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2015年9月1日発行(毎月1回1日発行)ISSN0009−3874 CODEN:CKNKAJ
畜産 の研 究
Sustainable Livestock Production and Human Welfare
2015
第69巻・第 9 号
目 次
産業
酪肉近と研究開発・技術普及∼その 3 ∼……阿部 亮
動物
泌乳持続性向上に伴う搾乳牛 1 頭当たり
年間の期待収益……………………………早坂貴代史
753
758
ゲノム育種価の検証法とゲノム評価における
メス牛の意義…………………………………富樫研治
765
反芻動物の生産に関する最近の研究動向(1)
…………………………加藤和雄・鈴木啓一・盧尚建 773
実践飼料学の失敗と成功(1)…………………本澤清治
783
子牛用代用乳における初期段階の研究………大成 清
789
飼料学(125)………………………川島知之・石橋 晃
797
ブルガリアとルーマニアの畜産………………鈴木達行
805
北海道・知床地区におけるエゾシカの活用について
……………………………………押田敏雄・坂田亮一
809
ベトナムにおけるヤギの動向…………………森山浩光
815
ブラジルにおける石こう(CaSO4・2H2O)による
赤色酸性土壌の改良事例…………………冨田健太郎
821
鶏のロイコチトゾーン症の研究史における暗中模索か
らの脱出記録(38)…………………………秋葉和温 831
株式会社
養賢堂
Dr.Ossy の畜産・知ったかぶり(51)…………押田敏雄
834
文献にみる牛鍋とスキ焼きの歴史について…松尾雄二
835
畜産界ニュース………………………………………………841 ∼ 846
758
泌乳持続性向上に伴う搾乳牛1頭当たり年間の期待収益
早 坂 貴 代 史
*
などの繁殖性に関係している。LP を表すいくつか
1.は じ め に
の計測値の解析から,高 LP 牛は濃厚飼料量の削減
泌乳持続性(LP)は泌乳ピーク時乳量が持続する
による飼料費の低下を示す知見がある 10,11)。
能力を示す指標であり,LP 値=100+分娩後 240 日
このように LP の高い乳牛群の飼養は,生産費を
乳量-同 60 日乳量─で示すのが標準である。北海道
構成する種付け料,飼料費,獣医師料及び医薬品費,
検定牛群の LP 値は,1990 年代初頭に底打ち,以降
乳牛償却費,家族労働費,及び粗収益を構成する生
上昇トレンドを認め 1,2),現在は乳検データを取り
乳価(乳代),副産物(子牛価)の各変動費目への影響
始めた遡及可能な 1975 年の水準に近づきつつある。
を通して,全体として所得や利益(=粗収益-生産
LP の高い泌乳牛は,ピーク乳量水準がやや低く,
ピーク乳量の分娩後到達日が遅れ,泌乳曲線が平準
1~3)
費)を改善する公算が高い。
本稿は,まず相対的に LP が低い乳牛を乳期別 2 種
。その泌乳特性は,泌(搾)
TMR で飼養する場合と LP が高い乳牛を 1 乳期 1 種
乳日数や空胎日数(分娩間隔)が長く,総乳量が多く
TMR で飼養する場合を想定して,LP 向上と乾乳期
なる傾向がある 1~6)。また乾乳直前の日乳量が高い
短縮に伴う,生乳価から飼料費を控除した期待収益
ため,乾乳期短縮技術の適用で,さらなる泌乳日数
を試算した。
化(泌乳平準化)する
3)
延長による産乳量増加が期待できる 。
次に LP 向上や乾乳期短縮に伴い,飼料費以外の
泌乳平準化牛は,高ピーク低持続型牛にくらべ抗
生産費や粗収益の各費目が変化すると所得などの
病性が高い傾向にあり,LP は乳房炎の管理指標で
収益性がどの程度増減するかをみるために,農水省の
ある体細胞スコアとの間に負の表型・遺伝相関 7)が
「農業経営統計調査 H24 年度牛乳生産費(北海道)」を
ある。乳量形質と乳房炎,肢蹄病との最も高い遺伝
利用して,搾乳牛通年換算 1 頭当たりの期待される
相関は泌乳ピーク期に認め,従来のように泌乳ピーク
所得,家族労働報酬及び利益への波及効果を試算した。
期の乳量を増加させる方向で泌乳形質の遺伝的改良
を進めると,乳房炎及び肢蹄の疾病が増加する 3,8)。
LP の改良で乳房炎及び肢蹄病の増加を抑制しつつ
泌乳能力の改良ができる。
また泌乳平準化牛は,成長増体を除く泌乳期の体
2 . 試 算 の 飼 養 条 件 と 方 法
1)処理区
(公社)北海道酪農検定検査協会に集積された
2005~2009 年分娩のホルスタイン種検定記録のうち,
重変動幅が小さく 2,5,6),エネルギー収支ギャップの
305 日乳量が中水準(初産 7,440~8,640kg,2 産
縮小傾向が推察される。また泌乳後期では乾物摂取
