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【請求項1】 配列番号1

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【請求項1】 配列番号1
JP 3647048 B2 2005.5.11
(57)【 特 許 請 求 の 範 囲 】
【請求項1】
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4および配列番号5からなる群から選ば
れるアミノ酸配列を含むペプチド。
【請求項2】
アミノ酸配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号4および配列番号5からなる群から
選ばれることを特徴とする、請求項1記載のペプチド。
【請求項3】
アミノ酸配列が、配列番号1、配列番号3、配列番号4および配列番号5からなる群から
選ばれることを特徴とする、請求項1記載のペプチド。
10
【請求項4】
請求項2記載のペプチドを含有することを特徴とする、少なくとも1種のデング熱ウイル
ス血清型のための診断試薬。
【請求項5】
請求項3記載のペプチドを含有することを特徴とする、デング熱ウイルス血清型2に対す
るワクチン。
【請求項6】
請求項2に記載のペプチドを抗原として使用することを特徴とする、デング熱ウイルスに
対する抗体の製造方法。
【請求項7】
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請 求 項 6 記 載 の 方 法 に よ っ て 製 造 さ れ た 、 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 血 清 型 1,2,3ま た は 4 に 対 す
る抗体。
【請求項8】
配列番号6、7、8および9からなる群から選ばれるアミノ酸配列を含む融合タンパク質
。
【請求項9】
アミノ酸配列が配列番号8または9である、請求項8記載の融合タンパク質。
【請求項10】
請求項8または9記載の少なくとも1つの融合タンパク質を含有することを特徴とする診
断試薬。
10
【発明の詳細な説明】
発明の分野
本 発 明 は 生 物 工 学 分 野 の も の で あ り 、 組 換 え DNA技 術 、 特 に 、 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス の 血 清 型
2 の プ レ M/Mタ ン パ ク 質 を コ ー ド す る 合 成 ペ プ チ ド の 産 生 、 お よ び デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 血 清
型 2 お よ び 4 の プ レ M/Mタ ン パ ク 質 エ ピ ト ー プ を 含 む キ メ ラ タ ン パ ク 質 に 関 す る 。
技 術 上 の 目 的 は 、 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス の 血 清 型 す べ て に 対 し て 交 差 反 応 性 を 有 す る プ レ M/M
中和および防御エピトープを同定し、ヒト予防接種用免疫原を入手することにある。
発明の背景
デ ン グ 熱 ウ イ ル ス は フ ラ ビ ウ イ ル ス 科 の フ ラ ビ ウ イ ル ス 属 に 属 す る ( ウ エ ス タ ウ エ イ ( We
staway,E.G.) ら 、 1985、 Flaviviridae.Intervirol.24、 183ペ ー ジ ) 。 こ の も の は 遺 伝 物
20
質 と し て 陽 極 性 の 単 鎖 RNA鎖 を 有 す る エ ン ベ ロ ー プ ウ イ ル ス で あ り 、 該 RNA鎖 は 細 胞 性 お よ
びウイルス性プロテアーゼにより共同−および後−形質導入加工処理されたポリタンパク
質をコードする。
ウイルス膜には2つの構造タンパク質、E(エンベロープ)およびM(膜)があるが、一
方で、異性体ヌクレオカプシドを形成する他の構造タンパク質C(カプシド)のいくつか
の コ ピ ー が あ る 。 他 に も 、 少 な く と も 7 種 の 非 構 造 タ ン パ ク 質 が 同 定 さ れ て い る ( NS1、 N
S2a、 NS2b、 NS3、 NS4a、 NS4b、 NS5) 。
糖 タ ン パ ク 質 E お よ び NS1は 、 そ れ ぞ れ が デ ン グ 熱 ウ イ ル ス の 相 同 血 清 型 に 対 し 能 動 的 お
よび受動的防御作用を提供することができるが、一方で、関連するエピトープの高度な高
次構造の複雑さを保持している。このような理由で、組換え真核細胞系がこれらタンパク
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質 の 免 疫 学 的 評 価 の た め に 主 に 選 択 さ れ て い る 。 例 え ば 、 ワ ク チ ン ウ イ ル ス ( ブ レ イ ( Br
ay,M.) ら 、 1989。 非 構 造 タ ン パ ク 質 NS1を 有 す る も し く は 有 し な い デ ン グ 熱 − 4 構 造 タ ン
パク質を発現する組換えワクチニアウイルスにより免疫したマウスは致死的デング熱ウイ
ル ス 脳 炎 に 対 し 防 御 的 で あ る 。 J.Virol.63、 2853ペ ー ジ ) お よ び バ キ ュ ロ ウ イ ル ス ( ツ ア
ン ( Zhang,Y.M.) ら 、 1988。 デ ン グ 熱 構 造 タ ン パ ク 質 お よ び 組 換 え バ キ ュ ロ ウ イ ル ス に よ
り 発 現 さ れ た 非 構 造 タ ン パ ク 質 NS1で マ ウ ス を 免 疫 す る と 、 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 脳 炎 に 対 す
る 抵 抗 性 を 誘 発 す る 。 J.Virol.62、 3027ペ ー ジ ) で あ る 。
小 タ ン パ ク 質 M ( 8kDa) は プ レ − M ( 約 22kDa) と 呼 ば れ る 糖 化 前 駆 体 同 様 に 合 成 さ れ る
が、このものは感染細胞がウイルスを放出する直前または直後に後期エンドタンパク質分
解 切 断 を 受 け る ( マ ー レ イ ( Murray,J.M.) ら 、 1993。 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 2 型 タ ン パ ク 質 p
40
rMお よ び C − prMの 加 工 処 理 。 J.Gen.Virol.74、 175ペ ー ジ ) 。 恐 ら く 細 胞 性 プ ロ テ ア ー ゼ
に よ り な さ れ る こ の 切 断 は ゴ ル ジ 後 酸 性 小 胞 に て 起 こ り 、 こ の 小 胞 の 低 pH値 を 不 安 定 と す
る 試 薬 に よ り 阻 害 さ れ る と 思 わ れ る ( ラ ン ド ル フ ( Randolph,V.B.) ら 、 1990。 好 酸 性 ア
ミ ン は フ ラ ビ ウ イ ル ス prMタ ン パ ク 質 の タ ン パ ク 質 分 解 過 程 を 阻 害 す る 。 Virol.17、 450ペ
ー ジ ) 。 プ レ − 断 片 は 細 胞 外 媒 体 に お い て の み in vitroで 同 定 さ れ て い る が 、 そ の in viv
oで の 命 運 は 未 知 で あ る ( マ ー レ イ ( Murray,J.M.) ら 、 1993。 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 2 型 タ ン
パ ク 質 prMお よ び C − prMの 加 工 処 理 。 J.Gen.Virol.74、 175ペ ー ジ ) 。
フ ラ ビ ウ イ ル ス の エ キ ソ サ イ ト ー シ ス に 際 し て の プ レ M/Mの 機 能 は 、 酸 性 pH環 境 に よ る E
の 融 合 誘 導 膜 の 活 性 化 を 回 避 す る こ と で あ る ( ラ ン ド ル フ ( Randolph,V.B.) ら 、 1990。
好 酸 性 ア ミ ン は フ ラ ビ ウ イ ル ス prMタ ン パ ク 質 の タ ン パ ク 質 分 解 過 程 を 阻 害 す る 。 Virol.1
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7、 450ペ ー ジ ) 。 も し こ の 事 象 が 起 き る な ら ば 、 そ の と き は ウ イ ル ス の 放 出 が 防 止 さ れ る
。事実、プレ−MおよびEは未熟な細胞内ビリオン内で相互作用していることが決定され
て お り ( ウ エ ン グ ラ ー お よ び ウ エ ン グ ラ ー ( Wengler,G.y Wengler,G.) 、 1989。 細 胞 介 在
ウエストナイル・フラビウイルスは、ウイルスが放出された際にタンパク質分解切断によ
り 破 壊 さ れ 、 認 識 さ れ る E + プ レ − M タ ン パ ク 質 ヘ テ ロ 二 量 体 に よ り 被 覆 さ れ て い る 。 J.
Viol.63、 2521ペ ー ジ ) 、 ま た 、 E の 未 変 性 コ ン ホ メ ー シ ョ ン は プ レ − M の 存 在 下 に お い
て の み 獲 得 さ れ る こ と が 決 定 さ れ て い る ( 小 西 お よ び マ ソ ン ( Konishi,E.y Mason,P.W.)
