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小さな積重ね(安全安心輸送) - 陸上貨物運送事業労働災害防止協会

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小さな積重ね(安全安心輸送) - 陸上貨物運送事業労働災害防止協会
陸運と安全衛生 №523 平成 25 年 2 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行)
(1)
リスクアセスメントで作業マニュアル 実行します安全作業
平成 25 年 2 月 №523
発行所 陸上貨物運送事業労働災害防止協会
〒108-0014 東京都港区芝 5 丁目 35 番 1 号
産業安全会館内 ☎03-3455-3857 代表
http://www.rikusai.or.jp
会員の方の購読料は会費に含まれております。
(印刷物による年間購読料 3,600 円)
○ わが社の災防活動 ㈱かみもり ・・・・・・・ (1)~(2)
○ わが社の災防活動 三ツ輪物流㈱ ・・・・・ (2)~(4)
○ 安全衛生教育講師養成講座を受講して ・・(4)~(5)
○ 第12次労働災害防止計画の策定が進行中 ・・・・ (5)
○ メールマガジンご登録のご案内 ・・・・・・・・・・・・ (5)
○ 安全管理士の着眼点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○ 事故事例とその対策(荷役災害) ・・・・・・・・・・
○ 小企業無災害記録表彰 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○ 労働災害発生状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(6)
(7)
(8)
(8)
第 48 回全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会「優良賞」受賞事業場
小さな積重ね(安全安心輸送)
株式会社 かみもり(沖縄県支部)
はじめに
昨年 11 月に、第 48 回全国陸上貨物運送事業
労働災害防止大会が沖縄県那覇市で仲井眞知事
も出席される中開催され、栄誉ある「優秀賞」
をいただきありがとうございました。
これも偏に陸上貨物運送労働災害防止協会沖
縄県支部様、沖縄県トラック協会様、並びに各
荷主企業様のご指導ご支援の賜物と社員一同心
から感謝申し上げます。
弊社は、沖縄県の浦添市、ハンドボールの盛
んな、てだこの町にて昭和 47 年に生コンリート
用の骨材運搬を大型ダンプ 7 台で運送業を始め
ました。現在は、産業廃棄物収集運搬、人材派
遣業、ミキサー車やトラクターと業種や車種も
増え仕事の幅を広げています。
県内大手のセメントメーカーの琉球セメント
株式会社関連の荷物、各工事現場から出る産業
廃棄物、運転手の派遣業、また、各生コンクリ
ートプラント、沖縄県生コンクリート協同組合
からの生コンクリート輸送等輸送形態や荷主へ
の対応も種々あります。それに伴い運転手への
教育も多種多様ですが、お陰様で苦情、トラブ
ルが年々減ってきて、荷主業者からも一定の評
価をいただけるようになりました。
安全への取組
・月 1 回乗務員教育
・事故対策機構の KYT シートの活用
・ドライブレコーダー映像の活用
・外部講師を招いての講習
・沖縄県トラック協会、浦添地域トラック事
業協同組合主催の講習会参加
・荷主業者の講習会参加
・飲酒運転防止の徹底(写真)
写真 浦添警察署、浦添地区交通安全協会より飲酒運
転根絶事業所に認定
労働災害防止対策
1、ヘルメットあご紐の徹底
2、安全靴、安全帯の着用
3、タイヤ歯止めの徹底
4、高所作業時の梯子や、作業足場の使用
5、現場のパトロール
健康管理
年に 1 度の所定の病院での健康診断結果の内
容を運転手自身にも十分に確認させ、改善する
よう指導に努めています。
環境対策
運転手に日々走行する距離と使用燃料を記録
陸運と安全衛生 №523 平成 25 年 2 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行)
させ、燃費を出して、速度や運転方法等を考え
