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数学Ⅰ・A

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数学Ⅰ・A
第 2 回 4月センター試験本番レベル模試[数学Ⅰ・A]講評
数学Ⅰ・A
公式や基本事項を確実におさえ、応用問題で点が取れるようになろう。
Ⅰ.全体講評
Ⅱ.設問別分析
数学Ⅰ・A の出来はどうだったろうか。センター
0
試験本番レベル模試は 2013 年度センター試験の問
題レベルに合わせて出題されている。入試本番レベ
ルの問題は、現段階では難しいと感じた人も多いだ
ろうが、今後の自分の努力が次のセンター試験本番
レベル模試での得点の伸びとなってそのまま表れる
ようになっている。次回の第 3 回 6 月センター試験
本番レベル模試(6 月 16 日(日)実施)も必ず受
験し、目標得点を達成してほしい。今回の結果を受
け、次のセンター試験本番レベル模試に向けてやる
大問別得点率(%)
20
40
60
80
第 1 問〔1〕
74.2
60.7
第 1 問〔2〕
55.7
第2問
第3問
第4問
100
37.9
47.9
べきことは、当然一人ひとり違うはずだ。得点が
40 点の人と 70 点の人ではやるべきことが異なって
くるし、またたとえ得点が同じでも間違えた問題に
第 1 問〔1〕
「方程式と不等式」の得点率が 70%
よって勉強の仕方は違ってくる。この講評で、今回
を超え、第 3 問「図形と計量、平面図形」は得点
の結果の分析データをもとにして、ポイントとなる
率が 30% 台となった。センター試験数学は、前の
設問ごとの学習アドバイスを掲載した。まずは今回
設問の答えをもとに問題を解く流れになっている。
のセンター試験本番レベル模試の問題と解答解説冊
自分がどこで躓いたのかを明確にし、出来なかった
子を手に、自分がどの設問まで到達したのかを把握
ところは必ず復習をすること。
しながらこの講評を読み進めよう。その後、自分の
プランにあった学習方法を合格指導解説授業で学び
第 1 問〔1〕 方程式と不等式(10 点)
取ろう。
得点分布 数学Ⅰ・A
30
平均 50.7%
25
受 20
験
者
数
の 15
割
合
(%)10
正答率 84.7%
5
正答率 66.6%
満点
90
∼
80
∼
70
∼
60
∼
50
∼
40
∼
30
∼
20
∼
10
∼
0∼
0
得点率(%)
/4
第 2 回 4月センター試験本番レベル模試[数学Ⅰ・A]講評
数の大きさの評価の考え方を理解しよう。
絶対値記号を含む連立方程式を解くことができる
対偶を利用して命題の真偽を調べる考え方を
身につけよう。
か、および無理数の数の大小評価ができるかどうか
命題の対偶について正確に理解できているか、お
をみる問題である。平均点は 7.4 点(得点率 74.2%)
よび対偶を用いて必要条件・十分条件を判定できる
であった。
かを問う問題である。平均点は 6.1 点(得点率 60.7
設問ア~コは、誘導に従って絶対値記号をはずし
%)であった。
連立方程式の解を求める問題。求めた解が絶対値を
⑴は集合 B の要素を具体的に書き出して調べれ
はずしたときの条件を満たしているか必ず確認を行
ばよい。本問で扱っているのは有限集合であり、要
うこと。設問サは、無理数の整数部分に関する問
素の個数がそれほど多くない場合は、直接書き出し
題。値の大きさを評価する場合は、誤差がなるべく
た方が速い。
小さくなるようにすることが基本である。2√ ̄
3の
⑵設問チ、ツは、命題の対偶を答える問題。対偶
大きさを評価するとき、√3 ̄ の大きさを評価して全
の定義とド・モルガンの法則を理解していれば正答
体を 2 倍すると、全体の誤差も大きくなるため、