8,590~10,060kg,3 産 8,920~10,430kg)で LP が低
量(DMI)が体重比で泌乳前期の 4%から 3%前後に
水準(LP 値=86)と中水準(同 90)における Legendre
5)
低下するが ,高 LP 牛では,低 LP 牛に比べてこの
多項式にWilminkの指数項を加えた泌乳曲線モデルを
時期の乳量が多いため TDN 要求量も高くなっており,
用いた 1)(表 1)。
泌乳前期の TDN 含量の完全混合飼料(TMR)で 1 乳期
表 1 に示すように,LP 値 86 の乳牛群を乳期別
飼養が可能となり,飼料調製・給与の労働時間短縮
TMR2 種給与で初産から 4 産次泌乳期(通期)まで飼養
を後押しする。
した「対照区」
,同じく LP 値 90 の乳牛群を 1 乳期
LP の主な経済的価値は,医療費,繁殖性,飼料
TMR1 種給与で同期間飼養した「目標区①」,及び
費及び乳期の違いによる産乳性の四つの構成要素
目標区①にさらに 2,3 産次の乾乳期を 40 日に短縮
が指摘され 9),乳期の違いによる産乳性は授精適期
した「目標区②」を設定した。目標区②の初産次の
*(独)農研機構 畜産草地研究所 那須研究拠点
草地研究支援センター(Kiyoshi Hayasaka)
乾乳短縮をしないのは,乳腺の成育途中であること 11)
0369-5247/15/¥500/1 論文/JCOPY
759
早坂:泌乳持続性向上に伴う搾乳牛1頭当たり年間の期待収益
表 1 北海道の 2005~2009 年分娩検定牛の 305 日乳量中水準 1)における泌乳持続性(LP)2)水準別の泌乳曲線,
産乳,繁殖各指標と区分設定
指標
対照区
5)
低
目標区
6)
①
中
目標区
7)
②
中
産 乳
ピーク
ピーク 乳量
LP値
乳量kg 日(中
央値)
LP
3)
水準
区分
泌乳曲線
初産
2産
3産
平均
初産
2産
3産
平均
初産
2産
3産
平均
91
85
83
86
94
89
88
90
94
89
88
90
32
40
42
38
30
38
40
36
30
38
40
36
305日乳
量kg
44
40
41
42
47
40
40
42
47
40
40
42
8,029
9,359
9,702
9,030
8,037
9,321
9,670
9,009
8,037
9,321
9,670
9,009
繁 殖
総乳量
泌乳 乾乳
(一乳
日数 日数
期)kg
8,960
10,082
10,439
9,827
9,188
10,485
10,855
10,176
9,188
10,920
11,325
10,478
356
350
350
352
362
365
365
364
362
391
392
382
63
69
71
68
60
66
67
64
60
40
40
47
乾乳
産次平
直前
均日乳
日乳
4)
量 kg
量
17
14
14
15
19
18
18
18
19
16
17
17
21.4
24.1
24.8
23.4
21.8
24.3
25.1
23.8
21.8
25.3
26.2
24.5
受胎
分娩後 に要
空胎 分娩
初回授 した
日数 月齢
精日数 授精
回数
85
85
86
85
86
88
89
88
86
88
89
88
2.2
2.2
2.3
2.2
2.2
2.4
2.4
2.3
2.2
2.4
2.4
2.3
133
134
137
135
136
146
147
143
136
146
147
143
25
39
52
39
25
39
53
39
25
39
53
39
1)
初産は7,440~8,640kg, 2産は8,590~10,060kg, 3産は8,920~10,430kg
2)
LP値=100+分娩後240日乳量-同60日乳量
3)
低水準:初産<93.2, 2産<87.7, 3産<86.0
中水準:初産93.2~95.6, 2産87.7~91.0, 3産86.0~89.5
4)
総乳量/(泌乳日数+乾乳日数)
5)
LP値86の乳牛群を乳期別TMR2種管理(泌乳前期TDN74%, 同後期TDN71%)で初産から4産次泌乳期(通期)まで飼養
6)
LP値90の乳牛群(表1)をTMR1種管理(TDN72.5%)で同期間飼養
7)
目標区①にさらに2、3産次の乾乳期を40日に短縮飼養
や 2 産次の 305 日乳量を低下させる可能性 3,12)から
31 日以降は体重 1kg 増加に相当する TDN 量は
である。4 産次は各区とも 3 産次の泌乳曲線モデル
2.49kg/日とした。これらの各栄養区分の TDN 摂取
を用いた。
量の合計に維持の倍数当たりの消化率低下を 3.0%
各区とも初産次 25 ヵ月齢(765 日齢)で,乳脂率は
14)
から算出し,
通期 4%とした。
