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平成27年度 所管事務調査(管外視察)報告書 (PDFファイル

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平成27年度 所管事務調査(管外視察)報告書 (PDFファイル
平成 27 年度
所管事務調査報告書
総務委員会
社会文教委員会
産業建設委員会
平成 27 年9月 29 日
飯田市議会
……………………………………………………………………………………………………………………………………
飯田市議会 総務委員会 所管事務調査(視察)報告
……………………………………………………………………………………………………………………………
1 調査期日
平成 27 年7月1日(水)~3日(金)
……………………………………………………………………………………………………………………………
2 調査項目及び視察先
(1) 環境モデル都市の取り組みについて
環境政策の今後の方向性について
水俣市立水俣病資料館及び水俣市役所
(2) 水害対策について
都市ブランド化の取り組みについて
久留米市役所
(3) 空き家対策の総合利活用について
糸島市役所
……………………………………………………………………………………………………………………………
3 参加者
(1) 総務委員会 委員長 吉川秋利
副委員長 古川 仁
委 員 木下德康・熊谷泰人・山崎昌伸・林 幸次・井坪 隆
(2) 理 事 者 側 木下悦夫 (市長公室長・リニア推進部長) 寺澤保義 (会計管理者)
(3) 議会事務局 小林敏昭 (事務局次長)
※木下容子委員は、副議長として長野県市議会議長会総会に出席のため不参加
……………………………………………………………………………………………………………………………
4 調査概要と視点
……………………………………………………………………………………………………………………………
4.1 環境モデル都市の取り組みについて
環境政策の今後の方向性について
水俣市立水俣病資料館及び水俣市役所
(1)調査概要
ア 日 時
平成 27 年7月1日(水) 13:20~16:30
イ 場 所
水俣市立水俣病資料館
(資料館説明の後、職員の方が資料館に出向いてくれました)
ウ 説明者
水俣市立水俣病資料館 館長 島田竜守 氏
福祉環境部環境課
課長 松本幸蔵 氏
環境課環境政策室
溝俣正志 氏
議会閉会日前日にもかかわらず、西田弘志 水俣市長が挨拶に見えた。
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 1 / 12
水俣市立水俣病資料館 館長から説明
水俣市の環境政策から学ぶ
西田弘志 水俣市長が急きょ挨拶に
水俣市の環境政策から学ぶ
エ 照会項目
① 環境モデル都市の取り組みについて
・アクションプラン(第2期・2014~2019 年)は(第1期・2009~2013 年)の違い
・温室効果ガス排出量の把握方法と排出量の削減実績
・「環境モデル都市」取り組みの効果と課題
② 環境政策の今後の方向性について
・「環境首都」水俣市と「明日の環境首都」飯田市からの検討
・これまで、現在、そして今後、重点として取り組むもの
・「環境首都」の今後のあり方
(2)調査報告
ア 水俣市立水俣病資料館について
・主題の視察テーマに先立って、水俣病について、その歴史と教訓を学んだ。
・最近では、水俣病については多くの国民の記憶の中から薄れてきているが、水俣病の闘い
はまだ終わっていない。
・なぜ、ここまで被害が大きくなったのか、経済の発展に地域が感謝をしている実態が、対
策の甘さ・遅れを招いたことを再認識した。
・当時の吉井市長がこの現実を認め、将来の都市像として、環境・健康・福祉を大切にとら
え、「負の遺産」を「福祉の資産」として活動を展開した。ここから環境水俣市が始まった。
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 2 / 12
イ 環境モデル都市の取り組みについて
☆CO2 の排出量削減をテーマに取り組みを始めた。2005 年の排出量17万6千tを 2020 年目
標 32%減、2050 年目標 50%減とした。この実現のためごみの減量・高度分別リサイクルや
新エネルギーの積極的な活用など 25 項目の重点課題に取り組んだ。
特筆すべきものとして
・ごみの減量女性連絡会議の活動。今までのリデュース、リユース、リサイクルに一つ加え
てリフューズ「Refuse」という考え方の徹底をしている。
・例えば、トレイなどの削減方法として、購入時トレイなどは外して中身だけを持ち帰る
リフューズという不要なものは持ち帰らないことの徹底。
・生ごみ処理機「キエーロ」という処理機の配布。我々が使っているコンフォートの様なも
のではなく、処理後は何も残らない優れものということです。
・環境マイスター制度の採用
☆頭石元気村の取り組み
村丸ごと博物館として頭石地区環境協定を結んだ。
・家庭ごみを減らし、リサイクルする。
・ほたるやトンボの飛び交う水辺づくり。
・ごみの不法投棄防止などを目的として、よそから人を呼び込む。
・人が来ることによって環境保全が整う。
・更に、村の元気・笑顔づくりになり、村がきれいになる⇒村が化粧するようになる。
・学生などを呼び込んで説明をすると、地域の良さに気が付く。
・地域の食材で弁当を作るようになった。
・民宿をすることにより、リピーターも増えたという。
・栗を地元の菓子屋が使うことにより、消費者とのつながりもできた。
・20 世帯 120~130 人程度の村が環境に取り組み、日本中から人が来るほど活性化した。
ウ 環境政策の今後の方向性について
・
「ゼロ・ウェイストのまちづくり水俣宣言」をし、取り組みを進めていく。
・
「ゼロ・ウェイスト」とは
資源やエネルギーの消費を“できるだけ減らす”
暮らしの中で使うものをムダなく“できるだけ回す”
自然に捨てなければならないごみを“限りなく減らす”
そして、そのための暮らしやしくみを“みんなでつくり、支えていく”
ということで、世界に広めていこうとしている。
(3)まとめ・考察
・環境首都コンテストで総合1位「環境首都」の称号を取った水俣市と、2位で「明日の環境首都」
飯田市との活動の違いを感じていたが、飯田市のさらに先を行っているように感じた。
・幸い人事交流など両市の交流も続いており、市長さんがわざわざ挨拶に見え恐縮した。
・飯田市としてはポイ捨て条例も施行され、効果の検証も重要であるが、環境文化都市宣言もし
ていることでもあるし、さらなる進展をしなくてはならない。
(4)各委員の所感
ア 良かった点
・水俣病資料館の館長さん、水俣市長さんのお話をお聞きし、「水俣病」について、ある程度
は知っているつもりでこれまできてしまった自分の認識の薄さに愕然とした。患者さんや
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 3 / 12
そのご家族への思いはもとより、公害禍と地域経済の狭間に立った住民の方々の苦悩、い
まだに存在する差別や偏見など、外部の人間には計り知れない苦労を出発点として、現在
の水俣市の環境に対する取り組みがなされていて、それは「負の遺産」から「富の資産」へ、
という言葉に現されている。まさに「環境首都」にふさわしい取り組みといえるものと感じ
た。
・水俣市の環境ISOを、「学校版ISO」、「事業所版ISO」
、「幼稚園・保育園版ISO」
として広く展開して点は素晴らしい。
イ 参考となりそうな点
・ごみ全体の減量のために、ごみを家庭に持ち込まない取り組みとして、お店で野菜や魚・
肉などの包装に使われているトレーやパックをお店で剥がし置いていく取り組みは参考
になった。
・ごみの分別と資源回収作業に中学生が生徒会活動として参加していることは参考になった。
生徒のうちからごみや資源に関心を持てるような活動ができれば良いと思う。
・資源ごみステーションの中学生ボランティア活動は、コミュニケーション学習の一環とし
て始まり、自治会の決めた収集日前日の夕刻にはクラブ活動を休止して、資源ごみステー
ションのボランティアをすることとなっている。また廃品回収の売却益の一部はPTA活
動にあてられる。中学生の環境意識向上はもちろん、世代間交流・地域コミュニケーショ
ンにも重要である。飯田市に即時に導入することは難しいが、中学校毎に検討していくこ
とは価値があると思われる。
・
【学校版環境ISO】
(環境にいい学校づくり)の取り組みは、小中学校だけでなく、幼稚
園や保育園、高校にも広がっているようで、今後は、市内の全ての幼稚園保育園と高校で
の取り組みを推進し、水俣市の教育機関ではどこでも、継続して環境への取り組みや学習
ができるように進めていくようだ。当市でも検討したらどうか。
・生ゴミ処理機「キエーロ」は、インターネットで調べてみたら全国的に注目されてきてい
る簡単にできる処理機である。木造のコンポストで自分で作れるため、ローコストで出来、
生ゴミは埋けておけば5日で完全に消えてしまうそうだ。早速自分で作ってみようと思う。
・具体的には、①職場マイスター制度 ②学校版ISO ③幼稚園・保育園版ISO ④家
庭版ISO ⑤お店・事業所版ISO(エコショップ制度) ⑥「ごみ減量女性会議」による
スチロールトレイの撲滅 ⑦ごみステーションでの分別への中学生の参加など、市民の多
くがどこかで環境に対する取り組みを意識できるような、また、子どもの時から環境に対
する関心を持てるような仕組み作りは素晴らしく、当市でも今後採り入れるべきと考える。
・生ゴミ処理器「キエーロ」についても、調査研究の必要性を感じた。
・4Rの推進 Refuse ・・・ゴミになるものを持ち込まない
Reduce ・・・出すゴミを減らす
Reuse ・・・使えるものは何度でも使う
Recycle・・・使えなくなったら分別して出す
・水俣病の経験が、
「環境首都」の称号を獲得するまでとなったが、同市の環境政策の深み、
市民との協働のあり方を考えるとき、飯田市の取り組みは独自性がある。このことに自信
を持ちながらも、先進都市の取り組みに今後も注目してきたい。
ウ その他、感じたこと
・飯田市も各地でペットボトルや瓶などの回収をしているが、水俣ほど細かく分かれての回
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 4 / 12
収ではない。
・水俣病資料館において説明を受け、大企業や国・県相手の裁判は、難しいことを実感した。
・水俣病救済は、もっと早く決着がついても良いはずだが、その後、埋め立て公園にし、施
設を利用し環境を訴えていることは良いことだ。
・日本の経済発展の陰で、公害病という多大な苦しみを背負わされた水俣市民が、「負の遺産
から冨の資産に転換」との信念と努力によって、復興を遂げた姿に感銘を受けた。
・環境モデル都市第二期行動計画に位置付けられた、「環境」と「経済」が調和した地域社会の
形成は、水俣病の経験からの環境産業の発展に留まらず、雇用創出による経済の活性化に
結び付けていることに、単なる低炭素社会のまちづくりを越えた、同市の環境政策に対す
るエネルギーを感じられた。
・
「ゼロ・ウェイストのまちづくり」は、その至る道程が遠いものであることの説明があった
が、超長期を俯瞰する具体的な体制が、今一つわかりにくいものであった。
……………………………………………………………………………………………………………………………
4.2 水害対策について
都市ブランド化の取り組みについて
福岡県久留米市 市役所
(1)調査概要
ア 日 時
7月2日(木) 13:30~15:30
イ 場 所
久留米市役所
副議長
森多三郎 議員
議会事務局 議事調査課 課長 渡辺善治 氏
原口博彰 氏
ウ 説明者
都市建設部防災対策課
課長 赤司宗徳 氏
総合政策部くるめの魅力向上推進室 室長 名嶋 治 氏
エ 照会項目
① 水害対策について
・担当部局の考え方
都市建設部防災対策課が担当(飯田市では危機管理室)
・過去の災害(平成 24 年7月九州北部豪雨ほか)経験を活かした見直し
災害対策本部の見直し、組織態勢の見直し、各種マニュアル等の見直し
・防災ラジオの配布
防災・災害情報の迅速かつ確実な情報提供手段としての効果と課題
② 都市ブランド化の取り組みについて
・都市ブランド戦略の推進組織
久留米都市ブランド戦略推進協議会(仮称)の加盟団体・事業内容・予算等
・都市ブランド戦略の推進にあたっての市民の理解
市民の誇りや愛着の醸成のために取り組んだこと、その成果
・都市ブランド戦略の推進にあたり重点的に取り組んだ事業は
・ブランド戦略を進める上で情報発信において工夫している点は
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 5 / 12
久留米市の水害対策から学ぶ
久留米市の都市ブランド化から学ぶ
(2)調査報告
ア 風水害対策について
・過去の水害の説明があった。その中から「災害は、いつでも、どこでも起こりうる」という基
本認識から、「大規模災害にも耐えうる備えは十分か」「それぞれの役割(自助・共助・公助)が
定められているか」「実効性のある防災教育や訓練などの取り組みは十分か」の観点から総合的
な見直しを行った。
・その主なものは次の 11 項目になる。
① 災害に強い都市基盤整備の推進
② 防災拠点機能の充実・強化
③ 防災情報の収集・発信機能の充実・強化
④ 自助・共助の促進による地域防災力の向上
⑤ 防災教育の充実
⑥ 防災組織、体制及び訓練等の充実・強化
⑦ 避難支援機能の充実・強化
⑧ 災害時支援・受援体制の充実・強化
⑨ ボランティア受け入れ・支援体制の確立
⑩ 被災者支援の充実・強化
⑪ 原子力災害等への対応
・以上 11 項目について目的を明確にしながら見直しがされている。市内にある駐屯地の自衛隊と
の合同訓練など特色があるが、特に③の項目では緊急告知にFMラジオを利用し、無償貸与や
一般販売が実施されている。
イ 緊急告知FMラジオについて
① FM局との防災協定について
防災情報の伝達・放送に関する協定を締結し、放送中の番組に割り込んで放送できる仕組み
を構築している。
② 運用状況について
緊急信号により自動起動することのできるラジオを社会福祉施設、医療機関、幼稚園、保
育園などに配布(496 台)するとともに土砂災害特別警戒区域内世帯を含め 1,533 台を配布
している。
③ 試験放送・啓発放送について
緊急時に確実に放送が流れるように毎月2回の試験放送を行っている。
更に、月1回時期に合った防災内容の話を関係者が出演し、啓発放送を行っている。
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 6 / 12
④ メリット・デメリット
ラジオが自動で起動し、緊急情報を流すため、聞き逃しが少ない。室内でも情報を聴取でき
るため屋外システムの様な聞き逃しが起きにくい。安価(販売価格 3,000 円)で配備が可能で
あり、防災意識を高めることにも効果がある。といったメリットがある一方、電波が弱い地
区では、ラジオの起動がしにくかったり、難聴対策が必要な場合もある。
ウ 都市ブランド化の取り組みについて
・地域資源を5つの顔(水と緑と花、食、文化芸術、ものづくり、健康・医療)としているが、
近隣の地域に比べ特徴的とも言えない。「焼き鳥日本一」や「とんこつラーメン」発祥の地とい
ったアピールも少ない。
・ターゲットについては福岡都市圏、九州全域、関西以西新幹線沿線都市、首都圏、アジアと
しているが、漠然とした感は否めない。スポット的なイベントを実施しているが、継続性は
見られない。
・本来の「久留米かすり」といった文化芸能ではなく、「キラリ*久留米」といった「輝く、人、ま
ち」を前面に出している。イメージキャラクター「くるっぱ」を軸とした情報発信活用を図っ
ている。
(3)まとめ・考察
ア 水害対策について
・飯田市の危機管理体制については、市民の目から見てもわからない点が多い。特に緊急告知FM
ラジオについては長年にわたり市民から苦情のある防災無線放送に代わるものとして、議題には
上がっているが全く進展していない。また、実効的な訓練についても問題があると改めて感じた。
イ 都市ブランド化の取り組みについて
・どこの地域でも取り組んでいる問題であり、多くの課題を持っているが、久留米市の場合、ブラ
ンドの種類が多いように感じた。ターゲットに対して対応するブランドを発信するという目的の
ようであるが、絞り切れていない感じがする。
・ブリジストンタイヤ、ナイキ、ダイハツと言った企業と連携した(利用した)戦略もあるのではな
いかと感じた。「石橋文化センター」と「石橋美術館」も視察したが、久留米市への貢献は大きいが、
連携が十分取れていないように感じた。
・市庁舎から鳥栖市が望める位置関係であるが、
医療関係や知名度においては遅れをとっている
(の
んびりしている)感じがした。
・イメージキャラクター「くるっぱ」については、飯田市の様にいくつも作るのではなく基軸として
活用している。「くるめの魅力向上推進室」という名称は思いのこもったユニークな名称と感じた。
参考:石(スト-ン)橋(ブリッジ{を入れ替えて「ブリジストン」。
(4)各委員の所感
(4-1)水害対策について
ア 良かった点
・緊急告知は飯田市も課題であり、FMラジオを活用しての緊急連絡は勉強になった。
イ 参考となりそうな点
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 7 / 12
・危険地域世帯にラジオを配布すること、電源が入って無くても緊急時に起動し知らせるこ
とができるなど飯田市でもすぐに取り組めることがある。