てエコドライブを励行しています。
そのかいもあって、事故件数が減り、トラッ
ク協会主催の第 3 回エコドライブ・コンテスト
で、1 位を取ることができました。
日々小さな積み重ねの結果だとつくづく思い
ました。
初任/適性診断の活用
運転手が初任/適性診断を受診した際は、診断
表から指摘事項を抜粋した資料を作成し、運転
手自身と面談しながら、対策について記入しま
す。それによりドライバーの運転時の癖や姿勢
を改善してもらい、安全運転への認識を再確認
してもらっています。
この点は、Gマーク更新の際、トラック協会
の指導員からも一定の評価をもらいました。
表彰
毎年年始挨拶時に、社長から無事故無違反者
(2)
に感謝し金一封を添えて表彰を行い、ドライバ
ー全員に 1 年間の無事故無災害の達成をお願い
しています。
最後に
平成 20 年に社長が旭日双光章受賞の栄誉に
浴し、今回は会社が優良賞を受賞したことは、
これも偏に日々の努力と従業員の姿勢が評価さ
れたことと受けとめ、今後ますます安全への取
組に力を入れ、受賞企業に恥じぬよう努力して
いきたいと思います。
年々、トラック業界の環境は、燃料高騰、作
業環境の悪化と一向に改善の兆しが見えません
が、悲観することなく、小規模事業所の利点を
生かした従業員教育、荷主企業との対話を図り、
協力会社共々サービスの向上に努めていきたい
と思います。
各関係団体、荷主企業様今後ともご指導のほ
どよろしくお願いします。
第 48 回全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会「優良賞」受賞事業場
「安心・安全・信頼」は日々取組の積重ね
三ツ輪物流株式会社 取締役安全室管掌 吉井 泉(北海道支部)
【はじめに】
昨年 11 月那覇市で開催されました「第 48 回
全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会」にお
きまして「優良賞」という栄誉に預かり、誠に
有難うございます。
これも偏に陸上貨物運送事業北海道支部、北
海道トラック協会をはじめとする各関係団体の
皆様方のご指導とご鞭撻の賜物と心より深く感
謝申し上げる次第でございます。
さて、弊社は北海道釧路市を本拠地に釧路港
にて港湾荷役作業会社の三ツ輪運輸株式会社の
車両部門を担う会社として、一般貨物自動車運
送業・一般貨物運送取扱事業はもとより産業廃
棄物運搬業・貨物荷捌業・倉庫業を事業として、
苫小牧・水戸・帯広の各支店・大谷地・北見各
営業所における貨物自動車運送事業、石狩・恵
庭・日高各営業所における倉庫及び工場構内作
業に従事しております。
当社の歴史は、1951 年に設立の道東トラック
株式会社と 1973 年設立の東部運輸株式会社が
2000 年に合併して誕生、現社名にて所有車両ト
ラクター104 台、トラック 26 台、各種トレーラ
ー1,030 台、リフト 25 台、従業員 197 名にて事
業展開をしております。
釧路市は、北海道東部の南に位置し、海の玄
関口釧路港を有し、北はオホーツク圏、東は根
室圏、西は十勝圏と隣接しております。3 圏と
合せた面積は北海道の 40%を占め、釧路湿原・
阿寒・知床の三つの国立公園には天然記念物の
丹頂鶴・まりも・シマフクロウなど多くの貴重
な動植物が生息、世界三大夕日と称賛される風
光明媚な自然豊かな地域であります。この豊か
な大地と海からの恵みは、酪農・畑作・漁業・
林業等の生産と加工、更には良質な水資源を使
用した医薬品及び飲料品の生産等、日本の食糧
基地の一翼を担い、紙パルプ生産も加え基幹産
業を形成しております。
こうした産業を背景に、親会社の三ツ輪運輸
株式会社との連携でフェリー及びRORO船を
利用した基幹産業の関連資材及び生産品を道内
及び北関東主要港を基点に配送を取り扱ってお
ります。
陸運と安全衛生 №523 平成 25 年 2 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行)
【安全衛生への取組】
当社の基本理念は三ツ輪運輸株式会社の社是
であります「使命の自覚・個人の充実・責任の
遂行」の精神の下、役職員各々が物流業として
社会的使命を自覚し、安心・安全・信頼を確実
に重ね築くことであります。このため、平成 19
年に貨物自動車運送事業安全性優良事業所認定
