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魅力ある都市・地域の創生へ

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魅力ある都市・地域の創生へ
Highlight 1
魅力ある都市・地域の創生へ
物流が実現する、新しい街づくり
近年、首都圏では再開発の動きが活発化しています。また、外国人旅行者数のさらなる拡大に向け、都心部だけでなく
地方都市等においても、魅力ある街づくりが急務となっています。
SGホールディングスグループは、この新たな街づくりにおいて、“ヒトの動線”ではなく、私たちならではの“モノの動線”
という視点からソリューションを提供することで、経済価値とともに環境・社会価値を創出する、新しい社会インフラの
構築に貢献しています。
©TOKYO-SKYTREE
外国人旅行者の利便性向上を目指して
521万人(2003年)から1,341万人(2014年)へ——。日本
国によって手荷物を預ける文化が異なる、あるいは時間帯に
を訪れる外国人旅行者数は、
この10年間で大きく増加しました。
応じてニーズが変化するなど、有益な情報を得ることができ
政府は、観光立国の実現に向けて、将来的に年間3,000万人
ました。今後、旅行者のさらなる利便性の向上を目指し、快
の外国人旅行者の誘致を目標に掲げており、
物流業界において、
適な滞在を実現するため空港や宿泊先との連携も視野に入れ
旅行者の消費拡大に対する、より効率的なモノの動線確保へ
た、新たな仕組みづくりに取り組んでいきます。
の対応が必要になってきています。
こうした社会の動きに対し、
SGホールディングスグループは、
国や企業のインバウンド戦略を物流面から支え、都市・地域の
活性化に貢献する新たなチャレンジを開始しています。
2014年3月、東京駅構内にて観光などの目的で駅を利用す
る方々の手荷物を一時預かりする、純和風のサービスセンター
「 東 京 手 ぶら 観 光 手 荷 物 預 かり処 」
(TOKYO SERVICE
CENTER)をオープン。手荷物を、お客さまの宿泊先や空港ま
で即日配送するサービスも提供しています。外国人旅行者の
増加に伴い、オープンから1年間で一時預かりの手荷物件数は
約23,000件と予想を超える実績につながりました。
これまでのサービスの提供を通じて、利用する方々の出身
12
SG HOLDINGS GROUP CSR Report 2015
外観を純和風に仕立てたTOKYO SERVICE CENTER
新しい街づくりに向けたインフラ構築を支援
SGホールディングスグループは、2015年4月より、これま
ことにより、歩行者がいつでも安心して歩けるクリーンな街
での館内物流
(右下:Column1参照)
の取り組みを進化させた
づくりに貢献していきます。
「ファシリティマネジメントソリューション」
を本格的に開始し
ました。商業施設やオフィスビルのトータルマネジメントサー
ビスとして、館内物流管理をはじめ、オフィス家具や機器な
どの物品資産管理、文書管理、施設管理に至る業務を代行し
※1 PPS:特定規模電気事
業者
※2 TDM:交通需要マネ
ジメント
ます。さらに、2016年からの電力自由化を見据え、新電力会社
(PPS)※1との提携により効率的なエネルギー使用を提案する
サービスも手掛けていきます。
「ヒト、モノ、情報
(車両含む)
」
の一元管理を行うことで、より経済・環境効率のよいファシ
リティマネジメントを実現します。同時に、施設へ出入りす
る車両ナンバーと搬入許可証を確実に照合することで、都市
の課題であるセキュリティ面の解決も図っています。
また、エリア全体を対象としたマネジメントサービスへの
取り組みも始めています。千代田区の大手町・丸の内・有楽
町(大丸有)地区は、東京駅周辺に位置し、わが国経済を支え
る国際ビジネスセンターとして国内外の有力企業が集積する
経済活動の中心地です。
同地区において「大丸有・神田地区等グリーン物流促進協
議会」が取り組んできた物流効率化では、2001年度に実施さ
れた物流TDM※2社会実験に参加し、翌年に竣工した丸の内
ビルディングでは4社による館内共同配送の一員として加わ
りました。2014年度に実施したエリア共同物流社会実験にお
いては、
「大丸有・神田地区等グリーン物流促進協議会」内に
設置された「大丸有エリア集配等実験実行部会」の中心となり
共同配送システムの構築を支援しています。2015年は、地
区で使用するトラックの一部を電気自動車(EV)に代替。大丸
有エリアの貨物車マネジメントによる歩行者空間の一層の改
善およびビジネス環境の向上に資する、より効率的・経済的
な共同物流システムの構築に向け、低温貨物共同輸配送事業
も含めた集約共同配送システムの構築を進めます。
当社グループは、都市だけでなく地方も含め、新しい街づ
くりを展開する地域において、
“モノの動線”という視点から
2014年10月21・22日 に 行 わ
れた、大丸有における広域・エ
リア共同集配による貨物車マネ
ジメント実験
Column 1
佐川急便の館内物流が
「東京における地区物流効率化認定制度」
第1号に認定
館内物流とは、共同配送の促進や直納車を含めた入館
車両の一元管理により、施設全体の「物流効率化・セキュ
リティ向上」および施設周辺の「渋滞緩和」による大気汚染
の減少をもたらす物流システムです。
佐川急便は、2007年の東京ミッドタウン開業時から館
内物流を担当。以降、館内物流の効率化を継続的に推進し、
開業初年の2007年度は直納車両が21万9,300台であっ
たのに対し、2013年度は17万1,000台と22%減少させま
した。
こうした取り組みと実績が物流に関するセキュリティ・利
便性の向上、効率化につながることが評価され、2014年
9月、東京都から「東
京における地区物流
効率化認定制度」
の認
定 を 受 けました。 こ
れは館 内 物 流として
第1号であり、物流事
業者では初の認定と
なりました。
効率化とセキュリティを両立させたインフラ構築を支援する
館内で配達する様子
Voice1
物流効率化による安全・安心な交通環境の実現に向けて
大丸有・神田地区等グリーン物流促進協議会では、都市内物流対策に総合的に取り組むため、第1弾として、
2012年9月に東京都から「東京における地区物流効率化認定制度」の第1号認定を受けた「低温貨物共同輸配
送事業」
を進めてきました。
現在は、
「低温貨物共同輸配送事業」に加え、第2弾として大丸有地区を中心にエリア集配事業の実施に向
けた検討を進めております。なお、検討にあたっては
「丸の内ビルディング」
「新丸の内ビルディング」の館内物
流に携わり、館内のみならずエリア物流のノウハウをもつ佐川急便の協力を得ています。引き続き、安全・
安心な交通環境の実現に向けて協力をお願いします。
大丸有・神田地区等
グリーン物流促進協議会
事務局長
(株式会社エックス都市研究所)
坪内 崇 氏
SG HOLDINGS GROUP CSR Report 2015
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