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No.359 5月号

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No.359 5月号
5
月
平成19年
No. 359
会報
○杏林学園の組織改正について ・・・・・・・・・・・・・・・・2
○多摩バス新規路線運行開始 ・・・・・・・・・・・・・・・・・22
○学園事務局の役割と取り組むべき課題 ・・・・・・・・3
―三鷹だより― ○大学役職者挨拶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
○北京外国語大学副学長一行が本学を訪問 ・・・・23
○平成20年度入試志願者1万人達成を目指す ・・・・9
○中国衛生部病院協会建築分会の一行が
本院を見学 ・・・・23
○平成19年度アメニティ計画について ・・・・・・・・・9
○付属病院収支改善への取り組みに感謝・・・・・・・11
―文化・スポーツ―
○平成19年4月入学式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
○道の駅「八王子滝山」オープン記念行事に
本学学生が参加 ・・24
○新任教授紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
○名誉教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
○平成19年度事業計画について ・・・・・・・・・・・・・・13
○平成19年度予算について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
○平成19年度入職式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
―八王子だより―
・学園関係著作物の紹介
・3月の理事会、評議員会
・公的役職の紹介
・寄付金・物件寄付申込者芳名 ○別科入学式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
その他
○外国語学部「中国語レッスン70」を編纂 ・・・・21
・教職員メディア情報
www.kyorin-u.ac.jp
杏林学園の組織改正について
学園の事務部門組織を4月1日付で下記のとおり変更いたしました。事務部門を統括する事務局を置き、そのも
とに学事に関しての事務を統括する大学事務部、病院に関する事務を統括する病院事務部、及び学園に共通する
事項を取り扱う本部を配置しました。今回の組織の改正はいま学園に課せられているさまざまな課題に迅速に対
応していくためのもので、これにより組織の責任をより明確にして、学園の課題への取り組みを効率的に推進い
たします。これに伴う杏林学園組織及び処務規程並びに杏林学園職員就業規則の一部改正はつぎのとおりです。
杏林学園組織図
理事会
理事長
評議員会
運営審議会
監事
大
学
事務局
大学院
八
王
子
保
健
セ
ン
タ
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国
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(事務局長 堀 和生)
(事務局次長 加藤 信一)
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長
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三
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室
長
堀
和
生
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秘
書
室
広
報
・
企
画
調
査
室
学園事務局の役割と取り組むべき課題
事務局長
今回学園の組織が改正されて事務局長職が新設され
堀 和生
っきりしています。
ました。その新しいポストに広報・企画調査室長と兼
その第一は、学園の収支改善策を進め赤字体質から
務ながら就任することになりました。大学の事務に関
の脱却を図ることです。具体的には3.9億円の赤字を
してはまったくの素人である私がそのポストに就任す
見込んでのスタートとなった平成19年度の予算の執行
るのは場違いであり、出る幕ではないということは私
において見込んだ赤字分の3.9億円の収支改善を図り、
自身がよく承知しているところで、就任の理由はおそ
黒字決算を達成することです。この目標を達成するた
らく事務職員の中で最高齢であるということだと思っ
めには、各職場の隅々まで収支改善の意識が浸透しな
ています。
ければなりません。
このように今回は最適任者が事務局長職に就いたと
課題の第二は、各職員の能力を格段に高めていくこ
はいえないとしても、現在学園が抱えている課題、す
とです。文科省が長い間進めてきた護送船団方式の中
なわち新しい事務局長が果たすべき役割と取り組むべ
で各大学とも独自の施策を考える必要はありませんで
き課題ははっきりしているといえます。
した。
その役割の第一は、学園経営の観点から事務部門と
しかし、近年の相次ぐ規制緩和と少子化で各大学は
して取り組むべき課題を明確にして、事務部門の共有
生き残りを掛けて独自で進むべき方向を開拓する必要
化を図ることです。
に迫られており、事務職員はこの戦略を展開するため
これまで学園においては個人々々で、あるいは職
の大学改革の先頭に立たなければなりません。そのた
場々々で課題を捉え、その解決に取り組むことはあっ
めに、職員一人ひとりの能力の向上を目差して「目標
ても、学園全体の課題として事務部門で共有化し全体
管理制度」を導入いたしましたが、この制度導入の成
で取り組むといったことは必ずしも十分とはいえませ
果が表れるよう各職場で努力する必要があります。
第三は、第二とも関連することですが職員も大学改
んでした。
学園を取り巻く状況が年々厳しくなっていく中で、
革の担い手になって社会から支持される杏林大学を作
こうした個人の努力や職場単位の取り組みでは限界が
り上げていくことです。大学改革は教員だけで進めら
あり、学園が抱える課題の解決にはつながりません。
れるものではなく職員と一体となって進めてこそ成果
このような状況の中ではどうしても組織全体が明確に
が上がると考えます。そのために教員とともに職員も
課題を意識し、ともに取り組んでいく必要があります。
意識改革をしなければなりません。
事務職全員が同じ目標に向かって力を合わせてこそパ
さらに付け加えれば、カリキュラム編成や補助金、
ワーが生まれゴールに近づくことができます。こうし
文科省行政などに精通した専門家、プロの育成それに
た課題の意識化と組織全体で取り組む体制作りを進め
長期的に取り組む幹部職員の育成なども忘れてはいけ
ることこそ学園事務局を新設した理由であり、その役
ない課題だと考えています。
事務部としてはこれらの課題を共通課題として明示
割の第一といえます。
そして役割の第二は、当然のことながら明確にした
課題に対する取り組みの進捗状況を管理することで
し、各職場で独自の課題とともに具体化し取り組んで
いただくことにしています。
す。掛け声だけに終わらせず確実に実行し、成果を挙
いずれも一朝一夕に解決することは難しい課題ばか
げていくために組織を動員する仕組みを作り上げるこ
りですが、これらを何としてでも達成、解決しなけれ
とです。
ばならないと考えています。職員のみならず教員の
一方いま学園が組織をあげて取り組むべき課題もは
― 3
方々のご理解とご協力をお願いいたします。
―
大学役職者挨拶
M4も統合カリキュラムに移行
医学部 教務部長
伊藤 泰雄
平成16年度の入学生から新カリキュラムが導入さ
(コンピュータ試験と実技試験)が学年
れ、昨年度でM1∼M3のカリキュラム改訂を終え
末に本格実施されています。共用試験
ました。平成19年度からはM4も統合カリキュラム
に合格することが臨床実習開始の資
に移行します。M4の統合カリキュラムは4つのブ
格とみなされていますので、M4学生
ロックに分かれており、全部で17のユニット(循環
は各ユニットの試験と共用試験の両方
器、腎・尿路、女性医学、精神、妊娠・分娩など) に合格することが進級の条件となります。
で構成されています。各ブロックの終了時には筆記
期末試験直前の猛勉強では間に合わないことに注意
試験があり学力が試されます。これによって臨床の
が必要です。
科目別系統講義は廃止され、全て臓器別系統講義に
M5、M6のカリキュラム改訂は既に前倒しで実
組み替えられることになります。また平成19年度よ
施されていますので、今年度で医学部の教育理念で
り選択科目であったM4の医学英語も必修化されま
ある「良き医師を育成する」ためのカリキュラムは
す。
ほぼ完成したことになります。引き続き、皆様のご
M4では2年前から全国統一試験である共用試験
理解とご協力をお願い致します。
実りある学園生活を支援
医学部 学生部長
藤岡 保範
学生部長に就任し、2期4年目になります。学生部は
外科病棟のオープンに伴い、現在の「憩
奨学金の相談や申請、クラブ活動の遠征・合宿の許可、
いの広場」がなくなります。喫煙が許
健康相談、学習環境に関する要望など学生の様々な出
可された区域以外での喫煙がなかなか
来事に対応し、学生が快適で、実りある学生生活を過
なくならないのが現状です。喫煙は防
ごす上での支援を行っています。
災上および健康被害の面からも厳しく制
“心の悩み”については専任のカウンセラーの先生
限されるべきです。医学生の喫煙率は着実に
が常勤されてから、カウンセリングが受け易くなり、
減っているとの統計がありますが、未だ20%弱に喫煙
良く対応してもらえるとの学生からの評価を得ており
習慣がみられます。将来医師になることをより強く自
ます。問題が深刻化する前に気軽に相談に訪れて下さ
覚し、是非禁煙を実行して頂きたいと考えています。
い。また、各学年には主担任と複数の担任の先生がお
学生諸君が快適で、実りある学園生活を過ごして頂
り、一人一人の学生と面談して頂き、木目細かな指導
ける様に努力致しますので、今後ともご支援のほど宜
や相談に応じて頂ける様にお願いしてあります。
しくお願い申し上げます。
懸案であるキャンパス内の「禁煙」については、新
5学科体制スタートの年
保健学部 教務部長
保健学部では「健康の探求とその維持増進」をテ
丘島 晴雄
床工学科」「救急救命学科」の5学科体
ーマとして、様々な角度から健康を科学し実践する
制になり、新入生は343人を数え、臨
と共に、建学の精神に基づいて、人々がより健康的
床工学科設立前の2005年4月と比べて
に生きることをサポートできる人材の育成に努めて
約110人も増加したことになります。
います。
また、授業や研究などにおいても、今
受験生の確保と共に、より質の高い教育を提供す
まで以上に学科間の協力体制を整え、医療
るために、2006年4月に「臨床工学科」の新設、
系学部としての強みを発揮していく所存でありま
2007年には従来、臨床検査技術学科と保健学科に設
す。
置されていた救急救命士課程を「救急救命学科」へ
今年は、5学科体制のスタートの年ではあります
昇格させると共に、教育内容を明確に打ち出すため