体重は Richards 曲線
として,1 日の TDN 摂取要求量を求めた(表 2)。
各区の給与 TDN 含量は表 3 に示す。
雪印種苗
(株)
初産分娩時体重を 528kg とした。305 日正味体重差
北海道研究農場で泌乳牛に対するとうもろこしサ
は 80kg とし,体重変化は分娩後 30 日で-15kg 減,
イレージ主体粗飼料の設計条件とそれをもとに解
305 日で 65kg 正味増とする直線変化値を想定した。
析した分娩後 305 日間の体重差 80kg とした時の標
対照区の乳期別 TMR 2 種給与は,実際には前期か
準 TDN 含量の成績 3,5,6)に基づき,対照区は泌乳前
ら後期への飼料の切り替え時に乳量や DMI の段差
期 TDN 74.0%,同後期 TDN 71.0%,目標区①②
的亀裂による低下が認められるが
13)
,その程度は詳
細不明なので,この点を考慮していない。
2)飼料費算出のための TDN 摂取要求量
飼料費を求めるための TDN 摂取要求量の算出は
早坂ら(2014)5,6)のとおりである。すなわち維持,産
乳及び初 2 産次の成長の TDN 量は日本飼養標準
(2006)14) ,体重増減 TDN 量は,NRC 飼養標準
(2001)15)の表 2-5(P.24)「BCS1 単位増減に相当す
は一乳期 TDN 72.5%とした。乾乳期は配合飼料
(DM 90%,TDN 82%)を分娩前 3 週間に 4kg 原
物/日,それ以外 2kg 原物/日の給与量とした。各区
とも表 2 に基づき,粗飼料と配合飼料の TDN 摂取
要求量を求めた。
3 .生 乳 価 か ら 飼 料 費 を 控 除 し た 収 益
対照区に対する目標区の搾乳牛 1 頭当たりの年換
る NEL(泌乳のための正味エネルギー:Mcal)」をも
算収益を表 4 に示す。
ここ 1~2 年の価格を参考に,
とに「TDN(kg)=NEL(Mcal)/0.62/0.82/4.41/BCS1
乳価 86 円/kg,配合飼料価格 65 円/kg とし,粗飼料
単位相当の体重 kg」で算出し,分娩後 30 日までは
生産費は,物材費,労働費及び地代を含む H25 年北
体重 1kg 減少に相当する TDN 量は 2.39kg/日,同
海道のサイレージ生産費 61 円/kgTDN16)として試算
760
畜産の研究
・維持に要するTDNkg=0.1163×W
0.75
第69巻 第9号 (2015年)
表 2 1 日の TDN 摂取要求量の算出
・・・・・ (8.3.2-1~3)1)
/0.82/4.41 ・産乳に要するTDNkg=(0.0913×FAT+0.3678)/0.62/0.82/4.41×MY ・・・・・(8.5.2-1~2)1)
・成長(初2産次)に要するTDNkg=成長に要する正味エネルギー(NEg)/成長に対するMEの正味有効率(Kg)/0.82/4.41
ここでNEg=0.0510×W0.75 ×DG1 ・・・・・(7.10.2.14)
2)
DG1 はRichards曲線(図4.1.1)1)から算出
Kg 1)=0.84×q=0.50(qは0.60とする)
・TDN摂取量kg=(維持+産乳+成長)に要するTDNkg+生体重1kg増減に相当するTDN量3)×(DG-DG1)
・TDN摂取要求量kg=TDN摂取量/(1-消化率低下に伴うTDN低下率4))
*略号 W0.75 :代謝体重 FAT:乳脂率% MY:日乳量kg DG:日増体重kg DG1 :日成長量kg DG-DG1 :正味日体重増減量kg
1)
日本飼養標準 乳用牛 (2006年版)の引用式 (引用図)
2)
日本飼養標準 肉用牛 (2008年版)の引用式で体重200kg以上の乳用種去勢牛育成に要するNEg
3)
体重変化は分娩後30日で-15kg減、305日で65kg正味増とする直線変化値とし, 分娩後30日までは体重1kg減少に相当するTDN量は2.39kg/日、31日以
降は体重1kg増加に相当するTDN量は2.49kg/日
4)
=維持の倍数あたりTDN低下率値/100×(TDN摂取量/維持TDN摂取量-1) ここで維持の倍数あたりTDN低下率値は3.0%とする
表 3 初産時から 4 産次泌乳期までの TDN 摂取量,配合飼料量を算出した時に用いた条件 1)
配合飼料TDN比%
配合飼料DM比%
TDN%2)
LP値水準
前半期
後半期
前半期
後半期
前半期
後半期
対照区
86
74.0
71.0
0.50
0.31
0.55
0.36
90
72.5
72.5
0.41
0.41
0.46
0.46
目標区①②
1)
TDN含量はとうもろこしサイレージ(CS)71%, 牧草サイレージ(GS)58%, 配合飼料82%(90%乾物), 粗飼料中の
CS:GSの乾物比0.62:0.38
2)