1993。 日 本 脳 炎 ウ イ ル ス ・ エ ン ベ ロ ー プ 糖 タ ン パ ク 質 の 適 切 な 成 熟 に は 前 膜 タ ン パ ク 質 と
の 共 同 合 成 を 必 要 と す る 。 J.Virol.67、 1672ペ ー ジ ) 。 更 に 、 す で に 放 出 さ れ た ビ リ オ ン
は、その膜中にプレ−Mを有するのみであるが、それは一般に完全に成熟したビリオンよ
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り も 低 い 感 染 性 を 示 し ( ウ エ ン グ ラ ー お よ び ウ エ ン グ ラ ー ( Wengler,G.y Wengler,G.) 、
1989。 細 胞 介 在 ウ エ ス ト ナ イ ル ・ フ ラ ビ ウ イ ル ス は 、 ウ イ ル ス が 放 出 さ れ た 際 に タ ン パ ク
質分解切断により破壊され、認識されるE+プレ−Mタンパク質ヘテロ二量体により被覆
さ れ て い る 。 J.Virol.63、 2521ペ ー ジ ) 、 そ こ で は M と プ レ − M が 存 在 す る が 、 前 者 が 優
位である。
プレ−MおよびMはそれらが組替えワクチニアウイルスにおいて実現された場合、能動的
な 防 御 を 提 供 す る が 、 こ の 防 御 は プ レ − 断 片 で は 起 き な い が ( ブ レ イ お よ び レ イ ( Bray,M
.y Lai,C.− J.) 1991。 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 前 膜 お よ び 膜 タ ン パ ク 質 は 防 御 的 免 疫 応 答 を 引
き 出 す 。 Virol.185、 505ペ ー ジ ) 、 プ レ − M ま た は M を 同 じ 組 換 え ワ ク チ ニ ア ウ イ ル ス の
糖タンパク質Eと組合わせると、一般に、各個々のタンパク質が到達する防御レベルより
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も 高 い レ ベ ル と な る 。 同 様 に 、 プ レ M/Mに 対 す る 特 定 の 抗 体 は 、 マ ウ ス で 能 動 的 に 防 御 す
る こ と が で き る ( カ ウ フ マ ン ( Kaufman,B.M.) ら 、 1989。 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス prM糖 タ ン パ
ク 質 用 の モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 は 致 死 的 デ ン グ 熱 感 染 か ら マ ウ ス を 防 御 す る 。 Am.J.Trop.Me
d.& Hyd.41、 576ペ ー ジ ) 。
合成ペプチドの使用は、関与する抗原の空間的コンホメーションおよび免疫学的性質に従
っ て 、 抗 原 性 の 分 子 的 基 礎 を 確 立 す る こ と を 可 能 と し て い る [ ア ー ノ ン お よ び セ ラ ( Arno
n,R.y Sela,M.) 1985。 合 成 ワ ク チ ン : 現 状 と 未 来 。 Ann.Inst.Pasterur/Immunol.136D、 2
71∼ 282] 。 抗 デ ン グ 熱 ワ ク チ ン ・ サ ブ ユ ニ ッ ト と し て の 合 成 ペ プ チ ド は 、 最 終 の 形 態 に
おいて、免疫増幅を引起こさない防御エピトープのみ包含することを可能とし(ハルシュ
テ ッ ド お よ び オ ー ‘ ル ア ー ク ( Halstead,S.B.y O'Ruourke,E.J.) 1977。 デ ン グ 熱 ウ イ ル
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ス お よ び 単 核 食 細 胞 、 I 。 非 中 和 性 抗 体 に よ る 感 染 増 強 。 J.Exp.Med.146、 201ペ ー ジ ; ハ
ル シ ュ テ ッ ド ( Halstead,S.B.) 1979。 受 動 的 に 移 入 し た 抗 体 に よ る ア カ ゲ ザ ル の デ ン グ
熱 ウ イ ル ス 感 染 症 の in vivo増 強 。 J.Infect.Dis.140、 527ペ ー ジ ) 、 ま た あ る い は 、 4 つ
の 血 清 型 の そ れ ぞ れ の 防 御 的 ペ プ チ ド を 包 含 す る こ と を 可 能 と す る 。 E お よ び NS1の 抗 原
性 決 定 子 の 特 性 化 は 成 功 裏 に 実 施 さ れ て い る 。 し か し 、 こ の 重 要 な タ ン パ ク 質 プ レ M/Mに
関する同様な研究はなく、それが何故本報告の結果がその方向性の第一段階であるかの理
由である。
フラビウイルス・タンパク質プレM、MおよびEを大腸菌で発現する努力が常に成功する
と は 限 ら な い ( チ ャ ン バ ー ( Chambers,T.J.) ら 、 1990。 感 染 細 胞 で の 黄 熱 病 ウ イ ル ス の
生産:領域特異ポリクローナル抗血清を用いる個別ポリタンパク質の同定と切断速度の分
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析 。 Virol.177、 159ペ ー ジ ; ヤ ン ( Yan,B.− S.) ら 、 1994。 推 定 膜 関 連 領 域 の 末 端 切 除 が
、 大 腸 菌 で の C 型 肝 炎 ウ イ ル ス タ ン パ ク 質 E1発 現 の 難 し さ を 回 避 す る 。 J.Virol.Meths.49
、 343ペ ー ジ ) 。 明 ら か に 、 こ れ ら の タ ン パ ク 質 が C − 末 端 領 域 に も つ 疎 水 性 領 域 が 、 低
い ま た は 検 出 不 能 の 非 相 同 発 現 レ ベ ル の 原 因 で あ る ( ヤ ン ( Yan,B.− S.) ら 、 1994。 推 定
膜 関 連 領 域 の 末 端 切 除 が 、 大 腸 菌 で の C 型 肝 炎 ウ イ ル ス タ ン パ ク 質 E1発 現 の 難 し さ を 回 避
す る 。 J.Virol.Meths.49、 343ペ ー ジ ) 。
E.coliに お け る 上 記 蛋 白 質 の 発 現 は ( NS1と 同 様 ) 、 一 般 的 に 、 他 の 細 菌 タ ン パ ク 質 、 例
え ば 、 β − ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ ( Cane,P.A.お よ び Gould,E.A.1988 yellow fever mouse
neurovirulence by immunization with a bacterially synthesized non− str
uctural protein( NS1) fragment.J.Gen.Virol.69 p1241) 、 TRPE( Megret,F.et al.199
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2.Use of recombinant fusion proteins and monoclonal antibodies to define linear
and discontinuous antigenic sites on the Dengue envelope glycoprotein.Virol.187
p.480.) 、 お よ び 黄 色 ブ ド ウ 球 菌 の タ ン パ ク 質 A ( Murray,J.M.et al.1993 processing o
f the dengue virus type 2 proteins prM and C− prM.J.Gen.Virol.74 p.175.) に 融 合
すること(フラグメントまたは非フラグメント)で得られる。これらの融合タンパク質に
おいて、適切な立体配座エピトープは存在せず、なぜならそれらに対して生じた抗血清が
全てのウイルスを認識できるとしても、それを中和させたり、血球凝集を抑制することは
で き な い た め で あ る ( Megret,F.et al.1992.Use of recombinant fusion proteins and m
onoclonal antibodies to define linear and discontinuous antigenic sites on the D
engue envelope glycoprotein.Virol.187 p.480) 。 し か し な が ら 、 最 近 の 報 告 で は 、 融
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合タンパク質の溶解度と、結果としてその精製のために非変性方法を使用することで、変
性 ( Seif,S.A.et al.1995.Finer mapping of neutralizing epitope( s ) on the C− ter
minal of Japanese encephalitis virus E− protein expressed in recombinant Escheri
chia coli system.Vaccine 13 p.1515.) と そ れ ら が 持 つ 防 御 エ ピ ト ー プ ( Srivastava,A.
