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3-1(目次,P1~18)(PDF:1310KB)
目
次
○
巻頭のあいさつ
大島地区文化協会連絡協議会会長
○
○
○
○
○
山田
薫
・・・・・・ 1
第30回国民文化祭・かごしま2015
「奄美芸能と黒潮文化の祭典」を終えて
奄美市文化協会長 山田 薫
・・・・・・ 2
国民文化祭を終えて
大和村文化協会副会長
中山
昭二 ・・・・・・ 5
親子で学ぶ茶道教室の活動について
∼伝統文化を通して親子の触れ合いを深める∼
宇検村文化協会事務局
俊岡
純男 ・・・・・・ 8
「仮面の世界 in 奄美」を開催して
瀬戸内町教育委員会
社会教育課
・・・・・・10
平成27年度龍郷町文化協会の活動について
龍郷町文化協会事務局
重田
・・・・・・13
美咲
○
郷土芸能伝承について思う
∼国文祭かごしま2015「郷土芸能フェスティバル in 喜界島」を通して∼
喜界町教育委員会生涯学習課長補佐 中山 佳也 ・・・・・・ 16
○
「民謡・民舞フェスタ in とくのしま」の取組を通して
∼国民文化祭・かごしま2015∼
徳之島町教育委員会社会教育課 寳田 健二 ・・・・・・ 19
○
大盛況
○
○
○
○
島口ミュージカル
∼国民文化祭を終えて∼
天城町文化協会会長
西
慶蔵 ・・・・・・ 22
伊仙町六調太鼓会長
平
美香子 ・・・・・・ 25
末川
貴彦 ・・・・・・ 27
六調太鼓の取組について
平成27年度の和泊町文化協会の取組について
和泊町文化協会事務局
知名町国民文化祭プレイベント 第15回五月の祭典
知名町文化協会青年部 西
佐穂里 ・・・・・・ 30
与論町文化協会の活動について ∼国民文化祭を通して∼
与論町文化協会事務局 内野 優三郎 ・・・・・・ 32
第30回国民文化祭・かごしま2015
「奄美芸能と黒潮文化の祭典」を終えて
奄美市文化協会長 山田 薫
1 はじめに
今年度は,国民文化祭が鹿児島県を舞台に開催された。奄美市では2つの大きな事業が実施され,
そのうち,「奄美芸能と黒潮文化の祭典」では,本市文化協会加盟団体を中心に県外からの出演者
を交えて,数多くの出演・出展のもと,盛大に開催することができた。
2 開催主旨
黒潮文化の流れを受けた奄美文化芸能と全国各地の文化芸能が奄美の地で一堂に会し,黒潮の
如く相互の交流が活発な文化の祭典とした。展示部門では,創作活動に鋭意取り組む人々の作品
を全国から募集し,入選作品を展示・発表するとともに,多くの出会いと交流の場を提供した。
3 期間
≪舞台発表≫ 平成 27 年 11 月 7 日(土)15:30∼
平成 27 年 11 月 8 日(日)15:30∼
≪作品展示≫ 平成 27 年 10 月 31 日(土)∼11 月8日(日)9:00∼18:00
4 会場
奄美文化センター
- 2 -
5 内容
(1) 舞台発表の部
舞台発表 1 日目(11 月7日) 15:30∼
№
1
2
3
5
6
7
団体名
島唄長雲会
杉 たかし
藤美流木村かし子教室
奄美高等学校家政科
手話選択者
CORE&サンビームキッズ
高千穂流 高扇会
柳清会本流琉舞道場
8
ダンススクール野崎
9
10
11
12
千波流 東雲会
島唄愛好会
休憩
沢井箏曲院 義永研究室
みやこ会
13
スタジオぽこ・あ・ぽこ
14
15
16
修武台吟詠奄美浩嶺会
藤扇流 奄美本部
民謡平井会
17
ハウオリ アイ スタジオ
4
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
宮坂流津山銭太鼓保存会
高屋支部
高千穂流 高千穂会
月下美人
休憩
奄美六調太鼓
Halau O Lehua O Kalani