分娩後305日間の体重差80kgとした時の標準TDN含量
表 4 目標区①②(LP 値=90)の対象区(同 86)に対する年換算 1 頭当たり乳代と飼料費及び収益額
区分
初産次から
4産次泌乳
期までの日
数
対照区
1,609日
目標区①
1,650日
目標区②
1,677日
対照区(a)
目標区①(b)
目標区②(c)
増減率(b/a)
収益差額(b-a)
年換算
増減率(c/a)
収益差額(c-a)
年換算
乳量2)
9,055kg
9,154kg
9,306kg
¥778,730
¥787,244
¥800,316
1 .0 1 1
¥ 8,514
1 .0 2 8
¥ 21,586
配合飼料2)
¥
¥
¥
¥
¥
2,725kg
2,682kg
2,716kg
177,125
174,330
176,540
0 .9 8 4
-2,795
0 .9 9 7
-585
粗飼料2)
飼料 乳飼
効果3) 比4)
2,804TDNkg 3.3
2,871TDNkg 3.4
2,885TDNkg 3.4
¥ 171,044
22.7
¥ 175,131
22.1
¥ 175,985
22.1
1 .0 2 4 1.027
¥
4,087
1 .0 2 9 1.031 0.970
¥
4,941
年換算
収益額1)
¥ 430,561
¥ 437,783
¥ 447,791
1 .0 1 7
¥ 7 ,2 2 2
1 .0 4 0
¥ 1 7 ,2 3 0
1)
=乳代-(配合飼料費+粗飼料生産費)
2)
乳価 \86/kg 配合飼料価格 \65/kg 粗飼料生産費 \61/TDNkg(物材費, 労働費, 地代を含む)
3)
総産乳量/総配合飼料量×100
4)
総配合飼料費/総乳代×100
した。対照区に対する目標区①は 7,222 円増益と
あげたが,本節では副産物価(子牛価),種付け料,
なった。同様に目標区②は,17,230 円増益となった。
飼料費,獣医師料+医薬品費,乳牛償却費,家族労
4 . LP 向 上 と 乾 乳 期 短 縮 に
伴 う 変 動 費 目 の 試 算
前節では,LP 向上と乾乳期短縮に伴う収益試算
として,生乳価と飼料費のみを変動費目としてとり
働費の各変動費目も含めて,所得,家族労働報酬及
び利益(粗収益-生産費)への波及効果を示す。
対照区は,農水省の「農業経営統計調査 H24 年度
牛乳生産費(北海道)」における 100 頭以上規模の搾乳
牛通年換算 1 頭当たりの各費目値を用いた。
それに,
773
反 芻 動 物 の 生 産 に 関 す る 最 近 の 研 究 動 向 (1)
加 藤 和 雄
*
・ 鈴 木 啓 一
*
・ 盧 尚 建
**
脳と神経
ま え が き
ルーメン
脂肪組織
反芻動物(Ruminant)は約 1 万年前に家畜化さ
腸管
れた,人間に動物性タンパク質を提供する重要な
肝臓
代謝内分泌
ネットワーク
家畜であり,その生産性の増大は食料資源として
食生活に豊かさをもたらしてきた。現在に通じる
本格的な畜産研究は,先の二つの大戦以後,食料
増産を目的として畜産研究を開始したイギリスに
膵臓
遡ることができる。その後,1950 年代からイギリ
ス,フランス,ドイツなど欧州各国や米国を中心
に乳牛,肉用牛,ヒツジ,ヤギの生産が拡大し,
乳腺
筋肉
図1
反芻動物の生産における代謝内分泌ネットワーク
調節機能
(新編
家畜生理学(加藤,古瀬,盧
編著)より改変)
量・質ともに生産性の向上が進められた。栄養学
や生理学,行動学などの各研究分野において反芻
の姿からかけ離れた飼育方法,例えば動物性由来
動物の特徴を精査し得られた結果は,今日までの
のタンパク質の使用による BSE 発生,口蹄疫など
畜産産業振興に大きく貢献してきた。また,研究
を様々な感染症の誘発は,反芻動物の生産システ
発表の場として国際反芻動物生理学の果たしてき
ムの不健全化の副産物でもある。
た役割は大きいだろう。
本稿では反芻動物で本来の特徴であるルーメン
現在,畜産の研究は新たなる時代に入りつつあ
機能,ルーメン内の短鎖脂肪酸,脂質代謝,乳腺
ると筆者は認識している。従来のように,個々の
組織に焦点を合わせて,次のような四つのテーマ
代謝産物,代謝経路のみに着目した解析方法では
を設定した。第 1 章では短鎖脂肪酸の生理機構を,
反芻動物の複雑な代謝機構を理解するには十分な
第 2 章ではルーメン発達の分子機構の解析と応用,
情報を得ることは出来なかった。近年,オミクス
第 3 章では肝臓の代謝と内分泌調節機能,第 4 章
(トランスクリプトーム,プロテオーム,メタボ
では乳腺組織と乳腺細胞の生理機構,として反芻
ローム)による網羅的な解析手法が一般化したこ
動物の生産に関する内容を中心に,最新の研究動
とにより,生体内の代謝やそれを調節する内分泌