が得られる。それぞれの用語の定義については、正
2<2√3 ̄<4 となって候補となる数を絞り込むこと
確に覚えておくこと。
ができない。誤差を小さくするためには 2√3 ̄=√12
 ̄
⑶は必要条件・十分条件の判定を行う問題であ
とし、√ ̄
12 の大きさを直接評価すればよい。設問シ
る。設問テは、要素を具体的に書き出して集合 A、
では最小の数だけを選べばよいので、候補となる 2
B 間の包含関係を調べればよい。設問トにおいて
つの数を絞り込んで比較すればよい。数の大小比較
は、集合 A,C∪D の要素の個数が多いので書き出
にはさまざまな方法があるので、問題演習を通して
して考えるのは若干煩雑である。このように直接考
じっくりと鍛えていってもらいたい。
えることが煩雑な場合、対偶を考えることが有効な
―
―
場合が多い。対偶を利用した命題の真偽の判定も、
第 1 問〔2〕 集合と論理(10 点)
必要条件・十分条件の判定の手法の一つとして身に
付けておこう。
ここでは多くの用語を学ぶが、用語の定義で一つ
でも曖昧なものがあれば、教科書などで意味を確認
して曖昧な箇所をなくしておこう。
第 2 問 2 次関数(25 点)
正答率 92.4%
正答率 85.9%
正答率 48.7%
正答率 49.8%
/4
第 2 回 4月センター試験本番レベル模試[数学Ⅰ・A]講評
正答率 59.5%
正答率 29.1%
正答率 14.3%
2 次関数のグラフが x 軸の特定の区間で交わ
る条件を、グラフを描く中で理解しよう。
2 次関数のグラフと x 軸の位置関係をとらえるこ
とができるか、2 次関数の図形的な考察ができるか
を問う問題である。平均点は 13.9 点(得点率 55.7
%)であった。
⑴は 2 次関数のグラフの頂点とその位置に関する
問題。頂点の座標は、グラフの位置を知るうえで重
正答率 20.7%
要な鍵となるので、必ず正解しなければならない。
⑵ 2 次関数のグラフと x 軸の位置関係に関する
問題。解答解説のアドバイスにも書いたが、2 次関
数のグラフが x 軸の特定の区間で交わる条件につ
ⅰ 2 次関数のグラフの頂点の y 座標
図を描いて、目的意識を持って問題を解く練
習を重ねよう。
ⅱ軸の位置
前半は、三角形の面積の公式、正弦定理、余弦定
ⅲ特定の区間の端点における y 座標
理を用いる基本問題。後半は、2 円の中心間の距
これらは丸暗記せずに、グラフを描く中で、ⅰ~ⅲ
離、三角形の相似を用いて線分の長さの最大値を求
のいずれかの条件が抜けたときにどのような例外が
める問題である。平均点は 11.4 点(得点率 37.9%)
生じるかを考えることで身に付けてほしい。
であった。
⑶設問セ、ソは、線分の長さの和 OA+OB につ
⑴は三角比の相互関係、三角形の面積、正弦定
いて考える問題である。2 次関数のグラフと x 軸の
理・余弦定理などの三角形の辺の長さや角の大きさ
交点の座標から求めてもよいが若干煩雑である。解
を求める基本問題。正弦定理・余弦定理については
答解説では、軸を利用した解法を紹介した。設問
自由に使い分けることができるようにする必要があ
タ、チは、座標平面上の四角形の面積を求める問
る。なぜその定理を用いたかを明解に説明できるま
題。A、C が x 軸上にあることから、AC を底辺と
でしっかりと使い分ける練習を重ねよう。
する 2 つの三角形に分けて面積を求めればよい。
⑵は 2 円の中心間の距離に関する問題である。設
繰り返し述べていることだが、2 次関数の問題で
問 ク~ シ で は、sin∠EBC の 値 を 求 め る た め に、
はグラフを描いて考えることが大前提である。この
BE、EH の長さが必要だと判断してそれぞれの長
基本動作を入試本番まで続け、力を伸ばしてほしい。