奄美大島校
春日流 きよ錦会
花染会
隆柳流福沢教室
名瀬市民合唱団
Xhildren
玉城流琉扇會
山元孝子琉舞道場
鹿児島吟道会奄美支部
仙田流 名瀬教室
B→Matonds Dance School
種目
島唄
腹話術
日舞
手話コ
ーラス
ダンス
日舞
琉舞
社交ダ
ンス
日舞
島唄
舞台発表2日目(11 月8日) 15:30∼
№
団体名
1
野茶坊バンド
2
3
ベスト・フレンズ
桜華流奄美本部
4
リコフラダンス教室
5
6
7
8
9
箏演奏
日舞
タップ
ダンス
詩吟
日舞
民謡
フラダ
ンス
11
12
13
14
15
16
17
18
銭太鼓
19
日舞
大正琴
20
21
六調太
鼓
フラダ
ンス
日舞
島唄
日舞
合唱
ダンス
22
23
日置三味線教室
綾木流琴芙紫会
根瀬部棒踊り保存会
生元島唄三味線会
綾木流剣詩舞道大島支部
コーラスサークル
「フラワーガーデン♪」
休憩
奄美大正琴愛好会
水沢流 美寿々会
ダンススタジオ With
鹿児島太極拳協会奄美教室
一条流・千扇会
西村ダンス教室
あやまる会
藤野流 藤野会
リッコモダンジャズバレエ
スタジオ
一条流紫寿音会
森山三味線教室
休憩
アマービレ吹奏楽団
誠詠会
24
フラカオスタジオ
25
26
一条流・一条会
阿世知やまびこ会
27
ロイヤルフラ仲山教室
28
29
藤美流・鈴紫乃会
昇民謡教室
30
舞舞オールオーラ
31
32
隆柳勘大社中
サンシン同好会
琉舞
詩吟
日舞
ダンス
10
- 3 -
種目
バンド
演奏
新民謡
日舞
フラダ
ンス
島唄
日舞
棒踊り
島唄
日舞
合唱
大正琴
日舞
ダンス
太極拳
日舞
ダンス
島唄
日舞
ダンス
日舞
島唄
吹奏楽
詩吟
フラダ
ンス
日舞
島唄
フラダ
ンス
日舞
島唄
フラメ
ンコ
日舞
島唄
(2) 作品展示の部
一般:絵画 40 点 書道 80 点 写真 60 点 短歌 120 点 俳句 140 点 手工芸 200 点
生花 30 点 盆栽 60 点
6 おわりに
前述のとおり,今年は国民文化祭の一環として,例年開催している市民文化祭を踏襲し,より
スケールアップした形での開催となった。展示部門においては,全国公募の写真コンテストを開
催し,入賞・入選作品を展示したほか,島内の文化団体から御協力のもと,様々なジャンルの作
品が約 730 点展示された。舞台発表部門においては,県外からの出演者を交え,計 63 団体,延べ
1,100 名の方が出演され,2日間にわたる舞台発表を大いに盛り上げていただいた。
- 4 -
国民文化祭を終えて
大和村文化協会
1
副会長
中山 昭二
はじめに
平成27年10月31日から11月15日まで,第30回国民文化祭・かごしま
2015が行われました。大和村においても教育委員会が中心となり,3年間,企
画や準備に取り組み,大会成功を最大目標に大会を迎えました。村全集落民を対象
にした文化祭は初めての試みであり,不安いっぱいのスタ−トでしたが,大会が近
づくにつれて住民の意識も高まり当初の不安を打ち消す,素晴らしい国民文化祭と
なりました。また,今回の開催を通して,自分が生まれたシマの文化の大切さを感
じた国民文化祭となりました。
2
趣旨
この大会は「芸術文化の素晴らしさを再認識するとともに,様々な文化芸能に触
れ合う機会を持ち,伝統文化を絶やすことなく次世代へ引き継ぐ」ことを目的とし
ました。
3
概要
平成25年度に教育委員会内に大和村国民文化祭実行委員会および企画委員会を
立ち上げ,村内の各種委員もメンバーへ加え,大会テ−マ・内容について,企画委
員会で何度も協議し中身の充実した国民文化祭を目指して会を重ねました。メイン
会場には体育館を,展示会場には防災センターホールを利用して実施することにな
