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スポーツ行政論 - 大阪教育大学

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スポーツ行政論 - 大阪教育大学
スポーツ行政論
赤松喜久(大阪教育大学)
授業のねらいと内容
授業のねらい
国や地方(都道府県、市町村)のスポーツ推進の背景には、
スポーツ行政(政策)の制度・仕組みがあることを理解する。
授業の内容
•
•
•
•
•
•
•
我が国のスポーツ政策
スポーツ行政の仕組み
教育行政とスポーツ行政
「新しい公共」とは地域の抱える今日的課題
「クラブづくり」と「まち(地域)づくり」
地域住民参加型のスポーツクラブ育成
諸外国のスポーツ行政(イギリス、フランス、ドイツ)
我が国のスポーツ政策
「スポーツ基本計画」(平成24年3月 文部科学省)
1.学校と地域における子どものスポーツ機会の充実
2.若者のスポーツ参加機会の拡充や高齢者の体力つくり支援等の
ライフステージに応じたスポーツ活動の推進
3.住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備
4.国際競技力の向上に向けた人材の養成やスポーツ環境の整備
5.オリンピック・パラリンピック等の国際競技大会等の招致・開催等を通じた
国際交流・貢献の推進
6.ドーピング防止やスポーツ仲裁等の推進によるスポーツ界の透明性、
公平・公正性の向上
7.スポーツ界における好循環の創出に向けたトップスポーツと
地域におけるスポーツとの連携・協働の推進
1.学校と地域における子どものスポーツ機会の充実
子どもの体格(身長)は増加
政策目標 しています。はたして、全て
の測定種目で目標の実現が
子どものスポーツ機会の充実を目指し、学校や地域等において、すべての子どもがス
できるか?
ポーツを楽しむことができる環境の整備を図る。
そうした取組の結果として、今後10年以内に子どもの体力が昭和60年頃の水準を上回
ることができるよう、今後5年間、体力の向上傾向が維持され、確実なものとなることを目標
とする。
小学校における体育専科教
我が国で、スポーツのシーズ
員は有効に機能できるか?
ン制、複数種目性は定着す
(1)幼児期からの子どもの体力向上方策の推進
機能させるためのポイント
るか?定着させるための課
・「全国体力・運動能力等調査」に基づく体力向上のための取組の検証改善サイクルの確立
は?
題は?
・幼児期における運動指針をもとにした実践研究等を通じた普及啓発
(2)学校の体育に関する活動の充実
・体育専科教員配置や小学校体育活動コーディネーター派遣等による指導体制の充実
・武道等の必修化に伴う指導力や施設等の充実
二極化に対応した連携・協働
・運動部活動の複数校合同実施やシーズン制による複数種目実施等、先導的な取組の推進
・安全性の向上を図るための学校と地域の医療機関の専門家との連携の促進、研修の充実
の在り方は?
・障害のある児童生徒への効果的な指導の在り方に関する先導的な取組の推進
(3)子どもを取り巻く社会のスポーツ環境の充実
・子どものスポーツ参加の二極化傾向に対応した、総合型クラブやスポーツ少年団等における子どもの
スポーツ機会を提供する取組等の推進
・運動好きにするきっかけとしての野外活動やスポーツ・レクリエーション活動等の推進
子どもたちの体力の現状(立ち幅とびを例に)
昭和
の子
平成
の子
図1 立ち幅とびの年次推移
「平成18年度体力・運動能力調査」の概要 文部科学省
なぜか、平成13年辺りから、低下傾向に歯止めがかかっているが、
それでも、平成の子どもは昭和の子どもに比べ数値が低い。
問題; 平成の子どもは昭和の子どもに比し、立ち幅跳びの力が劣るといえるか?
2.若者のスポーツ参加機会の拡充や高齢者の体力つくり支援
等のライフステージに応じたスポーツ活動の推進
政策目標
ライフステージに応じたスポーツ活動を推進するため、国民の誰もが、それぞれの体
力や年齢、技術、興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでも安全にスポーツ
に親しむことができる生涯スポーツ社会の実現に向けた環境の整備を推進する。
そうした取組を通して、できるかぎり早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が
3人に2人(65%程度)、週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30%程度)となる
ことを目標とする。また、健康状態等によりスポーツを実施することが困難な人の存在
にも留意しつつ、成人のスポーツ未実施者(1年間に一度もスポーツをしない者)の数
がゼロに近づくことを目標とする。
(1)ライフステージに応じたスポーツ活動等の推進
・ライフステージに応じたスポーツ活動の実態を把握する調査研究等の実施
・年齢、性別等ごとに日常的に望まれる運動量の目安となる指針の策定
・地域のスポーツ施設が障害者を受け入れる際の手引きや用具等の開発・ 研究の推進
・スポーツボランティア活動に関する事例紹介等の普及・啓発の推進
・旅行先で気軽に多様なスポーツに親しめるスポーツツーリズムの推進によるスポーツ機会の向上
(2)スポーツにおける安全の確保
・全国的なスポーツ事故・外傷・障害等の実態を把握し、その予防を可能にするスポーツ医・科学の疫学的
研究の取組を推進
・スポーツ指導者等を対象とした、スポーツ事故・外傷・障害等に関わる最新の知見を学習する研修機会を
設けるなどの取組の推進
・AED設置や携行等のAED使用の体制整備を図るよう普及・啓発
政策目標としてのスポーツ実施率と大阪府民のスポーツ実施状況
政策目標
ライフステージに応じたスポーツ活動を推進するため、国民の誰もが、それぞれの体力や年齢、技術、興味・目的に応じて、いつでも、
どこでも、いつまでも安全にスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現に向けた環境の整備を推進する。
そうした取組を通して、できるかぎり早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65%程度)、
週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30%程度)となることを目標とする。また、健康状態等によりス
ポーツを実施することが困難な人の存在にも留意しつつ、成人のスポーツ未実施者(1年間に一度もスポーツをしない者)の数がゼロ
に近づくことを目標とする。
100.0
100.0
74.9
80.0
大阪の現状 政策目標
40.8%
65%
19.4%
30%
58.1
60.0
40.8
40.0
20.0
19.4
21.4
週3回以上
週1回以上
25.1
17.3
16.8
月に2~3回
年に数回
0.0
非該当
大阪府民のスポーツ実施状況 (平成25年1月 大阪府調べ)
0%
3.住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備
政策目標
住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境を整備するため、総合型地域スポーツ
クラブの育成やスポーツ指導者・スポーツ施設の充実等を図る。
(1)コミュニティの中心となる地域スポーツクラブの育成・推進
・各地域の実情に応じたきめ細やかな総合型クラブの育成促進
・総合型クラブへの移行を指向する単一種目の地域クラブ等への支援拡大
・総合型クラブの創設・自立・活動を一体的にアドバイスできる「クラブアドバイザー( 仮称)」の育成
(2)地域のスポーツ指導者等の充実
・大学、日本体育協会、日本レクリエーション協会、日本障害者スポーツ協会等によるスポーツ指導者やマネ
ジメント人材養成の支援
・指導者の養成・活用の需要を把握し、効果的な活用方策を検討・普及啓発
・地方公共団体におけるスポーツ推進委員への熱意と能力のある人材の登用の促進、研修機会の充実
(3)地域スポーツ施設の充実
・学校体育施設の地域との共同利用化に関する先進事例の普及・啓発
・健常者と障害者がともに利用できるスポーツ施設の在り方について検討
(4)地域スポーツと企業・大学等との連携
・地方公共団体、企業、大学の連携・協働による、スポーツ医・科学研究や人材の交流、施設の開放、スポーツを
活用した地域振興等の推進
・健常者と障害者が同じ場所でスポーツを行う方法やスポーツ障害・事故防止策等について、大学等での研究
成果や人材を活用する取組を推進
4~7の政策目標について
制度上 行政とは(三権分立)
地方(都道府県、市
区町村)にあっては、
各地方公共団体に
財産権、行政権が
あり、地行法により、
役割が分化する。
立法
国会
国民
ちなみに
国民の三大権利は
・生存権
・参政権
・教育を受ける権利
国民の三大義務は
・勤労
・納税
・子どもに教育を受
けさせる義務
(主権者)
行政
司法
内閣
裁判所
行政とは、「法令を忠実に執行していく営み」です。
スポーツ政策の背景となる法体系
日本国憲法
昭和21年11月
地方自治法
平成23年11月
地方教育行政の組織
及び運営に関する法律
平成23年5月
教育基本法
平成18年12月
社会教育法
平成23年12月
新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画
の在り方について(答申)
中央教育審議会 平成15年3月
スポーツ基本法
平成23年6月
新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について
~知の循環型社会の構築を目指して~(答申)
中央教育審議会 平成20年2月
スポーツ立国戦略
文部科学省 平成22年8月
スポーツ基本計画
文部科学省
平成24年3月
注)法律については、本講に関連すると思われるものの一部を抜き出した。なお、最終改正年月を参考までに示した。
スポーツ行政とは
スポーツ行政は、スポーツの普及と振興に関わる行政作用といえる。したがって、
スポーツ行政の理解には、「スポーツ」と「行政」双方の理解が不可欠となる。
● 行政とは
法律(法令)を忠実に執行していくことであり、立法、司法とは基本的に異なるが、
行政には準立法機能が付与されることになる 。
法律(国会)
政令(内閣)
省令(各省)
<・・・施行令のほとんどは政令> <・・・施行規則のほとんどは省令>
通達:上級機関から下位機関への
指示・命令
教育委員会が町の観光や産業の
振興にかかわる事業に直接携わ
ることができるか?
条例、規則<地方自治体が制定>
町の学校体育施設を、町の条例
で学校教育以外では使用させな
● 行政の二大原則
いと決めることができるか?
◇法律留保の原則・・・行政の営みは、法令・法規を根拠にする
◇法律優位の原則・・・法律は他の法令・法規に優先する
スポーツ行政と教育行政
これまで、スポーツ行政の目的、体制について学習してきました。
スポーツに係わる政策目標は、
スポーツ基本法
スポーツ基本計画
スポーツに親しむ
ことが国民の権利
である。
数値目標を伴う政策目
標に、どのようなもの
を根拠とする、
があるか?