が、同時に足もとを見つめ直しつつ、これからの10
に保健学科の名称を「健康福祉学科」に変更してい
年、20年後を展望し、さらなる学部の充実に向けて
ます。このように2007年4月から、保健学部は「臨
改革を進めて行く1年目でもあります。一層のご支
床検査技術学科」「健康福祉学科」「看護学科」「臨
援を賜りますようお願い申し上げます。
― 4
―
学生の夢の実現に向けて
保健学部 学生部長
保健学部は今年度より臨床検査技術学科、健康福
加藤 英世
専門職を目指す学生諸君にとって幅広
祉学科、看護学科、臨床工学科、救急救命学科の5
い視野と豊かな感性が必須です。保
学科体制で、これまで以上により明確な教育理念と
健学部の教育はこれらの点を大切に
目標を基盤に出発致しました。新入生諸君は具体的
しております。
かつ高い専門職意識を持って取り組んでおります。
すなわち、保健学部学生は具体的な将来設計を持
しかし、専門職を目指す中で、また
忙しい現代社会の中で狭い道に入り込む学
って大学生活を過ごしております。医療・教育・福
生が少なくありません。学生諸君が自身の健康管理
祉関連の専門職として各々の知識と技術を追求する
を実践し、大学生活を自らの力で歩く力強さが必要
ことは言うまでもありませんが、これらの職務は人
です。また、立ち止まる勇気も必要です。そんな時
を対象とします。人は様々な生活環境の下で暮らし、
に教職員皆様のご支援が必要になります。さらなる
かつ様々な価値観と文化を持っております。そこで、
皆様のご支援を賜りたくお願い申し上げます。
学部の教育力強化に向けて
総合政策学部 教務部長
入試環境が一段と厳しくなるなか、総合政策学部の
馬田 啓一
ルに応じたきめ細かな指導を目指すダブ
最優先課題は、志願者数の長期低落傾向に歯止めをか
ル・トラック方式の段階的導入、(5)悪
けることである。一昨年、18年度入試に向けて学科改
貨が良貨を駆逐しないよう教育的正義
組に踏み切り、総合政策学科のほかに企業経営学科を
の実現、などの具体的な対策に全力で
増設したが、2年続けて不本意な入試結果に終わって
取り組んでいく。
いる。我々は、学科改組が決して万能薬でないとの反
もちろん、こうした教育改革への取り組み
省に立ち、安易に学科改組のみに頼るのではなく、教
が即効性を欠くことは言うまでもない。しかし、受験
育の原点に立ち戻り、腰をすえて学部再生に取り組む
生はいまやイメージだけではなく、学部が自分のニー
べきである。
ズに本当に応えてくれるかどうかを見て、学部の中身
教務改革として、
「学部の教育力」を高めるという
で選ぶようになりつつある。したがって、学部の魅力
18年度から開始された教育目標の早期達成をめざす。
を受験生に効果的に伝えるための入試広報の徹底・強
そのため、(1)学科・コースの垣根を低くした学際性に
化も不可欠である。入試広報の強化をはかる一方、学
富むカリキュラムの追求、(2)カリキュラムとの連携な
部の対外PRの中身を質的に高める取り組みが重要で
ど資格取得へのサポート体制の強化、(3)基礎教養科目
あるとの視点に立ち、学部の教育力強化と有効な入試
(読解力・文章力・計算力・表現力・データ分析力な
広報戦略の2つを両輪にして、何としても当面の難局
ど)の拡充を柱とした1年次教育の強化、(4)学生レベ
を乗り切りたいと考えている。
すべての学生が充実した学生生活を送るために
社会科学部・総合政策学部の学生部長を務めており
総合政策学部 学生部長
うまくゆくとは限りません。
ます野山です。昨年度は、様々な場面における学生の
しかし、幸いなことに、教職員が熱
活躍と、それに関わる教職員の大変さを知ることがで
意をもって関わることによって、学生
きました。
達の多くの課外活動は順調に進められ
その大変さは、関わる対象が生身の学生であり、ま
野山 修
ています。また、一昨年度より開設され
た目に見えない人間関係であることから来ています。
た学生相談室によって、問題を抱えた多くの
学生たちの活動は、人間関係が円滑であれば順調に進
学生が助けられています。
みますが、その歯車が微妙にずれるとペースダウンが
私の役割は、学生とそれを助ける教職員や組織が常
起こります。しかも、そうした微妙な歯車のずれは、
にうまくつながるように、しっかりと見守ることであ
外から簡単に修復できるものでもありません。また、
ると考えます。すべての学生が今年度も充実した学生
学生は年々入れ替わりますから、人間関係を一から作
生活を送れるように、学生課および学生部委員会のメ
らなければならない場面も多いのですが、それが常に
ンバーと共に努めたいと思います。
― 5
―
新カリキュラム2年目をむかえて
外国語学部 教務部長
3学科6コース体制でスタートした新しい外国語学
赤井 孝雄
創造性とコミュニケーション機能の可
部は2年目をむかえます。それは、英語・中国語
能性を追求するとともに、異文化の
(留学生は日本語)の必須外国語、就業意識涵養の
垣根を越えて相互に理解し共存でき
ためのキャリア指導・インターンシップ、そしてコ
る人間性そのものを陶冶し、杏林大
ミュニケーションの基礎作りのためのホスピタリテ
学の建学の精神である「眞」
「善」
「美」
ィ実習など学部の掲げる人材養成目標達成のための
を広く国際的視野のもとに実現する』とい
基盤教育プログラムの完成年度となることを意味し
う学部理念のもと、各学科・コースの掲げる目標を
ています。同時に、来年度より本格的に始まる学
今一度確認し、学部教育のさらなる充実のため不断
科・コースごとの専門教育・応用教育の充実にむけ
の点検・改善努力が肝要と考えます。皆様のご理解
ての最終準備をしなければなりません。
とご協力をお願いいたします。
『外国語の習得を通じて、「言葉」の持つ豊かな
活気あるキャンパス作り
外国語学部 学生部長
相変わらず大学を取り巻く環境は厳しさを増して
黒田 有子
また、昨年度から4月に実施している
おりますが、今年度もよろしくお願いいたします。 「在学生有志によるガイダンス」では、
昨年度に引き続き、大学全体の取り組みでもある
今年も有志の学生が大学生活の中で
「初年次教育の充実」へ向けての外国語学部としての
のさまざまな体験について新入生に語
学生生活支援の展開を中心に努力していきたいと考
りかけました。今年度はさらに総合政
えております。入学した学生がスムーズに大学生活
策学部と合同で6月に初めてのスポーツ・フ
に入っていけない場合、あるいは学業継続が危ぶま
ェスティバルを開催する予定で、これが新入生を中
れる場合には、状況に応じて学生相談を行ない、奨
心とした学生同士の親睦を深める機会を提供するこ
学金など経済的支援に関する情報の提供、学生相談
とにつながればと願っております。活気のあるキャ
室との連携による精神的なサポート、また学業につ
ンパス作りへの教職員の皆様のご理解とご協力を引
いては教務部と連携をとる支援などを今年度も一層
き続きお願い申し上げます。
きめ細かく実施していきたいと思います。
入学センターから
入学センター長
入学センター長に就任して2年目の正念場になりま
めることなど、包括的な広報戦略につい
す。昨年度は、大学の教員が知恵を出し合えば志願者
てのノウハウを全力を挙げて修得する
の減少に歯止めをかける有効な方策が見つかるものと
ことになります。さらに、この取り組
考えていました。そのため、各学部との連携を密にし
みには入学センターが中心的な役割を
て各学部の取り組みをサポートしながら、大学の知名
果たすことになり、その責任を改めて認
度が低いことや、各学部の教育への取り組みを志願者
識しています。
に知ってもらうための方策を模索してきました。
岸 邦和
大学志願者全入のこれからの時代に、杏林大学の各
今年度入試広報に外部コンサルタントのアドバイス
学部が高校生の評価を得てより高度な社会的責任を果
を仰ぐことになり、改めて広報戦略の基本原則を知っ
たすことができるよう、入学センターはその先兵とな
てこれまでの対策が不十分であることを認識しまし
るとともに、総本部として全ての教職員にご協力をお
た。今年は、大学としての統一コンセプトを構築する
願いすることになります。一層のご鞭撻とご協力をお
こと、高校訪問を有効に行うこと、大学の知名度を高
願いいたします。
― 6
―
就業意識の涵養が就職率アップに繋がる
日本経済の堅調さに加え、団塊世代の退場補完、
キャリアサポートセンター長
武田 耕一
ことです。全国の私立大学の平均的な
長期の新卒採用手控えによる人員構成の歪み是正と
就職希望率が63%に対して、3学部は
いった企業の人事政策対応の背景を受けて、労働市
いずれも80%を超えて、極めて高い
場は買い手市場から売り手市場に転換し、八王子キ
誇れる数字となっています。これは、
ャンパス3学部の就職状況も、昨17年度から本18年度
教職あげての、継続的且つ地道できめ
にかけて、保健学部(92.8%→93.1%)、総合政策学
細やかな学生指導の成果だと考えられます。
部(89.1%→93.6%)
、外国学部(89.0%→94.3%)と
今年度、当センターでは ①低学年の就業意識の涵
好転しました。大学の就職支援活動の質を評価する
養を図る ②ゼミ単位での就職ガイダンスの推進
観点から、近年、フリーター、ニート増加問題に頭
③インターンシップ受け入れ企業の開拓 ④学生に
を悩ませている各大学就職担当者が意識しているこ
対するアップツーデートな情報提供といった事項を
とは、上記のいわゆる就職内定率アップだけではな
柱に置き、昨年度以上の成果を出すべく事業計画を
く、在学生の就職希望者率をいかに上げるかという
推進していきます。
本学の特色を活かした国際交流
国際交流センター長
国際交流センターでは、「本学の学際的かつ国際
を大いに進めること。③対外的に、本
的な総合大学の特色を活かして、本学と海外の大学、
学の教育の成果を伝えること。④短
学術研究機関との学術・文化及び人的交流を図り、
期日本語研修の受入を充実拡大する
それによって人材の育成に寄与する」という目的の
こと。⑤海外への派遣としては、学
ために、本年度もさまざまな活動をしてまいります。
生のための短期・長期の研修、インタ
各学部、各研究科において、それぞれの専門教育
塚本 尋
ーンシップ、留学。研究者のための学術交
の要請に基づいた国際交流の新たな方途を探ってお
流、共同研究とその発表。⑥海外からの受入として
り、従来の通り一遍の国際交流から、いくつかの突
は、学生のための短期日本語研修、専門職のための
出した分野での、質の高い学術交流や教育交流が日
短期研修、学生のための長期留学、研究者のための
程に登ってきています。また、次の各項目等につい
学術交流目的の受入など。
て、諸業務を遂行しています。
国際交流センターは学園の各部署の方々と連携し
①キャンパス内での国際交流を充実させること。
②学生だけでなく、研究者間の学術交流や共同研究
て仕事を進めてまいります。本年度もよろしくご協
力をお願い申し上げます。
図書館機能の充実化を目指して
図書館長
昨年に引き続き図書館長を仰せつかり、本学図書
神谷 茂
館のアメニティの向上が図られました
館の充実化を目指して努力してゆきたいと存じます。 (スタンド付きキャレルデスクの導入、
本学には八王子キャンパスに人文・社会学図書館お
セミナールームの設置など)。加えて
よび保健学図書館、三鷹キャンパスに医学図書館が
医学図書館に対してもAVブースの設
あります。これらの3図書館には50万冊を超える蔵書