向を合わせて解説したい。
機構のネットワークの解明がなされつつある。肉
用牛と乳牛の質的・量的な生産性向上のために,
各臓器間のネットワークの解析は今後反芻動物を
研究する関係者では重要な研究課題である(図 1)。
筆者代表
第 1 章
盧
尚建
短鎖脂肪酸の生理機構
はじめに
また,網羅的解析手法の普及により,反芻動物の
反芻動物などの前胃を持つ哺乳動物は,前胃内
本来の機能,つまり牧草を摂取・反芻し,ルーメ
で草類の嫌気的発酵を行い,前胃上皮およびそれ
ン内で発酵させ,発生した短鎖脂肪酸を生体内の
以降の消化管上皮から発酵産物である短鎖脂肪酸
エネルギー源として利用する仕組みを理解するこ
を吸収し,主要なエネルギー源として利用できる。
との重要性が再認識されている。反芻動物の本来
このような事実が証明されたのは,前世紀の中頃
*
東北大学農学研究科 家畜生産機能開発学寄附講座
当たりからのイギリスの研究者達の努力の成果と
(Kazuo Kato,Keiichi Suzuki)
考えられる。その後,前胃発酵動物以外にも硬骨
**
動物生理科学分野 (Roh Sang-Gun)
0369-5247/15/\500/1 論文/JCOPY
774
畜産の研究
第69巻 第9号 (2015年)
魚類を含めた広範な後腸発酵動物の盲腸・大腸に
前胃を持つ動物は,この短鎖脂肪酸を重要なエネ
おいても短鎖脂肪酸の存在が報告されるように
ルギー源として利用する。このように,前胃を持ち,
なってきた。
発酵産物を産生・利用する動物を前胃発酵動物と
最近,短鎖脂肪酸がエネルギー源としての栄養
よぶ。
学的機能ばかりではなく,種々の機能調節作用を
一方,ヒトやウマ,ウサギのように,前胃部を
持つことが明らかになってきた。しかし,少なく
持たずに盲腸や大腸を発酵槽として利用する動物
とも 1980 年代初頭においては,短鎖脂肪酸の機能
を後腸発酵動物と呼ぶ。因みに,前胃発酵動物は
調節作用が反芻動物種に特異的な反応であって,
おおよそ 4000 万年前(始新世)に地球上に出現し,
それ以外の種では認められないとする期待感のよ
反芻動物の出現は 2000 万年前になるとドイツの
うなものがあった。実際は,後述するように,多
研究者 Langer は報告している 2)。
さて,前胃発酵動物の最右翼とされる反芻動物
くの動物種で,免疫系も含めた多種な機能調節作
用を持つことが明らかとなってきた。
は,すべての種が同じ方向に進化しているわけで
著者の一人,加藤和雄は,1998 年 12 月にフロ
はない。なぜなら,反芻動物に含まれる動物種は,
リダの小島で開催されたある製薬会社主催の非公
体重が 1,500 kg のキリンから 3 kg 程度のマメジ
開シンポジウムに,ドイツ,フランス,アメリカ
カまで広範囲に分布し,したがって食性(何を好ん
および日本の研究者や医師とともに招待された。
で主食とするか)も多様であることからも推察で
このシンポジウムのテーマは,
「 短鎖脂肪酸の基礎
きる。すなわち,キリンやシカ類は草類よりも若
と応用」であり,このシンポジウムを切掛けにし
芽や若葉を好んで採食する(ブラウザー型)。一方,
て,後に Cambridge University Press からテキスト
ウ シ や ヒ ツ ジ は 草 類 を 好 ん で 菜 食 す る (粗 飼 料
が出版されることになった
1)
。製薬会社は,この
イーター型)。ヤギは広範に採食する中間型である。
時すでに,短鎖脂肪酸の機能調節作用について興
このような動物群の消化機能間には当然ながら
味を示していた。やがて前世紀の終わりに,膵 β
差が生じている
細胞や免疫細胞での脂肪酸作用の研究や,短鎖脂
から,咀嚼や嚥下に必須である唾液を分泌する唾液
肪酸受容体の発見と類似効果を示すリガンドや遮
腺の大きさが,ブラウザー型の動物種では小さい。
断剤の研究開発へと発展する。日本の反芻動物研
また,ルーメンのサイズもブラウザー型では小さ
3)
。すなわち,食性が異なること
究者による独壇場的とも言えた 1980 年代初頭の
い。消化に時間を要する植物繊維の腸管内通過速
研究が,今や,世界的な創薬化学分野での研究課
度もブラウザーで速く,粗飼料イーター型の動物
題として飛躍している。
種のようには消化管内に食物繊維を長時間保持し
この小論文では,主に 1980 年代から行われてき
ない。著者らがニホンジカとヒツジの消化管内滞
た短鎖脂肪酸の機能調節作用に関する一連の研究
留時間を比較したところ,ニホンジカの 43.2 時間
の記録と現在の発達状況,反芻家畜における将来
に対してヒツジでは 50.8 時間であった
の応用性などについて考察する。
がって,消化管内時間が長いヒツジやウシの方が
4)
。した
短鎖脂肪酸の産生や利用性が大きいと推察される。
1.