に明示されること。
また、スポーツ行政を所掌するのは、国にあっては、 文部科学省令
文部科学省
地方公共団体にあっては、
地教行法
教育委員会
地方公共団体の長
を根拠に、
であること。
を根拠に
であるが、
が執行することもできる。
今日のねらい・内容は、スポーツ基本法が制定されたが、その一方で、教育行政の
枠内でとどまらざるをえない、スポーツ行政の実状をみていきます。
体育・スポーツ行政の目的、推進体制に係わる
(教育振興基本計画)
第十七条 政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、教育の振興に関
根拠法の体系
する施策についての基本的な方針及び講ずべき施策その他必要な事項について、基本的な計画を定め、
これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
学校教育法
2 地方公共団体は、前項の計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の
学校教育法
振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。
施行規則
日本国憲法
「社会教育」とは、学校の教育課程として行われる教育活動を
除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育
教育基本法
教育振興基本計画
活動(体育及びレクリエーションの活動を含む。)を
いう。
社会教育法
国にあっては、スポーツ
に係わる事務は文部科
学省が所掌する。
国家行政
組織法
地方自治法
学習指導要領
文部科学省令
地方教育行政の組織
及び運営に関する
社会教育法
施行規則
スポーツ基本法
スポーツ基本計画
地方公共団体(都道府県、市区町村)に
あっては、スポーツに関する事務は教育委
員会が担当する。
ただし、地方公共団体の長が、スポーツに
係わる事務を執行することができる。
諸外国のスポーツ推進体制は;http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/chousa/detail/1309352.htm
スポーツ行政の仕組み
日本国憲法
第六十五条 行政権は、内閣に属する。
(内閣府設置法)
内閣府以外の国の行政機関
国家行政法
第三条 国の行政機関の組織は、この法律で 別表第一 (第三条関係)
省
委員会
これを定めるものとする。
公害等調整委員
総務省
2 行政組織のため置かれる国の行政機関は、法務省
会
公安審査委員会
省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、 外務省
財務省
別に法律の定めるところによる。
文部科学省
3 省は、内閣の統轄の下に行政事務をつか 厚生労働省 中央労働委員会
さどる機関として置かれるものとし、委員会及 農林水産省
び庁は、省に、その外局として置かれるものと
経済産業省
する。
4 第二項の国の行政機関として置かれるも
船員労働委員会
のは、別表第一にこれを掲げる。
国土交通省
第四条 前条の国の行政機関の任務及びこ
環境省
れを達成するため必要となる所掌事務の範囲
は、別に法律でこれを定める。
庁
消防庁
公安調査庁
国税庁
文化庁
社会保険庁
林野庁
水産庁
資源エネルギー
庁
特許庁
中小企業庁
気象庁
海上保安庁
海難審判庁
生涯スポーツ推進体制
-日本の場合-
JOC
文部科学省
都道府県教育委員会
公益財団法人
日本体育協会
各種競技団体
都道府県体育協会
郡等体育協会
市町村教育委員会
市町村等体育協会
種目別スポーツクラブ
大阪体育協会HP
現在、「加盟団体」は、
表示されない。
体育協会の
ネットワーク
という点で
課題が残る
大阪体育協会組織図
組織図
考えてみましょう
スポーツ行政の推進体制は
教育委員会が執行
①
教育振興基本計画
の中でスポーツも扱う
②
スポーツ基本計画
の中でスポーツを扱う
首長部局が執行
③
スポーツ基本計画
の中でスポーツを扱う
スポーツ基本法の骨子
(平成二十三年法律第七十八号)
附則
スポーツは、世界共通の人類の文化である。
スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵(かん)養等の
ために個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動であり、今日、国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活
を営む上で不可欠のものとなっている。スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、 全ての人々の権利で
あり、全ての国民がその自発性の下に、各々の関心、適性等に応じて、安全かつ公正な環境の下で日常的に
スポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、又はスポーツを支える活動に参画することのできる機会が確保されなけ
ればならない。
スポーツは、次代を担う青少年の体力を向上させるとともに、他者を尊重しこれと協同する精神、公正さと規律を尊ぶ態度や克
己心を培い、実践的な思考力や判断力を育む等人格の形成に大きな影響を及ぼすものである。
また、スポーツは、人と人との交流及び地域と地域との交流を促進し、地域の一体感や活力を醸成するものであり、人間関係の
希薄化等の問題を抱える地域社会の再生に寄与するものである。さらに、スポーツは、心身の健康の保持増進にも重要な役割を
果たすものであり、健康で活力に満ちた長寿社会の実現に不可欠である。
スポーツ選手の不断の努力は、人間の可能性の極限を追求する有意義な営みであり、こうした努力に基づく国際競技大会にお
ける日本人選手の活躍は、国民に誇りと喜び、夢と感動を与え、国民のスポーツへの関心を高めるものである。これらを通じて、ス
ポーツは、我が国社会に活力を生み出し、国民経済の発展に広く寄与するものである。また、スポーツの国際的な交流や貢献が、
国際相互理解を促進し、国際平和に大きく貢献するなど、スポーツは、我が国の国際的地位の向上にも極めて重要な役割を果た
すものである。
そして、地域におけるスポーツを推進する中から優れたスポーツ選手が育まれ、そのスポーツ選手が地域におけるスポーツの推
進に寄与することは、スポーツに係る多様な主体の連携と協働による我が国のスポーツの発展を支える好循環をもたらすもので
ある。
このような国民生活における多面にわたるスポーツの果たす役割の重要性に鑑み、スポーツ立国を実現することは、二十一世紀
の我が国の発展のために不可欠な重要課題である。
ここに、スポーツ立国の実現を目指し、国家戦略として、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、この法律
を制定する。
スポーツ基本法条文
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、スポーツに関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責
務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするとともに、スポーツに関する施策の基本と
なる事項を定めることにより、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって
国民の心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形成、活力ある社会の実現及び国際
社会の調和ある発展に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第二条 スポーツは、これを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利であること
に鑑み、国民が生涯にわたりあらゆる機会とあらゆる場所において、自主的かつ自律的に
その適性及び健康状態に応じて行うことができるようにすることを旨として、推進されなけ
ればならない。
2 スポーツは、とりわけ心身の成長の過程にある青少年のスポーツが、体力を向上させ、
公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培う等人格の形成に大きな影響を及ぼすものであり、
国民の生涯にわたる健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育む基礎となるものであると
の認識の下に、学校、スポーツ団体(スポーツの振興のための事業を行うことを主たる目
的とする団体をいう。以下同じ。)、家庭及び地域における活動の相互の連携を図りながら
推進されなければならない。
3 スポーツは、人々がその居住する地域において、主体的に協働することにより身近に親
しむことができるようにするとともに、これを通じて、当該地域における全ての世代の人々
の交流が促進され、かつ、地域間の交流の基盤が形成されるものとなるよう推進されなけ
ればならない。
4 スポーツは、スポーツを行う者の心身の健康の保持増進及び安全の確保が図られるよ
う推進されなければならない。
5 スポーツは、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種
類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進されなければならない。
6 スポーツは、我が国のスポーツ選手(プロスポーツの選手を含む。以下同じ。)が国際競
技大会(オリンピック競技大会、パラリンピック競技大会その他の国際的な規模のスポーツ
の競技会をいう。以下同じ。)又は全国的な規模のスポーツの競技会において優秀な成績
を収めることができるよう、スポーツに関する競技水準(以下「競技水準」という。)の向上に
資する諸施策相互の有機的な連携を図りつつ、効果的に推進されなければならない。
7 スポーツは、スポーツに係る国際的な交流及び貢献を推進することにより、国際相互理
解の増進及び国際平和に寄与するものとなるよう推進されなければならない。
8 スポーツは、スポーツを行う者に対し、不当に差別的取扱いをせず、また、スポーツに
関するあらゆる活動を公正かつ適切に実施することを旨として、ドーピングの防止の重要
性に対する国民の認識を深めるなど、スポーツに対する国民の幅広い理解及び支援が得
られるよう推進されなければならない。
(国の責務)
第三条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、スポーツに関する
施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第四条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、スポーツに関する施策に関し、国との連
携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施す
る責務を有する。
(スポーツ団体の努力)
第五条 スポーツ団体は、スポーツの普及及び競技水準の向上に果たすべき重要な役割
に鑑み、基本理念にのっとり、スポーツを行う者の権利利益の保護、心身の健康の保持増
進及び安全の確保に配慮しつつ、スポーツの推進に主体的に取り組むよう努めるものとす
る。
2 スポーツ団体は、スポーツの振興のための事業を適正に行うため、その運営の透明性
の確保を図るとともに、その事業活動に関し自らが遵守すべき基準を作成するよう努める
ものとする。
3 スポーツ団体は、スポーツに関する紛争について、迅速かつ適正な解決に努めるものと
する。
(国民の参加及び支援の促進)
第六条 国、地方公共団体及びスポーツ団体は、国民が健やかで明るく豊かな生活を享
受することができるよう、スポーツに対する国民の関心と理解を深め、スポーツへの国民の
参加及び支援を促進するよう努めなければならない。
(関係者相互の連携及び協働)