・周波数の問題があり遠くまで届かない課題もあるが、緊急告知の方法は補完し合える多種
多様ほど良い。高齢者には不向きなと思われるメールやケーブルTVなどもあり、昔なが
らのオフトークや有線・ラジオなども検討すべきだ。
・内陸の久留米市内には原子力発電所はないが、原子力災害時に福岡県はもちろん、長崎県、
佐賀県の離島からの避難受け入れ要請への対応が決められている。災害に対して当該地区
の減災に努めるとともに被災地への救援、復旧あるいは避難受け入れを考えることは重要
である。
・南海トラフ、東南海地震の発災のおりには内陸の飯田市は、東日本大震災のくしの歯作戦
で遠野市が果たした救援の拠点と同じような役割が求められるかもしれない。
・また、救援を考えることは、受援の受け方にも役立ち、ひいては当該地区の減災に繋がる。
・緊急告知FMラジオは、災害時の情報伝達手段として効果はある。
・現在、久留米市では、このラジオ 1,533 台を市内に配布。飯田市の飯田ケーブルテレビの
音声告知サービス「安心ほっとライン」普及ヲ
調べると 3,011 台、世帯数割にすると久留米市 1.19%(128,613 世帯)、飯田市 7.61%(39,542
世帯)、飯田市の方が約 7 倍の普及率である。
・ケーブル付設の有無、緊急告知以外の情報量、付設管理が公か民かなど、どちらが優れて
いるとはいえない。しかし、久留米市の場合、土砂災害特別警戒地域内の世帯には確実に
配布している。その点、民間が行っている飯田市では、この警戒地域内の世帯に確実に端
末設置はされているか疑問である。この点は参考になった。
・災害情報伝達手段の拡充を図る一環として、事業費 11,921 千円をかけ緊急告知FMラジオ
のシステムを導入している。事業費の内 11,000 千円は、地域情報通信技術利活用推進交
付金を充当しており、ほとんどが交付金である。緊急告知の際には最大音量で自動起動す
るなど、災害情報や、ライフライン情報の伝達にも利用できJアラートとの連動も可能で
ある。情報伝達には非常に有効なものであり、飯田エフエム放送㈱とも協議し当市でも導
入を検討すべきである。
・水害対策の場合、近年の気象予報の発達に伴い、かなりの精度で予測が可能で(過去に例の
ないゲリラ豪雨は別として)情報伝達にある程度の時間的余裕が考えられる中での対策と
なるものと考える。
・当市においても水害や土砂災害への備えは当然に必要ではあるが、当市としては時間的余
裕のない大地震を想定した情報伝達手段を確立しておくことがより求められていると考
える。
・その上で、当市でも議論の対象になっている「同報系防災行政無線」について、久留米市
では「移動系防災行政無線」を採り入れており、今後更に検討することが求められる。
・情報伝達手段は、これがあれば 100%といったものは存在しないので、複数の手段を組み合
わせる、もっと言えば可能な手段は総て採り入れるぐらいの対応が必要と考えるが、FM
局との防災協定、緊急告知FMラジオの導入など、当市としても前向きに検討すべき。
・当市は新庁舎に危機管理室が整備され、災害時の対策本部の機能は一応整備されたと考え
るが、久留米市でも取り組んでいる、地区単位での本部代替施設となるべき自治振興セン
ター等の機能強化、避難所となる公共施設、公園、広場等の機能強化についても、当市の
取り組みが十分かどうか検証の必要がある。
・緊急告知FMラジオ(防災ラジオ))は、携帯ができて緊急時に自動起動することで、災害
時には有効と思われる。
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 8 / 12
・FMラジオシステムは、聞き逃しが少ないことや、住民に広く同じ情報を伝達できること
が、大きな利点として有効である。
・有効である反面、住民の購入が原則であること、電波が弱い地区、場所が生じること等の
課題もあり、難聴対策など、公的投資が必要となる面が避けられないので、飯田市におけ
る導入については検討を要する。
(4-2)都市ブランド化の取り組みについて
ア 良かった点
・マスメディアを活用した情報発信として、取材を受けるための情報提供に努め成果を挙げ
ている点は、知名度アップにも効果大であり、飯田市でも参考にすべきである。
イ 参考となりそうな点
・新幹線の開通から、九州各地のターゲットは福岡圏に向けられているが、各都市が単独で
戦略を練るよりも、幾つかの隣接する都市が広域で戦略を練ることの方が効果的では、と
思われる。これは、今後のリニア開通に向けての当地の取り組みも同様と考える。
・イメージキャラクターの効果は、外に向けてでなく内に向けることの方が大きい、との説
明が印象的であった。
ウ その他、感じたこと
・飯田市も久留米市と同様に豊富な資源がありすぎて「これ!!」と絞れない現状がある。
・広告大使として年 700 万円の費用をかけるタレントもいないし、今後どう進めるのか?こ
れからである。
・担当課長さんからは「久留米大好き」というメッセージがしっかりと伝わってきて、思わ
ず話に引き込まれる程だったが、現段階では「久留米絣」「久留米ラーメン」「焼き鳥」など、
全国的ブランドとなっているものがありながら、まだまだそれらが生かされていないよう
に感じた。
・「久留米都市ブランド戦略」に基づいて、様々なブランド化を推進しているが、試行錯誤が
多い段階と感じた。
・地域資源を5つの顔としているが、絞り切れていない感がある。
・マスメディアを利用した戦略は、非常に精力的であり、かつその効果も発揮している。
・現行では「知名度のアップ」が主力となっているが、「ブランド戦略」のあり方と、長期的な
視点におけるブランド戦略が求められる。
・「知名度のアップ」は、関心が高い戦略ではあるが、飯田市においては、真の「ブランド戦略」
のあり方を見失うことなく進める必要がある。
……………………………………………………………………………………………………………………………
4.3 空き家の総合利活用について
福岡県糸島市 市役所
(1)調査概要
ア 日 時
7月3日(金) 10:00~12:00
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 9 / 12
イ 場 所
糸島市役所
ウ 説明者
糸島市議会 副議長
企画部地域振興課 課長
定住・学研都市係 係長
総務部危機管理課 主幹
係長
谷 一成
重 敏彦
吉 新一
松尾 拓
樗木芳秋
氏
氏
氏
氏
氏
エ 照会項目
・市の職員体制は。また、担当業務の内容は。
(専任職員の有無、兼任職員の数、行政の業務としてどこまでかかわっているか、等)
・空き家バンクの市の中での業務の位置づけは。
(空き家対策、または移住促進、等)
・庁内の連携体制はどのようになっているか。
(特定空き家に対する除却等の措置での連携、空き家バンク・リフォーム・農地等を含めた空き
家利活用推進での連携、その他)
・市民(自治会)との関係は。
(特定空き家、空き家バンク、それぞれの推進に当たっての市民の役割と連携、等)
・移住者等の地域との関わりは。
(組合加入、地域活動(公民館、消防等)参加等を入居の要件としているか、誓約書の提出等は
想定しているか。地域とのトラブルが発生した場合の市の役割は。等)
・空き家バンクにおける市と宅建協会の関係は。
(協定はどのようにされたか。業務の分担は。連携をどのようにしているか。等)
・空き家バンクの手数料は設定しているか。していればどのくらいか。
(賃貸借の場合と売却の場合。市からの報酬の有無、等)
・空き家の修繕や解体補助は。
(利活用する場合の修繕に対する所有者または入居者への補助、解体(売却の場合含む)に
対する所有者への補助の有無。補助している場合は金額等)
・空き家バンクの周知方法は。
(ホームページの他に媒体があれば。市民向けと対外(移住希望者等)向け。
・最近の移住者のニーズ状況は。
(現在までの契約成立件数、ニーズの内訳(年齢層と物件の関係等)等。
)
糸島市の空き家利活用の取り組みから学ぶ
(2)調査報告
ア 糸島市の空き家利活用の取り組みについて
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 10 / 12
・利活用可能な空き家(地域振興課)と不可能な空き家(危機管理課、施設管理課、生活環境課)
で対応する部署が異なる。
・人口の推移としては生産年齢人口が減少する傾向にはある。特に、進学就職世代は転出傾
向にあり、それ以外の高齢世代は増加傾向にある。
・しかし、JR沿線は歯止めがかかっている状況にある。
イ 取り組みの経過
① 利活用として
・空き家バンク制度を開始
・空き家の登録を行い、市が宅建業協会に委託。近年はホームページなどでの啓発を行うが、
直接交渉が増え、市の係わりは少ない。
・啓発活動として、他地域・他県・都会へのアプローチを行っている。
・具体的には「移住体験宿泊トライステイ」といった実際に宿泊経験を行う活動を実施し効果
を上げている。
・税金の免除や住宅ローン特別金利といった支援を行っている。
② 利活用不可能な空き家について
・
「糸島市空き家等の適正管理に関する条例」を制定した。罰則はないが、管轄する警察に協
力を要請することができるとしている。
・条例施行後の通報は 71 件、そのうち解体等問題解決したものは 32 件、持ち主が県外など
で対応が困難とされるものは 39 件。
(平成 27 年6月末現在)
・空き家解体に対する補助を市としては行っていないが、県内2銀行が「空き家解体ローン」
を取り扱っている。
ウ 成果と課題
・人口の推移は、平成 23 年以降改善傾向であったが、平成 26 年度は転入人口が転出人口を
上回った。九州大学の学生を取り込んだのも大きな成果である。
・一方、特定空き家については、財産権等どこの自治体でも問題が残る。
(3)まとめ・考察
・コンパクトシテイ構想については否定的な見解であった。
・市の組織として有効利活用する部署と整理・管理する部署を分けているが、線引をどうす
るかの問題はあるにしても、事業を進めるうえでは効果的であると感じた。
(4)各委員の所感
ア 良かった点
・単に“空き家の対策”に留まらず、定住促進に向けた施策が展開され、空き家対策の深み
を感じられた。
イ 参考となりそうな点
・定住促進施策として空き家を利用しての「移住体験宿泊」トライアルステイの実施は大変
興味があり、飯田市でも条件が整えば移住体験を実施し定住促進施策の一つになればと感
じた。
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 11 / 12
・空家の物件の資産価値が高く、利活用のニーズも高ければ本来は民間事業のみで循環する
はずであり、糸島市の先述の施策はすべて民間との協働であり、参考になった。
・移住体験宿泊ステイは、空き家に2~3週間住んで実際に生活を体験してもらう事業で、
全国から 111 組もの応募があったようで、当市でも検討すべき。
・空き家利活用の取り組みの中でも、マイホーム取得奨励金制度、移住体験トライアルステ
イ、定住促進ガイドブックの作成などは、当市においても検討の余地があると思われる。
・空き家の利活用の取り組みを、定住促進策と併用している点は参考になる。
・空き家バンク制度において、登録物件は成約率が極めて高く成果が出ている。今後は登録
率を上げる取り組みが大きな課題と思われる。
・銀行のローンの活用を推奨するなど、民間活力の導入については検討の価値がある。
ウ その他、感じたこと
・制定された条例がどう活用されているのかを検証していく必要がある。
・一口に空き家と言っても危険家屋と利活用可能な家屋とでは対策は全く異なる。
・飯田市の条例は利活用まで踏み込んでおり、糸島市のそれは危険家屋の対応までである。
・糸島市においても利活用には力を入れており、「空き家バンク制度」、「移住体験宿泊トライ
アルステイ」
、「宅建境界との協定締結」などの施策を行っている。これらは定住化促進策
ともリンクしてくる。
・法施行後も条例が改正されていないなど、取り組みには余裕が感じられた。
・幾つかの事業によって定住促進を図ることによる空き家対策、という色彩が強いが、福岡
市のベッドタウンという立地、農漁業中心の産業構造、恵まれた自然環境を生かすには、
当然の策と言える。
・行政の取り組みが進む一方で、住民との協働の面では飯田市との地域性の違いが見られる。
……………………………………………………………………………………………………………………………
総務委員会
所管事務調査(視察)報告 12 / 12
飯田市議会
社会文教委員会
所管事務調査(視察)報告
平成 27 年9月 29 日
第1
調査実施期日
平成 27 年7月 13 日(月)・14 日(火)
・15 日(水)
第2
調査事項(視察先及びテーマ)
1
2
地域包括ケアシステムの取り組みについて
3
コミュニティ・スクールの推進への取り組みについて
4
コミュニティ・スクールの取り組みについて
介護予防事業の取り組みについて
第3
岡山県高梁市
鳥取県米子市
島根県松江市
島根県出雲市
参加者
社会文教委員長
新井信一郎、社会文教副委員長
清水可晴、
竹村圭史、福沢清、後藤荘一、中島武津雄、村松まり子の各委員
1 /
29
第4
1
調査概要(視察報告)
地域包括ケアシステムの取り組みについて
岡山県高梁市
(1) 調査概要(視察目的・視点)
ア
日時
平成 27 年7月 13 日(月)13:30~15:05
イ
場所
高梁市役所
ウ
説明者
エ
視察の目的
健康福祉部長 藤本和義氏
健康福祉部 保険課 参事 奥野真由美氏
連携推進係 倉橋重昭氏
社会文教委員会の所管事項であり健康福祉部が「第6期介護保険事業計画」にお
いて重点として取り組みを進めている「介護予防事業」等に関して、先進的に取り組
みを実施している事例を視察し、今後の市政の方向性を探るとともに見識を深める。
オ
視察の視点
(ア) 認知症地域支援体制に関し、経緯、現状、課題、今後の取り組みについては。
(イ) 「ケアキャビネット」に関し、試験運用を実施されているとのことだが、経緯、
現状、成果、課題、今後の取り組みについては。
(ウ) 在宅医療・介護の連携に関し、経緯、現状、課題、今後の取り組みについては。
特に構築にあたり医療が中心となって行ったかのどうか。
(2) 調査報告(調査内容)
ア
認知症地域支援体制に関し、経緯、現状、課題、今後の取り組みについては。
(ア) 認知総地域支援体制に関しては、「晴れやかネット拡張機能(ケアキャビネッ
ト)」の活用の必要性は感じているが、運用を開始したばかりでありそこまでの
取組みには至っていない。
イ
「ケアキャビネット」に関し、試験運用を実施されているとのことだが、経緯、
現状、成果、課題、今後の取り組みについては。
(ア) 経緯について
「在宅医療連携拠点事業」を高梁医師会で取り組むため、平成24年3月に
「在宅医療連携システム検討会議」を立ち上げ、ICT等の活用等を含め事業実
施体制等を検討してきた。
検討を重ねる中で、高梁市において「在宅医療連携拠点事業」を実施する提
案がなされ、平成25年度より高梁市が実施主体となり、岡山県より委託を受け
て事業を実施している。
事業に実施にあたっては、高梁市在宅医療連携拠点事業推進協議会を設置し、
事業内容の検討を行っている。
また、各種検討部会も組織して「連携支援システム検討部会」
「普及啓発事業
検討部会」を開催している。
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29
ICT等の活用については「連携支援システム検討部会」にて様々なICT
ツールの検討を行ったが、セキュリティやコスト面等を検討した結果、「晴れや
かネット拡張機能」を活用することとなった。
(イ) 運用状況について
平成26年12月より実患者の情報共有を仮運用の中で行っている。参加機
関および参加人数は、入院可能な病院:4機関、通院診療機関:4機関、薬局:
2機関、訪問看護ステーション:3機関、介護支援事業所:3機関、備北保健所、
高梁市役所保険課の合計18機関・31名が仮運用に参加を申し込んだ。
(ウ) 利点について
a
関係者間での情報共有がスムーズになっている。(連絡ノート的な使い方と
して有効)
b
画像データ等を医師に提示し、意見を伺うことができる。
c
ケアマネ等が参加していれば、サービス利用時の状況を医師が把握すること
ができる。
(エ) 課題について
a
IT連携に加算等がなく、事業所が手を出しにくい。
b
今年度に限り岡山県からの財政補助があるが、次年度以降は不透明である。
c 「晴れやかネット拡張機能」への入力手間が増えることから、仕事量が増大
する。
d
リアルタイム性を追求できるシステムではない。
(オ) 今後の取り組みについて
参加機関・人数が18機関・31名とまだまだ少なく、詳しい実証結果を得
るために、より多くの事業所(特に介護保険関係事業所)に参加を促している。
ウ
在宅医療・介護の連携に関し、経緯、現状、課題、今後の取り組みについては。
特に構築にあたり医療が中心となって行ったかのどうか。
(ア) 経緯について
経緯については、イ(ア)のとおり。
(イ) 現状について
a
実務者レベルでは顔の見える関係は構築されていたが、医師も交えた多職種
で顔の見える関係を構築しつつある。
(医師を交えた多職種の研修会を年間3回
実施している)
b
専門職が、より在宅医療への視点を持つようになった。
(ウ) 課題について
地域によってサービスの偏りがあり、僻地では生活を支える介護、医療サー
ビスが行き届かない地域があるため、地域格差をどのように埋めていくかが課題
である。また、患者への24時間対応が困難である。
3 /
29
(エ) 今後の取り組みについて
a
在宅医療連携拠点事業は、岡山県の委託事業であるが、平成28年度より地
域支援事業へ移行となる。その橋渡しを行っていくことに取り組んでいく。