(Gマーク)並びに、グリーン経営認証も取得、
その後、順次更新を行い現在に至っております。
両認証の取得は環境保全と安全確立を推進す
る上で取組の基本であり、行政指導指針に沿っ
て事業計画を策定、協力会社乗務員を含め毎月
安全研修会(写真 1)を実施しております。内
容は、月別のチェックポイント・重点目標(交
通事故・作業事故・健康管理)の設定を行い、
運転の心構え、走行及び付帯作業・倉庫及び工
場構内リフト作業等の危険予知での事故防止、
デーライト・車止め使用・スピードの遵守、携
帯電話及び脇見運転の厳禁等、更に平成 23 年 4
月からの点呼時アルコールチェックは検知器に
よる測定義務化に準じ、当社は乗務基準数値「ゼ
ロ」とし、乗務員の理解と自覚の下、実施して
おります。
写真 1
安全研修会
私たちの業務はいくらルーティン・ワークと
は云え、油断や慢心が小さな失敗を招き、大き
な事故につながりかねません。車は「走る凶器」
とも言われ、一般道における交通事故防止は勿
論のこと、当社は港湾地区への大型トレーラー
での走行及び移動も多く、釣り人との接触事故、
更に狭い船内への引入出作業には高度な技術と
作業関係者との密なる連携が求められ作業前ミ
ーティング(写真 2)は欠かせません。
こうした中でヒューマンエラーの予防策とし
て、社内「安全 5 ヶ条」(表)を記したプレー
トを作成し運転席ドアノブへ掛け、乗車時確認
の徹底を図っております。
(3)
写真 2
作業前ミーティング
表
安全 5 ヶ条
安全 5 ヶ条
1) 発着時、車の周りの「人・物・高さ」
の指差確認を行ったか
2) 大切な製品を積む前に「荷台の清掃・
異臭等の再点検」を行ったか
3) 積込終了時に「荷崩れ・荷傷み防止の
点検と対応」更に「ウイング煽り・後扉
ロックの確認」を行ったか。
4) 発着時、
「ブレーキ操作・カプラ連結・
ランディングジャッキ・ツイストロック
の基本操作」を行ったか
5) 私は「S・S運動~スピード・シート
ベルト」を必ず守ります。
この他、車両の整備点検についても安心・安
全運行への基本であり、始業・終業時点検の実
施をはじめ、重要さの認識を新たにし、日々の
徹底を恒常化しております。
そして、ヒヤリハットをはじめ、万一事故が
発生した時は、参加者全員が原因と対策に関す
る情報を共有し、何故発生したのかの角度から
分析、再発防止に取り組んでおります。
更に安全の向上推進においては、トラック協
会、並びに自動車協会主催「交通事故・労働災
害防止安全大会」「交通事故防止宣言」「交通事
故死“ゼロ”街頭啓発」
「各種安全セミナーの受
講」、労働基準協会主催「釧根地区産業安全衛生
大会」等々への役職員をはじめ乗務員の積極的
参加に努めております。
お陰様で重篤災害の発生は無く、軽微な事故
も大幅に減少、また、事故防止は取扱貨物に対
しましても同様と認識しており、今後とも関係
当局のご指導ご協力をいただきながら、先取防
災の対応にも取り組んで参ります。
陸運と安全衛生 №523 平成 25 年 2 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行)
昨今は輸送の多様化・迅速化・積卸し作業へ
の対応、更には砂糖・生乳・粉乳・食品等を含
む貨物の取扱いにつきましては、荷主企業の品
質管理も年々厳しく安全運行及び作業と共に貨
物特性等の知識と確かな管理技術が求められて
おります。
我身を事故から守り、かつ荷主殿への「安心・
安全・信頼」の基本として、今後とも使命感を
もって鋭意取り組む所存でございます。
【結びとして】
私ども物流業、特に東北海道の基幹産業の取
扱いは天候に大きく左右され、加えて、燃料・
タイヤ・車両価格・付帯経費は依然増加傾向に
ある他、軽油取引税・自動車関連諸税の負担も
大きく、その環境は極めて厳しい状態でありま
(4)
す。
また、職員の健康管理への厚生福利の充実、
運行及び作業の安全への取組み確立は終りなき
推進すべき最重要事項であります。今後も安全
への真摯な取組の中で社会的使命とともに荷主
殿への「安心・安全・信頼」を確立すべく社員
一同、受賞の栄誉に恥じることのないように取
り組み、推進致す所存でございます。
今後とも関係各位のご指導とご鞭撻を賜りま
す様お願いを申し上げます。
最後になりましたが、陸上貨物運送事業労働