第七条 国、独立行政法人、地方公共団体、学校、スポーツ団体及び民間事業者その他
の関係者は、基本理念の実現を図るため、相互に連携を図りながら協働するよう努めなけ
ればならない。
(法制上の措置等)
第八条 政府は、スポーツに関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制
上の措置その他の措置を講じなければならない。
第二章 スポーツ基本計画等
(スポーツ基本計画)
第九条 文部科学大臣は、スポーツに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、
スポーツの推進に関する基本的な計画(以下「スポーツ基本計画」という。)を定めなけれ
ばならない。
2 文部科学大臣は、スポーツ基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あら
かじめ、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する
機関をいう。以下同じ。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。
3 文部科学大臣は、スポーツ基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あら
かじめ、関係行政機関の施策に係る事項について、第三十条に規定するスポーツ推進会
議において連絡調整を図るものとする。
(地方スポーツ推進計画)
第十条 都道府県及び市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会(地方教育行政
の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十四条の二第一
項の条例の定めるところによりその長がスポーツに関する事務(学校における体育に関す
る事務を除く。)を管理し、及び執行することとされた地方公共団体(以下「特定地方公共団
体」という。)にあっては、その長)は、スポーツ基本計画を参酌して、その地方の実情に即
したスポーツの推進に関する計画(以下「地方スポーツ推進計画」という。)を定めるよう努
めるものとする。
2 特定地方公共団体の長が地方スポーツ推進計画を定め、又はこれを変更しようとする
ときは、あらかじめ、当該特定地方公共団体の教育委員会の意見を聴かなければならな
い。
第三章 基本的施策
第一節 スポーツの推進のための基礎的条件の整備等
(指導者等の養成等)
第十一条 国及び地方公共団体は、スポーツの指導者その他スポーツの推進に寄与する
人材(以下「指導者等」という。)の養成及び資質の向上並びにその活用のため、系統的な
養成システムの開発又は利用への支援、研究集会又は講習会(以下「研究集会等」とい
う。)の開催その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
(スポーツ施設の整備等)
第十二条 国及び地方公共団体は、国民が身近にスポーツに親しむことができるようにす
るとともに、競技水準の向上を図ることができるよう、スポーツ施設(スポーツの設備を含む。
以下同じ。)の整備、利用者の需要に応じたスポーツ施設の運用の改善、スポーツ施設へ
の指導者等の配置その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
2 前項の規定によりスポーツ施設を整備するに当たっては、当該スポーツ施設の利用の
実態等に応じて、安全の確保を図るとともに、障害者等の利便性の向上を図るよう努める
ものとする。
(学校施設の利用)
第十三条 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第二条第二項に規定する国立学
校及び公立学校の設置者は、その設置する学校の教育に支障のない限り、当該学校のス
ポーツ施設を一般のスポーツのための利用に供するよう努めなければならない。
2 国及び地方公共団体は、前項の利用を容易にさせるため、又はその利用上の利便性
の向上を図るため、当該学校のスポーツ施設の改修、照明施設の設置その他の必要な施
策を講ずるよう努めなければならない。
(スポーツ事故の防止等)
第十四条 国及び地方公共団体は、スポーツ事故その他スポーツによって生じる外傷、障
害等の防止及びこれらの軽減に資するため、指導者等の研修、スポーツ施設の整備、ス
ポーツにおける心身の健康の保持増進及び安全の確保に関する知識(スポーツ用具の適
切な使用に係る知識を含む。)の普及その他の必要な措置を講ずるよう努めなければなら
ない。
(スポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決)
第十五条 国は、スポーツに関する紛争の仲裁又は調停の中立性及び公正性が確保され、
スポーツを行う者の権利利益の保護が図られるよう、スポーツに関する紛争の仲裁又は調
停を行う機関への支援、仲裁人等の資質の向上、紛争解決手続についてのスポーツ団体
の理解の増進その他のスポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決に資するために必
要な施策を講ずるものとする。
(スポーツに関する科学的研究の推進等)
第十六条 国は、医学、歯学、生理学、心理学、力学等のスポーツに関する諸科学を総合
して実際的及び基礎的な研究を推進し、これらの研究の成果を活用してスポーツに関する
施策の効果的な推進を図るものとする。この場合において、研究体制の整備、国、独立行
政法人、大学、スポーツ団体、民間事業者等の間の連携の強化その他の必要な施策を講
ずるものとする。
2 国は、我が国のスポーツの推進を図るため、スポーツの実施状況並びに競技水準の向
上を図るための調査研究の成果及び取組の状況に関する情報その他のスポーツに関す
る国の内外の情報の収集、整理及び活用について必要な施策を講ずるものとする。
(学校における体育の充実)
第十七条 国及び地方公共団体は、学校における体育が青少年の心身の健全な発達に
資するものであり、かつ、スポーツに関する技能及び生涯にわたってスポーツに親しむ態
度を養う上で重要な役割を果たすものであることに鑑み、体育に関する指導の充実、体育
館、運動場、水泳プール、武道場その他のスポーツ施設の整備、体育に関する教員の資
質の向上、地域におけるスポーツの指導者等の活用その他の必要な施策を講ずるよう努
めなければならない。
(スポーツ産業の事業者との連携等)
第十八条 国は、スポーツの普及又は競技水準の向上を図る上でスポーツ産業の事業者
が果たす役割の重要性に鑑み、スポーツ団体とスポーツ産業の事業者との連携及び協力
の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
(スポーツに係る国際的な交流及び貢献の推進)
第十九条 国及び地方公共団体は、スポーツ選手及び指導者等の派遣及び招へい、ス
ポーツに関する国際団体への人材の派遣、国際競技大会及び国際的な規模のスポーツ
の研究集会等の開催その他のスポーツに係る国際的な交流及び貢献を推進するために
必要な施策を講ずることにより、我が国の競技水準の向上を図るよう努めるとともに、環境
の保全に留意しつつ、国際相互理解の増進及び国際平和に寄与するよう努めなければな
らない。
(顕彰)
第二十条 国及び地方公共団体は、スポーツの競技会において優秀な成績を収めた者及
びスポーツの発展に寄与した者の顕彰に努めなければならない。
第二節 多様なスポーツの機会の確保のための環境の整備
(地域におけるスポーツの振興のための事業への支援等)
第二十一条 国及び地方公共団体は、国民がその興味又は関心に応じて身近にスポーツ
に親しむことができるよう、住民が主体的に運営するスポーツ団体(以下「地域スポーツク
ラブ」という。)が行う地域におけるスポーツの振興のための事業への支援、住民が安全か
つ効果的にスポーツを行うための指導者等の配置、住民が快適にスポーツを行い相互に
交流を深めることができるスポーツ施設の整備その他の必要な施策を講ずるよう努めなけ
ればならない。
(スポーツ行事の実施及び奨励)
第二十二条 地方公共団体は、広く住民が自主的かつ積極的に参加できるような運動会、
競技会、体力テスト、スポーツ教室等のスポーツ行事を実施するよう努めるとともに、地域
スポーツクラブその他の者がこれらの行事を実施するよう奨励に努めなければならない。
2 国は、地方公共団体に対し、前項の行事の実施に関し必要な援助を行うものとする。
(体育の日の行事)
第二十三条 国及び地方公共団体は、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百
七十八号)第二条に規定する体育の日において、国民の間に広くスポーツについての関心
と理解を深め、かつ、積極的にスポーツを行う意欲を高揚するような行事を実施するよう努
めるとともに、広く国民があらゆる地域でそれぞれその生活の実情に即してスポーツを行う
ことができるような行事が実施されるよう、必要な施策を講じ、及び援助を行うよう努めなけ
ればならない。
(野外活動及びスポーツ・レクリエーション活動の普及奨励)
第二十四条 国及び地方公共団体は、心身の健全な発達、生きがいのある豊かな生活の
実現等のために行われるハイキング、サイクリング、キャンプ活動その他の野外活動及び
第三節 競技水準の向上等
(優秀なスポーツ選手の育成等)
第二十五条 国は、優秀なスポーツ選手を確保し、及び育成するため、スポーツ団体が行
う合宿、国際競技大会又は全国的な規模のスポーツの競技会へのスポーツ選手及び指導
者等の派遣、優れた資質を有する青少年に対する指導その他の活動への支援、スポーツ
選手の競技技術の向上及びその効果の十分な発揮を図る上で必要な環境の整備その他
の必要な施策を講ずるものとする。
2 国は、優秀なスポーツ選手及び指導者等が、生涯にわたりその有する能力を幅広く社
会に生かすことができるよう、社会の各分野で活躍できる知識及び技能の習得に対する支
援並びに活躍できる環境の整備の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
(国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会)
第二十六条 国民体育大会は、公益財団法人日本体育協会(昭和二年八月八日に財団
法人大日本体育協会という名称で設立された法人をいう。以下同じ。)、国及び開催地の
都道府県が共同して開催するものとし、これらの開催者が定める方法により選出された選
手が参加して総合的に運動競技をするものとする。
2 全国障害者スポーツ大会は、財団法人日本障害者スポーツ協会(昭和四十年五月二
十四日に財団法人日本身体障害者スポーツ協会という名称で設立された法人をいう。以
下同じ。)、国及び開催地の都道府県が共同して開催するものとし、これらの開催者が定め
る方法により選出された選手が参加して総合的に運動競技をするものとする。
3 国は、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の円滑な実施及び運営に資するた
め、これらの開催者である公益財団法人日本体育協会又は財団法人日本障害者スポー
ツ協会及び開催地の都道府県に対し、必要な援助を行うものとする。
(国際競技大会の招致又は開催の支援等)
第二十七条 国は、国際競技大会の我が国への招致又はその開催が円滑になされるよう、
環境の保全に留意しつつ、そのための社会的気運の醸成、当該招致又は開催に必要な資
金の確保、国際競技大会に参加する外国人の受入れ等に必要な特別の措置を講ずるも
のとする。
2 国は、公益財団法人日本オリンピック委員会(平成元年八月七日に財団法人日本オリ
ンピック委員会という名称で設立された法人をいう。)、財団法人日本障害者スポーツ協会
その他のスポーツ団体が行う国際的な規模のスポーツの振興のための事業に関し必要な
措置を講ずるに当たっては、当該スポーツ団体との緊密な連絡を図るものとする。
(企業、大学等によるスポーツへの支援)
第二十八条 国は、スポーツの普及又は競技水準の向上を図る上で企業のスポーツチー