りました。26年度中にはプログラムも決定し,集落の区長さん方へ説明会を開き,
協力を依頼するとともに,役場職員にも大会スタッフとして協力を依頼し,全住民
参加の国民文化祭を目標に取り組みました。
4
活動状況
大会テ−マは「いにしえの文化」「新たな風」「シマジマの夜」の3部門で構成しま
した。第1部は,オープニングとして大和浜集落に伝わる伝承文化,棒踊りで幕が開き
ました。中高生,青壮年による勇壮果敢な棒踊りに伝承文化の素晴らしさと魅了されま
した。第2部は「自然と文化の宝庫」と題して,博物学者の荒俣 宏氏の講演を聞きまし
た。奄美通の荒俣氏から奄美の素晴らしさや日本文化の繁栄には奄美が深く関わってい
ることなど聞くことになりました。講演後は,ルーツが大和村である歌手の城 南海さん
の歌で会場は美声に酔いしれ感動しました。城 南海さんは祖父が大和村出身ということ
で観光大使第1号に任命させていただきました。第3部は,体育館内に特設された土俵
で行司による相撲古説の口上から始まり,青年6名による奉納相撲を捧げ,その後土俵
の周りで村内8集落による八月踊りが披露されエネルギーが炸裂し,会場一体となり盛
- 5 -
り上がり,素晴らしい大和村の八月踊りとなりました。隣の会場では「大和村の情景」
として応募104点のフォトコンテスト部門展示を開催し,多くの方に来場して頂き好
評の展示発表となりました。
5
成果と今後の課題
今回の国民文化祭においての大和村の一番の成果は,半年あまりの八月踊りの練
習の中で,それぞれの集落が伝承文化の大切さや楽しさを共有できたことだと思い
ます。中には八月踊りの文化が途切れるのではと心配していた集落もあるなかで,
老人クラブなどの協力をもらい,以前のような踊りを再現できたことは,各地区に
とって大きな意義があったと思います。今後はこの大会で得た文化の継承を絶やさ
ないように,各集落が文化の大切さを認識することで,後継者を育てていくことが
大きな課題だと思います。
- 6 -
6
おわりに
今回の国民文化祭において主催者側が懸念していたことは,メインである大会最
後の集落八月踊りが成功するかということでした。八月踊りの担い手が減少し,伝
承が下火気味な集落もある昨今,初めは八月踊りの披露に乗り気でない雰囲気もあ
りましたが,練習を重ねていくうちに熱が入り,各地区公民館での練習に参加する
人々も徐々に増え,本番では素晴らしい八月踊りを披露できるようになりました。
国民文化祭当日,集落のお年寄りや青壮年,婦人,子どもたちが一つの輪をつくり,
心を合わせて一体になった八月踊りは,まさに各世代に脈々と文化が受け継がれて
いく姿そのものでした。私たちは自分の身近にある自然や文化への興味が薄くなり
がちです。しかし,奄美の自然や文化はシマ独自の大切な財産であり,今回の国民
文化祭の開催を通じて,改めて祖先から受け継いだ集落の文化を継承することの意
味を考えるきっかけとなったのではないでしょうか。
- 7 -
親子で学ぶ茶道教室の活動について
∼伝統文化を通して親子の触れ合いを深める∼
宇検村文化協会事務局
1
俊岡
純男
はじめに
「親子で学ぶ茶道教室」は平成24年度に自主開設され,平成25年度からは文化庁の
事業を活用し,村子ども会育成連絡協議会が主体となり,伝統文化親子教室事業として実
施されています。現在は,未就学児から中学生までの子ども17名とその保護者らが参加
し,月1
2
2回行われる教室で茶道の精神や基本的な作法を学んでいます。
趣旨・概要等
日本古来の伝統文化の一つである茶道に,親子で親しむ体験を通して,「和(素直な心)
・敬(敬いの心)・清(清らかな心)・寂(落ち着いた心)」の精神や礼儀作法の習得及