b
現在は行政に事務局を置いて事業を実施しているが、協議会の会長に医師会
長を充てるなど、医療職のリーダーシップは、在宅医療・介護の連携には必要
不可欠なものであると考える。
(3) 主な質疑応答(○:高梁市役所
△:飯田市議会)
ア「小地域ケア会議」について
△
小地域ケア会議を14地区に設置し取り組みを行っているとのことであるが、
専門家と地域の皆さんとの擦り合わせはどのように行っているのか。特に地域の
皆さんは民生委員を始めどのような方が担っているのか。
○
小地域ケア会議で地域の皆さんとの接点を持っているが、メンバーは民生委員
会を基調にしており、2か月に1回もしくは毎月会議を開催している。そこへ、
在宅介護支援センター、地域包括支援センター、社会福祉協議会の職員も参加し
ている。その中で、地域の状況、独居高齢者、認知症高齢者、高齢者世帯の状況
について、民生委員が会議までに福祉委員や地域の皆さんと連携を図って情報収
集をしていただいている。また、継続的に問題となっているケースについて状況
報告いただくとともに、新たなケースについては地域で検討を行っている状況で
ある。
△
民生委員の皆さんの比重が大きくなっていると受け止めたが、市としての支援
はどのように考えられているのか。
○
民生委員というわけではなく、基本は町内会単位で福祉委員を選出いただき、
福祉委員の活動を支援している。その中で、民生委員と福祉委員の連携を図り情
報共有を進めていく形を進めている。
イ「多職種連携事例検討会議」について
△
多職種連携事例検討会議は、認知症高齢者の徘徊事例について多職種の皆さん
が集まり、事例ごとに検討する会議という位置づけでよいのか。
○
小地域ケア会議の中で認知症高齢者の徘徊事例が多く上がってきており、小地
域の中では解決が難しくなってきていることから、多職種の者が集まってチーム
として事例検討し課題解決につなげていく会議体を設けたものである。この会議
は、単に個別課題の検討にとどまらず、事業やサービスを動かさなければならな
い(制度等を見直す必要がある)課題があればその意見をあげていくという会議
体系を考えている。
ウ「民生委員の選任」について
△
飯田市では民生委員の担い手を選任することに苦労しているが、高梁市の状況
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はどうか。
○
1戸で1つの町内会という地区もあり、民生委員に限らず役員の担い手を選任
することは同様に苦労している。臨機応変に2町内会~3町内会で役員を選任す
るという事も今後は検討していかなければならない課題である。
エ「成年後見制度を取り巻く状況」について
△
市民後見人の育成の考え方、今後ますます重要になってくる成年後見制度への
対応についてどのように考えているのか。
○
現在10人の市民後見人がいるが、連絡会を通じて様々な課題について話をし
ているが、まだまだ不十分な状態である。また、成年後見を求める方も増加して
いることから、これだけの人数では対応が難しいと考えている。地域包括の方で
高齢者を対応しているが、障害者なり様々な事例で対応が必要となってくること
もあり、近隣の市町村でもNPO法人を立ち上げたりするなどして広く対応して
いる傾向にある。当市についてもそのような対応を探りながらセンターの立ち上
げに向けた勉強会も行っている。
オ「認知症サポーター制度」について
△
認知症サポーター数が4、000人を超えており、また講座の開催回数も30
回/年と多く、市を挙げてのサポート体制ができていると受け止めた。この認知
症サポーター数の中には小中学生などの子供は含まれているのか。
○
現在でこそ認知症サポーター養成講座は小学校から大学まで開催しているが、
当初は直接地域包括の方から「養成講座をやりませんか?」といってもなかなか
広まらなかった。そのような状態の中で、介護保険事業所も含めてキャラバンメ
イトを育成してきた。そうなると、キャラバンメイトになった方が得意とする場
(学校や企業)に声がけしていくことで、サポーター養成講座の開催場所を広げ
ていくことができ、結果として4、000人以上になったと考えている。
カ「認知症高齢者声かけ訓練」について
△
「認知症高齢者声かけ訓練」を実施されているが、子供も含めた訓練なのかも
う少し詳しく説明をお願いしたい。
○
今回説明した「巨瀬地区」
「松原地区」ではふれあい祭り・ウォーキング大会の
イベントに合わせて実施したことから、子供から高齢者まで幅広い人に参加いた
だいた。小中学生にもサポーター養成講座を開催しているが、実際の行動となる
訓練において子供からの声かけが見られたことから、他の小中学校へも展開を図
っていきたいと考えている。
キ「認知症高齢者の外出支援策」について
△
普通は「外に出ないようにするには」と考えるが、認知症高齢者の外出支援策
では「本人が安全に歩ける」という発想が大切な視点だと感じた。実事例の中で、
必要な見守りが本人に届き発見されたことはあるのか。
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○
今年度も行方不明になった事例があるが、不幸にも発見されずに亡くなられて
しまった事例もある一方で発見に至り無事保護された事例もある。ただ、無事保
護された事象の方が再び行方不明になることも可能性としてあり、今回はたまた
ま良かったがその次はということも考えられるので、見守り体制をさらに広げて
いかなければならないと考えている。
△
数年続けられている中での成果ではないかと考えるが、効果的だった事例、効
果の出なかった事例等があれば紹介いただきたい。
○
行方不明になったことのある認知症高齢者の家族が、地域の皆さんが見守り助
けていただけるのであればという事でサポーター講座で講師の一人として話を
行い、実例をもとに臨場感あふれる情報を紹介いただいたが、このような情報を
地域の皆さんと共有していくことが大切であると感じている。一方で、担当者が
「この対応で正しいだろう」と考えたことが、実はニュアンスが違ったり家族に
とってどうかという事もあることから、そのような情報も地域の皆さんに伝えて
いくことができればよりよい取組みにつながっていくものと考えている。
△
認知症高齢者の外出支援策において、行方不明者が出た際の把握(連絡体制づ
くり)について、地域内のサポーターの方に情報を出し、地区ごとに情報をどの
ように共有化しているのか。また、プライバシーとの兼ね合いはどのように対応
されているのか。
○
サポーター養成講座を受講していただいた方はすべて認知症サポーターになる。
サポーターになった皆さんに実質協力いただく部分は認知症高齢者に対する気
持ちが主であり、ボランティア活動に直結している訳ではないため、日常生活の
中で個別に活動している訳ではない。よって、認知症を重要視していく中で、地
域の中でさらに協力いただけるということを考慮するとキャラバンメイトの皆
さんと連携していく方向で対応を考えている。個人情報についても難しい問題で
あり名簿を出すわけにもいかないため、独居高齢者や高齢者世帯とつながりのあ
る民生委員と小地域ケア会議と連携を図って状況を把握し対応を検討していく
こととなっている。
ク「認知症予防事業」について
△
認知症にならないようにするための予防事業の有無について。
○
地域包括やサポーター講座も含め予防に関する情報提供は行っている。予防事
業については、民生に関する担当課と協働して介護予防教室を開催しており、認
知症予防についてもあわせて進めている。
△
認知症の早期発見について工夫されている点は。
○
日頃からの地域のつながり、お互いの見守り・気づきの中から得た情報が小地
域ケア会議に上がってくると早期発見につながるのではないかと考えている。ま
た、認知症カフェや集いの場の中で会話の中から気づくことで対応を早く進める
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29
ことができるのではないかと考えている。
ケ「過疎地における医療体制(在宅医療)
」について
△
過疎地域における医療体制を今後どのようにしていこうと考えているのか。
(後
藤委員)また、 「晴れやかネット拡張機能」へ参加する機関等が増えれば解決
できるのではないかと単純に考えてしまうが、現状から見た過疎地域の医療体制
をどのようにしていこうと考えるのか。
○
広島県に近い西部地区は過疎も進み医療機関が少ない。しかしながら、医療と
介護がなければそこに命はない事から何とかして維持していかなければならな
いと考えている。例えば介護は福祉協議会が担い、医療は在宅を進めるうえで訪
問看護ステーションを市の予算で設置し対応している。限られた人的資源のなか
で、効果的な医療・介護体制の構築、情報の共有化を図るためには「晴れやかネ
ット」の活用は重要になってくる。
(4) まとめ・考察
ア
目的は同じでも、そこに至る過程での手段はそれぞれ独自であるが、発想の転換
を始めとして気づきを得ることのできる視察であった。
イ
認知症高齢者の徘徊が問題となって久しいが、
「家の外に出さない」から一歩進め
「安心して外出できる」環境を地域で作り上げるという視点は、発想の転換であり
見習うものがあると感じた。
ウ
これからの地域医療の在り方は、過疎地域においても安心して医療・介護を受け
られる体制づくりが大切であると感じた。特に飯田市は周辺町村と十分な連携を図
り、ism-Link を最大限活かすことのできる体制づくりを強力に推進していかなけれ
ばならないと感じた。
エ
認知症予防および早期発見は、個々人がいかに地域(周囲)とよい関係を持って
いるかがまずは大切であり、その次に地域の皆さんがお互いに関心を持つことだと
感じた。
オ
認知症サポーター数を増加させることも大切であるが、実際の対応でどれだけ係
わることができるのか、係われるようにするのか、意識づけを含め課題があると感
じた。
(サポーターを機能させるための取組み方をどうするか検討しなければならな
い)
(5) 各委員の所感
ア
良い点
・県(岡山県)との連携。
・子どもへの認知症等対応教育。
・「大切なあなたを見守り隊」登録事業。
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・「あなたを支える在宅医療」推進事業。(新井信一郎)
・認知症に特化して、地域支援体制を構築している点は良い。
・外出支援を、お祭りをとおして訓練している点。市民参加で見守り支援を実践して
いる点。
・徘徊 SOS ネットの仕組みが構築している点。
・ICT 活用に医師会と連携した点。ケアキャビネット『やまぼうし』参加機関が、医療
と介護とが連携している点。
・システムの構築を岡山県が初期投入した点。
・がん治療に効果が表れている点。
(清水可晴)
・地域包括ケアを推進するにあたり、広域で見た医療・福祉体制がどのようになって
いるか現実を直視し、どのように連携を図っていくべきなのか考えるきっかけとなっ
た。(竹村圭史)
・認知症高齢者声掛け訓練…地域の人とのかかわりが深くなるきっかけともなり良い
ことだと思う。
・市民後見人養成…今後後見人を必要とする人が多くなることが予想される。
・ケア・キャビネットの試験運用。
(福沢清)
・認知症サポーターの養成を行っている。
・医療介護の連携。(後藤荘一)
・(認知症高齢者の見守り支援として)・キャラバンメイト・サポーターの養成と育成
では、小学生から中学・高校・大学生にも協力や支援をお願いしている。
(中島武津雄)
・晴れやかネット拡張機能(ケアキャビネット)についての詳細が解った。
(村松まり子)
イ
参考となる点
・市在宅医療連携拠点事業推進協議会の設置
・「ケアキャビネット」→「晴れやかネット拡張機能」(岡山県主導)の活用
・データ共有にて医師からの指示、ケアマネ等が参加していればサービス利用状況等、
瞬時に医師と繋がる。
・認知症に対し、子どもを含め社会全体で理解を深め、いざ行方不明となってしまっ
た時の対応教育が進む地区もあったこと。(新井信一郎)
8 /
29
・認知症高齢者支援体制の仕組みがある事
・お祭りをとおして、実践している事案。
・キャラバンメイトの育成と、講師として、サポーターの要請に取り組んでいる点。
・認知症高齢者の人権や尊厳に配慮した機運づくり。
・医師会がリーダーシップを発揮して、在宅医療・介護の連携は不可欠である点。
・かかりつけ医を持ちましょうとのキャッチフレーズをもとに、市民に PR している点。
・我が家でずっと暮らしたいとのキャッチフレーズに基づき、医療・介護・在宅と連
携しパンフレットをわかりやすく作成している点
・訪問看護ステーション二箇所の機能。(清水可晴)
・ism-Link の今後の運用において、入院可能な病院、通院診療機関、薬局、訪問看護
ステーション、介護支援事業所、保健所、市町村役場といった幅広い機関が参画して
いくことで、点の対応が線につながりさらには面になっていくという点は参考になる
と感じた。
・在宅医療と介護の連携は医療職のリーダーシップをとることができる体制づくりを
いかに作ることができるかが、運用していくうえで大切であることは参考になると感
じた。
・認知症高齢者の外出支援事業では、
「必要な見守りが本人に届くために」を主眼とし
ており、認知症高齢者の外出抑制ではなく安心して外出できる環境をつくりいざとい
う時に早期対応ができる体制を作り出していることは参考になった。
(竹村圭史)
・良かった点は飯田市の現状に合わせて参考にしていきたい。(福沢清)
・認知症対策で訓練を行っていること。
・ケアキャビネットの取り組みは参考になる。
(後藤荘一)
・高梁市人口(平成25年現在)33,715人に占める認知症高齢者の現状分析から、
日常生活自立度別に3分割し介護が必要あるいは必要と思われる高齢者を、地域でど
のように安心して暮らしていけるか真剣に取り組んでいる姿勢。(中島武津雄)
・認知症高齢者の外出支援策として市内2地区で認知症高齢者声かけ訓練を、地区内
行事に合わせて実施している。また、地区内の診療所や金融機関等も参加している。
・高梁市徘徊 S0S ネットワークの構築。
・市民後見人養成講座を実施。(村松まり子)
9 /
29
ウ
その他
・県の強い指導力と地域連携。
・IT 連携に診療報酬加算がなく、事業所が参加しにくい。←行政サポートの必要性有。
・現場にて、リアルタイムな通信ではない事。TAB など活用が望まれるが、予算と利
用できる職員指導、情報漏えい等が課題。
・在宅医療・介護の連携では、飯田市と同じように、地域格差が生じており、その解
消が課題。そこには、24H の対応が可能ではないことも重く圧し掛かる。
(新井信一郎)
・保健師の奥野さんはじめ、担当者の取り組む姿勢は好感を得ました。
・へき地医療の体制は今後の課題としている点は、飯田市の中山間地域で取り組む課
題でもあろう。(清水可晴)
・在宅医療・介護の連携にあたり、実務者レベルのみならず医師も交えた多職種で顔
の見える関係を構築しつつあるという事であったが、一人の医療・介護を受ける方に
実は多くの関係者が絡んでおり、その関係者間のいい関係のネットワークをいかに構
築していくことが大切であるかという事を感じた。(竹村圭史)
・事前の街並み視察が一昔前の商店街など多く残っており落ち着いた雰囲気だった。
今後も残してくれるとよいと感じた。(福沢清)
・徘徊が大きな社会問題になっているが、徘徊しても無事に帰れる地域を目指しての
対応策(徘徊 SOS ネットワーク)は飯田市としても必要と感じた。(中島武津雄)
・今後、在宅医療・介護の連携が重要であり「晴れやかネット拡張機能(ケアキャビ
ネット)のような取り組みが必要であるが、市の Ism-Link を活用できないか。
・高梁市は認知症高齢者対策として地域での徘徊見守り模擬訓練の実施や小・中・高
校生に出前講座を行う等認知症の理解を広げ、できる限り住み慣れた地域で暮らし続
けられる社会の実現を目指している。(村松まり子)
2
介護予防事業の取り組みについて
鳥取県米子市
(1) 調査概要
ア
日時
平成27年7月14日(火)10:00〜11:30
イ
場所
米子市役所
ウ
説明者
福祉保健部
次長兼長寿社会課長 足立 毅氏
長寿社会課 課長補佐 河田純子氏
理学療法士 石田陽子氏
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エ
米子市概要
人口 149,399 人(平成 27 年4月1日現在)
世帯数 65,021 世帯
面積 132、42 ㎢
(2) 調査報告
ア
高齢者数 39,896 人、高齢化率 26、7%、75 歳以上の人口 19,945 人
75 歳以上の割合 13、4%、要介護認定率 20、4%
イ
(27.4.1現在)
一次予防事業「がいなみっく予防トレーニング」
運動習慣をつけるため、フイットネスクラブなどの運動施設や介護保険施設で
筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチなど週 1 回、3ヶ月間行う教室。
対象者・65 歳以上の方で、要支援
要介護の認定がなく、医師による運動制限
のない人
ウ
二次予防事業「通所型介護予防」
生活機能の改善のためにデイサービスセンター等の施設で、運動を中心に口腔機
能の向上や栄養改善、認知症予防等を実施。送迎あり。
対象者・65 歳以上の方で、基本チエックリストを行って該当した人
エ*よな GO! GO!体操・ご当地体操
音楽に合わせて日常的に体を動かす健康体操。「365歩のマーチ」
*すこやかオーラル体操(健口体操)
オ
よな GO! GO!体操の効果
開始時:暦年齢と体力年齢は、ほぼ同じ。
<体力年齢>
半年後:男性1.6歳
女性2.5歳の若返り。
3年後:男性4.1歳
女性3.9歳若返り!!