置、閲覧椅子の入れ替えが行われまし
が保管され、年間に約9000冊の図書・雑誌が購入さ
た。今年度も同アメニティ検討委員会と連
れています。年間入館者は23万人を超え、貸し出し
携して、学生および職員が快適に利用できる図書館
件数は約5万冊に上ります。また、他大学をはじめと
を目指したいと存じます。
する他機関へ年間約11000件の文献を提供していま
近年、社会のIT化に伴い、図書館機能の多くがIT
す。これらのデータは本学図書館の充実ぶりを示す
化されています。本学図書館でも昨年4月より新たな
とともに、大学にとり図書館がいかに重要な存在で
図書館システムが導入され、電子ジャーナル、蔵
あるかを示しています。
書・文献検索システム、My libraryシステムなどが
昨年1月に設置されました八王子キャンパスアメニ
容易に利用できる環境が整いました。多数の方々が
ティ検討委員会においても図書館機能の充実化の必
本学図書館を有効に利用され、業務の進展がはから
要性が認識され、人文・社会学図書館、保健学図書
れることを強く望んでおります。
― 7
―
IT活用で最善の学生サービス
総合情報センター長
ITプロジェクトが始まってから1年半が経過した。
笈川 博一
った。Catch the Real Voice of studentの
この間に少しずつではあるが、着実に歩みを進めてき
名の通り、リアル・タイムで学生の理
たものと感じている。
解、反応を知ることは大きな戦力とな
昨年は新入生だけだったウェブ上の履修登録を今年
は在校生全体に広げることが出来た。シラバスも教員
るだろう。
残念ながら、授業のデジタル化はあま
が直接入力することで、製作の手間と時間が大幅に節
り進んでいない。こうした蓄積は、いずれ来
約できた。さらに今年はキャリア・サポート・センタ
ると思われる、より広範な成人教育の分野で力を発揮
ーにシステムが導入される予定だ。これで入学してか
することだろう。
“一粒で二度も三度もおいしい”方
ら就職、卒業までのデータが一元化されることになる。
法の活用が進むことを願うものである。
それが我々の教育の穴を教えてくれ、最善の学生サー
ビスが行えるようになればと願う。
ITが逃げられない現実であることは言を待たない。
出来れば、我々はその現実に追われる立場から、追う
数年前から試行してきたCRVがさらに洗練され、使
立場にいたいものである。
いやすくなり、より多くの授業で活用されるようにな
学生・教職員の健康管理と
健康教育を図る
八王子キャンパス保健センター長
八王子キャンパスの保健センター長として2年目の
照屋 浩司
及。および万一の患者発生に備えた危
春を迎えました。初年度と変わらぬ大きな緊張感をも
機管理体制の整備。③ 自動体外式除細
って、学生および教職員の健康管理・健康教育に携わ
動器(AED)の使用法ならびに基本的
っていきたいと考えます。よろしくご指導ご鞭撻のほ
な救急処置の普及。④ 開設3年目とな
どお願い申し上げます。
る学生相談室のさらなる周知と受入れ態
八王子保健センターは、センターの規程にもありま
勢を整備。の4つを柱としておりますが、それに加え、
すように八王子キャンパスにおける学生および教職員
健康診断後の指導の充実を図って、学生および教職員
の健康の保持増進を図ることを目的として設置されて
の健康管理ならびに健康教育を行っていきたいと考え
おります。保健センターでは、予防や健康管理にその
ます。
活動の主眼をおくとともに、軽微な外傷および疾病に
対しては応急の対応も行っております。
センター長、ナース、事務の3名の体制ですので行
き届かない点が多いかと存じますが、校医の先生方の
さて、本年度も保健センターは、① 健康週間イベ
ご協力の下、教職員の皆さまのご支援をうけて、学
ント、禁煙キャンペーン・禁煙指導などの充実による、
生・教職員に対するサービス、アメニティの向上に努
健康に対する意識の向上。② 新型インフルエンザ、
めて行きたいと考えております。何卒よろしくお願い
結核、麻疹など新旧の感染症に対する予防、知識の普
申し上げます。
学園監事に則定 衛氏が就任
平成19年3月に松本 薫氏(元会計検査院)が学園監事を辞任されたことにより、同年4月1日付けで則定 衛氏が監事
に就任しました。則定氏は、東京大学法学部卒業後、最高検察庁検事、法務事務次官、東京高等検察庁検事長などを歴任
し、現在は弁護士としてご活躍される傍ら、平成18年度に学園評議員に、今年度より監事に就任したものです。
学園評議員に谷口恒明氏が就任
平成19年4月1日付けで新しく谷口恒明氏が学園評議員に就任しました。谷口氏は明治大学法学部卒業後 財団法人日本生
産性本部(現 財団法人社会経済生産性本部)の海外技術協力部長、国際本部長、理事等を歴任。平成17年に同財団の理事
長に就任されています。
― 8
―
平成20年度入試志願者1万人達成を目指す
入学センター室長 斎藤 幸雄
大学全入時代の到来、熾烈な競争の中に置かれてい
訪問します。また、高校訪問を支え且つ志願者増加に
る現実を直視し、入学センターに求められている課題
つながる有力なイベントとしてオープンキャンパスを
に真摯に取り組み結果を出していくことに邁進してま
三鷹キャンパス(医学部)は7月28日、8月25日に、八
いります。
王子キャンパスは7月28日、8月18日、8月25日に、入
教職員のご理解とご協力を得てこの課題に取り組み
ますので宜しくお願い申し上げます。
試説明会を9月23日、10月21日に行う予定です。
入学センターがこれらの活動の先兵となり、また総
今年度、外部の専門業者の支援を受け全学部の先生
本部となりますが時間的な制限もあり当センターだけ
方及び組織を超えた職員の協力のもとで「平成20年度
ではこなしきれないことでありますので、教職員の皆
入試志願者1万人達成」プロジェクトがスタートしま
様のご協力をお願いするものです。これらの活動以外
した。1万人とは一般入試志願者で医学部2500名、保
では主に当センター職員が各地、各高校にて開催され
健学部2500名、総合政策学部600名、外国語学部500名
る進学相談会により多く参加してまいります。
を確保し、さらにセンター入試志願者を加えて1万人
これらの外的な活動は杏林大学の認知度を更に高め
達成を目指すことです(ちなみに昨年度の4学部の志
るためにも重要ですが、同時に現在キャンパスで学ぶ
願者合計は一般入試4900名、センター入試3100名でし
学生の満足度を向上させる取り組みも大学事務部の事
た)
。
業目標に掲げて取り組みが始まっております。各々の
主な活動は高校訪問、大学紹介のイベント及び新聞
施策は全て杏林大学のブランド高揚につながり中長期
や電車の広告です。そのため4月には3回の土曜日を使
的に志願者確保に良い影響がでるものと確信しており
い高校訪問研修が行われ、杏林大学並びに各学部のセ
ます。
ールスポイント、アメニティや就職指導、入試方法な
入学センターではこれからも高校生、その父母、高
ど訪問に必要な知識習得とロールプレイによる訪問実
校の先生、進学塾の生徒や先生、志願者につながる
技訓練を行いました。参加された全学部の先生方37名、
方々への<お客様第一志向>、広報や入試事務などの
職員39名及びプロジェクト委員を含め延べ90名が1万
関連事業関係者との<良好なリレーションシップ>を
人達成に向けて熱心に取り組みました。
柱に置いて1万人達成を目指してまいります。皆様の
6月上旬に「1万人達成キックオフ」を行い、高校訪
ご理解、ご協力を重ねてお願い申し上げます。
問は6月中旬から1ヵ月半ほどの間に重点校約500校を
平成19年度アメニティ計画について
アメニティ検討委員会委員長 黒田 有子
はじめに、平成18年度アメニティ予算の執行状況
についてご報告をいたします。平成18年度予算につ
いては、図書館の改修に2,000万円、第1食堂(ホー
1.図書館の改修
人文・社会科学図書館の入退館ゲートシステム、
ル杏)の全面改修に40,315,000円、遊歩道整備に
人文・社会科学と保健学の両分館にブックポストの
4,405,170円、バスターミナルの移設に30,779,024円、
設置、および閲覧椅子・電気スタンドの更新、資料
学生によるイベント企画実施に27,030円、K棟学生ホ
の廃棄作業、さらに三鷹の医学図書館の閲覧椅子の
ール照明設備の増設に469,980円を執行し、昨年度の
更新を予定しています。
プランをすべて3月までに実施いたしました。
平成19年度のプランについても、昨年10月より検
2.八王子宿泊施設の改修
討委員会で各部会からの申請項目の検討を続けてき
国際交流関係としては、海外協定校からの交換留
た結果、3月に調整費960万円を含む1億円の予算を計
学生や夏休み中の短期日本語研修への参加者の宿舎
上していただきました。また、平成19年度には新た
となっている杏林坂下の宿泊施設の内部改修工事を
に「H棟跡地整備部会」を設置しました。
予定しています。老朽化している水周りなど共用部
― 9
―
分の改修、アルミサッシの交換、カーペットの張替
いの広場として整備することを計画しています。日
え、既設の電話回線を利用したLAN工事と、一部家
ごろ学生を見ていて、キャンパス内に学生が「まっ
具や電化製品の処分・更新といった什器関係も含め
たりできる空間」
「のびのびできる空間」を増やすこ
ています。
との必要性を感じていたこと、またこの一角に昨秋
コンビニが開設されたことにより学生の動線が大き
3.ロッカールーム等の改修
く変化していること、K棟・J棟・I棟とG棟の間
体育館では、ロッカールーム・シャワールームの
を行き交う人々が通りにくそうであることなどもあ
改修を計画しています。また、一般学生の便宜を図
り、新たに部会を設置して具体的なプランの検討に
るために、E棟・F棟に試みに還流式のコインロッカ
入りました。
ーを一定数設置することも計画しました。
9.バイク駐輪場の建設
4.食堂関係
旧バスターミナル下のポンプ小屋跡地にバイク駐
食堂については、昨年度ホール杏の改修工事を実施
輪場を建設することと、バスターミナルや駐輪場の
したことにより一定の改善が図られた部分はあるもの
移設に伴うバイク通学学生の安全走行確保のために
の、相変わらずメニュー・価格・サービスの向上に対
山側道路を整備することを計画しています。
する要望が多くあり、また春休み・夏休みといった休
暇期間中の食材の質の低下や品切れに対するクレーム
10.学生によるイベント企画の実施と大学グッズの
が寄せられている現状があることから、引き続き平成
製作
19年度にもソフト面の改善策を模索していただけるよ
「キャンパスを元気にしたい」
「キャンパスをもっ
と好きになりたい」という学生からの提案による大
う、関係各位にお願いをいたしました。
小各種イベントの企画・実施に対する支援を行なっ
5.学生アルバイト
ていくことを計画しています。また、大学のロゴ入
「ITアドバイザー」として、コンピュータ室での
りや学生のデザインによる大学グッズの制作につい
事務職員の補助業務や授業時間内のIT関連機器のト
ても、クラッチバッグ、タオル、バンドエイドセッ
ラブル処理などを行なうものとネットカフェでの機
ト、クリアファイルなどについて具体的な準備に入
器の管理と貸し出し業務を行なうものの2種類を募集
っています。
する新たな学生アルバイトの創出を計画しています。
11.通学バスの改善
6.遊歩道整備
今年4月から拝島・杏林大学間に雨間経由の新ルー