前胃発酵動物と後腸発酵動物とは?
ウシ,ヒツジ,ヤギなどの反芻動物,ラクダや
2.
短鎖脂肪酸とは?
リャマなどの核脚亜目,三つ指ナマケモノ,カン
「脂肪酸」とは,お腹や腰回りに蓄積している
ガルー類およびサルの一部などは,私たちも持っ
「脂肪」を構成している栄養素の一つで,グリセ
ている胃の前に(もしくは一部に)前胃と呼ばれる
ロールと結合している。したがって,脂肪はエネ
特殊な部分を持っている。この部分は胃酸を分泌
ルギー摂取が余分になった時に蓄積する。
しない部分であり,巾着様の形態をとる場合が多
前述したように,反芻動物や前胃発酵動物の消化
い。この部分に嫌気的な発酵を行う微生物が多く
管内には嫌気的な発酵を行う微生物が多く棲息し
棲息して,草類のセルロース類を切断・利用して,
ており,草類のセルロース類を切断・利用して,
短鎖脂肪酸とガス(メタンや二酸化炭素)に変換する。
短鎖脂肪酸とガス(メタンや二酸化炭素)に変換する。
805
ブルガリアとルーマニアの畜産
鈴 木 達 行
牛 と 羊 の 放 牧 形 態
5 月上旬,ブルガリアとルーマニアを旅した。ブ
ルガリアではオスマントルコ軍から難を逃れるた
*
合がそれぞれ 1/3 を占める。またドナウ川を境界と
して西側がセルビア,南側がブルガリアと国境を接
し,東側は黒海へ通じている。1878 年オスマントル
コ帝国を経てルーマニア王国として独立した。
め山岳地帯に造られたリラの僧院へ。幾度となく曲
ブルガリア,ルーマニアでは山脈に連なる複数の
がりくねった山道の両側に茂る新緑の若葉と木漏
準平原面を利用して羊や牛の放牧が古くから行わ
れ日が美しい。小さな部落の路上では採りたての蜂
れてきた。羊の移動は高地と低地に移動する二重移
蜜が売られていた。この時期花の付く木立が多いの
牧である。しかし過去の幾多の紛争による国境の変
で良質の蜂蜜が採れるという。ルーマニアではドラ
動によりエーゲ海沿岸や黒海沿岸に向かう低地へ
キュラの小説の舞台となったブラン城。中世の遺産
の垂直的な移動が断たれると,高地方向のみの垂直
と伝説は幻想を駆り立て,棺から起き上がるドラ
移動を余儀なくされた。更に社会主義が崩壊すると
キュラは参加者を虜にした。
効率の悪い最高峰への放牧は廃れた。これにより牛
ブルガリアの人口は 735 万人で,南スラブ系のブ
や羊などの家畜の頭数も 1/5 にまで減少した。社会
ルガリア人 85%,トルコ人 10%,残りがローマ人
主義の時代は家畜の放牧が国策として行われてい
3%などの少数民族である。国の面積は日本の約 1/3
たため,草地の拡大と家畜頭数の増加は富であり,
で,1/3 が山岳地帯。中央を東西に走るバルカン山
それに従事する人々の地位も高かった。
脈で二分され,北部はドナウ川領域の平原。南部は
バルカン北西部の農村では中世以来続いてきた
ソフィア盆地と丘陵地帯である。南部は夏になると
父系制の大家族共同体(ザドルガの家族形態)が共
高温乾燥,冬季は温暖湿潤の地中海性気候となる。
通してみられる。その典型的な例が山地で営まれる
ルーマニアの人口は 2,000 万人で,ラテン系であ
遊牧生活である。
るルーマニア人が 90%で,残りがハンガリー人など
ブルガリアの西部を南北に走るピリン山脈や東
の少数民族である。国の面積は日本の本州ほどで中
西に走るリラ山脈の麓,1,200~1,800m の準平原面
央をカルぺチア山脈が走り,山地,丘陵と平原の割
では羊や牛の放牧が行われている。5 月から 10 月に
至る 5~6 カ月間の夏季には牧草を求めて高地へ,
ウクライナ
��ドバ
ハンガ
リー
コソボ
マケド
ニア
放牧中の羊は「夏のキャンプ」と称する基地で家族
共同体により搾乳が行われる。彼らは羊の肉,ミル
ク,バター,チーズ(フェスタ)などを販売して生計
ルーマニア
セルビア
冬は低地へ 100~200km 移動し干牧草で飼育する。
ドナウ川
ブルガリア
ギリシャ
5~10月放牧
黒海
トルコ
エーゲ海
トルコ
平地 農家
エーゲ海
図 2 ロドビ山脈における羊の放牧
ブルガリアの南部を東西に走るロドビ山脈の南麗では,
冬になると羊の放牧がエーゲ海沿岸で行われていた。
図 1 ルーマニア・ブルガリアの略図
*元山口大学教授 (Tatsuyuki Suzuki)