び個々の豊かな感性を養うとともに,親子の触れ合いを深めることを目的に実施していま
す。
親子で多種多様な体験活動を経験することで,家庭の絆を深めることはもとより,地域
の伝統文化を通して脈々と受け継がれてきた先人の知恵や技術を学び,郷土への理解が図
られるものと考えています。
3
活動計画
教室の内容
日
程
開講式
ビデオ鑑賞・茶会
6 月 27 日
基礎練習Ⅰ
前回の復習・着座の姿勢・お辞儀の仕方・茶のいただき方
7 月 18 日
基礎練習Ⅱ
前回の復習・ぜん襖の開け閉め方・畳の歩き方
8 月 22 日
基礎練習Ⅲ
前回の復習・棗,茶杓の清め方
9 月 26 日
予行練習
大会会場でお茶を点てるまでの予行練習
10 月 31 日
大会参加
第 30 回国民文化祭宇検村主催事業へ参加
11 月 15 日
基礎練習Ⅳ
大会の振り返り,分略点前(お茶を点てるまで)
12 月 19 日
閉講式
ミニ茶会・奨励賞授与
1 月 16 日
(ア) 時
間:午前 10 時から 11 時 30 分まで
(イ) 場
所:宇検村生涯学習センター「元気の出る館」和室
(ウ) 指導者:茶道裏千家淡交会奄美大島支所
- 8 -
師範5人
4
活動状況
親子で学ぶ茶道教室では,講師の方々による懇切丁寧な指導のもと,参加者が座り方や
お辞儀の仕方などの礼法,お茶,和菓子のいただき方など一連の動作を学びました。高学
年はお茶を点てる作法まで学ぶことができました。
また,今年度は11月15日(日)に本村で開催された第30回国民文化祭・かごしま
2015の宇検村主催事業である「やけうちの文化と音楽の祭典」へ参加し,茶席の会場
で子どもたちがお茶を点て,茶菓子の配膳も行いました。笑顔で話をしながら,慎重に茶
菓子を手渡す子供たちの“おもてなし”に,来場者からは「とても可愛らしく,しっかり
とした対応に感激しました。」等と好評をいただきました。
真剣な表情で茶道に取り組む参加者
国民文化祭へ向けての練習の様子
国民文化祭で茶菓子を手渡す児童
5
多くの方が来場した国民文化祭の茶席
おわりに
今年度で4年目となりますが,年を重ねるごとに参加者の茶道に対する想いや礼儀作法
の向上が図られているとともに,集中力を持続する力を身に付けていると感じています。
11月に参加した国民文化祭も,人前での振る舞い方等を学ぶことができ,子供たちにと
って大変貴重な体験となりました。
また,教室以外でも参加者が集まり食事会を楽しむなど,他校区の児童生徒や保護者同
士の交流も図られており,とても良い波及効果をもたらしています。
今後も活動を継続し,伝統文化に触れる良い機会にしていきたいと思います。
- 9 -
「仮面の世界in奄美」を開催して
瀬戸内町教育委員会
社会教育課
1 はじめに
第30回国民文化祭が鹿児島県で開催され,本町においては「仮面の世界 in 奄美」と題して
“この国の異形礼讃”をテーマに開催した。本町が誇る,
国指定重要無形民俗文化財「諸鈍シバヤ」と県指定無形
民俗文化財「油井の豊年踊り」を核に全国から仮面文化
を一堂に集めようというものである。
その取組について紹介したい。
2 趣旨
全国各地には,伝統的な芸能や行事のなかで受け継がれてきた仮面とその文化があり,それら
が大和文化と琉球文化が交錯する「奄美」の地で一堂に会し,発表という名の〈饗宴〉を通して
文化交流をすすめることによって,その奥深き魅力や多種なる豊かさの再発見につなげる。
3 事業内容
①舞台 北は秋田から南は沖縄県石垣島までの10団体が出演し,奄美群島内から3演目,南
の沖縄から3演目,北の本土域から3演目とこの国の広がりを意識したバランス構成で,
笑い,恐れなどの感情表現が豊かな構成とした。
②展示 鹿児島県内の仮面文化を伝えるべく「仮面の世界 in 鹿児島」というタイトルで南西諸