平成18年度に第1期工事が完了したものの、昨年末
トが増設され、五日市線東秋留駅へのアクセスと、
からのイノシシの出没により年度内の供用開始に至
立川駅方面への料金の負担の軽減が実現しました。
ることができませんでした。今年度は、まずは供用
通学バスの改善に対する学生からの要望は依然とし
開始にこぎつけて、学生の利用実績を見ていきたい
て強く、平成19年度には「通学バス改善部会」の強
と考えています。
化を図り、バス問題についての検討を始めていきた
いと考えています。
7.大学同窓会の整備
大学同窓会の整備については、今年度ネット上に
この1年あまり学生や教職員の皆さまからさまざま
同窓会サイトを設置し、今後の活動方針についてさ
な提案をいただきながら、それを実現させる仕組み
らに検討を重ねていく予定にしています。
づくりが容易でないことを実感してきました。ご期
待にそえないことも多くあり、申し訳ない気持ちも
8.H棟跡地整備
もっておりますが、引き続き皆さまのご理解・ご協
キャンパスの中ほどに位置し3つの学部をつなぐ
力を賜りたくお願いいたします。
場所でもある旧H棟跡地について、これを学生の憩
― 10
―
付属病院収支改善への取り組みに感謝
平成19年4月10日
松田 博青
理事長
このほどまとまった付属病院の平成18年度の決算見込みによりますと、全医療収入は242億円と17年度より6.8%
増という高い伸びを記録したという報告を受けました。報告によりますと月別に見た場合、医療収入はすべての
月で17年度の実績を上回っていますが、中でも8月、10月、11月、12月、1月には20億円を上回る収入を上げ、3月
にはついに22億円を突破しました。
平成18年度
平成18年度 稼働額月別推移グラフ
(見込)
平成17年度
¥2,250,000,000
¥2,200,000,000
¥2,150,000,000
¥2,100,000,000
¥2,050,000,000
¥2,000,000,000
¥1,950,000,000
¥1,900,000,000
¥1,850,000,000
¥1,800,000,000
¥1,750,000,000
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
これは病院の一ヶ月の医療収入としては初めてのこ
経費の削減に大きな成果を挙げていただいたことによ
とです。また、医療収入の内訳を見てみますと、全医
り学園全体の収支決算では、17年度には30億円余りで
療収入の75%を占める入院医療収入は182.2億円と17年
あった赤字が18年度には約8億円まで縮小する見込み
度より7%増となり、中でも3月には16.6億円と17年度
となりました。
の同月を11%も上回るという目覚しい成績を残しまし
これは病院で働く医師、看護師、薬剤師、技師、職
員、スタッフの皆様がそれぞれの職場において、病院
た。
ところで延べ入院患者数は包括医療制度などの関係
で年々減少しており、18年度も17年度より5,500人少な
の収支改善のために最大限のご努力をしていただいた
結果であり、このご努力に改めて感謝いたします。
くなっていますが、そのような状況の中でも3月には
今年は、ただいま建設中の新外科病棟が6月に完成
一ヶ月の延べ入院患者数としてはこれまでで最高の2
し、8月から運用を開始する予定ですので、病院収支
万8,199人(一日平均909.6人)に達しました。また、18
の上でも明るい材料となることが期待されます。しか
年度の手術件数は、中央手術室の稼働が本格化して稼
しながら現状では平成19年度の予算は、当初は3億
働率が前年度を大幅に上回ったことが好結果をもたら
9,000万円の赤字を見込んでのスタートとなっていま
し、外来手術室とあわせた手術件数は9,300件余りに達
す。
し、前年度と比べて9%の増加となっています。病院
病院を取り巻く状況はますます厳しいものがありま
収入は学園全体の収入の6割以上を占めているだけに、
すが、いま本院は各種医療のランキングで常に上位に
病院の収支状況が学園全体の収支に大きな影響を及ぼ
紹介されるなど社会からの評価が高まっています。こ
します。
うした社会からの信頼に応えていくためにも、いまし
以上のように病院の各部門においてこれまでにない
成績を上げて大幅な増収を図るとともに、各分野での
― 11
ばらくのご辛抱と引き続いての収支改善の取り組みを
お願いする次第です。
―
1263人の新入生を迎え、杏林学園入学式
暖かく、穏やかな陽気となった4月8日(日)杏林学
式ではまず、松田博青学園長・理事長が新入生を歓
園入学式が三鷹キャンパス松田記念館で行われまし
迎して、
「自分の中身を充実させるための挑戦をして、
た。この春、杏林学園に入学したのは、大学院が医学
社会が求める人材に成長してください」と式辞を述べ
研究科10人、保健学研究科6人、国際協力研究科30人、
ました。この後長澤俊彦学長が「入学生全員が杏林大
学部では、医学部91人、保健学部373人、総合政策学
学で充実した学生生活を送り、胸を張って卒業式に臨
部337人、外国語学部305人、それに看護専門学校109
むことを期待します」と新入生を励ましました。
人、別科日本語研修課程2人のあわせて1263人です。
松田博青学園長・理事長式辞
中国・韓国・台湾・タイ・ベトナム・ミャンマー・
社会は自分中心で自分のわがままだけを言い張った
ネパール、7カ国からの留学生合計77名を含めて、今
り、金儲けのためだけに走り回る人材を求めてはおり
年も新しい学生をこの学校にお迎えできたことを嬉し
ません。社会が求めておりますのは自分より恵まれな
く思っております。この学校は1966年、松田進勇によ
い人、弱い人々に接した時に手を差し伸べ、自分ので
って創設されました。その建学の精神は「真・善・美
きる範囲内で支援をする人材であります。皆さんが学
の探究」であります。現在この学校は大学院に3研究
校を出て、社会に巣立った時にこうした人材になるた
科、大学に4学部と1専門学校を擁しております。学生
めには、学生時代に自分の中身を充実することが必要
総数はおよそ5千人強であります。
であります。具体的には、自分の専攻する分野以外の
私どもは皆さんをこの学校にお迎えして、まず皆さ
分野について研究する、文学作品に触れる、芸術作品
んと一緒に今までの先人が営々として、苦労して積み
に触れる、或いはコンピューターその他の技術的な訓
重ねてこられました真理・理論・技術・作品等々につ
練をする、外国語の検定試験を受ける、ボランティア
いて共に学び、共に研究し、可能であるならばそこに
活動を率先して行う等々であります。私どもは皆さん
新しい1ページを加えたいと思っております。また私
が自分の意志でこうした活動に率先して進もうという
どもは皆さんがこの学校に入られた後は、自分の意
場合には、できるだけの支援をするつもりでおります。
見・考えを、自分の言葉・文章で明確に表現して相手
皆さんが学生生活を楽しみながらも、自分の精神的な
に理解してもらう、また相手が表現することを理解す
向上を図るよう努力されることを期待して、私の歓迎
るという訓練をしていただきたいと思っております。
の挨拶といたします。
一方で、皆さんは社会を構成する一員であります。
長澤俊彦学長式辞
社会人9名、留学生77名を含む1263名の諸君、杏林
に求めているのは優れた研究者の養成、高度専門職業
大学への入学おめでとうございます。教職員一同、皆
人の養成、優れた大学教員の養成の三つです。いずれ
さんを心から歓迎します。
の道を歩むかは本人の意思ですが、希望された教員の
大学院3研究科に進まれた皆さん、今社会が大学院
― 12
指導の下で明確な目標を立てて活発な研究活動を営ん
―
う岩波新書のベストセラーを書いた 齋藤 孝さんは
でください。
4学部、看護専門学校に入学した諸君、私立の大学
高校時代から始めて大学を卒業するくらいまでの間に
は夫々の大学の建学の精神に基づいて教育が行われま
文庫本100冊、新書50冊を目途に本を読むことを薦め
す。杏林大学の建学の精神は真善美の探究です。真と
ています。
は謙虚に真理の追究をすること、善とは豊かな人間性
三鷹キャンパスで学習する諸君、キャンパス内には
を磨くこと、美とは誰の目にも美しく映える人になる
全国有数の病院があり、1日数千人の人が出入りして
感性を磨くことです。在学中たえずこの三つの理念を
います。ぜひ医学生、看護学生として恥ずかしくない
念頭において行動してください。3ないし6年間の大学
行動をとってください。八王子キャンパスで学習する
生活を実のあるものにするには、特に入学してから半
諸君、八王子市には23大学があります。幸い杏林大学
年の間に大学生活に適応することが大切です。言い換
の学生はいままで市民から好感の目で見られていま
えると入学後の半年間で大学の環境に慣れて学習する
す。それにはボランティア活動を通じて種々の地域貢
ことが楽しくなると、おのずからその後の道が開けて
献をしたことも関係しています。是非、先輩に見習っ
くるということです。杏林大学はこの1年次教育を重
て杏林大学の学生としての誇りと節度を保って行動し
視して教職員一同努力しますので、諸君も今を大事に
てください。
杏林大学では入学式は三鷹、卒業式は八王子キャン
してください。
最近、青少年の活字離れが心配されています。活字
パスで行う慣例になっています。今日入学式に参列し
を読み、かつ書くことが優れた思考力と創造力を育て
た全員が、一度しかない人生の貴重な一時期を杏林大
ます。そのために読書をする、教科書を見るだけでな
学で過ごせてよかったと実感できる充実した学生生活
く必ず書いて要点を整理する習慣を早くから身につけ
を送り、胸を張って八王子キャンパスでの卒業式に臨
ましょう。それによって思考力が増すとともに人との
むことを切望して学長の式辞を終わります。
コミュニケーション能力が増します。
「読書力」とい
新任教授紹介
平成19年4月1日付で教授に就任された先生の抱負を、前号に続いてご紹介します。
井本 滋(いもと・しげる)教授
所 属
医学部外科学(乳腺)
生年月日
昭和35年6月8日
最終学歴
昭和60年3月
慶應義塾大学医学部卒業
平成4年11月
医学博士取得 職 歴
昭和60年慶大病院外科、昭和61年日本鋼管病院外科、昭和62年国立大蔵病院
外科、昭和63年慶大病院外科、平成3年足利赤十字病院外科、平成4年国立が
んセンター東病院乳腺科、平成13年同乳腺科医長
抱 負
乳癌の治療はこの20年で劇的に変化しました。80年代まで乳房全切除とリンパ節郭清が乳癌の標準手術でした
が、80年代に乳房温存術が導入され、90年代にセンチネルリンパ節生検のコンセプトが実証されて、早期乳癌で
は乳房温存と腋窩温存が標準手術となりました。ちなみに、センチネルリンパ節は癌の転移を見張る「見張りリ
ンパ節」とも呼ばれますが、これは私が命名しました。一方、少し進んだ乳癌は術前に薬物治療を行い、乳癌を
縮小して乳房を温存し、術後に照射する治療が標準的に行われています。私は、癌の個性に応じた治療をさらに
進め、人に優しい医療の実現に努力して参ります。また、常に患者・家族に謙虚でありバランス感覚の優れた診
療ができる人材の育成を目指して参ります。当院が多摩地区における乳癌診療の拠点病院としてさらなる発展を
遂げるとともに、5年後には本講座が世界で認知されていることを最初の目標として臨床、教育、研究に邁進し