K.et al.1995.Mice immunized with a dengue type 2 virus E and NS1 fusion protein
made in Escherichia coli are protected against lethal dengue virus infection.Vac
cine 13 p.1251.) の 多 く を 保 存 す る こ と が で き る こ と が 示 さ れ て い る 。
プ レ M/Mの 場 合 に は 、 そ の プ レ − ド メ イ ン が 3 つ の ジ ス ル フ ィ ド ブ リ ッ ジ に 関 与 す る 6 つ
の シ ス テ イ ン 、 な ら び に ア ス パ ラ ギ ン 69に N − グ リ コ シ ル 化 部 位 を も つ 。 E お よ び NS1の
構造は更により複雑である。このもは6つのジスルフィドブリッジと幾つかのN−グリコ
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シル化部位をもつ。しかし、Mの小さなエクトドメインは、システインをもたず、その天
然型はグリコシル化されていないので、明らかにこれらのコンホメーションの複雑さがな
い。
免疫原タンパク質の可能な領域に非相同断片を挿入することは、そのトポロジーも多少知
られており、また、これらの融合物での免疫は、合成ペプチドの使用に補足的に替わり得
るものである。双方の戦略は連続的なB細胞の存在、ならびにT細胞エピトープの明確化
を可能とする。これらエピトープの生物学的重要性は実験的に評価し、所定のワクチン製
剤の何処にそれらを含まれせるかを決定することが可能である。
発明の開示
ア ミ ノ 酸 配 列 ( 97/166AA) の 58% に 及 ぶ デ ン グ 熱 2 ウ イ ル ス の プ レ M/Mタ ン パ ク 質 か ら の
30
5 種 の ペ プ チ ド を 化 学 的 に 合 成 し た 。 そ の ペ プ チ ド は 3 − 31、 45− 67、 57− 92、 69− 93お
よ び 103− 124で あ り 、 そ れ ぞ れ 、 B19− 6 、 B20− 2 、 B19− 5 、 B20− 1 、 B20− 3 と 命 名
した。
こ れ ら の ペ プ チ ド を 担 体 タ ン パ ク 質 に 結 合 さ せ 、 あ る い は 結 合 さ せ ず に Balb/cマ ウ ス に 接
種 し た 。 複 合 ペ プ チ ド で の 免 疫 後 得 ら れ た 血 清 を in vitroで 中 和 し て 、 プ ラ ー ク 数 の 減 少
お よ び ELISAに よ り 試 験 し た 。 我 々 は ま た 、 免 疫 し た マ ウ ス に つ い て デ ン グ 熱 2 ウ イ ル ス
の感染に対する能動的防御を検討した。
非 複 合 ペ プ チ ド で 免 疫 し た マ ウ ス の 場 合 に は 、 抗 体 応 答 を ELISAに よ り 評 価 し 、 デ ン グ 熱
2ウイルスに対する脾臓Tリンパ球の増殖性応答も評価した。
融合タンパク質を取得し、ペプチドによりカバーされる4つの領域の内、2つの領域(1
40
∼ 42お よ び 92∼ 133) を そ れ ら に 挿 入 し 、 大 腸 菌 中 で 発 現 さ せ た 。 こ れ ら の 融 合 物 で の 免
疫が、合成ペプチドにより得られた結果を補足するだろう。
マウスおよびヒトの双方においてB細胞エピトープが存在することは、該ペプチドが免疫
したマウスからの抗体により、また、デング熱ウイルスにつき臨床診断および血清学診断
を 受 け た 患 者 の 血 清 に よ り 認 識 さ れ た こ と で 証 明 し た が 、 こ れ ら に は 両 方 と も ELISAを 使
用 し た 。 ペ プ チ ド 19− 6 お よ び 20− 3 は 4 種 の デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 血 清 型 に 対 し 中 和 性 抗 体
の産生を誘導することができる。
ウ イ ル ス 特 異 的 増 殖 応 答 は 、 非 複 合 ペ プ チ ド 19− 6 お よ び 19− 5 で 免 疫 し た マ ウ ス に て 証
明 し た 。 複 合 ペ プ チ ド 19− 6 、 20− 1 お よ び 19− 5 で 免 疫 し た マ ウ ス は 、 デ ン グ 熱 2 ウ イ
ルスで感染させたとき、統計的に有意な防御レベルを示した。
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か く し て 、 デ ン グ 熱 2 ウ イ ル ス の プ レ M/Mタ ン パ ク 質 に 連 続 的 エ ピ ト ー プ の 存 在 す る こ と
が証明された。同時に、それらのフラビウイルスに対する免疫応答における関連性も証明
された。
発明の実施の形態
実 施 例 1 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス の プ レ M/Mタ ン パ ク 質 の 抗 原 性 領 域 と T 細 胞 エ ピ ト ー プ の 予
測
理 論 的 に 異 な る 方 法 を 、 D2ウ イ ル ス の プ レ M/Mタ ン パ ク 質 に お け る 抗 原 性 領 域 を 予 測 す る
ために適用した。これらの領域は、恐らく、該ウイルスタンパク質に対して得られた抗体
により認識されるものであり、同時に、原タンパク質を認識する抗体を産生するものであ
る。T細胞エピトープを予測する幾つかの方法を適用した。
10
可能なB−およびT−細胞エピトープを有する5種の原ペプチドを見出した(プレ−で4
種、Mで1種)。これらタンパク質の抗原性構造および可能な免疫学的に重要なペプチド
の実験的決定の研究はこの知見に基づいている。
1.1. 体 液 性 抗 原 性 の 予 測
抗原性を予測するのに使用した方法はアミノ酸配列に基づいた。その理由はデング熱ウイ
ル ス の プ レ M/Mタ ン パ ク 質 の 三 次 元 構 造 が 実 験 的 に 決 め ら れ ず 、 ま た 、 既 知 三 次 元 構 造 の
いずれのタンパク質についても配列レベルで有意な同一性がないからである。
1981年 に キ ュ ー バ で 単 離 さ れ た デ ン グ 熱 2 の A15株 ( ク ー リ ( Kouri,G.) ら 、 1986。 キ ュ
ー バ で の 出 血 性 デ ン グ 熱 ; 伝 染 病 流 行 の 歴 史 。 Bull.P.A.H.O 20、 24ペ ー ジ ) を こ の 実 験
の実施のために用いた。潜在的抗原性領域を以下の基準に従って選択した。
20
a)親水性に基づく異なる予測方法に従い高い抗原性を有する領域(フープおよびウッド
( Hoop,T.P.y Woods,K.R.) 1981。 ア ミ ノ 酸 配 列 か ら タ ン パ ク 質 抗 原 性 決 定 子 を 予 測 。 Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 78、 3824ペ ー ジ ; パ ー カ ー ( Parker,J.M.R.) ら 、 1986。 HPLCペ プ
チド保持データから誘導される新しい親水性:予測される表面残基と抗原性との相関およ
び X 線 誘 導 接 近 可 能 部 位 、 Biochemistry 25、 5425ペ ー ジ ) 、 た わ み 性 ( カ ー プ ラ ス お よ
び シ ュ ル ツ ( Karplus,P.A.y Schultz,G.E.) 1985。 タ ン パ ク 質 に お け る 鎖 可 撓 性 の 予 測 。
ペ プ チ ド 抗 原 の 選 択 手 段 。 Naturwissenschaften 72、 212ペ ー ジ ) お よ び 接 近 可 能 性 ( エ
ミ ニ ( Emini,E.A.) ら 、 1985。 ウ イ ル ス 特 異 合 成 ペ プ チ ド に よ る A 型 肝 炎 ウ イ ル ス 中 和 抗
体 の 誘 導 。 J.Virol.55、 836ペ ー ジ ) 。
b ) PHDを 使 用 す る 二 次 構 造 の 予 測 に 従 い ル ー プ お よ び 折 り 返 し 形 成 の 高 い 可 能 性 を も つ
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領 域 ( ロ ス ト お よ び サ ン ダ ー ( Rost,B.y Sander,C.) 1993。 70% 以 上 の 確 か さ で タ ン パ ク
質 二 次 構 造 を 予 測 。 J.Mol.Biol.232、 584ペ ー ジ ; ロ ス ト お よ び サ ン ダ ー 、 1994。 タ ン パ
ク 質 二 次 構 造 を 予 測 さ せ る 進 化 論 的 情 報 お よ び 中 立 の ネ ッ ト ワ ー ク を 組 合 わ せ る こ と 。 Pr
oteins 19、 55ペ ー ジ ; ロ ス ト お よ び サ ン ダ ー 、 1994。 タ ン パ ク 質 類 に お け る 溶 媒 の 接 近
可 能 性 の 保 存 と 予 測 。 Proteins 20、 216ペ ー ジ ) 。
c)他のフラビウイルスに関して挿入/抑制を含む、または含まない高次可変性の領域、
ならびにデング熱ウイルスにおいて用いられる、または用いられない他のフラビウイルス
におけるグリコシル化の潜在的領域。
a) 抗原性のプロフィール
図1は抗原性に関係するアミノ酸の4つの性質をプレ−およびMセグメントに適用すると
40
き得られるプロフィールを示す。
該 プ レ − 領 域 に は 、 残 基 6 ∼ 9 、 16∼ 21、 28∼ 31、 42∼ 47、 58∼ 65お よ び 82∼ 91を 有 す る