災害防止協会、並びにトラック協会、そして、
会員各社皆々様の今後益々の安全とご繁栄をご
祈念申し上げます。
有難うございました。
安全衛生教育講師(インストラクター)養成講座を受講して
未来へつながる会社作り、安全と経営の共存へ向かって
株式会社 フタバ平泉 佐々木智弘
1
受講の動機
当社はフタバ産業株式会社の子会社として発
足した会社で、自動車部品メーカーです。愛知
県にある 7 社を拠点に地方、海外にも進出して
おり、マフラー部門においては特に力を入れて
取り組んでおります。時代の流れに伴い、設備
の強化、精度の高さに力を入れる中、特に重要
視されなければいけないのが“安全性”だと思
います。どんなに優れたロボットでも事故を起
こす可能性があるとなれば使えないロボットと
評価されるのが当たり前の世の中です。
ロボットだけに限らず、企業を取り巻く危険
は様々です。フォークリフトから始まり、高所
作業、玉掛け作業などちょっとした気の緩みが
命取りになるような作業がたくさん存在してい
ます。そんな中、一番大切なのは一人一人が安
全性の意味を理解し、日頃から安全作業を心掛
けることが最も大事な事なのではないかと思い
ました。そこで、この講座を通して安全の重要
性を再確認し、インストラクターとしての知識
を身に付け、事業場に帰ってから役立てていき
たいと思い、この当講座を受講しました。
2
ベテランだらけの講習会
講座は、11 月 19 日から 22 日までの 4 日間、
女性就業支援センター(東京都港区)において
開催されました。受講者メンバーは私を含め 13
人(男性)でした。その中でも私の記憶に今で
も鮮明に残っているのが一日目の夕方に開催し
ていただいた懇親会です。この夕食会で皆様と
親しくお話ができその後の講習がとても活気の
あるものになりました。またほとんどのメンバ
ーがすでにインストラクターとして活躍されて
いる人達だったというのにも圧倒されました。
講座が始まってから 2 日目の受講内容につい
ては、安全衛生教育に関する基礎知識について
学びました。車両系荷役運搬機械作業指揮者安
全教育の概要から始まり、フォークリフト運転
業務従事者安全衛生教育の概要、災害事例及び
関係法令など講師の方の熱心な指導により、数
多くの知識を得ることができました。フォーク
リフト関連については日頃から事業場のほうで
使用していたので意外とすんなり頭の中に入っ
てきたのですが、関係法令のところでとても苦
労した記憶があります。
3
緊張と不安だらけの指導案発表
受講 3 日目に行われたのが、この講習の目玉
ともなる指導案の発表です。講師の方々からさ
まざまなアドバイスや、的確な指示をいただき、
陸運と安全衛生 №523 平成 25 年 2 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行)
「4 段階法」による指導案の作成の仕方を教わ
りました。要領は分かっているつもりなのです
がなかなかうまくまとまらず、前日眠れなかっ
たことを覚えています。目的を明確にし、
「何を
理解させたいのか」
「何を知らせたいのか」とい
うことをはっきりさせるのが、この指導案作成
における一番のポイントなのではないかと実感
しました。
指導案作成の後は、いよいよ発表です。他の
メンバーの人達は人前で話すことに慣れている
様子で堂々と自信を持って発表していました。
なかには、ユーモア性を取り入れ、場の雰囲気
を和ませながら発表している人達も見られ、レ
ベルの違いを見せつけられました。自分の発表
順番が近付くにつれ、どんどん鼓動が高鳴って
いくのがはっきりと分かりました。
発表はなんとか予定通りに終わらせることは
できたのですが、話すことに全神経を集中させ
たような感じで、周りを見る余裕もなく、聞き
手側が自分の話を理解しているのかも確認でき
ない状態でした。普段何気なく私達に指導して
くださる講師の方々の気持ちが改めて理解でき
たような気がしました。発表終了後は、自分の
(5)
発表の反省をするというよりも、とにかくホッ
とした気持ちでいっぱいだったのを、とてもよ
く覚えています。
4
短いようで長かった4日間
最終日の 4 日目はリスクアセスメントの教育
が行われました。リスクアセスメントについて
は普段から事業場でやっていたので抵抗なく受