3年間体操を続けたことによって、約4歳の若返り効果がもたらされた。
カ
介護支援ボランティア制度
<現在の活動内容>
65歳以上の登録者が介護施設などで行うボランティア
<活動によるポイント>
1時間の活動で1ポイント→1日2ポイントまで
1ポイント→100円
年間最大5,000円まで
今後は、地域在宅高齢者への支援活動も検討
11 /
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キ
「買い物貯金」介護予防の取り組み
事業の流れ
自宅(利用者)から、近隣の公民館に集合→体操し体をほぐしてからショッピン
グセンターへ買い物リハビリへ(楽々カートの歩行の評価を、PT・OT・看護師が
実施)
ク
認知症高齢者対策について
現状・・・介護認定を受けている方の6割(約 5,000 人)に認知症の症状
ポイント・・・一人ひとりが自分のこととして考えることが重要。
*自分・家族で
生活支援アンケートによる早期発見プログラム、認知症予防プログラム
*地域で
認知症サポーター養成出前講座、徘徊見守り模擬訓練、認知症支愛カフエ
ケ
もしもの時の「あんしん手帳」について
(3) 質疑応答
Qぶらっと、運動体験!!とは。
Aがいなみっく予防トレーニングのフオローアップ。
Q第6期介護保険事業計画では、要支援 1・2の予防通所介護及び予防訪問介護が地
域支援事業からのサービス提供に変わるがどう取り組むのか。
A事業所や地域包括支援センターの声を聞いて検討中。
Qがいなみっく予防トレーニングは希望する人が全員受けられるのか。
A委託先の運動施設、介護施設がそれぞれマシーンをもっている。
マシーンは行政の補助はない。
交通手段や施設のない処では地域の活動を増やしていく。
Qがいなみっく予防トレーニングの2年目の希望者はどうなるのか。
A2年目も新たに申し込みをして受けられる。
2次予防から1次予防にいく人もいる。
Q介護支援ボランティア制度の今後の支援活動は。
Aぶらっと運動体験や買い物支援にも検討中。
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Q1次予防事業、2次予防事業の行う前と後では介護認定者が少なくなったか。
A介護認定者は維持されている。
毎年高齢化率が上がっている。
介護予防事業を利用されてない人が認定されている。
Q市民はかかりつけ医をどのくらいもっているか。
A統計はとっていない。
Q認知症の人の捜索は、登録されているのか。
A登録の推奨はしていない。
Q徘徊見守り模擬訓練は大人中心か?子どもの参加はどうなっているか。
A子どもも参加している。
小・中・高に絵本などを使って出前講座を行い、理解を高めている。
Q徘徊見守り模擬訓練は全市一斉か。
A地区ごとに行っている。
何地区か合同でおこなっている地域もある。
Q「買い物貯金」の高齢者ショッピングカート利用での問題点は。
A店側の理解を得ないといけない。
利用者が公民館に集まってから、店に行くのでロスタイムがある。
店で運動してそこで買い物するのが理想的。
Q買い物難民対策は。
A店が撤退した地域で自治体が店をオープンしたところがある。
Q体力年齢の概念は。
A国が出されたものである。
(4) まとめ・考察
ア
1次予防事業・2次予防事業、よな GO!GO!体操、介護支援ボランティア制度、
「買い物貯金」事業など介護予防事業に、しっかり取り組まれていると感じた。
イ
よな GO!GO!体操を3年間続けたことによって、約4歳の若返り効果がもたらさ
れている。
ウ
市の作業療法士や理学療法士等が、高齢者の 健康維持に役立ててもらおうと、家
13 /
29
庭で、一人で、できる体操に着目。「365歩のマーチ」の曲にあわせて、ストレ
ッチなどをする軽快な体操で、高齢者に親しまれている。飯田市でも生活機能低下
予防のための取り組みを工夫すべきである。
エ
今後の飯田市の介護予防事業が一層充実したものとなるよう提言していきたい。
(5) 各委員の所感
ア
良い点
・なじみのある(世代間ギャップはあろうが、
)歌謡曲アレンジにて親しみやすい健康
体操(よな GO!GO!体操)の普及活用
・意識させない、美しく実用的活動にて、老化への対応。
・各地区の事情を加味した弱者対策教育と訓練の実施。
(学校にて絵本等利用し、学ん
でいる。)
・認知症早期発見システムの構築、運用。訓練を通し、実用に現実味を増している。
(新井信一郎)
・一次予防事業『がいなみっく予防トレーニング』による体力測定と効果の検証
・二次予防事業、通所型介護予防の取り組み
・健康寿命を延ばそうとのキャッチフレーズによる、よな GO!GO!体操の普及により、
3年間で 4 才体力年齢が低下した点。
・介護支援ボランティア制度では、活動によるポイントを付与し、年間最大 5000 円を
支払う点。
・認知症を支える人を理解する人を増やすために、小学生に絵本を作って普及してい
る
・5人以上集まれば、出前講座を開催している。
・認知症早期発見システムを、生活支援アンケートに取り組み、点数によって次への
指導が仕組みとして確立している。
・捜索の訓練システムと安心手帳の導入。(清水可晴)
・
「買い物貯筋」と銘打って、買い物そのものをリハビリと捉えていることは、面白い
発想であると感じた。(竹村圭史)
・かいなみっく予防トレーニング…多くの地域で運動できる仕組み。
・よなGO!GO!体操…継続すれば効果が出ることは健康寿命に良い影響を及ぼす。
・ここでも認知症の方に対する訓練を行っていた。(福沢清)
・介護予防事業を取り組んで、終了後買い物を楽しむまでを送迎し、そこに健康運動
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士、療法士、看護師が関わっている。
・高齢者用ショッピングカート。(後藤荘一)
・健康寿命を延ばそうを合言葉に、日頃の運動習慣や予防のためのトレーニングを積
極的に取り入れている。
(中島武津雄)
・よな GO!Go!体操は、介護予防事業の一環として、市の作業療法士や理学療法士等が、
高齢者の健康維持のために家庭で一人でできる体操に着目し考案している。(村松ま
り子)
イ
参考となる点
・介護予防の取り組み
行政と民間商店、そして大学との連携
→「買い物貯筋」楽々カート使用
~
お化粧などをしてお洒落に、大好きなお買いものをしながら介護予防。
(新井信一郎)
・よな GO!GO!体操により、体力年齢が約 4 才若返る効果がもたらされた検証から、
運動の機会を提供し、普及する仕組みは参考になる。
・買い物貯筋の仕組みは、介護予防事業のきめ細かい仕組みは、買い物をとおして、
予防事業を導入しており、事業メニューにヒントを与えてくれた。また、商店と協働
する事業へ発展しようとしている点は参考になる。
・小学生へ絵本を活用している点。
・捜索訓練に取り組んでいる点、特に声掛けのポイント、防災無線放送が流れたとき、
近所の人たちが出てくる支え合いと、今後、災害対応への対策にも使える点。捜索訓
練をとおして市民意識の醸成は参考になる。(清水可晴)
・よな GO!GO!体操を継続して取組む大きな力となったのは、健康づくり地域サポータ
ーによるところが大きいことから、飯田市も参考にできればよいと感じた。
・買い物をそのものをリハビリの一環として捉え、「人前に出る」「体を動かす」につ
なげたことは自宅への閉じこもり解消に役立つと感じた。
・買い物リハビリの補助器具として、「楽々カート(高齢者用ショッピングカート)」
を開発・利用し、歩行の評価を健康運動指導士・療法士・看護師が実施していること
は、具体的な姿勢の改善にもつながることから有効な手法と感じた。
(竹村圭史)
・特に予防トレーニングの環境を整えることを模索していきたい。(福沢清)
15 /
29
・上記の点
・米子市においても認知症高齢者対策の訓練を取り組んでいる。ここは特別に訓練の
日を設けているが、高梁市のように、何かのイベントで、あまり告知のない中で取り
組むのも訓練の効果が現れるような感じがする。(後藤荘一)
・一次予防事業では、市内のフィットネスクラブなどの運動施設や介護施設で筋力ト
レーニング、有酸素運動、ストレッチなどを週1回、3ヶ月間行なう教室を実施。(6
5歳以上で要支援・要介護の認定が無く医師による運動制限が無い人)
・二次予防事業では、生活機能改善のためにデイサービスセンター等の施設で、運動
を中心に口腔機能の向上や栄養改善、認知症予防などを実施。週1回、6ヶ月間通所
型予防予防事業として市内27ヶ所で実施。
・「継続すると良いことがある」よな GO!GO!体操も考案。(中島武津雄)
・1次予防事業・2次予防事業や、
「365歩のマーチ」の曲に合わせて自宅で簡単に
継続して出来るよな GO!Go!体操。
・「買い物貯金」事業は、自力で買い物や外出が難しくなってきた方に対して身体機
能向上と買い物が出来る機会を設け自宅での閉じこもりを予防している。(村松まり
子)
ウ
その他
・かかりつけ医に、受診勧奨。
・継続は力なり。まさにその積み重ねと、一時のブームではない繋がりが、健康と美
容、そして若返りに寄与している。その仕掛けと、参加促進に学ぶ。
(新井信一郎)
・第6期介護保険事業計画で、平成 28 年度から総合事業を導入することから、移行が
容易ではないかと思われる。
・安心手帳は、元気なうちにあらかじめ書いておき、介護が必要になった時、もしも
の時の医療、大切な人に伝えたい、かかりつけ医など在宅での知識とネットワークな
どを市民に周知している点。(清水可晴)
・よな GO!GO!体操を継続して取組んみ体力年齢の回復が図られたとのことであるが、
誰にでもなじみやすく簡単に取組むことができるものは効果が大きいと感じた。
・介護予防において、運動機能や食生活機能の維持の大切を改めて感じることができ
た。(竹村圭史)
16 /
29
・
「買い物貯筋」は買い物難民と介護予防と組み合わせたような事業だが、実際には参
加者がどのくらいいるか、疑問。買い物難民については関心があるので経過、結果を
見守りたい。
(福沢清)
・介護支援ボランティア制度(65歳以上の登録者が話し相手、散歩の補助、草刈な
ど介護施設で行なうボランティア(1日2時間まで)制度)も参考になった。
(中島武
津雄)
3
コミュニティ・スクールの推進への取り組みについて
島根県松江市
(1) 調査概要(視察目的・視点)
ア
日時
7月 14 日(火)15:00~16:27
イ
場所
松江市役所
ウ
説明者
教育委員会
福島
エ
概要
オ
視点
学校教育課
主幹・指導主事(小中一貫教育推進係長)
稔夫氏
人口 205,008 人(27.6.1) 面積 573.01k ㎡
(ア) 小中一貫教育の取り組みの経過、内容、課題は
(イ) 特に「4・3・2」の教育区分を基に幼児期からの連携を図りながら、義務教
育9年間の連続し一貫した教育課程を編成・実施しているとのことだがその内容、
効果は
(ウ) コミュティ・スクール推進への取り組みにおける経過、内容は、課題は
(エ) 国が進めるコミュティ・スクールとの差異はあるか
(オ) 既存の組織と新たな組織、委員選出にあたり、その負担感は
(2) 調査報告(調査内容)
ア
小中一貫教育について
・こどもたちを取り巻く環境の変化(少子化、情報化、小1ギャップ、不登校、学
力)と心身な発達度の変化が動機。
・経過として、平成17年から検討し、22年度から全小中学校で実施、27年に
は「検証報告書」を出している。
・内容
たての一貫教育
幼児期から義務教育9年間を見通した教育の充実を目指す取り組み。
小・中の教職員が相互に交流をしている。
よこの一貫教育
17 /
29
学校、家庭、地域が協働し、こどもを育てる。
具体的には「地域推進協議会」
「学校支援地域本部」の設置して事業を進めてい
る。
・成果
学力が全国値と比べて上がった事、地域活動に参加する児童、生徒が増えた、不
登校比率が下がったことがあげられる。
・課題
教職員やの負担感の増加、学園ごとの取り組みに温度差がある、
地域の啓発活動に差が出ている、
イ
「4・3・2」の教育区分について
・内容
小中学校の義務教育9年間を、小学校1年から4年まで、5年から中学校1年ま
で、中学校2年以上と、3つに区分。
基本的な生活習慣を身に付ける時期、家庭学習の習慣と読書習慣を身に付ける時
期、手伝いや挨拶などルールを身に付ける時期の3段階とし、それぞれ目標を掲げ
る。
・効果
こどもが良く挨拶するようになった。
地域との交流で図書館が整理、華やかになり読書環境が改善された。
ウ
コミュニティースクール推進について
・経過
国で進めているコミュニティスクール指定については検討中。
平成23年文部省からコミュニティスクールの推進の委託を受け研究している。
松江市では小中一貫教育の中で「よこ」のつながりとして地域との連携を深めて
きた。
・内容
具体的には「あいさつ運動」
「ふるさと教室」で地域の社長の話を聞く、地域の人
と一緒に清掃ボランティアに取り組むなど成果を上げている。
エ
国で進めるコミュニティ・スクールとの差はどうか。
教職員の評価・任用というところが課題となり、国の指定について現在検討中であ
る。
オ
既存の組織との関連で新たな組織を作るのに負担感はどうか。
18 /
29
(3) 質疑応答
Q松江市で進めている「地域推進協議会」は何人か
A地域推進協議会設置要領に決められている(1)~(5)にあたる人で地域によっ
て人数は異なる。
Q中学校区で一貫教育を進めるとき、小学校が異なるがそれぞれのかかわりはどうか。
A「15の春」をめざし、中学校区での仲間づくりを考えている。
同じ学年の、違う学校の交流を行っている。
小中学校9年間を考えて行っている。
地域ボランティアで地域間交流も行っている。
Q一貫教育を進めて、幼児から小学校にかけて落ち着きが見られるようになったか
A平成25年になってかなり落ち着いてきた。
各保育所によって、指導方法が違うので、幼稚園、保育園と小学校の先生が交流、
授業参観などを行い、指導の統一性を図っている。
Q体作りについて具体的にどのような取り組みがされているか
A姿勢を正す、サーキットトレーニング、座り方の指導など、関西国際大学の先生に
より指導がされている。
Q地域とのかかわりはどうか
A地域により差が大きい。地域での浸透が今後の課題となっている。
ポスター、バッチの作成を通じて挨拶をする運動ができている。
Q小中一貫教育の施設一体型、分離型についてはどうか
A分離型は1時間の授業に3時間くらいかかっている。
Qコミュニティ・スクールは国の制度の内、教職員の任用をどうするかということが
ネックで国の指定を受けてないと受け取ったが今後はどうか。
A今は国の動向を見ている。現場の議論を大切にしたい。
(4) まとめ・考察
小中一貫の「たて」と「よこ」がうまく組み合わさっていると思われる。
特に、違う小学校同学年、小中の連携がきめ細かく行われており現場の教職員の方
の意見が生かされている感じがした。
19 /
29
また、ここで行われている4・3・2の教育区分は十分研究する価値があると思
われる。
「よこ」の連携で地域の中での学校の姿も理想的だと感じたが、それを支える地
域の方が大変で、それが地域によって差になっているのではないか。
教職員の任用の問題を抱えているようだが、コミュティ・スクールの目指すとこ
ろは確実に進んでいるのではないだろうか。
視察のテーマにはなっていなかったが、錦織選手や松江城の国宝指定がシティプ
ロモーションになっていることはうらやましい。堀川の船の遊覧、街並みなどが観
光を通じてまちづくりに寄与している点は素晴らしい。
(5) 各委員の所感
ア
良い点
・施設一体での小中一貫教育
・できることを、できるところから実行している点。(新井信一郎)
・心身の発達度の変化や子供たちを取り巻く環境を把握している点
・中学校を卒業する時にどんな子として育てていくのか、先を見据え、たての一貫教
育 4-3-2 制の導入と、学校・家庭・地域が協働して取り組む、横の一貫教育が目指す
目的と意図がはっきりしている。
・小中一貫教育が目指すもの。①学力向上②不登校数の減少③いじめ、問題行動等の
減少、④家庭学習、読書週間の定着は、わかりやすい。
