﹂だ。ハイブリッドやディ
車に次ぐ﹁ポスト・ガソリンエン
今、自動車業界の熱い視線を集
めるのが既存のガソリンエンジン
上でクリーン化が進展し、
る。燃料噴射制御や触媒の性能向
では広く乗用車でも使用されてい
ジンに比べ燃費性能が良く、欧州
がディーゼル車だ。ガソリンエン
自動車あれ・これ
ーゼルエンジンなどすでに技術的
年に
な蓄積があるものから電気自動
減エンジンとして注目を集めるの
33年設立。トヨタ自動車、ホンダに並ぶ
自動車大手三社の一角。「技術の日産」と
呼ばれており、スポーツタイプのクルマづ
くりに強みを発揮する。経営危機に陥った
時期もあったが仏・ルノーからカルロス・
ゴーン社長を招き、業績を V 字回復させた
ことは記憶に新しい。超‐低排出ガス仕様
車を最初に発売するなど環境技術において
も高い技術力を誇る。
期待されるものまで開発競争が激
車、燃料電池車など今後の普及が
ル乗用車を日本市場に投入するな
はメルセデス・ベンツがディーゼ
中長期的に期待される環境対応
車が電気自動車、燃料電池車。電
ど、
今後の市場拡大が期待される。
今やエコカーの代名詞となった
のがハイブリッド車。高出力、低
動モーターとバッテリーで走る電
しさを増している。
年に他
現実的な環境対応車として各社開
や原油価格の高騰などが寄与し、
ガソリン代替エンジン開発の遅れ
られていた面もあった。しかし、
時は、燃料電池車へのつなぎと見
社に先駆けプリウスを発売した当
車﹂と期待も大きいが、燃料とな
発電効率が高い﹁究極の環境低減
組み。発電に熱や動力を使用せず
反応させることで電気を起こす仕
燃料にして、空気中の酸素と化学
開発を重視。燃料電池車は水素を
気自動車は三菱自動車と富士重が
燃費がウリだがトヨタが
発に着手。現在は、日系メーカー
る水素の搭載法や供給する水素ス
の課題も多い。
テーションの整備などインフラ面
に加え、ゼネラルモーターズなど
同じように現実的な環境負荷低
米国勢も力を入れる。
28
る。
ながっていったのだ。
DLCバルブリフターの開発につ
マイクロメ
プロセスを工夫することで、はが
れにくいわずか厚さ
ートルという薄い膜の形成を実現
した。
理的には摩擦が起きるところには
さ ら に、﹁ エ ン ジ ン 以 外 の 部 品
ィング材の表面加工や洗浄法など
にも使える﹂と意欲を見せる。﹁原
燃費のさ ら な る 向 上 へ 、
エンジン 部 品 以 外 へ の 適 用 も
素材が見つかったものの、薄膜
をどうコーティングするかが
並行して、エンジンオイルにも
つ
専 用 の 添 加 剤 を 開 発。
﹁D L C 膜
めの課題として立ちふさがった。
と組み合わせの良いオイルのバラ
なる見通し﹂という。現在はバル
ジンに材料からアプローチを試み
目指す。
エンジンをまわすとぼろぼろにな
﹁D L C が コ ー テ ィ ン グ で き て も
ンスを模索﹂することで燃費効果
﹁
昔からクルマをつくりたかっ
た。エンジンをやりたくて日産に
ブリフターのみの搭載だが、ピス
る喜びを日々かみしめている。
を押し上げた。
その際、重要になったのがコー
テ ィ ン グ 前 の 下 地 加 工。
﹁バルブ
トンリングやピストンピンなど他
ったりすることも度々。試行錯誤
リフターには高精度の仕上げは普
の場所にも使うことで現行比
入 社 し た ﹂ と い う 馬 渕 さ ん。﹁ 想
通やらない﹂が薄い被膜をコーテ
で最適な条件を探った﹂
。
ィングするため、下地の粗さをな
の4%程度燃費を向上できるとみ
3
〒104−8023
東京都中央区銀座6−17−1
お客様相談室 0120−315−232
http://www.nissan.co.jp
07
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くし、表面の酸化物を極力除去す
(上)
バルブリフター
(下)
自動搬送装置
日産車の約3台に1台が DLC 薄膜コーティング技術を採用
予定。ますます激しさを増す燃費向上競争だが、DLC 薄
膜技術で一歩先んじた日産自動車。技術開発の背景には必
ず人が見えてくる。
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日産自動車
(株)
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