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0m
0369-5247/15/\500/1 論文/JCOPY
806
畜産の研究
第69巻 第9号 (2015年)
図 5 トルコとの国境付近の山岳地帯における牛の放牧
図 3 草原での羊の放牧
図 6 草原におけるネイテイブ牛の放牧
図 4 刈り取った牧草
を立てている。一般に 50~500 頭が個人所有で,50
頭以上持っていると共同牧草地を無料で使える。共
有牧草地では年 2 回草を刈り,これを冬期の干牧草
として利用する。
羊の群れのリーダーは賢くて性格の良い羊を選
ぶ。これをミルカ(Milka)と呼ぶ。首には鈴をつけ
る。ルーマニアではフルンタッカ(fruntaca)と呼ん
でいる。選ばれるのは大抵が雌羊である。筆者はヒ
マラヤマで山羊をリーダーにした羊の群れの損失
図 7 草原における乳牛の放牧
例を幾つか見てきた。山羊は山岳地帯で機敏に動く。
340 千トンと 110 千トンとなり,EU 加盟国では,
山羊にとっては小さなジャンプでも緬羊が渡れず,
それぞれ 9 と 15 番目である。市場において羊乳は
谷間に落ちて命を落とす。グループのリーダーの選
牛乳の 2~3 倍高い価格で販売されている。ブルガ
択は重要である。
リアやルーマニアでは伝統的な手絞りが主体である
ブルガリアにおける放牧の原型はルーマニアの
カルバチア山地でみられる二重放牧と同じである。
が,フランスでは緬羊用ミルカーが用いられている。
ルーマニアの酪農は規模が小さく,伝統的かつ牧
EU 加盟後 200~300 頭の羊を有する農家は EU の補
歌的である。多くの農家は 1~2 頭の牛を飼育し,
助金によりチーズやヨーグルトを生産している。羊
春先から秋にかけては集団で放牧する。牛の首には
乳生産量はルーマニアとブルガリア別にそれぞれ
鈴が付けられ,担当の飼育管理者が朝方牛を集めに
809
北海道・知床地区におけるエゾシカの活用について
~自然保護・エゾシカとの共生をめざして~
押 田 敏 雄
*
著者らは本誌 69 巻 4 号 1)に 2015 年 2 月に鳥取で
開催された「第 1 回日本ジビエサミット」の概要を紹
・ 坂 田 亮 一
**
道内で捕獲されたエゾシカは 2008 年には 8.3 万頭
であったが,2013 年では 13.2 万頭にも上っている。
介した。同じく,本誌 69 巻 7 号 2)には畜産ライター
エ ゾ シ カ の 生 態
の近田康二氏が「日本ジビエ振興協議会の活動」と
題して協議会の活動を報告し,その記事の中にも記
エゾシカ(蝦夷鹿,Cervus nippon yesoensis)は,
されたように 2015 年 7 月に北海道知床地区におけ
北海道に生息するシカの一種で,シカ科シカ属に分
る現地視察会に参加する機会を得たので,その内容
類されるニホンジカの亜種とされる。その分布は
をここに紹介することとする。
北海道全域で,特に日高,十勝,釧路,根室および
野 生 動 物 に よ る 農 業 被 害
農水省のまとめ 3)によると,2013 年度の鳥獣によ
る農作物被害は,総額が 199 億円で前年度 に比べ
31 億円減少(対前年 13%減),被害面積が 7.9 万 ha
で前年度に比べ 1.8 万 ha 減少(対前年 23%減),被
害量は 63 万 t で,前年度に比べ 7 万 t 減少(対前年
11%減)している。
オホーツク地方などのように雪の少ない道東や道
北の一部に限定的であった。しかし,1990 年代以降
になって空知,留萌および石狩地方などの西部地域
への分布の拡大化が進んでいる。
その体長(頭胴長)は 140~180cm,体重は雄 90~
140kg,雌 70~100kg,尾長 13cm とされている。
ニホンジカの亜種の中では最大級の大きさで,小
型のヤクシカと比較すると 2~3 倍の重量がある。
また主要な獣種別の被害金額については,シカが
雪や寒さに対応するために,体重や脂肪量は秋に
76 億円で前年度に比べ 6 億万円減少(対前年 7.8%
は最大となる。また,その体毛は夏毛が茶色,冬毛
減),イノシシが 55 億円で前年度に比べ 7 億円減少