島各地に伝わる紙面を一同に展示し,そのバリエーションの豊かさを来場者に伝えた。
併せて出演団体の紹介も行った。
③紙面作り
地域参加の輪を少しでも広げるべく,紙面作りを
町民の協力を得て,開催当日までに計 1,000 個を作
成し,会場や市街地商店街等に展示し,事業終了後
は,来客にお土産として提供した。
また,子どもたちや高齢者を対象にした,夏休み
仮面作り体験等も実施し,子どもからお年寄りまで
が「諸鈍や油井」に残る伝統技能を学ぶ機会となった。
④交流会 出演団体・地元関係者が一堂に会し,
「またうがも∼また会いましょう∼」交流会を
実施し,島の食材を使った「おもてなし料理」やクロマグロ,各団体が持ち寄った地
酒を酌み交わし,親交を深めた。併せて,文化協会等による郷土芸能も紹介した。
- 10 -
5 出演団体及びプログラム
① 油井の豊年踊り (鹿児島県 瀬戸内町)県指定無形民俗文化財
② 与論十五夜踊り (鹿児島県 与論町 )国指定重要無形民俗文化財
③ ペンシマ
(沖縄県
伊江村 )国指定重要無形民俗文化財
④ 佐陀神能
(島根県
松江市 )ユネスコ無形文化遺産
⑤ 醜童
(玉城流琉扇會山元孝子琉舞道場)
国指定重要無形文化財「琉球舞踊」の演目のひとつ
⑥ 諸鈍シバヤ
(鹿児島県
瀬戸内町)国指定重要無形民俗文化財
⑦ アンガマ
(沖縄県
石垣市 )
⑧ 永田のひょっとこ踊り(宮崎県 日向市)市指定無形民俗文化財
⑨ 特別出演 男鹿のナマハゲ(秋田県 男鹿市)国指定重要無形民俗文化財
・男鹿のナマハゲ
・なまはげ太鼓
★グランドフィナーレ 仮面大集合の「六調」総踊り
6 文化協会のかかわり
本町文化協会は,44団体約800名の会員が所属し,それぞれに活動している。
今回,
「第30回国民文化祭・かごしま2015」瀬戸内町実行委員会に所属し,大会のPRや会
場設営,案内や昼ステージ,夜の交流会への島唄や琉球舞踊,八月踊り等の出演で事業に携わっ
た。当日は,約400名の会員の皆さんが来場し,全国各地に伝わる「仮面文化」を鑑賞するこ
とができた。
平成27年度は,国民文化祭が開催されたことから,例年開催される「町文化祭」は中止とし
たが,文化協会団体でもある瀬戸内ケーブルテレビを中心に,「チャリティー文化祭」を入場料
300円で1月に実施した。
例年,行政主導であったが,文化協会を中心に開催でき,約600名の町民が来場され,約
400枚のチケットが売れたとのことである。
この機会をきっかけに自主運営できる文化協会の一歩を踏み出したのではないかと思う。
- 11 -
7 成果と今後の課題
清水の総合体育館での開催ということもあり,当初 1,000 人の入場客を目標として準備を進め
てきたが,当日来客は目標を大きく上回り,1,800 人余りの来場を得て好評であった。まさに嬉
しい悲鳴であったが,その反面,パンフレットは 1,500 部用意したが来客の全てには行きわたら
ず,また,昼食も 1,000 食準備したが不足することとなった。
会場はオープニングから満杯となり立ち見客であふれる状
態であったが,プログラムはスムーズに進行し,特別出演の
「男鹿の鹿のナマハゲ」の出演時にはクライマックスを迎え
た。
グランドフィナーレは,油井の豊年踊りの演奏,諸鈍シバ
ヤを先頭に出演者が仮面のまま入場し,奄美の伝統文化「六
調」で会場全体が“ひとつ”になり所期の目的が達成された
瞬間であったと思う。
約 1,800 人の観客,約 150 人の出演者,約 150 人のスタッ
フの皆さんがこの事業をとおして,文化交流し,民俗芸能文
化の深さや魅力,本町文化財への誇りを感じることができた
ことは大きな成果であり,併せて,新聞紙面やテレビ,SN
S等情報媒体による波及効果も大であり,記録と記憶に残る