領 域 に 高 い 親 水 性 と 接 近 可 能 性 値 が あ る 。 注 目 す べ き こ と は 、 残 基 41∼ 76間 の 広 範 な 疎 水
性領域の存在であり、この領域は免疫系に露出されていないと考えられる経膜ラセンに相
当 す る こ と で あ る 。 M の 小 さ な エ ク ト ド メ イ ン ( 残 基 1 ∼ 40) に は 、 主 要 親 水 性 / 接 近 可
能 性 の 領 域 が ア ミ ノ 酸 の 13∼ 31の 間 、 と り わ け 、 そ の 始 ま り ( AA13∼ 16) に あ る 。
b) 二次構造の予測
図 2 は PHDプ ロ グ ラ ム に よ る プ レ − お よ び M セ グ メ ン ト の 二 次 構 造 と 接 近 可 能 性 の 予 測 を
示す。予測の結果は、多くの潜在的に抗原性の領域(図1のプロフィールによる)が、タ
ン パ ク 質 表 面 の 露 出 さ れ た 残 基 を も つ ル ー プ /b− 折 り 返 し を 形 成 す る よ う に 仕 向 け る こ と
50
(6)
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を 示 し て い る 。 タ ン パ ク 質 M の ア ミ ノ 酸 41∼ 76の 領 域 に は 経 膜 ラ セ ン の 形 成 が 予 測 さ れ 、
このことはこの領域の疎水性と調和し、Mの抗原性ペプチドが主にエクトドメイン(1∼
40) に あ る こ と を 示 唆 し て い る 。
c) デング熱タンパク質および他のフラビウイルスタンパク質のプレ−およびMのアラ
イメント。可変性およびグリコシル化。
一般に、溶媒に露出されていない領域は相同タンパク質類に大きな保存部分を有する。従
って、高次可変性領域は露出されるべき高い確率を有する。
ウイルスの場合には、可変性が免疫圧に対する逸脱メカニズムでもある;勿論、このこと
が、一部の保存領域が抗原性であること、あるいはその表面に保存領域が存在することの
可能性を排除するものではない。
10
デ ン グ 熱 ウ イ ル ス の 4 種 の 血 清 型 に お い け る 15種 分 離 株 の プ レ − お よ び M 領 域 の 配 列 に つ
い て 分 析 す る と 、 少 な く と も 69% の 残 基 が 完 全 に 保 存 さ れ て い る こ と が 分 か る 。 よ り 重 要
な 可 変 残 基 は プ レ − の 28∼ 30、 55∼ 59、 69∼ 72、 お よ び 80∼ 83位 、 な ら び に M の 27∼ 30位
にある。一般に、これらのゾーンは、図1の抗原性プロフィールの最大値に匹敵する。
30種 以 上 の フ ラ ビ ウ イ ル ス 分 離 株 で の こ れ ら 領 域 の 配 列 を 比 較 す る と 、 プ レ の 1 ∼ 33の 領
域 が 高 度 に 可 変 性 で あ り 、 ( 8 位 と 30位 に ) 挿 入 / 抑 制 に 方 向 づ け ら れ た 可 能 な ル ー プ と
N−グリコシル化の幾つかの潜在的部位をもつことが分かる。これに対し、プレ−のドメ
イ ン 33∼ 91で は 可 変 性 が 低 い ; す べ て の フ ラ ビ ウ イ ル ス に は 幾 つ か の 完 全 に 保 存 さ れ た 部
位 が あ る ; 例 え ば 、 3 つ の ジ ス ル フ ィ ド ブ リ ッ ジ を 形 成 す る 6 個 の シ ス テ イ ン 、 40∼ 65の
領 域 に お け る 少 な く と も 5 つ の 酸 残 基 、 な ら び に 塩 基 性 配 列 87∼ 91が あ っ て 、 そ の 後 で 内
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タンパク質分解切断が成熟ウイルス放出の直前またはその間に起こる(図3)。
抗 原 性 デ ン グ 熱 複 合 体 の 保 存 残 基 で あ る Asn− 69は 、 複 合 体 の プ レ M/Mタ ン パ ク 質 に お い て
唯一N−グリコシル化されている。しかし、フラビウイルス科ではこの領域が高次可変性
をもつ恐らく露出したループ内にある。同時に、他のフラビウイルスの潜在的N−グリコ
シ ル 化 部 位 ( 例 え ば 、 JE、 SLE、 MVE、 YFの AA14、 お よ び LI、 LAN、 YF TBEの AA32) に 匹 敵
す る デ ン グ 熱 ウ イ ル ス の プ レ M/M残 基 は 抗 原 性 と 考 え ら れ る ゾ ー ン に 近 接 し た b − 折 り 返
しである。
1.2. T 細 胞 エ ピ ト ー プ の 予 測
当該予測は2つの独立した方法により実施した:ロットバード−テイラーのパターン法(
Rothbard,J.B.y Taylor,W.R.,1988、 T 細 胞 エ ピ ト ー プ に 共 通 の 配 列 パ タ ー ン 。 EMBO J.7
30
、 93ペ ー ジ ) お よ び ア ル フ ァ − ヘ リ ッ ク ス 構 造 を 形 成 す る 傾 向 を も つ 断 片 の 決 定 ( AMPHI7
お よ び 11) ( マ ル ガ リ ッ ト ( Margalit,H) ら 、 1987。 免 疫 優 性 ヘ ル パ ー T 細 胞 抗 原 性 部 位
を 一 次 配 列 か ら 予 測 。 J.Immunol.138、 2213ペ ー ジ ) 。 結 果 を 図 4 に 示 す 。
1.3 関 連 エ ピ ト ー プ の 同 定 用 に 提 案 さ れ た ペ プ チ ド
一般に、中和性および防御性ペプチドの決定は、より有効なワクチン開発のために非常に
重要であり、高い抗原性を有する領域からのペプチド、とりわけ、直鎖性のものはそれら
を同定するために非常に有用である。
表 1 は ( 本 実 施 例 に 用 い た 幾 つ か の 予 測 方 法 に 従 い ) D2ウ イ ル ス プ レ M/Mタ ン パ ク 質 に つ
いて、B細胞およびT細胞エピトープをもつように仕向けた領域を含むペプチドセットを
示す。もしその予測の有効性が実験的に証明されるならば、各領域の免疫的に重要なエピ
トープが、それぞれにおいて小サイズのペプチドを設計することにより正確に置き換えら
れるだろう。
40
(7)
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実施例2 オリゴペプチドとオリゴヌクレオチドの化学合成
10
1.オ リ ゴ ペ プ チ ド の 合 成
ペ プ チ ド は 全 て 、 p − メ チ ル ベ ン ズ ヒ ド リ ル ア ミ ン 樹 脂 ( p − metyl− benzhydrilamine r
esin) ( resin MBHA,BACHEM,Switzerland) に よ っ て 、 固 相 中 で 、 Bocア プ ロ ー チ に よ っ て
合成された。
保 護 さ れ た ア ミ ノ 酸 は 、 BACHEMに よ っ て 提 供 さ れ た 。 ア ミ ノ 酸 鎖 の 反 応 性 基 の 保 護 は 、 Ar
g( Tos) 、 Asp( OBzl) 、 Cys( 4 − Me− BZL) 、 Glu( OBzl) 、 Lys( 2 − Cl− Z ) 、 Trp(
CHO) 、 Tyr( Cl2− Bzl) 、 Thr( Bzl) で あ っ た 。 Asn、 Glnお よ び Proは 、 側 鎖 を 保 護 せ ず
に使用された。
Bocア ミ ノ 保 護 基 の 脱 保 護 は 、 37.5% ト リ フ ル オ ロ 酢 酸 / ジ ク ロ ロ メ タ ン 溶 液 を 用 い て 実
施 さ れ た 。 ジ イ ソ プ ロ ピ ル カ ル ボ ジ イ ミ ド ( DIC) の in situで の 活 性 化 は 、 各 残 基 の カ ッ
20
プ リ ン グ 反 応 に 使 用 さ れ た が 、 ア ミ ノ 酸 Asnと Glnに つ い て は 、 N,N− ジ メ チ ル ホ ル ム ア ミ
ド 中 で 、 DICと 1 − ヒ ド ロ キ シ ベ ン ゾ ト リ ア ゾ ー ル を 用 い て 活 性 化 さ れ た 。
最終的な脱保護と樹脂からのペプチドの遊離は、特殊な装置で達成された。使用した手順
は 、 Low− High HFと し て 知 ら れ て い る 。
こ の 手 順 の 第 1 の 部 分 ( Low HF) の 間 、 保 護 さ れ た 樹 脂 系 は 、 HF( 25% ) :DMS( 65% ) :
p− ク レ ゾ ー ル ( 10% ) で 、 120分 間 、 0 ℃ で 処 理 さ れ た 。 該 混 合 物 は 、 Trp含 有 ペ プ チ ド
の 場 合 、 HF( 25% ) :DMS( 60% ) :EDT( 10% ) :p− ク レ ゾ ー ル ( 5 % ) に よ っ て 代 替 し た
。次に、該樹脂ペプチドを、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、2−プロパノールで数
回洗浄し、真空乾燥を行った。
こ の 手 順 の 第 2 の 部 分 ( High HF) の 間 、 該 樹 脂 ペ プ チ ド は 、 HF( 90% ) : ア ニ ソ ー ル (
30
10% ) で 、 60分 間 、 0 ℃ で 処 理 さ れ た 。
該 生 成 物 は 、 エ タ ノ ー ル で 洗 浄 さ れ 、 30% の 酢 酸 水 溶 液 で 抽 出 さ れ 、 最 後 に 凍 結 乾 燥 さ れ
た。
ペ プ チ ド は 、 BAKER C − 18( 4.6× 100mm) カ ラ ム に お け る RP− HPLCと JEOL HX− 110 HF