ム等が果たす役割の重要性に鑑み、企業、大学等によるスポーツへの支援に必要な施策
を講ずるものとする。
(ドーピング防止活動の推進)
第二十九条 国は、スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約に従ってドーピン
グの防止活動を実施するため、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(平成十三年九
月十六日に財団法人日本アンチ・ドーピング機構という名称で設立された法人をいう。)と
連携を図りつつ、ドーピングの検査、ドーピングの防止に関する教育及び啓発その他の
ドーピングの防止活動の実施に係る体制の整備、国際的なドーピングの防止に関する機
関等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
第四章 スポーツの推進に係る体制の整備
(スポーツ推進会議)
第三十条 政府は、スポーツに関する施策の総合的、一体的かつ効果的な推進を図るた
め、スポーツ推進会議を設け、文部科学省及び厚生労働省、経済産業省、国土交通省そ
の他の関係行政機関相互の連絡調整を行うものとする。
(都道府県及び市町村のスポーツ推進審議会等)
第三十一条 都道府県及び市町村に、地方スポーツ推進計画その他のスポーツの推進に
関する重要事項を調査審議させるため、条例で定めるところにより、審議会その他の合議
制の機関(以下「スポーツ推進審議会等」という。)を置くことができる。
(スポーツ推進委員)
第三十二条 市町村の教育委員会(特定地方公共団体にあっては、その長)は、当該市町
村におけるスポーツの推進に係る体制の整備を図るため、社会的信望があり、スポーツに
関する深い関心と理解を有し、及び次項に規定する職務を行うのに必要な熱意と能力を有
する者の中から、スポーツ推進委員を委嘱するものとする。
2 スポーツ推進委員は、当該市町村におけるスポーツの推進のため、教育委員会規則
(特定地方公共団体にあっては、地方公共団体の規則)の定めるところにより、スポーツの
推進のための事業の実施に係る連絡調整並びに住民に対するスポーツの実技の指導そ
の他スポーツに関する指導及び助言を行うものとする。
3 スポーツ推進委員は、非常勤とする。
第五章 国の補助等
(国の補助)
第三十三条 国は、地方公共団体に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところに
より、次に掲げる経費について、その一部を補助する。
一 国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の実施及び運営に要する経費であって、
これらの開催地の都道府県において要するもの
二 その他スポーツの推進のために地方公共団体が行う事業に要する経費であって特
に必要と認められるもの
2 国は、学校法人に対し、その設置する学校のスポーツ施設の整備に要する経費につい
て、予算の範囲内において、その一部を補助することができる。この場合においては、私立
学校振興助成法(昭和五十年法律第六十一号)第十一条から第十三条までの規定の適用
があるものとする。
3 国は、スポーツ団体であってその行う事業が我が国のスポーツの振興に重要な意義を
有すると認められるものに対し、当該事業に関し必要な経費について、予算の範囲内にお
いて、その一部を補助することができる。
(地方公共団体の補助)
第三十四条 地方公共団体は、スポーツ団体に対し、その行うスポーツの振興のための事
業に関し必要な経費について、その一部を補助することができる。
(審議会等への諮問等)
第三十五条 国又は地方公共団体が第三十三条第三項又は前条の規定により社会教育関係団体(社会教育法(昭
和二十四年法律第二百七号)第十条に規定する社会教育関係団体をいう。)であるスポーツ団体に対し補助金を交
付しようとする場合には、あらかじめ、国にあっては文部科学大臣が第九条第二項の政令で定める審議会等の、地
方公共団体にあっては教育委員会(特定地方公共団体におけるスポーツに関する事務(学校における体育に関する
事務を除く。)に係る補助金の交付については、その長)がスポーツ推進審議会等その他の合議制の機関の意見を
聴かなければならない。この意見を聴いた場合においては、同法第十三条の規定による意見を聴くことを要しない。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める
日から施行する。
(スポーツに関する施策を総合的に推進するための行政組織の在り方の検討)
第二条 政府は、スポーツに関する施策を総合的に推進するため、スポーツ庁及びスポー
ツに関する審議会等の設置等行政組織の在り方について、政府の行政改革の基本方針と
の整合性に配慮して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(スポーツの振興に関する計画に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に改正前のスポーツ振興法第四条の規定により策定されている同条第一項に規定
するスポーツの振興に関する基本的計画又は同条第三項に規定するスポーツの振興に関する計画は、それぞれ改
正後のスポーツ基本法第九条又は第十条の規定により策定されたスポーツ基本計画又は地方スポーツ推進計画と
みなす。
(スポーツ推進委員に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に改正前のスポーツ振興法第十九条第一項の規定により委嘱されている体育指導
委員は、改正後のスポーツ基本法第三十二条第一項の規定により委嘱されたスポーツ推進委員とみなす。
(地方税法の一部改正)
第五条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十五条の三第一号中「スポーツ振興法(昭和三十六年法律第百四十一号)第六条第一項」を「スポーツ基本
法(平成二十三年法律第七十八号)第二十六条第一項」に改める。
(放送大学学園法の一部改正)
第六条 放送大学学園法(平成十四年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第十七条第四号中「スポーツ振興法(昭和三十六年法律第百四十一号)第二十条第二項」を「スポーツ基本法
(平成二十三年法律第七十八号)第三十三条第二項」に改める。
(沖縄科学技術大学院大学学園法の一部改正)
第七条 沖縄科学技術大学院大学学園法(平成二十一年法律第七十六号)の一部を次のように改正する。
第二十条第四号中「スポーツ振興法(昭和三十六年法律第百四十一号)第二十条第二項」を「スポーツ基本法
(平成二十三年法律第七十八号)第三十三条第二項」に改める。
スポーツ実施頻度
28.5
30.0
Q2)どのくらいの頻度で行いましたか。(最もよく行った内容を一つだけ選択してください)
週3回以上 週1回以上
男性
女性
全体
180
31.2
155
21.6
335
25.9
161
27.9
208
29.1
369
28.5
週3回以上 週1回以上
~20代
30代
40代
50代
60代
70代~
全体
11
20.0
27
11.5
64
17.6
50
25.5
116
38.2
67
47.5
335
25.9
13
23.6
62
26.5
105
28.9
56
28.6
97
31.9
36
25.5
369
28.5
月に2~3
年に数回
回
132
104
22.9
18.0
167
186
23.3
26.0
299
290
23.1
22.4
月に2~3
年に数回
回
15
16
27.3
29.1
59
86
25.2
36.8
98
96
27.0
26.4
51
39
26.0
19.9
52
39
17.1
12.8
24
14
17.0
9.9
299
290
23.1
22.4
25.9
23.1
合計
577
100.0
716
100.0
1293
100.0
P<0.01
20.0
P<0.01
運動実施者を母数と
する%
21.4
府民全体を母数とす
る%
19.4
17.3
16.8
10.0
週3回以上 週1回以上 月に2-3回 年に数回
週3回以上 週1回以上
合計
55
100.0
234
100.0
363
100.0
196
100.0
304
100.0
141
100.0
1293
100.0
22.4
大阪市
豊能
三島
北河内
中河内
南河内
泉北
泉南
全体
105
25.8
31
28.4
50
27.3
42
26.3
19
16.4
21
23.3
49
30.6
18
26.5
335
25.9
118
29.0
27
24.8
51
27.9
44
27.5
36
31.0
33
36.7
44
27.5
16
23.5
369
28.5
月に2~3
年に数回
回
88
96
21.6
23.6
29
22
26.6
20.2
48
34
26.2
18.6
39
35
24.4
21.9
27
34
23.3
29.3
18
18
20.0
20.0
29
38
18.1
23.8
21
13
30.9
19.1
299
290
23.1
22.4
合計
407
100.0
109
100.0
183
100.0
160
100.0
116
100.0
90
100.0
160
100.0
68
100.0
1293
100.0
(n.s.)
スポーツ実施形態
Q3)この1年間、どのような形態で運動・スポーツを行いましたか。
男性
女性
全体
スポーツ実施形態
AC階層
AP階層
80
49
11.6
7.1
68
62
n
%
n
A階層
331
48.2
425
C階層
42
6.1
71
P階層
14
2.0
48
%
n
40.9
756
6.8
113
4.6
62
6.5
148
%
43.8
6.5
3.6
8.6
合計
CP階層
16
2.3
18
ACP階層
45
6.6
24
S階層
110
16.0
323
687
100.0
1039
6.0
111
1.7
34
2.3
69
31.1
433
100.0
1726
6.4
2.0
4.0
25.1
100.0
2
χ =32.209, d.f.=7, p=0.000
未組織的・個人的スポーツ実施者(A階層)
大阪府民
43.8
8.6
6.5
4.0
2.0
6.4
3.6
スポーツ未実施者(S階層)
クラブ加入
スポーツ実施者(C階層)
25.1
プログラム参加
スポーツ実施者(P階層)
スポーツ実施形態別にみたスポーツ実施頻度
スポーツ実施形態別にみたスポーツ実施頻度
週3回以上 週1回以上 月に2-3回
n
%
n
C階層
%
n
P階層
%
n
AC階層
%
n
AP階層
%
n
CP階層
%
n
ACP階層
%
n
全体
%
A階層
197
26.1
22
19.5
4
6.5
55
37.2
23
20.7
5
14.7
29
42.0
335
25.9
177
23.4
50
44.2
14
22.6
52
35.1
31
27.9
16
47.1
29
42.0
369
28.5
178
23.5
30
26.5
11
17.7
30
20.3
36
32.4
8
23.5
6
8.7
299
23.1
年に数回 合計
204
27.0
11
9.7
33
53.2
11
7.4
21
18.9
5
14.7
5
7.2
290
22.4
756
100.0
113
100.0
62
100.0
148
100.0
111
100.0
34
100.0
69
100.0
1293
100.0
42.0
ACP階層
42.0
37.2
AC階層
35.1
8.7 7.2
20.3
7.4
週3回以上
P<0.01
26.1
A階層
23.4
23.5
週1回以上
27.0
月に2-3回
AP階層
20.7
C階層
19.5
0%
20%
27.9
32.4
44.2
40%
60%
18.9
26.5
9.7
80%
100%
年に数回
日本のオリンピックにおけるメダル獲得数の推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3980.html