・小中一貫校八束学園の事例は、施設一体型として効果が上がっている。
・ふるさと教育、キャリア教育の推進。
・保幼小接続カリキュラムに力を入れている。
・学校運営協議会制度の導入はしていない。地域推進協議会での取り組みを推進する。
(清水可晴)
・同じ中学校区にある小中学校が所属感や一体感を高めるために、愛称名(学園名)
やシンボルマークを決めて取組んでいることは、地域の一体感を醸成するうえでも有
効であると感じた。(竹村圭史)
・小中一貫教育で保育園まで含めて交流ができていること。
・一貫教育の中を4・3・2に区切っていること。…こどもの発達に応じての教育を
目指している点。
・地域推進協議会の検証で「地域との交流が進んだ」
「子供が挨拶するようになった」
との回答が80%を超えている点。
(福沢清)
20 /
29
・松江市小中一貫教育がめざすものとして、
「めざす学校・地域像」教職員が、幼児期から義務教育9年間を見通し一貫した教育
に共同して取り組み、教育力の向上を図る学校・保護者・地域住民が学校教育に積極
的に参画し、地域ぐるみで子ども達を育む学校・地域。
「めざす子ども像」
「教職員像」にもそれぞれ目標を掲げて一体となって取り組む。
(中
島武津雄)
・「4・3・2」教育区分を基に義務教育9年間の連続し一貫した教育課程を編成・
実施していることや、学校・家庭・地域の連携協力によるふるさと教育を推進がよく
理解できた。
(村松まり子)
イ
参考となる点
・連携型一貫校からの脱却。
・国、県推奨のコミュニティー・スクールとは一線を引いている。(新井信一郎)
・保幼小接続カリキュラムでは、体づくりを大切にしている。サーキットトレーニン
グ、座り方や姿勢を正すなど関西国際大学と連携している。
・コミニティスクールには取り組まないが、小中一貫で育む松江っ子の実践を通して、
独自教育に取り組んでいる。(清水可晴)
・小中一貫教育を行っていくうえで大切にしていることは、
「小 1 プロブレムの解消」
「保幼からの円滑な接続」「学習に向かうための基盤づくり」により、幼児期と学童
期の連携を推進し、保育と教育の相互理解と情報共有を図っていることは参考になる
と感じた。(
「幼児期と小学校を結ぶ『接続期カリキュラム』
」や、保育園・幼稚園で
きちんとした体づくりを基本においた「かしこい体プログラム」は参考になると感じ
た。)
・義務教育 9 年間における子供たちの心身の発達の加速化、学力形成の特質、生徒指
導等の諸課題の顕在化を根拠として、従来の 6・3 制から 4・3・2 の前期(小学 1 年
~4 年)、中期(小学 5 年~中学 1 年)、後期(中学 2 年~3 年)の 3 期に分け、各期
において目指す児童・生徒像を設けて取組んでいることは参考になると感じた。
・「幼児期から義務教育 9 年間を見通し、一貫した教育の充実を図る。
~たての一
貫教育~」で大切な視点として、「中学卒業時にどのような子供に育てたいか」を基
本としているという事であったが、明確な目標設定をもとにバックキャスティングで
行うことは参考になると感じた。(竹村圭史)
21 /
29
・国の方針そのままでなく、市独自の組織を作って学校と地域の交流が進んでいる点。
・小・中9年を4・3・2に分けて教育していることは飯田市でも今後の参考になる
のではないか。(福沢清)
・「地域推進協議会」「学校支援地域本部」の活動。(後藤荘一)
・松江市小中一貫教育の基本方針として
①「4・3・2」教育区分を基に、義務教育9年間の連続し一貫した教育課程を編成実
施する。~たての一貫教育~
②学校・家庭・地域が協働して、学校・地域の教育諸課題の改善を図り、地域で子ど
もを育てる学校・まちづくりを進める。~よこの一貫教育~
(中島武津雄)
・「たての一貫教育」と「よこの一貫(環)教育」を大切に行い教育効果をあげてい
る。
・「学校運営協議会」は設置せず、「地域推進協議会」が役割を担う。(村松まり子)
ウ
その他
・地域負担や連携型での現場負担の多さ。
・幼保連携の必要性(幼稚園の目指すものと、保育園の目指すものの違いは有って当
然であるが、小学校での学習と生活への繋がりを再考するべきではないか)
・地域にある○○協議会は、なり手不足。また、長期役員の固定の形骸化。(新井信
一郎)
・教育委員会制度の変更など教育の取り巻く環境が変化する中、地域推進会議を機能
させて独自の挑戦をしている点は教育の独自性が発揮されている。(清水可晴)
・松江市の取組みの基本は「①学習指導要領をもとに、各学園(中学校区)の特色を
活かした教育を進める。
」
「②幼児期から義務教育 9 年間を見通し、一貫した教育の充
実を図る。
~たての一貫教育~」「③学校・家庭・地域が協働し、地域で子供達を
育てる学校・まちづくりを進める。 ~よこの一貫(環)教育~」であり、表現や手
法の違いはあれど飯田市も目指すべき到達点は同じであると改めて感じた。(竹村圭
史)
・国のC・S制度について慎重に論議している点で今後良い制度に向かうよう期待し
たい。(福沢清)
22 /
29
・全般的に飯田の取り組みと似ている印象。(後藤荘一)
・開口一番、飯田市のキャリア教育について勉強に行きたいと考えていたとの挨拶が
あり、キャリア教育が全国的に注目されていると感じた。
(中島武津雄)
・市として社会変化に伴う子どもたちの心身発達度の変化(6・3制の枠組みだけで
は対応できない状況)に対応するための、幼児期から前期・中期・後期の義務教育9
年間の連続し一貫した教育課程を考えるべきと思った。(村松まり子)
4
コミュニティ・スクールの取り組みについて
(1)
ア
島根県出雲市
出雲市の概要(出雲市議会の概要から)
出雲市の誕生
平成17年3月、出雲市、平田市、佐田町、多伎町、湖陵町、大社町の2市4町の
新設合併により、誕生。
平成23年10月、斐川町を編入合併。
イ
地勢
出雲市は、島根県の東部に位置し、北部は国引き神話で知られる島根半島、中央
部は出雲平野、南部は中国山地で構成されています。出雲平野は、中国山地に源を
発する斐伊川と神戸川の二大河川により形成された沖積平野で、斐伊川は平野の中
央部を東進して宍道湖に注ぎ、神戸川は西進して日本海に注いでいます。
日本海に面する島根半島の北および西岸は、リアス式海岸が展開しており、海、
山、平野、川、湖と多彩な地勢を有しています。
水と緑の自然が豊かな町であり、ぶどう、柿、いちじく、出雲そば、島根ワイン、
出西しょうがなどの特産品が有名です。
ウ
人口等
人口:174,538人
世帯数:62,038世帯
面積:624.13㎢
(平成27年3月31日現在)
平成22年国勢調査より人口は3,053人、世帯数は6,086世帯増加してい
ます。
エ
市財政
一般会計当初予算(H27)75,770,000千円
(H26)73,000,000千円
特別会計当初予算(H27)52,227,150千円
23 /
29
(H26)49,134,790千円
(2) 調査概要
ア
日時
平成27年7月15日(水)10:00~11:30
イ
場所
出雲市役所
ウ
説明者
エ
視察目的・視点
教育委員会
教育政策課
教育部次長(兼)教育政策課長
主査 和田 貢氏
赤木亮一氏
(ア) コミュニティ・スクールの取り組みにおける経緯、内容、課題は
(イ) 既存の組織と新たな組織、委員選出等にあたり、その負担感は
(ウ) コミュニティ・スクールと幼保小中連携推進事業との関連は
(3) 調査報告(調査内容)
ア
コミュニティ・スクールの取り組みにおける経緯、内容、課題は
平成17年12月8日出雲市は、地域住民や保護者が学校運営に直接参画・協働す
る新しい学校運営システムを構築する必要があるとの出雲中央教育審議会第一次答申
を受け、平成18年度から「地域学校運営理事会制度」を導入した。
(ア) 「地域学校運営理事会」の主な役割は、
・
学校の教育方針や教育活動計画を承認すること。
・
学校運営について意見を述べること。
・
教育活動の実践にあたり、地域や学校のニーズに的確に対応できる教職員の確保など
について意見を述べること。
・
学校の運営状況を評価(学校関係者評価)すること
・
地域住民に対して理事会の活動状況等について情報を提供すること。
(イ)「地域学校運営理事会」の課題は、
・
この理事会には、地域の各種団体の責任者が理事に就任している場合が多く、その出
身団体の任期満了による役員交代で理事も交代し、継続的な取り組みができにくい場
合がある。
・
学校評価について、理事の理解が薄く、十分な協力が得られない場合がある。理事は
学校への出入り少なく状況がわからない場合が多い。
・
理事会の事務局については、その多くは教頭が担当している。少なからず業務は増加
している。
・
市単の予算のため、十分な予算措置が認められない。
・
運営理事会制度の認知度をさらに上げる必要がある。
24 /
29
イ
既存の組織と新たな組織、委員選出等にあたり、その負担感は
理事は、地元自治協会の役員やボランティア団体の関係者が多く、「学校の応援団」と
して協力いただいており、負担感は特に感じられない。ただ、PTA役員などの場合は、仕
事の都合で昼間の会合には出席できないことがある。
ウ
コミュニティ・スクールと幼保小中連携推進事業との関連は
幼保小連携推進事業でも、地域との連携も重要視していますが、特に地域学校運営理事
会との関係は薄く、理事としてではなく、自治協会の役員など本来の立場でそれぞれ協
力していただいている。
(4) 質疑応答
Q
小中の兼任理事は存在するか
A
存在する。幼保もいる
Q
理事会の役割は
A
校長の方針を聞く、教員人事に意見、予算配分調整、校長と理事長連名で市教
委に具申も
Q
理事会の意見は
A
施設整備に関するもの多い。人事、予算要望もあり。
Q
小中連携はあるか
A
中学校区ブロック協議会がある。
幼稚園が、市教委から子育てに移行したため、関係が薄くなった。
Q
市中央教育審議会とは
A
任期2年、教育振興計画の策定を担う、また、事業の点検・評価し、議会に報
告する役割がある。
Q
理事会での人事要望に応えることは可能か
A
市教委→県教委の制度のしばりの中ではあるが不可能ではない。
Q
理事会に支出する市の予算は
A
H26年度予算で230万円、お茶、資料代、資料等印刷代等
25 /
29
(5) まとめ・考察
・平成18年から始めている「運営理事会」の取り組みは、地域に受け入れられてい
ると思われる。
・社会教育分野(公民館など)がすでに市長部局に移行している出雲市においては、
この「地域学校運営理事会」が必要になった背景にあると思われる。
・中央教育審議会など、出雲市独自の組織があり、市教委のみでなく出雲市の教育に
チェックが入る体制は、良いと思われる。
・今すぐは飯田市に導入は無理と思う。また社会教育分野は市長部局に移行すること
は、市政に対する客観性な見方が失われるため、導入は否定的である。
・教育の独立性、民主的で、開かれた形がきちんと担保されるような仕組みは作らな
ければならない。
(6) 各委員の所感
ア
良い点
・H18 年より文部科学省推奨のコミュニティー・スクールを、全市域に導入。
(国直轄のスピーディーな取り組み)(新井信一郎)
・教育政策審議会と地域学校運営理事会(コミュニティ・スクール)がそれぞれ役割分
担しており、地域学校運営理事会は学校訪問をとおして、意見を求めている。
・保幼小中が、ブロック協議会を通じて連携している。
・教職員の任用や施設の改善を校長・理事長連名で市に要望する。
・理事の皆さんは積極的ボランティアとして位置付けており、謝金は予算化していな
い。
・地域の行事に子供たちが積極的に参加している。
・特色ある学校づくりを地域・家庭・学校が一体的に取り組んでいる。(清水可晴)
・地域学校運営理事会(学校の応援団)の理事者には、
「まず現場を見てもらう」よう
各校で工夫しているということであるが、現場の状況を知りそのうえで協議を行って
いくことは現実に即した対応がしっかりとできるのではないかと感じた。
・一部のブロック協議会の部会健康審議会では、子供の健康状況を保育園・幼稚園か
ら中学校まで連続して記録を取り、傾向を把握しているという事であった。一律には
展開できないものの、子供を「地域の貴重な財産(宝)」と考えるならば、健やかな成
長を願い記録を取り傾向を把握するという事は、早目の健康指導にもつながり良いの
ではないかと感じた。(竹村圭史)
・独自の地域学校運営理事会の発足を発足させている点。
(福沢清)
26 /
29
・「地域学校運営理事会」を設けて地域の代表が学校の運営について議論している。
(後藤荘一)
・出雲市では国の言う「コミュニティースクール」を地域学校運営理事会と呼び出雲
市の独自性を出しいこうとする目的で、地域・学校・家庭の三者が協働して、学校運
営や児童生徒の健全育成に取り組んでいた。(中島武津雄)
・21世紀出雲の地域恊働による「人づくり」に取組んでいることや、平成18年度
末までに全国で初めて、市内すべての小中学校に地域学校運営理事会(コミュニティ・
スクール制度)を導入した経緯が理解できた。
(村松まり子)
イ
参考となる点
・「出雲市保幼小連携推進基本計画」
。(新井信一郎)
・地域学校運営理事会の意見が、施設改善や職員の任用に反映している(市側は予算流
用で対応、人事は県教委に具申)。
・230 万円の予算措置。
・理事は積極的ボランティアとして、学校訪問を行っている。
・つないで笑顔に、保幼小連携を政策ダイジェスト版を配布して取り組んでいる。
(清
水可晴)
・地域学校運営理事会の理事者にはまず現場を見てもらうということであったが、地
域と学校を結びつけるのであれば地域の皆さんにも現場を見てもらうこともいいので
はないかと感じた。
・地域学校運営理事会が行うことになっている学校評価を理事の皆さんに十分な協力
を得るには、
「学校の内部事情に対する理解度を高める」ことをしないといけないとい
う点は、どこの地域でも当てはまることだと感じた。(竹村圭史)
・「地域学校運営理事会」を設けて地域の代表が学校の運営について議論している。
(後藤荘一)
・
「地域学校運営理事会」の開催回数を見てみると、年4回が最も多く年5回や年8回
という学校もあり熱心に活動している様子が見て取れた。
・学校評価という視点では、重点項目について説明を受けたり、事前に学校から資料
提供受けたりと、関係者評価を準備の上で理事会に出席するといった事例もあった。
27 /
29
・理事の構成では、地元企業や NPO・公民館など様々な職種、団体などから選ばれてお
り参考になった。(中島武津雄)
・運営理事会は、地域住民や保護者が学校とともに地域の子どもの教育に責任を負う
との共通認識のもと、地域・学校・家庭の三者が恊働して、教育活動」等に対し主体
的・積極的に支援・協力する事を基本に「学校の応援団」としてのシステムである。
・理事の参画意識をたかめるために、学校運営・学校評価に一定程度の権限を持たせ
るなどの工夫がされている。
・出雲市保幼小連携推進計画を策定している。
(村松まり子)
ウ
その他
・生活面や社会規範は学校内と地域社会とが気配りと心がけが見える。
・地域学校運営理事会(コミュニティ・スクール)制度にて、学校運営に関して協議
する機関を設けたが、地方都市は従前から地域の関わりは大きく、あえて今更、とい
った風潮もあった。がしかし、いざ指令系統を構築・運用してみれば、役員の負担は
大きい。また、それぞれ兼務、といった組織であるがゆえ、不在、といった問題も抱
えている。
・すべてがボランティアでの活動
・保育所、幼稚園、小中学校及び高等学校の教育活動連携の在り方に加え、0 歳児から
の一貫した教育・保育・幼児教育の在り方、家庭教育への支援の在り方等についても、
今後具体的な検討が必要。(既出の松江市でも同趣旨がうかがえた。)
(新井信一郎)
・国が推進する学校運営協議会に基づき、名称を変えて取り組んでいるが、平成 17 年
に設置した出雲中央教育審議会での答申に基づくものでプロセスにおいて独自性が発
揮されている。(清水可晴)
・地域学校運営理事会制度を広報等で周知されているが、市民全体への認知はまだ低
いと考えられていた。裏返せば、学校そのものに対する市民の関心が低いのではない
かということと、どこの地域においても当てはまることだと感じた。