け入れることができました。リスク低減対策は
これからの企業には必要不可欠なものだと思い
ます。事故が起きてからではなく、このような
方法を用いて、未然に危険を回避していくこと
が本当に大切なことなのだと思いました。
こうして緊張と不安が入り乱れる 4 日間が終
了した訳なのですが、自分の中の“思い”もは
っきりと見出すことができました。ここで習得
した知識や技術を事業場に持ち帰り、安全の意
味を少しでも多くの人達に理解させていきたい
と思います。
最後になりましたが、講座でお世話になりま
した講師の方々、陸上貨物運送事業労働災害防
止協会の益々のご発展をお祈り申し上げます。
第 12 次労働災害防止計画の策定が進行中
厚生労働省において、平成 25 年 1 月 22 日、
労働政策審議会安全衛生分科会(第 69 回)が
開催され、
「第 12 次労働災害防止計画(案)」
の検討が行われました。
労働災害防止計画とは
労働災害の防止のため、国が取り組む中長期
的な計画(5 か年計画)として作成されるもの。
第 12 次労働災害防止計画とは
本計画は、産業構造や就業環境の変化に加え
て、急速に進む少子高齢化、職場におけるスト
レスの増加、労働災害の多い分野、東日本大震
災の復旧・復興などに対応し、労働者の安全と
健康を確保すべく策定するもので、平成 25 年
からの 5 年間にわたる労働安全衛生行政の指針
となる計画です。
今後の予定
計画に設定された目標達成に向け、当協会で
は新たな「陸運労働災害防止計画」を策定し、様々
な取組を行うこととしています。
「第 12 次労働災害防止計画」のポイント及
び新たな「陸運労働災害防止計画」については、
今後本紙及び陸災防ホームページに掲載します。
「陸運と安全衛生」の配布がメール配信に変わりました
メールマガジンのご登録をお願いします
「陸運と安全衛生」は、平成 24 年 4 月号より、電子メールによりご提供するメールマガジン「陸災防通
信」の一部としてご提供する方式に変更となっています。
「陸災防通信」では、
「陸運と安全衛生」の他に、労働災害の発生状況、新刊テキスト、講習会の案内、
厚生労働省の最新情報等みなさまの労働災害防止活動にお役立ていただける情報を発信しています。
メールマガジンご登録方法につきましては当紙平成 24 年 3 月号または当協会ホームページをご覧ください。
陸運と安全衛生 №523 平成 25 年 2 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行)
安全管理士
の着 眼 点
(6)
二輪車事故をなくそう!
【軽傷では済まない二輪車事故】
交通事故によって亡くなったりケガをしたり
する人の数は年々減ってきています。
その中で二輪車乗車中の死亡重傷者数は、全体
の約 3 分の 1 を占めています。
今回は二輪車に関する代表的な死傷事故の型
に着目して、その特徴をいくつか取り上げ、その
中から考えられる対策について書いてみようと
思います。
【出会い頭事故】
二輪車の死傷事故を類型別にみると、一番多い
のが相交わる方向に進行中の車同士が衝突する
「出会い頭事故」です。
特徴的なこととして、原付自転車は、自動二輪
車よりもこの「出会い頭事故」の割合が大きくな
っています。
「出会い頭事故」が多いのは、相手車側からの
「見落とし」があることに加え、二輪車側の「思
い込み」も原因の一つになっている様です。
例えば、四輪車が道を譲って一時停止したと思
って進んだが、実際には四輪車は二輪車の接近に
気づいていなかったために衝突したケースや、双
方が「自分の方が優先だ」と思い込んでいて事故
に至るケースなどもあるようです。
もうひとつの特徴として、65 歳以上の高齢二輪
車運転者に「出会い頭事故」の割合が大きくなっ
ていることが挙げられます。
高齢二輪車運転者にこの事故が多いのは、視野
の狭小化等も関係していると考えます。
【右折時事故】
2 番目に多いのが「右折時事故」です。
ここで言う「右折時事故」とは、以前に「災害
事例とその対策」
(平成 23 年 9 月号№506)の中
で紹介したいわゆる「右直事故」だけでなく、当
安全管理士 遠藤 聡
事者(車両)の一方が右折中の全事故のことです。
特徴として、
「右折時事故」は、夜間には「出
会い頭事故」を抜いて発生割合が一番大きくなり