さを求めるため、正答率が大幅に落ちている。自分
いては、以下の点に着目して考えるとよい。
でどの情報が必要かを考えることは、センター試験
第 3 問 図形と計量・平面図形(30 点)
で高得点をとるためには必須である。
⑶設問タは三角形の相似に関する問題。円周角の
定理は、円が絡む問題で相似な三角形の組の等しい
角を探すときの手掛かりとなることが多い。設問チ
~ナでは、三角形の相似から PQ と CP の関係を表
すことで、CP が円 O の直径となるときに PQ が最
大となることが見えてくるはずだ。
図形問題では、図を描いて考えることが大前提で
/4
第 2 回 4月センター試験本番レベル模試[数学Ⅰ・A]講評
ある。求める辺の長さや角の大きさなどに対し、何
計算が異なることに注意して、それぞれの得点の確
を求めればよいか、目的意識を持って問題を解く練
率を丁寧に求めていけばよい。設問ト~ヌの期待値
習を重ねよう。
を求める問題において、それぞれの確率を計算する
とき、すべての場合が容易に求められるときには、
第 4 問 場合の数と確率(25 点)
直接計算してもよいが、直接計算するのが煩雑な場
合は余事象の確率の考え方を利用するとよい。
「問題の設定を読み取り、言い換える力」は一朝
一夕で身に付けられるものではないので、模試の復
習などを通してじっくりと鍛えていこう。
Ⅲ.学習アドバイス
◆目標設定をする習慣をつけよう。
公式を当てはめるレベルから、なかなか先へ進め
正答率 70.1%
ないと感じていたら、問題を考えるときに、分かっ
ていることと、求めたいことを明確にする習慣をつ
けるようにしてみよう。それによって、思考の足場
を作ることができる。
◆図やグラフをきちんと描こう。
図形問題では求めたいもの、分かっていることを
整理するために、なるべく正確に図を描くことが大
正答率 32.0%
切である。問題を解く過程で分かった辺の長さ、角
の大きさなどは必ず後の設問で必要になるので、分
かった値は図に書き込むようにすること。そのため
にも、図はなるべく大きめに描くようにするとよ
い。センター試験レベルの数学Ⅰ・A は数学Ⅱ・
B、Ⅲ・C あるいは二次試験対策など、他の分野の
基礎になる分野である。早期に完成させることを目
正答率 4.5%
指そう。夏休みまでに入試での目標点近くがとれる
ようになれば理想的だが、まだ目標点には遠い、と
余事象の利用で効率よく期待値を求めること
を習慣にしよう。
いう人は、まずは「方程式と不等式」と「2 次関
前半は、さいころの目の出方によって決まる図形
は、教科書レベルの問題を繰り返し解いて確実に基
に関する場合の数の問題、後半は 3 点 Ak、Al、Am
礎を固めていこう。また、「図形と計量、平面図形」
と点 G の位置で決まる得点の確率および期待値に
は公式を漠然と覚えていないか、意味を理解して使
関する問題である。平均点は 12.0 点(得点率 47.9
いこなせるかをチェックしてほしい。
数」を完璧にしよう。
「場合の数と確率」について
%)であった。
場合の数と確率の問題では、問題の設定を正しく
受験に向けたカウントダウンはとうに始まってい
読み取り、重複や漏れがないよう数え上げることが
る。今回受験したセンター試験本番レベル模試は解
重要である。本問では、さいころを 3 回投げてでき
答解説冊子や合格指導解説授業を用いて必ず復習
る図形は出た目の順によらないので、k、l、m の組
し、次のステップである第 3 回 6 月センター試験本
合せのみを考えればよい。
番レベル模試(6 月 16 日(日)実施)の目標得点
⑵は、Ak、Al、Am と点 G の位置によって得点の
を達成しよう。
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