・コミュニティスクールを推進するうえで、保・幼・小・中の連携を大切にしている
と感じた。(竹村圭史)
・既存の地域組織が新しい組織(理事会)に入っていく際、負担感がなかった感じだ
が、本当はどうか疑問が残る。(福沢清)
・平成18年から始めている「運営理事会」の取り組みは、地域に受け入れられてい
28 /
29
ると思われる。
・社会教育分野(公民館など)がすでに市長部局に移行している出雲市においては、
この「地域学校運営理事会」が必要になった背景にあると思われる。
・中央教育審議会など、出雲市独自の組織があり、市教委のみでなく出雲市の教育に
チェックが入る体制は、良いと思われる。
・今すぐは飯田市に導入は無理と思う。また社会教育分野は市長部局に移行すること
は、市政に対する客観性な見方が失われるため、導入は否定的である。
・教育の独立性、民主的で、開かれた形がきちんと担保されるような仕組みは作らな
ければならない。(後藤荘一)
・平成17年出雲中央教育審議会第一次答申を受け、平成18年度から「地域学校運
営理事会制度」を導入し、コミュニティーセンターを中心に、子ども達を地域で育て
る雰囲気が醸成されたと評価していた。(中島武津雄)
・出雲市は子どもたちを真に健全に育成し、それぞれの可能性を伸ばしていくため、
0歳児からの一貫した教育・保育のあり方、家庭教育への支援のあり方についても、
今後具体的な検討が必要とされている。この事は、飯田市でも捉えていくべきと考え
る。(村松まり子)
29 /
29
飯田市議会
産業建設教委員会
所管事務調査(視察)報告
平成 27 年9月 29 日
第1
調査実施期日
平成 27 年7月8日(水)・9日(木)
第2
調査事項(視察項目及び視察先)
Ⅰ
道の駅能登食祭市場の取り組みについて
〔石川県
七尾市〕
Ⅱ
企業参入による耕作放棄地活用の取り組みについて
〔石川県
Ⅲ
新産業創造プラットフォームの取り組みについて
Ⅳ
観光施策について・外国人観光誘客の取り組みについて
〔富山県
〔岐阜県
第3
参加者
産業建設委員長
永井
一英、産業建設副委員長
湯澤啓次、森本政人、小倉高広、清水
勇、原
1 /
22
湊
和世
猛、
七尾市〕
高岡市〕
高山市〕
第4
Ⅰ
調査概要(視察報告)
道の駅能登食祭市場の取り組みについて
1
〔石川県
七尾市〕
調査概要(視察目的・視点)
日
時
平成 27 年7月8日(水)13:20~14:40
場
所
道の駅能登食祭市場
説明者
モントレーホール
株式会社
香島津
執行役員
今田
豊和
株式会社
香島津
営業部長
伊川
敬一郎
氏
氏
当委員会が引き続き所管事務調査として取り組む事項「市の観光施
視察の目的
策について」先進的に取り組み、実践している事例を視察し、今後の
市政の方向性を探るとともに見識を深める。
(1)施設建設の経過や現状について
視察の視点
(2)入場者数の変遷等と今後の課題について
(3)プロモーション等について
2
調査報告
(1)能登食祭市場成り立ちのストーリー
①
若者の危機感から始まる
・七尾市は古来より天然の良港として栄えてきたが、主要ルートが海上から陸上
交通に転換され市の経済は急速に地盤沈下し低迷を続けていた。
・このような状況を打破するため、昭和 60 年に七尾青年会議所メンバーが「市
民大学講座」を開設し市を取り巻く現状認識と将来展望について学習を始め、
翌年「市民討論会」
「市民アンケート調査」が行われた。
②
先進地に学び、市民が構想を作る
・市民団体がアメリカ西海岸研修視察団を組織し実施
・各界各層の住民を巻き込んだ「マリンシティー推進協議会」を発足させ七尾マ
リンシティー構想を発表。モントレー市 JC と七尾市 JC が姉妹提携
・運輸省ポートルネッサンス 21 の調査地に指定。七尾港再生マスタープランが
策定。
③
市民が行政を動かす
・昭和 63 年、七尾市新総合計画にマリンシティー構想が組み込まれる。
モントレー半島商工会議所と七尾市商工会議所が姉妹提携。子供達の相互交流
も始まる。七尾マリンシティー構想は生き残り戦略のメイン運動として市域を
挙げての本格的な運動となる。
④
能登食祭市場設立へ
・平成元年、七尾フィッシャーマンズ・ワーフ建設準備委員会が発足
モントレージャズフェスティバル in 能登が開催
国際テント村の開催
2 /
22
・平成2年、㈱鹿島津(第 3 セクター)が設立。七尾フィッシャーマンズ・ワーフ建
設着手。
・平成3年
⑤
能登活性化のシンボルとして能登食祭市場が竣工、オープン。
素人集団で予想を上回る実績
・どうせ失敗すると周りから言われていた
・来館者は当初見込み年間 35 万人。実際は 80 万人
(2)事業概要
①
能登食祭市場の施設
設立:H3.9.21 開業
今年 24 周年を迎える
入館者数:H26 年度実績
83 万人
施設:敷地面積 3520 ㎡
昔は桟橋だった場所
売場面積
2階建
駐車場
延べ 5384 ㎡
普通車 200 台、大型バス 15 台
概観デザイン
米国西海岸モントレー市のフィッシャーマンズ・ワーフを参考
H14.3 隣接にマリンパーク(埋立地、毎年モントレージャズフェス開催)
H25
リニューアル(外部テラス、多目的ホール、里山里海広場)
施設構成:1F
「能登生産市場」
「里山里海百貨店」
「モントレー広場、ホール」など
2F
②
施設運営
能登グルメ館
㈱鹿島津を中心とした第 3 セクター
県、七尾市他民間 30 社
※3セクとしては全国的にも少ない成功事例
資本金:1 億 3500 万円
(七尾市 3300 万)
事業費:15 億 5000 万円(14 億円余借入れ、後 3 年で完済)
敷地:県有地を借入れ
売上高:年間約 10 億円
従業員数:鹿島津
テナント
ピークは 13 億円
22 人(内出向職員 1 人)
約 90 人
事業推進組織:七尾港振興協議会
七尾マリンシティー推進協議会
③
イベントの積極的開催
主なイベント(マリンパークを含め)
5月
青柏祭(山車「でか山」
)
7月
七尾港まつり
9月
周年感謝祭
11月
2月
④
モントレージャズフェスティバル in 能登
食祭大市、七尾市中学校吹奏楽演奏会
如月おいしんぼ市
国の認定
3 /
22
H19.4 国土交通省「みなとオアシス」認定
H21.3 国土交通省「道の駅」認定
(3)事業整備効果(相乗効果)
①
地場産業の振興、地場産品開発
納入業者 64 社、
農産物の 1.5 次化の推進(民芸品、漬物など)
②
周辺商店街の活性化創出
中心商店街への相乗効果
③
雇用の拡大、雇用の場の創出
市場全体で 110 名の新たな雇用
④
観光産業への新たな波及効果
アンテナショップとしての機能
⑤
都市機能(インフラ等)の整備
⑥
街づくりに伝統行事が参画
イベントが七尾港に集積
3
質疑
質問
入場数はイベントの数字も含むのか
イベントへの取り組み、重要性は
回答
レジ数×1.3 で計算している
イベントの重要性はモントレー市の例(年間 50
日実施)から学ぶ。実際は小田氏のネットワーク
に負うところが多い
例)毎年2月の「相撲トークイン能登」への輪島
関(小田氏と同級)白鵬関の参加
例)
「同7月モントレージャズフェスティバルイ
ン能登」小田氏の人脈
イベントの経費は
テナント料に上乗せしている。業者も負担をし
て頂いている。例)テナント料
8+2.2%
※ここ
でもバックに小田氏の存在が大きい
市の関わりは
初代社長に市の助役(二代目スギヨ社長、三代
目小田氏?)
。第3セクターとしては成功例。多方面
の力を生かすことができた。
周辺との広域連携は
「道の駅」に対する県などからの支援
は
周辺自治体とパンフレットの交換など
特にない。県の主催する「石川 道の駅巡りソ
フトクリームスタンプラリー」に協力。「道の駅
へ行けば何でも分かる」となるよう、旅行者に役
立っているかもしれない。
4 /
22
4
まとめ、考察
「道の駅」のモデルとして視察したが実態は違った。道の駅は後から付いた付け
足し看板であった。能登食祭市場は、よくあるステレオタイプな「道の駅」ではな
く、七尾市民が創りあげた本物の地域活性化の拠点(道の駅、海のオアシス)であ
り、ここに至るまでの地域一丸となった取り組み(ストーリー)にこそ学ぶものが
あると感じた。
しかしながら、この事業を最初から今日まで主導した加賀屋の小田禎彦社長の存
在が余りに大きく、地域づくりの可能性と同時に一人の傑出したリーダーに依存し
がちな地域づくりの現実や、飯田市にどう取り入れたら良いのか、戸惑いを感じる
視察でもあった。
ひょっとしたら、こうした人材を輩出する風土が七尾にあるのかもしれない。
飯田市には公民館活動を代表とするムトスの精神が根付いているが…
(1)視察から学んだこと
・危機意識こそ地域づくりの原点
地域が衰退してゆく危機感から若者たちが立ち上がったこと
そこには先を見据えた強力なリーダーシップが不可欠であること
・先進地から学び、構想を練り、地域全体で取り組むことの大切さ
アメリカ西海岸モントレー市をモデルに、行政、企業、市民が一丸となって取り
組んでいること。
・市場としてだけでなく能登地区の交流拠点としてイベントを重視、定期的に行っ
ていること
(2)印象に残った言葉
「能登全体のことを考えなさい。自分だけではダメだよ。
」~小田禎彦
「始めたのが、ど素人で良かった」
(3)気になった点
・飯田市より早く、平成 19 年に七尾市が「小さな世界都市」みなとまち七尾の再構
築を目指していることを、後で配布資料の中で知った。
・~人・地域・世界をつなぐ連携づくり~
七尾市は「能登はひとつ」を合言葉に、能登半島のまちとの交流を強め、道路や
港、空港を活かした「人・地域・世界をつなぐ連携づくり」により「小さな世界都市」
の確立を目指している。
「小さな世界都市」を目指す飯田市として、七尾市の取り
組みは大いに参考にすべきと感じた。
・一つでも二つでも「行列のできる店」を作ることが大事(例:味噌饅頭)
・小田氏から指導を受けたおもてなしの心。
例)会議の前に机の下を清潔に。着席した時ズボンを汚さないように
ワイヤレスマイクは毎回電池を新しいものへ
5 /
22
5
議員個別所感
(1)良かった点
議員名
内容
地域農業の振興と地域活性化に寄与する取り組みとして、道の駅のあり方
永井一英
を探るための先進事例として視察を企画したが、それよりも観光誘客を進め
るためのコンセプトのあり方を学ぶことになった。
湊
猛
人が輝く交流・体感都市を理念に人を呼び込む(七尾の魅力づくり)を基
本方針のもと、元気な地域づくりの力強さを感じた。
やはり行ってみないと分からない。能登食祭市場はよくあるステレオタイ
湯澤啓次
プの道の駅ではなく、七尾市民が創りあげた本物の地域活性化の拠点(道の
液駅、海のオアシス)であり、ここに至るまでの地域一丸となった取り組み
(ストーリー)を学べた点。
森本政人
海路で栄えたが陸路整備により人の流れが代わったそうだが、地の利を活
かして「港」をキーワードに賑わいを取り戻したこと
昭和 60 年からの取組、市民大学講座・S61 市民討論会・S62 七尾マリン
清水
勇
シティ推進協議会、モントレイー半島JCと姉妹提携・S63 七尾市総合計
画・H1 建設準備委員会発足・H2 七尾駅前再開発事業、食祭市場起工式・
H3 竣工式、計画と取組がわかった。
(2)参考となりそうな点
議員名
内容
高速交通網が開通する時期を見据えて、飯伊地域の観光施設のコンセプト
永井一英
を考える上で、ストーリー性、理念や思いの必要性、デザイン性、また、イ
ベントと常時の施設のあり方について参考となることが多かった。
アメリカ西海岸への視察団を組織し、研修を実行してから全てのスタート
湊
猛
をした。やる気のある若者の組織を働かすことの仕組みづくりが必要。活路
を開いたのは、素人集団であった事。又、
「小規模で無理なく」を貫いた事。
危機意識こそ地域づくりの原点と成り得る好事例。先進地(モントレー)
湯澤啓次
視察から市民が中心に構想を練り、市民が地域を巻き込み行政を動かすダイ
ナミズムを生み出していること。地域交流拠点におけるイベントの役割
森本政人
青年会議所の牽引力
S60 年地域の現状を捉え地域活性化について七尾青年会議所が市民大学
講座・産業・交通。観光について学習、S61 年七尾JC市民討論会「七尾
マリンシティ構想」を提案、市民が中心となり、市・県・国とも連携をして
清水
勇
取り組んできた事業内容は参考になる。産業振興面でも地場産業・周辺商店
街・雇用の拡大・観光産業等への事業効果が表れている点、良い方向に進ん
でいる。和倉温泉、加賀谷会長小田禎彦(元JC会長)良きリーダーシップ
を取った人材がいたこと。
6 /
22
(3)その他、感じたこと等
議員名
内容
産業振興を進めるに当たって、行政の立ち位置と関わり方をしっかり考え
永井一英
ておく必要が有ると感じた。おもてなしの心の重要性。リーダーシップをと
る人の存在。
とことん能登の品提供(秘めた信念、客をつかむ)和倉と連携。安定集客
湊
猛
(温泉側にもメリット)店内に1ヶ所は、行列のできる目玉を作る事。
(話
題性)
事業を最初から今日まで主導した加賀屋の小田禎彦社長の存在が余りに
も大きく、一人の傑出したリーダーを頂点とした特異な地域づくりの事例と
湯澤啓次
感じた。とはいえ地域づくりに強いリーダーシップは不可欠であり、飯田市
に於いては、ムトスの精神をどう生かすか、多様な主体の中に多くのリーダ
ーの輩出を公民館活動や各団体などに期待したい。
森本政人
営業努力は並大抵のものではなかったでしょう
和倉温泉の観光客へのPRと施設との取組ができている。地域の鮮魚販
清水
勇
売・近隣の地場産業製品の取り扱いが良い。地域食材を活かした安く新鮮な
食事提供をしている。
Ⅱ
企業参入による耕作放棄地活用の取り組みについて
1
〔石川県
七尾市〕
調査概要(視察目的・視点)
日
時
平成 27 年7月8日(水)14:40~15:30
場
所
道の駅能登食祭市場
説明者
モントレーホール
七尾市産業部農林課農業振興グループ
遠藤
農業生産法人株式会社スギヨファーム
長谷部
敦
課長補佐
英徳
氏
当委員会が引き続き所管事務調査として取り組む事項「遊休農地・
視察の目的
耕作放棄地対策について」先進的に取り組み、実践している事例を視
察し、今後の市政の方向性を探るとともに見識を深める。
視察の視点
2
(1) 取組みの経過について(それぞれのマッチング等)
(2) 今後の課題等について(他地区の取り組みや事業拡大など)
調査報告
(1)七尾市の農業の現況
耕作放棄地 16.6ha 能登は急激に過疎化が進行、耕作放棄地が急増
高齢化、担い手不足により農業が衰退の一途を辿っている
日本の原風景である里山も損なわれている
(2)㈱スギヨの参入
「地元で育った企業として地元のために何か恩返しがしたい」
参入理由
7 /
22
①ビジネス戦略
・6次産業化:自社の食品加工と農業の融合により、生産から加工、販売まで
統合。自然の恵みを循環させる企業形態の構築
②社会貢献
・地元能登から耕作放棄地を少しでも解消したい
・雇用確保、地域の活性化に貢献したい
・農業の担い手として、農業再生及び復興を図る
(3)参入までの主な経緯
H17.9 農業経営基盤強化促進法改正
H19.4 ㈱スギヨ
H19.12
企業への農地貸し出し解禁
石川県最初の企業参入
能登島 4.8ha
会社と地域住民との間で「わいわい里作り能登島ネット」設立
→良好な関係。農地が借り易い状況
H24.3 農業生産法人「スギヨファーム」設立
(4)経営規模
H19 年度
4.8ha 能登島
→
現在
16.0ha (耕作放棄地解消面積 16ha)
H26 年度から穴水町 9ha 志賀町 16ha を新たに借り受け
(5)栽培作物、販路
能登野菜(認定 16 品目)をはじめ 30 種類。年間 500 トン
生産野菜の8割を自社製品の練り物や揚げ物に利用(加工処理)
残りは地元スーパーの産直コーナー、学校給食、契約販売など
直売所の開業(H26.4)
3
質疑
質問
回答
ペースト状の商品とはどのような 中島菜:葉をカットしペースト状に練り冷凍保存
イメージか
紫芋:色物として使われている
雪中キャベツ、雪中ニンジン:甘さの違いを生かす