オリンピックでの日本の金メダル獲得種目
金メダル種目一覧
1988年
ソウル
4
1992年
バルセロナ
3
1996年
アトランタ
3
2000年
シドニー
5
2004年
アテネ
16
2008年
北京
9
2012年
ロンドン
7
計
個人
チーム
男子
4
柔道1 競泳1 レスリング2
女子
0
男子
2
柔道2
女子
1
競泳1
男子
2
柔道2
女子
1
柔道1
男子
3
柔道3
女子
2
マラソン1 柔道1
男子
7
ハンマー投げ1 柔道3 競泳2
体操
女子
9
マラソン1 柔道5 競泳1 レスリング2
男子
4
柔道2 競泳2
女子
5
柔道2 レスリング2
ソフトボー
ル
男子
3
体操個人総合1 ボクシング1 レスリング1
女子
4
柔道1 レスリング3
柔道 23
レスリング 7
競泳 7
陸上 3
体操競技 2
ソフトボール 1
過去3大会の夏季オリンピックメダル獲得状況
目標は、オリンピック(夏季大会)での
金メダル獲得ランキング5位以内
アテネオリンピックは
近年では最高成績
2004年 アテネオリンピック
金
銀
銅
合計
35
39
29
103
32
17
14
63
27
27
38
92
17
16
16
49
16
9
12
37
14
16
18
48
11
9
13
33
10
11
11
32
9
12
9
30
9
9
12
30
9
7
11
27
9
5
9
23
8
6
3
17
8
5
6
19
6
6
4
16
5
0
1
6
4
9
9
22
4
3
3
10
4
1
2
7
3
11
5
19
3
6
3
12
3
3
4
10
3
2
5
10
3
2
0
5
3
1
4
8
順位
国 名
1
アメリカ
2
中 国
3
ロシア
4 オーストラリア
5
日 本
6
ドイツ
7
フランス
8
イタリア
9
韓 国
10
イギリス
11
キューバ
12
ウクライナ
13
ハンガリー
14
ルーマニア
15
ギリシャ
16
ノルウェー
17
オランダ
18
ブラジル
19 スウェーデン
20
スペイン
21
カナダ
22
トルコ
23
ポーランド
24 ニュージーランド
25
タイ
2008年 ペキンオリンピック
金
銀
銅
合計
51
21
28
100
36
38
36
110
23
21
28
72
19
13
15
47
16
10
15
41
14
15
17
46
13
10
8
31
9
6
10
25
8
10
10
28
7
16
17
40
7
5
15
27
7
5
4
16
6
3
2
11
5
10
3
18
5
5
4
14
4
5
10
19
4
1
3
8
4
1
2
7
3
9
6
18
3
6
1
10
3
5
2
10
3
5
2
10
3
4
8
15
3
3
0
6
3
2
1
6
順位
国 名
1
中 国
2
アメリカ
3
ロシア
4
イギリス
5
ドイツ
6 オーストラリア
7
韓 国
8
日 本
9
イタリア
10
フランス
11
ウクライナ
12
オランダ
13
ジャマイカ
14
スペイン
15
ケニア
16
ベラルーシ
17
ルーマニア
18
エチオピア
19
カナダ
20
ポーランド
21
ノルウェー
22
ハンガリー
23
ブラジル
24
チェコ
25 スロヴァキア
2012年 ロンドンオリンピック
金
銀
銅
合計
46
29
29
104
38
27
22
87
29
17
19
65
24
25
33
82
13
8
7
28
11
19
14
44
11
11
12
34
8
9
11
28
8
4
5
17
7
16
12
35
7
14
17
38
7
1
5
13
6
6
8
20
6
5
9
20
5
3
6
14
5
3
5
13
4
5
3
12
4
4
4
12
4
3
3
10
4
0
2
6
3
10
4
17
3
5
9
17
3
5
5
13
3
2
1
6
3
1
3
7
順位
国 名
1
アメリカ
2
中 国
3
イギリス
4
ロシア
5
韓 国
6
ドイツ
7
フランス
8
イタリア
9
ハンガリー
10
豪 州
11
日 本
12 カザフスタン
13
オランダ
14
ウクライナ
15
キューバ
16 ニュージーランド
17
イラン
18
ジャマイカ
19
チェコ
20
北朝鮮
21
スペイン
22
ブラジル
23
ベラルーシ
24
南アフリカ
25
エチオピア
スポーツ立国戦略が目指すもの
スポーツ立国戦略
-スポーツコミュニティ・ニッポン-
平成22年8月26日
文部科学省
○スポーツはその活動自体、体を動かすという人間の本源的な欲求にこたえ、爽快感、達成
感、他者との連帯感等の精神的充足や楽しさ、喜びをもたらすという内在的な価値を有する。こ
のため、生涯にわたり主体的にスポーツに親しむことのできる地域社会をつくることは幅広い世
代の人々にとって大きな意義のあるものである。
○これまでもスポーツの意義や価値は、スポーツ関係者はもとより、多くの人々から指摘され
てきており、政府としてもスポーツ振興のための取組を進めてきたところであるが、本戦略に
おいては、さらに、今後概ね10年間を見据え、「新しい公共」の理念の下、各々の興味・関心、
適性等に応じて現状よりさらに多くの人々が様々な形態(する、観る、支える(育てる))でス
ポーツに積極的に参画できる環境を実現することを目指している。
○そのため、本戦略では、トップスポーツと地域スポーツを一体的に捉え、トップスポーツと地
域スポーツが互いに支え合う「好循環」を生み出すことなどを掲げている。
本戦略は、このような取組を通じて、スポーツの意義や価値が広く国民に共有され、より多く
の人々がスポーツの楽しさや感動を分かち、互いに支え合う「新たなスポーツ文化」を確立す
ることを目指すものである。
スポーツ立国戦略が目指すもの
○ また、我が国のスポーツ界全体の向上という観点からは、優れた技術・能力・施設を有する
組織には、自らの組織にのみ目を向けるのではなく、それらを他者に開放し、互いに共有・活用
しあう姿勢が求められる。このため、地域スポーツクラブ、学校、地方公共団体、スポーツ団体、
企業などスポーツ界の横断的な連携を強化し、スポーツ界が一丸となってスポーツ振興に取り
組む体制を構築することが必要である。
○ さらに、スポーツは世界共通の人類の文化の一つであり、現在、国際競技大会をはじめとす
る世界的な規模でのスポーツ交流が活発に行われている。このような交流を通じて、多くの日本
人が積極的に諸外国の人々と広く国際的に連携・協働することは、我が国に対する理解を深
め、友好的な関係を構築するとともに、スポーツ界における我が国の存在感を高めることにもつ
ながる。
○ 一方、スポーツは、地域住民の結びつきを強め、地域の一体感を生み、ソーシャルキャピタ
ル(社会関係資本)の形成に大きく貢献するものである。現在、推進している総合型クラブ等を
通じて、互いに顔の見える家族や社会とのつながりの中で住民同士が連携・協働することによ
り、スポーツを主体的に楽しむことができる地域スポーツ環境の整備を進める。
○ その際、これまでの行政による無償の公共サービスから脱却し、地域住民が出し合う会費
や寄附により自主的に運営するNPO型のコミュニティスポーツクラブが主体となった「新しい公
共」を形成することを進める。
スポーツ立国戦略に示される5つの目標
1.ライフステージに応じたスポーツ機会の創造
【目標】
○国民の誰もが、それぞれの体力や年齢、技術、興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、い
つまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会を実現する。
○その目標として、できるかぎり早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65
パーセント程度)、成人の週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30パーセント程度)となる
ことを目指す。
○豊かなスポーツライフを実現する基礎となる学校体育・運動部活動の充実を図る。
2.世界で競い合うトップアスリートの育成・強化
【目標】
○世界の強豪国に伍する競技力向上を図るため、ジュニア期からトップレベルに至る体系的な強
化体制を構築する。
○今後の夏季・冬季オリンピック競技大会について、それぞれ過去最多(夏季37(アテネ)、冬季
10(長野))を超えるメダル数の獲得を目指す。また、オリンピック競技大会及び各世界選手権大
会において、過去最多(オリンピック競技大会では、夏季52(北京)、冬季25(ソルトレークシ
ティー))を超える入賞者数を目指す。さらに、将来を見据えた中・長期的な強化・育成戦略を推
進する観点から、各ジュニア選手権大会のメダル獲得数の大幅増を目指す。
○トップアスリートがジュニア期から引退後まで安心して競技に専念することができる環境を整備
する。
○国際競技大会等を積極的に招致・開催し、競技力向上を含めたスポーツの振興、地域の活性
化等を図る。
スポーツ立国戦略に示される5つの目標
3.スポーツ界の連携・協働による「好循環」の創出
【目標】
○トップスポーツと地域スポーツの好循環を創出するため、広域市町村圏(全国300箇所程度)
を目安として、拠点となる総合型クラブ(「拠点クラブ」)に引退後のトップアスリートなどの優れ
た指導者を配置する。
○学校と地域の連携を強化し、人材の好循環を図るため、学校体育・運動部活動で活用する
地域のスポーツ人材の拡充を目指す。
4.スポーツ界における透明性や公平・公正性の向上
【目標】
○スポーツ団体のガバナンスを強化し、団体の管理運営の透明性を高めるとともに、スポーツ紛
争の迅速・円滑な解決を支援し、公平・公正なスポーツ界を実現する。
○ドーピングのないクリーンで公正なスポーツ界を実現する。
5.社会全体でスポーツを支える基盤の整備
【目標】
地域スポーツ活動の推進により「新しい公共」の形成を促すとともに、国民のスポーツへの興
味・関心を高めるための国民運動の展開や税制措置等により、社会全体でスポーツを支えるた
めの基盤を整備する。
「新しい公共」をめぐって
○「公共心」の重視
「自分たちの力でより良い国づくり、社会づくりに取り組むことは、民主主義社会における国民の責務
である。国家や社会の在り方は、その構成員である国民の意思によってより良いものに変わり得るも
のである。国や社会の問題を自分自身の問題として考え、そのために積極的に行動するという『公共
心』を重視する必要がある。」
○ 「個人の需要」と「社会の要請」のバランスを重視
また、生涯学習を振興していく上で、「個人の需要」と「社会の要請」のバランスを保つことが重要で
ある。学習機会は個人の興味、関心、希望に沿った形で提供されがちだが、社会の存続のためには
社会共通の課題に取り組む必要があり、生涯学習の振興にあっては両者のバランスが必要であると
した。
○「新しい公共」の重視
これまでともすれば行政に依存しがちな発想を転換し、個人やNPO等が社会形成に主体的に参画
し、互恵の精神に基づく新しい公共の観点に視点を向ける必要があるとしている。
国については自立した個人の資質・能力の向上を通して、国民全体としての資質・能力の向上を目
指すことをナショナルミニマムの確保のために必要不可欠なものとして位置づける必要があるとしてい
る。
地方公共団体においては、「地域の課題解決に向けて実践的に学び、その成果を新たなまちづくりに
つなげていくこと」であるとし、地域住民が主体的に「新しい公共」を生み出すための学習となる「地域
をつくる学び合い」の活動を支援することが、今後の生涯学習行政に求められている点であるとしてい
る。
生涯学習研究e辞典 日本生涯教育学会 平成18年1月27日更新 より引用
地方教育行政の組織及び運営に関する法律
最終改正:平成二三年五月二日法律第三七号
第三章 教育委員会及び地方公共団体の長の職務権限
(教育委員会の職務権限)
第二十三条 教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及
び執行する。
一 教育委員会の所管に属する第三十条に規定する学校その他の教育機関(以下「学校その他の教育機関」とい