装 置 に お け る 電 離 方 法 と し て FAB( 高 速 原 子 衝 撃 ) を 使 用 す る 質 量 分 析 に よ り 特 徴 づ け た
。
ア ミ ノ 酸 配 列 お よ び そ の デ ン グ 熱 ウ ィ ル ス の プ レ M/Mタ ン パ ク 質 中 で の 位 置 が 表 1 に 示 さ
れている。
2.2. オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 合 成
オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド は 、 ホ ス ホ ル ア ミ ド 法 に 従 っ て 、 Gene Assmbler Plus装 置 で 自 動 合 成
された。
6つのオリゴヌクレオチドの配列を表2に示す。
そ の 後 の 操 作 の た め に 各 端 に 作 成 さ れ た Xba Iお よ び EcoR I部 位 は 、 そ れ ぞ れ 一 重 お よ び
二重の下線が引かれている。コードされるタンパク質のリーディングフレームは3塩基コ
ドンによって示されている。
40
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実施例3 担体タンパク質へのペプチドの合成、および免疫方法
3.1 ペ プ チ ド の BSAへ の 結 合
10
ペプチドの結合は以下の方法でおこなわれた。
1. BSAの 活 性 化 : ウ シ ア ル ブ ミ ン 分 画 V ( BSA) 2.8mgを PBS250μ l に 溶 解 し た 溶 液 に 、
ジ メ チ ル ホ ル ム ア ミ ド に 溶 解 し た 5 μ g/μ l 濃 度 の m − マ レ イ ミ ド ベ ン ゾ イ ル − N − ヒ ド
ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド エ ス テ ル の 溶 液 80μ l を 一 滴 ず つ 攪 拌 し て 加 え た 。 室 温 で 30分 間 か
き 混 ぜ て 、 PD10カ ラ ム に 混 合 物 を 通 し た 。
2. ペ プ チ ド の 活 性 化 BSAへ の カ ッ プ リ ン グ :1mgの ペ プ チ ド が 300mlの PBSに 溶 解 し た 溶 解
液 を 、 振 と う し な が ら 、 活 性 化 BSA溶 液 に 1 滴 ず つ 加 え た 。 そ れ を 室 温 で 3 時 間 放 置 し 、
ロ ー リ ー ( Lowry) 法 に よ っ て 濃 度 を 測 定 し た 。
3.2 免 疫 方 法
BSAに 結 合 さ せ た ペ プ チ ド の 免 疫 方 法 は 以 下 の 通 り で あ る 。
20
4 ∼ 6 週 齢 の 雄 性 バ ル ブ シ ー マ ウ ス を 、 50mgの ペ プ チ ド − BSA複 合 体 を 用 い て 腹 膜 腔 内 免
疫 し た 。 さ ら に 、 BSAお よ び PBSを そ れ ぞ れ 用 い た 、 2 つ の 免 疫 方 法 を 行 っ た 。 全 体 と し て
4 回 の 接 種 を 、 そ れ ぞ れ 15日 間 の 間 隔 を 空 け て 行 っ た 。 最 初 の 投 与 に は フ ロ イ ン ト ( Freu
nd) の コ ン プ リ ー ト ア ジ ュ バ ン ト を 用 い 、 そ の 他 の 投 与 に は フ ロ イ ン ト ( Freund) の イ ン
コンプリートアジュバントを用いた。最後の接種から7日後に、血液試料をレトロ−オー
ビ タ ル ( retro− orbital) 静 脈 か ら 採 取 し た 。
各 方 法 で 得 ら れ た 血 清 を 、 後 で 用 い る た め に − 20℃ で 保 存 し た 。
実 施 例 4 in vitroプ ラ ー ク 減 少 中 和 試 験 ( PRNT)
中 和 は 、 モ ー レ ン ス ( Morens) ( Morens,D.M.et al.,1905,BHK− 21細 胞 中 に お け る セ ミ ミ
クロ法によるデング熱ウイルスの簡単なプラーク減少中和アッセイ:標準的なプラーク減
30
少 中 和 と の BHK懸 濁 試 験 の 比 較 J.Clin.Microbiol.22 p.250) に 従 っ て 行 っ た 。
抗 ペ プ チ ド 血 清 お よ び 抗 BSAコ ン ト ロ ー ル お よ び ネ ガ テ ィ ブ 血 清 の 、 10∼ 640倍 希 釈 液 を 調
製 し た 。 各 血 清 の 希 釈 液 と 15∼ 20PFU/50mlの 、 ウ イ ル ス ( デ ン グ 熱 2 の 株 A15) の 希 釈 液
とを合わせた。
そ の 混 合 物 を 、 37℃ で 1 時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 総 量 50mlの 各 混 合 物 を 、 24ウ エ ル の プ
レ ー ト 中 の BHK− 21細 胞 に 対 し て 3 倍 の 量 で 加 え 、 そ れ ら を CO 2 イ ン キ ュ ベ ー タ 中 で 、 37℃
で 4 時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 次 に 、 0.5mlの カ ル ボ キ シ メ チ ル セ ル ロ ー ス を 含 有 す る 培
地を加え、それを、用いたウイルス性の血清型を考慮して、さらに数日間インキュベート
した。その後、染色と、ウイルスによって産生された、溶解したプラークの計数とを行っ
た。
40
ど の 場 合 に お い て も 、 力 価 は 50% の プ ラ ー ク 数 の 減 少 が 観 測 さ れ る 希 釈 度 と し て 表 し た 。
結果を表3に示す。
実施例5 T細胞エピトープの単離
プレMのペプチドにおけるT細胞エピトープの存在は、免疫されたマウスの遊離ペプチド
50
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(非結合)から引き出された抗ペプチド抗体の反応の研究を通して調べられた。壮年期の
動物は、実験を受けたことのない動物と比較して、抗原のブースター量に反応して高い血
清抗体生成を示した。これらの結果は、これらのペプチドにおけるB細胞エピトープの存
在 を 実 証 し 、 ま た こ れ ら の 配 列 が T 細 胞 エ ピ ト ー プ を 含 み 、 in vivoで の Th活 性 を 刺 激 し
て、抗体反応の力価を向上させることができることを示す。
脾 臓 T リ ン パ 球 の ウ イ ル ス 特 異 的 増 殖 反 応 は 、 ペ プ チ ド 免 疫 さ れ た BALB/cマ ウ ス に お い て
実 証 さ れ た 。 19− 6 と 19− 5 の 免 疫 さ れ た マ ウ ス か ら の T 細 胞 は 、 デ ン グ 熱 2 ウ イ ル ス と
培 養 さ れ た 場 合 、 in vitro幼 若 化 ア ッ セ イ に お い て 増 殖 し た 。 し か し な が ら 、 20− 2 ペ プ
チドは、ウイルスに対して有為な増殖応答を引き起こさなかった。それは、遊離した形の
ペプチドにおいて認められるが、免疫優性のエピトープの提示および自然感染でのウイル
10
スのプロセシングの結果においては認められないため、T細胞クリプティックエピトープ
が含まれると思われた。
実施例6 保護アッセイ
マ ウ ス は 、 生 の 、 マ ウ ス に 適 合 し た デ ン グ 熱 2 ウ イ ル ス ( 株 A15) の 2500倍 の 希 釈 液 で の
頭蓋内注射による最後の免疫の、7日間後から試験した。病的状態および死亡率について
、 マ ウ ス を 21日 間 ま で 観 察 し た 。 デ ー タ を 、 フ ィ ッ シ ャ ー ( Fisher) の 試 験 を 用 い て 統 計
上の有意性についてテストした。ペプチド免疫された動物およびコントロールの動物にお
け る 生 存 百 分 率 を 図 6 に 示 す 。 ペ プ チ ド 19− 5,19− 6 お よ び 20− 1 に 対 し て 誘 導 さ れ た 保
護 の レ ベ ル は 、 統 計 上 有 意 で あ る ( p < 0.05) 。
実 施 例 7 抗 ペ プ チ ド 抗 体 を 検 出 す る た め の 間 接 ELISA
20
ヒト血清:
ペ プ チ ド 19− 6,20− 1,20− 2,20− 3 を 、 コ ー テ ィ ン グ バ ッ フ ァ ー 中 10mg/mlの 濃 度 で プ レ
ー ト に 固 定 し 、 そ れ を 4 ℃ で 一 晩 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 PBS− Tween20中 200倍 に 希 釈 さ れ
た血清を加えた。最後に、全ヒト/ペルオキシダーゼ抗免疫グロブリン複合体を加え、続
い て 、 基 質 ( オ ル ト フ ェ ニ レ ン ジ ア ミ ン 、 H 2 O 2 、 0.05Mリ ン 酸 ク エ ン 酸 緩 衝 液 、 pH5) を 加
え た 。 読 取 は 、 ELISA読 取 装 置 に お い て 492nmに て 行 い 、 各 ペ プ チ ド の カ ッ ト オ フ 値 が 測 定
された。
使 用 さ れ た 血 清 は 、 全 て の 抗 デ ン グ 熱 抗 体 に つ い て 、 血 球 凝 集 阻 止 実 験 ( Clarke,D.H.y C
asals,J.1958.節 足 動 物 媒 介 ウ イ ル ス を 用 い た 血 球 凝 集 実 験 お よ び 血 球 凝 集 阻 止 実 験 Am.J.