が灰褐色で,臀部後面は季節を問わず白色を呈する
(対前年 12.7%減),サルが 13 億円で前年度に比べ
ことが特徴である。
2 億円減少(対前年 15.4%減)している。
その他の外的特徴として,角は雄のみにあって,
このうち,北海道内のエゾシカ生息数については
他のニホンジカの亜種よりも大きく立派になる。毎
2010 年にはピークに達し,65 万頭と推定されてい
年 4~5 月に根元から外れ落ち,その後に柔らかな
るが,2016 年は 38 万頭を予測している。また,
短毛が密生する角(袋角)が生え始め,9 月頃には堅
い石灰質の角に成長する。形態学的特徴は三叉四尖
(分岐は 3 つ,先端は 4 つ)の枝角を持っていること
である。
食性は夏には草本や
牧草主体,冬や飼料が
不足する時期ではササ
や樹皮を摂取する。ま
た,時として農作物や
道路法面の植生を摂食
することもあり,採食
量は 2~5kg/日程度と
知床に生息するエゾシカ(AIR DO 機内誌 2015.7 より)
*
東京農業大学客員教授・麻布大学名誉教授 (Toshio Oshida)
**
麻布大学獣医学部(Ryoichi Sakata)
エゾシカの角
369-5247/15/\500/1 論文/JCOPY
されている。
810
畜産の研究
第69巻 第9号 (2015年)
エゾシカによる農業被害と事故の実態
これらを念頭において,エゾシカを見つけたら減速
を心掛けるように呼び掛けている。
エゾシカの個体数が増えることによって,農業の
みならず林業被害も顕在化し,北海道では樹皮の食
害による森林の枯渇などの環境破壊も深刻となり,
自然保護と個体数のバランスが問題となっている。
農林業被害:道内での被害は 2008 年で 40 億円で
あったが,2013 年では 56 億円と増大し,2011 年で
は 64 億円とピークに達した。そのうち大半はトウ
モロコシ,小麦,甜菜,馬鈴薯および豆類などの農
作物で,牧草も被害を受けている。
事故対策の方法 (左:シカ侵入防止枠(赤枠)/右:商業施設)
などでのパネル展示による啓蒙活動
列車障害事故:列車との衝突事故も北海道では良く
耳にする話である。2008 年は 1,784 件が,2013 年
では 2,536 件に達している。
JR 北海道釧路支社によると,この数年,管轄路
線となる釧網本線,花咲線,根室本線,石勝線の各
区間において,エゾシカとの衝突事故,またはエゾ
シカによって列車が緊急停車した数は年間 1,000 件
を越えるという。道東地域だけで毎日 3 件近いペー
スで発生している。
シカの食害で樹皮が剥がれた保護林
(北海道森林管理局サイトより)
特に冬期になると,線路際の斜面は日当たりや風
の影響で積雪が少なく,エサとなる草を求めてエゾ
交通事故:2008 年の交通事故の件数は 1,600 件ほ
シカが集まる区間も多い。当然ながら,列車とエゾ
どであったが,2013 年には 1,800 件と増加している。
シカの「不幸な出会い」もこの時期に多発している。
発生月は 10~12 月に多く,2~3 月では少ないのが
特徴である(北海道警の資料による)。
線路疾走中のエジシカ(左:根室本線/右:釧網本線)
衝突回避(事故回避)
のために,「鹿笛」という
事故に遭ったエゾシカ(左:根室支庁資料/右:村上 4)論文より)
エゾシカが嫌う超音波
を発する特殊な笛を列
車に装着,エゾシカの嫌
う「忌避剤」の線路隣接
線路に沿って設置された
侵入防止柵
道路の注意喚起の方法(左:道路ペイント/右:交通標識)
札幌市では HP で,エゾシカの習性を挙げ,ドラ
イバーの皆さんへのお願いとして,以下のことを掲
樹木への装着を行う。
「保護用反射板」を線路
脇に設置し,列車のライトの反射でエゾシカに気付か
せる。「侵入防止柵」を線路際に設置し,線路内にエゾ
シカを侵入させなどの対策が考えられている。
載している。「続けて飛び出す」,「道路上で立ち止
しかし,多くの試行錯誤を行う中で,最も効果が
まる」,「道路上で滑りやすい」,「目が青白く光る」。
あったのは「侵入防止柵」であったとのこと。ただし,
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