て参ります。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
趣 味 映画鑑賞 ミュージカル鑑賞 旅行 動物占い(コアラ)
― 13
―
大木 幸子(おおき・さちこ)教授
所 属
保健学部看護学科
生年月日
昭和37年2月5日
最終学歴
昭和60年3月 千葉大学看護学部看護学科卒業
平成19年3月 都立大学都市科学研究科にて博士学位(都市科学)取得
職 歴
昭和60年心臓血管研究所付属病院に看護師として就職
昭和62年東京都衛生局(現福祉保健局)に保健師として就職
(この間、東京都より厚生労働省及び八王子市に派遣)
抱 負
この度、杏林大学に着任し、教授職を拝命いたしました。その責任の重さに身が引き締まる思いでおります。
これまでは、保健所を中心とした公衆衛生看護の現場で仕事をして参りました。その中での相談者、地域住民の
方々、関係機関の方々、地域で働く仲間達との出会いによって、保健師としての私が育てられてきました。
地域には多くの困難を抱える無名の人々の暮らしがあります。そうした困難の解決を、当事者や地域の力を信
じ、彼らとともに取りくみ続けることが、地域で働く看護職の役割と考えます。相談者、地域の方々から教えら
れた地域での看護活動を、杏林大学に学ぶ学生達に伝え、共に学んでいきたいと願っております。そのためにも、
一層の精進を重ねていく所存でございます。教育者としても研究者としても、まだまだ未熟でありますので、な
にとぞ皆様のご指導・ご鞭撻を賜りたくお願いいたします。
趣 味
水彩画、最近ゴルフ教室に通い始めました。
名誉教授
平成19年3月31日に退任された保健学部 太田英彦先生に名誉教授の称号が授与されました。先生のご専門
と功績をご紹介します。
太田英彦名誉教授
〔生化学・臨床生化学〕
生体膜タンパク質、生体物質の物質
代謝、生化学検査など
その他:日本生化学会関東支部幹事,J Biochemistryレ
フェリーを歴任。平成12年より日本生化学会評議員
平成19年度 事業計画について
総務部長
後藤 義次
平成18年12月の理事会・評議員会で、平成19年度事業計画に係わる予算編成方針及び予算大枠の承認を受け
て、平成19年度事業計画の検討を行なった。
策定にあたっては、前年度に引き続き三鷹・八王子両キャンパスの教育・研究の充実及び施設設備の整備を
重点事業とした。特に八王子キャンパスの施設を含めた環境整備については、今後このキャンパスの魅力と機
能性を高めるための具体的施策を順次実行していくため、「アメニティ検討委員会」を平成18年1月に発足させ、
各部会を中心にアメニティ改善に取り組んできた。本年度も引き続きアメニティ改善を推進する。各部門の諸
計画案については、総合大学として「魅力ある大学」、「特色ある学部づくり」の取り組みと、高等教育を取り
巻く環境の激変に対応すべき大学教育改革の取り組みを一層推進する事業計画(案)を策定した。
平成19年度事業計画策定
IT化などの充実を図った。本年度も引き続き八王子キ
1.重点事業
ャンパスを中心にIT環境の更なる充実を図る計画であ
(1)IT環境の整備(継続)
る。また、三鷹キャンパスの医学部に本格的なコンピ
平成18年度は八王子キャンパスを中心に新履修登録シ
ューター・ルームを設置し、一学年全員の利用を可能
ステム、教務・学生関係システムの運用開始、教室の
にする。
― 14
―
電機整備
①事務部門IT化の更なる推進・改善
平成18年度の新入生を対象とした履修登録等に関
③校舎改修・整備計画
する新システムの利用結果を踏まえて、2年生∼4年
・三鷹キャンパス…講義棟吸収式冷凍機更新
生の教務・学生関係情報を新システムに移行した。
・八王子キャンパス…G棟空調機新設及び各棟省エ
ネ対策工事
これにより本年度初めから、
(1)在校生全員がウェ
ブ上での履修登録を実施する。また、本年度には、
(2)上記システムと連動する就職支援システムや、 (3)八王子キャンパスのアメニティの向上(継続)
授業支援システム、学生生活支援システム等が導入
八王子キャンパスの魅力と機能性を高めるため、平成
され、入学時から卒業・就職まで一貫した学生デー
18年1月に「アメニティ検討委員会」及び具体的施策編
タの管理が可能となり、情報の共有化により、個々
成としての「9つの部会」を発足させた。
の学生に見合ったキメ細かな指導が図れる。更に、
(3)前年度検討の結果、結論持越しとなった入学セ
平成18年度は、アメニティ検討委員会において、各
部会から提出された短期・長期プランについて、各プ
ラン・ニーズの妥当性と優先順位などを協議し、以下
ンターに入試システム導入の可否を検討する。
の6項目について改善を図った。
②ITリテラシー教育及び授業のIT利用促進
総合政策学部、外国語学部では平成18年度にIT教
①図書館の改修、②食堂厨房及びホールの改修、③
育が導入され、入学後の一年間で大学生としての学
トイレの改修及びパウダールーム設置、④コンビニ設
習研究や就職活動に最低必要なITリテラシーをマス
置、⑤遊歩道建設、⑥バスターミナル移設及びバスロ
ターできるようになった。また、授業のIT利用の一
ータリー外灯増設。
環としてCRVシステム(独自システム)を導入し、
本年度は、前年のプランで残されたものとして、①
本年には本格使用が可能となる。同システムでは、
図書館の備品整備(入退館ゲートシステム、閲覧椅子
授業中に実施するリアル・タイムでのアンケート、
の増設など)
、②八王子宿泊施設の改修、③更衣室ロ
学習効果を見る小テスト、簡便な出席管理などを行
ッカー更新・シャワールーム、トイレなどの改修、④
えるため、更に充実を図る。
遊歩道の整備(第二期)
、⑤学生バイク駐輪場建設並
びに学生バイクの安全走行確保のための山側道路(周
③キャンパス内無線LANシステムの拡大
E棟校舎の無線LANは平成18年度に導入され、い
くつかの授業で使用されている。本年度は図書館、
辺道路)整備等を行う。
更に、キャンパスの中心にある旧校舎取り壊し跡地
ガーデン丘(第3食堂)に拡大するとともに、検疫
が駐車場として利用されている現状に対し、これを学
システムを導入し、持込PCのセキュリティを向上
生に憩いの場を提供するべく整備するプランについて
させネット環境の充実を図る。
も新たに部会を発足させ実施に向けて進める。
④図書館におけるオンラインサービスの強化と推進
本年度は、平成18年度に導入した学術情報データ
ベースシステムについて、電子ジャーナルへのナビ
2.各部門の事業
(1)医学部の教育改革の取り組み
ゲーションを中心に強化・推進する。現状では、契
・学部教育をより適切に行うため、教養系と基礎医
約していなくても利用できる電子ジャーナルへのナ
学系の統合・再編について、委員会を設置し検討
ビゲーションがとくに不完全であるので、的確にナ
する。
ビゲーションするシステムの改善を検討する。また、
・卒前教育については、平成17年度より授業内容・
システムを改善するだけではなく、リテラシー教育
方法の改善のための組織的な取り組みの一環とし
としての講習会も開催し、オンラインサービスの推
て、学生による教員の授業評価を実施したが、今
進を図る。
年度も引き続き実施し、「Teacher of the year
2006」の顕彰を行う。
・客観的臨床能力試験(OSCE)が導入され、その
(2)主な施設設備の整備
①新外科病棟建設…平成19年5月末完成(継続)
後の評価者研修、チュートリアル教育導入のため
②既設病棟の施設設備の改修・整備計画
のチューター養成研修など(FD)を引き続き実
施し、より一層の教育の充実を図る。
・第二病棟…非常用発電機増設
・救命救急センター…無停電装置更新及び非常用発
― 15
・カリキュラムについては、第4学年次の授業を従
―
・公務員試験準備、資格試験科目の充実
来の系統講義から統合カリキュラムに変更する。
更に、英語教育の充実を図るため、第4学年次に
当面は警察官、消防官、自衛官などを中心とする
選択科目であった医学英語を必修科目とする。
が、将来的には国家Ⅰ種、地方上級をも視野に入
・医学部学生が卒業までに身につけるべき能力及び
れた、カリキュラムの充実を図る。また、税理士
態度などの到達目標を教授要目に載せ、勉学及び
など資格試験への準備を目指す。平成18年度から
学生生活における方向付けとする。
開始した日商簿記試験の本校開催は好評で、受験
者数、合格者数ともに増加傾向にあり、さらに推
進する。
(2)保健学部の教育改革の取り組み
・優秀な受験生確保に向けて入学試験の科目、日程
・学部開始以来のモットーであるPerson to person
を含めて見直す。また、入学生の多様化に伴い数
教育を実現すべく、平成18年度からゼミの履修を
学、物理、化学及び生物に関しては1年生前期に
第3セメスターからとした。帰属意識を深めるな
基礎科目の授業を開講し、入学生の学力に合った
どの利点が多く、ゼミ所属意識の動機づけを図る。
・平成20年度に向けて、就職拒否群対策としてゼミ
基礎教育の充実を図る。
に入らない学生に対する個別のケアーを行い、全
・健康福祉学科の基盤強化を図るため、新たな取得
教員がきめ細やかな指導を行う。
可能な資格の検討をする。
・学生生活上の悩みを抱える学生の増加に対し、ク
ラス担任を増員し、相談しやすい環境作りを推進
(4)外国語学部の事業計画及び教育改革の取り組み
・学園入試プロジェクトを重点事業計画として位置
する。
・地域の小中学校を含めた地域住民との交流の場を
付け、その円滑かつ効果的実施に学部として取り
増やし、ボランティア活動の充実と基盤整備を推
組む。あわせて、平成17年度より強化中の入試広
進する。
報活動の一環として、学部パンフレットとHPの
改善、高校生新聞への出稿継続等により、入試プ
・提携大学及び本学医学部との共同研究を積極的に
ロジェクトの相乗効果を高める。
推進する。
・国家試験100%合格を目指し、単に補習を行うだ
・教員評価制度の導入に伴い、学科・コース・委員
けでなく、教員に気軽に相談できる精神的なサポ
会運営の目標管理と事業計画化を本格実施に移
ート体制作りを推進する。
す。これにより学科・コースの不断の教育改善に
資す。
・そのため、昨年度に引き続き、設定された各コー
(3)社会科学部・総合政策学部の教育改革の取り組み
スの教育目標の実現に向けて授業科目の教育内容
・一年次教育の充実
平成18年度より開始した一年次教育は、脱落者の
と体系化(シラバスとカリキュラム)の整備を更
減少など、予想を超えた成果を出しつつある。し
に徹底し、各教員の教育技術向上を目指した研究
かし、①一クラス10人程の少人数教育の功罪、②
会等により学部全体のFD推進に努める。
・ PEP(英語)
,CIC(中国語)
、キャリア指導、ホ
一学年全員が一クラスとなる授業「社会のしくみ」
「近現代史」は多人数であるための弊害、③SPI
スピタリティ教育を一層充実し、インターンシッ
(能力適正検査)をにらんだ「計算力演習」は就
プ研修とともに基盤教育の定着を図る。あわせて、
一年次教育の強化に本格的に取り組む。
職に目が向かない一年生にとっては遠い存在、な
ど改善の余地がある。本年度は以上の課題を克服
・ 留学、インターンシップ、地域貢献制度を充実
し、さらに充実を図るため、統一の教材、成績評価
させると同時に、教員の研究業績の社会的発信促
基準の統一化を実施する予定である。ITリテラ
進によって社会との連携を着実に進める。
シー授業は好評であり、PCに対するアレルギー