「仮面の世界 in 奄美」であったと思う
今後,更なる民俗文化財の保存・継承活動及び発展並びに
関係機関団体と連携を図り,観光や地域の振興にどう繋げるかが課題である。
8 おわりに
「奥深き魅力」事業を終えた私の感想であり,本町の誇る国及び県指定重要無形民俗文化財「諸
鈍シバヤ」
「油井の豊年踊り」の価値の高さ,「西阿室のテンテン踊り」
「実久棒踊り」「蘇刈棒踊
り」
「網野子アンドンデー」
「嘉鉄ソーラ釣り踊り」
「勝能トラ踊り」など,本町に残る郷土芸能,
民俗芸能の多種なる豊かさを再発見する機会となった。
毎年,旧の8月15日には「油井の豊年踊り」,旧の9月9日には「諸鈍シバヤ」がそれぞれの
地で開催され,どちらも関係者や観光客等で賑わっており,
「西阿室のテンテン踊り」等も日程が
定められ,各地で開催されている。
郷土芸能,民俗芸能にスポットをあて,それぞれ価値の再認識とステップアップ(町や県・国
の指定)が必要となってきているのではないかと感じる。
併せて,海の駅や加計呂麻島体験交流館では,紙面が販売され,仮面作りが体験できるコーナ
ーがあり,お面の形をしたお菓子やキーホルダーなどのお土産を求める観光客で賑わい,2年や
4年に1度,文化協会主催「奄美(あまみ)郷土芸能祭」が日本を代表する民俗芸能団体を特別
出演で招待し,賑やかに開催され,観光や地域づくり,伝統文化の伝承,豊かな人,地域づくり,
活性化に繋がればなぁと思う,今日この頃である。
- 12 -
平成27年度龍郷町文化協会の活動について
龍郷町文化協会事務局
1
重田
美咲
はじめに
龍郷町文化協会は,地域文化の創造発展をはかり,文化団体相互の連絡と親睦を深め,郷土
文化の振興に寄与することを目的としている。
本町文化協会は,16団体約200名の会員各団体で活動をしており,加盟している多くの
団体は,2月に行われる龍郷町民フェア前夜祭の舞台発表に向けて稽古に励んでいる。
今回は,龍郷町文化協会主催の町民フェア前夜祭の紹介をしたいと思う。
2
町民フェア前夜祭の趣旨・目的
龍郷町の産業・文化の振興発展と町民相互の親睦,健康増進を図り,楽しく豊かに住める郷
土の明日と健康の保持増進を願う目的で開催される町民フェアに伴い,前夜祭において常日頃,
奄美の伝統文化・芸能を公民館講座等において,鍛練,努力している文化協会加盟団体による
独自の創作,演技の発表の場を設け,本町伝統文化の継承と底辺拡大を呼びかけ,町民が一体
となって楽しむことを趣旨としている。
3
「町民フェア前夜祭」の活動状況
町民フェア前夜祭は,龍郷町文化協会主催で行っているイベントということで,本町文化協
会に加盟している団体のみが出演している。
町民フェア前夜祭タイムスケジュール
12月
9日
第1回実行委員会
出演団体への説明
【提出書類や著作権について】
1月
6日
第2回実行委員会
プログラム抽選
練習日の抽選
チケットの配布
1月21日
∼2月 9日
各団体りゅうゆう館での練習
2月10日
ゲネプロ(通しリハーサル)
2月12日
広報活動
新聞社・FM
2月16日
第3回実行委員会
最終打ち合わせ
- 13 -
町民フェア前夜祭プログラム
予定時間
出演団体
18: 00
オープニング
演目:題名
18: 05
文化協会会長あいさつ
町民歌
伊勢
勝義
第1部
18: 15
18: 20
18: 25
18: 30
龍郷町混声合唱団・芦徳
コーラス
「筑波山 麓男 性合唱団 」
「糸」
「ワイド 節」
「そてつ の実 」
奄美新民謡教室
18: 35
「南風
夢の 風」
ひな壇・ピアノの移動
18: 40
藤扇流龍郷支部
「天 龍三度坂」
18: 45
龍郷町公民館講座琉球舞
「かぎや で風 」
18: 50
踊教室
「黒島口 説」
18: 55