Trop.Med.Hyg.7 p.561) と 阻 止 の ELISA( Vazquez,S.,Fernandez,R.1989.Utilizacion de
30
un metodo de ELISA de Inhibicion en el diagnostico serologico de dengue.Rev.Cub.
Med.Trop.41( 1 ) p18− 26) に よ っ て 血 清 学 的 に デ ン グ 熱 と 診 断 さ れ た ウ イ ル ス に 臨 床 感
染している被験者由来であった。
1981年 キ ュ ー バ 、 1994年 パ ナ マ 、 お よ び 1994年 コ ス タ リ カ で 発 生 し た 流 行 病 の 患 者 か ら の
118の 血 清 を 調 べ た 。 コ ス タ リ カ で の 血 清 型 1 お よ び 4 に 加 え て 、 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 2 が
、これらの流行病において単離され、それらは、血球凝集阻止の阻止抗体の力価に従って
、初感染および2次感染の症例に分類された。
血 清 の 46.6% は 、 使 用 さ れ た 4 ペ プ チ ド に 対 し て 陽 性 で あ っ た 。 ペ プ チ ド B 19− 6 、 20
− 1 、 20− 2 、 お よ び 20− 3 に 対 す る 陽 性 率 56.8% 、 79.6% 、 77.1% 、 お よ び 83.1% が そ
れぞれ得られた。
40
各ペプチドについて、試料/カットオフ値の光学濃度値で計算された反応指数の平均値は
、 そ れ ぞ れ 1.07、 1.52、 1.57、 お よ び 1.49で あ っ た 。
マウスの血清:
使 用 さ れ た 間 接 ELISAは 、 上 述 の よ う で あ っ た が 、 ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ に 接 合 し た 抗 マ ウ ス I
gを 使 用 し た 。 抗 ペ プ チ ド 血 清 中 で 得 ら れ た 抗 体 の 力 価 は 、 概 し て 1/10000以 上 で あ っ た 。
実 施 例 8 Neisseria meningtidisの P64kタ ン パ ク 質 中 へ の プ レ M/M断 片 の 挿 入
本 実 施 例 に お い て は 、 デ ン グ 熱 2 ( A15株 ) お よ び デ ン グ 熱 4 ( 814669株 ) の プ レ タ ン パ
ク 質 の 断 片 を 、 我 々 の グ ル ー プ に お い て 以 前 に キ ャ ラ ク タ リ ゼ ー シ ョ ン を 行 っ た N.mening
tidisタ ン パ ク 質 ( Silva,R.et al.1992.Neisseria meningitidis由 来 の 外 膜 タ ン パ ク 質 を
コ ー ド す る 塩 基 配 列 お よ び ワ ク チ ン 調 製 に お け る 該 タ ン パ ク 質 の 用 途 。 欧 州 特 許 第 047431
50
(10)
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3号 、 1997年 ) 、 す な わ ち P64kタ ン パ ク 質 に 挿 入 し て 発 現 さ せ た ( Zhao,B.et al.1986.タ
イ プ 4 デ ン グ 熱 ウ ィ ル ス の 全 長 DNA配 列 の ク ロ ー ニ ン グ 。 構 造 タ ン パ ク 質 を コ ー ド す る 遺
伝 子 の 解 析 。 Virol.155 p.77) 。 前 記 P64kは 、 い く つ か の 動 物 モ デ ル に お い て 高 い 免 疫 原
性 を 示 し た 。 そ の う え 、 大 腸 菌 ( E.coli) に お け る P64kの 発 現 レ ベ ル は 、 菌 体 の 全 タ ン パ
ク 質 の 30% を 越 え る 。
P64kタ ン パ ク 質 ( 64kDa) は 2 量 体 を 形 成 す る 性 質 を 有 し 、 そ れ ぞ れ の サ ブ ユ ニ ッ ト 内 に
2 つ の 機 能 性 ド メ イ ン を 有 す る 。 一 方 の ド メ イ ン ( 1 ∼ 100) は 、 リ ポ 酸 結 合 活 性 を 有 し
、 他 方 の ド メ イ ン ( 117∼ 594) は 、 リ ポ ア ミ ド − デ ヒ ド ロ ゲ ナ ー ゼ 活 性 を 有 す る 。 い ず れ
のドメインも、X線結晶構造解析によって、相互に独立した配座ドメインであると同定さ
れ て い る ( Li de laSierra,I.et al.1994.,Neisseria meningitidis由 来 の 組 換 え 型 外 膜
10
タ ン パ ク 質 の 結 晶 化 と 予 備 的 X 線 調 査 。 J.Mol.Biol.235 p.1154、 お よ び 、 Neisseria men
ingitidis由 来 の 表 面 抗 原 の リ ポ ア ミ ド デ ヒ ド ロ ゲ ナ ー ゼ ド メ イ ン の 分 子 構 造 。 J.Mol.Bio
l.269 p.129) 。
プ レ M/Mタ ン パ ク 質 の 断 片 1 ∼ 42お よ び 断 片 92∼ 133の 挿 入 を 行 う に あ た っ て 、 前 記 一 方 の
ド メ イ ン ( ア ミ ノ 酸 位 置 45に お い て ) を 選 択 し た 。 と い う の も 、 こ の 小 さ な ド メ イ ン は 露
出度がより高く、2量体形成に関与していないと考えられるためである。このことは、天
然 の P64kに 対 す る キ メ ラ タ ン パ ク 質 の 全 体 構 造 の 変 化 が 、 挿 入 部 位 を 2 量 体 の 形 成 に 直 接
関 与 す る ド メ イ ン 117∼ 594に 選 ん だ 場 合 よ り も 、 小 さ い こ と を 示 唆 し た 。
融 合 タ ン パ ク 質 の 産 生 に 使 用 さ れ る P64k遺 伝 子 の 、 リ ポ 酸 結 合 領 域 を 含 む 、 ア ミ ノ 酸 44∼
53( TLETDKATMD) を コ ー ド す る 領 域 を 、 予 め TLDLEMDに 改 変 し て お い た 。 こ の 改 変 は 、 原
20
発 性 肝 硬 変 を 有 す る 患 者 の 血 清 に よ っ て P64kが 認 識 さ れ る こ と を 阻 止 す る た め に 行 っ た も
のであり、これらの患者は、ヒトジヒドロリポアミドアセチル基転移酵素ミトコンドリア
内 に 存 在 す る 相 同 エ ピ ト ー プ に 対 す る 自 己 抗 体 を 有 す る ( Tuaillon,N.et al.1992.原 発 性
胆 汁 性 肝 硬 変 内 の 抗 M2自 己 抗 体 に よ っ て 特 異 的 に 認 識 さ れ る ジ ヒ ド ロ リ ポ ア ミ ド ア セ チ ル
基 転 移 酵 素 の リ ポ イ ル 合 成 オ ク ト デ カ ペ プ チ ド 。 J.Immunol.148 p.445)
2つのクローンを作製するための戦略を以下に説明する。
断 片 Pre− 2 、 M − 2 、 お よ び M − 4 は 、 そ れ ぞ れ 、 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 1 と 2 、 3 と 4
、 お よ び 5 と 6 を 用 い ( 図 2 を 参 照 ) 、 鋳 型 と し て pD− 5 プ ラ ス ミ ド を 用 い て 、 鎖 長 延 長
反 応 に よ っ て 増 幅 し た 。 こ の pD− 5 プ ラ ス ミ ド は 、 p ブ ル ー ス ク リ プ ト ( pBluescript)
ベ ク タ ー ( stratagene) 中 に ク ロ ー ン 化 さ れ た デ ン グ 熱 2 ウ ィ ル ス ( A − 15株 ) 由 来 の プ
30
レ M/M遺 伝 子 の コ ピ ー を 含 む 。 そ れ ぞ れ の 場 合 で 得 ら れ た DNAバ ン ド ( 120bp) を 、 Xba I(
Pre− 2 お よ び M − 2 ) ま た は Xba I/EcoR I( M − 4 ) に よ っ て 消 化 し 、 ベ ク タ ー pM− 92
に ク ロ ー ン 化 さ れ た P64k遺 伝 子 の 135∼ 145位 に 人 工 的 に 作 成 さ れ た 対 応 部 位 に 、 ク ロ ー ン
化 し た 。 さ ら に 、 三 種 連 結 反 応 に よ り 、 前 記 Xba Iお よ び EcoR I部 位 内 に M − 2 お よ び M
−4バンドを含むキメラクローンを作製した。順方向の挿入箇所を有する組換え型クロー
ン は 、 制 限 酵 素 分 析 お よ び DNA配 列 決 定 に よ っ て 同 定 し た 。
Pre− 2 ( pD31) 、 M − 2 ( pD30) 、 M − 2/M− 4 ( pD33) お よ び M − 4 ( pD34) の ク ロ ー
ン に よ っ て 産 生 さ れ る 融 合 タ ン パ ク 質 を 、 ト リ プ ト フ ァ ン オ ペ ロ ン ( ptrp) の プ ロ モ ー タ
-
+
作 用 下 に 、 大 腸 菌 MM294株 ( F − endA1 hasdR17( r k m k ) supE44 thi− 1 relAl? RfbD1?