が減ってきたため、さらに努力を重ねる。また、
(5)大学院(3研究科)の教育改革の取り組み
初めての試みとして推薦入試で入学する学生を中
①医学研究科
心に入学前の春休みに近現代史論、表現力演習の
・教育体制の充実化を図るため、教務担当者を中心
集中授業を行い、一年次教育を更に充実させると
として単位認定、年度毎の研究進捗状況の把握を
ともに、推薦学生の入学前教育を実施する。
行う。3年次終了時には研究報告会を開催し、論
― 16
―
文準備状況の確認と助言・指導を行う。更に、平
利用者が必要とする学術情報を早く、且つ、的確に入
成20年度に向けてカリキュラムの更なる充実化を
手できるようにするため、学術情報データベースシス
図るための検討を行う。
テムの利用環境の向上に努める。
・システムを安定提供するための管理・運用を行う。
・既存の大学院要項及びシラバスの充実を図るた
め、記述の量や内容の統一をすると共に、研究指
・電子ジャーナルとの連携を強化する。
導体制なども明示し院生に周知する。
・リテラシー教育等の講習会を開催する。
②図書館サービス・アメニティの充実化
・大学院教育の在り方(課程の目的・内容・方法な
ど)について、組織的研修(FD)を計画、実施
利用者にとってより使いやすい図書館を目指し、サー
する。
ビスやアメニティの充実化を図る。
・学園のアメニティ改善計画に則って、書架等の入
・共同研究施設部門について再検討するため、委員
替を行い、閲覧スペースの確保と有効活用を目指
会を設置する。
す。
②保健学研究科
・ブックポストを設置し、時間外の図書返却を可能
・保健学研究科は現在保健学専攻のみの設置である
とする。
が、看護学専攻の増設を検討する。また、看護学
・使用に耐えない資料の除籍廃棄を進めることによ
専攻の専門分野としては、地域保健看護分野と看
り、書架の回転率を高め、有用性の高い資料を揃
護ケアマネージメント分野とすることを検討。
える。
・ 学部教育の一貫性を図るため、保健学専攻は学
・日曜・祝日開館、開館時間の延長により、利用者
部学科に対応した4専門分野とすることを検討。
の便宜向上を図る。
・ 博士前期課程の教育目標として保健学専攻では
高度専門職業人の養成、看護学専攻では専門看護
師養成とすることを検討。あわせて、博士後期課
(7)入学センター
程の教育目標として 研究者養成、教育者養成を
学生募集のための広報活動及び入学試験実施の業務に
主たる目的にすることを検討する。
ついて、平成18年度は入試広報戦略会議において大局
的な検討をするとともに入試調整委員会において実務
③国際協力研究科
・国際協力研究科内に新たに広報委員会を立ち上
的な調整を行った。本年度は外部コンサルタントに助
げ、入試広報体制をさらに強化し、受験者数の増
言を求めて入試広報活動を見直し、大局的な検討を
加を図る。加えて、定年退職者を中心に生涯学習
コンサルタントを加えた入試広報戦略会議で検討し、
の場としての大学院教育について積極的に情報を
実務的な実施体制を入学センターと各学部入試作業委
発信することにより、いわゆる団塊の世代におけ
員長及びコンサルタント等を構成員とする入試プロジ
る受験生の掘り起しを行う。
ェクト委員会で行うこととした。本年度の重点項目は
・社会に開かれた大学院として、科目等履修生制度
についてIT等を活用した積極的な広報活動を行
うとともに、現行の履修料等の見直しを検討し、
以下のとおり。
①広報活動
・広告:Webサイトなどの電子媒体や進学雑誌など
の紙媒体及び交通広告などを用いたり、大学の作
社会人等の再学習の機会の拡大を図る。
成する印刷物を用いて入試情報の周知及び知名度
・アジアを中心とした海外の大学・研究機関及び日
の拡大を図る。
本政府の関連機関等との教員並びに大学院生によ
る教育・研究の協力、学術交流を積極的に推進す
・説明会:オープンキャンパス、進学相談会、高校
訪問に加えて、高等学校進学指導担当者を集めて
る。
の入試説明会を開催する。訪問する高校について
・日中通訳者・翻訳者の養成を主眼とした「日中同
は、重点地域を絞って効率化を図る。
時通訳特論」関連科目の開設等を通じ、高度専門
職業人としての出口の見える大学院教育の拡充を
・各学部との連携:立案した方策を実施するにあた
っては、各学部との連携を密にして効果的な広報
図る。
活動を行う。
・入試データの分析:広報活動に必要な入試データ
(6)図書館
をさらに収集するよう努め有効に活用する。
①学術情報データベースシステムの利用環境の向上
― 17
―
係る知識・技術の向上を目指す。
②入学試験実施
・個人目標の設定と計画的な自己啓発推進により、
・ガイドラインの作成:これまで大過なく入学試験
専門職としての自覚を促す。
が行われてきたが、試験区分の多様化や試験機会
・勉強会やミーティングを活用し、個々の就職指導
の増加に伴って入試事務が複雑化しているので、
能力の向上を目指す。
文部科学省の指導に従ってガイドラインを作成し
てミスのない入試の実施を図る。ガイドラインを
構成する項目は、入試概要の立案、募集、出題、
(9)国際交流センター
①各学部・研究科からの海外研修等の新規案件を全面
実施、合否判定、入学手続き等とする。
的にサポートし、各分野の教育内容に即したプログ
・入学試験の見直し:広報活動に加えて、志願者を
ラムの充実を図る。
より多く獲得するために試験区分の検討を行う。
②八王子宿泊施設の改修の実現が見込まれ、学生の交
流だけでなく、研究者の招聘や共同研究などを容易
(8)キャリアサポートセンター
以下の施策により就職率向上を図る。
にするための条件が整ってくるので、海外協定校と
①社会人基礎力の養成を主眼に、低学年からのキャリ
の交流をさらに進める。
③別科日本語研修課程の運営の充実を図る。新コース
ア支援をおこない、次の3点を実現する。
・キャリア支援講座への参加促進を図る。
の実現に向けて具体的な作業をすすめる。昨年度創
・低学年向けゼミ等への出張講義を実施し、将来へ
刊された紀要の第二号を刊行する。国外での試験と
面接の実施を継続する。
の道標を図る。
④外国人留学生の福利厚生については、アパートの斡
・ 社会(企業)見学の実施により、就職意識を醸
旋・トラブルの相談、医療相談、医療施設の紹介、
成する。
②ホームページを刷新し、内外への発信の拠点とする。
医療費の補助制度の申請、交通事故や生活環境の面
・ 学生が必要としている新しい情報を、即座に発
でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行
信し、保護者や外部者にもキャリア支援が理解で
う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、
きるものに改める。
学内での各種活動に留学生が積極的に参加できるよ
うに具体的な方途を探る。
③学部カリキュラムとの融合を図り、就職意識の醸成
⑤学生の留学相談には、随時、情報の提供などで対応
を目指す。
し、海外留学する学生については、留学前後を含め
・前期は3年生(又は4年生)の出張ゼミ講座を実践
て教学面でのサポートをより充実させる。
し、就職意識を高める。
⑥危機管理体制の強化に努める。海外研修や長期で海
・後期は就職ミニ講座をシリーズで開講し、より実
外へ留学している学生・教職員に緊急事態が発生し
践的な指導を強化する。
た場合を想定し、訓練を実施する。
・教員の出張に伴う代替講座(就職支援講座)を行
う。
④ジョブカフェによる年間を通した企業研究・会社概
(10)八王子保健センター
要等々の情報提供を進める。
以下の施策により、学生・教職員の健康の向上を図る。
・毎回企業の人事担当者等を招聘し、最新の企業情
①健康週間イベントと禁煙キャンペーン、禁煙指導の
実施に加え、学生定期健康診断後の指導を充実させ、
報を学生に提供し、就職支援の一助とする。
・低学年も聴講することで、将来の夢に向けて長期
学生の健康に対する意識を高める。
②インフルエンザ、感染性胃腸炎、結核などに対する
的な計画が可能となる。
⑤インターンシップにおける積極的な学生派遣を行
予防と知識の普及を行う。また、新型インフルエン
い、就職意欲を高める。
ザなど、万一の患者発生に備えた危機管理体制の整
・ 平成19年度は研修企業100社開拓、学部生100名の
備に取り組む。
③自動体外式除細動器(AED)設置について学内で
派遣を目指す。
⑥当センター職員の専門職としての能力向上を目指
周知するとともに、教職員・学生に対し、AEDの
す。
使用法ならびに基本的な救急処置のさらなる普及を
・就職指導研究会等へ積極的な派遣を行い、就職に
図る。
― 18
―
④開設3年目となる学生相談室を多くの学生・教職員
⑧クリニカルパス運用向上と質的改善を目指す。
に周知し、学生のメンタルヘルスの向上に資する。
⑨薬剤・材料購入費、業務委託費の削減を図る。
(13)医学部付属看護専門学校
(11)総合情報センター
平成17年8月に①情報システム推進室②情報教育推
①18歳人口が減少する中で前年度以上の受験生を獲得
進室③中央コンピューター室の3部門を統括し、学園
のために、進学説明会、高校訪問、学校見学の受入
(付属病院を除く。
)における情報化を総合的に推進し
等を積極的に行う。また、医療看護系予備校及び業
て教育研究、学生サービスの向上及び事務の効率化を
者が主催する進学相談会に参加し、受験生の獲得を
図る目的で発足した。平成18年度は八王子キャンパス
目指す。
②実践看護師を育てるために必要な看護の知識・技術
を中心に新履修登録システム、教務・学生関係システ
ムの運用開始、教室のIT化を図った。本年度は引き続
を修得する教育設備の充実を図る。
き、八王子キャンパスに加え、三鷹キャンパスの医学
具体的には、2グループでの授業使用と学生の演習、
部においても“IT環境の充実”を図る。その事業構想
訓練、自習が行える実習室の増設(拡張)とIT化に
は、平成19年度事業計画の「重点事業」として記載。
伴う情報処理の演習、訓練が行える環境整備を行う。
③看護師国家試験全員合格を目指しての国試対策の充
実、学士入学者の既修得単位認定制度の整備、就職
(12)医学部付属病院
指導の強化を図る。
新外科病棟は平成19年8月より運用開始予定。新外科
④社会の要請に応えられるように、カリキュラム・教
病棟へ移転した跡地を利用しての病院機能の充実を図
育内容等の見直しを引続き行う。
る。あわせて、入退院センターを開設する。研修医・
レジデント・新入職看護師教育の充実を図る。具体的
(14)管理部門(法人本部)
には、
①新外科病棟:地下1階(厨房)
、1階(ICU)
、2階∼7
法人本部は、大学、病院の各部署の改革を事務部門と
階(外科系各科)
、8階(個室)で稼動病床数は304
してより効率的にサポート出来る体制を目指し、以下
床。ICU活用による安全で高度な術後管理、及び入
の施策に取り組みます。
退院センター機能に支えられた病床有効利用。厨房
①事務組織の改革
には患者満足、食品衛生、効率化を目的としたクッ
②本部基幹システム(人事管理システム、財務システ
ム)の刷新 クチルシステムを導入する。
②入退院センター:円滑な病床運営のための入院支援
③事務職・技術職・技能職員への目標管理制度の導入
平成18年度に事務職・技術職・技能職員の管理職を
業務を新外科病棟運用開始までに稼働。
③外来診療スペースを再編成し、機能的外来診療の整
対象に導入した「目標管理制度」を、監督職・一般