一条流寿扇会
「旅 がらす」
休息(10分)
第 2部
「島育ち」
19: 10
大正琴
19: 15
「ゴンド ラの 唄」
「カヴィ カ」
19: 20
フラカオスタジオ
19: 25
19: 30
19: 35
19: 45
20: 00
奄美新民謡教室
「望郷じ ょん から」
「徳之島 節」 福山
「豊 年 節」 平
隆柳勘代社中
一条流寿扇会
龍郷町島唄保存会
- 14 -
「女鬼龍 院」
「野茶坊 節」 村山
龍郷町島唄保存会
19: 55
「カピリ ナ」
「ワヒネ ホロ リオ」
綾木流琴藤会
19: 40
19: 50
「草津節」
「北海め おと 節」
「兜」
「が まん坂」
美智子
幸司
久美
藤扇流龍郷支部
綾木流琴芙紫会
隆柳木勘大社中
フラカオスタジオ
4
一条流寿扇会
成果と課題
成果としては,出演する各団体から2∼3名出し実行委員会組織をつくり,広報活動やチケ
ットの販売など当舞台を支える側に就いてもらったことである。舞台運営に携わることで,各
団体独自のイベント開催などに繋がっていくと思う。
課題としては,このイベントを行政が行っていると勘違いしている会員もおり,イベント終
了の片付けなど「何故,やらないといけないの」と言う方も若干いる。実行委員会に入ったメ
ンバーだけで運営するのではなく,会員みんなで作り上げているイベントだという認識を今一
度訴えていかないといけないと思っている。
5
おわりに
町民フェア前夜祭には,毎年沢山の方が来場して下さり,このイベントに出演する会員もい
いステージを披露できるよう,日々稽古に励んでいる。今後も,町民が一体となって楽しむ場
を提供したい。
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郷土芸能伝承について思う
∼国文祭かごしま2015「郷土芸能フェスティバル in 喜界島」を通して∼
喜界町教育委員会生涯学習課長補佐
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中山
佳也
はじめに
各都道府県持ち回りで開催される国内最大の文化の祭典「第30回国民文化祭」が鹿児
島で行われ,多種多様なイベントが県内各地で開催された。
喜界町では,「郷土芸能フェスティバル in 喜界島」と埋蔵文化財シンポジウム「境界領
域のダイナミズム in 喜界島」を開催した。郷土芸能フェスティバルでは「地域文化との出
会い」(1日目),「次世代への架け橋」(2日目)をサブテーマに本町の郷土芸能や全
国各地の素晴らしい郷土芸能との共演を通して,日本文化の素晴らしさや本町に残る伝統
芸能伝承の必要性を強く感じた。
郷土芸能フェスティバルの企画・運営について感じたことを紹介したい。
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企画の趣旨
歴史や伝統文化が色濃く残る本町であるが,少子高齢化の進む現在では各集落の伝統行
事や伝統文化が薄れつつあり,また,伝承者が高齢のために活動が困難な集落も少なくな
い。
そのため,普段から目にする機会も少なくなってきており,今後の喜界島の伝統文化の
存続が危ぶまれている。
今回の国文祭を機に町民が奮起し,伝統文化の良さを改めて感じていただくとともに,
各集落における伝統行事や文化活動を通して,地域活性化にも繋げてほしいとの思いから
今回のイベントを企画した。
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活動組織等
(1)第30回国民文化祭・かごしま2015喜界町実行委員会
会長
1名
副会長
4名
委員
20 名
(2)第30回国民文化祭・かごしま2015喜界町実行委員会企画委員会