農業従事者は H19 年 4.8ha で 7 人と
あるが現在は
農業機材は
現在 26ha に対し 35 名。
(作業者は 30 名、営業な
ど4名、パート1名)
。農繁期には別途パートを採用
国の補助事業(50%)や耕作放棄地に対する補助事
業、リース(初期投資を少なく)
七尾市で農業従事者(定住人口)は
増えているか
年間6、7人は新規農業者が生まれていると把握
している。必ずしも独立している訳ではない(スギ
ヨファームや、認定農業者に勤める)
。仕事が合わず
4~5割は辞めてゆく。独立を目指し就農給付金(年
180 万)制度を利用している新規就農者が七尾市で
13 名居る。
8 /
22
遊休農地の集積はどのようにして
いるのか
能登島はタバコ生産組合が抜けて広い土地(2~
4ha)が得られたが、穴水などはバラバラに点在して
いる。最低でも土地がまとまっていることが条件で
受けている。行政が協力してくれている。
スギヨさんが企業参入できたのは 年間生産の 500 トン中 300 トン位は回したい。シーズン
企業理念とともに加工施設を持っ によって違う。
ていることが大きいと思うが、加工
にどれだけ生産物を回しているか。
学校給食にどの程度入れているか
地元小中学校で使う量より我々の生産の方が遥か
に多く必要な量は提供できている。
入札ではある
がコスト的にも悪くはない。管理栄養士さんが毎月
立てる献立(地元食材を生かした)に合わせて提供
している。
有機栽培が中心か
安心安全な作物を多く作りたいというのが社の方
針だが、完全有機栽培の畑は一部。 完全無農薬(特
に除草)は大変コストがかかり、有機肥料だと管理
も大変で運用が難しい。ただ、得られたノウハウを
生かしできるだけ農薬を減らしたいと考えている。
能登野菜(認定 16 種)を基本にし
ているか
基本はスギヨの練り製品に使う野菜(ニンジン、玉ね
ぎ、ジャガイモ)。青じそなどどうしても採算に合わな
い。農家が長年培って作られている能登野菜を素人
の我々が良いものを作るのは大変。
人材育成の面で、スギヨファームか 希望があれば応援するがまだ居ない。更に拡大して
ら独立してゆく者は
ゆきたいので人が必要。
地域おこし協力隊は
能登島で2人。協力隊は地域づくりがメイン。我々
にアプローチはまだない
4
まとめ、考察
果たして農業への企業参入は飯田で実現できるか、のヒントを得るのが一番の関心
ごとであったが、ハードルは大変厳しいと感じられた。農業への企業参入は時代の要
請であり、日本の農業の存続において不可欠と思われる。七尾市等の企業参成功事例
を積極的に学び、今後の飯田市の農業政策に欠かせない視点としたい。
(1)視察から学んだこと
①企業参入のポイントは3つ
・企業の地域への篤い想い(社会貢献、企業理念)
「地元で育った企業として地元のために何か恩返しがしたい」と思う企業人の
存在
9 /
22
・ビジネスとして成立させるマネジメント力
・まとまった農地の確保など地域、行政の協力
②耕作放棄地への企業参入のもたらす地域へのメリット
・衰退しつつある地域へ勇気と活力を与えている
・新規農業者、農業分野への雇用創出
・相乗効果として農家への良い刺激(カンフル剤)
③ビジネスとして成り立つためには
・まとまった農地が不可欠
・付加価値を生む仕組み(加工施設、販売力、人材)
(2)飯田市で農業分野への企業参入を推進するには
・主体となる企業の発掘(社会貢献の企業理念)
・ビジネス戦略
・まとまった土地の確保
地域住民との連携の仕組みづくり「例:わいわい里作り能登島ネット」
有効な行政支援
これらを踏まえ、農業課だけでなく産業経済部を中心に市全体で取り組む必要
がある。
5
議員個別所感
(1)良かった点
議員名
永井一英
湊
猛
内容
飯田市においても実例は生まれつつあるが、企業参入による取り組みの実
例を現場に関わっている人から直接話を聴けたこと
(株)スギヨ・水産加工業種が農業に対する思いのもと参入した決断は素
晴らしく感じた。
企業参入の3つのポイントを学べた点
湯澤啓次
ネスとして成立させるマネジメント力
①企業の社会貢献理念
②ビジ
③まとまった農地確保など地域、行
政の協力
企業の社会貢献という強い理念があること。収穫した野菜を余すことなく
森本政人
利用しており、野菜残屑も堆肥化で循環型農業であること。能登島の景観保
全にも貢献していること。
能登の葉タバコ栽培が需要の急激な落ち込みにより、耕作放棄地が増加し
清水
勇
た、
「わいわい里づくりネットワーク」を設立し取り組んだ、地元企業の「
(株)
スギヨ」が地産地消の考えで取り組んだ
(2)参考となりそうな点
議員名
永井一英
内容
耕作放棄地の所有者と企業とを繋ぐ組織の必要性
10 /
22
飯田市内でも企業参入による耕作放棄地活用が実現できるのでは。企業参
湊
猛
入を目指す企業へのアドバイス強化。山菜の里を作ることも大事である。
(ワ
ラビ、タラの芽等)
飯田市でも農地のまとまった確保は企業参入だけでなく新たな担い手創
湯澤啓次
出のためにも必須であること。その為のネットワークづくり。参入する企業
には社会貢献の理念と共に、付加価値を高める持続可能なビジネスモデルを
持つことが不可欠。
基盤整備事業・農業工作機械支援制度等の国・県・市による支援のあり方。
森本政人
当地域ではマルニシ産業が同様の事業をしている。飯田市としても今以上の
接点を持つようにすれば遊休農地活用に弾みがつくのではないだろうか。
「(株)スギヨ」の食品加工と農業の融合、地元の農業生産物を原料の一
清水
勇
部として利用しブランド力を高め、新商品の開発に活かす、地域活性化も図
っていく。葉タバコの広い耕作放棄地があったことなど、七尾市の耕作放棄
地の活用の取り組み方が理解できた。
(3)その他、感じたこと等
議員名
内容
やはり、点在する耕作放棄地をまとめることが必要となるが、その手法に
永井一英
ついては悩むところだ。飯田市における、学校給食への地元農作物の更なる
使用の拡大を、どのように図っていくかを考える必要が有るのではないか。
湊
農地の仲介斡旋し「わいわい里づくり、能登島ネットワーク」を設立して
猛
活動している点。栽培の技術向上をはかっている点。
「地元で育った企業として地元のために何か恩返しがしたい」と思う企業
湯澤啓次
人の存在がとても大きい。耕作放棄地への企業参入は、衰退しつつある地域
へ勇気と活力を与えている。
森本政人
農業を核としたコミュニティ作りに力強さを感じた
「株
清水
勇
スギヨ」 地元で育った企業として、地元のために何か恩返しをした
い。生産・加工・販売
6 次産業化、
(農産物を水産材料と合わせ商品開発)
安心安全な自社野菜確保、すり身・野菜残渣の堆肥化。社会貢献、耕作放棄
地解消・地元の雇用確保・農業の担い手育成など企業の考え
Ⅲ
新産業創造プラットフォームの取り組みについて
1
〔富山県
高岡市〕
調査概要(視察目的・視点)
日
時
平成 27 年7月9日(木)14:40~15:30
場
所
高岡市役所
説明者
高岡市産業振興部産業企画課
長井
剛志
高岡市産業振興部産業企画課
秋元
宏
11 /
22
副主幹
主任
産業振興策に関し、他の機関とも連携したワンストップ式対応の取
視察の目的
り組みなど、先進的な実践事例を視察し、今後の市政の方向性を探る
とともに見識を深める。
(1)取組みの経過について(具体的な成果等)
視察の視点
(2)関連団体との連携に関して考察は
(3)人材育成の観点での取り組みは
(4)今後の課題は
2
調査報告
(1)新産業創造プラットフォームの意図するところ
「研究開発」から「販路拡大」の各段階における企業ニーズに、産業支援機
関、研究機関、大学、金融機関等と連携を図りながら、ワンストップで対応し、
市内企業を総合的に支援すること。産業企画課が総合窓口となっている。
(2)主な取組み
①新技術・新商品開発支援
支援制度
新技術・新製品
内容
実績等
中小企業が新分野進出・事業展開を図る
平成 26 年度実績は5
開発等支援補助
ために行う新技術・新製品開発に対し、経 社採択(H23~26 年で 33
金
費の一部を補助する。補助対象経費の2分 件)
。この場合、高岡市の
の1以内。補助限度額 50 万円。
制度融資「ものづくり支
援資金」を活用できる。
地域資源活用
中小企業者又は中小企業者と連携する
平成 25 年度までは、農商
事業支援補助金
農林漁業者が地域資源を活用して実施す
工等連携への補助を実施
る、新商品、新サービスの開発、又は開発 していたが、ニーズが少
と合わせた市場調査、販路開拓等の事業に なかったため平成 26 年
対して、補助を実施。補助対象経費の2分 度から内容の変更を行っ
の1以内。補助限度額 50 万円。
た。
※これに関連する企業訪問数は平成 26 年度実績でのべ 418 社、相談対応件数はのべ 719
社。
②販路開拓支援
支援制度
内容
戦略的販路開
拓事業支援補助
金
中小企業者等が、新分野進出、新事業展開
を図るため、自社開発した製品、技術等の新
規販路を戦略的に開拓するため実施する、見
本市等への出展、市場調査、コーディネータ
ー等の活用等に対し補助。補助対象経費の2
分の1以内。補助限度額は国内の見本市の場合
30 万円。海外の見本市の場合 50 万円
12 /
実績等
22
平成 24 年度から
海外枠を創設。27
年度に補助対象経
費を拡充し現支援
制度に。26 年度実
績で 13 社採択。
※例えばA社は、この補助金の海外枠を活用しドイツの展示会に出展。サンプルオーダー
の依頼を含め新規顧客の可能性として 20 件超の商談あり。海外市場開拓の動きは年々増
えている。
③「JETRO 富山」との連携
○概要
平成 24 年6月、高岡市と日本貿易振興機構(ジェトロ)富山貿易情報センタ
ーは、高岡地域の中小企業の海外販路開拓支援を目的とし、相互に協力、連携
する覚書を締結。この協定に基づき、高岡市はジェトロ富山と協力し、海外展
開を図る事業者を支援すべく「海外販路開拓出張相談窓口」の開設、各種セミ
ナーや商談会を実施。
○実績の1例
名称:海外バイヤー招へい商談会 in 高岡
日程:平成 24 年7月 17 日~19 日
バイヤー:4か国(米、仏、独、ベルギー)から6名招へい
内容:市内企業訪問、商品講評会、交流会、個別商談会
参加:25 社(高岡市内企業 14 社)
商談:64 件(うち成約3件、代理店契約1件)
(3)ものづくりの技
高岡は、1609 年加賀藩二代藩主前田利長公がさまざまな産業振興策を打ち出し
たことを淵源として、ものづくりの伝統が今も息づいている。高岡銅器、高岡漆
器は国の伝統的工芸品に指定された。ものづくりの人材の発掘と育成にも市を挙
げて取り組んでいる。
(次の質疑内容参照)
3
質疑
質問
回答
18 年度から国から「高岡市ものづくり・
図工の教科のうち、年間 36 時間(開始当
デザイン人材育成特区」の認定を受け市内 初)程度を割り当て実施している。実施メ
のしょう・中学校で独自教科「ものづくり・ ニューの中から学校が選択をしている。関
デザイン科」を行っているとのことだが概 連組合の職人が先生と一緒に教えている。
要は
費用については、特区の交付金等を充てて
いる。事業は教育委員会で実施している。
「ものづくり・デザイン科」の取組が人
材育成につながった例などはあるか
実際に「ものづくり・デザイン科」を受
けた児童で、工芸関係の高校に進学し、大
学で漆の研究をしている方がいると聞く、
一つの例でしかないが取組みの成果である
と考える。また、徐々にではあるが富山大
学の芸術文化学部から地元の伝統産業への
就職者が増えているようだ。
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22
「伝統工芸技術者養成スクール」が実施
されているが概要は
高岡市デザイン・工芸センターに工房機
能があり、そこで実施している。いくつか
のコースの設定があり年間受講料は 18,000
円。就職のあっせんまでは扱っていない。
多くは、就職のためのというよりは、現在
の仕事においてスキルアップを目指してい
るようだ。
産業支援機関等として富山県総合デザイ
単に芸術的な意味合いではなく、プロダ
ンセンターや高岡市デザイン・工芸センタ クトデザインを指しており、総合的な支援
ーなどが設置されているが、
「デザイン」の の中で、商品化、製品化へつなげていくも
語句はどのように捉えているのか
のである。
職員が企業訪問をしているが体制は
担当者は6人、うち2人が新産業創造関
係、その他企業誘致担当者などがあたって
いる。訪問時には、補助金や支援メニュー
を紹介し、企業側のニーズ等を調査してい
る。
商工会議所など関連する機関との連携が
重要であるが取組みは
関連機関との中では市が一番動きやすい
組織であると考えており、市からつなぐ必
要があると考えている。現在は、金融機関
も含めた関連機関との連絡調整会議を実施
している。
商工会議所が行っている事業所支援と市
市が行う支援は、商工会議所の組合員に
の支援との違いは
限定されない
平成 27 年度の目玉事業は何か
創業支援の枠組み作り。創業者支援ネット
ワーク会議の開催
商工会議所を中心に行っているアドバイ
税理士や中小企業診断士を派遣してい
ザー派遣は、どのような人材を派遣してい る。市は費用の半分を負担している
るか。また、市の関わりは
技術アドバイザーは何人くらいか
バリエーションはそんなに広くない
JETRO と市の職員の役割分担は
JETRO の職員が専門性を担当し、市の職員
は状況把握と情報収集に当たっている
4
まとめ、考察
(1)視察から学んだこと
・今は当たり前のように産学官金労の連携の重要性が叫ばれているが、その中心に
行政が総合窓口としてしっかりと役割を果たしていることが重要だと感じだ。
・函館市においてもそうであったが、この高岡市においても富山県工業技術センタ
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ー、富山県総合デザインセンター、高岡市デザイン・工芸センターなどの産業支
援機関や富山大学芸術文化学部など伝統技術や産業振興を支える知の拠点が存在
する。
・今回、高岡市の新産業プラットフォームを視察地に選定した理由の一つが、人材
育成、後継者育成の取組みを学ばせていただくことだったが、やはり 400 年の伝
統を引き継ぐための取り組みが行われていた。
(2)飯田市において応用展開するためには
・飯田工業高校跡地にできるであろう、高速交通網時代を見据えた飯伊地域の産業
振興の智の拠点を、どのようなものにするかが極めて重要になってきた。
・人口減少の下、超高齢少子社会が進行する中にあって若者の定着と回帰を促すた
めにも、受け皿となる様々な業種や職種が必要となるが、近年、光が当てられて
こなかった技能労働の分野に着目した政策を打つ必要があると思う。
5
議員個別所感
(1)良かった点
議員名
永井一英
内容
他市における産業振興の取組みの全体像を学べたこと
水・みどり・人・光り輝く躍動のまち高岡。
「創業」「研究開発」「販路拡
湊
猛
大」等、企業ニーズに応じたワンストップ対応を実施している点。チーム構
成による重点的支援。
湯澤啓次
森本政人
飯田市が現在進めようとしている知と産業の拠点、サイエンスパーク構想
に対し幾つかヒントが得られた。
少ないスタッフにも拘らず足まめに企業訪問している熱意が感じられた
こと。
企業訪問と企業相談によって企業ニーズの把握に努めようとしているこ
と、これを地道に継続することによって企業マインドに変化が現れてくるこ
とが期待される。また、連携機関5団体による情報交換は産業界における多
原
和世
様なシーズの発見に繋がることが期待される。もともと自力のある地域だけ
にこれら行政の取り組みが相乗効果を生むのではないか。紹介のあった事例
は成果においてまだ十分とはいえないものの、出来るところからのチャレン
ジがいずれ大きな変化を生み出すのではないかと考える。
(2)参考となりそうな点
議員名
永井一英
湊
猛
内容
海外販路開拓のためのジェトロとの提携。ものづくりの伝統を守るための
技術者養成の取組み。
産・学・官・金の連携、特に各種支援補助金の活用取り組みが強化されて