う。)の設置、管理及び廃止に関すること。
二 学校その他の教育機関の用に供する財産(以下「教育財産」という。)の管理に関すること。
三 教育委員会及び学校その他の教育機関の職員の任免その他の人事に関すること。
四 学齢生徒及び学齢児童の就学並びに生徒、児童及び幼児の入学、転学及び退学に関すること。
五 学校の組織編制、教育課程、学習指導、生徒指導及び職業指導に関すること。
六 教科書その他の教材の取扱いに関すること。
七 校舎その他の施設及び教具その他の設備の整備に関すること。
八 校長、教員その他の教育関係職員の研修に関すること。
九 校長、教員その他の教育関係職員並びに生徒、児童及び幼児の保健、安全、厚生及び福利に関すること。
十 学校その他の教育機関の環境衛生に関すること。
十一 学校給食に関すること。
十二 青少年教育、女性教育及び公民館の事業その他社会教育に関すること。
十三 スポーツに関すること。
十四 文化財の保護に関すること。
十五 ユネスコ活動に関すること。
十六 教育に関する法人に関すること。
十七 教育に係る調査及び基幹統計その他の統計に関すること。
十八 所掌事務に係る広報及び所掌事務に係る教育行政に関する相談に関すること。
十九 前各号に掲げるもののほか、当該地方公共団体の区域内における教育に関する事務に関すること。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律
最終改正:平成二三年五月二日法律第三七号
(長の職務権限)
第二十四条 地方公共団体の長は、次の各号に掲げる教育に関する事務を管理し、及び執行す
る。 一 大学に関すること。
二 私立学校に関すること。
三 教育財産を取得し、及び処分すること。
四 教育委員会の所掌に係る事項に関する契約を結ぶこと。
五 前号に掲げるもののほか、教育委員会の所掌に係る事項に関する予算を執行すること。
(職務権限の特例)
第二十四条の二 前二条の規定にかかわらず、地方公共団体は、前条各号に掲げるもののほか、
条例の定めるところにより、当該地方公共団体の長が、次の各号に掲げる教育に関する事務のい
ずれか又はすべてを管理し、及び執行することとすることができる。
一 スポーツに関すること(学校における体育に関することを除く。)。
二 文化に関すること(文化財の保護に関することを除く。)。
2 地方公共団体の議会は、前項の条例の制定又は改廃の議決をする前に、当該地方公共団体の
教育委員会の意見を聴かなければならない。
(事務処理の法令準拠)
第二十五条 教育委員会及び地方公共団体の長は、それぞれ前三条の事務を管理し、及び執行
するに当たつては、法令、条例、地方公共団体の規則並びに地方公共団体の機関の定める規則及
び規程に基づかなければならない。
・・・とは言うものの、行政として地域をどのように捉えるのか
施設の区分
施設の機能
地域施設
地域住民の日常的なスポーツ活動のための身近な施設(ス
ポーツクラブや各種のスポーツ行事のために利用される)
市区町村域施設
市区町村全域に機能する施設(主として各種スポーツ競技会
やスポーツ行事のために利用されるほか、施設の周辺住民
の日常的なスポーツ活動にも利用される)
都道府県域施設
都道府県全域にわたる事業を実施するための施設(主として
国内的・全県的なスポーツ競技会の開催をはじめ、競技選手
の養成およびスポーツに関する研究・情報の収集と提供、指
導者養成事業などに利用される)
「21世紀に向けたスポーツの振興方策について」(保健体育審議会答申 平成元年11月 より一部抜粋)
公助によるスポーツ推進
行政(公的支援・「公助」)のねらい・目的
住民の健康・福祉の向上
「共助」段階の願い・おもい
多くの人たちにとっての願いの実現
行政支援には;
1 行政の事業として展開
2 行政から補助金支出
3 行政から事務の委託
4 行政の後援名義貸し
5 広報等で情報配信
がありま
す。
「互助」段階の願い・おもい
自分たちの願いの実現
「自助」段階の願い・おもい
自分の願いの実現
円滑に行政支援を受けるためには
安定収益を目指す企業にあっても、CSR(Corporate Social Responsibility
企業の社会的責任)による公益事業が展開されています(例)。
地域住民、あるいは、民間団体(基本的には収益目的団体以外)と行政の協働
公益団体の行う公益事業
行政
(公共団体)
個人、あるいは、一般の
団体が行なう公益事業
一部住民、あるいは、特定
団体の利益
変化する社会環境 -少子高齢化社会-
0~14歳
2000年(126926)
14.6
2010年(127474)
13.4
2020年(124107)
12.2
2030年(117579)
11.3
2040年(109339)
11.0
2050年(100594)
10.8
0%
15~64歳
65歳以上
68.1
17.4
64.1
22.5
60.0
27.8
59.2
29.6
55.8
33.2
53.6
20%
40%
35.7
60%
80%
100%
注)年代の右横カッコ内の数値は人口で単位千人
人口問題研究所『日本の将来推計人口』(平成14年1月推計)より
変化する社会と人間の健康や体力
健康・体力
人、場
老年人口
仲間
活動仲間
生産年齢人口
時間
楽しめる時間
年少人口
空間
安心して遊べる場
地域社会の問題としての人間の健康
人間の健康は、身体的、社会的、精神的に良好な状態。
「人間の諸器官は適度な
運動により、その機能は
向上する。
使わなければその機能は
低下する。」
人は他者との
関わりをとおして、
他者や自己を尊重
できるようになる。
できた、できない、勝った、
負けた等、情動を揺さぶる
ことは、人を活気づける。
スポーツの本質価値(楽しさ)
スポーツに結果期待される価値の実現
○一時的・臨時的な集団(チーム)ではなく、
永続的な組織としてのクラブ(倶楽部)づくりが求められます。
スポーツ クラブ(倶楽部)
=
運動
+
プレイ性
(楽しさ)
を、「定期的・継続的に行なう」ためには、
定常的に活動できる場が必要
「楽しさ」を、味わうためには、
自分なりに成功(失敗)を体感する場が必要
+
人間性
「仲間とともに、認め合い、支えあう」雰囲気は、
仲間との協同(協働)が発現できる場が必要
(自他の尊重)
総合型地域スポーツクラブとは
Iチーム
PTA
Jチーム
Aチーム
種目団体
Hチーム
Bチーム
体育・スポーツ
関連施設
少年団
Gチーム
Cチーム
Fチーム
Dチーム
Eチーム
青年団
設立の経緯、背
景の異なる諸種
の団体が協力す
ることは簡単では
ありません。
地域住民
会
員
と
し
て
の
活
動
へ
の
参
加
クラブの運営の参画
(クラブマネジャー、運営委員、指導者、ボランティアスタッフなど)
「総合型」=3つの多様性
多種目・多世代・多志向
○自分のやりたい種目に
○複数の種目に
○幼児から高齢者まで
○親子で、家族で、仲間と
○自分が楽しめるレベルで
○自分の目的に合わせて
会
費
を
支
払
う
(
受
益
者
負
担
の
考
え
方
)
地域住民の自主的・主体的な運営
多
種
目
総合型地域スポーツクラブ
-多種・多様な事業の展開-
定期活動
多
世
代
多
志
向
クラブ運営の要となる
クラブマネジャー
交流事業
不定期活動
会員の交流拠点となる
クラブハウス
ニーズに応じた
スポーツ指導
定期的・継続的に利用できる拠点施設
(学校体育施設 公共スポーツ施設 等)
◆スポーツ振興基本計画(H18.9改定)
「2010年までに、全国の各市町村において少なくとも1つは総合型地域スポーツクラブを育成する」
*平成20年7月1日現在、1046市町村において2768クラブが育成されている:育成率57.8%
出典:文部科学省HPより(一部転載)
《クラブ設立の効果》
●世代を超えた交流が生まれた
●地域住民のスポーツ参加機会が増えた
●地域住民間の交流が活性化した 等
多世代、多種目型クラブづくりの過程
多様な志向性(競技、交歓、健康等)に応じていくためには、一定のクラブ規模
が必要になるものと考えられます。したがって、当初から志向性の軸の拡張を
図っていくことは困難な場合が少なくないように思われます。
年代
高齢者
実年層
子ども
志向性
例えば、子どものサッカーチーム
は、市場を点でしか捉えていないこ
とになります。
総合型地域スポーツクラブづくり
は、市場を点から線へ、線から面
へ、さらには、平面から立体へと開
拓していく営みともいえそうです。
総合型地域クラブづくりの過程は、
①特定種目を拠り所に世代を超えて会
種目 員を拡張していく。
②特定世代を拠り所に種目を超えて会
員を拡張していく。
という2つのパターンが考えられま
す。
国民のスポーツ参加の実態から
パレートの法則(売り上
げの8割は2割の製品
運動・スポーツを行なわない理由
から成る)に従うと、ま
ずは、この3点をター
時間がない
ゲットにしていくことが 5052.6
17.4
体が弱い
18.1 考えられる。
18.5
年をとった
16.7
7.6 12.2
運動は好きではない
0
施設や場所がない
仲間がいない
5.9
2.7
4.9
男性
3.3
4.9
3.3
1.4
金がかかる
指導者がいない
女性
2.76.3
4.3
5.6
機会がなかった
理由はない
0 4.2
その他
0
10
20
30
40
50
60
内閣府 「体力・スポーツに関する世論調査」2006 より
世代により異なるスポーツ未実施者の実情
スポーツプログラムに参加しなかった理由
プログラム未参加の理由
興味・関心がない
参加したい行事や教室がない
時間がない
活動仲間がいない
体力に自信がない
運動は苦手だから
イベント情報が少ない
その他
20代(n=65)
30代(n=117)
40代(n=104)
50代(n=121)
15.4
18.5
36.9
15.4
6.2
3.1
20.0
3.1
12.8
13.7
43.6
12.0
6.0
8.5
19.7
8.5
15.4
17.3
36.5
11.5
14.4
9.6
18.3
3.8
13.2
19.0
41.3
18.2
10.7
6.6
15.7
4.1
60~(n=101)
5.0
17.8
16.8 **
24.8
18.8 *
7.9
11.9
8.9
若年層では「時間がない」、高齢者層では「体力に自信がない」という理由が抵抗条件となっている。
未参加者の今後のスポーツプログラム参加意向
20代(n=65) 30代(n=117)40代(n=104)50代(n=121)60~(n=101)
回答項目
44.6
47.9
42.3
55.4
37.6
思う
29.2
17.9
24.0
15.7
22.8
思わない
不明及び非該当
26.2
34.2
33.7
28.9
39.6
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
d.f.=8, n.s.
世代を超えて、各人の求めに応じたプログラムへの参加可能性は高い。
ライフステージに応じたスポーツプログラムの提供
未参加者の希望するスポーツプログラム
求めるスポーツプログラム
地域住民が世代を超えてみんなが楽しめるようなもの
H市民を対象とする調査結果より 平成17年
20代(n=65) 30代(n=117) 40代(n=104) 50代(n=121) 60~(n=101)
子どもの健全育成を目的とするもの
各種の運動の行い方が習得できるもの
有名な人と一緒に活動できるもの
スポーツ以外の文化的な活動も含んだもの
平日の夜間等参加しやすい時間帯に実施されるもの
土・日、祝祭日等の休日に実施されるもの
有名な指導者が指導してくれるもの
その他
時間がない
参加したい
でも、できない
40.0
27.7
32.3
16.9
18.5
41.5
46.2
16.9
3.1
53.8
50.4
31.6
11.1
17.1
34.2
46.2
8.5
4.3
52.9
34.6
34.6
8.7
22.1
30.8
38.5
8.7
1.9
48.8
20.7
24.0
6.6
30.6
17.4
35.5
0.8
1.7
子どもが喜ぶ
プログラム
参加したい
単純化して考えると、比較的若年の成人をスポーツの楽しさの世界に誘うには、
子どもと一緒に楽しめる企画を!!