企画委員長
1名
副委員長
1名
委員
11 名
(3)第30回国民文化祭・かごしま2015喜界町実行委員会事務局
事務局長
班員
1名(生涯学習課長)
7名(生涯学習課職員)
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事務局次長
1名(生涯学習課課長補佐)
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概要
第30回国民文化祭・かごしま2015「郷土芸能フェスティバル in 喜界島」
開催日時
平成27年11月7日(土),8日(日)
場
喜界町体育館
所
出演者の種目・内容等
※プログラム順
【1日目テーマ「地域文化との出会い」】
① 喜界島太鼓
② 紅倫の会
照屋倫子琉舞道場(琉球舞踊)(沖縄県)
③ samaziki(オリジナル創作ダンス)(喜界町)
④ 喜界島民謡保存会(奄美民謡)
⑤ あべや(阿部金三郎・銀三郎)(津軽三味線)(東京都)
⑥ 吹奏楽及び合唱(テーマ曲・イメージソング)喜界高等学校吹奏楽部・喜界中学校
吹奏楽部・喜界島ウィンドアンサンブル・喜界中学校生徒・町民一般
⑦ 中里子ども会(伝統行事)(喜界町)
志戸桶十五夜会(八月踊り)(喜界町)
⑧ 古田佳子(日本民謡)(栃木県)・村山優山(尺八奏者)(熊本県)
【2日目テーマ「次世代への架け橋」】
① 安田民謡教室(奄美民謡)(喜界町)
② 上嘉鉄東集落ソーバン踊り保存会(伝統芸能)(喜界町)
③ 山本長刀踊り保存会(伝統芸能)(香川県)
④ 上嘉鉄集落八月踊り保存会(喜界町)
⑤ 勝山左義長ばやし保存会(囃子)(福井県)
⑥ 赤連集落薙刀踊保存会(喜界町)
⑦ 寿扇流(舞踊)(喜界町)
⑧ 大哲会(大工哲弘・苗子)(八重山民謡)(沖縄県)
⑨ 喜界サガマー(伝統芸能)(喜界中学校生徒)
⑩ 牧岡奈美(奄美民謡)(東京都)・川畑さおり(奄美民謡)(喜界町)
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フェスティバル名場面
イメージソング「タイムカプセル」
勝山左義長ばやし(福井県)
(吹奏楽及び合唱)
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成果と今後の課題
文化の祭典「国民文化祭」を通して,全国各地の郷土芸能や故郷喜界島の郷土芸能の良
さを再発見することができ,町民の意識の高揚に多大な影響を与えたイベントであった。
町民からは「素晴らしい内容で感動した。」「長生きしていればいいことがあるのだね。」
「次は47年後かな。それまで元気に頑張るかな。」等の声が聞かれた。
しかしながら,地域行事を通して住民が一丸となって活動することは地域の発展に繋が
るが,少子高齢化により伝承が非常に困難な状況になってきていることに違いはない。
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おわりに
○
歴史と文化の香りが漂い,オオゴマダラが優雅に舞う島・喜界島,「き らりと
く
○
か がや
○
い い島・喜界島」において,第30回国民文化祭・かごしま2015「郷土芸能フェ
スティバル in 喜界島」が盛大に開催されたことは,本町にとってはもちろんのこと,
7,000 名余りの町民にとっても大きな財産になったことは間違いない。
微力ながら企画・運営に携わることができたことを嬉しく思う。先人たちが築き挙げて
きた文化を,これからの時代を担う子どもたちに受け継ぎ,より一層,地域が活性化して
いくことを期待したい。
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