いる。新技術・新製品開発支援の補助あり。
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22
1元製造業に対する行政の積極的関与(企業訪問など) 2高岡市デザイ
ン・工芸センターの機能を、今後移転強化が予定される南信州飯田産業セン
ターへ付加できないか
湯澤啓次
3プラットフォーム体制高岡市工業振興課、高岡市
デザイン・工芸センター、高岡地場産業センターがコアとなり、国、県(富
山県ものづくり研究開発センター等)
、富山大学金融機関などが連携し、新
事業展開を図る中小企業を対象に、研究開発から事業化までの各段階で支援
する体制ができている。また市の産業企画課が総合窓口としてワンストップ
サービスで支援している点
地場産業~伝統工芸を小中学校教育で継承していること。ものづくりデザ
森本政人
イン科工房機能を持ったデザインセンターで金工・漆工を教えている。創業
者支援ネットワーク会議創業者支援センターと SOHO 事業者支援オフィスと
二つのインキュベーター施設そして空き工場の活用が積極的だということ。
地域資源の活用という点で、伝統技能の伝承に取り組んでいる点が優れて
いる。小学生から高等教育までにおいて、一貫して取り組もうとしているこ
とは参考になるのではないか。技術や技能は、地域において長い時間を掛け
原
和世
て育ってきた無形の財産である。漆器や銅器が産業としてこの地域を支えて
きたことを、文化として受け止め繋いでいこうとすることは見習うべきでは
ないか。技術や技能が地域の文化になることも地域の資源の活用であり、こ
の点も今後の産業振興の視点ではないか。
(3)その他、感じたこと等
議員名
永井一英
内容
産業振興の取組みと行政の関わり方、行政と商工会議所との連携や関わり方
についてなど。
高岡市成長産業→人材育成事業の取り組みが重要視されている。
(国や県
湊
猛
との連携を図っている)企業ニーズに合わせた事業の企画及び支援制度の抜
けている部分をつなぐための仕組みづくりがなされている。
高岡市の先進的な取り組みと飯田市の現状とでは、産業の歴史、地場産業、
技術において大きな違いがある。飯田市の得意とする航空宇宙、精密加工、
湯澤啓次
食品産業分野で、県、大学、研究機関等との連携を強化するセンター的機能
の強化が必要。世界に通用するものづくり、技術力がないとプラットフォー
ムの構築は困難。
北陸新幹線開業効果を更に高めるため「かがやき」を新高岡駅に停車させ
森本政人
る「一人一客キャンペーン」葉書作戦を行っていた。平行在来線はどうなっ
て行くんだろう。JETRO 富山と海外販路開拓に係る業務連携覚書を全国で始
めて締結したという。平和外交の裏付けがなければ出来ないことである。
原
和世
この伝承について所管が教育委員会とのことであったが、産業振興部門と
の協働になれば新たな展開もあるのでないかと感じた。
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22
Ⅳ
観光施策について・外国人観光誘客の取り組みについて
1 調査概要(視察目的・視点)
日
時
平成 27 年7月9日(木)14:40~15:30
場
所
高山市役所
高山市商工観光部観光課
説明者
平塚
久則
高山市ブランド・海外戦略部海外戦略課
〔岐阜県
高山市〕
主幹
畑尻
広昌
プロジェクト
マネージャー
当委員会が引き続き所管事務調査として取り組む事項「市の観光施
視察の目的
策について」先進的に取り組み、実践している事例を視察し、今後の
市政の方向性を探るとともに見識を深める。
(1) 観光プロモーションについて
関連団体、他自治体との連携し
た取り組みについて
視察の視点
(2) 外国人誘客への対応について
プロモーションの手法や受け入
れ態勢の整備について
(3) 今後の課題は
2
調査報告
(1)取組みの概要
高山市は、平成 17 年2月に1市9市町村が合併し、面積 2179.35 ㎡の日本一広い
市になった。そのうち森林が 92.5%をしめる。人口は 97,533 人。世帯数 33,937 で
ある。歴史的には、1586 年豊臣秀吉の命を受けた金森長近が国主となり、6代 107
年間にわたって統治し、高山城の築城と同時に城下町、寺院群を整備し、現在の古
い町並み、東山寺院群などの観光名所となっている。
高山市は、近年、国際化への取り組みにも力を入れており、2005 年以降の観光客
の入込数は 400 万人を超え急激に増加しており、その発展ぶりには目をみはるもの
がある。
ちなみに、H26 年の観光客入れ込み数は、402.5 万人(うち外国人観光客数 28
万人(宿泊者数)、平成4年 34,635 人)
、観光消費数 714 万円、観光波及影響額は
1,579 億円となっている。
高山市は長年観光施策に力を入れてきたが、人口減少・高齢化で国内の観光客が
減少することをみこし、北陸新幹線の金沢延伸などの広域的なつながりとグローバ
ル化の進展をいかした海外戦略を模索してきた。
平成 15 年観光立国の宣言など国の動きとあわせ、観光、商業、工業、農畜産業、
文化、教育などのさまざまな分野を統括し、総合的に推進する海外戦略室をH23 年
に設置し、国際観光・海外販路の開拓・多様な交流を行い、外貨の獲得・交流人口
の増加・地域経済の活性化をめざしてきた。
具体的には、
<誘客促進における重点項目>は、*行ってみたいと感じさせる
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情報発信、*また来てみたいと感じさせる受け入れ体制、*魅力あるエリアやルー
トの形成<販売促進における重点項目>としては、*徹底した市場調査(26 か国を
超える)*買ってみたいと感じさせる情報発信*買ってもらうための仕組みづくり
の構築(カード決済が可能なお店をふやすなど)<交流促進における重点項目>と
しては、*お互いを知る機会や場の提供*姉妹・友好都市との絆の強化*あらたな
友好関係の構築をめざしている。
高山市の代表的な観光資源は、古い町並み、高山陣屋、朝市、奥飛騨温泉郷、代
表的なイベントは、春、秋の高山祭、飛騨高山手筒花火打ち上げ、酒蔵めぐり、代
表的な食文化は地酒、飛騨牛、高山ラーメン、代表的なお土産は、一位一刀彫、家
具・木づくりの置物や細工物・絵馬・和ローソク・玩具・染物・刺し子、陶磁器、
さるぼぼなどである。
(2)具体的な取り組み
・多彩な観光資源を生かした観光のまちづくり。春、夏、秋、冬をとうした四季
の自然、祭りや屋台などの伝統文化、古い町並み、東山遊歩道、温泉などをい
かした街づくり。
・
「住みよい町は、行きよいまち」を基本理念とした、公共施設、民間施設のバリ
アフリー化をすすめている。平成8年から、モニターツアーを実施障害を持た
れた方や外国人からの生の声を聞き、行政に取り入れてきた。具体的には、音
声ガイド・手話アニメーションによる観光案内、
バリアフリー観光情報端末
による「身体の不自由な方の観光情報コーナー」設置その他
歩道の解消
多
目的型公衆トイレなど。
民間施設のバリアフリータクシー
サポートシート。ユニバーサルルーム、
コントラストルーム、バスセンターのスロープなどであり、行政として、サポ
ートシートの改修一台 15 万円まで。公的施設の改修
200 万円まで(1/2)を
補助している。
・外国人観光客が安心して独り歩きできるまちづくり。案内所の設置、多言語に
よる誘導案内の整備、多言語による外国語パンフレット・DVDの発行、多言
語による散策マップの発行、
「もてなし匠心得帳」の配布、無料公衆無線LAN
の整備などを行っている。その他に、海外へのPR活動。海外事務所への外国
語パンフレットの設置、海外の博覧会への参加、観光ホームページの多言語化
など積極的に行っている。
3
質疑
質問
回答
だれもが安心して快適に過ごせるバリア
平成8年度からバリアフリーのまちづく
フリーのまちづくりに関して、どれだけ進 りを施行してきた。公共施設を中心に、民
んでいるか、どこも(民間)そうなのか
間施設に関しては補助金交付してきた。
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官民一体となった取り組みは
海外戦略の必要性・誘客促進・販売促進・
交流促進等受け入れ態勢を構築してきた。
強固な官民連携をしてきた。
外国人対応としては、イスラム教の人た
市民対象の英会話教室の取り組みがあ
ちの対応もしている。国際化の取り組みで る。
(4言語)職員も管理職になるためには
核となる人材養成は
4
英会話の資格が求められている。
まとめ、考察
・古い町並みや、日本三大美祭のひとつである春秋の高山祭があり多くの自然や温泉
等、地域資源が加わり「滞在型、体験型、通年型観光地として四季を通じて魅力に溢
れている。特に平成 26 年の外国人観光客数は宿泊ベースで過去最高 28 万人となり、
前年対比で 24.44%増の大幅な増加となった事。また、平成 27 年3月に北陸新幹線開
業に伴い「北陸飛騨3つ星街道誘客推進会議」
「飛越能経済観光都市懇談会」で連携を
はかりながら、新たな商品造成と客層の掘り起こしに強化し広域的な誘客宣伝を展開
している。
・全体をとうして、全市をあげて、しっかりした戦略のもとに重点目標を見定め、多
様な取り組みをきめ細かく行っていることが観光客数の増加につながっていることを
実感させられた。
・今後
飯田市も広域連携を強化し、通年型、滞在型の着地型観光を進めるべきであ
る。特に、リニア時代を見据え、国際化に向けて外国人観光誘客活動につては、市長
や副市長による海外でのトップセールスが大切では、と思うところである。
・インターネットによる最新情報の発信、SNS サイトを活用していくべきである。
・「国際誘客宣伝事業」を行なうための「組織化」
「専門プロジェクト」の必要性を感
じる。
5
議員個別所感
(1)良かった点
議員名
永井一英
内容
最近2・3年の取組みだと思っていたが、すでに約 20 年前からの取り組
みの積み上げがあったこと。超先進地であった。
古い町並みや、日本三大美祭のひとつである春、秋の高山祭があり多くの
湊
猛
自然や温泉資源が加わり「滞在型、体験型、通年型」観光地として四季を通
じての魅力がいっぱい。
国際観光都市は一朝一夕にはできない。昭和 35 年のデンバー市との姉妹
湯澤啓次
都市提携以来、飛騨高山国際協会の設置、国際会議観光都市指定、世界各都
市との提携など、多くの取り組みの積み重ねがあり、高山市の官民一体とな
った国際都市への取り組みの経緯を学ぶことができた。
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伝統文化・古い町並み・東山遊歩道・飛騨高山温泉と四拍子揃った観光資
森本政人
源に恵まれていること。加えて「住みよい町は行きよい町」の基本理念の下
バリアフリーのまちづくりが進んでいること。
なにより、いまある資源-古い町並み、高山祭り-をいかして観光客を呼
び込んでいる点はよいと思った。外国人が思い思いにすごせる空間のつくっ
ていること。散策、読書など。
「住みよい町は、行きよいまち」をモットーに、障がい者のためのバリア
小倉高広
フリー化をきめ細かくおこなっていること。実際に歩いて点検しているこ
と。公共施設だけでなく、民間の施設のバリアフリー化をすすめていること。
11 か国語によるホームページ、外国人観光客の案内パンフレットの作成、
市職員の外国語のマスターなど徹底して外国人のためのバリアフリー化を
きめ細かくおこなっていること。
(2)参考となりそうな点
議員名
永井一英
湊
猛
内容
現在の飯田市の状況と比べられないので、良い悪いは別として、すべての
面で参考にさせていただこうと思った。
今後、飯田市も国際化に向けて外国人観光客の誘客するためにPR(情報)
活動を行うための「組織化」が必要。
(専門プロジェクト)
1
官民一体の取り組み
高山の何が外国人に喜ばれるのか。何故ミシュランの★★★に指定された
のか。行政と地域が一体となり地域資産(日本の原風景)を守り、磨き、伸
ばすことの重要性。行政の関わり方。
2
湯澤啓次
年二回の高山祭りだけではなく四季を通じたイベント、自然や歴史文
化、町並み、温泉、更には近隣観光地との広域連携などで通年観光客を呼び
込んでいる点。
3
受入体制の整備。外国語の散策マップ、多言語パンフレット、観光案内
人、無線公衆 LAN の整備など
4
外国語への対応。管理職以上は英語準2級以上必須、市民向けの外国語
(4ヶ国語)教育への支援。
森本政人
観光戦略~時間距離的には有利とは思われないのだが、祖先が築いた歴史
文化施設と自然を守り、確実に誘客に活かしていること。
観光行政に、
「誰でも住みよいまち」の視点-バリアフリー化-を取り入
れている点は、飯田市でも生かせると思った。まず、飯田市に居住している
小倉高広
外国人が、どんなところに不便を感じているか(特に言語、情報)調べ暮ら
しやすくすることが、外国人観光客にとってもプラスになるのではないかと
思う。ホームページ、SNSなどネットを駆使した観光案内やアンケートな
どは参考になるのではないか。
20 /
22
(3)その他、感じたこと等
議員名
内容
飯田市は、飯伊地域は、高速交通網時代を見据えて、どこまで、また、ど
永井一英
のような形で外国人を受けいれようとするのか、市民意識の醸成も含めて、
しっかり考える必要があると思った。他市や他県の都市などとの、具体的な
広域観光の進め方についての議論が必要。
官民一体となった海外戦略の必要性をつくづく感じた。3つの柱→①誘客
湊
猛
促進 ②販売促進、③交流促進→又きてみたいと感じさせる受入体制。おも
てなしが大切。
山奥の閉ざされた地方都市へ今では世界中から観光客が押し寄せている。
ちょっと訪れただけではここが日本屈指の国際観光都市とはとても感じら
湯澤啓次
れない。何故、飛騨高山が多くの外国人を惹きつけてやまないのか、その魅
力に触れないまま視察が終わってしまった感がある。歴史文化、自然、温泉
は飯田にもあり、そこをどう特色付け磨き上げるのか。高山市の官民一体の
長い取り組みの中に学ぶものがあると感じた。
ここも高岡市と同様に観光分野での海外戦略に徹しており、パンフレット
森本政人
の多言語化等を始めとした媒体への投資も可なりな額と思われる。勝算あり
との目論見であろうが、国の平和外交が担保されないとリスクを抱えると思
う。
小さい世界都市をめざす飯田市として、外国人観光客を呼び込むための多
角的な戦略(海外での誘客活動など)をつくるうえで、高山市のとりくみは
小倉高広
参考になると思う。
高山市の「古い町並み」のような観光の目玉になるものを飯田市としては
何にするのかはっきりさせることが肝心だと思う。
第5
所管事務調査の全体を通しての改善点など
議員名
永井一英
湊
猛
内容
視察先については、事前に、2重に立ち入って調べておくことも大事で、
視点を持った視察先の選定の必要性をさらに感じた。
二日間雨であったため、現場を見ることができなかった。高山市の古い町
並みをゆっくり視察したかった。
今回の視察は二日間と短かったものの4箇所それぞれ特色があり記憶に
残る視察だったと思う。欲を言えば時間が少なく物足りなさも感じられた。
湯澤啓次
高岡市にはもう少し時間を取り、プラットフォームのコアをなす高岡市デザ
イン・工芸センター、高岡地場産業センターを訪れ、現場を見て、現場の声
を聞けたらよかった。又、七尾市が小さな世界都市に向けて取り組んでいる
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と後から知り、その視点で視察すれば「港」の意味、海外視察やイベントな
どの本質をより理解できたかもしれないと悔やまれた。更に高山市では、少
なくも外国人が散策している「現場」へ足を踏み入れる時間が欲しかった。
結果としてレクチャー+現場で2都市に絞っても良かったかもしれない。
森本政人
お話を聞くばかりで無く、実地検分出来るよう現場視察も組み込んで頂き
たい。
22 /
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