ます。
また、原付自転車の右折時事故の割合が少ない
のも特徴で、
「二段階右折」の実施が理由のひと
つになっているのではないかとも思われます。
【二つの事故に共通する特徴】
これら二つの事故で、二輪車が第 2 当事者の場
合の第 1 当事者の人的な事故要因(平たく言って
しまえば、二輪車が被害者となった場合の加害者
側の事故発生原因。
)としては、
「発見の遅れ」が
大多数を占め、更にその原因としては「安全確認
不十分」が一番多いという結果が出ています。
これは、言い方を換えると「安全確認は行った
が見落とした」ということになります。
二輪車はトラックなどより小さいために、実際
よりも「遠くに」感じられ、スピードも実際より
「遅く」感じられます。更に、死角にも入りやす
く、
「見落とされやすい」のです。
これは二輪車事故を減らすための重要なキー
ワードであることは間違いないと思います。
更に、平成 10 年から実施されている「ヘッド
ライトの昼間点灯」も、見落とし防止に効果があ
るといわれています。
(それ以降に製造されたバ
イクには、点灯スイッチはありません。キーを回
せば常時点灯です。
)
【二輪車運転者が注意すること】
① 常に自分が相手車両から「見落とされている」
と意識し、防衛運転に徹する。
② 「ヘッドライト昼間点灯」は必ず守り、目立
つ服装を心がける。
(古いバイクでも常時点灯
を実施する)
【四輪車運転者が注意すること】
① 駐車場から出る場合などは、必ず一時停止し、
確実に安全確認を実施する。
② 交差点への進入時は十分に減速し、特に右折
時は車両の影や路肩の二輪車も発見できるよ
う、確実に対向車線の安全確認を行う。
――――思いやりとゆとりを持った運転を心が
けて、交通事故をなくしましょう!――――
陸運と安全衛生 №523 平成 25 年 2 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行)
事故事例
と
その対策
(7)
荷主構内において、フォークリフトでトラック
に木箱(機械)を積込み中、荷台上で合図をし
ていたトラック運転者が木箱に押され転落する
1 事業の種類: 陸上貨物運送事業
2 被災者
: トラック運転者
3 傷病の型 : 墜落・転落
4 傷病の程度: 死亡
5 災害発生状況
① 被災者は大型トラック運転者で、当日は朝 8
時に会社に出勤し、事務所で上司から点呼を受
け、作業指示書を受け取り、10t トラックを運
転して荷主工場へ向かった。
② 業務は通常の運行であり、いつも行っている
荷主工場で貨物を受け取り、それを 50km 先の
倉庫へ運搬することであった。
③ 朝 9 時に荷主工場に着き、構内の積卸し場所
でしばらく他の車と共に待機した。
④ しばらくして、荷主工場のフォークリフト運
転者が運搬貨物(木箱:高さ 1.8m、幅 2.0m、
長さ 2.0m、重量 1 個:1,050 ㎏)合計 4 固を順
次倉庫内のラックから取り出しトラックに積
込み始めた。
⑤ 被災者のトラック運転者は積込まれる木箱
の位置決めをするため、トラック荷台上でフォ
ークリフト運転者に合図をしながら指示をし
ていた。
⑥ 3 個目の貨物の積込みを終わり、最後の 4 個
目の貨物をトラック荷台の最後部に積み、所定
の位置に収めるために押し込んだ。
⑦ その時、貨物後方で指示していたトラック運
転者は貨物に押され、荷台上から仰向けに地上
に転落した。
⑧ 被災者は直ちに病院に搬送されたが、頸椎骨
折で翌日死亡した。
6 災害発生要因
直接原因
⑴ フォークリフト運転者が積込み先の安全確
認を怠った。
⑵ トラック運転者がフォークリフト運転者か
ら死角になる位置(貨物の後方)の荷台上で合
図を行っていた。
⑶ 最後の貨物をトラック荷台の最後部に積み
付けたため、貨物側方に足場の確保ができなか
った。
⑷ フォークリフト運転者とトラック運転者が
事前打ち合せをしていなかったため、お互いの
意思疎通ができていなかった。
間接原因
⑴ 作業指揮者が選任されていなかった(安衛則
151 条の 4)
。
フォークリフトの共同作業の場合、作業指揮
者が必要。
⑵ フォークリフト作業に関する作業計画を立
てていなかった(安衛則 151 条の 3)
。
⑶ 混在作業の場合、元請事業者が下請企業との
間で連絡調整等の総合的安全管理を行ってい