職まで導入する。
備を図る。
④総合診療科の廃止と、感染症科の設置。健康医学セ
④保健学部学科改組に伴う寄附行為の変更
本年度から保健学部に保健学科を基礎として新たに
ンターの充実。総合ふりわけ外来を設置する。
⑤三鷹市・武蔵野市医療機関との医療連携シンポジウ
救急救命学科を加え、保健学科の学科名称を健康福
ムの開催。地域連携パスの推進。紹介元医療機関へ
祉学科に名称変更を行った。学科改組(平成19年4
の報告の充実、徹底を図る。
月1日付)については、すでに理事会及び評議員会
⑥安全な医療の実施を行う日常的風土の構築と安全教
育の推進。安全管理室に院内感染防止担当の副室長
(感染症科科長が担当)を置き、院内感染制御の充
の手続き等を経て寄附行為の改正を行っていること
から、文部科学省に寄附行為変更の届出を行う予定。
⑤教育・研究活動等の第三者評価機関の受審
学部及び大学院等の教育・研究活動について、自己
実を図る。
⑦研修医・レジデントに対する教育プログラムの充実
を図る。また、研修医・レジデント募集を推進する。
― 19
点検・評価し、平成20年1月以降に外部の認証評価
機関に申請書類を提出し、審査を受ける予定。
―
平成19年度予算について
難波 明
経理課長
1億5,000万円 本学校法人の平成19年度予算案が、平成19年3月29
・救命救急センター無停電装置更新及び
日に開催された理事会、評議員会で審議の結果、原案
非常用発電機整備費
どおり承認されましたので資金収支予算、消費収支予
1億6,300万円
・八王子キャンパス校舎改修工事費
算の概要をお知らせします。
○収入面について
6,200万円
3)八王子キャンパスのアメニティ向上
(アメニティ検討委員会)
学納金収入、補助金収入は、平成18年度決算見込み
1億円
との対比では僅かであるが伸びを見込んだ。寄付金収
②その他の予算については、特に次の項目を考慮した。
入は、新外科病棟建築募金期間が6月で終了すること
・法人本部の新財務会計システム(管財)、人事管理
もあり、減収を見込んだ。医療収入は、本年8月にオ
システム(勤怠)
、教職員健診システム構築関係
ープンする新外科病棟及び昨年稼動した中央病棟(平
に伴う関連費用。
成18年6月)などで、手術件数・入院患者数の増加及び
既設病棟の運用の見直し改善などにより、平成18年度
この結果、平成19年度予算は重点事業として教育・
決算見込み対比で4.7%、11.4億の伸びを見込んでいる。
研究の充実、新外科病棟建設費31.5億及びその他施設
○支出面について
設備の整備・改修費、アメニティ向上事業費などの支
①重点事業については、本年度も引き続き三鷹・八王
出を組み込んだことで、学園全体の資金面は13.1億の
子の両キャンパスの教育・研究の充実及び施設設備の
繰越資金が減少、帰属収支差額で3.9億の支出超過、消
整備に重点を置いて策定した。
費収支差額では29.4億の支出超過となり、累積消費支
出超過額は510.3億となる厳しい予算となった。
1)IT環境の整備費(継続)
1億8,800万円
予算執行に当たりましては、期中において引き続き
収支改善に全力を尽くすとともに、本年度から導入す
2)主な施設設備の整備・改修費
る『新財務会計システム』の活用によりまして、適正な
・新外科病棟建設費
31億5,000万円(総建設費67億円)
予算執行が行われるよう管理面の強化を行う所存です。
・第二病棟非常用発電機増設工事費 ☆資金収支の予算概要
総資金収入は47,993百万円、総資金支出は47,560百万円の規模である。
18年度決算見込の繰越金は11,045百万、19年度予算の繰越金は9,732百万円となり、1,313百万円の繰越金
が減少する予算となった。
(1)平成19年度資金収支予算書(総括表)
(単位:百万円)
収入の部
平成19年度予算 平成18年度予算 増 減
学生生徒等納付金収入
105
支出の部
平成19年度予算 平成18年度予算 増 減
8,110
8,005
人件費支出
手数料収入
430
416
14
寄付金収入
433
676
△ 243
医療経費支出
補助金収入
2,120
2,390
△ 270
管理経費支出
2,740
教育研究経費支出
16,870
16,421
449
2,430
2,494
△ 64
10,809
10,660
149
2,516
224
資産運用収入
484
593
△ 109
借入金等利息支出
436
436
0
事業収入
292
267
25
借入金等返済支出
4,209
1,137
3,072
医療収入
25,368
24,657
711
施設関係支出
3,664
5,336
△ 1,672
391
211
180
設備関係支出
1,807
1,230
577
3,000
0
3,000
資産運用支出
1,678
1,699
△ 21
2,917
3,312
△ 395
0
200
△ 200
2,119
雑収入
借入金等収入
前受金収入
1,522
1,373
149
その他の支出
その他の収入
5,843
5,420
423
予備費
小 計
47,993
44,008
3,985
△ 4,605
△ 5,069
464
前年度繰越支払資金
11,045
14,754
△ 3,709
資金収入の部合計
54,433
53,693
740
資金収入調整勘定(△)
小 計
資金支出調整勘定(△)
次年度繰越支払資金
資金支出の部合計
注)増減の△表示は平成18年度予算よりマイナスの場合に表示しております。
― 20
―
47,560
45,441
△ 2,859
△ 3,009
150
9,732
11,261
△ 1,529
54,433
53,693
740
☆消費収支の予算概要
帰属収入は37,644百万円、消費支出は38,034百万円である。
この結果、帰属収支差額(①−③)は△390百万円の支出超過予算となった。
平成18年度決算見込の繰越消費支出超過額は48,090百万円、平成19年度予算の繰越消費支出超過額は
51,034百万円となり、当年度消費収支差額(②−③)では2,944百万円の支出超過予算となった。
(2)平成19年度消費収支予算書(総括表)
(単位:百万円)
消費収入の部
学生生徒等納付金
手数料
平成19年度予算 平成18年度予算 増 減
8,110
8,005
105
430
416
14
消費支出の部
平成19年度予算 平成18年度予算 増 減
人件費
教育研究経費
17,073
16,864
209
3,985
4,029
△ 44
寄付金
449
784
△ 335
医療経費
13,022
12,456
566
補助金
2,120
2,390
△ 270
管理経費
3,445
3,205
240
資産運用収入
484
593
△ 109
借入金等利息
436
436
0
事業収入
292
267
25
資産処分差額
53
2
51
医療収入
25,368
24,657
711
徴収不能額
20
0
20
391
211
180
予備費
0
200
△ 200
③消費支出の部合計
38,034
37,192
842
雑収入
①帰 属 収 入 合 計
37,644
37,323
321
基本金組入額(△)
△ 2,554
△ 4,652
2,098
当年度帰属収支差額(①−③)
△ 390
131
②消費収入の部合計
35,090
32,671
2,419
当年度消費収支差額(②−③)
△ 2,944
△ 4,521
前年度繰越消費収支差額
△ 48,090 △ 44,814
翌年度繰越消費収支差額
△ 51,034 △ 49,335
注)増減の△表示は平成18年度予算よりマイナスの場合に表示しております。
平成19年度杏林学園入職式
の変化に応じた対応をしつつサービスに励んでいかな
くてはなりません。」と職員としての心構えを述べ、
新入職員を歓迎しました。この後、看護部配属の津村
美鈴さんが新入職員を代表して、建学の精神に則り、
職務に専念し就業規則などを順守することなどを誓い
ました。
また、長澤俊彦学長は杏林学園の歴史・建学の精神
等を説明した上で、新入職員に対し、
「学園という大
きな組織の一員として若く希望に燃えていると思いま
す。人生には困難がつきものですが、上司や先輩に相
談するなどして克服してください。学園の将来は皆さ
この春、杏林学園に就職した新入職員を迎える入職
んの双肩にかかっています」と新入職員を励ましまし
式が4月2日(月)
、三鷹キャンパス大学院講堂で行わ
た。さらに、東原英二病院長は、
「皆さんは患者様の
れました。
立場・気持ちを深く理解し、思いやることを忘れない
今年度学園が迎えた新入職員は、看護職員204名、
技術職員8名、事務職員2名の合計214名です。
ように。安全で安心できる医療提供に努めていても不
幸にして事故が発生してしまった場合は、まず冷静に
式では、はじめに松田博青理事長が、
「杏林学園は
教育、医療機関であり、学生、患者とその家族に対し
なって事実を確認し、対処する方法を学んでいってほ
しい。
」と病院職員としての心構えを求めました。
てサービスを提供する機関であります。その中で時代
― 21
(人事課)
―
八王子だより
別科日本語研修課程と外国語学部に留学生9名が入学
式では塚本尋国際交流センター長が「杏林大学では
外国語学部はじめ全学部で400名近くの留学生が学ん
でいます。皆さんもここに出席の各先生のもとで日本
語の勉強に励んで、有意義な留学生活を送ってくださ
い」と入学者に励ましの言葉を送りました。
つづいて鄭英淑外国語学部講師が「皆さんはこれか
らの勉学のことなど不安で一杯と思いますが、難しい
入学試験を突破したり、所属する学校から選ばれて入
学したわけですから自信を持って勉学に励んでくださ
い。国際交流センターや教員全員が皆さんをサポート
しますので、分からないことがあったら遠慮なく聞い
外国人が日本語を研修する別科と交換留学生を迎え
てください」と教職員を代表して挨拶しました。式の
る外国語学部の入学式が4月4日八王子キャンパスで行
後、本日入学した別科生や交換留学生たちは、担当す
われました。式には、別科生2名(中国1名、ミャンマ
る先生たちの紹介を受け、日本での新しい留学生活を
ー1名)
、交換留学生5名(台湾2名、韓国3名)、委託受入
スタートしました。
生2名(韓国2名)、計9名が臨みました。
外国語学部「中国語レッスン70」を編纂
大学の授業向けに市販されているテキストには、学
語検定3級獲得レベルの力がつくように工夫されてい
ぶ側への配慮が欠けているものや、初級にもかかわら
ます。これから中国語を学ぶ方むけに、文法事項の提
ず、中級以上で教えられるべき事項がまぎれこんでい
示順序やドリルの配分などに留意してあり、さらに先
るなど、適切なものがなかなか見つかりません。そこ
のレベルへと進むために適した構成と内容になってい
で外国語学部の中国語教育研究室では、初歩から着実
ます。
に中国語の力をつけられるようにと教育現場で長年に
外国語学部では新年度からこのテキストを使って中
渡って試行を重ね、それらをもとにこのたび独自の中
国語の授業を行いますが、一般にも販売することにし
国語教育の教科書「中国語レッスン70」を完成させま
ています。
した。
編著者: 塚本 尋、中村信幸、
このテキストは、毎日1コマずつ週5回、年間120回
あまりの授業で、無理なく少しずつ着実に中国語の基
発行日:2007年4月20日 発 行:株式会社 晃洋書房
礎を学ぶために作られたもので、本書終了時には中国
