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イギ リス サセックス大学 Genome Damage

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イギ リス サセックス大学 Genome Damage
 自主研究報告書 関岡 明憲
【日本での研究】
自主研究に臨むに当たって、研究テーマを一つに絞ることが難しかったので、武田先生
に相談しに行ったことが海外留学のきっかけでした。
海外留学には興味はあったものの、日々の授業・試験・部活等々の忙しさもあって、そ
のための準備に動くのが億劫になってしまい、自主研究期間直前まで何も研究のための準
備はしていませんでした。直前になって、自主研究期間何もしないのはどうかと思い、武
田先生に相談しに行ったところ、今からでも留学することができるという話を受けました。
その話を受けたのが日本を発つ3週間前くらいで、海外に行ったことがなかった私は、ま
ったく勝手がわからなかったので、その場の勢いで行くことに決めました。たまたまパス
ポートは持っていたものの、3週間で航空券を予約したり、もろもろの準備をするのは大
変でした。
また海外に留学するまでに何も研究について知らなければ受け入れ先にも迷惑になると
いうことで、基本的な知識と実験操作を身に着けるために、放射線遺伝学教室に2週間お
世話になりました。
ここでは大腸菌の培養と、DNA の調整、PCR 法などの原理と手技を教わりました。
ある程度基本的なことは教わることができましたが、やはり2週間では限られたことし
かできず、留学先では迷惑をかけることになり、またあまり専門的な実験を行うこともで
きなかったので、つっこんだ実験がしたければ、自主研究説明会の直後から実験手技など
を学びに週1回か2回程度であってもよいようなので、時間が許す範囲で研究室に入った
ほうがいいと思います。また留学を考えるのであれば、2ヶ月は準備期間を設けたほうが
よいと感じました。
【海外での研究】
私を受け入れてくださったのが、イギリスのサセックス大学のトニー・カー教授の研究
室でした。
研究では、日本での研究の続きのような形で、真菌の DNA を使って、ノックアウトを使
ったり、精製をしたり、組み替え DNA を作ったりと、基本的な操作を行いました。
日本での留学のための準備期間が短かったため、基本的なこともうまくできず、受け入
れ先の方々に迷惑をかけることも多々あり、もっと自主研究というものをガイダンスのこ
ろからまじめに考えればよかったと少し後悔しました。研究では、自分でテーマを考えて
実験を行うほどのことは出来ませんでしたが、研究室の外国人研究者の方たちとのコミュ
ニケーションを通じて、色々なことを考えさせられ、自分が将来学部を卒業した後どうす
るかを考える上で大きなプラスになったと思います。
またイギリスの研究室は、研究するときはする、休むときは休む、という様にはっきり
とメリハリをつけており、外国人研究者は朝9時までには出勤し、夕方の5時には必ず帰
る、という方が多かったです。日本人や中国人の研究者の方はよく働く人が多く、朝は1
0時くらいに出勤して、帰りは晩の8
9時になることが多かったです。私は日本人研究
者の人の下で研究していたので、平日はだいたいその方と同じ時間にラボに来て帰るよう
な生活になりました。かなり長い間拘束されるように感じるかもしれませんが、何か用事
があるときは早めに帰れますし、サセックス大学が結構田舎にあるため、研究した後に遊
びに行ったりするような場所は少なく、下宿に帰ってもあまりやることはなかったので特
に気にはなりませんでした。ラボにいる間も働きづめということはあまりなく、ある程度
自由に実験のペースを設定するよう指導されたので、適度に休憩しながら実験を進めるこ
とができました。特に PCR 法は何度も実行しましたが、1回1回の待ち時間が長いので、
その待ち時間の間にしなければならないこともあるときは忙しいですが、何もすることが
ないときは逆に手持ち無沙汰になったりもしました。
週末はほぼ完全にフリーだったので、大学周辺の観光地や、ロンドンなど色々見て回れ
たのでとても貴重な体験ができました。
現地での宿は、ホームステイではなく大学の寮のようなところに入ったため、イギリス
人以外の様々な国からきている人たちと触れ合い、普段日本で生活していたら体験できな
いカルチャーショックも毎日味わうことができました。留学してから1ヶ月経つころには
そこそこ英語でコミュニケーションする事にも慣れ、仲良くなることができた気がします。
【お金の話】
出発前に、イギリスに留学したことのある研究者の方に、ポンドは高い、と聞いていま
したが、実際高かったです。1ポンド=200円くらいなのですが、イギリス人にとって
は1ポンドが100円くらいの感覚のようでした。外食するとなると10ポンド以上かか
るのが普通で、サンドイッチとかが2ポンド以上、そこらへんに売ってるコーヒーとかも
1ポンドくらいするので、生活費はうまくやりくりしないとかさむかもしれません。ホー
ムステイするならともかく、寮で自炊となると、スーパーでうまく買い物をしていかない
とすぐお金はなくなると思います。
あと航空券ですが、帰国時期がお盆の時期を外れていたとはいえ、直前にとることにな
ったため、20万円くらいしました。早めにとればもう少し安くいけるようでしたが、そ
れでも15万円以上はします。6
8月は観光シーズンで高いみたいです。私の友人は1
月頃に同じイギリスに留学したのですが、そのころの航空券は10万円を切っていたそう
なので、その頃に行けば金銭的にはかなり経済的でしょう。ただし冬のイギリスは、昼が
かなり短いので、観光したければ避けたほうがよいかもしれません。
そういったわけで、留学決定から帰国までわずか2ヶ月程度という急展開で無事終える
ことができた留学生活ですが、その実現に忙しい中尽力していただいた放射線遺伝学教室
の武田先生、短い期間でしたが丁寧に指導していただいた園田先生、ならびにサセックス
大学で指導していただいた宮部さん、小木さんには大変お世話になりました。本当にあり
がとうございました。
後輩の方々も、もし留学に興味があるのであれば、まず気軽に先生方のところへ相談し
に行かれるのがよいと思います。
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