58.4
23.8
19.8
4.0
29.7
8.9
10.9
4.0
2.0
**
*
**
**
**
これからの地域社会に求められる地域スポーツクラブ
年代別にみた求めるクラブ像
H市民を対象とする調査結果より 平成17年
20代(n=65)
求めるスポーツクラブ
いろいろな世代の人たちがともに集えるようなクラブ
38.5
いろいろな種目を楽しむことができるクラブ
40.0
クラブ運営の世話をしてくれる人がいるクラブ
15.4
運動の指導をしてくれる指導者がいるクラブ
29.2
明るい雰囲気のクラブ
60.0
技能の上達など活動の成果が実感できるクラブ
21.5
スポーツ以外の文化的な活動もできるクラブ
26.2
その他
6.2
30代(n=117)
40代(n=104)
50代(n=121)
47.9
43.6
17.1
41.9
55.6
21.4
31.6
4.3
49.0
52.9
17.3
40.4
50.0
11.5
31.7
1.9
49.6
49.6
12.4
34.7
37.2
6.6
33.9
4.1
「地域住民の総合型地域スポーツクラブに対する認知度が低い」
「総合型地域スポーツクラブに対するニーズがない」
地域住民の潜在的なニーズを喚起する仕掛けが必要
60~(n=101)
42.6
40.6
10.9
17.8 **
38.6 **
5.9 **
31.7
3.0
ボランティア活動の発生過程 I市の例
個人の需要
社会の要請
市でとれる野菜で昔ながらの料理を教えてほしい
カラオケに行く
1日に1回は大きな声で笑う
友だちと一緒に観劇に行く
友だちと入浴に行く
家族内では笑顔コミュニケーションづくり
話する相手がいること
友だちと歩く
野菜づくり家庭菜園
グループで食事に行く
食事に出かける
加工食品を控え自然食品をとり入れられる努力
市内の名所などをハイキングして周る
広報やイベントをみて積極的に参加する
自発性
・・・したい
・・・してほしい
自助・互助、共助
公助
市民皆ができる生涯スポーツ
市でウォーキンググループをつくって月に1回くらい
男性や子ども対象の料理教室
学生、児童の食の知識を増やす
教室的なスポーツではなく、自由にできる場所、道具の提供
運動する場所(体育館など)に安く気軽に参加できるようにする
皆が集ってラジオ体操のような軽い運動ができることがよい
広報をみてもイベントの場所、会場がよく分からない
和泉市での大きいイベントをつくれたら
健康イベントが年1回ではなく数多くあればよい
独り暮らしの人たちが集って楽しく話せる場所づくり
子育て支援の場所を各地につくる
広報やイベントをみて積極的に参加する
教室的なスポーツではなく、自由にできる場所、道具の提供
運動する場所(体育館など)に安く気軽に参加できるようにする
皆が集ってラジオ体操のような軽い運動ができることがよい
広報をみてもイベントの場所、会場がよく分からない
和泉市での大きいイベントをつくれたら
健康イベントが年1回ではなく数多くあればよい
独り暮らしの人たちが集って楽しく話せる場所づくり
子育て支援の場所を各地につくる
無償性、社会性、創造性
まちづくりに不可欠な地域住民の自助努力
自助とは
それぞれができることを自分の努力で行なうこと。
互助とは
隣近所の住民同士で思いやりをもって、助け合うこと
共助とは
いろいろな活動を、住民・団体、事業所などが協働でおこなうこと
公助とは
自助・互助、共助でできないことを行政が取り組みをおこなうこと
体育・スポーツを核とする新しい公共の実現に向けた
プランニング
目標
スポーツ界の連携・協働による「好循環」の創出
【目標】
○トップスポーツと地域スポーツの好循環を創出するため、広域市町村圏(全国300箇所程度)
を目安として、拠点となる総合型クラブ(「拠点クラブ」)に引退後のトップアスリートなどの優れ
た指導者を配置する。
○学校と地域の連携を強化し、人材の好循環を図るため、学校体育・運動部活動で活用する
地域のスポーツ人材の拡充を目指す。
現状
単発的なものがほとんど、定着には今後時間を要すのでは?
http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000010115.html
中学校、高等学校の定期的な開放事業まだまだ・・・?
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001063441
多様な行政支援
税収難の時代にあって、地
方交付税交付金も減額さ
れることになる。
後援名義
行政
事業委託
財政支援
事業委託
競技団体
補助金
体育協会
財団法人大阪体育協会
後援名義
市民団
体、NPO
等
公益財団法人大阪体育協会
公益法人認定法
民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施が公益の増進のために重要
となっていることにかんがみ、当該事業を適正に実施し得る公益法人を認定する制度
を設けるとともに、公益法人による当該事業の適正な実施を確保するための措置等を
定め、もって公益の増進及び活力ある社会の実現に資することを目的とする。
指定管理者制度
地方自治法改正前の「公の施設の運営委託」
公共団体
管理委託
利用料金や施設運営方法
等を条例で定め、その範囲
で運営を委託する
受託団体
①出資法人、
②他の公共団体、
③公共的団体 に限られ
る。
地方自治法改正後の「公の施設の管理代行」
公共団体
管理代行
条例の改正や制
定、適切な指定管
理者の選定が必
要。
指定管理者
法人その他の団体(つまり、
個人ではない団体、組織)。
後援名義の意味
○後援名義
スポーツ関連団体、NPO等が行う事業で、行政にとってもそ
の実施が行政の目的(住民の健康や福祉)と合致する場合、
「大阪府」や「大阪府教育委員会」などの後援名義の使用を認
めて、事業を支援する形態です。
○メリット
行政が後援することで、民間の行う事業の社会的信用が増
し、より事業の成果が
あがることが期待されます。
スポーツの事業化と地域づくり ー住民受身型ー
するスポーツ
経営組織
地域住民
みるスポーツ
供給
受給
?
住民参加によるまちづくり
スポーツの事業化と地域づくり
-住民参加型-
するスポーツ
経営組織
みるスポーツ
地域住民
支えるスポーツ
供給
参加
スポーツ・コミュニティー
住民参加によるまちづくり
学習(勉強)のパラダイム・シフト
古典的学習論
指導者
知識や技術
を伝授
正統的周辺参加論
成すべきは、
勉強そのもの
ではなく、
何かを成す過程で、
付随するのが勉強
である。
実践的協働(共同)体
指導者
目標
コンフリクト
学習者
学習者
学習者
アイデンティティ
の確立
知識を身につけ、
技能を高める
経営の実践場面では、OJT(On the Job Training)
による Skill Up が定着しているとみることができます。
学習(勉強)のパラダイム・シフト
これまでの多くのスポーツクラブ
総合型地域スポーツクラブ
指導者
知識や技術
を伝授
指導者
「住民参加」の
意味の具体化
目標
コンフリクト
学習者
知識を身につけ、
技能を高める
学習者
学習者
アイデンティティ
の確立
スポーツ関連の職業機会
体育・スポーツを専門に学んだ者の進路は?
専攻
職業機会
体育
教員
学校教育法、教育職員免許法、
教育公務員特例法
公務員
国家公務員法、地方公務員法
非営利団体
スポーツ
スポーツクラブ
背景にある法律
NPO法、中間法人法、地方自治法
運動指導担当者
健康運動実践指導者、指導士
公認スポーツ指導者
レクリエーションコーディネーター
一般企業
労働基準法はじめ、労務・保健等に
かかわる法令
学校運動部の更なる発展の方途
1 各学校毎に学校教育活動として活性化を図る
地域
学校
地域
学校
地域
2 学校間の連携による学校教育活動として活性化を図る
地域
学校
地域
学校
地域
3 地域スポーツ活動(社会教育)との連携により活性化を図る
地域
学校
地域
学校
地域
地域のスポーツ推進に果たす
学校体育施設の役割
学校施設開放
社会教育法(昭和二十四年六月十日法律第二百七号)
第四十四条 学校(国立学校又は公立学校をいう。以下この章において同じ。)の
管理機関は、学校教育上支障がないと認める限り、その管理する学
校の施設を社会教育のために利用に供するように努めなければなら
ない。
第四十五条 社会教育のために学校の施設を利用しようとする者は、当該学校の
管理機関の許可を受けなければならない。
2 前項の規定により、学校の管理機関が学校施設の利用を許可しようとすると
きは、あらかじめ、学校の長の意見を聞かなければならない。
スポーツ基本法(平成23年法律第78号)
第十三条 学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第二条第二項 に規定す
る国立学校及び公立学校の設置者は、その設置する学校の教育に支
障のない限り、当該学校のスポーツ施設を一般のスポーツのための
利用に供するよう努めなければならない。
2
国及び地方公共団体は、前項の利用を容易にさせるため、又はその利用上
の利便性の向上を図るため、当該学校のスポーツ施設の改修、照明施設の
設置その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
総合型地域スポーツクラブの活動拠点施設
学校体育施設は、我が国の体育・スポーツ施設総数の60%を占める。
学校体育施設
職場スポーツ施設
大学・高専体育施設
民間スポーツ施設
公共スポーツ施設
17,323(7.8%)
19147, 7.4%
民法
6,827(3.1%)
12737, 4.9%
地方自治法
65528, 25.4%
53,732(24.1%)
8531, 3.3%
8,375(3.8%)
・社会教育法
・スポーツ基本法
152083,
136,276(61.2%)
58.9%
国有財産法
平成20年 文部科学省調べ
学校体育施設の活用
Q 学校体育施設は、我が国の体育・スポーツ施設総数の 約60 %を占める。
学校体育施設
職場スポーツ施設
大学・高専体育施設
民間スポーツ施設
公共スポーツ施設
19147, 7.4%
12737, 4.9%
65528, 25.4%
8531, 3.3%
152083,
58.9%
平成10年 文部省調べ
小学校設置基準
(平成十四年三月二十九日文部科学省令第十四号 平成十九年改正)
(校舎に備えるべき施設)
第九条 校舎には、少なくとも次に掲げる施設を備えるものとする。
一 教室(普通教室、特別教室等とする。)
