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DarWin Capital Partners 独立系投資顧問会社

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DarWin Capital Partners 独立系投資顧問会社
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独立系投資顧問会社
独立系投資顧問会社
2012.4.1
今週から AIJ 投資顧問浅川社長の参考人質疑がスタートしている。この問題が発覚してから既に 1 ヶ月
が立つが、依然として世間の注目度は高い。
正直、筆者はここまでこの話題が引っ張られるとは想定していなかった。
こんな言い方は適切ではないかもしれないが、ただの「詐欺事件」である。
別に厚生年金基金の積立て不足は今にはじまったことではない。
また、古今東西、この種の輩は存在する。未来も現れるであろう。投資顧問会社は大きなインフラを必
要とせず、組織は小さく参入が容易である。バレたら捕まることを覚悟で仕事をされたら、どんなチェ
ック体制を持ってしても防ぐのは難しい。
にも関わらずここまで注目されるということは、いかに世の中の「年金」への関心が強いかということ
であろう。
さて、報道の中で気になったのは、今回の AIJ 問題への反省から以下のような方針を打ち出す年金基金
がある点である。
「独立系の投資顧問会社とは新規契約をしない方針」
(大手情報システム)
「ヘッジファンドへの投資を増やす方向だが、対象は大手信託銀行の扱う商品に限る方針」(大手
海運)
「投資先を年金コンサルティング会社の推奨ファンドに限定」
(大手自動車部品)
「2012 年 4 月からヘッジファンドなどオルタナティブ投資での運用をやめ、国内債券の比率を 35%
から 60%に引き上げる」
(大手精密機器)
「ヘッジファンド投資は打ち切る」
(大手商社)
困ったことである。弊社にとっては逆風である。
幸いにして弊社が助言を行っているファンドの顧客からは、解約などの連絡はいただいていないが、周
囲では今回の AIJ 問題に関連して年金基金からの解約が発生しファンドを閉じるケースも発生している。
上記のような報道を見ていると、年金基金=機関投資家の姿勢として正しい方向性に向かっているの
か?という疑問が生まれてくる。
そもそも、年金基金は資金を積み立て、その運用を外部に委託する。この委託先を選定するのが年金基
金の最重要業務である。
「独立系の投資顧問会社とは新規契約を実施しない」
、
「対象は大手信託銀行の扱う商品に限る」
、
「コン
サルティング会社の推奨ファンドに限定」といった方針は、
【委託先を選定する】という最重要業務を
放棄していることと同じである。
果たして大手金融グループに委託したところで、今回のような問題は発生しないのだろうか?
AIJ のケースの場合、販売証券会社(アイティーエム証券)の大株主は AIJ 投資顧問である。つまり委託先
全体を俯瞰してみると、1 つの金融グループのようにも見える。
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グループ全体に委託してしまえば、当然のこととして相互牽制機能が働きにくくなる。
大手金融グループでは、利益相反や違法取引など不祥事は発生しないのだろうか?おそらくそうではな
い。このことは世の中全員が知っていることであろう。
問題の本質は、
「どこに委託するか」ではない。大手金融グループに委託しようが、独立系に委託しよ
うが、委託先に関係なく年金基金は受託者の投資行動をチェックし続けなければならない。
最初に投資基本方針を確認した上で、その方針に忠実な投資行動がなされているか。基本方針・投資行
動と投資パフォーマンスが整合的であるかどうか。
これからは、上記のようなプロセスが更に重視されるようになると思われる。
つまり、運用の可視化である。
実は、足元の状況は事件直後ということもあり独立系投資顧問会社に逆風であるが、事態が正常化した
後は弊社には追い風が吹くと筆者は思っている。
現在でも、弊社の助言プロセス及び助言先運用会社の運用プロセス・投資行動は顧客に対して十分に開
示されている。開示レベルはトップクラスであると思われる。隠している箇所がないのである。おそら
く見せ過ぎである。
一方、投資方針・投資行動をブラックボックスにしている投資顧問会社は多い。AIJ のケースでも投資
行動はほとんど開示されていなかったようだ。そして投資パフォーマンスのみに注目した年金基金が被
害を被ることになるのである。
さまざまな投資家がいるので、別に投資行動の詳細をブラックボックスにしていることが悪いわけでは
ない。ただし、少なくとも年金基金からは今後情報開示が更に求められるであろう。
また、投資方針・投資行動の情報開示だけでなく、関与者間(投資家、運用委託先、証券会社、信託銀
行等)での相互牽制のしくみ導入、など改善できるポイントは非常に多い。
こういった箇所をいち早く修正し、逆にアピールポイントにつなげていくことで今後ビジネスチャンス
も拡大していくことであろう。別に年金基金がなくなるわけではないのだ。
さて、どこから着手していこうか。弊社のウリは、
「独立系」であり、
「進化」していくことである。
【F】
当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ダーウィンキャピタルパートナー
ズ株式会社(以下当 社)が作成したものであり、特定の有価証券の勧誘および投資顧問契
約の勧誘等を目的とするものではありません。また本情報に基づいて行われる判断につい
て、当社は一切の責任を負いませんので、投資にあたっては利用者自身の判断になされる
ようお願いいたします。
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