― 22
満江、千野万里子、
耿 景華、銭 暁波、張 弘、市橋映里果
―
多摩バス新規路線「拝島∼杏林大学間」が運行を開始
雨間・戸吹経由でキャンパスアクセスが便利になりました
4月2日より多摩バスの「拝島∼杏林大学間」に雨
間・戸吹経由の新路線が加わり、拝島駅から八王子キ
JR五日市線
ャンパスまでのアクセスが便利になりました。これま
東秋留駅
雨間
での、高月経由路線に比べ、新しい雨間・戸吹経由路
線は、渋滞も少なく所要時間も短縮される他、JR五日
市線の東秋留駅近く(400メートル、徒歩5分の位置に
野辺南
小川
拝
島
駅
都道7号線
(睦橋通り)
「東秋留駅」
から徒歩5分
野辺南バス停
J
R
青
梅
線
・
八
高
線
西武拝島線
戸吹
「野辺南」バス停あり)を通行します。
高
尾
街
道
仮に八王子キャンパスから立川駅に行く場合、野辺
南バス停下車 東秋留駅を利用する路線が時間・料金
杏林大学
滝山街道
滝山城址
的に最も早く、安いルートになります。現在は便数が
多摩路線バス
料金
杏林大学八王子キャンパス−野辺南
250
少ないのですが、今後利用者が増えれば便数も増加す
るものと思われます。
三鷹だより
北京外国語大学副学長一行が本学を訪問
中国の北京外国語大学の曹文澤副学長らが4月13日
(金)本学を訪れ、松田博青理事長らと懇談し、今後
両大学間の交流を深めていくための意見交換が行われ
ました。訪れたのは曹文澤副学長と姜宝洪国際処副処
長など同大学日本語教育部門の幹部ら5人です。
北京外国語大学は1941年に創設された中国で最も歴
史のある外国語大学で、30以上もの言語の専攻学科を
持ち、世界50ヶ国の172の大学・研究所との提携関係
を結んでいるなど、中国における外国語教育の中心的
な役割を果たしている大学です。同大学の卒業生は、
理事長、塚本慶一外国語学部教授、塚本尋国際交流セ
中国の歴代の外務大臣や大使を務めるなど、政治・外
ンター長と北京外国語大学の一行との間で相互の大学
交・経済・経営・ジャーナリズム・法律の分野で多く
の現状や教員派遣に関すること等、今後の展望につい
の活躍している人材を輩出しています。
て活発に意見交換が行われました。
一行は今後提携を計画している大学の訪問などを目
会談は終始打ち解けた雰囲気の中で行われ、両大学
的に来日し、この日の午後本学を訪れました。本部棟
間は今後学術交流や日本語・中国語の教育において相
11階貴賓室にて行われた会談では、本学側は松田博青
互に協力しあうことで意見が一致しました。
中国衛生部病院協会建築分会の一行が本院を見学
中国の病院建築に携わる技術者の組織である「中国
衛生部病院協会建築分会」の一行38名が4月17日(火)
です。
一行は現在建築中の新外科病棟の概要説明を受け、
さらに昨年6月に運用を開始した中央病棟の紹介DVD
本院を訪れました。
一行は日本の病院の機能面と衛生面に係わる建築技
を観た後2班に分かれて新外科病棟とICUのある中央
術を中国での病院建築の参考にするため日中医学交流
病棟で、免震装置や最新式の医療機器などを見学しま
センターの招きで日本各地の病院を訪れているもの
した。
で、その一つとして本院を見学することになったもの
― 23
―
文化・スポーツ
道の駅「八王子滝山」オープン初日、本学学生がダンスパフォーマンス
て八王子市が計画を進めていたもので、都内でははじ
めての「道の駅」です。
オープン初日の1日はオープニングイベントの1つと
して地元大学生によるパフォーマンスショーが行わ
れ、本学からはダンスサークル「Slave to the Rhythm」
が参加しました。本学の地域交流委員会が道の駅のオ
ープンに合わせイベントの協力を八王子市などと協議
して計画を進めてきたものです。
パフォーマンスショーでは本学のパフォーマンスが
最初に行われました。訪れた大勢の見物客の前で学生
八王子キャンパスに程近い八王子市滝山町の新滝山
たちは日頃の練習で身に付けてきた技を十分に発揮し
街道沿いに4月1日、
「道の駅八王子滝山」がオープン
て、会場の雰囲気を盛り上げていました。今後とも八
しました。この「道の駅」は遠方から訪れるドライバ
王子をはじめ、いろいろな地域との多様な交流を深め
ーと市民や地元の人たちが交流を深めていく拠点とし
ていきたいと考えています。
学園関係著作物の紹介
ブラック微生物学(第2版)
監訳 神谷 茂 杏林大学医学部感染症学教授 ほか
出版
丸善株式会社
定価
7,900円+税
発行
平成19年1月31日
頁数
911ページ
米国で医学部、薬学部、保健学部、看護学部などの学生が微生物学コースを
履修する際に最も使用されている教科書「ブラック微生物学」の邦訳第2版で
ある(原書は第6版)。
著者のJacquelyn G. Black先生(Marymount University)は優れた教科
書を作るべく数々の工夫をこらしている。カラー写真やわかりやすい表がふん
だんに盛り込まれている他、章末には「要点復習」、「用語チェック」、「臨床症
例問題」、
「クリティカルシンキング問題」
、
「自己テスト」
、
「ウェブで調べよう」
の付録が収載され、学生の自己学習を助けている。
とりわけ、ウェブを利用して教科書中の図表のパワーポイントの利用、質問箱、
試験問題などにアクセスできる点が特筆される。著者と学生とが対話できると
いう素晴らしい教科書である。
このコーナーは皆さまからの情報提供により構成されています。
広報・企画調査室 [email protected]
3月の理事会・評議員会
平成19年3月29日(木)
議案・報告
・平成19年度事業計画(案)について
・平成19年度予算(案)について
・借入限度額について
・杏林学園寄附行為第7条第1項監事選出の同意について
・杏林学園寄附行為第23条第1項第3号評議員の選任について
・平成19年度職員の賃金について
・杏林学園職員就業規則の一部改正について
・事務部門組織の変更について
― 24
・杏林大学学則の一部改正について
・杏林大学大学院則の一部改正について
・杏林大学学位規程の一部改正について
・教授人事・杏林大学名誉教授の称号授与について
・杏林学園寄附行為第18条の2参与の委嘱について
・顧問会計士、顧問弁護士及び顧問税理士の委嘱について
・一般報告(教職員数・その他)・学事報告(卒業・入学・在籍学
生数)・国家試験結果報告・就職内定率報告について〔報告〕
―
公的役職の紹介
氏名
所属・職階
機関名
文部科学省
科学技術・学術審議会
金井好克
医学部薬理学・教授
平形明人
医学部眼科学教室・教授
寄付金・物件寄付申込者芳名
日本眼科学会
専門委員
H20.1/31まで
評議員
H19.4/1∼ 2年間
名前のみ掲載 金額のみ掲載 1件
蓮井正樹様
大野武幸様
e山 誠様
医療法人財団緑雲会 多摩病院様
アルフレッサ株式会社様
医療法人社団マノア会 前田眼科様
酒井薬品株式会社様
医療法人 井田医院様
金300,000円
一般寄付金(教室分)
匿名寄付金 49件
金43,300,000円
(眼科学、総合医療学、放射線医学、生化学、外科学、麻酔科
学、整形外科学、泌尿器科学、耳鼻咽喉科学、第一内科学、
第二内科学、第三内科学、高齢医学、皮膚科学、感染症学、
脳神経外科学、病理学、救急医学、薬理学、心臓血管外科学)
◆物品寄付申込 者芳名 (平成19年3月分)
3台(病棟内)
14台( 〃 )
任期
このたびは本学園の募金事業等にご理解をいただき、多大なるご支援を賜り誠にありがとう
ございます。皆様からのご寄付はご芳志に沿って、有効に活用させていただきます。
◆寄付金申込者芳名(平成19年3月分)
教育研究寄付金
金 100,000円
吉澤修子様
金
20,000円
篠田邦寛様
金
40,000円
古田正利様
金
40,000円
根岸 剛様
匿名寄付 (12件)
新外科病棟建設寄付金
金 100,000円 渡邉百合子様
金 200,000円 原田康司様
金 100,000円 宮国泰彦様
金
30,000円 清水 顕様
金 100,000円 太田扶美代様
金 100,000円 平畑文興様
金 100,000円
池田典文様
金10,000,000円
株式会社スズケン様
金 1,000,000円 医療法人社団柿木会 馬詰眼科様
金 500,000円
坂本 登様
金 100,000円 医療法人有恒会 こだまホスピタル様
ストレッチャー
車椅子
役職名
平成18年度 医学部卒業生一同様
平成18年度 医学部卒業生一同様
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教職員メディア情報
鳥羽研二
医学部教授
伊藤泰雄
新聞・雑誌・テレビなどマスコミの取材を受け、テレビに出演したりあるい
は記事に掲載された教職員の皆さまを各号でご紹介します。
4月2日
記憶のメカニズム・体とこころの通信簿:ど忘れ 脳活動のかわいい一面
朝日新聞
認知症の検査を受けるタイミングやもの忘れセンターチェックリストの紹介
4月20日
日医NEWS
「地域ケア整備構想(仮称)」をめぐりモデルプラン報告や講演
第13回都道府県医師会介護保険担当理事連絡協議会で「地域ケア整備構想
と慢性期医療区分の考え方」と題して講演
今、医学部が大人気! 全入時代の中、新設医大も急上昇
本学医学部の授業やカリキュラム、その他の取り組みなどを教務部長として
紹介
医学部教授
日経メディカル
4月号
高橋信一
4月4日
医学部教授
NHKラジオ第1放送
消化器内科に関する電話相談を行う
田久保忠衛
4月19日
産経新聞
正論:日米関係の翳りの背後にあるもの イラク・慰安婦問題に欠ける良識派
3月23日
東京都知事選
THE JAPAN TIMES
参院選をも占うといわれた東京都知事選の争点について解説
4月9日
THE JAPAN TIMES
東京都知事選
東京知事選の結果について、石原候補の勝因、浅野候補らの敗因、今後の都
政への注文を語っている
4月14日
早期リハビリ 充実急げ
朝日新聞
脳卒中センターでの早期リハビリは患者の回復を早め、入院日数も短縮
杏林大学客員教授
豊島典雄
総合政策学部教授
脳卒中センター
「くらしの健康相談」
日米関係こそ、対中外交においてもやはり重要
緯度・経度 慰安婦問題での陰謀説
米国TV番組で慰安婦問題を討論。米メディアでの慰安婦問題の扱い等も報
告
古森義久
4月21日
杏林大学客員教授
産経新聞
岡島康友
4月24日
病を知る・脳梗塞〈急性期リハビリ〉
医学部教授
日経新聞
できるだけ早い時期のリハビリが早期離床・社会復帰などに繋がる
古賀良彦
5月1日
たけしの本当は怖い家庭の医学〈専門外来スペシャル・睡眠障害ほか〉
医学部教授
テレビ朝日
睡眠障害治療専門外来での診断や検査を紹介
田島 治
5月15日
たけしの本当は怖い家庭の医学〈社会不安障害〉
保健学部教授
テレビ朝日
社会不安障害をひきおこす原因などを解説
このコーナーは皆さまからの情報提供により構成されています。広報・企画調査室 [email protected]
発 行 平成 19
お知らせ》平成19年度学園理事・評議員および
学園役職者は、学内ネット(あんずNET)の学
園データベースでご紹介しています。
年 5 月 25日
あんず編集委員会
東京都三鷹市新川6- 20 -2
連絡先 TEL
― 26
―
0422−(44)−0611
広報・企画調査室
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