なかった。
7 再発防止対策
⑴ フォークリフトによる共同作業の場合には
必ず作業指揮者を選任し、(フォークリフト作
業に関する作業計画を立てるとともに、)その
指揮のもとに作業を行うこと。
なお、事前にトラック運転者と必要な連絡調
整を行うこと。
⑵ 混在作業の場合、元方事業者は日頃から関係
請負人とお互いに連絡調整や安全教育等総合
的な安全管理の確立をはかること。
⑶ 災害が発生する危険性のあると思われる作
業についてはリスクアセスメント等を実施し、
関係労働者に安全な作業方法や作業の危険性
を周知すること。
⑷ 危険な個所や動作については、指差し呼称等
を実施し危険を回避喚起すること。
⑸ 作業手順書等(荷の積み付け方法等)を関係
作業者に徹底すること。
陸運と安全衛生 №523 平成 25 年 2 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行)
(8)
陸運労災防止協会の表彰制度による小企業無災害記録事業場 〔平成24年12月〕
第5種(15年間) ・有限会社日置運送
鹿児島県支部 第3種( 7年間) ・有限会社伊藤商事
千葉県支部
第3種( 7年間) ・押田運送有限会社
千葉県支部 第1種( 3年間) ・佐久間運輸有限会社
千葉県支部
業種別労働災害発生状況
死亡
項目
平成25年1月7日現在
平成24年1月~12月 平成23年1月~12月
[速報値]
[速報値]
死亡者数 構成比 死亡者数 構成比
(人)
(%)
(人)
(%)
業種
前年比較
増減数
(人)
増減率
(%)
死傷
平成24年12月末日現在
平成24年1月~12月 平成23年1月~12月
[速報値]
[速報値]
死傷者数 構成比 死傷者数 構成比
(人)
(%)
(人)
(%)
前年比較
増減数
(人)
増減率
(%)
全
産
業
1,008
100.0
938
100.0
70
7.5
90,048
100.0
87,925
100.0
2,123
2.4
製
造
業
186
18.5
170
18.1
16
9.4
19,114
21.2
19,006
21.6
108
0.6
鉱
建
設
業
5
0.5
10
1.1
-5
-50.0
195
0.2
227
0.3
-32
-14.1
業
354
35.1
322
34.3
32
9.9
18,062
20.1
17,549
20.0
513
2.9
交 通 運 輸業
13
1.3
17
1.8
-4
-23.5
1,695
1.9
1,605
1.8
90
5.6
陸上貨物運送事業
122
12.1
112
11.9
10
8.9
10,695
11.9
10,652
12.1
43
0.4
港 湾 荷 役業
5
0.5
9
1.0
-4
-44.4
187
0.2
191
0.2
-4
-2.1
34
3.4
36
3.8
-2
-5.6
1,482
1.6
1,655
1.9
-173
-10.5
その他の事業
289
資料出所:厚生労働省
28.7
262
27.9
27
10.3
38,618
42.9
37,040
42.1
1,578
4.3
林
業
業種、事故の型別死亡災害発生状況 (平成 24 年 1 月~12 月)
合計
墜落・転落
平成 25 年 1 月 7 日現在
はさまれ・ 交通事故 交通事故
飛来・落下 崩壊・倒壊 激突され
巻き込まれ (道路)
(その他)
激突
その他
全
産
業
1,008
263
3
44
72
63
154
226
6
177
製
造
業
186
40
0
12
20
6
59
12
0
37
建
設
業
354
152
2
16
30
29
35
26
2
62
交 通 運 輸 業
13
0
0
0
0
0
1
8
0
4
他
333
61
1
10
11
22
44
113
4
67
陸上貨物運送事業
122
10
0
6
11
6
15
67
0
7
1
8
0
-1
そ
の
同 上 対 前 年 増減
10
-9
-1
2
7
3
(注) この表の右端の列の「その他」は、「墜落・転落」~「交通事故(その他)」以外をまとめたもの
詳細は、陸災防ホームページ http://www.rikusai.or.jp に掲載
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