SpoT1?) 内 で 発 現 さ せ た 。 す べ て の 場 合 に つ い て 、 予 想 ど お り の サ イ ズ の タ ン パ ク 質 が 得
40
ら れ 、 そ れ ら の 発 現 レ ベ ル は 、 細 菌 の 全 タ ン パ ク 質 の 30% に 達 し た が 、 PD31タ ン パ ク 質 は
非 常 に 不 安 定 で あ っ た ( 図 7 ) 。 す べ て の 融 合 タ ン パ ク 質 は 、 ELISA( 図 示 せ ず ) お よ び
ウ ェ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ ( 図 8 ) に お い て 、 い く つ か の 抗 P64kマ ウ ス モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗
体によって認識され、全細胞抽出液中においては顕著な分解が認められた。これらのタン
パク質のアミノ酸配列は、配列リストに示した。
非 変 性 プ ロ ト コ ー ル に よ っ て 粗 精 製 し た PD33お よ び PD34融 合 タ ン パ ク 質 に よ る マ ウ ス 免 疫
化 の 結 果 、 ELISAに お い て こ れ ら の タ ン パ ク 質 に 対 す る 高 い 力 価 ( 1/100000) が 認 め ら れ
、 同 時 に ELISAに お い て 1/4000の 力 価 を 有 す る 合 成 ペ プ チ ド に 対 す る 抗 体 が 得 ら れ た 。
図面の説明
図 1.デ ン グ 熱 ウ ィ ル ス の プ レ タ ン パ ク 質 ( A ) お よ び M タ ン パ ク 質 ( B ) の 、 疎 水 性 、 接
50
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近可能性、および、たわみ(フレキシビリティ)プロファイル。
図 2.プ レ タ ン パ ク 質 ( A ) お よ び M タ ン パ ク 質 ( B ) の 2 次 構 造 お よ び 接 近 可 能 性 予 測 。
AA:ア ミ ノ 酸 、 PHD sec:2次 構 造 予 測 ( E = ベ ー タ 、 H = ヘ リ ッ ク ス 、 L = ル ー プ ) 、 P −
3 acc:接 近 可 能 性 予 測 ( e = 露 出 、 b = 非 露 出 ) 、 Sub sec( Subacc) :2次 構 造 ( 接 近 可
能 性 ) 予 測 が 82.4% ( 70% ) 有 効 で あ る 残 基 。
図 3.プ レ タ ン パ ク 質 お よ び M タ ン パ ク 質 の 可 変 性 プ ロ フ ァ イ ル 。 可 変 性 は 、 3 組 の フ ラ ビ
ウ ィ ル ス 配 列 を 考 慮 し て 算 出 し た 。 Dengue:15の デ ン グ 熱 単 離 体 の 配 列 、 MBV:デ ン グ 熱 ウ
ィ ル ス を 保 有 す る 蚊 に よ っ て 伝 達 さ れ た フ ラ ビ ウ ィ ル ス 配 列 ( Kunjin,West Nile Virus,M
urray Valley Encephalitis and Sait Louis Encephalitis) 、 Flavivirus:30よ り 多 く の
異 な る フ ラ ビ ウ ィ ル ス 単 離 体 の 配 列 ( MBV+ 黄 熱 病 ( FA) 、 Langat( LAN) 、 Louping I11
10
( L1) 、 ダ ニ 媒 介 脳 炎 ( ETG) )
図 4.プ レ タ ン パ ク 質 ( A ) お よ び M タ ン パ ク 質 ( B ) の T 細 胞 エ ピ ト ー プ の 予 測 。 AMPHI
7( 11) :7( 11) 残 基 の 両 親 媒 性 セ グ メ ン ト の 予 測 で あ り 、 両 親 媒 性 ブ ロ ッ ク の 中 央 の ア
ミ ノ 酸 残 基 ( + 印 を 付 し た ) が 潜 在 的 に 抗 原 性 を 有 す る 。 RT4( 5 ) :4( 5 ) 残 基 の 抗 原
プロファイルの予測であり、+印を付した残基はプロファイルを満たす残基である。
図 5.ペ プ チ ド 19− 6,19− 5 お よ び 20− 2 に よ っ て 免 疫 化 さ れ た マ ウ ス の 脾 臓 T 細 胞 の デ ン
グ 熱 ウ ィ ル ス 抗 原 ( 濃 度 :10,20,お よ び 40μ g/ml) に 対 す る 増 殖 応 答 で あ る 。
図 6.ペ プ チ ド に よ っ て 免 疫 化 さ れ た マ ウ ス お よ び 対 照 の マ ウ ス の 生 存 百 分 率 。 ペ プ チ ド 19
− 5,19− 6 お よ び 20− 1 に 対 し て 誘 導 さ れ た 防 御 の レ ベ ル は 統 計 上 有 意 で あ っ た 。
図 7.融 合 タ ン パ ク 質 お よ び P64kタ ン パ ク 質 ( プ ラ ス ミ ド pM− 92) に よ っ て 形 質 転 換 し た 大
20
腸 菌 MM294株 の 10% SDS− PAGEで あ る 。 レ ー ン 1:形 質 転 換 さ れ て い な い MM294株 、 レ ー ン 2:p
M− 92/MM294、 レ ー ン 3:pD− 30/MM294、 レ ー ン 4:pD− 31/MM294、 レ ー ン 5:pD− 33/MM294、
レ ー ン 6:pD− 34/MM294。
図 8.融 合 タ ン パ ク 質 お よ び P64kタ ン パ ク 質 ( pM− 92プ ラ ス ミ ド ) で 形 質 転 換 し た 大 腸 菌 MM
294株 の AcM114を 用 い た ウ ェ ス タ ン ブ ロ ッ ト 。 レ ー ン 1:形 質 転 換 さ れ て い な い MM294株 、 レ
ー ン 2:pM− 92/MM294、 レ ー ン 3:pD− 30/MM294、 レ ー ン 4:pD− 31/MM294、 レ ー ン 5:pD− 33/M
M294、 レ ー ン 6:pD− 34/MM294。
配列表
(1)一般情報:
(i)出願人:
30
(A)名前:セントロ デ インヘニエリア ヘネティカ イ ビオテクノロヒア
( B ) 通 り : プ ラ ヤ ア ベ ニ ダ 31 エ ン ト レ 158 イ 190
(C)都市:ハバナ
(E)国:キューバ
( F ) 郵 便 番 号 ( ZIP) :10600
( G ) 電 話 :53 7 218466
( H ) フ ァ ッ ク ス :53 7 218070/336008
(A)名前:インスティトゥト デ メディシナ トロピカル“ペドロ コウリ”
(B)通り:ラ リサ アウトピスタ ノビア デル メディオディア キロメトロ 6
(C)都市:ハバナ
40
(E)国:キューバ
( F ) 郵 便 番 号 ( ZIP) :11100
( G ) 電 話 :53 7 220633
( H ) フ ァ ッ ク ス :53 7 335061
( ii) 発 明 の 名 称 : デ ン グ 熱 ウ イ ル ス の プ レ M/Mエ ピ ト ー プ 、 合 成 ペ プ チ ド 、 キ メ ラ タ ン
パク質およびその用途
( iii) 配 列 の 数 :9
( iv) コ ン ピ ュ ー タ 可 読 形 式 :
(A)媒体タイプ:フロッピディスク
( B ) コ ン ピ ュ ー タ :IBM PC コ ン パ ー チ ブ ル
50
(12)
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( C ) オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム :PC− DOS/MS− DOS
( D ) ソ フ ト ウ ェ ア : パ テ ン ト ・ イ ン ・ リ リ ー ス ( PatentIn Release) # 1.0,バ ー ジ ョ ン
# 1,30( EPO)
( vi) 先 の 出 願 デ ー タ :
( A ) 出 願 番 号 :CU 13/97
( B ) 出 願 日 :1997年 1 月 15日
( 2 ) SEQ ID NO:1に 関 す る 情 報 :
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ :29ア ミ ノ 酸
(B)タイプ:アミノ酸
10
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 配 列 の 型 : ペ プ チ ド
( iii) ハ イ ポ セ テ ィ カ ル :YES
( iv) ア ン チ セ ン ス :NO
(v)フラグメント型:中間部フラグメント
( vi) 起 源 :
(A)生物名:デング熱ウイルス
(B)株名:デング熱−2
( C ) 個 体 ・ 単 離 ク ロ ー ン 名 :A− 15
20
( xi) 配 列 :SEQ ID NO:1:
( 2 ) SEQ ID NO:2に 関 す る 情 報 :
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ :23ア ミ ノ 酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:
30
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 配 列 の 型 : ペ プ チ ド
( iii) ハ イ ポ セ テ ィ カ ル :YES
( iv) ア ン チ セ ン ス :NO
(v)フラグメント型:中間部フラグメント
( vi) 起 源 :
(A)生物名:デング熱ウイルス
(B)株名:デング熱−2
( C ) 個 体 ・ 単 離 ク ロ ー ン 名 :A− 15
( xi) 配 列 :SEQ ID NO:2:
40
( 2 ) SEQ ID NO:3に 関 す る 情 報 :
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ :36ア ミ ノ 酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
50
(13)
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( ii) 配 列 の 型 : ペ プ チ ド
( iii) ハ イ ポ セ テ ィ カ ル :YES
( iv) ア ン チ セ ン ス :NO
(v)フラグメント型:中間部フラグメント
( vi) 起 源 :
(A)生物名:デング熱ウイルス
(B)株名:デング熱−2
( C ) 個 体 ・ 単 離 ク ロ ー ン 名 :A− 15
( xi) 配 列 :SEQ ID NO:3:
10
( 2 ) SEQ ID NO:4に 関 す る 情 報 :
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ :25ア ミ ノ 酸
(B)タイプ:アミノ酸
20
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 配 列 の 型 : ペ プ チ ド
( iii) ハ イ ポ セ テ ィ カ ル :YES
( iv) ア ン チ セ ン ス :NO
(v)フラグメント型:中間部フラグメント
( vi) 起 源 :
(A)生物名:デング熱ウイルス
(B)株名:デング熱−2
( C ) 個 体 ・ 単 離 ク ロ ー ン 名 :A− 15
30
( xi) 配 列 :SEQ ID NO:4:
( 2 ) SEQ ID NO:5に 関 す る 情 報 :
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ :22ア ミ ノ 酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:
40
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 配 列 の 型 : ペ プ チ ド
( iii) ハ イ ポ セ テ ィ カ ル :YES
( iv) ア ン チ セ ン ス :NO
(v)フラグメント型:中間部フラグメント
( vi) 起 源 :
(A)生物名:デング熱ウイルス
(B)株名:デング熱−2
( C ) 個 体 ・ 単 離 ク ロ ー ン 名 :A− 15
( xi) 配 列 :SEQ ID NO:5:
50
(14)
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( 2 ) SEQ ID NO:6に 関 す る 情 報 :
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ :635ア ミ ノ 酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:
10
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 配 列 の 型 : タ ン パ ク 質
( iii) ハ イ ポ セ テ ィ カ ル :YES
( iv) ア ン チ セ ン ス :NO
( vi) 起 源 :
(A)生物名:融合タンパク質
( vii) 直 接 の 起 源 :
( B ) ク ロ ー ン 名 :PD31
( xi) 配 列 :SEQ ID NO:6:
20
30
40
(15)
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10
20
30
40
(16)
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10
( 2 ) SEQ ID NO:7に 関 す る 情 報 :
(i)配列の特徴:
20
( A ) 長 さ :635ア ミ ノ 酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 配 列 の 型 : タ ン パ ク 質
( iii) ハ イ ポ セ テ ィ カ ル :YES
( iv) ア ン チ セ ン ス :NO
( vi) 起 源 :
(A)生物名:融合タンパク質
( vii) 直 接 の 起 源 :
( B ) ク ロ ー ン 名 :PD30
( xi) 配 列 :SEQ ID NO:7:
30
(17)
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10
20
30
40
(18)
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10
20
30
( 2 ) SEQ ID NO:8に 関 す る 情 報 :
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ :677ア ミ ノ 酸
40
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 配 列 の 型 : タ ン パ ク 質
( iii) ハ イ ポ セ テ ィ カ ル :YES
( iv) ア ン チ セ ン ス :NO
( vi) 起 源 :
(A)生物名:融合タンパク質
( vii) 直 接 の 起 源 :
( B ) ク ロ ー ン 名 :PD34
50
(19)
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( xi) 配 列 :SEQ ID NO:8:
10
20
30
(20)
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10
20
30
40
(21)
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10
20
( 2 ) SEQ ID NO:9に 関 す る 情 報 :
(i)配列の特徴:
( A ) 長 さ :635ア ミ ノ 酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
( ii) 配 列 の 型 : タ ン パ ク 質
( iii) ハ イ ポ セ テ ィ カ ル :YES
( iv) ア ン チ セ ン ス :NO
( vi) 起 源 :
(A)生物名:融合タンパク質
( vii) 直 接 の 起 源 :
( B ) ク ロ ー ン 名 :PD33
( xi) 配 列 :SEQ ID NO:9:
30
(22)
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30
40
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20
30
(24)
【図7】
【図1】
【図2】
【図3】
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(25)
【図8】
【図5】
【図6】
【図4】
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(26)
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フロントページの続き
7
(51)Int.Cl.
FI
C12N 15/09
A61K 37/02
// A61K 39/12
A61K 39/12
(74)代理人
弁理士 杉山 毅至
(74)代理人
弁理士 廣瀬 峰太郎
(74)代理人
弁理士 竹内 三喜夫
(72)発明者 バスケス ラムド,スサーナ
キューバ国 11500 ハバナ市 ラ リサ レパルト フラガ アベニダ 31 # 316
07 エントレ 316 イ 318
(72)発明者 グスマン ティラド,グアダルペ
キューバ国 11300 ハバナ市 プラヤ カジェ 28 #116 エ/プリメーラ イ テ
ルセラ
(72)発明者 ギジェン ニエト,ヘラルド エンリケ
キューバ国 10400 ハバナ市 プラサ ベダド リネア ヌメロ 6 エ/エネ イ オ アパルタメント 4
(72)発明者 パルド ラソ,オルランド ルイス
キューバ国 10700 ハバナ市 10 デ オクトゥブレ ラウトン % ベアレス イ 1
1 フォントス #125
(72)発明者 チネア サンティアゴ,グライ
キューバ国 10600 ハバナ市 プラヤ % 31 イ 33 カジェ 186 #3115
アパルタメント 4セー
(72)発明者 ペレス ディアス,アナ ベアトリス
キューバ国 10400 ハバナ市 プラサ ベダド カジェ ヘー #301 エントレ 13
イ 15
(72)発明者 プポ アントゥネス,マリッサ
キューバ国 11000 ハバナ市 サン ミゲル デル パドロン バリオ オブレロ カジェ
メルカド #14511 エ/テルセラ イ フィナル
(72)発明者 ロドリゲス ロチェ,ロスマリ
キューバ国 32400 ラバナ バウタ レパルト アリグアナボ エディフィシオ 6 アパ
ルタメント 18
(72)発明者 レイエス アコスタ,オスバルト
キューバ国 10700 ハバナ市 10 デ オクトゥブレ ラウトン % サン ラサロイ サン アナスタスィオ カルメン #54
(72)発明者 ガライ ペレス,イルダ エリサ
キューバ国 ハバナ市 アバナ デル エステ コヒマル % イ イ アチェ カジェ 26 #8408
(72)発明者 パドロン パロマレス,ガブリエル
キューバ国 10600 ハバナ市 プラヤ アベニダ 31 #18207 エ/182 イ 184
(72)発明者 アルバレス ベラ,マイリン
キューバ国 10700 ハバナ市 10 デ オクトゥブレ ルヤノ カジェ ペレス #20
8 エ/ルイス イ ビジャヌエバ
(72)発明者 モリエル ディアス,ルイス
キューバ国 11900 ハバナ市 アロヨ ナランホ カジェ プリメーラ ヌメロ 5 エ/
(27)
JP 3647048 B2 2005.5.11
2 イ 4 レパルト アルカサル
(72)発明者 ペレス インスイタ,オマイダ
キューバ国 11500 ハバナ市 ラ リサ カジェ 310 #2938 エ/29 イ 3
1 レパルト “フラガ”
(72)発明者 ペレグリノ マルティネス デ ラ コテラ,ホセ ルイス
キューバ国 11500 ハバナ市 ラ リサ カジェ 310 ヌメロ 2934 エ/29 イ 31 レパルト “フラガ”
審査官 阪野 誠司
(56)参考文献 Virology, 1991年,Vol.185, pp.505-8
The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene, 1989年,Vol.41 (5), pp.57680
Gene, 1989年,Vol.75, pp.197-211
Virology, 1986年,Vol.155, pp.77-88
Journal of General Virology, 1988年,Vol.69, pp.1391-8
7
(58)調査した分野(Int.Cl. ,DB名)
C07K 14/00 - 16/46
C12N 15/00 - 90
EUROPAT(QUESTEL)
PubMed
BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN)
JICSTファイル(JOIS)
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