二 図書室、保健室
三 職員室
2 校舎には、前項に掲げる施設のほか、必要に応じて、特別支援学
級のための教室を備えるものとする。
(その他の施設)
第十条 小学校には、校舎及び運動場のほか、体育館を備えるもの
とする。ただし、地域の実態その他により特別の事情があり、か
つ、教育上支障がない場合は、この限りでない。
小学校設置基準
(平成十九年十月三十日文部科学省令第三四号)
イ 校舎の面積
児童数
一人以上四〇人以下
面積(平方メートル)
500
四一人以上四八〇人以下
500+5×(児童数-40)
四八一人以上
ロ 運動場の面積
児童数
一人以上二四〇人以下
二四一人以上七二〇人以下
七二一人以上
2700+3×(児童数-480)
面積(平方メートル)
2400
2400+10×(児童数-240)
7200
大学の工夫例
体育館
付帯施設
武道場
付帯施設は、
屋内(外)運動
場の機能を高
めていく上で
不可欠。しか
し、この例で
は、付帯施設
は体育施設の
床面積に含ま
れない
小 学 校 施 設 整 備 指 針
(文部科学省大臣官房文教施設企画部 平成21年 3月 改正 )
第6 クラブハウス(保護者や地域住民との連携協力の場)
1 共通事項
(1) 学校・家庭・地域社会が連携協力するための情報提供や連絡調整の場,
PTA活動の拠点となる場,地域の人々がボランティア活動の拠点として活用す
る場,総合型地域スポーツクラブの活動の拠点となる場として計画することが
重要である。
(2) 地域住民への開放時の管理体制を明確に設定し,学校教育における利
用,校舎又は屋内運動施設との役割分担等も考慮しつつ,開放状況等に応じ,
室種類を適切に設定し,必要な規模を確保することが望ましい。
(3) 外部からの出入りに便利で,開放する特別教室,屋内外の運動施設等と
連絡の良い位置に計画することが重要である。
(4) 開放する特別教室,屋内外の運動施設等からの連絡に留意しつつ,総合
的に利用することのできる独立した施設として計画することも有効である。
(5) 必要に応じ,地域の防災拠点としての役割を果たすため,備蓄倉庫を併
設することが重要である。
中学校、高等学校施設整備指針もほぼ同様
小 学 校 施 設 整 備 指 針
(文部科学省大臣官房文教施設企画部 平成21年 3月 改正 )
2 校舎開放用クラブハウス(地域・学校連携促進型)
(1) 学習関係諸室,生活・交流空間等との位置関係に留意するなど校舎
全体の室・空間の配置と一体的に計画することが望ましい。
(2) 学校教育等に支障を生ずることのないよう開放時の動線及び非開放
部分の区画を適切に設定しつつ,位置等を計画することが重要である。
3 学校体育施設開放用クラブハウス(体育施設開放促進型)
(1) 外部から分かりやすい位置に計画することが重要である。
(2) 更衣室,便所,シャワー室等の附属施設を学校教育と兼用するよう計
画することも有効である。なお,この場合においては,器具庫については開
放専用のものを計画することが望ましい。
(3) 屋外運動施設開放用のクラブハウスは,開放時に使用する器具等を
円滑に出し入れすることのできる位置に計画することが重要である。
中学校、高等学校施設整備指針もほぼ同様
部活動と地域スポーツクラブ
中学校学習指導要領保健体育編(平成20年改訂)から一部抜粋
生徒の自主的・自発的な参加により行われる部活動については、
① スポーツや文化及び科学等に親しませ, 学習意欲の向上や責任感,
連帯感の涵養, 互いに協力し合って友情を深めるといった好ましい人間関
係の形成等に資するものである。
② 部活動は, 教育課程において学習したことなども踏まえ, 自らの適性や
興味・関心等をより深く追求していく機会であることから各教科等の目標及
び内容との関係にも配慮しつつ, 生徒自身が教育課程において学習する
内容について改めてその大切さを認識するよう促すなど, 学校教育の一環
として, 教育課程との関連が図られるようにする。
③ 地域や学校の実態に応じ, スポーツや文化及び科学等にわたる指導者
など地域の人々の協力, 体育館や公民館などの社会教育施設や地域の
スポーツクラブといった社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運
営上の工夫を行う。
高等学校学習指導要領も同様
クラブハウスの機能
学校教育と地域スポーツとの動線のコントロール
児童・教職員
用出入口
学校教育での利用終了時点で施錠
運動場
校舎
体育館
クラブ
ハウス
校舎部分は、機械警備と
なっている場合が多い。
クラブ関係者
用出入口
高槻市・さくらスポーツクラブ
HPより
クラブが責任をもって、開錠、施錠するとともに、
クラブハウス内事務室で、来校者のチェックをする。
施設に付与される機能と管理体制をめぐって
-学校体育施設を例に-
学校教育活動使用時
委任
平常時
管理者:
教育委員会
学校教育活動外使用時
委託
災害時
管理責任者:
校長
設置者:
公共団体
施設開放
運営委員会
一時避難所
災害対策本部
学校体育施設開放をめぐって
そのような制度があることを知らないし、利用したこともない
そのような制度があることは知っていたが、利用したことはない
そのような制度があることは知っていたし、利用したことがある
そのような制度があることは知らなかったが、利用したことがある
不明
13.3
2.0 3.3
51.2
30.2
市民の学校体育施設開放制度の認知状況
「枚方市民のスポーツ生活調査」平成16年 CSSC
地域スポーツ行政と
公共スポーツ施設の運営
経営形態別にみた経済効率
(調査時点:平成12年<指定管理者制度導入以前>)
損益額
(千円) 400000
300000
200000
運営の形態
全面運営委託
一部運営委託
主管課の直轄
100000
0
-100000
0
4000
2000
8000
6000
12000
16000
10000
14000
(㎡)
延床面積
「指定管理者制度」
地方自治法改正前の「公の施設の運営委託」
公共団体
管理委託
利用料金や施設運営方法等
を条例で定め、その範囲で運
営を委託する
受託団体
①出資法人
②他の公共団体
③公共的団体 に限られる。
地方自治法改正後の「公の施設の管理代行」
公共団体
管理代行
条例の改正や制定、適切な指
定管理者の選定が必要。
指定管理者
法人その他の団体が、利用料
金や運営方法等について、独自の
工夫に基づく経営が可能。
スポーツ行政の仕組み
スポーツ行政は、国にあっては「文部科学省設置法」を根拠に「文部科学省」が、
地方にあっては「地方教育行政の組織および運営に関する法律」を根拠に都道府県
および市町村の教育委員会が、それぞれ体育・スポーツの主務機関となる。
国
地方
日本国憲法
日本国憲法
国家行政組織法
地方自治の本旨
・団体自治
・住民自治
地方自治法
文部科学省設置法
厚生労働省設置法
外務省設置法
国土交通省設置法
農林水産省設置法
地方教育行政の組織およ
び運営に関する法律
スポーツ関連諸条件の整備
学校体育の充実・発展
競技スポーツの普及と開発
狭義の生涯スポーツの充実・発展
スポーツ関連団体の支援
指導者の養成と活用促進
・・・
A.S.: スポーツ施設の整備と運営支援
P.S.: スポーツプログラムの開発と運営支援
(主催・共催、後援)
C.S.: スポーツクラブの育成・活動支援
I.S.: スポーツ情報の整備
「スポーツ振興基本計画」の実現に向けて
生
涯
ス
ポ
ー
ツ
の
振
興
地域の(企業を含む)各種団体の
理解と協力の確保
各種スポーツ関連民間団体間の
連携と組織基盤強化
(50%)
競
技
ス
ポ
ー
ツ
の
振
興
(3.5%)
学校と地域の連携強化
行政支援
行政支援の必要性
○NPO法
○PFI法
○地方自治法の一部改正
少子高齢化
法改正
スポーツ
施設
地方分権化
スポーツ関連
政策
総合型地域スポーツクラブ
の活動拠点の中心となる公
共スポーツ施設、学校施設
の設置者(行政)の関与を
抜きに語ることはできませ
ん。行政組織には政策や制
度の変更に柔軟に対応して
いくことが求められます。
○スポーツ振興基本計画
○健康日本21
学校と地域スポーツ
学校や地域が個別に
対応する場合以上の
成果
学校の有する資源
地域の有する資源
C.S.; 人的資源
C.S.; 人的資源
A.S.; 物的資源
連携・協力
P.S.; ノウハウ
A.S.; 物的資源
P.S.; ノウハウ
外部の組織
事例1
兵庫県伊丹市の中学校における武道(なぎなた)の活性化
伊丹市内の中学校に
おける女子武道授業
の確立およびなぎなた
部の創設
学校の有する資源
地域の有する資源
C.S.; 人的資源
C.S.; 人的資源
A.S.; 物的資源
連携・協力
P.S.; ノウハウ
授業
A.S.; 物的資源
P.S.; ノウハウ
教育委員会
事例2
大阪教育大学スポーツクラブ 子ども陸上教室
子ども陸上部員の定
着と活動の活性化
学校の有する資源
地域の有する資源
C.S.; 人的資源
C.S.; 人的資源
A.S.; 物的資源
連携・協力
P.S.; ノウハウ
課外クラブ
A.S.; 物的資源
P.S.; ノウハウ
準備委員会
事例3
大阪府 大阪狭山市放課後子ども育成事業
放課後児童の健全育
成と運動の習慣化
学校の有する資源
地域の有する資源
C.S.; 人的資源
C.S.; 人的資源
A.S.; 物的資源
連携・協力
P.S.; ノウハウ
放課後保育
A.S.; 物的資源
P.S.; ノウハウ
教育委員会
パートナー
事例4
長野県長野市 東北スポーツクラブ
部活動の活性化と地
域スポーツクラブの活
動促進
学校の有する資源
地域の有する資源
C.S.; 人的資源
C.S.; 人的資源
A.S.; 物的資源
連携・協力
P.S.; ノウハウ
部活動
A.S.; 物的資源
P.S.; ノウハウ
準備委員会
中学教員
事例5
大阪府立S高等学校 地域連携検討中
学校の活性化と地域
スポーツ振興
学校の有する資源
地域の有する資源
C.S.; 人的資源
C.S.; 人的資源
A.S.; 物的資源
連携・協力
P.S.; ノウハウ
部活動
A.S.; 物的資源
P.S.; ノウハウ
高等学校
学校協議会
市内には、堺ブレイザーズ
があり、ブレーザーズも地
域貢献活動を積極展開し
ている。
学校施設に付与される機能と管理体制
学校教育活動使用時
委任
平常時
管理者:
教育委員会
学校教育活動外使用時
委託
災害時
管理責任者:
校長
設置者:
公共団体
施設開放
運営委員会
一時避難所
災害対策本部
Fly UP